(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】プロジェクト管理システム及びそのプロジェクト管理方法並びにプロジェクト管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240610BHJP
【FI】
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2020018817
(22)【出願日】2020-02-06
【審査請求日】2022-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】道岡 正寿
(72)【発明者】
【氏名】大木 正一
(72)【発明者】
【氏名】吉見 浩一
(72)【発明者】
【氏名】柳川 正光
(72)【発明者】
【氏名】河島 弘毅
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-118832(JP,A)
【文献】特開2003-122892(JP,A)
【文献】特開2016-048543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクトに対して共通して予め設定された管理項目に対して入力を受け付ける受付部と、
前記管理項目に対して受け付けた入力情報に基づいて、前記プロジェクトに関わる担当区分のそれぞれに対して進捗状況の個別評価を行う個別評価部と、
前記個別評価に基づいて、前記プロジェクトの総合的な評価を行う総合評価部と、
前記プロジェクト及び前記担当区分のそれぞれに対応して、評価結果を表示する表示部と、
を備え
、
前記表示部は、前記プロジェクト及び該プロジェクトに関わる前記担当区分のそれぞれに対応した前記進捗状況の個別評価の評価結果を行列位置に表示する、
プロジェクト管理システム。
【請求項2】
前記受付部は、前記プロジェクトに関する基本情報に関する項目、設計段階において発生した懸案事項に関する項目、社外文書に関する項目、図面の作成状況に関する項目、及び購入品の調達に関する項目の少なくともいずれか一つの項目に対して入力を受け付け可能である請求項1に記載のプロジェクト管理システム。
【請求項3】
前記受付部は、設計時間に関する項目、設計段階における業務報告書に関する項目、出張者状況に関する項目、施工段階において発生した懸案事項に関する項目、及び施工段階における業務報告書に関する項目の少なくともいずれか一つの項目に対して入力を受け付け可能である請求項2に記載のプロジェクト管理システム。
【請求項4】
前記管理項目に対して受け付けた前記入力情報を、対象機器、前記担当区分、情報の発生原因、及びクレーム対象の少なくともいずれか一つに基づいて区分けする区分け部を備える請求項1から3のいずれか1項に記載のプロジェクト管理システム。
【請求項5】
前記個別評価部は、前記入力情報に基づいて、前記懸案事項に関する遅延状態、前記社外文書に関する遅延状態、前記図面の作成状況に関する遅延状態、及び前記購入品の調達状況に関する遅延状態の少なくともいずれか一つを評価指標として、前記担当区分のそれぞれに対して進捗状況の個別評価を行う請求項2に記載のプロジェクト管理システム。
【請求項6】
前記個別評価部は、所定の評価基準に基づいて、各前記担当区分に対して進捗状況を段階評価する請求項5に記載のプロジェクト管理システム。
【請求項7】
前記総合評価部は、各前記担当区分に対する進捗状況に基づいて、前記プロジェクトのそれぞれに対応して総合的な進捗状況を評価し、段階評価を行う請求項6に記載のプロジェクト管理システム。
【請求項8】
前記表示部は、前記プロジェクトのそれぞれに対応した管理画面を表示し、
前記管理画面には、各前記プロジェクトに共通するボタン、調達に関するボタン、設計に関するボタン、及び施工に関するボタンのそれぞれが区別して表示されている請求項
1から7のいずれか一項に記載のプロジェクト管理システム。
【請求項9】
前記表示部は、全体管理画面を表示し、
前記全体管理画面には、複数の前記プロジェクトが地域ごとにグルーピングされて表示されており、前記プロジェクトが指定されると、指定された前記プロジェクトに対応する前記管理画面を表示する請求項
8に記載のプロジェクト管理システム。
【請求項10】
プロジェクトに対して共通して予め設定された管理項目に対して入力を受け付ける工程と、
前記管理項目に対して受け付けた入力情報に基づいて、前記プロジェクトに関わる担当区分のそれぞれに対して進捗状況の個別評価を行う工程と、
前記個別評価に基づいて前記プロジェクトの総合的な評価を行う工程と、
前記プロジェクト及び前記担当区分のそれぞれに対応して、評価結果を表示する工程と、
を有
し、
前記表示する工程は、前記プロジェクト及び該プロジェクトに関わる前記担当区分のそれぞれに対応した前記進捗状況の個別評価の評価結果を行列位置に表示する、
コンピュータが実行するプロジェクト管理方法。
【請求項11】
プロジェクトに対して共通して予め設定された管理項目に対して入力を受け付ける処理と、
前記管理項目に対して受け付けた入力情報に基づいて、前記プロジェクトに関わる担当区分のそれぞれに対して進捗状況の個別評価を行う処理と、
前記個別評価に基づいて、前記プロジェクトの総合的な評価を行う処理と、
前記プロジェクト及び前記担当区分のそれぞれに対応して、評価結果を表示する処理と、
をコンピュータに実行させ、
前記表示する処理は、前記プロジェクト及び該プロジェクトに関わる前記担当区分のそれぞれに対応した前記進捗状況の個別評価の評価結果を行列位置に表示する、
プロジェクト管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロジェクト管理システム及びそのプロジェクト管理方法並びにプロジェクト管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば火力発電プラントの建設等のプロジェクトでは、設計、調達、製造、建設など様々な工程があり、プロジェクト責任者や各工程における担当者により進捗等の管理がされている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献2では、プロジェクトの構成情報を複数の担当部門で情報共有することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-67547号公報
【文献】特開2012-141788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、プロジェクトには複数の担当部門が関係する場合が多く存在し、プロジェクト全体の管理をするために担当部門毎に実行される工程、および複数の担当部門間にわたって実行される工程の進捗状況を容易に把握することが困難であった。
【0006】
また、複数のプロジェクトにおける各責任者は、各作業工程および各担当部門の進捗状況を把握して評価し、適切に管理する必要があるが、各責任者の経験等によって統一的な評価が困難である。このため、全体管理のためにも管理・評価方法の統一化が求められている。
【0007】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、プロジェクト管理をより効率的に行うことのできるプロジェクト管理システム及びそのプロジェクト管理方法並びにプロジェクト管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1態様は、プロジェクトに対して共通して予め設定された管理項目に対して入力を受け付ける受付部と、前記管理項目に対して受け付けた入力情報に基づいて、前記プロジェクトに関わる担当区分のそれぞれに対して進捗状況の個別評価を行う個別評価部と、前記個別評価に基づいて、前記プロジェクトの総合的な評価を行う総合評価部と、前記プロジェクト及び前記担当区分のそれぞれに対応して、評価結果を表示する表示部と、を備え、前記表示部は、前記プロジェクト及び該プロジェクトに関わる前記担当区分のそれぞれに対応した前記進捗状況の個別評価の評価結果を行列位置に表示する、プロジェクト管理システムである。
【0009】
本開示の第2態様は、プロジェクトに対して共通して予め設定された管理項目に対して入力を受け付ける工程と、前記管理項目に対して受け付けた入力情報に基づいて、前記プロジェクトに関わる担当区分のそれぞれに対して進捗状況の個別評価を行う工程と、前記個別評価に基づいて前記プロジェクトの総合的な評価を行う工程と、前記プロジェクト及び前記担当区分のそれぞれに対応して、評価結果を表示する工程と、を有し、前記表示する工程は、前記プロジェクト及び該プロジェクトに関わる前記担当区分のそれぞれに対応した前記進捗状況の個別評価の評価結果を行列位置に表示する、コンピュータが実行するプロジェクト管理方法である。
【0010】
本開示の第3態様は、プロジェクトに対して共通して予め設定された管理項目に対して入力を受け付ける処理と、前記管理項目に対して受け付けた入力情報に基づいて、前記プロジェクトに関わる担当区分のそれぞれに対して進捗状況の個別評価を行う処理と、前記個別評価に基づいて、前記プロジェクトの総合的な評価を行う処理と、前記プロジェクト及び前記担当区分のそれぞれに対応して、評価結果を表示する処理と、をコンピュータに実行させ、前記表示する処理は、前記プロジェクト及び該プロジェクトに関わる前記担当区分のそれぞれに対応した前記進捗状況の個別評価の評価結果を行列位置に表示する、プロジェクト管理プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、プロジェクト管理をより効率的に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一実施形態に係るプロジェクト管理システムの概略構成を示した図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係るプロジェクト管理システムのハードウェア構成の一例を示した図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係るプロジェクト管理システムが備える機能を示した機能ブロック図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係るメニュー画面の一例を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係るプロジェクト管理画面の一例を示す図である。
【
図6】本開示の一実施形態に係るプロジェクト通信簿の一例を示す図である。
【
図7】本開示の一実施形態に係る評価処理のフローチャートを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本開示に係るプロジェクト管理システム及びそのプロジェクト管理方法並びにプロジェクト管理プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
本実施形態でのプロジェクトに対して、プロジェクト管理システム1は、プロジェクトの管理のための評価や情報管理等を行う。プロジェクト管理システム1は、
図1に示すように、通信網8を介して、例えばPC等の各情報処理装置9と接続されている。情報処理装置9は、例えば、プロジェクト責任者や各工程の担当者などのプロジェクトメンバー等によって使用される。接続される情報処理装置9の数は、
図1に限定されない。そして、情報処理装置9に対してプロジェクトの管理に必要となる後述するメニュー画面等を表示したり、情報処理装置9から各種情報を受け付ける。プロジェクト管理システム1は情報処理装置9から受け付けた情報を統合管理する。
【0015】
図2は、本実施形態に係るプロジェクト管理システム1のハードウェア構成の一例を示した図である。
図2に示すように、プロジェクト管理システム1は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、例えば、CPU11と、CPU11が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)12と、各プログラム実行時のワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)13と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)14と、ネットワーク等に接続するための通信部15とを備えている。また、大容量記憶装置としては、ソリッドステートドライブ(SSD)を用いることとしてもよい。これら各部は、バス18を介して接続されている。
【0016】
また、プロジェクト管理システム1は、図示しないキーボードやマウス等からなる入力部や、データを表示する液晶表示装置等からなる表示手段などを備えていてもよい。
【0017】
なお、CPU11が実行するプログラム等を記憶するための記憶媒体は、ROM12に限られない。例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等の他の補助記憶装置であってもよい。
【0018】
後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式でハードディスクドライブ14等に記録されており、このプログラムをCPU11がRAM13等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROM12やその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0019】
図3は、プロジェクト管理システム1が備える機能を示した機能ブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係るプロジェクト管理システム1は、表示部2と、受付部3と、区分け部4と、個別評価部5と、総合評価部6とを主な構成として備えている。
【0020】
(プロジェクト管理システム1の表示部2)
図3に示した、表示部2は、表示手段を制御して表示制御を行う。例えば、情報処理装置9等における表示を制御する。
【0021】
具体的には、表示部2は、
図4に示すように、全体管理画面(以下、「メニュー画面」という)を表示する。メニュー画面では、各プロジェクトの管理に関する各種メニュー(ボタン等)を表示する。本実施形態では、各プロジェクトの一例として、発電所の建設に係るプロジェクトとする場合について説明する。なお、プロジェクトの種類については、発電所の建設に限定されない。
【0022】
図4に示すようにメニュー画面には、複数のプロジェクトに対して、例えばグルーピングするテーマとして“地域”が選定されており、複数のプロジェクトが地域ごとにグルーピングされて表示されている。具体的には、建設現地の所在地が属する地域ごとにグルーピングが行われる。例えば、日本国内において進行している各プロジェクトが、日本国内に対応してグルーピングされている。
図4の例では、各地域を、日本国内、アジア、ヨーロッパ、北米、中南米、アフリカとしている。そして、
図4では、例えば日本国内において、進行しているプロジェクトであるA発電所からL発電所が表示される。グルーピングする地域の設定やグルーピングするテーマについては、
図4の例に限定されない。
【0023】
表示部2は、表示されるプロジェクトが指定されると、指定されたプロジェクトに対応する管理画面を、例えば
図5に示すように表示する。例えば、A発電所が指定された場合には、A発電所のプロジェクトに関する管理画面を表示する。
図5については後述する。
【0024】
また、メニュー画面では、拠点工場ごとに表示画面を切り替えることとしてもよい。本実施形態では、工場(1)、工場(2)、工場(3)を切り替え可能として表示しており、
図4の例は工場(1)が選択されてメニュー画面を表示いる場合を示している。拠点工場とは、各プロジェクトに対して、設計拠点が存在する工場や主要な機器等を製造する工場などである。
【0025】
メニュー画面には、システムに対する変更履歴や更新履歴を下部領域に掲示することで、メニュー画面において更新情報の有無を確認可能とすることもできる。また、関連システムや関連ツール、関連リンク等を表示することとしてもよい。使用者が頻繁に利用するプロジェクトへとリンク可能な表示ボタンを特定位置に配置させて作業性を向上させてもよい。
【0026】
また、後述する各プロジェクトの評価結果を表示するプロジェクト通信簿の表示ボタンも表示される。プロジェクト通信簿については
図6を用いて後述する。
【0027】
そして、表示部2は、プロジェクトのそれぞれに対応した管理画面(プロジェクト管理画面)を表示する。
図5は、プロジェクト管理画面の一例を示す図である。
図5は、
図4のメニュー画面において、A発電所が指定された場合を例として、A発電所に関するプロジェクト管理画面を示している。
【0028】
プロジェクト管理画面では、ジャンルで分類した機能ボタンが整理されており、例えば、各プロジェクトに共通するボタン(共通ボタン)、調達に関するボタン(調達ボタン)、設計に関するボタン(設計ボタン)、及び施工(建設)に関するボタン(建設ボタン)など、それぞれのジャンルが区別して表示されている。各ジャンルは、視認性を向上させるためにボタンを色分けすることとしてもよい。
【0029】
各ジャンルには、関係する各機能ボタンが設けられている。各機能ボタンは、主要機能と付随機能とを区別して表示することとしてもよい。
図5では、例えば、主要機能のボタンを四角形として、付随機能のボタンを角なし四角形として表示する。このように重要度によってボタンの表示形式を区別することとして視認性を向上させてもよい。各ジャンルの機能ボタンによって各種入力が受け付けられる。入力は後述する受付部3において受け付けされる。
【0030】
図5に示すように、共通のジャンルには、プロジェクト情報管理MI1、及び営業文書管理MI3に関するボタンがそれぞれ表示される。なお、その他管理項目のボタンも複数が表示されていて、各々が具体的な管理名称で表示されることとしてもよい。
【0031】
本実施形態では、調達のジャンルには、例えば、購入品スケジュール管理MI5に関するボタンが表示される。なお、その他管理項目のボタンも複数が表示されていて、各々が具体的な管理名称で表示されることとしてもよい。
【0032】
設計のジャンルには、例えば、設計懸案管理MI2、出図管理MI4、設計時間管理MI6、及び設計週報管理MI7に関するボタンがそれぞれ表示される。なお、その他管理項目のボタンも複数が表示されていて、各々が具体的な管理名称で表示されることとしてもよい。
【0033】
建設のジャンルには、例えば、出張者派遣管理MI8、現地懸案管理MI9、及び現地週報管理MI10に関するボタンがそれぞれ表示される。なお、その他管理項目のボタンも複数が表示されていて、各々が具体的な管理名称で表示されることとしてもよい。
【0034】
また、プロジェクト管理画面では、上部右側領域に例えば、問合せ先ボタンが配置されており、各機器や各工程に関する問合せ先などを容易に確認できるようになっている。右側領域には、例えば、レポート表示用ボタンが配置されており、各種進捗レポートを確認できるようになっている。進捗レポートは、プロジェクトの進捗管理として重要となる出図進捗や設計費コストなどを対象とし、その他必要に応じて、購入品の調達進捗や出張費進捗など表示できるようにしてもよい。下部右側領域には、現地工事進捗写真やプロジェクト責任者の顔写真を掲載して、工事進捗やプロジェクト対象を一目で認識できるようにしてもよい。その他には、プロジェクト個別項目や、関連システム、関連ツール、関連リンクに関する表示がされてもよい。
【0035】
そして、表示部2は、プロジェクト及び担当区分のそれぞれに対応して、評価結果(プロジェクト通信簿)を表示する。
図6は、プロジェクト通信簿の一例を示す図である。
図6は、
図4のメニュー画面において、プロジェクト通信簿のボタンが指定された場合に表示される。
【0036】
プロジェクト通信簿では、各プロジェクトのそれぞれに対して、進捗状況が表示されている。すなわち、プロジェクト通信簿によって各プロジェクトの進捗状況の見える化がされている。
【0037】
図6の例では、各プロジェクト(各発電所)を縦軸方向に示している。そして、プロジェクトに対応して関係する担当区分を横軸方向に表示している。担当区分とは、プロジェクトにおける各工程の処理・作業等をそれぞれ担当する区分である。本実施形態での例では担当区分を部署(課)として説明する。なお、担当区分としては部署に限定されない。
図6のプロジェクト通信簿では、各行がプロジェクトに対応しており、各列が各部署(課)に対応している。
【0038】
そして、各行列位置には、プロジェクト及び部署のそれぞれに対応して、進捗状況(遅延状況)の評価結果が表示されている。
図6の例では、評価を5段階評価とし、天気マークとして、一見でプロジェクトの進捗状態を確認できるようにしている。すなわち、1点を雷マーク、2点を雨マーク、3点を傘マーク(小雨マーク)、4点を曇りマーク、5点を晴れマークとして、遅延しているほど点数が低いマークが表示される。また、プロジェクトに対して部署が関係しない場合には、マークを表示せず、横線(-)を表示している。各部署に対応する評価は個別評価として、後述する個別評価部5において評価が行われる。これにより、各プロジェクト及び各部署の進捗状況の評価への表示は、数値の点数ではなくマークを用いることで視認性を向上させている。
【0039】
プロジェクト通信簿では、各プロジェクトに対する総合評価についてもマークで表示されている。総合評価は後述する総合評価部6において評価が行われる。なお、
図6に示す例のように、各プロジェクトを示している縦軸方向の一項目に各部署に対しても総合評価(課総合)が表示されることとしてもよい。
【0040】
図6のようにプロジェクト通信簿において各プロジェクト及び各部署に対して一覧的に進捗を確認することができるため、さらには進捗状況を視認性の良いマークで確認することができるため、各プロジェクトの統合的な管理に役立てることが可能となる。
【0041】
(プロジェクト管理システム1の受付部3)
図3に示した、受付部3は、プロジェクトに対して共通して予め設定された管理項目に対して入力を受け付ける。受付部3は、
図5に示すプロジェクト管理画面を用いて各ジャンルの機能ボタンによって各種入力が受け付けられてもよい。表示部2によって表示される各画面から入力を受け付ける。このため、例えば各情報処理装置9を用いて入力が行われる。特に、それぞれのプロジェクトに対応した管理画面である
図5のようなプロジェクト管理画面において、プロジェクトに対応する情報(管理項目に対する情報)を受け付ける。
図5に一例を示すプロジェクト管理画面から、プロジェクト情報管理MI1、設計懸案管理MI2、営業文書管理MI3、出図管理MI4、購入品スケジュール管理MI5などに各管理項目に関するボタンから、各ジャンルに区分けされた各種関連する情報を確認できるとともに、各種関連する入力が可能である。受け付けた情報は、データベースとして格納される。格納された情報は、表示部2によって各画面に情報が表示されたり検索されたりする。
【0042】
管理項目とは、プロジェクトの進捗管理で重要となる項目であり、予め設定されている。管理項目は、各プロジェクトに対して統一的に設定されている。すなわち、複数のプロジェクトを同時に推進するケースであっても、プロジェクト責任者やプロジェクトメンバーの経験に左右されず、各プロジェクトの運営方法を統一化し、管理を行うことができる。これにより、各プロジェクトで一定水準以上の成功を収めることが期待できる。
【0043】
管理項目は、プロジェクトに関する基本情報に関する項目、設計段階において発生した懸案事項に関する項目、社外文書に関する項目、図面の作成状況に関する項目、及び購入品の調達に関する項目である。なお、各項目には、後述するように進捗状況(遅延状況)を把握するための情報が含まれている。上記のように管理項目を設定することによって、QCD(Q:品質管理、C:原価管理、D:スケジュール管理)をより効率的に達成することが可能となる。
【0044】
プロジェクトに関する基本情報に関する項目とは、プロジェクトに関する基本情報として予め設定された各カテゴリに係る項目である(プロジェクト情報管理MI1)。カテゴリは、例えば、プロジェクト概要、体制表、連絡先、日程、議事録、出張情報、契約前後各種情報、海外調達(少なくともいずれか1つ)などである。なお、プロジェクト情報管理MI1には、各種基本情報が含まれており、進捗評価において適宜用いられる。カテゴリは、例えば、プラント管理の従来の慣習に則して設定される。各カテゴリには、情報が入力されたり、資料の格納がされる。プロジェクトの様々な情報を一元管理することで、プロジェクト関係者間での情報の共有化及び視える化を実現し、効率的なプロジェクト遂行を目的とする。また、情報の改訂が刻々と行われるので、登録・更新した情報を関係先へ配布することとしてもよい。情報周知及び最新情報の共有化を図り、旧情報を使用することによって発生する問題を防止できる。
【0045】
設計段階において発生した懸案事項に関する項目とは、建設工事等の実作業前における設計(計画)段階において発生した課題(解決を要するが解決されていない課題)を管理するための事項である(設計懸案管理MI2)。設計懸案管理MI2としては、例えば、懸案名称、具体的な懸案内容、期限情報、担当区分情報、懸案が顕在化した場合の影響度情報(追加発生コスト、性能や工程への影響度など)、処理の進捗状況、及び完了/未完了のステータス情報などが入力される。すなわち、設計懸案管理MI2には、進捗評価のための情報として、懸案事項の期限情報と処理状況とが含まれる。プロジェクトの設計段階で発生した懸案事項を登録していくことにより、プロジェクトの懸案情報を共有化し、対策等が可能となる。また、登録された情報を蓄積し知見として活用することにより、類似プロジェクト(特に後続プロジェクト)へ懸案事項への予防対策の水平展開を図ることとしてもよい。
【0046】
社外文書に関する項目とは、客先や共販先等の社外関係各所との文書(例えば、技術や商務に関する社外文書)のやり取り(受発信)に関する項目である(営業文書管理MI3)。コレポン(コレスポンデンス)情報とも呼ばれる。営業文書管理MI3としては、やり取りした文書が格納される。また、営業文書管理MI3には、進捗評価のための情報として、発信または返信(質問事項への回答など)を要する文書に関する、少なくとも期限情報、処理状況及び担当区分とが含まれる。社外文書の検索が行なえ、最新の情報を用いた各プロジェクトの管理ができる。
【0047】
図面の作成状況に関する項目とは、プロジェクトにおいて作成を要する設計図書(図面)作成状況に関する項目である(出図管理MI4)。出図管理MI4には、進捗評価のための情報として、図面の作成や関係先配布(出図)に関する期限情報と処理状況とが含まれる。プロジェクトでは、多くの図面が作成・出図されるため、各種の図面等の出図進捗を、担当区分(プロジェクト関係先の各部署)相互で状況をフォローすることにより、出図遅延発生の抑制と最新情報の共有化が可能となる。プロジェクトで管理すべき図面の初回出図から(改訂図の出図を経て)完成図の出図までの出図状況を見える化して、最新の改訂図を参照可能とする。また、出図に際しての社内関係者への承認及び客先への電子メール等での発信機能を設けることとしてもよい。
【0048】
購入品の調達に関する項目とは、プロジェクト(例えば発電プラントの建設)に必要な各購入品の調達状況に関する項目である(購入品スケジュール管理MI5)。購入品スケジュール管理MI5には、進捗評価のための情報として、購入品の発注期限や納入期限、購入仕様書発行期限等の期限情報と処理状況とが含まれる。購入品の納入遅れはプロジェクト全体のスケジュールに影響を与える可能性があるため、情報を共有することで購入品の納入遅れ等に対する早期対策が可能となる。
【0049】
上記の管理項目に加えて、設計時間に関する項目、設計段階における業務報告書に関する項目、出張者状況に関する項目、施工段階において発生した懸案事項に関する項目、及び施工段階における業務報告書に関する項目の少なくともいずれか1つの項目を用いることとしてもよい。
【0050】
設計時間に関する項目とは、設計費用状況の管理のための項目である(設計時間管理MI6)。設計時間管理MI6としては、例えば、人件費用単価、従事人員数、計画工数(計画情報)、実績工数(実績情報)等が入力される。設計時間管理MI6には、進捗評価のための情報として、計画工数に対する実績工数等の情報が含まれる。各部署の計画工数及び実績工数等の情報により設計費使用状況を管理可能とする。また、人件費単価、従事人員数、計画工数に対する実績工数の推移などを把握して、適正に予算管理を行うことも可能である。
【0051】
設計段階における業務報告書に関する項目とは、設計段階において作成された業務報告書の管理のための項目である(設計週報管理MI7)。業務報告書は、例えばプロジェクト責任者やプロジェクトメンバーが作成した週次報告書(週報)等の設計業務に関する報告書である。設計週報管理MI7には、作成された業務報告書が格納される。また、設計週報管理MI7には、進捗評価のための情報として、週報の提出有無や遅延有無(週報の提出遅延状況)が含まれる。各業務報告書が集約され、参照可能となる。
【0052】
出張者状況に関する項目とは、出張者の状況を管理するための項目である(出張者派遣管理MI8)。出張者派遣管理MI8としては、例えば、出張者、出張状況(安着情報や帰国情報等)等が入力される。また、出張者派遣管理MI8には、進捗評価のための情報として、例えば出張計画に対する出張実績等の情報が含まれる。出張者の動静把握を行うことや出張費抑制を図ることも期待できる。また、連絡作業の効率化も期待できる。
【0053】
施工段階において発生した懸案事項に関する項目とは、設計段階後における施工(現地工事)段階において発生した課題(解決を要するが解決されていない課題)を管理するための事項である(現地懸案管理MI9)。現地懸案管理MI9としては、例えば、懸案名称、具体的な懸案内容、期限情報、担当区分情報、懸案が顕在化した場合の影響度情報、処理の進捗状況、及び完了/未完了のステータス情報が入力される。すなわち、現地懸案管理MI9には、進捗評価のための情報として、懸案事項の期限情報と処理状況とが含まれる。プロジェクトの施工段階で発生した懸案事項を登録していくことにより、プロジェクト懸案情報を共有化し、対策等が可能となる。また、登録された懸案情報を蓄積し知見として活用することにより、類似プロジェクト(特に後続プロジェクト)へ懸案事項への予防対策の水平展開を図ることとしてもよい。
【0054】
施工段階における業務報告書に関する項目とは、施工段階において作成された業務報告書の管理のための項目である(現地週報管理MI10)。業務報告書は、例えばプロジェクト責任者やプロジェクトメンバーが作成した週次報告書(週報)等の現地施工に関する報告書である。現地週報管理MI10には、作成された業務報告書が格納される。また、現地週報管理MI10には、進捗評価のための情報として、週報の提出有無や遅延有無(週報の提出遅延状況)が含まれる。各業務報告書が集約され、参照可能となる。
【0055】
このように、
図5に一例を示すプロジェクト管理画面から、プロジェクト情報管理MI1、設計懸案管理MI2、営業文書管理MI3、出図管理MI4、購入品スケジュール管理MI5などの各管理項目に関するボタンから、各種管理情報が入力可能である。各管理情報には、進捗評価のための情報として、処理期限情報と処理状況情報などが含まれているため、後述するように、進捗評価がされ、
図6のようにプロジェクト通信簿が作成可能となる。
【0056】
また、各管理情報は部署と紐づけて入力されることで、各部署に対する進捗評価が可能となる。
【0057】
各管理項目に対応して受け付けた情報は、データベースに格納される。格納された情報は、各利用者に参照されたり、処理に用いられたりする。各プロジェクトのそれぞれに対応する情報が各管理項目に基づいてデータベース化されるため、各プロジェクトの運営方法の統一化や、各プロジェクトのあらゆる情報の見える化が可能となる。進捗、課題、スケジュール、コスト、品質などのプロジェクトで発生するあらゆる情報を関係者間で相互に視える化し、プロジェクト責任者によるプロジェクトマネジメントを支援することができる。
【0058】
(プロジェクト管理システム1の区分け部4)
図3に示した、区分け部4は、管理項目に対して受付部3で受け付けた入力情報を、対象機器、担当区分、情報の発生原因、及びクレーム対象の少なくともいずれか1つに基づいて区分けする。各プロジェクトに対応して入力された情報はデータ量が大きくなるため、データベースから必要な情報を速やかに検索等することができるように、区分を設定する。
【0059】
対象機器に基づく区分け(対象機器区分)とは、プロジェクトに必要な機器ごとに区分けすることである。例えば、火力発電プラントを構成する機器毎にデータベースが区分される。対象機器による区分けは、管理項目として、出図管理MI4や購入品スケジュール管理MI5などに対して効果的である。このようにすることで、対象機器から迅速かつ容易に必要な情報を検索できる。
【0060】
担当区分に基づく区分けとは、プロジェクトに関係している部署ごとに区分けすることである。部署としては、例えば、起票部署(起票部署区分)や責任部署(責任部署区分)とすることができる。起票部署とは、各情報を登録または社内承認作業で書類を起票した部署である。起票部署による区分けは、管理項目として、出図管理MI4や設計時間管理MI6、設計週報管理MI7、出張者派遣管理MI8、現地週報管理MI10などに対して効果的である。このようにすることで、関連部署から迅速かつ容易に必要な情報を検索できる。
【0061】
責任部署とは、各情報が関連する機器や作業等に対して責任を負う部署である。責任部署による区分けは、管理項目として、プロジェクト情報管理MI1や設計懸案管理MI2、現地懸案管理MI9などに対して効果的である。このようにすることで、関連部署から迅速かつ容易に必要な情報を検索できる。
【0062】
情報の発生原因に基づく区分け(発生原因区分)とは、客先要求や不適合対策など情報の発生原因ごとに区分けすることである。情報の発生原因に基づく区分けは、管理項目として、設計懸案管理MI2、営業文書管理MI3、現地懸案管理MI9などに対して効果的である。このようにすることで、発生原因から迅速かつ容易に必要な情報を検索できる。
【0063】
クレーム対象に基づく区分け(クレーム対象区分)とは、客先等からのクレームや不具合が起きた機器や内容ごとに区分けすることである。クレーム対象に基づく区分けは、設計懸案管理MI2、営業文書管理MI3、現地懸案管理MI9などに対して効果的である。このようにすることで、クレーム対象から迅速かつ容易に必要な情報を検索できる。
【0064】
区分け部4では、このように入力された情報を、その内容に応じてデータベースを区分けて格納する。区分けによってデータベースに格納された情報の検索性・管理性が向上する。
【0065】
(プロジェクト管理システム1の個別評価部5)
図3に示した、個別評価部5は、管理項目に対して受け付けた入力情報に基づいて、プロジェクトに関わる各部署のそれぞれに対して進捗状況の個別評価を行う。すなわち、個別評価とは部署ごとの進捗状況の評価である。個別評価部5は、各管理項目のデータベースを参照して、評価を行う。
【0066】
個別評価部5は、受付部3で受け付けた入力情報に基づいて、例えば、遅延状態について評価を行う。個別評価部5は、懸案事項に関する遅延状態、社外文書に関する遅延状態、図面の作成状況に関する遅延状態、及び購入品の調達状況に関する遅延状態の少なくともいずれか1つを評価指標として、各部署のそれぞれに対して進捗状況の個別評価を行う。遅延状態は、期限に対する遅延の状態を示す指標であり、例えば、各評価項目の個別遅延率である。
【0067】
懸案事項に関する遅延状態とは、設計懸案管理MI2のデータベースに格納された情報に基づく遅延状態である。社外文書に関する遅延状態とは、営業文書管理MI3のデータベースに格納された情報に基づく遅延状態である。図面の作成状況に関する遅延状態とは、出図管理MI4のデータベースに格納された情報に基づく遅延状態である。購入品の調達状況に関する遅延状態とは、購入品スケジュール管理MI5のデータベースに格納された情報に基づく遅延状態である。
【0068】
なお、遅延状態は前述の各データベースに格納された情報に基づく遅延状態の他にも、設計時間管理MI6のデータベースに格納された情報に基づく遅延状態、設計週報管理MI7のデータベースに格納された情報に基づく遅延状態、出張者派遣管理MI8のデータベースに格納された情報に基づく遅延状態、現地懸案管理MI9のデータベースに格納された情報に基づく遅延状態、及び現地週報管理MI10のデータベースに格納された情報に基づく遅延状態の少なくともいずれか1つについても用いることとしてもよい。
【0069】
本実施形態では、例えば遅延状態について、個別評価部5は、各評価項目の個別遅延率として、初回出図の個別遅延率、改訂出図の個別遅延率、購入仕様書発行の個別遅延率、購入品の正式発注の個別遅延率、懸案処理の個別遅延率、文書回答の個別遅延率の6つを評価項目として個別評価を行う場合を説明する。なお、各評価項目の少なくともいずれか1つを評価項目とすることとしてもよい。さらに個別遅延率の評価項目を追加して、7つ以上を評価項目として個別評価を行ってもよい。また、進捗評価に関する項目であれば他の評価項目を用いることとしてもよい。
【0070】
初回出図の個別遅延率は、初回出図の予定数に対する初回出図の遅延数の比(遅延数/予定数)である。初回出図とは、プロジェクトのために関係先配布された初期図面(改訂前の初回関係先配布の図面)である。初回出図の遅延数は、例えば出図管理MI4のデータベースの情報(出図状況)より導出される。初回出図の予定数は、例えばプロジェクト情報管理MI1のデータベースや、出図管理MI4のデータベースの情報(予定出図数)より導出される。なお、予定数や遅延数は、評価時点における予定数及び遅延数である。
【0071】
改訂出図の個別遅延率は、改訂出図が必要になり計画された予定数に対する改訂出図の遅延数(改訂未出図数)の比(遅延数/予定数)である。改訂出図とは、プロジェクトのために関係先配布された初期図面に対して、例えばプロジェクトの進捗に伴う状況の変化等により改訂が必要となる図面である。改訂出図の遅延数は、例えば出図管理MI4のデータベースの情報(出図状況)より導出される。改訂出図の予定数は、例えばプロジェクト情報管理MI1のデータベースや、出図管理MI4のデータベースの情報(予定出図数)より導出される。なお、予定数や遅延数は、評価時点における予定数及び遅延数である。
【0072】
購入仕様書発行の個別遅延率は、購入仕様書発行の予定数に対する購入仕様書発行の遅延数の比(遅延数/予定数)である。購入仕様書とは、必要な機器の購入のための仕様書である。購入仕様書の遅延数は、例えば購入品スケジュール管理MI5のデータベースの情報(購入仕様書発行状況)より導出される。購入仕様書発行の予定数は、例えばプロジェクト情報管理MI1のデータベースや、購入品スケジュール管理MI5のデータベースの情報(購入仕様書発行予定数)より導出される。なお、予定数や遅延数は、評価時点における予定数及び遅延数である。
【0073】
購入品の正式発注の個別遅延率は、購入品の正式発注の予定数に対する購入品の正式発注の遅延数の比(遅延数/予定数)である。購入品の正式発注とは、対象の購入品を正式注文したことである。購入品の正式発注の遅延数は、例えば購入品スケジュール管理MI5のデータベースの情報(購入品の正式発注状況)より導出される。購入品の正式発注の予定数は、例えばプロジェクト情報管理MI1のデータベースや、購入品スケジュール管理MI5のデータベースの情報(購入品の正式発注予定数)より導出される。なお、予定数や遅延数は、評価時点における予定数及び遅延数である。
【0074】
懸案処理の個別遅延率は、懸案事項の完了予定件数に対する懸案事項の未完了件数の比(未完了件数/完了予定件数)である。懸案事項の完了予定件数や懸案事項の未完了件数は、例えば設計懸案管理MI2のデータベースの情報(懸案事項の処理状況)より導出される。なお、完了予定件数や未完了件数は、評価時点における完了予定件数及び未完了件数である。なお、懸案処理の遅延率は、設計懸案管理MI2及び/または現地懸案管理MI9のデータベースの情報を用いることとしてもよい。
【0075】
文書回答の個別遅延率は、回答を要する文書の回答必要件数に対する未回答件数の比(未回答件数/回答必要件数)である。なお、遅延率は、回答を要する文書の回答必要件数と回答期限未入力の件数との合算件数に対する未回答件数の比としてもよい。回答必要件数や未回答件数は、例えば営業文書管理MI3のデータベースの情報(文書回答状況)より導出される。なお、回答必要件数や未回答件数は、評価時点における回答必要件数や未回答件数である。
【0076】
管理項目のデータベースでは、プロジェクト及び部署に対応して各情報が格納されているため、6つの各評価項目に対する遅延率は、プロジェクト及び部署ごとに導出される。
【0077】
個別評価部5は、導出された各評価項目に対する個別遅延率の平均をとることによって、6つの各評価項目をまとめたプロジェクト及び部署の各遅延率(各遅延率)を導出する。具体的には、6つの各評価項目に対する個別遅延率は各プロジェクト及び各部署に対して導出されるため、同じプロジェクト及び部署に対して導出された各評価項目の個別遅延率(6つ)を平均することによって、該プロジェクト及び部署の各遅延率が算出される。例えば、A発電所プロジェクトのc課に対応して6つの各評価項目に対する個別遅延率が導出され、平均されることによって、A発電所プロジェクトのc課におけるプロジェクト及び部署の各遅延率が導出される。
【0078】
そして、個別評価部5は、所定の評価基準に基づいて、進捗状況を段階評価する。すなわち、各評価項目の個別遅延率から平均して算出したプロジェクト及び部署の各遅延率を段階評価に変換する。評価基準は、例えばプロジェクト及び部署の各遅延率に基づいて予め設定されている。例えば、プロジェクト及び部署の各遅延率の全体範囲(0%から100%)を評価の段階数分の領域に分け、プロジェクト及び部署の各遅延率がどの領域に属するかで段階評価する。例えば、5段階評価の場合には、各遅延率5%未満を5点とし、各遅延率5%以上25%未満を4点とし、各遅延率25%以上50%未満を3点とし、各遅延率50%以上60%未満を2点とし、各遅延率60%以上を1点とする。このようにして、プロジェクト及び部署の各遅延率に基づいて段階評価(点数付け)を行うことができる。なお、対象項目が発生しなかった場合は対象外とすることとしてもよい。
【0079】
進捗管理への影響が少ない項目は、評価点を例えば2段階かつ小点数(2点または1点)としてもよい。すなわち、進捗管理への影響度に応じて評価項目の評価に重み付けをしてもよい。このようにすることで、複数の評価項目の評価を統合するときに、進捗管理への影響度を反映することができる。
【0080】
このように個別評価がされることによって、各プロジェクトの各部署に対して、
図6のように天気マークが設定される。
図6の例では、評価を例えば5段階評価とし、天気マークとして、一見でプロジェクトの進捗状態を確認できるようにしている。
【0081】
(プロジェクト管理システム1の総合評価部6)
図3に示した、総合評価部6は、個別評価に基づいて、プロジェクト全体の総合的な評価を行う。総合評価部6は、各担当区分に対する評価に基づいて、プロジェクト全体のそれぞれに対応して総合的な段階評価を行う。
【0082】
具体的には、総合評価部6は、プロジェクト全体に対応するプロジェクト及び部署の各遅延率を平均することによって、全体プロジェクトの総合遅延率(総合遅延率)を算出する。換言すると、
図6のようなプロジェクト通信簿において行方向に平均をとることで、各プロジェクトに対応するプロジェクト全体の総合遅延率を算出する。そして、算出した総合遅延率を前述のように評価基準に従って段階評価(例えば、5段階評価)に変換する。このようにすることで、各プロジェクト全体に対して
図6のようにPJ総合として、天気マークが設定され、総合評価がされる。なお、平均を算出する際、例えば、各部署が行う業務量やプロジェクトへの影響度等によって、各部署に対応するプロジェクト及び部署の各遅延率に対して、重み付けを行ってもよい。
【0083】
また、総合評価部6は、各部署に対応する各プロジェクトのプロジェクト及び部署の各遅延率を平均することによって、各部署に対応するプロジェクト全体の総合遅延率を算出する。換言すると、
図6のようなプロジェクト通信簿において列方向に平均をとることで、各部署に対応するプロジェクト全体の総合遅延率を算出する。そして、算出した各部署に対応するプロジェクト全体の総合遅延率を前述のように評価基準に従って段階評価(例えば、5段階評価)に変換する。このようにすることで、各部署に対して
図6のように天気マークが設定され、各部署に対応する総合評価がされる。なお、平均を算出する際、例えば、各プロジェクトに要する業務量や社内におけるプロジェクトの重要度等によって、各プロジェクトの各部署に対応するプロジェクト全体の総合遅延率に重み付けを行ってもよい。
【0084】
個別評価部5及び総合評価部6における評価によって、
図6のようなプロジェクト通信簿の各天気マークが設定される。各評価は統一的な指標によって、個別遅延率、各遅延率、総合遅延率の算出へと進め、評価基準に従って段階評価に変換が行われるため、各プロジェクト間等においてより正確に比較を行うことが可能となる。
図6のようにプロジェクト通信簿を表示できるため、統括的に進捗状況を把握することができる。また、例えば評価を5段階評価とし、天気マークとして、一見でプロジェクトの進捗状態を確認できるようにしている。
【0085】
次に、上述のプロジェクト管理システム1による評価処理の一例について
図7を参照して説明する。
図7は、本実施形態に係る評価処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図7に示すフローは、例えば、所定の制御周期で繰り返し実行される。なお、
図6のようなプロジェクト通信簿を表示する場合に都度実行されてもよい。
【0086】
まず、管理項目のデータベースを参照し、各プロジェクト及び各部署に対して、各評価項目に対して個別遅延率を算出する(S101)。
【0087】
次に、各評価項目の平均値を算出して、各プロジェクト及び各部署の各遅延率(各遅延率)を算出する(S102)。
【0088】
次に、各プロジェクト及び各部署の各遅延率を段階評価(例えば、5段階評価)に変換する(S103)。そして、段階評価に対応して天気マークを設定する(S104)。
【0089】
次に、各プロジェクト及び各部署の各遅延率において、プロジェクトに含まれる各部署の各遅延率を平均することによって、各プロジェクト全体の総合遅延率(総合遅延率)を算出する(S105)。次に、各プロジェクト全体の総合遅延率を段階評価(例えば、5段階評価)に変換する(S106)。そして、段階評価に対応して天気マークを設定する(S107)。
【0090】
次に、各プロジェクト及び各部署に対応した各プロジェクト全体の総合遅延率において、部署に対応する各プロジェクト全体の総合遅延率を平均することによって、各部署に対応する総合遅延率を算出する(S108)。次に、各部署に対応する総合遅延率を段階評価(例えば、5段階評価)に変換する(S109)。そして、段階評価に対応して天気マークを設定する(S110)。
【0091】
次に、各天気マークを設定してプロジェクト通信簿を作成する(S111)。このようにして、プロジェクト通信簿が完成される。
【0092】
なお、
図7のフローの各処理の順番は
図7の順番に限定されない。例えば、S105からS107の処理と、S108からS110の処理とは順序を逆としてもよいし並列としてもよい。また、段階評価への変換処理(S103、S106、S109)及び天気マークの設定処理(S104、S107、S110)は、もとの各遅延率、総合遅延率が算出されていれば、
図7の段階で処理を行う場合に限定されない。
【0093】
なお、プロジェクト管理ツールを有効活用するには、必要情報のインプット、評価方法などノウハウが必要となる。従って、プロジェクト管理ツールの使用方法やプロジェクト責任者、工程管理者、コスト管理者、一般プロジェクトメンバーなどの各役割を示すガイダンスや、各プロジェクト内のルールをデータベースに格納して、インプット情報の過不足や評価結果が適切に活用され、表示されるように支援する機能を持たせるようにしてもよい。データベースに蓄積したデータをAIを用いて分析・学習して、プロジェクトの進捗評価として、適切な評価項目の選定等を行うようにしてもよい。
【0094】
以上説明したように、本実施形態に係るプロジェクト管理システム及びそのプロジェクト管理方法並びにプロジェクト管理プログラムによれば、管理項目に対して受け付けた入力情報に基づいて部署ごとに進捗状況の個別評価を行い、そして、個別評価に基づいてプロジェクト全体としての進捗状況を評価する。このため、プロジェクト全体としての総合評価と、部署ごとの個別評価とを得て、プロジェクト管理により効率的に用いることが可能となる。
【0095】
また、管理項目は、プロジェクトに対して共通して予め設定されているため、プロジェクト間における評価の統一化を行うことができる。すなわち、プロジェクト責任者やプロジェクトメンバー等の経験によってプロジェクトごとに評価方法がばらついてしまうことを抑制して、より正確にプロジェクト間の状況比較を行うことが可能となる。また、各プロジェクトの統一管理を行うことが可能となる。
【0096】
また、プロジェクトに関する基本情報に関する項目、設計段階において発生した懸案事項に関する項目、社外文書に関する項目、図面の作成状況に関する項目、及び購入品の調達に関する項目を管理項目とすることで、より効率的にプロジェクトの管理のための情報入力を受け付けることが可能となる。設計時間に関する項目、設計段階における業務報告書に関する項目、出張者状況に関する項目、施工段階において発生した懸案事項に関する項目、及び施工段階における業務報告書に関する項目の少なくともいずれか1つの項目を用いることによって、より効果的に、進捗状況の評価を行うことが可能となる。
【0097】
入力情報に基づいて、懸案事項に関する個別遅延率、社外文書に関する個別遅延率、図面の作成状況に関する個別遅延率、及び購入品の調達状況に関する個別遅延率の少なくともいずれか1つを評価指標とすることによって、より正確に、部署のそれぞれに対して進捗状況の個別評価を行うことができる。
【0098】
プロジェクト及び部署のそれぞれに対応して評価結果が表示されるため、プロジェクト間の進捗状況の比較や、部署間の進捗状況の比較等を容易に認識することができる。すなわち、各情報を総合的に把握して各プロジェクトを管理することが可能となる。プロジェクトに対応した管理画面において、各プロジェクトに共通するボタン、調達に関するボタン、設計に関するボタン、及び施工に関するボタンのそれぞれが区別して表示されているため、各段階に対応して使用性を向上させることができる。複数のプロジェクトが地域ごとにグルーピングされて表示されており、指定されたプロジェクトに対応する管理画面が表示されるため、利便性を向上させることができる。
【0099】
本開示は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施が可能である。
【0100】
以上説明した各実施形態に記載のプロジェクト管理システム及びそのプロジェクト管理方法並びにプロジェクト管理プログラムは例えば以下のように把握される。
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)は、プロジェクトに対して共通して予め設定された管理項目に対して入力を受け付ける受付部(3)と、前記管理項目に対して受け付けた入力情報に基づいて、前記プロジェクトに関わる担当区分のそれぞれに対して進捗状況の個別評価を行う個別評価部(5)と、前記個別評価に基づいて、前記プロジェクトの総合的な評価を行う総合評価部(6)と、を備える。
【0101】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)によれば、管理項目に対して受け付けた入力情報に基づいて担当区分(例えば部署)ごとに進捗状況の個別評価を行い、そして、個別評価に基づいてプロジェクト全体としての進捗状況を評価する。このため、プロジェクト全体としての総合評価と、担当区分ごとの個別評価とを得て、プロジェクト管理により効率的に用いることが可能となる。
【0102】
また、管理項目は、プロジェクトに対して共通して予め設定されているため、プロジェクト間における評価の統一化を行うことができる。すなわち、プロジェクト責任者やプロジェクトメンバー等の経験によってプロジェクトごとに評価方法がばらついてしまうことを抑制して、より正確にプロジェクト間の状況比較を行うことが可能となる。また、各プロジェクトの統一管理を行うことが可能となる。
【0103】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)は、前記受付部(3)は、前記プロジェクトに関する基本情報に関する項目(MI1)、設計段階において発生した懸案事項に関する項目(MI2)、社外文書に関する項目(MI3)、図面の作成状況に関する項目(MI4)、及び購入品の調達に関する項目(MI5)の少なくともいずれか一つの項目に対して入力を受け付け可能であることとしてもよい。
【0104】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)によれば、プロジェクトに関する基本情報に関する項目、設計段階において発生した懸案事項に関する項目、社外文書に関する項目、図面の作成状況に関する項目、及び購入品の調達に関する項目を管理項目とすることで、より効率的に業務に則したプロジェクトの管理のために必要な情報入力を受け付けることが可能となる。
【0105】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)は、前記受付部(3)は、設計時間に関する項目(MI6)、設計段階における業務報告書に関する項目(MI7)、出張者状況に関する項目(MI8)、施工段階において発生した懸案事項に関する項目(MI9)、及び施工段階における業務報告書に関する項目(MI10)の少なくともいずれか一つの項目に対して入力を受け付け可能であることとしてもよい。
【0106】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)によれば、設計時間に関する項目、設計段階における業務報告書に関する項目、出張者状況に関する項目、施工段階において発生した懸案事項に関する項目、及び施工段階における業務報告書に関する項目の少なくともいずれか1つの項目を用いることによって、より効果的に、進捗状況の評価を行うことが可能となる。
【0107】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)は、前記管理項目に対して受け付けた前記入力情報を、対象機器、前記担当区分、情報の発生原因、及びクレーム対象の少なくともいずれか一つに基づいて区分けする区分け部(4)を備えることとしてもよい。
【0108】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)によれば、入力情報としてのデータベースを、対象機器、担当区分、情報の発生原因、及びクレーム対象の少なくともいずれか1つに基づいて区分けすることによって、データベースを効率的に整理することが可能となる。例えば、検索を効率的に行うことが可能となる。
【0109】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)は、前記個別評価部(5)は、前記入力情報に基づいて、前記懸案事項に関する遅延状態、前記社外文書に関する遅延状態、前記図面の作成状況に関する遅延状態、及び前記購入品の調達状況に関する遅延状態の少なくともいずれか一つを評価指標として、前記担当区分のそれぞれに対して進捗状況の個別評価を行うこととしてもよい。
【0110】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)によれば、入力情報に基づいて、懸案事項に関する遅延状態、社外文書に関する遅延状態、図面の作成状況に関する遅延状態、及び購入品の調達状況に関する遅延状態の少なくともいずれか1つを評価指標とすることによって、より正確に、担当区分のそれぞれに対して進捗状況の個別評価を行うことができる。
【0111】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)は、前記個別評価部(5)は、所定の評価基準に基づいて、各前記担当区分に対して進捗状況を段階評価することとしてもよい。
【0112】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)によれば、所定の評価基準に基づくことで、進捗状況を段階評価することができる。段階評価(例えば5段階評価)によって各担当区分の評価をより判断の容易性を向上し、より簡便に比較することが可能となる。また、プロジェクト責任者やプロジェクトメンバー等の経験によって評価がばらついてしまうことを抑制して、より正確にプロジェクトの状況を評価して把握することが可能となる。
【0113】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)は、各前記担当区分に対する進捗状況に基づいて、前記プロジェクトのそれぞれに対応して総合的な進捗状況を評価し、段階評価を行うこととしてもよい。
【0114】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)によれば、段階評価(例えば5段階評価)によりプロジェクト全体の総合評価をより判断の容易性を向上し、各プロジェクト間の全体評価をより簡便に比較することが可能となる。
【0115】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)は、前記プロジェクト及び前記担当区分のそれぞれに対応して、評価結果を表示する表示部(2)を備えることとしてもよい。
【0116】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)によれば、プロジェクト及び担当区分のそれぞれに対応して評価結果が表示されるため、プロジェクトの迅速な選定や、プロジェクト間の進捗状況の比較や、担当区分間の進捗状況の比較等を容易に認識することができる。すなわち、各情報を総合的に把握して各プロジェクトを管理することが可能となる。
【0117】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)は、前記表示部(2)は、前記プロジェクトのそれぞれに対応した管理画面を表示し、前記管理画面には、各前記プロジェクトに共通するボタン、調達に関するボタン、設計に関するボタン、及び施工に関するボタンのそれぞれが区別して表示されていることとしてもよい。
【0118】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)によれば、プロジェクトに対応した管理画面において、各プロジェクトに共通するボタン、調達に関するボタン、設計に関するボタン、及び施工に関するボタンのそれぞれが区別して表示されているため、選択するにあたり視認性も向上して、各段階に対応して使用性を向上させることができる。
【0119】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)は、前記表示部(2)は、全体管理画面を表示し、前記全体管理画面には、複数の前記プロジェクトが地域ごとにグルーピングされて表示されており、前記プロジェクトが指定されると、指定された前記プロジェクトに対応する前記管理画面を表示することとしてもよい。
【0120】
本開示に係るプロジェクト管理システム(1)によれば、複数のプロジェクトが地域ごとにグルーピングされて表示されており、指定されたプロジェクトに対応する管理画面が表示されるため、プロジェクトを選択して指定するにあたり迅速な操作と利便性を向上させることができる。
【0121】
本開示に係るプロジェクト管理方法は、プロジェクトに対して共通して予め設定された管理項目に対して入力を受け付ける工程と、前記管理項目に対して受け付けた入力情報に基づいて、前記プロジェクトに関わる担当区分のそれぞれに対して進捗状況の個別評価を行う工程と、前記個別評価に基づいて前記プロジェクトの総合的な評価を行う工程と、を有する。
【0122】
本開示に係るプロジェクト管理プログラムは、プロジェクトに対して共通して予め設定された管理項目に対して入力を受け付ける処理と、前記管理項目に対して受け付けた入力情報に基づいて、前記プロジェクトに関わる担当区分のそれぞれに対して進捗状況の個別評価を行う処理と、前記個別評価に基づいて、前記プロジェクトの総合的な評価を行う処理と、をコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0123】
1 :プロジェクト管理システム
2 :表示部
3 :受付部
4 :区分け部
5 :個別評価部
6 :総合評価部
8 :通信網
9 :情報処理装置
11 :CPU
12 :ROM
13 :RAM
14 :ハードディスクドライブ
15 :通信部
18 :バス
MI1 :プロジェクト情報管理
MI2 :設計懸案管理
MI3 :営業文書管理
MI4 :出図管理
MI5 :購入品スケジュール管理
MI6 :設計時間管理
MI7 :設計週報管理
MI8 :出張者派遣管理
MI9 :現地懸案管理
MI10 :現地週報管理