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特許7500181情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20240610BHJP
【FI】
G06Q40/02
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019203899
(22)【出願日】2019-11-11
(65)【公開番号】P2021077150
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】598049322
【氏名又は名称】株式会社三菱UFJ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100190355
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 紀央
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 篤哉
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-200675(JP,A)
【文献】特開2018-151824(JP,A)
【文献】特開2014-081690(JP,A)
【文献】特開2013-134543(JP,A)
【文献】特開2016-024603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融機関に関連する文字列情報が含まれるように規定された第1フィールドおよび前記第1フィールドと異なる内容が規定された第2フィールドを含む電文の前記第1フィールドから取得した第1情報と、前記電文の第2フィールドから取得した第2情報と、に基づいて送金国情報を生成する処理部を含み、
前記処理部は、前記第1情報と前記第2情報とが一致し、かつ、前記第1情報が金融機関識別コードを含むとき、前記金融機関識別コードに含まれる国コードから前記送金国情報を生成する情報処理装置。
【請求項2】
さらに、前記第1情報に、前記第1情報から特定される第1国情報が紐付けられて登録された第1情報データベースを含む記憶部を含み、
前記処理部は、前記第1情報と前記第2情報とが一致し、かつ、前記第1情報が前記金融機関識別コードを含まないとき、前記第1情報データベースを検索し、前記第1情報データベースが前記第1情報を含むとき、前記第1情報に紐付けられた前記第1国情報に基づき前記送金国情報を生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、さらに、前記第1情報および前記第2情報を含む第3情報に、前記第3情報から特定される第2国情報が紐付けられて登録された第2情報データベースを含み、
前記処理部は、前記第1情報と前記第2情報とが一致しないとき、前記第2情報データベースを検索し、前記第2情報データベースが前記第3情報を含むとき、前記第3情報に紐付けられた前記第2国情報に基づき前記送金国情報を生成する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記第2情報データベースが前記第3情報を含まないとき、作業者によって入力された第3国情報に基づき前記送金国情報を生成する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1フィールドは、SWIFTフォーマットのTag52である請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2フィールドは、所定の記号を含むフィールドである請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記所定の記号は、「/INS/」コードである請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第2フィールドは、SWIFTフォーマットのTag72である請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
金融機関に関連する文字列情報が含まれるように規定された第1フィールドおよび前記第1フィールドと異なる内容が規定された第2フィールドを含む電文の前記第1フィールドから取得した第1情報と、前記電文の前記第2フィールドから取得した第2情報と、に基づいて送金国情報を生成する、コンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記第1情報と前記第2情報とが一致し、かつ、前記第1情報が金融機関識別コードを含むとき、前記金融機関識別コードに含まれる国コードから前記送金国情報を生成する情報処理方法。
【請求項10】
前記第1情報と前記第2情報とが一致し、かつ、前記第1情報が前記金融機関識別コードを含まないとき、前記第1情報に、前記第1情報から特定される第1国情報が紐付けられて登録された第1情報データベースを検索し、
前記第1情報データベースが前記第1情報を含むとき、前記第1情報に紐付けられた前記第1国情報に基づき前記送金国情報を生成する請求項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記第1情報と前記第2情報とが一致しないとき、前記第1情報および前記第2情報を含む第3情報に、前記第3情報から特定される第2国情報が紐付けられて登録された第2情報データベースを検索し、
前記第2情報データベースが前記第3情報を含むとき、前記第3情報に紐付けられた前記第2国情報に基づき前記送金国情報を生成する請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記第2情報データベースが前記第3情報を含まないとき、作業者によって入力された第3国情報に基づき前記送金国情報を生成する請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記第1フィールドは、SWIFTフォーマットのTag52である請求項乃至請求項12のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記第2フィールドは、所定の記号を含むフィールドである請求項乃至請求項13のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記所定の記号は、「/INS/」コードである請求項14に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記第2フィールドは、SWIFTフォーマットのTag72である請求項乃至請求項13のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項17】
コンピュータに、請求項乃至請求項16のいずれか一項に記載の情報処理方法を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電文に含まれる送金国情報を解析する情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
銀行間における送金の指示は、一般的に、電文の送受信により行われ、電文の規格としてSWIFTフォーマットが知られている。SWIFTフォーマットは、国際銀行間金融通信協会(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication:SWIFT)によって提供され、顧客の依頼による送金や銀行間の送金などに利用される。SWIFTフォーマットは、電文の種類によって規格が定められており、例えば、送金のための電文として、銀行間で直接取引ができる場合はMT103のフォーマットが使用され、銀行間で直接取引できない場合はMT202COVのフォーマットが使用される。
【0003】
SWIFTフォーマットによる電文では、送金に関連する情報ごとに、記載するフィールドが定められている。例えば、送金銀行の情報であれば、Tag52に記載することになっている。そのため、銀行における送金処理では、電文の所定のフィールドに記載されている情報を取得することになる。
【0004】
しかしながら、各フィールド内においての記載のルールは定められていないため、各銀行によってフィールド内の記載(文字列)が異なっていることがある。そのため、多くの場合では、フィールド内の文字列を過去のデータと比較することで、送金処理に関連する情報を特定している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-134543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
銀行における送金処理においては、例えば、電文に含まれる送金銀行の情報から送金国を特定し、その送金国が、外国であれば外国送金の手続き処理が行われ、国内であれば国内送金の手続き処理が行われる。外国送金と国内送金とでは、銀行内での手続き処理が異なるだけでなく、手数料が異なるため、送金国の特定は重要である。具体的には、自動化された情報解析処理により、Tag52の文字列を過去のデータと比較し、送金国を特定する。しかしながら、本来、外国送金であるにもかかわらず、Tag52に国内の中継銀行(以下、コルレス銀行とする。)が記載されていると、送金国が外国ではなく、国内と判定されてしまう場合がある。その場合、誤った手数料を徴収することになってしまうため、たとえ自動化された情報解析処理を行っていても作業者の負担は必ずしも軽減されていなかった。また、外国送金においては、マネーロンダリングのチェックを行う必要もあり、この点においても送金国の特定は重要である。
【0007】
上述したように、送金処理における送金国を特定する際には、過去のデータとの比較において自動化された情報解析処理が行われるものの、作業者の作業効率はそれほど改善されておらず、送金国の特定の判定精度の向上が求められていた。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑み、送金国の情報解析処理において、判定制度の向上を図ることを課題の一つとする。また、送金処理における作業者の作業効率の改善を図ることを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、電文の金融機関に関連する情報が定めらた第1フィールドから取得した第1情報と、電文の第1フィールドと異なる第2フィールドから取得した第2情報と、に基づいて送金国情報を生成する処理部を含む。
【0010】
本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、電文の金融機関に関連する情報が定めらた第1フィールドから取得した第1情報と、電文の前記第1フィールドと異なる第2フィールドから取得した第2情報と、に基づいて送金国情報を生成する。
【0011】
本発明の一実施形態に係る情報処理プログラムは、コンピュータ上で情報処理方法を実行する。
【0012】
第1情報は、第1金融機関識別コードを含んでいてもよい。また、第2情報は、第2金融機関識別コードを含んでいてもよい。
【0013】
送金国情報は、第1金融機関識別コードに含まれる国コードから生成されてもよい。
【0014】
第1情報および前記第2情報を含む第3情報が生成されてもよい。
【0015】
記憶部を含み、記憶部は、第1情報に、第1情報から特定される第1国情報が紐付けられて登録された第1情報データベースを含んでいてもよい。
【0016】
送金国情報は、第1情報データベースに登録された第1情報に紐付けられた第1国情報から生成されてもよい。
【0017】
記憶部は、さらに、第3情報に、第2情報から特定される第2国情報が紐付けられて登録された第2情報データベースを含んでいてもよい。
【0018】
送金国情報は、第2情報データベースに登録された第2情報に紐付けられた第2国情報から生成されてもよい。
【0019】
第1フィールドは、SWIFTフォーマットのTag52であってもよい。
【0020】
第2フィールドは、所定の記号を含むフィールドであってもよい。所定の記号は、「/INS/」コードであってもよい。また、第2フィールドは、SWIFTフォーマットのTag72であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】銀行間における送金システムを示すブロック図である。
図2】銀行で生成される送金用の電文の模式図である。
図3】本発明の一実施形態に係る送金国の判定に用いる情報処理装置を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の記憶部に含まれる第1情報データベースおよび第2情報データベースの一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理方法における情報処理ステップのフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る情報処理方法において、第1処理部で実行される第1情報取得ステップのフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態に係る情報処理方法において、第2処理部で実行される第2情報取得ステップのフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態に係る情報処理方法において、第3処理部で実行される判定ステップのフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態に係る情報処理方法において、第3処理部で実行される第1検索ステップのフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態に係る情報処理方法において、第3処理部で実行される第2検索ステップのフローチャートである。
図11】Tag52およびTag72を含む電文の模式図である。
図12】Tag52およびTag72を含む電文の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるものではない。すなわち、以下に説明する複数の実施形態に公知の技術を適用して変形をして、様々な態様で実施をすることが可能である。
【0023】
本明細書において、各構成に付記される「第1」、「第2」、「第3」、「第4」の文字は、各構成を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限り、それ以上の意味を有さない。
【0024】
本明細書において、「金融機関」とは、金融取引業務を行うものをいい、例えば、銀行、証券会社、または保険会社などをいう。
【0025】
本明細書において、「ネットワーク」とは、複数のコンピュータを有線または無線によって接続し、相互に通信可能な状態にするシステムをいい、例えば、インターネットまたはイントラネットなどをいう。
【0026】
本明細書において、「データベース」とは、蓄積された情報であって、情報処理装置を用いて処理(例えば、情報の追加、削除、検索など)することができるようにデータとして管理されるものをいう。また、「レコード」とは、データベースを構成する単位の一つであって、管理される対象の1件分の情報が含まれる。なお、レコードに含まれる情報は、一つの項目だけでなく、複数の項目が含まれていてもよい。
【0027】
[1.送金システム]
図1を用いて、金融機関の送金システムについて説明する。なお、図1では、金融機関の一例である銀行を通じて行われる送金システムについて説明するが、金融機関は銀行に限られない。
【0028】
図1は、銀行間における送金システムを示すブロック図である。A銀行は、顧客X(依頼人)から送金指示を受けた送金銀行である。A銀行の所在地は、外国であってもよく、国内であってもよい。顧客Xは、直接またはネットワークを通じて、A銀行に、D銀行(受取銀行)の顧客Y(受取人)の銀行口座に送金するように依頼する。依頼を受けたA銀行は、送金銀行名、顧客名および口座番号などの送金に関する情報を含む電文を生成する。ここでは、顧客Y(受取人)のD銀行の銀行口座に送金することとして説明する。電文は、暗号化されたデータに変換され、ネットワークを通じてA銀行からB銀行に送信される。
【0029】
B銀行は、中継銀行(コルレス銀行)である。A銀行の所在地が外国であるとき、国内のD銀行へ直接送金することができない場合がある。その場合、1つまたは複数のコルレス銀行を通じてD銀行に送金することになる。C銀行も、B銀行と同様にコルレス銀行である。すなわち、図1では、A銀行から、コルレス銀行であるB銀行およびC銀行を通じてD銀行に送金を行う。
【0030】
B銀行およびC銀行においても、それぞれがC銀行およびD銀行に対して送金用の電文を生成する。これらの電文も、暗号化されたデータに変換され、ネットワークを通じて、B銀行からC銀行、およびC銀行からD銀行に送信される。
【0031】
続いて、図2を用いて、送金用の電文について説明する。
【0032】
[2.電文]
図2は、銀行で生成される送金用の電文900の模式図である。図2に示す電文900は、「:52A:」で示されるTag52、「:53A:」で示されるTag53、「:54A:」で示されるTag54、「:71A:」および「:71F:」で示されるTag71、ならびに「:72:」で示されるTag72など、複数のフィールドが規定されている。各フィールドは、記載される内容が定められている。例えば、Tag52は「Ordering Institution(Payer’s Bank)」と規定され、送金銀行の情報が記載される。また、Tag72は「Sender to Receiver Information」と規定され、自由な情報が記載される。
【0033】
送金国の判定は、Tag52の情報を解析することで行われる。上述したように、Tag52には、送金銀行の情報が含まれている。図2に示すTag52には、「ABCDUS33XXX」と記載され、これは金融機関識別コード(Bank Identifier Code:BICコード)と呼ばれるものである。BICコードの始めの4桁の英文字は銀行名を表す。次の2桁の英文字は国名を表す。さらに、次の2桁の英文字または数字は都市を表す。最後の3桁の英文字または数字は支店または部署を表す。そのため、図2に示す「ABCDUS33XXX」においては、「ABCD」が銀行名を示し、「US」が国名を示し、「33」が都市を示し、「XXX」が支店または部署を示している。ここで、国名の「US」は、アメリカ合衆国を示す国名コードである。このことからわかるように、Tag52には、送金銀行の所在国である国名が含まれている。そのため、Tag52の情報を解析すれば、送金国を特定することができる。
【0034】
図2に示す「ABCDUS33XXX」のBICコードは11桁であるが、最後の「XXX」は本店を示す。外国送金では、銀行の本店間での送金が多いため、「XXX」が省略され、「ABCDUS33」と8桁のBICコードである場合も多い。
【0035】
しかしながら、Tag52の中の記載フォーマットは定められておらず、必ずしも金融機関識別コードが記載されているとは限られない。また、本来、Tag52には送金銀行が記載されなければならないが、コルレス銀行が記載されている場合も少なくない。
【0036】
そこで、本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムでは、Tag52の情報だけでなく、Tag72の情報も解析する。
【0037】
Tag72は、自由な記載が可能なフィールドであるが、送金銀行が示されている場合が多い。図2に示すTag72には、「/INS/BARCGB22XXX」が記載されている。「/INS/」は「Instructing institution」を示すコードであり、その後に続く文字列は、電文を受信する前の銀行、または、さらにその前の銀行の情報が記載される。そのため、多くの場合では、Tag72に送金銀行の情報が示されている。
【0038】
図2に示すTag72の「BARCGB22XXX」は、BICコードである。すなわち、「BARCGB22XXX」は、「BARC」が銀行名を示し、「GB」が国名を示し、「22」が都市名を示し、「XXX」が本店を示している。国名コード「GB」は、グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国を示す。
【0039】
図2に示す電文900では、Tag52に示す銀行の所在国とTag72に示す銀行の所在国が異なっている。図2に示す電文900は、コルレス銀行が多くなる場合によく見られる電文である。すなわち、コルレス銀行が多いために、Tag52にもコルレス銀行が記載されてしまっている。実際は、図2に示す電文900の場合、Tag72に示す銀行が顧客Aから依頼を受けた送金銀行である。したがって、Tag52のみの情報だけでは、誤った送金国が特定されてしまう場合も少なくない。
【0040】
本実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムは、電文に含まれるTag52およびTag72の情報から国情報を取得し、送金国を判定するものであるが、国情報は、Tag52およびTag72に記載された銀行情報からの取得に限られない。国情報は、国を特定することができる複数のフィールドから取得されればよい。また、本実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムは、SWIFTフォーマットの電文に限られず、少なくとも、国情報を特定することができる複数のフィールドが含まれる電文に適用することが可能である。
【0041】
以下では、図3を用いて、本発明の一実施形態に係る情報処理装置10について説明する。
【0042】
[3.情報処理装置]
図3に、本発明の一実施形態に係る送金国の判定に用いる情報処理装置10を示すブロック図である。情報処理装置10は、電文900の複数のフィールドから国情報を取得し、送金国を判定することができる。図3に示すように、情報処理装置10は、第1処理部100、第2処理部200、第3処理部300、および記憶部400を含む。また、記憶部400は、第1情報データベース410および第2情報データベース420を含む。
【0043】
情報処理装置10は、例えば、コンピュータであり、演算手段としてCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)を含む。CPUは、情報処理プログラムを読み込むことで、第1処理部100、第2処理部200、または第3処理部300として機能し、所定の情報処理を実行することができる。第1処理部100、第2処理部200、および第3処理部300は、1つのCPUを用いて情報処理を実行してもよく、複数のCPUを用いて、それぞれが情報処理を実行してもよい。なお、第1処理部100、第2処理部200、および第3処理部300を区別しない場合は、便宜上、これらをまとめて処理部として説明する。
【0044】
第1処理部100は、電文900の第1フィールドから第1情報を取得する。第1フィールドは、金融機関に関連する情報が定められたフィールドである。第1フィールドは、例えば、電文900のTag52である。
【0045】
第2処理部200は、電文900の第2フィールドから第2情報を取得する。第2フィールドは、第1フィールドと異なるフィールドである。第2フィールドは、例えば、電文900のTag72である。また、第2フィールドは、所定の記号を含むことが好ましい。所定の記号は、「/INS/」コードであることが好ましい。
【0046】
第3処理部300は、取得された第1情報および第2情報に基づいて送金国情報を生成する。また、第3処理部300は、記憶部400に記憶された第1情報データベース410および第2情報データベース420を検索する。
【0047】
第1処理部100、第2処理部200、および第3処理部300の各処理の詳細については後述する。
【0048】
記憶部400は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはハードディスクを含むことができる。記憶部400は1つで構成されていなくてもよい。例えば、一時的な情報はRAMに記憶し、恒久的な情報はハードディスクに記憶することができる。
【0049】
記憶部400は、第1情報データベース410および第2情報データベース420を含む。第1情報データベース410および第2情報データベース420は、第3処理部300によって、データが読み出され、またはデータが書き込まれる。なお、第1情報データベース410および第2情報データベース420は、情報処理装置10とは異なるコンピュータによって閲覧され、データを修正することができるようにしてもよい。
【0050】
図4(A)および図4(B)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る情報処理装置10の記憶部に含まれる第1情報データベース410および第2情報データベース420の一例を示す図である。
【0051】
図4(A)に示す第1情報データベース410は、第1情報がレコードとして管理されたデータベースであり、各レコードの項目には、第1情報以外に、少なくとも第1情報に紐付けられた第1国情報が含まれる。また、第2情報データベース420は、第3情報がレコードとして管理されたデータベースであり、各レコードの項目には、第3情報以外に、少なくとも第3情報に紐付けられた第2国情報が含まれる。なお、第3処理部300による第1情報データベース410および第2情報データベース420の検索などの処理の詳細については後述する。
【0052】
続いて、図5図10を用いて、情報処理装置10を用いた情報処理方法について詳細に説明する。
【0053】
[4.情報処理方法]
図5は、本発明の一実施形態に係る情報処理方法における情報処理ステップのフローチャートである。情報処理ステップは、第1情報取得ステップS100、第2情報取得ステップS200、および判定ステップS300を含む。なお、第1情報取得ステップS100と第2情報取得ステップS200は、並列して実行することも可能である。
【0054】
以下、第1情報取得ステップS100、第2情報取得ステップS200、および判定ステップS300の詳細について説明する。
【0055】
図6は、本発明の一実施形態に係る情報処理方法において、第1処理部100で実行される第1情報取得ステップS100のフローチャートである。第1情報取得ステップS100は、電文900を受信したときに開始してもよく、作業者による情報処理開始の入力によって開始してもよい。
【0056】
第1処理部100は、第1フィールドとして、電文900のTag52を参照し、Tag52に記載された第1情報を取得する(S110)。取得する第1情報は、Tag52に含まれる全ての文字列であってもよく、Tag52に含まれる一単語または所定の数の文字列であってもよい。第1処理部100は、第1情報を取得して、第1情報取得ステップS100を終了する。
【0057】
図7は、本発明の一実施形態に係る情報処理方法において、第2処理部200で実行される第2情報取得ステップS200のフローチャートである。第2情報取得ステップS200は、第1情報取得ステップS100と同期して開始してもよく、第1情報取得ステップS100の処理が終了してから開始してもよい。
【0058】
第2処理部200は、第2フィールドとして、電文900のTag72を参照し、Tag72に記載された第2情報を取得する(S210)。取得する第2情報は、Tag72に含まれる全ての文字列であってもよく、Tag72に含まれる一単語または所定の数の文字列であってもよい。但し、Tag72の中に、「/INS/」のコードが含まれる場合は、「/INS/」のコードに続く8桁または11桁の文字列を取得することが好ましい。第2処理部200は、第2情報を取得して、第2情報取得ステップS200を終了する。
【0059】
図8は、本発明の一実施形態に係る情報処理方法において、第3処理部300で実行される判定ステップS300のフローチャートである。判定ステップS300は、第1情報取得ステップS100および第2情報取得ステップS200の終了後に開始する。
【0060】
第3処理部300は、生成された第1情報と第2情報とが一致するかどうかを判定する(S310)。第1情報と第2情報とが一致したとき(S310:YES)、第3処理部300は、第1情報が第1金融機関識別コードを含むかどうかを判定する(S320)。第1金融機関識別コードの判定においては、第1情報に、8桁または11桁の文字列が含まれているかどうかを判定する。その際、8桁または11桁の文字列の5桁目および6桁目の2文字が国コードに対応する英文字であるかどうかを判定してもよい。第1情報が第1金融機関コードであるとき(S320:YES)、第3処理部300は、第1金融機関識別コードの国コードから送金国情報を生成する(S330)。送金国情報は、国コードであってもよく、国コードから求めた国名であってもよい。送金国情報は、少なくとも、外国または国内を判定できるものであればよい。第3処理部300は、送金国情報を生成した後、判定ステップS300を終了する。
【0061】
一方、第1情報が第1金融機関識別コードを含まないとき(S320:NO)、第3処理部300は、第1検索ステップS400を実行する。
【0062】
また、第1情報と第2情報とが一致しないとき(S310:NO)、第3処理部300は、第2検索ステップS500を実行する。
【0063】
図9は、本発明の一実施形態に係る情報処理方法において、第3処理部300で実行される第1検索ステップS400のフローチャートである。
【0064】
第1検索ステップS400が開始されると、第3処理部300は、記憶部400に記憶された第1情報データベース410を用いて取得した第1情報を検索し(S410)、取得した第1情報が第1情報データベース410に含まれているかどうか(登録されているかどうか)を判定する(S420)。取得した第1情報が第1情報データベース410に含まれているとき(S420:YES)、第3処理部300は、第1情報データベース410の登録された第1情報に紐付けられた第1国情報を取得する(S430)。
【0065】
一方、取得した第1情報が第1情報データベース410に含まれていないとき(S420:NO)、第1情報から第1国情報を特定する(S440)。第1情報から第1国情報を特定する場合、作業者が第1情報の第1国情報を判定してもよく、第1情報データベース410と異なるデータベースを用いて第1情報の第1国情報を判定してもよい。第3処理部300は、特定された第1国情報を取得する。なお、作業者が判定を行う場合には、作業者が第1国情報を入力し、第3処理部300が、入力された第1国情報(特定された第1国情報)を取得し、第1国情報を第1情報に紐付けして第1情報データベース410に登録する(S450)。
【0066】
第3処理部300は、第1国情報を取得したとき、第1国情報から送金国情報を生成する(S460)。なお、第3処理部300は、取得した第1国情報を保持して送金国情報としてもよい。第3処理部300は、送金国情報を生成した後、第1検索ステップS400を終了する。
【0067】
図10は、本発明の一実施形態に係る情報処理方法において、第3処理部300で実行される第2検索ステップS500のフローチャートである。
【0068】
第2検索ステップS500が開始されると、第3処理部300は、第1情報および第2情報を含む第3情報を生成する(S510)。続いて、第3処理部300は、記憶部400に記憶された第2情報データベース420を用いて生成した第3情報を検索し(S520)、生成した第3情報が第2情報データベース420に含まれているかどうか(登録されているかどうか)を判定する(S530)。生成した第3情報が第2情報データベース420に含まれているとき(S530:YES)、第3処理部300は、第2情報データベース420の登録された第3情報に紐付けられた第2国情報を取得する(S540)。
【0069】
一方、生成した第3情報が第2情報データベース420に含まれていないとき(S530:NO)、第2情報から第2国情報を特定する(S550)。第3情報は、第1情報および第2情報を含むが、第2情報から第2国情報を特定する。すなわち、Tag52とTag72とでは、Tag72に記載された情報から第2国情報を特定する。第2情報から第2国情報を特定する場合、作業者が第2情報の第2国情報を判定してもよく、第2情報データベース420と異なるデータベースを用いて第2情報の第2国情報を判定してもよい。第3処理部300は、特定された第2国情報を取得する。なお、作業者が判定を行う場合には、作業者が第2国情報を入力し、第3処理部300が、入力された第2国情報(特定された第2国情報)を取得し、第2国情報を第3情報に紐付けして第2情報データベース420に登録する(S560)。
【0070】
第3処理部300は、第2国情報を取得したとき、第2国情報から送金国情報を生成する(S570)。なお、第3処理部300は、取得した第2国情報を保持して送金国情報としてもよい。第3処理部300は、送金国情報を生成した後、第2検索ステップS500を終了する。
【0071】
[5.情報処理プログラム]
上記で説明した情報処理方法は、第1情報取得ステップS100、第2情報取得ステップS200、判定ステップS300、第1検索ステップS400、および第2検索ステップS500を含むが、これらのステップは、コンピュータ上のプログラムにより実行することができる。また、上記の説明では、便宜上、第1情報取得ステップS100、第2情報取得ステップS200、判定ステップS300、第1検索ステップS400、および第2検索ステップS500に分けて説明したが、これらのステップは1つの統合されたプログラムで実行することもでき、いくつかのステップを包含した複数のプログラムで実行することもできる。
【0072】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムによれば、電文の第1フィールド(例えば、Tag52)だけでなく、第2フィールド(例えば、Tag72)を用いて送金国情報が生成される。また、第1フィールドから生成される第1情報と第2フィールドから生成される第2情報とが一致しないときには、第1情報および第2情報を含む第3情報を基にして送金国情報が生成される。この場合、第1情報と第2情報とを別個に処理するのではなく、第1情報と第2情報と合わせた情報量の多い第3情報から送金国情報を生成し、送金国の判定を行うことができるため、送金国の判定精度が高くなる。したがって、送金国の判定の誤認が低減し、作業者の負担を軽減することができる。
【0073】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムは、必要なステップを、現在使用している情報処理システムに導入することができる。そのため、本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムは、導入が容易であるとともに、拡張性に優れる。
【0074】
さらに、図11および図12を用いて、本発明の一実施形態をより具体的に説明する。但し、本発明の一実施形態は、以下の具体例に限定されない。
【0075】
[具体例1]
図11(A)は、Tag52およびTag72を含む電文900Aの模式図である。Tag52には「TRWIGB22」が記載され、Tag72には「BARCGB22XXX」が記載されている。第1処理部100は、Tag52から「TRWIGB22」を取得し、第2処理部200は、Tag72から「BARCGB22XXX」を取得する。なお、「TRWIGB22」および「BARCGB22XXX」は金融機関識別コードである。
【0076】
第3処理部300は、第1情報「TRWIGB22」と第2情報「BARCGB22XXX」とが一致していないと判定し、「TRWIGB22BARCGB22XXX」を第3情報として生成する。また、第3処理部300は、第2情報データベース420を用いて第3情報「TRWIGB22BARCGB22XXX」を検索する。第2情報データベース420が第3情報「TRWIGB22BARCGB22XXX」を含むとき、第3処理部300は、第2情報データベース420の第3情報に紐付けられた第1国情報「GB」を取得し、「GB」を送金国情報として生成する。
【0077】
一方、第2情報データベース420が第3情報「TRWIGB22BARCGB22XXX」を含まないときは、第2情報「BARCGB22XXX」から第1国情報として「GB」を特定し、第1国情報「GB」を第3情報「TRWIGB22BARCGB22XXX」に紐付けして第2情報データベース420に登録する。また、第3処理部300は、第1国情報「GB」を取得し、「GB」を送金国情報として生成する。
【0078】
本具体例では、送金国情報「GB」が得られ、送金国は外国であることがわかる。そのため、作業者は、外国送金の手続き処理を進めることができる。
【0079】
[具体例2]
図11(B)は、Tag52およびTag72を含む電文900Bの模式図である。Tag52には「UFJSJPJTXXX」が記載され、Tag72には「UFJSJJPJTXXX」が記載されている。第1処理部100は、Tag52から「UFJSJPJTXXX」を取得し、、第2処理部200は、Tag72から「UFJSJPJTXXX」を取得する。なお、「UFJSJPJTXXX」は金融機関識別コードである。
【0080】
第3処理部300は、第1情報「UFJSJPJTXXX」と第2情報「UFJSJPJTXXX」とが一致していると判定する。また、第1情報「UFJSJPJTXXX」は金融機関識別コードであるため、第3処理部300は、第1情報の第5桁目および第6桁目の2つの英文字である国コード「JP」を取得し、「JP」を送金国情報として生成する。
【0081】
本具体例では、送金国情報「JP」が得られ、送金国は国内であることがわかる。そのため、作業者は、国内送金の手続き処理を進めることができる。
【0082】
[具体例3]
図11(C)は、Tag52およびTag72を含む電文900Cの模式図である。Tag52には「THP SECURITIES CO., LTD.」が記載され、Tag72には「THP SECURITIES CO., LTD.」が記載されている。第1処理部100は、Tag52から「THP SECURITIES CO., LTD.」を取得し、第2処理部200は、Tag72から「THP SECURITIES CO., LTD.」を取得する。なお、「THP SECURITIES CO., LTD.」は金融機関識別コードではない。
【0083】
第3処理部300は、第1情報「THP SECURITIES CO., LTD.」と第2情報「THP SECURITIES CO., LTD.」とが一致していると判定する。しかしながら、「THP SECURITIES CO., LTD.」は金融機関識別コードではない。そのため、第3処理部300は、第1情報データベース410を用いて第1情報「THP SECURITIES CO., LTD.」を検索する。第1情報データベース410が第1情報「THP SECURITIES CO., LTD.」を含むとき、第3処理部300は、第1情報データベース410の第1情報に紐付けられた第1国情報「JP」を取得し、「JP」を送金国情報として生成する。
【0084】
一方、第1情報データベース410が第1情報「THP SECURITIES CO., LTD.」を含まないときは、第1情報「THP SECURITIES CO., LTD.」から国情報として「JP」を特定し、国情報「JP」を第1情報「THP SECURITIES CO., LTD.」に紐付けして第1情報データベース410に登録する。また、第3処理部300は、第1国情報「JP」を取得し、「JP」を送金国情報として生成する。
【0085】
本具体例では、送金国情報「JP」が得られ、送金国は国内であることがわかる。そのため、作業者は、国内送金の手続き処理を進めることができる。
【0086】
[具体例4]
図12(A)は、Tag52およびTag72を含む電文900Dの模式図である。Tag52には「PNBPJPJX」が記載され、Tag72には「SEYBLKLX」が記載されている。第1処理部100は、Tag52から「PNBPJPJX」を取得し、第2処理部200は、Tag72から「SEYBLKLX」を取得する。なお、「PNBPJPJX」および「SEYBLKLX」は金融機関識別コードである。
【0087】
第3処理部300は、第1情報「PNBPJPJX」と第2情報「SEYBLKLX」とが一致していないと判定し、「PNBPJPJXSEYBLKLX」を第3情報として生成する。また、第3処理部300は、第2情報データベース420を用いて第3情報「PNBPJPJXSEYBLKLX」を検索する。第2情報データベース420が第3情報「PNBPJPJXSEYBLKLX」を含むとき、第3処理部300は、第2情報データベース420の第3情報に紐付けられた第2国情報「LK」を取得し、「LK」を送金国情報として生成する。なお、国コード「LK」はスリランカ民主社会主義共和国を示す。
【0088】
一方、第2情報データベース420が第3情報「PNBPJPJXSEYBLKLX」を含まないときは、第2情報「SEYBLKLX」から第2国情報として「LK」を特定し、第2国情報「LK」を第3情報「PNBPJPJXSEYBLKLX」に紐付けして第2情報データベース420に登録する。また、第3処理部300は、第2国情報「LK」を取得し、「LK」を送金国情報として生成する。
【0089】
本具体例では、第1情報「PNBPJPJX」は国コード「JP」を含むため、Tag52のみの判定では、送金国情報「JP」が得られ、作業者は、国内送金の手続き処理を進めかねない。しかしながら、本発明によれば、送金国情報「LK」が得られ、送金国は外国であることがわかる。そのため、作業者は、外国送金の手続き処理を進めることができる。
【0090】
[具体例5]
図12(B)は、Tag52およびTag72を含む電文900Eの模式図である。Tag52には「TPWIGB22」が記載され、Tag72には「US SECURITIES INC.」が記載されている。第1処理部100は、Tag52から「TPWIGB22」を取得し、第2処理部200は、Tag72から「US SECURITIES INC.」を取得する。「TPWIGB22」は金融機関識別コードであるが、「US SECURITIES INC.」は金融機関識別コードではない。
【0091】
第3処理部300は、第1情報「TPWIGB22」と第2情報「US SECURITIES INC.」とが一致していないと判定し、「TPWIGB22US SECURITIES INC.」を第3情報として生成する。また、第3処理部300は、第2情報データベース420を用いて第3情報「TPWIGB22US SECURITIES INC.」を検索する。第2情報データベース420が第3情報「TPWIGB22US SECURITIES INC.」を含むとき、第3処理部300は、第2情報データベース420の第3情報に紐付けられた第2国情報「US」を取得し、「US」を送金国情報として生成する。
【0092】
一方、第2情報データベース420が第3情報「TPWIGB22US SECURITIES INC.」を含まないときは、第2情報「US SECURITIES INC.」から第2国情報として「US」を特定し、第2国情報「US」を第3情報「TPWIGB22US SECURITIES INC.」に紐付けして第2情報データベース420に登録する。また、第3処理部300は、第2国情報「US」を取得し、「US」を送金国情報として生成する。
【0093】
本具体例では、第1情報「TPWIGB22」は国コード「GB」を含むため、Tag52のみの判定では、送金国情報「GB」が得られ、作業者は、本来の送金国とは異なる外国送金の手続き処理を進めかねない。この場合、誤った手数料を徴収することにもなりかねない。しかしながら、本発明によれば、送金国情報「US」が得られ、本来の送金国の米国であることがわかる。そのため、作業者は、正しい送金国を基に判断し、外国送金の手続き処理を進めることができる。
【0094】
[変形例]
上記説明においては、送金銀行を基に送金国を特定したが、受取銀行を基に送金国を特定することもできる。例えば、Tag72に「/BNF/」が記載されている場合、「BNF」は「Beneficiary」を示すコードであり、その後に続く文字列は、受取銀行の情報が記載される。そのため、Tag72の「/INS/」だけでなく、「/BNF/」に対しても、本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プロブラムを適用することは可能である。
【0095】
本発明の実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜構成を組み合わせて実施することができる。また、実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除、または設計変更を行ったもの、もしくは、工程の追加、省略、または条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0096】
上述した実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0097】
10:情報処理装置、 100:第1処理部、 200:第2処理部、 300:第3処理部、 400:記憶部、 410:第1情報データベース、 420:第2情報データベース、 900、900A、900B、900C、900D、900E:電文
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12