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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】包装用袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/20 20060101AFI20240610BHJP
   B65D 33/00 20060101ALI20240610BHJP
   B65D 75/58 20060101ALN20240610BHJP
【FI】
B65D33/20
B65D33/00 C
B65D75/58
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020008328
(22)【出願日】2020-01-22
(65)【公開番号】P2021116067
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000160522
【氏名又は名称】久光製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100126653
【弁理士】
【氏名又は名称】木元 克輔
(72)【発明者】
【氏名】前田 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 滋夫
(72)【発明者】
【氏名】鴫石 正和
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02360104(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2008/0152264(US,A1)
【文献】特開2007-076652(JP,A)
【文献】特開昭55-097350(JP,A)
【文献】特開2011-178404(JP,A)
【文献】実開昭58-126960(JP,U)
【文献】特開2019-142541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/20
B65D 33/00
B65D 75/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏側包装フィルムと、前記裏側包装フィルムの外縁の一部分に連接された第1の表側包装フィルムと、前記裏側包装フィルムの前記外縁の前記一部分とは反対側の前記外縁の一部分に連接された第2の表側包装フィルムとを備える包装用袋であって、
前記第1の表側包装フィルムと前記第2の表側包装フィルムとの互いに対向する部分同士が弱化線を介して分離可能に接合すると共に、前記裏側包装フィルムと前記第1の表側包装フィルムとの間の外周部分、及び前記裏側包装フィルムと前記第2の表側包装フィルムとの間の外周部分が密閉されて、内部に被包装物を収容するための収容部が形成されており、
前記弱化線が前記第2の表側包装フィルムの自由端側の部分に形成されおり、
前記第2の表側包装フィルムの前記自由端側の部分であって、前記弱化線を超える部分が、前記第1の表側包装フィルムの自由端側の部分に、面と面とが接する合掌状態で接合されており、
前記第1の表側包装フィルムは、前記弱化線を切断することによって前記裏側包装フィルム及び前記第2の表側包装フィルムから引き離されて当該包装用袋を開封することができるようになっており、
前記第1の表側包装フィルムを操作するための摘み片が設けられており、
前記第1の表側包装フィルムと前記第2の表側包装フィルムとの前記合掌状態の接合部分が前記摘み片として機能するようになっており、
前記弱化線は、前記摘み片の基端に位置しており、
当該包装用袋を開封した後、前記第1の表側包装フィルムを前記裏側包装フィルム及び前記第2の表側包装フィルムに剥離可能に再密着して当該包装用袋を再封することができるように、少なくとも前記第1の表側包装フィルムに再剥離性粘着剤が付与されている、包装用袋。
【請求項2】
裏側包装フィルムと、前記裏側包装フィルムの外縁の一部分に連接された第1の表側包装フィルムと、前記裏側包装フィルムの前記外縁の前記一部分とは反対側の前記外縁の一部分に連接された第2の表側包装フィルムとを備える包装用袋であって、
前記第1の表側包装フィルムと前記第2の表側包装フィルムとの互いに対向する端部同士が弱化線を介して分離可能に接合すると共に、前記裏側包装フィルムと前記第1の表側包装フィルムとの間の外周部分、及び前記裏側包装フィルムと前記第2の表側包装フィルムとの間の外周部分が密閉されて、内部に被包装物を収容するための収容部が形成されており、
前記第1の表側包装フィルムは、前記弱化線を切断することによって前記裏側包装フィルム及び前記第2の表側包装フィルムから引き離されて当該包装用袋を開封することができるようになっており、
前記第1の表側包装フィルムの側縁の一部には、前記第1の表側包装フィルムを操作するための、外方に突出する摘み片が設けられており、
当該包装用袋を開封した後、前記第1の表側包装フィルムを前記裏側包装フィルム及び前記第2の表側包装フィルムに剥離可能に再密着して当該包装用袋を再封することができるように、少なくとも前記第1の表側包装フィルムに再剥離性粘着剤が付与されている、包装用袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装用袋に関し、特に、貼付剤等のシート状の被包装物を包装するための再封可能な包装用袋に関する。
【背景技術】
【0002】
貼付剤のようなシート状被包装物を包装するための再封可能な包装用袋としては、四方シール袋又は三方シール袋の開口部にジッパ(チャック)を設けたものが広く用いられている。しかし、このジッパ付き包装用袋は、ジッパを設けるためにコストが高くつき、生産効率も悪いという問題点があった。また、ジッパは、気密性・液密性を高める程、再開封性が損なわれ易かった。さらに、ジッパは凸状の突条と凹状の突条とからなるが、再封する際には、凸状の突条を凹状の突条に対して位置合わせし、それを凹状の突条内に押し入れるという作業を行う必要がある。これは、健常者は固より、特に高齢者や障害者にとっては相当に難しい作業であった。
【0003】
そこで、従来においては、特許文献1に記載されているような包装用袋が提案されている。図7の(a)に示すように、この包装用袋1は、表側包装フィルム2と裏側包装フィルム3とからなり、その外周部分が密閉されている。外周部分が密閉された表と裏の包装フィルム2,3間の空間は、被包装物4が収容される収容部となっている。また、表側包装フィルム2の外周縁の一部には切込み5が形成されており、この切込み5から、表側包装フィルム2に形成されたミシン目6が反対側まで延びている。
【0004】
切込み5からミシン目6に沿って表側包装フィルム2の上部を引き裂き、取り除くと、この包装用袋1は開封され、収容部内の被包装物4を取り出すことが可能となる。また、表側包装フィルム2の上部を取り除いた状態では、裏側包装フィルム3の上部の内面(収容部側となる面)の周囲に設けられた再剥離性粘着剤部7が露出する。これにより、裏側包装フィルム3の上部を図7の(b)のように収容部側に折り返すことで、収容部を再封することが可能となる。したがって、収容部に複数枚の被包装物4が収容されている場合、1枚の被包装物4を取り出した後も、再封することによって残りの被包装物4を安定的に保管することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4797384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されている包装用袋を開封する場合、表側包装フィルムのみを切り裂く必要があるが、表側包装フィルムの外周部分は裏側包装フィルムに接着されているため、表側包装フィルムのみを切り裂くことは困難である。
【0007】
また、包装用袋を廃棄する場合、切り裂いた包装フィルムと、包装用袋の残った部分とを別個に廃棄することになり、ゴミの分別収集に手間がかかるという問題もある。
【0008】
したがって、本発明の目的は、上述したような問題点を解決することのできる再封可能な包装用袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明による包装用袋は、裏側包装フィルムと、裏側包装フィルムの外縁の一部分に連接された第1の表側包装フィルムと、裏側包装フィルムの前記外縁の一部分とは反対側の外縁の一部分に連接された第2の表側包装フィルムとを備え、第1の表側包装フィルムと第2の表側包装フィルムとの互いに対向する部分同士が分離可能に接合すると共に、裏側包装フィルムと第1の表側包装フィルムとの間の外周部分、及び裏側包装フィルムと第2の表側包装フィルムとの間の外周部分が密閉されて、内部に被包装物を収容するための収容部が形成され、第1の表側包装フィルムは、裏側包装フィルム及び第2の表側包装フィルムから引き離されて当該包装用袋を開封することができるようになっており、第1の表側包装フィルムの一部には、第1の表側包装フィルムを操作するための摘み片が設けられており、当該包装用袋を開封した後、第1の表側包装フィルムを裏側包装フィルム及び第2の表側包装フィルムに剥離可能に再密着して当該包装用袋を再封することができるように、少なくとも第1の表側包装フィルムに再剥離性粘着剤が付与されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上述した構成の本発明による包装用袋は、表側包装フィルムが二つの部分から構成され、それを摘み片によって分離することができるため、開封を容易に行うことができる。また、開封後に包装フィルムの一部が他の部分から切り離されることがないため、使用後に一括廃棄が可能であり、分別廃棄にも便利である。
【0011】
また、再剥離性粘着剤を用いるものであるため、手のひらで押し付けるだけで簡単に再封を行うことができ、ジッパ付き包装用袋と比しても利便性が極めて高く、高齢者や障害者にとっても取扱い性が格段に向上とするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による包装用袋を示す斜視図であり、(a)は開封前、(b)は開封後、(c)は再封後の状態を示す図である。
図2図1の包装用袋の構成を示す斜視図であり、(a)は展開図、(b)は第1及び第2の表側包装フィルムの接合状態を示す図である。
図3図1の包装用袋の変形形態であり、(a)は開封前、(b)は開封後の状態を示す図である。
図4】本発明の別の実施形態による包装用袋を示す斜視図である。
図5】本発明の他の実施形態による包装用袋を示す斜視図であり、(a)は開封前、(b)は開封後の状態を示す図である。
図6】本発明のさらに別の実施形態による包装用袋を示す斜視図である。
図7】従来の包装用袋を示す概略説明図であり、(a)は開封途中、(b)は再封後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図を通して、同一又は相当部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略することとする。
【0014】
図1は、本発明による包装用袋10の斜視図である。包装用袋の形状は種々考えられるが、説明を簡単にするために、本実施形態では矩形とする。なお、「矩形」は、角が丸められたものも含むものとする。また、包装用袋10は、その内部の収容部に、シート状の被包装物12、例えば貼付剤を複数枚収容可能となっている。
【0015】
包装用袋10は、表側包装フィルム20と、裏側包装フィルム30とから構成され、表側包装フィルム20はさらに、第1の表側包装フィルム22と、第2の表側包装フィルム24とから構成されている。図2の(a)に明示するように、第1の表側包装フィルム22は裏側包装フィルム30の外縁の一辺に連接され、第2の表側包装フィルム24は裏側包装フィルム30の外縁の反対側の一辺に連接されている。本実施形態では、これらの包装フィルム20(22,24),30は図2の(a)に示すように1枚のフィルム材から作製され、第1の表側包装フィルム22は裏側包装フィルム30となる矩形部分30’の一辺から延びる部分22’を折り返したものであり、第2の表側包装フィルム24は裏側包装フィルム30となる矩形部分30’の他側の一辺から延びる部分24’を折り返したものである。
【0016】
これらの包装フィルム20(22,24),30は、1層構造であってもよいが、2層以上の複合フィルムとすることが好ましい。また、包装フィルム20(22,24),30を構成する材料としては、紙、シリコン加工紙、アルミニウム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンビニルアルコール(EVOH)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリアクリロニトリル(PAN)及びセロハン等が挙げられ、複合フィルムの場合は、これらを任意に組み合わせたものが考えられる。
【0017】
第2の表側包装フィルム24の先端部分(自由端側の部分)には、折返し線40に平行に延びるミシン目その他の弱化線42が第2の表側包装フィルム24を容易に切断するために設けられている。第1及び第2の表側包装フィルム22,24を折り曲げて裏側包装フィルム30に重ねた状態では、図1の(a)から分かるように、第1の表側包装フィルム22の先端部分(自由端側の部分)は、第2の表側包装フィルム24の弱化線42を越えて折返し線40の方向に延びる。第1の表側包装フィルム22の、弱化線42を越えた先端部分と、第2の表側包装フィルム24の、弱化線42を逆方向に越えた先端部分とは、谷折りされ、図2の(b)に示すように、面と面が接する合掌状態で両者が接合され密閉される。この接合部分は、ここを指で摘まむための摘み片44となる。なお、第1及び第2の表側包装フィルム22,24同士の密閉方法はヒートシール法によるものが好ましいが、接着剤を用いての圧着等の他の手段を用いてもよい。
【0018】
また、第2の表側包装フィルム24と裏側包装フィルム30との間の外周部分は、好ましくはヒートシール法によって分離不可能に密閉されている。もちろん、この密閉方法についても、接着剤を用いての圧着等の他の方法を採ってもよい。
【0019】
裏側包装フィルム30と第1の表側包装フィルム22との、特に図2の(a)においてハッチングで示される部分46には、再剥離性粘着剤が塗布されており、この粘着剤が付与された部分(再剥離性粘着剤部)46によって、第1の表側包装フィルム22と裏側包装フィルム30との間の外周部分が剥離可能に密閉される。なお、再剥離性粘着剤部46は、再剥離性粘着剤を一面に設けた両面テープを所定の箇所に貼り付けることによって形成されてもよい。
【0020】
このように、包装用袋10の全外周部分と、第1及び第2の表側包装フィルム22,24の先端部分44間とが密閉されることで、包装用袋10内に空間部が形成され、この空間部が複数枚のシート状被包装物12を収容するための収容部として機能する。
【0021】
なお、図2は、本発明の一実施形態による包装用袋10の構成を示すためのものであり、製造工程を示したものではなく、製造工程は種々考えられ得ることに留意されたい。
【0022】
次に、図1及び図2を参照しながら、本発明による包装用袋10の使用方法について説明する。まず、第1及び第2の表側包装フィルム22,24の先端部分同士により形成された摘み片44を指で摘まみ、これを引っ張ると、弱化線42に沿って第2の表側包装フィルム24が切断される。そして、第1の表側包装フィルム22を再剥離性粘着剤部46の粘着力に抗してさらに引っ張ると、第1の表側包装フィルム22は裏側包装フィルム30から引き剥がされ、図1の(b)に示すように包装用袋10が開封される。この開封状態になれば、中の被包装物12の少なくとも1枚を取り出すことが可能となる。
【0023】
この後、残っている被包装物12を保管する場合には、第1の表側包装フィルム22を折曲げ線48(図1の(b))に沿って折り返す。折曲げ線48で第1の表側包装フィルム22を折り返すと、図1の(b)において符号46’で示す部分の再剥離性粘着剤は第2の表側包装フィルム24の先端部分と接することになる。開封後においても再剥離性粘着剤部46,46’の粘着性は維持しているため、第1の表側包装フィルム22は裏側包装フィルム30の外周部分及び第2の表側包装フィルム24の先端部分に密着し、中に残っている被包装物12を安定的に保管することが可能となる(図1の(c))。この再封は、第1の表側包装フィルム22を第2の表側包装フィルム24の上に折り重ねて、手のひらで押さえだけで行えるため、利便性が高く、高齢者や障害者にも簡単に行うことができる。
【0024】
全ての被包装物12が使用された後は、包装用袋10全体を廃棄することができる。包装用袋10の一部が切除され、その他の部分と分けて捨てられることはないので、分別廃棄にも便利である。
【0025】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0026】
例えば、上記実施形態では、裏側包装フィルム30と第1の表側包装フィルム22との間に再剥離性粘着剤部46’が配置されているが、図3の(b)に示すように、摘み片44に隣接する位置に再剥離性粘着剤部46”を配置することも可能である。この場合、再剥離性粘着剤部46”が設けられる第1の表側包装フィルム22の部分47は、図3の(a)に示すように、開封前にあってはタック状に折り畳んでおくことが好適である。このような構成とすることで、開封してもこの部分47は再剥離性粘着剤部46”によってタック状を維持することができ、その状態においては再剥離性粘着剤部46”を隠しておくことができる。これにより、被包装物12を出し入れする際、再剥離性粘着剤部46”が邪魔になりにくくなる。そして、再封する場合には、図3の(b)に示すようにタック状部分47を広げて再剥離性粘着剤部46”を露出させ、折曲げ線48’に沿って第1の表側包装フィルム22を折って第2の表側包装フィルム24の上に重ね、手のひらで押さえればよい。
【0027】
また、図1図3に示す実施形態では、第1の表側包装フィルム22、第2の表側包装フィルム24及び裏側包装フィルム30を1枚のフィルム材から作製するとしているが、これらの包装フィルム22,24,30のそれぞれを1枚のフィルム材から作製してもよいし、或いは、第1又は第2の表側包装フィルム22,24の一方と裏側包装フィルム30とをそれぞれ1枚のフィルム材から作り、第1又は第2の表側包装フィルム22,24の他方を別のフィルム材から作ってもよい。また、第1及び第2の表側包装フィルム22,24を1枚のフィルム材から作り、裏側包装フィルム30を別のフィルム材から作ってもよい。
【0028】
また、図1図3に示す実施形態では、再剥離性粘着剤によって包装用袋10の一部を密閉することとしているが、再剥離性粘着剤の隣接位置をヒートシール等して、より密閉度を高めてもよい。さらに、第1及び第2の表側包装フィルム22,24並びに裏側包装フィルム30を複合フィルム材から作製した場合、その複合フィルム材の層の一つを再剥離性粘着剤層とし、開封時にこの粘着剤層が露出するような構成を採るようにすることも可能である。
【0029】
構成についてもその他に種々考えられる。例えば、図4に示す包装用袋10は、第1の表側包装フィルム22と第2の表側包装フィルム24とはミシン目等の弱化線42を介して繋がった1枚のフィルム材からなるものとなっている。この包装用袋10の場合、第1の表側包装フィルム22と第2の表側包装フィルム24とを接合するための合掌部分は不要となる。その一方で、摘み片として第1の表側包装フィルム22の一辺に突出部分50が形成されている。かかる構成においても、図1図3に示した包装用袋と同様な作用効果を奏する。
【0030】
なお、図4には示さないが、摘み片たる突出部分50の、弱化線42に隣接する端部を弱化線42に続くように第1の表側包装フィルム22側に切り込ませることで、弱化線42に沿う引裂きを誘導し容易化することができる。また、突出部分50と概ね相似の突出部分(図示せず)を、突出部分50の下側に位置するよう裏側包装フィルム30に設け、その突出部分と突出部分50の2片を摘まんで弱化線42を引き裂くようにしてもよい。
【0031】
また、図5に示す包装用袋10は、第1及び第2の表側包装フィルム22,24における合掌部分の根元部分52,54のみを再剥離性粘着剤にて接合し、合掌部分のその他の先端部分は接合されていない状態としてある。この構成によって、第1の表側包装フィルム22と第2の表側包装フィルム24との間の密閉性は再剥離性粘着剤によって得られ、第1の表側包装フィルム22と第2の表側包装フィルム24との間の分離、開封については、接合されていない第1及び第2の表側包装フィルム22,24の先端部分を摘み片57、58としてそれぞれ摘まんで、図5の(a)の矢印で示すように引き離せばよい。この構成においては、ミシン目等の弱化線を形成する必要がない。また、図5の(b)から理解されるとおり、再封時に折曲げ線を変更せずとも、元の折曲げ線48’に沿って第1の表側包装フィルム22を折って第1の表側包装フィルム22の再剥離性粘着剤部52を第2の表側包装フィルム24の再剥離性粘着剤部54に密着させるだけで、再封時に密閉性を確保することができる。
【0032】
さらに、図6のように、第2の表側包装フィルム24の先端部分は加工せず、第1の表側包装フィルム22の先端部分を第2の表側包装フィルム24の先端部分に重ね合わせ、第1の表側包装フィルム22の先端が摘み片44となるように、第1及び第2の表側包装フィルム22,24の重ね合わせた部分間に再剥離性粘着剤部56が存在するような形態としてもよい。
【0033】
以上述べたように、本発明の範囲を逸脱することなく、本発明は様々な変形や変更が可能であることは理解されよう。
【符号の説明】
【0034】
10…包装用袋、12…被包装物、20…表側包装フィルム、22…第1の表側包装フィルム、24…第2の表側包装フィルム、30…裏側包装フィルム、42…弱化線、44,57,58…摘み片、46,46’,46”,52,54,56…再剥離性粘着剤部、50…突出部分(摘み片)。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7