(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】リソソーム誘発性免疫原性細胞死のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61K 47/68 20170101AFI20240610BHJP
A61K 31/40 20060101ALI20240610BHJP
A61K 31/19 20060101ALI20240610BHJP
A61K 38/43 20060101ALI20240610BHJP
A61K 38/44 20060101ALI20240610BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240610BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240610BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240610BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
A61K47/68
A61K31/40
A61K31/19
A61K38/43
A61K38/44
A61K39/395 E
A61K39/395 T
A61K45/00
A61P43/00 121
A61P35/00
(21)【出願番号】P 2020545241
(86)(22)【出願日】2018-11-15
(86)【国際出願番号】 US2018061304
(87)【国際公開番号】W WO2019099687
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-11-12
(32)【優先日】2018-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】524156423
【氏名又は名称】ヴィスカ・バイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VISKA BIO, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100157956
【氏名又は名称】稲井 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ティ・フォッセル
【審査官】田澤 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-513380(JP,A)
【文献】国際公開第1993/023080(WO,A1)
【文献】国際公開第2002/002110(WO,A1)
【文献】特開平04-228087(JP,A)
【文献】PHILPOTT, G. W. et al,Affinity Cytotoxicity of Tumor Cells with Antibody-Glucose Oxidase Conjugates, Peroxidase, and Arsphenamine,CANCER RESERACH,1974年,Vol.34,pp.2159-2164
【文献】TAZZARI, P. L. et al,TARGETING OF A PLASMA CELL LINE WITH A CONJUGATE CONTAINING XANTHINE OXIDASE AND THE MONOCLONAL ANTIBODY 62B1,TRANSPLANTATION,1989年,Vol.48,pp.119-122
【文献】HARDMAN, W. E.,Omega-3 Fatty Acids to Augment Cancer Therapy,International Research Conference on Food, Nutrition & Cancer,2002年,3508S-3512S
【文献】PISANTI, S. et al,Novel prospects of statins as therapeutic agents in cancer,Pharmacological Research,2014年,Vol.88,pp.84-98
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 47/00-47/69
31/00-33/44
38/00-39/44
45/00
A61P 1/00-43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍を認識する抗体
およびリソソームの膜透過性を増加させることができる酵素
を含む複合体;および不飽和C
3~C
6脂肪酸、を含
む物品であって、酵素がオキシダーゼまたはペルオキシダーゼである、
物品。
【請求項2】
酵素がオキシダーゼである、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
オキシダーゼがグルコースオキシダーゼである、請求項2に記載の物品。
【請求項4】
オキシダーゼがキサンチンオキシダーゼである、請求項2に記載の物品。
【請求項5】
酵素がペルオキシダーゼである、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
抗体および酵素が直接共有結合している、請求項1~5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
抗体および酵素が連結剤を介して結合される、請求項1~5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
腫瘍を認識する抗体
およびリソソームの膜透過性を増加させることができる酵素
を含む複合体;およびスタチン、を含
む物品であって、酵素がオキシダーゼまたはペルオキシダーゼである
、物品。
【請求項9】
酵素がオキシダーゼである、請求項8に記載の物品。
【請求項10】
オキシダーゼがグルコースオキシダーゼである、請求項9に記載の物品。
【請求項11】
オキシダーゼがキサンチンオキシダーゼである、請求項9に記載の物品。
【請求項12】
酵素がペルオキシダーゼである、請求項8に記載の物品。
【請求項13】
抗体および酵素が直接共有結合している、請求項8~12のいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
抗体および酵素が連結剤を介して結合される、請求項8~12のいずれか一項に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2017年11月16日にE. Fosselによって出願された「リソソーム開始アポトーシス-癌治療の方法」と題する米国特許仮出願第62/587,207号;および2018年10月3日にFosselによって出願された「癌を治療するためのアポトーシスを開始するためのシステムおよび方法」と題する米国仮特許出願第62/740,477号の利益を主張する。これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、免疫原性細胞死を使用して癌を治療するためのシステムおよび方法に関する。例えば、本発明の特定の実施形態の目的は、リソソームを標的とし、その膜を透過性にし、分解酵素を漏出させ、細胞内の消化をもたらし、アポトーシスをもたらし、かくしてリソソーム誘発性免疫原性細胞死を引き起こすことによって、癌を治療および/または治癒することである。
【背景技術】
【0003】
癌は、異常な細胞増殖を伴う一群の疾患であり、身体の他の部分に侵入または拡大する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
癌は、放射線療法、手術、化学療法、標的療法などの手法で治療できるが、癌の犠牲者の死亡率が比較的高いため、新たな技術が依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一般に、免疫原性細胞死、例えば、リソソーム誘発性免疫原性細胞死を使用して癌を治療するためのシステムおよび方法に関する。本発明の主題は、場合によっては、相互に関連する生成物、特定の問題に対する代替の解決策、および/または1つまたはそれ以上のシステムおよび/または物品の複数の異なる使用を含む。
【0006】
一態様では、本発明は一般に物品を対象とする。一セットの実施形態では、該物品は、腫瘍を認識する抗体と、リソソーム膜透過性を増加させることができる酵素とを含む複合体を含む。別のセットの実施形態では、該物品は、腫瘍を認識する抗体と、活性酸素種を生成することができる酵素とを含む複合体を含む。
【0007】
本発明は、別の側面では、一般に方法を対象とする。一セットの実施形態では、該方法は、腫瘍を認識する抗体と、リソソーム膜透過性を増加させることができる酵素との複合体を含む組成物を対象に投与することを含む。別のセットの実施形態によれば、該方法は、腫瘍を認識する抗体と、活性酸素種を生成することができる酵素との複合体を含む組成物を対象に投与することを含む。該方法は、さらに別のセットの実施形態では、腫瘍を認識する抗体と、リソソーム漏出を引き起こすことができる酵素との複合体を含む組成物を対象に投与することを含む。
【0008】
特定の状態の予防または治療のために化合物を対象に投与するいくつかの方法が本明細書に開示される。本発明のそのような各側面において、本発明は、具体的には、その特定の状態の治療または予防に使用するための化合物、ならびにその特定の状態の治療または予防用医薬の製造のための化合物の使用も含むことが理解されるべきである。
【0009】
別の側面では、本発明は、本明細書に記載の1つまたはそれ以上の実施形態、例えば、腫瘍を認識する抗体と、活性酸素種を生成することができる酵素との複合体を作製する方法を包含する。さらに別の側面では、本発明は、本明細書に記載の1つまたはそれ以上の実施形態、例えば、腫瘍を認識する抗体と、活性酸素種を生成することができる酵素との複合体を使用する方法を包含する。
【0010】
本発明の他の利点および新規の特徴は、本発明の様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な説明を、添付の図面と併せて検討すると明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の非限定的な実施形態は、添付の図面(概略的であり、一定の縮尺で描かれることを意図していない)を参照して、例示により記載されるであろう。図面では、図示されている同一またはほぼ同一の各成分は、通常、単一の数字で表されている。明確にするために、すべての成分がすべての図でラベル付けされているわけではなく、また、当業者が本発明を理解できるようにするために例示が必要でない場合に本発明の各実施形態のすべての成分が示されているわけではない。
【0012】
【
図1】
図1A~1Bは、本発明の特定の実施形態による、エンドサイトーシスを介したリソソームへの酸化LDLの取り込み後の、正常な細胞機能および悪性細胞におけるリソソーム機能を示す。
【0013】
【
図2】
図2A~2Bは、本発明の別の実施形態における、オートファジー誘発性アポトーシスとは対照的に、分解されて細胞質に放出されるオートリソソーム内の細胞コンポーネントを示す。
【0014】
【
図3】
図3は、本発明のさらに別の実施形態における、免疫原性細胞死を決定するために有用な予言的アッセイを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、一般に、免疫原性細胞死、例えば、リソソーム誘発性免疫原性細胞死を使用して癌を治療するためのシステムおよび方法に関する。これには少なくとも3つの側面が含まれ、個別にまたは一緒に使用できる。第1の側面は、例えば抗酸化剤の離脱および抑制、n-3~n-6その他の不飽和脂肪酸の供給、および/またはスタチンによる対象の治療による治療のための腫瘍の調製を含む。第2の側面は、CRISPRを含む技術を含む、遺伝子操作によるp53機能の回復を含む。第3の側面は、抗体-酵素複合体を構築することを含み、ここで抗体は腫瘍を認識し、酵素はオキシダーゼである。該複合体は対象に投与されてよい。対象はまた、酵素に対する基質を提供され得る。これらおよび/または他の側面は、個別にまたは一緒に使用でき、癌を治療および/または治癒するために使用できる。場合によっては、リソソームは、例えば、癌細胞における細胞死の誘発において標的化され得る。
【0016】
非限定的な例として、本発明の特定の実施形態は、一般に、腫瘍を認識する抗体を対象とし、該抗体は、例えば共有結合などの結合を介して酵素と複合体化することができる。腫瘍は、例えば、結腸直腸癌を有する対象に見られる腫瘍であり得る。場合によっては、結腸直腸癌は治療が特に困難である場合があり、例えば、チェックポイント阻害剤などのいくつかの治療は一般に効果がない場合がある。したがって、本明細書に記載されるような組成物は、そのような癌を治療するために有用であり得る。例えば、一実施形態では、本明細書に記載の組成物は、例えば、本明細書で論じるように、リソソーム膜の透過性および/または漏出を増加させることにより、および/または活性酸素種等を生成することにより、抗原を生成し得る。これは、対象の免疫系、例えば、T細胞が、対象の腫瘍内で生成された抗原を認識することにより腫瘍を認識することを可能にし得る。したがって、非限定的な例として、一実施形態では、組成物は、腫瘍、例えば結腸直腸癌を標的とすることができる抗epCAM抗体を含む。組成物はまた、例えば、本明細書に記載されるように、抗原を生成し得る適切なオキシダーゼを含むことができる。例えば、一実施形態では、組成物はキサンチンオキシダーゼを含む。いくつかの場合において、抗epCAM抗体およびキサンチンオキシダーゼは、例えば、スルフヒドリル-スルフヒドリル結合を介して、互いに共有結合される。別の例として、結合は、アミン-スルフヒドリル結合であり得る。さらに別の例として、結合は、ヒドロキシル-スルフヒドリル結合であり得る。他の可能な連結は、本明細書に記載されているもののいずれかを含む。さらに、場合によっては、追加の治療ステップが使用されてよい。例えば、一実施形態では、例えば上記の組成物に加えて、PD-1阻害剤などのチェックポイント阻害剤が使用される。
【0017】
しかしながら、上記に加えて、例えば、本明細書に記載されているものなどの様々な癌を治療するために、他の組成物も可能であることが理解されるべきである。例えば、特定の実施形態では、本発明は、一般に、リソソーム、例えば腫瘍内のリソソームを標的化するためのシステムおよび方法に関する。理論に拘束されるつもりはないが、リソソームは透過性になり分解酵素を漏出するように誘発することができ、この分解酵素が免疫系によって認識される得る抗原を生成すると考えられる。従って、例えば、いくつかの場合において、標的化されたリソソームは、免疫系によって認識され得る抗原の産生を引き起こし得、これにより、免疫系がリソソーム、および/またはリソソームを含む腫瘍を認識できるようになる。このような方法で、免疫系によって容易に認識されない「冷たい」腫瘍が、抗原の産生を通じて、免疫系によってより容易に認識される「熱い」腫瘍に変わり得る。従って、リソソーム内で漏出を引き起こすことにより抗原を生成することによって、少なくとも本発明の特定の実施形態では、腫瘍を治療することができる。
【0018】
しかしながら、上記の議論は、癌を有する対象を治療するために使用できる本発明の一実施形態の非限定的な例であることを理解すべきである。例えば、いくつかの態様は、一般に治療のために腫瘍を調製することに関する。例えば、対象の前処理は、リソソーム膜に対する攻撃が成功するように対象を準備することができ、これは腫瘍の治療に有用である。従って、いくつかの実施形態では、対象に脂肪酸、スタチンなどを供給することによって、および/または対象から抗酸化剤を離脱または抑制することによって、腫瘍を調製することができる。理論に拘束されるつもりはないが、以下で論じるように、酸化プロセスは腫瘍を治療するために有用であり得ると考えられる。従って、抗酸化剤は、そのような腫瘍治療を低減または阻害する可能性があり、それゆえ、場合によっては、例えば、治療を容易にするために、患者内の抗酸化剤の濃度を低下させることができる。しかしながら、対象の前処理がすべての実施形態で必要とされるわけではなく、場合によっては、前処理が使用されない場合があることも理解されるべきである。
【0019】
治療のために腫瘍を調製するために、例えば、抗酸化剤の離脱および抑制、n-3~n-6その他の不飽和脂肪酸の供給、および/またはスタチンによる対象の治療による治療を含む、様々な方法を使用することができる。理論に拘束されるつもりはないが、対象の前処理はリソソーム膜への攻撃の成功に備えると考えられる。対象の抗酸化状態が低下する。n-3およびn-6脂肪酸を含む不飽和脂肪酸が対象に供給され、および/または対象にスタチンが与えられる。これらの治療は、リソソーム膜へのより効率的な攻撃を提供する。しかしながら、例えば、本明細書で論じられるような、治療のための腫瘍の調製は、必ずしもすべての実施形態で必要とされるわけではないことが理解されるべきである。
【0020】
一セットの実施形態では、例えば、不飽和脂肪酸が対象に投与され、例えば対象に摂食される。1つまたはそれ以上の脂肪酸が、例えば、同時におよび/または連続して、対象に投与され得る。典型的には、不飽和脂肪酸は、脂肪酸鎖内に1つまたはそれ以上の二重結合および/または三重結合を含み得る。場合によっては、脂肪酸は比較的小鎖の脂肪酸であってもよい。そのような不飽和脂肪酸の非限定的な例には、C3、C4、C5、C6、C7、およびC8脂肪酸が含まれる。これらは、モノ不飽和および/またはポリ不飽和脂肪酸を含み得る。具体例には、CH2=CHCOOH、CH3CH=CHCOOH、CH3CH2CH=CHCOOH、CH3CH2CH2CH=CHCOOH、CH2=CHCH2COOH、CH2=CHCH2CH2COOH、CH2=CHCH2CH2CH2COOH、CH2=CHCH2CH=CHCOOH、CH2=CHCH=CHCOOHなどが含まれるが、これらに限られない。さらに、場合によっては、脂肪酸は、オキアミ油、魚油、ベニバナ油、大豆油、亜麻仁油、キャノーラ油、藻油などの自然発生源に由来してよい。
【0021】
広範囲の脂肪酸投与量を使用することができる。いくつかの実施形態において、脂肪酸は、少なくとも0.1g、少なくとも0.2g、少なくとも0.3g、少なくとも0.4g、少なくとも0.5g、少なくとも0.6g、少なくとも0.7g、少なくとも0.8g、少なくとも0.9g、少なくとも1g、少なくとも2g、少なくとも3g、少なくとも4g、少なくとも5g、少なくとも6g、少なくとも7g、少なくとも8g、少なくとも9g、少なくとも10g、少なくとも11g、少なくとも12g、少なくとも13g、少なくとも14g、または少なくとも15gの投薬量で、ヒトなどの対象に与えられ得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸は、15g未満、14g未満、13g未満、12g未満、11g未満、10g未満、9g未満、8g未満、7g未満、6g未満、5g未満、4g未満、3g未満、2g未満、1g未満、0.9g未満、0.8g未満、0.7g未満、0.6g未満、0.5g未満、0.4g未満、0.3g未満、0.2g未満、または0.1g未満の投薬量で与えられ得る。これらのいずれかの組み合わせもまた、いくつかの実施形態において可能であり、例えば、投薬量は、1~15g、1~10g、5~10g、0.5~1gなどであり得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、脂肪酸は、少なくとも1mg/kg、少なくとも2mg/kg、少なくとも3mg/kg、少なくとも5mg/kg、少なくとも10mg/kg、少なくとも20mg/kg、少なくとも30mg/kg、少なくとも50mg/kg、少なくとも100mg/kg、少なくとも200mg/kg、少なくとも300mg/kg、少なくとも500mg/kg、少なくとも1g/kg、または少なくとも2mg/kgの投薬量で、ヒトなどの対象に与えられてよい。場合によっては、脂肪酸は、2g/kg未満、1g/kg未満、500mg/kg未満、300mg/kg未満、200mg/kg未満、100mg/kg未満、50mg/kg未満、30mg/kg未満、20mg/kg未満、10mg/kg未満、5mg/kg未満、3mg/kg未満、2mg/kg未満、または1mg/kg未満の投薬量で投与してよい。これらのいずれかの組み合わせもまた、いくつかの実施形態において可能であり、例えば、投薬量は、1~2g/kg、500mg/kg~1g/kg、400~800mg/kgなどであり得る。
【0023】
別のセットの実施形態では、腫瘍は、例えば、脂肪酸に加えて、またはその代わりに、スタチンを対象に投与することによって調製され得る。スタチンは、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤としても知られ、脂質低下薬の一種である。スタチンの非限定的な例には、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、およびシンバスタチンが含まれる。1つまたはそれ以上のスタチンが、例えば、同時におよび/または連続して、対象に投与され得る。
【0024】
幅広い投与量のスタチンを使用することができる。例えば、スタチンは、少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも3mg、少なくとも5mg、少なくとも10mg、少なくとも20mg、少なくとも30mg、少なくとも40mg、少なくとも50mg、少なくとも60mg、少なくとも70mg、少なくとも80mg、少なくとも90mg、または少なくとも100mgの投薬量で、ヒトなどの対象に与えられ得る。場合によっては、スタチンは100mg未満、90mg未満、80mg未満、70mg未満、60mg未満、50mg未満、40mg未満、30mg未満、20mg未満、10mg未満、5mg未満、3mg未満、2mg未満、または1mg未満の投薬量で与えられ得る。これらのいずれかの組み合わせもまた、いくつかの実施形態において可能であり、例えば、投薬量は、20mg、20~40mg、40~80mg、5~10mgなどであり得る。
【0025】
さらに、いくつかの実施形態では、スタチンは、少なくとも1mg/kg、少なくとも2mg/kg、少なくとも3mg/kg、少なくとも4mg/kg、少なくとも5mg/kg、少なくとも6mg/kg、少なくとも7mg/kg、少なくとも8mg/kg、少なくとも9mg/kg、少なくとも10mg/kg、少なくとも11mg/kg、少なくとも12mg/kg、少なくとも13mg/kg、少なくとも14mg/kg、または少なくとも15mg/kgの投薬量で、ヒトなどの対象に与えられ得る。いくつかの実施形態では、スタチンは、15mg/kg未満、14mg/kg未満、13mg/kg未満、12mg/kg未満、11mg/kg未満、10mg/kg未満、9mg/kg未満、8mg/kg未満、7mg/kg未満、6mg/kg未満、5mg/kg未満、4mg/kg未満、3mg/kg未満、2mg/kg未満、または1mg/kgの投薬量で与えられ得る。これらのいずれかの組み合わせもまた、いくつかの実施形態において可能であり、例えば、投薬量は、1~15mg/kg、1~10mg/kg、5~10mg/kgなどであり得る。
【0026】
特定の実施形態によれば、対象が抗酸化剤を服用している場合、抗酸化剤は対象から離脱または抑制され得る。例えば、治療のために腫瘍を調製することの一部として、抗酸化剤は完全に差し控えられてよく、または抗酸化剤の投薬量を、例えば、量および/または頻度で減らしてよい。抗酸化剤の非限定的な例には、βカロテン、ビタミンA、およびビタミンEが含まれる。他の例には、ビタミンC、グルタチオン、リポ酸、尿酸、およびユビキノールが含まれる。
【0027】
特定の実施形態では、これらのうちの任意の1つまたはそれ以上を独立して、別個にまたは一緒に使用され得ることが理解されるべきである。例えば、対象には、スタチン、脂肪酸、またはその両方を投与することができる。両方の場合、これらは別個におよび/または一緒に投与することができる。別個の場合、これらは、任意の適切な順序で、同時におよび/または連続して投与することができる。本明細書で論じられるものを含む、任意の適切な投与方法および投薬スケジュールを使用することができる。さらに、一方または両方が、適切な薬学的に許容可能な担体中に存在し得る。さらに、いくつかの実施形態では、抗酸化剤は、スタチン、脂肪酸、または両方の投与の有無にかかわらず、対象から離脱または抑制されてよい。
【0028】
いくつかの態様では、システムおよび方法は、腫瘍を治療するため、PD-1阻害剤および/またはPD-L1阻害剤などのチェックポイント阻害剤と組み合わせることができる。例えば、場合によっては、本明細書に記載されるようなシステムおよび方法は、免疫系によって認識され得る、リソソームの漏出および/または抗原の産生を引き起こし得る。理論に拘束されるつもりはないが、例えば、リソソーム漏出によって引き起こされる抗原の産生は、免疫系が腫瘍を認識するのを助け、したがって、腫瘍をより効果的に攻撃することができると考えられる。場合によっては、そのような反応は、PD-1阻害剤などのチェックポイント阻害剤の存在下で増強され、それにより免疫系が腫瘍をより効果的に攻撃することを可能にし得ると考えられる。PD-1またはPD-L1阻害剤の非限定的な例には、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、ピジリズマブ、セミプリマブなどが含まれる。使用することができるチェックポイント阻害剤の他の例には、イピリムマブ、オファツムマブ、およびリツキシマブが含まれるが、これらに限定されない。さまざまなチェックポイント阻害剤が市販されている。しかしながら、いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤が使用されないことも理解されるべきである。
【0029】
阻害剤は、存在する場合、任意の適切な量または濃度で提供され得、本明細書に記載されるものなどの他の組成物と同時におよび/または連続して投与され得る。投薬量の例には、少なくとも1mg/kg、少なくとも2mg/kg、少なくとも3mg/kg、少なくとも4mg/kg、少なくとも5mg/kg、少なくとも6mg/kg、少なくとも7mg/kg、少なくとも8mg/kg、少なくとも9mg/kg、少なくとも10mg/kgなどの投薬量が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、投薬量は10mg/kg未満、9mg/kg未満、8mg/kg未満、7mg/kg未満、6mg/kg未満、5mg/kg未満、4mg/kg未満、3mg/kg未満、2mg/kg未満、または1mg/kg未満であり得る。これらのいずれかの組み合わせもまた、いくつかの実施形態において可能であり、例えば、投薬量は、1~15mg/kg、1~10mg/kg、5~10mg/kgなどであり得る。
【0030】
チェックポイント阻害剤などの阻害剤に加えて、またはその代わりに、他の癌免疫療法治療を使用することもできる。非限定的な例には、非特異的免疫療法、適応免疫療法、モノクローナル抗体、CAR-T細胞療法、癌ワクチンなどが含まれる。場合によっては、癌免疫療法治療は、T細胞、NK細胞、および/またはマクロファージを使用および/または活性化してよい。これらは、例えば、本明細書で説明されるシステムおよび方法と併せて使用されてよい。当業者は、モノクローナル抗体を産生し、T細胞を同定するためのシステムおよび方法などに精通しているであろう。
【0031】
例えば、CAR-T療法では、抗原結合機能とT細胞活性化機能とを組み合わせた受容体が作製される。CAR-T細胞の一般的な前提は、癌細胞に見られるマーカーを標的としたT細胞を人工的に生成することである。T細胞は対象から取り出され、癌細胞を標的とするように遺伝子改変され、その後、対象に戻される。CAR-T細胞は、細胞外リガンド認識ドメインと細胞内シグナル伝達分子との間にリンクを作成し、細胞内シグナル伝達分子は次にT細胞を活性化する。細胞外リガンド認識ドメインは、一本鎖可変フラグメント(scFv)であってよい。CAR-T細胞は、腫瘍の表面に存在する抗原を標的とするようにプログラムできる。CAR-T細胞が腫瘍上の抗原と接触すると、CAR-T細胞は腫瘍抗原への結合を介して活性化される。CAR-T細胞は、細胞が他の生きている細胞に対して毒性である度合い、すなわち細胞毒性を高める、広範囲の刺激された細胞増殖などのメカニズムによって、および生体において他の細胞に影響を及ぼす免疫系中の細胞から分泌される因子の産生を増加させることによって癌細胞を破壊する。これらの因子には、サイトカイン、インターロイキン、インターフェロン、成長因子などが含まれる。
【0032】
本発明の別の側面は、CRISPRを含む技術を含む遺伝子操作によるp53機能の回復を含む。これは、独立して、または上記のように治療のために腫瘍を調製することと組み合わせて行われ、組み合わせて行われる場合、これらは同時におよび/または連続して、任意の適切な順序で行われる。理論に拘束されるつもりはないが、多くの癌では、p53は機能しないか機能が低下していると考えられる。それはリソソーム膜の攻撃のメカニズムにおいて重要であり得る。CRISPRなどの遺伝的方法でp53の機能を回復させると、リソソーム膜を攻撃する治療法の能力が向上し得る。しかしながら、上記のように、これは必ずしもすべての実施形態で必要とされるわけではない。
【0033】
本発明のさらに別の態様は、抗体-酵素複合体などの複合体に関する。そのような複合体は、上記の態様の1つまたはそれ以上と関連して、またはそのような態様とは無関係に使用することができる。抗体は腫瘍を認識するものであってもよい。酵素は、オキシダーゼ、または活性酸素種を生成することができる他の酵素であり得る。複合体は、例えば、注入または本明細書に記載されているものなどの他の投与技術を介して対象に投与することができる。場合によっては、対象に酵素の基質を提供することもできる。理論に拘束されるつもりはないが、抗体は腫瘍内または腫瘍の近くに複合体を局在化させるのに役立つと考えられる。局在化したら、酵素の基質を対象に投与、例えば注入すると、リソソーム膜の攻撃、細胞内へのリソソーム内容物の放出、およびアポトーシスによる細胞死をもたらす一連の事象を引き起こす。したがって、本発明の特定の実施形態は、リソソーム誘発性免疫原性細胞死を対象とする。
【0034】
さらに、酵素に加えて、他の治療的部分が使用され得ることもまた理解されるべきである。例えば、抗体と薬物の複合体、または別の標的化部分と薬物の複合体を使用することができる。一セットの実施形態では、複合体は、抗体-薬物コンジュゲート(すなわち、ADC)であり得る。
【0035】
当業者は、腫瘍を標的とすることができるものを含む抗体を知っているであろう。例えば、一セットの実施形態では、抗体は腫瘍抗原に対する抗体であり得る。腫瘍特異的抗原の例には、rasおよびp53の産物、CTAG1B、またはMAGEA1が含まれる。他の例には、組織分化抗原、変異タンパク質抗原、発癌性ウイルス抗原、癌-精巣抗原および血管または間質特異的抗原が含まれる。他の例には、アルファフェトプロテイン(AFP)や癌胎児性(carcinoembryonic)抗原(CEA)などの癌胎児性(oncofetal)抗原が含まれる。さらに他の例には、CA-125、MUC-1、上皮腫瘍抗原、チロシナーゼ、黒色腫関連抗原(MAGE)、上皮細胞接着分子(epCAM)などに対する抗体が含まれる。
【0036】
抗体は、典型的には、免疫グロブリン遺伝子または免疫グロブリン遺伝子の断片によって実質的にコードされる1つまたはそれ以上のポリペプチドのタンパク質または糖タンパク質である。認識されている免疫グロブリン遺伝子には、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロン、およびミューの定常領域遺伝子、および無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。軽鎖はカッパまたはラムダのいずれかに分類される。重鎖は、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロンに分類され、免疫グロブリンのクラス、それぞれIgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEを定義する。典型的な免疫グロブリン(抗体)の構造単位は、四量体を含むことが知られている。各四量体は、ポリペプチド鎖の2つの同一ペアで構成され、各ペアは1つの「軽」鎖(約25kD)と1つの「重」鎖(約50~70kD)を有する。各鎖のN末端は、主に抗原認識に関与する約100~110またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を定義する。可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)という用語は、それぞれこれらの軽鎖および重鎖を指す。抗体は、無傷の免疫グロブリンとして、またはさまざまなペプチダーゼによる消化によって生成される、よく特徴付けられたいくつかのフラグメントとして存在する。したがって、たとえば、ペプシンは、ヒンジ領域のジスルフィド結合の下(つまりFcドメインに向かう)で抗体を消化して、F(ab)'2(それ自体がVH-CH1にジスルフィド結合によって連結した軽鎖であるFabの二量体)を生成する。F(ab)'2は穏やかな条件下で還元されてヒンジ領域のジスルフィド結合を破壊し、それによって(Fab')2二量体がFab'単量体に変換される。Fab'単量体は、本質的にヒンジ領域の一部を備えたFabである。様々な抗体フラグメントは無傷の抗体の消化に関して定義されるが、そのようなフラグメントは、例えば、組換えDNA法を利用することにより、「ファージディスプレイ」法等により、化学的に新規に合成することもできる。抗体の例には、一本鎖抗体、例えば、可変重鎖および可変軽鎖が一緒に(直接またはペプチドリンカーを介して)結合されて、連続ポリペプチドを形成する一本鎖Fv(scFv)抗体が含まれる。一実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。
【0037】
抗体および酵素は、例えば共有結合により、一緒に連結または結合され得る。これらは、互いに直接結合するか、または1つまたはそれ以上の架橋剤を介して結合することができる。非限定的な例には、グルタルアルデヒド、NHS-エステル(N-ヒドロキシスクシンイミド)(例えば、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)、ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)など)、PEG基、イミドエステル(例えば、ジメチルアジピミデート、ジメチルスベリミデート、ジメチルピメリミデートなど)、マレイミド、ピリジル、カルボジイミド、イソシアネートなどが含まれる。抗体および酵素は、任意の適切なシステム、例えば、アミン-アミン、スルフヒドリル-スルフヒドリル、アミン-スルフヒドリル、カルボキシル-アミン、スルフヒドリル-炭水化物、ヒドロキシル-スルフヒドリルなどを介して結合され得る。当業者は、タンパク質を互いに架橋または結合する方法に精通しているであろう。
【0038】
言及したように、抗体は酵素に連結され得る。一セットの実施形態では、酵素はオキシダーゼまたはペルオキシダーゼであり得る。オキシダーゼは通常、酸素(O2)を電子受容体として含むものを含む、酸化還元反応を触媒する酵素である。酸素は水(H2O)、過酸化水素(H2O2)に還元される。非限定的な例としては、グルコースオキシダーゼ、モノアミンオキシダーゼ、チトクロームP450オキシダーゼ、NADPHオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、L-グロノラクトンオキシダーゼ、ラッカーゼ、リシルオキシダーゼなどが挙げられる。同様に、ペルオキシダーゼは、過酸化水素や過酸化脂質などの基質に作用する酵素である。非限定的な例には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、チトクロームcペルオキシダーゼ、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ、クロライドペルオキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、マンガンペルオキシダーゼ、ミエロペルオキシダーゼ、甲状腺ペルオキシダーゼ、バナジウムボロペルオキシダーゼなどが含まれる。
【0039】
場合によっては、酵素の基質も対象に投与することができる。基質および酵素は、任意の適切な順序で、例えば、連続しておよび/または同時に投与することができる。基質の非限定的な例には、キサンチンオキシダーゼのためのヒポキサンチンまたはキサンチン、またはグルコースオキシダーゼのためのグルコースが含まれる。追加の例として、モノアミンオキシダーゼは、モノアミンオキシダーゼのためのセロトニン、メラトニン、ノルエピネフリン、エピネルフリン、フェネチルアミン、ベンジルアミン、ドーパミン、チラミン、トリプタミンなどに作用し、NADPHペルオキシダーゼのためのNADPH;アスコルビン酸ペルオキシダーゼのためのアスコルビン酸などが挙げられる。
【0040】
理論に拘束されるつもりはないが、オキシダーゼまたはペルオキシダーゼは、その基質を酸化することにより、スーパーオキシド、過酸化物、ヒドロキシルラジカルなどの活性酸素種を生成することにより作用すると考えられている。したがって、いくつかの実施形態では、そのような反応を促進するために基質を任意選択で追加することができる。活性酸素種は腫瘍細胞のリソソームと相互作用し、リソソーム膜をより透過性にして、分解酵素を漏出させ、細胞内で消化または他の反応を引き起こす。例えば、スーパーオキシドのような活性酸素種は、細胞コンポーネント、例えば、不飽和脂質の酸化を引き起こし得、これはエンドサイトーシスされ、リソソーム膜を不安定化させ、リソソーム酵素を細胞全体に分散させ、それにより免疫系によって認識され得る腫瘍特異的新生抗原が生成され、および/またはアポトーシスまたは細胞死が引き起こされる。したがって、そのような活性酸素種は、いくつかの実施形態では、リソソーム誘発性免疫原性細胞死を引き起こすのに有用である。したがって、活性酸素種を生成することができる酵素の送達のために腫瘍細胞を(例えば、抗体で)標的化することができ、それが次にリソソームの漏出を引き起こし、最終的に腫瘍細胞の死を引き起こし得ると考えられる。以下の実施例1も参照。
【0041】
場合によっては、そのような酵素は、例えば、脂肪酸および/またはスタチンを使用して、治療のために腫瘍を調製することによって、および/または対象から抗酸化剤を離脱または抑制することによって、促進され得る。さらに、場合によっては、遺伝子操作によってp53の機能を回復できる。
【0042】
さらに、場合によっては、活性酸素種を生成する酵素の代わりに、および/またはそれに加えて、薬物を複合体内で使用され得ることが理解されるべきである。
【0043】
複合体は、本明細書に記載されているものを含む任意の適切な技術を使用して、ヒトなどの対象に投与することができる。さらに、広範囲の投薬量を使用することができる。例えば、複合体は、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも40mg、少なくとも50mg、少なくとも60mg、少なくとも70mg、少なくとも80mg、少なくとも90mg、少なくとも100mg、少なくとも200mg、少なくとも300mg、少なくとも500mg、少なくとも1000mg、少なくとも1500mg、少なくとも2000mg、少なくとも2500mg、少なくとも3000mg、少なくとも5000mgなどの投薬量で投与できる。いくつかの実施形態では、複合体は、5000mg未満、3000mg未満、2500mg未満、2000mg未満、1500mg未満、1000mg未満、500mg未満、300mg未満、200mg未満、100mg未満、90mg未満、80mg未満、70mg未満、60mg未満、50mg未満、40mg未満、30mg未満、25mg未満、20mg未満、15mg未満、10mg未満などの投薬量で投与できる。これらのいずれかの組み合わせもまた、いくつかの実施形態において可能であり、例えば、投薬量は、10~20mg、50~100mg、100~200mgなどであり得る。
【0044】
さらに、いくつかの実施形態では、複合体は、ヒトなどの対象に、少なくとも1mg/kg、少なくとも2mg/kg、少なくとも3mg/kg、少なくとも4mg/kg、少なくとも5mg/kg、少なくとも6mg/kg、少なくとも7mg/kg、少なくとも8mg/kg、少なくとも9mg/kg、少なくとも10mg/kg、少なくとも11mg/kg、少なくとも12mg/kg、少なくとも13mg/kg、少なくとも14mg/kg、または少なくとも15mg/kgの投薬量で与えられてよい。いくつかの実施形態では、スタチンは、15mg/kg未満、14mg/kg未満、13mg/kg未満、12mg/kg未満、11mg/kg未満、10mg/kg未満、9mg/kg未満、8mg/kg未満、7mg/kg未満、6mg/kg未満、5mg/kg未満、4mg/kg未満、3mg/kg未満、2mg/kg未満、または1mg/kg未満の投薬量で与えられ得る。これらのいずれかの組み合わせもまた、いくつかの実施形態において可能であり、例えば、投薬量は、1~15mg、1~10mg、50~10mgなどであり得る。
【0045】
別の側面では、本明細書に記載の組成物は、それ自体で、および/または補因子、他の治療薬などと組み合わせて、対象に投与することができる。例えば、抗体-酵素複合体(例えば、オキシダーゼ、または活性酸素種を生成することができる他の酵素を含む)は、単独で、または例えば本明細書に記載のように、ヒポキサンチン、キサンチン、グルコースなどの基質と組み合わせて、および/または脂肪酸、スタチンなどと組み合わせて投与することができる。投与する場合、組成物は、治療上有効な薬学的に許容される量で、薬学的に許容される製剤として、例えば、以下に記載されるものなどの薬学的に許容される担体として適用され得る。本明細書に記載の複合体などの組成物の「有効量」という用語は、所望の生物学的効果を実現するのに必要または十分な量を指す。たとえば、腫瘍を治療するための複合体の有効量は、腫瘍のサイズを縮小するのに十分な量であってよい。本明細書で提供される教示と組み合わせて、効力、相対的バイオアベイラビリティ、患者の体重、有害な副作用の重篤度および投与方法などのさまざまな活性組成物および重み係数の中から選択することにより、実質的な毒性を引き起こさないが、それでも特定の対象を治療するのに完全に有効である、効果的な予防または治療処置計画を計画できる。特定の投与の有効量は、治療される疾患または状態、投与される特定の組成物、対象のサイズ、または疾患または状態の重篤度などの要因に応じて異なり得る。当業者は、過度の実験を必要とすることなく、組成物の有効量を経験的に決定することができる。
【0046】
「治療する」、「治療した」、「治療している」などの用語は、本明細書で使用する場合、腫瘍の発達またはさらなる発達に対する対象の耐性を増加させる組成物の対象への投与、腫瘍の発達を排除または少なくとも制御するために、および/または腫瘍によって引き起こされる症状の進行を遅らせるか、またはその重篤度を軽減するために、対象が腫瘍を発生した後の組成物の投与を指す。対象に投与する場合、有効量は、治療される特定の腫瘍および所望の結果に依存する。治療上有効な用量は、当業者により、例えば、以下にさらに記載されるような因子を使用し、通常の実験のみを使用して決定することができる。
【0047】
治療で使用するため、有効量の組成物は、組成物を腫瘍に送達する任意の様式、例えば、粘膜、全身などによって対象に投与することができる。本発明の医薬組成物の投与は、当業者に知られている任意の手段によって達成することができる。投与経路の例には、経口、非経口、筋肉内、鼻腔内、舌下、気管内、吸入、眼内、膣内、静脈内、経皮、および直腸が含まれるが、これらに限定されない。場合によっては、筋肉内投与が使用される。一セットの実施形態では、静脈内投与が使用される。
【0048】
組成物を対象に投与する際に、投与量、投与スケジュール、投与経路などは、これらの組成物の既知の活性に影響を与えるように選択することができる。投薬量は、実験モデルの結果に基づいて、場合により本明細書に記載されている組成物のアッセイの結果と組み合わせて推定することができる。投薬量は、投与方法に応じて、局所または全身の所望の薬物レベルを達成するために適切に調整することができる。用量は、1日あたり1回または数回の投与で与えることができる。対象内または腫瘍内で組成物の適切な全身レベルを達成するために、場合によっては1日あたり複数回の投与も考えられる。
【0049】
対象への組成物の用量は、組成物の治療的有効量が対象内の腫瘍に到達するようなものであり得る。投薬量は、場合によっては、対象内の潜在的に有害な副作用を回避または最小化しながら、最大量で与えられてよい。実際に投与される組成物の投薬量は、腫瘍で望まれる最終濃度、対象への投与方法、組成物の有効性、対象内での組成物の寿命、投与のタイミング、同時治療の効果(例えば、カクテルのように)などの要因に依存し得る。送達される用量は、対象に関連する状態にも依存する場合があり、場合によっては対象ごとに異なり得る。例えば、対象の年齢、性別、体重、サイズ、環境、体調、または現在の健康状態も、必要な用量および/または活性部位での組成物の濃度に影響を与える可能性がある。投与量の変動は、異なる個人間で、または同じ個人内でも異なる日に発生する可能性がある。場合によっては、最大用量、すなわち適切な医学的判断による安全な最大用量が使用される。場合によっては、剤形は、対象に実質的に悪影響を及ぼさないようなものである。
【0050】
送達のための本明細書に記載の化合物の対象用量は、約0.1マイクログラム~10mgの範囲であり得、これは投与に応じて、毎日、毎週、または毎月およびそれらの間の任意の他の時間で与えられ得る。場合によっては、用量は、投与あたり約10マイクログラム~5mg、例えば、約100マイクログラム~1mgの範囲であり、2~4回の投与は、数日または数週間間隔をあける。いくつかの実施形態では、用量は、投与ごとに1マイクログラム~10mg、最も典型的には10マイクログラム~1mgの範囲であり、毎日または毎週投与される。他の適切な投薬は、本明細書で詳細に説明されている。
【0051】
組成物は、長期間にわたって複数回投与で投与することができる。本明細書に記載される任意の化合物について、治療的有効量は、最初に動物モデルから決定することができる。適用される用量は、投与される化合物の相対的バイオアベイラビリティおよび効力に基づいて調整することができる。上記方法および当技術分野で周知の他の方法に基づいて最大効力を達成するように用量を調整することは、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0052】
本明細書に開示される治療は、任意の対象、例えば、ヒト、または非ヒト動物、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウサギ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラット(例えば、Rattus Norvegicus)、マウス(例えば、Mus musculus)、モルモット、非ヒト霊長類(例えば、サル、チンパンジー、ヒヒ、類人猿、ゴリラなど)などに与えることができる。
【0053】
特定の実施形態では、組成物は、癌の家族歴を有する対象、または癌の遺伝的素因を有する対象に投与することができる。他の実施形態では、組成物は、特定の年齢に達した対象、または腫瘍を発症する可能性が高い対象に投与することができる。さらに他の実施形態では、組成物は、癌の症状を示す(例えば、早期または進行)対象に投与される。さらに他の実施形態では、組成物は、予防策として対象に投与されてよい。いくつかの実施形態では、組成物は、人口統計学または疫学研究に基づいて対象に、または特定の分野またはキャリアの対象に投与することができる。治療され得る癌の非限定的な例には、脳、膵臓、血液、黒色腫、多発性黒色腫、肺、乳房、前立腺、卵巣、結腸、結腸直腸、神経膠芽腫、膵臓、および他の癌が含まれる。
【0054】
本発明の組成物の投与は、組成物がその標的、例えば腫瘍に到達することを可能にする任意の医学的に許容される方法によって達成され得る。選択された特定の様式は、もちろん、前記要因、例えば、特定の組成、治療される対象の状態の重篤度、治療効果に必要な投与量などに依存する。本明細書で使用する「医学的に許容される」治療様式は、臨床的に許容されない副作用を引き起こすことなく、対象内で有効なレベルの組成物を生成することができる様式である。
【0055】
あらゆる医学的に許容される方法を用いて、組成物を対象に投与することができる。投与は、治療される状態に応じて、局所的(すなわち、特定の領域、生理学系、組織、器官、または細胞型)または全身的であり得る。例えば、組成物は、経口、経膣、直腸、口腔、肺、局所、経鼻、経皮、非経口注射または移植により、外科的投与により、または腫瘍へのアクセスが達成される他の投与方法により投与され得る。場合によっては、例えば、2つまたはそれ以上の組成物が投与される場合、複数の投与方法が使用され得る。
【0056】
使用できる非経口モダリティの例には、静脈内、皮内、皮下、腔内、筋肉内、腹腔内、硬膜外、または髄腔内が含まれる。移植モダリティの例には、任意の移植可能または注射可能な薬物送達システムが含まれる。経口投与は、対象の利便性および投与スケジュールのために、いくつかの実施形態において使用され得る。経口投与に適した組成物は、ハードまたはソフトカプセル、ピル、カシェ、錠剤、トローチ、またはロゼンジなどの個別の単位として提示することができる。使用に適した他の経口組成物には、シロップ、エリキシル、またはエマルジョンなどの水性または非水性液体中の溶液または懸濁液が含まれる。別のセットの実施形態では、組成物を使用して、食品または飲料を強化することができる。
【0057】
組成物は、全身的に送達することが望ましい場合、注射による、例えば、ボーラス注射または連続注入による非経口投与用に製剤化することができる。注射用製剤は、防腐剤が添加された単位剤形、例えばアンプルまたは複数回投与用容器で提供されてよい。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、または乳濁液などの形態をとることができ、懸濁剤、安定剤、および/または分散剤などの処方剤を含むことができる。
【0058】
非経口投与用の医薬製剤には、水溶性形態の活性化合物の水溶液が含まれる。さらに、活性化合物の懸濁液は、場合によっては適切な油性注射懸濁液として調製されてよい。適切な親油性溶媒またはビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルまたはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが含まれるが、これらに限定されない。水性注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増加させる物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランを含み得る。必要に応じて、懸濁液はまた、適切な安定剤または化合物の溶解度を増加させて高濃度の溶液の調製を可能にする薬剤を含み得る。
【0059】
上記製剤に加えて、組成物はまた、いくつかの実施形態では、デポー製剤として製剤化されてもよい。そのような長時間作用型製剤は、場合によっては適切なポリマーまたは疎水性材料(例えば、許容できる油中の乳濁液として)またはイオン交換樹脂とともに、または難溶性誘導体として、例えば難溶性塩として製剤化され得る。
【0060】
適切な液体医薬製剤形態には、例えば、吸入用の水溶液または生理食塩水、マイクロカプセル化された、渦巻状の、微視的金粒子上にコーティングされた、リポソームに含まれた、噴霧された、エアロゾル、皮膚移植用ペレット、または皮膚にかきとるべき鋭利な物体上への乾燥が含まれる。医薬組成物はまた、顆粒剤、粉末剤、錠剤、コーティング錠剤、(マイクロ)カプセル剤、坐剤、シロップ剤、乳濁液、懸濁液、クリーム剤、ドロップ剤または活性化合物の持続放出を伴う製剤を含み得、該製剤において、賦形剤および添加剤および/または補助剤、例えば、崩壊剤、結合剤、コーティング剤、膨潤剤、潤滑剤、香味剤、甘味料または可溶化剤などが、上記のように慣習的に使用される。
【0061】
本発明の特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物の投与は、特定の期間、例えば、数時間、数日、数週間、数か月または数年にわたって組成物への連続暴露をもたらすように設計され得る。このことは、例えば、本明細書に記載される方法の1つによる組成物の反復投与によって、または組成物が反復投与なしに長期間にわたって送達される徐放または制御放出送達システムによって達成され得る。そのような送達システムを使用する組成物の投与は、例えば、経口剤形、ボーラス注射、経皮パッチ、皮下インプラント、または本明細書に記載されるような他の方法によるものであり得る。場合によっては、組成物の実質的に一定の濃度を維持することが望ましい。
【0062】
特定の実施形態での使用に適した他の送達システムには、徐放(time-release)、遅延放出(delayed release)、持続放出(sustained release)、または制御放出(controlled release)送達システムが含まれる。このようなシステムは、多くの場合、反復投与を回避し、対象の利便性を高める。多くのタイプの放出送達システムが利用可能であり、当業者に知られている。それらには、例えば、ポリ乳酸および/またはポリグリコール酸、ポリ無水物、ポリカプロラクトンおよび/またはこれらの組み合わせなどのポリマーベースのシステム;コレステロール、コレステロールエステルなどのステロール、および脂肪酸またはモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドなどの中性脂肪を含む脂質ベースの非ポリマーシステム;ヒドロゲル放出システム;リポソームベースのシステム;リン脂質ベースのシステム;シラスティックシステム;ペプチドベースのシステム;ワックスコーティング;従来の結合剤と賦形剤を使用した圧縮錠剤;または部分的に融合したインプラントが含まれる。特定の例には、組成物がマトリックス内の形態で含まれる侵食システム、または活性成分が放出速度を制御する拡散システムが含まれるが、これらに限定されない。製剤は、例えば、ミクロスフェア、ヒドロゲル、ポリマーリザーバー、コレステロールマトリックス、またはポリマー系などとして存在してもよい。いくつかの実施形態では、システムは、例えば、製剤の拡散または侵食/分解速度の制御を介して、組成物の持続放出または制御放出が起こることを可能にすることができる。さらに、いくつかの実施形態では、ポンプベースのハードウェア送達システムを使用することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、長期放出インプラントの使用が特に適している。本明細書で使用される「長期放出」は、本明細書に記載される組成物を含むインプラントが、少なくとも30または45日、または少なくとも60または90日、または場合によってはさらに長い間治療有効レベルを送達するように構築および配置されることを意味する。長期放出インプラントは、当業者に周知であり、本明細書に記載されている放出システムのいくつかを含む。
【0064】
本明細書に記載の組成物の投与は、単独で、または他の治療剤および/または組成物と組み合わせて行うことができる。例えば、本明細書に記載の様々な組成物と組み合わせて使用できる抗癌剤および薬物の非限定的な例には、20-epi-1,25ジヒドロキシビタミンD3、4-イポメアノール、5-エチニルウラシル、9-ジヒドロタキソール、アビラテロン、アシビシン、アクラルビシン、塩酸アコダゾール、アクロニン、アシルフルベン、アデシペノール、アドゼレシン、アルデスロイキン、all-tk拮抗薬、アルトレタミン、アンバムスチン、アンボマイシン、酢酸アメタントロン、アミドックス、アミフォスチン、アミノグルテチミド、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラフォリド、血管新生阻害剤、拮抗薬D、拮抗薬G、アンタレリクス、アントラマイシン、抗背側化形態形成タンパク質1、抗エストロゲン、アンチネオプラストン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アフィジコリングリシネート、アポトーシス遺伝子モジュレーター、アポトーシスレギュレーター、アプリン酸、ARA-CDP-DL-PTBA、アルギニンデアミナーゼ、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アスラクリン、アタメスタン、アトリムスチン、アキシナスタチン1、アキシナスタチン2、アキシナスタチン3、アザシチジン、アザセトロン、アザトキシン、アザチロシン、アゼテパ、アゾトマイシン、バカチンIII誘導体、バラノール、バチマスタット、ベンゾクロリン、ベンゾデパ、ベンゾイルスタウロスポリン、βラクタム誘導体、βアレスチン、βクラマイシンB、ベツリン酸、BFGF阻害剤、ビカルタミド、ビサントレン、塩酸ビサントレン、ビスアジリジニルスペルミン、ビスナフィド、ビスナフィドジメシレート、ビストラテンA、ビゼレシン、ブレオマイシン、ブレオマイシン硫酸塩、BRC/ABL拮抗薬、ブレフレート、ブレキナールナトリウム、ブロピリミン、ブドチタン、ブスルファン、ブチオニンスルホキシミン、カクチノマイシン、カルシポトリオール、カルホスチンC、カルステロン、カンプトテシン誘導体、カナリアポックスIL-2、カペシタビン、カラセミド、カルベタイマー、カルボプラチン、カルボキサミドアミノトリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、カレストM3、カルムスチン、カーン700、軟骨由来阻害剤、塩酸カルビシン、カルゼレシン、カゼインキナーゼ阻害剤、カスタノスペルミン、セクロピンB、セデフィンゴール、セトロレリックス、クロラムブシル、クロリン、クロロキノキサリンスルホンアミド、シカプロスト、シロレマイシン、シスプラチン、シスポルフィリン、クラドリビン、クロミフェン類似体、クロトリマゾール、コリスマイシンA、コリスマイシンB、コンブレタスタチンA4、コンブレタスタミン類似体、コナゲニン、クランベシジン816、クリスナトール、クリスナトールメシレート、クリプトフィシン8、クリプトフィシンA誘導体、キュラシンA、シクロペンタントラキノン、シクロホスファミド、シクロプラタム、シペマイシン、シタラビン、シタラビンオクホスファート、細胞溶解因子、サイトスタチン、ダカルバジン、ダクリキシマブ、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、デシタビン、デヒドロジデムニンB、デスロレリン、デキシホスファミド、デキソルマプラチン、デクスラゾキサン、デクスベラパミル、デザグアニン、デザグアニンメシレート、ジアジクオン、ジデムニンB、ジドックス、ジエチルノルスペルミン、ジヒドロ-5-アザシチジン、ジオキサマイシン、ジフェニルスピロムシチン、ドセタキセル、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、ドロロキシフェン、クエン酸ドロロキシフェン、プロピオン酸ドロモスタノロン、ドロナビノール、デュアゾマイシン、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エコムスチン、エダトレキサート、エデルフォシン、エデルコロマブ、エフロルニチン、エフロルニチン塩酸塩、エレメン、エルサミトルシン、エミテフール、エンロプラチン、エンプロメート、エピプロピジン、エピルビシン、塩酸エピルビシン、エプリステリド、エルブロゾール、赤血球遺伝子治療ベクターシステム、塩酸エソルビシン、エストラムスチン、エストラムスチン類似体、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エストロゲンアゴニスト、エストロゲン拮抗薬、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン、エキセメスタン、ファドロゾール、塩酸ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボピリドール、フレゼラスチン、フロクスウリジン、フルアステロン、フルダラビン、リン酸フルダラビン、フルオロダウノルニシン塩酸塩、フルオロウラシル、フルロシタビン、フォルフェニメクス、ホルメスタン、フォスキドン、フォストリエシン、フォストリエシンナトリウム、フォテムスチン、ガドリニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリクス、ゼラチナーゼ阻害剤、ゲムシタビン、塩酸ゲムシタビン、グルタチオン阻害剤、ヘプスルファム、ヘレグリン、ヘキサメチレンビスアセトアミド、ヒドロキシウレア、ヒペリシン、イバンドロン酸、イダルビシン、塩酸イダルビシン、イドキシフェン、イドラマントン、イホスファミド、イルモフォシン、イロマスタット、イミダゾアクリドン、イミキモド、免疫刺激ペプチド、インスリン様成長因子-1受容体阻害剤、インターフェロンアゴニスト、インターフェロンα-2A、インターフェロンα-2B、インターフェロンα-N1、インターフェロンα-N3、インターフェロンβ-IA、インターフェロンγ-IB、インターフェロン、インターロイキン、イオベングアン、ヨードドキソルビシン、イプロプラチン、イリノテカン、塩酸イリノテカン、イロプラクト、イルソグラジン、イソベンガゾール、イソホモハリコンドリンB、イタセトロン、ジャスプラキノリド、カハラリドF、ラメラリン-Nトリアセテート、ランレオチド、酢酸ランレオチド、レイナマイシン、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レプトルスタチン、レトロゾール、白血病抑制因子、白血球αインターフェロン、酢酸ロイプロリド、ロイプロリド/エストロゲン/プロゲステロン、ロイプロレリン、レバミゾール、リアロゾール、塩酸リアロゾール、線状ポリアミン類似体、親油性二糖ペプチド、親油性白金化合物、リソクリナミド7、ロバプラチン、ロムブリシン、ロメトレキソール、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、ロニダミン、ロゾキサントロン、塩酸ロソキサントロン、ロバスタチン、ロキソリビン、ルルトテカン、ルテチウムテキサフィリン、リゾフィリン、溶解ペプチド、マイタンシン、マンノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリライシン阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、メイタンシン、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルバロン、メルカプトプリン、メテリン、メチオニナーゼ、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メトクロプラミド、メトプリン、メツレデパ、微細藻類プロテインキナーゼC阻害剤、MIF阻害剤、ミフェプリストン、ミルテフォシン、ミリモスチム、ミスマッチ二本鎖RNA、ミチンドマイド、ミトカルシン、ミトクロミン、ミトギリン、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトマルシン、マイトマイシン、マイトマイシン類似体、ミトナフィド、ミトスパー、ミトタン、ミトトキシン線維芽細胞成長因子-サポリン、ミトキサントロン、塩酸ミトキサントロン、モファロテン、モルグラモスチム、モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、モノホスホリル脂質a/マイコバクテリウム(myobacterium)細胞壁SK、モピダモール、多剤耐性遺伝子阻害剤、多発性腫瘍抑制剤1ベースの療法、マスタード抗癌剤、ミカペルオキシドB、マイコバクテリア細胞壁抽出物、ミコフェノール酸、ミリアポロン、n-アセチルジナリン、ナファレリン、ナグレスティップ、ナロキソン/ペンタゾシン、ナパビン、ナフテルピン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン、ネリドロン酸、中性エンドペプチダーゼ、ニルタミド、ニサマイシン、一酸化窒素モジュレーター、ニトロキシド酸化防止剤、ニトリリン、ノコダゾール、ノガラマイシン、n-置換ベンズアミド、O6-ベンジルグアニン、オクトレオチド、オキセノン、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オンダンセトロン、オラシン、経口サイトカイン誘導剤、オルマプラチン、オサテロン、オキサリプラチン、オキサウノマイシン、オキシスラン、パクリタキセル、パクリタキセル類似体、パクリタキセル誘導体、パラウアミン、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペガスパルガーゼ、ペルデシン、ペリオマイシン、ペンタムスチン、ペントサンポリサルフェートナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール、ペプロマイシン硫酸塩、ペルフルブロン、ペルフォスファミド、ペリリルアルコール、フェナジノマイシン、フェニルアセテート、ホスファターゼ阻害剤、ピシバニル、ピロカルピン塩酸塩、ピポブロマン、ピポスルファン、ピラルビシン、ピリトレキシム、塩酸ピロキサントロン、プラセチンA、プラセチンB、プラスミノーゲン活性化阻害剤、白金複合体、白金化合物、白金トリアミン複合体、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、塩酸プロカルバジン、プロピルビス-アクリドン、プロスタグランジンJ2、前立腺癌抗アンドロゲン、プロテアソーム阻害剤、プロテインAベースの免疫モジュレーター、プロテインキナーゼC阻害剤、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤、ピューロマイシン、ピューロマイシン塩酸塩、プルプリン、ピラゾフリン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート、RAF拮抗薬、ラルチトレキセド、ラモセトロン、RASファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、RAS阻害剤、RAS-GAP阻害剤、レテリプチン脱メチル化、レニウムRE186エチドロネート、リゾキシン、リボプリン、リボザイム、RIIレチレグチミド、RNAi、ログレチミド、ロヒツキン、ロムルチド、ロキニメックス、ルビギノンB1、ルボキシル、サフィンゴール、塩酸サフィンゴール、サイントピン、サルクヌ、サルコフィトールA、サルグラモスティム、SDI1ミメティックス、セムスチン、老化由来阻害剤1、センスオリゴヌクレオチド、シグナル伝達阻害剤、シグナル伝達モジュレーター、シントラゼン、一本鎖抗原結合タンパク質、シゾフィラン、ソブゾキサン、ボロカプチン酸ナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、ソルベロール、ソマトメジン結合タンパク質、ソネルミン、スパルフォセートナトリウム、スパルフォシン酸、スパルソマイシン、スピカマイシンD、塩酸スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン、スプレノペンチン、スポンギスタチン1、スクアラミン、幹細胞阻害剤、幹細胞分裂阻害剤、スチピアミド、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ストロメリシン阻害剤、スルフィノシン、スロフェヌール、超活性血管作動性腸管ペプチド拮抗薬、スラジスタ、スラミン、スワインソニン、合成グリコサミノグリカン、タリソマイシン、タリムスチン、タモキシフェンメチオジド、タウロムスチン、タザロテン、テコガランナトリウム、テガフール、テルラピリリウム、テロメラーゼ阻害剤、塩酸テロキサントロン、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、テトラクロロデカオキシド、テトラゾミン、サリブラスチン、サリドマイド、チアミプリン、チオコラリン、チオグアニン、チオテパ、トロンボポエチン、トロンボポエチンミメティック、チマルファシン、チモポエチン受容体アゴニスト、チモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、チアゾフリン、スズエチルエチオプルプリン、チラパザミン、二塩化チタノセン、塩酸トポテカン、トプセンチン、トレミフェン、クエン酸トレミフェン、全能性幹細胞因子、翻訳阻害剤、酢酸トレストロン、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン、リン酸トリシリビン、トリメトレキセート、グルクロン
酸トリメトレキセート、トリプトレリン、トロピセトロン、塩酸ツブロゾール、ツロステリド、チロシンキナーゼ阻害剤、チロホスチン、UBC阻害剤、ウベニメクス、ウラシルマスタード、ウレデパ、泌尿生殖洞由来成長阻害因子、ウロキナーゼ受容体拮抗薬、バプレオチド、バリオリンB、ベラレゾール、ベラミン、ベルジン、ベルテポルフィン、硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン硫酸、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン、硫酸ビグリシネート、硫酸ビンロイロシン、ビノレルビン、酒石酸ビノレルビン、硫酸ビンロシジン、ビンキサルチン、硫酸ビンゾリジン、ビタキシン、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ジラスコルブ、ジノスタチン、ジノスタチンスティマラマー、および塩酸ゾルビシン、ならびにそれらの塩、同族体、類似体、多形、誘導体、エナンチオマー、および/または機能的に等価な組成物のいずれか1つまたは複数が含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
本発明の特定の実施形態において、組成物は、例えば、リポソームに組み込まれるか、ポリマー放出システムに組み込まれるか、または、例えば、溶解形態またはコロイド形態で液体に懸濁されるように、または本明細書で説明されているような他の方法で、適切な薬学的に許容される担体と組み合わせることができる。一般に、使用に適した薬学的に許容される担体は、当業者によく知られている。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」とは、投与される活性化合物の生物活性の有効性を著しく妨害しないが、例えば、使用前に組成物内の活性化合物を安定化または保護するために製剤成分として使用される非毒性物質を指す。担体は、ヒトまたは他の脊椎動物への投与に適した1つまたはそれ以上の適合性のある固体または液体の充填剤、希釈剤または封入物質を含み得る。「担体」という用語は、天然または合成の、本発明の1つまたはそれ以上の活性化合物と組み合わせて適用を容易にする有機または無機成分を示す。担体は、所望の薬効を実質的に損なう相互作用がないような仕方で、本明細書に記載されるような1つまたはそれ以上の組成物と、および/または互いに混合(co-mingled)または混合(mixed)され得る。担体は、用途に応じて、可溶性または不溶性のいずれかであり得る。周知の担体の例には、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然および修飾セルロース、ポリアクリルアミド、アガロースおよびマグネタイトが含まれるが、これらに限定されない。担体の性質は、可溶性または不溶性のいずれかであり得る。
【0066】
本明細書に記載の製剤は、いくつかの実施形態では、薬学的に許容される溶液で投与され得、これは、活性化合物とともに使用され得る薬学的に許容される濃度の塩、緩衝剤、防腐剤、適合性担体、アジュバント、乳化剤、希釈剤、賦形剤、キレート剤、充填剤、乾燥剤、抗酸化剤、抗菌剤、防腐剤、結合剤、増量剤、シリカ、可溶化剤、安定剤、および必要に応じて他の治療成分を日常的に含み得る。例えば、製剤が液体である場合、担体は、溶媒、部分溶媒、または非溶媒であってよく、水性または有機系であってよい。適切な製剤成分の非限定的な例には、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、カオリン、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムなどの希釈剤;トウモロコシデンプンまたはアルゲン酸などの造粒および崩壊剤;デンプン、ゼラチンまたはアカシアなどの結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクなどの滑沢剤;モノステアリン酸グリセロールまたはジステアリン酸グリセロールなどの時間遅延材料;カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンなどの懸濁剤;レシチンまたは他の天然に存在するホスファチドなどの分散剤または湿潤剤;セチルアルコールや蜜蝋などの増粘剤;酢酸およびその塩、クエン酸およびその塩、ホウ酸およびその塩、またはリン酸およびその塩などの緩衝剤;または塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、パラベン、またはチメロサールなどの防腐剤が含まれる。本発明の組成物は、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、粉末剤、顆粒剤、軟膏剤、液剤、デポジトリー、吸入剤または注射剤などの固体、半固体、液体または気体の形態の製剤に処方されてよい。
【0067】
適切な緩衝剤には、酢酸および塩(1~2%w/v);クエン酸および塩(1~3%w/v);ホウ酸および塩(0.5~2.5%w/v);およびリン酸および塩(0.8~2%w/v)が含まれるが、これらに限定されない。適切な防腐剤には、塩化ベンザルコニウム(0.003~0.03%w/v);クロロブタノール(0.3~0.9%w/v);パラベン(0.01~0.25%w/v)およびチメロサール(0.004~0.02%w/v)が含まれるが、これらに限定されない。。
【0068】
調製物は、特定の実施形態において、対象の血液と等張であり得る、無菌の水性または非水性の溶液、懸濁液および乳濁液を含む。非水性溶媒の非限定的な例は、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えば、オリーブ油、ゴマ油、ココナッツ油、落花生油、鉱油、注射可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチル、または合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む固定油である。水性担体には、食塩水および緩衝媒体を含む、水、アルコール/水溶液、乳濁液または懸濁液が含まれるが、これらに限定されない。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、1,3-ブタンジオール、リンガーのブドウ糖、ブドウ糖および塩化ナトリウム、乳酸加リンガー液または固定油が含まれる。静脈内ビヒクルには、液体および栄養補給剤、電解質補給剤(リンガーのブドウ糖に基づくものなど)などが含まれる。例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤および不活性ガスなどの保存剤および他の添加剤もまた、いくつかの実施形態において存在し得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、1つまたはそれ以上の副成分を構成することができる適切な担体と会合または接触させることができる。最終組成物は、任意の適切な技術によって、例えば、場合により前述のように1つまたはそれ以上の製剤成分を用い、組成物を液体担体、微粉固体担体または両方と均一かつ密接に会合させ、ついで必要に応じて製品を成形することによって調製することができる。
【0070】
本明細書で論じる組成物、および任意選択で他の治療剤は、それ自体で(ニート)または薬学的に許容される塩の形態で投与することができる。医薬に使用される場合、塩は薬学的に許容されるものでなければならないが、薬学的に許容されない塩は、薬学的に許容されるその塩を調製するために都合よく使用され得る。「薬学的に許容される塩」という用語は、例えば、酸または塩基と組み合わせて調製される、本明細書に記載される組成物の塩を含む。薬学的に許容される塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩として;またはベリリウム塩、マグネシウム塩またはカルシウム塩のようなアルカリ土類塩として調製できる。塩を形成するために使用できる適切な塩基の例には、アンモニウム、または無機塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが含まれる。塩の形成に使用できる適切な酸の例には、無機酸または鉱酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、亜リン酸などが含まれる。他の適切な酸には、有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、サリチル酸、ギ酸、ナフタレン-2-スルホン酸などが含まれる。さらに他の適切な酸には、アミノ酸、例えば、アルギン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などが含まれる。また、そのような塩は、カルボン酸基のアルカリ金属またはアルカリ土類塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩などとして調製することができる。
【0071】
別の側面において、本発明はまた、腫瘍の治療のための組成物の使用のための説明書を任意に含む、キット中の上記いずれかの組成物を提供する。場合によっては、キットは、本明細書で論じられるような組成物の使用の説明を含むことができる。キットはまた、2つまたはそれ以上の組成物の組み合わせの使用のための説明書を含み得る。また、前記の任意の適切な技術、例えば、経口、静脈内、ポンプまたは移植可能な送達デバイスによって、または別の既知の薬物送達経路を介して、組成物を投与するための説明書も提供され得る。
【0072】
本明細書に記載されるキットはまた、前記の組成物および他の成分を含み得る1つまたはそれ以上の容器を含み得る。キットはまた、場合によっては、本発明の組成物を混合、希釈、および/または投与するための説明書を含み得る。キットには、1つまたはそれ以上の溶媒、界面活性剤、防腐剤および/または希釈剤(たとえば、通常の生理食塩水(0.9%NaCl)、または5%デキストロース)を含む他の容器や、試料中の成分を混合、希釈し、またはそのような治療を必要とする対象に投与するための容器を含み得る。
【0073】
キットの組成物は、任意の適切な形態、例えば、液体溶液または乾燥粉末として提供され得る。提供される組成物が乾燥粉末である場合、組成物は適切な溶媒の添加によって再構成されてよく、該溶媒は場合によっては提供されてよい。組成物の液体形態が使用される実施形態では、液体形態は濃縮されるか、またはすぐに使用できる。溶媒は、組成および使用または投与の様式に依存するであろう。薬物組成物に適した溶媒は、例えば前記のようによく知られており、文献で入手可能である。溶媒は、組成および使用または投与の様式に依存するであろう。
【0074】
さらに別の態様では、本発明は、1つまたはそれ以上の上記実施形態の促進、例えば、対象に本明細書に記載の組成物を投与することによるインビトロまたはインビボでの腫瘍の治療または予防の促進を含む。本明細書で使用する「促進」には、教育、科学的調査、学術研究、製薬業界の活動を含む業界活動、およびあらゆる形態の書面、口頭、電子通信を含む広告またはその他の宣伝活動を含む、ビジネスのあらゆる方法が含まれる。
【0075】
2017年11月16日にFosselにより出願された「リソソーム開始アポトーシス-癌治療のための方法」と題する米国特許仮出願第62/587,207号、および2018年10月3日にFosselにより出願された「癌を治療するためのアポトーシスを開始するためのシステムおよび方法」と題する米国特許仮出願第62/740,477号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0076】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を例示することを意図しているが、本発明の全範囲を例示するものではない。
【実施例】
【0077】
実施例1
免疫原性細胞死(ICD)への進行における1つのステップは、ネオ抗原の生成である。リソソームには、プロテアーゼ、グリコシダーゼ、ホスファターゼなどのさまざまな分解酵素が含まれている。これらの酵素は細胞質に放出された場合、細胞内の内容物を分解し、その過程でネオ抗原を生成する。次に、これらネオ抗原は樹状細胞およびマクロファージによって取り込まれる。これらの細胞はリンパ節に移動し、そこでネオ抗原がT細胞およびB細胞を活性化し、T細胞およびB細胞は適応免疫系の活性化によって細胞死を引き起こす。
【0078】
実施例2
この予言的な実施例では、腫瘍を有するヒト対象に対して、腫瘍を認識する抗体および酵素を含む複合体を含む組成物が提供される。場合によっては、抗体は、例えば腫瘍認識抗体またはモノクローナル抗体など、商業的に入手可能なものである。
【0079】
酵素は、リソソームの漏出を引き起こし、このことが抗原の産生につながるものである。この実施例では、酵素は活性酸素種を生成するオキシダーゼであり、リソソームを損傷または破壊して漏出させる。オキシダーゼは、スーパーオキシドなどの活性酸素種を生成できる。この実施例では、オキシダーゼはキサンチンオキシダーゼである。
【0080】
キサンチンオキシダーゼは共有結合を介して抗体と複合体を形成し、静脈内または筋肉内で対象に投与される。抗体が腫瘍を標的とすると、酵素はリソソームと反応して損傷または破壊を引き起こし、抗原を生成して対象の免疫応答を増強する。このようにして、対象の免疫系は、対象の腫瘍をより効果的に標的とすることができる。
【0081】
実施例3
この予言的な実施例では、ヒト対象は実施例2のように治療されるが、さらに、対象は、複合体の作用を妨害する抗酸化物質を離脱および/または抑制するための治療処置計画にさらされる。一例では、対象は、CH2=CHCOOHなどの不飽和脂肪酸を提供される。脂肪酸は、抗酸化剤の作用を阻害するように作用し、複合体に対するより大きな反応をもたらす。
【0082】
実施例4
この予言的な実施例では、ヒト対象は実施例2のように治療されるが、さらに、対象は、アトルバスタチンなどのスタチンにさらされ、スタチンは抗酸化物質の作用を阻害するように作用し、複合体に対するより大きな反応をもたらす。
【0083】
実施例5
この予言的な実施例では、epCAM認識抗体と酵素キサンチンオキシダーゼの間のコンジュゲートが、アミノからアミノへの架橋剤を使用して調製される。抗epCAMによって認識されるMC26悪性細胞を96ウェルプレートで培養し、10マイクログラム/ml~100マイクログラム/mlの適切な濃度のコンジュゲートで処理する。ヒポキサンチンは、1mMの濃度で細胞培養培地に提供された。ICDの認められた特徴がある。これらには、カルレティキュリン曝露、細胞外ATP形成、およびHMGB1形成が含まれる。これらは1時間、2時間、4時間、6時間、12時間および24時間でアッセイされる。結果のグラフを
図3に示す。適切にカルレティキュリンが形成され、その後にATP形成が続き、その後にHMGB1形成が続く。これは、細胞がICDのマーカーを産生し、T細胞を活性化して腫瘍に誘導するネオ抗原を死ぬ過程で形成すると予想されることを確立する。
【0084】
実施例6
ICDを誘発するプロセスで腫瘍が殺されると、腫瘍を有する動物はその腫瘍に対して「免疫」される。したがって、ICDは将来的にその腫瘍から動物を保護する。
【0085】
これを実証するために、この実施例では、実施例2で殺した腫瘍細胞断片を収集し、BALB/cマウスの左側腹部に注入した。注射の8日後、生きているMC26細胞を各マウスの右側腹部に注射した。マウスの右側腹部の腫瘍増殖を120日間モニターした。ICD死細胞で処置したマウスを、生理食塩水を注入したマウスと比較した。120日で、ICD死細胞の92%に腫瘍がなく、生理食塩水を注射したマウスのわずか7%に腫瘍がなかった。
【0086】
実施例7
活性酸素種(ROS)は、リソソーム膜透過性(LMP)を引き起こし、リソソーム酵素の放出およびアポトーシスによる細胞死を引き起こすプロセスを開始できることが示されている。ROS、特にスーパーオキシドの供給源は、腫瘍微小環境を含む細胞外および/または細胞内であり得る。両者の結果は、リソソームとその結果生じるアポトーシスに関して同じであるが、メカニズムは多少異なる。この実施例では、これらの2つのメカニズムとその一般的な結果、ICDに必要なネオ抗原を産生する一次細胞死(Primary Cell Death; PCD)について説明する。
【0087】
リスクのある集団で抗酸化剤を使用すると、被験者を期待どおりに癌から保護するのではなく、癌の発生率が大幅に上昇することを示すプラセボ対照試験があった。これは、ROSが癌細胞死に関係しているという重要な手がかりである。
【0088】
悪性細胞は自発的に発生し、臨床的に検出可能な腫瘍への歯止めが利かない進行を残した。腫瘍発生の初期には、悪性細胞の増殖とこれらの細胞を殺す免疫監視の能力とのバランスがある。抗酸化物質の添加は、免疫防御の1つのラインを抑制し、悪性細胞の増殖に有利なバランスを傾ける可能性がある。ビタミンE、βカロチンおよびビタミンAなどの酸化防止剤は、活性酸素種(ROS)などのフリーラジカルと相互作用し、それらを不活性化する。このことは、免疫細胞によって産生されるスーパーオキシドなどのROSが、腫瘍の発達に対するその自然の防御において重要な役割を果たす可能性があることを示唆している。
【0089】
スーパーオキシドなどのROSはさまざまな種と反応するが、重要なことに、LDLに含まれるものを含む多価不飽和脂肪酸を容易に酸化し、酸化LDL(oxLDL)をもたらす。OxLDLは、スーパーオキシドなどのフリーラジカルによる酸化の結果として、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、結腸癌、およびその他の癌を患う対象の対照よりもかなり高いレベルで対象の血漿中に見られる。このoxLDLは、腫瘍と闘う免疫系の結果である。LDLの脂質を含む脂質の酸化を抑制することは、抗酸化剤による治療が癌の発生を増加させた主な理由である。
【0090】
最近、癌細胞を直接殺すために使用されるすべての薬剤(電離放射線、ほとんどの化学療法剤および一部の標的療法)の大多数が、活性酸素種を生成することによって直接的または間接的に機能することが観察されている。それでも、これらの薬剤による治療の開始から、しばしばアポトーシスによる細胞死までの経路は、かなりの不透明性に覆われている。発見以来ずっと癌の治療のプレーヤーとして潜んでいるリソソームは、この経路で役割を果たすかもしれない。
【0091】
エンドサイトーシス媒介アポトーシス:酸化LDL(oxLDL)は、乳癌、卵巣癌、前立腺癌および結腸直腸癌、ならびに本明細書に記載されるものなどの他の癌を含む様々なタイプの癌を有する対象の血漿中を循環する。このoxLDLは、細胞外ROSと循環LDLの反応の結果である。oxLDLは、抗酸化物質の形成を妨げるものである。血漿中のLDLの酸化は、悪性腫瘍から身を守る身体の宿主反応に関連している。
【0092】
oxLDLは悪性細胞に対して細胞毒性があり、この細胞毒性は非悪性の対応物に比べて悪性細胞に対して優先的である。oxLDLは、LDL受容体が関与するエンドサイトーシスによって取り込まれることが示されている。悪性細胞は、おそらくそれらのより大きな脂質要件のために、それらの良性の対応物よりも大きなLDL受容体活性を有することが示されている。さらに、スタチンはLDLの細胞取り込みを増加させ、場合によっては細胞膜内のLDL受容体の活性を増加させ、悪性細胞におけるoxLDLの細胞毒性を増加させることが示されている。スタチン処置によるさまざまな癌治療の有効性の改善に関する臨床報告がある。
【0093】
蛍光標識を使用して、oxLDLがリソソームに局在すること、リソソーム局在に続いてリソソーム膜が透過性になること、および放出されたリソソーム内容物が細胞内容物を消化してアポトーシスを起こしたことが実証されている。このことは、正常な細胞機能における(
図1A)およびエンドサイトーシスによるoxLDLのリソソームへの取り込み後の悪性細胞における(
図1B)リソソーム機能を対比させた
図1に示されている。
図1Aでは、LDLを含む材料がエンドソームに取り込まれ、ついでエンドソームはリソソームと融合し、エンドサイトーシスされた内容物がリソソーム内で分解され、廃棄された断片として細胞質に排出される。この場合、リソソーム膜はそのまま残る。
【0094】
悪性細胞では、oxLDLはLDL受容体によって取り込まれ、リソソームに取り込まれることが示されている。oxLDLとそれに付随する脂質過酸化生成物の組み込みは、リソソーム膜の完全性を損ない、リソソーム膜透過性(LMP)として知られるプロセスで、短時間のうちにリソソームの内容物が細胞内に漏出する。これらの漏出した内容物には、細胞質内で遊離すると細胞を消化してリソソーム媒介アポトーシスによって細胞死をもたらす分解酵素が含まれる。このプロセスでは、さまざまな組成の新しいネオ抗原が形成される。このプロセスを
図1Bに示す。これらの細胞の電子顕微鏡写真は、他の経路に起因するアポトーシスの古典的な特徴を示す。
【0095】
図1Aは、正常なリソソーム機能がLDLなどの物質をエンドサイトーシスによって分解し、物質を分解し、分解物を細胞質に排出することを示す。LDL受容体を介してエンドサイトーシスによって取り込まれる酸化LDL(oxLDL)は、リソソームに局在することが示されている(
図1B)。ルシファーイエローでリソソームを事前に標識し、経時的に蛍光を追跡することで示されるように、リソソーム膜は漏れやすくなる。電子顕微鏡で示されるように、分解酵素を含むリソソームの内容物は細胞質に放出され、細胞内容物を分解してアポトーシスを誘発する。
【0096】
オートファジー媒介アポトーシス:アントラサイクリンを含む多くの化学療法剤はアポトーシス細胞死を開始させる。p53は3段階のプロセスを通じてアポトーシスを引き起こすと考えられている:(1)レドックス関連遺伝子の転写誘導;(2)活性酸素種の生成;および(3)ミトコンドリア成分の酸化的分解、そして細胞死に至る。酸化的分解はミトコンドリア成分に限定されない。シスプラチン、ドキシルビシン、アドリアマイシン、5-フルオロウリシル、ビンクリスチンその他を含む、さまざまな作用機序を持つさまざまな化学療法剤は、活性に機能的なp53を必要とする。p53は、DNAを含む細胞コンポーネントへの損傷を感知し、ROSの生成とアポトーシスにつながる上記の一連の事象を活性化する。しばしば、そのような化学療法剤の有効性が損なわれると、その原因は失われているかまたは欠陥のあるp53である。
【0097】
エンドサイトーシスoxLDLによって誘発される細胞死では、oxLDLのコンポーネントがリソソーム膜(LMP)を不安定化させ、アポトーシスを引き起こす。(
図1Bを参照)これらの知見の原理は、さまざまな治療法がアポトーシスをもたらす経路を説明するメカニズムの開発に、より広く適用することができる。
【0098】
ファガソームは、オートファガソームに組み込まれる損傷したまたは摩耗した細胞コンポーネントを回収する。ついでこれらの物質は、オートリソソームに組み込まれる。通常の条件下では、オートリソソーム内の回収されたこれらコンポーネントは分解され、無害で通常は細胞質に放出される。
図2Aを参照。化学療法剤、放射線療法およびおそらく他の療法の場合でも、ファガソームが集めたコンポーネントには、細胞膜および小器官膜を含む細胞コンポーネントとのROS反応の産物が含まれると考えられる。これらのROS反応生成物は、LDLの酸化コンポーネントと同様に、オートリソソーム膜(LMP)を不安定化させ、リソソームから細胞質への分解酵素の放出を引き起こし、オートファガソームリソソームアポトーシスを引き起こす。
図2Bを参照。
【0099】
図2Aは、オートファガソームの正常な機能を示す。細胞内容物はリソソームに持ち込まれ、物質を分解してリサイクルする。
図2Bは、オートファジー誘発性アポトーシスのメカニズムを示す。放射線療法と化学療法の両方が、細胞小器官の膜を含む細胞内容物と反応するROSを誘発する。酸化された物質は、リソソーム内に取り込まれると、リソソーム膜の破壊とリソソーム分解酵素の細胞質への漏出を引き起こし、
図1Bに示すのと同様の仕方でアポトーシスを引き起こす。
【0100】
酸化脂質の役割へさらなる焦点を当てているのは、さまざまな癌治療の効果に対する多価不飽和脂肪酸とスタチンの効果に関する前臨床および臨床報告から来ている。循環リポタンパク質中および細胞膜中の両方で多価不飽和脂質の含有量を増やすと、これらのメカニズムの効率的な操作が容易になる。様々な癌治療を受けている対象の食事にそのような脂質を含めることは、治療の結果に影響を与えることが示されている。治療前および治療中にそのような脂質を食事またはサプリメントとして含めることは、比較的簡単なことである。それら脂質は経口で与えることができ、循環リポタンパク質、ならびに細胞膜およびオルガネラ膜の両方におけるそれらの存在を増強する結果となる。細胞培養では、n-3脂肪酸で細胞を処理することにより、さまざまな化学療法剤の活性が増強されることが示されている。これらには、5-フルオロウラシル、ドキソルビシン、ドセタキセル、およびシスプラチンが含まれる。化学療法中のn-3多価不飽和脂肪酸による経口補給の臨床試験は、そのような補給が乳癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、および膵臓癌における化学療法の有効性を改善することを示した。たとえば、シクロホスファミド、5-フルオロウラシルおよびエピルビシンによる治療中にn-3脂肪酸が大幅に取り込まれた乳癌患者では、疾患の進行までの時間が長くなり、生存期間が長くなった。
【0101】
スタチンによる前処理または同時治療は、様々な治療法の結果を改善することが示されている。たとえば、5-フルオロウラシルを投与されている進行性肝細胞癌の患者では、プラバスタチンも投与された患者の生存期間の中央値は18か月であったが、対照群では9か月であった。
【0102】
ROS誘発アポトーシスのメカニズムに焦点を当てると、oxLDLのエンドサイトーシスによる取り込みなどの細胞外と、アポトーシスによる細胞死につながる酸化デブリと損傷した細胞内成分の仮説オートファガソーム回収などの細胞内の両方が、癌治療を進めるためのフレームワークに変換できる。腫瘍の細胞外微小環境に焦点を当てると、その微小環境におけるROSの局所的産生を増強する治療法が導かれ、エンドサイトーシスによって開始されるアポトーシスがもたらされる。p53媒介ROS産生を含む、ROSの細胞内産生に焦点を当てると、オートファジーアポトーシスを促進する新しい方法がもたらされる。これらの経路は、ICDを活性化するネオ抗原の潜在的に豊富な生産につながる。
【0103】
本明細書では本発明のいくつかの実施形態を説明および図示してきたが、当業者は、機能を実行し、および/または結果および/または本明細書に記載されている1つまたはそれ以上の利点を取得するためのさまざまな他の手段および/または構造を容易に理解するであろう、そして、そのような変形および/または修正のそれぞれは、本発明の範囲内であると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に記載されているすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、本発明の教示が使用される特定の1つまたはそれ以上の適用に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する多くの同等物を認識し、または日常的な実験のみを使用して確認することができるであろう。したがって、前記実施形態は例としてのみ提示されており、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内で、本発明は、具体的に説明および請求された以外の方法で実施できることが理解されるべきである。本発明は、本明細書に記載されている個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。さらに、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の2つまたはそれ以上の組み合わせは、本発明の範囲内に含まれる。
【0104】
本明細書および参照により組み込まれた文献が矛盾するおよび/または一貫性のない開示を含む場合、本明細書が支配する。参照により組み込まれた2つまたはそれ以上の文献に、相互に矛盾する開示や一貫性のない開示が含まれている場合は、発効日が遅い文献が支配する。
【0105】
本明細書で定義および使用されるすべての定義は、辞書定義、参照により組み込まれる文献内の定義、および/または定義された用語の通常の意味を支配すると理解されるべきである。
【0106】
明細書および特許請求の範囲において使用される不定冠詞「a」および「an」は、特に反対に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0107】
本明細書および特許請求の範囲において使用される「および/または」という語句は、そのように結合された要素の「いずれかまたは両方」を意味する、すなわち、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「および/または」でリストされた複数の要素は、同じ仕方で、すなわち、そのように結合された要素の「1つまたはそれ以上」と解釈されるべきである。「および/または」節によって具体的に識別された要素以外の要素が、具体的に識別された要素に関連するかどうかに関係なく、任意に存在してよい。したがって、非限定的な例として、「含む」などの制限のない言語と組み合わせて使用される場合、「Aおよび/またはB」への言及は、一実施形態では、Aのみ(任意選択で、B以外の要素を含む);別の実施形態では、Bのみに(任意選択でA以外の要素を含む);さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(任意選択で他の要素を含む)をいう等。
【0108】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「または」は、上記「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。たとえば、リスト内の項目を区切る場合、「または」または「および/または」は包括的に解釈される、すなわち、要素の数またはリストの少なくとも1つを含むが、複数をも含み、場合によってリストされていない追加の項目を含むものとして解釈される。明確にこれとは反対が示されている用語、例えば、「1つのみ」または「1つだけ」などの場合のみ、または請求の範囲で使用されている場合は「からなる」は、数字またはリストの要素を1つだけ含めることを指す。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は、排他性の用語、例えば、「いずれか」、「の1つ」、「の1つのみ」、または「の正確に1つ」などが先行する場合、排他的な代替(すなわち、「一方または他方だが両方ではない」)を示すものとして解釈される。
【0109】
本明細書および特許請求の範囲で使用される、1つまたはそれ以上の要素のリストに関連して「少なくとも1つ」という語句は、要素のリスト中の任意の1つまたはそれ以上の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味し、要素のリスト中に具体的にリストされている各要素の少なくとも1つを必ずしも含む必要はなく、要素のリスト中の要素のいかなる組み合わせをも除外しないと理解されるべきである。この定義により、「少なくとも1つ」という語句が参照する要素のリスト中で具体的に識別された要素以外の要素が、具体的に識別された要素に関連するかどうかに関係なく、任意に存在することができる。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または、同等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在せず(および任意選択でB以外の要素を含む)少なくとも1つの、任意選択で複数の、Aを含む;別の実施形態では、Aが存在せず(および任意選択でA以外の要素を含む)少なくとも1つの、任意選択で複数の、Bを含む;さらに別の実施形態では、少なくとも1つの、任意選択で複数の、A、および少なくとも1つの、任意選択で複数の、Bを含む(および任意選択で他の要素を含む)等。
【0110】
本明細書において数字に関して「約」という語が使用される場合、本発明のさらに別の実施形態は、「約」という語の存在によって修飾されていない数を含むことが理解されるべきである。
【0111】
反対に明確に示されていない限り、複数の工程または行為を含む本明細書で請求される任意の方法において、方法の工程または行為の順序は、該方法の工程または行為が記載されている順序に必ずしも限定されないことも理解されるべきである。
【0112】
請求の範囲および上記の明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「関与する(involving)」、「保持する(holding)」、「構成する(composed of)」などのすべての移行句は、制限のないものとして、すなわち、含むが限定されないことを意味すると理解されるべきである。「からなる」および「本質的にからなる」という移行句のみが、米国特許庁特許審査手続マニュアル第2111.03項に記載されているように、それぞれクローズまたはセミクローズの移行句とする。