(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20240610BHJP
A47L 9/24 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
A47L9/28 S
A47L9/28 U
A47L9/24 Z
(21)【出願番号】P 2020134387
(22)【出願日】2020-08-07
(62)【分割の表示】P 2018172672の分割
【原出願日】2018-09-14
【審査請求日】2021-03-11
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【氏名又は名称】原田 淳司
(72)【発明者】
【氏名】山口 悟史
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】北村 英隆
【審判官】西 秀隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-173674(JP,A)
【文献】特開2006-346280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L9/28,A47L9/24,A47L5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接続体と、塵埃の吸引方向において前記第1接続体よりも上流側の
吸込具とが嵌合して接続される接続構造を有する電気掃除機において、
電動送風機を収容し且つ取手部を有する掃除機本体、前記第1接続体及び前記
吸込具の順に並ぶよう接続される電気掃除機であり、
前記第1接続体は、
前記吸込具と接続される接続パイプであり、
前記
吸込具との接続を固定するロック機構と、
前記ロック機構の固定を解除する解除機構と、
前記解除機構の解除に合わせて接続状態の前記第1接続体と前記
吸込具とを離間させる離間機構と
を備え、
前記離間機構は、前記解除機構の解除に合わせて、前記第1接続体から前記
吸込具側に突出する突出部材を有し、
前記ロック機構は、前記第1接続体に設けられ且つ前記吸込具の接続部の被係合部に係合する係合部を有し、前記係合部が係合方向に移動して被係合部に係合することで前記接続が固定され、前記係合部が係合方向と反対方向の解除方向に移動することで前記ロック機構の固定が解除され、
前記第1接続体が有する操作受付部材の受付動作により前記解除機構を動作させる動作部材を前記第1接続体に備え、
前記動作部材は、前記受付動作による前記操作受付部材の移動力が伝わって第1方向における前記吸込具側に移動し且つ前記第1方向に延伸する軸体を有し、
前記解除機構は、前記第1方向と交差する第3方向に移動可能に支持された可動部を有し、前記軸体の前記第1方向への移動により前記可動部が前記第3方向に移動することで、前記係合部を前記解除方向に移動させ、
前記第1接続体は、前記係合部と前記可動部とを一体に備え且つ回転可能に支持された回転移動体を有し、
前記第3方向は前記可動部の回転方向であり、前記可動部の一方側への回転が前記係合方向であり、前記可動部の他方側への回転が前記解除方向であり、
前記解除機構は、前記軸体の前記第1方向における前記吸込具側への移動により前記可動部が前記解除方向に回転することで、前記係合部が前記解除方向に移動して前記ロック機構の固定を解除するとともに、前記解除方向に回転する前記回転移動体が前記突出部材の傾斜面に当接して前記突出部材が前記第1接続体から前記吸込具側に突出する
電気掃除機。
【請求項2】
前記操作受付部材は、前記第1方向と交差する第2方向に移動可能に支持され、
前記受付動作は前記操作受付部材を前記第2方向に押し込む動作である
請求項
1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記動作部材は、前記第1方向と交差する第2方向への前記操作受付部材の移動力を
前記軸体の前記第1方向の前記
吸込具側への移動力に変換する力変換部と
を備える
請求項
2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
第1接続体と第2接続体とが嵌合して接続される接続構造を有する電気掃除機において、
前記第1接続体は、
前記第2接続体との接続を固定するロック機構と、
前記ロック機構の固定を解除する解除機構と、
前記解除機構の解除に合わせて接続状態の前記第1接続体と前記第2接続体とを離間させる離間機構と
を備え、
前記離間機構は、前記第1接続体から前記第2接続体側に突出する突出部材を有し、
前記第1接続体は、電動送風機を収容し且つ取手部を有する掃除機本体であり、
前記第2接続体は、前記掃除機本体に接続され且つ前記電動送風機による負圧により塵埃を吸い込む吸込体であり、
前記掃除機本体の長手方向の他端側に前記取手部を有し、前記掃除機本体の長手方向の一端側に、前記吸込体が接続可能な接続部を有し、
前記掃除機本体は、前記解除機構を動作させる解除操作部を備え、
前記解除操作部は、前記吸込体と前記掃除機本体との接続位置よりも前記取手部側に、解除操作を受け付ける操作受付部材を
前記第1接続体に有し、
前記ロック機構は、前記第1接続体に設けられ且つ前記第2接続体の接続部の被係合部に係合する係合部を有し、前記係合部が係合方向に移動して被係合部に係合することで前記接続が固定され、前記係合部が係合方向と反対方向の解除方向に移動することで前記ロック機構の固定が解除され、
前記操作受付部材の受付動作により前記解除機構を動作させる動作部材を前記第1接続体に備え、
前記動作部材は、前記受付動作により第1方向における前記第2接続体側に移動し且つ前記第1方向に延伸する軸体を有し、
前記解除機構は、前記第1方向と交差する第3方向に移動可能に支持された可動部を有し、前記軸体の前記第1方向への移動により前記可動部が前記第3方向に移動することで、前記係合部を前記解除方向に移動させ、
前記第1接続体は、前記係合部と前記可動部とを一体に備え且つ回転可能に支持された回転移動体を有し、
前記第3方向は前記可動部の回転方向であり、前記可動部の一方側への回転が前記係合方向であり、前記可動部の他方側への回転が前記解除方向であり、
前記解除機構は、前記軸体の前記第1方向における前記第2接続体側への移動により前記可動部が前記解除方向に回転することで、前記係合部が前記解除方向に移動して前記ロック機構の固定を解除するとともに、前記解除方向に回転する前記回転移動体が前記突出部材の傾斜面に当接して前記突出部材が前記掃除機本体から前記吸込体側に突出する
電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機本体と吸込具との間に接続部を備える電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「ホースが接続された手元ハンドル部と、本体管とノズルとからなり前記本体管が手元ハンドル部に着脱可能に接続されたアタッチメント本体部と、該アタッチメント本体部の本体管に着脱可能に接続された延長パイプと、前記手元ハンドル部及びアタッチメント本体部に設けられ、該アタッチメント本体部に接続された延長パイプのロックを前記手元ハンドル部において解除するロック解除部と、該延長パイプに着脱可能に接続された床ブラシとからなるホースユニットを有し、前記床ブラシに接続された延長パイプを自立させた状態で、前記手元ハンドル部において前記ロック解除部が操作されることにより、前記アタッチメント本体部に接続した延長パイプのロックが解除されて該アタッチメント本体部が前記延長パイプから離脱されるようにしたことを特徴とする電気掃除機」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献では、アタッチメント本体部と延長パイプの両方が取り付けられた電気掃除機を前提とし、ロック解除部の操作により延長パイプをアタッチメント本体部から離脱させる構成である。このような構成とすると、ユーザによっては、延長パイプのみならずアタッチメント本体部も離脱した状態で使用したい場合もあり、利便性が低いという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、利便性を向上させた電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気掃除機は、第1接続体と、塵埃の吸引方向において前記第1接続体よりも上流側の第2接続体とが嵌合して接続される接続構造を有する電気掃除機において、前記第1接続体は、前記第2接続体との接続を固定するロック機構と、前記ロック機構の固定を解除する解除機構と、前記解除機構の解除に合わせて接続状態の前記第1接続体と前記第2接続体とを離間させる離間機構とを備え、前記離間機構は、前記第1接続体から前記第2接続体側に突出する突出部材を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、解除操作部の操作により吸込体と掃除機本体とのロックを解除でき、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る電気掃除機ユニットを示す図である。
【
図2】実施形態に係る電気掃除機の掃除機本体から表カバーを外した状態を示す斜視図である。
【
図3】実施形態に係る掃除機本体の一端側の分解状態を示す斜視図であり、(a)は表側から見た図であり、(b)は裏側から見た図である。
【
図4】実施形態に係る掃除機本体の一端側の断面図である。
【
図5】実施形態に係る接続パイプの他端側を示す斜視図である。
【
図6】実施形態に係る電気掃除機の他端側を示す断面図である。
【
図7】実施形態に係る電気掃除機の他端側の分解状態を示す斜視図であり、(a)は表側から見た図であり、(b)は裏側から見た図である。
【
図8】実施形態に係るブラシ体を筒軸方向の一端側から見た斜視図であり、(a)は表側から見た図であり、(b)は裏側から見た図である。
【
図9】実施形態に補助集塵具の内部構造を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<概要>
一態様に係る電気掃除機は、電動送風機を収容し且つ取手部を有する掃除機本体と、前記掃除機本体に接続され且つ前記電動送風機による負圧により塵埃を吸い込む吸込体と、前記吸込体と前記掃除機本体との接続を固定するロック機構と、前記ロック機構の固定を解除する解除機構とを備え、前記掃除機本体は、前記解除機構を動作させる解除操作部を、前記吸込体と前記掃除機本体との接続位置よりも前記取手部側に備える。
別態様に係る電気掃除機において、前記解除操作部は、使用者から解除操作を受け付ける操作受付部材と、前記操作受付部材の受付動作により前記解除機構を動作させる動作部材とを備える。これにより、簡単な構造で解除操作部を構成できる。
別態様に係る電気掃除機において、前記動作部材は、前記掃除機本体に沿った第1方向に移動可能に支持され、前記受付動作により前記第1方向を前記接続位置側に移動する。これにより、簡単な構造で動作部材を構成できる。
【0010】
別態様に係る電気掃除機において、前記操作受付部材は、前記掃除機本体に沿った第1方向と交差する第2方向に移動可能に支持され、前記受付動作は前記操作受付部材を前記第2方向に押し込む動作である。これにより、使用者の操作が容易に行える。
別態様に係る電気掃除機において、前記動作部材は、前記掃除機本体に沿った第1方向に延伸する軸部と、前記第1方向と交差する第2方向への前記操作受付部材の移動力を前記軸部の前記第1方向の前記接続位置側への移動力に変換する力変換部とを備える。これにより、操作受付部材と動作部材との周辺部分を小型化できる。
別態様に係る電気掃除機において、前記解除機構は、前記掃除機本体に沿った第1方向と交差する第3方向に移動可能に支持された可動部を備え、前記解除機構は、前記動作部材の前記第1方向の前記接続位置側への移動により前記可動部が前記第3方向に移動し、前記ロック機構の固定を解除する。これにより、簡単な構造でロックを解除できる。
【0011】
別態様に係る電気掃除機において、前記ロック機構は、前記掃除機本体に設けられ且つ前記吸込体の接続部の被係合部に係合する係合部を有し、前記解除機構は、前記可動部が前記第3方向に移動することで、前記係合部を係合方向と反対方向の解除方向に移動させる。これにより、簡単な構造でロックを解除できる。
別態様に係る電気掃除機において、前記ロック機構と前記解除機構とは、前記係合部と前記可動部とを一体に備え且つ回転可能に支持された回転移動体により構成され、前記第3方向は前記回転移動体の回転方向であり、前記回転移動体の一方側への回転が前記係合方向であり、前記回転移動体の他方側への回転が前記解除方向であり、前記可動部が第3方向に移動することで、前記回転移動体が前記第3方向を他方側に回転する。これにより、ロック機構と解除機構との構造を簡単でき、安価に実施できる。
別態様に係る電気掃除機において、前記回転移動体が回転すると、前記掃除機本体における前記接続位置側の開口から出退する操作部が前記回転移動体に一体に設けられ、前記操作部を退避させると前記回転移動体が前記第3方向の他方側に回転する。これにより、解除操作部以外にロックを解除する手段があり、利便性を向上できる。
別態様に係る電気掃除機において、前記掃除機本体は、前記解除操作部が操作されると、接続状態にある前記吸込体と前記掃除機本体とを離間させる離間機構を備える。これにより、接続状態にある吸込体を容易に外すことができる。
別態様に係る電気掃除機において、前記離間機構は、前記解除操作部の操作により前記吸込体側に突出する突出部材を備える。これにより簡単な構造で実施できる。
【0012】
<実施形態>
【0013】
1.電気掃除機ユニット
図1に示すように、電気掃除機ユニットAは、電気掃除機1及び掃除機支持装置6を備える。
電気掃除機1は、吸込具2、接続パイプ3、掃除機本体4をこの順で備える、いわゆるスティック型(縦型)の掃除機である。電気掃除機1は、吸込具2から接続パイプ3を通って掃除機本体4内に塵埃を吸い込む。なお、電気掃除機1は、図外の電源アダプターと着脱可能に装着されて充電される携帯型である。
電気掃除機1は、接続パイプ3に代えて装着できるブラシ体5を掃除機本体4に備える。
ここで、接続パイプ3の延伸方向(図中の「X」である)を「筒軸方向」とし、筒軸方向における吸込具2が存在する側を「一端側」とし、掃除機本体4が存在する側を「他端側」とする。吸込具2のヘッド部21の延伸方向(図中の「Y」である)を「左右方向」とし、当該延伸方向は筒軸方向と直交する。また、左右方向と直交し且つ筒軸方向を含む仮想面において筒軸方向の直交する方向(図中の「Z」である)を「表裏方向」とする。
通常、床面を清掃する際には、吸込具2のヘッド部21を前後方向に移動させ、ヘッド部21が位置する側を前側又は表側とし、操作者が位置する側を後側又は裏側とする。また、筒軸方向が上下方向と一致する場合、表裏方向は前後方向と一致することから、表裏方向を、筒軸方向が上下方向と一致しない場合も「前後方向」とする場合もある。
掃除機支持装置6は、接続パイプ3が上下方向と平行なる状態又はこれに近い状態で、電気掃除機1を着脱可能に支持する。掃除機支持装置6は、電気掃除機1の吸込具2を載置する載置台7と、載置台7に載置された電気掃除機1を裏側から支持する支柱8とを備える。ここでは、補助集塵具9が支柱8に出し入れ可能に設けられている。
以下、電気掃除機1及び掃除機支持装置6について説明する。
【0014】
2.電気掃除機
【0015】
(1)掃除機本体
掃除機本体4は、筐体40を利用して、電動送風機、バッテリー、回路モジュール、電気配線等の部品や集塵パックを収容する。機能的には、掃除機本体4は、本体部41、集塵部42、手元操作部43、パイプ接続部44、配線部45を備える。
【0016】
(1-1)筐体
主に、
図2を用いて説明する。
筐体40は、全体形状として長手方向に長い筒状をし、他端側に左右に貫通する空間401dを有する形状をしている。ここでの筐体40は、筐体本体401と、筐体本体401の表側に装着される表カバー403と、集塵パックの付け外し用の集塵カバー405とをからなる。
【0017】
(1-1-1)筐体本体
筐体本体401は、長手方向に延伸して他端部側が後方に屈曲するL字状部分401aと、L字状部分401aの一端の裏側に位置する筒状の端筒状部分401bと、L字状部分401aの長手方向の中央の裏側に位置する円筒状の中円筒状部分401cと、L字状部分401aの長手方向における中円筒状部分401cから他端側までの領域の裏側に位置し且つL字状部分401aとの間で空間401dを形成する逆L字状部分401eと備える。なお、ここでは、L字状部分401aの他端と逆L字状部分401eの他端とは連結しているが、連結しない(離間する)形状であってもよい。
【0018】
(1-1-2)表カバー及び集塵カバー
表カバー403は、L字状部分401aの形状に近い形状をし、L字状部分401aを表側から覆う。
集塵カバー405は、筐体本体401の端筒状部分401bと中円筒状部分401cとの間の開口を覆う。集塵カバー405は筐体本体401に着脱可能に装着される。
【0019】
(1-2)本体部
主に
図2を用いて説明する。
本体部41は、筐体本体401の一端側から、電動送風機、電動送風機及び回路モジュールに電力を供給するバッテリーをこの順で備える。電動送風機は主に中円筒状部分401cに配されている。バッテリーと回路モジュールとは逆L字状部分401eにおける空間401dの裏側部分に配されている。これにより、逆L字状部分401e内を有効に利用できる。
また、電動送風機とバッテリーの配置位置は、自立式の電気掃除機1とするために、本体部41の重心が吸込具2の上方に位置するように構成されている。
本体部41は、集塵パックを筒軸方向の一端側に着脱可能に装着するためのパック装着部分や集塵カバー405を筐体本体401に着脱可能に装着するためのカバー装着部分を有する。
【0020】
(1-3)パイプ接続部
パイプ接続部44は接続パイプ3の他端に外嵌して接続する(
図1参照)。パイプ接続部44は、L字状部分401aの一端部と端筒状部分401bとで構成される。パイプ接続部44は接続パイプ3との接続状態を固定する本体側ロック機構と、接続状態の固定を解除する本体側解除機構とを有する。パイプ接続部44は、接続状態の固定を解除する操作がなされると、接続状態にある接続パイプ3と掃除機本体4とを離間させる離間機構49を備える。
ここでの本体側ロック機構と本体側解除機構とは一体で構成され、本体側ロック・解除機構46とする。なお、本体側ロック・解除機構46と離間機構49とについては後述する。
【0021】
パイプ接続部44は、ブラシ体5を着脱可能に装着するための装着機構47を有している。装着機構47は端筒状部分401bの外周面に設けられている。ここでの装着機構47は、左右方向を回転軸としてブラシ体5を回転可能に支持し、ブラシ体5を第1向きに回転させるとパイプ接続部44の一端部に接続され、ブラシ体5を第2向きに回転させるとパイプ接続部44を開放してパイプ接続部44の外面に固定されるように、ブラシ体5を装着する。ここでは、第1向きは筒軸方向の一端側であり、第2向きは筒軸の他端側である。
なお、ブラシ体5がパイプ接続部44に接続されると、ブラシ体5を使用しながらその中央から塵埃を吸い込むことができる。また、パイプ接続部44が開放されると、接続パイプ3が接続可能となる。
【0022】
具体的に説明する。
まず、ブラシ体5は、
図8に示すように、コ字状のフレーム51と、フレーム51に設けられたブラシ53と、フレーム51からブラシ53と反対側に対向する状態で延伸する一対の対向板55とを有し、対向板55の内面に軸用凸部57と固定用凸部59とが設けられている。
装着機構47は、ブラシ体5の軸用凸部57が挿入される軸穴471と、ブラシ体5を第1向きに回転させた際にブラシ体5の固定用凸部59が嵌合する第1嵌合穴473と、ブラシ体5を第2向きに回転させた際にブラシ体5の固定用凸部59が嵌合する第2嵌合穴475とで構成される。
【0023】
(1-4)集塵部
集塵部42はパイプ接続部44の他端と本体部41の一端との間に設けられている。集塵部42は、筐体本体401に装着される集塵パックと、集塵パックを覆う集塵カバー405とからなる。集塵カバー405は、パイプ接続部44(端筒状部分401b)と本体部41(中円筒状部分401c)とに係合(装着)する係合(装着)機構を有する。
【0024】
(1-5)手元操作部
手元操作部43は、掃除の際に電気掃除機1を操作(把持)するための取手部431と、取手部431の近くに設けられた操作ボタン(図示省略)と、掃除機本体4と接続パイプ3との接続の固定を解除するように本体側ロック・解除機構46を動作させる解除操作部48を備える。なお、解除操作部48については後述する。
取手部431は、L字状部分401aと逆L字状部分401eとの間の空間401dを利用し、L字状部分401aの屈曲領域と表カバー406の屈曲領域403aとにより構成されている。
操作ボタンは、例えば、電気掃除機のON・OFFスイッチ、吸込具2の回転ブラシのON・OFFスイッチ等である。これらのスイッチは回路モジュールに接続されている。
【0025】
(1-6)配線部
配線部45は、吸込具2の回転ブラシを回転駆動するモータに電力を供給するための配線(図示省略)を筐体本体401のL字状部分401aの表面に沿って備え、表カバー403により覆われている。
【0026】
(2)接続パイプ
図1を用いて説明する。
接続パイプ3は、筒状をし、一端側が吸込具2に着脱可能に接続され、他端側が掃除機本体4に着脱可能に接続されている。接続パイプ3は、筒状部31と、筒状部31の表側を覆う表カバー33とを備える。
図5に示すように、接続パイプ3の他端部3aには、本体側ロック・解除機構46がロックする本体側被ロック部35が設けられている。ここでは、ロック機構に係合構造が利用され、本体側被ロック部35は、解除機構46が係合する係合孔(貫通孔)35aにより構成されている。
【0027】
接続パイプ3の一端部には、吸込具2との接続状態をロックする吸込具側ロック機構が設けられている。ここでの吸込具側ロック機構は、係合構造が利用され、回転可能に支持された係合体37により構成されている。係合体37は、その回転支持位置よりも他端側に位置し且つ表カバー33から露出する吸込具側操作部と、回転支持位置よりも一端側に位置し且つ裏側に突出する凸部を有する係合部とを有し、係合部が吸込具2の係合孔(図示省略、吸込具側被ロック部である)に係合する。なお、吸込具側操作部を押圧することで、係合体37が回転して係合部の係合孔への係合が解除される。
【0028】
(3)吸込具
図1を用いて説明する。
吸込具2は、左右方向に延伸するヘッド部21の底部に吸込口を有し、その内部に回転ブラシ(図示省略)を収容する。
吸込具2は、ヘッド部21の左右方向の中央から接続パイプ3側に筒状に延伸する延伸筒部23を有している。延伸筒部23の内部とヘッド部21の底部の吸込口とは連通している。
吸込具2の延伸筒部23は、接続パイプ3の一端部に挿入されることで、接続パイプ3と接続される。延伸筒部23の他端には、接続パイプ3との接続を固定する吸込具側ロック機構の係合部が係合するための係合孔(吸込具側被ロック部)が設けられている。
吸込具2は、立設状態にある電気掃除機1を前側から支持する支持部25を有している。ここでの支持部25は、拡大図に示すように、欠け部分により構成され、この欠け部分に延伸筒部23が嵌合することで、延伸筒部23を前側から支持すると共に左右方向にも位置決めされる。
【0029】
(4)本体側ロック・解除機構
図3及び
図4を用いて説明する。
本体側ロック・解除機構46は本体側ロック機構460と本体側解除機構465との両機能を有する。
(4-1)本体側ロック機構
本体側ロック機構460は係合構造を利用している。本体側ロック機構460は、接続パイプ3の他端に設けられている本体側被ロック部35の係合孔35a(
図5参照)に係合する係合部461を有する。係合部461は左右方向を回転軸として回転可能に支持されている。具体的には、係合部461は軸部462から裏側に延伸し、
図4に示すように、パイプ接続部44の周壁の貫通孔44aを貫通して内部へ張り出している。なお、この張出部分461aが接続パイプ3の他端部の係合孔35a(
図5参照)に係合する。
なお、係合部461の張出部分461aがパイプ接続部44の内側に入るように回転する方向(向き)を係合方向とし、係合部461の張出部分461aがパイプ接続部44の内側から外側に回転する方向(向き)を解除方向とする。
【0030】
(4-2)本体側解除機構
本体側解除機構465は、本体側ロック機構460の係合部461を本体側被ロック部35の係合孔35aから抜ける方向(解除方向)に移動させて、接続状態の固定(係合)を解除する。
ここでの本体側解除機構465は、手元操作部43の解除操作部48(
図2参照)の操作により係合部461を解除方向に回転させるための可動部466を備える。可動部466は軸部462から径方向に突出する。ここでは、可動部466は軸部462に一体に設けられている。可動部466における係合部461側の面は、筒軸方向と交差し、軸体485の筒軸方向の一端部と当接又は近接する。これにより、軸体485が筒軸方向を一端側に移動することで、可動部466が軸部462の回りを解除方向へと移動する。これにより、可動部466と一体化されている係合部461が解除方向に回転移動する。
【0031】
本体側解除機構465は、上記の解除操作部48の解除操作以外の操作により、係合部461を解除方向に回転させるための操作部467を備えてもよい。操作部467は、
図4に示すように、掃除機本体4のパイプ接続部44の表カバー403の開口403bを利用して操作可能に構成されている。
操作部467は、開口403b内に配され且つ裏側が開口する箱状をする箱状部分467aと、箱状部分467aと軸部462とを連結する連結部分467bとを有する。なお、箱状部分467aが開口403bに対して押し込まれる(退避する)と、軸部462が回転し、結果的に係合部461が解除方向に移動(回転)する。
なお、図示しないが、操作部467(箱状部分467a)とパイプ接続部44の周壁との間には、押し込まれた操作部467を元の位置に戻すように付勢する付勢機構(例えばバネ体)が設けられている。付勢機構の図示は省略している。
【0032】
上述のように、ここでの本体側ロック・解除機構46は、係合部461と軸部462と可動部466と操作部467とを一体に備える回転移動体468により構成されている。回転移動体468は、
図3の(a)に示すように、配線部45の表壁に形成された軸支持部45aに軸部462が回転可能に支持され、操作部467の箱状部分467aが表カバー403の開口403b内に位置する状態で、表カバー403により覆われている。
なお、本実施形態の第3方向は、軸部462の軸心を回転中心とする回転移動体468の回転方向であり、回転移動体468の係合方向の回転の向きが本実施形態の一方側であり、回転移動体468の解除方向の回転の向きが本実施形態の他方側である。
【0033】
(5)解除操作部
主に
図6及び
図7を用いて説明する。
解除操作部48は、掃除機本体4における接続パイプ3との接続位置よりも手元操作部43側に設けられている。解除操作部48は、使用者から解除操作を受け付ける操作受付部材481と、操作受付部材481の受付動作により本体側解除機構465(
図4参照)を動作させる動作部材483とを備える。
【0034】
(5-1)操作受付部材
操作受付部材481は、筒軸方向と交差する第2方向に移動可能に支持されている。ここでは、第2方向は表裏方向である。操作受付部材481は、裏側が開放する箱状部481aと、箱状部481aの開口縁から外方へ張り出す鍔部481bとを有する。
操作受付部材481は、筐体本体401のL字状部分401aと表カバー403との間に配され、箱状部481aが表カバー403の開口403cに嵌合する。
なお、鍔部481bは開口403cよりも大きい。これにより、操作受付部材481の箱状部481aが開口403cに対して出退可能に支持される。使用者による操作受付部材481の受付動作は、使用者の箱状部481aの押込みによる裏側への移動である。
【0035】
操作受付部材481は、箱状部418aの底面(裏面)から裏側に突出する突出部481cを備える。突出部481cにおける筒軸方向の一端側が傾斜面481dとなっている。
傾斜面481dは、当該傾斜面上を突出部481cの基部側から突出側に向かう(
図6においてZ方向の裏側に進む)にしたがって、箱状部418aの底面から離れるように傾斜している。具体的に、突出部481cの筒軸方向の他端側の端面は筒軸方向と直交し、突出部481cの筒軸方向の寸法に着目して換言すると、左右方向に直交する断面(
図6である)において、裏側に近づくにしたがって突出部481cの筒軸方向の寸法が小さくなるように傾斜している。
突出部481cの傾斜面481dは、動作部材483の他端部と当接し、使用者からの操作受付部材481の押込みによる移動力を動作部材483に伝達する力伝達部を構成する。なお、傾斜面481dは、後述の力変換体487の傾斜面487dと当接する。
【0036】
(5-2)動作部材
動作部材483は、筒軸方向に移動可能に支持され、操作受付部材481の受付動作により筒軸方向を一端側(接続位置側)に移動する。
動作部材483は、筒軸方向に延伸する軸体485と、操作受付部材481の裏側への移動力を軸体485の一端側への移動力に変換する力変換体487とを備える。なお、ここでは、軸体485と力変換体487は他部材で構成されているが、例えば、一部材で構成してもよい。なお、軸体485は本実施形態の軸部の一例に相当し、力変換体487は本実施形態の力変換部の一例に相当する。
【0037】
(5-2-1)軸体
軸体485は、横断面形状が円形状の棒状をし、
図7の(a)に示すように、L字状部分401aの表面に形成されたリブ401gの凹み401hに嵌るようにして支持されている。なお、リブ401gは左右方向に延伸し、筒軸方向に間隔をおいて複数個設けられている。各リブ401gの左右方向の端部は、筒軸方向に延伸するリブ401iにより補強(連結)されている。軸体485の他端側は後述の力変換体487に固定されている。
【0038】
(5-2-2)力変換体
力変換体487は筒軸方向の移動可能に支持されている。ここでは、
図7の(a)に示すように、力変換体487の裏面が筐体本体401の表面に当接し、力変換体487の左右端面が筐体本体401から筒軸方向に沿って表側に延伸するリブ401jと当接する。
力変換体487は全体として筒軸方向に長い直方体状に似た形状をしている。力変換体487は、筒軸方向に延伸する縦溝部487aと、左右方向に延伸する横溝部487bとを有し、他端部487cの端面が傾斜面487dとなっている。
【0039】
縦溝部487aは軸体485を固定するためのものである。縦溝部487aは、筒軸方向の一端側に形成され、当該縦溝部487aに軸体485の他端部が嵌合する。なお、縦溝部487aと軸体485の他端部とは固定されている。固定として、縦溝部478aによって軸体485を挟む力によって固定が実現されてもよいし、例えば接着剤や係合構造を使用して固定してもよい。これにより、軸体485と力変換体487とが筒軸方向に一体で移動可能となる。
【0040】
横溝部487bは筒軸方向の略中央に形成されている。横溝部487bは、
図6に示すように、表裏方向に出退する操作受付部材481の鍔部481b用のスペースである。操作受付部材481が使用者の押し込みにより動作部材483が筒軸方向の一端側に移動した際に、箱状部481aにおける筒軸方向の一端側に位置する側壁の内面と、横溝部487bを構成している他端側の側面とが当接する。これにより、動作部材483が筒軸方向の一端側に抜けるのを防止できる。
なお、横溝部487bの筒軸方向の一端側と縦溝部487aとは操作受付部材481の外側に位置し、横溝部487bの筒軸方向の他端側と他端部487cとは操作受付部材481の箱状部481a内に位置する。
【0041】
他端部487cの傾斜面487dは、当該傾斜面上を筒軸方向の他端側(
図6において右側)から筒軸方向の一端側(
図6における左側)に向かうにしたがって操作受付部材481の箱状部481aに近づくように傾斜する。
傾斜面487dは、操作受付部材481の突出部481cの傾斜面481d(力伝達部)と当接する。これにより、操作受付部材481が裏側に移動すると、力変換体487の傾斜面487dが操作受付部材481側の傾斜面481dに沿ってズレて(せり出して)、力変換体487が筒軸方向の一端側に押し出される。つまり、操作受付部材481の裏側への移動力を軸体485の一端側への移動力に変換することができる。
なお、図示していないが、軸体485を支持し且つ筒軸方向の最も他端側に位置するリブ401gと力変換体487の一端部との間には、軸体485に嵌められたバネ体が設けられていてもよい。これにより、使用者により一旦押し込まれた操作受付部材481を開口403bから出方向に戻すように構成されている。つまり、使用者による解除操作を元に戻すように付勢する付勢機構を備えている。
【0042】
(6)離間機構
(6-1)の構造
図3及び
図4を用いて説明する。
離間機構49は、解除操作部48の操作により接続パイプ3側に突出する突出部材491を備える。突出部材491は、ベース部491aと、ベース部491aから筒軸方向の一端側に延伸する延伸部491bとを備える。ここでの延伸部491bは例えば円柱状をしている。
ここでは、延伸部491bが筐体本体401のリブ401kの貫通孔401mを挿通し、ベース部491aの裏面が筐体本体401に当接し、ベース部491aの表面が表カバー403に当接することで、ガタツキなく筒軸方向に移動可能に支持される。ここで、貫通孔401mは、リブ401kに設けられた2つの貫通孔401nの間に設けられる。この2つの貫通孔401nは、筐体本体401側の配線と接続パイプ3側の配線とを電気的に接続するための一対の電極ピン36が挿入される孔である。
【0043】
突出部材491は、ベース部491aの筒軸方向の他端側に傾斜面491cを有している。傾斜面491cは、当該傾斜面上を筒軸方向の一端側から他端側に向かうにしたがって表カバー403の裏面から離れるように傾斜している。傾斜面491cは本体側解除機構の操作部467の裏面と当接している。これにより、操作部467が軸部462の回りを解除方向に回転するにしたがって、傾斜面491cが筒軸方向の他端側から一端側にせり出すことで、突出部材491が筒軸方向の一端側に押し出される。このように、操作部467の解除方向の移動力を突出部材491の一端側への移動力に変換できる。
また、ここでは、解除操作部48が使用者により解除操作されて軸体485が移動し、軸体485に当接する可動部466が軸部462の回りを解除方向に回転することで、突出部材491が筒軸方向の一端に向かって移動する。したがって、この突出部材491の押し出しの動きによって、接続パイプ3をパイプ接続部44から離脱させる方向に押し出すことができる。
【0044】
解除操作部48を操作する際、例えば、使用者は、接続パイプ3を把持して接続パイプ3を支持した状態で行ってもよいし、電気掃除機1を自立させた状態で行ってもよい。特に、自立状態で行う場合、離間機構49により接続パイプ3と掃除機本体4とを離間させるため、使用者が接続パイプ3に触れることなく、接続パイプ3と掃除機本体4とを分離することができる。また、自立状態では、接続パイプ3及び吸込具2の重力が作用する方向と突出部材491が突出する方向とが略一致するため、接続パイプ3が掃除機本体4から外れやすくできる。なお、自立状態で掃除機本体4と分離した接続パイプ3はそのまま転倒することなく、自立状態を維持できるため、使用者にとって非常に使い勝手の良いものとなる。
【0045】
3.掃除機支持装置
主に
図1を用いて説明する。
(1)掃除機支持装置
掃除機支持装置6は、上述のように載置台7と支柱8とを備える。
載置台7は、偏平な箱状をし、前面の開口(上面の開口の図示は省略)から後方へと延び且つ補助集塵具9のヘッド部を挿入できる挿入空間71を有する。
載置台7の上面には挿入空間71に連通する貫通孔を左右方向に複数個有している。上面の貫通孔は、載置台7に載置された電気掃除機1の吸込具2の吸込口と対向するように設けられている。
支柱8は、下支柱部81と上支柱部83とを備え、上支柱部83が電気掃除機1の接続パイプ3を後方から支持する。支柱8は、上支柱部83に補助集塵具9を収容するボックス85を着脱可能に備える。
支柱8(上支柱部83)は、ボックス85を装着するための装着部を有する。ここでのボックス95は、上下方向に長く且つ少なくとも上面が開放する箱状をしている。ボックス95における支柱8と対向する対向壁には上支柱部83に上下に間隔をおいて設けられた2個の係合片があり、当該係合片が係合する係合溝が装着部として形成されている。なお、装着部(係合溝)は、上支柱部83の左右方向の左右壁と、左右方向と直交する方向の後側の後壁とに設けられ、ボックス85の取り付け位置を選択できる。
【0046】
(2)補助集塵具
補助集塵具9は、モップ、埃取り、ブラシ、ほうき、たわし、などの清掃用具である。補助集塵具9は図外のヘッド部と柄部91を備える。
ヘッド部は、柄部91に着脱可能に装着され、交換可能に構成されている。
柄部91は、
図9に示すように、ヘッド部が一端に装着される内パイプ911と、内パイプ911を伸縮可能に収容する外パイプ913と、内パイプ911を外パイプ913に対して位置決めする位置決め機構915と、外パイプ913の上端を覆うキャップ917とを少なくとも有する。
【0047】
位置決め機構915は、内パイプ911に共回り状態で取り付けられるアダプター918と、アダプター918と外パイプ913との間に配されるストッパー919とを有する。
アダプター918は、内パイプ911の欠け部911aに嵌合する凸部918aと、ストッパー919が嵌合する嵌合部918bと、嵌合部918bの上下両端から外方へ張り出す下鍔部918c、上鍔部918dとを備える。嵌合部918bの外周面は、同図の(c)に示すように、外周面の半径が等しい円周面918eと、外周面を周方向に旋回するにしたがって中心から遠くなる拡径面918fとからなる。
【0048】
ストッパー919は、弾性変形可能なゴム材料により構成され、横断面形状が「C」字状をしている。「C」字の両端に位置する部位は厚肉部919aとなっている。ストッパー919の外周面は外パイプ913の内周面に略当接し、外パイプ913が内パイプ911に対して回転すると、外パイプ913と共に回転する。
ストッパー919は、ストッパー919内であって一対の厚肉部919a間にアダプター918の嵌合部918bの拡径面918fが位置するように、アダプター918の嵌合部918bに嵌合する。これにより、外パイプ913が内パイプ911に対して回転すると、外パイプ913と共にストッパー919が回転し、やがてストッパー919の厚肉部919aが拡径面918fに達すると、ストッパー919の厚肉部919aが外パイプ913の内面を押圧し、外パイプ913が内パイプ911に固定される。
【0049】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していていない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0050】
<変形例>
【0051】
(1)電気掃除機1はスティック型の掃除機であったが、キャニスター型の掃除機であってもよい。この場合、掃除機本体に接続される可撓性のホース体の手元操作具と吸込体との接続部について適用できる。
(2)電気掃除機1は補助集塵具9を備えていないが、例えば、補助集塵具や補助集塵具の長手方向に間隔をおいて磁石を設け、補助集塵具を電気掃除機に着脱可能に装着するようにしてもよいし、補助集塵具を収納するためのボックス85に磁石を設けて、電気掃除機に着脱可能に装着するようにしてもよい。
(3)電気掃除機1は集塵パックを収容するタイプの掃除機であったが、集塵パックの代わりに、集塵フィルタを電動送風機の上流側に設け、吸い込んだ塵埃を集塵ケース内に集塵するタイプ(いわゆるサイクロン式)であってもよい。
(4)実施形態では、吸込体が接続パイプ3と吸込具2とで構成され、掃除機本体4と吸込体との接続の一例として、掃除機本体4と接続パイプ3との接続について説明している。
しかしながら、本発明に係る接続は、例えば、吸込体を吸込具で構成し、接続パイプ付きの掃除機本体の接続パイプと吸込具との接続であってもよいし、吸込体を吸込具で構成し、接続パイプのない掃除機本体と吸込具との接続であってもよい。
【0052】
(5)実施形態では、(本体側)ロック機構460と(本体側)解除機構465とが一体となった(本体側)ロック・解除機構46について説明したが、ロック機構と解除機構とを別体で備えてもよい。なお、一体とした構造の方が簡易となる。
(6)実施形態の解除操作部48は、筐体本体401のL字状部分401aの直線領域に設けられているが、解除操作部をL字状部分401aの屈曲領域に設けてもよい。なお、直線領域に解除操作部を設けると、直線状の軸体485を利用でき、その構造が簡易となる。
(7)実施形態の解除操作部48は操作受付部材481と動作部材483とを別体で備えているが、例えば、操作受付部材と動作部材とを一体で備える構造にしてもよい。一例として、第1方向にスライド可能に設けられた動作部材の一部を使用者が直接スライドさせるような構造がある。
【0053】
(8)実施形態の動作部材483は、解除操作があると第1方向を接続位置側に移動するが、例えば、ロック機構の係合方向と解除方向とを実施形態と逆になるように構成し、動作部材が第1方向を接続位置と反対側に移動するようにしてもよい。この場合、操作受付部材と動作部材との当接面を、第2方向を押込側に進むにしたがって第1方向を接続位置に近づくように傾斜させればよい。
(9)実施形態の動作部材の軸部は、棒状体により構成されているが、例えば、ワイヤー等の線条体を利用することもできる。この場合、操作受付部材の移動に合わせてワイヤーが接続位置と反対側に移動し、この移動によりロック機構の固定が解除するように構成すればよい。
【0054】
(10)実施形態の離間機構49は、(本体側)ロック・解除機構46の動作に合わせて、突出部材491が突出するように構成されている。しかしながら、突出部材は、解除操作部48の軸部により構成してもよく、この場合、軸部の第1方向の途中に、(本体側)ロック・解除機構46の可動部466と接触する接触部を備えることで実施できる。
(11)実施形態は、スティック型の電気掃除機における掃除機本体4と吸込体との接続に着目した発明を記載しているが、接続部を離間する離間機構に着目すると、スティック型、キャニスター型の掃除機に関係しない以下の発明が本明細書に記載されている。
つまり、第1接続体と第2接続体とが嵌合して接続される接続構造において、前記第1接続体と前記第2接続体との接続を固定するロック機構と、前記ロック機構の固定を解除する解除機構と、前記解除機構の解除に合わせて接続状態の前記第1接続体と前記第2接続体とを離間させる離間機構とを備える。
実施形態に当てはめると、第1接続体は掃除機本体4であり、第2接続体が吸込体(接続パイプ3)である。しかしながら、本発明に係る接続は、第1接続体が接続パイプであり、第2接続体が吸込具であってもよいし、第1接続体が掃除機本体であり、第2接続体が吸込具であってもよい。さらに、キャニスター型の電気掃除機では、第1接続体が手元操作具であり、第2接続体が接続パイプであってもよいし、第1接続体が接続パイプであり、第2接続体が吸込具であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
A 電気掃除機ユニット
1 電気掃除機
2 吸込具
3 接続パイプ
4 掃除機本体
6 掃除機支持装置
46 本体側ロック・解除機構
48 解除操作部
431 取手部
460 本体側ロック機構
465 本体側解除機構