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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】表示灯
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20240610BHJP
   A62C 13/76 20060101ALI20240610BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240610BHJP
【FI】
G08B17/00 G
G08B17/00 H
A62C13/76 G
F21S2/00 663
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018199141
(22)【出願日】2018-10-23
(65)【公開番号】P2020067746
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-09-16
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】楠見 真希
(72)【発明者】
【氏名】菊池 浩生
(72)【発明者】
【氏名】松熊 秀成
(72)【発明者】
【氏名】樋口 豊
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】山中 実
【審判官】土居 仁士
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-229108(JP,A)
【文献】特開2001-14904(JP,A)
【文献】特開2011-86224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00, A62C 13/76, F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消防用設備の位置を示す表示灯であって、
正面視で略矩形状であり、取付面に対して略面一な板状に形成される表面部材と、
前記表面部材の裏側に、発光部と、少なくとも一部に曲面を有する鏡面と、が配された収納部と、を備え、
前記鏡面の少なくとも一部が、前記発光部より前記表面部材から遠ざかる奥側に配され、
前記発光部の光が、
前記発光部から前記表面部材に対して近づく方向に進み前記表面部材を通過する光と、
前記発光部から前記表面部材に対して遠ざかる方向に進み前記鏡面で反射した後に前記表面部材を通過する光と、を含むように前記発光部と前記鏡面とを構成し
前記発光部は、
前記発光部から前記表面部材に対して近づく方向に進み前記表面部材を通過する光の光源となる第1光源と、
前記発光部から前記表面部材に対して遠ざかる方向に進み前記鏡面で反射した後に前記表面部材を通過する光の光源となる第2光源と、
前記第1光源と、前記第2光源との角度を調節可能な角度調節機構と、を備えることを特徴とする表示灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災報知設備および消火設備に用いられる表示灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火災発信機などを備えた機器収納箱や消火栓箱などには赤色点灯する表示灯が設けられている。従来の表示灯は、形状が円形であること、前面投影面積が28cm2以上で、かつ、側面投影面積が前面投影面積の4分の1以上であること、といった形状の制約が消防庁告示に規定されていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-76558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、平成30年6月に上記消防庁告示が改定され、上記制約が無くなった。そこで、以前から表示灯の見栄えなどについて改善の余地があったため、従来とは形状の異なる表示灯の設置が要望されていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、意匠性を配慮した表示灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示灯は、消防用設備の位置を示す表示灯であって、正面視で略矩形状であり、取付面に対して略面一な板状に形成される表面部材と、前記表面部材の裏側に、発光部と、少なくとも一部に曲面を有する鏡面と、が配された収納部と、を備え、前記鏡面の少なくとも一部が、前記発光部より前記表面部材から遠ざかる奥側に配され、前記発光部の光が、前記発光部から前記表面部材に対して近づく方向に進み前記表面部材を通過する光と、前記発光部から前記表面部材に対して遠ざかる方向に進み前記鏡面で反射した後に前記表面部材を通過する光と、を含むように前記発光部と前記鏡面とを構成し、前記発光部は、前記発光部から前記表面部材に対して近づく方向に進み前記表面部材を通過する光の光源となる第1光源と、前記発光部から前記表面部材に対して遠ざかる方向に進み前記鏡面で反射した後に前記表面部材を通過する光の光源となる第2光源と、前記第1光源と、前記第2光源との角度を調節可能な角度調節機構と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、意匠性を配慮した表示灯を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る屋内消火栓の正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る表示灯の視認範囲を示す図(概略平面図)である。
図3】本発明の一実施形態に係る表示灯の図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A線に沿う断面図、(c)は表面部材を取り外した状態の斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る表示灯の図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のB-B線に沿う断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る表示灯の図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のC-C線に沿う断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る表示灯付発信機の正面図である。
図7図6のD-D線に沿う断面図であり、光の照射方向を示した図である。
図8】本発明の一実施形態に係る表示灯付発信機の別の形態(1)を示す正面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る表示灯の別の形態を示す断面図である。
図10】本発明の一実施形態に係る光源の別の形態を示す部分斜視図である。
図11】本発明の一実施形態に係る表示灯付発信機の別の形態(2)を示す正面図である。
図12】本発明の一実施形態に係る表示灯付発信機の別の形態(3)を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る表示灯、表示灯付発信機および発信機について説明する。
図1は、本実施形態に係る屋内消火栓の正面図である。図1に示すように、屋内消火栓1は、建物内などにおける所定の位置に設置されている。屋内消火栓1は、屋内消火栓ボックス11の内部に消防用ホース(不図示)や開閉弁(不図示)などが収納されている。消防用ホースや開閉弁が収納された部分の前面には消火栓扉3が設けられている。消火栓扉の直上には、表示灯10、発信機12、ベル14が配設されている。
【0017】
表示灯10は、屋内消火栓設備などの消防用設備の位置を示す目的で、当該消防用設備の直近に設置されている。
発信機12は、自動火災報知設備の一つとして人の目につきやすい場所に設置されている。発信機12は、火災が発生したときに、押しボタン5を手動で押すことにより、受信機(不図示)に火災信号が送られたり、屋内消火栓のポンプを起動させたりすることができるようになっている。
ベル14は、火災が発生したときに、警報音を鳴動させることにより、周囲の人に火災発生を知らせるものである。
【0018】
(表示灯)
図2に示すように、表示灯10は、赤色の灯火で、取付面15と15°以上の角度となる方向に沿って10m離れたところから点灯していることが容易に識別できるように設置する必要がある(消防法施行規則)。
【0019】
図3に示すように、本実施形態の表示灯10は、正面視で略矩形状の表面部材21を備えている。表面部材21は、取付面15に対して略面一な板状に形成されている。表面部材21は、例えば、光透過性のある赤色の樹脂板で形成されている。表面部材21の裏側(内部空間)に、光源(発光部)27が配される収納部25が設けられている。収納部25は、半円筒形状に形成されている。
【0020】
収納部25には、LEDなどの光源(発光部)27が配されている。本実施形態では、光源27は収納部25内における左右端部近傍、かつ、取付面15の近傍(表面部材21側)に配置されている。光源27は、収納部25内の上下方向略全長に亘って配置されている。正面視で左側に配されている光源を左側光源28、右側に配されている光源を右側光源29とする。
【0021】
収納部25は、半円筒状の空間が形成されている。収納部25の内面25aは、例えば、軟質の鏡面シートが貼着され、鏡面仕上げが施されている。
【0022】
左側光源28は、例えば、表面部材21側を直接指向するように配された第一光源28aおよび収納部25の内面25aを指向するように配された第二光源28bが設けられている。
【0023】
第一光源28aは、取付面15とのなす角度が15°以下になるように右方向に照射されている。第二光源28bは、収納部25の内面25aで反射された後、第一光源の光よりも正面側に照射されるように構成されている。
【0024】
右側光源29は、例えば、表面部材21側を直接指向するように配された第三光源29aおよび収納部25の内面25aを指向するように配された第四光源29bが設けられている。
【0025】
第三光源29aは、取付面15とのなす角度が15°以下になるように左方向に照射されている。第四光源29bは、収納部25の内面25aで反射された後、第三光源の光よりも正面側に照射されるように構成されている。
【0026】
このように構成することで、表示灯10は、正面から見た形状(表面部材21の形状)が矩形状の外観を実現でき、かつ、側面から見たとき取付面15と略面一のスッキリとした外観を実現することができる。
【0027】
なお、表示灯は、正面視矩形状に代えて円形状とし、半球形状の凹部となる収納部としてもよい。このように構成することで、表示灯は、正面から見た形状(表面部材21の形状)が円形または矩形状の外観を実現でき、状況に合わせることが可能になり、かつ、側面から見たとき取付面15と略面一のスッキリとした外観を実現することができる。
【0028】
(変形例1)
図4に示す表示灯30は、正面視で略矩形状の表面部材31を備えている。表面部材31は、取付面15に対して突出した湾曲面を有した形状に形成されている。表面部材31は、例えば、光透過性のある赤色の樹脂板で形成されている。表面部材31の裏側(内部空間)に、光源(発光部)37が配される収納部35が形成されている。収納部35は、直方体の角筒形状に形成されている。
【0029】
収納部35には、LEDなどの光源37が配されている。本実施形態では、光源37は収納部35内における左右端部近傍、かつ、平面視で取付面15の近傍(表面部材31側)に配置されている。光源37は、収納部35内の上下方向略全長に亘って配置されている。正面視で左側に配されている光源を左側光源38、右側に配されている光源を右側光源39とする。
【0030】
左側光源38は、例えば、取付面15とのなす角度が15°以下になるように右方向に照射される第一光源38aと、第一光源38aの光よりも正面側に照射される第二光源38bと、を備えている。
【0031】
右側光源29は、例えば、取付面15とのなす角度が15°以下になるように左方向に照射される第三光源39aと、第三光源39aの光よりも正面側に照射される第四光源39bと、を備えている。
【0032】
このように構成することで、表示灯30は、正面から見た形状(表面部材31の形状)が矩形状のスッキリとした外観を実現することができる。
【0033】
なお、表示灯は、正面視矩形状に代えて円形状とし、半球形状の凸部となる表面部材としてもよい。このように構成することで、表示灯は、正面から見た形状(表面部材31の形状)が矩形又は円形状を選択することができ、状況に合わせた外観を実現することができる。
【0034】
(変形例2)
図5に示す表示灯50は、正面視で略提灯形状の表面部材51を備えている。表面部材51は、取付面15に対して突出した湾曲面を有した形状に形成されている。表面部材51は、提灯形状の略半分が突出したような形状で形成されている。表面部材51は、例えば、光透過性のある赤色の樹脂板で形成されている。表面部材51の裏側(内部空間)に、光源(発光部)57が配される収納部55が形成されている。収納部55は、直方体の角筒形状に形成されている。
【0035】
収納部55には、LEDなどの光源(発光部)57が配されている。本実施形態では、光源57は収納部55内における左右端部近傍、かつ、平面視で取付面15の近傍(表面部材51側)に配置されている。光源57は、収納部55内の上下方向略全長に亘って配置されている。
【0036】
光源57の配置については、上記変形例1と略同一の配置となっており、正面視で左側に左側光源(第一光源および第二光源)が配置され、右側に右側光源(第三光源および第四光源)が配置されている。
【0037】
このように構成することで、表示灯50は、正面から見た形状(表面部材51の形状)が提灯形状のこれまでにない外観を実現することができ、例えば、飲食店に設置することで店内のイメージに合致した外観形状の表示灯を提供することができる。
【0038】
(表示灯付発信機)
次に、図1においては表示灯10と発信機12が並列に配置されているが、表示灯と発信機とが一体化されたものについて説明する。
【0039】
図6は、本実施形態の表示灯付発信機60の正面図である。図7は、図6のD-D線に沿う断面図である。図6図7に示すように、表示灯付発信機60は、発信機12と、発信機12の左右両側に配された一対の表示灯70と、を備えている。
【0040】
表示灯70は、正面視で発信機12の左側に配された左側表示灯70Aと、右側に配された右側表示灯70Bと、を備えている。左側表示灯70Aと、右側表示灯70Bと、は発信機12を挟んで対称な形状で構成されている。
【0041】
左側表示灯70Aは、正面視で略矩形状の表面部材71を備えている。表面部材71は、取付面15に対して略面一な板状に形成されている。表面部材71は、例えば、光透過性のある赤色の樹脂板で形成されている。表面部材71の裏側(内部空間)に、光源(発光部)77が配される収納部75が設けられている。収納部75は、直方体の角筒形状に形成されている。
【0042】
収納部75には、LEDなどの光源77が配されている。本実施形態では、光源77は収納部75内における左端近傍、かつ、平面視で取付面15の近傍(表面部材71側)に配置されている。光源77は、収納部75内の上下方向略全長に亘って配置されている。
【0043】
収納部75は、直方体形状の空間が形成されている。収納部75の内部には、例えば、軟質の鏡面シート73が湾曲させた状態で配設されている。つまり、収納部75の内部において光が反射するように構成されている。
【0044】
光源77は、例えば、鏡面シート73の取付面15側近傍を指向するように配された第一光源77aおよび鏡面シート73の奥側端部近傍を指向するように配された第二光源77bを備えている。
【0045】
第一光源77aは、該第一光源77aから照射された光が鏡面シート73で反射した後に、取付面15とのなす角度が15°以下で左方向に照射されるように構成されている。第二光源77bは、該第二光源77bから照射された光が鏡面シート73で反射した後に、第一光源77aの光よりも正面側に照射されるように構成されている。
【0046】
同様に、右側表示灯70Bは、正面視で略矩形状の表面部材71を備えている。表面部材71は、取付面15に対して略面一な板状に形成されている。表面部材71は、例えば、光透過性のある赤色の樹脂板で形成されている。表面部材71の裏側(内部空間)に、光源(発光部)78が配される収納部75が設けられている。収納部75は、直方体の角筒形状に形成されている。
【0047】
収納部75には、LEDなどの光源78が配されている。本実施形態では、光源78は収納部75内における右端近傍、かつ、平面視で取付面15の近傍(表面部材71側)に配置されている。光源78は、収納部75内の上下方向略全長に亘って配置されている。
【0048】
収納部75は、直方体形状の空間が形成されている。収納部75の内部には、例えば、軟質の鏡面シート74が湾曲させた状態で配設されている。つまり、収納部75の内部において光が反射するように構成されている。
【0049】
光源78は、例えば、鏡面シート74の取付面15側近傍を指向するように配された第三光源78aおよび鏡面シート74の奥側端部近傍を指向するように配された第四光源78bを備えている。
【0050】
第三光源78aは、該第三光源78aから照射された光が鏡面シート74で反射した後に、取付面15とのなす角度が15°以下で右方向に照射されるように構成されている。第四光源78bは、該第四光源78bから照射された光が鏡面シート74で反射した後に、第三光源78aの光よりも正面側に照射されるように配置されている。
【0051】
ここで、第二光源77bから照射された光路(第一光経路)81と、第四光源78bから照射された光路(第二光経路)82と、は交点(交差地点)83にて交差している。取付面15と交点83との距離d1は、1m以内となるように設定されている。このように設定することにより、表示灯付発信機60の正面の光の届きにくい死角領域A1に人がいたとしても、表示灯付発信機60から1m以内の位置に居るため、表示灯付発信機60を視認できないということはない。
【0052】
このように構成することで、表示灯70は、正面から見た形状(表面部材71の形状)が矩形状の外観を実現でき、かつ、側面から見たとき取付面15と略面一のスッキリとした外観を実現することができる。
【0053】
また、発信機12を中心として対称な位置に一対の表示灯70(70A,70B)を設けることで、意匠性を向上させることができるとともに、左右方向のどちらからでも表示灯70を視認しやすくなる。
【0054】
(変形例3)
図8は、表示灯付発信機の変形例を示す正面図である。図8に示すように、表示灯付発信機85は、発信機12と、正面視で発信機12の周囲を囲むように配された表示灯90と、を備えている。
【0055】
表示灯90は、正面視で発信機12の左側に配された左側表示灯90Aと、右側に配された右側表示灯90Bと、を備えている。さらに、表示灯90は、正面視で発信機12の上側に配された上側表示灯90Cと、下側に配された下側表示灯90Dと、を備えている。
【0056】
表示灯90は、左側表示灯90Aと、右側表示灯90Bと、上側表示灯90Cと、下側表示灯90Dと、が発信機12を囲んで略正方形の枠状に形成されている。
【0057】
表示灯90は、正面視で略矩形枠状の表面部材91を備えている。表面部材91は、取付面15に対して略面一な板状に形成されている。表面部材91は、例えば、光透過性のある赤色の樹脂板で形成されている。表面部材91の裏側(内部空間)に、発光部が配される収納部が設けられている。収納部は、矩形状のそれぞれの部位(辺)に対して直方体の角筒形状に形成されている。
【0058】
左側表示灯90Aおよび右側表示灯90Bの収納部および光源(鏡面シート)は、上記した左側表示灯70Aおよび右側表示灯70Bと略同一の構成となっている。
【0059】
上側表示灯90Cおよび下側表示灯90Bの収納部には光源が配置されている。光源は、例えば、正面を指向するように配されている。
【0060】
左側表示灯90Aの第二光源(77bに相当)から照射された光路(81)と、右側表示灯90Bの第四光源(78bに相当)から照射された光路(82)と、は交点(83)にて交差している。取付面15と交点(83)との距離は、1m以内となるように設定されている。ここで、上側表示灯90Cおよび下側表示灯90Bの光源が正面を指向するように配置されていることにより、第二光源および第四光源の光の届きにくい死角領域(A1)であっても、上側表示灯90Cおよび下側表示灯90Dの光源を確実に視認することができる。
【0061】
このように構成することで、表示灯90は、正面から見た形状(表面部材91の形状)が矩形枠状の外観を実現でき、かつ、側面から見たとき取付面と略面一のスッキリとした外観を実現することができる。
【0062】
また、発信機12を中心として、該発信機12を囲むように表示灯90を設けることで、意匠性を向上させることができるとともに、左右方向のどちらからでも表示灯90を視認しやすくなる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
また、上述の実施形態及び各変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【0064】
例えば、上述の実施形態では、光源としてLEDを用いた場合の説明をしたが、光源の種類はLED以外であってもよい。
【0065】
また、上述の実施形態では、光源として左側光源28と右側光源29を採用し、反射鏡で反射した光が正面方向へ向かう光路となるように構成したが、取付面に対して15°以上となる角度で左右方向外方へ照射可能に構成されていれば適宜の形態をとることが可能である。例えば、図9に示すように、半円筒形状の収納部25の内面25aに沿って、所定間隔をあけて複数の光源27を配置し、光源27からの光が収納部25の円の中心部を指向するように配置する形態をとってもよい。
【0066】
また、上記実施形態において、左側光源28に第1光源28aと第2光源28bを備えた構成を採用したが、図10に示すように、第1光源28aと第2光源28bはそれぞれ独立して角度調節する機構(角度調節機構101)を備えていてもよい。角度調節機構101は、例えば、固定円柱102と、該固定円柱102に取り付けられ中央部が中抜きされた円筒状の角度調節部103と、該角度調節部103に取り付けられ高さ方向に延びる柱状の第1光源28aと、を備えている。また、同様に、固定円柱102に取り付けられ中央部が中抜きされた円筒状の角度調節部104と、該角度調節部104に取り付けられ高さ方向に延びる柱状の第2光源28bと、を備えている。角度調節部103,104は、互いに異なる高さに設けられている。このように構成することで、固定円柱102を中心に、第1光源28aおよび第2光源28bをそれぞれ独立して回動させることができ、左側光源28から発せられる光の方向を容易に調節することができる。つまり、角度調節機構101を設けることで、実際に配置される場所での構造に応じてより広い範囲での照射範囲を設定することや壁面加工の精度によらず必要な照射範囲を調節(確保)することが可能となる。また、右側光源29についても同様の構成とすればよい。
【0067】
また、上記実施形態では、一つの光源から第1光源28aと第2光源28bの2つの光源を用いて照射するようにしたが、第1光源28aと第2光源28bによる光の経路についてその間を補完する光の経路を設けるようにしてもよい。例えば、第1光源28aと第2光源28bとの間に複数の光源をさらに配置したり、スモーク等の光の拡散部材を用いたりしてもよい。また、第1光源28aと第2光源28bを配置せず、第1光源28aと第2光源28bが為すべき光路に拡散光を発する光源を配置するようにしてもよい。例えば、第1光源28aと第2光源28bが配置されるべき場所間の任意の場所に光源を配置し、必要に応じて光の拡散部材を設けてもよい。なお、当然ながら第3光源と第4光源についても同様に取り扱ってよい。
【0068】
また、上記変形例3では発信機12を囲む略正方形の枠状として表示灯90を構成したが、発信機12の左右方向両側および上下方向両側に設けられ、かつ、正面視で発信機12を囲む形態であれば別の形態をとってもよい。例えば、図11に示すように、表示灯110は、上下方向両側に備えた表示部について中央部111を無くし、発信機12の左右方向にコの字状の表示部110a,110bを設けるようにしてもよい。発信機12の左右方向にコの字状の表示部110a,110bを設けるようにした場合、表示灯110の枠内と枠外が完全に分離されないため、表示灯110と発信機12を独立に取り付けることが可能となり、また意匠的にも表示灯を略矩形枠状とした場合のように発信機12の強調効果を生むことが可能となる。
【0069】
また、上記変形例2・3において、光の経路は反射鏡によるものとしているが、反射鏡を通らない光の経路を形成してもよい。具体的にいえば、第1光源よりも正面側に光源を配置して発信機側に光を照射する。さらに、図12に示すように、発信機120の周縁部120aを凸曲面上に形成することで、発信機120の周縁部120aで反射した光が正面方向に向かうこととなり、発信機120の周囲を強調することが可能となる。さらに、発信機120の周縁部120aに蓄光材121の塗布や反射しやすい素材を採用することにより一層の効果を発揮することが可能となる。
【0070】
また、押圧操作時に押圧操作部を点灯表示させる発信機について、非押圧操作時に押圧操作部は第1形態で点灯表示を行い、押圧操作時に押圧操作部は第1形態と異なる第2形態で点灯表示を行うようにしてもよい。
具体的には、押圧操作時に押圧操作部の内側に備えた確認灯を点灯させる発信機が既に知られているが、さらに当該確認灯を例えば2色LED等の複数の発光形態をとることが可能な表示灯で構成する。これにより例えば、通常時に第1形態で点灯表示を行うことで、暗所に設置されている発信機について、表示灯でのおおまかな位置に加えて実際の操作位置を明確に表示することが可能となり、操作を助ける効果を得られる。
また、火災報知設備からの信号により第1形態と異なる第2形態で点灯表示を行うようにしてもよい。これにより、夜間での点灯や試験時の点灯が可能となる。
【0071】
また、上述の実施形態では、鏡面シートと用いて光源からの光を反射させる構成を採用したものがあるが、光源からの光を外方へ照射させる方法については上記方法に限られない。
【符号の説明】
【0072】
10,30,50,70,90 表示灯
12 発信機
15 取付面
21,31,51,71,91 表面部材
25,35,55,75 収納部
27,37,57,77 光源(発光部)
60,85 表示灯付発信機
70A 左側表示灯
70B 右側表示灯
73,74 鏡面シート(鏡面)
81 光路(第一光経路)
82 光路(第二光経路)
83 交点(交差地点)
図1
図2
図3
図4
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図12