(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】振動波モータ及びそれを有する電子機器
(51)【国際特許分類】
H02N 2/04 20060101AFI20240610BHJP
G02B 7/04 20210101ALN20240610BHJP
【FI】
H02N2/04
G02B7/04 E
(21)【出願番号】P 2019229712
(22)【出願日】2019-12-19
【審査請求日】2022-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】小島 信行
【審査官】三島木 英宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-080329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 2/04
G02B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に突起部が形成された弾性体と、前記弾性体の前記一方の面の裏面に固定された電気-機械エネルギー変換素子と、を有する振動体と、
前記突起部と加圧接触する接触体と、を備え、
前記振動体に振動を励振させて、前記振動体と前記接触体とを相対移動させる振動波モータであって、
前記突起部は、前記接触体と加圧接触する接触面が形成される接触部を有し、
前記接触部は、前記相対移動させる方向である第1の方向の第1の幅と、前記第1の方向及び前記加圧接触する方向である第2の方向に直交する方向である第3の方向の第2の幅と、を有する先端面と、前記接触部の表面から前記先端面を除いた非先端面と、を備え、
前記非先端面は、前記第3の方向に直交する仮想平面上の曲率である第1の曲率が、前記第1の方向に直交する仮想平面上の曲率である第2の曲率以上であり、前記第1の曲率が、前記第2の曲率より大きい、ことを特徴とする振動波モータ。
【請求項2】
突起部が形成された弾性体と電気-機械エネルギー変換素子を有する振動体と、
前記突起部と加圧接触する接触体と、を備え、
前記振動体の振動により前記振動体と前記接触体とが
前記加圧接触の方向とは異なる方向に相対移動する振動波モータであって、
前記突起部は、前記接触体と接する接触部が設けられており、
前記接触部は、前記相対移動の方向
である第1の方向の第1の幅と、前記
第1の方向及び前記加圧接触する方向
である第2の方向に直交する方向
である第3の方向の第2の幅と、を有する先端面と、前記接触部の表面から前記先端面を除いた非先端面と、を備え、
前記非先端面
は、
前記第3の方向に直交する仮想平面上の曲率である第1の曲率が、前記
第1の方向に直交する仮想平面上の曲率である第2の曲率より大きいことを特徴とする振動波モータ。
【請求項3】
一方の面に突起部が形成された弾性体と、前記弾性体の前記一方の面の裏面に固定された電気-機械エネルギー変換素子と、を有する振動体と、
前記突起部と加圧接触する接触体と、を備え、
前記振動体に振動を励振させて、前記振動体と前記接触体とを相対移動させる振動波モータであって、
前記突起部は、前記接触体と加圧接触する接触面が形成される接触部を有し、
前記接触部は、前記相対移動させる方向である第1の方向の第1の幅と、前記第1の方向及び前記加圧接触する方向である第2の方向に直交する方向である第3の方向の第2の幅と、を有する先端面と、前記接触部の表面から前記先端面を除いた非先端面と、を備え、
前記非先端面は、前記第3の方向に直交する仮想平面上の、前記第1の方向に対する前記接触部の傾きである第1の傾きが、前記第1の方向に直交する仮想平面上の、前記第3の方向に対する前記接触部の傾きである第2の傾き以上であり、前記第1の傾きが、前記第2の傾きより大きい、ことを特徴とする振動波モータ。
【請求項4】
突起部が形成された弾性体と、電気-機械エネルギー変換素子を有する振動体と、
前記突起部と加圧接触する接触体と、を備え、
前記振動体の振動により前記振動体と前記接触体とが
前記加圧接触の方向とは異なる方向に相対移動する振動波モータであって、
前記突起部は、前記接触体と接する接触部が設けられており、
前記接触部は、前記相対移動の方向
である第1の方向の第1の幅と、前記
第1の方向及び前記加圧接触する方向
である第2の方向に直交する方向
である第3の方向の第2の幅と、を有する先端面と、前記接触部の表面から前記先端面を除いた非先端面と、を備え、
前記非先端面は、
前記第3の方向に直交する仮想平面上の
、前記第1の方向に対する前記接触部の傾きである第1の傾きが、前記
第1の方向に直交する仮想平面上の
、前記第3の方向に対する前記接触部の傾きである第2の傾きより大きいことを特徴とする振動波モータ。
【請求項5】
前記第1の幅は、前記第2の幅未満である、ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の振動波モータ。
【請求項6】
前記先端面の、前記第2の方向から見たときの形状は、長方形である、ことを特徴とする請求項1乃至5に記載の振動波モータ。
【請求項7】
前記先端面の、前記第2の方向から見たときの形状は、楕円である、ことを特徴とする請求項1乃至5に記載の振動波モータ。
【請求項8】
前記振動体に励振させる前記振動は、複数の曲げ振動モードの振動である、ことを特徴とする請求項1乃至7に記載の振動波モータ。
【請求項9】
前記複数の曲げ振動モードは、前記振動体の前記第3の方向に振動の節と振動の腹が生じる第1の曲げ振動モードと、前記振動体の前記第1の方向に振動の節と振動の腹が生じる第2の曲げ振動モードと、を含み、
前記突起部は、前記第1の曲げ振動モードの振動の腹、及び、前記第2の曲げ振動モードの振動の節と重なるように形成された、ことを特徴とする請求項8に記載の振動波モータ。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の振動波モータと、
前記振動波モータにより駆動される光学素子、
を有することを特徴とする光学機器。
【請求項11】
請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の振動波モータと、
前記振動波モータにより駆動される撮像素子、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項12】
請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の振動波モータと、
前記振動体又は前記接触体により駆動される被駆動部材と、を有する、ことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動波モータ及びそれを有する電子機器などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弾性体及び電気-機械エネルギー変換素子により形成される振動体に振動を励振させて、弾性体と、弾性体と接触する接触体と、を相対移動させることで出力を得る振動波モータが提案されている。このような振動波モータとして、特許文献1に記載の構成が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載の振動体31に関して説明する。
図15は、振動体31の斜視図である。振動体31は略矩形状の弾性体5の平板部5aの一方の平面に電気-機械エネルギー変換素子4を貼り付けて一体化して形成される。弾性体5の他方の平面には2か所に突起部5bが形成されており、これら突起部5bの各々の端部には、接触体と接触する接触部5cが形成されている。
【0004】
接触部5cは、不図示の接触体と加圧接触して、振動体31と接触体とを相対移動させる箇所である。このため接触部5cには、予め、平面が形成されるか、あるいは製造するときに例えば球面のR面が形成され、振動波モータの動作による摩耗により球面のR面の少なくとも一部に平面が形成される。
【0005】
予め又は摩耗により接触部5cに形成される平面の広さ(面積)が狭いままだと、加圧接触による圧力が大きいために、接触体の摩耗が急速に進んでしまう。このことから、接触部5cには、接触体の摩耗が急速に進まない程度に広い面積を有する平面が形成され、その平面の(一部ではなく)全体と接触体とが接触することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-80329号公報
【文献】特開2008-125147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図19は、振動波モータ1での振動体31と接触体3との加圧接触状態の一例を示している。振動体31と接触体3とは、コイルスプリングなど不図示の加圧手段と保持手段とにより加圧接触が行われる。接触体3を基準としたときに、振動体31の接触部5cが、接触部5cが接する接触体3の面に対して、
図19のようにX軸周りにθx傾いて保持される状態が生じる場合がある。これは、加圧手段による加圧力がY方向で偏る、あるいは保持手段などの部品や組み立て精度によるX軸周りの傾きが生じるなどによるものである。また、突起部5bの数(たとえば、1つ)によっては、接触部5cに形成された平面が接触体3の面に対してY軸周りに傾いて保持される状態も生じ得る。
【0008】
このような状態では、振動体31の接触部5cに形成された平面は、Y方向の端部の縁付近やX方向の端部の縁付近で接触体の面と接触して動作することとなる。そのため、接触部5cは、狭い面積を有する平面で接触体と接触し続けることになるので、接触体の摩耗が急速に進むという課題が解決できない。そして、その結果、所望の性能が得られなくなる。
【0009】
次に、振動体31の接触部5cにおける楕円運動の発生原理について説明する。
【0010】
図15において、2つの突起部5bが並ぶ方向(振動体31と接触体とを相対移動させる方向)をX方向とする。また、平板部5aの平面に直交する方向(振動体31と接触体を加圧接触する方向)をZ方向とする。また、これらX方向及びZ方向と直交する方向をY方向とする。これらX方向、Y方向、Z方向は三次元の直交座標系を表している。
【0011】
ここで説明している振動波モータにおいては、電気-機械エネルギー変換素子4に特定の周波数の交流電圧を印加することで、所望の振動モードを複数励振する。そして、これら振動モードを重ね合わせることにより、振動波モータを駆動する(振動体31と接触体とを相対移動させる)ための振動を形成する。
図16は、振動体31に励振する2つの曲げ振動モードを説明する斜視図である。
【0012】
図15の振動体31では、
図16(a)、(b)に示す2つの曲げ振動モードを振動体31に励振させる。この2つの曲げ振動モードはどちらも、板状の振動体31の面外方向の曲げ振動モードである。一方の振動モードは、振動体31のY方向に節と腹が生じる1次の曲げ振動モード(Mode-A)であり、他方の振動モードは、振動体31のX方向に節と腹が生じる2次の曲げ振動モード(Mode-B)である。
【0013】
振動体31の大きさ及び形状は、2つの振動モードの共振周波数が一致するか、近くなるように設計される。
【0014】
2つの突起部5bは、Mode-A(第1の曲げ振動モード)の振動において振動の腹となる位置の近傍に配置されており、Mode-A(第1の曲げ振動モード)の振動によって、2つの接触部5cはZ方向に往復運動する。
【0015】
また、2つの突起部5bは、Mode-B(第2の曲げ振動モード)の振動において振動の節となる位置の近傍に配置されており、Mode-B(第2の曲げ振動モード)の振動によって、2つの接触部5cは振動の節を支点として振り子運動をする。そのため、振動体31と接触体とは、X方向に相対移動する。
【0016】
これら2つの振動モード(Mode-AとMode-B)の振動位相差が±π/2近傍となるように同時に励振して重ね合わせることで、2つの接触部5cが、XZ面内で楕円運動する。この楕円運動により、振動体31(接触部5c)加圧接触した不図示の接触体とを相対移動(振動体31又は接触体を駆動)することが出来る。
【0017】
振動体31の接触部5cにおける楕円運動の性質について説明する。以下では2つの突起部の一方に関して説明するが、もう一つの接触部に関しても同等の作用であるので説明は略す。
【0018】
図17は、
図17中X方向側に位置する接触部5cを拡大して表している。接触部5cに形成された平面の中央を点P1として、この点P1からX方向に離れた位置を点P2,P3とする。また、点P1からY方向に離れた位置を点P4,P5とする。
【0019】
図18は、本発明の発明者が検証した結果を表したものである。
図18(a)から
図18(e)はそれぞれ、
図17で示した点P1,P2,P3,P4,P5での楕円運動をそれぞれ、横軸をX方向での変位(X方向変位)とし縦軸をZ方向での変位(Z方向変位)としたグラフで表している。
【0020】
図18から明らかなように、接触部5cで生じる楕円運動は、
図18中、点P1では正円に近い状態、あるいは長軸及び短軸の向きがX方向又はZ方向に倣うような楕円運動である。なお、この楕円運動の状態は印加する入力信号(交流信号)の与え方等により変化するが、ここでは代表的な状態に関して表す。
【0021】
図18中、点P2,P3のように、点P1からX方向に位置が変わるにつれてMode-B(第2の曲げ振動モード)でのZ方向の成分が大きくなり、楕円運動の長軸及び短軸は、
図18中X,Z方向から傾くと共に長径と短径の差が大きな軌跡となる。点P2,P3で生じる楕円運動は、点P1で生じる楕円運動と比べると、振動体と接触体とを相対移動させる力の、振動体から接触体への伝達効率(以下、単に「伝達効率」という)が低下することとなる。
【0022】
一方で、点P4,P5で生じる楕円運動は、点P1で生じる楕円運動とほとんど同様の楕円運動であり、点P4,P5(点P1からY方向に変化した位置)での伝達効率の低下は、点P2,P3(点P1からX方向に変化した位置)での伝達効率の低下より小さい。
【0023】
したがって、接触体の面は、接触部5cに形成された平面に対して、Y方向よりもX方向において、接触部5cの中央からの位置が変わらないように接触させるのが望ましいことが解った。
【0024】
しかしながら、このように接触させることは難しい。なぜならば、既述のように、接触部5cに形成された平面は、接触体3の面に対してY軸周りに傾いて保持される状態が生じ得るからである。
【0025】
本発明は、振動体と接触体とを相対移動させる際の接触体の摩耗を抑制し、接触体が振動体と接する位置の、振動体と接触体とを相対移動させる方向へのずれを抑制した、振動波モータなどを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の振動波モータは、一方の面に突起部が形成された弾性体と、前記弾性体の前記一方の面の裏面に固定された電気-機械エネルギー変換素子と、を有する振動体と、
前記突起部と加圧接触する接触体と、を備え、
前記振動体に振動を励振させて、前記振動体と前記接触体とを相対移動させる振動波モータであって、
前記突起部は、前記接触体と加圧接触する接触面が形成される接触部を有し、
前記接触部は、前記相対移動させる方向である第1の方向の第1の幅と、前記第1の方向及び前記加圧接触する方向である第2の方向に直交する方向である第3の方向の第2の幅と、を有する先端面と、前記接触部の表面から前記先端面を除いた非先端面と、を備え、
前記非先端面は、前記第3の方向に直交する仮想平面上の曲率である第1の曲率が、前記第1の方向に直交する仮想平面上の曲率である第2の曲率以上であり、前記第1の曲率が、前記第2の曲率より大きい、ことを特徴とする
【0027】
本発明の振動波モータは、一方の面に突起部が形成された弾性体と、前記弾性体の前記一方の面の裏面に固定された電気-機械エネルギー変換素子と、を有する振動体と、
前記突起部と加圧接触する接触体と、を備え、
前記振動体に振動を励振させて、前記振動体と前記接触体とを相対移動させる振動波モータであって、
前記突起部は、前記接触体と加圧接触する接触面が形成される接触部を有し、
前記接触部は、前記相対移動させる方向である第1の方向の第1の幅と、前記第1の方向及び前記加圧接触する方向である第2の方向に直交する方向である第3の方向の第2の幅と、を有する先端面と、前記接触部の表面から前記先端面を除いた非先端面と、を備え、
前記非先端面は、前記第3の方向に直交する仮想平面上の、前記第1の方向に対する前記接触部の傾きである第1の傾きが、前記第1の方向に直交する仮想平面上の、前記第3の方向に対する前記接触部の傾きである第2の傾き以上であり、前記第1の傾きが、前記第2の傾きより大きい、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明の振動波モータ等によれば、振動体と接触体とを相対移動させる際の接触体の摩耗を抑制し、接触体が振動体と接する位置の、振動体と接触体とを相対移動させる方向へのずれを抑制した、振動波モータなどを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る振動波モータの斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る振動体の平面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る振動体の突起部及び接触部の、(a)X方向断面図と、(b)Y方向断面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る振動体の接触部の断面形状を表す図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る振動体の摩耗状態を示す平面図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る振動体の平面図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係る振動体の接触部の断面形状を表す図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係る振動体の摩耗状態を示す平面図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係る振動体の斜視図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係る振動体の摩耗状態を示す平面図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係る振動体の接触部の断面形状を表す図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係る振動体の他の形態の斜視図である。
【
図13】本発明の第3の実施形態に係る振動体の斜視図である。
【
図14】振動波モータを備える電子機器(撮像装置)の概略構成を示す、(a)上面図と、(b)ブロック図である。
【
図16】従来技術に係る振動体に励振する振動モードの正面図である。
【
図17】従来技術に係る振動体の接触部上の位置を説明するための部分斜視図である。
【
図18】従来技術に係る振動体の接触部上の位置毎に生じる楕円運動を示す図である。
【
図19】従来技術に係る振動体と接触体との位置関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る振動波モータ1の構成要素を示す斜視図である。
【0032】
従来技術で説明した振動波モータと基本的な構成は同一であり、振動体2及び接触体3により振動波モータ1が構成される。
図1では振動体2と接触体3は分離して表しているが実際は互いに加圧されて接触(加圧接触)している。
【0033】
振動体2は、電気-機械エネルギー変換素子4及び弾性体11を有する。電気-機械エネルギー変換素子としては、圧電素子を用いているが、圧電素子以外を用いても良い。弾性体11の一方の面には、2か所に突起部11bが形成されている。これら突起部11bの各々の端部には、接触部11cが形成される。振動体2には、略矩形状の弾性体11の(平板部11aの)一方の面の裏面に電気-機械エネルギー変換素子4が接着等により固定される。そして、弾性体11と電気-機械エネルギー変換素子4とは一体化して形成される。接触部11cは、接触体3と加圧接触して、振動体2又は接触体3を駆動する(振動体2と接触体3とを相対移動させる)部位である。接触部11cの形状に関しては後述する。
【0034】
図1において、2つの突起部11bが並ぶ方向(振動体2と接触体3とを相対移動させる方向)をX方向とする。また、平板部5aの平面に直交する方向(振動体2と接触体3を加圧接触する方向)をZ方向とする。また、これらX方向及びZ方向と直交する方向をY方向とする。これらX方向、Y方向、Z方向は三次元の直交座標系を表している。
【0035】
振動体2には、複数(ここでは2つ)の曲げ振動モードを励振させて駆動に用いる。この振動モードに関しては従来技術における説明と同一であり、説明を略す。
【0036】
2つの突起部11bは、Mode-A(第1の曲げ振動モード)の振動の腹と重なるように形成されている。Mode-A(第1の曲げ振動モード)の振動によって、2つの接触部5cはZ方向に往復運動する。また、2つの突起部11bは、Mode-B(第2の曲げ振動モード)の振動の節と重なるように形成されている。Mode-B(第2の曲げ振動モード)の振動によって、2つの接触部5cは、振動の節を支点として振り子運動をするため、X方向に往復運動する。
【0037】
これら2つの振動モード(Mode-AとMode-B)を同時に励振し、重ね合わせることで、2つの接触部5cが、XZ面内で楕円運動する。この楕円運動により、加圧接触された不図示の接触体を駆動することが出来る。
【0038】
【0039】
2つの突起部11bはZ方向に延出する略楕円柱形状であり、長軸がY方向で短軸がX方向に沿うように形成されている。同様に2つの接触部11cもXY面において略楕円形状であり、長軸がY方向で短軸がX方向に沿うように形成されている。接触部11cの中央には、先端面11dが
図2中XY面に沿うように形成される。先端面11dも略楕円形状であり、長軸がY方向で短軸がX方向に沿うように形成されている。
【0040】
これら突起部11b、接触部11c及び先端面11dの楕円形状の中心は互いに一致するように形成されている。また、突起部11b、接触部11c及び先端面11dの楕円形状の中心は、Z方向から見たときに、Mode-A(第1の曲げ振動モード)の振動の腹、及び、Mode-B(第2の曲げ振動モード)の振動の節と重なるように形成されている。接触部11cには、先端面11dからX方向及びY方向に傾斜が与えられている。
【0041】
図3は、突起部11b、接触部11c及び先端面11dを楕円形状の中心を含むようにXZ面及びYZ面で切断して表した部分断面図である。
図3(a)は、XZ面で切断して表した断面(XZ断面)である。
図3(b)は、YZ面で切断して表した断面(YZ断面)である。接触部11cの表面を楕円形状の中心を通る断面形で表したときの形状線を、XZ断面に関しては形状線11cxとし、YZ断面に関しては11cyとする。本実施形態において、接触部11c(形状線11cx及び形状線11cy)は、X方向(第1の方向)及びY方向(第3の方向)に対して鋭角をなす。接触部11cの傾斜部(非線端面)は、
図3中、X方向とY方向とに異なる曲率を持つ、所謂トーリック面形状に形成されている。先端面11dは、このトーリック形状の一部をXY得面に沿うように除去して現れる面形状である。
図3中の記号oは、接触部11cのX方向及びY方向の中央となる位置を示しており、この位置を中心oとする。中心oは前述した突起部11b及び接触部11cの楕円形状の中心と一致するように形成されている。
【0042】
なお、接触部11cは、
図3で示すように板状に形成されており、
図3中Z方向の弾性作用を有している。これは接触体3との加圧接触するときに所望の弾性作用を備えるためである。
【0043】
図1に示すように、振動体2(突起部11b)と接触体3とを加圧接触させると、接触部11cは中心o、あるいは中心oの近傍で接触体3と当接する。振動波モータ1を動作させることにより接触部11cは、摩擦動作により徐々にZ方向に摩耗していく。
図5は振動体2の平面図であり、各々の接触部11cが摩耗したときに形成される摩擦面S11(接触面)を示している。
【0044】
図4は、形状線11cx,11cyをグラフで示した図であり、横軸をX方向(第1の方向)、Y方向(第3の方向)とし、縦軸をZ方向(第2の方向)としている。先端面11d(中心o)から
図4中に示すようにZ方向にdzの量で接触部11cが摩耗したときは、
図5に示した摩擦面S11(接触面)のX方向の幅はdxとなり、Y方向の幅はdyとなる。
【0045】
先端面11dは、
図1中X方向の幅(第1の幅)がY方向の幅(第2の幅)未満になるように形成されている。このときの、接触部11cの表面から先端面11dを除いた非先端面(以下、単に「非先端面」という)の、Y方向に直交する仮想平面(XZ平面)上の曲率(第1の曲率)を、非先端面の、X方向に直交する仮想平面(YZ平面)上の曲率以上(第2の曲率以上)にする。つまり、第2の曲率に対する第1の曲率の比(第1の曲率/第2の曲率)を1以上にする(第1の曲率/第2の曲率≧1)。それにより、摩擦面S2(接触面)は、Y方向に長辺が沿い、X方向に短辺が沿う長方形状に形成され易くなる。 更に、第1の曲率を、第2の曲率より大きくすることがより好ましい。それにより、常にdyの方がdxより大きい値となる。このように形成することで、摩擦面S11(接触面)はY方向に長軸が沿い、X方向に短軸が沿う楕円形状に形成され易くなる。また、第2の曲率に対する第1の曲率の比(第1の曲率/第2の曲率)は、4以下が好ましい。それにより、dxが、振動体と接触体との相対移動に必要な程度以下に小さくなることを抑制することができる。
【0046】
また、Z方向から見たときに、接触部11cは中心oが接触部11cの中央に位置していることで、Z方向から見たときに、突起部11bと摩擦面S11(接触面)はお互いの中心が揃うように形成され易くなる。このように振動体2の接触体3との摩擦面S11(接触面)が形成されることで、振動体2に励振させて発生させる摩擦面S11(接触面)の楕円運動が良好な箇所が、振動波モータ1の駆動(振動体2と接触体3との相対移動)に用いられることになる。
【0047】
振動体2と接触体3とが相対的にX軸周りに傾いて組み合わされると、初期の状態では、振動体2(接触部11c)は、先端面11dの端部付近で接触体3と接することになる。例えば、
図4に示す点Qの位置で、振動体2(接触部11c)は接触体と接することになる。点Qは中心oに近い位置でありこれは実用上中心oと同等の個所が接しているとみなすことができる。このように振動体2と接触体3とのX軸周りの傾きに殆ど影響されることなく、所望の位置を振動体2と接触体3とを当接させることができる。
図6は、本実施形態における他の実施形態を説明する振動体24の平面図である。
【0048】
弾性体16の平板部16aには2か所に突起部16bが形成されており、これら突起部11bの各々の端部には、接触体と接触する接触部16cが形成される。また、Z方向から見たときに、接触部16cの中央には先端面16dが形成される。
【0049】
図7は、突起部16b、接触部16c及び先端面16dを、Z方向から見たときに、楕円形状の中心を含むようにXZ面及びYZ面で切断して表したときの接触部16cの表面の形状をグラフで表した図である。接触部16cの表面を楕円形状の中心を通る断面形で表したときの形状線を、XZ断面に関しては形状線16cxとし、YZ断面に関しては16cyとする。本実施形態において、接触部16cの傾斜部(非先端面)は図中X方向とY方向とに各々一定の傾きを持つように形成されている。また、これら本実施例においては、XZ平面上の、X方向に対する形状線16cxの傾き(第1の傾きθ
1)と、YZ平面上の、Y方向に対する形状線16cyの傾き(第2の傾きθ
2)は同一の傾きとなっている。
【0050】
中心oから図中に示ようにZ方向にdzの量で接触部16cが摩耗したときは、
図8に示した摩耗面S12(接触面)のX方向の幅(第1の幅)はdxとなり、Y方向の幅(第2の幅)はdyとなる。先端面16dの幅を、Y方向よりもX方向に小さくするとよい。つまり、第1の幅を第2の幅未満にすることがより好ましい。それにより、常にdyの方がdxより大きい値となる。このように形成することで、接触面は、Y方向に長辺が沿い、X方向に短辺が沿う長方形状に形成され易くなる。
【0051】
以上は、
図16で示した2つの振動モードを励振させる振動体に関して説明を行ったが、本発明はこのような振動モードを用いる振動体に限定されない。接触面の楕円運動が振動体と接触体との相対移動方向に変化していく振動を励振する振動体であれば、本発明は効果を得られる。
【0052】
<第2の実施形態>
図9は、本発明第2の実施形態に係る振動体21の斜視図である。第1の実施形態と同様の個所に関する説明は略す。
図1に示した振動体2と同様に、2つの突起部12bは、Mode-A(第1の曲げ振動モード)の振動の腹と重なると共に、Mode-B(第2の曲げ振動モード)の振動の節と重なるように形成される。
【0053】
突起部12bは、Z方向から見て長辺がY方向に沿い、短辺がX方向に沿う略長方形状に形成されている。2つの突起部12bのZ方向上面には、各々に接触部12cが形成される。接触部12cも、突起部12bと同様に、Z方向から見て長辺がY方向に沿い、短辺がX方向に沿う略長方形状に形成されている。接触部12cは、
図9中XY面に沿うように形成される先端面12dを備えている。先端面12dも、突起部12b及び接触部12cと同様に、Z方向から見たときに、長辺がY方向に沿い、短辺がX方向に沿う略長方形状に形成されている。
【0054】
突起部12b、接触部12c及び先端面12dの、
図9中XY平面上の中央を点oで表している。点oの位置が、Z方向から見たときに、Mode-A(第1の曲げ振動モード)の振動の腹付近であり、Mode-B(第2の曲げ振動モード)の振動の節付近である位置となるように、突起部12b、接触部12c及び先端面12dが形成される。点oの位置が、Z方向から見たときに、Mode-A(第1の曲げ振動モード)の振動の腹と重なると共に、Mode-B(第2の曲げ振動モード)の振動の節と重なるように、突起部12b、接触部12c及び先端面12dが形成されるのが好ましい。
【0055】
先端面12dからX方向に傾斜面12xが形成され、Y方向に傾斜面12yが形成される。傾斜面12x(第1の面)は、
図9中XY平面をY軸周りのみに回転させた傾きを持つ平面である。傾斜面12y(第2の面)は、
図9中XY平面をX軸周りのみに回転させた傾きを持つ平面である。接触部12c(傾斜面12x及び12y)は、X方向(第1の方向)及びY方向(第3の方向)に対して鋭角をなす。
【0056】
図10は、振動体21を振動波モータとして動作させることにより生じる摩耗の状態を含めて表している。接触部12cには、不図示の接触体との摩擦を介した動作により摩耗が生じて接触面S2(接触面)が形成される。接触面S2(接触面)は、後述の理由により略長方形状となる。
【0057】
図11は、傾斜面12x及び12yをグラフで示した図であり、横軸をX方向(第1の方向)、Y方向(第3の方向)とし、縦軸をZ方向(第2の方向)としている。先端面12d(中心o)から
図11中に示すようにZ方向にdzの量で接触部12cが摩耗したときは、
図10に示した摩擦面S2(接触面)のX方向の幅はdxとなり、Y方向の幅はdyとなる。
【0058】
先端面12dは、
図9中X方向の幅(第1の幅)がY方向の幅(第2の幅)未満になるように形成されている。このときの、Y方向に直交する仮想平面(XZ平面)上の、X方向に対する接触部12c(傾斜面12x)の傾き(第1の傾きθ
1)を、X方向に直交する仮想平面(YZ平面)上の、Y方向に対する接触部12c(傾斜面12y)の傾き以上(第2の傾きθ
2以上)にする。つまり、第2の傾きθ
2に対する第1の傾きθ
1の比(第1の傾きθ
1/第2の傾きθ
2)を1以上にする(第1の傾きθ
1/第2の傾きθ
2≧1)。それにより、摩擦面S2(接触面)は、Y方向に長辺が沿い、X方向に短辺が沿う長方形状に形成され易くなる。
【0059】
更に、第1の傾きθ1を、第2の傾きθ2より大きくすることが好ましい。それにより、常にdyの方がdxより大きい値となる。このように形成することで、摩擦面S2(接触面)は、Y方向に長辺が沿い、X方向に短辺が沿う長方形状に、より形成され易くなる。また、第2の傾きθ2に対する第1の傾きθ1の比(第1の傾きθ1/第2の傾きθ2)は、4以下が好ましい。それにより、dxが、振動体と接触体との相対移動に必要な程度以下に小さくなることを抑制することができる。
【0060】
このように、第一の実施形態で示した振動体2と同様に、振動体21の接触体3との摩擦面S2(接触面)が形成されることで、振動体2に励振させて発生させる摩擦面S2(接触面)の楕円運動が良好な箇所が、振動波モータ1の駆動に用いられることになる。
【0061】
以上、第1及び第2の実施形態として2種類の振動体(振動体2,21)について説明したが、本発明はこれらに限定されず同様の機能が得られる形態が選択できる。例えば、接触部11cの曲率は一定曲率であることに限定されず、接触部11cは2次曲面やより高次の曲面等を有してもよい。また、接触部12cの傾きは一定の傾きであることに限定されず、接触部12cは途中で傾きが変化するなどの形状を有してもよい。
【0062】
Z方向から見たときの、突起部11b、接触部11c及び先端面11dの形状が同じであることや、Z方向から見たときの、突起部12b、接触部12c及び先端面12dの形状が同じであることにも限定されない。突起部や接触部、先端面の形状は、長方形や長円形、角丸の長方形や楕円形などを任意に組み合わせても良い。
【0063】
また、突起部と弾性体は一体であることにも限定されない。
図12は、本実施形態に係る振動体の他の形態を示す、振動体22の斜視図である。振動体22は電気-機械エネルギー変換素子4、略矩形形状の板部品である弾性体31及び2つの突起部材32により形成される。弾性体31に電気-機械エネルギー変換素子4が貼り付けられ、これと逆の面に2つの突起部材32の接合部32aが弾性体31に接着や溶接等により固定される。突起部材32には接触部32b及び先端面32dが形成される。接触部32b及び先端面32dは、例えば、
図1等で説明した接触部11cと同様の形状に形成することで同様の効果が得られる。
【0064】
<第3の実施形態>
図13は、本発明第3の実施形態に係る振動体23の斜視図である。振動体23においては、弾性体15の略中央には1つの突起部15bが形成される。この突起部15bは、Mode-A(第1の曲げ振動モード)の振動の腹と重なり且つMode-B(第2の曲げ振動モード)の振動の節と重なるように形成される。突起部15bのZ方向上端には、接触部15c及び先端面15dが形成される。突起部15b、接触部15c及び先端面15dは、
図1に示した突起部11b、接触部11c及び先端面11dと同等の形状である。この位置における接触部15cの振動励振時の楕円運動は
図17及び
図18で説明したものと同様であり、効果に関しても同様に得られる。
【0065】
<第4の実施形態>
上述した振動波モータ1は、たとえば、レンズ群や撮像素子を、振動体又は接触体により駆動される被駆動部材とする撮像装置(光学機器)に用いることができる。また、ステージを、振動体又は接触体により駆動される被駆動部材とする直動ステージ装置等の電子機器等、様々な用途に用いることができる。ここでは、一例として、振動波モータ1をレンズ鏡筒に配置された、1つ又は複数のレンズを有するレンズ群の駆動に用いた撮像装置(光学機器)について説明する。
【0066】
図14(a)は、本発明の振動波モータを備える撮像装置700の概略構成を示す上面図である。撮像装置700は、撮像素子710及び電源ボタン720を搭載したカメラ本体730を備える。また、撮像装置700は、第1のレンズ群(不図示)、第2のレンズ群320、第3のレンズ群(不図示)、第4のレンズ群340、振動型駆動装置620,640(振動波モータ)を備えるレンズ鏡筒740を備える。レンズ鏡筒740は、交換レンズとしてカメラ本体730に対して着脱自在である。
【0067】
撮像装置700では、2つの振動波モータ620,640によってそれぞれ、第2のレンズ群320(被駆動部材),第4のレンズ群340(被駆動部材)の駆動が行われる。振動波モータ620,640として、
図1乃至
図13を参照して説明した振動波モータ1が用いられる。
【0068】
図14(b)は、本発明の振動波モータを備える撮像装置700の概略構成を示すブロック図である。第1のレンズ群310、第2のレンズ群320、第3のレンズ群330、第4のレンズ群340及び光量調節ユニット350が、レンズ鏡筒740内部の光軸上の所定位置に配置されている。第1のレンズ群310~第4のレンズ群340と光量調節ユニット350とを通過した光は、撮像素子710に結像する。撮像素子710は、光学像を電気信号に変換して出力し、その出力は、カメラ処理回路750へ送られる。
【0069】
カメラ処理回路750は、撮像素子710からの出力信号に対して増幅やガンマ補正等を施す。カメラ処理回路750は、AEゲート755を介してCPU790に接続されていると共に、AFゲート760とAF信号処理回路765とを介してCPU790に接続されている。カメラ処理回路750において所定の処理が施された映像信号は、AEゲート755と、AFゲート760及びAF信号処理回路765を通じてCPU790へ送られる。なお、AF信号処理回路765は、映像信号の高周波成分を抽出して、オートフォーカス(AF)のための評価値信号を生成し、生成した評価値をCPU790へ供給する。
【0070】
CPU790は、撮像装置700の全体的な動作を制御する制御回路であり、取得した映像信号から、露出決定やピント合わせのための制御信号を生成する。CPU790は、決定した露出と適切なフォーカス状態が得られるように、振動波モータ620,640及びメータ630の駆動を制御することによって、第2のレンズ群320、第4のレンズ群340及び光量調節ユニット350の光軸方向の位置を調整する。
【0071】
CPU790による制御下において、振動型駆動装置620(振動波モータ)は、第2のレンズ群320を光軸方向に移動させる。また、振動型駆動装置640(振動波モータ)は、第4のレンズ群340を光軸方向に移動させる。また、光量調節ユニット350は、メータ630により駆動制御されている。
【0072】
振動波モータ620により駆動されている第2のレンズ群320の光軸方向の位置は第1のリニアエンコーダ770により検出され、検出結果がCPU790に通知されていることで、振動波モータ620の駆動にフィードバックされている。
【0073】
同様に、振動波モータ640により駆動されている第4のレンズ群340の光軸方向の位置は第2のリニアエンコーダ775により検出され、検出結果がCPU790に通知されていることで、振動波モータ640の駆動にフィードバックされている。光量調節ユニット350の光軸方向の位置は、絞りエンコーダ780により検出され、検出結果がCPU790へ通知されていることで、メータ630の駆動にフィードバックされている。
【符号の説明】
【0074】
1 振動波モータ
2、21、22、23 振動体
3 接触体
4 電気-機械エネルギー変換素子
5、11、12、13、14、15 弾性体
5b、11b、12b、13b、14b、15b 突起部
5c、11c、12c、13c、14c、15c 接触部
5d、11d、12d、13d、14d、15d 先端面
θ1 第1の傾き
θ2 第2の傾き
S11、S12、S2 摩擦面(接触面)