(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】ブレーキ
(51)【国際特許分類】
F16D 55/28 20060101AFI20240607BHJP
F16D 65/12 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
F16D55/28 B
F16D65/12 R
(21)【出願番号】P 2023568630
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(86)【国際出願番号】 CN2022076704
(87)【国際公開番号】W WO2023040180
(87)【国際公開日】2023-03-23
【審査請求日】2023-11-07
(31)【優先権主張番号】202111100757.4
(32)【優先日】2021-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522347106
【氏名又は名称】奥創動力伝動(深▲セン▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】ALTRA INDUSTRIAL MOTION (SHENZHEN) CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】魯査
(72)【発明者】
【氏名】呉孔建
(72)【発明者】
【氏名】叶逸祥
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-219194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 55/28
F16D 65/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨークコアであって、内から外へ順に第1の取付けスペース及び第2の取付け溝が同心に分布し、前記第1の取付けスペースは前記ヨークコアの軸方向に沿って前記ヨークコアの中心位置を貫通し、前記第2の取付け溝の開口は前記ヨークコアの第2の軸端に向かうヨークコアと、
前記第1の取付けスペース内に位置し、且つ前記ヨークコアの第1の軸端に近接し、前記第1の軸端は前記第2の軸端の相対端である可動板と、
前記第1の取付けスペース内に設けられ、且つ前記可動板の前記第2の軸端に近接する側に位置する摩擦ディスクと、
前記第2の取付け溝内に設けられるコイルと、
アーマチュアであって、前記ヨークコアの第2の軸端に位置し、前記アーマチュアと前記可動板との間は接続部材によって接続され、前記接続部材は前記ヨークコアを貫通し、且つ前記ヨークコアと摺動嵌合し、前記アーマチュアは、前記可動板を動かして前記ヨークコアの軸方向に沿って移動させることができるアーマチュアと、
弾性部材であって、前記アーマチュアと前記ヨークコアとの間に設けられ、前記弾性部材は前記アーマチュアを前記ヨークコアから離させる締付力を有する弾性部材と
、
を含むブレーキであって、
前記ブレーキ全体の厚さは、前記ヨークコアの厚さ及び前記アーマチュアの厚さに依存
し、
前記ヨークコアの第1の軸端の端面に位置決め溝が形成され、前記位置決め溝は前記第1の取付けスペースと連通し、前記接続部材は前記位置決め溝を貫通し、
前記可動板の外周に前記位置決め溝に対応する位置決めブロックが設けられ、前記位置決め溝は前記位置決めブロックを避けるために用いられ、前記接続部材は前記位置決めブロックに接続されることを特徴とするブレーキ。
【請求項2】
前記接続部材はガイドポール及び2つの接続部を含み、前記ガイドポールは前記ヨークコアに穿設され、前記ガイドポールの一端はそのうちの1つの前記接続部を介して前記可動板に接続され、且つ他端はもう1つの前記接続部を介して前記アーマチュアに接続されることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ。
【請求項3】
前記ヨークコアには、前記接続部材を取付けるための環状取付けエリアが形成され、前記取付けエリアは前記第1の取付けスペースと前記第2の取付け溝との間に位置し、
前記取付けエリア内に取付け孔がさらに設けられ、前記取付け孔と前記接続部材とは交互に設けられることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ。
【請求項4】
前記第1の取付けスペースの前記第2の軸端に近い内側面は、前記ヨークコアの軸線へ延在する延在部を有し、前記延在部の内径は前記摩擦ディスクの外径より小さいことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ。
【請求項5】
前記摩擦ディスクは弾性アセンブリ及び複数の摩擦モノマーを含み、複数の前記摩擦モノマーは前記ヨークコアの軸線を回って環状アレイを呈して分布し、且つ囲んで中部スペースを形成し、前記摩擦モノマーは、前記ヨークコアの径方向に沿って前記中部スペースに接近し又は離れる自由度を有し、前記弾性アセンブリはそれぞれ複数の前記摩擦モノマーに接続され、前記弾性アセンブリは、前記摩擦モノマーを前記中部スペースに近接させる締付力を有するように構成されることを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載のブレーキ。
【請求項6】
前記弾性アセンブリは複数の第1の引張バネセットを含み、前記第1の引張バネセットは隣接する2つの前記摩擦モノマーの間に接続され、前記第1の引張バネセットは少なくとも1つの第1の引張バネを含み、前記中部スペースはブッシュ嵌合スペースを形成することを特徴とする請求項
5に記載のブレーキ。
【請求項7】
前記弾性アセンブリは、
固定フレームであって、前記中部スペース内に位置し、前記固定フレームの内部に
ブッシュ嵌合スペースが形成される固定フレームと、
第2の引張バネセットであって、前記摩擦モノマーと前記固定フレームとの間に接続され、前記第2の引張バネセットは少なくとも1つの第2の引張バネを含む第2の引張バネセットと、を含むことを特徴とする請求項
5に記載のブレーキ。
【請求項8】
前記弾性アセンブリは、端部が前記固定フレームに固着されたガイドポストをさらに含み、前記ガイドポストは前記ヨークコアの径方向に沿って延在し、前記摩擦モノマーの前記中部スペースに近い側に前記ガイドポストと摺動嵌合するスライド溝が設けられることを特徴とする請求項
7に記載のブレーキ。
【請求項9】
前記摩擦モノマーの前記中部スペースから離れた側面に突起部が設けられることを特徴とする請求項
5に記載のブレーキ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本特許出願は2021年09月18日に提出された中国特許出願No.CN202111100757.4の優先権を主張する。先行出願の開示内容は全体の引用により本願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本願は機械制動技術分野に属し、具体的には、ブレーキに関する。
【背景技術】
【0003】
ブレーキは開放式と閉鎖式を有し、開放式及び閉鎖式に関わらず、主要部品の組立方式は積層式であり、すなわちヨーク、アーマチュア、摩擦ディスク及びテールプレートが順次積層され、構造が簡単であるが、全体が厚い。
【0004】
電磁ブレーキに対する技術的要求がますます高くなるにつれて、厚さは次第にブレーキ性能を評価する重要なパラメータとなり、特にいくつかの特殊な応用場合、ブレーキ全体の厚さを小さくしなければならないという要求があり、従来の積層式構造のブレーキは既に要求を満たすことができず、より良好な材料及びより微細なプロセスを用いて上記部品の厚さをできるだけ圧縮し、それにより総積層厚さを薄くし、これは他の面の不足を避けられない。
【0005】
(1)ヨークの厚さが薄くなる場合、コイルスペースが小さくなり、コイル磁界を弱め又はコイル発熱電力を大きくする。
【0006】
(2)アーマチュア、摩擦ディスクとテールプレートの厚さを薄くした後(直径厚さ比を増大した後)、全体の剛性が弱くなり、クリープが発生しやすく、又は動作中に応力変形又は熱応力変形が発生し、部品は制動中に昇温が速く(材料が少なく、熱容量が小さいため)、制動トルクが減衰し、ひいてはブレーキを徹底的に損傷することが発生しやすい。
【0007】
(3)摩擦ディスクの厚さが薄くなった後、構造強度が不足であり、加工難易度が高くなり、摩擦ディスクの中孔と摩擦表面との垂直度が悪く、且つ軸又はブッシュとの嵌合長さが小さく、摩擦ディスクが回転中に揺動しやすく、異音を発生し、ドラッグモーメントを増大させ、高速回転時に摩擦ディスクの表面も局所的にアブレーションされやすく、それにより摩擦トルクを低下させ、制動効果及び安全性に影響を与える。
【0008】
(4)極薄の摩擦副部品(アーマチュア、摩擦ディスク、テールプレート)は摩擦時にノイズ(ホーン振動膜の作用に類似する)を増幅し又はノイズをより鋭くする場合がある。
【0009】
(5)摩擦ディスクの摩擦半径が大きく、同じ電気モータの回転数での摩擦線速度が高く、材料の適切な動作線速度を超える場合があり、摩耗率を大きくし、制動効果を低下させる。
【0010】
(6)摩擦ディスクはアーマチュア及びテールプレートと摩擦し、アーマチュアの精度要求が高く、磁化及び減磁しやすい磁性要求を満たすために、アーマチュアは軟磁性材料で製造しなければならず、摩擦による高温と変形はアーマチュアの磁気特性に影響を与える。
【0011】
図15は従来技術のブレーキの構造概略図である。当該ブレーキは、被制動軸の軸線Xで示す方向において順次積層されているヨーク91、アーマチュア94、摩擦ディスク96及びテールプレート95を含む。
【0012】
図15に示すブレーキの動作原理は以下のとおりである。
【0013】
被制動軸はブッシュ97を介して摩擦ディスク96に接続される。摩擦ディスク96が自由に回転すると、被制動軸も自由に回転することができる。摩擦ディスク96がアーマチュア94及びテールプレート95によってクランプされる時、制動を実現し、被制動軸は摩擦ディスク96と共に回転を停止する。テールプレート95は、ネジ接続部材98及びスリーブ99を介してヨーク91に接続され且つ相対的に固定される。アーマチュア94は軸方向に移動可能であり、それにより、テールプレート95とアーマチュア94との間の距離Mを変化させる。距離Mが大きくなると、摩擦ディスク96は緩められ、自由に回転することができ、距離Mが小さくなると、摩擦ディスク96がクランプされ、制動を実現する。アーマチャ94は、コイル92及びバネ93によって軸方向の移動を実現する。コイル92に通電しない場合、バネ93はアーマチュア94を付勢し、それをテールプレート95に接近させ、距離Mが小さくなり、摩擦ディスク96がクランプされ、コイル92に通電すると、ヨーク91が磁化されてアーマチュア94が吸引され、アーマチュア94がバネ92の締付力に抗してテールプレート95から離れ、距離Mが大きくなり、摩擦ディスク96は緩められる。
【0014】
図15によれば、上記動作原理と結合し、上記総積層厚さを薄くするために、他の面で生じる不足を容易に理解することができる。
【0015】
(1)ヨーク91の厚さが薄くなる場合、コイル92を収容するスペースが小さくなり、コイル92の体積が小さくなり、磁界が弱くし又は発熱電力が大きくなる。
【0016】
(2)アーマチュア94、摩擦ディスク96とテールプレート95の厚さを薄くした後(直径厚さ比を大きくした)、全体の剛性が弱くなり、クリープが発生しやすく、又は動作中に応力変形又は熱応力変形が発生し、部品は制動中に昇温が速く(材料が少なく、熱容量が小さいため)、制動トルクが減衰し、ひいてはブレーキを徹底的に損傷することが発生しやすい。
【0017】
(3)摩擦ディスク96の厚さが薄くなった後、構造強度が不足であり、加工難易度が高くなり、摩擦ディスク96の中孔と摩擦表面との垂直度が悪く、且つ被制動軸又はブッシュ97との嵌合長さが小さく、摩擦ディスク96が回転中に揺動しやすく、異音を発生し、ドラッグモーメントを増大させ、高速回転時に摩擦ディスク96の表面も局所的にアブレーションされやすく、それにより摩擦トルクを低下させ、制動効果及び安全性に影響を与える。
【0018】
(4)極薄の摩擦副部品(アーマチュア94、摩擦ディスク96、テールプレート95)は摩擦時にノイズ(ホーン振動膜の作用に類似する)を増幅し又はノイズをより鋭くする。
【0019】
(5)摩擦ディスク96の摩擦半径が大きくなり、同じ回転数で、摩擦線速度が高くなり、材料の適切な動作線速度を超える場合があり、摩耗率を大きくし、制動効果を低下させる。
【0020】
(6)摩擦ディスク96はアーマチュア94及びテールプレート95と摩擦し、アーマチュア94の精度要求が高く、磁化及び減磁しやすい磁性要求を満たすために、アーマチュア94は軟磁性材料で製造しなければならず、摩擦による高温と変形はアーマチュア94の磁気特性に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本願の実施例は、ブレーキの厚さを薄くし、ブレーキの制動性能を向上させるために、ブレーキを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を達成するために、本願が採用した技術案は、ブレーキを提供することであり、当該ブレーキは、
ヨークコアであって、内から外へ順に第1の取付けスペース及び第2の取付け溝が同心に分布し、前記第1の取付けスペースは前記ヨークコアの軸方向に沿って前記ヨークコアの中心位置を貫通し、前記第2の取付け溝の開口は前記ヨークコアの第2の軸端に向かうヨークコアと、
前記第1の取付けスペース内に位置し、且つ前記ヨークコアの第1の軸端に近接し、前記第1の軸端は前記第2の軸端の相対端である可動板と、
前記第1の取付けスペース内に設けられ、且つ前記可動板の前記第2の軸端に近接する側に位置する摩擦ディスクと、
前記第2の取付け溝内に設けられるコイルと、
アーマチュアであって、前記ヨークコアの第2の軸端に位置し、前記アーマチュアと前記可動板との間は接続部材によって接続され、前記接続部材は前記ヨークコアを貫通し、且つ前記ヨークコアと摺動嵌合し、前記アーマチュアは、前記可動板を動かして前記ヨークコアの軸方向に沿って移動させることができるアーマチュアと、
弾性部材であって、前記アーマチュアと前記ヨークコアとの間に設けられ、前記弾性部材は前記アーマチュアを前記ヨークコアから離させる締付力を有する弾性部材と、を含む。
【0023】
1つの可能な実現形態では、前記ヨークコアの第1の軸端の端面に位置決め溝が形成され、前記位置決め溝は前記第1の取付けスペースと連通し、前記接続部材は前記位置決め溝を貫通し、
前記可動板の外周に前記位置決め溝に対応する位置決めブロックが設けられ、前記位置決め溝は前記位置決めブロックを避けるために用いられ、前記接続部材は前記位置決めブロックに接続される。
【0024】
1つの可能な実現形態では、前記接続部材はガイドポール及び2つの接続部を含み、前記ガイドポールは前記ヨークコアに穿設され、前記ガイドポールの一端はそのうちの1つの前記接続部を介して前記可動板に接続され、且つ他端はもう1つの前記接続部を介して前記アーマチュアに接続される。
【0025】
1つの可能な実現形態では、前記ヨークコアには、前記接続部材を取付けるための環状取付けエリアが形成され、前記取付けエリアは前記第1の取付けスペースと前記第2の取付け溝との間に位置し、前記取付けエリア内に取付け孔がさらに設けられ、前記取付け孔と前記接続部材とは交互に設けられる。
【0026】
1つの可能な実現形態では、前記第1の取付けスペースの前記第2の軸端に近い内側面は、前記ヨークコアの軸線へ延在する延在部を有し、前記延在部の内径は前記摩擦ディスクの外径より小さい。
【0027】
1つの可能な実現形態では、前記摩擦ディスクは弾性アセンブリ及び複数の摩擦モノマーを含み、複数の前記摩擦モノマーは前記ヨークコアの軸線を回って環状アレイを呈して分布し、且つ囲んで中部スペースを形成し、前記摩擦モノマーは、前記ヨークコアの径方向に沿って前記中部スペースに接近し又は離れる自由度を有し、前記弾性アセンブリはそれぞれ複数の前記摩擦モノマーに接続され、前記弾性アセンブリは、前記摩擦モノマーを前記中部スペースに近接させる締付力を有するように構成される。
【0028】
いくつかの実施例では、前記弾性アセンブリは複数の第1の引張バネセットを含み、前記第1の引張バネセットは隣接する2つの前記摩擦モノマーの間に接続され、前記第1の引張バネセットは少なくとも1つの第1の引張バネを含み、前記中部スペースはブッシュ嵌合スペースを形成する。
【0029】
いくつかの実施例では、前記弾性アセンブリは、
固定フレームであって、前記中部スペース内に位置し、前記固定フレームの内部に前記ブッシュ嵌合スペースが形成される固定フレームと、
第2の引張バネセットであって、前記摩擦モノマーと前記固定フレームとの間に接続され、前記第2の引張バネセットは少なくとも1つの第2の引張バネを含む第2の引張バネセットとを含む。
【0030】
いくつかの実施例では、前記弾性アセンブリは、端部が前記固定フレームに固着されたガイドポストをさらに含み、前記ガイドポストは前記ヨークコアの径方向に沿って延在し、前記摩擦モノマーの前記中部スペースに近い側に前記ガイドポストと摺動嵌合するシュートが設けられる。
【0031】
いくつかの実施例では、前記摩擦モノマーの前記中部スペースから離れた側面に突起部が設けられる。
【発明の効果】
【0032】
従来技術に比べ、本願により提供されるブレーキの利点は以下のとおりである。
【0033】
(1)可動板、摩擦ディスク及びコイルはいずれもヨークコア内に位置し、従ってブレーキ全体の厚さは、ヨークコアの厚さ及びアーマチュアの厚さに依存し、すなわちヨークコア及びアーマチュアの厚さの合計であり、構造がコンパクトで、スペース利用率が高く、厚さは従来の積層式構造より大幅に小さい。
【0034】
(2)摩擦ディスク、可動板及びコイルはいずれもヨークコア内部に位置し、それらの厚さはブレーキ全体の厚さを増加することなく、したがって摩擦ディスク、可動板及びコイルの厚さは過度に圧縮する必要がなく、合理的な強度を保証することができ、全体剛性を保証し、クリープの発生確率を低下させ、高すぎる材料及び加工コストを必要とせず、適切なコイル体積及び電力を保証する。
【0035】
(3)摩擦ディスクの厚さは、適切に増加してもよく、摩擦ディスクの全体構造の強度を向上させて加工しやすいだけでなく、中孔と摩擦面との垂直度を保証しやすく、ブッシュ又は軸との嵌合長さを延ばし、回転中のジッタ、ノイズ及びドラッグモーメントを低下させる。
【0036】
(4)摩擦ディスク及び可動板は摩擦する時に厚さが薄すぎないため、摩擦による音の鋭さを低減することができ、且つノイズを効果的に低減し、特に高回転数又は静音への要求が高い場合に適し、摩擦ディスク及び可動板は第1の取付けスペース内に位置し、ブレーキが作動する時、それらはヨークコアと周囲の部品に囲まれ、摩擦ディスクの摩擦によるノイズの外への伝播が阻止され、さらにノイズを低減させる。
【0037】
(5)摩擦ディスクは第1の取付けスペース内に位置し、従来の摩擦ディスクの直径より小さく、同じ電気モータの回転数での摩擦線速度が低く、摩耗率を低下させ、耐用年数を延長させ、且つ摩擦ディスクの直径が小さい場合、従来に比べ、回転数が同じである場合、直径が小さい摩擦ディスクの外輪線速度が小さく、慣性モーメントが小さくなり、それにより、粉塵の振り飛ばしを低減する。
【0038】
(6)摩擦ディスクはヨークコアの内部に位置し、また摩擦ディスクが回転する時に振り飛ばされた粉塵もヨークコアの内部に位置し、作業環境の清潔に有利であり、さらに粉塵がヨークコアとアーマチュアとの間の隙間に入ることを回避することができる。
【0039】
(7)摩擦ディスクはアーマチュアと直接接触せず、アーマチュアの精度要求が低く、アーマチュアの製造コストを削減し、アーマチュアも軟磁性材料で製造する必要がなく、設計時により広い範囲で材料を選択することができ、アーマチュアの設計コストを削減し、摩擦ディスクと可動板及び可動板と嵌合して摩擦ディスクをクランプする構造は摩擦してブレーキを実現し、可動板と嵌合して摩擦ディスクをクランプする構造は一般的に固定構造であり、且つ摩擦ディスクと可動板の直径はいずれも小さく、動作時に安定性に優れ、製造時に精度を保証しやすく、製造コストが低く、可動板は軟磁性材料を使用する必要がなく、設計コストも低く、高温と少量の変形は可動板の正常動作に影響せず、ブレーキ使用中の可動板の信頼性は、より良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本願の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下は実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかなように、以下の説明における図面は本願の一部の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な仕事なしで、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本願の実施例により提供されるブレーキの正面構造概略図である。
【
図2】
図1におけるA-A線に沿った断面構造概略図である。
【
図3】
図1におけるB-B線に沿った断面構造概略図である。
【
図4】本願の実施例により提供されるブレーキの爆発構造概略
図1である。
【
図5】本願の実施例により提供されるブレーキの爆発構造概略
図2である。
【
図6】本願の実施例により提供されるブレーキが採用するヨークコアの断面構造概略図である。
【
図7】本願の実施例により提供されるブレーキが採用する摩擦ディスクの立体構造概略図である。
【
図8】本願の実施例により提供されるブレーキが採用する摩擦ディスクの断面構造概略図である。
【
図9】本願の実施例により提供されるブレーキが採用する摩擦モノマーの立体構造概略図である。
【
図10】本願の実施例により提供されるブレーキが採用する摩擦ディスクの使用状態概略図である。
【
図11】本願の実施例により提供されるブレーキが採用する摩擦ディスクの立体構造概略図である。
【
図12】本願の実施例により提供されるブレーキが採用する摩擦ディスクの断面構造概略図である。
【
図13】本願の実施例により提供されるブレーキが採用する摩擦モノマーの立体構造概略図である。
【
図14】本願の実施例により提供されるブレーキが採用する摩擦ディスクの使用状態概略図である。
【
図15】従来技術の積層式のブレーキの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本願が解決しようとする技術的問題、技術案及び有益な効果をより明確にするために、以下は図面及び実施例を参照し、本願をより詳細に説明する。ここで説明された具体的な実施例は本願を解釈するのみに用いられ、本願を限定するものではないと理解すべきである。
【0042】
図1~
図14を併せて参照すると、本願により提供されるブレーキを説明する。前記ブレーキは、ヨークコア10、可動板20、摩擦ディスク30、コイル40、アーマチュア50及び弾性部材60を含み、ヨークコア10には、内から外へ第1の取付けスペース11及び第2の取付け溝12が同心に分布し、第1の取付けスペース11はヨークコア10の軸方向に沿ってヨークコア10の中心位置を貫通し、第2の取付け溝12の開口はヨークコア10の第2の軸端に向かい、可動板20は第1の取付けスペース11内に位置し、且つヨークコア10の第1の軸端に近接し、第1の軸端は第2の軸端の対向端であり、摩擦ディスク30は第1の取付けスペース11内に設けられ、且つ可動板20の第2の軸端に近接する側に位置し、コイル40は第2の取付け溝12内に設けられ、アーマチュア50はヨークコア10の第2の軸端に位置し、アーマチュア50と可動板20との間は接続部材80によって接続され、接続部材80はヨークコア10を貫通し、且つヨークコア10と摺動嵌合し、アーマチュア50は、可動板20を動かしてヨークコア10の軸方向に沿って移動させることができ、弾性部材60はアーマチュア50とヨークコア10との間に設けられ、弾性部材60はアーマチュア50をヨークコア10から離させる締付力を有する。
【0043】
なお、ヨークコア10の軸方向はすなわちヨークコア10の厚さ方向である。ヨークコア10がブレーキを構成した後、被制動軸の軸線はヨークコア10の厚さ方向に沿ってヨークコア10の中心を貫通する。すなわち、ヨークコア10の厚さ方向に沿ってヨークコア10の中心線を貫通し、被制動軸の軸線と一致する。第1の軸端はすなわちヨークコア10の第1の側であり、第2の軸端はすなわちヨークコア10の第2の側であり、当該第1の側及び第2の側はヨークコア10の自身の厚さ方向に沿って分布する異なる側である。第2の取付け溝12は第2の取付けスペースと呼ばれてもよい。ヨークコア10は、ヨーク又はハウジングと呼ばれてもよい。ヨークコア10自体は磁性を有していないが、コイル40に通電すると、ヨークコア10が磁化されて磁性が発生する。コイル40に通電していないときには、ヨークコア10の磁性は消失している。
【0044】
本願により提供されるブレーキは、使用時に、コイル40が外部の電源と電気的に接続される。コイル40に通電する時、ヨークコア10とアーマチュア50はコイル40の励起で互いに吸引する磁力を生成し、磁力はアーマチュア50を吸引し、アーマチュア50は第1の軸端に接近して移動し、弾性部材60を圧縮すると共に、可動板20を動かして第2の軸端から離れて移動させ、可動板20が第2の軸端から離れて移動するプロセスでは、摩擦ディスク30を解放し、可動板20の端面は摩擦ディスク30に押圧されないと共に、摩擦ディスク30も可動板20と嵌合して摩擦ディスク30をクランプする構造に押圧されず、解放プロセスを完了し、この時摩擦ディスク30は軸又はブッシュ70と嵌合し、正常に回転し、停電する時、ヨークコア10及びアーマチュア50上の磁力が消失し、弾性部材60はアーマチュア50を解放し、アーマチュア50は第1の軸端から離れて移動すると共に、可動板20を動かして第2の軸端に向かって移動させ、可動板20の端面は摩擦ディスク30に押圧されると共に、摩擦ディスク30の他端面は可動板20と嵌合して摩擦ディスク30をクランプする構造に押圧され、摩擦抵抗により、摩擦ディスク30の回転数は徐々に低下し、0に低下するまで、ブレーキプロセスを完了する。
【0045】
従来技術に比べ、本実施例により提供されるブレーキの利点は以下のとおりである。
【0046】
(1)可動板20、摩擦ディスク30及びコイル40はいずれもヨークコア10内に位置し、従ってブレーキ全体の厚さはヨークコア10の厚さ及びアーマチュア50の厚さに依存し、すなわちヨークコア10及びアーマチュア50の厚さの合計であり、構造がコンパクトで、スペース利用率が高く、厚さは従来の積層式構造より大幅に小さい。
【0047】
(2)摩擦ディスク30、可動板20及びコイル40はいずれもヨークコア10の内部に位置し、それらの厚さはブレーキ全体の厚さを増加することなく、したがって摩擦ディスク30、可動板20及びコイル40の厚さは過度に圧縮する必要がなく、合理的な強度を保証することができ、全体剛性を保証し、クリープの発生確率を低下させ、高すぎる材料及び加工コストを必要とせず、適切なコイル40の体積及び電力を保証する。
【0048】
(3)摩擦ディスク30の厚さは、適切に増加してもよく、摩擦ディスク30の全体構造の強度を向上させて加工しやすいだけでなく、中孔と摩擦面との垂直度を保証しやすく、ブッシュ70又は軸との嵌合長さを延ばし、回転中のジッタ、ノイズ及びドラッグモーメントを低下させる。
【0049】
(4)摩擦ディスク30及び可動板20は摩擦する時に厚さが薄すぎないため、摩擦による音の鋭さを低減することができ、且つノイズを効果的に低減し、特に高回転数又は静音への要求が高い場合に適し、摩擦ディスク30及び可動板20は第1の取付けスペース11内に位置し、ブレーキが作動する時、それらはヨークコア10と周囲の部品に囲まれ、摩擦ディスク30の摩擦によるノイズが外への伝播を阻止し、さらにノイズを低減させる。
【0050】
(5)摩擦ディスク30は第1の取付けスペース11内に位置し、従来の摩擦ディスク30に比べて直径が小さく、同じ電気モータの回転数での摩擦線速度が低く、摩耗率を低下させ、耐用年数を延長させ、且つ摩擦ディスク30の直径が小さい場合、従来に比べ、回転数が同じである場合、直径が小さい摩擦ディスク30の外輪線速度が小さく、慣性モーメントが小さくなり、それにより、粉塵の振り飛ばしを低減する。
【0051】
(6)摩擦ディスク30はヨークコア10の内部に位置し、また摩擦ディスク30が回転する時に振り飛ばされた粉塵もヨークコア10の内部に位置し、作業環境の清潔に有利であり、さらに粉塵がヨークコア10とアーマチュア50との間の隙間に入ることを回避することができる。
【0052】
(7)本実施例では、摩擦ディスク30はアーマチュア50と直接接触せず、アーマチュア50の精度要求が低く、アーマチュア50の製造コストを削減し、アーマチュア50も軟磁性材料で製造する必要がなく、設計時により広い範囲で材料を選択することができ、アーマチュア50の設計コストを削減し、摩擦ディスク30と可動板20及び可動板20と嵌合して摩擦ディスク30をクランプする構造は摩擦してブレーキを実現し、可動板20と嵌合して摩擦ディスク30をクランプする構造は一般的に固定構造であり、且つ摩擦ディスク30と可動板20の直径はいずれも小さく、動作時に安定性に優れ、製造時に精度を保証しやすく、製造コストが低く、可動板20は軟磁性材料を使用する必要がなく、設計コストも低く、高温と少量の変形は可動板20の正常動作に影響せず、ブレーキ使用中に、可動板20はより良好な信頼性を有する。
【0053】
いくつかの実施例では、上記可動板20の1つの具体的な実施形態は
図2、
図5及び
図6に示す構造を採用してもよい。
図2、
図5及び
図6を参照し、ヨークコア10の第1の軸端面に位置決め溝17が形成され、位置決め溝17は第1の取付けスペース11と連通し、接続部材80は位置決め溝17を貫通し、可動板20の外周に位置決め溝17に対応する位置決めブロック21が設けられ、位置決め溝17は位置決めブロック21を避けるために用いられ、接続部材80は位置決めブロック21に接続される。可動板20を取付ける時に、位置決めブロック21は位置決め溝17内に位置し、ポカよけの役割を果たすことができ、取付けやすい。
【0054】
いわゆるポカよけとは、位置決めブロック21と位置決め溝17との嵌合による規制作用を指す。可動板20を取付ける時に、操作者は、注意を払うことなく、また経験や専門知識を要することなく、正確な操作を直接誤りなく完了することができ、それにより可動板20の取付けに便利である。
【0055】
なお、可動板20はアーマチュア50の駆動でヨークコア10の軸方向に沿って移動する必要があるため、位置決め溝17の深さは位置決めブロック21の厚さより大きい。接続部材80の一端はアーマチュア50に接続され、他端は位置決めブロック21に接続される。
【0056】
位置決め溝17の深さの設計基準は主に可動板20の軸方向移動距離によって決定される。可動板20の軸方向移動距離=ガイドポール82の長さ-摩擦ディスク30の厚さ-延在部13の厚さである。位置決め溝17の深さ≧可動板20の軸方向移動距離+可動板20の厚さである。上記位置決め溝17の深さは、可動板20が第1の取付けスペース11内に常に位置していること、すなわち可動板20が軸方向に移動してもヨークコア10の表面から突出しないことを前提としている。場合によっては、ブレーキの取付けスペースが緩く、可動板20がヨークコア10の表面から突出しても他の部品と干渉しない。このとき、位置決め溝17の深さは適宜浅くしてもよく、ひいてはゼロであってもよく、すなわち位置決め溝17を設けなくてもよい。
【0057】
いくつかの実施例では、上記位置決め溝17の1つの改良な実施形態は、
図5に示す構造を採用してもよい。
図5を参照し、位置決め溝17は複数設けられ、複数の位置決め溝17はヨークコア10の軸線(すなわち厚さ方向に沿ってヨークコア10を貫通する中心線)の周りに均一に分布する。任意選択的に、位置決め溝17の数は3つである。接続部材80の一端は位置決めブロック21に接続され、位置決め溝17の数が増加し、可動板20上の位置決めブロック21の数がそれに応じて増加し、アーマチュア50が発生した駆動力がより均一に可動板20に伝達され、制動効果がより高い。
【0058】
図5及び
図6に示す位置決め溝17は、第2の取付け溝12及びコイル40に近い。この場合、位置決め溝17は、導磁性材が除去されているため、磁気回路に悪影響を及ぼすおそれがあるため、位置決め溝17の数は、多すぎると好ましくない。位置決め溝17の数だけでなく、位置決め溝17の深さも磁気回路に悪影響を及ぼす。取付けエリア18の径方向の幅が大きい場合、位置決め溝17と第2の取付け溝12及びコイル40との距離が遠い場合、又は位置決め溝17の深さが小さい場合、他の実施例では、位置決め溝17は他の構造であってもよい。例えば、位置決め溝17は、
図5及び
図6に示したような独立した別々の溝ではなく、ヨークコア10の中央部を囲む、ヨークコア10と同軸である環状の溝としてもよい。位置決め溝17の構造形式は、それが位置する応用環境に応じて柔軟に設計されてもよい。
【0059】
いくつかの実施例では、上記接続部材80の1つの具体的な実施形態は
図2~
図5に示す構造を採用してもよい。
図2~
図5を参照し、接続部材80は、ガイドポール82及び2つの接続部81を含む。ガイドポール82はヨークコア10に穿設され、ガイドポール82の一端はそのうちの1つの接続部81を介して可動板20に接続され、ガイドポール82の他端はもう1つの接続部81を介してアーマチュア50に接続される。ガイドポール82はヨークコア10と摺動嵌合し、2つの接続部81はそれぞれ可動板20とアーマチュア50に固定接続される。アーマチュア50は第1の可動板20を動かしてヨークコア10の軸方向に沿って往復移動させる時、動作が安定してスムーズであり、制動効果が高い。
【0060】
一般に、ガイドポール82の軸線は、ヨークコア10の軸線と平行である。ガイドポール82は、2つの接続部81を介して可動板20及びアーマチュア50にそれぞれ固定接続される。接続部81の実現方式は限定されず、例えばボルト、ネジ、ピン及びリベットなどであってもよい。2つの接続部81の実現方式が同じであるか否かを制限せず、すなわち、2つの接続部81は、同じ実現形態を採用してもよく、異なる実現形態を採用してもよい。
【0061】
ガイドポール82はまた溶接又は一体成形の方式により可動板20及びアーマチュア50に固定接続される。例として、一体成形の方式を採用する場合、ガイドポール82は可動板20と一体成形され、すなわちガイドポール82の一端は一体成形の方式により可動板20に固定接続され、ガイドポール82の他端は一体成形以外の他の方式によりアーマチュア50に固定接続される。
【0062】
要するに、ガイドポール82と可動板20及びアーマチュア50との固定接続方式について、本願は限定しない。既知の、創造的な労働を経ない固定接続方式は、いずれも本願の保護範囲内に位置する。
【0063】
いくつかの実施例では、上記ヨークコア10の1つの改良な実施形態は、
図1~
図5に示す構造を採用してもよい。
図1~
図5を参照し、ヨークコア10には、接続部材80を取付けるための環状取付けエリア18が形成され、取付けエリア18は第1の取付けスペース11と第2の取付け溝12との間に位置し、取付けエリア18内に取付け孔15がさらに設けられ、取付け孔15と接続部材80とは交互に設けられる。ブレーキを取付ける際に、ユーザが取付け孔15にボルトを挿通し、且つ当該ボルトを介してブレーキを外部物体に取付けることにより、ブレーキを使用することができる。取付け孔15と接続部材80が交互に設けられるため、ブレーキの取付け強固を保証することができ、それにより使用時に良好な安定性を有する。
【0064】
外部物体へ取付ける際に、第1の軸端の端面を取付けフランジ面としてもよい。この場合、取付け孔15に挿通されたボルト、ピン、リベット等の接続部材により、ブレーキを外部物体に固定することができる。第1の軸端の端面は外部物体に当接される。この他に、第2の軸端にブレーキの取付けを実現してもよい。この時、第2の軸端にボスを設ける必要があり、アーマチュア50に軸方向移動スペースを残す。ボスは、ヨークコア10に設けられ、且つヨークコア10の厚さ方向に沿ってヨークコア10の外側に突出していてもよい。ボスの突出高さは、アーマチュア50の厚さとアーマチュア50の軸方向移動距離の合計よりも大きい。ボスは、ヨークコア10と一体構造であってもよく、別体構造であってもよい。ボスは、ヨークコア10に設けられる以外、別部品であってもよく、外部物体に設けられてもよい。ボスは外部物体と一体構造であってもよく、別体構造であってもよい。
【0065】
本実施例では、接続部材80は取付けエリア18における接続孔14を貫通して接続する。取付け孔15と連結部材80とは交互に設けられ、すなわち、取付け孔15と接続孔14とは交互に設けられる。代替実施例として、取付け孔15は接続孔14と交互に設けなくてもよいが、本実施例における交互に設けることはブレーキ使用時の安定性により有利である。
【0066】
他の実施例では、取付け孔15は取付けエリア18になくてもよい。例えば、取付け孔15はヨークコア10の外輪に位置してもよく、あるいは、ヨークコア10の縁に外部に延びる部分を設け、取付け孔15を当該外部へ延びる部分に設けてもよい。取付け孔15の位置はブレーキの取付け環境等の要因に関連し、取付け環境等の要因に応じて取付け孔15の位置及び構造を適応的に修正する技術案は、いずれも本願の保護範囲内に位置する。
【0067】
いくつかの実施例では、上記ヨークコア10の1つの改良な実施形態は、
図1~
図6に示す構造を採用してもよい。
図1~
図6を参照し、第1の取付けスペース11の第2の軸端に近い側に延在部13を有する。延在部13は、ヨークコア10の内壁から、ヨークコア10の中心に向かって延在している。一般的に、延在部13は円環板状であり、延在部13の内径は摩擦ディスク30の外径より小さい。ブレーキの組み立てが完了した後、延在部13と可動板20はそれぞれ摩擦ディスク30の両端(すなわち両側)に位置する。コイル40の停電状態で、アーマチュア50は可動板20を動かして摩擦ディスク30に接近させ、摩擦ディスク30の2つの軸端面(すなわち両側の表面)はそれぞれ可動板20及び延在部13と摩擦し、制動を実現する。
【0068】
前の実施例は可動板20と嵌合して摩擦ディスク30をクランプする構造に言及し、且つ当該構造の具体的な実現方式を限定しない。本実施例では、延在部13は当該構造の具体的な実現形態である。延在部13はヨークコア10と一体機で加工成形してもよく、精度が高く、延在部13と摩擦ディスク30との嵌合度が高く、摩擦効果が高い。
【0069】
いくつかの実施例では、上記ヨークコア10の1つの改良な実施形態は、
図3~
図4に示す構造を採用してもよい。
図3~
図4を参照し、取付けエリア18内にさらに第2の軸端に向かって開口するブラインドビア16が設けられる。ブラインドビア16は弾性部材60を取付けるために用いられる。接続孔14が分布する環状経路において、各接続孔14の両側にいずれもブラインドビア16が開設される。コイル40が停電する時、アーマチュア50は弾性部材60の作用で、可動板20を動かして摩擦ディスク30を押圧する。ブラインドビア16を設けない場合には、アーマチュア50とヨークコア10との間にバネ(すなわち弾性部材60、以下、いずれもバネという)を直接設けてもよい。しかしこの場合、バネをガイドすることができず、またバネの選択仕様を制限し、ブラインドビア16を設ける場合、バネはブラインドビア16内に位置し、ブラインドビア16の内壁はバネが伸縮する時に一定のガイド作用を果たすことができ、且つバネは比較的長い仕様を選択してもよく、耐用年数がより長い。
【0070】
一例として、各2つの取付け孔15の間に1つの接続孔14があり、この接続孔14の両側にそれぞれ1つのブラインドビア16があり、且つ接続孔14の両側のブラインドビア16も2つの取付け孔15の間にある。他の実施例では、取付け孔15、接続孔14及びブラインドビア16の分布は他の形態を採用してもよい。取付けエリア18における孔構造の分布形式は、応用環境に応じて柔軟に設計されてもよい。
【0071】
いくつかの実施例では、上記摩擦ディスク30の1つの具体的な実施形態は
図7~
図14に示す構造を採用してもよい。
図7~
図14を参照し、摩擦ディスク30は弾性アセンブリ32及び複数の摩擦モノマー31を含み、複数の摩擦モノマー31はヨークコア10の軸線を回って環状アレイを呈して分布し、且つ囲んで中部スペース33を形成し、摩擦モノマー31は、ヨークコア10の径方向に沿って中部スペース33に接近し又は離れる自由度を有し、弾性アセンブリ32はそれぞれ複数の摩擦モノマー31に接続され、弾性アセンブリ32は、摩擦モノマー31を中部スペース33に近接させる締付力を有するように構成される。
【0072】
初期状態において、各摩擦モノマー31は互いに近接し、摩擦ディスク30の回転数が予め設定された値を超える時(許容回転数内にあり、又は許容回転数を超える)、摩擦モノマー31が発生する遠心力は弾性部材32上の付勢力を克服し、摩擦モノマー31はヨークコア10の径方向に沿って中部スペース33から離れる方向に移動し、隣接する2つの摩擦モノマー31の間は互いに分離して隙間が発生し、摩擦ディスク30全体の外径が増大し、摩擦モノマー31の外弧面は第1の取付けスペース11の内壁に当接し、摩擦力を発生し、制動減速の効果を達成する。
【0073】
摩擦ディスク30は別体構造により、一定の回転数条件で隣接する摩擦モノマー31の分離を実現し、それにより摩擦ディスク30全体の外径を大きくし、摩擦モノマー31の外弧面が制動効果を果たすことができ、ブレーキが高速運転で余分な制動機能を提供することを保証することができ、ブレーキの安全性を向上させる。
【0074】
なお、摩擦モノマー31は、ユニットブロックと呼ばれてもよい。摩擦ディスク30は、一般に、全体としてドーナツ状で一定の厚さを有している。ヨークコア10の軸線は、つまりヨークコア10の厚さ方向に沿ってヨークコア10を貫通する中心線である。弾性アセンブリ32はそれぞれ複数の摩擦モノマー31に接続されることは以下のとおりであり、弾性アセンブリ32は複数の弾性部材を含み、複数の弾性部材はそれぞれ摩擦モノマー31に接続される。
【0075】
いくつかの実施例では、上記弾性アセンブリ32の1つの具体的な実施形態は
図8及び
図10に示す構造を採用してもよい。
図8及び
図10を参照し、弾性アセンブリ32は複数の第1の引張バネセットを含み、第1の引張バネセットは隣接する2つの摩擦モノマー31の間に接続され、第1の引張バネセットは少なくとも1つの第1の引張バネ321を含み、中部スペース33はブッシュ嵌合スペースを形成する。各第1の引張バネ321はそれぞれ隣接する2つの摩擦モノマー31の間の位置に固定され、隣接する2つの摩擦モノマー31の間は1つの第1の引張バネ321によって接続されてもよく、2つの第1の引張バネ321によって接続されてもよく(すなわち1つの第1の引張バネセットは2つの第1の引張バネ321を含む)、このように類推すると、第1の引張バネ321の数は構造の強度及びどの程度の回転数に対応する摩擦モノマー31の分離を考慮する必要がある。本実施例における第1の引張バネ321は構造が簡単であるだけでなく、取付けやすい。
【0076】
理解されるように、第1の引張バネ321は摩擦モノマー31のヨークコア10の軸方向に沿う両端面から突出することができず、そうでなければ摩擦ディスク30の2つの軸端面の制動効果に影響を与える。
【0077】
本実施例では、各第1の引張バネ321の両端はそれぞれ隣接する2つの摩擦モノマー31に接続される。単一の摩擦モノマー31に対して力受け分析を行い、その両側はそれぞれ第1の引張バネ321の引張力を受ける。当該引張力は、円の中心に向かう径方向の力及び、当該径方向の力に直交する周方向の力という2つの分力を有する。摩擦モノマー31の異なる側の第1の引張バネ321に対し、それらの周方向力の大きさが等しく、方向が逆であり、互いに相殺し、それらの径方向の力は方向が同じであり、いずれも径方向に沿って円心に指向し、摩擦モノマー31を中部スペース33に移動させる合力を形成する。
【0078】
いくつかの実施例では、上記摩擦ディスク31の1つの改良な実施形態は
図8~
図9に示す構造を採用してもよい。
図8~
図9を参照し、摩擦モノマー31の対応面に第1の収容溝311が開設され、対応面は隣接する摩擦モノマー31に近い側面であり、第1の引張バネ321の両端はそれぞれ2つの隣接する摩擦モノマー31における第1の収容溝311の溝底に固着される。
【0079】
第1の収容溝311が設けられない場合、第1の引張バネ321は隣接する2つの摩擦モノマー31の間に位置し、回転数が予め設定された値を超えない場合であっても、第1の引張バネ321により隣接する摩擦モノマー31の間に一定の隙間があり、且つ第1の引張バネ321の長さも長すぎることができない。第1の収容溝311を設ける場合、第1の引張バネ321は回転数が予め設定された値を超えない時に第1の収容溝311内に位置することができ、隣接する摩擦モノマー31は側面によって互いに貼り付けられ、摩擦ディスク30の全体性を向上させることに有利であり、また第1の引張バネ321も比較的長い仕様を選択することができ、摩擦モノマー31に引張力を印加する効果を最適化する。
【0080】
いくつかの実施例では、上記摩擦ディスク31の1つの具体的な実施形態は
図7~
図10に示す構造を採用してもよい。
図7~
図10を参照し、中部スペース33の断面は多角形である。摩擦モノマー31に囲まれて形成された中部スペース33(すなわちブッシュ嵌合スペース)が多角形である場合、ブッシュ70の外形は当該中部スペース33に嵌合しやすい。回転数が低い場合、中部スペース33はちょうどブッシュ70の外周側壁に貼り合わせ、回転数が高すぎる場合、隣接する摩擦モノマー31が分離し、それにより中部スペース33がブッシュ70の外径より大きくなる。この時摩擦モノマー31はブッシュ70の駆動から離脱し、回転数はブッシュ70に比べて相応に低下し、すなわち、ブッシュ70の回転が速く、ブッシュ70と摩擦モノマー31との間に回転数差が存在する。当該回転数差はブッシュ70と中部スペース33に一定のずれを発生させ、ブッシュ70の各エッジが中部スペース33の各面に対応して係止されるまで(二次元角度から言えば、ブッシュ70の各頂点が断面多角形の各辺に係止される)、このような形態で摩擦モノマー31に再び係着される。当該形態でも、ブッシュ70は依然として、摩擦ディスク30を一定の回転数に保持し、摩擦モノマー31が互いに離れた状態を維持するように摩擦モノマー31に駆動力を伝達することができる。当該状態では、摩擦モノマー31の外弧面は常に第1の取付けスペース11の内壁(すなわちヨークコア10の内周面)に接触し、回転数が0に低下するまで摩擦制動が常に存在する。特殊な場合では、回転数が少なくなると、ブッシュ70は広げられた各摩擦モノマー31と係止し、摩擦モノマー31が第1の引張バネ321に引き戻されないことを引き起こす可能性があり、このとき摩擦モノマー31が正常状態に回復する必要がある場合、ブッシュ70を逆方向に回転させてもよく、それにより、ブッシュ70が摩擦モノマー31に係着されず、摩擦モノマー31が第1の引張バネ321に引き戻されることができる。
【0081】
本実施例により提供される構造は、摩擦ディスク30が高速に運転し且つ正常な制動機能が失効する時に、追加の制動力を提供することができ、ブレーキの信頼性を向上させる。
【0082】
任意選択的に、摩擦モノマー31の中部スペース33に近い側面は平面である。摩擦モノマー31の数は3つ以上であり、摩擦モノマー31の数は中部スペース33の多角形断面の辺の数に等しい。すなわち、摩擦モノマー31の数が4つであれば、中部スペース33の断面は四角形となる。
【0083】
他の選択可能な実施例として、中部スペース33の断面は円形であってもよく、この時ブッシュ70と摩擦ディスク30は歯状により嵌合されてもよい。歯状に嵌合するブッシュ70と摩擦ディスク30は安定的な嵌合関係を満たすことができ、且つ上記中部スペース33が多角形である場合、ブッシュ70と摩擦ディスク30が係止されるためブッシュ70を反転する必要がある状況が発生しない。
【0084】
いくつかの実施例では、上記弾性アセンブリ32の1つの代替的な実施形態は
図11~
図14に示す構造を採用してもよい。
図11~
図14を参照し、弾性アセンブリ32は固定フレーム324及び第2の引張バネセットを含む。固定フレーム324は、中部スペース33内に位置し、固定フレーム324の内部にブッシュ嵌合スペースが形成される。第2の引張バネセットは、摩擦モノマー31と固定フレーム324との間(すなわち、第2の引張バネセットは一端が摩擦モノマー31に接続され、他端が固定フレーム324に接続される)に接続され、第2の引張バネセットは少なくとも1つの第2の引張バネ322を含む。固定フレーム324は、ブッシュ70と嵌合される。回転数が予め設定された値より低い場合、第2の引張バネ322の引張力は各摩擦モノマー31の遠心力より大きく、摩擦モノマー31の中部スペース33に近い側面は固定フレーム324の外周面に貼り合わせる。回転数が予め設定された値より高い場合、第2の引張バネ322の引張力は各摩擦モノマー31の遠心力より小さく、摩擦モノマー31はヨークコア10の径方向に沿って中部スペース33から離れて移動し、摩擦モノマー31の中部スペース33に近い側面は固定フレーム324の外周面から分離される。このように、被制動軸の回転数の変化に伴って、摩擦モノマー31はヨークコア10の径方向に沿って中部スペース33に動的に接近し又は離れる。且つ、摩擦モノマー31がヨークコア10の径方向に沿って中部スペース33から離れて移動する時、摩擦ディスク30全体の外径が大きくなり、摩擦ディスク30の外周が第1の取付けスペース11の内壁(すなわち、ヨークコア10の内周面)に接触して摩擦トルクを生成し、それにより摩擦ディスク30及び軸の回転数を低下させる。
【0085】
任意選択的に、固定フレーム324の断面は円形又は多角形であってもよい。固定フレーム324の断面が円形である場合、複数の第2の引張バネ322は固定フレーム324の軸方向を回って均一に分布する。固定フレーム324の断面が多角形である場合、複数の第2の引張バネセットは固定フレーム324の中部スペース33から離れる側面(固定フレーム324の断面が複数の辺形であり、複数の側面に対応する)と一対一で対応して設けられる。また、各第2の引張バネセットは対応する固定フレーム324の外側面の中間位置に位置する。
【0086】
いくつかの実施例では、上記弾性アセンブリ32は固定フレーム324及び第2の引張バネセットを含むことの1つの改良な実施形態は
図12及び
図14に示す構造を採用してもよい。
図12及び
図14を参照し、弾性アセンブリ32はさらに、端部が固定フレーム324に固定接続されたガイドポスト323を含み、ガイドポスト323はヨークコア10の径方向に沿って延在する。摩擦モノマー31の中部スペース33に近い側にガイドポスト323と摺動嵌合するスライド溝312が設けられる。ガイドポスト323を設けることにより、摩擦モノマー31の移動をガイドすることができ、摩擦モノマー31が予め設定された経路に従って移動することを確保し、摩擦モノマー31の移動経路の歪みを防止し、摩擦モノマー31が干渉を受ける能力を向上させ、さらに回復する時に固定フレーム324の外周面に正確に対応することができる。
【0087】
任意選択的に、ガイドポスト323はピンであってもよく、ピンはスライド溝312と嵌合される。本実施例により提供されるガイドポスト323とスライド溝312の嵌合形態は、固定フレーム324の断面が多角形である場合に効果がより高い。
【0088】
いくつかの実施例では、上記ガイドポスト323の1つの改良な実施形態は
図12及び
図14に示す構造を採用してもよい。
図12及び
図14を参照し、各ガイドポスト323は摩擦モノマー31の中部スペース33の一側面に近い中間位置にある。ガイドポスト323は中間位置にあり、摩擦モノマー31がヨークコア10の径方向に沿って移動する時の安定性に役立ち、ガイド効果を最適化する。
【0089】
具体的には、第2の引張バネセットは複数の第2の引張バネ322を含む場合、複数の第2の引張バネ322は摩擦モノマー31の当該側面の長辺に沿って等距離で分布する。第2の引張バネ322の数が偶数である場合、ガイドポスト323の両側の第2の引張バネ322の数は同じである。第2の引張バネ322の数が奇数である場合、ガイドポスト323両側の第2の引張バネ322の数の差は1であり、又は、ガイドポスト323の両側の第2の引張バネ322の数は同じであり、中間の第2の引張バネ322はガイドポスト323に嵌設され、この時ガイドポスト323に嵌設された第2の引張バネ322はスライド溝312内に位置し、ガイドポスト323と当該スライド溝312を共用する。
【0090】
いくつかの実施例では、上記第2の引張バネ322の取付けの1つの改良な実施形態は
図12~
図13に示す構造を採用してもよい。
図12~
図13を参照し、摩擦モノマー31は中部スペース33に近い側面に第2の収容溝313がさらに形成される。第2の引張バネ322の両端はそれぞれ第2の収容溝313の溝底と固定フレーム324の外周面に固着される。回転数が予め設定された値を超えない場合、第2の引張バネ322の引張力は摩擦モノマー31の遠心力より大きく、摩擦モノマー31は固定フレーム324と相互に近接している。第2の収容溝313が設けられない場合、第2の引張バネ322は摩擦モノマー31と固定フレーム324の間に位置し、それにより、摩擦モノマー31と固定フレーム324の間に一定の隙間があり、且つ第2の引張バネ322の長さも長すぎることができない。第2の収容溝313を設ける場合、第2の引張バネ322は回転数が予め設定された値を超えない時に第2の収容溝313内に位置することができ、それにより、摩擦モノマー31と固定フレーム324が互いに貼り付けられ、摩擦ディスク30の全体性を向上させる。また第2の引張バネ322も比較的長い仕様を選択することができ、摩擦モノマー31の往復移動の効果を最適化する。
【0091】
いくつかの実施例では、上記摩擦モノマー31の1つの改良な実施形態は
図7~
図14に示す構造を採用してもよい。
図7~
図14を参照し、摩擦モノマー31の中部スペース33から離れる側面に突起部314が設けられる。摩擦ディスク30の厚さ寸法、及び2つの表面の平面度は非常に高いことが要求される。突起部314が設けられないと、過速制動が発生する場合(すなわち摩擦モノマー31が中部スペースから離れ、摩擦ディスク30の外周面がヨークコア10の内壁と摩擦する場合)、摩擦ディスク30の外縁が摩耗され、それにより摩擦ディスク30の2つの表面の平面度、半径及び摩擦ディスク30の外輪の厚さに影響を与え、さらに制動効果に影響を与える可能性がある。突起部314を設けた場合、摩擦モノマー31が中部スペース33から離れて移動する時、摩擦モノマー31の外周の突起部314はまず第1の取付けスペース11の内壁(すなわちヨークコア10の内周面)に接触し、それにより突起部314を優先的に摩耗し、摩擦ディスク30の他の2つの作業面の平面度、半径及び摩擦ディスク30の外輪の厚さに影響を与えず、それにより良好な制動効果を保持することができる。
【0092】
上述した内容は、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するためのものではない。本願の精神及び原則の範囲内でなされた補正、同等な差し替え及び改善等は、いずれも本願の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
10...ヨークコア、11...第1の取付けスペース、12...第2の取付け溝、13...延在部、14...接続孔、15...取付け孔、16...ブラインドビア、17...位置決め溝、18...取付けエリア、20...可動板、21...位置決めブロック、30...摩擦ディスク、31...摩擦モノマー、311...第1の収容溝、312...スライド溝、313...第2の収容溝、314...突起部、32...弾性アセンブリ、321...第1の引張バネ、322...第2の引張バネ、323...ガイドポスト、324...固定フレーム、33...中部スペース、40...コイル、50...アーマチュア、60...弾性部材、70...ブッシュ、80...接続部材、81...接続部、82...ガイドポール。