(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/02 20060101AFI20240610BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20240610BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
G03G15/02 103
G03G21/18 114
G03G21/16 133
G03G21/18 157
(21)【出願番号】P 2020102715
(22)【出願日】2020-06-12
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 文朗
(72)【発明者】
【氏名】谷口 仁
(72)【発明者】
【氏名】戸田 純
(72)【発明者】
【氏名】松下 駿介
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-251195(JP,A)
【文献】実開昭63-088858(JP,U)
【文献】特開平06-194934(JP,A)
【文献】特開2007-025681(JP,A)
【文献】特開2009-288599(JP,A)
【文献】特開平08-227207(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0074044(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
13/02
13/14-13/16
15/00
15/02
15/14-15/16
21/16-21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な感光体と、
現像剤を収容する収容部と、前記感光体を帯電させるための帯電部材と、前記帯電部材と接触し、前記帯電部材に対して相対移動することで前記帯電部材を清掃する清掃部材と、
を有する、装置本体に着脱可能なカートリッジと、
前記収容部に前記現像剤が補給されるための補給口と、
前記カートリッジを前記装置本体に装着するために前記装置
本体の内部を露出す
る第1の開位置と、前記装置本体の内部を露出しない第1の閉位置と、に開閉可能な第1の開閉部材と、
前記収容部に現像剤を補給する際に前記補給口を露出する第2の開位置と、前記補給口を露出しない第2の閉位置と、に開閉可能な第2の開閉部材と、
前記
第2の開閉部材の開閉に連動して位置固定された前記帯電部材に対して前記清掃部材を相対移動させる駆動機構
と、を備え
、
前記感光体の回転軸線方向において、前記感光体の一端側よりも外側に前記補給口が配置され、前記第2の開閉部材の開閉方向は前記回転軸線方向であり、前記清掃部材は、前記回転軸線方向に移動可能に設けられており、
前記カートリッジを前記装置本体に着脱する場合において、前記第1の開閉部材が前記第1の閉位置の状態から前記カートリッジを着脱可能な状態とする前記第1の開位置に移動した場合の、前記第1の閉位置に位置した前記第1の開閉部材と前記第1の開位置に位置した前記第1の開閉部材とで形成される角度よりも、
前記清掃部材が前記回転軸線方向において前記感光体の他端側に位置する状態である前記第2の閉位置に位置する前記第2の開閉部材が、前記清掃部材が前記回転軸線方向において前記一端側に位置し、かつ、前記補給口を露出した状態である前記第2の開位置に移動した場合において、前記第2の閉位置に位置した前記第2の開閉部材と前記第2の開位置に位置した前記第2の開閉部材とで形成される角度の方が小さくなるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記帯電部材は、ワイヤを含み、
前記清掃部材は、前記ワイヤを挟み込むスポンジを含み、前記ワイヤの長手方向に沿って移動することを特徴とする請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記
第2の開閉部材と前記清掃部材とを連結するアームと、前記アームの移動をガイドするレールと、を含むことを特徴とする請求項1
又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記駆動機構は、モーターと、前記モーターの駆動力を前記清掃部材に伝達する伝達手段と、を含むことを特徴とする請求項1
又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記伝達手段は、環状のベルトと、前記ベルトを張架しかつ回転させるローラと、を含み、前記ベルトが前記清掃部材と係合していることを特徴とする請求項
4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記
第2の開閉部材の開閉を検知する検知手段を備え、
前記駆動機構は、前記検知手段が前記
第2の開閉部材の開閉を検知すると、前記帯電部材と前記清掃部材とを相対移動させることを特徴とする請求項
4又は
5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記
第2の開閉部材と前記駆動機構は、前記装置本体に設けられており、
前記清掃部材と前記駆動機構は、前記カートリッジが前記装置本体に装着されたときに互いに駆動連結する係合手段を有することを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記係合手段は、前記清掃部材と前記駆動機構のいずれか一方に設けられた凸部と、他方に設けられた凹部と、を含み、前記凸部と前記凹部が、前記カートリッジが前記装置本体に装着される際
の着脱方向に嵌合し、前記駆動機構の駆動により前記着脱方向と直交する方向に互いに当接することで、前記駆動機構の駆動力を前記清掃部材に伝達することを特徴とする請求項
7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記帯電部材は、前記カートリッジの枠体に固定され、
前記清掃部材は、前記枠体に設けられたガイドスリットに沿って移動可能に組み付けられていることを特徴とする請求項
8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記ガイドスリットは、前記着脱方向と直交する方向に延びるように前記枠体に設けられていることを特徴とする請求項
9に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真技術を用いた画像形成装置において、感光体ドラムを帯電させる方式として、帯電ワイヤを用いたコロナ帯電方式が知られている。このコロナ帯電方式では、画像形成動作を繰り返していくと、帯電ワイヤ上に異物が付着することで放電能力が低下し縦スジ画像が発生するという問題があった。そのため、帯電ワイヤに付着する異物を除去する清掃部が設けられているものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、画像形成装置の筐体のカバーを開けるとワイヤ清掃用の操作部が露出し、この操作部をユーザが動かすことで帯電ワイヤが清掃できるようになっている。これよりプロセスカートリッジを画像形成装置の装着位置から取り出すことなく、帯電ワイヤ清掃部材を操作することで帯電ワイヤのクリーニングを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の方法では、ユーザ自身がまず画像形成装置のカバーを大きく開き、さらに、清掃部材を手で帯電ワイヤ全域を動かすことで帯電ワイヤの清掃を行うため、ユーザの作業負荷が多かった。
【0005】
本発明の目的は、帯電部材の清掃のためのユーザの作業負荷を低減することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
回転可能な感光体と、現像剤を収容する収容部と、前記感光体を帯電させるための帯電部材と、前記帯電部材と接触し、前記帯電部材に対して相対移動することで前記帯電部材を清掃する清掃部材と、を有する、装置本体に着脱可能なカートリッジと、前記収容部に前記現像剤が補給されるための補給口と、前記カートリッジを前記装置本体に装着するために前記装置本体の内部を露出する第1の開位置と、前記装置本体の内部を露出しない第1の閉位置と、に開閉可能な第1の開閉部材と、前記収容部に現像剤を補給する際に前記補給口を露出する第2の開位置と、前記補給口を露出しない第2の閉位置と、に開閉可能
な第2の開閉部材と、前記第2の開閉部材の開閉に連動して位置固定された前記帯電部材に対して前記清掃部材を相対移動させる駆動機構と、を備え、
前記感光体の回転軸線方向において、前記感光体の一端側よりも外側に前記補給口が配置され、前記第2の開閉部材の開閉方向は前記回転軸線方向であり、前記清掃部材は、前記回転軸線方向に移動可能に設けられており、前記カートリッジを前記装置本体に着脱する場合において、前記第1の開閉部材が前記第1の閉位置の状態から前記カートリッジを着脱可能な状態とする前記第1の開位置に移動した場合の、前記第1の閉位置に位置した前記第1の開閉部材と前記第1の開位置に位置した前記第1の開閉部材とで形成される角度よりも、前記清掃部材が前記回転軸線方向において前記感光体の他端側に位置する状態である前記第2の閉位置に位置する前記第2の開閉部材が、前記清掃部材が前記回転軸線方向において前記一端側に位置し、かつ、前記補給口を露出した状態である前記第2の開位置に移動した場合において、前記第2の閉位置に位置した前記第2の開閉部材と前記第2の開位置に位置した前記第2の開閉部材とで形成される角度の方が小さくなるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、帯電部材の清掃におけるユーザの作業負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】プロセスカートリッジを備えた画像形成装置の断面図
【
図12】清掃部材の動作と側面カバー開閉動作の連動を示す図
【
図13】清掃部材の動作と側面カバー開閉動作の連動を示す図
【
図14】清掃部材の動作と側面カバー開閉動作の連動を示す図
【
図27】実施例2の清掃動作を実行するまでのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0010】
(実施例1)
以下の説明において、画像形成装置1を使用するユーザを基準にした方向を定義している。つまり、画像形成装置1の正面側を「前」、背面側を「後」、上面(天面)側を「上」、下面(底面)側を「下」としている。また画像形成装置1を正面側から見た時の画像形成装置1の左側を「左」、右側を「右」とする。プロセスカートッジ5についても、画像形成装置1に装着された状態と同じ姿勢であるものとして画像形成装置1と同様に方向を定義している。各図面における各方向は図面に記される矢印によって定義されている。この矢印で示される前後方向、上下方向、左右方向は互いに直交する方向である。これらの方向は全ての図面で同じ方向を示している。上下方向は鉛直方向と平行で、左右方向及び前後方向は水平方向と平行である。また、左右方向は感光ドラム51の回転軸線方向、及び、現像ローラ71の回転軸線方向とそれぞれ平行である。また、現像ユニット7を感光体ユニット6に装着して一体化したものをプロセスカートッジ5と称す。このプロセスカートリッジ5は装置本体2に装着する際の図中矢印S1方向に挿入され(装着方向)、図中矢印S2方向に取り外しされる。
【0011】
<画像形成装置の全体構成>
図1はプロセスカートリッジ5が装着された画像形成装置1の断面図である。画像形成装置1は、装置本体2内に用紙Sを供給するための給紙部3と、露光装置4と、用紙S上にトナー像を転写するプロセスカートリッジ5と、用紙S上に転写されたトナー像を熱定着する定着装置8と、トナー供給ユニット94を主に備えている。
【0012】
給紙部3は、装置本体2内の下部に設けられ、給紙トレイ31と、給紙機構32とを主に備えている。給紙トレイ31に収容された用紙Sは、給紙機構32によってプロセスカートリッジ5(感光ドラム51と転写ローラ63との間)に向けて供給される。
【0013】
露光装置4は、装置本体2内の上部に配置され、図示しないレーザ発光部や、符号を省略して示すポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。この露光装置4では、レーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光が、感光ドラム51の表面で高速走査されることで、感光ドラム51の表面を露光する。
【0014】
プロセスカートリッジ5は、露光装置4の下方に配置されている。装置本体2に設けられたドア(開閉部材)21を開いたとき(
図1に二点鎖線で記載)にできる開口から装置本体2の収容部23に挿入方向S1で挿入され、装置本体2に装着される構成となっている。プロセスカートリッジ5を装置本体2から取り外す際は取り外し方向S2にプロセスカートリッジ5を移動させて取り出す。
【0015】
このプロセスカートリッジ5は、主に感光体ユニット6と現像ユニット7を備えている。感光体ユニット6は、像担持体(感光体)としての感光ドラム51、スコロトロン型帯電器52、清掃部材54、および、転写ローラ63を主に備えている。現像ユニット7は、感光体ユニット6に対して着脱可能に装着される構成となっている。現像ユニット7は、現像ローラ71と、供給ローラ72と、層厚規制ブレード73と、トナー(現像剤)を収容するトナー収容部(現像剤収容部)74と、トナー収容部74内に設けられる第1アジテータ75A、第2アジテータ75Bとを主に備えている。
【0016】
スコロトロン型帯電器52は、感光ドラム51に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。また左右方向に向かって延びている帯電部材としての帯電ワイヤ53が設けられている。また、帯電ワイヤ53を清掃するために、スポンジなどで構成された清掃部材54が帯電ワイヤ53に接触して設けられている。なお清掃部材54は、帯電ワイヤ53の延びる方向(長手方向)に沿って、移動可能である。
【0017】
トナー供給ユニット94は
図6に示すように、現像ユニット7の右側に位置する。トナー供給ユニット94(詳しくは後述)はプロセスカートリッジ5の現像ユニット7に対して、トナーを供給可能である。トナー供給ユニット94は装置本体2に取り付けられている。
【0018】
<画像形成プロセス>
次にこのプロセスカートリッジ5を用いた画像形成プロセスについて説明する。感光ドラム51は、画像形成プロセス実行中に回転駆動されている。最初にスコロトロン型帯電器52により感光ドラム51の表面が一様に帯電され、その後、露光装置4から発せられる画像データに対応したレーザ光で露光されることで、感光ドラム51上に画像データに対応する静電潜像が形成される。
【0019】
一方で、トナー収容部74内のトナーは、第2アジテータ75B、第1アジテータ75Aで撹拌された後、供給ローラ72を介して現像ローラ71に供給される。そして、現像ローラ71に供給されたトナーは、現像ローラ71と層厚規制ブレード73の間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ71上に担持される。
【0020】
現像ローラ71上に担持されたトナーは、感光ドラム51上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像にトナーが付着して可視像化され、感光ドラム51上にトナー像が形成される。その後、感光ドラム51と転写ローラ63の間に用紙Sが搬送され、感光ドラム51上のトナー像が用紙S上に転写される。この時、感光ドラム51上に残留した転写残トナーは、現像ローラ71によって回収され、現像ユニット7に再び戻される。
【0021】
定着装置8は、プロセスカートリッジ5の後方に配置され、加熱ローラ92と加圧ローラ91とを主に備えている。トナー像が転写された用紙Sはこの定着装置8を通過し、その際に、用紙Sが加熱ローラ92と加圧ローラ91との間で加熱及び加圧され、トナー像が用紙S上に定着させられる。定着装置8を通過した用紙Sは、排紙トレイ22上に排出される。
【0022】
<プロセスカートリッジの構成>
次にプロセスカートリッジ5の各ユニットについて説明する。前述のように、プロセスカートリッジ5は、感光体ユニット6と、感光体ユニット6に着脱可能な現像ユニット7を備えている。
【0023】
<現像ユニットの構成>
まず、現像ユニット7の構成について説明する。
図2は、現像ユニット7の断面図であり、
図3のA-A断面での断面図である。
図3は現像ユニット7を上方から見た斜視図、
図9はプロセスカートリッジ5を上方から見た斜視図である。
図4は、現像ユニット7の分解斜視図である。
図5は、感光体ユニット6に装着された現像ユニット7(プロセスカートリッジ5)の断面図であり、その断面は上下方向及び前後方向に平行である。
図6は、現像ユニット7の上視図であり、説明のため筐体700の天面とサイドホルダ719を取り除いた状態を示している。
【0024】
現像ユニット7は、
図2に示すように、現像枠体としての筐体700の前方にユーザが把持する把持部701を有し、後方に現像ローラ71が回転可能に支持されている。以降、現像ユニット7の構成に関して、現像ローラ71の回転軸線方向を軸方向と称して説明する。
【0025】
図4、
図6に示すように、現像ローラ71、供給ローラ72、第1アジテータ(第1撹拌部材)75A、及び第2アジテータ(第2撹拌部材)75Bは、それぞれその両端を筐体700の左側壁704と右側壁705に回転可能に支持されている。筐体700の左側壁704よりも左側には、現像カップリング710、現像ローラギヤ711、供給ローラギヤ712、第1アジテータギヤ713、第2アジテータギヤ714、現像スクリューギヤ715A、
アイドルギヤ715B、715Cが設けられている。現像ローラギヤ711は現像ローラ71の端部に固定され、供給ローラギヤ712は供給ローラ72の端部に固定されている。また、第1アジテータギヤ713は第1アジテータ75Aの撹拌棒78A(
図5参照)の端部に固定され、第2アジテータギヤ714は第2アジテータ75Bの撹拌棒78B(
図5参照)の端部に固定されている。
【0026】
現像ユニット7のトナー収容部74の内部には、
図6に示すように、スクリュー96を備える。
【0027】
スクリュー96は、トナー収容部74の右側壁705を貫通し、左右方向に見て接続筒98と重なり、連通している。なお、トナー収容部74と接続筒98との間には、シール部材99が介在される。また接続筒98に関しては後述する。
【0028】
シール部材99は、略円筒形状を有する。シール部材99は、トナー収容部74と接続筒98との間からのトナー漏れを抑制する。シール部材99は、現像ユニット7が、感光体ユニット6に対して回動し、左右方向から見て、トナー収容部74と接続筒98とがずれた場合であっても、トナー収容部74と接続筒98とを接続し、トナー収容部74と接続筒98との間からのトナー漏れを抑制する。
【0029】
スクリュー96は、
図2に示すように、トナー収容
部74内に位置する。スクリュー96は、左右方向に延びる。スクリュー96はオーガスクリューである。スクリュー96の左端部は、トナー収容
部74の左側壁704を貫通して現像スクリューギヤ715
Aに接続されている。スクリュー96の右端部は、トナー収容
部74の右側壁705に回転可能に支持される。
【0030】
図3に示すように、現像ユニット7には、現像ローラ71に電気的に接続され、現像ローラ71に印加される電圧が供給される第1電気接点720A、及び供給ローラ72に電気的に接続され、供給ローラ72に印加される電圧が供給される第2接点720Bが設けられている。これらの電気接点が装置本体2に設けられた不図示の電力供給接点と接触することで、現像ローラ71、供給ローラ72に電力を供給する。
【0031】
装置本体2に設けられた前ドア21を閉じる動作に連動して、装置本体2に設けられた不図示の現像駆動伝達部材が、現像カップリング710に係合するための位置へ移動する。逆に前ドア21を開く動作に連動して、現像駆動伝達部材は、現像カップリング710との係合を解除する位置へ移動する。
【0032】
前ドア21を閉めた後、装置本体2が動作すると、現像駆動伝達部材から駆動力受部材としての現像カップリング710に駆動力が伝達(入力)され、現像カップリング710の周面に設けられたギヤから現像ローラギヤ711を介して現像ローラ71が、供給ローラギヤ712を介して供給ローラ72が回転可能となる。現像駆動伝達部材は、現像カップリング710の所定範囲内での位置ずれを許容して、現像カップリング710に駆動力を伝達することができる構成となっている。現像カップリング710、現像ローラギヤ711、供給ローラギヤ712は、筐体700に取り付けられたサイドホルダ719によって、軸方向の移動を規制されている。
【0033】
現像ユニット7は、2本の第1アジテータ75A、第2アジテータ75Bを採用し、トナー収容部74内のトナーを撹拌している。第1アジテータ75Aは、撹拌棒78Aと撹
拌シート79Aを備える。第1アジテータ75Aは、現像カップリング710から現像スクリューギヤ715Aを介して、第1アジテータギヤ713で駆動力を受けて回転可能に構成されている。第2アジテータ75Bは、撹拌棒78Bと撹拌シート79Bを備える。第2アジテータ75Bは、第1アジテータギヤ713からアイドルギヤ715B、715Cを介して、第2アジテータギヤ714で駆動力を受けて回転可能に構成されている。
【0034】
第2アジテータ75Bは、トナー収容部74内のトナーを第1アジテータ75A側へ供給している。トナー収容部74内の第1アジテータ75Aの近くにあるトナーは、第1アジテータ75Aで撹拌された後、供給ローラ72側へ供給され、更に供給ローラ72によって現像ローラ71に供給される。
【0035】
また、
図4、
図9に示すように、現像ユニット7の左側端部には検知部80が設けられている。検知部80は、内部に設けられた検知部材81の状態を、装置本体2に設けられた検知機構(不図示)で検出できるように備えられている。この検知部材81の状態によって、現像ユニット7が未使用のものであるか、すでに使用されたものかを判定することができる。
【0036】
図15(a)、(b)を用いて検知部材81の動作の様子を説明する。
図15(a)、(b)は現像ユニット7を左側側面から見た図である。説明のため、サイドホルダ719を取り外した図になっている。
図15(a)に示すように、検知部材81には、検知突起83と、検知ギヤ82が設けられている。図に示すように検知ギヤ82は欠け歯ギヤとなっている。検知部材81は、第2アジテータギヤ714から検知ギヤ82に駆動力を受ける。
【0037】
図15(a)は、現像ユニット7が未使用の状態を示している。検知突起83は検知部材81の上方前側に位置している。また、検知ギヤ82は第2アジテータギヤ714と噛み合っている。現像ユニット7が使用されると、現像カップリング710が装置本体2の現像駆動伝達部材から受けた駆動力により、第2アジテータギヤ714が図中矢印R3方向に回転する。このとき、検知ギヤ82は第2アジテータギヤ714と噛み合っているため検知部材81は図中矢印R4の方向に回転する。
図15(b)は、検知部材81が回転した後の状態である。検知ギヤ82は、欠け歯ギヤであるため、検知部材81が図中矢印R4方向に回転し、第2アジテータギヤ714と噛み合うギヤ歯がなくなると検知部材81は回転を停止する。この時、検知突起83は検知部材81の上方後側に位置する。
【0038】
この検知部材81の検知突起83の位置を装置本体2に設けられた検知機構(不図示)で検出することで、現像ユニット7が未使用のものであるか、すでに使用されたものかを判定することができる。
【0039】
図16は、現像ユニット7を下から見た斜視図である。図に示すように、現像ユニット7の底面には、メモリ85と位置決め突起86が備えられている。メモリ85は現像カートリッジ7に関する情報を記憶しているメモリチップ(不図示)と、メモリチップと導通しているメモリ電極85Aが備えられている。メモリ電極85Aは装置本体2に設けられた不図示の電極と接触し、メモリチップと装置本体2との通信を行う。
【0040】
<感光体ユニットの構成と現像ユニットの支持>
次に、感光体ユニット6の詳細構成について説明する。
図17は、プロセスカートリッジ5の斜視図である。
図18(a)は、感光体ユニット6の部分斜視図、
図18(b)は
図18(a)中の断面B-Bの断面図である。
図19は、現像ユニット7と感光体ユニット6の斜視図である。
図20は、感光体ユニット6と現像ユニット7と現像ローラ71の左右方向の配置関係を示す上視図である。図
21(a)はプロセスカートリッジ5を下方から見た斜視図、図
21(b)は現像ユニット7と感光体ユニット6の感光ドラム51の軸線方向の位置決め部の斜視図である。図
21(b)は説明のため、現像ユニット7は位置決め突起86とメモリ85だけを記している。
【0041】
感光体ユニット6は、
図17に示すように、一対の左側壁611と右側壁612を有するフレーム610と、フレーム610の後方に回転可能に支持された感光ドラム51を主に備える。フレーム610の前方には、現像ユニット7が装着可能な装着部615(
図19参照)とユーザが感光体ユニット6を把持する把持部617と、現像ユニット7を押圧する押圧部材640と、現像ユニット7を持ち上げるリフト部材(移動部材)642と、を備えている。リフト部材642は装着部615に装着された現像ユニット7を持ち上げる。左右方向において左側壁611と右側壁612の間に装着部615に装着された現像ユニット7のトナー収容部74が配置される。
【0042】
フレーム610の後方には、左側壁611から感光ドラムと同軸に突出する第一位置決め突起660と第一ガイドリブ662が設けられている。同様に、右側壁612から感光ドラムと同軸に突出する第二位置決め突起661と、第二ガイドリブ663が設けられている。(
図20、
図17参照)
【0043】
現像ユニット7に収納されるトナー量から決まる現像ユニット7の寿命は、感光ドラム51の感光層の厚みから決まる感光体ユニット6の寿命に比べて短く設定されている。従って、寿命に到達した現像ユニット7だけを感光体ユニット6とは別に交換する必要がある。その場合は、前ドア21を開いて装置本体2内からプロセスカートリッジ5を取り出し、寿命に達した現像ユニット7を感光体ユニット6から取り外し、図19の装着方向ADで示すように、別の現像ユニット7を感光体ユニット6に取り付ける。その後、現像ユニット7が装着された感光体ユニット6をプロセスカートリッジ5として装置本体2へ装着する。
【0044】
図9、
図17、
図24に示すように、フレーム610の左側壁611、右側壁612には、感光ドラム51よりも前方に現像ローラ71の回転軸受け部材746A、及び746Bを受ける受け部641が形成されている。受け部641は、左側から見た時に前側が開放された略U字の凹部であり、現像ユニット7を感光体ユニット6に装着する過程で、現像ローラ71の回転軸746がその中に挿入される。受け部641は、現像ユニット7を感光体ユニット6に支持しつつ、図
19に示す現像ユニット7の装着方向ADへの移動をガイドする。
【0045】
また、
図20に示すように、フレーム610の底面613の左右方向で両端部に上方向に突出した突起部643を設けている。この突起部643は、
図16に示す現像ユニット7の筐体700の底部に設けられたリブ718に当接することで現像ユニット7を移動可能に支持している。
【0046】
図
18(a)に示すように感光体ユニット6にはフレーム610に設けられた位置決め穴68と、接触開口69が感光ドラム51の回転軸線方向(左右方向)の一端側に設けられている。ここで、一端側とは、感光ドラム51の左右方向の長さにおける等分線に対して同一の側であることを言う。現像ユニット7が感光体ユニット6に設置されると、
図18(a)、
図18(b)に示すように、現像ユニット7の位置決め突起86が、感光体ユニット6の位置決め穴68に挿入される。位置決め突起86と位置決め穴68は感光ドラム51の軸線方向(左右方向)が嵌合しており、感光体ユニット6に対する現像ユニット7の左右方向の位置が決まる。また、現像ユニット7のメモリ85は感光体ユニット61の接触開口69を介してプロセスカートリッジ5の下部に露出する。
【0047】
ここで、
図18(a)、
図16(b)に示すように、感光体ユニット6のフレーム610にはボックス状の凹部90Lが感光ドラム51の回転軸線方向(左右方向)の一端側に設けられている。また、凹部90Lは感光ドラム51の回転軸線方向(左右方向)から見て、位置決め穴68と重なる位置に設けられている。この凹部90Lにより、位置決め穴68を設けることで強度が低下した周囲の部位を補強し強度を上げている。
図18(b)に示すように、凹部90Lの深さD2は、位置決め穴68の深さD1より深くなっており、補強の効果を大きくしている。この構成により、感光体ユニット6の位置決め穴68周辺の強度が上がり、現像ユニット7の位置決め突起86と、感光体ユニット6の位置決め穴68による両ユニットの左右方向の位置決め精度があがる。その結果、メモリ85のメモリ電極85Aと装置本体2に設けられた電極との位置精度が上がり、確実な電極間当接が実現できる。
【0048】
図18(a)、
図16(b)に示すように、凹部90Lの感光ドラム51側にシート部材93Lが設けられている。シート部材93Lの先端部93LAは感光ドラム51に当接している。この構成により、画像形成時に感光ドラム51表面上に付着した不要なトナー、紙粉等の異物を先端部93LAでかき落として画像不良を防止している。本構成では、かき落とされた不要なトナー、紙粉等の異物が凹部90Lに落ちて捕集される。そのため、異物が散らばることによる、プロセスカートリッジ5の汚染や、異物の用紙Sへの落下による画像不良の発生を防止できる。このように凹部90Lを補強構造と異物捕集に用いることで、凹部90Lとは別に異物捕集用の構成を設けることが不要となり、カートリッジの小型化や、構成の簡素化を実現できる。
【0049】
図19に示すように、感光体ユニット6の位置決め穴68の左右方向反対側にはボックス状凹部を備える異物ボックス90Rが設けられている。異物ボックス90Rの感光ドラム51側にはシート部材93Rが設けられている。シート部材93Rの先端部93RAは感光ドラム51に当接している。前述のシート部材93Lと同様に、画像形成時に感光ドラム51表面上に付着した不要なトナー、紙粉等の異物を先端部93RAでかき落として画像不良を防止している。かき落とされた不要なトナー、紙粉等の異物は異物ボックス90Rに落ちて、ボックス内に捕集される。
【0050】
図19に示すように、押圧部材640は、フレーム610の前方にあり、かつ、左右方向に関してフレーム610の両端部に設けられている。押圧部材640は付勢部材としての圧縮バネ640Aにより前から後へ向かう方向へ付勢されている。このため、圧縮バネ640Aの付勢力により、押圧部材640は現像ユニット7の筐体700に設けられている被押圧リブ716A、716Bをそれぞれ押圧する。押圧部材640によって現像ユニット7を押圧することで、現像ローラ71を感光ドラム51に向けて付勢する。
【0051】
図19、
図9に示すように、感光体ユニット6の左側壁611には、凹部664が設けられており、現像ユニット7の検知部80が位置している。凹部664によりフレーム610の剛性が落ちるため、その下部に第一ガイドリブ662の一部が重なるように配置している。この第一ガイドリブ662が補強部材として作用するためフレーム610の剛性の低下を軽減できる。
【0052】
また、
図18に示すように、感光ドラム51の左端部には感光体ギヤ(第1ギヤ)65と転写ギヤ(第2ギヤ)66が固定され、感光ドラム51と一体的に回転する構成となっている。プロセスカートリッジ5が装置本体2に装着されると、装置本体2の駆動ギヤ(図示せず)と感光体ギヤ65とが噛合うことで、感光ドラム51及び転写ギヤ66に駆動力が伝達されて回転可能な状態となる。更に転写ギヤ66は転写ローラ63の左端部に固定された転写ローラギヤ(第3ギヤ)67に噛み合っており、転写ローラ63も回転可能
な状態となる。
【0053】
<現像ユニット7のリフト機構>
図22は現像ユニット7とリフト部材642の部分斜視図である。
図23は現像ユニット7が装着された感光体ユニット6の上視図であり、
図23(a)ではリフト部材642を透かして示しており、
図23(b)ではリフト部材642を透かさず示している。
図19は感光体ユニット6と現像ユニット7の断面図であり、その断面は上下方向及び前後方向に平行である。図
24(a)は現像ユニット7が感光体ユニット6に装着されている状態、図
24(b)は感光体ユニット6の上に現像ユニット7が載っている状態である。
【0054】
感光体ユニット6に装着された現像ユニット7はリフト機構によって、リフトアップ状態へと移行した後に、感光体ユニット6から取り外される。このリフト機構について以下に詳述する。
【0055】
図22に及び
図24に示すように、リフト部材642の少なくとも一部は、現像ユニット7の筐体700に対して前側に配置されつつ、圧縮バネ650の力を受けた状態で右側壁612に回転可能に支持されている。また、リフト部材642の少なくとも一部は、トナーを収容する筐体700の右側壁705及び押圧部材640に対し、前後方向で重なるよう配置されている。リフト部材642の回転軸線642Xは左右方向(感光ドラム51の軸線方向)に平行である。リフト部材642は圧縮バネ650の力によってR1方向に回転するほうに付勢されている。
【0056】
ユーザが、圧縮バネ650の力に逆らってリフト部材642の操作部642Aを押してリフト部材642をR2方向に回転させることで、リフト部材642が突出部751を押圧し、現像ユニット7を感光体ユニット6から離脱する離脱方向LDへ移動させる。これにより、現像ユニット7は感光体ユニット6から取り外すことができる状態となる。操作部642Aは感光体ユニット6の右端部側(一端部側)に配置されている。
【0057】
図24(a)に示すように、現像ユニット7が感光体ユニット6に装着されている装着状態では、押圧部材640によって、筐体700が押圧されることで現像ローラ71が感光ドラム51に向かって押しつけられている。また、押圧部材640によって現像ユニット7が感光体ユニット6から離脱しないようにロックされている。
【0058】
図22に示すように、リフト部材642は、その一端が、筐体700の突出部751の当接面(当接部)751Aを上方へ移動させる。これにより、現像ユニット7を、装着部615(
図24参照)に装着された装着位置から離脱方向LDへ移動させて感光体ユニット6から離脱させることができる。
【0059】
図24(b)に示すように、現像ユニット7の前部が感光体ユニット6から離脱していくと、現像ユニット7は、筐体700の被支持面700cが押圧部材640の保持部640Bで支持された仮支持位置で保たれる。また、仮支持位置にある現像ユニット7は、現像ローラ71の回転軸受部材746B(746A)が受け部641に支持された状態である。この状態をリフトアップ状態と呼ぶ。このとき、ロック(現像ユニット7を感光体ユニット6から取り外すことの規制)は解除されている。このリフトアップ状態において、ユーザが把持部701を掴んで現像ユニット7をそのまま持ち上げれば、他の部材を移動させるなどすることなく、現像ユニット7を感光体ユニット6から取り外すことができる。このようにして、ユーザは、感光体ユニット6から現像ユニット7を取り外して、新品の現像ユニット7を感光体ユニット6へ装着することができる。
【0060】
[スコロトロン帯電器の清掃部材]
スコロトロン型帯電器52の帯電ワイヤ53を清掃するための、清掃部材54について説明する。
図10のように、左右方向に向かって延びている帯電ワイヤ53を清掃するために、スポンジ55などで構成された清掃部材54が帯電ワイヤ53に接触して設けられている。スポンジ55は、切れ込みを有し、該切れ込みに帯電ワイヤ53が挟み込まれるよ
うに保持された構成、あるいは、平板状のスポンジが帯電ワイヤ53を挟み込むように折り返されて保持された構成となっている。清掃部材54が帯電ワイヤ53の長手方向に沿って移動することで、帯電ワイヤ53を挟み込んだスポンジ55が帯電ワイヤ53回りの付着物を擦り取る。清掃部材54は、移動可能な範囲で、
図20のように、一番左側にいる位置がホームポジションとし、清掃動作をしないときにはこの位置にいる。
【0061】
[清掃部材が側面カバー開閉と連動する機構]
清掃部材54が、開閉部材としての側面カバー101の開閉動作と連動して動き、清掃動作を行う機構について説明する。
図11のように装置本体2に、清掃部材54を帯電ワイヤ53に対して相対移動させる駆動機構として、第1アーム56、アーム結合ピン57、第2アーム58、および、レール59が備え付けられている。第1アーム56の左端部は、アーム結合ピン57を用いて第2アーム58と結合(回転可能に連結)している。また第1アーム56の右端部60は、
図12~
図14のように側面カバー101と結合(回転可能に連結)されている。第2アーム58の下端部は、係合部として、
図10のような清掃部材54の上部の突起部と結合できるように、逆U字の形状をしている。アーム結合ピン57はレール59とも結合されており、レール59に沿って左右方向に平行移動することができる。
【0062】
プロセスカートリッジ5の感光体ユニット6に組み付けられた清掃部材54と、装置本体2に設けられた駆動機構とは、カートリッジ5が装置本体2に装着されたときに互いに駆動連結するための係合手段を備える。係合手段は、例えば、互いに係合可能な、清掃部材54と駆動機構のいずれか一方に設けられた凸部と、他方に設けられた凹部と、で構成することができる。本実施例では、清掃部材54に凸部を設け、駆動機構の第2アーム58の下端部に、逆U字形状の凹部を設けた構成としているが、逆の組合せに構成してもよい。該凹部は、カートリッジ5が装置本体2に装着される際における着脱方向に延び、かつ該着脱方向の両端が開放された溝形状を有し、カートリッジ5の装置本体2に対する着脱移動時に凸部が嵌合する(入り込む)ことができるように構成される。凹部と凸部は、該着脱方向と直交する方向に互いに当接可能に構成されている。清掃部材54は、感光体ユニット6の枠体に設けられたガイドスリット654に沿って移動可能に感光体ユニット6の枠体に組み付けられており、ガイドスリット654は上記着脱方向と直交する方向に延びている。この方向は、装置本体2において、第2アーム58がレール59によって案内される移動方向と一致している。したがって、カートリッジ5が装置本体2に装着されている状態においては、上記の凹部と凸部の上記着脱方向と直交する方向の当接(係合)により、装置本体2の駆動機構の駆動力が清掃部材54に伝達可能な状態となっている。すなわち、第2アーム58の動作に応じて清掃部材54がガイドスリット654の延びる方向に沿って移動することになる。
【0063】
これにより側面カバー101が閉じられているときに、清掃部材54がホームポジションにある状態で、感光体ユニット6が装置本体に装着すれば、清掃部材54の上側の突起部と、第2アーム58の逆U字部が結合した状態になる。よって
図12~
図14のように、側面カバー101の開閉動作に従って、第1アーム56が動き、レール59に沿って、第2アームが左右方向に平行移動するので、清掃部材54も連動して左右方向に動き、帯電ワイヤ53を清掃することができる。
【0064】
[トナー供給ユニットと接続筒]
画像形成装置1は、
図6に示すように、トナー供給ユニット94と、接続筒98を備え
る。
【0065】
トナー供給ユニット94は、接続筒98の右方に配置される。トナー供給ユニット94は、略ボックス形状を有する。トナー供給ユニット94は、突出部100を備える(
図7)。
【0066】
突出部100は、トナー供給ユニット94の上端部に位置する。突出部100は、トナー供給ユニット94の上壁の中央部分から、上方に向かって突出する。
【0067】
側面カバー101は、トナー供給ユニット94の上部から右側面にかけて位置し、
図13のような逆L字形状を有する。側面カバー101の上端部は、突出部100よりも上方に位置する。側面カバー101は、画像形成装置の右側面の下方位置を支点に、右方向に開閉可能である。この側面カバー101の開閉動作に応じて、後述する帯電ワイヤ53の清掃部材54を動かすことができるようになっている。
【0068】
接続筒98は
図6に示すように左右方向に延び、右端部はトナー供給ユニット94の左端部と連結し、接続筒98の左端部は、現像ユニット7のトナー収容部74の右端部と連結するよう設置されている。接続筒98は、
装置本体2に対して、離脱不能である。接続筒98は、
図6に示すように、流入口104および流出口105を有する接続筒98を備える。
【0069】
流入口104は、
図6に示すように、接続筒98の右端部に位置する。流入口104は、接続筒98の右端部を左右方向に貫通する。
【0070】
流出口105は、
図6に示すように、接続筒98の左端部に位置する。流出口105は
、接続筒98の左端部を左右方向に貫通する。流出口105は、シール部材99を介して、トナー収容
部74の右端部と連通している。
【0071】
スクリュー103は、接続筒98内、および、トナー供給ユニット94内に位置する。スクリュー103は、左右方向に延びるオーガスクリューである。スクリュー103の左端部は、接続筒98の左壁に回転可能に支持される。スクリュー103の右端部は、トナー供給ユニット94の右壁を付き抜け、不図示のモーターにつながっている。
【0072】
トナー
供給ユニット94は、
図7に示すように、受入口106と、蓋107とを備える。受入口106は、トナー供給ユニット94の上端部に位置し、略円筒形状を有する。蓋107は、受入口106に対して、着脱可能に装着される。
【0073】
[トナー供給ユニットへのトナー補充]
トナー供給ユニット94へのトナーの補充について、説明する。
【0074】
ユーザは、
図14のように側面カバー101を右方向に開ける。次にユーザは、
図8のようにトナー供給ユニット94の受入口106から蓋107を離脱させる。そして、ユーザは、トナー補充器108を、受入口106に挿入し、トナー供給ユニット94に対して、トナーを補充する。トナーの補充が完了すると、ユーザは、トナー供給ユニット94の受入口106に蓋107を装着する。そして、ユーザは側面カバー101を閉め、元の位置に戻す。この動作により、先述のように清掃部材54が移動し、帯電ワイヤ53を清掃する。
【0075】
本実施例のような構成をとることで、トナー供給ユニット94にトナー補給を行うときの側面カバー101の開閉動作によって、帯電ワイヤ53の清掃作業を行うことができる。よってこれまでユーザが感光体ユニット6を装置本体から取り出して、手作業で行っていた帯電ワイヤ53の清掃作業を削減しつつ、帯電ワイヤ53への異物付着による画像不良の発生を防ぐことができようになる。また、トナー補充のタイミングで、自動で帯電ワイヤ53を清掃することになるので、定期的に清掃を行うことになり、帯電ワイヤの清掃におけるユーザの作業負荷を低減させることができる。また、帯電ワイヤ53の異物付着に対して、良好な状態を維持しやすくなる。
【0076】
[本実施例の変形例]
なお、本実施例では感光体ユニット6が装置本体2から着脱可能になっているが、これに限るものではない。
【0077】
例えば、感光体ユニット6が装置本体2から着脱不可能になっている場合でも、本実施例と同様に側面カバー101の開閉動作と清掃部材54の移動を連動させることができる。
【0078】
また、スコロトロン型帯電器52が感光体ユニット6と別部材となり、装置本体2から取り出せないような構成になっても、本実施例のように帯電ワイヤ53の清掃部材54を、側面カバー101の開閉動作と連動させることができる。
【0079】
また、側面カバー101ではなく、前ドア21など装置本体の別の開閉部材と清掃部材54を連動させてもよい。
【0080】
さらに、側面カバー101等のように装置内部を露出するために装置枠体に組み付けられている構成部材との連動構成に限定されるものではない。すなわち、本実施例で示した構成は、側面カバー101が、装置内部を装置外部に開放する機能とともに、清掃部材54の清掃動作を操作するための被操作部としての機能も併せ持つ構成となっている。これに対し、清掃部材54の清掃動作の操作にのみを特化した被操作部として、装置外側に露出した被操作部を配置し、ユーザに該被操作部が操作されることで清掃部材54の帯電ワイヤ53との相対移動を実現できる駆動機構を備える構成としてもよい。ユーザは、該被操作部の操作のみで帯電ワイヤ53の清掃を行うことができるので、従来のようなカバーの開閉を必要とすることがなくなり、作業負荷の低減を図ることができる。
【0081】
なお、清掃部材54と帯電ワイヤ53の相対移動は、本実施例では、固定された帯電ワイヤ53に対して清掃部材54が移動する構成としているが、固定された清掃部材54に対して帯電ワイヤ53が移動する構成でもよい。あるいは、両者がそれぞれが移動する構成でもよい。
【0082】
また、本実施例では1つのプロセスカートリッジ5における清掃動作について説明したが、複数のプロセスカートリッジを並べた多色画像形成装置においても同様に、側面カバーの開閉動作と清掃動作を連動させることができる。
【0083】
(実施例2)
本実施例では、側面カバー101の開閉を検知部材110で検知し、その後装置本体2についている清掃用モーター111でベルト112を駆動させることで清掃部材54が帯電ワイヤ53に沿って移動し、帯電ワイヤ53を清掃する構成になっている。このような構成でも、ユーザが帯電ワイヤ清掃を直接行う必要がなくなるので、ユーザの手間を削減することができる。実施例2のその他の構成は、実施例1と同様の構成であるため、その説明を省略する。
【0084】
[実施例2の清掃部材移動機構]
図25を用いて、実施例2における清掃部材54の移動機構について説明する。実施例2では実施例1に対し、第1アーム56が無くなり、代わりに
図25のように、動力源としての清掃用モーター111と、モーターの駆動力を伝達する伝達手段としてのベルト112、駆動ローラ113、対向ローラ(不図示)が追加されている。環状のベルト112は、駆動ローラ113と対向ローラ(不図示)を支点として張架、固定されており、駆動ローラ113の回転に伴って左右方向に移動可能になっている。
【0085】
さらに、清掃部材54はベルト112と結合されており、ベルト112の移動に伴って清掃部材54も移動して、帯電ワイヤ53の清掃作業を行うことができる。
【0086】
[ブロック図]
次に、
図26の制御ブロック図を用いて、実施例2の制御構成について説明する。制御部109は、演算処理を行うCPU(中央演算処理ユニット)、記憶手段であるメモリ、周辺機器との情報の入出力を行うI/F等を有している。制御部109は、画像形成装置1の動作を統括的に制御する制御手段であり、画像形成装置1における各制御対象が入出力I/Fを介して接続されている。
図26のように、検知部材110の情報から、制御部109が側面カバー101の開閉を判断し、清掃用モーター111の駆動を制御する。側面カバー101の開閉を検知する検知部材110の構成としては、接触式、光学式等々従来既知の検知手段を適宜用いることができる。
【0087】
[清掃動作の実行プロセス]
次に実施例2におけるトナー供給工程を実行するまでのプロセスを、
図27のフローチャートを用いて説明する。画像形成装置1が動作可能状態になると、
図27に示すフローが開始される(S1)。
【0088】
検知部材110により、側面カバー101の開閉を検知された場合(S2:YES)、制御部109が清掃用モーター111の駆動制御を開始する(S3)。さらに清掃部材54を左右方向に1往復することで清掃動作を実行し(S4)、終了する(S5)。
【0089】
また、S2において、側面カバー101の開閉を検知していない場合は、そのまま終了する(S5)。
【0090】
以上説明してきたように、実施例2のような構成でも、実施例1と同様にトナー供給ユニット94にトナー補給を行うときの側面カバー101の開閉動作によって、帯電ワイヤ53の清掃作業を行うことができる。よってこれまでユーザが感光体ユニット6を装置本体から取り出して、手作業で行っていた帯電ワイヤ53の清掃作業を削減しつつ、帯電ワイヤ53への異物付着による画像不良の発生を防ぐことができようになる。また、トナー補充のタイミングで、自動で帯電ワイヤ53を清掃することになるので、定期的に清掃を行うことになり、帯電ワイヤ53の異物付着に対して、良好な状態を維持しやすくなる。
【符号の説明】
【0091】
1…画像形成装置、21…ドア(開閉部材)、51…感光ドラム、52…スコロトロン型帯電器、53…帯電ワイヤ、54…清掃部材、55…スポンジ、56…第1アーム、57…アーム結合ピン、58…第2アーム、59…レール