(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】衝撃吸収層の構造を有する靴底
(51)【国際特許分類】
A43B 13/20 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
A43B13/20 A
(21)【出願番号】P 2023042990
(22)【出願日】2023-03-17
【審査請求日】2023-04-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0034492
(32)【優先日】2022-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522349937
【氏名又は名称】エクスボディ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミ スク
【審査官】葛谷 光平
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2019/220621(JP,A1)
【文献】再公表特許第2018/123509(JP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0313856(US,A1)
【文献】国際公開第2010/038266(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3777593(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴底の上部を構成し、
ユーザの足部のアーチに該当する部分にアーチサポートが形成されるミッドソールと、
前記靴底の下部を構成し、ユーザの歩行に際して、圧力中心経路を誘導する緩衝部が形成されるアウトソールとを含み、
前記ミッドソールとアウトソールの間には、
ユーザの足部の中足部の衝撃を緩和する衝撃緩和層が形成され、
前記緩衝部は、前記アウトソールの底面に形成される溝として、
ユーザの足部の第1の中足骨頭
に対応して楕円形に形成されている第1の緩衝溝、
ユーザの足部の第5の中足骨頭
に対応して楕円形に形成されている第2の緩衝溝、
ユーザの足部の踵骨に該当する部位に
対応して楕円形に形成されている第3の緩衝溝、及び前記第3の緩衝溝から前記第2の緩衝溝までの前記圧力中心経路に沿って流線型に、且つユーザの足部の内側に凹となるように形成され
た第4の緩衝溝を含むことを特徴とする衝撃吸収層の構造を有する靴底。
【請求項2】
前記ミッドソールは、
ユーザの足部の中足部に該当する部位が上側に曲げられた曲げ構造で形成されて、前記アウトソールと結合に際して、前記ミッドソールとアウトソールの間に中空層を形成することを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収層の構造を有する靴底。
【請求項3】
前記曲げ構造は、
ユーザの足部の内側部位が外側部位よりも大きく曲がることを特徴とする請求項2に記載の衝撃吸収層の構造を有する靴底。
【請求項4】
前記ミッドソールのアーチサポートは、
ユーザの足部の内側アーチに該当する部分に、ドーム状に突出する内側アーチサポートと、
ユーザの足部の外側アーチに該当する部分に、ドーム状に突出する外側アーチサポートとを含むことを特徴とする請求項3に記載の衝撃吸収層の構造を有する靴底。
【請求項5】
前記内側アーチサポートが外側アーチサポートよりも大きく突出することを特徴とする請求項4に記載の衝撃吸収層の構造を有する靴底。
【請求項6】
前記ミッドソールの後足部は、ミッドソールの枠部が
ユーザの足部のきびすを抱き込むカップ状に形成されることを特徴とする請求項3に記載の衝撃吸収層の構造を有する靴底。
【請求項7】
前記アウトソールは、前記ミッドソールと結合して、前足部が上部に向かって持ち上げられる第1のカーブ構造と、後足部の一部が削られた第2のカーブ構造が形成されることを特徴とする請求項3に記載の衝撃吸収層の構造を有する靴底。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃吸収層の構造を有する靴底に関し、具体的には、中足部に対する衝撃吸収と応力をムラなく分布させるために、ミッドソールにアーチサポートが形成される曲げ構造が形成されることで、ミッドソールとアウトソールの間に衝撃吸収層が形成され、アウトソールの底面には、歩行に際して、足裏の圧力中心経路を正しく誘導する緩衝部が形成されて、足部の変形を予防及び矯正することができる衝撃吸収層の構造を有する靴底に関する。
【背景技術】
【0002】
人体は、足-膝-骨盤-脊椎に繋がるキネティックチェーンで互いに連結されているため、足部疾患と足部の変形は、筋骨格系の各種の疾患である膝、腰、肩の痛みと変形を誘発する。そこで、足部の変形が発生しないように、正しい歩行をすることが重要であり、ユーザの足圧力を分散して、正しい歩行を誘導することができる靴が求められる。
【0003】
一方、従来の靴パッドの場合、大量生産されるため、互いに異なる足の構造を有するユーザの足形状を全て満たすことができず、足の形状に合わないパッドが適用された靴を長時間着用するか、誤った姿勢で歩く場合、正しくない箇所に応力集中部が発生して、足底筋膜炎などのような足部疾患を誘発する原因となる。
【0004】
下記の特許文献1は、アーチ部が形成されたスリッパに関し、アーチ部を形成したミッドソールと靴底の間に甲皮の端部を挿入した後、前記アーチ部を除くミッドソールと靴底を縫製糸で縫着したスリッパについて開示している。
【0005】
前記特許文献1は、ミッドソールの上部にアーチ部が形成されて、アーチ部が足裏に密着するため、着心地と安定性を提供することができるが、特許文献1のアーチ部は、足裏の内側アーチにのみ密着するだけで、中足部に対する応力分散や衝撃吸収がなされず、中足骨や外側アーチによる内反は、予防することができないという問題がある。
【0006】
また、下記の特許文献2は、足の関節位置と足骨格の動きによる傾斜溝を有する靴底に関し、靴底の全長に対して、後端部から足の関節位置に対応して傾斜溝を形成することで、足の曲げのように自然に曲がる靴底を開示している。
【0007】
しかし、前記特許文献2は、足の関節位置と足骨格の動きに対応する傾斜溝で、靴底を足のように曲げるように構成しただけで、中足部に対する応力分散や衝撃吸収の構造は、開示しておらず、歩行による足の圧力移動を効果的に誘導することができず、歩行の立脚期において、最も疲労が累積する足の突出部位である中足骨と中足骨頭に加えられる圧力を低減しにくいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国登録実用新案第20-2007-0000124号公報
【文献】韓国登録特許第10-1833886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、ミッドソールとアウトソールからなる靴底において、ミッドソールの中足部に足アーチを支持するアーチサポートを設け、ミッドソールの中足部に曲げ構造を形成することで、ミッドソールとアウトソールの間に衝撃吸収層を設けて、歩行に際して、足の圧力を分散することができる衝撃吸収層の構造を有する靴底を提供することである。
【0010】
また、本発明の他の目的は、アウトソールの底面に、歩行に際して、正しい圧力中心経路を誘導することができる緩衝部を形成することで、足が地面と触れる立脚期で発生し得る過度な内回転を防止し、足を矯正することができる衝撃吸収層の構造を有する靴底を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するための本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底は、靴底の上部を構成し、足部のアーチに該当する部分にアーチサポートが形成されるミッドソールと、前記靴底の下部を構成し、ユーザの歩行に際して、圧力中心経路を誘導する緩衝部が形成されるアウトソールとを含み、前記ミッドソールとアウトソールの間には、足部の中足部の衝撃を緩和する衝撃緩和層が形成されることを特徴とする。
【0012】
前記ミッドソールは、足部の中足部に該当する部位が上側に曲げられた曲げ構造で形成されて、前記アウトソールと結合に際して、前記ミッドソールとアウトソールの間に中空層を形成する。
【0013】
前記曲げ構造は、足部の内側部位が外側部位よりも大きく曲がる。
【0014】
前記ミッドソールのアーチサポートは、足部の内側アーチに該当する部分に、ドーム状に突出する内側アーチサポートと、足部の外側アーチに該当する部分に、ドーム状に突出する外側アーチサポートとを含む。
【0015】
前記内側アーチサポートが外側アーチサポートよりも大きく突出する。
【0016】
前記ミッドソールの後足部は、ミッドソールの枠部が足部のきびすを抱き込むカップ状に形成される。
【0017】
前記アウトソールは、前記ミッドソールと結合して、前足部が上部に向かって持ち上げられる第1のカーブ構造と、後足部の一部が削られた第2のカーブ構造が形成される。
【0018】
前記緩衝部は、足部の第1の中足骨頭、第5の中足骨頭、及び踵骨に該当する部位に形成される第1の緩衝溝、第2の緩衝溝、及び第3の緩衝溝を含む。
【0019】
前記緩衝部は、前記第2の緩衝溝から前記第3の緩衝溝まで、前記アウトソールの外側ラインに沿って流線状の溝が形成される第4の緩衝溝を含む。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明によると、ミッドソールに足アーチを支持するアーチサポートを形成することで、中足骨の内反を防止し、足の推進力を向上して、歩行の効率を高め、身体の整列を正しく維持することができる。
【0021】
また、本発明によると、ミッドソールの中足部が曲げ構造で形成され、ミッドソールとアウトソールの間に衝撃吸収層が形成されることで、歩行に際して、足の圧力を分散することができる。
【0022】
更に、本発明によると、アウトソールの底面に、歩行に際して、足の圧力中心経路を誘導することができる緩衝溝が形成されることで、歩行時に発生し得る足部の過度な内回転を防止して、扁平足の予防及び矯正が可能であり、足部の接触面積を拡げて、足の圧力を分散することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】正常足の応力分布と扁平足の応力分布を示す図であり、(a)は、正常足の応力分布、(b)は、扁平足の応力分布を示している。
【
図4】本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底の斜視図である。
【
図5】本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底の側面図であり、(a)は、内側面図であり、(b)は、外側面図である。
【
図6】本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底の正面図である。
【
図7】本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底の後面図である。
【
図8】本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底のアウトソール底面の圧力中心経路を説明するための図である。
【
図9】本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底のアウトソールの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、本発明の好適な実施形態を、添付の図面を用いて具体的に説明する。
【0025】
図1及び
図2は、人体足部の構造を説明するための図であり、
図3は、正常足の応力分布と扁平足の応力分布を示す図である。本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底は、右足、左足の形状に合わせて製造可能であり、互いに対称構造を有するので、以下では、右足を基準に説明する。
【0026】
また、本発明において、「内側」は、両足が並んでいるとき、足の内方を意味し、「外側」は、足の外方を意味する。
【0027】
図1に示しているように、人体の足部は、足指の後方において足の甲を支持する第1乃至第5の中足骨があり、それぞれの中足骨と足指骨が触れる部分を中足骨頭という。本発明において、親指足指骨に連結される中足骨頭は、第1の中足骨頭10、小指足指骨に連結される中足骨頭は、第5の中足骨頭20として説明する。一般に、足裏から突出した第1の中足骨頭10、第5の中足骨頭20、及びきびす骨である踵骨30が地面に先に接触するようになる。
【0028】
第1の中足骨頭10、第5の中足骨頭20、踵骨30を頂点とする三角状部位が、屈曲した足アーチを形成することになる。第1の中足骨頭10、又は第5の中足骨頭20と踵骨30を連結する足アーチを、縦アーチといい、足の内側で且つ第1の中足骨頭10と踵骨30を連結する部位は、内側縦アーチ、足の外側で且つ第5の中足骨頭20と踵骨30を連結する部位は、外側縦アーチを形成する。一般に、内側縦アーチが、外側縦アーチよりも大きく形成される。
【0029】
一方、
図3に示しているように、人間毎に足の構造が異なるため、足構造によって足裏に加えられる応力の分布に差が生じる。
図3の(a)は、正常足の応力分布を示し、正常足の場合、応力分布が中足骨、踵骨にムラなく分布していることが分かるが、
図3の(b)の扁平足の場合、踵骨、すなわち、かかとの方に応力が集中する傾向がある。従来の既成靴の場合、人間毎に異なる足の形状をいずれも満足し難いという問題がある。
【0030】
図4は、本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底の斜視図であり、
図5は、本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底の側面図であり、
図6は、本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底の正面図であり、
図7は、本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底の後面図である。
【0031】
本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底は、靴底100の上部を構成し、足部のアーチに該当する部分にアーチサポートが形成されるミッドソール110と、前記靴底100の下部を構成し、ユーザの歩行に際して、圧力中心経路を誘導する緩衝部が形成されるアウトソール120とを含み、前記ミッドソール110とアウトソール120の間には、足部の中足部の衝撃を緩和させる衝撃緩和層130が形成されることを特徴とする。
【0032】
靴底100は、スリッパ又は靴のベースであって、様々な足のサイズを満たすようにサイズ別に製作され、上部は、ミッドソール110、下部は、アウトソール120から構成される。ミッドソール110及びアウトソール120は、例えば、弾性材質のウレタンやゴムからなる。
【0033】
ミッドソール110は、ユーザの足裏を直接支持する靴底部材であって、足部の中足部に該当する部位が上側、すなわち、ユーザの縦アーチ部位及び足裏の中央である中足骨に向けて曲げられた曲げ構造を形成する。また、
図6乃至
図7に示しているように、ミッドソール110の内側及び外側中足部部位は、ユーザの内側縦アーチと外側縦アーチをそれぞれ支持するように、ドーム形状の内側アーチサポート111と、外側アーチサポート112が突出する。
【0034】
また、前記ミッドソール110の曲げ構造は、足部の内側部位が外側部位よりも大きく形成されるように曲げられ、これは、一般に、内側縦アーチが外側縦アーチよりも深く形成されるためである。また、前記曲げ構造が内側がさらに大きく形成されることにつれ、内側アーチサポート111も、外側アーチサポート112よりも大きく突出する。
【0035】
また、前記ミッドソール110の前足部は、ユーザの足に向けて傾斜ができるように、上側に持ち上がるようなカーブ構造が形成される。前足部の傾斜は、第1の中足骨頭10及び第5の中足骨頭20から足の中央に向かう前足部の形状が背屈するようにして、歩行に際して、踏切を円滑にし、足指の背屈を自然にし、アーチ巻き上げ効果を誘導することができる。
【0036】
また、前記ミッドソール110の後足部は、ミッドソールの枠部が足部のきびすを抱き込むカップ形状のヒールカップ140が形成されることで、かかとの脂肪層を集め、歩行に際して、かかとに加えられる衝撃を緩和し、姿勢を安定化させる。
【0037】
アウトソール120は、前記ミッドソール110の下部にてミッドソール110と結合されて、地面から伝わる衝撃を緩衝する靴底部材であって、外側の枠が上部に向かって突出して、係止部材として作用して、ミッドソール110をアウトソール120に圧入する方式で行われるが、これに限定するものではなく、例えば、ミッドソール110とアウトソール120を接着して結合することができる。
【0038】
また、前記アウトソール120の中足部部分は、前記ミッドソール110の中足部の曲げ構造とは異なり、扁平な形状であり、ミッドソール110と結合に際して、中足部には、衝撃緩和層130が形成される。そこで、衝撃緩和層130は、ユーザが歩行に際して、中足部の衝撃を緩衝させる緩衝空間を提供して、中足部の応力をムラなく分散することができる。
【0039】
更に、前記アウトソール120の前足部は、前記ミッドソール110の前足部と同様に、ユーザの足に向けて傾斜ができるように、上側に持ち上がるようなカーブ構造が形成されることで、歩行に際して、ユーザの前足部が背屈して、踏切をスムーズにし、アーチ巻き上げ効果を誘導することができる。
【0040】
また、前記アウトソール120の後足部は、一部が所定の傾斜を有するように削られた形状のカーブ構造が形成されて、歩行や起立に際して、かかとが地面に安定して接触されることができ、かかとが後方に向かって傾く場合、かかとに加えられる衝撃を緩和することができる。アウトソール120の後足部のカーブ構造は、例えば内側と外側の高低を異にして形成することができ、例えば、内側方向のカーブ構造がさらに削られた形状に構成することができる。
【0041】
図8は、本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底のアウトソール底面の圧力中心経路を説明するための図であり、
図9は、本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底のアウトソールの背面図である。
【0042】
一方、一般の歩行において、歩行サイクルは、立脚期と遊脚期とに区分され、立脚期は、歩行のサイクのうち、地面と靴底100が隣接触している間をいい、遊脚期は、歩行のサイクルのうち、靴底100が地面から離れている間をいう。
【0043】
立脚期において、靴底100が地面に触れる場合、足裏の圧力は、第1の中足骨頭10、第5の中足骨頭20、及び踵骨30に集中することになり、歩行が持続する場合、このような足裏の突出部位は、相当な疲労を感じることになる。
【0044】
本発明による靴底100は、アウトソール120の底面に形成されて、歩行に際して、圧力中心経路を誘導する緩衝部が形成される。より具体的に、緩衝部は、アウトソール120の底面に形成される溝であり、歩行に際して、緩衝空間を提供することができる。
【0045】
緩衝部は、アウトソール120の底面において、第1の中足骨頭10、第5の中足骨頭20、及び踵骨30に対応する位置にそれぞれ形成される第1の緩衝溝121と、第2の緩衝溝122と、第3の緩衝溝123とを含む。それぞれの緩衝溝は、中足骨頭の広い範囲を効果的に緩衝するために、例えば、楕円状又は流線状に形成されるが、これに限定されるものではない。
【0046】
解剖学的に一般の人間の足は、内側のアーチが外側のアーチよりも大きく形成されて、歩行に際して、内側縦アーチよりも外側縦アーチに圧力が集中する。すなわち、立脚期において、足裏の圧力移動は、踵骨30から開始して、外側縦アーチに沿って、第5の中足骨頭20、第1の中足骨頭10へ圧力中心が移動することになる。このような圧力中心の移動経路をCOP(Center of Pressure)経路といい、COP経路は、踵骨30から第5の中足骨頭20に、足の外側ラインに沿って形成される。
【0047】
緩衝部は、アウトソール120の底面の第3の緩衝溝123から第2の緩衝溝122まで、COP経路に沿って流線状の溝が形成される第4の緩衝溝124を含む。そこで、ユーザは、歩行に際して、第1乃至第4の緩衝溝により、足裏の圧力が正しいCOP経路に沿って移動するように誘導されることで、靴底100に対する支持力が向上し、歩行中に発生し得る過度な内回転の発生を防止することができる。
【0048】
前述したように、本発明による衝撃吸収層の構造を有する靴底100は、ミッドソール110に足アーチを支持するアーチサポート111、112を形成することで、中足骨の内反を防止し、足裏が靴底100に密着して、足の推進力が向上し、身体の整列を正しく維持することができ、ミッドソール110中足部の曲げ構造により、ミッドソール110とアウトソール120の間に衝撃緩和層130が形成されることで、歩行に際して、足の応力分布を分散することができる。
【0049】
また、アウトソール120の底面に、歩行に際して、足の圧力中心経路を誘導することができる緩衝溝が形成されることで、歩行に際して発生し得る足部の過度な内回転を防止し、足部の地面に対する接触面積を拡げて、足の圧力を分散することができる。
【0050】
前述した本発明の説明は、例示に過ぎず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変形が可能であるということを理解するだろう。
【符号の説明】
【0051】
100 靴底
110 ミッドソール
120 アウトソール
130 衝撃吸収層
140 ヒールカップ