(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】モップユニットの昇降装置及び清掃機
(51)【国際特許分類】
A47L 11/164 20060101AFI20240607BHJP
A47L 11/16 20060101ALI20240607BHJP
A47L 11/283 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
A47L11/164
A47L11/16
A47L11/283
(21)【出願番号】P 2022581016
(86)(22)【出願日】2021-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2021102876
(87)【国際公開番号】W WO2022001992
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202021226406.9
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519456929
【氏名又は名称】寧波富佳実業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NINGBO FUJIA INDUSTRIAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 303, Chang’an Road, Yangming Street, Yuyao City, Ningbo City, Zhejiang Province 315400, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】方 剣強
(72)【発明者】
【氏名】汪 旭
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109157165(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 11/164
A47L 11/16
A47L 11/283
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モップユニットを含むモップユニットの昇降装置であって、
モップユニットを昇降させるための昇降機構と、
モップユニットが回転するように駆動するための駆動機構と、を備え、
駆動機構は、モップユニットと一緒に昇降しない第1駆動機構を採用し、昇降機構はモップユニットと分離配置され
、
モップユニットは、モップと、回転盤と、回転軸と、を含み、モップは回転盤に連結され、回転軸は回転盤に連結され、回転軸は、回転盤を昇降させると共に、回転盤を駆動して回転させるために使用され、
回転軸は、内側軸及び外側軸を含み、内側軸は外側軸に嵌装され、内側軸と外側軸との間には、内側軸と外側軸との軸方向の相対移動を許容するが、周方向は制限できる制限構造が設けられ、外側軸が回動する場合、内側軸は制限構造を介して駆動され同期的に回動し、内側軸は回転盤に連結され、内側軸は回転盤を駆動して一緒に昇降及び回動させるために使用され、
外側軸は第1駆動機構に伝達連結され、外側軸が回動する場合、内側軸は制限構造を介して駆動され同期的に回動し、制限構造には連結部が設けられ、当該連結部は昇降機構に連結され、昇降機構はモップユニットと分離配置され、昇降機構は連結部を介して外側軸に対して軸方向に移動するように内側軸を駆動することを特徴とするモップユニットの昇降装置。
【請求項2】
昇降機構は、ラックピニオン昇降機構又は螺旋昇降機構又はカム昇降機構又は振り子棒昇降機構又は電磁昇降機構を用いることを特徴とする請求項1に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項3】
昇降機構はモップユニットと分離配置され、昇降機構には上下に移動可能な昇降部材が設けられ、当該昇降部材はモップユニットの回転軸に連結され、昇降機構は昇降部材を介して間接的に回転軸を昇降駆動す
ることを特徴とする請求項1又は2に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項4】
昇降部材は横梁部材を採用し、当該横梁部材は各モップユニットに連結され、各モップユニットの間には横梁部材を昇降駆動するための昇降機構の駆動部分が配置されることを特徴とする請求項3に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項5】
モップユニットは2つあり、横梁部材は筋状の横梁部材に配置され、当該横梁部材の両端はそれぞれ1つのモップユニットに連結され、当該横梁部材の両端の間の部分は昇降機構の駆動部分に連結されることを特徴とする請求項4に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項6】
駆動部分は横梁部材の中央に位置していることを特徴とする請求項5に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項7】
横梁部材の両端の間の部分は沈むように設計されることを特徴とする請求項5に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項8】
昇降部材にはガイドロッドが連結されることを特徴とする請求項5、6又は7に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項9】
横梁部材の前側又は後側には第1モーターが並んで配置され、第1モーターはダブル出力モーターを採用し、ダブル出力モーターの2つの回動端は2つのモップユニットの外側軸を同時に駆動して回転させることを特徴とする請求項5、6又は7に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項10】
2つの回動端のそれぞれは1つの第1ウォームに連結され、それに対応して、第1ウォームギヤも2つあり、第1モーターは、ウォームドライブを介して第1ウォームギヤが配置された軸を駆動して回転させ、第1ウォームギヤが配置された軸はギヤ伝達を介して外側軸に連結されたギヤを駆動して回転させることを特徴とする請求項8に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項11】
連結部は内側軸の周方向に設けられたクロスバーを用い、クロスバーは外側軸に設けられた合わせ溝を通過し、クロスバーは合わせ溝に沿って上下に移動可能であり、昇降機構の昇降部材はクロスバーを介して内側軸を外側軸に対して上方に移動させ、昇降部材が下降すると、内側軸は外側軸に対して下方に移動することを特徴とする
請求項1に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項12】
クロスバーは周方向伝達部品としても使用され、外側軸が回動すると、合わせ溝を介してクロスバーを回動するように駆動し、クロスバーの回動により内側軸が回動するように駆動され、内側軸の回動により回転盤が回動するように駆動され、さらにモップが回動するように駆動することを特徴とする
請求項11に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項13】
弾性部材をさらに備え、内側軸が回転盤に連結される場合、弾性部材は、内側軸又は/及び回転盤を下向きに弾性的に支持するために使用され、外側軸が回転盤に連結される場合、弾性部材は、外側軸又は/及び回転盤を下向きに弾性的に支持するために使用されることを特徴とする
請求項1、11又は12に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項14】
弾性部材は、内側軸と外側軸の上端との間に設けられる圧縮バネを用いることを特徴とする
請求項13に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項15】
モップが被清掃面に密着したとき、圧縮バネはまだ圧縮状態に設定されていることを特徴とする
請求項14に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項16】
昇降機構の昇降部材は外側軸に嵌装され、外側軸に対して上下に移動可能であることを特徴とする
請求項1、11又は12に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項17】
モップユニットの昇降位置を制御するための位置検出機構をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のモップユニットの昇降装置。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載のモップユニットの昇降装置を備えることを特徴とする清掃機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃機器の技術分野に関し、特に、モップユニットの昇降装置及び清掃機に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃機は、自動的に回転して床拭き等の機能を実現できるので重要な市場価値を持っているが、現在の清掃機における回転する各モップユニットは、通常、全体として昇降し、即ち、各モップユニットが取り付けられた機関フレーム又はハウジング全体が昇降するように駆動し、機関フレーム又はハウジングには各駆動機構を取り付ける必要があり、駆動機構はモップユニットが回転して清掃するように駆動するために使用され、つまり、モップユニットを間接的に昇降させている。これによって、全体の重量が重くなる。本願発明者は、全体的な昇降の技術ルートによると、重心が変化しやすく、清掃機の安定した動作に悪影響を与えることを発見した。従って、設計、生産、製造の過程で、昇降条件が異なる場合の重心合わせ問題に細心の注意を払う必要があり、構造が複雑になるだけでなく、設計、生産、製造がいずれも煩雑で、コストも比較的高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術に存在する上記の問題を鑑みて、モップユニットの直接昇降を実現し、昇降部位の重量が重くなるという問題を克服するモップユニットの昇降装置を提供し、さらに、上記のモップユニットの昇降装置を用いる清掃機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
具体的な技術手段は次のとおりである。
【0005】
モップユニットを含むモップユニットの昇降装置であって、
モップユニットを昇降させるための昇降機構と、
モップユニットが回転するように駆動するための駆動機構と、を備え、
駆動機構は、モップユニットと一緒に昇降しない第1駆動機構を採用し、昇降機構はモップユニットと一体配置又は分離配置されるか、
又は、駆動機構は、モップユニットと一緒に昇降する第2駆動機構を採用するが、昇降機構はモップユニットと分離配置される。
【0006】
上記の技術手段の有益な効果は次のとおりである。
【0007】
まず、モップユニットの直接昇降を実現すると同時に、駆動機構がモップユニットと一緒に昇降しない第1駆動機構を採用し、昇降機構がモップユニットと一体配置又は分離配置されるため、モップユニットの昇降部位の重量を軽減し、特に、昇降機構がモップユニットと分離配置される場合、さらに重量を軽減でき、機械全体の重心の設計が容易になり、昇降部位の重量が重いという問題を克服する。
【0008】
次に、モップユニットの直接昇降を実現すると同時に、駆動機構がモップユニットと一緒に昇降する第2駆動機構を採用するが、昇降機構がモップユニットと分離配置されることで、昇降機構がモップユニットに直接取り付けられることによるモップユニットが配置された部位に割り当てられる重量が重くなることを回避でき、駆動機構がモップユニットと一緒に昇降する第2駆動機構を採用しているが、従来技術と比較して、モップユニットが配置された部位に割り当てられる重量は依然として効果的に軽減されているので、機械全体の重心の設計が容易になり、昇降部位の重量が重いという問題を克服する。
【0009】
昇降機構は、ラックピニオン昇降機構又は螺旋昇降機構又はカム昇降機構又は振り子棒昇降機構又は電磁昇降機構を用いることが好ましく、これらの構造はいずれも本発明に適用可能であり、機械全体の重心設計の必要に応じて柔軟に選択することができる。
【0010】
好ましくは、昇降機構はモップユニットと一体配置され、昇降機構の伸縮端はモップユニットに連結され、上記の構造は、昇降機構とモップユニットとの一体配置に適用される。例えば、リニアモーターを使用し、リニアモーターとモップユニットを同軸上に配置し、モップユニットが昇降するように直接駆動する構造の場合、コンパクトで効率が高い反面、構造全体の高さが高く、各モップユニットに1つのリニアモーターを配置する必要があり、コストが高くなる。又は、昇降機構はモップユニットと分離配置され、昇降機構には上下に移動可能な昇降部材が設けられ、当該昇降部材はモップユニットの回転軸に連結され、昇降機構は昇降部材を介して間接的に回転軸を昇降駆動するので、上記の構造は、昇降機構とモップユニットとの分離配置に適用されることで、構造全体の高さを制御することに有利であり、モップユニットごとに1つの動力ユニットを配置する必要がなく、また、昇降機構の各構成要素の位置配置を比較的柔軟に行うことができる。
【0011】
好ましくは、昇降部材は横梁部材を採用し、当該横梁部材は各モップユニットに連結され、各モップユニットの間には横梁部材を昇降駆動するための昇降機構の駆動部分が配置されることで、構造がコンパクトでシンプルで信頼性が高く、また、各モップユニットの昇降の同期性が良くなり、また、昇降機構の各構成要素の配置にも便利で、駆動部分を横梁部材の中心位置に配置することにも便利であり、駆動部分を横梁部材の中心位置に配置すると、昇降の機械的性能がより良くなる。
【0012】
好ましくは、モップユニットは、モップと、回転盤と、回転軸と、を含み、モップは回転盤に連結され、回転軸は回転盤に連結され、回転軸は、回転盤を昇降させると共に、回転盤を駆動して回転させるために使用される。
【0013】
好ましくは、回転軸は、内側軸及び外側軸を含み、内側軸は外側軸に嵌装され、内側軸と外側軸との間には、内側軸と外側軸との軸方向の相対移動を許容するが、周方向は制限できる制限構造が設けられ、外側軸が回動する場合、内側軸は制限構造を介して駆動され同期的に回動し、内側軸は回転盤に連結され、内側軸は回転盤を駆動して一緒に昇降及び回動させるために使用されるか、又は、内側軸が回動する場合、外側軸は制限構造を介して駆動され同期的に回動し、外側軸は回転盤に連結され、外側軸は回転盤を駆動して一緒に昇降及び回動させるために使用され、上記の構造は、構造がシンプルでコンパクトであり、安定的で信頼的であるという利点がある。
【0014】
好ましくは、外側軸は第1駆動機構に伝達連結され、外側軸が回動する場合、内側軸は制限構造を介して駆動され同期的に回動し、制限構造には連結部が設けられ、当該連結部は昇降機構に連結され、昇降機構はモップユニットと分離配置され、昇降機構は連結部を介して外側軸に対して軸方向に移動するように内側軸を駆動する。上記の構造により、第1駆動機構と昇降機構の配置やレイアウトを大幅に簡素化でき、モップユニットの昇降部位の重量が軽減され、機械全体の重心がより最適化される。
【0015】
好ましくは、弾性部材をさらに備え、内側軸が回転盤に連結される場合、弾性部材は、内側軸又は/及び回転盤を下向きに弾性的に支持するために使用され、外側軸が回転盤に連結される場合、弾性部材は、外側軸又は/及び回転盤を下向きに弾性的に支持するために使用され、いかなる状況においても、昇降機構の配置やレイアウトの簡素化に有利であり、弾性部材が下向きに弾性支持するので、昇降機構はモップユニットを上昇させることに専念すればよく、下降すると、昇降機構はモップユニットを解放し、モップユニットは重力によって自然に下降し、弾性部材の作用により、モップは被拭き取り面に弾性的に付着され、被拭き取り面の凹凸により、弾性部材の作用下で、モップも自然に昇降し、モップは被拭き取り面をよりきれいに清掃することができる。
【0016】
好ましくは、モップユニットの昇降位置を制御するための位置検出機構をさらに備えることで、モップユニットの位置をより適切に制御できるため、昇降機能が安定して動作し、優れたユーザーエクスペリエンスを確保する。
【0017】
本発明は、さらに、上記のモップユニットの昇降装置を備える清掃機を提供する。
【発明の効果】
【0018】
上記の技術手段の有益な効果は次のとおりである。
【0019】
モップユニットが直接昇降されるため、昇降部位の重量が重くなるという問題が克服され、清掃機の長期使用中、モップユニットの昇降機能は比較的信頼性が高くて、清掃機の信頼性を大幅に向上させるのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明のモップユニットの昇降装置の第1斜視図である。
【
図2】本発明のモップユニットの昇降装置の第2斜視図である(外側軸を取り外した状態)。
【
図3】本発明のモップユニットの昇降装置の第3斜視図である(スクリューを取り外した状態)。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の説明は、当業者が本発明を実施できるように本発明を開示するのに役立つ。以下に説明する好ましい実施例は単なる例であり、当業者であれば、他の明らかな変形を考案することができる。以下の説明で定義される本発明の基本原理は、他の実施形態、変形形態、改良形態、均等形態、及び本発明の精神及び範囲から逸脱しない他の技術形態に適用することができる。
【0022】
当業者であれば、本発明の開示における、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「トップ」、「ボトム」、「内」、「外」等の用語が示す方位又は位置関係は図面に示された方位又は位置関係に基づくもので、単に本発明の説明を容易に簡略化するためのものであり、言及された装置又は要素が必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されることを示したり暗示したりするものではなく、上記の用語は本発明を限定するものと解釈されるべきではないことを理解されるべきである。
【0023】
本発明はモップユニットの昇降装置であり、回転して清掃するためのモップユニット1を備え、本例では2つのモップユニット1が左右に配置され、基本的に左右対称に分布配置され、モップユニット1を昇降させるための昇降機構と、モップユニット1が回転するように駆動するための駆動機構と、を備え、駆動機構は、モップユニット1と一緒に昇降しない第1駆動機構を採用し、昇降機構はモップユニット1と一体配置又は分離配置されるか、又は、駆動機構は、モップユニット1と一緒に昇降する第2駆動機構を採用するが、昇降機構はモップユニット1と分離配置される。
【0024】
昇降機構はモップユニット1と一体配置され、昇降機構の伸縮端はモップユニット1に連結され、上記の構造は、昇降機構とモップユニット1との一体配置に適用されるか、又は、昇降機構はモップユニット1と分離配置され、昇降機構には昇降部材2が設けられ、当該昇降部材2はモップユニット1に連結され、昇降機構は昇降部材2を介して間接的にモップユニット1を昇降駆動するので、上記の構造は、昇降機構とモップユニット1との分離配置に適用される。本例では、昇降機構とモップユニット1とが分離配置されている。
【0025】
昇降機構は、ラックピニオン昇降機構、螺旋昇降機構、カム昇降機構、振り子棒昇降機構、又は電磁昇降機構を用い、振り子棒昇降機構として、例えば、フォーク昇降機構等があり、フォークで動かすことによって昇降の目的を達成することができ、電磁昇降機構として、例えば、電磁弁昇降機構、電磁石昇降機構等があり、電磁弁のバルブコアの伸縮を利用して昇降の目的を達成することができ、電磁石の吸引機能を利用して昇降の目的を達成することができる。例えば、モップユニット1の上端に鉄製部材を配置し、鉄製部材の上方に電磁石を配置し、電磁石に通電すると鉄製部材を吸引し、鉄製部材を吸引することで、モップユニット1を上昇させる目的を達成でき、電磁石の電源を切ると、吸引力がなくなり、モップユニット1が下降する。本例では、螺旋昇降機構が使用されている。
【0026】
螺旋昇降機構はモップユニット1と分離配置され、螺旋昇降機構には昇降部材2が設けられ、当該昇降部材2はモップユニット1に連結され、螺旋昇降機構は昇降部材2を介して間接的にモップユニット1を昇降駆動するので、上記の構造は、昇降機構とモップユニット1との分離配置に適用される。
【0027】
昇降部材2は横梁部材を採用し、当該横梁部材は各モップユニット1に連結され、各モップユニット1の間には横梁部材を昇降駆動するための昇降機構の駆動部分が配置される。
【0028】
本例では、モップユニット1は2つあり、横梁部材は筋状の横梁部材に配置されてもよく、当該横梁部材の両端はそれぞれ1つのモップユニット1に連結され、2つのモップユニット1の間にはスクリュー17が配置され、スクリュー17は横梁部材のネジ山に連結され、スクリュー17の回動により横梁部材が昇降駆動され、スクリュー17は横梁部材の中央に位置し、本例では、高さを制御するために、横梁部材の両端の間の部分は沈むように設計されている。
【0029】
モップユニット1は、モップと、回転盤と、回転軸と、を含み、モップは回転盤に連結され、回転軸は回転盤に連結され、回転軸は、回転盤を昇降させると共に、回転盤を駆動して回転させるために使用される。
【0030】
回転軸は、内側軸4及び外側軸3を含み、内側軸4は外側軸3に嵌装され、内側軸4と外側軸3との間には、内側軸4と外側軸3との軸方向の相対移動を許容するが、周方向は制限できる制限構造が設けられ、外側軸3が回動する場合、内側軸4は制限構造を介して駆動され同期的に回動し、内側軸4は回転盤に連結され、内側軸4は回転盤を駆動して一緒に昇降及び回動させるために使用されるか、又は、内側軸4が回動する場合、外側軸3は制限構造を介して駆動され同期的に回動し、外側軸3は回転盤に連結され、外側軸3は回転盤を駆動して一緒に昇降及び回動させるために使用される。
【0031】
本例では、外側軸3は第1駆動機構に伝達連結され、外側軸3が回動する場合、内側軸4は制限構造を介して駆動され同期的に回動し、制限構造には連結部6が設けられ、当該連結部6は昇降機構に連結され、昇降機構はモップユニット1と分離配置され、昇降機構は連結部6を介して外側軸3に対して軸方向に移動するように内側軸4を駆動する。
【0032】
本例で採用する螺旋昇降機構は、第2モーター12と、第2ウォーム13と、第2ウォームギヤ9と、スクリュー17と、を含み、第2ウォーム13は第2モーター12に連結され、第2ウォーム13は第2ウォームギヤ9に連結され、第2ウォームギヤ9はスクリュー17に連結され、スクリュー17と昇降部材2はネジで連結され、第2モーター12の回動はウォーム伝達を介してスクリュー17を回動駆動させ、スクリュー17の回動により昇降部材2の昇降が実現される。
【0033】
昇降部材2の両端はそれぞれ外側軸3に嵌装され、外側軸3に対して上下に移動可能であり、本例では、連結部6は内側軸4の周方向に設けられたクロスバーを用い、クロスバーは外側軸3に設けられた合わせ溝15を通過し、クロスバーは合わせ溝15に沿って上下に移動可能であり、受力の均一のために、2本のクロスバーが周方向に均等に配置され、昇降部材2はクロスバーを介して内側軸4を上向きに駆動し、内側軸4は外側軸3に対して上方に移動する。逆に、昇降部材2が下降すると、内側軸4は外側軸3に対して下方に移動する。
【0034】
クロスバーは周方向伝達部品としても使用される。即ち、外側軸3が回動すると、合わせ溝15を介してクロスバーを回動するように駆動し、クロスバーの回動により内側軸4が回動するように駆動され、内側軸4の回動により回転盤が回動するように駆動され、さらにモップが回動するように駆動する。
【0035】
本例で採用される第1駆動機構は、第1モーター10と、第1ウォーム11と、第1ウォームギヤ8と、を含み、第1モーター10はダブル出力モーターを採用し、ダブル出力モーターの2つの回動端のそれぞれは1つの第1ウォーム11に連結され、それに対応して、第1ウォームギヤ8も2つあり、第1モーター10は、ウォームドライブを介して第1ウォームギヤ8が配置された軸を駆動して回転させ、第1ウォームギヤ8が配置された軸はギヤ伝達を介して外側軸3に連結されたギヤ7を駆動して回転させる。それによって、1つの第1モーター10が2つのモップユニット1の外側軸3を駆動して回転させる。上記の構造は、構造のコンパクト化を大幅に促進し、清掃機が占有するスペースを容易に削減するので、上記の構造は、スペース占有に対する一定の要件を有する掃除ロボット等の清掃機により適用される。
【0036】
弾性部材16をさらに備え、内側軸4が回転盤に連結される場合、弾性部材16は、内側軸4又は/及び回転盤を下向きに弾性的に支持するために使用され、外側軸3が回転盤に連結される場合、弾性部材16は、外側軸3又は/及び回転盤を下向きに弾性的に支持するために使用される。本例では、内側軸4が回転盤に連結されている状況が採用される。
【0037】
弾性部材16は、内側軸4と外側軸3の上端との間に設けられた圧縮バネを用い、構造が非常にコンパクトであり、外側軸3の上下の両端にはいずれも軸受5が連結され、外側軸3はこれら2つの軸受5の間にセットされる。
【0038】
昇降部材2が上昇すると、内側軸4を駆動して上昇させ、圧縮バネが圧縮され、昇降部材2が下降すると、圧縮バネは内側軸4を下向きに弾性的に支持する。本例では、モップを被清掃面に良好に密着させるために、モップが被清掃面に密着したとき、圧縮バネはまだ圧縮状態に設定されている。従って、凹凸の被清掃面の自己適応清掃を実現することができ、清掃中の一定の圧力で清掃効果がより向上する。
【0039】
モップユニット1の昇降位置を制御するための位置検出機構をさらに備える。例えば、第2モーター12に位置検出用のコードホイールを設け、コードホイールにより第2モーター12の回転位置を検出して、モップユニット1の昇降位置を制御する。このような設計により、停電やプログラム操作エラー等による昇降機能の異常を回避することができ、事故が発生した場合、コードホイールがゼロに戻ったことを検出する限り、制御部分はモップユニット1が初期位置に戻ったことを知ることができるため、第2モーター12は時間内に動作を停止することができ、モップユニット1がその位置に到達したにも関わらず、まだ回動しているという問題がなくなり、昇降機能の信頼性が大幅に向上する。
【0040】
本例では、モップユニットの昇降装置の全体レイアウトとして、2つのモップユニット1は左右に分散して配置され、昇降部材2は2つのモップユニット1の2つの軸心の間に位置し、第1駆動機構は昇降部材2の前側に位置し、第1モーター10は中心に配置され、螺旋昇降機構は昇降部材2の後側に位置し、スクリュー17は中心に配置され、昇降部材2をスムーズに昇降させるため、ガイドロッド14も設けられている。上記の全体レイアウトは、構造がコンパクトで、全体の高さが低く、高さのスペースを節約しており、性能面では、昇降機能を十分に実現でき、昇降動作はスムーズで正確であり、性能は安定して信頼できる。
【0041】
清掃機には、上記のモップユニットの昇降装置が設けられている。つまり、前記モップユニットの昇降装置を清掃機のケーシング内に取り付け、モーターとコードホイールを制御するために清掃機の制御部分に連結させる。
【0042】
本発明の動作原理は次のように参照することができる。モップユニット1を上昇させる必要があるとき、第1モーター10は停止状態のままであり、第2モーター12は昇降部材2を回転しながら上昇させ、昇降部材2は内側軸4を上昇させるので、モップユニット1は上昇し、逆の場合では下降し、一定に下降すると、第1モーター10を再起動して清掃を続けることができる。
【0043】
本発明は、巧妙な設計によってモップユニット1の直接昇降を実現し、昇降部位の重量が重くなるという問題を克服し、さらに、本発明の実施例は、構造がシンプルでコンパクトであり、耐久性が優れ、安定して信頼的であり、コストが低いという利点を有し、実用性が高く、モップユニットの昇降機能の交換を促進でき、清掃機をより使いやすくする。
【0044】
上記は本発明の例示であるが、特許請求の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その具体的な構造は変更可能であり、本発明の独立請求項の保護範囲内でなされる種々の変更はすべて本発明の保護範囲内にある。
【符号の説明】
【0045】
1 モップユニット
2 昇降部材
3 外側軸
4 内側軸
5 軸受
6 連結部
7 ギヤ
8 第1ウォームギヤ
9 第2ウォームギヤ
10 第1モーター
11 第1ウォーム
12 第2モーター
13 第2ウォーム
14 ガイドロッド
15 合わせ溝
16 弾性部材
17 スクリュー