(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】カートリッジ及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/02 20060101AFI20240610BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240610BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
G03G15/02 103
G03G15/02 101
G03G21/16 161
G03G21/18 153
(21)【出願番号】P 2020083953
(22)【出願日】2020-05-12
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿南 修
(72)【発明者】
【氏名】平山 明延
(72)【発明者】
【氏名】上杉 哲夫
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-059385(JP,A)
【文献】特開2005-301216(JP,A)
【文献】特開2015-099381(JP,A)
【文献】特開2003-131543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/02
G03G 21/18
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に着脱可能なカートリッジであって、
枠体に回転可能に保持された像担持体と、
前記像担持体を帯電する帯電部材と、
前記
帯電部材を回転可能に支持し、枠体に取り付けられた第1の軸受と、
前記第1の軸受を押圧する第1の押圧部材と、
前記
帯電部材の表面と接触
し、前記帯電部材の表面を清掃する
清掃部材と、
前記
清掃部材を回転可能に支持する第2の軸受と、
前記第2の軸受を押圧する第2の押圧部材と、
を備え、
前記第1の軸受は、前記
帯電部材の回転軸部を支持する第1の支持部と、前記第2の軸受を保持する保持部と、前記保持部に設けられた凹部と、を有し、
前記第2の軸受は、前記
清掃部材の回転軸部を支持する第2の支持部と、前記第2の支持部から突出する凸部と、を有し、
前記凹部は、前記凹部に前記凸部が係合した状態で前記凸部と対向する対向面を有し、
前記対向面は、前記第2の押圧部材の押圧方向と反対方向を向いていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記凸部は、前記第2の押圧部材の押圧方向で前記
清掃部材の前記回転軸部よりも下流側に位置していることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記凸部は、前記第2の押圧部材の押圧方向と直交する方向、かつ、前記
清掃部材の回転軸線方向と直交する方向に向かって突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記第2の支持部は、前記第2の押圧部材の押圧方向で前記
清掃部材の前記回転軸部よりも上流側に、前記
清掃部材の前記回転軸部に当接する部分よりも肉厚が薄い部分を有することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記凸部が前記凹部の前記対向面に当接することで前記第2の押圧部材の押圧方向への
前記第2の軸受の移動が規制されることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記第1の軸受は、前記
清掃部材の前記回転軸部に当接することで前記
清掃部材の回転軸線方向の移動を規制する規制部を有することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記凹部は、前記第2の押圧部材の押圧方向と直交する方向、かつ、前記
清掃部材の回転軸線方向と直交する方向に向かって前記保持部を貫通していることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記枠体は、前記第1の軸受を取り付け可能な取り付け部を有し、
前記第1の軸受は、前記取り付け部に対してスライド移動可能なスライド部を有することを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記第2の軸受を前記第1の軸受の内部に挿入可能であり、
前記第2の軸受を前記第1の軸受の内部に挿入するときに前記凸部が前記保持部に当接することで、前記第2の支持部が撓み、
前記第2の軸受が前記第1の軸受の内部に挿入され、前記凹部に前記凸部が係合することで前記第2の支持部の撓みが解消されることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記保持部は、前記第2の軸受を挟持する2つの第1の挟持部を有し、
前記第2の支持部は、前記
清掃部材の前記回転軸部を挟持する2つの第2の挟持部を有し、
2つの前記第2の挟持部が2つの前記第1の挟持部の間に配置されていることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記第1の軸受への前記第2の軸受の取り付け方向と、前記第1の軸受への前記
帯電部材の取り付け方向と、前記枠体への前記第1の軸受の取り付け方向と、前記第2の軸受への前記
清掃部材の取り付け方向と、が同じであることを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記第1の押圧部材の一端が、前記第1の軸受に取り付けられ、前記第1の押圧部材の他端が、前記枠体に取り付けられていることを特徴とする請求項1から11の何れか一項に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記第2の押圧部材の一端が、前記第1の軸受に取り付けられ、前記第2の押圧部材の他端が、前記第2の軸受に取り付けられていることを特徴とする請求項1から12の何れか一項に記載のカートリッジ。
【請求項14】
画像形成を行う画像形成装置であって、
請求項1から1
3の何れか一項に記載のカートリッジと、
像担持体に担持された現像剤像を記録媒体に転写する転写部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」ともいう。)では、トナー補給や各種のプロセス手段のメンテナンスを必要とする。このトナー補給やメンテナンスを容易にするために、感光ドラム、帯電手段、現像手段、クリーニング手段などを枠体内にまとめてカートリッジ化し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとしたものが実用化されている。このプロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをユーザ自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができ、ユーザビリティーに優れた画像形成装置を提供することができる。そのため、このプロセスカートリッジ方式は画像形成装置において広く用いられている。
【0003】
帯電手段としては、導電性の部材で形成された帯電ローラを感光ドラムの表面に接触させて、感光ドラムと帯電ローラとの間に電圧を印加することにより感光ドラムの表面を帯電させる接触帯電方式が広く実用化されている。感光ドラムの表面を帯電ローラで帯電させる際に帯電ローラの表面に異物が付着していると、感光ドラムが均一に帯電されなくなり画像不良等が発生する。特許文献1には、帯電ローラに当接して帯電ローラを清掃する帯電清掃ローラを備えたプロセスカートリッジが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、帯電清掃ローラを備えるプロセスカートリッジ((以下、単に「カートリッジ」ともいう。)においては、帯電清掃ローラだけでなく帯電清掃ローラを保持する軸受部材や、帯電ローラを押圧するための付勢部材等の関連部品も必要になる。そのため、カートリッジの部品点数が増加する傾向にあり、カートリッジを生産する際の組立工数が増える場合がある。本発明の目的は、カートリッジの組立性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本出願に係る発明は、
画像形成装置に着脱可能なカートリッジであって、
枠体に回転可能に保持された像担持体と、
前記像担持体を帯電する帯電部材と、
前記帯電部材を回転可能に支持し、枠体に取り付けられた第1の軸受と、
前記第1の軸受を押圧する第1の押圧部材と、
前記帯電部材の表面と接触し、前記帯電部材の表面を清掃する清掃部材と、
前記清掃部材を回転可能に支持する第2の軸受と、
前記第2の軸受を押圧する第2の押圧部材と、
を備え、
前記第1の軸受は、前記帯電部材の回転軸部を支持する第1の支持部と、前記第2の軸受を保持する保持部と、前記保持部に設けられた凹部と、を有し、
前記第2の軸受は、前記清掃部材の回転軸部を支持する第2の支持部と、前記第2の支持部から突出する凸部と、を有し、
前記凹部は、前記凹部に前記凸部が係合した状態で前記凸部と対向する対向面を有し、
前記対向面は、前記第2の押圧部材の押圧方向と反対方向を向いていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カートリッジの組立性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施例に係る帯電ローラ軸受及び帯電清掃ローラ軸受の斜視図
【
図2】本実施例に係る画像形成装置の装置本体及びカートリッジの断面図
【
図4】本実施例に係るカートリッジのクリーニング枠体の断面図及び側面図
【
図5】本実施例に係る画像形成装置の開閉扉を開いた状態の装置本体の斜視図
【
図6】本実施例に係るトレイを引き出した状態の装置本体及びカートリッジの斜視図
【
図7】本実施例に係るカートリッジを着脱する際の装置本体及びカートリッジの斜視図
【
図8】本実施例に係るカートリッジの駆動側位置決め部の斜視図
【
図9】本実施例に係るカートリッジの非駆動側位置決め部の斜視図
【
図14】本実施例に係るクリーニングユニットの部分断面図
【
図15】本実施例に係るクリーニングユニットの部分断面図
【
図16】本実施例に係る帯電ローラ及びクリーニング枠体の部分斜視図
【
図18】本実施例に係る帯電清掃ローラ軸受及び帯電清掃ローラ付勢部材の斜視図
【
図19】本実施例に係る帯電ローラ軸受及び帯電清掃ローラ軸受の断面図
【
図20】本実施例に係るクリーニング枠体の部分斜視図
【
図21】本実施例に係るクリーニング枠体の部分斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して本発明の実施形態を例示する。ただし、実施形態に記載されている構成部品の機能、材質、形状やそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件などにより適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施形態に限定する趣旨ではない。
【0010】
(実施例)
以下、本実施例に係るカートリッジの製造方法及びカートリッジについて図面に基づいて詳細に説明する。尚、本実施例では、電子写真感光ドラムの回転軸線方向を長手方向とする。また、長手方向において、画像形成装置本体から電子写真感光ドラムが駆動力を受ける側を駆動側とし、その反対側を非駆動側とする。また、長手方向に直交する任意横断面を短手断面とする。
【0011】
図2及び
図3を用いて全体構成及び画像形成プロセスについて説明する。
図2は、本実施例に係る電子写真画像形成装置の画像形成装置本体(以下、装置本体Aと記載する)及びプロセスカートリッジ(以下、カートリッジBと記載する)の断面図である。
図3は、本実施例に係るカートリッジBの断面図である。ここで、画像形成を行う電子写真画像形成装置は、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成する装置である。電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザビームプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。装置本体Aとは、電子写真画像形成装置からカートリッジBを除いた部分である。
【0012】
<電子写真画像形成装置の全体構成>
図2に示す電子写真画像形成装置は、カートリッジBを装置本体Aに着脱可能とした電子写真技術を利用したレーザビームプリンタである。カートリッジBが装置本体Aに装着されたとき、電子写真画像形成装置には、カートリッジBの像担持体としての電子写真感光ドラム(以下、ドラム62と記載する)に静電潜像を形成するための露光装置(レーザスキャナユニット)3が配置される。また、カートリッジBの下側に画像形成対象となる記録媒体(以下、シート材Pと記載する)を収納したシートトレイ4が配置されている。シート材Pとして、記録用紙、プラスチックシートなどが挙げられる。更に、装置本体Aには、シート材Pの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ5A、給送ローラ対5B、搬送ローラ対5C、転写ガイド6、転写ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、排出トレイ11等が順次配置されている。尚、定着装置9は、加熱ローラ9A及び加圧ローラ9Bにより構成されている。
【0013】
<画像形成プロセス>
次に、画像形成プロセスの概略を説明する。画像プロセスが実行される場合、まず、プリントスタート信号に基づいて、ドラム62が回転方向R1に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動する。帯電バイアス(電圧)が印加された帯電部材としての帯電ローラ66は、ドラム62の表面部としてのドラム外周面62Aに接触し、ドラム外周面62Aを所定の電位に均一に帯電する。帯電ローラ66は、第1の回転体の一例である。露光装置3は、画像情報に応じたレーザ光Lを出力する。そのレーザ光LはカートリッジBのクリーニング枠体71に設けられたレーザ開口71Hを通り、ドラム外周面62Aを走査露光する。これにより、ドラム外周面62Aには画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0014】
一方、
図3に示すように、現像装置としての現像ユニット20において、トナー室29内のトナー(現像剤)Tは、第1搬送部材43、第2搬送部材44、第3搬送部材50の回転によって撹拌、搬送され、トナー供給室28に送り出される。トナーTは、マグネットローラ(固定磁石)34の磁力により、現像剤担持体としての現像ローラ32の表面に担持される。このように、第1搬送部材43、第2搬送部材44、第3搬送部材50は、トナーTを現像ローラ32に向けて搬送する。トナーTは、厚み規制部材としての現像ブレード42によって摩擦帯電されつつ、現像ローラ32の外周面上での層厚が規制される。そのトナーTは、静電潜像に応じてドラム62へ現像され、トナー像として可視像化される。
【0015】
また、
図2に示すように、レーザ光Lの出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ5A、給送ローラ対5B、搬送ローラ対5Cによって、装置本体Aの下部に収納されたシート材Pがシートトレイ4から送り出される。そして、そのシート材Pが転写ガイド6を経由して、ドラム62と転写ローラ7との間の転写位置へ搬送される。この転写位置において、トナー像はドラム62からシート材Pに順次転写されていく。このように、転写部としての転写ローラ7は、ドラム62に担持されたトナー像(現像剤像)をシート材Pに転写する。
【0016】
トナー像が転写されたシート材Pは、ドラム62から分離されて搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。そして、シート材Pは、定着装置9を構成する加熱ローラ9Aと加圧ローラ9Bとのニップ部を通過する。このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われてトナー像はシート材Pに定着される。トナー像の定着処理を受けたシート材Pは、排出ローラ対10まで搬送され、排出トレイ11に排出される。
【0017】
一方、
図3に示すように、転写後のドラム62は、ドラム清掃部材としてのクリーニン
グブレード77によりドラム外周面62A上の残留トナーが除去されて、再び、画像形成プロセスに使用される。このように、クリーニングブレード77によってドラム62の上のトナーが清掃される。ドラム62から除去されたトナー(除去物)はクリーニングユニット60の廃トナー室71Bに貯蔵される。上記において、帯電ローラ66、現像ローラ32、転写ローラ7、クリーニングブレード77がドラム62に作用するプロセス手段である。
【0018】
<カートリッジの着脱>
次に、装置本体Aに対するカートリッジBの着脱について、
図5から
図8を用いて説明する。
図5は、カートリッジBを着脱するために開閉扉13を開いた状態の装置本体Aの斜視図である。
図6は、カートリッジBを着脱するために開閉扉13を開き、トレイ18を引き出した状態の装置本体A及びカートリッジBの斜視図である。
図7は、開閉扉13を開き、トレイ18を引き出した状態で、カートリッジBを着脱している際の装置本体A及びカートリッジBの斜視図である。
図8は、カートリッジBの駆動側位置決め部の斜視図である。
図7に示すように、カートリッジBは、トレイ18に対して、着脱方向Eに沿って着脱可能である。
【0019】
図5に示すように、装置本体Aには開閉扉13が回動可能に取り付けられており、この開閉扉13を開くと、装置本体Aに設けられたカートリッジ挿入口17が露出する。カートリッジ挿入口17内にはカートリッジBを装置本体Aに装着するためのトレイ18が備えられている。装置本体Aからトレイ18を所定の位置まで引き出すと、カートリッジBの着脱が可能である。
図6に示すように、カートリッジBがトレイ18に載せられた状態で図中矢印C方向にガイドレール(不図示)に沿って装置本体A内に装着される。
【0020】
図8に示すように、装置本体Aの駆動側板15には、カートリッジBに設けられた第1カップリング70及び第2カップリング21に駆動力を伝達するための第1駆動軸14及び第2駆動軸19が設けられている。第1駆動軸14及び第2駆動軸19は装置本体Aのモータ(不図示)により駆動される。これにより、第1カップリング70と連結しているドラム62が装置本体Aから駆動力を受けて回転する。また、第2カップリング21から現像ローラ32に駆動力が伝達されて現像ローラ32が回転する。さらに、帯電ローラ66及び現像ローラ32は、装置本体Aの給電部(不図示)より給電される。
【0021】
<カートリッジ支持>
図5に示すように、装置本体AにはカートリッジBを支持するための駆動側板15及び非駆動側板16が設けられている。
図8に示すように、駆動側板15には第1支持部15A、第2支持部15B及び回転支持部15Cが設けられている。
図9に示すように、非駆動側板16には第1支持部16A、第2支持部16B及び回転支持部16Cが設けられている。
図9は、カートリッジBの非駆動側位置決め部の斜視図である。
【0022】
一方、駆動側ドラム軸受73の第1被支持部73B及び第2被支持部73D、クリーニング枠体71の駆動側ボス71A、非駆動側突部71F、非駆動側ボス71GがカートリッジBにそれぞれ設けられている。そして、第1被支持部73Bが第1支持部15Aにより支持され、第2被支持部73Dが第2支持部15Bにより支持され、駆動側ボス71Aが回転支持部15Cにより支持される。また、非駆動側突部71Fが第1支持部16A及び第2支持部16Bにより支持され、非駆動側ボス71Gが回転支持部16Cにより支持されることで、カートリッジBは装置本体A内で位置決めされる。
【0023】
<カートリッジ全体の構成>
次に、カートリッジBの全体構成について、
図3、
図4、
図10、
図11、
図12、
図13を用いて説明する。
図3はカートリッジBの短手方向の断面図、
図4(A)はクリー
ニング枠体71の長手方向の断面図、
図4(B)はクリーニング枠体71の短手方向の側面図である。
図4(A)は、
図4(B)の一点鎖線D1-D2に沿った断面を示している。
図10、
図11、
図12、
図13は、カートリッジBの構成を説明するためのカートリッジBの分解斜視図である。
図11及び
図13は、
図10及び
図12の点線部内の箇所を、角度を変えて拡大した部分拡大図である。尚、本実施例においては各部品を結合する際のビスに関しては省略して説明する。
【0024】
図3に示すように、カートリッジBは、クリーニングユニット60及び現像ユニット20を有する。尚、プロセスカートリッジは、電子写真感光体と、この電子写真感光体に作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の少なくとも一つと、を一体的にカートリッジ化して、装置本体Aに対して着脱可能としたものである。本実施例においては、プロセスカートリッジは、クリーニングユニット60及び現像ユニット20のうちの少なくとも一方を有する。
【0025】
図3に示すように、クリーニングユニット60は、ドラム62と、帯電ローラ66と、帯電清掃ローラ90と、クリーニングブレード77と、これらを支持する枠体としてのクリーニング枠体71を有する。また、クリーニングユニット60は、クリーニング枠体71に取り付け可能な帯電ローラ軸受67と、クリーニング枠体71に溶着等で固定された蓋部材72を有する。クリーニング枠体71は、ドラム62を回転可能に保持する。クリーニングユニット60において、帯電ローラ66、クリーニングブレード77は、それぞれドラム62のドラム外周面62Aに接触して配置される。清掃部材としての帯電清掃ローラ90は、帯電ローラ66の表面に接触するようにして配置されており、帯電ローラ66の表面を清掃する。帯電清掃ローラ90は、第2の回転体の一例である。
【0026】
図3に示すように、クリーニングブレード77は、弾性材料としてのゴムで形成されたブレード状の弾性部材であるゴムブレード77Aと、ゴムブレード77Aを支持する支持部材77Bと、を有する。ゴムブレード77Aは、ドラム62の回転方向に対してカウンター方向にドラム62のドラム外周面62Aに当接している。即ち、ゴムブレード77Aは、その先端部がドラム62の回転方向の上流側を向くようにドラム62に当接している。
【0027】
クリーニングブレード77によってドラム62の表面から廃トナーが除去される。
図3及び
図4に示すように、除去された廃トナーは、廃トナー搬送部材としての第1スクリュー86、第2スクリュー87、第3スクリュー88によって搬送され、クリーニング枠体71及び蓋部材72によって形成された廃トナー室71Bに溜められる。
【0028】
また、第1スクリュー86はギア(不図示)によって、
図13中に示すカップリング21から駆動力を伝達されて回転する。そして、第2スクリュー87は第1スクリュー86から、第3スクリュー88は第2スクリュー87からそれぞれ駆動力を受けて回転する。第1スクリュー86はドラム62の近傍に、第2スクリュー87はクリーニング枠体71の長手方向端部に、第3スクリュー88は廃トナー室71Bに、それぞれ配置されている。ここで、第1スクリュー86及び第3スクリュー88の回転軸線はドラム62の回転軸線と平行であり、第2スクリュー87の回転軸線はドラム62の回転軸線と直交している。
【0029】
また、
図3に示すように、クリーニング枠体71から廃トナーが漏れることを防止するためのスクイシート65が、ドラム62に当接するようにクリーニング枠体71の縁部に設けられている。ドラム62は、駆動源である本体駆動モータ(不図示)から駆動力を受けることにより、画像形成動作に応じて、回転方向R1に回転駆動される。
図3に示すように、現像ユニット20は、現像ローラ32と、現像ローラ32を支持する現像容器23
と、現像ブレード42等を有する。現像ローラ32内にはマグネットローラ34が設けられている。また、現像ユニット20において、現像ローラ32上のトナー層を規制するための現像ブレード42が配置されている。
【0030】
図10及び
図12に示すように、現像ローラ32には間隔保持部材38が現像ローラ32の両端部に取り付けられており、間隔保持部材38とドラム62が当接することで、現像ローラ32はドラム62と微少隙間をもって保持される。また、
図3に示すように、現像ユニット20からトナーが漏れることを防止するための吹き出し防止シート33が、現像ローラ32に当接するように底部材22の縁部に設けられている。更に、現像容器23と底部材22によって形成されたトナー室29には、第1搬送部材43、第2搬送部材44、第3搬送部材50が設けられている。第1搬送部材43、第2搬送部材44、第3搬送部材50は、トナー室29に収容されたトナーを撹拌すると共に、トナー供給室28へトナーを搬送する。
【0031】
図10及び
図12に示すように、カートリッジBは、クリーニングユニット60と現像ユニット20を結合ピン69で互いに回動可能に結合されている。
図3、
図10及び
図12に示すように、クリーニングユニット60には、クリーニング枠体71、蓋部材72、ドラム62、ドラム62を回転支持するための駆動側ドラム軸受73及びドラム軸78が設けられている。
図13に示すように、駆動側においては、ドラム62は、駆動側に設けられた駆動側ドラムフランジ63が駆動側ドラム軸受73の穴部73Aにより回転可能に支持される。一方、
図11に示すように、非駆動側は、クリーニング枠体71に設けられた穴部71Cに圧入されたドラム軸78が、非駆動側ドラムフランジ64の穴部(不図示)を回転可能に支持する。
【0032】
図3、
図10、
図12に示すように、現像ユニット20は、底部材22、現像容器23、駆動側現像サイド部材26、現像ブレード42、現像ローラ32等を有する。また、現像ローラ32は、現像ローラ32の回転軸線方向の両端部に設けられた軸受部材27、37により回転可能に現像容器23に取り付けられている。
【0033】
そして、
図11及び
図13に示すように、クリーニングユニット60と現像ユニット20を結合ピン69で互いに回動可能に結合することによってカートリッジBを構成する。具体的には、現像ユニット20の長手方向両端部側における現像容器23に現像第1支持穴23A、現像第2支持穴23Bが設けられている。また、クリーニングユニット60の長手方向両端部側におけるクリーニング枠体71に第1吊り穴71I、第2吊り穴71Jが設けられている。第1吊り穴71I、第2吊り穴71Jに圧入固定された結合ピン69と現像第1支持穴23A、現像第2支持穴23Bが嵌合することにより、クリーニングユニット60と現像ユニット20は互いに回動可能に連結される。
【0034】
図13に示すように、駆動側付勢部材46Rの第1穴部46RAは駆動側ドラム軸受73のボス73Cに掛けられ、第2穴部46RBが駆動側現像サイド部材26のボス26Aに掛けられている。また、
図11に示すように、非駆動側付勢部材46Fの第1穴部46FAはクリーニング枠体71のボス71Kに掛けられ、第2穴部46FBが軸受部材37のボス37Aに掛けられている。本実施例においては、駆動側付勢部材46R、非駆動側付勢部材46Fは引っ張りバネで形成されている。このバネの付勢力により現像ユニット20をクリーニングユニット60に付勢させることで現像ローラ32をドラム62の方向へ確実に押し付けることができる。そして、
図10に示すように、現像ローラ32の両端部に取り付けられた間隔保持部材38によって、現像ローラ32はドラム62から所定の間隔をもって保持される。
【0035】
<帯電ローラ、帯電清掃ローラの保持構成>
次に、帯電ローラ66と帯電清掃ローラ90の保持構成について、
図14から
図16を用いて説明する。
図14及び
図15は、帯電ローラ66及び帯電清掃ローラ90の保持構成を説明するためのクリーニングユニット60の部分断面図である。
図16は、帯電ローラ66の保持構成を説明するための帯電ローラ66及びクリーニング枠体71の部分斜視図である。なお、本実施例において、帯電ローラ66及び帯電清掃ローラ90の保持構成に関しては、クリーニングユニット60の長手方向の両端部の一方のみを説明するが、クリーニングユニット60の長手方向の両端部の他方も同様の構成となっている。
【0036】
図14から
図16に示すように、帯電ローラ66は、導電性を有するゴム部66aと、回転軸部としての芯金部66bを有する。クリーニングユニット60は、第1の軸受としての帯電ローラ軸受67を有する。帯電ローラ軸受67は、帯電ローラ66を回転可能に支持する軸受部材である。クリーニング枠体71の長手方向(ドラム62の回転軸線方向と略平行方向)の両端部に、芯金部66bが帯電ローラ軸受67を介して回転可能に取り付けられている。クリーニングユニット60は、帯電ローラ軸受67を押圧する第1の押圧部材としての帯電ローラ付勢部材68を有する。帯電ローラ付勢部材68が帯電ローラ軸受67をドラム62が配置されている方向に押圧することで、帯電ローラ軸受67によって支持される帯電ローラ66がドラム62に向けて加圧される。帯電ローラ軸受67が帯電ローラ付勢部材68により押圧され、帯電ローラ66がドラム62に向けて加圧されることでゴム部66aがドラム62に圧接されている。帯電ローラ66は、ドラム62に当接することでドラム62の回転に従動回転する。帯電ローラ付勢部材68は、弾性部材であり、例えば、円筒状又はコイル状のバネ部材(スプリング部材)である。帯電ローラ付勢部材68の一端が、帯電ローラ軸受67に取り付けられ、帯電ローラ付勢部材68の他端が、クリーニング枠体71に取り付けられている。
【0037】
また、クリーニングユニット60は、第2の軸受としての帯電清掃ローラ軸受91を有する。帯電清掃ローラ軸受91は、帯電清掃ローラ90を回転可能に支持する軸受部材である。クリーニングユニット60は、帯電清掃ローラ軸受91を押圧する第2の押圧部材としての帯電清掃ローラ付勢部材92を有する。帯電清掃ローラ付勢部材92の一端が、帯電ローラ軸受67に取り付けられ、帯電清掃ローラ付勢部材92の他端が、帯電清掃ローラ軸受91に取り付けられている。帯電ローラ軸受67には、帯電清掃ローラ軸受91を取り付けることが可能である。帯電清掃ローラ付勢部材92が帯電清掃ローラ軸受91を帯電ローラ66が配置されている方向に押圧することで、帯電清掃ローラ軸受91によって支持される帯電清掃ローラ90が帯電ローラ66に向けて加圧される。帯電清掃ローラ90は、帯電ローラ66を挟んでドラム62と対向する位置に配置されている。従って、帯電清掃ローラ付勢部材92によって帯電清掃ローラ軸受91が押圧される方向(帯電清掃ローラ付勢部材92の押圧方向)に向かって、帯電清掃ローラ90、帯電ローラ66及びドラム62が順に並んで配置されている。帯電清掃ローラ90は、スポンジ部90aと回転軸部としての芯金部90bを有する。帯電清掃ローラ90は、帯電清掃ローラ90長手方向の両端部に設けられた帯電清掃ローラ軸受91を介してクリーニング枠体71の長手方向の両端部に回転可能に取り付けられている。帯電清掃ローラ軸受91が帯電清掃ローラ付勢部材92により押圧され、帯電清掃ローラ90が帯電ローラ66に向けて加圧されて帯電ローラ66に当接することで、帯電清掃ローラ90は帯電ローラ66の回転に従動回転する。帯電清掃ローラ付勢部材92は、弾性部材であり、例えば、円筒状又はコイル状のバネ部材(スプリング部材)である。
【0038】
<帯電ローラ、帯電清掃ローラ、及び、軸受部材の組立方法>
次に、帯電ローラ66、帯電清掃ローラ90、帯電ローラ軸受67、帯電ローラ付勢部材68、帯電清掃ローラ軸受91及び帯電清掃ローラ付勢部材92の構成と組立方法について、
図1及び
図17から19を用いて説明する。
図1は、帯電ローラ軸受67と帯電清掃ローラ軸受91の組立を説明するための帯電ローラ軸受67及び帯電清掃ローラ軸受9
1の斜視図である。
図17は、帯電ローラ軸受67の構成と、帯電ローラ軸受67と帯電ローラ付勢部材68の組み付けを説明するための帯電ローラ軸受67の斜視図である。
図18は、帯電清掃ローラ軸受91と帯電清掃ローラ付勢部材92の組み付けを説明するための帯電清掃ローラ軸受91及び帯電清掃ローラ付勢部材92の斜視図である。
図19は、帯電ローラ軸受67と帯電清掃ローラ軸受91の組み付け方法を説明するための帯電ローラ軸受67及び帯電清掃ローラ軸受91の断面図である。
【0039】
図1及び
図17に示すように、帯電ローラ軸受67は、帯電ローラ保持部67a、付勢部材取付部67b、ガイド部67c、被スライド部67d、長穴部67e、清掃付勢部材保持部67f及び帯電清掃ローラ規制部67gを有する。帯電ローラ保持部67aは、一部が開放された略円弧形状を有する部材である。第1の支持部としての帯電ローラ保持部67aは、帯電ローラ66の芯金部66bを支持する。帯電ローラ66を帯電ローラ保持部67aに取り付ける際、帯電ローラ66の芯金部66bが帯電ローラ保持部67aの開放された領域を通過することで、帯電ローラ保持部67aと芯金部66bとを係合させることが可能になる。
【0040】
付勢部材取付部67bは、帯電ローラ付勢部材68の内径よりも僅かに大きい外径を有している。帯電ローラ付勢部材68の穴に付勢部材取付部67bを圧入することで、帯電ローラ付勢部材68が帯電ローラ軸受67に取り付けられている。保持部としての被スライド部67dは、帯電清掃ローラ軸受91を移動可能に保持する。被スライド部67dは、所定の間隔で配置された平板部67d1、67d2で構成されている。2つの第1の挟持部としての平板部67d1、67d2は、平板部67d1と平板部67d2との間に帯電清掃ローラ軸受91を挟持する。平板部67d1、67d2の一部に凹部としての長穴部67eが設けられている。長穴部67eは、帯電清掃ローラ付勢部材92の押圧方向と直交する方向、かつ、帯電清掃ローラ90の回転軸線方向と直交する方向に向かって被スライド部67dを貫通している。本実施例では、長穴部67eは被スライド部67dを貫通しているが、長穴部67eは被スライド部67dを貫通していなくてもよい。平板部67d1、67d2の内側面は平面であり、平板部67d1の内側面と平板部67d2の内側面とは所定の間隔で対向している。規制部(規制面)としての帯電清掃ローラ規制部67gは、帯電清掃ローラ90の軸方向における帯電清掃ローラ90の移動を規制する。帯電清掃ローラ規制部67gが帯電清掃ローラ90の芯金部90bに当接することで帯電清掃ローラ90の回転軸線方向の移動が規制される。帯電清掃ローラ規制部67gに対して垂直方向に平板部67d1、67d2が立設されている。また、2つの長穴部67eが対向するようにして平板部67d1、67d2に各長穴部67eが配置されている。
【0041】
一方、帯電清掃ローラ軸受91は、
図1及び
図18に示すように、保持部91a、スライド部91b、凸部91c、スリット部91d及びバネ保持部91eを有する。保持部91aは、帯電清掃ローラ軸受91の中央部に形成された穴部である。バネ保持部91eは、帯電清掃ローラ付勢部材92の内径よりも僅かに大きい外径を有している。帯電清掃ローラ付勢部材92の穴にバネ保持部91eを圧入することで、帯電清掃ローラ付勢部材92を帯電清掃ローラ軸受91に取り付けることができる。第2の支持部としてのスライド部91bは、帯電清掃ローラ90の芯金部90bを支持する。スライド部91bは、帯電ローラ軸受67の平板部67d1、67d2の間隔よりも僅かに狭い間隔で形成された挟持部91b1、91b2で構成されている。2つの第2の挟持部としての挟持部91b1、91b2は、帯電清掃ローラ90の芯金部90bを挟持する。挟持部91b1、91b2の外側面は平面であり、挟持部91b1、91b2の内側面は凹凸面である。
【0042】
また、スライド部91bの上端側の一部にスライド部91bから突出する凸部91cが設けられている。凸部91cは、帯電清掃ローラ付勢部材92の押圧方向と直交する方向、かつ、帯電清掃ローラ90の回転軸線方向と直交する方向に向かって突出している。挟
持部91b1に設けられた凸部91cと、挟持部91b2に設けられた凸部91cとは、互いに反対方向に向かって突出している。2つの凸部91cの間隔は、帯電ローラ軸受67の平板部67d1と平板部67d2の間隔よりも大きい。詳細には、2つの凸部91cの先端面の間隔が、平板部67d1の内側面と平板部67d1の内側面の間隔よりも大きい。各凸部91cの先端面は平面である。また、各凸部91cは、スライド部91bの上端側から下端側に向かって傾斜する傾斜面を有する。更に、スライド部91bの下端側に凹形状のスリット部91dが設けられている。挟持部91b1に設けられたスリット部91dと挟持部91b2に設けられたスリット部91dは、互いに向かい合うようにして凹んでいる。挟持部91b1に設けられたスリット部91dは、挟持部91b1のうち帯電清掃ローラ90の芯金部90bと当接する部分(当接部)よりも肉厚が薄い部分である。挟持部91b2に設けられたスリット部91dは、挟持部91b2のうち帯電清掃ローラ90の芯金部90bと当接する部分(当接部)よりも肉厚が薄い部分である。スリット部91dは、帯電清掃ローラ付勢部材92によって帯電清掃ローラ軸受91が押圧される方向(帯電清掃ローラ付勢部材92の押圧方向)と直交する方向に延びている。
【0043】
次に、帯電ローラ軸受67への帯電清掃ローラ軸受91の組付けに関して、
図1及び
図19を用いて説明する。まず、スライド部91bが帯電ローラ軸受67の被スライド部67dと係合するように、帯電清掃ローラ付勢部材92が取り付けられた帯電清掃ローラ軸受91を
図1及び
図19(A)に示す矢印Y方向から帯電ローラ軸受67に組み付けていく。すると、帯電清掃ローラ軸受91の凸部91cが帯電ローラ軸受67の被スライド部67dと当接する。
【0044】
ここで、2つ凸部91cの間隔が、平板部67d1と平板部67d2の間隔よりも大きくなるように、2つ凸部91cが帯電清掃ローラ軸受91に設けられている。2つの凸部91cが平板部67d1と平板部67d2の間を通過する際、2つの凸部91cの一方が平板部67d1の内側面に当接し、2つの凸部91cの他方が平板部67d2の内側面に当接する。そのため、帯電清掃ローラ軸受91は各スリット部91dを基点に内側(
図19(B)に示す矢印K方向)に撓みながら帯電ローラ軸受67内に挿入されていく。このように、帯電清掃ローラ軸受91を帯電ローラ軸受67の内部に挿入可能である。帯電清掃ローラ軸受91を帯電ローラ軸受67の内部に挿入するときに、各凸部91cが被スライド部67dに当接することで、帯電清掃ローラ軸受91のスライド部91bが撓む。従って、帯電清掃ローラ軸受91を帯電ローラ軸受67に取り付けるときに、各凸部91cが平板部67d1、67d2に当接することで、挟持部91b1と挟持部91b2が互いに近づく方向(
図19(B)に示す矢印K方向)に移動する。各凸部91cは傾斜面を有するため、各凸部91cが被スライド部67dに当接したときの衝撃が緩和される。従って、帯電清掃ローラ軸受91を帯電ローラ軸受67の内部にスムーズに挿入することができる。
【0045】
更に、帯電清掃ローラ軸受91を
図19(B)に示す矢印Y方向(挿入方向)に移動させる。各凸部91cの先端面は平面であり、被スライド部67dの平板部67d1、67d2の内側面は平面である。そのため、帯電ローラ軸受67の内部に帯電清掃ローラ軸受91を挿入するときに、被スライド部67dに対して各凸部91cがスライド移動する。このように、帯電清掃ローラ軸受91は、帯電ローラ軸受67に対してスライド移動可能である。従って、帯電ローラ軸受67に対して帯電清掃ローラ軸受91をスライド移動させて、帯電ローラ軸受67に帯電清掃ローラ軸受91を取り付けることができる。
【0046】
凸部91cが被スライド部67dに設けられた長穴部67eの位置まで移動し、凸部91cが長穴部67eに侵入することで帯電清掃ローラ軸受91の撓みが開放される。即ち、凸部91cが長穴部67eに係合することで帯電清掃ローラ軸受91のスライド部91bの撓みが解消される。
図19(C)に示すように、スライド部91bの凸部91cが被
スライド部67dの長穴部67eに係合(嵌合)することで、帯電清掃ローラ軸受91が帯電ローラ軸受67に対して移動可能に保持される。この場合、挟持部91b1、91b2が平板部67d1と平板部67d2の間に配置されている。
【0047】
帯電清掃ローラ付勢部材92の付勢力により帯電清掃ローラ軸受91が帯電ローラ軸受67に向かって押圧され、帯電ローラ軸受67に対して帯電清掃ローラ軸受91がスライド移動する。被スライド部67dの長穴部67eの側面は、スライド部91bの凸部91cが被スライド部67dの長穴部67eに係合したときにスライド部91bの凸部91をガイドするガイド面である。被スライド部67dの長穴部67eは、スライド部91bの凸部91cが長穴部67eに係合した状態で凸部91cと対向する対向面(上面)67e1を有する。長穴部67eの対向面67e1は、帯電清掃ローラ付勢部材92の押圧方向と反対方向を向いている。帯電清掃ローラ軸受91が帯電ローラ軸受67に向かって押圧されて、凸部91cが長穴部67eの対向面67e1に突き当たった状態で、帯電清掃ローラ軸受91が帯電ローラ軸受67に保持される。これにより、帯電ローラ軸受67、帯電ローラ付勢部材68、帯電清掃ローラ軸受91、及び、帯電清掃ローラ付勢部材92を一体化して帯電ローラ軸受ユニット95とすることができる。帯電清掃ローラ付勢部材92によって帯電清掃ローラ軸受91が押圧されて、凸部91cが長穴部67eの対向面67e1に当接することで、帯電清掃ローラ付勢部材92の押圧方向への帯電清掃ローラ軸受91の移動が規制される。これにより、帯電清掃ローラ軸受91を帯電ローラ軸受67に取り付けた後において、帯電ローラ軸受67から帯電清掃ローラ軸受91が離脱することが抑止される。
【0048】
次に、クリーニング枠体71への帯電ローラ軸受ユニット95、帯電ローラ66、及び、帯電清掃ローラ90の組付け方法に関して、
図20及び
図21を用いて説明する。
図20は、クリーニング枠体71への帯電ローラ軸受ユニット95の組付け方法を説明するためのクリーニング枠体71の部分斜視図である。
図21は、クリーニングユニット60への帯電ローラ66及び帯電清掃ローラ90の組付け方法を説明するためのクリーニング枠体71の部分斜視図である
【0049】
図20に示すように、クリーニング枠体71には帯電ローラ軸受ユニット95を保持可能な保持部71Dが設けられている。取り付け部としての保持部71Dに対して帯電ローラ軸受ユニット95の帯電ローラ軸受67を取り付け可能である。帯電ローラ軸受67には、保持部71Dに対してスライド移動可能なスライド部としてのガイド部67cが設けられている。ガイド部67cが保持部71Dに係合するように、帯電ローラ軸受ユニット95を
図20に示す矢印M方向からクリーニング枠体71に取り付ける。このようにして、帯電ローラ軸受ユニット95の帯電ローラ軸受67がクリーニング枠体71に取り付けられる。
【0050】
その後、
図21に示すように、帯電清掃ローラ90の芯金部90bが帯電清掃ローラ軸受91の保持部91aに係合するように、帯電清掃ローラ90を同じく矢印M方向から帯電清掃ローラ軸受91に取り付ける。更に、帯電ローラ66の芯金部66bが帯電ローラ軸受67の帯電ローラ保持部67aに係合するように、帯電ローラ66を同じく矢印M方向から帯電ローラ保持部67aに取り付ける。
【0051】
帯電清掃ローラ軸受91の凸部91c及びスリット部91dと、帯電清掃ローラ90の芯金部90bとの位置関係について説明する。帯電清掃ローラ軸受91の凸部91cは、帯電清掃ローラ付勢部材92の押圧方向(
図19(C)に示す矢印L方向)で帯電清掃ローラ90の芯金部90bよりも下流側に位置している。換言すれば、凸部91cは、帯電清掃ローラ軸受91が押圧されたときの帯電清掃ローラ軸受91のスライド移動方向において帯電清掃ローラ90の芯金部90bよりも下流側に位置している。帯電清掃ローラ軸
受91に帯電清掃ローラ90を取り付けた場合、帯電清掃ローラ90の芯金部90bは、
図19(C)の点線の円で示す位置に配置される。帯電清掃ローラ軸受91のスリット部91dは、帯電清掃ローラ付勢部材92の押圧方向において帯電清掃ローラ90の芯金部90bよりも上流側に位置している。換言すれば、スリット部91dは、帯電清掃ローラ軸受91が押圧されたときの帯電清掃ローラ軸受91のスライド移動方向において帯電清掃ローラ90の芯金部90bよりも上流側に位置している。
【0052】
以上、説明したように、本実施例において、帯電ローラ軸受67の被スライド部67dに長穴部67eを設けて、帯電清掃ローラ軸受91のスライド部91bの上端側に凸部91cを設け、その下端側にスリット部91dを設けている。このような構成とすることで、帯電清掃ローラ軸受91を帯電ローラ軸受67に組み付ける際に、帯電清掃ローラ軸受91を撓ませることが容易になりカートリッジBの組立性が向上する。また、帯電ローラ軸受67、帯電ローラ付勢部材68、帯電清掃ローラ軸受91、及び、帯電清掃ローラ付勢部材92を一体化して帯電ローラ軸受ユニット95とすることができる。帯電ローラ軸受ユニット95をクリーニング枠体71に取り付けることができるため、カートリッジBの組立性が向上する。凸部91cを長穴部67eの内面に当接させることで、帯電清掃ローラ軸受91が押圧される方向への帯電清掃ローラ軸受91の移動を規制する。これにより、帯電清掃ローラ軸受91を帯電ローラ軸受67に取り付けた後において、帯電ローラ軸受67から帯電清掃ローラ軸受91が離脱することが抑止されるため、カートリッジBの組立性が向上する。
【0053】
また、帯電ローラ軸受67への帯電清掃ローラ軸受91及び帯電ローラ66への取り付け方向と、クリーニング枠体71への帯電清掃ローラ軸受91の取り付け方向と、帯電清掃ローラ軸受91への帯電清掃ローラ90の取り付け方向と、が同じである。これにより、帯電ローラ軸受ユニット95、帯電ローラ66及び帯電清掃ローラ90を同一方向からクリーニング枠体71に取り付けることができるため、カートリッジBの組立性が向上する。従って、組立性の良いカートリッジBを提供することができる。本実施例では、帯電ローラ66を回転可能に支持する帯電ローラ軸受67と、帯電清掃ローラ90を回転可能に支持する帯電清掃ローラ軸受91とをユニット化する一例を示している。この例に限らず、帯電ローラ66とは異なる他の回転体を回転可能に支持する軸受と、帯電清掃ローラ90とは異なる他の回転体を支持する軸受とをユニット化する場合に、本実施例を適用してもよい。
【符号の説明】
【0054】
62…ドラム、66…帯電ローラ、66b…芯金部、67…帯電ローラ軸受、67a…帯電ローラ保持部、67d…被スライド部、67e…長穴部、68…付勢部材、71…クリーニング枠体、90…帯電清掃ローラ、90b…芯金部、91…帯電清掃ローラ軸受、91b…スライド部、91c…凸部、92…付勢部材、B…カートリッジ