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特許7500179看護情報処理装置及び看護情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】看護情報処理装置及び看護情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20240610BHJP
   G16H 30/20 20180101ALI20240610BHJP
【FI】
G16H10/00
G16H30/20
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019198545
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021071948
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】大槻 倫之
(72)【発明者】
【氏名】沓名 康成
(72)【発明者】
【氏名】兵 昂
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-003107(JP,A)
【文献】特開2015-022602(JP,A)
【文献】特開2010-092204(JP,A)
【文献】特開2018-132984(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
看護行為の要求経路に関する要求経路情報と、看護行為の優先度に関する優先度情報と、看護行為の終了に関連付けられた特徴データと、看護行為に関連する画像データ又は音声データとを取得する取得部と、
前記要求経路情報及び前記優先度情報に基づいて、発生している複数の看護行為を実施優先度順に並べた一覧を生成する生成部と、
前記一覧を端末に表示させる表示制御部と、
前記特徴データと、前記画像データ又は前記音声データとに基づいて、前記一覧に含まれる看護行為の終了を検出する検出部と、
を備え
前記生成部は、前記終了が検出された看護行為を前記一覧から消去し、又は、前記終了が検出された看護行為に印を付す、
看護情報処理装置。
【請求項2】
看護行為の要求経路に関する要求経路情報と、看護行為の優先度に関する優先度情報とを取得する取得部と、
前記要求経路情報及び前記優先度情報に基づいて、発生している複数の看護行為を実施優先度順に並べた一覧を生成する生成部と、
前記一覧を端末に表示させる表示制御部と、
前記一覧に含まれる看護行為の開始を検出する検出部と
を備え、
前記表示制御部は、前記看護行為の開始が検出された場合、前記一覧を非表示にし、又は、前記開始が検出された看護行為を強調する、
看護情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、看護行為の開始に関連付けられた特徴データと、看護行為に関連する画像データ又は音声データを取得し、
前記検出部は、前記特徴データと、前記画像データ又は前記音声データとに基づいて、前記一覧に含まれる看護行為の開始を検出する、
請求項2に記載の看護情報処理装置。
【請求項4】
看護行為の要求経路に関する要求経路情報と、看護行為の優先度に関する優先度情報とを取得する取得部と、
前記要求経路情報及び前記優先度情報に基づいて、発生している複数の看護行為を実施優先度順に並べた一覧を生成する生成部と、
前記一覧を端末に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記生成部は、メールによる要求に関連付けられた看護行為に対して、前記メールに含まれる件名を関連付けて前記一覧を生成する、
看護情報処理装置。
【請求項5】
看護行為の要求経路に関する要求経路情報と、看護行為の優先度に関する優先度情報とを取得する取得部と、
前記要求経路情報及び前記優先度情報に基づいて、発生している複数の看護行為を実施優先度順に並べた一覧を生成する生成部と、
前記一覧を端末に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、看護師の移動経路又はスケジュールに基づいて、前記一覧のうち前記看護師の端末に表示する部分と非表示にする部分とを設定する、
看護情報処理装置。
【請求項6】
看護行為の要求経路に関する要求経路情報と、看護行為の優先度に関する優先度情報とを取得する取得部と、
前記要求経路情報及び前記優先度情報に基づいて、発生している複数の看護行為を実施優先度順に並べた一覧を生成する生成部と、
前記一覧を端末に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、看護師の勤務形態に基づいて、前記一覧のうち前記看護師の端末に表示する部分と非表示にする部分とを設定する、
看護情報処理装置。
【請求項7】
看護行為の要求経路に関する要求経路情報と、看護行為の優先度に関する優先度情報とを取得する取得部と、
前記要求経路情報及び前記優先度情報に基づいて、発生している複数の看護行為を実施優先度順に並べた一覧を生成する生成部と、
前記一覧を端末に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記生成部は、看護師を指定された看護行為に対して、前記看護師を関連付けて前記一覧を生成する、
看護情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、新たに発生した看護行為を取得し、
前記生成部は、前記要求経路情報及び前記優先度情報に基づいて、前記新たに発生した看護行為を前記一覧に追加する、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の看護情報処理装置。
【請求項9】
前記生成部は、前記発生している複数の看護行為の内容に応じて前記発生している複数の看護行為の並びを補正し、前記一覧を生成する、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の看護情報処理装置。
【請求項10】
看護行為の開始済は未開始を示す情報と、看護行為の終了済は未終了を示す情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記取得部は、未開始の看護行為と、開始済かつ未終了の看護行為を前記発生している複数の看護行為として取得する、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の看護情報処理装置。
【請求項11】
前記生成部は、前記一覧を病棟ごとに、又前記病棟のフロアごとに分けて生成する、
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の看護情報処理装置。
【請求項12】
特定の患者に対して発生している複数の看護行為を時系列で示す一覧を表示する端末と、
看護行為の終了に関連付けられ特徴データを記憶する記憶部と、
看護行為に関連する画像データは音声データを取得する取得部と、
前記特徴データと、前記画像データ前記音声データに基づいて、前記一覧に含まれる看護行為の終了を検出する検出部と、
記終了が検出された看護行為を前記一覧から消去し、又他の看護行為とは異なる態様で前記端末に表示させる表示制御部と、
を備える看護情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、看護情報処理装置及び看護情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
看護師は、日単位で患者毎に看護行為の計画を立て、その計画に従って看護行為の実施を行っている。看護師は看護行為の計画、実施及び結果入力等を行わなければならないため、看護師の作業量は多い。また、看護師は、作業中に医師の指示や患者からの依頼等の割り込みが入るため、その場で優先度を検討し、作業を行っている。このように、看護師は、通常業務に加えて、割り込みの作業が多いため、作業漏れを発生させる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-267368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明が解決しようとする課題は、看護師の作業効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る看護情報処理装置は、看護行為の要求経路に関する要求経路情報、及び、看護行為の優先度の情報を取得する取得部と、前記要求経路情報及び前記優先度の情報に基づいて、発生している複数の看護行為を実施優先度順に並べた一覧を生成する生成部と、前記一覧を端末に表示させる表示制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態に係る病院内システムの構成を示す図である。
図2図2は、図1のサーバのメモリに記憶される優先度テーブルの一例を示す図である。
図3図3は、図1のサーバのメモリに記憶される特徴紐付テーブルの一例を示す図である。
図4図4は、図1のサーバのメモリに記憶されるToDo項目管理テーブルの一例を示す図である。
図5図5は、図1のサーバの処理回路によるToDo項目一覧の表示制御処理の流れの一例を示す図である。
図6図6は、図1のサーバの処理回路によるToDo項目一覧の表示制御処理の流れの別の例を示す図である。
図7図7は、図1の端末に表示されるToDo項目一覧の一例を示す画面図である。
図8図8は、図1の端末に表示されるToDo項目一覧の別の例を示す画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る看護情報処理装置を説明する。
【0008】
図1は、本実施形態に係る病院内システム10の構成を示す図である。図1に示すように、病院内システム10は、サーバ1及び複数の看護師それぞれに紐付けられているn台の端末2-1~2-nを含む。サーバ1及び端末2-1~2-nは、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。例えば、ネットワークは、無線の通信回線である。サーバ1は、看護情報処理装置の一例である。または、サーバ1及び端末は、看護情報処理装置の一例であってもよい。病院内システム10は、看護情報処理システムの一例である。
【0009】
サーバ1の構成について説明する。
サーバ1は、複数の看護師それぞれのToDo項目を含むToDo項目一覧を、複数の看護師それぞれに紐付けられている端末2-1~2-nに表示させるコンピュータである。ToDo項目は、入院している患者のために看護師が実施予定の看護行為を指すものとする。例えば、看護行為は、測定、投薬、処置、注射、身体的ケア等の看護師による入院している患者に対する行為を含む。また、看護師が医師指示を受けるための医師との打ち合わせや、患者への説明等の行為も含む。
【0010】
本実施形態では、サーバ1が端末2-1に紐付けられている看護師のToDo項目一覧を端末2-1に表示させる例を代表して説明する。以下では、端末2-1に紐付けられている看護師は、看護師N1とも称される。また、看護師N1は、実際は複数の患者を担当するが、説明の簡略化のため、患者Xを担当するものとする。
【0011】
サーバ1は、少なくとも処理回路11、メモリ12及び通信インタフェース13を有する。
【0012】
処理回路11は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサを有する。当該プロセッサがメモリ12等にインストールされたToDo項目一覧の表示制御プログラムを起動することにより、更新機能111、第1の取得機能112、生成機能113、表示制御機能114、第2の取得機能115及び検出機能116等を実行する。なお、各機能111~116は単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能111~116を実現するものとしても構わない。各機能111~116については後述する。
【0013】
メモリ12は、種々の情報を記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。メモリ12は、上記記憶装置以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬型記憶媒体や、半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。例えば、メモリ12は、ToDo項目一覧の表示制御プログラムやToDo項目管理テーブル121、優先度テーブル122、特徴紐付テーブル123等を記憶する。なお、以下では、メモリ12が各テーブルを用いて各種情報を記憶する例について説明するが、これに限定されない。メモリ12は、テーブルを用いることなく各種情報を記憶していてもよい。メモリ12は、記憶部の一例である。
【0014】
ToDo項目管理テーブル121は、看護行為の要求経路に関する要求経路情報を管理するテーブルである。ToDo項目管理テーブル121は、ToDo項目と、ToDo項目の要求経路と、ToDo項目の開始済または未開始を示す情報と、ToDo項目の終了済または未終了を示す情報と、を紐付けたLUT(Look Up Table)又はデータベースである。互いに紐付けられている少なくともToDo項目及びToDo項目の要求経路は、要求経路情報の一例である。ToDo項目の要求経路は、ToDo項目が看護師に要求された経路である。例えば、ToDo項目の要求経路は、ナースコール、医師からの電話、看護師からの電話、口頭での医師指示、口頭での患者からの依頼、医師オーダ、看護オーダ及び院内メール等であるが、これらに限定されない。医師オーダは、至急の医師オーダまたは通常の医師オーダに分かれていてもよい。ToDo項目管理テーブル121は、患者毎に用意されている。ToDo項目管理テーブル121は、第1のテーブルとも称される。ToDo項目管理テーブル121の構成例については後述する。
【0015】
優先度テーブル122は、看護行為の優先度の情報を管理するテーブルである。
一例では、優先度テーブル122は、ToDo項目の要求経路と、要求経路に関する優先度とを紐付けたLUT又はデータベースを含む。互いに紐付けられているToDo項目の要求経路及び要求経路に関する優先度は、看護行為の優先度の情報の一例である。要求経路優先度は、看護師による優先的な対処が求められるToDo項目の要求経路の予め定められた順序である。例えば、要求経路に関する優先度は、ナースコール、医師からの電話、看護師からの電話、口頭での医師指示、至急の医師オーダ、口頭での患者からの依頼、通常の医師オーダ、看護オーダ及び院内メールの順であるが、この順に限定されるものではない。優先度テーブル122は、適宜変更可能である。優先度テーブル122は、第2のテーブルとも称される。
ここで、図2を参照し、優先度テーブル122の一例について説明する。
優先度テーブル122は、「優先度」及び「要求経路」の各項目を含む。
「優先度」項目は、要求経路に関する優先度を示す番号を登録する項目である。ここでは、番号が大きくなるにつれ、優先度は低くなるものとする。
「要求経路」項目は、「優先度」項目の各番号に紐付ける要求経路を登録する項目である。
【0016】
別の例では、優先度テーブル122は、看護行為と、看護行為に関する緊急度スコアとを紐付けたLUT又はデータベースを含む。互いに紐付けられている看護行為及び看護行為に関する緊急度スコアは、看護行為の優先度の情報の一例である。看護行為に関する緊急度スコアは、看護師による優先的な対処が求められる度合に応じて予め定められたスコアである。例えば、1日のうちで時間の決まっている投薬などの看護行為については、看護行為に関する緊急度スコアは高く設定されていてもよい。他方、1日のうちで時間の決まっていない身体的ケアなどの看護行為については、看護行為に関する緊急度スコアは低く設定されていてもよい。看護行為に関する緊急度スコアは、適宜変更可能である。
【0017】
さらに別の例では、優先度テーブル122は、看護行為と、看護行為に関する緊急フラグとを紐付けたLUT又はデータベースを含む。互いに紐付けられている看護行為及び看護行為に関する緊急フラグは、看護行為の優先度の情報の一例である。看護行為に関する緊急フラグは、看護師による優先的な対処が求められる看護行為であることを示す情報である。1日のうちで時間の決まっている投薬などの看護行為については、看護行為に関する緊急フラグが設定されていてもよい。他方、1日のうちで時間の決まっていない身体的ケアなどの看護行為については、看護行為に関する緊急フラグが設定されていなくてもよい。緊急フラグの有無は、適宜変更可能である。
【0018】
図1に戻って説明すると、特徴紐付テーブル123は、看護行為と、看護行為の開始に関連付けられている特徴データと、看護行為の終了に関連付けられている特徴データとを紐付けたLUT又はデータベースである。看護行為の開始に関連付けられている特徴データは、看護行為の開始を特定するための特徴を示すデータである。例えば、特徴は、動き及び発せられる言葉等のうちの少なくとも何れか1つを含む。看護行為の終了に関連付けられている特徴データは、看護行為の終了を特定するための特徴を示すデータである。特徴紐付テーブル123は、適宜変更可能である。特徴紐付テーブル123は、第3のテーブルとも称される。
ここで、図3を参照し、特徴紐付テーブル123の一例について説明する。
特徴紐付テーブル123は、「看護行為」、「開始動作」及び「終了動作」の各項目を含む。特徴紐付テーブル123は、3つ全ての項目を含んでいなくてもよい。特徴紐付テーブル123は、「看護行為」及び「開始動作」の項目を含んでいてもいいし、「看護行為」及び「終了動作」の項目を含んでいてもいい。
「看護行為」項目は、看護行為を登録する項目である。
「開始」項目は、看護行為の開始に関連付けられている特徴データを登録する項目である。例えば、看護行為の開始に関連付けられている特徴データは、少なくとも動きを示す画像データまたは発せられる言葉を示す音声データを含む。看護行為の開始に関連付けられている特徴データは、看護行為を行う看護師のデータでもいいし、看護行為の対象者である患者または医師のデータでもよい。特徴データは、看護行為に無関係な、予め定められた手話のような動作を示す画像データ又は予め定められた言葉を示す音声データでもよい。
「終了」項目は、看護行為の終了に関連付けられている特徴データを登録する項目である。例えば、看護行為の終了に関連付けられている特徴データは、少なくとも動きを示す画像データまたは発せられる言葉を示す音声データを含む。看護行為の終了に関連付けられている特徴データは、看護行為を行う看護師のデータでもいいし、看護行為の対象者である患者または医師のデータでもよい。
例えば、「看護行為」項目の「内服」に紐付けられている「開始」項目の「画像データ」は、看護師が患者に薬の提供を開始する際の特徴的な動きを示すデータであり得る。「看護行為」項目の「内服」に紐付けられている「終了」項目の「音声データ」は、看護師が患者への薬の提供を終了する際に発する特徴的な言葉の音声を示すデータであり得る。
例えば、「看護行為」項目の「注射」に紐付けられている「開始」項目の「画像データ」は、患者が注射を受け始める際の特徴的な動きを示すデータであり得る。「看護行為」項目の「注射」に紐付けられている「終了」項目の「画像データ」は、患者が注射を受け終わる際の特徴的な動きを示すデータであり得る。
例えば、「看護行為」項目の「医師指示(医師A)」に紐付けられている「開始」項目の「音声データ」は、医師Aが看護師への指示を開始する際に発する特徴的な言葉の音声を示すデータであり得る。「看護行為」項目の「医師指示(医師A)」に紐付けられている「終了」項目の「音声データ」は、医師Aが看護師への指示を終了する際に発する特徴的な言葉の音声を示すデータであり得る。「医師指示(医師A)」に紐付けられている「音声データ」は、医師Aを特定するものである。そのため、特徴紐付テーブル123は、医師毎に医師指示に関するレコードを管理する。
【0019】
図1に戻って説明すると、通信インタフェース13は、他のコンピュータとの間でデータ通信するためのインタフェースである。例えば、通信インタフェース13は、端末2-1~2-nとの間でネットワークを介して種々のデータ通信を行う。通信インタフェース13は、端末2-1~2-nから、データを受信する。データは、処理回路11に供給され、メモリ12に格納される。また、通信インタフェース13は、ToDo項目一覧を含む表示データを端末2-1~2-nへ送信する。
【0020】
各機能111~116について説明する。
【0021】
更新機能111は、ToDo項目管理テーブル121を管理する。例えば、更新機能111は、ToDo項目管理テーブル121に、新たに発生したToDo項目を追加する。
【0022】
第1の取得機能112は、メモリ12から種々の情報を取得する。第1の取得機能112は、ToDo項目管理テーブル121から要求経路情報を取得する。例えば、第1の取得機能112は、ToDo項目管理テーブル121から看護師N1に発生しているToDo項目及びToDo項目の要求経路を取得する。看護師N1に発生しているToDo項目は、看護師N1に割り当てられ、現在発生しているToDo項目である。また、第1の取得機能112は、ToDo項目管理テーブル121への看護師N1に新たに発生したToDo項目の追加に応じて、ToDo項目管理テーブル121から看護師N1に新たに発生したToDo項目に関する要求経路情報を取得する。例えば、第1の取得機能112は、ToDo項目管理テーブル121から看護師N1に新たに発生したToDo項目及びToDo項目の要求経路を取得する。また、第1の取得機能112は、優先度テーブル122から看護行為の優先度の情報を取得する。例えば、第1の取得機能112は、優先度テーブル122からToDo項目の要求経路及び要求経路に関する優先度を取得する。
【0023】
生成機能113は、ToDo項目一覧を生成及び更新する。例えば、生成機能113は、第1の取得機能112で取得された要求経路情報及び看護行為の優先度の情報に基づいて、看護師N1に発生しているToDo項目を実施優先度順に並べたToDo項目一覧を生成する。実施優先度は、発生しているToDo項目の優先的な実施を求められる度合である。例えば、生成機能113は、第1の取得機能112で取得された要求経路情報及び看護行為の優先度の情報に基づいて、第1の取得機能112によって取得された新たに発生したToDo項目をToDo項目一覧に追加する。例えば、生成機能113は、後述する検出機能116によるToDo項目の終了の検出に基づいて、終了が検出されたToDo項目をToDo項目一覧から消去する。
【0024】
表示制御機能114は、端末2-1~2-nにおける各種情報の表示を制御する。例えば、表示制御機能114は、ToDo項目一覧を端末2-1に表示させる。例えば、表示制御機能114は、後述する検出機能116によるToDo項目の開始の検出に基づいて、端末2-1においてToDo項目一覧を非表示にさせる。
【0025】
第2の取得機能115は、看護行為に関連する画像データまたは音声データを取得する。例えば、看護行為に関連する画像データまたは音声データは、看護行為を行う看護師、または、看護行為の対象者である患者もしくは医師についてのデータである。例えば、第2の取得機能115は、端末2-1で取得される画像データまたは音声データを取得する。なお、画像データ及び音声データは、単一の端末2-1で取得されることに限定されない。画像データ及び音声データは、それぞれ異なる端末で取得されてもよい。以下では、第2の取得機能115によって取得された看護行為に関連する画像データまたは音声データは、第2の取得機能115によって取得されたデータとも称される。
【0026】
検出機能116は、ToDo項目一覧に含まれるToDo項目の開始を検出する。例えば、検出機能116は、メモリ12に記憶されている看護行為の開始に関連付けられている特徴データ、及び、第2の取得機能115によって取得されたデータに基づいて、看護師N1によるToDo項目の開始を検出する。
【0027】
また、検出機能116は、ToDo項目一覧に含まれるToDo項目の終了を検出する。例えば、検出機能116は、メモリ12に記憶されている看護行為の終了に関連付けられている特徴データ、及び、第2の取得機能115によって取得されたデータに基づいて、看護師N1によるToDo項目の終了を検出する。
【0028】
端末2-1の構成について説明する。
端末2-1は、ToDo項目一覧を表示するデバイスである。ここでは、端末2-1は、スマートグラスを例にして説明するが、可搬性のデバイスであればこれに限定されない。例えば、端末2-1は、スマートフォンまたはタブレット端末等であってもよい。
【0029】
端末2-1は、少なくとも処理回路21、メモリ22、ディスプレイ23、カメラ24、マイク25及び通信インタフェース26を有する。
【0030】
処理回路21は、CPU及びGPU等のプロセッサを有する。当該プロセッサがメモリ22等にインストールされたOS(Operating system)等の基本プログラムを実行することにより、処理回路21、メモリ22、ディスプレイ23、カメラ24、マイク25及び通信インタフェース26間でのデータの授受を行う。
【0031】
メモリ22は、種々の情報を記憶するROMやRAM、HDD、SSD、集積回路記憶装置等の記憶装置である。
【0032】
ディスプレイ23は、処理回路21の制御に従い種々の情報を表示する。例えば、ディスプレイ23は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)等である。例えば、ディスプレイ23は、ToDo項目一覧を含む表示データに基づいてToDo項目一覧を表示する。
【0033】
カメラ24は、端末2-1近傍を撮影し、画像データを取得する。例えば、カメラ24は、看護師N1の画像データを取得する。例えば、カメラ24は、医師の画像データを取得する。例えば、カメラ24は、患者Xの画像データを取得する。例えば、画像データは、動画像データである。
【0034】
マイク25は、端末2-1近傍の音を集め、音声データを取得する。例えば、マイク25は、看護師N1の音声データを取得する。例えば、マイク25は、医師の音声データを取得する。例えば、マイク25は、患者Xの音声データを取得する。
【0035】
通信インタフェース26は、他のコンピュータとの間でデータ通信するためのインタフェースである。例えば、通信インタフェース26は、サーバ1等との間でネットワークを介して種々のデータ通信を行う。例えば、通信インタフェース26は、サーバ1から、ToDo項目一覧を含む表示データを受信する。例えば、通信インタフェース26は、カメラ24で取得された画像データ及びマイク25で取得された音声データをサーバ1へ送信する。
【0036】
端末2-2~端末2-nの構成は、端末2-1と同様であるので、説明を省略する。
【0037】
上述のToDo項目管理テーブル121の構成例について説明する。
図4は、ToDo項目管理テーブル121の一例を示す図である。ToDo項目管理テーブル121は、看護師N1が担当する患者Xに関するテーブルとする。
ToDo項目管理テーブル121は、「ToDo項目」、「要求経路」、「要求元」、「要求先」、「日時」、「開始フラグ」及び「終了フラグ」の各項目を含む。ToDo項目管理テーブル121は、これらの項目のうちのいくつかの項目を適宜含んでいればよく、全ての項目を含んでいなくてもよい。
【0038】
「ToDo項目」項目は、患者XのためのToDo項目を登録する項目である。患者XのためのToDo項目は、患者Xのために看護師が行うべき看護行為である。例えば、「ToDo項目」項目には、看護師による患者Xへの投薬を示す「内服」が登録される。例えば、「ToDo項目」項目には、看護師による患者Xへの注射を示す「注射」が登録される。例えば、「ToDo項目」項目には、看護師が患者Xのために医師Aから医師指示を受けるための「医師指示(医師A)」が登録される。
【0039】
「要求経路」項目は、ToDo項目の要求経路を登録する項目である。
「要求元」項目は、ToDo項目を要求した者を登録する項目である。例えば、「要求元」項目には、「医師A」等のToDo項目を要求した者を示す情報が登録される。
「要求先」項目は、ToDo項目を要求された者を登録する項目である。例えば、「要求先」項目には、「看護師N1」等のToDo項目を要求された者を示す情報が登録される。
「日時」項目は、ToDo項目の実行予定日時を登録する項目である。「日時」項目は、具体的な実行予定日時が登録される。
【0040】
「開始フラグ」項目は、ToDo項目の開始済または未開始を示す情報を登録する項目である。例えば、「開始フラグ」項目には、ToDo項目の開始済を示す値(例えば1)またはToDo項目の未開始を示す値(例えば0)の何れかの値が登録される。
「開始フラグ」項目は、ToDo項目の終了済または未終了を示す情報を登録する項目である。「終了フラグ」項目には、ToDo項目の終了済を示す値(例えば1)またはToDo項目の未終了を示す値(例えば0)の何れかの値が登録される。
例えば、処理回路11は、図示しない外部装置から患者XのためのToDo項目に関する情報を取得する毎に、ToDo項目管理テーブル121にレコードを随時追加する。ToDo項目に関する情報は、「ToDo項目」、「要求経路」、「要求元」、「要求先」及び「日時」に登録する情報を含む。
【0041】
例えば、処理回路11は、ナースコールと連携する外部装置からナースコールを要求経路とする患者XのためのToDo項目に関する情報を取得してもよい。この例では、外部装置は、ナースコールを受けることにより患者XのためのToDo項目に関する情報を構成する。
【0042】
例えば、処理回路11は、外部装置から医師からの電話を要求経路とする患者XのためのToDo項目に関する情報を取得してもよい。この例では、外部装置は、医師からの電話を受けたスタッフによる電話内容の入力操作に基づいて、患者XのためのToDo項目に関する情報を構成する。ToDo項目の要求経路が看護師からの電話である場合についても同様である。
【0043】
例えば、処理回路11は、外部装置から医師オーダを要求経路とする患者XのためのToDo項目に関する情報を取得してもよい。この例では、外部装置は、医師による医師オーダの入力操作に基づいて患者XのためのToDo項目に関する情報を構成する。ToDo項目の要求経路が看護師オーダである場合についても同様である。
【0044】
例えば、処理回路11は、外部装置から院内メールを要求経路とする患者XのためのToDo項目に関する情報を取得してもよい。この例では、外部装置は、院内メールの内容を解析し、院内メールを要求経路とする患者XのためのToDo項目に関する情報を取得してもよい。また、この例では、処理回路11は、院内メールを取得し、メモリ12に保存してもよい。
【0045】
例えば、処理回路11は、端末2-1~2-nから取得可能な画像データまたは音声データを解析することで、口頭での医師指示に関する情報を取得してもよい。処理回路11は、端末2-1~2-nとは異なる装置で取得可能な画像データまたは音声データを解析することで、口頭での医師指示に関する情報を取得してもよい。ToDo項目の要求経路が口頭での患者からの依頼である場合についても同様である。これにより、処理回路11は、口頭での医師指示及び口頭での患者からの依頼を要求経路とする患者XのためのToDo項目に関する情報をリアルタイムかつ自動でToDo項目管理テーブル121に登録することができる。処理回路11は、口頭での医師指示及び口頭での患者からの依頼について看護師N1による作業漏れを減らすことができる。
【0046】
処理回路11は、ToDo項目の開始の検出に基づいて、開始が検出されたToDo項目に紐付けられている「開始フラグ」項目にToDo項目の開始済を示す値を登録する。処理回路11は、ToDo項目の終了の検出に基づいて、終了が検出されたToDo項目に紐付けられている「終了フラグ」項目にToDo項目の終了済を示す値を登録する。
【0047】
以下、本実施形態に係るサーバ1の処理の詳細について説明する。
【0048】
図5は、サーバ1の処理回路11によるToDo項目一覧の表示制御処理の流れの一例を示す図である。
サーバ1は、端末2-1からToDo項目一覧の表示制御処理の開始指示を受信することで、図5に例示するToDo項目一覧の表示制御処理を開始する。例えば、看護師N1は、始業前に端末2-1で開始指示を発生させる入力操作をしてもよい。
【0049】
処理回路11は、第1の取得機能112により、ToDo項目管理テーブル121から要求経路情報を取得し、優先度テーブル122から看護行為の優先度の情報を取得する(ステップS1)。ステップS1では、処理回路11は、ToDo項目管理テーブル121の「日時」項目を参照し、看護師N1の勤務時間に含まれる実行予定日時と紐付けられているToDo項目を特定する。処理回路11は、ToDo項目管理テーブル121の「開始フラグ」項目及び「終了フラグ」項目を参照し、要求経路情報として、看護師N1に発生しているToDo項目及びToDo項目の要求経路を取得する。この例では、処理回路11は、未開始のToDo項目を取得する。未開始のToDo項目は、「開始フラグ」項目にToDo項目の未開始を示す情報が登録されたToDo項目である。さらに、処理回路11は、開始済かつ未終了のToDo項目を取得する。開始済かつ未終了のToDo項目は、「開始フラグ」項目にToDo項目の開始済を示す情報が登録され、かつ、「終了フラグ」項目にToDo項目の未終了を示す情報が登録されたToDo項目である。これにより、処理回路11は、看護師N1に発生しているToDo項目を漏れなく取得することができる。処理回路11は、別の看護師が終了させることができなかったToDo項目を別の看護師から看護師N1に引き継がせることができる。例えば、処理回路11は、別の看護師が開始した患者Xへの点滴について、点滴の終了作業を別の看護師から看護師N1に引き継がせることができる。また、ステップS1では、処理回路11は、看護行為の優先度の情報として、優先度テーブル122からToDo項目の要求経路及び要求経路に関する優先度を取得する。
【0050】
処理回路11は、ToDo項目と共に、ToDo項目管理テーブル121からToDo項目に紐付けられている種々の情報を取得してもよい。例えば、処理回路11は、ToDo項目管理テーブル121の「日時」項目に登録された実行予定日時の情報を取得してもよい。なお、看護師N1が複数の患者を担当する場合、処理回路11は、複数のToDo項目管理テーブルから看護師N1のToDo項目を取得することができる。
【0051】
処理回路11は、生成機能113により、要求経路情報及び看護行為の優先度の情報に基づいて、看護師N1に発生しているToDo項目を実施優先度順に並び替える(ステップS2)。ステップS2では、処理回路11は、要求経路情報及び看護行為の優先度の情報に含まれるToDo項目の要求経路をキーにして、看護師N1に発生しているToDo項目の要求経路に関する優先度を示す番号を取得する。処理回路11は、要求経路に関する優先度を示す番号を参照し、看護師N1に発生しているToDo項目を、要求経路に関する優先度を示す番号の小さい順に並べる。例えば、処理回路11は、要求経路に関する優先度を示す番号が最も小さいToDo項目を先頭行に配置し、番号の小さい順に、縦方向にToDo項目を並べる。
なお、複数のToDo項目が同じ要求経路に関する優先度を示す番号に対応する場合、処理回路11は、看護行為と、看護行為に関する緊急度スコアとを紐付けた優先度テーブル122を参照し、看護行為に関する緊急度スコアの順に並べてもよい。これに代えて、処理回路11は、複数のToDo項目を実行予定日時の昇順に並べてもよい。なお、処理回路11は、看護行為と、看護行為に関する緊急フラグとを紐付けた優先度テーブル122を参照し、看護行為に関する緊急フラグを設定されているToDo項目の実施優先度を上げるようにしてもよい。例えば、処理回路11は、看護行為に関する緊急フラグを設定されているToDo項目を、要求経路に関する優先度によらず、先頭部分に配置するようにしてもよい。なお、処理回路11は、実行予定日時を所定時間経過しても未終了のToDo項目の優先度を高くしてもよい。所定時間は、適宜変更可能である。
【0052】
処理回路11は、生成機能113により、看護師N1に発生しているToDo項目を実施優先度順に並べた看護師N1のToDo項目一覧を生成する(ステップS3)。ステップS3では、処理回路11は、実施優先度順に並べられたToDo項目に実行予定日時を対応付けて、ToDo項目一覧を生成してもよい。
【0053】
処理回路11は、表示制御機能114により、ToDo項目一覧を端末2-1に表示させる(ステップS4)。ステップS4では、処理回路11は、ToDo項目一覧を含む表示データを端末2-1へ出力する。これにより、端末2-1は、ToDo項目一覧を含む表示データに基づいてToDo項目一覧をディスプレイ23に表示する。ディスプレイ23に表示されるToDo項目一覧の画面例については後述する。
【0054】
処理回路11は、第1の取得機能112により、ToDo項目管理テーブル121への看護師N1についての新たなToDo項目の追加を監視する(ステップS5)。処理回路11は、新たなToDo項目の追加の未検出に基づいて(ステップS5、No)、新たなToDo項目の追加の監視を継続する。処理回路11は、新たに発生したToDo項目の追加の検出に基づいて(ステップS5、Yes)、ToDo項目管理テーブル121から新たに発生したToDo項目に関する要求経路情報を取得する(ステップS6)。ステップS6では、処理回路11は、要求経路情報として、ToDo項目管理テーブル121から新たに発生したToDo項目及びToDo項目の要求経路を取得する。
【0055】
処理回路11は、生成機能113により、要求経路情報及び看護行為の優先度の情報に基づいて、新たに発生したToDo項目をToDo項目一覧に追加する(ステップS107)。ステップS7では、処理回路11は、ステップS2と同様に、新たに発生したToDo項目の要求経路に関する優先度を示す番号を取得する。処理回路11は、新たに発生したToDo項目の要求経路に関する優先度を示す番号と、ToDo項目一覧に含まれるToDo項目の要求経路に関する優先度を示す番号とを比較する。処理回路11は、要求経路に関する優先度を示す番号が小さい順に並ぶように、新たに発生したToDo項目をToDo項目一覧に追加する。このように、処理回路11は、ToDo項目管理テーブル121への新たに発生したToDo項目の追加に応じて、ToDo項目一覧を更新することができる。なお、処理回路11は、上述のように看護行為と、看護行為に関する緊急度スコアとを紐付けた優先度テーブル122を参照し、新たに発生したToDo項目をToDo項目一覧に追加してもよい。処理回路11は、上述のように看護行為と、看護行為に関する緊急フラグとを紐付けた優先度テーブル122を参照し、新たに発生したToDo項目をToDo項目一覧に追加してもよい。
【0056】
処理回路11は、表示制御機能114により、新たに発生したToDo項目を追加したToDo項目一覧を端末2-1に表示させる(ステップS8)。ステップS8では、処理回路11は、ステップS4と同様に、ToDo項目一覧を含む表示データを端末2-1へ出力する。
【0057】
このように、処理回路11は、ToDo項目管理テーブル121への新たに発生したToDo項目の追加に応じて、新たに発生したToDo項目をToDo項目一覧に追加することができる。処理回路11は、リアルタイムにToDo項目一覧を更新することができる。看護師N1は、サーバ1によってリアルタイムに更新されるToDo項目一覧を確認することができる。
【0058】
上述の例では、処理回路11が看護師Nの勤務時間のToDo項目一覧を生成し、このToDo項目一覧を看護師Nに紐付けられている端末2-1に表示させる例を説明したが、これに限定されない。処理回路11は、勤務時間を問わず看護師NのToDo項目一覧を生成し、このToDo項目一覧を看護師Nに紐付けられている端末2-1に表示させてもよい。これにより、看護師Nは、自身が担当している患者についての勤務時間外のToDo項目も把握することができる。処理回路11は、病院内の全看護師各々のToDo項目一覧を生成し、全看護師各々のToDo項目一覧を全ての端末に表示させてもよい。これにより、看護師Nは、他の看護師の状況も把握することができる。処理回路11は、病院内の全看護師のToDo項目一覧を生成し、このToDo項目一覧を全ての端末に表示させてもよい。これにより、看護師Nは、病院内で発生している全てのToDo項目を把握することができる。
【0059】
なお、上述のステップS3では、処理回路11は、ToDo項目一覧を病棟毎または病棟のフロア毎に分けて生成するようにしてもよい。この例では、メモリ12は、各患者の入院している病棟に関する情報、または、各患者の入院している病棟のフロアに関する情報を記憶しているものとする。また、ToDo項目管理テーブル121は、上述のように患者毎に用意されている。そのため、処理回路11は、各患者の入院している病棟に関する情報、または、各患者の入院している病棟のフロアに関する情報を参照することで、ToDo項目一覧を病棟毎または病棟のフロア毎に分けて生成することができる。処理回路11は、病棟毎または病棟のフロア毎に分けて生成したToDo項目一覧を端末2-1に表示させることができる。これにより、看護師Nは、同じ病棟またはフロア内で行う必要のあるToDo項目をまとめて把握することができるので、効率よくまとめてToDo項目を行うことができる。
【0060】
なお、上述のステップS3では、処理回路11は、看護師を指定されたToDo項目に対して、この看護師を対応付けてToDo項目一覧を生成するようにしてもよい。この例では、ToDo項目管理テーブル121は、ToDo項目を行う者として指定された看護師をToDo項目に紐付けて管理していてもよい。例えば、看護師の指定は、あるToDo項目については特定の看護師でなければ患者が嫌がる場合、あるToDo項目については特定の看護師でなければ対応できない場合などに行われる。処理回路11は、ToDo項目を行う者として指定された看護師の情報に基づいて、看護師を指定されたToDo項目に対して、この看護師を対応付けてToDo項目一覧を生成することができる。処理回路11は、看護師を指定されたToDo項目に対してこの看護師を対応付けたToDo項目一覧を端末2-1に表示させることができる。例えば、処理回路11は、「〇〇看護師指定」など表示を、看護師を指定されたToDo項目に対応付けて端末2-1に表示させてもよい。これにより、看護師Nは、他の看護師では対応することができず、自身で対応しなければならないToDo項目を容易に把握することができる。
【0061】
なお、上述のステップS4及びS8では、処理回路11は、看護師Nの移動経路に基づいて、ToDo項目一覧のうち端末2-1に表示する部分と非表示にする部分を設定するようにしてもよい。例えば、移動経路は、病院内での滞在場所などの看護師Nのリアルタイムの移動経路である。滞在場所は、病棟、病棟のフロア、病室などである。この例では、処理回路11は、病院内に設置されている図示しない撮影装置で取得される画像データに基づいて、看護師Nの移動経路を随時取得する。処理回路11は、看護師Nの移動経路に基づいて、ToDo項目一覧のうち看護師Nの滞在場所に関連する部分と看護師Nの滞在場所に関連しない部分とを随時分けて取得する。例えば、ToDo項目一覧のうち滞在場所に関連する部分は、滞在場所に入院している患者に対するToDo項目である。ToDo項目一覧のうち滞在場所に関連しない部分は、滞在場所に入院している患者以外の患者に対するToDo項目である。処理回路11は、看護師Nの滞在場所に関連する部分については看護師Nの端末2-1に表示する部分として設定する。処理回路11は、看護師Nの滞在場所に関連しない部分については非表示にする部分として設定する。処理回路11は、ToDo項目一覧のうち看護師Nの滞在場所に関連する部分を看護師Nの端末2-1に表示させる。このように、処理回路11は、看護師Nの移動経路に基づいてリアルタイムにToDo項目一覧のうち端末2-1に表示する部分と非表示にする部分と変更する。これにより、看護師Nは、今やるべきToDo項目を容易に把握することができる。
【0062】
なお、上述のステップS4及びS8では、処理回路11は、看護師Nのスケジュールに基づいて、ToDo項目一覧のうち端末2-1に表示する部分と非表示にする部分を設定するようにしてもよい。例えば、スケジュールは、看護師Nの病院内での滞在場所と時刻とを関連付けた予め決められた看護師Nの行動に関するスケジュールである。メモリ12は、各看護師のスケジュールに関する情報を記憶しているものとする。この例では、処理回路11は、メモリ12に記憶されている看護師Nのスケジュールに関する情報に基づいて、ToDo項目一覧のうち看護師Nの滞在場所に関連する部分と看護師Nの滞在場所に関連しない部分とを時刻毎に分けて取得する。処理回路11は、看護師Nの滞在場所に関連する部分については看護師Nの端末2-1に表示する部分として設定する。処理回路11は、看護師Nの滞在場所に関連しない部分については非表示にする部分として設定する。処理回路11は、ToDo項目一覧のうち看護師Nの滞在場所に関連する部分を看護師Nの端末2-1に表示させる。このように、処理回路11は、看護師Nのスケジュールに基づいてリアルタイムにToDo項目一覧のうち端末2-1に表示する部分と非表示にする部分と変更する。これにより、看護師Nは、今やるべきToDo項目を容易に把握することができる。
【0063】
なお、上述のステップS4及びS8では、処理回路11は、看護師Nの勤務形態に基づいて、ToDo項目一覧のうち端末2-1に表示する部分と非表示にする部分を設定するようにしてもよい。例えば、勤務形態は、日勤、夜勤などの勤務時間帯である。この例では、メモリ12は、各看護師の勤務形態に関する情報を記憶しているものとする。処理回路11は、看護師Nの勤務形態に関する情報を参照することで、ToDo項目一覧のうち看護師Nの勤務時間内に関する部分と看護師Nの勤務時間外に関する部分とを分けて取得する。処理回路11は、看護師Nの勤務時間内に関する部分については看護師Nの端末2-1に表示する部分として設定する。処理回路11は、看護師Nの勤務時間外に関する部分については非表示にする部分として設定する。処理回路11は、ToDo項目一覧のうち看護師Nの勤務時間内に関する部分を看護師Nの端末2-1に表示させる。これにより、看護師Nは、端末2-1で自身の勤務時間内のToDo項目のみを見ることができるので、自身が行うべきToDo項目を容易に把握することができる。
【0064】
図6は、サーバ1の処理回路11によるToDo項目一覧の表示制御処理の流れの別の例を示す図である。
サーバ1は、図5の例と同様に、図6に例示するToDo項目一覧の表示制御処理を開始する。
【0065】
処理回路11は、ステップS1~S4と同様に、ステップS10~S13を処理する。処理回路11は、第2の取得機能115により、看護行為に関連する画像データまたは音声データを取得する(ステップS14)。ステップS14では、処理回路11は、看護行為に関連する画像データまたは音声データをリアルタイムに取得する。
【0066】
処理回路11は、検出機能116により、ToDo項目一覧に含まれるToDo項目の開始を検出する(ステップS15)。ステップS15では、処理回路11は、メモリ12に記憶されている看護行為の開始に関連付けられている特徴データ、及び、第2の取得機能115によって取得されたデータに基づいて、ToDo項目の開始を検出することができる。この例では、処理回路11は、第2の取得機能115によって取得されたデータを特徴紐付テーブル123の「開始」項目に登録されたデータと比較する。処理回路11は、第2の取得機能115によって取得されたデータと一致または略一致する特徴紐付テーブル123の「開始」項目に登録されたデータを検出する。処理回路11は、第2の取得機能115によって取得されたデータと一致または略一致する「開始」項目に登録されたデータに紐付けられているToDo項目の開始を検出する。
【0067】
処理回路11は、ToDo項目の開始の未検出に基づいて(ステップS15、No)、ToDo項目の開始の監視を継続する。処理回路11は、ToDo項目の開始の検出に基づいて(ステップS15、Yes)、開始が検出されたToDo項目に紐付けられている「開始フラグ」項目にToDo項目の開始済を示す値を登録する(ステップS16)。
【0068】
処理回路11は、ToDo項目の開始済を示す値の登録に基づいて、表示制御機能114により、端末2-1においてToDo項目一覧を非表示にさせる(ステップS17)。ステップS17では、処理回路11は、ToDo項目一覧を非表示にさせる指示信号を端末2-1へ出力する。これにより、端末2-1は、処理回路21により、ディスプレイ23においてToDo項目一覧を非表示にする。
【0069】
処理回路11は、検出機能116により、ToDo項目一覧に含まれるToDo項目の終了を検出する(ステップS18)。ステップS18では、処理回路11は、メモリ12に記憶されている看護行為の終了に関連付けられている特徴データ、及び、第2の取得機能115によって取得されたデータに基づいて、ToDo項目の終了を検出することができる。この例では、処理回路11は、第2の取得機能115によって取得されたデータを特徴紐付テーブル123の「終了」項目に登録されたデータと比較する。処理回路11は、第2の取得機能115によって取得されたデータと一致または略一致する特徴紐付テーブル123の「終了」項目に登録されたデータを検出する。処理回路11は、第2の取得機能115によって取得されたデータと一致または略一致する「終了」項目に登録されたデータに紐付けられているToDo項目の終了を検出する。
【0070】
処理回路11は、ToDo項目の終了の未検出に基づいて(ステップS18、No)、ToDo項目の終了の監視を継続する。処理回路11は、ToDo項目の終了の検出に基づいて(ステップS18、Yes)、終了が検出されたToDo項目に紐付けられている「終了フラグ」項目にToDo項目の終了済を示す値を登録する(ステップS19)。ステップS19では、処理回路11は、終了が検出されたToDo項目を看護記録に反映することができる。
【0071】
処理回路11は、生成機能113により、終了が検出されたToDo項目をToDo項目一覧から消去する(ステップS20)。ステップS20では、処理回路11は、ToDo項目の終了済を示す値が「終了フラグ」項目に登録されたToDo項目を、ToDo項目一覧から消去する。このように、処理回路11は、ToDo項目の終了に応じて、ToDo項目一覧を更新することができる。なお、処理回路11は、ToDo項目の実施予定日時が現在日時から乖離していたとしても、ToDo項目一覧から消去してもよい。その理由の一つは、看護師はToDo項目の実施予定日時によらず、状況に応じて効率的にToDo項目を行うことがあるからである。
【0072】
処理回路11は、表示制御機能114により、終了が検出されたToDo項目が消去されたToDo項目一覧を端末2-1に表示させる(ステップS21)。ステップS21では、処理回路11は、終了が検出されたToDo項目が消去されたToDo項目一覧を含む表示データを端末2-1へ出力する。これにより、端末2-1は、終了が検出されたToDo項目が消去されたToDo項目一覧をディスプレイ23に表示する。
【0073】
このように、処理回路11は、メモリ12に記憶されている看護行為の開始に関連付けられている特徴データ、及び、第2の取得機能115によって取得されたデータに基づいて、ToDo項目の開始を検出することができる。これにより、処理回路11は、リアルタイムにToDo項目の開始を検出し、ToDo項目の開始を示す情報を自動で登録することができる。看護師N1は、ToDo項目の開始の登録作業を省略することができる。
【0074】
処理回路11は、ToDo項目の開始の検出に基づいて、端末2-1においてToDo項目一覧を非表示にさせることができる。これにより、看護師N1は、端末2-1の表示を気にすることなく、看護行為に集中することができる。
【0075】
処理回路11は、メモリ12に記憶されている看護行為の終了に関連付けられている特徴データ、及び、第2の取得機能115によって取得されたデータに基づいて、ToDo項目の終了を検出することができる。これにより、処理回路11は、リアルタイムにToDo項目の終了を検出し、ToDo項目の終了を示す情報を自動で登録することができる。看護師N1は、ToDo項目の終了の登録作業を省略することができる。
【0076】
処理回路11は、ToDo項目の終了の検出に基づいて終了したToDo項目をToDo項目一覧から消去することができる。処理回路11は、リアルタイムにToDo項目一覧を更新することができる。看護師N1は、リアルタイムに更新されるToDo項目一覧を確認することができる。
【0077】
次に、端末2-1におけるToDo項目一覧の表示例について説明する。
【0078】
図7は、端末2-1のディスプレイ23に表示されるToDo項目一覧の一例を示す画面図である。図7に示すToDo項目一覧は、図4に示すToDo項目管理テーブル121で管理されているToDo項目を例にしたものである。
【0079】
この例では、ディスプレイ23は、ToDo項目一覧の画面を表示する。ToDo項目一覧は、ToDo項目を縦方向に並べる。ToDo項目一覧は、「医師指示(医師A)」を先頭行に配置する。ToDo項目一覧は、実行予定日時によらず、「医師指示(医師A)」よりも実施優先度を示す番号の小さい「内服」及び「注射」を「医師指示(医師A)」の下に配置する。ToDo項目一覧は、同じ実施優先度を示す番号に対応している「内服」及び「注射」を実行予定日時の昇順に並べる。
【0080】
なお、処理回路11は、ToDo項目一覧において、実施優先度の纏まり毎に異なる表示形式でToDo項目を端末2-1に表示させてもよい。例えば、表示形式は、色またはフォント等であるが、これらに限定されない。これにより、看護師N1は、実施優先度毎のToDo項目の纏まりを容易に認識することができる。
【0081】
なお、処理回路11は、生成機能113により、ToDo項目の要求経路が院内メールに紐付けられたToDo項目に対して、院内メールに含まれる件名を対応付けてToDo項目一覧を生成してもよい。この例では、処理回路11は、表示制御機能114により、ToDo項目に対して院内メールに含まれる件名を対応付けたToDo項目一覧を端末2-1に表示させることができる。処理回路11は、院内メールに含まれる件名を先頭行に配置したToDo項目一覧を端末2-1に表示させるようにしてもよい。これにより、看護師N1は、院内メールに含まれる件名の内容を見逃すことなく確認することができる。
【0082】
処理回路11は、院内メールに含まれる件名の内容に応じて、端末2-1における院内メールに含まれる件名の表示または非表示を切り替えるようにしてもよい。この例では、処理回路11は、院内メールに含まれる件名に所定の文字列が含まれていれば、院内メールに含まれる件名を表示と判断する。他方、処理回路11は、院内メールに含まれる件名に所定の文字列が含まれていなければ、院内メールに含まれる件名を非表示と判断する。例えば、所定の文字列は、「至急」等の緊急性を示す文字列であるが、これに限定されない。これにより、看護師N1は、院内メールに含まれる件名の表示または非表示を確認することで、院内メールによる要求の緊急性を認識することができる。
【0083】
処理回路11は、端末2-1における院内メールに含まれる件名の表示時間を設定するようにしてもよい。この例では、処理回路11は、ToDo項目一覧を含む表示データと共に、院内メールに含まれる件名の表示時間に関する情報を端末2-1へ出力する。表示時間は、適宜変更可能である。端末2-1は、処理回路21により、院内メールに含まれる件名を含むToDo項目一覧をディスプレイ23に表示させる。端末2-1は、件名の表示から表示時間経過後、ToDo項目一覧のうちの件名をディスプレイ23において非表示にする。このように、処理回路11は、件名がToDo項目一覧に常に含まれ続けることを回避し、見やすいToDo項目一覧を提供することができる。
【0084】
図8は、端末2-1のディスプレイ23に表示されるToDo項目一覧の別の例を示す画面図である。
ディスプレイ23は、ToDo項目一覧に加えて、看護師N1の近くにいる患者Xに関する種々の情報を表示する。例えば、種々の情報は、プロフィール、病名、看護記録及び温度板等である。ディスプレイ23に表示される画面は、ToDo項目一覧の表示領域R1、プロフィールの表示領域R2、病名の表示領域R3、温度板の表示領域R4及び看護記録R5を含む。端末2-1がスマートグラスである場合、看護師N1は、図8に例示するように、ディスプレイ23に表示される画面に患者Xを重ね合わせて見ることができる。
【0085】
この例では、処理回路11は、第2の取得機能115により取得されたデータに基づいて看護師N1の近傍に存在する患者Xを特定する。処理回路11は、看護師N1の近くにいる患者Xに関する種々の情報を図示しない装置から取得する。処理回路11は、ToDo項目一覧に加えて、看護師N1の近くにいる患者Xに関する種々の情報を含む表示データを端末2-1へ出力する。
【0086】
これにより、看護師N1は、ToDo項目一覧と合わせて患者Xに関する種々の情報をリアルタイムに確認することで、患者Xに対する適切な看護行為を行うことができる。
【0087】
以下、種々の変形例について説明する。
【0088】
上述の実施形態では、処理回路11が第2の取得機能115により端末2-1で取得される看護行為に関連する画像データまたは音声データを取得する例について説明したが、これに限定されない。処理回路11は、病院内に設置されている図示しない撮影装置で取得される看護行為に関連する画像データまたは音声データを取得してもよい。
【0089】
上述の実施形態では、処理回路11は、看護行為に関連する画像データまたは音声データに基づいてToDo項目の開始及び終了を検出する例について説明したが、これに限定されない。処理回路11は、看護行為に関連する画像データまたは音声データとは異なるデータに基づいてToDo項目の開始及び終了を検出してもよい。ToDo項目がバイタルサインである場合を例にして説明する。処理回路11は、患者Xに取り付けられている図示しない計測機器から図示しない装置への計測データの入力開始に応じてToDo項目の開始を検出してもよい。処理回路11は、計測機器から図示しない装置への計測データの入力終了に応じてToDo項目の終了を検出してもよい。
【0090】
上述の実施形態では、処理回路11がToDo項目の開始の検出に基づいてToDo項目一覧を非表示にさせる例について説明したが、これに限定されない。処理回路11は、ToDo項目の開始の検出に基づいて、表示制御機能114により、ToDo項目一覧における開始が検出されたToDo項目を強調して端末2-1に表示させてもよい。例えば、強調は、色またはフォント等によるが、これらに限定されない。これにより、看護師N1は、実行中のToDo項目を容易に認識することができる。
【0091】
上述の実施形態では、処理回路11がToDo項目の終了の検出に基づいて終了が検出されたToDo項目をToDo項目一覧から消去する例について説明したが、これに限定されない。処理回路11は、生成機能113により、ToDo項目一覧における終了が検出されたToDo項目に印を付してもよい。印は、終了済のToDo項目と未終了のToDo項目とを区別できる態様であればよく、限定されない。看護師N1は、終了済のToDo項目と未終了のToDo項目を容易に把握することができる。
【0092】
上述の実施形態では、処理回路11が発生しているToDo項目を実施優先順に並び替える例について説明したが、これに限定されない。処理回路11は、発生しているToDo項目を実施優先度順に並び替えた後に、ToDo項目の内容に応じて発生しているToDo項目の並びを補正し、ToDo項目一覧を生成してもよい。
【0093】
例えば、処理回路11は、注射等の時間を要しないToDo項目については実施優先度を低くするように補正してもよい。例えば、処理回路11は、互いに関連性のあるToDo項目を連続させて並べるように補正してもよい。例えば、関連性のあるToDo項目は、同じ場所で行われるToDo項目である。例えば、処理回路11は、過去の看護師N1の行動パターンデータを考慮し、発生しているToDo項目が効率的に行われるように、発生しているToDo項目の並びを補正してもよい。例えば、行動パターンデータは、看護師N1が過去に実際に行ったToDo項目の順序等を示すデータである。処理回路11が行動パターンデータを用いるのは、効率的なToDo項目の順序が看護師毎に異なるからである。これにより、看護師N1は、効率よくToDo項目を行うことができる。
【0094】
上述の実施形態では、処理回路11がToDo項目でToDo項目一覧を構成する例について説明したが、これに限定されない。処理回路11は、ToDo項目に分類されないタスクの発生に基づいて、ToDo項目一覧にタスクを追加するようにしてもよい。例えば、タスクは、感染症で搬送された患者の対応、感染症で搬送された患者の嘔吐の処理等、緊急の作業である。処理回路11は、ToDo項目一覧の先頭行にタスクを追加することができる。処理回路11は、全ての看護師のToDo項目一覧にタスクを含めてもよい。これに代えて、処理回路11は、ToDo項目の数の少ない看護師のToDo項目一覧にタスクを含めてもよい。これにより、看護師N1は、ToDo項目一覧に分類されない緊急の作業についても、適切に対応することができる。
【0095】
上述の実施形態では、要求経路に関する優先度が予め定められた順序である例について説明したが、これに限定されない。処理回路11は、過去の看護師N1の行動パターンデータを考慮し、優先度テーブル122で管理されているToDo項目の要求経路と、要求経路に関する優先度との紐付けを変更してもよい。行動パターンデータは、上述のとおりである。これにより、処理回路11は、看護師N1の行動パターンに適したToDo項目一覧を生成することができる。
【0096】
上述の実施形態では、単一の端末2-1が画像データ及び音声データを取得すると共にToDo項目一覧を表示する例について説明したが、これに限定されない。画像データ及び音声データを取得する端末と、ToDo項目一覧を表示する端末とは、別体であってもよい。
【0097】
上述の実施形態では、看護行為の優先度の情報としてToDo項目の要求経路を考慮する例について説明したが、これに限定されない。
一例では、処理回路11は、看護行為に関する緊急度スコアを考慮してもよい。この例では、処理回路11は、看護行為の優先度の情報として、優先度テーブル122から看護行為及び看護行為に関する緊急度スコアを取得する。処理回路11は、看護師N1に発生しているToDo項目を緊急度スコアに応じた実施優先度順に並べたToDo項目一覧を生成する。例えば、処理回路11は、緊急度スコアが最も小さいToDo項目を先頭行に配置し、緊急度スコアの小さい順に、縦方向にToDo項目を並べる。
別の例では、処理回路11は、看護行為に関する緊急フラグを考慮してもよい。この例では、処理回路11は、看護行為の優先度の情報として、優先度テーブル122から看護行為及び看護行為に関する緊急フラグを取得する。処理回路11は、看護師N1に発生しているToDo項目を、緊急フラグを考慮して実施優先度順に並べたToDo項目一覧を生成する。例えば、処理回路11は、緊急度フラグを設定されているToDo項目を先頭部分に配置し、緊急度フラグを設定されていないToDo項目をその後に配置する。
【0098】
この例では、処理回路11は、以下に例示するように、スケジュール表を構成してもよい。処理回路11は、第1の取得機能112により、看護行為の優先度の情報、及び、特定の患者に対して発生しているToDo項目を時系列で示すスケジュール表を取得することができる。一例では、処理回路11は、看護行為の優先度の情報として、優先度テーブル122から看護行為及び看護行為に関する緊急度スコアを取得する。別の例では、処理回路11は、看護行為の優先度の情報として、優先度テーブル122から看護行為及び看護行為に関する緊急フラグを取得する。また、処理回路11は、ToDo項目管理テーブル121を参照し、患者Xに対して発生しているToDo項目を時系列で示すスケジュール表を取得することができる。処理回路11は、看護師N1の勤務時間にとらわれることなく、患者Xに対して発生しているToDo項目を取得し、時系列で示すスケジュール表を構成してもよい。
【0099】
処理回路11は、表示制御機能114により、看護行為の優先度の情報に基づいて、スケジュール表に含まれるToDo項目を所定時間毎に実施優先度順に並べて、スケジュール表を端末2-1に表示させる。例えば、処理回路11は、所定時間毎の纏まりを区別できる態様で所定時間毎に実施優先度順に並べる。例えば、所定時間は、2時間等の具体的な時間でもよい。例えば、所定時間は、複数の看護師が患者Xを交代で担当する場合には、複数の看護師それぞれの勤務時間帯に対応していてもよい。所定時間は、適宜設定可能である。
【0100】
これにより、看護師N1は、自身が患者Xを担当する時間帯におけるToDo項目を実施優先度順に把握することができる。看護師N1は、別の看護師が患者Xを担当する時間帯におけるToDo項目を実施優先度順に把握することができる。
【0101】
上述の実施形態では、実施優先度を考慮する例について説明したが、これに限定されない。処理回路11は、ToDo項目を時系列で示すスケジュール表(一覧)を用いてもよい。
【0102】
この例では、処理回路11は、第1の取得機能112により、特定の患者に対して発生している複数のToDo項目を時系列で示すスケジュール表を取得する。例えば、処理回路11は、ToDo項目管理テーブル121を参照し、患者Xに対して発生している複数のToDo項目を時系列で示すスケジュール表を取得することができる。処理回路11は、看護師N1の勤務時間にとらわれることなく、患者Xに対して発生している複数のToDo項目を取得し、時系列で示すスケジュール表を構成してもよい。
【0103】
処理回路11は、表示制御機能114により、スケジュール表を端末2-1に表示させる。これにより、端末2-1は、スケジュール表を表示する。処理回路11は、第2の取得機能115により、上述のように看護行為に関連する画像データまたは音声データを取得する。処理回路11は、検出機能116により、上述のようにメモリ12に記憶されている看護行為の終了に関連付けられている特徴データ、及び、第2の取得機能115によって取得されたデータに基づいて、ToDo項目の終了を検出する。
【0104】
処理回路11は、表示制御機能114により、スケジュール表に含まれる終了が検出されたToDo項目を消去して前記端末2-1に表示させる。例えば、処理回路11は、ToDo項目の終了済を示す値が「終了フラグ」項目に登録されたToDo項目を、スケジュール表から消去する。処理回路11は、終了が検出されたToDo項目が消去されたスケジュール表を含む表示データを端末2-1へ出力する。
【0105】
処理回路11は、終了が検出されたToDo項目の消去に代えて、終了が検出されたToDo項目を他のToDo項目とは異なる態様で端末2-1に表示させてもよい。例えば、処理回路11は、終了が検出されたToDo項目を他のToDo項目とは異なる態様に変更したスケジュール表を含む表示データを端末2-1へ出力する。異なる態様は、終了済のToDo項目と未終了のToDo項目とを区別できる態様であればよく、限定されない。例えば、異なる態様は、印の有無、異なる色またはフォント等であるが、これらに限定されない。
【0106】
これにより、看護師N1は、時系列で並べられたToDo項目について、終了済のToDo項目と未終了のToDo項目を容易に把握することができる。
【0107】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、サーバ1は、発生しているToDo項目を実施優先度順に並べたToDo項目一覧を生成することで、看護師N1の作業効率を向上させることができる。例えば、看護師N1は、実施優先度の高い順にToDo項目を行うことができる。
【0108】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、プログラムを実行するのではなく、論理回路の組合せにより当該プログラムに対応する機能を実現しても良い。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0110】
1 サーバ
2-1 端末
2-n 端末
10 病院内システム
11 処理回路
12 メモリ
13 通信インタフェース
21 処理回路
22 メモリ
23 ディスプレイ
24 カメラ
25 マイク
26 通信インタフェース
111 更新機能
112 第1の取得機能
113 生成機能
114 表示制御機能
115 第2の取得機能
116 検出機能
121 ToDo項目管理テーブル
122 優先度テーブル
123 特徴紐付テーブル
図1
図2
図3
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図8