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特許7499884不揮発性メモリシステムのための自己タイミング感知アーキテクチャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】不揮発性メモリシステムのための自己タイミング感知アーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
   G11C 7/08 20060101AFI20240607BHJP
   G11C 7/06 20060101ALI20240607BHJP
   G11C 7/10 20060101ALI20240607BHJP
   G11C 16/28 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
G11C7/08
G11C7/06 120
G11C7/10 415
G11C16/28
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022570152
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 US2020061138
(87)【国際公開番号】W WO2021236152
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-01-11
(31)【優先権主張番号】63/027,472
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/095,331
(32)【優先日】2020-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】フルーリオ、マッシミリアーノ
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-203872(JP,A)
【文献】特開平10-083678(JP,A)
【文献】特開2005-174504(JP,A)
【文献】特開平11-283376(JP,A)
【文献】特開平9-231771(JP,A)
【文献】米国特許第5467312(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 7/06 - 7/10
G11C 16/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリシステムであって、
メモリアレイと、
感知イネーブル信号を出力することによって、前記メモリアレイの選択されたメモリセルの読み取り動作を開始するための読み取り制御論理と、
前記感知イネーブル信号に応答して、前記選択されたメモリセルに記憶された値を示す前記選択されたメモリセルに結合されたビット線から受け取った電流に基づく出力、及び前記出力の反転(inverse)を出力するための前記メモリアレイに結合された感知回路と、
前記出力及び前記出力の前記反転を受信するための、かつ前記出力及び前記出力の前記反転が異なる値であるときに制御信号をアサートするための自己タイマと、
前記制御信号に応答して、前記出力をラッチして、データ出力を生成するためのデータラッチであって、前記データ出力が、前記選択されたメモリセルに記憶された前記値である、データラッチと、を備える、メモリシステム。
【請求項2】
前記感知回路は、電流-電圧変換回路及びコンパレータを備える、請求項1に記載のメモリシステム。
【請求項3】
前記自己タイマは、前記出力及び前記出力の前記反転を入力として受信して、前記制御信号を生成する、XOR回路を備える、請求項2に記載のメモリシステム。
【請求項4】
前記読み取り動作の前に、前記出力は、前記出力の前記反転に等しい、請求項3に記載のメモリシステム。
【請求項5】
前記読み取り動作の前に、前記出力は、前記出力の前記反転に等しい、請求項2に記載のメモリシステム。
【請求項6】
前記自己タイマは、前記出力及び前記出力の前記反転を入力として受信して、前記制御信号を生成する、XOR回路を備える、請求項1に記載のメモリシステム。
【請求項7】
前記読み取り動作の前に、前記出力は、前記出力の前記反転に等しい、請求項6に記載のメモリシステム。
【請求項8】
前記読み取り動作の前に、前記出力は、前記出力の前記反転に等しい、請求項1に記載のメモリシステム。
【請求項9】
メモリアレイの選択されたセルを読み取る方法であって、前記方法は、
イネーブル信号を出力することによって、前記選択されたセルの読み取り動作を開始するステップと、
前記イネーブル信号に応答して、前記選択されたセルに記憶された値を示す前記選択されたセルに結合されたビット線から受け取った電流に基づいて出力を生成し、前記出力の反転を生成するステップと、
異なる値である、前記出力及び前記出力の前記反転に応答して、制御信号をアサートするステップと、
前記制御信号に応答して、前記出力をラッチして、データ出力を生成するステップであって、前記データ出力が、前記選択されたセルに記憶された前記値である、生成するステップと、を含む、方法。
【請求項10】
前記出力の前記生成は、電流-電圧変換回路及びコンパレータを備える感知回路によって実施される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記制御信号は、前記生成された出力及び前記出力の前記生成された反転を入力として受信するXOR回路によって生成される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記開始ステップの前に、前記出力は、前記出力の前記反転に等しくなるように設定される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記開始ステップの前に、前記出力は、前記出力の前記反転に等しくなるように設定される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記制御信号は、前記生成された出力及び前記出力の前記生成された反転を入力として受信するXOR回路によってアサートされる、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記開始ステップの前に、前記出力は、前記出力の前記反転に等しくなるように設定される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記読み取り動作の前記開始前に、前記出力は、前記出力の前記反転に等しくなるように設定される、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2020年5月20日に出願され、「Self-Timed Sensing Architecture for a Non-Volatile Memory System」と題された米国仮特許出願第63/027,472号、及び2020年11月11日に出願され、「Self-Timed Sensing Architecture for a Non-Volatile Memory System」と題された米国特許出願第17/095,331号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
不揮発性セルのアレイ内の選択されたセルを読み取るための自己タイミング感知アーキテクチャが開示される。感知回路は、安定した感知値が選択されたセルから取得されたときに信号を生成し、安定した感知値は、選択されたセルに記憶された値を示す。信号は、感知動作の終了を示し、安定した感知値を読み取り動作の結果として出力させる。
【背景技術】
【0003】
不揮発性メモリシステムでは、読み取り動作は、選択されたメモリセルに記憶されたデータ値を決定するために使用される。これは、多くの場合、セルによって引き出された電流を基準セルに対して、又は基準セルによって引き出される電流に対して比較することによって、選択されたメモリセルに記憶された値を「感知する」感知回路の使用を必要とする。この動作は、選択されたメモリセルに記憶されたアナログ情報をデジタル出力に変換することを目的とした、タイミングイベントのシーケンスを伴う。
【0004】
先行技術では、読み取りタイミングは、実際の読み取り持続時間と一致するように試みるタイマによって実装される。しかしながら、アレイ内の異なる選択されたメモリセルの実際の読み取り持続時間は、電圧源、動作温度、半導体プロセス、及びセル電流の違いに起因して広い変動を有し得る。結果として、読み取りタイマ設計は、これらの変動に適応するのに十分なマージンを必要とする。先行技術における読み取り速度は、その実際の能力よりも遅い。消費電力は、必要な読み取り持続時間よりも長いため、増加する。
【0005】
図1は、先行技術のメモリシステム100の読み取り部分を図示する。読み取り制御論理103は、読み取り動作のアドレス、アドレス遷移検出信号(Atd)、クロック信号(clk)、及び読み取りイネーブル信号(rdn)を受信し、それらのいくつかの組み合わせは、読み取り制御論理103による「Start read/Sense enable」とラベル付けされた信号の出力を通じて、並列に感知回路102及び読み取りタイマ105の有効化を制御する。読み取りタイマ105は、読み取り持続時間を定義し、「End read」とラベル付けされた信号を使用して所与の事前定義された遅延後、データラッチ104内のメモリアレイ101内の選択されたセルの感知ステータス(「Sense out」とラベル付けされている)をラッチする。データラッチ104のデジタル出力は、感知回路102によってメモリアレイ101の選択されたセルで読み取られた値を示す。データの早過ぎるラッチは、読み取り不良につながり得るが、データの遅いラッチは、不十分な性能につながる。読み取りタイマ105によって実装される読み取り持続時間は、設計段階中に決定され、上記に考察される広いマージンを組み込む。
【0006】
先行技術のメモリシステム100は、読み取りタイマ105によって課せられる読み取り持続時間が、上記に説明される要因に起因して必要とされる以上に必要であるため、非効率的である。
【0007】
これらの課題を克服するための1つの先行技術の努力は、製造プロセスのウェハ選別段階中に逐一較正トリミングを実施することである。しかしながら、これは、製造プロセスに顕著な時間及びコストを付加する。更に、トリミングは、特定の温度及び特定の電圧源で1つの環境設定で行われ、そのため、現場動作で経験されることになる温度及び電圧源の変動に適応するために、いくつかのマージンは、依然として、読み取りタイマ105の設計に含められる必要がある。
【0008】
必要とされるものは、不揮発性メモリアレイ内の選択されたセルを読み取るための改善されたシステムである。具体的には、電力消費も最小限に抑え、好ましくは、製造プロセス中に較正トリミングも必要としない、改善された読み取りタイミングを有するシステムが必要とされる。
【発明の概要】
【0009】
不揮発性セルのアレイ内の選択されたセルを読み取るための自己タイミング感知アーキテクチャが開示される。感知回路は、安定した感知値が選択されたセルから取得されたときに信号を生成し、安定した感知値は、選択されたセルに記憶された値を示す。信号は、感知動作の終了を示し、安定した感知値を読み取り動作の結果として出力させる。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】先行技術のメモリシステムを図示する。
図2】特定の実施形態によるメモリシステムの実施形態を図示する。
図3図2のメモリシステムを使用する読み取り動作のタイミング図を図示する。
図4】電流-電圧変換回路を図示する。
図5図4の電流-電圧変換回路のタイミング図を図示する。
図6】コンパレータを図示する。
図7】自己タイマの一実施形態を図示する。
図8】図6及図7のシステムのタイミング図を図示する。
図9】図6及図7のシステムの別のタイミング図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図2は、メモリアレイ201と、感知回路202と、読み取り制御論理203と、データラッチ204と、自己タイマ205と、を備える、メモリシステム200を図示する。図3は、メモリシステム200によって実施される典型的な読み取り動作のタイミング図300を図示する。
【0020】
図2及び図3の両方を参照すると、読み取り制御論理203は、読み取り動作のアドレス、アドレス遷移検出信号(Atd)、クロック信号(clk)、及び読み取りイネーブル信号(rdn)を受信し、それらのいくつかの組み合わせは、読み取り制御論理203による「Start read/Sense enable」(SA_EN)とラベル付けされた信号の出力を通じて感知回路202の有効化を制御する。感知回路202は、「Sense out」とラベル付けされた第1の出力を、データラッチ204及び自己タイマ205に提供し、「Sense out_n」とラベル付けされた第2の出力を自己タイマ205に提供する。信号Start read/Sense enableが、読み取り制御論理203によってアクティブ化する(アクティブハイとして示される)ように設定されたとき、感知回路202は、アクティブになる。
【0021】
読み取り動作の初期段階では、Sense out及びSense out_nの両方は、内部信号がSense outを駆動し、かつSense out_nが0Vに初期化される時点で両方の信号が安定しないため、「0」に等しい。メモリアレイ201内の選択されたセルが「1」を含む場合、Sense outは、「1」の値になり、Sense out_nは、「0」に留まることになる。選択されたセルが「0」を含む場合、Sense out_nは、「1」の値になるが、Sense outは、「0」に留まることになる。したがって、Sense out_n及びSense outは、それらの信号が安定した状態に達するとすぐに互いに反対の値になる。
【0022】
代替的に、Sense out及びSense out_nは、「0」の代わりに、Vddで「1」に初期化され得る。メモリアレイ201内の選択されたセルが「1」を含む場合、Sense outは、「1」の値に留まることになり、Sense out_nは、「0」になる。選択されたセルが「0」を含む場合、Sense out_nは、「1」の値に留まることになるが、Sense outは、「0」になる。したがって、Sense out_n及びSense outは、それらの信号が安定した状態に達するとすぐに反対の値になる。
【0023】
一実施形態における自己タイマ205は、XOR論理を用いて実装され、Sense out及びSense out_nを受信する。XOR論理は、Sense out及びSense out_nが両方とも「0」であるときに「0」を最初に出力し、Sense out又はSense out_nのいずれかが、メモリアレイ201の選択されたセルに記憶された値に応答して「1」になるときに「1」を出力し、これは、図2及び図3の「End read」とラベル付けされた制御信号として示される。これが起こると、自己タイマ205のXOR論理による「1」の出力は、データラッチ204をトリガすることになり、これは、感知回路202によって出力されたSense out信号をラッチし、それを最終出力Data outとして、メモリアレイ201の選択されたセルに記憶された値を示すデジタル形態で提示することになる。この時点で、読み取り動作が完了し、感知回路202内の感知増幅器が、信号SE_ENを無効化することによってオフにされ得、これは、先行技術と比較して、電力節約を結果的にもたらす。
【0024】
図4図5、及び図6は、感知回路202の実施形態の追加の詳細を図示する。
【0025】
図4は、感知回路202の一部である電流-電圧変換回路400を図示する。電流-電圧変換回路400は、示されるように構成された、NMOSトランジスタ401、402、407、及び408、並びにPMOSトランジスタ403、404、405、及び406を備える。NMOSトランジスタ401及び402のゲートは、読み取り制御論理203によって生成される感知イネーブル信号「SA_EN」によって駆動され、NMOSトランジスタ407及び408のゲートは、読み取り制御論理203によって生成されるSA_EN信号の反転(inverse)「SA_EN_N」によって駆動される。PMOSトランジスタ403及び404のゲートは、アドレス遷移検出信号Atd及び信号SA_ENに対する論理動作を実施することによってCHARGE_Nを生成する読み取り制御論理203によって生成された信号「CHARGE_N」によって駆動される。NMOSトランジスタ401は、「BL_DWN」とラベル付けされたビット線を通じてメモリアレイ201内の選択されたメモリセル409に結合され、NMOSトランジスタ402は、「BL_UP」とラベル付けされたビット線を通じて、メモリアレイ201又は別個の基準メモリアレイに位置し得る、基準メモリセル410に結合される。代替的に、選択されたメモリセル409及び基準メモリセル410の役割は、逆であってもよく(セル409が基準メモリセルになり、セル410が、選択されたメモリセルになることを意味する)、これは、例えば、選択されたメモリセルの場所がメモリセルの異なるバンクに変化する場合に有用であり得る。
【0026】
選択されたメモリセル409は、それが「0」の値を記憶するときにゼロ電流を引き出し、それが「1」の値を記憶するときに電流Ir1を引き出す。基準メモリセル410は、読み取り動作中に0.5×Ir1などの、0~Ir1の間に所定の電流を引き出すようにプログラムされている。
【0027】
読み取り動作中、トランジスタ401、402、403、及び404は、図5に図示される、ハイレベルに設定されている信号SA_EN及びローレベルに設定されているCHARGE_Nによってオンにされ、結果として、ノードMIRROR_DWN及びMIRROR_UPは、それぞれ、PMOSトランジスタ403、404を通じて供給電圧VDD近くの特定の電圧にプリチャージされる。ハイレベルに設定されているSA_ENと、ローレベルに設定されているCHARGE_Nとの間の時間差は、Atdパルス持続時間、又はそのデリバティブ(派生)に応答する。NMOSトランジスタ407、408は、信号SA_EN_Nによってオフに保持される。次いで、PMOSトランジスタ403及び404は、ハイレベルに設定されている信号CHARGE_Nによってオフにされ、感知段階が開始する。
【0028】
選択されたメモリセル409及び基準メモリセル410は、各々に記憶された値を反映する量で電流を引き出す。これは、PMOSトランジスタ405及び406のゲート(それぞれ、ノード「MIRROR_DWN」及び「MIRROR_UP」に接続されている)を放電させる。選択されたメモリセル409が「1」の状態にある場合、ノードMIRROR_DWNは、ノードMIRROR_UPよりも速く放電することになる。選択されたメモリセル409が「0」の状態にある場合、ノードMIRROR_UPは、ノードMIRROR_DWNよりも速く放電することになる。図5は、選択されたメモリセル409が「0」を含む状況、及びそれが「1」を含む状況におけるノードMIRROR_DWN及びMIRROR_UPの電圧を図示する。
【0029】
図6では、感知回路202は、コンパレータ600を更に備える。コンパレータは、示されるように構成された、NMOSトランジスタ601、602、605、606、607、608、611、及び612、並びにPMOSトランジスタ603、604、609、610、613、及び614を備える。図4からのノードMIRROR_DWNは、PMOSトランジスタ603のゲートに接続され、図4のノードMIRROR_UPは、PMOSトランジスタ604のゲートに接続され、それにより、図4のPMOSトランジスタ405及び図6のPMOSトランジスタ603は、1つの電流ミラーを形成し、図4のPMOSトランジスタ406及び図6のPMOSトランジスタ604は、別の電流ミラーを形成する。NMOSトランジスタ601及び602は、ハーフラッチを形成するように接続されている。ノードVDO及びVDO_Nは、図5において同じタイミングのCHARGE_Nを有するが位相が反対である、読み取り制御論理203によって生成される信号SA_LATCH_SAを通じて、それぞれのプルダウントランジスタ605及び606を通じて、0Vに最初に設定され、これらは、感知段階が開始するとオフにされる。代替的な実施形態では、信号SA_LATCH_SAは、信号CHARGE_Nに応答して感知回路202によって生成される。
【0030】
選択されたメモリセル409が「1」の状態にある場合、ノードMIRROR_DWNがノードMIRROR_UPよりも速く放電することになるため、ノードVDOは、ノードVDO_Nよりも速く供給電圧VDDに引き上げられることになる。選択されたメモリセル409が「0」の状態にある場合、ノードMIRROR_UPがノードMIRROR_DWNよりも速く放電することになるため、ノードVDO_Nは、ノードVDOよりも速く供給電圧VDDに引き上げられることになる。
【0031】
VDDに引き上げられるVDO及びVDO_Nのうちの最初のものは、NMOSトランジスタ601及び602のハーフラッチ状態をトグルすることによって、他のノードを放電させる。
【0032】
トランジスタ対607及び609、611及び613、608及び610、並びに612及び614は、各々、インバータを形成する。コンパレータ600の出力は、Sense Out及びSense Out_nである。
【0033】
図7は、XOR論理関数の一実施態様を図示する。XOR論理700は、自己タイマ205の一実施形態である。XOR論理700は、インバータ701及びマルチプレクサ702を含む。インバータ701及びマルチプレクサ702は、各々、入力としてSense outを受信する。マルチプレクサ702はまた、インバータ出力(Sense_outの反転になる)を入力として受信する。コンパレータ600からのSense out_nは、マルチプレクサ702を制御し、マルチプレクサ702は、制御信号End readを出力する。Sense out及びSense out_nが安定した異なる値である場合、制御信号End_readは、1に等しくなる。すなわち、Sense out及びSense out_nが、XOR論理700を通じて伝搬するのに十分に長い時間にわたって位相が反対である場合のみ、XOR出力は、安定した「1」になる。XOR論理は、両方のSense out及びSense out_nが、両方ハイであるか、又は両方ローである、エラー条件を拒絶することが好ましい。これは、選択されたメモリセル409が「1」を含む状況のタイミング図800図8に、及び選択されたメモリセル409が「0」を含む状況のタイミング図900として図9に図示されている。End readは、読み取り動作が安定しており、かつ感知回路202からのデータが出力のためにデータラッチ204によって正確にラッチされ得るときに、自己タイマ205によってアサートされる制御信号である。
【0034】
制御信号End readは、図2のデータラッチ204に送られて、最終出力信号Data outをラッチし得る。制御信号End readは、読み取り制御論理203に更に供給され、これに応答して、読み取り制御論理203は、信号SA_ENを無効化し(ローとして示される)、感知回路202を無効化する。
【0035】
したがって、先行技術のメモリシステム100とは異なり、メモリシステム200の読み取りタイミングは、読み取りデータが安定するとすぐに、データが読み取り回路から出力され得るように、自己定義される。先行技術とは異なり、タイミングマージンは、各読み取り動作に追加される必要はなく、これは、読み取り動作をはるかにより速くする。感知増幅器は、読み取りが完了するときは常に遮断されるため、消費電力は、最小限に抑えられる。製造中に読み取りタイミングの逐一トリミングを実施する必要性がないため、試験時間が短縮される。
【0036】
本明細書で使用される場合、「の上方に(over)」及び「に(on)」という用語は両方とも、「に直接」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「に間接的に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「に取り付けられた」は、「に直接取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「に間接的に取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「に電気的に結合された」は、「に直接電気的に結合された」(要素を一緒に電気的に接続する中間材料又は要素がそれらの間にない)、及び「に間接的に電気的に結合された」(要素を一緒に電気的に接続する中間材料又は要素がそれらの間にある)を含む。例えば、要素を「基板の上方に」形成することは、その要素を直接基板に、中間材料/要素をそれらの間に伴わずに形成すること、及びその要素を基板に間接的に1つ以上の中間材料/要素をそれらの間に伴って形成することを含み得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9