(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】表示制御装置およびその制御方法およびそのプログラムおよびその記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 23/63 20230101AFI20240610BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240610BHJP
H04N 23/55 20230101ALI20240610BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240610BHJP
H04N 23/667 20230101ALI20240610BHJP
【FI】
H04N23/63
G03B15/00 M
H04N23/55
H04N23/60
H04N23/667
(21)【出願番号】P 2019152800
(22)【出願日】2019-08-23
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】伊勢 利道
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-191144(JP,A)
【文献】再公表特許第2017/061239(JP,A1)
【文献】国際公開第2008/123374(WO,A1)
【文献】特開2018-194645(JP,A)
【文献】特開2018-037859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/63
G03B 15/00
H04N 23/55
H04N 23/60
H04N 23/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の撮影または第2の撮影を行うことにより画像を取得する取得手段と、
少なくとも、記録解像度が所定の解像度以上である、もしくは撮影のフレームレートが所定のフレームレート以上であるという条件のいずれか一方を満たす前記第1の撮影と、前記第1の撮影とは異なる前記第2の撮影とを切り替え可能な切替手段と、
前記第2の撮影の際に、情報に関する表示設定であるフレーム表示設定がONである場合には前記フレーム表示設定がOFFである場合よりも、表示部に表示する画像を縮小して表示し、
前記第1の撮影の際に、前記フレーム表示設定がONである場合に前記表示部に表示される画像を、前記フレーム表示設定がOFFである場合に前記表示部に表示される画像よりも縮小して表示しないように制御する制御手段とを有することを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の撮影の際には、前記フレーム表示設定がONのときとOFFの時とで、前記表示部に表示される画像のサイズを変更しないように制御することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記フレーム表示設定がONの時には、前記表示部に表示される画像と重畳しないように、前記画像の周辺に情報を表示するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記第1の撮影は、撮影のフレームレートがユーザにより可変である撮影モードにおける撮影であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記画像は、アナモフィックレンズを介して取得される画像データであり、前記アナモフィックレンズを介した画像データは、被写体の水平方向が、被写体の垂直方向よりも圧縮された状態で結像された画像データであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記取得手段は、水平方向と垂直方向とで異なる倍率で被写体像が結像された画像を取得可能であって、
前記制御手段は、前記第2の撮影の場合には、前記画像に対して第1のリサイズを行い、前記第1の撮影の場合には、前記画像に対して前記第1のリサイズとは異なる第2のリサイズを行うように制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記第1のリサイズにおいては、前記画像の一部を切り出す第1の処理を行った後、所定のアスペクト比となるようにリサイズを行い、表示画像を生成することを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記画像における、被写体の水平方向が垂直方向よりも圧縮された状態から、水平方向のリサイズの変倍率を垂直方向のリサイズの変倍率よりも大きくすることにより、前記第1のリサイズを行うことを特徴とする請求項6または7に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記第1の処理において、前記画像のうち、水平方向の一部を切り取った、前記画像の中央の領域を含む部分を切り出すことを特徴とする請求項
7に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記第2のリサイズにおいては、前記画像に対して、前記第1の処理を行わずに、リサイズを行うことで表示画像を生成することを特徴とする請求項7または9に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記画像に対して前記第2のリサイズを行うことにより生成された表示画像は、上下に帯表示を付加することにより、所定のアスペクト比の画像が表示されるようにすることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記第2のリサイズにおいて、前記画像の水平方向への圧縮を行わずに、前記画像の垂直方向への圧縮を行うように制御することを特徴とする請求項6乃至11のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項13】
第1の撮影または第2の撮影を行うことにより撮像画像を取得する取得ステップと、
少なくとも、記録解像度が所定の解像度以上である、もしくは撮影のフレームレートが所定のフレームレート以上であるという条件のいずれか一方を満たす前記第1の撮影と、前記第1の撮影とは異なる前記第2の撮影とを切り替え可能な切替ステップと、
前記第2の撮影の際に、情報に関する表示設定であるフレーム表示設定がONである場合には前記フレーム表示設定がOFFである場合よりも、表示部に表示する画像を縮小して表示し、
前記第1の撮影の際に、前記フレーム表示設定がONである場合に前記表示部に表示される画像を、前記フレーム表示設定がOFFである場合に前記表示部に表示される画像よりも縮小して表示しないように制御する制御ステップとを有することを特徴とする表示制御装置の制御方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1乃至12のいずれか1項に記載された表示制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、請求項1乃至12のいずれか1項に記載された表示制御装置の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像と情報とを共に表示する際の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、画像の拡大縮小を行うことにより、フレーム内に生じた余白領域を文字列入力領域とすることが開示されている。また、アナモフィックレンズを使用した撮影においては、横方向に圧縮された状態の画像を取得することができることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、画像の拡大縮小を行うことにより、文字列などの情報を表示するための余白領域を設けるようにすると、すでに表示されている画像の周辺に余白領域がある場合には画像がさらに小さくなってしまう。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、画像の周辺に情報を表示する際に、画像の視認性を低下させることを防ぐことのできる表示制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願にかかる発明の1つは、表示制御装置であって、第1の撮影または第2の撮影を行うことにより画像を取得する取得手段と、少なくとも、記録解像度が所定の解像度以上である、もしくは撮影のフレームレートが所定のフレームレート以上であるという条件のいずれか一方を満たす前記第1の撮影と、前記第1の撮影とは異なる前記第2の撮影とを切り替え可能な切替手段と、前記第2の撮影の際に、情報に関する表示設定であるフレーム表示設定がONである場合には前記フレーム表示設定がOFFである場合よりも、表示部に表示する画像を縮小して表示し、前記第1の撮影の際に、前記フレーム表示設定がONである場合に前記表示部に表示される画像を、前記フレーム表示設定がOFFである場合に前記表示部に表示される画像よりも縮小して表示しないように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像の周辺に情報を表示する際に、画像の視認性を低下させることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】本実施形態における第1のデスクイーズ処理における画像データの流れを示した図。
【
図3】本実施形態における第1のデスクイーズ処理における表示制御について説明するための図。
【
図4】本実施形態における第2のデスクイーズ処理における画像データの流れを示した図。
【
図5】本実施形態における第2のデスクイーズ処理における表示制御について説明するための図。
【
図6】本実施形態における表示処理を示すフローチャート。
【
図7】本実施形態における表示例を説明するための図。
【
図8】本実施形態において4K60fpsの時の表示に関する図。
【
図9】本実施形態におけるフレーム表示に関する図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0010】
図1は、本発明の表示制御装置の一例としてのビデオカメラ100の外観構成の一例を示す図である。
【0011】
ビデオカメラ100は、前面にレンズユニット101、側面にユーザー操作部109(以下、操作部109)、上面にパネル107がある。パネル107とはビデオカメラ100の本体に対してそれぞれ取り外しが可能(着脱可能)である。外部出力115は、ビデオカメラ100に対して取り外しができない表示手段を接続するための端子であり、HDMI(登録商標)端子やSDI端子等である。操作部109は、シーソ型のグリップズーム109a(ズームキー)や、ユーザからの各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン等を有する操作部材である。操作部109には、電源オン、電源オフを切り替えるための電源スイッチ、メニュー画面を表示させるためのメニューボタン、動作モードを切り替え可能なモード切替スイッチ等がある。モード切替スイッチは、ビデオカメラ100の動作モードを静止画記録モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。
【0012】
図1(b)は、本実施形態におけるビデオカメラ100のブロック図を示すものである。レンズユニット101は、集光のための固定レンズ群、変倍レンズ群、絞り、変倍レンズ群の動きで移動した結像位置を補正する機能と焦点調節を行う機能とを兼ね備えた補正レンズ群により構成されている。レンズユニット101によって、最終的に後述のイメージセンサー102(センサー)の結像面上に被写体像が結像される。レンズユニット101は、レンズ装着部に装着可能な交換レンズが有する構成であり、装着される交換レンズによっては必ずしも上述のレンズ群とはならない。レンズ装着部には、イメージセンサー102上に結像する被写体像を光学的に横方向(水平方向)に2分の1に縮小(スクイーズ)するアナモフィックレンズ(圧縮率が2倍)が装着可能である。また、被写体像を光学的に横方向(水平方向)に1.3分の1に縮小(スクイーズ)するアナモフィックレンズ(圧縮率が1.3倍)なども装着可能である。すなわち、垂直方向に対して水平方向に光学的に被写体像が圧縮された状態で結像される。
【0013】
真円の被写体をアナモフィックレンズを用いて撮影すると、光学的にスクイーズされて横方向に圧縮されるため、縦長の楕円の被写体としてイメージセンサー102上に結像し、撮像される。これをそのまま表示した場合は縦長の楕円被写体として表示されるが、デスクイーズ処理を施すことで、真円に復元して表示することができる。尚、本実施例では、圧縮率が2倍のアナモフィックレンズが装着された場合のデスクイーズ表示について説明するが、その他の倍率のアナモフィックレンズが装着された場合には、切り出し範囲及びデスクイーズの倍率を変更すればよい。アナモフィックレンズを使用して取得された画像データは、アナモレンズの歪みが画像の中央付近と左右端では大きく異なるため、単純に水平伸張すると歪みが出てしまう可能性がある。そこで、歪みの少ない中央の領域を切り出す、もしくは左右端の領域に黒帯をかけて表示(帯表示)をすることでユーザの見やすい画像を表示することができる。
【0014】
イメージセンサー102は、光を電荷に変換し撮像信号を生成する。生成された撮像信号は画像処理部103へ出力される。イメージセンサー102は、CCDイメージセンサーやCMOSイメージセンサーなどの撮像素子である。なお、撮像素子として、撮像面上の全ての画素がそれぞれ一対の受光素子により構成され、各画素においてマイクロレンズにより形成された対の光学像を該一対の受光素子により光電変換できる、いわゆるデュアルピクセルタイプのものを用いてもよい。
【0015】
画像処理部103は、イメージセンサー102より入力され取得した撮像信号をRAWデータ(RAW画像)に変換する。その後、RAWデータに対して補間処理や画質調整処理等のRAW現像処理を行ってRAWデータに対応したYUV形式の画像データを生成し、RAM111に格納する。
【0016】
表示用リサイズ回路104は、RAM111に格納されたYUV形式の画像データに対して、リサイズ処理や後述するデスクイーズ処理を行い、表示用画像データを生成しRAM111に格納する。
【0017】
記録用リサイズ回路105は、RAM111に格納されたYUV形式の画像データに対して、リサイズ処理を行い、記録用画像データを作成しRAM111に格納する。
【0018】
バス116は、ビデオカメラ100の各ブロックがデータのやり取りを行うためのデータバスであり、ビデオカメラ100の各ブロックはこのバスを介してデータのやり取りを行う。
【0019】
オンスクリーンディスプレイ(OSD)生成回路106は、各種設定メニューやタイトル、時間などのOSDデータをRAM111に格納する。格納されたOSDデータは、RAM111に格納された表示用画像データと合成され、表示部であるパネル107に表示されるたり、外部出力115で外部に出力されたりする。
【0020】
パネル107は、液晶パネルや有機ELパネルなどのディスプレイパネルであり、表示用画像データやOSDを表示させるためのものである。
【0021】
システム制御部108は、ビデオカメラ100全体を制御する。
【0022】
操作部109は、ユーザが操作入力するためのものである。また、操作部109には、主としてカメラ撮影を行うためのカメラモードと、主として再生させるための再生モードと、電源オフとするパワーオフモードとを選択するためのスイッチも設けられている。また、グリップズーム109aは撮像画像の表示倍率を変更可能なズームキーである。
【0023】
ROM(Read オンly Memory)110は、システム制御部108が実行するプログラムなどが格納された不揮発性の記録媒体であり、例えばFlashROMで構成される。あるいは、記録媒体113に格納されたプログラムデータをRAM111にロードし、ROMとして利用しても構わない。また、ROM110の一部領域はバックアップ用として、システムの状態などを保持するために使用される。
【0024】
RAM(Random Access Memory)111は、システム制御部108が作業領域として使用する揮発性メモリである。RAM111は、システム制御部108、画像処理部103や圧縮伸張回路114などがワークとして使用する揮発性メモリである。
【0025】
メディア制御部112は、圧縮伸張回路114で生成され、RAM111に出力された動画像データをFATファイルシステムなどコンピュータと互換のあるフォーマットに従って、記録媒体113に記録するためのものである。記録媒体113は、ビデオカメラ100から取り外し可能な着脱可能記録媒体であり、ビデオカメラ100以外にもPC等に装着する事ができる。
【0026】
圧縮伸張回路114は、RAM111の画像データをMPEG圧縮(エンコード)して動画像データを生成し、RAM111に出力する。
【0027】
外部出力115は、HDMI/SDI等の外部出力部であり、画像処理部103がRAM111に出力した表示用画像データを外部の表示部11a等に出力するものである。4K60Pや、2K60P等の信号で表示用画像データを出力する事ができる。
【0028】
次に、
図2、
図3を用いて、本実施形態における第1のデスクイーズ処理について説明する。
【0029】
図2は、ビデオカメラ100における撮影から表示または記録までの画像データの流れを表したものである。なお、レンズユニット101は、縦横で圧縮比が1:2のアナモフィックレンズであるものとして説明をする。
【0030】
被写体200は、ビデオカメラ100が撮像する被写体である。撮像された被写体は、レンズユニット101により縦横比が1:2と圧縮された状態でイメージセンサー102において画像201として結像する。結像し、光電変換された撮像信号は、画像処理部103に入力され、YUV形式の画像データ202として、RAM111に格納される。RAM111に格納されたYUV形式の画像データ202は、表示用リサイズ回路104により、後述する第1のデスクイーズ処理が行われ表示用画像データ203としてRAM111に格納される。格納された表示用画像データ203は、外部出力115を介してHDMI等で外部に出力され、画像204が表示される。
【0031】
また、YUV形式の画像データ202は、記録用リサイズ回路105により記録サイズにリサイズされた記録用画像データ205として圧縮伸張回路114に入力される。その後、圧縮伸張回路114により圧縮され動画像データ206として、メディア制御部112を介して記録媒体113に記録される。
【0032】
図3は表示用リサイズ回路104が行う第1のデスクイーズ処理を説明するための図である。
【0033】
図3の左側は、表示用リサイズ回路104に入力される(表示用リサイズ回路で取得された)YUV形式の画像データ202の一例を示している。
【0034】
YUV形式の画像データ202の幅をWとし、高さをHとして説明をする。表示用リサイズ回路104は、このYUV形式の画像データ202の幅のうち、画像データの左側から1/4Wから3/4Wの範囲、かつ、高さHの範囲である切り出し範囲302を切り出して、縦方向と横方向で異なる倍率で変倍処理をする。横方向(幅の変倍率)は縦方向(高さの変倍率)の2倍の倍率で変倍処理をすることで、表示される画像は、元の画像201をそのまま表示するよりも横方向が2倍に伸長したように見える。これにより、レンズユニット101において、実際の被写体の見え方よりも横方向に圧縮された被写体像が、横方向に2倍に伸長され、もともとの被写体の見え方に近づく。このように、横方向の変倍率を縦方向の変倍率の2倍にするデスクイーズ処理を第1のデスクイーズ処理(第1のリサイズ)とし、生成される画像データは
図3の右側にある表示用画像データ203のようになる。第1のデスクイーズ処理は表示用リサイズ回路104に入力されるYUV形式の画像データ202のうち、入力される画像の幅の1/2を用いて、表示用画像データ203を生成する。これは、本実施形態におけるレンズユニット101における横方向の圧縮倍率が2倍であるためであり、他の倍率の場合には、切り出し範囲302の大きさはこの限りではない。YUV形式の画像データ202は、水平方向に走査して1ライン毎に表示用リサイズ回路104に入力される。この1ラインが表示用リサイズ回路104に入る入力時間をTとすると、切り出し範囲302の入力時間は1/2Tである。よって、表示用画像データ203の1ラインを書き出すための時間も1/2T以内である必要がある。
【0035】
入力時間よりも、表示用の画像データの生成にかかる時間が多くなってしまうと、撮像されたタイミングが表示までの時間が長くなったり、撮像された各フレームの画像を表示できなくなってしまう。もしくは、表示用の画像データが途中で切れた状態で出力しなければならなくなる。よって、1/2Tの時間で表示用画像データ203の1ラインを生成する必要がある。表示用リサイズ回路104には性能限界があるため、表示用のデータを生成するための処理に使える時間(すなわち、1/2Tの時間)が短くなると、表示用画像データ203の生成が間に合わなくなる。
【0036】
なお、Tは、ビデオカメラ100のフレームレートに依存している(60fpsだったら1/60s、120fpsだったら1/120s)。つまり、フレームレートが増加すると、リサイズ処理に使える時間は短くなり、表示のための処理が間に合わなくなる可能性がある。
【0037】
次に、第2のデスクイーズ処理について、
図4を用いて説明する。なお、表示用リサイズ回路104に入力されるまでの、画像データの流れは
図2と同様なので省略する。
【0038】
RAM111に格納されたYUV形式の画像データ202は、表示用リサイズ回路104により、後述する第2のデスクイーズ処理(第2のリサイズ)が行われ表示用画像データ401としてRAM111に格納される。格納された表示用画像データ401は、上下に黒帯が付加された状態で、外部出力115を介してHDMI等で外部に出力され、画像402が表示される。
【0039】
また、
図2と同様に、YUV形式の画像データ202は、記録用リサイズ回路105により記録サイズにリサイズされた記録用画像データ205として圧縮伸張回路114に入力される。その後、圧縮伸張回路114により圧縮され動画像データ206として、メディア制御部112を介して記録媒体113に記録される。
【0040】
次に、
図5を用いて、第2のデスクイーズ処理について説明をする。
図5は、表示用リサイズ回路104が行う第2のデスクイーズ処理を説明するための図である。
【0041】
図5の左側は、表示用リサイズ回路104に入力されるYUV形式の画像データ202の一例を示している。
図3と同様に、YUV形式の画像データ202の幅をWとし、高さをHとして説明をする。表示用リサイズ回路104は、このYUV形式の画像データ202の幅W、高さHの範囲に対してデスクイーズ処理をかける。このとき、縦方向(垂直方向)と横方向(水平方向)では異なる倍率で変倍処理をするが、
図3、4で説明した第1のデスクイーズ処理とは異なり、第2のデスクイーズ処理では縦方向の変倍率を横方向の変倍率の半分にする。縦方向(高さの辺倍率)は横方向(幅の変倍率)の半分の倍率で変倍処理をすることで、表示される画像は、元の画像201をそのまま表示するよりも縦方向が圧縮されたように見える。これにより、レンズユニット101において、実際の被写体の見え方よりも横方向に圧縮された被写体像が、縦方向に半分に圧縮され、もともとの被写体の見え方に近づく。このように、入力された画像の横方向を切り出しせずに(YUV形式の画像データの横方向を切り出しせず)、縦方向を圧縮することで、横方向に圧縮された被写体像をもともとの被写体の見え方に近づける方法を第2のデスクイーズ処理という。このとき、生成される画像データは
図5の右側にある表示用画像データ401のようになる。YUV形式の画像データ202と、表示用画像データ401とは、横方向への切り出しを行っていないので、1ラインが表示用リサイズ回路104に入力される入力時間Tを使って、表示画像データ401の1ラインを書き出す時間を持つことができる。例えば1920pixのラインがTで入力された場合に、第1のデスクイーズ処理を行おうとすると、半分を切り出しするため、1/2Tの時間で1920pix分の表示用データを書き込む必要がある。第2のデスクイーズ処理においては、1920pixの1ラインが入力時間Tで入力されると、Tを使って表示用データを書き込みをすることができる。
【0042】
ただし、第1のデスクイーズ処理を行ったときよりも、第2のデスクイーズ処理を行って表示される画像は小さくなるため、画像をより大きく表示したいユーザにとっては、第1のデスクイーズ処理の方が第2のデスクイーズ処理よりも画像の視認性は良い。
【0043】
また、表示用画像データ401はそのまま表示されず、
図4で上述したように、表示用画像データ401に対して、上下に黒帯が付加された状態(サイドブラック処理)の画像402が表示される。
【0044】
次に、
図6を用いて、本実施形態における表示処理について説明をする。なお、
図6のフローチャートにおける各処理は、ビデオカメラ100を構成するシステム制御部108がRAM111に保存されているプログラムを実行することにより実現される。S601では、システム制御部108は、イメージセンサー102を制御して、イメージセンサー102上に結像した、レンズユニット101を介した被写体200像を、光電変換し撮像信号として、画像処理部103に入力する。このとき、レンズユニット101を介して得られる被写体像の画像201は、実際の被写体よりも横方向に圧縮されたものとなる。
【0045】
S602では、システム制御部108は、画像処理部103を制御して、撮像信号をRAWデータ(RAW画像)に変換する。その後、RAWデータに対して補間処理や画質調整処理等のRAW現像処理を行ってRAWデータに対応したYUV形式の画像データ202を生成し、RAM111に格納する。
図7(a)には、ビデオカメラ100が撮影する被写体200と、YUV形式の画像データを202とを示す。被写体200は、レンズユニット101を介すことで、横方向に圧縮された画像データとなる。
【0046】
S603では、システム制御部108は、ビデオカメラ100の設定がデスクイーズ表示ON設定かを判定する。デスクイーズ表示ON設定とは、デスクイーズ処理(第1のデスクイーズ処理、もしくは第2のデスクイーズ処理)を行う(ON)か、デスクイーズ処理を行わない(OFF)かの設定である。この設定は、パネル107に表示されたメニュー情報をもとにユーザが操作部109を操作して設定できる。デスクイーズ表示ON設定であると判定された時は、S604に進み、デスクイーズ表示OFF設定であると判定された時はS612に進む。
【0047】
S604では、システム制御部108は、ビデオカメラ100の撮影設定バリアブルフレームレートモードか否かを判定する。バリアブルフレームレートモードとは、ユーザが操作部109を用いて、ビデオカメラ100の撮像するフレームレートを可変できる撮影モードである。例えば、ユーザが120fpsを設定した際は、ビデオカメラは120fpsで動画の撮影を行い、30fpsを設定した際は、30fpsでの動画の撮影を行う。また、バリアブルフレームレートでは再生時の再生速度も変更することができる。このように、バリアブルフレームレートでは、動きのある映像をスローで記録したり、自然観察など時間の経過に伴う変化を間欠的に記録(ファスト記録)することができます(Slow & Fastモーション)。バリアブルフレームレートモードであると判定された場合は、S605に進み、そうでない場合は、S608に進む。バリアブルフレームレートモードでは、フレームレートが大きい設定になると、あるフレームレートより上のフレームレートにおいては上述した第1のデスクイーズ処理が間に合わなくなる可能性がある。
【0048】
S605では、システム制御部108は、ビデオカメラ100がバリアブルフレームレートモード設定中のデスクイーズ表示ON設定かを判定する。バリアブルフレームレートモード設定中のデスクイーズ表示ON設定は、パネル107に表示されたメニュー情報を元にユーザーが操作部109を操作して設定することができる。バリアブルフレームレートモード中のデスクイーズ表示ON設定がされていると判定した場合はS606に進み、そうでない場合は、S607に進む。S605においては、記録の設定がバリアブルフレームレートモードか否かを判定したが、これに限らず、動画の記録フレームレートが所定以上であることや、動画の解像度が所定以上であるということを所定の条件として、所定の条件が満たした場合にはS605の判定をYesとして処理を行ってもよい。
【0049】
S606、S613では、
図7(b)に示す表示のための処理を行う。
【0050】
S606ではシステム制御部108は、第2のデスクイーズ処理を行い、表示用画像データ401を生成する。
【0051】
S613では、システム制御部108は、表示用リサイズ回路104を制御して、606で生成した表示用画像データ401に対して、サイドブラック処理を行い、画像402を生成し、表示を行う。このサイドブラック処理は、第1のデスクイーズ処理をおこなった表示用画像データ203と、画角を合わせるための処理である。ユーザがシネマスコープのアスペクト比で画像を表示したいと設定している場合には、第1のデスクイーズ処理においてシネマスコープのアスペクト比になるように切り出しが行われ、表示がされる。具体的には、リサイズを行った結果、シネマスコープのアスペクト比になるように切り出しが行われる。一方、第2のデスクイーズ処理においては、表示用画像データ401には、第1のデスクイーズ処理で表示される範囲外の領域までもが含まれている。また、表示用画像データ401のアスペクト比も、第1のデスクイーズ処理による表示用画像データ203とは異なる。そのため、S613においては、表示用画像データ401の左右にサイドブラックの帯をかける表示処理を行い、表示部115aにおいて、ユーザの設定したアスペクト比、すなわち、シネマスコープのアスペクト比での表示がされるようにする。S613ではさらに、縦縮小しサイドブラック処理をしたことを示す、縮小デスクイーズフラグをONにする。バリアブルフレームレートモードの際に、フレームレートが低い場合には第1のデスクイーズ処理を行っても表示が間に合う場合がある。よって、ある閾値よりも大きなフレームレートの場合には第2のデスクイーズ処理を行い、小さいフレームレートの場合には第1のデスクイーズ処理を行うようにしてもよい。ただし、同じ撮影モードの中でユーザがフレームレートモードを変更したことに応じて、第1のデスクイーズ処理の表示と第2のデスクイーズ処理の表示とが切り替わってしまうと、同じモードの中での画像の視認性が変わってしまう。よって、バリアブルフレームレートモードの時には、フレームレートの設定に関わらず、デスクイーズ表示をする設定がされていれば第2のデスクイーズ処理を行うことで、ユーザの確認するために表示される画像のサイズがころころと変わることなく、安定的に表示することができる。なお、本実施形態においてはシネマスコープのアスペクト比を用いて上述の説明をしたが、これに限らず4:3や16:9など他のアスペクト比でもよいことは言うまでもない。
【0052】
S607では、システム制御部108は、表示用リサイズ回路104を制御してYUV形式の画像データ202より、表示用画像データを生成する。ここでのリサイズは、
図7(c)に示すように、縦横比の変換は行わず、表示用画像データ704を生成する。
【0053】
S608からS610の処理は、バリアブルフレームレートモードではないが、画像解像度が高い場合の表示処理について説明をする。
【0054】
S608では、システム制御部108は、外部出力115の出力が画像解像度が4K、かつ表示のフレームレートが60p(fps)である状態か、そうでないかを判定する。画像解像度が4K、かつ表示のフレームレートが60pだった場合はS609に進み、そうでない場合はS611に進む。外部出力115の出力の設定は、ユーザが設定をしてもよいし、表示部115aの表示能力に応じて押し着せで設定されてもよい。なお、S608における判定の基準となる画像解像度とフレームレートとは、デジタルカメラ100の性能によるものであり、本実施形態で説明した4K、60pに限らず、8Kや16K、120pなどでもよい。また、後述するダウンコンバートも2K、60Pに限らない。
【0055】
S609では、システム制御部108は外部出力115を制御して、外部出力115の出力を画像解像度が2K、かつ表示のフレームレートを60fpsに切り替える。
【0056】
S610では、システム制御部108は、表示用リサイズ回路104を制御して、YUV形式の画像データ202に対して、縦縮小を行った後、中央部を切り出し表示用画像データを生成する。ここで
図8を用いて、S610における表示用画像データの生成について説明する。
【0057】
図8(a)には、表示用リサイズ回路104に入力されるYUV形式の画像データ202を示す。YUV形式の画像データ202に対して、表示用リサイズ回路104を用いて、縦1/2倍に圧縮を行う。
図8(b)には、YUV形式の画像データ202に対して、縦方向に圧縮を行った結果である、表示用画像データ802を示している。YUV形式の画像データ202のサイズが、幅3840・高さ2160であるとすると、
図8(b)に示すように表示用画像データ802のサイズは、幅3840・高さ1080になる。さらに、
図8(c)に示すように、表示用画像データ802の中央部を切り取った表示用画像データ803を生成する。表示用画像データ803のサイズは、幅1920・高さ1080となる。すなわち、
図8(a)において4Kであった画像データを2Kにダウンコンバートする。
【0058】
S611ではシステム制御部108は、第1のデスクイーズ処理を行う。すなわち、ユーザがデスクイーズ表示をするように設定をしている場合には、バリアブルフレームレートモードの場合には第2のデスクイーズ処理、そうでない場合には、第1のデスクイーズ処理を行う。
図7(d)には、S611により生成される表示用画像データ203を示す。
【0059】
S612では、システム制御部108は、S607と同様に、表示用リサイズ回路104を制御してYUV形式の画像データ202より、表示用画像データを生成する。
【0060】
S614では、システム制御部108は、ビデオカメラ100においてフレーム表示ON設定にされているか否かを判定する。フレーム表示(サラウンド表示)について、
図9を使って説明する。フレーム表示とは、撮像画像の周りであり、表示部115a(もしくはパネル107)の四辺に沿って撮影に関する記録時間や、電力の残量、ISO感度等の情報を表示する際に、情報を見やすく表示をするための設定である。
図9は、フレーム表示の表示例を説明するための図であり、
図9(a)の画像901はフレーム表示OFF設定の場合、画像902はフレーム表示ON設定の場合を示している。画像902では、画像901よりも表示画像のサイズを小さくすることで、画像の周辺(表示部115aの四辺)に沿った帯状の領域を設け、帯状の領域に情報を表示することで、画像と情報とが重畳して表示されないようにしている。画像902においては、黒色の帯の領域を設け、白抜きで文字を表示しているが、フレームの表示形態はこれに限らず、白色の背景に黒色の文字でも、グレーの背景に黒色の文字などでもよい。
【0061】
画像901は、RAM111に格納されたOSDデータと表示用画像データとを合成し、外部出力115に出力することで表示部115aへの表示が行われる。画像902は、RAM111に格納されたOSDデータとフレーム表示用に縮小した表示用画像データとを合成し、OSDデータは表示用画像データの周辺に配置される。フレーム表示ON/OFFの設定は、ユーザのメニュー操作で変更が可能である。フレーム表示ON設定である場合は、S615へ進み、そうでない場合は、S617へ進む。S615では、システム制御部108は、S606とS613の処理をしたか否か、すなわち、デスクイーズフラグがONであるか否かを判定する。デスクイーズフラグがONであると判定した場合は、S616の処理を行わずに、S617へ進み、そうでない場合は、S616へ進む。
【0062】
S616では、システム制御部108は、外部出力115を制御してRAM111に保持されている表示用画像データを帯状の領域ができるように縮小する。すなわち、S616では、画像902が表示されるように表示用画像データを縮小する処理を行う。S616は、デスクイーズ表示ON設定であってもOFF設定であっても行われるので、縮小される画像はデスクイーズ済の表示用画像データ203や704が含まれる。
【0063】
S615において、デスクイーズフラグがONであると判定した場合には、フレーム表示ON設定(フレーム表示設定がON)であっても、表示用画像データ401の縮小は行わずに、
図9(b)に示す画像903を表示する。すなわち、デスクイーズフラグがONになる場合には、フレーム表示ON設定であっても、OFF設定であっても画像903が表示される。
【0064】
フレーム表示ON設定だからといって、画像の縮小しないようにすることにより、必要以上に表示用画像データが縮小されず、視認性を確保することが可能となる。
【0065】
なお、S615の判定は、記録解像度と撮影のフレームレートのいずれか一方が所定の条件を満たす撮影の場合に、Yesと判定し、画像の縮小を行わないようにしてもよい。記録解像度が大きい場合には、YUV形式の画像データ202から表示用の画像データを生成する際に、1ラインのデータ量が多いため、表示用のデータを書き終えられない可能性がある。よって、フレームレートが大きくなくても、YUV形式の画像データ202の縦方向と横方向共に小さく変倍して(ダウンコンバートして)表示をすることになる。つまり、4K、60Pでなく、例えば8Kであれば30Pであっても、ダウンコンバートが必要になる可能性があり、8K以上の記録解像度であれば、いつもライブビュー画像の表示をオンタイムで行うためにはダウンコンバートが必要になる。このとき、フレーム表示がON設定でなくても、表示される画像の周辺に黒帯の領域があるため、フレーム表示のための画像の縮小は行わない。
【0066】
同様に、フレームレートが所定以上である場合には、表示用の画像データを生成する時間が短く、記録解像度が大きくなくても、1ラインのデータを時間内に書き終えられない可能性がある。よって、その場合には、そもそもYUV形式の画像データ202の縦方向と横方向共に小さく変倍をして(ダウンコンバートして)表示をすることになる。ダウンコンバートして表示をした場合には、画像の周辺に情報表示するための領域ができるので、フレーム表示ON設定であっても、フレーム表示OFF設定であっても、情報表示のため黒帯の領域ができる。よって、フレーム表示がON設定でなくても、表示される画像の周辺に情報を(画像と重畳しない状態で)表示するための領域がすでにあるので、画像の縮小は行わない。なお、情報表示のための領域は黒帯であることを上述したがこれに限らず、白色やその他の色でもよい。
【0067】
S617では、システム制御部108は、外部出力115を制御してRAM111に保持されている表示用画像データにOSDデータ(情報)を重畳させ外部出力し、表示部115aに表示する。
【0068】
次に、
図9(c)、(d)を用いて、拡大機能(Magn)を使用した際の表示例について説明をする。
図9(c)の画像904、905は、デスクイーズ表示ON設定であり、かつフォーカス確認のための拡大機能が実行された際の表示例を示している。
【0069】
なお、本実施形態における拡大機能有効時は、バリアブルフレームレートモード中であっても、
図9(c)の画像904に示すように画面全体に表示される。よって、フレーム表示ON設定のときには、縮小された画像905を表示する。
【0070】
また、本実施形態においては、S613においてサイドブラック処理を行っているが、必ずしもサイドブラック処理を行わなくてもよい。その場合には、
図9(d)の画像906のように表示がされる。また、このとき、表示部115aの上辺と下辺の領域にはそもそも画像が表示されていないが、画像の左辺と右辺と、情報の一部とが重畳する。よって、フレーム表示ON設定の場合には、画像907に示すように画像906よりも縮小した状態で表示をする。なお、情報が上辺と下辺とにしか表示されない場合には、画像の縮小を行わなくてもよい。904、905での説明と同様、OSDデータと表示用画像データが重なる場合には、フレーム表示がONである場合に、表示用画像データをフレーム表示OFF時に比べさらに縮小する。
【0071】
以上、説明した実施形態によれば、アナモフィックレンズを使用してフレームレートが変わるような動画の撮影を行っても、動画の記録中にデスクイーズした状態の画像を表示することが可能となる。また、バリアブルフレームレートモードであって、フレーム表示がON設定の場合である場合には、画像を縮小して表示しないので、画像の視認性を低下させずにフレーム表示を行うことができる。一方で、通常の撮影(バリアブルフレームレートモードでない)の場合には、画像を縮小し、情報を表示するための領域を設ける。通常の撮影の場合には、そもそも画像が画面のサイズに合わせて表示がされているので、多少縮小されても画像の視認性は大きく低下しない。よって、画像の視認性と情報表示の視認性とを両立することができる。
【0072】
なお、システム制御部108が行うものとして説明した上述の各種の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0073】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0074】
また、上述した実施形態においては、本発明をビデオカメラ100に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、表示に関する制御を行うことができるような表示制御装置であれば適用可能である。すなわち、本発明は携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ファインダーを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダーなどに適用可能である。
【0075】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。