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特許7500197車両用のインテリジェントワイヤレスアクセスシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】車両用のインテリジェントワイヤレスアクセスシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 25/24 20130101AFI20240610BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20240610BHJP
   E05B 81/64 20140101ALI20240610BHJP
   G01S 5/14 20060101ALN20240610BHJP
   G01S 11/06 20060101ALN20240610BHJP
【FI】
B60R25/24
E05B49/00 J
E05B49/00 Z
E05B81/64
G01S5/14
G01S11/06
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019551332
(86)(22)【出願日】2018-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-11
(86)【国際出願番号】 EP2018055870
(87)【国際公開番号】W WO2018166907
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2019-11-15
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】15/461,187
(32)【優先日】2017-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヴィヴェク ジャイン
(72)【発明者】
【氏名】マウリツィオ ボッカ
(72)【発明者】
【氏名】ホアン リー
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ラング
(72)【発明者】
【氏名】アブティン ケシャヴァルヅィアン
【合議体】
【審判長】一ノ瀬 覚
【審判官】中村 則夫
【審判官】北中 忠
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-505253(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0309813(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R25/24,E05B49/00,E05B81/64,G01S5/14,G01S11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ユーザにより使用されるターゲットを追跡し、車両までの前記ターゲットの距離、前記車両に対する前記ターゲットの位置、又は、前記車両に対する前記ターゲットの方向を推定するためのコンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ可読記憶媒体において、
前記コンピュータプログラムは、前記ターゲットと、前記車両に配置されたマスタノード及びスレーブノードとを含むシステムに、
前記ターゲットからのビーコンパケットの前記スレーブノードによる受信と、
前記ビーコンパケットについての信号強度情報の前記スレーブノードによる判定と、
前記ターゲットについての前記信号強度情報及び前記ビーコンパケットを含むメッセージの前記スレーブノードから前記マスタノードへの送信と、
受信したメッセージに基づいた、前記車両までの前記ターゲットの距離、前記車両に対する前記ターゲットの位置、又は、前記車両に対する前記ターゲットの方向のうちの少なくとも1つの前記マスタノードによる推定と、
を実行させる設定命令のルーチンを含み、
前記マスタノードは、コントローラを含み又はコントローラに接続されており、
前記コンピュータプログラムは、さらに、前記車両の内部のイベント検出に少なくとも部分的に応答して、前記コントローラによりイベント応答を生成することを前記システムに実行させる設定命令の前記ルーチンを含み、前記イベント応答は、(a)前記車両の内部の物体のRFパターンを提示すること、(b)前記車両の内部の前記物体の画像を提示すること、(c)前記車両の内部の前記物体の音響信号パターンを提示すること、及び、(d)前記車両の内部の前記物体の生体認証情報を提示することのうちの少なくとも1つを含み、
前記コンピュータプログラムは、さらに、前記車両ユーザが認可範囲内にいるときに、前記車両ユーザについてのアクセスを許可することによって、又は、前記車両ユーザが認可範囲外にいるときに、前記車両ユーザについてのアクセスを拒否することによって、前記コントローラにより前記車両のアクセスエントリデバイスを制御することを前記システムに実行させる設定命令の前記ルーチンを含み、
前記システムは、
前記マスタノード及び前記スレーブノードを含むノードアセンブリと、
音響トランスデューサ、生体認証センサ、RFトランスデューサ及び撮像センサのうちの少なくとも1つを含むトランスデューサアセンブリと、
を含み、
前記トランスデューサアセンブリは、前記ノードアセンブリと通信を行うように接続されており、
前記RFパターンは、前記マスタノード、前記スレーブノード及び前記RFトランスデューサのうちの少なくとも1つによる検出結果であり、
前記画像は、前記撮像センサによる検出結果であり、
前記音響信号パターンは、前記音響トランスデューサによる検出結果であり、
生体認証情報は、前記生体認証センサによる検出結果である、
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項2】
前記コンピュータプログラムは、さらに、占有及び侵入のうちの少なくとも一方があることを提示する前記イベント応答に応答して、前記コントローラにより警報を送信することを前記システムに実行させる設定命令の前記ルーチンを含む、請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項3】
前記コンピュータプログラムは、さらに、
前記ターゲットを保持、携帯又は着用する前記車両ユーザによるジェスチャとしての第1のジェスチャ識別子を定義するデータを前記スレーブノードにより受信することと、
前記車両ユーザが前記第1のジェスチャ識別子に対応する認可範囲内にいるときに、前記コントローラにより前記車両のドアのロックを解除することと、
を前記システムに実行させる設定命令の前記ルーチンを含む、請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項4】
前記コンピュータプログラムは、さらに、
前記ターゲットを保持、携帯又は着用する前記車両ユーザによるジェスチャとしての第2のジェスチャ識別子を定義する、加速度計からのデータを前記スレーブノードにより受信することと、
前記車両ユーザが前記第2のジェスチャ識別子に対応する認可範囲外にいるときに、前記コントローラにより前記車両のドアをロックすることと、
を前記システムに実行させる設定命令の前記ルーチンを含む、請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項5】
前記システムは、前記ターゲットとして第1のターゲット及び第2のターゲットを含み、
前記コンピュータプログラムは、さらに、
前記車両をピックアップするための要求されたスケジュール時間を前記第1のターゲットにより前記第2のターゲットから受信することと、
前記第2のターゲットの場所を表すセンサ出力データを前記第1のターゲットにより前記第2のターゲットから受信することと、
トリガメッセージを有する一時的な鍵を前記第1のターゲットにより前記第2のターゲットに送信することと、
を前記システムに実行させる設定命令の前記ルーチンを含む、請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項6】
前記コンピュータプログラムは、さらに、(a)前記センサ出力データ、(b)前記車両までの移動距離、(c)前記車両への到着時間が要求された前記スケジュール時間を上回ること、又は、(d)前記第2のターゲットが前記車両のジオフェンス外にあること、に少なくとも部分的に基づいて、前記一時的な鍵を前記第2のターゲットから除去することを前記システムに実行させる設定命令の前記ルーチンを含む、請求項に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項7】
前記システムは、前記ターゲットとして第1のターゲット及び第2のターゲットを含み、
前記コンピュータプログラムは、さらに、
前記車両の共有イベントに関連付けられておりかつ前記共有イベントが発生する日時を含むリクエストを前記第1のターゲットにより前記第2のターゲットから受信することと、
前記第2のターゲットの場所を表すセンサ出力データを前記第1のターゲットにより前記第2のターゲットから受信することと、
トリガメッセージを有する一時的な鍵を前記第1のターゲットにより前記第2のターゲットに送信することと、
を前記システムに実行させる設定命令の前記ルーチンを含む、請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項8】
前記コンピュータプログラムは、さらに、(a)前記センサ出力データ、(b)前記共有イベントが発生する日時が前記リクエストに含まれる前記共有イベントが発生する日時を上回ること、又は、(c)前記第2のターゲットが前記車両のジオフェンス外にあること、に少なくとも部分的に基づいて、一時的な鍵を前記第2のターゲットから除去することを前記システムに実行させる設定命令の前記ルーチンを含む、請求項に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項9】
車両ユーザにより使用されるターゲットを追跡し、車両までのターゲットの距離、前記車両に対する前記ターゲットの位置、又は、前記車両に対する前記ターゲットの方向を推定するための方法において、
前記ターゲットからビーコンパケットを受信することと、
前記ビーコンパケットについての信号強度情報を判定することと、
前記ターゲットについての前記信号強度情報及び前記ビーコンパケットを含むメッセージを送信することと、
受信したメッセージに基づいて、前記車両までの前記ターゲットの距離、前記車両に対する前記ターゲットの位置、又は、前記車両に対する前記ターゲットの方向のうちの少なくとも1つを推定することと、
を含み、
さらに、前記車両の内部のイベントの検出に少なくとも部分的に応答してイベント応答を生成することを含み、前記イベント応答は、(a)前記車両の内部の物体のRFパターンを提示すること、(b)前記車両の内部の前記物体の画像を提示すること、(c)前記車両の内部の前記物体の音響信号パターンを提示すること、及び、(d)前記車両の内部の前記物体の生体認証情報を提示することのうちの少なくとも1つを含み、
さらに、前記車両ユーザが認可範囲内にいるときに、前記車両ユーザについてのアクセスを許可することによって、又は、前記車両ユーザが認可範囲外にいるときに、前記車両ユーザについてのアクセスを拒否することによって、前記車両のアクセスエントリデバイスを制御することを含み、
前記システムは、
前記マスタノード及び前記スレーブノードを含むノードアセンブリと、
音響トランスデューサ、生体認証センサ、RFトランスデューサ及び撮像センサのうちの少なくとも1つを含むトランスデューサアセンブリと、
を含み、
前記トランスデューサアセンブリは、前記ノードアセンブリと通信を行うように接続されており、
前記RFパターンは、前記マスタノード、前記スレーブノード及び前記RFトランスデューサのうちの少なくとも1つによる検出結果であり、
前記画像は、前記撮像センサによる検出結果であり、
前記音響信号パターンは、前記音響トランスデューサによる検出結果であり、
生体認証情報は、前記生体認証センサによる検出結果である、
方法。
【請求項10】
さらに、前記ターゲットが認可範囲内にあるときに、前記車両における少なくとも1つのパッシブ・エントリ/パッシブ・スタート(PEPS)機能を実行することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
さらに、
前記車両の周囲のいずれかの障害物を判定することと、
前記障害物の場所に応じて前記車両のカメラシステムを制御することと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
さらに、
天候情報を検索することと、
前記車両のクライメートコントロールシステムを制御することと、
検索された前記天候情報に基づいて、冷房又は暖房が必要とされる場合には、前記クライメートコントロールシステムを設定することと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
さらに、
前記ターゲットから車両ユーザプロファイルを検索することと、
先行して記録された車両ユーザ制御入力に基づいて、前記車両ユーザの嗜好を識別することと、
前記車両ユーザの嗜好に応じて、ユーザ快適性が達成されるようにクライメートコントロールシステムを制御することと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項14】
さらに、
前記ターゲットから車両ユーザプロファイルを検索することと、
先行して記録された車両ユーザ制御入力に基づいて、前記車両ユーザの嗜好を識別することと、
前記車両ユーザの嗜好に応じて、ユーザ快適性が達成されるようにインフォテイメントシステムを制御することと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項15】
さらに、占有及び侵入のうちの少なくとも一方があることを提示するイベント応答に応答して警報を送信することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項16】
さらに、
前記ターゲットを保持、携帯又は着用する前記車両ユーザによるジェスチャとしての第1のジェスチャ識別子を定義するデータを受信することと、
前記車両ユーザが前記第1のジェスチャ識別子に対応する認可範囲内にいるときに、前記車両のドアのロックを解除することと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項17】
さらに、
前記ターゲットを保持、携帯又は着用する前記車両ユーザによるジェスチャとしての第2のジェスチャ識別子を定義する、加速度計からのデータを受信することと、
前記車両ユーザが前記第2のジェスチャ識別子に対応する認可範囲外にいるときに、前記車両のドアをロックすることと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項18】
前記ターゲットは、第1のターゲット及び第2のターゲットを含み、
前記方法は、さらに、
前記車両をピックアップするための要求されたスケジュール時間を前記第2のターゲットから受信することと、
前記第2のターゲットの場所を表すセンサ出力データを受信することと、
トリガメッセージを有する一時的な鍵を前記第2のターゲットに送信することと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項19】
さらに、(a)前記センサ出力データ、(b)前記車両までの移動距離、(c)前記車両への到着時間が要求された前記スケジュール時間を上回ること、又は、(d)前記第2のターゲットが前記車両のジオフェンス外にあること、に少なくとも部分的に基づいて、前記一時的な鍵を前記第2のターゲットから除去することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ターゲットは、第1のターゲット及び第2のターゲットを含み、
前記方法は、さらに、
前記車両の共有イベントに関連付けられておりかつ前記共有イベントが発生する日時を含むリクエストを前記第2のターゲットから受信することと、
前記第2のターゲットの場所を表すセンサ出力データを受信することと、
トリガメッセージを有する一時的な鍵を前記第2のターゲットに送信することと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項21】
さらに、(a)前記センサ出力データ、(b)前記共有イベントが発生する日時が前記リクエストに含まれる前記共有イベントが発生する日時を上回ること、又は、(c)前記第2のターゲットが前記車両のジオフェンス外にあること、に少なくとも部分的に基づいて、前記一時的な鍵を前記第2のターゲットから除去することを含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、キーフォブシステムに関し、より詳細には、車両用のインテリジェントワイヤレスアクセスシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において別段の記載がない限り、本項において説明する題材は、本願の特許請求の範囲に対する従来技術ではなく、また、それらを本項に含めることで従来技術であると認められるものでもない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
本明細書に開示された特定の実施の形態の概要を以下に記載する。それらの態様は、単に、それらの特定の実施の形態の簡潔な概要を読み手に対して提供するために提示されたものに過ぎず、また、それらの態様は、本開示の範囲を限定することを意図したものではないと理解されたい。実際のところ、本開示は、以下に記載されていない場合もある様々な態様を含むと考えられる。
【0004】
本開示の一態様によれば、ターゲットを追跡し、車両までのターゲットの距離、車両に対するターゲットの位置、又は車両に対するターゲットの方向を推定するためのコンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ可読記憶媒体が提供され、コンピュータプログラムは、機械に、ターゲットからのビーコンパケットの受信と、ビーコンパケットについての信号強度情報の判定と、ターゲットについての信号強度情報及びビーコンパケットを含むメッセージの送信と、受信したメッセージに基づいた、車両までのターゲットの距離、車両に対するターゲットの位置、又は、車両に対するターゲットの方向のうちの少なくとも1つの推定と、を実行させる設定命令のルーチンを含む。請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されているコンピュータプログラムは、さらに、車両の内部のイベントの検出に少なくとも部分的に応答してイベント応答を生成することを含み、イベント応答は、(a)車両の内部の物体のRFパターンを提示すること、(b)車両の内部の物体の画像を提示すること、(c)車両の内部の物体の音響信号パターンを提示すること、及び、(d)車両の内部の物体の生体認証情報を提示することのうちの少なくとも1つを含む。他の実施の形態においては、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されているコンピュータプログラムが、占有及び侵入のうちの少なくとも一方があることを提示するイベント応答に応答して警報を送信することを含む。さらに他の実施の形態においては、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されているコンピュータプログラムが、車両ユーザが認可範囲内にいるときに、車両ユーザについてのアクセスを許可することによって、又は車両ユーザが認可範囲外にいるときに、車両ユーザについてのアクセスを拒否することによって、車両のアクセスエントリデバイスを制御することを含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されているコンピュータプログラムは、第1のジェスチャ識別子を定義するデータを受信することと、車両ユーザが第1のジェスチャ識別子に対応する認可範囲内にいるときに、車両のドアのロックを解除することと、を含む。他の実施形態においては、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されているコンピュータプログラムが、第2のジェスチャ識別子を定義する、加速度計からのデータを受信することと、車両ユーザが第2のジェスチャ識別子に対応する認可範囲外にいるときに、車両のドアをロックすることと、を含む。さらに他の実施形態においては、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されているコンピュータプログラムが、車両をピックアップするための要求されたスケジュール時間を第2のターゲットから受信することと、第2のターゲットの場所を表すセンサ出力データを受信することと、トリガメッセージを有する一時的な鍵を第2のターゲットに送信することと、を含む。
【0005】
本開示の他の態様によれば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されているコンピュータプログラムは、(a)センサ出力データ、(b)車両までの移動距離、(c)車両までの移動時間及び(d)車両への到着時間のいずれかが要求されたスケジュール時間を上回ること、又は、第2のターゲットが車両のジオフェンス外にあること、に少なくとも部分的に基づいて、一時的な鍵を第2のターゲットから除去することを含む。
【0006】
本開示の他の態様によれば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されているコンピュータプログラムは、車両の共有イベントに関連付けられておりかつ共有イベントが発生する日時を含むリクエストを第2のターゲットから受信することと、第2のターゲットの場所を表すセンサ出力データを受信することと、トリガメッセージを有する一時的な鍵を第2のターゲットに送信することと、を含む。
【0007】
本開示の他の態様によれば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されているコンピュータプログラムは、(a)センサ出力データ及び(b)共有イベントのいずれかがリクエストを上回ること、又は、第2のターゲットが車両のジオフェンス外にあること、に少なくとも部分的に基づいて、一時的な鍵を第2のターゲットから破壊することを含む。
【0008】
本開示の他の態様によれば、ターゲットを追跡し、車両までのターゲットの距離、車両に対するターゲットの位置、又は車両に対するターゲットの方向を推定するための方法が提供され、この方法は、ターゲットからビーコンパケットを受信することと、ビーコンパケットについての信号強度情報を判定することと、ターゲットについての信号強度情報及びビーコンパケットを含むメッセージを送信することと、受信したメッセージに基づいて、車両までのターゲットの距離、車両に対するターゲットの位置、又は、車両に対するターゲットの方向のうちの少なくとも1つを推定することと、を含む。方法は、さらに、ターゲットが認可範囲内にあるときに、車両における少なくとも1つのパッシブ・エントリ/パッシブ・スタート(PEPS:Passive Entry Passive Start)機能を実行することを含む。
【0009】
本開示の他の態様によれば、方法は、車両の周囲のいずれかの障害物を判定すること、及び、障害物の場所に応じて車両のカメラシステムを制御することを含む。他の実施形態においては、方法が、天候情報を検索することと、車両のクライメートコントロールシステムを制御することと、検索された天候情報に基づいて、冷房又は暖房が必要とされる場合には、クライメートコントロールシステムを設定することと、を含む。
【0010】
本開示の他の態様によれば、方法は、ターゲットから車両ユーザプロファイルを検索することと、先行して記録された車両ユーザ制御入力に基づいて、車両ユーザの嗜好を識別することと、車両ユーザの嗜好に応じて、ユーザ快適性が達成されるようにクライメートコントロールシステムを制御することと、を含む。
【0011】
本開示の他の態様によれば、方法は、ターゲットから車両ユーザプロファイルを検索することと、先行して記録された車両ユーザ制御入力に基づいて、車両ユーザの嗜好を識別することと、車両ユーザの嗜好に応じて、ユーザ快適性が達成されるようにインフォテイメントシステムを制御することと、を含む。方法は、さらに、占有及び侵入のうちの少なくとも一方があることを提示するイベント応答に応答して警報を送信することを含む。方法は、さらに、車両ユーザが認可範囲内にいるときに、車両ユーザについてのアクセスを許可することによって、又は、車両ユーザが認可範囲外にいるときに、車両ユーザについてのアクセスを拒否することによって、車両のアクセスエントリデバイスを制御することを含む。
【0012】
本開示の他の態様によれば、方法は、第1のジェスチャ識別子を定義するデータを受信することと、車両ユーザが第1のジェスチャ識別子に対応する認可範囲内にいるときに、車両のドアのロックを解除することと、を含む。方法は、さらに、第2のジェスチャ識別子を定義する、加速度計からのデータを受信することと、車両ユーザが第2のジェスチャ識別子に対応する認可範囲外にいるときに、車両のドアをロックすることと、を含む。
【0013】
本開示の他の態様によれば、方法は、車両をピックアップするための要求されたスケジュール時間を第2のターゲットから受信することと、第2のターゲットの場所を表すセンサ出力データを受信することと、トリガメッセージを有する一時的な鍵を第2のターゲットに送信することと、を含む。方法は、さらに、(a)センサ出力データ、(b)車両までの移動距離、(c)車両までの移動時間及び(d)車両への到着時間のいずれかが要求されたスケジュール時間を上回ること、又は、第2のターゲットが車両のジオフェンス外にあること、に少なくとも部分的に基づいて、一時的な鍵を第2のターゲットから除去することを含む。
【0014】
本開示の他の態様によれば、方法は、車両の共有イベントに関連付けられておりかつ共有イベントが発生する日時を含むリクエストを第2のターゲットから受信することと、第2のターゲットの場所を表すセンサ出力データを受信することと、トリガメッセージを有する一時的な鍵を第2のターゲットに送信することと、を含む。
【0015】
本開示の他の態様によれば、方法は、(a)センサ出力データ及び(b)共有イベントのいずれかがリクエストを上回ること、又は、第2のターゲットが車両のジオフェンス外にあること、に少なくとも部分的に基づいて、一時的な鍵を第2のターゲットから破壊することを含む。
【0016】
本開示の上記の特徴、態様及び利点並びに他の特徴、態様及び利点は、図面全体を通して同様の参照符号によって同様の種類のものが表されている添付の図面を参照して、特定の例示的な実施の形態の以下の詳細な説明を読んだとき、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】1つ以上のノードを使用する車両におけるシステムを示す。
図2】侵入/占有システムと協働する車両の簡略化された概略図を示す。
図3A】ジェスチャアクセスエントリシステムと協働する車両の簡略化された概略図を示す。
図3B】ジェスチャアクセスエントリシステムと協働する車両の簡略化された他の概略図を示す。
図4】仮想鍵共有システムと協働する車両の簡略化された概略図を示す。
図5】イベントシステムと協働する車両の簡略化された概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
詳細な説明
以下の説明は、開示される実施の形態を実現し、それを使用することを任意の当業者に可能にするために提示されたものであり、特定の用途及びその要件の文脈において提供されている。説明される実施の形態に対する種々の修正は、当業者には容易に明らかになり、また、本明細書で定義される一般的な原理は、説明される実施の形態の精神及び範囲から逸脱することなく、他の実施の形態及び用途に適用することができる。従って、説明される実施の形態は、図示された実施の形態に限定されるものではなく、本明細書に開示される原理及び特徴と矛盾しない最も広い範囲に一致すると考えられる。
【0019】
図1は、本開示によるシステム10を示す。システム10は、一般的には、車両12及びターゲット14を含んでおり、ターゲット14は、通信リンクを介して車両12と接続されることで、車両12と通信を行う。システムは、パッシブ車両アクセスコントロール、リモートキーエントリシステムなどであってよい。考えられる他の車両システムとして、アクセスコントロール、キーアクセス、エントリコントロール、ジェスチャコントロール、及び、ジェスチャアクセスが挙げられる。図示のように、通信リンクは、Bluetooth低エネルギ(BLE:Bluetooth Low Energy)通信プロトコルを含む、Bluetooth(BT)通信プロトコル及び標準である。考えられる他の通信プロトコルとして、低エネルギ/低電力消費量(low energy/power consumption)が挙げられる。ターゲット14は、キー/カードデバイス、クライアントデバイス、BLE対応デバイス、及び、低エネルギ/低電力消費量の通信プロトコルに対応するデバイスであってよい。キー/カードデバイスは、キーフォブ、キーカード、クライアントデバイス、アクセスキー、アクセスカード、スマートカード、及び、スマートキーであってよい。クライアントデバイスは、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレット、ラップトップ、ポータブルパーソナルコンピュータ、ファブレット、ウェアラブルデバイス、シンデバイス、シックデバイス、エンタテイメントデバイス、及び、インフォテイメントデバイスであってよい。図示のように、キー/カードデバイスは、スマートキー18であり、また、クライアントデバイスは、ファブレット16である。アンテナが統合されている複数の無線ノード20,22,24,26,28を、車両12の内外の種々の場所に設置することができる。1つの実施の形態においては、アンテナは、指向性アンテナである。用途に応じて、ノードに統合された他の適切なアンテナを、システムにおいて使用することができる。ノード26は、特定の場所、例えばダッシュボードに隣接する場所において、車両12の前部に位置決めされており、また、リモートキーエントリ(RKE)ノードとして機能することができる。ノード20,22,24及び28は、車両12内で、車両12の種々の特定の場所に位置決めされており、また、パッシブ・エントリ/パッシブ・スタート(PEPS)ノードとして機能することができる。1つの実施の形態においては、ノード26は、ターゲットが認可範囲内にあるときに、車両における少なくとも1つのパッシブ・エントリ/パッシブ・スタート(PEPS)機能を実行するように動作可能である。例えば、ノード20及び24は、フロントドアのハンドルの近傍に設置されており、また、ノード22は、車両の後部近傍に設置されている。1つ実施の形態においては、ノード26は、車両の内部に向けられており、その一方で、残りのノード20,22,24及び28は、外部に向けられている。ノード20,22,24及び28は、例えば、ターゲット14と通信するためのスレーブセンシングノードであってよく、また、ノード26は、1つ以上のスレーブセンシングノード20,22,24及び28と通信する車両12のマスタノードである。5つのノードが図示されているが、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の適切な数のノードを車両12内に設置及び位置決めすることができる。
【0020】
少なくとも1つ以上のノード20,22,24,26,28は、車両12の存在をターゲット14に、例えば、車両12のドライバ又は認可された人が携帯するスマートキー18又はファブレット16に通知するために、任意の適切な数のパケットを周期的に送信する。考えられる他のパケットとして、ビーコンパケットが挙げられる。ターゲット14は、それらのビーコンパケットを受信し、また、コネクションの確立を開始して、車両12との認証プロセスを実行することができる。このプロセスにおいては、車両12及びターゲット14は、連続的又は反復的にデータパケットを交換する。例えば、ターゲット14は、1つ以上のノード20,22,24,26,28、又はノード20,22,24,26,28に接続されている車両アクセスコントロール/エントリデバイスのいずれかに、ビーコンパケットを周期的に送信する。車両12とターゲット14との間のコネクションが認証されると、1つ以上のノード20,22,24,28は、ターゲット14からの信号の受信信号強度(RSS:Received Signal Strength)値と共にビーコンパケットを含む受信した情報を、ノード26に送信する。RSS値以外に考えられる、無線チャネルの他の物理的なパラメータ値として、チャネル状態値、飛行時間(ToF:time of flight)値、到達角度(AoA:angle of arrival)値、及び、位相シフト値が挙げられる。続いて、ノード26は、スマートキー18又はファブレット16までの距離、スマートキー18又はファブレット16の方向、及び、スマートキー18又はファブレット16の位置などの少なくとも1つのペリメータを、受信した情報から推定する。代替的な実施の形態においては、1つ以上のノード20,22,24,26,28が、ターゲット14からビーコンパケットを受信し、ターゲット14からの信号の信号強度情報を判定し、ターゲットのビーコンパケット及び信号強度情報を含むメッセージをコントローラに送信するように構成されている。マスタノード26は、RAM、ROM、ソリッドステートメモリデバイス、又はディスクドライブなどのコンピュータ可読記憶デバイス又はコンピュータ可読媒体に記憶されている命令を実行するように動作可能である1つ以上のコントローラを含んでいる。マスタノード26は、受信したメッセージに基づいて、車両12のエンジンの始動に先立ち、車両12までの、車両ユーザなどのターゲット14の距離、車両12に対するターゲット14の位置、又は車両12に対するターゲット14の方向のうちの少なくとも1つを推定するように構成されている。いくつかの実施の形態においては、1つ以上のコントローラを、マスタノード26に接続することができる。
【0021】
図2は、侵入又は占有検出システム30と協働し、また、上述のノードに類似する1つ以上のノード20,22,24,26,28を備えたノードアセンブリ32を含んでいる車両12の簡略化された概略図である。システム30は、さらに、ノードアセンブリ32に接続されることで、ノードアセンブリ32と通信を行うトランスデューサアセンブリ34を含んでいる。トランスデューサアセンブリ34は、音響トランスデューサ36、生体認証センサ38、RFトランスデューサ40、撮像センサ、などを含むことができる。1つの実施の形態においては、ノード32は、1つ以上のコントローラを含んでおり、このコントローラは、車両の内部のイベントの検出に少なくとも部分的に応答してイベント応答を生成するように動作可能であり、また、そのように構成されており、イベント応答は、(a)車両の内部の物体のRFパターンを提示すること、(b)車両の内部の物体の画像を提示すること、(c)車両の内部の物体の音響信号パターンを提示すること、及び、(d)車両の内部の物体の生体認証情報を提示すること、のうちの少なくとも1つを含む。他の実施の形態においては、ノード32に接続されている1つ以上のコントローラは、車両の内部のイベントの検出に少なくとも部分的に応答してイベント応答を生成するように動作可能であり、また、そのように構成されており、イベント応答は、(a)車両の内部の物体のRFパターンを提示すること、(b)車両の内部の物体の画像を提示すること、(c)車両の内部の物体の音響信号パターンを提示すること、及び、(d)車両の内部の物体の生体認証情報を提示すること、のうちの少なくとも1つを含む。前記提示は、車両のノードアセンブリ32のマスタセンシングノード26、任意のセンシングノード20,22,24,28、又は、RFトランスデューサ40のうちの少なくとも1つによって検出されたRFパターンに少なくとも部分的に応答して提供された歪みを含む。前記提示は、さらに、車両のノードアセンブリ32のマスタセンシングノード26、任意のセンシングノード20,22,24,28、又は、RFトランスデューサ40のうちの少なくとも1つによって検出されたRFパターンの変化を含む。代替的な実施の形態においては、前記提示は、撮像センサによって捕捉された撮像データに少なくとも部分的に応答して提供される。他の実施の形態においては、前記提示は、トランスデューサによって記録された音響データに少なくとも部分的に応答して提供される。さらに他の実施の形態においては、前記提示は、生体認証デバイスによって捕捉された生体認証データに少なくとも部分的に応答して提供される。
【0022】
特定の車両設計においては、ノード32が、占有及び侵入のうちの少なくとも一方があることを提示するイベント応答に応答して警報を送信するように構成されている。いくつかの実施の形態においては、ノード32に接続されている1つ以上のコントローラが、占有及び侵入のうちの少なくとも一方があることを提示するイベント応答に応答して警報を送信するように構成されている。代替的に、1つ以上のコントローラを含んでいるノード32、又はノード32に接続されている1つ以上のコントローラは、車両ユーザが認可範囲内にいるときに、車両ユーザについてのアクセスを許可することによって、又は車両ユーザが認可範囲外にいるときに、車両ユーザについてのアクセスを拒否することによって、車両のアクセスエントリデバイスを制御するように動作可能であり、また、そのように構成されている。
【0023】
図3Aは、ジェスチャアクセスエントリシステム50と協働し、また、上述のノードに類似する1つ以上のノード20,22,24,26,28を備えたノードアセンブリ32を含んでいる車両12の簡略化された概略図である。システム50は、さらに、ノードアセンブリ32に接続されることで、ノードアセンブリ32と通信を行うトランスデューサアセンブリ34を含んでいる。ターゲット14内に配置されたトランスデューサアセンブリ34は、加速度計54、ジャイロスコープ56、及び、磁力計58のうちの少なくとも1つを含んでいる。ノード32は、第1のジェスチャ識別子として定義される、トランスデューサアセンブリ34のうちの任意のトランスデューサ54,56,58からのデータを受信するように構成されている。ノードは、さらに、車両ユーザが第1のジェスチャ識別子に対応する認可範囲内にいるときに、車両のドアのロックを解除するために、車両のアクセスエントリデバイスを制御するように構成されている。いくつかの実施の形態においては、ノード又はコントローラは、第2のジェスチャ識別子として定義される、トランスデューサアセンブリ34のうちの任意のトランスデューサ54,56,58からのデータを受信するように構成されている。ノード又はコントローラは、さらに、車両ユーザが第2のジェスチャ識別子に対応する認可範囲外にいるときに、車両のドアのロックするために、車両のアクセスエントリデバイスを制御するように構成されている。第1のジェスチャ識別子及び第2のジェスチャ識別子は、ターゲット14を保持、携帯、又は着用するユーザによって実行される静止したジェスチャ又は移動するジェスチャであってよい。
【0024】
図3Bは、ジェスチャアクセスエントリシステム60と協働し、また、上述のノードに類似する1つ以上のノード20,22,24,26,28を備えたノードアセンブリ32を含んでいる車両12の簡略化された他の概略図である。システム60は、さらに、ノードアセンブリ32との通信における、ジェスチャ認識/スキャンデバイス62を含んでいる。車両12のボディに組み込まれたジェスチャ認識/スキャンデバイス62は、移動するターゲットを検出する角度と静止したターゲットを検出する他の角度との間で可動であるマイクロセンサ又はマイクロスキャナのマトリクスを含んでいる。ノード32は、第1のジェスチャ識別子として定義される、ジェスチャ認識/スキャンデバイス62からのデータを受信するように構成されている。ノードは、さらに、第1のジェスチャ識別子がジェスチャライブラリ又はジェスチャメモリに記憶されているジェスチャに一致する場合には、車両のドアのロックを解除するために、車両のアクセスエントリデバイスを制御するように構成されている。いくつかの実施の形態においては、ノード又はコントローラは、第2のジェスチャ識別子として定義される、ジェスチャ認識/スキャンデバイス62からのデータを受信するように構成されている。ノード又はコントローラは、さらに、第2のジェスチャ識別子がジェスチャライブラリ又はジェスチャメモリに記憶されているジェスチャに一致しない場合には、車両のドアをロックするために、車両のアクセスエントリデバイスを制御するように構成されている。第1のジェスチャ識別子は、車両ドライバ又は認可されたユーザによって実行される画像ジェスチャであってよい。第2のジェスチャ識別子は、認可されていないユーザによって実行される画像ジェスチャであってよい。1つの実施の形態においては、画像ジェスチャは、物理的な特徴の静止画像であってよい。他の実施の形態においては、画像ジェスチャは、動画像ジェスチャであってよい。さらに他の実施の形態においては、画像ジェスチャは、変化/遷移する画像ジェスチャであってよい。考えられる他の画像ジェスチャとして、手のジェスチャ、顔のジェスチャ、目のジェスチャ、身体のジェスチャ又はそれらの組合せが挙げられる。
【0025】
特定の車両設計においては、ノードアセンブリ32が、車両ユーザ又は認可されたユーザは認可範囲内にいることを検出すると、ノード32は、ジェスチャ認識/スキャンデバイス62が第1のジェスチャ識別子として定義されるユーザ画像ジェスチャをスキャン又は捕捉するまで待機する。ユーザ画像ジェスチャがスキャン又は捕捉されると、ノードアセンブリ32は、第2のジェスチャ識別子がジェスチャライブラリ又はジェスチャメモリに記憶されているジェスチャに一致及び対応する場合には、車両のドアのロックを解除するか、又は車両のドアをロックするために、車両のアクセスエントリデバイスを制御する。
【0026】
図4は、仮想鍵共有システム70と協働する車両の簡略化された概略図である。第2のターゲット14’は、第1のターゲット14及び車両12と通信する。第1のターゲット14は、車両12をピックアップするための要求されたスケジュール時間を第2のターゲット14’から受信し、トリガメッセージを有する一時的な鍵を、第2のターゲットと、ノード又はコントローラのうちの少なくとも一方とに送信するように構成されている。第2のターゲット14’は、図1において説明したような第1のターゲット14と同一のものである。考えられる他の第2のターゲット14’には、サーバ、ネットワーク、又はサービスプロバイダが含まれる。第2のターゲット14’は、第2のターゲットの場所を表すセンサ出力データを提供する。一時的な鍵は、(a)センサ出力データ、(b)車両までの移動距離、(c)車両までの移動時間及び(d)車両への到着時間のいずれかが要求されたスケジュール時間を上回ること、又は、第2のターゲットが車両のジオフェンス外にあること、に少なくとも部分的に基づいて、第2のターゲット14’から自動的に除去される。代替的な実施の形態においては、一時的な鍵が、コントローラから自動的に除去され、コントローラは、第2のターゲットが車両にアクセスすることを拒否する。
【0027】
特定の車両設計においては、他のターゲット及び車両12と通信する1つ以上のターゲット14’が設けられている。第1のターゲット14は、1つ以上のターゲット14’から、車両の共有イベントに関連付けられておりかつ共有イベントが発生する日時を含むリクエストを受信し、トリガメッセージを有する一時的な鍵を1つ以上のターゲット14’及び車両に送信するように構成されている。1つ以上のターゲット14’は、1つ以上のターゲット14’の場所を表すセンサ出力データを提供する。1つの実施の形態においては、一時的な鍵が、(a)センサ出力データ及び(b)共有イベントのいずれかがリクエストを上回ること、又は、第2のターゲットが車両のジオフェンス外にあること、に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のターゲット14’から自動的に破壊される。他の実施の形態においては、一時的な鍵が、車両から自動的に除去され、車両は、第2のターゲットが車両にアクセスすることを拒否する。1つの実施の形態においては、ノード32又はコントローラが、ターゲット14又は14’からリクエスト及び一時的な鍵を受信し、一時的な鍵を自動的に破壊し、ターゲット14又は14’についてのアクセスを拒否する。
【0028】
図5は、図1のシステム10と同一であるシステムに接続されることで、システムと通信を行うイベントシステム90と協働する車両の簡略化された概略図を示す。車両ユーザと通信するための車両のインタフェース及びインタフェースと通信する車両のコントローラが設けられている。いくつかの実施の形態においては、インタフェースを、コントローラに統合することができる。コントローラは、車両への車両ユーザの接近に応答して、車両ユーザによって携帯又は着用されるシンデバイスに接続され、車両ユーザが、シンデバイスとのデータチャネルを介してデータを交換するために認可範囲内にいるときに、カレンダイベントに関連付けられており、目的地及びカレンダイベントが発生する時刻を含むデータをシンデバイスから検索し、目的地及び時刻を車両ユーザに表示するように動作可能である。インタフェース又はコントローラのうちの少なくとも1つと通信するオプションとしてのトレーニングモジュールを設けることができる。トレーニングモジュールは、メモリに記憶されている車両ユーザによって実行されたイベント、ルーチン、規則的な活動又は日々の活動などのペリメータに基づいて、気象天候デバイス、インフォテイメントデバイス、ドアアクセスエントリシステム、ナビゲーションシステムなどの車両デバイスのうちの少なくとも1つを制御するように動作可能である。コントローラ、又は、1つ以上のコントローラを含むノードは、車両ユーザが認可範囲内にいるときに、車両における少なくとも1つのパッシブ・エントリ/パッシブ・スタート(PEPS)機能を実行するように動作可能である。車両12は、さらに、カメラシステム、20kHzで動作するシステム、LIDAR、超音波センサ、熱センサ、光学センサ、超音波センサなどの1つ以上のセンシングシステムを含んでいる。コントローラは、さらに、車両の周囲の障害物が検出されたときに、センシングシステムを起動するように構成されている。いくつかの実施の形態においては、コントローラが、インタフェースに車両の周囲のいずれかの障害物を判定させ、障害物の場所に応じてカメラシステムを起動するように構成されている。カメラシステムは、車両12内に位置決めされている、前部カメラ及び後部カメラを含むことができる。カメラシステムを制御するコントローラは、障害物の場所に応じて、カメラシステムの前部カメラ及び後部カメラのうちの少なくとも1つを起動する。
【0029】
特定の車両設計においては、コントローラが、さらに、天候情報を検索し、車両のクライメートコントロールシステムを起動し、検索された天候情報に基づいて、冷房又は暖房が必要とされる場合には、クライメートコントロールシステムを設定するように構成されている。他の実施の形態においては、コントローラが、シンクライアントから車両ユーザプロファイルを検索し、先行して記録された車両ユーザ制御入力に基づいて、車両ユーザの嗜好を識別し、車両ユーザの嗜好に応じて、ユーザ快適性が達成されるようにクライメートコントロールシステムを制御するように構成されている。さらに他の実施の形態においては、コントローラが、シンクライアントから車両ユーザプロファイルを検索し、先行して記録された車両ユーザ制御入力に基づいて、車両ユーザの嗜好を識別し、車両ユーザの嗜好に応じて、ユーザ快適性が達成されるようにインフォテイメントシステムを制御するように構成されている。
【0030】
本開示の他の態様においては、図1から図5において上述した任意のシステムが、トラッキングデバイスを含むことができ、トラッキングデバイスは、ターゲットを追跡し、車両までのターゲットの距離、車両に対するターゲットの位置、又は、車両に対するターゲットの方向などのペリメータを推定するように動作可能である。
【0031】
本開示の他の態様においては、図1から図5において上述した任意のシステムが、トレーニングデバイスを含むことができ、トレーニングデバイスは、アクセスを検出するか、監視するか、転送するか、拒絶するか、又は、共有イベント、ターゲットのカレンダイベントなどのイベントを表示するように動作可能である。
【0032】
本開示の他の態様においては、図1から図5において上述した任意のシステムが、トレーニングデバイスを含むことができ、トレーニングデバイスは、メモリに記憶されている車両ユーザによって実行されたイベント、ルーチン、規則的な活動又は日々の活動などのペリメータに基づいて、気象天候デバイス、インフォテイメントデバイス、ドアアクセスエントリシステム、ナビゲーションシステムなどの車両デバイスのうちの少なくとも1つを制御することができる。
【0033】
上述の実施の形態は、例示として示されたものであり、それらの実施の形態について様々な修正及び代替的な形態が考えられると解されるべきである。さらに、各請求項は、開示した特定の形態に限定されることは意図されておらず、むしろ本開示の精神及び範囲に含まれるあらゆる修正形態、等価形態及び代替形態をカバーすることが意図されていると解されるべきである。
【0034】
本開示の範囲内にある実施の形態は、記憶されているコンピュータ実行可能な命令又はデータ構造を搬送又は保持するための非一時的なコンピュータ可読記憶媒体又は機械可読媒体を含むと考えられる。そのような非一時的なコンピュータ可読記憶媒体又は機械可読媒体は、汎用コンピュータ又は専用コンピュータによってアクセスし得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく、例示として、そのような非一時的なコンピュータ可読記憶媒体又は機械可読媒体として、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM若しくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又は、所望のプログラムコード手段をコンピュータ実行可能な命令若しくはデータ構造の形態で搬送若しくは記憶するために使用することができる任意の他の媒体を挙げることができる。上記の組合せもまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体又は機械可読媒体の範囲に含まれるべきである。
【0035】
通信ネットワークを介して(ハードワイヤードリンク、無線リンク又はそれらの組合せのいずれかによって)リンクされたローカル処理装置及びリモート処理装置によってタスクが実行される分散型のコンピューティング環境において各実施の形態を実施することができる。
【0036】
コンピュータ実行可能な命令は、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は専用処理装置に特定の機能若しくは機能群を実行させる命令及びデータを含んでいる。コンピュータ実行可能な命令は、スタンドアロン環境又はネットワーク環境においてコンピュータによって実行されるプログラムモジュールも含んでいる。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データ型を実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント及びデータ構造などを含んでいる。コンピュータ実行可能な命令、関連付けられたデータ構造、及び、プログラムモジュールは、本明細書に開示された方法のステップを実行するためのプログラムコード手段の例を表している。そのような実行可能な命令又は関連付けられたデータ構造の特定のシーケンスは、そのようなステップにおいて説明した機能を実現するための対応する動作の例を表している。
【0037】
本特許を様々な実施の形態を参照して説明したが、それらの実施の形態は例示的なものであり、本開示の範囲はそれらに限定されるものではないと解される。多数の変更、修正、追加及び改良が可能である。より一般的には、本特許による各実施の形態は、コンテキストに沿って又は特定の実施の形態において説明した。機能性を、本開示の様々な実施の形態において、個別にすることができ、又は、ブロックとして種々に組み合わせることができ、又は、異なる用語で表すことができる。それらの変更、修正、追加及び改良並びに他の変更、修正、追加及び改良は、添付の特許請求の範囲に定義されている本開示の範囲に含まれると考えられる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5