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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】資産対策提案装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20240610BHJP
   G06Q 40/10 20230101ALI20240610BHJP
【FI】
G06Q50/18
G06Q40/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020171701
(22)【出願日】2020-10-12
(65)【公開番号】P2022063427
(43)【公開日】2022-04-22
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】508231289
【氏名又は名称】株式会社 夢相続
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】曽根 恵子
【審査官】成瀬 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-111769(JP,A)
【文献】特開2001-265924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの不動産及び金融資産に関する資産情報について、資産識別情報、前記不動産又は前記金融資産を識別する資産属性識別情報、該資産属性識別情報毎に規定され、相続がスムーズに行われるか否かを判定するための評価観点毎の評点、及び前記資産識別情報で識別される資産の金額を対応付ける情報である第1ユーザー資産情報を記憶するユーザー資産情報記憶手段と、
相続をスムーズに行うことを目的として第1ユーザー資産情報を組み替える規則である対策シナリオに基づいて、前記第1ユーザー資産情報の資産識別情報及び該資産識別情報に対応する前記資産の金額を組み替え、組み替え後の前記資産識別情報に対応する前記資産属性識別情報、前記評点、前記資産の金額を対応付ける情報である第2ユーザー資産情報を生成する第2ユーザー資産情報生成手段と、
前記第1ユーザー資産情報及び前記第2ユーザー資産情報それぞれについて、前記評価観点毎の評点に前記評価観点毎に規定される所定の係数を乗じて算出された値の合計値として第1評価情報を算出する第1評価手段と、
前記第1ユーザー資産情報及び前記第2ユーザー資産情報それぞれについて、前記資産識別情報毎に規定される相続税額及び収益額の試算規則に基づいて、前記相続税額及び収益額の試算額である第2評価情報を算出する第2評価手段と、
前記対策シナリオ毎に、前記第1ユーザー資産情報に関する前記第1評価情報及び前記第2評価情報を座標とする第1点と、前記第2ユーザー資産情報に関する前記第1評価情報及び前記第2評価情報を座標とする第2点と、前記第1点が前記第2点に変移したことを示す変移記号と、を2軸平面上に、対応する前記対策シナリオの識別情報と共に表示させる評価結果表示手段と、
前記評価結果表示手段による表示において一の前記対策シナリオの識別情報が選択された場合、前記第1ユーザー資産情報と、前記一の前記対策シナリオに基づき生成された第2ユーザー資産情報と、を並列表示させると共に、前記第1ユーザー資産情報に関する前記2評価情報から表示対象の前記第2ユーザー資産情報に関する前記2評価情報への変化の大きさを表示させるシナリオ適用結果表示手段と、を有することを特徴とする資産対策提案装置。
【請求項2】
第2ユーザー資産情報生成手段が、ユーザー資産情報記憶手段に記憶される、ユーザーの不動産及び金融資産に関する資産情報について、資産識別情報、前記不動産又は前記金融資産を識別する資産属性識別情報、該資産属性識別情報毎に規定され、相続がスムーズに行われるか否かを判定するための評価観点毎の評点、及び前記資産識別情報で識別される資産の金額を対応付ける情報である第1ユーザー資産情報について、相続をスムーズに行うことを目的として前記第1ユーザー資産情報を組み替える規則である対策シナリオに基づいて、前記第1ユーザー資産情報の資産識別情報及び該資産識別情報に対応する前記資産の金額を組み替え、組み替え後の前記資産識別情報に対応する前記資産属性識別情報、前記評点、前記資産の金額を対応付ける情報である第2ユーザー資産情報を生成するステップと、
第1評価手段が、前記第1ユーザー資産情報及び前記第2ユーザー資産情報それぞれについて、前記評価観点毎の評点に前記評価観点毎に規定される所定の係数を乗じて算出された値の合計値として第1評価情報を算出するステップと、
第2評価手段が、前記第1ユーザー資産情報及び前記第2ユーザー資産情報それぞれについて、前記資産識別情報毎に規定される相続税額及び収益額の試算規則に基づいて、前記相続税額及び収益額の試算額である第2評価情報を算出するステップと、
評価結果表示手段が、前記対策シナリオ毎に、前記第1ユーザー資産情報に関する前記第1評価情報及び前記第2評価情報を座標とする第1点と、前記第2ユーザー資産情報に関する前記第1評価情報及び前記第2評価情報を座標とする第2点と、前記第1点が前記第2点に変移したことを示す変移記号と、を2軸平面上に、対応する前記対策シナリオの識別情報と共に表示させるステップと、
シナリオ適用結果表示手段が、前記評価結果表示手段による表示において一の前記対策シナリオの識別情報が選択された場合、前記第1ユーザー資産情報と、前記一の前記対策シナリオに基づき生成された第2ユーザー資産情報と、を並列表示させると共に、前記第1ユーザー資産情報に関する前記2評価情報から表示対象の前記第2ユーザー資産情報に関する前記2評価情報への変化の大きさを表示させるステップと、を含む資産対策提案方法。
【請求項3】
コンピューターに、請求項に記載の方法を実行させるための資産対策提案プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相続における資産対策を相談するユーザーに対し、分かり易く適切な対応策を提案する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
相続税とは、人の死亡を原因とする財産の移転(相続)に着目して課される税金である。
【0003】
被相続人が生前、自分の資産について適切な対策を施さないまま相続事案が発生した場合、相続人においては、意図しない巨額の相続税が発生し、対応に困惑する事態も有り得る。
【0004】
そのような背景下、相続事案が発生する前に、相続税や贈与税をシミュレートするシステムについての技術開発・提案が盛んに行われており、例えば、特許文献1では、購入や売却などの資産の組み換えによって生じる相続税や贈与税などをシミュレーションするシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-111769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来技術においては、相続に関する資産対策の相談を受けるとき、相談者の納得感が得られ易い十分な判断基準と共に、適切な対応策を提案することができないという問題点が有った。
【0007】
そこで、本発明では、上記問題点に鑑み、相談者であるユーザーに対し、相続を見据えた資産対策について、対策の効果を視覚的に示しながら分かり易い提案を行うことができる資産対策提案装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示する資産対策提案装置の一形態は、ユーザーの不動産及び金融資産に関する資産情報について、資産識別情報、前記不動産又は前記金融資産を識別する資産属性識別情報、該資産属性識別情報毎に規定され、相続がスムーズに行われるか否かを判定するための評価観点毎の評点、及び前記資産識別情報で識別される資産の金額を対応付ける情報である第1ユーザー資産情報を記憶するユーザー資産情報記憶手段と、相続をスムーズに行うことを目的として第1ユーザー資産情報を組み替える規則である対策シナリオに基づいて、前記第1ユーザー資産情報の資産識別情報及び該資産識別情報に対応する前記資産の金額を組み替え、組み替え後の前記資産識別情報に対応する前記資産属性識別情報、前記評点、前記資産の金額を対応付ける情報である第2ユーザー資産情報を生成する第2ユーザー資産情報生成手段と、前記第1ユーザー資産情報及び前記第2ユーザー資産情報それぞれについて、前記評価観点毎の評点に前記評価観点毎に規定される所定の係数を乗じて算出された値の合計値として第1評価情報を算出する第1評価手段と、前記第1ユーザー資産情報及び前記第2ユーザー資産情報それぞれについて、前記資産識別情報毎に規定される相続税額及び収益額の試算規則に基づいて、前記相続税額及び収益額の試算額である第2評価情報を算出する第2評価手段と、前記対策シナリオ毎に、前記第1ユーザー資産情報に関する前記第1評価情報及び前記第2評価情報を座標とする第1点と、前記第2ユーザー資産情報に関する前記第1評価情報及び前記第2評価情報を座標とする第2点と、前記第1点が前記第2点に変移したことを示す変移記号と、を2軸平面上に、対応する前記対策シナリオの識別情報と共に表示させる評価結果表示手段と、前記評価結果表示手段による表示において一の前記対策シナリオの識別情報が選択された場合、前記第1ユーザー資産情報と、前記一の前記対策シナリオに基づき生成された第2ユーザー資産情報と、を並列表示させると共に、前記第1ユーザー資産情報に関する前記2評価情報から表示対象の前記第2ユーザー資産情報に関する前記2評価情報への変化の大きさを表示させるシナリオ適用結果表示手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
開示する資産対策提案装置は、相談者であるユーザーに対し、相続を見据えた資産対策について、対策の効果を視覚的に示しながら分かり易い提案を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係る資産対策提案装置の概要を説明する図である。
図2】本実施の形態に係る資産対策提案装置の機能ブロック図である。
図3】本実施の形態に係る第1ユーザー資産情報の一例を示す図である。
図4】本実施の形態に係る第2ユーザー資産情報の一例を示す図である。
図5】本実施の形態に係る第2ユーザー資産情報の一例を示す図である。
図6】本実施の形態に係る第2ユーザー資産情報の一例を示す図である。
図7】本実施の形態に係る第1評価手段による処理を説明する図である。
図8】本実施の形態に係る第1評価手段による処理を説明する図である。
図9】本実施の形態に係る第1評価手段による処理を説明する図である。
図10】本実施の形態に係る第2評価手段による処理を説明する図である。
図11】本実施の形態に係る第2評価手段による処理を説明する図である。
図12】本実施の形態に係る第2評価手段による処理を説明する図である。
図13】本実施の形態に係る評価結果表示手段による処理を説明する図である。
図14】本実施の形態に係る評価結果表示手段による処理を説明する図である。
図15】本実施の形態に係る評価結果表示手段による処理を説明する図である。
図16】本実施の形態に係る資産対策提案装置のハードウエア構成例を示す図である。
図17】本実施の形態に係る資産対策提案装置による処理例の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る資産対策提案装置の動作原理)
【0012】
図1乃至15を用いて、本実施の形態に係る資産対策提案装置(以下、単に「本装置」という。)100の動作原理について説明する。図1は、本装置100と他装置との接続関係を示す図であり、図2は、本装置100の機能ブロック図である。図3乃至15は、本装置100が備える各構成要素の処理内容を説明するための図である。
【0013】
図1で示すように、本装置100は、通信ネットワーク400を介して、ユーザー端末220と接続される。通信ネットワーク400は、有線・無線どちらでも良い。ユーザー端末400は、スマートフォンやタブレット端末の様な携帯情報端末であっても良く、デスクトップ型やノート型の様なパーソナルコンピューターであっても良い。また、本装置100は、ユーザー端末400そのものとなる形態であっても良い。
【0014】
図2で示すように、本装置100は、ユーザー資産情報記憶手段110、第2ユーザー資産情報生成手段120、第1評価手段130、第2評価手段140、評価結果表示手段150、シナリオ適用結果表示手段160を有する。
【0015】
ユーザー資産情報記憶手段110は、第1ユーザー資産情報240を記憶する。第1ユーザー資産情報240は、ユーザー210の不動産260及び金融資産270に関する資産情報230について、資産識別情報280、不動産260又は金融資産270を識別する資産属性識別情報290、資産属性情報290毎に規定され、相続がスムーズに行われるか否かを判定するための評価観点毎の評点300、資産識別情報280で識別される資産(負債)の金額310を対応付ける情報である。
【0016】
図3で示すように、資産識別情報280とは、例えば、現預金・株式、自宅土地、自宅建物、土地(更地、農地)、生命保険、収益不動産:土地(駐車場)、収益不動産:土地+建物(アパート)、借入金のような情報である。資産識別情報280で識別される資産(負債)の金額310とは、例えば、0以上の数値で表される情報であって、単位は適宜設定可能である。金額310は、負債をマイナスの数値で表す形式としても良い。
【0017】
資産属性識別情報290とは、例えば、「不動産」「金融資産」の項目に対し、該当する項目には“1”を設定し、該当しない項目には“0”が設定されるような情報である。
【0018】
図3で示すように、相続がスムーズに行われるか否かを判定するための評価観点とは、例えば、資産属性識別情報290:不動産について、居住の有無、収益の有無、評価減の可能性の有無、借入の有無、リスクの大小、その他特別な事情の有無などの項目が想定され、該当する項目には“1”が設定され、該当しない項目には“0”が設定されるような情報であるこのとき設定される“1”、“0”が評点300である。
【0019】
また、上記の評価観点とは、例えば、資産属性識別情報290:金融資産について、処分容易性の高低、収益の有無、評価減の可能性の有無、その他特別な事情の有無などの項目が想定され、該当する項目には“1”が設定され、該当しない項目には“0”が設定されるような情報である。このとき設定される“1”、“0”が評点300である。この様な設定を行うことで、相続がスムーズに行われるか否かを多面的・多角的に評価することが可能となる。なお、ここに示した情報は例示であるため、その内容は適宜変更、修正して設定することができる。
【0020】
第2ユーザー資産情報生成手段120は、対策シナリオ320及び第1ユーザー資産情報240に基づいて、第2ユーザー資産情報250を生成する。対策シナリオ320は、相続をスムーズに行うことを目的として第1ユーザー資産情報240を組み替える規則である。第2ユーザー資産情報250は、対策シナリオ320に基づいて、第1ユーザー資産情報240の資産識別情報280及び対応する資産の金額310を組み替え、組み替え後の資産識別情報280に対応する資産属性識別情報290、評点300、資産の金額310を対応付ける情報である。
【0021】
対策シナリオ320は、複数設定され、例えば、“建物”、“購入”、“資産組替”、“土地活用”、“贈与(金融資産)”、“不動産贈与”、“法人設立”、“生命保険”、“遺言書”、“民事信託”等が想定されるが、これらに限られるものではない。
【0022】
図4で示す対策シナリオ320:“建物”とは、例えば、現預金で建物を建てるというものであり、具体的には、現預金を減算し、それに対応して収益不動産(建物)を加算するものであって、収益不動産の相続税評価額は、簿価の30%程度に低減される。
【0023】
同じく図4で示す対策シナリオ320:“購入”とは、例えば、現預金で収益不動産を購入するというものであり、具体的には、現預金を減算し、それに対応して収益不動産を加算するものであって、収益不動産の相続税評価額は、簿価の30%程度に低減される。
【0024】
また、図5で示す対策シナリオ320:“資産組替”とは、例えば、不動産を売却し、売却代金で収益不動産を購入するというものであり、具体的には、不動産を減算し、それに対応して収益不動産を加算するものであって、収益不動産の相続税評価額は、簿価の30%程度に低減される。
【0025】
図6で示す対策シナリオ320:“土地活用”とは、例えば、更地や自宅土地に収益不動産を建てるというものであり、具体的には、土地を減算し、それに対応して収益不動産を加算し、借入金を加算するものであって、収益不動産の借入金と同額部分について、相続税評価額が簿価の30%程度に低減される。
【0026】
第2ユーザー資産情報生成手段120による処理によって、複数の資産対策を一覧的に比較することができるようになり、以ってユーザー210各々に適する資産対策を判別し易くする。
【0027】
第1評価手段130は、第1ユーザー資産情報240及び第2ユーザー資産情報250それぞれについて、評価観点毎の評点300に評価観点毎に規定される所定の係数を乗じて算出された値の合計値として第1評価情報330を算出する。第1評価手段130は、全ての対策シナリオ320について生成される複数の第2ユーザー資産情報250それぞれに対して上記処理を行い、複数の第2ユーザー資産情報250それぞれについて第1評価情報330を算出する。
【0028】
第1評価手段130による処理によって、ユーザー210各々に適する資産対策320を選定するという観点において、個々の資産対策320による効果を総合的に評価することが可能となる。
【0029】
図3及び7で示すように、第1評価手段130は、例えば、第1ユーザー資産情報240について、評価観点:“居住の有無”の列の評点300の合計値“2(=1+1+0)”に係数“-5”を乗じて“-10”を算出する。続けて、第1評価手段130は、評価観点:“収益の有無”の列の評点300の合計値“0(=0+0+0)”に係数“10”を乗じて“0”を算出する。第1評価手段130は、評価観点:“評価減の可能性の有無”、“借入の有無”、“リスクの大小”、“その他特別な事情の有無”それぞれについて、同様の処理を行う。また、第1評価手段130は、資産属性識別情報290が“金融資産”の評価観点:“処分容易性の高低”、“収益の有無”、“評価減の可能性の有無”、“その他特別な事情の有無”それぞれについても、同様の処理を行う。
【0030】
そして、図7で示すように、第1評価手段130は、例えば、全ての評価観点について算出した値の合計値“-15”を算出し、その合計値を第1ユーザー資産情報240に関する第1評価情報330とする。
【0031】
図4及び7で示すように、第1評価手段130は、例えば、第2ユーザー資産情報250について、評価観点:“居住の有無”の列の評点300の合計値“2(=1+1+0+0)”に係数“-5”を乗じて“-10”を算出する。続けて、第1評価手段130は、評価観点:“収益の有無”の列の評点300の合計値“1(=0+0+0+1)”に係数“10”を乗じて“10”を算出する。第1評価手段130は、評価観点:“評価減の可能性の有無”、“借入の有無”、“リスクの大小”、“その他特別な事情の有無”それぞれについて、同様の処理を行う。また、第1評価手段130は、資産属性識別情報290が“金融資産”の評価観点:“処分容易性の高低”、“収益の有無”、“評価減の可能性の有無”、“その他特別な事情の有無”それぞれについても、同様の処理を行う。
【0032】
そして、図7で示すように、第1評価手段130は、例えば、全ての評価観点について算出した値の合計値“10”を算出し、その合計値を第2ユーザー資産情報250に関する第1評価情報330とする。
【0033】
図4、5及び6で示すように、第1評価手段130は、全ての対策シナリオ320について生成される複数の第2ユーザー資産情報250それぞれについて上記の処理を行い、複数の第2ユーザー資産情報250それぞれについて第1評価情報330を算出する。
【0034】
第2評価手段140は、第1ユーザー資産情報240及び第2ユーザー資産情報250それぞれについて、資産識別情報280毎に規定される相続税額350及び収益額360の試算規則に基づいて、相続税額350及び収益額360の試算額である第2評価情報340を算出する。第2評価手段140は、全ての対策シナリオ320について生成される複数の第2ユーザー資産情報250それぞれに対して上記処理を行い、複数の第2ユーザー資産情報250それぞれについて第2評価情報340を算出する。
【0035】
第2評価手段140による処理によって、ユーザー210各々に適する資産対策320を選定するという観点において、個々の資産対策320による効果を具体的に評価することが可能となる。
【0036】
相続税額350は、例えば、第2評価手段140の処理時点で有効な税法に基づいて試算される。収益額360は、例えば、年間や所定期間における収益計画に基づいて試算される。第2評価情報340は、試算される相続税額350及び収益額360に基づいて算出される指標であっても良い。第2評価情報340は、相続税額350及び収益額360の試算額を所定の規則に基づき正規化した情報とする形態であっても良い。
【0037】
評価結果表示手段150は、対策シナリオ320毎に、第1ユーザー資産情報240に関する第1評価情報330及び第2評価情報340を座標とする第1点370と、第2ユーザー資産情報250に関する第1評価情報330及び第2評価情報340を座標とする第2点380と、第1点370が第2点380に変移したことを示す変移記号390と、を2軸平面上に、対応する対策シナリオの識別情報320と共に表示させる。評価結果表示手段150は、ユーザー端末220上に表示させる形態としても良く、本装置100が備える表示装置470又は本装置100に接続される表示装置に表示させる形態としても良い。
【0038】
図13は、対策シナリオ320:“建物(又は購入)”についての評価結果表示手段150による表示結果例を示す図である。図7、10及び13で示すように、評価結果表示手段150は、例えば、第1点370:(第1評価情報330:“-15”,第2評価情報340:“0”)と、第2点380:(第1評価情報330:“10”,第2評価情報340:“15”)と、を2軸平面上に表示させる。加えて、評価結果表示手段150は、例えば、対策シナリオ320:“建物(又は購入)”を識別する情報320と共に、対策シナリオ320:“建物(又は購入)”を適用することによって、第1点370が第2点380に変位したことを示す変移記号390として“矢印”を表示させる。
【0039】
図14は、対策シナリオ320:“資産組替”についての評価結果表示手段150による表示結果例を示す図であり、図15は、対策シナリオ320:“土地活用”についての評価結果表示手段150による表示結果例を示す図である。図8、11及び14並びに9、12および15で示すように、評価結果表示手段150は、対策シナリオ320毎に、上記と同様の処理を行うことによって、第1点370:(第1評価情報330:“-15”,第2評価情報340:“0”)と、第2点380:(第1評価情報330:“5(0)”,第2評価情報340:“15(13)”)と、を2軸平面上に表示させる。加えて、評価結果表示手段150は、例えば、対策シナリオ:“資産組替(土地活用)”を識別する情報320と共に、それを適用することによって、第1点370が第2点380に変位したことを示す変移記号390として“矢印”を表示させる。
【0040】
評価結果表示手段150による処理によって、ユーザー210は、相続を見据えた資産対策において、複数の対策のうち自分にとって有効なものは何れかということについて、複数の基準に基づいて視覚的に比較・検討することができる。
【0041】
評価結果表示手段150は、第2評価情報340において相続税額350の削減幅・収益額360の増加幅が大きい対策シナリオ320の順に表示させる形態としても良い。つまり、評価結果表示手段150は、対策シナリオ320毎に、第1ユーザー資産情報240に関する第2評価情報340と第2ユーザー資産情報250に関する第2評価情報340とを比較し、その比較結果に基づいて、相続税額350の削減幅・収益額360の増加幅が大きい対策シナリオ320の順に表示させる。こうすることによって、ユーザー210が重要視する要素である相続税額350の削減幅・収益額360の増加幅が大きい順に表示を行うことができる。
評価結果表示手段150による処理によって、ユーザー210の相続を見据えた資産対策を視覚的により分かり易くすることができる。
【0042】
シナリオ適用結果表示手段160は、評価結果表示手段150による表示において一の対策シナリオの識別情報320が選択された場合、第1ユーザー資産情報240と、一の対策シナリオ320に基づき生成された第2ユーザー資産情報250と、を並列表示させる。加えて、シナリオ適用結果表示手段160は、第1ユーザー資産情報240に関する2評価情報340から、選択された対策シナリオ320に基づき生成された第2ユーザー資産情報250に関する2評価情報340へ、の変化の大きさを表示させる。
【0043】
シナリオ適用結果表示手段160の処理によって、ユーザー210は、選択した対策シナリオ320によって、自己の第1ユーザー資産情報240に如何なる資産対策が施されたのかを具体的に知ることができる。つまり、上記処理によってユーザー210は、自己の第1ユーザー資産情報240について、有効と思われる具体的な資産対策の内容を確認することができる。
【0044】
上記動作原理に基づいて、本装置100は、相談者であるユーザー210に対し、相続を見据えた資産対策について、対策の効果を視覚的に示しながら分かり易い提案を行うことができる。
(本実施の形態に係る資産対策提案装置のハードウエア構成)
【0045】
図16を用いて、本装置100のハードウエア構成例について説明する。図16は、本装置100のハードウエア構成の一例を示す図である。図16で示すように、本装置100は、CPU(Central Processing Unit)410、ROM(Read-Only Memory)420、RAM(Random Access Memory)430、補助記憶装置440、通信I/F450、入力装置460、出力装置470、記録媒体I/F480を有する。
【0046】
CPU410は、ROM420に記憶されたプログラムを実行する装置であり、RAM430に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、本装置100全体を制御する。ROM420は、CPU410が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM430は、CPU410でROM420に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0047】
補助記憶装置440は、基本ソフトウエアであるOS(Operating System)や本実施の形態に係るアプリケーションプログラムなどを、関連するデータとともに記憶する装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどである。
【0048】
通信I/F450は、有線・無線LAN(Local Area Network)、インターネットなどの通信ネットワーク400に接続し、通信機能を提供する他装置とデータの授受を行うためのインターフェースである。
【0049】
入力装置460は、キーボードやタッチパネルなど本装置100にデータ入力を行うための装置である。出力装置470は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される装置であり、本装置100が有する機能をユーザーが利用する際や各種設定を行う際のユーザーインターフェースとして機能する装置である。
記録媒体I/F480は、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリなどの記録媒体490とデータの送受信を行うためのインターフェースである。
【0050】
本装置100が有する各手段は、CPU410が、ROM420又は補助記憶装置440に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現される形態としても良い。また、本装置100が有する各手段は、当該各手段に関する処理をハードウエアとして実現される形態としても良い。また、通信I/F450を介して外部サーバー装置から本発明に係るプログラムを読み込ませたり、記録媒体I/F480を介して記録媒体490から本発明に係るプログラムを読み込ませたりして、本装置100に当該プログラムを実行させる形態としても良い。
(本実施の形態に係る資産対策提案装置による処理例)
図17を用いて、本装置100による処理例について説明する。図17は、本装置100による処理例の流れを示すフローチャートである。
【0051】
S10で本装置100が、ユーザー端末210や入力装置460等から第1ユーザー資産情報240を受け付ける。第1ユーザー資産情報240は、ユーザー210の不動産260及び金融資産270に関する資産情報230について、資産識別情報280、不動産260又は金融資産270を識別する資産属性識別情報290、資産属性情報290毎に規定され、相続がスムーズに行われるか否かを判定するための評価観点毎の評点300、資産識別情報280で識別される資産(負債)の金額310を対応付ける情報である。
【0052】
図3で示すように、資産識別情報280とは、例えば、現預金・株式、自宅土地、自宅建物、土地(更地、農地)、生命保険、収益不動産:土地(駐車場)、収益不動産:土地+建物(アパート)、借入金のような情報である。資産識別情報280で識別される資産(負債)の金額310とは、例えば、0以上の数値で表される情報であって、単位は適宜設定可能である。金額310は、負債をマイナスの数値で表す形式としても良い。
【0053】
資産属性識別情報290とは、例えば、「不動産」「金融資産」の項目に対し、該当する項目には“1”を設定し、該当しない項目には“0”が設定されるような情報である。
【0054】
図3で示すように、相続がスムーズに行われるか否かを判定するための評価観点とは、例えば、資産属性識別情報290:不動産について、居住の有無、収益の有無、評価減の可能性の有無、借入の有無、リスクの大小、その他特別な事情の有無などの項目が想定され、該当する項目には“1”が設定され、該当しない項目には“0”が設定されるような情報であるこのとき設定される“1”、“0”が評点300である。
【0055】
また、上記の評価観点とは、例えば、資産属性識別情報290:金融資産について、処分容易性の高低、収益の有無、評価減の可能性の有無、その他特別な事情の有無などの項目が想定され、該当する項目には“1”が設定され、該当しない項目には“0”が設定されるような情報である。このとき設定される“1”、“0”が評点300である。なお、ここに示した情報は例示であるため、その内容は適宜変更、修正して設定することができる。
なお、S10において受け付けた第1ユーザー資産情報240は、ユーザー資産情報記憶手段110に登録される。
【0056】
S20で第2ユーザー資産情報生成手段120が、対策シナリオ320及び第1ユーザー資産情報240に基づいて、第2ユーザー資産情報250を生成する。対策シナリオ320は、相続をスムーズに行うことを目的として第1ユーザー資産情報240を組み替える規則である。第2ユーザー資産情報250は、対策シナリオ320に基づいて、第1ユーザー資産情報240の資産識別情報280及び対応する資産の金額310を組み替え、組み替え後の資産識別情報280に対応する資産属性識別情報290、評点300、資産の金額310を対応付ける情報である。
【0057】
対策シナリオ320は、複数設定され、例えば、“建物”、“購入”、“資産組替”、“土地活用”、“贈与(金融資産)”、“不動産贈与”、“法人設立”、“生命保険”、“遺言書”、“民事信託”等が想定されるが、これらに限られるものではない。
【0058】
図4で示す対策シナリオ320:“建物”とは、例えば、現預金で建物を建てるというものであり、具体的には、現預金を減算し、それに対応して収益不動産(建物)を加算するものであって、収益不動産の相続税評価額は、簿価の30%程度に低減される。
【0059】
同じく図4で示す対策シナリオ320:“購入”とは、例えば、現預金で収益不動産を購入するというものであり、具体的には、現預金を減算し、それに対応して収益不動産を加算するものであって、収益不動産の相続税評価額は、簿価の30%程度に低減される。
【0060】
また、図5で示す対策シナリオ320:“資産組替”とは、例えば、不動産を売却し、売却代金で収益不動産を購入するというものであり、具体的には、不動産を減算し、それに対応して収益不動産を加算するものであって、収益不動産の相続税評価額は、簿価の30%程度に低減される。
【0061】
図6で示す対策シナリオ320:“土地活用”とは、例えば、更地や自宅土地に収益不動産を建てるというものであり、具体的には、土地を減算し、それに対応して収益不動産を加算し、借入金を加算するものであって、収益不動産の借入金と同額部分について、相続税評価額が簿価の30%程度に低減される。
【0062】
S30で第1評価手段130が、第1ユーザー資産情報240及び第2ユーザー資産情報250それぞれについて、評価観点毎の評点300に評価観点毎に規定される所定の係数を乗じて算出された値の合計値として第1評価情報330を算出する。第1評価手段130は、全ての対策シナリオ320について生成される複数の第2ユーザー資産情報250それぞれに対して上記処理を行い、複数の第2ユーザー資産情報250それぞれについて第1評価情報330を算出する。
【0063】
図3及び7で示すように、第1評価手段130は、例えば、第1ユーザー資産情報240について、評価観点:“居住の有無”の列の評点300の合計値“2(=1+1+0)”に係数“-5”を乗じて“-10”を算出する。続けて、第1評価手段130は、評価観点:“収益の有無”の列の評点300の合計値“0(=0+0+0)”に係数“10”を乗じて“0”を算出する。第1評価手段130は、評価観点:“評価減の可能性の有無”、“借入の有無”、“リスクの大小”、“その他特別な事情の有無”それぞれについて、同様の処理を行う。また、第1評価手段130は、資産属性識別情報290が“金融資産”の評価観点:“処分容易性の高低”、“収益の有無”、“評価減の可能性の有無”、“その他特別な事情の有無”それぞれについても、同様の処理を行う。
【0064】
そして、図7で示すように、第1評価手段130は、例えば、全ての評価観点について算出した値の合計値“-15”を算出し、その合計値を第1ユーザー資産情報240に関する第1評価情報330とする。
【0065】
図4及び7で示すように、第1評価手段130は、例えば、第2ユーザー資産情報250について、評価観点:“居住の有無”の列の評点300の合計値“2(=1+1+0+0)”に係数“-5”を乗じて“-10”を算出する。続けて、第1評価手段130は、評価観点:“収益の有無”の列の評点300の合計値“1(=0+0+0+1)”に係数“10”を乗じて“10”を算出する。第1評価手段130は、評価観点:“評価減の可能性の有無”、“借入の有無”、“リスクの大小”、“その他特別な事情の有無”それぞれについて、同様の処理を行う。また、第1評価手段130は、資産属性識別情報290が“金融資産”の評価観点:“処分容易性の高低”、“収益の有無”、“評価減の可能性の有無”、“その他特別な事情の有無”それぞれについても、同様の処理を行う。
【0066】
そして、図7で示すように、第1評価手段130は、例えば、全ての評価観点について算出した値の合計値“10”を算出し、その合計値を第2ユーザー資産情報250に関する第1評価情報330とする。
【0067】
図4、5及び6で示すように、第1評価手段130は、全ての対策シナリオ320について生成される複数の第2ユーザー資産情報250それぞれについて上記の処理を行い、複数の第2ユーザー資産情報250それぞれについて第1評価情報330を算出する。
【0068】
S40で第2評価手段140が、第1ユーザー資産情報240及び第2ユーザー資産情報250それぞれについて、資産識別情報280毎に規定される相続税額350及び収益額360の試算規則に基づいて、相続税額350及び収益額360の試算額である第2評価情報340を算出する。第2評価手段140は、全ての対策シナリオ320について生成される複数の第2ユーザー資産情報250それぞれに対して上記処理を行い、複数の第2ユーザー資産情報250それぞれについて第2評価情報340を算出する。
【0069】
相続税額350は、例えば、第2評価手段140の処理時点で有効な税法に基づいて試算される。収益額360は、例えば、年間や所定期間における収益計画に基づいて試算される。第2評価情報340は、試算される相続税額350及び収益額360に基づいて算出される指標であっても良い。第2評価情報340は、相続税額350及び収益額360の試算額を所定の規則に基づき正規化した情報とする形態であっても良い。
【0070】
S50で評価結果表示手段150が、対策シナリオ320毎に、第1ユーザー資産情報240に関する第1評価情報330及び第2評価情報340を座標とする第1点370と、第2ユーザー資産情報250に関する第1評価情報330及び第2評価情報340を座標とする第2点380と、第1点370が第2点380に変移したことを示す変移記号390と、を2軸平面上に、対応する対策シナリオの識別情報320と共に表示させる。評価結果表示手段150は、ユーザー端末220上に表示させる形態としても良く、本装置100が備える表示装置470又は本装置100に接続される表示装置に表示させる形態としても良い。
【0071】
図13は、対策シナリオ320:“建物(又は購入)”についての評価結果表示手段150による表示結果例を示す図である。図7、10及び13で示すように、評価結果表示手段150は、例えば、第1点370:(第1評価情報330:“-15”,第2評価情報340:“0”)と、第2点380:(第1評価情報330:“10”,第2評価情報340:“15”)と、を2軸平面上に表示させる。加えて、評価結果表示手段150は、例えば、対策シナリオ320:“建物(又は購入)”を識別する情報320と共に、対策シナリオ320:“建物(又は購入)”を適用することによって、第1点370が第2点380に変位したことを示す変移記号390として“矢印”を表示させる。
【0072】
図14は、対策シナリオ320:“資産組替”についての評価結果表示手段150による表示結果例を示す図であり、図15は、対策シナリオ320:“土地活用”についての評価結果表示手段150による表示結果例を示す図である。図8、11及び14並びに9、12および15で示すように、評価結果表示手段150は、対策シナリオ320毎に、上記と同様の処理を行うことによって、第1点370:(第1評価情報330:“-15”,第2評価情報340:“0”)と、第2点380:(第1評価情報330:“5(0)”,第2評価情報340:“15(13)”)と、を2軸平面上に表示させる。加えて、評価結果表示手段150は、例えば、対策シナリオ:“資産組替(土地活用)”を識別する情報320と共に、それを適用することによって、第1点370が第2点380に変位したことを示す変移記号390として“矢印”を表示させる。
【0073】
評価結果表示手段150による処理によって、ユーザー210は、相続を見据えた資産対策において、複数の対策のうち自分にとって有効なものは何れかということについて、複数の基準に基づいて視覚的に比較・検討することができる。
【0074】
評価結果表示手段150は、第2評価情報340において相続税額350の削減幅・収益額360の増加幅が大きい対策シナリオ320の順に表示させる形態としても良い。つまり、評価結果表示手段150は、対策シナリオ320毎に、第1ユーザー資産情報240に関する第2評価情報340と第2ユーザー資産情報250に関する第2評価情報340とを比較し、その比較結果に基づいて、相続税額350の削減幅・収益額360の増加幅が大きい対策シナリオ320の順に表示させる。こうすることによって、ユーザー210が重要視する要素である相続税額350の削減幅・収益額360の増加幅が大きい順に表示を行うことができる。
評価結果表示手段150による処理によって、ユーザー210の相続を見据えた資産対策を視覚的により分かり易くすることができる。
【0075】
S60でシナリオ適用結果表示手段160が、評価結果表示手段150による表示において一の対策シナリオの識別情報320が選択された場合、第1ユーザー資産情報240と、一の対策シナリオ320に基づき生成された第2ユーザー資産情報250と、を並列表示させる。加えて、シナリオ適用結果表示手段160は、第1ユーザー資産情報240に関する2評価情報340から、選択された対策シナリオ320に基づき生成された第2ユーザー資産情報250に関する2評価情報340へ、の変化の大きさを表示させる。
【0076】
シナリオ適用結果表示手段160の処理によって、ユーザー210は、選択した対策シナリオ320によって、自己の第1ユーザー資産情報240に如何なる資産対策が施されたのかを具体的に知ることができる。つまり、上記処理によってユーザー210は、自己の第1ユーザー資産情報240について、有効と思われる具体的な資産対策の内容を確認することができる。
【0077】
上記のような処理を行うことによって、本装置100は、相談者であるユーザー210に対し、相続を見据えた資産対策について、対策の効果を視覚的に示しながら分かり易い提案を行うことができる。
【0078】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0079】
100 資産対策提案装置
110 ユーザー資産情報記憶手段
120 第2ユーザー資産情報生成手段
130 第1評価手段
140 第2評価手段
150 評価結果表示手段
160 シナリオ適用結果表示手段
210 ユーザー
220 ユーザー端末
230 ユーザー資産情報
240 第1ユーザー資産情報
250 第2ユーザー資産情報
260 ユーザーが保有する不動産
270 ユーザーが保有する金融資産
280 資産識別情報
290 資産属性識別情報
300 評価観点毎の評点
310 資産(負債)の金額
320 対策シナリオ(の識別情報)
330 第1評価情報
340 第2評価情報
350 相続税額
360 収益額
370 第1点
380 第2点
390 変移記号
400 通信ネットワーク
410 CPU
420 ROM
430 RAM
440 補助記憶装置
450 通信インターフェース
460 入力装置
470 出力装置
480 記憶媒体インターフェース
490 記憶媒体

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17