(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】ジェル状皮膚化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/81 20060101AFI20240610BHJP
A61K 8/67 20060101ALI20240610BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240610BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/67
A61K8/86
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2019073818
(22)【出願日】2019-04-08
【審査請求日】2021-12-07
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124349
【氏名又は名称】米田 圭啓
(72)【発明者】
【氏名】永山 恵美
(72)【発明者】
【氏名】松藤 孝志
(72)【発明者】
【氏名】河原塚 悠
【合議体】
【審判長】木村 敏康
【審判官】冨永 保
【審判官】関 美祝
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-514777(JP,A)
【文献】特開2003-73251(JP,A)
【文献】特開2017-222605(JP,A)
【文献】特開2016-56149(JP,A)
【文献】特開2018-131471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分および水を含有することを特徴とするジェル状皮膚化粧料。
(A):2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと(メタ)アクリル酸アルキルを構成モノマーとするポリマーを0.01~5質量%
(B):カルボキシビニルポリマーおよびアルキル変性カルボキシビニルポリマーからなる群より選択される1種または2種以上を0.5~3質量%
(C):式[I]で表されるアルキレンオキシド誘導体を0.1~10質量%、
MG-[O(EO)x(PO)y-(BO)z]
4 ・・・式[I]
(式中、MGはメチルグルコシドから水酸基を除いた残基であり、EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基であり、xおよびyはそれぞれEOおよびPOの平均付加モル数であり、0≦x≦20、1≦y≦10である。xが0でない場合、EOとPOがランダム付加し、EOとPOとの合計質量に対するPOの質量比が10~45質量%である。BOはオキシブチレン基であり、zはBOの平均付加モル数であり、0≦z≦4である。)
(D):アスコルビン酸
グルコシドを0.01~4質量%
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌に直接塗布して使用した際に、液だれし難く、みずみずしい使用感で、肌なじみがよく、フレーキングを起こし難いジェル状皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、女性の社会進出などにより、スキンケアからメイクアップまでを短時間で行うこと(時短)への要望が高まっており、化粧水・美容液・乳液・クリームの機能を集約した「オールインワン」タイプの化粧料が提案されている。オールインワンタイプの化粧料としては、化粧水、美容液、クリーム、ジェルなどの剤形が上市されているが、液だれがしにくく容易に塗布できる使用上の特性や、みずみずしい使用感としながらも、保湿性やエモリエント性を付与するといった特徴から、「オールインワンジェル」と呼ばれるジェル状のものが好まれる傾向にある。しかし、みずみずしい使用感を得るためには油分を無配合もしくは少量の配合とする必要があり、十分な保湿効果が得られないと感じる消費者が一定数存在する。
【0003】
そこで、例えば特許文献1には、保湿効果を高めた化粧料として、カルボキシビニルポリマー、トレハロースおよび吸水性ポリマーを組み合わせたジェル状化粧料が提案されている。しかし、ジェル状化粧料の保湿感を向上させようとすると、肌なじみが不十分である場合があり、保湿効果と肌なじみの両立は課題であった。
肌なじみと保湿効果を向上させた化粧料として、例えば特許文献2には、カルボキシビニルポリマー、リン脂質、脂肪酸エステル、1価アルコールを組み合わせたジェル状皮膚外用剤が提案されており、この皮膚外用剤によりある程度の解決がなされている。
【0004】
最近では、美白ケアも手軽に行いたいとのニーズが増加し、オールインワンジェルにも美白効果が求められてきている。美白効果を示す成分としては、例えば、アスコルビン酸誘導体、ハイドロキノン誘導体、胎盤抽出物、コウジ酸、エラグ酸等があり、これらの成分を配合した化粧料組成物が知られている。しかし、アスコルビン酸誘導体などをカルボキシビニルポリマー等で増粘させているゲル処方に配合すると、ゲルの粘度が低下してしまい、液だれのしない適度な粘度のある化粧料を調製することが困難であった。
【0005】
その課題を解決するために、例えば特許文献3には、分子量が200,000~250,000のカルボキシビニルポリマーを配合したアスコルビン酸誘導体含有増粘組成物が提案されている。しかし、この組成物では、みずみずしい使用感が不十分である可能性があった。また、カルボキシビニルポリマー等を増量することで、粘度を調節することが可能であるが、従来のみずみずしさを損なっていた。更に、時短のために化粧料をなじませた直後に化粧下地やファンデーションを塗布すると、よれ、垢のようなもの(フレーキング)を生じることがあり使用感を損ねていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-225769号公報
【文献】特開2013-136544号公報
【文献】特開2002-60315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑み、肌に直接塗布して使用した際に、液だれし難く、みずみずしい使用感で、肌なじみがよく、フレーキングを起こし難いジェル状皮膚化粧料の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、下記(A)~(D)の特定の成分を所定量組み合わせることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち本発明は、下記の(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分および水を含有することを特徴とするジェル状皮膚化粧料である。
(A):2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと(メタ)アクリル酸アルキルを構成モノマーとするポリマーを0.01~5質量%
(B):カルボキシビニルポリマーおよびアルキル変性カルボキシビニルポリマーからなる群より選択される1種または2種以上を0.5~3質量%
(C):式[I]で表されるアルキレンオキシド誘導体を0.1~10質量%、
MG-[O(EO)x(PO)y-(BO)z]4 ・・・式[I]
(式中、MGはメチルグルコシドから水酸基を除いた残基であり、EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基であり、xおよびyはそれぞれEOおよびPOの平均付加モル数であり、0≦x≦20、1≦y≦10である。xが0でない場合、EOとPOがランダム付加し、EOとPOとの合計質量に対するPOの質量比が10~45質量%である。BOはオキシブチレン基であり、zはBOの平均付加モル数であり、0≦z≦4である。)
(D):アスコルビン酸グルコシドを0.01~4質量%
【発明の効果】
【0010】
本発明のジェル状皮膚化粧料によれば、肌に直接塗布して使用した際に、液だれし難く、みずみずしい使用感で、肌なじみがよく、フレーキングを起こし難いといった効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明のジェル状皮膚化粧料は、下記の(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分および水を含有する。以下、各成分について説明する。
なお、本明細書において記号「~」を用いて規定された数値範囲は「~」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば、「2~5」は2以上、5以下を表す。
【0012】
〔(A)成分〕
本発明に用いられる(A)成分は、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと(メタ)アクリル酸アルキルを構成モノマーとするポリマーから選択される1種または2種のポリマーである。なお、(メタ)アクリロイルはアクリロイルまたはメタクリロイルを表し、(メタ)アクリルはアクリルまたはメタクリルを表す。
【0013】
(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル鎖は炭素数が1~22であることが好ましく、これらのうち(a1)アルキル鎖の炭素数が1~10の(メタ)アクリル酸アルキルと、(a2)アルキル鎖の炭素数が11~22の(メタ)アクリル酸アルキルとの併用がより好ましい。上記(a1)の(メタ)アクリル酸アルキル(C1~10)の炭素数としては、2~6が好ましく、4がより好ましい。上記(a2)の(メタ)アクリル酸アルキル(C11~22)の炭素数としては、14~20が好ましく、18がより好ましい。(a1)と(a2)の質量比に関しては、1:9~9:1が好ましく、1:5~5:1がより好ましく、1:2~2:1がさらに好ましい。
【0014】
2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと(メタ)アクリル酸アルキルを構成モノマーとするポリマーは、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと(メタ)アクリル酸アルキルを共重合させることによって得られる。
【0015】
(A)成分は1種を単独で、または2種以上を併用することができる。特に、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと上記(a1)の(メタ)アクリル酸アルキル(C1~10)とを共重合させたポリマー:2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと上記(a2)の(メタ)アクリル酸アルキル(C11~22)とを共重合させたポリマーの質量比が好ましくは1:9~9:1、より好ましくは1:5~5:1、さらに好ましくは1:2~2:1のポリマー混合物を用いる。
【0016】
2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと(メタ)アクリル酸アルキルを構成モノマーとするポリマーの市販品として、例えば、「LIPIDURE-PMB」〔日油株式会社製、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸ブチルを構成モノマーとするポリマー〕、「Lipidure-S」、「Lipidure-NA」「LIPIDURE-NR」〔日油株式会社製、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸ステアリルを構成モノマーとするポリマー〕が挙げられる。
【0017】
(A)成分の含有量は、ジェル状皮膚化粧料中に、0.01~5質量%であり、0.05~3質量%が好ましく、0.1~1質量%がより好ましい。(A)成分の含有量が少なすぎると、フレーキングが生じやすくなり、多すぎると、みずみずしい使用感や肌へのなじみが低下するおそれがある。
【0018】
〔(B)成分〕
本発明に用いられる(B)成分は、カルボキシビニルポリマーおよびアルキル変性カルボキシビニルポリマーである。ここでカルボキシビニルポリマーとは、ペンタエリスチルアリルエーテル、スクロースアリルエーテルまたはプロピレンアリルエーテルで架橋したアクリル酸の重合体である。アルキル変性カルボキシビニルポリマーとは、(メタ)アクリル酸と、アルキル基の炭素数が10~30である(メタ)アクリル酸アルキルとの共重合体を、ショ糖のアリルエーテルまたはペンタエリスリトールのアリルエーテルで架橋したものである。
カルボキシビニルポリマーおよびアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、それぞれ1種を単独で、または2種以上を併用することができる。
【0019】
(B)成分として、カルボキシビニルポリマーおよびアルキル変性カルボキシビニルポリマーからなる群より選択される1種または2種以上を用いることができるが、本発明の目的の観点からは、(B)成分として(b1)カルボキシビニルポリマーと(b2)アルキル変性カルボキシビニルポリマーを併用することが好ましい。
(b1)と(b2)の質量比に関しては、1 :9~9:1が好ましく、1:5~5:1がより好ましく、1:2~2:1がさらに好ましい。
【0020】
(B)成分のうち、カルボキシビニルポリマーの市販品としては、例えば、「シンタレンL」(富士フイルム和光純薬株式会社製)、「AQUPEC HV-505E」(住友精化株式会社製)、「CARBOPOL ULTREZ 10」、「CARBOPOL 940」、「CARBOPOL 941」(以上、Lubrizol Advanced Materials社製)などが挙げられ、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの市販品としては、例えば、「AQUPEC HV-501ER」、「AQUPEC SER W-300C」(以上、住友精化株式会社製)、「CARBOPOL ULTREZ 21」、「PEMULEN TR-1」、「PEMULEN TR-2」、「CARBOPOL ETD2020」(以上、Lubrizol Advanced Materials社製)等が挙げられる。
【0021】
(B)成分の含有量は、ジェル状皮膚化粧料中に、0.5~3質量%であり、好ましくは0.5~2質量%であり、より好ましくは0.9~1.5質量%である。(B)成分の含有量が少なすぎると、液だれを生じてしまうことがあり、多すぎると、フレーキングを生じることがある。
【0022】
〔(C)成分〕
本発明に用いられる(C)成分は、下記式[I]で表されるアルキレンオキシド誘導体である。
MG-[O(EO)x(PO)y-(BO)z]4 ・・・式[I]
【0023】
式中、MGはメチルグルコシドから水酸基を除いた残基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、BOはオキシブチレン基である。x、yおよびzは、それぞれEO、PO、BOの平均付加モル数であり、0≦x≦20、1≦y≦10、0≦z≦4を満足し、xが0でない場合、EOとPOがランダム付加し、EOとPOとの合計質量に対するPOの質量比が10~45質量%、好ましくは20~40質量%である。これらのうち、好ましくは、0≦x≦10、2≦y≦8、0≦z≦1であり、より好ましくは、x=0、2≦y≦5、z=0を満足する。
【0024】
(C)成分の市販品としては、例えば、「マクビオブライド MG-10P」(日油株式会社製、式[I]中、x=0、y=2.5、z=0のアルキレンオキシド誘導体)、「マクビオブライド MG-20P」(日油株式会社製、式[I]中、x=0、y=5、z=0のアルキレンオキシド誘導体)が挙げられる。
【0025】
式[I]で表されるアルキレンオキシド誘導体は、公知の方法により製造することができ、例えば、メチルグルコシドにエチレンオキシドとプロピレンオキシドをランダム状に付加した後、さらにブチレンオキシドを付加することによって得ることができる。なお、オキシブチレン基を与える化合物としては、1,2-ブチレンオキシドが好ましい。
式[I]で包括される複数のアルキレンオキシド誘導体のうち1種を単独で、または2種以上を併用することができる。
【0026】
(C)成分の含有量は、ジェル状皮膚化粧料中に、0.1~10質量%であり、好ましくは0.1~7.5質量%であり、より好ましくは0.1~5質量%である。(C)成分の含有量が少なすぎると、肌へのなじみが悪くなり、フレーキングを生じることがある。多すぎると、肌へのなじみが悪くなることがある。
【0027】
〔(D)成分〕
本発明に用いられる(D)成分は、アスコルビン酸誘導体またはその塩であり、例えば、アスコルビルリン酸マグネシウム、アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビン酸-2-グルコシド、3-O-エチルアスコルビン酸、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na、イソステアリルアスコルビルリン酸2Naなどが挙げられる。これらアスコルビン酸誘導体およびその塩のうち1種を単独で、または2種以上を併用することができる。
【0028】
(D)成分の含有量は、ジェル状皮膚化粧料中に、0.01~4質量%であり、好ましくは0.05~3.5質量%であり、特に好ましくは0.1~3質量%である。(D)成分の含有量が少なすぎると、美白効果が得られなくなることがあり、多すぎると、肌へのなじみが悪くなり、フレーキングが生じることがある。
【0029】
本発明のジェル状皮膚化粧料中における(B)成分と(C)成分との質量比(B)/(C)は、みずみずしさ、肌へのなじみの観点から、0.05~10であることが好ましく、0.1~5であることがより好ましく、0.2~2であることがさらに好ましい。
【0030】
また、本発明のジェル状皮膚化粧料中における(B)成分と(D)成分との質量比(B)/(D)は、液だれや、肌へのなじみ、フレーキングの生じやすさの観点から、0.2~50であることが好ましく、0.3~30であることがより好ましく、0.5~25であることがさらに好ましい。
【0031】
本発明のジェル状皮膚化粧料は、上記(A)~(D)成分と水とを混合して調製することができる。
ジェル状皮膚化粧料中での水の含有量は、上記(A)~(D)成分の含有量に応じて適宜設定されるが、例えば、好ましくは55~95質量%であり、より好ましくは60~90質量%であり、さらに好ましくは65~85質量%である。
【0032】
本発明のジェル状皮膚化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料に常用されている他の成分を配合することも可能である。例えば、ノニオン性界面活性剤、高級アルコール、高級脂肪酸およびこれらのトリグリセライド、エステル油、動植物油脂、ビタミン、金属イオン封鎖剤、増粘剤、色素、顔料、防腐剤、香料などが挙げられる。また、溶媒としては、必要に応じて、エタノール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、これら溶媒の水溶液等を用いることができる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
〔実施例1~8、比較例1~2〕
ジェル状皮膚化粧料として表1に示す組成物を調製し、下記の方法により評価を行った。その結果を表1に示す。なお、各組成物は水酸化カリウムによりpH6付近に調整した。また、下記表記中の%とあるのは、質量%を意味する。
【0034】
(1)液だれ
20名の女性(22才~40才)をパネラーとし、洗顔した後にジェル状皮膚化粧料(約2g)を塗布する際に手の平を地面と垂直にしても手から垂れ落ちずに、顔への塗布が容易か否かを下記の基準で評価し、評点を付けた。そして、その評点の合計によって、「◎」~「×」の下記4段階評価を行い、30点以上を液だれし難くいジェル状皮膚化粧料と判定した。
2点:手から垂れ落ちず、顔への塗布が非常に容易と感じた場合。
1点:手から垂れ落ちず、顔への塗布が容易と感じた場合。
0点:手から垂れ落ち、顔への塗布がやや困難と感じた場合。
<評点の合計による4段階評価>
◎:評点の合計が35点以上
○:評点の合計が30点以上、34点以下
△:評点の合計が20点以上、29点以下
×:評点の合計が19点以下
【0035】
(2)みずみずしさ
20名の女性(22才~40才)をパネラーとし、洗顔した後にジェル状皮膚化粧料(約2g)を塗布する際にみずみずしい使用感か否かを下記の基準で評価し、評点を付けた。そして、その評点の合計によって、「◎」~「×」の下記4段階評価を行い、30点以上をみずみずしい使用感が得られるジェル状皮膚化粧料と判定した。
2点:肌への塗布時に、非常にみずみずしい使用感であると感じた場合。
1点:肌への塗布時に、みずみずしい使用感であると感じた場合。
0点:肌への塗布時に、ややコクのある使用感であると感じた場合。
<評点の合計による4段階評価>
◎:評点の合計が35点以上
○:評点の合計が30点以上、34点以下
△:評点の合計が20点以上、29点以下
×:評点の合計が19点以下
【0036】
(3)肌へのなじみ
20名の女性(22才~40才)をパネラーとし、洗顔した後にジェル状皮膚化粧料(約2g)を塗布した際の肌の感触について、下記の基準で評価し評点を付けた。そして、その評点の合計によって、「◎」~「×」の下記4段階評価を行い、30点以上を肌へのなじみに優れるジェル状皮膚化粧料と判定した。
2点:肌へのなじみが非常に良好であると感じた場合。
1点:肌へのなじみが良好と感じた場合。
0点:肌へのなじみがやや悪いと感じた場合。
<評点の合計による4段階評価>
◎:評点の合計が35点以上
○:評点の合計が30点以上、34点以下
△:評点の合計が20点以上、29点以下
×:評点の合計が19点以下
【0037】
(4)フレーキング
20名の女性(22才~40才)をパネラーとし、洗顔した後にジェル状皮膚化粧料(約2g)を塗布しなじませた10秒後に、化粧下地とファンデーションを付ける際に肌を擦った感触について、下記の基準で評価し評点を付けた。そして、その評点の合計によって、「◎」~「×」の下記4段階評価を行い、30点以上をフレーキングが生じ難いジェル状皮膚化粧料と判定した。
2点:フレーキングが生じにくいと感じた場合。
1点:フレーキングがやや生じると感じた場合。
0点:フレーキングが生じると感じた場合。
<評点の合計による4段階評価>
◎:評点の合計が35点以上
○:評点の合計が30点以上、34点以下
△:評点の合計が20点以上、29点以下
×:評点の合計が19点以下
【0038】
【0039】
※1:「Lipidure(登録商標)-PMB(Ph10)」(日油株式会社)
表中の数字は「Lipidure(登録商標)-PMB」に含まれる((2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリル酸ブチル)共重合体としての含有量を表す。
※2:「Lipidure(登録商標)-NR」(日油株式会社)
表中の数字は「Lipidure(登録商標)-NR」に含まれる((2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリル酸ステアリル)共重合体としての含有量を表す。
※3:「Carbopol(登録商標) Ultrez 10」(日本ルーブリゾール株式会社、カルボキシビニルポリマー)
※4:「Carbopol(登録商標) Ultrez 21」(日本ルーブリゾール株式会社、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー)
※5:「マクビオブライド MG-10P」(日油株式会社)
※6:「マクビオブライド MG-20P」(日油株式会社)
※7:「Liponic EG-1」(島貿易株式会社)
【0040】
実施例1~8より、本発明の成分を用いたジェル状皮膚化粧料は、肌への塗布時の液だれのし難さ、みずみずしさ、肌なじみ、フレーキングの生じ難さにおいて良好であった。
一方、比較例1~2では十分な性能が得られていない。すなわち、比較例1では(B)成分が他の成分(キサンタンガム)に置き換えられていることから、液だれのし難さ、みずみずしさ、肌へのなじみが不良であった。比較例2では(A)成分が配合されておらず、(C)成分が他の成分(ポリオキシエチレングリセリン)に置き換えられていることから、みずみずしさ、肌へのなじみが不十分であり、フレーキングの生じ難さが不良であった。