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特許7500279現像装置、カートリッジ及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】現像装置、カートリッジ及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240610BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240610BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
G03G15/08 221
G03G21/00 312
G03G21/18 114
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020095461
(22)【出願日】2020-06-01
(65)【公開番号】P2021189333
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 貴章
(72)【発明者】
【氏名】小林 進介
(72)【発明者】
【氏名】船谷 和弘
(72)【発明者】
【氏名】梅田 健介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 彩衣
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-137257(JP,A)
【文献】特開2009-116069(JP,A)
【文献】特開2017-058601(JP,A)
【文献】特開2002-323814(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0008403(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/08
13/095
15/08
15/095
G03G 21/00
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、
現像剤を収容する現像剤容器と、
前記現像剤容器から供給された前記現像剤を担持し、前記像担持体に前記現像剤を供給する回転可能な現像剤担持体と、
前記現像剤容器内に前記現像剤担持体に当接し供給部を形成し前記供給部において前記現像剤担持体の表面に前記現像剤を供給する回転可能な現像剤供給部材と、
前記現像剤容器内に前記現像剤供給部材の表面に当接して当接部を形成し基材と前記基材から延びる繊維状部材を有するブラシ部材と、
を備え、
画像形成後に前記像担持体に残存する前記現像剤を前記現像剤担持体に回収し、前記現像剤担持体に回収された前記現像剤を前記現像剤容器に回収することが可能な画像形成装置であって、
前記繊維状部材が、前記現像剤供給部材の表面のセル内に入り込むことができるように構成されており、
前記ブラシ部材は前記現像剤容器に固定配置されており、
前記現像剤供給部材の回転方向において、前記当接部より上流側で前記供給部より下流側の前記現像剤供給部材の表面と前記現像剤容器との距離は、前記繊維状部材の前記基材から前記当接部までの距離よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記繊維状部材が前記現像剤供給部材の表面の異物を掻き取ることで、前記現像剤供給部材の表面の異物が除去されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ブラシ部材は、前記現像剤供給部材の表面と対向する対向面を有し、
前記対向面に設けられた前記繊維状部材が、前記対向面の垂直方向に延びていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ブラシ部材は、複数の前記繊維状部材を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数の前記繊維状部材によって掻き取られた異物が複数の前記繊維状部材の間に保持されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記現像剤容器は、前記現像剤供給部材の回転方向において、前記現像剤供給部材の前記表面と前記ブラシ部材との当接部の上流側に、前記ブラシ部材によって前記現像剤供給部材の前記表面から除去された異物を保持する保持領域を有することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記現像剤供給部材は、回転軸部と、前記回転軸部の周囲に設けられた発泡弾性体とを有する特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記像担持体に前記現像剤が供給されることで前記像担持体に形成されたトナー像が記録材に直接転写されることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記繊維状部材の形状は、捲縮させた形状であることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
像担持体と、
現像剤を収容する現像剤容器と、
前記現像剤容器から供給された前記現像剤を担持し、前記像担持体に前記現像剤を供給する回転可能な現像剤担持体と、
前記現像剤容器内に前記現像剤担持体に当接し供給部を形成し前記供給部において前記現像剤担持体の表面に前記現像剤を供給する回転可能な現像剤供給部材と、
前記現像剤容器内に前記現像剤供給部材の表面に当接して当接部を形成し、基材と前記基材から延びる繊維状部材を有するブラシ部材と、
を備え、
画像形成後に前記像担持体に残存する前記現像剤を前記現像剤担持体に回収し、前記現像剤担持体に回収された前記現像剤を前記現像剤容器に回収することが可能な画像形成装置であって、
前記現像剤容器は、前記現像剤供給部材の回転方向において、前記現像剤供給部材の前記表面と前記ブラシ部材との前記当接部の上流側に、前記ブラシ部材によって前記現像剤供給部材の前記表面から除去された異物を保持する保持領域を有し、
前記繊維状部材が、前記現像剤供給部材の表面のセル内に入り込むことができるように構成されており、
前記ブラシ部材は前記現像剤容器に固定配置されており、
前記現像剤供給部材の回転方向において、前記当接部より上流側で前記供給部より下流側の前記現像剤供給部材の表面と前記現像剤容器との距離は、前記繊維状部材の前記基材から前記当接部までの距離よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
記録材に画像を形成する画像形成装置に着脱可能なカートリッジであって、
像担持体と、
現像剤を収容する現像剤容器と、
前記現像剤容器から供給された前記現像剤を担持し、前記像担持体に前記現像剤を供給する回転可能な現像剤担持体と、
前記現像剤容器内に前記現像剤担持体に当接し供給部を形成し前記供給部において
記現像剤担持体の表面に前記現像剤を供給する回転可能な現像剤供給部材と、
前記現像剤容器内に前記現像剤供給部材の表面に当接して当接部を形成し基材と前記基材から延びる繊維状部材を有するブラシ部材と、
を備え、
画像形成後に前記像担持体に残存する前記現像剤を前記現像剤担持体に回収し、前記現像剤担持体に回収された前記現像剤を前記現像剤容器に回収することが可能なカートリッジであって、
前記繊維状部材が、前記現像剤供給部材の表面のセル内に入り込むことができるように構成されており、
前記ブラシ部材は前記現像剤容器に固定配置されており、
前記現像剤供給部材の回転方向において、前記当接部より上流側で前記供給部より下流側の前記現像剤供給部材の表面と前記現像剤容器との距離は、前記繊維状部材の前記基材から前記当接部までの距離よりも小さくなるように構成されていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項12】
定着装置と、
請求項1に記載のカートリッジと、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、カートリッジ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置において、装置構成の簡略化や廃棄物を無くすという観点から、クリーナレスシステム(トナーリサイクルシステム)が提案されている。このクリーナレスシステムにおいては、転写方式の画像形成装置において感光ドラムの転写工程後の残留トナーを感光ドラムから除去及び清掃するクリーニング手段を廃した構成を採用している。そして、転写工程後の感光ドラム上の転写残トナーを、現像装置によってクリーニングして感光ドラム上から除去し、現像装置に回収する。
【0003】
特許文献1のように、現像装置で現像を行いながらクリーニングを行うことを、現像同時クリーニングと呼ぶ。現像同時クリーニングとは、転写工程後に感光ドラム上に残留したトナーを次工程以降の現像時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光ドラムの表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する方法である。この方法によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以後に再利用されるため、廃トナーをなくし、メンテナンスを容易にすることができる。また、クリーナレスであることにより、別途のクリーナー機構がなくなりスペース面での利点も大きく、画像形成装置を大幅に小型化できるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第2598131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、クリーナレスシステムを採用する場合、トナー(現像剤)をリサイクルする際に、紙粉などの異物が現像装置に混入することがある。現像装置の長寿命化を目指し、現像装置のトナー容量を増加したり、トナーのみを消耗品として補給するいわゆるトナー補給系を用いたりすると、現像装置内に回収される紙粉の量が増加する。現像装置内に回収された紙粉は、現像装置内でトナーとともに循環している。現像ローラにトナーを供給するトナー供給ローラとして、発泡ゴムのようなセル構造のローラを用いると、トナー供給ローラの使用とともにセル内に紙粉が入り込み、トナー供給ローラの表面に紙粉が溜まる。
【0006】
トナー供給ローラの表面に溜まった紙粉がトナーと共に現像剤担持体としての現像ローラに供給されると、トナーよりも大きな紙粉はトナー規制部材と現像ローラの間に挟まり、トナーの規制を乱すことにより縦スジ状の画像不良を発生させる。近年、ユーザーの多様化が進み、使用される紙の種類も多様化しており、紙粉が多く発生するような紙もある。また、紙粉の異物以外にも他の異物が発生するような記録媒体もある。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、現像剤容器内に混入した異物が、現像剤と共に現像剤担持体に供給されることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、
像担持体と、
現像剤を収容する現像剤容器と、
前記現像剤容器から供給された前記現像剤を担持し、前記像担持体に前記現像剤を供給する回転可能な現像剤担持体と、
前記現像剤容器内に前記現像剤担持体に当接し供給部を形成し前記供給部において前記現像剤担持体の表面に前記現像剤を供給する回転可能な現像剤供給部材と、
前記現像剤容器内に前記現像剤供給部材の表面に当接して当接部を形成し基材と前記基材から延びる繊維状部材を有するブラシ部材と、
を備え、
画像形成後に前記像担持体に残存する前記現像剤を前記現像剤担持体に回収し、前記現像剤担持体に回収された前記現像剤を前記現像剤容器に回収することが可能な画像形成装置であって、
前記繊維状部材が、前記現像剤供給部材の表面のセル内に入り込むことができるように構成されて前記繊維状部材が、前記現像剤供給部材の表面のセル内に入り込むことができるように構成されており、
前記ブラシ部材は前記現像剤容器に固定配置されており、
前記現像剤供給部材の回転方向において、前記当接部より上流側で前記供給部より下流側の前記現像剤供給部材の表面と前記現像剤容器との距離は、前記繊維状部材の前記基材から前記当接部までの距離よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、現像剤容器内に混入した異物が、現像剤と共に現像剤担持体に供給されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1に係る画像形成装置の概略構成図
図2】実施例1に係る当接ブラシの斜視図
図3】実施例1に係る現像装置の拡大図
図4】実施例1に係るトナー供給ローラ及び当接部材の模式図
図5】実施例2に係る現像装置の拡大図
図6】実施例2に係るトナー供給ローラ及び当接部材の模式図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0012】
(実施例1)
<画像形成装置>
図1は本実施例の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。本実施例では、非磁性一成分現像方式を用い、転写後の現像剤を現像と同時に回収するモノクロレーザービームプリンタを用いている。本実施例の画像形成装置は、デジタル複写機、LBP(レーザビームプリンタ)、LEDプリンタ等の種々の電子写真記録装置に適用可能である。
【0013】
本実施例に係る画像形成装置は、静電潜像を担持する像担持体としての感光ドラム1と、この感光ドラム1を帯電させるための帯電部材としての帯電ローラ2と、感光ドラム1に静電潜像を形成する露光装置としてのレーザスキャナ6と、を備える。また、本実施例に係る画像形成装置は、レーザスキャナ6によって形成された静電潜像を現像してトナー画像とする現像装置3と、得られたトナー画像を被転写材としての記録材Pに転写する転写部材としての転写ローラ4と、を備える。更に、本実施例に係る画像形成装置は、転写ローラ4による転写が行われた後に感光ドラム1上の残電位を消去する残電位除去装置7と、記録材P上のトナーを加熱加圧して定着させる定着装置(加熱定着装置)16と、を備える。
【0014】
本実施例に係る画像形成装置は、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置3等をカートリッジ化したプロセスカートリッジを画像形成装置の本体に着脱可能に備える構成であるが、固定設置タイプとすることもできる。プロセスカートリッジ(カートリッジ)は、感
光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置3等を有する。感光ドラム1は、φ20mmの負極性のOPC感光体である。感光ドラム1は、不図示の感光ドラム1の駆動源により図1の矢印R1方向に周速度(プロセススピード、印字速度)150mm/secで回転可能である。
【0015】
帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面を一様に帯電する。帯電ローラ2は、導電性の弾性ローラであり、芯金と、芯金を覆う導電性弾性層とを有する。帯電ローラ2は、感光ドラム1に所定の押圧力で圧接している。感光ドラム1の表面のうち帯電ローラ2に圧接される部分を帯電部cとする。また、帯電ローラ2は感光ドラム1と所定の周速差で駆動回転する。本実施例に係る画像形成装置は、帯電ローラ2に帯電バイアスを印加する帯電電源を有している。帯電電源は、帯電ローラ2の芯金に直流電圧を印加する。この直流電圧は、感光ドラム1の表面電位と帯電ローラ2の電位の電位差が、放電開始電圧以上となるような値に設定されている。
【0016】
露光装置としてのレーザスキャナ6は、画像形成装置に入力される画像信号に応じてON/OFF制御されたレーザ光Lを感光ドラム1に照射し、感光ドラム1上に静電潜像(デジタル潜像)を形成する。画像信号は、装置本体内部で作成されるテストパターン信号でもよい。感光ドラム1の表面のうちレーザ光Lが照射される部分を露光部dとする。
【0017】
なお、本実施例で用いられる露光装置は、レーザスキャナに限るものではなく、LEDプリントヘッド方式や液晶シャッターアレイ方式などの露光装置も適用可能である。露光装置に入力する前記画像信号を変調して濃度階調性を得る方法としては、レーザ光強度変調や誤差拡散法、ディザ法等の面積階調法を用いることが好ましい。さらに、それらを組み合わせてもよい。またPWM(パルス幅変調)方式を用いて、1画素の面積階調による多値記録を行うことも好ましく、画像信号は00h(白)~FFh(黒)までの256階調レベルで変化させることも可能である。本実施例においてはPWM方式を用いている。
【0018】
感光ドラム1の表面電位としては、負帯電性トナーを用いる場合、非画像部電位(Vd)としては-500Vから1000Vの範囲が好ましい。また最大トナー画像濃度が得られる画像部電位(Vl)としては-50Vから-200Vの範囲が好ましい。同様に正帯電性トナーを用いる場合、非画像部電位(Vd)としては+500Vから+1000Vの範囲が好ましく、また最大トナー画像濃度が得られる画像部電位(Vl)としては+50Vから+200Vの範囲が好ましい。本実施例では負帯電性トナーを用いるが感光ドラム1の表面電位は後述する。
【0019】
現像装置3は、現像剤としてのトナー10を収容し、トナー10を保持する現像剤容器としてのトナー容器11、現像剤担持体としての現像ローラ5、及び規制部材としての現像ブレード9を備える。トナー10は、例えば、非磁性1成分トナー(非磁性1成分現像剤)である。また、現像装置3は、現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ8、除去部材(当接部材)としての当接ブラシ14、及び撹拌部材12等を備える。トナー供給ローラ8、当接ブラシ14及び撹拌部材12は、トナー容器11内(現像剤容器内)に設けられており、トナー供給ローラ8は、現像ローラ5に当接している。現像ローラ5の回転方向(矢印R2方向)において、感光ドラム1と現像ローラ5との接触部の下流側には、トナー容器11の内部から外部へのトナーの吹き出しを防止するための吹き出し防止シート15が設けられている。感光ドラム1の表面のうち現像ローラ5に圧接される部分を現像部aとする。現像装置3及び当接ブラシ14の詳細については後述する。
【0020】
現像装置3に対して現像ローラ5が回転可能に設けられている。現像ローラ5は、トナー容器11から供給されたトナー10を担持し、感光ドラム1にトナー10を供給する。現像ローラ5から感光ドラム1にトナーを供給し、感光ドラム1に形成された静電潜像を
現像する際、現像ローラ5には現像バイアス電圧である現像高圧電圧が印加される。現像高圧電圧は直流電圧である。現像高圧電圧値(Vdc)と最大トナー画像濃度が得られる画像部電位(Vl)との電位差分であるコントラスト電位|Vl-Vdc|(Vcont)は、50Vから400Vの範囲であることが好ましい。
【0021】
接触転写手段としての中抵抗の転写ローラ4は、感光ドラム1の表面に所定の押圧力で接触している。感光ドラム1の表面のうち転写ローラ4に圧接される部分を転写部bとする。本実施例の転写ローラ4は、芯金と、芯金を覆う中抵抗発泡層とで構成されており、ローラ抵抗値5×10Ωのローラを用いている。不図示の転写高圧電源によって+2.0kVの電圧が芯金に印加される。転写部bで感光ドラム1の表面のトナー像が記録材Pに転写される。転写ローラ4は、感光ドラム1を介して駆動する。定着装置16は、トナー像が転写された記録材Pを定着装置16で加熱及び加圧することにより、トナー像を記録材Pに定着させる。
【0022】
<現像装置の説明>
次に、図3を用いて、本実施例に係る現像装置3の詳細について説明する。図3は、本実施例の現像装置3の一例を示す概略構成図である。本実施例の現像ローラ5は、Φ6mmの芯金と、芯金の周囲に形成された導電性弾性層とを有する多層構造ローラである。現像ローラ5の外径は、Φ10mmである。現像ローラ5の芯金は、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等の金属で形成されている。
【0023】
現像ローラ5の導電性弾性層は、基層とその上の表層とを有する。導電性弾性層の基層は、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、エチレン-プロピレン-ジエンポリエチレン(EPDM)、シリコーンゴム、ウレタンゴム等のゴムで形成されている。導電性弾性層の表層は、エーテルウレタンやナイロン等で形成されている。導電性弾性層はこれらの構成に限定されるものではなく、導電性弾性層の基層にスポンジ等の発泡体層を用い、導電性弾性層の表層にゴム弾性層を用いることも可能である。また、導電性弾性層は、NBR、EPDM、ウレタンゴム等のゴム弾性層のみから構成される単層構成であってもよい。
【0024】
本実施例では、現像ローラ5は、不図示の現像ローラ駆動源からの駆動力を受けて、図3の矢印R2方向に回転駆動しながら、現像部aにて感光ドラム1に当接している。現像ローラ5は、その長手方向(回転軸線方向)の両端部に、侵入量規制コロが配設されている。これらの侵入量規制コロを感光ドラム1に当接させることにより、現像ローラ5と感光ドラム1の表面との侵入量を所定の値に設定している。
【0025】
現像ローラ5の上方において、現像ブレード9が、支持板13により支持されている。現像ブレード9の自由端側の先端が現像ローラ5の外周面に面接触状態で当接するように、現像ブレード9がトナー容器11に設けられている。ここで、現像ローラ5のうち現像ブレード9が当接する部分(当接部)を、規制部eとする。現像ブレード9は、規制部eにおいて、現像ローラ5の表面に担持されたトナーの厚みを規制するとともに、摺擦によりトナーへ電荷を与えている。現像ブレード9が現像ローラ5に当接した状態において、現像ブレード9の先端が現像ローラ5の回転方向上流側を向いている。即ち、現像ブレード9の先端が現像ローラ5に対して当接する方向は、現像ローラ5の回転方向上流側に位置する方向、いわゆるカウンタ方向である。
【0026】
現像ブレード9は、ステンレス薄板、リン青銅薄板等のバネ弾性を有する金属薄板であり、現像ローラ5の表面に対して所定の線圧で当接している。現像ローラ5と現像ブレード9との間に所定の電位差が形成されるように、現像ブレード9の支持部材である支持板13には、不図示の電圧印加手段により、ブレードバイアスが印加されている。トナー1
0が例えば負帯電性トナーである場合には、現像ローラ5の電位に対して現像ブレード9の電位が負極性側に大きくなるように設定される。本実施例では、現像ブレード9は、バネ弾性を有する厚さ0.1mmのステンレス薄板を用いている。また、本実施例では、現像ローラ5の電位に対して現像ブレード9の電位が-200Vとなるように、ブレードバイアスが印加されている。例えば、-350Vの現像バイアスが現像ローラ5に印加され、現像ローラ5の電位が-350Vである場合、現像ブレード9の電位は-550Vである。これにより、トナーの電荷付与性が向上する。
【0027】
また、現像ブレード9の他の例としては、バネ弾性を有する金属薄板の先端に、弾性部材であるポリアミドエラストマーを接着、または射出成形により形成し、弾性部材側を現像ローラ5の表面に対して所定の線圧で当接する構成を用いてもよい。この場合、金属薄板により現像ローラ5に対する現像ブレード9の圧接力を維持し、トナー10が例えば負帯電性トナーである場合には、ポリアミドエラストマーによりトナーに負帯電性が付与される。なお、金属薄板は現像ブレード9の圧接力を維持するものであれば特に限定されない。また、弾性部材もトナーの帯電性を考慮して選択可能であり、さらなる帯電性能の付与のために、弾性部材に導電性を持たせ、ブレードバイアスと併用することも可能である。
【0028】
本実施例では、現像ブレード9により規制されて現像ローラ5上に担持されたトナー10は、非磁性1成分トナーであるため、現像ローラ5上でトナー10を拘束する力は、トナー10が有する電荷による鏡映力と僅かなファンデルワールス力しか働かない。そのため、現像ローラ5上のトナー層が厚くなるとトナー層の上層部にあるトナー10に対する鏡映力が弱く、現像ローラ5上にトナー10を担持できなくなりトナー10が飛散してしまう。従って、現像ローラ5上のトナー層を薄くすることで、トナー10に対する拘束力を強める必要があるが、その結果十分な画像濃度が得にくくなる場合がある。このような場合、現像ローラ5の周速度を感光ドラム1の周速度よりも速く設定することで画像濃度を得ることが可能である。感光ドラム1と現像ローラ5の周速比としては、感光ドラム1の周速度に対して現像ローラ5の周速度を1.1倍以上3倍以下の範囲とすることが好ましい。本実施例においては、感光ドラム1と現像ローラ5の周速比が1.5倍となるように、感光ドラム1及び現像ローラ5の周速度を設定している。
【0029】
トナー容器11内にトナー供給ローラ8が回転可能に設けられている。トナー供給ローラ8は、トナー容器11内のトナー10を担持する。トナー供給ローラ8は、供給部fにて現像ローラ5に当接し、現像ローラ5の表面にトナー容器11内のトナー10を供給する。また、トナー供給ローラ8は、画像形成後において、現像されずに残ったトナー(現像残トナー)を現像ローラ5上から剥ぎ取り、回収している。トナー供給ローラ8は、スポンジ構造のローラであってもよいし、ファーブラシ構造のローラであってもよい。スポンジ構造のトナー供給ローラ8は、回転軸部としての芯金と、芯金の周囲に設けられた発泡弾性体とを有する。ファーブラシ構造のトナー供給ローラ8は、回転軸部としての芯金と、芯金の周囲に設けられたレーヨン、ナイロンなどの繊維とを有する。現像ローラ5に対するトナー10の供給及び現像残トナーの剥ぎ取りの点から、スポンジ構造のトナー供給ローラ8又はファーブラシ構造のトナー供給ローラ8を用いることが好ましい。
【0030】
また、発泡弾性体を用いたスポンジ構造は、内部のセルが独立した独立発泡性の構造や、内部のセルが互いに連なった連続発泡性の構造を用いることができる。連続発泡性の構造は、内部に溜められるトナー量が多いため、連続発泡性の構造を用いることにより、安定的にトナー10を供給できる。本実施例では、トナー供給ローラ8として、直径5mmの金属芯金上に発泡弾性体を設けたフォームローラを用いている。フォームローラの直径は11mmである。また、本実施例では、発泡弾性体として、互いに連なった直径10μm以上800μm以下のセルを有した連続発泡性のポリウレタンフォームにカーボン等を
分散し導電性を持たせた弾性体を用いている。
【0031】
トナー供給ローラ8は、現像ローラ5に当接して、矢印R3方向(カウンタ方向)に回転する。本実施例では、トナー供給ローラ8の表面移動速度が、現像ローラ5の表面移動速度に対して、絶対値で75%となるように、現像ローラ5及びトナー供給ローラ8が回転している。ここで、現像ローラ5に対するトナーの供給及び現像残トナーの剥ぎ取りの点から、トナー供給ローラ8の現像ローラ5に対する侵入量が0.1mm以上1.5mm以下の範囲となるように、トナー供給ローラ8を現像ローラ5に当接させることが好ましい。本実施例では、トナー供給ローラ8の現像ローラ5に対する侵入量は1.0mmとしている。
【0032】
トナー供給ローラ8は、供給部fにて所定の侵入量をもって現像ローラ5に当接しているため、トナー供給ローラ8のセルは供給部fではつぶれた状態で現像ローラ5と接触している。トナー供給ローラ8が矢印R3方向に回転すると、トナー供給ローラ8の回転方向における供給部fの下流側にてつぶれたセルが解放されて、セルが元の状態に戻る。これにより、セルの周囲のトナー10がセル内に取り込まれるとともに、セル壁にて現像ローラ5上の現像残トナーを剥ぎ取ることで、トナー供給ローラ8が現像残トナーを回収する。さらに、トナー供給ローラ8が矢印R3方向に回転し、トナー供給ローラ8の回転方向における供給部fの上流側にてセルがつぶれることにより、セル内のトナー10が現像ローラ5に供給される。
【0033】
ここで、トナー供給ローラ8の付近のトナー循環の観点から、トナー供給ローラ8とトナー容器11の隙間は0.3mm以上2.0mm以下の範囲が好ましい。この隙間が0.3mmよりも小さいとトナー10の循環が阻害され、トナー供給ローラ8の回転方向における供給部fの下流側にて取り込まれるトナー量が足りなくなる。隙間が2.0mmよりも大きいとトナー10が循環せずにトナー供給ローラ8とトナー容器11との間にとどまり、使われないトナー10が多くなる。本実施例では、トナー供給ローラ8とトナー容器11の隙間は1.0mmに設定している。
【0034】
現像ローラ5とトナー供給ローラ8との間に所定の電位差が形成されるように、トナー供給ローラ8の芯金には、不図示の電圧印加手段によりトナー供給ローラバイアスが印加されている。現像ローラ5に負帯電性のトナー10を供給する場合、例えば、現像ローラ5の電位に対してトナー供給ローラ8の電位が-200Vとなるように、トナー供給ローラバイアスを印加する。例えば、-350Vの現像バイアスが現像ローラ5に印加され、現像ローラ5の電位が-350Vである場合、トナー供給ローラ8の電位は-550Vである。これにより、トナー供給ローラ8から現像ローラ5へのトナーの供給が安定して行われる。また、トナー供給ローラ8の表面には、当接ブラシ14が、所定の侵入量によって当接している。当接ブラシ14は、トナー供給ローラ8の表面の異物を除去する。
【0035】
本実施例に係る当接ブラシ14は、ブラシ状部材である。当接ブラシ14は、トナー供給ローラ8の表面と対向する対向面を有し、当接ブラシ14の対向面に設けられた繊維状部材が当接ブラシ14の対向面の垂直方向に延びている。トナー容器11の内壁に形成された溝内に当接ブラシ14を配置してもよい。この場合、当接ブラシ14の繊維状部材の先端がトナー容器11の内壁面よりも突出するように、トナー容器11の内壁に形成された溝内に当接ブラシ14を配置する。また、トナー容器11の内壁面に当接ブラシ14を配置してもよい。
【0036】
撹拌部材12は、トナー容器11内に回転可能に配置されており、トナー容器11内のトナー10を撹拌し、且つトナー供給ローラ8へトナー10を搬送する。撹拌部材12は、樹脂材料で構成されるバックアップ付の軸棒部材とPPSフィルムシートから構成され
図3中の矢印R4方向に回転する。撹拌部材12を回転させるための駆動力は、例えば現像ローラ駆動手段からギヤ列で適当な回転速度に落とすことで利用している。
【0037】
<画像形成プロセス>
次に、図1を参照して、画像形成プロセスの概要について説明する。まず、プリント信号が画像形成装置本体のコントローラに入力されると、画像形成装置は画像形成動作を開始する。そして、所定のタイミングで各駆動部が動き出し、各部材及び各装置等に電圧が印加される。回転駆動された感光ドラム1は、帯電部cにて帯電ローラ2によって一様に帯電される。一様に帯電された感光ドラム1は、露光部dにてレーザスキャナ6からのレーザ光Lにより露光され、感光ドラム1の表面に静電潜像が形成される。その後、この静電潜像は、現像部aにて現像ローラ5によってトナー10が供給されて、トナー像として可視化され、感光ドラム1上に形成される。感光ドラム1上に可視化されて形成されたトナー像は、転写部bにて感光ドラム1と転写ローラ4とで挟持搬送された記録材P上に転写される。トナー像が形成された記録材Pは、定着装置16に搬送される。定着装置16において記録材P上のトナー像を加熱定着し、記録材Pが搬送トレー17上に搬送されることで、一連の画像形成プロセスが終了する。このようにして、画像形成装置は画像形成を行う。
【0038】
<クリーナレスシステム>
次に、本実施例のクリーナレスシステムについて詳細に説明する。本実施例では、記録材Pに転写されずに感光ドラム1上に残留した転写残トナーを感光ドラム1上から除去するクリーニング部材を画像形成装置に設けない、いわゆるクリーナレスシステムを採用している。転写工程後に感光ドラム1上に残った転写残トナーは、感光ドラム1と帯電ローラ2との当接部(帯電部c)前の空隙部における放電によって感光ドラム1と同様に負極性に帯電される。具体的には帯電バイアスとして-1500Vの直流電圧が帯電ローラ2に印加されている。このとき、感光ドラム1の表面電位(Vd)は-900Vに一様に帯電されている。負極性に帯電した転写残トナーは、帯電部cにおける電位差の関係(感光ドラム1の表面電位=-900V、帯電ローラ2の電位=-1500V)から、帯電ローラ2には付着せずに帯電部cを通過する。本実施例では、転写残トナーを帯電ローラ2に付着させずに帯電部cを通過させるために、電位差の関係以外に以下の二つの構成を採用している。
【0039】
第一の構成について説明する。第一の構成では、図1に示すように、感光ドラム1の回転方向(矢印R1方向)における転写ローラ4と帯電ローラ2の間に残電位除去装置7を設けている。残電位除去装置7は、帯電部cで安定した放電を行なうために転写部bを通過した後の感光ドラム1の表面電位を光除電している。この残電位除去装置7によって、感光ドラム1の長手方向(回転軸線方向)の表面全域における帯電前の感光ドラム1の電位を-100V程度にする。これにより、帯電処理時に均一な放電を生じさせることが可能となり、転写残トナーを均一に負極性に帯電することが可能となる。その結果、転写残トナーは帯電部cを通過する。
【0040】
第二の構成について説明する。第二の構成では、感光ドラム1と帯電ローラ2との間に所定の周速度差を設けて、感光ドラム1及び帯電ローラ2を回転駆動している。上述のように放電によってほとんどのトナー10が負極性に帯電するが、負極性に帯電していないトナー10が若干残っており、負極性に帯電していないトナー10が帯電部cで帯電ローラ2に付着することがある。そこで、感光ドラム1と帯電ローラ2との間に所定の周速度差を設けて、感光ドラム1及び帯電ローラ2を回転駆動させることで、感光ドラム1と帯電ローラ2との摺擦によって、このようなトナー10を負極性に帯電させることが可能となる。これによって帯電ローラ2へのトナー10の付着を抑制する効果がある。本実施例では、帯電ローラ2の芯金に帯電ローラギアが設けられており、帯電ローラギアは感光ド
ラム1の端部に設けられたドラムギアと係合している。よって、感光ドラム1が回転駆動するのに伴って、帯電ローラ2も回転駆動する。
【0041】
本実施例に係る帯電ローラ2の表面の周速度は、感光ドラム1の表面の周速度に対して115%になるように設定されている。帯電部cを通過した転写残トナーは、感光ドラム1の表面のうちレーザ光Lが照射されるレーザ照射位置dに到達する。転写残トナーはレーザスキャナ6のレーザ光Lを遮蔽するほど多くないため、感光ドラム1上の静電潜像を作像する工程に影響しない。レーザ照射位置dを通過した転写残トナーのうち非露光部(レーザ照射を受けていない感光ドラム1の表面)の転写残トナーは、現像部aにおいて、静電力によって現像ローラ5に回収される。
【0042】
画像部に確実にトナー10を載せるためにVcontを設定し、転写残トナーの回収性を確実にするために現像高圧電圧値(Vdc)と非画像部電位(Vd)との電位差分であるバックコントラスト電位|Vd-Vdc|(Vback)を大きくする。Vbackを大きくすることで感光ドラム1と現像ローラ5との電位差が大きくなり、帯電部cを通過した転写残トナーを現像ローラ5へ引き戻す静電力が大きくなり、現像ローラ5への転写残トナーの回収が確実になる。そこで本実施例の潜像現像の電位設定については、Vd=-900V、Vl=-120V、Vdc=-350Vとし、|Vcont|=230V、|Vback|=550Vとする。
【0043】
一方、レーザ照射位置dを通過した転写残トナーのうち露光部d(レーザ照射を受けた感光ドラム1の表面)の転写残トナーは、静電力的には回収されないが、新たに現像されるトナー10と共にトナー像の一部となり、転写部bにて記録材Pに転写される。また、一部の転写残トナーは、現像ローラ5と感光ドラム1の周速度差による物理的な力により現像ローラ5に回収されることもある。このように、画像形成後に感光ドラム1に残存するトナー10は、現像ローラ5に回収され、現像ローラ5に回収されたトナーは、トナー容器11に回収される。従って、記録材Pに転写されずに感光ドラム1上に残ったトナー10は、概ね現像装置3に回収される。そして、現像装置3に回収されたトナー10は、現像装置3内に残っているトナー10と混合されて使用される。
【0044】
このようなクリーナレスシステムにおいて、特に、本実施例のように感光ドラム1から紙等の記録材Pにトナー像を直接転写する構成では、紙から発生する紙粉等の異物が感光ドラム1の表面に付着する。感光ドラム1の表面の紙粉は、帯電部cで帯電ローラ2により電荷を付与され、現像部aにて現像ローラ5と感光ドラム1の電位差による電気的な力と、現像ローラ5と感光ドラム1の周速差による物理的な力によって現像ローラ5に回収される場合がある。
【0045】
現像ローラ5で回収された紙粉は、供給部fにて現像残トナーとともにトナー供給ローラ8に剥ぎ取られる。トナー供給ローラ8に剥ぎ取られた紙粉は、トナー容器11内のトナー10と一緒に撹拌され、トナー容器11内を循環するが、紙粉の一部はトナー供給ローラ8のセル内に入り込む。通紙枚数が多くなると、現像装置3に回収される紙粉の量も増加し、トナー供給ローラ8のセル内に紙粉が溜まる。トナー供給ローラ8のセル内に溜まった紙粉は、トナー供給ローラ8の回転に伴って移動し、供給部fにてトナー10と共に現像ローラ5に供給されることがある。現像ローラ5に供給された紙粉は、規制部eに到達した際に、現像ブレード9と現像ローラ5との間に挟み込まれると、現像ブレード9と現像ローラ5の間に隙間を形成する。
【0046】
現像ブレード9と現像ローラ5の間に隙間が形成されると、現像ブレード9によって規制されないトナー10が、現像ブレード9と現像ローラ5の間の隙間からすり抜ける場合がある。また、現像ブレード9と現像ローラ5との間に挟まれた紙粉自体によりトナー1
0が塞き止められたりする場合がある。これらにより、現像ローラ5上のトナーコートが乱され、縦スジ等の画像不良として顕在化する。縦スジは、特にハーフトーン画像上で顕著に現れ、記録材Pの搬送方向に沿って画像上に発生するスジである。現像ブレード9と現像ローラ5の間の隙間からトナー10がすり抜けた場合は通常の濃度よりも濃い黒スジとして、紙粉自体によりトナー10が塞き止められた場合は通常の濃度よりも薄い白スジとして、それぞれ現れたり両者が同時に現れたりする。
【0047】
<当接ブラシの構成>
次に、図2を用いて、上記のようなクリーナレスシステムを採用した場合に生じる課題を抑制するための、本実施例に係る当接ブラシ14の詳細を説明する。図2は、実施例1における当接ブラシ14の模式図(斜視図)である。
【0048】
当接ブラシ14は、複数の繊維(繊維状部材)を有する起毛部14Aと、起毛部14Aが設けられた基材(基布部)14Bとを備える。起毛部14Aは、基材14Bの第1面(上面)に対して垂直方向(法線方向)に起毛している。即ち、基材14Bの第1面に設けられた繊維が基材14Bの第1面の垂直方向に延びている。本実施例では、当接ブラシ14では、アクリル繊維を紡いだ紡績糸を基材14Bに織り込むことにより、基材14Bに起毛部14Aを設けている。当接ブラシ14のブラシ状繊維(織糸)の形状としては、ストレート形状よりも、捲縮させた形状の方が、紙粉を絡めとりやすく紙粉の捕集性能は向上する。
【0049】
また、当接ブラシ14の密度は、トナー10の通過性と紙粉捕集性とのバランスを考慮して決めることが好ましい。即ち、当接ブラシ14の密度が大きすぎると、トナー10の通過性が悪化し、トナー供給ローラ8と当接ブラシ14との当接部においてトナー10がスタックしてしまうことがある。逆に、当接ブラシ14の密度が小さすぎると、紙粉の捕集性能が悪化し、トナー供給ローラ8に紙粉が滞留してしまうことがある。そのため、当接ブラシ14の密度は、トナー10の良好な通過性を維持しつつ、十分な紙粉捕集性を確保できる密度を選択することが好ましい。
【0050】
本実施例では、当接ブラシ14の密度は、160束/inchである。また、本実施例では、当接ブラシ14の毛番手は、2/32(長さ32kmで重量が1kgとなる太さの糸を2本撚りあわせたもの)とする。また、本実施例では、当接ブラシ14の起毛部14Aの短手方向(トナー供給ローラ8の回転方向に対して平行方向)の寸法Wbは、5mmである。また、当接ブラシ14の基材14Bの短手方向の寸法Wkは5mm(起毛部14Aと同寸法)である。当接ブラシ14の長手方向(トナー供給ローラ8の回転方向に対して直交する方向)の寸法Lbは250mmである。当接ブラシ14の長手方向において、基材14Bに対して起毛部14Aが設けられている領域Kは、230mmであり、基材14Bの両端部には、起毛部14Aが設けられていない領域が10mmの幅で均等に設けられている。領域Kの幅=230mm、起毛部14Aの短手方向の寸法Wb=5mmとすることで、トナー供給ローラ8と当接ブラシ14の接触領域を十分に確保できる。
【0051】
未当接状態(起毛部14Aの繊維に圧力がかかっていない状態)の当接ブラシ14において、起毛部14Aが基材14Bの第1面から延び出ている方向を、起毛方向と呼ぶ。本実施例では、起毛部14Aの各繊維について、基材14Bを起点とした起毛方向の繊維長Mは6.5mmである。トナー供給ローラ8の回転方向における現像ローラ5とトナー供給ローラ8との当接部の下流側において、起毛部14Aとトナー供給ローラが互いに接触するように、当接ブラシ14が固定配置されている。起毛部14Aのトナー供給ローラ8の外周面への侵入量は2.5mmとなるように設定されている。
【0052】
起毛部14Aにおける繊維状部材としてのブラシ繊維(織糸)の材料としては、アクリ
ル繊維以外にも、ポリエステル繊維、ナイロン繊維などを用いることができる。また、ブラシ繊維(織糸)の材料には、カーボンなどの導電材を含有させて導電性を付与することができる。また、本実施例の基材14Bの繊維には、非導電性のポリエステル繊維を用いているが、起毛部14Aを織布できるものであればアクリル繊維、ナイロン繊維などを用いてもよく、これらに限定されない。また、当接ブラシ14の基材14Bの裏にポリエステル製の樹脂シートなどを張り付けて、当接ブラシ14に剛性を持たせることで当接をより安定させる構成にすることもできる。当接ブラシ14の寸法や、トナー供給ローラ8に対する侵入量なども、使用される画像形成装置に合わせて変更することが可能であり、これらの寸法や侵入量に限定されない。
【0053】
当接ブラシ14の複数の繊維状部材が現像ローラ5の表面の紙粉などの異物を掻き取ることで、現像ローラ5の表面の紙粉などの異物が除去される。当接ブラシ14の複数の繊維状部材がトナー供給ローラ8のセル内に入り込むことができるように構成されている。当接ブラシ14の複数の繊維状部材がトナー供給ローラ8のセル内に入り込み、当接ブラシ14の複数の繊維状部材がトナー供給ローラ8のセル内の紙粉などの異物を掻き取ることで、トナー供給ローラ8のセル内の紙粉などの異物が除去される。当接ブラシ14の複数の繊維状部材によって掻き取られた紙粉などの異物は、当接ブラシ14の複数の繊維状部材の間に保持される。
【0054】
<効果確認>
次に、本実施例と比較例1について比較検討を行った画像出力試験の結果について説明する。なお、比較例1は、現像装置3に当接ブラシ14が設けられていないことを除いて、本実施例と同じ構成を有する。画像出力試験は、次のような条件で行った。記録材Pとしてレターサイズ紙のVitality(Xerox社製、坪量75g/cm)を用い、印字率2%のテキストパターンを25ppmで5000枚片面プリントした。また、プリント枚数1000枚ごとにハーフトーン画像を上下左右の余白5mmで用紙全面に印刷し、規制部eのトナーコート不良起因の縦スジが発生するか否かを評価した。評価基準は、ハーフトーン画像中で通紙方向(記録材Pの搬送方向)に沿って延びるスジ(縦スジ)が発生しない場合を良好(○)、縦スジが1本以上発生する場合を不良(×)とした。
【0055】
評価結果を表1に示す。表1では、本実施例と比較例1について、1000枚ごとにサンプリングした評価画像の評価結果(トナーコート不良起因の縦スジの有無)を示している。
【表1】
【0056】
表1に示すように、比較例1では、プリント枚数が3000枚の時点で規制部eでの紙粉の挟み込みが起こり、トナーコート不良起因の縦スジが発生した。トナー容器11を確認すると、トナー供給ローラ8の表面近くのセル内に紙粉が入り込んでいることが確認された。トナー容器11内に回収された紙粉が、通紙枚数とともにトナー供給ローラ8のセ
ル内に溜まる。供給部fにてトナー10と共に紙粉が現像ローラ5に供給され、紙粉が規制部eに到達した際に紙粉の挟み込みが起こることで、トナー供給ローラ8の表面近くのセル内に紙粉が入り込んだと考えられる。そのため、比較例1では、3000枚以降の画像出力試験を継続すると、トナー供給ローラ8に溜まる紙粉の量が更に増えることにより、より多くの縦スジが発生し続けた。
【0057】
一方、本実施例では、プリント枚数が5000枚の時点でも規制部eでの紙粉の挟み込みは発生せず、縦スジは発生しなかった。トナー容器11を確認すると、トナー供給ローラ8のセル内に入り込んでいる紙粉の量が抑制されており、代わりに当接ブラシ14内に多量の紙粉が保持されていることが確認された。
【0058】
図4は、本実施例の画像形成装置を用いて、前述の画像出力試験をおこなった後の、トナー供給ローラ8及び当接ブラシ14の模式図である。トナー供給ローラ8に対する当接ブラシ14の侵入量が2.5mmとなるように当接ブラシ14がトナー供給ローラ8に当接している。従って、本実施例では、当接ブラシ14の起毛部14Aがトナー供給ローラ8のセル内に入り込む構成となっている。そのため、トナー供給ローラ8のセル内の紙粉は、当接ブラシ14の起毛部14Aによって掻き取られ、起毛部14Aの内部に保持されている。このように、当接ブラシ14の構成及び効果により、トナー供給ローラ8に溜まる紙粉の量が減少し、トナー10と共に現像ローラ5に供給される紙粉の量が減ったことで、規制部eへの紙粉の挟み込みが抑制される。
【0059】
本実施例では、当接ブラシ14がトナー供給ローラ8の表面と接するように、トナー容器11内に当接ブラシ14を配置し、当接ブラシ14によってトナー供給ローラ8の表面の異物を除去する。これにより、紙粉などの異物が現像装置3内に混入した場合においても、トナー10と共に紙粉などの異物が現像ローラ5に供給されることを抑制し、規制部eでのトナーコート不良起因の画像不良を抑制することができる。この結果、長期間にわたり良好な画像を得ることができる。
【0060】
なお、本実施例においては、記録材Pとして紙を用いたため、紙粉を原因とする課題について説明するが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、記録材Pとしてプラスチックシート等を用いた場合に発生する粉末等の異物により発生する課題に対しても本実施例の構成を採用することで、同様の効果を得ることができる。
【0061】
また、本実施例では、当接ブラシ14として固定式のシートブラシを用いているが、当接ブラシ14はシートブラシに限定されない。当接ブラシ14として例えば金属芯金にブラシシートをロール状に巻き付けたブラシローラを用い、当接ブラシ14がトナー供給ローラ8と接するように、当接ブラシ14を回転可能にトナー容器11内に配置してもよい。この場合も、トナー供給ローラ8のセル内の紙粉に対し、当接ブラシ14の起毛部14Aが紙粉を掻き取ることにより、トナー供給ローラ8に溜まる紙粉の量を抑制するという効果を得ることができる。
【0062】
(実施例2)
次に、図5を参照して、実施例2について説明する。図5は、実施例2の現像装置3の構成を示す概略図である。実施例2のトナー容器11の構成が実施例1と異なることを除いて、実施例2に係る現像装置3の構成は実施例1と同様である。そのため、実施例1と同一の構成については同一の符号を用いてその説明は省略する。
【0063】
実施例1で説明したように、感光ドラム1上の紙粉は、現像装置3に回収され、当接ブラシ14内に保持される。現像装置3の寿命設定によっては、実施例1で想定するよりも多くの紙粉が現像装置3に回収されることもあり得る。また、使用される紙の種類が多様
化している昨今において、再生紙や端部の裁断が悪い紙といった粗悪な紙では、紙の裁断面や紙の表面に繊維状紙粉が多量に付着しており、通紙時に発生する紙粉も多くなる。紙粉が多く発生しうる記録材Pを用いた場合、当接ブラシ14に保持される量を超えて現像装置3内に紙粉が回収される可能性がある。その場合、当接ブラシ14に保持しきれない紙粉は、トナー供給ローラ8の回転方向(図5の矢印R3方向)におけるトナー供給ローラ8と当接ブラシ14との当接部の上流側で塞き止められ、掻き落される。その結果、トナー供給ローラ8の回転方向におけるトナー供給ローラ8と当接ブラシ14の当接部の上流側にオーバーフローする。
【0064】
当接ブラシ14によって保持しきれずにオーバーフローした紙粉の量が増加すると、トナー供給ローラ8とトナー容器11との隙間が狭くなり、トナー供給ローラ8の周りのトナー10の循環が阻害される。これにより、トナー供給ローラ8の回転方向における供給部fの下流側にてトナー供給ローラ8に取り込まれるトナー量が足りなくなる。そのため、紙粉が多く発生しうる記録材Pを用いた場合においても、トナー10と共に現像ローラ5に供給される紙粉の量を抑制することが好ましい。
【0065】
図5及び図6に示すように、トナー容器11は、トナー供給ローラ8に当接する当接ブラシ14と、トナー供給ローラ8の回転方向におけるトナー供給ローラ8の表面と当接ブラシ14との当接部の上流側に異物保持領域18を有している。ここで、保持領域としての異物保持領域18は、トナー供給ローラ8の周囲のトナー容器11に対して、外側方向に凹んだ領域であり、前述のトナー供給ローラ8の周りのトナー10の循環に影響を与えないような範囲で設定される。本実施例における異物保持領域18の寸法を以下に示す。異物保持領域18の高さh(トナー容器11の溝の深さ)は、4.0mmである。トナー供給ローラ8の回転方向における異物保持領域18の長さwは、6.0mmである。異物保持領域18の長手方向(トナー供給ローラ8の回転方向に対して直交する方向)の幅は、当接ブラシ14と同様、250mmである。
【0066】
<効果確認>
本実施例と比較例2について比較検討を行った画像出力試験の結果について説明する。なお、比較例2は、現像装置3に当接ブラシ14及び異物保持領域18が設けられていないことを除いて、本実施例と同じ構成を有する。画像出力試験は、次のような条件で行った。紙粉が大量に発生し得る記録材PとしてA4サイズのCentury Star紙(CenturyTextiles&Industries社製)を用い、印字率2%のテキストパターンを25ppmで5000枚片面プリントした。また、プリント枚数1000枚ごとにハーフトーン画像を上下左右の余白5mmで用紙全面に印刷し、規制部eのトナーコート不良起因の縦スジが発生するか否かを評価した。評価基準は、ハーフトーン画像中で通紙方向((記録材Pの搬送方向))に沿って延びるスジ(縦スジ)が発生しない場合を良好(○)、縦スジが1本以上発生する場合を不良(×)とした。
【0067】
評価結果を表2に示す。表2では、本実施例と比較例2について、1000枚ごとにサンプリングした評価画像の評価結果(トナーコート不良起因の縦スジの有無)を示している。
【表2】
【0068】
表2に示すように、比較例2では、プリント枚数が1000枚の時点で規制部eでの紙粉の挟み込みが起こり、トナーコート不良起因の縦スジが発生した。トナー容器11を確認すると、トナー供給ローラ8の表面近くのセル内に紙粉が入り込んでいることが確認された。トナー容器11内に回収された紙粉が多量のため、少ない通紙枚数でもトナー供給ローラ8のセル内に紙粉が溜まる。供給部fにて現像ローラ5に対して紙粉がトナー10と共に供給され、紙粉が規制部eに到達した際に紙粉の挟み込みが起こることで、トナー供給ローラ8の表面近くのセル内に紙粉が入り込んだと考えられる。そのため、比較例2では、1000枚以降の画像出力試験を継続すると、トナー供給ローラ8に溜まる紙粉の量が更に増えることにより、より多くの縦スジが発生し続けた。
【0069】
一方、本実施例では、プリント枚数が5000枚の時点でも規制部eでの紙粉の挟み込みは発生せず、縦スジは発生しなかった。トナー容器11を確認すると、トナー供給ローラ8のセル内に入り込んでいる紙粉の量が抑制されており、代わりに当接ブラシ14及び異物保持領域18内に多量の紙粉が保持されていることが確認された。
【0070】
図6は、本実施例の画像形成装置を用いて、前述の画像出力試験をおこなった後の、トナー供給ローラ8、当接ブラシ14及び異物保持領域18の模式図である。トナー供給ローラ8のセル内の紙粉は、当接ブラシ14の起毛部14Aによって掻き取られ、起毛部14Aの内部に保持されている。現像装置3内に回収される紙粉の量が多いため、起毛部14A内に保持しきれない紙粉が、トナー供給ローラ8の回転方向におけるトナー供給ローラ8と当接ブラシ14との当接部の上流側で塞き止められ、掻き落される。その結果、トナー供給ローラ8の回転方向におけるトナー供給ローラ8と当接ブラシ14との当接部の上流側にオーバーフローしている。
【0071】
当接ブラシ14からオーバーフローした紙粉は、トナー供給ローラ8の回転方向におけるトナー供給ローラ8と当接ブラシ14との当接部の上流側に設けられた異物保持領域18に入り込む。ここで、異物保持領域18の高さhを4.0mmに設定しているので、トナー供給ローラ8の周りのトナー10の循環に影響を与えない。そのため、異物保持領域18に入り込んだ紙粉は、トナーと共に循環せずに、異物保持領域18に保持される。このように、異物保持領域18は、トナー供給ローラ8の表面から除去された紙粉などの異物を保持する。また、当接ブラシ14から紙粉がオーバーフローすることで、当接ブラシ14の機能が維持されている。このように、当接ブラシ14及び異物保持領域18の構成及び効果により、トナー供給ローラ8に溜まる紙粉の量が減少し、トナー10と共に現像ローラ5に供給される紙粉の量が減ったことで、規制部eにおける紙粉の挟み込みが抑制される。
【0072】
本実施例のトナー容器11は、トナー供給ローラ8に当接する当接ブラシ14と、トナー供給ローラ8の回転方向におけるトナー供給ローラ8と当接ブラシ14との当接部の上流側に異物保持領域18を有する。当接ブラシ14によってトナー供給ローラ8の表面の異物を除去し、当接ブラシ14からオーバーフローした異物を異物保持領域18に保持する。これにより、紙粉などの異物が現像装置3内に多量に混入した場合においても、トナー10と共に紙粉などの異物が現像ローラ5に供給されることを抑制し、規制部eでのトナーコート不良起因の画像不良を抑制することができる。この結果、長期間にわたり良好な画像を得ることができる。
【0073】
本実施例においても、当接ブラシ14として固定式のシートブラシを用いているが、当接ブラシ14はシートブラシに限定されない。当接ブラシ14として例えば金属芯金にブラシシートをロール状に巻き付けたブラシローラを用い、当接ブラシ14がトナー供給ローラ8と接するように、当接ブラシ14をトナー容器11内に回転可能に配置してもよい。この場合も、トナー供給ローラ8のセル内の紙粉に対し、当接ブラシ14の起毛部14Aが紙粉を掻き取ることにより、トナー供給ローラ8に溜まる紙粉の量を抑制するという効果を得ることができる。また、記録材Pとしてプラスチックシート等を用いた場合に発生する粉末等の異物により発生する課題に対しても本実施例の構成を採用することで、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0074】
1…感光ドラム、3…現像装置、5…現像ローラ、8…トナー供給ローラ、9…現像ブレード、11…トナー容器、14…当接ブラシ
図1
図2
図3
図4
図5
図6