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特許7499899株取引システム、株取引方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】株取引システム、株取引方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20240607BHJP
【FI】
G06Q40/04
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023024578
(22)【出願日】2023-02-20
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】501044644
【氏名又は名称】楽天証券株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平岡 祥子
(72)【発明者】
【氏名】土居 裕明
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-014087(JP,A)
【文献】特表2020-508508(JP,A)
【文献】ダイワコネクト証券 買う,[online],2022年11月28日,第1-5ページ,[検索日2024.02.21],インターネット <https://web.archive.org/web/20221128143048/https://www.connect-sec.co.jp/guide/hinakabu/buy.html>
【文献】3分でわかるLINE証券の1株スマホ投資。リアルタイム取引はLINE証券だけ,[online],2022年07月02日,第1-20ページ,[検索日2024.02.19],インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20220702200917/https://kosuzumeinvestor.net/2021/04/30/line-syoken/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
株取引における複数の銘柄の中からユーザにより選択された選択銘柄を特定する選択銘柄特定部と、
前記複数の銘柄の各々を識別可能な銘柄識別情報と、株式市場の取引時間内において寄付よりも後であり、かつ、引けよりも前で単元未満株を取引する第1取引の対象となる第1銘柄、又は、前記取引時間内に前場の寄付、前場の引け、後場の寄付、及び後場の引けの少なくとも1つで単元未満株を取引する第2取引の対象となる第2銘柄の何れに分類されるかを示す分類情報と、が関連付けられたデータベースに基づいて、前記選択銘柄が前記第1銘柄又は前記第2銘柄の何れであるかを判定する選択銘柄判定部と、
を含み、
前記第1銘柄は、前記第2取引も可能であり、
前記選択銘柄が前記第1銘柄であると判定された場合に、前記第1取引の注文内容を入力可能な第1注文画面であって、前記第1取引及び前記第2取引の中から前記ユーザによる選択を受付可能な前記第1注文画面を、前記ユーザのユーザ端末に表示させ、前記選択銘柄が前記第2銘柄であると判定された場合に、前記第2取引の注文内容を入力可能な第2注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる表示制御部と、
前記選択銘柄が前記第1銘柄であると判定され、かつ、前記第1注文画面で前記第1取引が選択された場合に、前記第1注文画面に入力された前記第1取引の注文内容に基づいて、前記選択銘柄の前記第1取引を実行する第1取引実行部と、
前記選択銘柄が前記第2銘柄であると判定された場合に、前記第2注文画面に入力された前記第2取引の注文内容に基づいて、前記選択銘柄の前記第2取引を実行し、前記第1注文画面で前記第2取引が選択された場合に、前記第1注文画面に入力された前記第2取引の注文内容に基づいて、前記選択銘柄の前記第2取引を実行する第2取引実行部と、
を含む株取引システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記選択銘柄が前記第2銘柄であると判定された場合に、前記第2取引の選択を必要としない前記第2注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる、
請求項に記載の株取引システム。
【請求項3】
前記株取引システムは、現時点が前記取引時間内であるか否かを判定する時間判定部を更に含み、
前記表示制御部は、
前記選択銘柄が前記第1銘柄であり、かつ、現時点が前記取引時間内であると判定された場合に、前記第1取引及び前記第2取引の中から前記ユーザによる選択を受付可能な前記第1注文画面を、前記ユーザ端末に表示させ、
前記選択銘柄が前記第1銘柄であり、かつ、現時点が前記取引時間外であると判定された場合に、前記第1取引を選択できない前記第1注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる、
請求項又はに記載の株取引システム。
【請求項4】
前記第1取引実行部は、前記選択銘柄が前記第1銘柄であり、かつ、現時点が前記取引時間外であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記第1取引が成行であれば、前記第1取引を選択できない前記第1注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる、
請求項に記載の株取引システム。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記選択銘柄が前記第1銘柄であると判定された場合に、現時点が前記取引時間外だったとしても、前記第1取引を選択可能な前記第1注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる、
請求項又はに記載の株取引システム。
【請求項6】
前記第1注文画面では、成行又は指値の何れかを選択可能であり、
前記表示制御部は、前記選択銘柄が前記第1銘柄であると判定され、かつ、前記指値が選択された場合に、現時点が前記取引時間外だったとしても、前記第1取引を選択可能な前記第1注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる、
請求項に記載の株取引システム。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記選択銘柄が前記第1銘柄であると判定され、かつ、前記成行が選択された場合に、現時点が前記取引時間外であれば、前記第1取引を選択できない前記第1注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる、
請求項に記載の株取引システム。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記選択銘柄が前記第1銘柄であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記第1取引が成行であり、かつ、現時点が前記取引時間外であれば、前記第2取引と同様であることを示すメッセージを含む前記第1注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる、
請求項に記載の株取引システム。
【請求項9】
株取引における複数の銘柄の各々の取引の流動性に関する銘柄情報に基づいて、前記複数の銘柄の各々を、株式市場の取引時間内において寄付よりも後であり、かつ、引けよりも前で単元未満株を取引する第1取引の対象となる第1銘柄、又は、前記取引時間内に前場の寄付、前場の引け、後場の寄付、及び後場の引けの少なくとも1つで単元未満株を取引する第2取引の対象となる第2銘柄に分類する分類部と、
前記複数の銘柄の中からユーザにより選択された選択銘柄を特定する選択銘柄特定部と、
前記複数の銘柄の各々を識別可能な銘柄識別情報と、前記分類部による分類結果を示す分類情報と、が関連付けられたデータベースに基づいて、前記選択銘柄が前記第1銘柄又は前記第2銘柄の何れであるかを判定する選択銘柄判定部と、
前記選択銘柄が前記第1銘柄であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記第1取引を実行する第1取引実行部と、
前記選択銘柄が前記第2銘柄であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記第2取引を実行する第2取引実行部と、
を含み、
前記分類部は、前記複数の銘柄の各々の前記銘柄情報に基づいて、前記流動性が相対的に高い前記銘柄が前記第1銘柄になるように、前記複数の銘柄の各々を、前記第1銘柄又は前記第2銘柄に分類する、
株取引システム。
【請求項10】
株取引における複数の銘柄の各々の株主優待に関する銘柄情報に基づいて、前記複数の銘柄の各々を、株式市場の取引時間内において寄付よりも後であり、かつ、引けよりも前で単元未満株を取引する第1取引の対象となる第1銘柄、又は、前記取引時間内に前場の寄付、前場の引け、後場の寄付、及び後場の引けの少なくとも1つで単元未満株を取引する第2取引の対象となる第2銘柄に分類する分類部と、
前記複数の銘柄の中からユーザにより選択された選択銘柄を特定する選択銘柄特定部と、
前記複数の銘柄の各々を識別可能な銘柄識別情報と、前記分類部による分類結果を示す分類情報と、が関連付けられたデータベースに基づいて、前記選択銘柄が前記第1銘柄又は前記第2銘柄の何れであるかを判定する選択銘柄判定部と、
前記選択銘柄が前記第1銘柄であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記第1取引を実行する第1取引実行部と、
前記選択銘柄が前記第2銘柄であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記第2取引を実行する第2取引実行部と、
を含み、
前記分類部は、前記複数の銘柄の各々の前記銘柄情報に基づいて、単元未満株でも前記株主優待がある前記銘柄が前記第1銘柄になるように、前記複数の銘柄の各々を、前記第1銘柄又は前記第2銘柄に分類する、
株取引システム。
【請求項11】
株取引における複数の銘柄の各々に関する複数の項目を含む銘柄情報に基づいて、前記複数の銘柄の各々を、株式市場の取引時間内において寄付よりも後であり、かつ、引けよりも前で単元未満株を取引する第1取引の対象となる第1銘柄、又は、前記取引時間内に前場の寄付、前場の引け、後場の寄付、及び後場の引けの少なくとも1つで単元未満株を取引する第2取引の対象となる第2銘柄に分類する分類部と、
前記複数の銘柄の中からユーザにより選択された選択銘柄を特定する選択銘柄特定部と、
前記複数の銘柄の各々を識別可能な銘柄識別情報と、前記分類部による分類結果を示す分類情報と、が関連付けられたデータベースに基づいて、前記選択銘柄が前記第1銘柄又は前記第2銘柄の何れであるかを判定する選択銘柄判定部と、
前記選択銘柄が前記第1銘柄であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記第1取引を実行する第1取引実行部と、
前記選択銘柄が前記第2銘柄であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記第2取引を実行する第2取引実行部と、
を含み、
前記分類部は、前記複数の銘柄の各々の前記銘柄情報に含まれる前記複数の項目に基づいて、前記複数の銘柄の各々を、前記第1銘柄又は前記第2銘柄に分類する、
株取引システム。
【請求項12】
前記分類部は、訓練用の前記銘柄である訓練銘柄に関する前記複数の項目と、前記第1銘柄又は前記第2銘柄の何れかを示すラベルと、を含む訓練データが学習された学習モデルに基づいて、前記複数の銘柄の各々を、前記第1銘柄又は前記第2銘柄に分類する、
請求項1に記載の株取引システム。
【請求項13】
株取引における複数の銘柄の各々に関する銘柄情報に基づいて、前記複数の銘柄の各々を、株式市場の取引時間内において寄付よりも後であり、かつ、引けよりも前で単元未満株を取引する第1取引の対象となる第1銘柄、又は、前記取引時間内に前場の寄付、前場の引け、後場の寄付、及び後場の引けの少なくとも1つで単元未満株を取引する第2取引の対象となる第2銘柄に分類する分類部と、
前記複数の銘柄の中から、前記株取引に関する株取引サービスとは異なる他のサービスを利用するユーザにより選択された選択銘柄を特定する選択銘柄特定部と、
前記複数の銘柄の各々を識別可能な銘柄識別情報と、前記分類部による分類結果を示す分類情報と、が関連付けられたデータベースに基づいて、前記選択銘柄が前記第1銘柄又は前記第2銘柄の何れであるかを判定する選択銘柄判定部と、
前記選択銘柄が前記第1銘柄であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記第1取引を実行する第1取引実行部と、
前記選択銘柄が前記第2銘柄であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記第2取引を実行する第2取引実行部と、
を含み、
前記分類部は、前記他のサービスにおける前記ユーザに関するユーザ情報に基づいて、前記複数の銘柄の各々を、前記第1銘柄又は前記第2銘柄に分類する、
株取引システム。
【請求項14】
コンピュータが、
株取引における複数の銘柄の中からユーザにより選択された選択銘柄を特定する選択銘柄特定ステップと、
前記複数の銘柄の各々を識別可能な銘柄識別情報と、株式市場の取引時間内において寄付よりも後であり、かつ、引けよりも前で単元未満株を取引する第1取引の対象となる第1銘柄、又は、前記取引時間内に前場の寄付、前場の引け、後場の寄付、及び後場の引けの少なくとも1つで単元未満株を取引する第2取引の対象となる第2銘柄の何れに分類されるかを示す分類情報と、が関連付けられたデータベースに基づいて、前記選択銘柄が前記第1銘柄又は前記第2銘柄の何れであるかを判定する選択銘柄判定ステップと、
を実行し、
前記第1銘柄は、前記第2取引も可能であり、
前記コンピュータが、
前記選択銘柄が前記第1銘柄であると判定された場合に、前記第1取引の注文内容を入力可能な第1注文画面であって、前記第1取引及び前記第2取引の中から前記ユーザによる選択を受付可能な前記第1注文画面を、前記ユーザのユーザ端末に表示させ、前記選択銘柄が前記第2銘柄であると判定された場合に、前記第2取引の注文内容を入力可能な第2注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる表示制御ステップと、
前記選択銘柄が前記第1銘柄であると判定され、かつ、前記第1注文画面で前記第1取引が選択された場合に、前記第1注文画面に入力された前記第1取引の注文内容に基づいて、前記選択銘柄の前記第1取引を実行する第1取引実行ステップと、
前記選択銘柄が前記第2銘柄であると判定された場合に、前記第2注文画面に入力された前記第2取引の注文内容に基づいて、前記選択銘柄の前記第2取引を実行し、前記第1注文画面で前記第2取引が選択された場合に、前記第1注文画面に入力された前記第2取引の注文内容に基づいて、前記選択銘柄の前記第2取引を実行する第2取引実行ステップと、
実行する株取引方法。
【請求項15】
株取引における複数の銘柄の中からユーザにより選択された選択銘柄を特定する選択銘柄特定部、
前記複数の銘柄の各々を識別可能な銘柄識別情報と、株式市場の取引時間内において寄付よりも後であり、かつ、引けよりも前で単元未満株を取引する第1取引の対象となる第1銘柄、又は、前記取引時間内に前場の寄付、前場の引け、後場の寄付、及び後場の引けの少なくとも1つで単元未満株を取引する第2取引の対象となる第2銘柄の何れに分類されるかを示す分類情報と、が関連付けられたデータベースに基づいて、前記選択銘柄が前記第1銘柄又は前記第2銘柄の何れであるかを判定する選択銘柄判定部、
としてコンピュータを機能させ、
前記第1銘柄は、前記第2取引も可能であり、
前記選択銘柄が前記第1銘柄であると判定された場合に、前記第1取引の注文内容を入力可能な第1注文画面であって、前記第1取引及び前記第2取引の中から前記ユーザによる選択を受付可能な前記第1注文画面を、前記ユーザのユーザ端末に表示させ、前記選択銘柄が前記第2銘柄であると判定された場合に、前記第2取引の注文内容を入力可能な第2注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる表示制御部、
前記選択銘柄が前記第1銘柄であると判定され、かつ、前記第1注文画面で前記第1取引が選択された場合に、前記第1注文画面に入力された前記第1取引の注文内容に基づいて、前記選択銘柄の前記第1取引を実行する第1取引実行部、
前記選択銘柄が前記第2銘柄であると判定された場合に、前記第2注文画面に入力された前記第2取引の注文内容に基づいて、前記選択銘柄の前記第2取引を実行し、前記第1注文画面で前記第2取引が選択された場合に、前記第1注文画面に入力された前記第2取引の注文内容に基づいて、前記選択銘柄の前記第2取引を実行する第2取引実行部、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、株取引システム、株取引方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1単元に満たない単元未満株の取引を可能にする技術が知られている。例えば、特許文献1には、取引時間内に、ユーザにより選択された選択銘柄の市場価格に基づいて、ユーザにより指定された取引金額で取引するための株数を算出する株式売買システムが記載されている。特許文献1の技術では、株式売買システムにより計算された株数が1単元未満の場合には、単元未満株の取引が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-023947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、取引時間内にリアルタイムで単元未満株を取引するリアルタイム取引以外の他の方法で、単元未満株の取引を実行することはできない。特許文献1の技術では、リアルタイム取引を希望するユーザと、他の方法を希望するユーザと、の両方に対応することはできないので、単元未満株の取引を十分に促進することはできなかった。
【0005】
本開示の目的の1つは、単元未満株の取引を促進することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る株取引システムは、株取引における複数の銘柄の中からユーザにより選択された選択銘柄を特定する選択銘柄特定部と、前記選択銘柄が、株式市場の取引時間内にリアルタイムで単元未満株を取引するリアルタイム取引の対象となるリアルタイム銘柄、又は、前記取引時間内に一括で単元未満株を取引する一括取引の対象となる一括銘柄の何れであるかを判定する選択銘柄判定部と、前記選択銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記リアルタイム取引を実行するリアルタイム取引実行部と、前記選択銘柄が前記一括銘柄であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記一括取引を実行する一括取引実行部と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、単元未満株の取引を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】株取引システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】1日における株式市場の取引時間、リアルタイム取引の注文可能期間、リアルタイム取引の約定可能期間、一括取引の注文可能期間、及び一括取引の約定タイミングの一例を示す図である。
図3】ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
図4】ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
図5】ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
図6】株取引システムで実現される機能の一例を示す図である。
図7】銘柄データベースの一例を示す図である。
図8】注文データベースの一例を示す図である。
図9】取引時間外における第1注文画面の一例を示す図である。
図10】株取引システムで実行される処理の一例を示す図である。
図11】変形例2における第1注文画面の一例を示す図である。
図12】変形例3における第1注文画面の一例を示す図である。
図13】変形例5において実現される機能の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1.株取引システムの全体構成]
本開示に係る株取引システムの実施形態の一例を説明する。図1は、株取引システムの全体構成の一例を示す図である。例えば、株取引システム1は、サーバ10及びユーザ端末20を含む。サーバ10及びユーザ端末20の各々は、インターネット又はLAN等のネットワークNに接続される。
【0010】
サーバ10は、サーバコンピュータである。例えば、サーバ10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を含む。制御部11は、少なくとも1つのプロセッサを含む。記憶部12は、RAM等の揮発性メモリと、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリと、を含む。通信部13は、有線通信用の通信インタフェースと、無線通信用の通信インタフェースと、の少なくとも一方を含む。
【0011】
ユーザ端末20は、ユーザのコンピュータである。例えば、ユーザ端末20は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、又はウェアラブル端末である。例えば、ユーザ端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、及び表示部25を含む。制御部21、記憶部22、及び通信部23の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であってよい。操作部24は、キーボード、マウス、又はタッチパネル等の入力デバイスである。表示部25は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等のディスプレイである。
【0012】
なお、記憶部12,22に記憶されるプログラムは、ネットワークNを介して供給されてもよい。また、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に記憶されたプログラムが、情報記憶媒体を読み取る読取部(例えば、光ディスクドライブやメモリカードスロット)、又は、外部機器とデータの入出力をするための入出力部(例えば、USBポート)を介して供給されてもよい。
【0013】
また、株取引システム1は、少なくとも1つのコンピュータを含めばよく、図1の例に限られない。例えば、株取引システム1は、ユーザ端末20を含まずに、サーバ10だけを含んでもよい。この場合、ユーザ端末20は、株取引システム1の外部に存在する。株取引システム1は、サーバ10を含まずに、ユーザ端末20だけを含んでもよい。この場合、サーバ10は、株取引システム1の外部に存在する。株取引システム1は、サーバ10及びユーザ端末20以外の他のコンピュータを含んでもよい。
【0014】
[2.株取引システムの概要]
本実施形態では、ユーザの株取引を仲介する証券会社がサーバ10を管理する場合を例に挙げる。株取引自体は、任意の種類であってよく、例えば、日本国又は外国の何れの株取引であってもよい。株式市場及び証券取引所も、任意の種類であってよい。本実施形態では、株取引のうち、主に、単元未満株の取引(売買)を説明する。
【0015】
単元未満株は、1単元に満たない株式である。単元未満株は、プチ株と呼ばれることもある。本実施形態では、1単元が100株である場合を例に挙げるが、1単元は、任意の株数であればよく、100株に限られない。1単元は、1~99株又は101株以上であってもよい。本実施形態では、単元未満株の取引方法として、リアルタイム取引及び一括取引の2種類が用意されている場合を例に挙げるが、リアルタイム取引及び一括取引以外の他の取引方法が存在してもよい。
【0016】
リアルタイム取引は、取引時間内にリアルタイムで単元未満株を取引する取引方法である。別の言い方をすれば、リアルタイム取引は、ユーザごとに、約定のタイミングが異なる可能性がある取引方法である。リアルタイム取引は、寄付よりも後であり、かつ、引けよりも前の取引である。寄付は、最初に成立した取引である。引けは、最後に成立した取引である。リアルタイム取引における価格は、始値及び終値の少なくとも一方と偶然同じになる可能性はあるが、原則として、始値及び終値とは異なる。
【0017】
例えば、リアルタイム取引の価格が成行である場合、リアルタイム取引の価格は、寄付よりも後であり、かつ、引けよりも前の期間内においてリアルタイムに決まる。複数のユーザの各々のリアルタイム取引が、偶然同じタイミングで実行される可能性はあるが、原則として、複数のユーザの各々のリアルタイム取引は、一括ではなく互いに独立して実行される。リアルタイム取引は、ある日の取引時間内にユーザが注文すると、この日の取引時間内の約定が可能である。本実施形態では、リアルタイム取引は、成行注文だけが可能である場合を例に挙げるが、後述の変形例のように、指値注文が可能であってもよい。
【0018】
一括取引は、取引時間内に一括で単元未満株を取引する取引方法である。別の言い方をすれば、一括取引は、複数のユーザで、約定のタイミングが同じになる取引方法である。複数のユーザの各々の一括取引は、一括で実行される。即ち、複数のユーザの各々の一括取引は、互いに連続した一連の処理として実行される。リアルタイム取引は、約定のタイミングをユーザ側である程度は指定できるのに対し、一括取引は、約定のタイミングが予め固定されている。
【0019】
例えば、一括取引は、前場の寄付、前場の引け、後場の寄付、及び後場の引けの少なくとも1つである。前場は、午前の取引時間である。後場は、午後の取引時間である。一括取引の価格が成行である場合、一括取引の価格は、始値又は終値である。一括取引は、1日に1回だけであってもよいし、互いに異なるタイミングで1日に複数回実行されてもよい。例えば、ある1日の中で、前場の寄付と、後場の寄付と、の合計2回の一括取引が実行されてもよい。本実施形態では、一括取引は、成行注文だけが可能である場合を例に挙げるが、指値注文が可能であってもよい。
【0020】
図2は、1日における株式市場の取引時間、リアルタイム取引の注文可能期間、リアルタイム取引の約定可能期間、一括取引の注文可能期間、及び一括取引の約定タイミングの一例を示す図である。注文可能期間は、ユーザによる注文が可能な時間帯である。約定可能期間は、取引が成立可能な時間帯である。約定タイミングは、取引が成立するタイミングである。一括取引では、ある特定のタイミングで複数のユーザの各々の一括取引がまとめて実行されるので、約定可能期間ではなく、約定タイミングになる。なお、図2のt軸は、時間軸である。
【0021】
図2の例では、前場は、9:00~11:30である。後場は、12:30~15:00である。本実施形態では、リアルタイム取引の注文可能期間及び約定可能期間は、取引時間と同じである場合を例に挙げるが、リアルタイム取引の注文可能期間及び約定可能期間は、取引時間と同じではなくもよい。例えば、リアルタイム取引の注文可能期間及び約定可能期間の少なくとも一方の開始時刻は、取引時間の開始時刻よりも前又は後であってもよい。リアルタイム取引の注文可能期間及び約定可能期間の少なくとも一方の終了時刻は、取引時間の終了時刻よりも前又は後であってもよい。
【0022】
本実施形態では、一括取引の注文可能期間は、メンテナンス等の期間を除く1日中であるものとする。このため、取引時間外だったとしても、一括取引の注文が可能である。更に、一括取引の約定タイミングが前場の寄付のタイミングである場合を例に挙げるが、一括取引の約定タイミングは、前場の引けのタイミング、後場の寄付タイミング、後場の引けのタイミング、又はその他のタイミングであってもよい。図2の例では、一括取引の約定タイミングは、午前9時ちょうど又はその直後(1日の中で初めて取引が成立する時刻)である。それ以降の時刻には、一括取引は実行されない。
【0023】
本実施形態では、ある日の所定の締切時刻までに、ユーザが一括取引の注文をすると、この日の前場の寄付として、一括取引が実行される。図2の例では、締切時刻は、前場の開始時刻と同じ午前9時である。締切時刻は、予め定められた時刻であればよく、午前9時に限られない。例えば、締切時刻は、午前9時よりも前又は後であってもよい。ある日の締切時刻以降に、ユーザが一括取引の注文をした場合には、翌営業日における一括取引として処理される。
【0024】
本実施形態では、株取引の対象となる全ての銘柄のうち、証券会社の担当者が指定した所定数の銘柄だけが、リアルタイム取引の対象になる場合を例に挙げる。残りの銘柄は、一括取引の対象になる。以降、リアルタイム取引の対象となる銘柄を、リアルタイム銘柄という。一括取引の対象となる銘柄を、一括銘柄という。リアルタイム銘柄及び一括銘柄を区別しない時は、単に銘柄という。本実施形態では、リアルタイム銘柄は、リアルタイム取引及び一括取引の両方が可能である場合を例に挙げるが、リアルタイム銘柄は、リアルタイム取引だけが可能であってもよい。一括銘柄は、一括取引だけが可能である。例えば、ユーザは、ユーザ端末20を操作してサーバ10にアクセスし、リアルタイム銘柄又は一括銘柄を選択する。
【0025】
図3図5は、ユーザ端末20に表示される画面の一例を示す図である。例えば、ユーザが証券会社のウェブサイトにログインすると、図3の上側に示すように、銘柄を検索するための銘柄検索画面SC1が表示部25に表示される。ユーザが入力フォームF10に検索条件を入力してボタンB11を選択すると、検索条件を満たす銘柄のリストL12が銘柄検索画面SC1に表示される。
【0026】
例えば、ユーザがリストL12の中から銘柄を選択すると、図3の下側に示すように、ユーザが選択した銘柄の詳細を示す銘柄詳細画面SC2が表示部25に表示される。以降、ユーザが選択した銘柄を選択銘柄という。選択銘柄と、選択銘柄以外の他の銘柄と、を区別しない時は、単に銘柄という。ユーザがボタンB20~B25の何れかを選択すると、ユーザは、選択銘柄の具体的な注文内容を入力できる。
【0027】
例えば、選択銘柄がリアルタイム銘柄であり、かつ、現時点が取引時間内である場合には、ユーザがボタンB22を選択すると、図4の上側に示すように、リアルタイム銘柄の注文内容を入力するための第1注文画面SC3が表示部25に表示される。本実施形態では、リアルタイム銘柄は、リアルタイム取引だけではなく、一括取引も可能であるものとする。このため、リアルタイム取引を選択するためのボタンB30と、一括取引を選択するためのボタンB31と、が第1注文画面SC3に表示される。
【0028】
例えば、ユーザは、入力フォームF32に数量を入力する。本実施形態では、1単元未満の数量(例えば、1~99の何れかの数値)を入力フォームF32に入力可能である場合を例に挙げるが、1単元以上の数量を入力フォームF32に入力可能であってもよい。ユーザがボタンB33を選択すると、数量が所定数(例えば、1)だけ増える。ユーザがボタンB34を選択すると、数量が所定数(例えば、1)だけ減る。
【0029】
本実施形態では、単元未満株が成行で取引されるので、図4の上側の例では、第1注文画面SC3の価格の欄には、成行と表示される。第1注文画面SC3には、手数料、執行条件、及び口座といった他の情報も表示される。ユーザが入力フォームF35に暗証番号を入力してボタンB36を選択すると、図4の下側に示すように、注文内容を確認するための第1確認画面SC4が表示部25に表示される。
【0030】
例えば、第1確認画面SC4には、第1注文画面SC3で入力された注文内容が表示される。ユーザがボタンB40を選択すると、第1確認画面SC4に表示された注文内容で単元未満株の取引が実行される。図4の下側の例であれば、リアルタイム取引が選択されているので、リアルタイム取引が実行される。ユーザがボタンB41を選択すると、第1注文画面SC3に戻る。なお、第1確認画面SC4では、ストップ制限値幅の上限値をもとに算出された金額と、スプレッド、手数料、及び税金と、に基づく金額が概算値として表示されてもよい。
【0031】
本実施形態では、選択銘柄がリアルタイム銘柄だったとしても、現時点が取引時間外である場合には、第1注文画面SC3にボタンB30,B31が表示されないものとする。この場合、一括取引が自動選択される。第1注文画面SC3にボタンB30,B31が表示されないのではなく、ボタンB30,B31が選択できないように、グレーアウト等によってボタンB30,B31が無効化されていてもよい。
【0032】
例えば、選択銘柄が一括銘柄である場合、ユーザが銘柄詳細画面SC2のボタンB22を選択すると、現時点が取引時間内であるか否かに関係なく、図5の上側のように、一括銘柄の注文内容を入力するための第2注文画面SC5が表示部25に表示される。第2注文画面SC5は、第1注文画面SC3と概ね同様であるが、注文条件の欄が第1注文画面SC3とは異なる。ボタンB30,B31に相当する画像は、第2注文画面SC5に表示されず、一括取引が自動選択されている。
【0033】
図5の上側の例では、入力フォームF50,F53及びボタンB51,B52,B54は、それぞれ入力フォームF32,F35及びボタンB33,B34,B36と同様である。ユーザが第2注文画面SC5に対する入力を終えると、一括取引の注文内容を確認するための第2確認画面SC6が表示部25に表示される。第2確認画面SC6は、第1確認画面SC4と同様である。ボタンB60,B61は、それぞれボタンB40,B41と同様である。
【0034】
なお、図4,5では、ユーザが買い注文をする場合の画面例を示したが、ユーザがボタンB23を選択して売り注文をすると、売り注文用の第1注文画面SC3又は第2注文画面SC5が表示部25に表示される。例えば、売り注文用の第1注文画面SC3には、ユーザが保有するリアルタイム銘柄の株数が表示される。ユーザは、ボタンB30又はボタンB31を選択して注文条件を指定し、入力フォームF32に数量を入力する。売り注文用の第2注文画面SC5も同様に、ユーザが保有する一括銘柄の株数が表示される。
【0035】
以上のように、株取引システム1は、リアルタイム取引及び一括取引の両方に対応している。即ち、リアルタイム銘柄だけ又は一括銘柄だけが存在するのではなく、リアルタイム銘柄及び一括銘柄の両方が存在する。株取引システム1は、選択銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを判定し、判定結果に基づいて、リアルタイム取引又は一括取引を実行する。複数の取引方法でユーザが単元未満株を取引できるので、単元未満株の取引を促進できる。以降、株取引システム1の詳細を説明する。
【0036】
[3.株取引システムで実現される機能]
図6は、株取引システム1で実現される機能の一例を示す図である。本実施形態では、株取引システム1で実現される機能のうち、主に、単元未満株の取引に関する機能を説明する。
【0037】
[3-1.サーバで実現される機能]
例えば、サーバ10は、データ記憶部100、選択銘柄特定部101、選択銘柄判定部102、時間判定部103、表示制御部104、リアルタイム取引実行部105、及び一括取引実行部106を含む。データ記憶部100は、記憶部12により実現される。選択銘柄特定部101、選択銘柄判定部102、時間判定部103、表示制御部104、リアルタイム取引実行部105、及び一括取引実行部106の各々は、制御部11により実現される。
【0038】
[データ記憶部]
データ記憶部100は、株取引に必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部100は、銘柄データベースDB1及び注文データベースDB2を記憶する。
【0039】
図7は、銘柄データベースDB1の一例を示す図である。銘柄データベースDB1は、株取引の対象となる銘柄に関する各種情報が格納されたデータベースである。例えば、銘柄データベースDB1には、銘柄コード、分類情報、及び銘柄情報が格納される。銘柄データベースDB1には、銘柄に関する何らかの情報が格納されるようにすればよい。銘柄データベースDB1に格納される情報は、図7の例に限られない。例えば、銘柄データベースDB1には、図3図5の各画面に表示される情報が格納されてもよい。
【0040】
銘柄コードは、銘柄を識別可能な銘柄識別情報の一例である。このため、銘柄コードと記載した箇所は、銘柄識別情報と読み替えることができる。銘柄識別情報は、銘柄コード以外の他の情報であってもよい。例えば、銘柄名が選択銘柄識別情報に相当してもよい。
【0041】
分類情報は、銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れに分類されるかを示す情報である。例えば、分類情報は、リアルタイム銘柄を意味する第1の値、又は、一括銘柄を意味する第2の値の何れかを示す。分類情報は、個々の銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを識別可能な情報であればよく、本実施形態の例に限られない。例えば、リアルタイム銘柄にだけ分類情報が格納されてもよいし、一括銘柄にだけ分類情報が格納されてもよい。
【0042】
銘柄情報は、銘柄の詳細に関する情報である。銘柄情報は、静的な情報(銘柄の基本情報)だけではなく、株式市場の取引状況に応じて変化する動的な情報を含んでもよい。例えば、銘柄情報は、銘柄名、1単元の株数、決算日、出来高、及び現在値を示す。銘柄情報は、図7の例に限られず、他の情報を含んでもよい。例えば、銘柄情報は、前日比、前日終値、始値、高値、安値、及び売買代金といった他の情報を含んでもよい。
【0043】
図8は、注文データベースDB2の一例を示す図である。注文データベースDB2は、ユーザの注文に関する各種情報が格納されたデータベースである。例えば、注文データベースDB2には、注文ID、ユーザID、注文情報、及び取引情報が格納される。注文データベースDB2には、注文に関する何らかの情報が格納されるようにすればよい。注文データベースDB2に格納される情報は、図8の例に限られない。例えば、注文データベースDB2には、ユーザが直接的に行った注文ではなく、証券会社の担当者を介して行われた注文に関する情報が格納されてもよい。
【0044】
注文IDは、個々の注文を識別可能な注文識別情報の一例である。注文識別情報は、注文ID以外の他の情報であってもよく、例えば、IDではなく番号と呼ばれる情報であってもよい。ユーザIDは、ユーザを識別可能なユーザ識別情報の一例である。ユーザ識別情報は、ユーザID以外の他の情報であってもよい。例えば、メールアドレス又は電話番号がユーザ識別情報に相当してもよい。注文情報は、注文内容に関する情報である。例えば、注文情報は、注文条件、銘柄コード、銘柄名、数量、価格、手数料、執行条件、及び口座を示す。注文情報は、注文の受付日時等の他の情報を含んでもよい。
【0045】
取引情報は、執行された注文に関する情報である。注文情報に示された注文が執行されると、当該執行された注文に対応する取引情報が生成されて注文データベースDB2に格納される。例えば、取引情報は、注文が執行されたことを示す情報と、注文の執行日時と、を示す。取引情報は、注文が執行前であるか否かを示す情報、又は、注文が執行されずにキャンセルされたか否かを示す情報を含んでもよい。
【0046】
なお、データ記憶部100に記憶されるデータは、上記の例に限られない。データ記憶部100は、株取引に必要なデータを記憶すればよい。例えば、データ記憶部100は、個々のユーザに関する各種情報が格納されたデータベース、証券会社に開設された証券口座に関する各種情報が格納されたデータベース、又は証券会社と連携するマーケットメーカーに関する各種情報が格納されたデータベースを記憶してもよい。これらのデータベースに格納される情報自体は、公知の情報であってよい。例えば、データ記憶部100は、図3図5の各画面をユーザ端末20に表示させるために必要なデータを記憶する。
【0047】
[選択銘柄特定部]
選択銘柄特定部101は、株取引における複数の銘柄の中からユーザにより選択された選択銘柄を特定する。例えば、ユーザ端末20は、銘柄検索画面SC1又は他の画面からユーザが選択銘柄を選択すると、サーバ10に対し、選択銘柄の銘柄コードを送信する。選択銘柄特定部101は、サーバ10がユーザ端末20から受信した銘柄コードに基づいて、選択銘柄を特定する。ユーザが選択した選択銘柄の銘柄コードが予めデータ記憶部100に格納されている場合には、選択銘柄特定部101は、データ記憶部100に格納された銘柄コードを参照し、選択銘柄を特定すればよい。
【0048】
[選択銘柄判定部]
選択銘柄判定部102は、選択銘柄特定部101により特定された選択銘柄が、株式市場の取引時間内にリアルタイムで単元未満株を取引するリアルタイム取引の対象となるリアルタイム銘柄、又は、取引時間内に一括で単元未満株を取引する一括取引の対象となる一括銘柄の何れであるかを判定する。選択銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを判定することは、選択銘柄がリアルタイム銘柄であるか否かを判定すること、及び、選択銘柄が一括銘柄であるか否かを判定することの少なくとも一方と同じ意味である。
【0049】
本実施形態では、銘柄データベースDB1に分類情報が格納されているので、選択銘柄判定部102は、銘柄データベースDB1に格納された選択銘柄の分類情報に基づいて、選択銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを判定する。例えば、選択銘柄判定部102は、選択銘柄の銘柄コードに関連付けられた分類情報が第1の値であれば、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定する。選択銘柄判定部102は、選択銘柄の銘柄コードに関連付けられた分類情報が第2の値であれば、選択銘柄が一括銘柄であると判定する。
【0050】
なお、選択銘柄判定部102の判定方法は、本実施形態の例に限られない。選択銘柄判定部102は、予め定められた判定方法に基づいて、選択銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを判定すればよい。例えば、リアルタイム銘柄にのみ分類情報が銘柄データベースDB1に格納されている場合、選択銘柄判定部102は、選択銘柄の分類情報が銘柄データベースDB1に存在する場合に、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定する。選択銘柄判定部102は、選択銘柄の分類情報が銘柄データベースDB1に存在しない場合に、選択銘柄が一括銘柄であると判定する。
【0051】
上記とは逆に、一括銘柄にのみ分類情報が銘柄データベースDB1に格納されている場合に、選択銘柄判定部102は、選択銘柄の分類情報が銘柄データベースDB1に存在すれば、選択銘柄が一括銘柄であると判定する。選択銘柄判定部102は、選択銘柄の分類情報が銘柄データベースDB1に存在する場合に、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定する。
【0052】
他にも例えば、分類情報を利用することなく、選択銘柄判定部102による判定が実行されてもよい。リアルタイム銘柄の銘柄コードだけが銘柄データベースDB1に格納されている場合には、選択銘柄判定部102は、選択銘柄の銘柄コードが銘柄データベースDB1に存在する場合に、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定する。選択銘柄判定部102は、選択銘柄の銘柄コードが銘柄データベースDB1に存在しない場合に、選択銘柄が一括銘柄であると判定する。
【0053】
上記とは逆に、一括銘柄の銘柄コードだけが銘柄データベースDB1に格納されている場合には、選択銘柄判定部102は、選択銘柄の銘柄コードが銘柄データベースDB1に存在する場合に、選択銘柄が一括銘柄であると判定する。選択銘柄判定部102は、選択銘柄の銘柄コードが銘柄データベースDB1に存在しない場合に、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定する。
【0054】
[時間判定部]
時間判定部103は、現時点が取引時間内であるか否かを判定する。現時点は、時間判定部103が処理を実行する時点である。例えば、図3図5の何れかの画面をユーザ端末20に表示させる時点は、現時点に相当する。取引時間を示すデータは、データ記憶部100に予め記憶されているものとする。このデータには、証券取引所ごとに、取引時間が定められているものとする。時間判定部103は、このデータに基づいて、ユーザが選択した銘柄を取り扱う証券取引所の取引時間を特定する。時間判定部103は、リアルタイムクロック又はGPS等を利用して取得した現時点の日時が取引時間内であるか否かを判定する。
【0055】
[表示制御部]
表示制御部104は、各種画面をユーザ端末20に表示させる。表示制御部104は、表示対象の画面の表示データをユーザ端末20に送信することによって、当該画面をユーザ端末20に表示させる。表示データは、何らかの画面をユーザ端末20に表示させるためのデータであればよく、任意のデータ形式であってよい。例えば、ブラウザが利用される場合、表示データは、HTMLデータである。証券会社が配信する専用のアプリケーションが利用される場合、表示データは、アプリケーションで対応している形式のデータ(例えば、JPEG等の画像データ)であればよい。
【0056】
本実施形態では、表示制御部104は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合に、リアルタイム取引の注文内容を入力可能な第1注文画面SC3を、ユーザのユーザ端末20に表示させる。リアルタイム取引の注文内容とは、リアルタイム取引の注文の詳細である。例えば、注文条件、数量、価格、執行条件、及び口座の少なくとも1つである。図4の例では、注文条件、数量、及び口座の3つがリアルタイム取引の注文内容に相当する。リアルタイム取引の注文内容は、上記の例に限られず、他の任意の注文内容であってよい。例えば、銘柄コード、銘柄名、売り注文であるか買い注文であるか、又は単元未満株の取引であるかといった情報が、リアルタイム取引の注文内容に相当してもよい。
【0057】
本実施形態では、リアルタイム銘柄は、一括取引も可能である。表示制御部104は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合に、リアルタイム取引及び一括取引の中からユーザによる選択を受付可能な第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる。図4の上側の例では、ボタンB30,B31によって、リアルタイム取引又は一括取引の何れかの選択が可能になっている。ボタンB30,B31以外の他の入力フォーム(例えば、チェックボックス)又はその他の画像によって、リアルタイム取引又は一括取引の何れかの選択が可能であってもよい。
【0058】
例えば、表示制御部104は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であり、かつ、現時点が取引時間内であると判定された場合に、リアルタイム取引及び一括取引の中からユーザによる選択を受付可能な第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる。この場合の第1注文画面SC3の一例は、図4の上側に示す通りである。現時点が取引時間内である場合、ユーザは、第1注文画面SC3から、リアルタイム取引及び一括取引のうちの任意の方を選択可能である。
【0059】
図9は、取引時間外における第1注文画面SC3の一例を示す図である。図9のように、表示制御部104は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であり、かつ、現時点が取引時間外であると判定された場合に、リアルタイム取引を選択できない第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる。リアルタイム取引を選択できない第1注文画面SC3とは、リアルタイム取引を選択するための画像が表示されないこと、又は、当該画像が表示されるが選択できないように無効化(例えば、グレーアウト)されることである。
【0060】
本実施形態では、リアルタイム取引は、成行で実行されるので、表示制御部104は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であり、かつ、現時点が取引時間外であると判定された場合に、選択銘柄のリアルタイム取引が成行であれば、リアルタイム取引を選択できない第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる。現時点が取引時間外である場合、ユーザは、一括取引でのみリアルタイム銘柄を注文できる。この場合、ユーザによる選択を要することなく、一括取引が自動選択されてもよい。後述の変形例のように、表示制御部104は、リアルタイム取引で指値が可能な場合には、取引時間外だったとしても、リアルタイム取引を選択可能な第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させてもよい。
【0061】
本実施形態では、表示制御部104は、選択銘柄が一括銘柄であると判定された場合に、一括取引の注文内容を入力可能な第2注文画面SC5を、ユーザ端末20に表示させる。一括取引の注文内容とは、一括取引の注文の詳細である。例えば、注文条件、数量、価格、執行条件、及び口座の少なくとも1つである。図5の例では、数量及び口座の2つが一括取引の注文内容に相当する。一括取引の注文内容は、上記の例に限られず、他の任意の注文内容であってよい。例えば、銘柄コード、銘柄名、売り注文であるか買い注文であるか、又は単元未満株の取引であるかといった情報が、一括取引の注文内容に相当してもよい。
【0062】
本実施形態では、表示制御部104は、選択銘柄が一括銘柄であると判定された場合に、一括取引の選択を必要としない第2注文画面SC5を、ユーザ端末20に表示させる。一括取引の選択を必要としないとは、ユーザによる特段の操作を要求しないことである。即ち、一括取引以外の他の選択肢がないことは、一括取引の選択を必要としないことに相当する。この場合、一括銘柄が自動選択されることになる。図5の例では、ボタンB30,B31に相当する画像を表示させずに、一括取引が自動選択されている。
【0063】
[リアルタイム取引実行部]
リアルタイム取引実行部105は、選択銘柄判定部102により選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合に、選択銘柄のリアルタイム取引を実行する。リアルタイム取引の実行とは、リアルタイム取引に必要な情報処理を実行することである。本実施形態では、サーバ10を管理する証券会社と連携する他のコンピュータ(例えば、証券取引所又は他の証券会社のコンピュータ)とサーバ10の協働により、リアルタイム取引が実行される場合を例に挙げるが、サーバ10だけでリアルタイム取引の実行が完結してもよい。
【0064】
本実施形態では、リアルタイム取引実行部105は、第1注文画面SC3に入力されたリアルタイム取引の注文内容に基づいて、選択銘柄のリアルタイム取引を実行する。例えば、リアルタイム取引実行部105は、第1注文画面SC3でリアルタイム取引が選択された場合に、第1注文画面SC3に入力されたリアルタイム取引の注文内容に基づいて、選択銘柄のリアルタイム取引を実行する。なお、リアルタイム取引実行部105は、第1注文画面SC3でリアルタイム取引の選択を要することなく、リアルタイム取引を実行してもよい。
【0065】
本実施形態では、(1A)ユーザ端末20からリアルタイム取引の注文情報を受信し、(2A)注文情報を注文データベースDB2に格納し、(3A)個々のユーザの注文情報に基づいて注文の実行条件が満たされるか否かを判定し、(4A)実行条件が満たされた場合に他のサーバコンピュータと通信して注文を執行し、(5A)注文が執行された場合に取引情報を注文データベースDB2に格納する、といった一連の処理を実行することが、リアルタイム取引を実行することに相当する場合を例に挙げる。
【0066】
例えば、リアルタイム取引実行部105は、選択銘柄判定部102により選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合に表示された第1注文画面SC3に入力された注文内容を示す注文情報を、ユーザ端末20から受信する。図4の例であれば、リアルタイム取引実行部105は、注文条件が「買い(リアルタイム取引)」であり、銘柄コードが「XXXX」であり、銘柄名が「銘柄AA1」であり、数量が「10株」であり、価格が「成行」であり、執行条件が「本日中」であり、口座が「特定」であることを示す注文情報を、ユーザ端末20から受信する。
【0067】
例えば、リアルタイム取引実行部105は、新たな注文IDを発行する。リアルタイム取引実行部105は、当該発行された注文ID、注文をしたユーザのユーザID、及びユーザ端末20から受信した注文情報を、互いに関連付けて注文データベースDB2に格納する。リアルタイム取引実行部105は、注文データベースDB2に格納された注文情報に基づいて、注文の実行条件が満たされるか否かを判定する。
【0068】
実行条件は、注文を執行するか否かの判定基準となる条件である。実行条件は、図4等で説明した執行条件と同じであってもよい。実行条件自体は、公知の条件であってよく、注文情報に基づいて判定可能な条件であればよい。なお、実行条件の判定は、サーバ10以外の他のコンピュータにより実行されてもよい。他のコンピュータは、証券会社と連携する他社のコンピュータ、証券取引所のコンピュータ、又はその他のコンピュータであってもよい。
【0069】
図4の注文であれば、価格が成行の買い注文なので、リアルタイム取引実行部105は、注文対象となる選択銘柄に対し、ユーザが指定した数量と同じ又はそれ以上の売り注文をした者が存在する場合に、実行条件が満たされると判定する。リアルタイム取引実行部105は、実行条件が満たされると判定された場合に、先述した他のコンピュータと通信して注文を執行する。リアルタイム取引実行部105は、注文が執行されると、取引情報を生成して注文データベースDB2に格納する。
【0070】
なお、リアルタイム取引自体は、公知の処理を利用可能であり、本実施形態の例に限られない。例えば、処理1A~処理5Aの一部だけがリアルタイム取引を実行することに相当してもよい。この場合、サーバ10側で実行されない処理は、サーバ10以外の他のコンピュータで実行される。例えば、処理3A~処理5Aが、サーバ10以外の他のコンピュータで実行される場合には、リアルタイム取引実行部105は、他のコンピュータに対し、処理3A~処理5Aの実行を依頼する。この依頼が、リアルタイム取引の実行に相当してもよい。
【0071】
また、処理1A~処理5A以外の他の処理がリアルタイム取引を実行することに相当してもよい。他の処理としては、リアルタイム取引の注文を受け付けたことをユーザ端末20に通知する処理、リアルタイム取引の注文が執行されたことをユーザ端末20に通知する処理、リアルタイム取引の執行に応じてユーザの証券口座の残高を更新する処理、又はリアルタイム取引の執行に応じてユーザが保有する株数を更新する処理が例として挙げられる。
【0072】
[一括取引実行部]
一括取引実行部106は、選択銘柄判定部102により選択銘柄が一括銘柄であると判定された場合に、選択銘柄の一括取引を実行する。一括取引の実行とは、一括取引に必要な情報処理を実行することである。本実施形態では、サーバ10を管理する証券会社と連携する他のコンピュータ(例えば、証券取引所又は他の証券会社のコンピュータ)とサーバ10の協働により、一括取引が実行される場合を例に挙げるが、サーバ10だけで一括取引の実行が完結してもよい。
【0073】
本実施形態では、一括取引実行部106は、第2注文画面SC5に入力された一括取引の注文内容に基づいて、選択銘柄の一括取引を実行する。また、本実施形態では、リアルタイム銘柄だったとしても一括取引を選択可能なので、一括取引実行部106は、第1注文画面SC3で一括取引が選択された場合に、第1注文画面SC3に入力された一括取引の注文内容に基づいて、選択銘柄の一括取引を実行する。
【0074】
本実施形態では、(1B)ユーザ端末20から一括取引の注文情報を受信し、(2B)注文情報を注文データベースDB2に格納し、(3B)執行条件が同じ日の複数のユーザの各々の注文情報に基づいて注文の実行条件が満たされるか否かを判定し、(4B)実行条件が満たされた場合に他のサーバコンピュータと通信して複数のユーザの各々の注文を一度にまとめて執行し、(5B)注文が執行された場合に取引情報を注文データベースDB2に格納する、といった一連の処理を実行することが、一括取引を実行することに相当する場合を例に挙げる。
【0075】
例えば、一括取引実行部106は、選択銘柄判定部102により選択銘柄が一括銘柄であると判定された場合に表示された第1注文画面SC3に入力された注文内容を示す注文情報を、ユーザ端末20から受信する。図5の例であれば、一括取引実行部106は、注文条件が「買い(一括取引)」であり、銘柄コードが「YYYY」であり、銘柄名が「銘柄AAA2」であり、数量が「45株」であり、価格が「成行」であり、執行条件が「翌営業日中」であり、口座が「特定」であることを示す注文情報を、ユーザ端末20から受信する。
【0076】
例えば、一括取引実行部106は、新たな注文IDを発行する。一括取引実行部106は、当該発行された注文ID、注文をしたユーザのユーザID、及びユーザ端末20から受信した注文情報を、互いに関連付けて注文データベースDB2に格納する。一括取引実行部106は、注文データベースDB2に格納された注文情報に基づいて、執行条件が同じ日の複数のユーザの各々の実行条件が満たされるか否かを判定する。実行条件は、リアルタイム取引実行部105の処理で説明した通りである。
【0077】
図5の注文であれば、価格が成行の買い注文なので、前場寄付(開始価格)を基準にして一定の幅(スプレッド)の範囲内の価格で取引を約定させるために、一括取引実行部106は、注文対象となる選択銘柄が前場で寄り付いた場合に、実行条件が満たされると判定する。このため、単元未満株の一括注文の売りと買いが均衡していない場合でも、取引が成立することになる。なお、本実施形態では、一括取引の約定タイミングが前場の寄付である場合を説明するが、一括取引の約定タイミングは、他のタイミングであってもよい。例えば、一括取引の約定タイミングが前場の引けである場合、前場の終了価格(前場の引け価格)が基準になる。一括取引の約定タイミングが後場の寄りである場合、後場の寄り価格が基準になる。一括取引実行部106は、実行条件が満たされると判定された場合に、先述した他のコンピュータと通信して注文を執行する。一括取引実行部106は、注文が執行されると、取引情報を生成して注文データベースDB2に格納する。
【0078】
なお、一括取引自体は、公知の処理を利用可能であり、本実施形態の例に限られない。例えば、処理1B~処理5Bの一部だけが一括取引を実行することに相当してもよい。この場合、サーバ10側で実行されない処理は、サーバ10以外の他のコンピュータで実行される。例えば、処理3B~処理5Bが、サーバ10以外の他のコンピュータで実行される場合には、一括取引実行部106は、他のコンピュータに対し、処理3B~処理5Bの実行を依頼する。この依頼が、一括取引の実行に相当してもよい。
【0079】
また、処理1B~処理5B以外の他の処理が一括取引を実行することに相当してもよい。他の処理としては、一括取引の注文を受け付けたことをユーザ端末20に通知する処理、一括取引の注文が執行されたことをユーザ端末20に通知する処理、一括取引の執行に応じてユーザの証券口座の残高を更新する処理、又は一括取引の執行に応じてユーザが保有する株数を更新する処理が例として挙げられる。
【0080】
[3-2.ユーザ端末で実現される機能]
ユーザ端末20は、データ記憶部200、表示制御部201、及び操作受付部202を含む。データ記憶部200は、記憶部22により実現される。表示制御部201及び操作受付部202は、制御部21により実現される。
【0081】
[データ記憶部]
データ記憶部200は、株取引に必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部200は、図3図5の各画面を表示部25に表示させるためのブラウザ又は専用のアプリケーションを記憶する。
【0082】
[表示制御部]
表示制御部201は、ユーザが株取引をするための各画面を表示部25に表示させる。例えば、表示制御部201は、サーバ10から受信した表示データに基づいて、各画面を表示部25に表示させる。
【0083】
[操作受付部]
操作受付部202は、ユーザが株取引をするための操作を受け付ける。例えば、操作受付部202は、図3図5の各画面に対して入力された操作内容を示す情報を、サーバ10に送信する。
【0084】
[4.株取引システムで実行される処理]
図10は、株取引システム1で実行される処理の一例を示す図である。図10の処理は、制御部11,21がそれぞれ記憶部12,22に記憶されたプログラムに従って動作することによって実行される。本実施形態では、リアルタイム取引又は一括取引を実行するための処理について説明する。
【0085】
図10のように、サーバ10及びユーザ端末20の間で、銘柄検索画面SC1を表示させるための処理が実行される(S1)。サーバ10及びユーザ端末20の間で、銘柄詳細画面SC2を表示させるための処理が実行される(S2)。S2では、サーバ10が、銘柄検索画面SC1で選択された選択銘柄の銘柄コードをユーザ端末20から受信することによって、選択銘柄を特定する。
【0086】
以降、ユーザがボタンB22を選択した場合に実行される単元未満株の買い注文の処理を説明する。ユーザがボタンB23を選択した場合にも、S3~S13と同様の処理が実行されて、単元未満株の売り注文の処理が実行される。ユーザ端末20は、ユーザがボタンB22を選択すると、サーバ10に対し、注文内容の入力を開始するための要求を送信する(S3)。この要求には、選択銘柄の銘柄コードが含まれるものとする。サーバ10は、ユーザ端末20から要求を受信すると(S4)、銘柄データベースDB1に基づいて、選択銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを判定する(S5)。
【0087】
S5において、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合(S5:リアルタイム銘柄)、サーバ10は、現時点が取引時間内であるか否かを判定する(S6)。S6において、現時点が取引時間内であると判定された場合(S6:Y)、サーバ10は、ユーザ端末20との間で、リアルタイム取引及び一括取引の中からユーザによる選択を受付可能な第1注文画面SC3を表示させるための処理を実行する(S7)。S6において、現時点が取引時間外であると判定された場合(S6:Y)、サーバ10は、ユーザ端末20との間で、一括取引が自動選択された第1注文画面SC3を表示させるための処理を実行する(S8)。
【0088】
S5において、一括銘柄であると判定された場合(S5:一括銘柄)、サーバ10及びユーザ端末20の間で、一括取引が自動選択された第2注文画面SC5を表示させるための処理を実行する(S9)。サーバ10及びユーザ端末20の間で、ユーザの注文を受け付けるための処理が実行される(S10)。S10では、第1確認画面SC4又は第2確認画面SC6を表示させるための処理と、注文データベースDB2を更新するための処理と、も実行される。
【0089】
サーバ10は、注文データベースDB2に格納された注文情報に基づいて、リアルタイム取引又は一括取引の何れかを実行するか否かを判定する(S11)。S11において、リアルタイム取引を実行すると判定された場合(S11:リアルタイム取引)、サーバ10は、リアルタイム取引を実行する(S12)。S11において、一括取引を実行すると判定された場合(S11:一括取引)、サーバ10は、一括取引を実行する(S13)。S11において、リアルタイム取引又は一括取引の何れの取引も実行しないと判定された場合(S11:N)、本処理は終了する。
【0090】
[5.実施形態のまとめ]
本実施形態の株取引システム1は、選択銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを判定する。株取引システム1は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合に、選択銘柄のリアルタイム取引を実行する。株取引システム1は、選択銘柄が一括銘柄であると判定された場合に、選択銘柄の一括取引を実行する。リアルタイム銘柄及び一括銘柄の両方を取り扱うことによって、単元未満株の取引におけるユーザの選択肢が広がるので、単元未満株の取引を促進できる。例えば、リアルタイム取引を希望するユーザと、一括取引を希望するユーザと、の両方に対応できるので、単元未満株の取引を促進できる。また、株取引システム1は、リアルタイム銘柄と一括取引銘柄の両方を取り扱うことによって、以下の効果も奏することができる。即ち、一日の取引量が少ない(流動性が少ない)銘柄は、リアルタイム取引を行うための価格提示が困難なので、リアルタイム取引対象は、おのずと一日の取引量が多い数百程度の主要な銘柄に限定されてしまう。一方で、一括取引では、前場や後場の寄付や引けに限定すれば、略全ての銘柄で取引が行われる。一括取引では、相対で取引を行うための基準となる価格ができるので、より多くの対象銘柄(例えば、千銘柄以上)に広げることができる。ただし、株取引システム1が一括取引だけを取り扱うと、取引機会を限定してしまうので、両方を組み合わせた取引とすることで、単元未満株の取引を促進できる。更に、仮に全ての銘柄をリアルタイム銘柄にしたとしても、単元未満株のリアルタイム取引によって株取引システム1の処理負荷が高まる可能性があるが、一部の銘柄だけをリアルタイム銘柄にすることによって、株取引システム1の処理負荷を抑えることができる。全ての銘柄を一括銘柄にすると、リアルタイム取引を希望するユーザのニーズに答えられないが、一部の銘柄だけを一括銘柄にすることによって、種々のユーザのニーズに答えることができる。
【0091】
また、株取引システム1は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合に、リアルタイム取引の注文内容を入力可能な第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる。株取引システム1は、第1注文画面SC3に入力されたリアルタイム取引の注文内容に基づいて、選択銘柄のリアルタイム取引を実行する。株取引システム1は、選択銘柄が一括銘柄であると判定された場合に、一括取引の注文内容を入力可能な第2注文画面SC5をユーザ端末20に表示させる。株取引システム1は、第2注文画面SC5に入力された一括取引の注文内容に基づいて、選択銘柄の一括取引を実行する。これにより、リアルタイム取引に特有の第1注文画面SC3と、一括取引に特有の第2注文画面SC5と、を出し分けることができるので、ユーザの利便性が高まる。
【0092】
また、株取引システム1は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合に、リアルタイム取引及び一括取引の中からユーザによる選択を受付可能な第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる。株取引システム1は、第1注文画面SC3でリアルタイム取引が選択された場合に、第1注文画面SC3に入力されたリアルタイム取引の注文内容に基づいて、選択銘柄のリアルタイム取引を実行する。株取引システム1は、第1注文画面SC3で一括取引が選択された場合に、第1注文画面SC3に入力された一括取引の注文内容に基づいて、選択銘柄の一括取引を実行する。これにより、リアルタイム銘柄の場合には、リアルタイム取引だけではなく、一括取引にも対応できるようになり、ユーザの選択肢が広がるので、単元未満株の取引を促進できる。
【0093】
また、株取引システム1は、選択銘柄が一括銘柄であると判定された場合に、一括取引の選択を必要としない第2注文画面SC5を、ユーザ端末20に表示させる。これにより、ユーザが一括取引を選択する手間を省けるので、ユーザの利便性が高まる。
【0094】
また、株取引システム1は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であり、かつ、現時点が取引時間内であると判定された場合に、リアルタイム取引及び一括取引の中からユーザによる選択を受付可能な第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる。株取引システム1は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であり、かつ、現時点が取引時間外であると判定された場合に、リアルタイム取引を選択できない第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる。これにより、現時点に応じた第1注文画面SC3をユーザ端末20に表示させることができるので、ユーザの利便性が高まる。
【0095】
また、株取引システム1は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であり、かつ、現時点が取引時間外であると判定された場合に、選択銘柄のリアルタイム取引が成行であれば、リアルタイム取引を選択できない第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる。これにより、リアルタイム取引と一括取引で同じ結果になる場合には、リアルタイム取引を選択できない第1注文画面SC3を表示させることによって、ユーザに余計な選択をさせる必要がなくなるので、ユーザの利便性が高まる。
【0096】
[6.変形例]
なお、本開示は、以上に説明した実施形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0097】
[6-1.変形例1]
例えば、表示制御部104は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合に、現時点が取引時間外だったとしても、リアルタイム取引を選択可能な第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させてもよい。実施形態では、図4,9のように、現時点が取引時間内である場合の第1注文画面SC3と、現時点が取引時間外である場合の第1注文画面SC3と、で注文条件の欄が異なる場合を説明したが、変形例1では、現時点が取引時間内である場合の第1注文画面SC3と、現時点が取引時間外である場合の第1注文画面SC3と、で注文条件の欄は同じである。
【0098】
例えば、リアルタイム取引における価格が成行である場合、取引時間外に受け付けたリアルタイム取引の注文と、取引時間外に受け付けた一括取引の注文と、は同じ結果になる。この場合にも、表示制御部104は、リアルタイム取引を選択可能な第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させてもよい。リアルタイム取引における価格は、指値であってもよい。リアルタイム取引における価格が指値である場合、取引時間外に受け付けたリアルタイム取引の注文と、取引時間外に受け付けた一括取引の注文と、は基本的には同じ結果にならない。この場合、表示制御部104は、リアルタイム取引を選択可能な第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させてもよい。
【0099】
変形例1の株取引システム1は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合に、現時点が取引時間外だったとしても、リアルタイム取引を選択可能な第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる。これにより、現時点が取引時間外だったとしても、リアルタイム取引の注文が可能になるので、ユーザの利便性が高まる。例えば、リアルタイム取引における価格が指値である場合に、現時点が取引時間外だったとしても、リアルタイム取引の注文が可能になるので、ユーザの利便性が高まる。例えば、リアルタイム取引における価格が指値である場合には、第1注文画面SC3の見た目を変えることなく注文が可能なので、ユーザが戸惑いにくくなる。
【0100】
[6-2.変形例2]
例えば、変形例1でも説明したが、第1注文画面SC3では、成行又は指値の何れかを選択可能であってもよい。即ち、リアルタイム取引における価格として、成行及び指値の中からユーザが任意に選択できるようにしてもよい。取引時間内にだけ指値の選択が可能であってもよいし、取引時間外にも指値の選択が可能であってもよい。取引時間外には成行の選択ができないようにしてもよい。
【0101】
図11は、変形例2における第1注文画面SC3の一例を示す図である。変形例2の表示制御部104は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定され、かつ、指値が選択された場合に、現時点が取引時間外だったとしても、リアルタイム取引を選択可能な第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる。図11のように、変形例2の第1注文画面SC3は、価格の欄にボタンB37,B39が表示される。なお、指値と成行の選択は、ボタンB37,B39以外の他の入力フォーム(例えば、チェックボックス)又はその他の画像が利用されてもよい。
【0102】
例えば、ユーザは、ボタンB37を選択することによって、リアルタイム取引における価格として指値を選択できる。ユーザが指値を選択すると、ユーザは、入力フォームF38に価格を示す数値を入力する。ユーザは、ボタンB39を選択することによって、一括取引における価格として成行を選択できる。表示制御部104は、第1注文画面SC3が表示されたばかりの時点におけるデフォルトの選択として、ボタンB37が選択された第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させてもよい。
【0103】
なお、表示制御部104は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定され、かつ、成行が選択された場合に、現時点が取引時間外だったとしても、リアルタイム取引を選択可能な第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させてもよい。この場合、表示制御部104は、後述の変形例3のような第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させてもよい。また、指値におけるリアルタイム取引自体は、公知の処理を利用可能である。例えば、リアルタイム取引実行部105は、ユーザが指定した指値に基づいて、リアルタイム取引の実行条件が満たされたか否かを判定する。リアルタイム取引を実行するか否かが指値に基づいて決まる点で、実施形態で説明した成行とは異なるが、他の点については、実施形態で説明した通りである。
【0104】
変形例2の株取引システム1は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定され、かつ、指値が選択された場合に、現時点が取引時間外だったとしても、リアルタイム取引を選択可能な第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる。これにより、現時点が取引時間外だったとしても、指値でリアルタイム取引の注文が可能になるので、ユーザの利便性が高まる。
【0105】
[6-3.変形例3]
例えば、変形例2において、取引時間外に成行が選択されると、リアルタイム取引と、一括取引と、が同じ結果になる。このため、取引時間外においては、リアルタイム取引を選択できないようにしてもよい。
【0106】
図12は、変形例3における第1注文画面SC3の一例を示す図である。変形例3の表示制御部104は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定され、かつ、成行が選択された場合に、現時点が取引時間外であれば、リアルタイム取引を選択できない第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる。例えば、表示制御部104は、ユーザがボタンB39を選択した場合に、第1注文画面SC3からボタンB30,B31を消去し、注文条件の欄に一括取引と表示させる。この場合、一括取引が自動選択されることになる。
【0107】
図12の例では、表示制御部104が、リアルタイム取引を選択するためのボタンB30を含まない第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる場合を例に挙げたが、リアルタイム取引を選択できない第1注文画面SC3は、図12の例に限られない。例えば、表示制御部104は、第1注文画面SC3にボタンB30を表示させるが、ボタンB30を無効化(例えば、グレーアウト)してもよい。ユーザがボタンB37を選択した場合には、表示制御部104は、再びボタンB30,B31を第1注文画面SC3に表示させる。
【0108】
変形例3の株取引システム1は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定され、かつ、成行が選択された場合に、現時点が取引時間外であれば、リアルタイム取引を選択できない第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる。リアルタイム取引と、一括取引と、が同じ結果になる場合に、リアルタイム取引を選択できないようにすることによって、ユーザが取引の内容を誤解する可能性を低減できるので、ユーザの利便性が高まる。
【0109】
[6-4.変形例4]
例えば、変形例3のようにリアルタイム取引を選択できないようにするのではなく、表示制御部104は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合に、選択銘柄のリアルタイム取引が成行であり、かつ、現時点が取引時間外であれば、一括取引と同様であることを示すメッセージを含む第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させてもよい。変形例4の第1注文画面SC3は、図11と同様に、現時点が取引時間外だったとしても、ボタンB30が第1注文画面SC3に表示される。
【0110】
変形例4の表示制御部104は、リアルタイム取引と、一括取引と、が同じ結果になることを示すメッセージを、第1注文画面SC3に表示させる。メッセージのデータは、データ記憶部100に予め記憶されているものとする。メッセージは、リアルタイム取引と、一括取引と、が同じ結果になることを理解可能な文言であればよく、任意の文言であってよい。表示制御部104は、データ記憶部100に記憶されたメッセージのデータに基づいて、第1注文画面SC3にメッセージを表示させる。
【0111】
変形例4の株取引システム1は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合に、選択銘柄のリアルタイム取引が成行であり、かつ、現時点が取引時間外であれば、一括取引と同様であることを示すメッセージを含む第1注文画面SC3を、ユーザ端末20に表示させる。これにより、ユーザが取引の内容を正確に把握できるので、ユーザの利便性が高まる。
【0112】
[6-5.変形例5]
例えば、実施形態では、個々の銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを、証券会社の担当者が指定する場合を説明した。個々の銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかは、担当者が指定するのではなく、株取引システム1で自動的に決定されてもよい。更に、株取引システム1がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の候補を決定し、最終的な判定は担当者に委ねられてもよい。この場合、株取引システム1は、リアルタイム銘柄又は一括銘柄の候補の一覧を、担当者の端末に表示させる。担当者の端末に対する操作に基づいて、リアルタイム銘柄又は一括銘柄が最終的に決定される。
【0113】
図13は、変形例5において実現される機能の一例を示す図である。変形例5の株取引システム1は、分類部107を更に含む。分類部107は、制御部11によって実現される。分類部107は、複数の銘柄の各々に関する銘柄情報に基づいて、複数の銘柄の各々を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類する。銘柄情報は、実施形態で説明した銘柄データベースDB1に格納されている。ここでの分類とは、個々の銘柄がリアルタイム銘柄であるか一括銘柄であるかを判定することである。
【0114】
変形例5では、銘柄情報が取引の流動性に関する情報である場合を例に挙げる。流動性とは、株式市場に出回る株式の多さである。例えば、銘柄情報は、出来高、指値の多さを示す板の厚さ、及びスプレッドの少なくとも1つである。流動性は、注文数又はウェブサイトにおける閲覧数等の他の指標によって示されてもよい。分類部107は、複数の銘柄の各々の銘柄情報に基づいて、流動性が相対的に高い銘柄がリアルタイム銘柄になるように、複数の銘柄の各々を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類する。
【0115】
変形例5では、リアルタイム銘柄に分類されるためのリアルタイム銘柄条件が定められているものとする。分類部107は、銘柄ごとに、当該銘柄の銘柄情報に基づいて、リアルタイム銘柄条件が満たされるか否かを判定する。分類部107は、リアルタイム銘柄条件が満たされると判定された銘柄を、リアルタイム銘柄に分類する。分類部107は、リアルタイム銘柄条件が満たされないと判定された銘柄を、一括銘柄に分類する。
【0116】
例えば、分類部107は、銘柄情報が示す出来高、板の厚さ、及びスプレッドの少なくとも1つが閾値以上の銘柄を、リアルタイム銘柄として決定する。分類部107は、銘柄情報が示す出来高、板の厚さ、及びスプレッドの少なくとも1つの降順で銘柄をソートし、所定の順位よりも順位が高い銘柄を、リアルタイム銘柄として決定してもよい。分類部107は、銘柄情報が示す出来高、板の厚さ、及びスプレッドの少なくとも1つをそのまま利用するのではなく、流動性を示すスコアを計算したうえで、個々の銘柄をリアルタイム銘柄に分類するか否かを判定してもよい。
【0117】
なお、一括銘柄に分類されるための一括銘柄条件が定められていてもよい。更に、取引の流動性に関する条件が一括銘柄条件に相当してもよい。分類部107は、銘柄ごとに、当該銘柄の銘柄情報に基づいて、一括銘柄条件が満たされるか否かを判定する。一括銘柄条件は、銘柄情報に基づいて判定可能な条件であればよく、変形例5の例に限られない。分類部107は、一括銘柄条件が満たされると判定された銘柄を、一括銘柄に分類する。分類部107は、一括銘柄条件が満たされないと判定された銘柄を、リアルタイム銘柄に分類する。
【0118】
例えば、分類部107は、銘柄情報が示す出来高、板の厚さ、及びスプレッドの少なくとも1つが閾値未満の銘柄を、一括銘柄として決定する。分類部107は、銘柄情報が示す出来高、板の厚さ、及びスプレッドの少なくとも1つの降順で銘柄をソートし、所定の順位よりも順位が低い銘柄を、一括銘柄として決定してもよい。分類部107は、銘柄情報が示す出来高、板の厚さ、及びスプレッドの少なくとも1つをそのまま利用するのではなく、流動性を示すスコアを計算したうえで、個々の銘柄が一括銘柄に分類するか否かを判定してもよい。
【0119】
なお、上記の例では、リアルタイム銘柄条件又は一括銘柄条件の何れか一方だけが定められている場合を説明したが、リアルタイム銘柄条件及び一括銘柄条件の両方が定められていてもよい。分類部107は、リアルタイム銘柄条件又は一括銘柄条件の何れも満たさない銘柄を、単元未満株の取引の対象としない対象外銘柄として分類してもよい。即ち、分類部107は、全ての銘柄をリアルタイム銘柄条件又は一括銘柄条件の何れかに分類しなければならないわけではなく、単元未満株の取引を可能とする他の取引方法が存在する場合には、他の取引方法に銘柄を分類してもよい。更に、分類部107は、そもそも単元未満株の取引が可能ではない銘柄として、少なくとも1つの銘柄を分類してもよい。
【0120】
また、分類部107は、流動性以外の要素に基づいて、個々の銘柄を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れかに分類してもよい。例えば、分類部107は、株価が相対的に高い銘柄をリアルタイム銘柄に分類してもよい。株価は、現在値、始値、高値、安値、又はこれらの組み合わせであってもよい。分類部107は、株価が閾値以上の銘柄をリアルタイム銘柄に分類し、株価が閾値未満の銘柄を一括銘柄に分類してもよい。分類部107は、株価が高い順に所定数の銘柄を選択してリアルタイム銘柄として分類し、他の銘柄を一括銘柄に分類してもよい。
【0121】
選択銘柄判定部102は、分類部107による分類結果に基づいて、選択銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを判定する。証券会社の担当者ではなく、分類部107による分類が実行される点で実施形態とは異なるが、選択銘柄判定部102が実行する判定処理自体は、実施形態で説明した通りである。
【0122】
変形例5の株取引システム1は、複数の銘柄の各々に関する銘柄情報に基づいて、複数の銘柄の各々を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類する。株取引システム1は、当該分類結果に基づいて、選択銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを判定する。これにより、証券会社の担当者の利便性が高まる。ユーザの立場からしても、リアルタイム取引に適切な銘柄と、一括取引に適切な銘柄と、を注文できるので、ユーザの利便性が高まる。
【0123】
また、株取引システム1は、複数の銘柄の各々の銘柄情報に基づいて、流動性が相対的に高い銘柄がリアルタイム銘柄になるように、複数の銘柄の各々を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類する。これにより、流動性の高い銘柄のリアルタイム取引が可能になるので、単元未満株の取引を促進できる。例えば、分類部107が定期的に分類を実行することによって、最新のトレンドを考慮して流動性の高い銘柄をリアルタイム銘柄に分類できる。
【0124】
[6-6.変形例6]
例えば、変形例5では、取引の流動性に基づいて分類が行われる場合を例に挙げたが、分類部107の処理は、変形例5に限られない。分類部107は、株主優待を考慮して、銘柄を分類してもよい。変形例6の銘柄情報は、株主優待に関する情報である。例えば、銘柄情報は、株主優待の有無を示す。単元株では株主優待が発生しても、単元未満株では株主優待が発生しない銘柄も存在するので、銘柄情報は、単元未満株で株主優待が発生するか否かを示してもよい。銘柄情報は、株主優待の有無だけではなく、株主優待の具体的な内容を示してもよい。例えば、銘柄情報は、株主優待の金銭的な価値を示す数値を含んでもよい。
【0125】
変形例5の分類部107は、複数の銘柄の各々の銘柄情報に基づいて、単元未満株でも株主優待がある銘柄がリアルタイム銘柄になるように、複数の銘柄の各々を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類する。例えば、分類部107は、株主優待がある全ての銘柄を、リアルタイム銘柄に分類してもよい。別の言い方をすれば、分類部107は、株主優待がない全ての銘柄を、一括銘柄に分類してもよい。
【0126】
なお、分類部107は、株主優待がある銘柄のうちの一部の銘柄を、リアルタイム銘柄に分類してもよい。例えば、分類部107は、株主優待がある銘柄の中からランダムに選択した一部の銘柄をリアルタイム銘柄に分類し、他の銘柄を一括銘柄に分類してもよい。分類部107は、株主優待の価値が高い順に所定数の銘柄を選択し、当該選択された一部の銘柄をリアルタイム銘柄に分類し、他の銘柄を一括銘柄に分類してもよい。分類部107は、株主優待の金銭的な価値が閾値以上の銘柄をリアルタイム銘柄に分類し、他の銘柄を一括銘柄に分類してもよい。
【0127】
変形例6の株取引システム1は、複数の銘柄の各々の銘柄情報に基づいて、単元未満株でも株主優待がある銘柄がリアルタイム銘柄になるように、複数の銘柄の各々を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類する。これにより、株主優待がある銘柄のリアルタイム取引が可能になるので、単元未満株の取引を促進できる。
【0128】
[6-7.変形例7]
例えば、変形例5,6を組み合わせて、複数の項目が総合的に考慮されて、リアルタイム銘柄又は一括銘柄の分類が実行されてもよい。変形例7の銘柄情報は、銘柄に関する複数の項目を含む。銘柄に関する項目とは、銘柄情報に含まれる個々の情報である。例えば、銘柄情報は、流動性に関する複数の項目を含む。銘柄情報は、流動性に関する項目と、株主優待に関する項目と、を含んでもよい。
【0129】
変形例7の分類部107は、複数の銘柄の各々の銘柄情報に含まれる複数の項目に基づいて、複数の銘柄の各々を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類する。例えば、分類部107は、複数の銘柄の各々の銘柄情報に含まれる流動性に関する複数の項目に基づいて、複数の銘柄の各々を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類する。この場合、分類部107は、複数の項目のうち、流動性に関する閾値以上の項目数が所定数以上の銘柄を、リアルタイム銘柄として分類する。分類部107は、複数の項目に基づいて、流動性に関する指標を計算し、当該計算された指標が相対的に高い銘柄を、リアルタイム銘柄として分類してもよい。
【0130】
例えば、分類部107は、複数の銘柄の各々の銘柄情報に含まれる流動性に関する項目及び株主優待に関する項目に基づいて、複数の銘柄の各々を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類してもよい。分類部107は、流動性が相対的に高く、かつ、株主優待がある銘柄を、リアルタイム銘柄として分類する。分類部107は、流動性が相対的に高く、かつ、株主優待の金銭的な価値が閾値以上の銘柄を、リアルタイム銘柄として分類してもよい。他にも例えば、分類部107は、変形例5,6で説明した分類方法を組み合わせて、個々の銘柄をリアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類してもよい。
【0131】
変形例7の株取引システム1は、複数の銘柄の各々の銘柄情報に含まれる複数の項目に基づいて、複数の銘柄の各々を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類する。これにより、分類の精度が高まるので、単元未満株の取引を促進できる。
【0132】
[6-8.変形例8]
例えば、変形例7のように、複数の項目を総合的に考慮する場合に、分類部107は、訓練用の銘柄である訓練銘柄に関する複数の項目と、リアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れかを示すラベルと、を含む訓練データが学習された学習モデルに基づいて、複数の銘柄の各々を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類してもよい。
【0133】
学習モデルは、機械学習の手法を利用したモデルである。機械学習自体は、公知の種々の手法を利用可能である。変形例8では、機械学習の手法として、ニューラルネットワークを例に挙げるが、サポートベクターマシン又はベイジアンネットワーク等の他の手法が利用されてもよい。例えば、学習モデルは、教師有り学習、半教師有り学習、又は教師無し学習の何れの手法を利用したモデルであってもよい。
【0134】
例えば、証券会社の担当者は、自身の担当者端末を操作して、学習モデルの学習を実行する。学習モデルの学習は、学習モデルのパラメータを調整する処理である。学習は、機械学習の手法で採用されている種々の処理を利用可能である。例えば、勾配変化法又は誤差逆伝播法が利用されて、学習モデルの学習が実行されてもよい。訓練データは、担当者の端末に予め用意されているものとする。担当者端末は、訓練データの入力部分が入力された場合に、訓練データの出力部分が出力されるように、学習モデルの学習を実行する。
【0135】
例えば、分類部107は、複数の銘柄の各々の銘柄情報を、学習済みの学習モデルに入力する。学習モデルは、銘柄情報の特徴量を計算し、特徴量に応じたラベルを出力する。ラベルは、リアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れであるかを示す情報である。分類部107は、学習モデルから出力されたラベルを取得し、複数の銘柄の各々を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類する。
【0136】
変形例8の株取引システム1は、訓練用の銘柄である訓練銘柄に関する複数の項目と、リアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れかを示すラベルと、を含む訓練データが学習された学習モデルに基づいて、複数の銘柄の各々を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類する。これにより、分類の精度が高まるので、単元未満株の取引を促進できる。
【0137】
[6-9.変形例9]
例えば、ユーザが、株取引に関する株取引サービスとは異なる他のサービスを利用する場合、分類部107は、他のサービスにおけるユーザに関するユーザ情報に基づいて、複数の銘柄の各々を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類してもよい。他のサービスは、任意のサービスであってよく、例えば、電子商取引サービス、旅行予約サービス、通信サービス、電子決済サービス、又は金融サービスであってもよい。
【0138】
例えば、分類部107は、他のサービスにおける複数のユーザの各々の利用状況に基づいて、複数の銘柄の中から、最近のユーザの嗜好に合った銘柄を特定する。分類部107は、当該特定した銘柄をリアルタイム銘柄に分類し、他の銘柄を一括銘柄に分類する。嗜好は、電子商取引サービス等の商品の購入情報又は閲覧情報等から特定されるようにすればよい。嗜好と銘柄の関係は、予めデータ記憶部100に定義されているものとする。分類部107は、特定した嗜好に関連付けられた銘柄を、リアルタイム銘柄に分類する。
【0139】
変形例9の株取引システム1は、他のサービスにおけるユーザに関するユーザ情報に基づいて、複数の銘柄の各々を、リアルタイム銘柄又は一括銘柄に分類する。これにより、分類の精度が高まるので、単元未満株の取引を促進できる。
【0140】
[6-10.その他の変形例]
例えば、上記説明した変形例を組み合わせてもよい。
【0141】
例えば、リアルタイム銘柄を注文するための画面と、一括銘柄を注文するための画面と、は同じであってもよい。この場合、同じレイアウトの画面で、リアルタイム取引及び一括取引の中からユーザによる選択が受け付けられるようにすればよい。例えば、リアルタイム銘柄は、一括取引が可能ではなく、リアルタイム取引にだけ対応していてもよい。例えば、取引時間内であるか否かに関係なく、第1注文画面SC3及び第2注文画面SC5の少なくとも一方が同じであってもよい。
【0142】
例えば、実施形態では、証券会社がいわゆるネット証券である場合を例に挙げたが、ユーザが証券会社の実店舗を利用する株取引にも株取引システム1を適用可能である。実施形態では、全ての銘柄がリアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れかに分類される場合を例に挙げたが、リアルタイム銘柄又は一括銘柄の何れにも分類されない銘柄が存在してもよい。例えば、他の取引方法で単元未満株の取引が可能な銘柄、又は、単元未満株の取引に対応していない銘柄が存在してもよい。選択銘柄がリアルタイム銘柄であれば、リアルタイム取引がデフォルトで選択されている場合を例に挙げたが、一括取引がデフォルトで選択されてもよいし、デフォルトの選択が行われなくてもよい。
【0143】
例えば、サーバ10又はユーザ端末20で実現されるものとして説明した機能は、株取引システム1における少なくとも1つのコンピュータにより実現されるようにすればよい。例えば、サーバ10で実現されるものとして説明した機能が、ユーザ端末20で実現されてもよい。この場合、ユーザ端末20は、選択銘柄特定部101、選択銘柄判定部102、時間判定部103、リアルタイム取引実行部105、及び一括取引実行部106のうちの少なくとも1つを含む。これら各機能は、制御部21によって実現される。
【0144】
また、表示制御部104が実行するものとして説明した処理は、表示制御部201により実行されてもよい。例えば、図11,12を参照して説明した処理(ボタンB37,B39の選択状態に応じたボタンB30,B31の表示/非表示が切り替わる処理)は、表示制御部201により実行されてもよい。この場合、表示制御部201は、ブラウザにおけるスクリプト又は専用のアプリケーションを実行して、当該処理を実行すればよい。また、複数のコンピュータで各機能が分担されてもよい。この場合、複数のコンピュータの各々が、他のコンピュータに対し、自身の処理結果を送信することによって、機能の分担が実現されるようにすればよい。
【0145】
[6-11.株取引以外の変形例]
例えば、株取引システム1は、株以外の他の商品(いわゆる金融商品)の取引に適用してもよい。この場合、株と記載した箇所は、金・プラチナ、投資信託、投信積立、国債、為替、又は暗号資産といった他の商品に読み替えることができる。他の商品は、ユーザの投資の対象となる商品であればよい。他の商品の取引を仲介する取引システムも、本開示の範囲に含まれる。即ち、単元未満株の取引を促進するといった課題以外にも、上記他の商品の取引を促進するといった課題を解決する構成も、本開示の範囲に含まれる。株式及び他の商品の両方の取引を仲介する取引システムも、本開示の範囲に含まれる。取引システムのハードウェア構成は、株取引システム1と同様であってよい。
【0146】
他の商品の一例として、金・プラチナを説明する。例えば、金・プラチナの取引単位が1グラムだったとすると、取引システムは、1グラム未満の金・プラチナの取引を仲介してもよい。取引システムは、金・プラチナのうち、ユーザにより選択された取引対象を特定する取引対象特定部を含む。取引対象特定部は、実施形態における選択銘柄特定部101の説明のうち、株及び銘柄と記載した箇所を、金・プラチナといった取引対象に読み替えればよい。以降、金・プラチナのうち、ユーザにより選択された取引対象を選択取引対象という。
【0147】
例えば、金・プラチナのリアルタイム取引は、金・プラチナの市場における取引時間内に、リアルタイムで1グラム未満の金・プラチナを取引する取引方法である。金・プラチナの一括取引は、取引時間内に一括で1グラム未満の金・プラチナを取引する取引方法である。ここでは、1グラム未満の金は、リアルタイム取引及び一括取引の両方が可能であり、1グラム未満のプラチナは、一括取引だけが可能である場合を例に挙げる。この例とは逆に、1グラム未満のプラチナは、リアルタイム取引及び一括取引の両方が可能であり、1グラム未満の金は、一括取引だけが可能であってもよい。
【0148】
以降、リアルタイム取引の対象となる取引対象をリアルタイム取引対象という。一括取引の対象となる取引対象を一括取引対象という。例えば、取引システムは、選択取引対象がリアルタイム取引対象又は一括取引対象の何れであるかを判定する選択取引対象判定部を含む。選択取引対象判定部は、選択取引対象が金である場合に、リアルタイム取引対象と判定する。選択取引対象判定部は、選択取引対象がプラチナである場合に、一括取引対象と判定する。
【0149】
例えば、取引システムは、選択取引対象がリアルタイム取引対象であると判定された場合に、選択取引対象のリアルタイム取引を実行するリアルタイム取引実行部を含む。取引システムは、選択取引対象が一括取引対象であると判定された場合に、選択取引対象の一括取引を実行する一括取引実行部を含む。取引システムのリアルタイム取引実行部及び一括取引実行部は、実施形態で説明した株取引システム1のリアルタイム取引実行部105及び一括取引実行部106の処理を、金・プラチナの取引の処理として読み替えればよい。
【0150】
以上説明した取引システムは、リアルタイム取引及び一括取引を併用することによって、1グラム未満の金・プラチナの取引を促進できる。金・プラチナ以外の他の商品も同様である。例えば、投資信託、投信積立、国債、為替、又は暗号資産といった他の商品の取引単位が定められており、かつ、取引単位未満の他の商品の取引を可能とする場合に、取引システムは、リアルタイム取引及び一括取引を併用することによって、取引単位未満の他の商品の取引を促進できる。取引システムは、スポット取引及び先物取引といった種々の取引に適用可能である。
【0151】
[7.付記]
例えば、本開示に係る株取引システムは、下記のような構成も可能である。
(1)
株取引における複数の銘柄の中からユーザにより選択された選択銘柄を特定する選択銘柄特定部と、
前記選択銘柄が、株式市場の取引時間内にリアルタイムで単元未満株を取引するリアルタイム取引の対象となるリアルタイム銘柄、又は、前記取引時間内に一括で単元未満株を取引する一括取引の対象となる一括銘柄の何れであるかを判定する選択銘柄判定部と、
前記選択銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記リアルタイム取引を実行するリアルタイム取引実行部と、
前記選択銘柄が前記一括銘柄であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記一括取引を実行する一括取引実行部と、
を含む株取引システム。
(2)
前記株取引システムは、前記選択銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定された場合に、前記リアルタイム取引の注文内容を入力可能な第1注文画面を、前記ユーザのユーザ端末に表示させ、前記選択銘柄が前記一括銘柄であると判定された場合に、前記一括取引の注文内容を入力可能な第2注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる表示制御部を更に含み、
前記リアルタイム取引実行部は、前記第1注文画面に入力された前記リアルタイム取引の注文内容に基づいて、前記選択銘柄の前記リアルタイム取引を実行し、
前記一括取引実行部は、前記第2注文画面に入力された前記一括取引の注文内容に基づいて、前記選択銘柄の前記一括取引を実行する、
(1)に記載のシステム。
(3)
前記リアルタイム銘柄は、前記一括取引も可能であり、
前記表示制御部は、前記選択銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定された場合に、前記リアルタイム取引及び前記一括取引の中から前記ユーザによる選択を受付可能な前記第1注文画面を、前記ユーザ端末に表示させ、
前記リアルタイム取引実行部は、前記第1注文画面で前記リアルタイム取引が選択された場合に、前記第1注文画面に入力された前記リアルタイム取引の注文内容に基づいて、前記選択銘柄の前記リアルタイム取引を実行し、
前記一括取引実行部は、前記第1注文画面で前記一括取引が選択された場合に、前記第1注文画面に入力された前記一括取引の注文内容に基づいて、前記選択銘柄の前記一括取引を実行する、
(2)に記載のシステム。
(4)
前記表示制御部は、前記選択銘柄が前記一括銘柄であると判定された場合に、前記一括取引の選択を必要としない前記第2注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる、
(3)に記載のシステム。
(5)
前記株取引システムは、現時点が前記取引時間内であるか否かを判定する時間判定部を更に含み、
前記表示制御部は、
前記選択銘柄が前記リアルタイム銘柄であり、かつ、現時点が前記取引時間内であると判定された場合に、前記リアルタイム取引及び前記一括取引の中から前記ユーザによる選択を受付可能な前記第1注文画面を、前記ユーザ端末に表示させ、
前記選択銘柄が前記リアルタイム銘柄であり、かつ、現時点が前記取引時間外であると判定された場合に、前記リアルタイム取引を選択できない前記第1注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる、
(3)又は(4)に記載のシステム。
(6)
前記リアルタイム取引実行部は、前記選択銘柄が前記リアルタイム銘柄であり、かつ、現時点が前記取引時間外であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記リアルタイム取引が成行であれば、前記リアルタイム取引を選択できない前記第1注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる、
(5)に記載のシステム。
(7)
前記表示制御部は、前記選択銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定された場合に、現時点が前記取引時間外だったとしても、前記リアルタイム取引を選択可能な前記第1注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる、
(3)~(6)の何れかに記載のシステム。
(8)
前記第1注文画面では、成行又は指値の何れかを選択可能であり、
前記表示制御部は、前記選択銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定され、かつ、前記指値が選択された場合に、現時点が前記取引時間外だったとしても、前記リアルタイム取引を選択可能な前記第1注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる、
(7)に記載のシステム。
(9)
前記表示制御部は、前記選択銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定され、かつ、前記成行が選択された場合に、現時点が前記取引時間外であれば、前記リアルタイム取引を選択できない前記第1注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる、
(8)に記載のシステム。
(10)
前記表示制御部は、前記選択銘柄が前記リアルタイム銘柄であると判定された場合に、前記選択銘柄の前記リアルタイム取引が成行であり、かつ、現時点が前記取引時間外であれば、前記一括取引と同様であることを示すメッセージを含む前記第1注文画面を、前記ユーザ端末に表示させる、
(7)~(9)の何れかに記載のシステム。
(11)
前記株取引システムは、前記複数の銘柄の各々に関する銘柄情報に基づいて、前記複数の銘柄の各々を、前記リアルタイム銘柄又は前記一括銘柄に分類する分類部を更に含み、
前記選択銘柄判定部は、前記分類部による分類結果に基づいて、前記選択銘柄が前記リアルタイム銘柄又は前記一括銘柄の何れであるかを判定する、
(1)~(10)の何れかに記載のシステム。
(12)
前記銘柄情報は、取引の流動性に関する情報であり、
前記分類部は、前記複数の銘柄の各々の前記銘柄情報に基づいて、前記流動性が相対的に高い前記銘柄が前記リアルタイム銘柄になるように、前記複数の銘柄の各々を、前記リアルタイム銘柄又は前記一括銘柄に分類する、
(11)に記載のシステム。
(13)
前記銘柄情報は、株主優待に関する情報であり、
前記分類部は、前記複数の銘柄の各々の前記銘柄情報に基づいて、単元未満株でも前記株主優待がある前記銘柄が前記リアルタイム銘柄になるように、前記複数の銘柄の各々を、前記リアルタイム銘柄又は前記一括銘柄に分類する、
(11)又は(12)に記載のシステム。
(14)
前記銘柄情報は、前記銘柄に関する複数の項目を含み、
前記分類部は、前記複数の銘柄の各々の前記銘柄情報に含まれる前記複数の項目に基づいて、前記複数の銘柄の各々を、前記リアルタイム銘柄又は前記一括銘柄に分類する、
(11)~(13)の何れかに記載のシステム。
(15)
前記分類部は、訓練用の前記銘柄である訓練銘柄に関する前記複数の項目と、前記リアルタイム銘柄又は前記一括銘柄の何れかを示すラベルと、を含む訓練データが学習された学習モデルに基づいて、前記複数の銘柄の各々を、前記リアルタイム銘柄又は前記一括銘柄に分類する、
(14)に記載のシステム。
(16)
前記ユーザは、前記株取引に関する株取引サービスとは異なる他のサービスを利用し、
前記分類部は、前記他のサービスにおける前記ユーザに関するユーザ情報に基づいて、前記複数の銘柄の各々を、前記リアルタイム銘柄又は前記一括銘柄に分類する、
(11)~(15)の何れかに記載のシステム。
【符号の説明】
【0152】
1 株取引システム、10 サーバ、11,21 制御部、12,22 記憶部、13,23 通信部、20 ユーザ端末、24 操作部、25 表示部、100 データ記憶部、101 選択銘柄特定部、102 選択銘柄判定部、103 時間判定部、104 表示制御部、105 リアルタイム取引実行部、106 一括取引実行部、107 分類部、200 データ記憶部、201 表示制御部、202 操作受付部、B11,B20,B21,B22,B23,B24,B25,B30,B31,B33,B34,B36,B37,B39,B40,B41,B51,B52,B54,B60,B61 ボタン、DB1 銘柄データベース、DB2 注文データベース、F10,F32,F35,F38,F50,F53 入力フォーム、L12 リスト、SC1 銘柄検索画面、SC2 銘柄詳細画面、SC3 第1注文画面、SC4 第1確認画面、SC5 第2注文画面、SC6 第2確認画面、N ネットワーク。
【要約】
【課題】単元未満株の取引を促進する。
【解決手段】株取引システム(1)の選択銘柄特定部(101)は、株取引における複数の銘柄の中からユーザにより選択された選択銘柄を特定する。選択銘柄判定部(102)は、選択銘柄が、株式市場の取引時間内にリアルタイムで単元未満株を取引するリアルタイム取引の対象となるリアルタイム銘柄、又は、取引時間内に一括で単元未満株を取引する一括取引の対象となる一括銘柄の何れであるかを判定する。リアルタイム取引実行部(105)は、選択銘柄がリアルタイム銘柄であると判定された場合に、選択銘柄のリアルタイム取引を実行する。一括取引実行部(106)は、選択銘柄が一括銘柄であると判定された場合に、選択銘柄の一括取引を実行する。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13