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7500114一体型自着の耐揺れ縦方向三次元免震システム
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  • -一体型自着の耐揺れ縦方向三次元免震システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】一体型自着の耐揺れ縦方向三次元免震システム
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/04 20060101AFI20240610BHJP
   F16F 15/08 20060101ALI20240610BHJP
   E04H 9/02 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
F16F15/04 P
F16F15/08 X
E04H9/02 331A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023503411
(86)(22)【出願日】2021-03-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 CN2021081698
(87)【国際公開番号】W WO2022027974
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】202010773317.4
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516214168
【氏名又は名称】上海大学
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No.99 Shangda Road, Baoshan District, Shanghai 200444, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン ムーフェン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ウェングゥァン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ヘー ウェンフー
(72)【発明者】
【氏名】ヂァン ヂィァン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン チァォロン
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108867883(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111411714(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108842923(CN,A)
【文献】特開2017-089861(JP,A)
【文献】特開2013-253412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/04
F16F 15/08
E04H 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体型自着の耐揺れ縦方向三次元免震システムであって、上部カバープレート(100)、縦方向支持材(200)及び接続部材を含み、前記縦方向支持材(200)は上部カバープレート(100)の下方に設けられ、前記縦方向支持材(200)は複数設けられ、複数の前記縦方向支持材(200)は矩形アレイ状に分布しており、前記縦方向支持材(200)は下部ベース(210)、上部シリンダ(220)、第1の積層ゴム支持材(230)、接続柱(240)及び複数の第2の積層ゴム支持材(250)を含み、前記第1の積層ゴム支持材(230)の両端は上部カバープレート(100)及び上部シリンダ(220)にそれぞれ固定的に接続され、前記接続柱(240)は下部ベース(210)に固定的に接続され、前記接続柱(240)は上部シリンダ(220)内に設けられ且つ上部シリンダ(220)との間に相対的な空間があり、複数の前記第2の積層ゴム支持材(250)の両端は上部シリンダ(220)の内部側壁及び接続柱(240)の側壁にそれぞれ固定的に接続され、隣接する前記縦方向支持材(200)の上部シリンダ(220)は接続部材を介して固定的に接続される、ことを特徴とする一体型自着の耐揺れ縦方向三次元免震システム。
【請求項2】
前記接続部材は接続プレート(310)であり、前記接続プレート(310)に複数の貫通孔が開設され、前記貫通孔は縦方向支持材(200)と1対1に対応し、前記上部シリンダ(220)は貫通孔を貫通して接続プレート(310)に固定的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の一体型自着の耐揺れ縦方向三次元免震システム。
【請求項3】
前記接続部材は第1の接続ビーム(320)を含み、前記接続部材は複数設けられ、前記接続部材は隣接する2つの縦方向支持材(200)の間に設けられ、前記第1の接続ビーム(320)の両端は異なる縦方向支持材(200)に位置する上部シリンダ(220)にそれぞれ固定的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の一体型自着の耐揺れ縦方向三次元免震システム。
【請求項4】
前記接続部材はさらに第2の接続ビーム(330)を含み、前記第2の接続ビーム(330)は第1の接続ビーム(320)と相互に平行に設けられており、前記第2の接続ビーム(330)の両端は異なる縦方向支持材(200)に位置する上部シリンダ(220)にそれぞれ固定的に接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の一体型自着の耐揺れ縦方向三次元免震システム。
【請求項5】
前記一体型自着の耐揺れ縦方向三次元免震システムはさらに複数のサブ接続ビーム(340)を含み、複数のサブ接続ビーム(340)は直線アレイで分布しており、前記サブ接続ビーム(340)の両端は2つの第1の接続ビーム(320)にそれぞれ固定的に接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の一体型自着の耐揺れ縦方向三次元免震システム。
【請求項6】
前記第1の接続ビーム(320)の上端にビームプレート(350)が設けられ、前記ビームプレート(350)に複数の貫通孔が開設され、前記貫通孔は縦方向支持材(200)と1対1に対応し、前記上部シリンダ(220)はビームプレート(350)の貫通孔を貫通し、前記ビームプレート(350)の下面はサブ接続ビーム(340)及び第1の接続ビーム(320)にそれぞれ固定的に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の一体型自着の耐揺れ縦方向三次元免震システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は免震技術の分野に関し、特に一体型自着の耐揺れ縦方向三次元免震システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、工事に応用されている三次元免震のタイプは、主に単一の支持材を用いて組み立てられ、単一の組み立て支持材には縦方向免震と水平免震が含まれるが、縦方向免震支持材は水平免震支持材に対して体積が大きく、空間を占めるため、建物免震を実現する過程において、支持材の分布に不利であり、全体的な揺れ防止などの機能も有さない。従来の三次元免震は、通常、単一の組み立て支持材で実現され、単一の組み立て支持材を使用すると揺れの問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術に存在する1つ又は複数の技術的問題を解決し、少なくとも有益な選択又は創造条件を提供するために、一体型自着の耐揺れ縦方向三次元免震システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一体型自着の耐揺れ縦方向三次元免震システムであって、上部カバープレート、縦方向支持材及び接続部材を含み、前記縦方向支持材は上部カバープレートの下方に設けられ、前記縦方向支持材は複数設けられ、複数の前記縦方向支持材は矩形アレイ状に分布しており、前記縦方向支持材は下部ベース、上部シリンダ、第1の積層ゴム支持材、接続柱及び複数の第2の積層ゴム支持材を含み、前記第1の積層ゴム支持材の両端は上部カバープレート及び上部シリンダにそれぞれ固定的に接続され、前記接続柱は下部ベースに固定的に接続され、前記接続柱は上部シリンダ内に設けられ且つ上部シリンダとの間に相対的な空間があり、複数の前記第2の積層ゴム支持材の両端は上部シリンダの内部側壁及び接続柱の側壁にそれぞれ固定的に接続され、隣接する前記縦方向支持材の上部シリンダは接続部材を介して固定的に接続される。
【0005】
上記の解決手段によれば、単一の縦方向支持材は、優れた単体の機械的特性を有することができるが、建物又は大型の機械が振動する場合、全体の機械的特性を考慮する必要があることが多いため、システムの水平及び縦方向は異なる作用力を受け、水平方向の作用力と縦方向の作用力とが結合し、免震システムの揺れを引き起こし、揺れが発生した場合、建物又は大型の機械又は対応する免震システムの損傷を回避するために、免震システムは、より高い揺れに対する剛性を有することが必要である。複数の縦方向支持材のアレイ分布及び接続部材の設置は上部カバープレートに三次元の免震を提供することができ、単一の縦方向支持材を使用することに比べ、複数の縦方向支持材を使用して接続してシステム全体の耐揺れ性能を顕著に向上させることができ、且つ接続部材によって各縦方向支持材の間の相対位置を固定し、複数の縦方向支持材を免震システムに構成させ、接続フレーム及び上部カバープレートの耐揺れ性能を効果的に強化することができる。
【0006】
上記技術的解決手段の更なる改善として、前記接続部材は接続プレートであり、前記接続プレートに複数の貫通孔が開設され、前記貫通孔は縦方向支持材と1対1に対応し、前記上部シリンダは貫通孔を貫通して接続プレートに固定的に接続される。
【0007】
上記技術的解決手段の更なる改善として、前記接続部材は第1の接続ビームを含み、前記接続部材は複数設けられ、前記接続部材は隣接する2つの縦方向支持材の間に設けられ、前記第1の接続ビームの両端は異なる縦方向支持材に位置する上部シリンダにそれぞれ固定的に接続される。
【0008】
上記技術的解決手段の更なる改善として、前記接続部材はさらに第2の接続ビームを含み、前記第2の接続ビームは第1の接続ビームと相互に平行に設けられており、前記第2の接続ビームの両端は異なる縦方向支持材に位置する上部シリンダにそれぞれ固定的に接続される。
【0009】
上記技術的解決手段の更なる改善として、前記耐震耐揺れシステムはさらに複数のサブ接続ビームを含み、複数のサブ接続ビームは直線アレイで分布しており、前記サブ接続ビームの両端は2つの第1の接続ビームにそれぞれ固定的に接続される。
【0010】
上記技術的解決手段の更なる改善として、前記第1の接続ビームの上端にビームプレートが設けられ、前記ビームプレートに複数の貫通孔が開設され、前記貫通孔は縦方向支持材と1対1に対応し、前記上部シリンダはビームプレートの貫通孔を貫通し、前記ビームプレートの下面はサブ接続ビーム及び第1の接続ビームにそれぞれ固定的に接続される。
【0011】
本発明は、免震技術の分野に用いられる。
【0012】
本発明の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例の説明に用いる必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、記載された図面は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではなく、当業者は創造的な労働をしない前提で、さらにこれらの図面に基づいて他の設計手段及び図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例1の断面構造の概略図である。
図2】本発明の実施例の第1の積層ゴム支持材を取り除いた縦方向支持材の断面構造の概略図である。
図3】本発明の実施例2の断面構造の概略図である。
図4】本発明の実施例3の上部カバープレートを取り除いた後の全体構造概略図である。
図5】本発明の実施例4の上部カバープレートを取り除いた後の全体構造概略図である。
図6】本発明の実施例5の断面構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の目的、特徴及び効果を十分に理解するために、以下では実施例及び図面を参照しながら本発明の概念、具体的な構造及び生成した技術的効果を明瞭、完全に説明する。明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではなく、本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労働をしない前提で得た他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。さらに、本明細書で言及される全ての連結/接続関係は、部材が直接的に接合されることを意味するのではなく、具体的な実施形態に応じて、連結補助部材を追加又は削減することによって、より最適な連結構造を構成することができることを意味する。本発明における各技術的特徴は、相互に矛盾しない限り、相互に組み合わせることができる。
【0015】
(実施例1)
図1及び図2を参照すると、一体型自着の耐揺れ縦方向三次元免震システムであって、上部カバープレート100、縦方向支持材200及び接続部材を含み、縦方向支持材200は上部カバープレート100の下方に設けられ、縦方向支持材200は複数設けられ、複数の縦方向支持材200は矩形アレイ状に分布しており、縦方向支持材200は下部ベース210、上部シリンダ220、第1の積層ゴム支持材230、接続柱240及び4つの第2の積層ゴム支持材250を含み、第1の積層ゴム支持材230の両端は上部カバープレート100及び上部シリンダ220にそれぞれ固定的に接続され、上部シリンダ220は上端が閉塞された矩形のシリンダ状構造であり、接続柱240は下部ベース210に固定的に接続され、接続柱240は上部シリンダ220内に設けられ且つ上部シリンダ220内を滑り、4つの第2の積層ゴム支持材250の両端は上部シリンダ220の内部側壁及び接続柱240の側壁にそれぞれ固定的に接続され、隣接する縦方向支持材200の上部シリンダ220は接続部材を介して固定的に接続される。
【0016】
接続部材は接続プレート310として設けられ、接続プレート310に複数の貫通孔が開設され、貫通孔は縦方向支持材200と1対1に対応し、縦方向支持材200の上部シリンダ220は貫通孔を貫通して接続プレート310に固定的に接続される。
【0017】
(実施例2)
図3を参照すると、前の実施例と異なるのは次のとおりであり、本実施例の接続部材は第1の接続ビーム320であり、第1の接続ビーム320は隣接する2つの縦方向支持材200の間に設けられ、第1の接続ビーム320の両端は2つの縦方向支持材200に位置する上部シリンダ220にそれぞれ固定的に接続される。
【0018】
(実施例3)
図4を参照すると、前の実施例と異なるのは次のとおりであり、本実施例の接続部材は第1の接続ビーム320及び第2の接続ビーム330を含み、第1の接続ビーム320は第2の接続ビーム330と相互に平行に設けられており、第1の接続ビーム320の両端は隣接する縦方向支持材200の上部シリンダ220にそれぞれ固定的に接続され、第2の接続ビーム330の両端は隣接する縦方向支持材200の上部シリンダ220にそれぞれ固定的に接続される。
【0019】
(実施例4)
図5を参照すると、前の実施例と異なるのは次のとおりであり、本実施例の接続部材は第1の接続ビーム320であり、第1の接続ビーム320の両端は隣接する縦方向支持材200の上部シリンダ220にそれぞれ固定的に接続され、本実施例の新規な一体型耐震耐揺れシステムはさらにサブ接続ビーム340を含み、サブ接続ビーム340は直線アレイで分布しており、サブ接続ビーム340の両端はそのうちの2つの対向する第1の接続ビーム320にそれぞれ固定的に接続される。
【0020】
(実施例5)
図6を参照すると、前の実施例と異なるのは次のとおりであり、本実施例の接続部材は第1の接続ビーム320であり、第1の接続ビーム320の両端は隣接する縦方向支持材200の上部シリンダ220にそれぞれ固定的に接続され、本実施例の新規な一体型耐震耐揺れシステムはさらにサブ接続ビーム340を含み、サブ接続ビーム340は直線アレイで分布しており、サブ接続ビーム340の両端はそのうちの2つの対向する第1の接続ビーム320にそれぞれ固定的に接続される。第1の接続ビーム320の上方にさらにビームプレート350が設けられ、ビームプレート350はサブ接続ビーム340及び第1の接続ビーム320に固定的に接続される。ビームプレート350に複数の貫通孔が開設され、貫通孔は縦方向支持材200と1対1に対応し、上部シリンダ220はビームプレート350の貫通孔を貫通し、ビームプレート350の下面はサブ接続ビーム340及び第1の接続ビーム320にそれぞれ固定的に接続される。
【0021】
以上、本発明の好ましい実施例について具体的に説明したが、本発明は前記実施例に制限されるものではなく、当業者であれば本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の等価変形や置換を行うことができ、これらの等価変形や置換はいずれも本願の特許請求の範囲に定義された範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0022】
100 上部カバープレート、200 縦方向支持材、210 下部ベース、220 上部シリンダ、230 第1の積層ゴム支持材、240 接続柱、250 第2の積層ゴム支持材、310 接続プレート、320 第1の接続ビーム、330 第2の接続ビーム、340 サブ接続ビーム、350 ビームプレート。
図1
図2
図3
図4
図5
図6