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特許7500299検査システム、検査装置及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】検査システム、検査装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/393 20060101AFI20240610BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240610BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240610BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
B41J29/393 105
B41J29/38 202
G03G21/00 388
G01N21/88 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020104671
(22)【出願日】2020-06-17
(65)【公開番号】P2021196311
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】林 公生
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-025721(JP,A)
【文献】特開2014-008610(JP,A)
【文献】特開2019-132966(JP,A)
【文献】特開2010-066516(JP,A)
【文献】特開2021-021840(JP,A)
【文献】特開2021-125786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/393
B41J 29/38
G03G 21/00
G01N 21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置と、前記印刷装置で印刷された印刷物の品位を検査する検査装置と、前記印刷装置に印刷ジョブを送信する情報処理装置を含む検査システムであって、
前記情報処理装置は、
基準画像を生成するための画像のスキャン回数を印刷ジョブの部数とした、基準画像の登録時の印刷ジョブを前記印刷装置へ送信する第1の送信手段と、
成果物の部数を印刷ジョブの部数とした、検査時の印刷ジョブを前記印刷装置へ送信する第2の送信手段を有し、
前記検査装置は、
前記基準画像の登録時の印刷ジョブを前記印刷装置で印刷された印刷物をスキャンしたスキャン画像を受信する第1の受信手段と、
前記取得したスキャン画像から基準画像を生成する生成手段と、
検査時の印刷ジョブを前記印刷装置で印刷された印刷物をスキャンしたスキャン画像を受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段で受信したスキャン画像と前記生成した基準画像との比較に基づいて、前記印刷物の品位を検査する検査手段を有することを特徴とする検査システム。
【請求項2】
前記検査システムは、
基準画像を生成するための画像のスキャン回数を特定する特定手段を有し、
前記第1の送信手段は、前記特定手段で特定されたスキャン回数を用いて生成された基準画像の登録時の印刷ジョブを送信することを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記基準画像の登録時の印刷ジョブと、前記検査時の印刷ジョブは、共通の印刷に関する情報に基づいて生成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記生成手段は、前記スキャン回数を用いて、基準画像を生成することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の検査システム。
【請求項5】
印刷装置と、前記印刷装置で印刷された印刷物の品位を検査する検査装置と接続された情報処理装置であって、
基準画像を生成するための画像のスキャン回数を取得する取得手段と、
前記取得したスキャン回数を印刷ジョブの部数とした、基準画像の登録時の印刷ジョブを前記印刷装置へ送信する第1の送信手段と、
成果物の部数を印刷ジョブの部数とした、検査時の印刷ジョブを前記印刷装置へ送信する第2の送信手段を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
基準画像を生成するための画像のスキャン回数を特定する特定手段を有し、
前記第1の送信手段は、前記特定手段で特定されたスキャン回数を用いて生成された基準画像の登録時の印刷ジョブを送信することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記基準画像の登録時の印刷ジョブと、前記検査時の印刷ジョブは、共通の印刷に関する情報に基づいて生成されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
印刷装置と、前記印刷装置で印刷された印刷物の品位を検査する検査装置と接続された情報処理装置の制御方法であって、
基準画像を生成するための画像のスキャン回数を取得する取得工程と、
前記取得したスキャン回数を印刷ジョブの部数とした、基準画像の登録時の印刷ジョブを前記印刷装置へ送信する第1の送信工程と、
成果物の部数を印刷ジョブの部数とした、検査時の印刷ジョブを前記印刷装置へ送信する第2の送信工程を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
請求項5乃至7の何れか1項に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるための該コンピュータで読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の印刷品質を検査する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置で印刷した印刷物を読み取り、品位を検査する検査装置が知られている。検査装置は、汚れや印刷抜けなどの画像欠陥、文字の誤り、バーコード品位などを検出可能である。これら不良が検出された成果物は、例えば排紙先を変更することで、不良のない印刷物と分別される。
【0003】
印刷物検査は検査準備と検査に分かれる。特許文献1は、検査準備では、印刷装置において、良品をスキャンすることで基準画像を印刷装置内に保存する。検査では、印刷装置において、印刷物をスキャンして得られる被検査画像と基準画像を比較して、印刷物の誤りを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許5168651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷装置とは別の装置である検査装置において、印刷装置から、印刷装置で印刷された印刷物のスキャン画像を取得して、検査準備や検査を行う場合、検査準備や検査に関する情報を、検査装置において、ユーザが入力する必要がある。しかしながら、検査装置で、ユーザが手入力すると、入力の手間がかかったり、入力ミスが発生してしまう。さらに、検査装置にて必要な情報のうち、検査準備と検査とで情報が一致しないと正しく検査できない情報もあり、結果として、正しく検査できないという課題もある。
【0006】
本発明は、印刷装置で印刷された印刷物のスキャン画像を取得して、検査準備や検査を行う場合、検査準備時と検査時の負荷を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明の検査システムは、印刷装置と、前記印刷装置で印刷された印刷物の品位を検査する検査装置と、前記印刷装置に印刷ジョブを送信する情報処理装置を含む検査システムであって、前記情報処理装置は、基準画像を生成するための画像のスキャン回数を印刷ジョブの部数とした、基準画像の登録時の印刷ジョブを前記印刷装置へ送信する第1の送信手段と、成果物の部数を印刷ジョブの部数とした、検査時の印刷ジョブを前記印刷装置へ送信する第2の送信手段を有し、前記検査装置は、前記基準画像の登録時の印刷ジョブを前記印刷装置で印刷された印刷物をスキャンしたスキャン画像を受信する第1の受信手段と、前記取得したスキャン画像から基準画像を生成する生成手段と、検査時の印刷ジョブを前記印刷装置で印刷された印刷物をスキャンしたスキャン画像を受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段で受信したスキャン画像と前記生成した基準画像との比較に基づいて、前記印刷物の品位を検査する検査手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、印刷装置で印刷された印刷物のスキャン画像を取得して、検査準備や検査を行う場合、検査準備時と検査時の負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報処理装置と検査装置と画像形成装置の構成を示す模式図
図2】情報処理装置と検査装置と画像形成装置の構成を示すブロック図
図3】クライアントコンピュータが有するプログラムの構成を例示した図
図4】ジョブの例
図5】制御ファイルの例
図6】良品のスキャン回数を決めるためのデータベースに保存されている情報の例
図7】検査処理システム全体の処理フローを説明するためのフローチャート
図8】画面例
図9図7のS702の詳細フローチャート
図10図7のS704の詳細フローチャート
図11】画面例
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、検査システムであって、情報処理装置と検査装置と画像形成装置の構成を表す模式図である。なお、本実施形態の画像形成装置は電子写真方式の画像形成装置を用いて説明するが、本実施形態における画像形成装置は、インクジェット方式、オフセット方式など、異なる画像形成方式の画像形成装置であっても良い。
【0012】
画像形成装置0101は、ケーブル0112を介して情報処理装置0109と接続されている。情報処理装置0109は、ネットワーク0113を介してクライアントコンピュータ0110、検査装置0108と接続されている。
【0013】
画像形成装置0101は、UIパネル0102、給紙デッキ0103および給紙デッキ0104を備える。さらに、3段の給紙デッキからなるオプションデッキ0105が接続される。画像形成装置0101は、例えば電子写真方式の画像形成装置である。また、UIパネル0102は、例えば静電容量方式のタッチパネルを備えたユーザインターフェースである。
【0014】
さらに画像形成装置0101は、検査ユニット0106、大容量スタッカ0107を備える。検査ユニットは、ケーブル0114を介して検査装置0108と接続されている。大容量スタッカ0107はメイントレイとトップトレイを備え、メイントレイには一度に数千枚の用紙を積載することができる。
【0015】
印刷ジョブはクライアントコンピュータ0110で生成され、ネットワーク0113を介して情報処理装置0109に送信され、情報処理装置0109で管理される。そして、印刷ジョブは情報処理装置0109からケーブル0112を通じて画像形成装置0101に送信され、画像形成装置0101が用紙に印字する処理を行う。なお、印刷ジョブは、情報処理装置0109において生成・管理され、ネットワーク0112を介して画像形成装置0101に送信され、画像形成装置0101で管理される形態をとっても良い。
【0016】
なお、クライアントコンピュータ0110、情報処理装置0109、検査装置0108はケーブル0112に接続されて画像形成装置0101と通信できる形態をとっても良い。即ち、本実施形態に示す画像形成装置0101、情報処理装置0109、クライアントコンピュータ0110の接続形態は一例であり、本実施形態で示した他にも様々な接続形態があることは言うまでもない。
【0017】
図2は、本実施形態の画像形成装置0101と検査装置0108と大容量スタッカ0107と情報処理装置0109とクライアントコンピュータ0110の制御構成を示すブロック図である。
【0018】
CPU(Central Processing Unit/中央演算装置)0201は、システムバス0212を介して画像形成装置0101内の各部における制御や演算を司る。CPU0201は、記憶部0205に格納され、RAM(Ramdom Access Memory)0202にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0202は、CPU0201から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0201のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0205は、画像形成装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。
【0019】
エンジンI/F0209は、プリンタエンジン02010との通信、制御を司る。給紙デッキI/F0204は、給紙デッキ0211との通信、制御を司る。給紙デッキ0211は、給紙デッキ0103、0104、オプションデッキ0105をハード構成として総称するものである。UIパネル0203は、UIパネル0102のハード構成であり、画像形成装置0101の操作全般を行うためのユーザインターフェースである。本実施形態では、UIパネル0203は静電容量方式のタッチパネルを備えたものとする。
【0020】
ネットワークインターフェース(以下、NW I/F)0207は、ケーブル0213を介して情報処理装置0109のNW I/F0238と接続され、情報処理装置0109と画像形成装置0101の通信を司る。なお、この例ではシステムバス0212、0239に接続されたインターフェース同士が直接接続されている形式であるが、情報処理装置0109と画像形成装置0101は例えばネットワーク等で接続されている形式でもよく、その接続形式を限定しない。ビデオI/F0206は、ビデオケーブル0241を介してビデオI/F0233と接続され、情報処理装置0109と画像形成装置0101の間の画像データの通信を司る。
【0021】
なお、情報処理装置0109における画像形成装置0101との接続インターフェースは、NW I/F0238とビデオI/F0233の機能を統合した形式をとっても良い。また、画像形成装置0101における情報処理装置0109との接続インターフェースは、NW I/F0207とビデオI/F0206の機能を統合した形式をとっても良い。
【0022】
アクセサリI/F0208は、ケーブル0225を介してアクセサリI/F0214、アクセサリI/F0220と接続する。即ち、画像形成装置0101はアクセサリI/F0208、0214、0220を介して検査ユニット0106、大容量スタッカ0107と互いに通信を行う。
【0023】
CPU0216は、システムバス0219を介して検査ユニット0106内の各部における制御や演算、記憶部0247に格納され、RAM0217にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0217は、CPU0216から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0216のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0247は、検査装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。検査装置I/F0215は、ケーブル0248を介して検査装置ユニットI/F0231と接続する。即ち、検査ユニット0106は、検査装置I/F0215と検査装置ユニットI/F0231とを介して検査装置0108と通信を行う。
【0024】
撮影部0218は、例えばコンダクトイメージセンサ(以下、CIS)を搭載した撮影機能を備え、検査ユニット内を通過する用紙を撮影し、撮影した画像を検査装置I/F0215を介して検査装置0108に送信する。なお、撮影部0218に対するCISはセンサの一例であり、CCDイメージセンサなど他の種類のセンサであっても良く、その撮影方式を限定しない。
【0025】
CPU02220は、システムバス0224を介して大容量スタッカ0107内の各部における制御や演算、記憶部0248に格納され、RAM0222にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0222は、CPU0221から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0221のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0248は、検査装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。排紙部0223は、メイントレイとトップトレイへの排紙動作や、メイントレイとトップトレイ各々の積載状況の監視や制御を司る。
【0026】
CPU0226は、システムバス0230を介して検査装置0108内の各部における制御や演算、記憶部0228に格納され、RAM0227にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0227は、CPU0226から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0226のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0228は、検査装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。PDL解析部0229は、クライアントコンピュータ0110や情報処理装置0109から受信した例えばPDF、PostScript、PCLなどのPDLデータを読み込み、解釈処理を実行する。表示部0245は例えば検査装置に接続される液晶ディスプレイであり、検査装置へのユーザの入力を受け付けたり、検査装置の状態を表示したりする。
【0027】
CPU0234は、システムバス0239を介して情報処理装置0109内の各部における制御や演算、記憶部0236に格納され、RAM0235にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0235は、CPU0234から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0234のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0236は、情報処理装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。ネットワークインターフェース(以下、NW I/F)0237は、ネットワークを介してNW I/F0232、0240と接続される。情報処理装置0109は、NW I/F0237、NW I/F0232を介して検査装置0108と通信を行う。また、情報処理装置0109は、NW I/F0237、NW I/F0240を介してクライアントコンピュータ0110と通信を行う。
【0028】
CPU0243は、システムバス0246を介してクライアントコンピュータ0110内の各部における制御や演算、記憶部0245に格納され、RAM0242にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0242は、CPU0243から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0243のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0244は、クライアントコンピュータ動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。
【0029】
図3は、クライアントコンピュータ0110が有するプログラムの構成を例示した図である。
【0030】
ブートローダ301は、クライアントコンピュータ0110の電源投入直後に実行されるプログラムである。これらプログラムには、システムの起動に必要となる各種起動シーケンスを実行するためのプログラムが含まれる。
【0031】
オペレーティングシステム302は、クライアントコンピュータ0110の機能を実現する各種プログラムの実行環境を提供することを目的としたプログラムである。これは、クライアントコンピュータ0110のメモリ、即ちRAM0242、記憶部0244等の資源管理などの機能を提供する。
【0032】
ネットワーク制御プログラム303は、ネットワークを介して接続される機器に対してデータを送受信する際に実行されるプログラムである。すなわち、印刷ジョブを画像形成装置0101に送信し、印刷処理を実行する際に用いられる。また制御ファイルを検査装置0108に送信する際にも用いられる。また、検査装置0108から印刷ジョブ送信指示を受信する際にも用いられる。
【0033】
ワークフロー制御プログラム304は、印刷ジョブの生成や印刷ジョブの送信、制御ファイルの生成などを集中的に管理するためのプログラムであり、クライアントコンピュータ0110の中核をなすものである。
【0034】
第二の受信プログラム305は、検査装置0108から印刷ジョブの送信指示を受け付けることを目的としたプログラムである。同プログラムが検査装置0108から印刷ジョブ送信指示を受信したら、その指示・条件等をワークフロー制御プログラム304に通知する。
【0035】
第二の送信プログラム306は、検査装置0108に対して制御ファイルを送信することを目的としたプログラムである。同プログラムは印刷ジョブ送信前に当該印刷ジョブの情報を用いて制御ファイルを作成し、その制御ファイルを検査装置0108に送信する。
【0036】
図4は、クライアントコンピュータ0110で生成された印刷ジョブの一例を示したものである。本実施形態では印刷ジョブフォーマットは、標準規格であるJDF(Job Definition Format)形式で説明する。印刷ジョブに含まれる情報のうち主要なものは、ジョブID(401)、印刷ジョブ名(402)、PDFデータが何に使われるのかを示すためのリソース情報(403)、印刷ジョブの部数(404)である。ジョブID(401)は印刷ジョブを一意に特定するためのものである。
【0037】
図5は、クライアントコンピュータ0110で生成され、検査装置108に送信される制御ファイルの一例を示したものである。制御ファイルは印刷ジョブの概要を表し、検査装置0108等の機器に印刷ジョブの情報を伝達する目的で使われる。なお、本実施形態では制御ファイルのフォーマットをXML(eXtensible Markup Language)で作成しているが、JSON(JavaScript Object Notation)形式などのフォーマットで作成しても構わない。
【0038】
500は、制御ファイルのルート要素を表し、1つの印刷ジョブに対応する。
【0039】
501は、ジョブIDを表し、図4の印刷ジョブのジョブID401と同じ値が入る。
【0040】
502は、検査装置0108で基準画像を特定する目的で使われる。値は、印刷ジョブを実行することで得られる印刷物を特定できる値を入れる。例えば、検査準備時において、基準画像を登録する際に、図8(A)に例示する画面800の基準画像識別子(802)に入力した値と同じ値を入れる。本実施形態においては、第二の送信プログラムが印刷ジョブ名(402)の値を基準画像識別子(502)に入力する。
【0041】
503は、印刷ジョブの部数である。印刷ジョブの部数とは1回の印刷キューに対して何回同じものの印刷を繰り返すかを意味する。例えば、ページ数が10ページならその10ページ全てを何部(何回)印刷するかを指定する。印刷ジョブの部数は検査の際、検査を何回行うかを判断するために利用される。制御ファイル内の印刷ジョブの部数503に少ない値が入力されると、検査されるべき印刷物が検査されなくなる。従って、制御ファイルの印刷ジョブの部数503は、印刷ジョブに指定されている部数と同じ値にする。
【0042】
504は、基準画像の登録時に使われる印刷物のスキャン回数である。スキャン回数は基準画像を作成するときに、良品を何回スキャンするかを指定する。本実施形態では、良品を複数回スキャンして得られた画像を合成することにより、基準画像を得る。画像を合成して得られた基準画像は、基準画像内のノイズが減るため検査精度が高くなる。逆に、良品のスキャン回数が少ないと、基準画像内のノイズが目立ち、検査精度が低くなる。
【0043】
本実施形態では、基準画像登録時に使われる印刷物のスキャン回数を、基準画像登録時の印刷ジョブの部数として用いる。例えば、基準画像を、5つの画像から合成して作成する場合、印刷物のスキャン回数、つまり、基準画像登録時の印刷ジョブの部数を5として、印刷装置へ送信する。印刷装置は、部数が5であるため、5部印刷し、印刷された印刷物をスキャンする。スキャンされた画像は検査装置に送信することで、結果として、5つの画像を取得することができ、検査装置で、5つの画像を合成して、基準画像を作成することができる。一方、検査時の印刷ジョブの部数は、成果物として得たい部数が設定される。つまり、10部の成果物を得たい場合は、検査時の印刷ジョブの部数は、10とする。
【0044】
逆に、印刷ジョブの部数以外の情報は、基準画像登録時と検査時とで同じ情報である必要がある。例えば、コレート設定、両面設定、用紙サイズ、シート数などである。基準画像登録時と検査時とで、コレート設定、両面設定、シート数情報などの情報が異なる場合、検査時に、正しい基準画像と比較することができなくなり、結果として、正しい検査を行うことができない。基準画像登録時と検査時とで、用紙サイズの情報が異なる場合は、検査領域が異なってしまい、結果として、正しい検査を行うことができない。
【0045】
505は、印刷ジョブのコレート設定の有無である。コレート設定有りで複数部数を印刷する場合は、1ページ目、2ページ目、3ページ目といった印刷ではなく、1ページ目、1ページ目、1ページ目といった具合に印刷処理が進む。そのため、コレート設定の有無は、検査も1ページ目、1ページ目、1ページ目のように検査を行うか否かを判断するために利用される。506は、印刷ジョブの両面設定である。両面設定は、印刷物の表面に加えて、裏面も検査対象とするか否かを判断するために利用される。507は、印刷ジョブに指定されている用紙サイズである。508は、シート数である。シート数は、印刷ジョブの1部のシート数を表し、例えば、10ページの文書からなる印刷ジョブの場合は、10となる。
【0046】
以下フローチャートを用いて、本発明の特徴となる処理について説明する。なお、本フローに係る画像形成装置のプログラムは、画像形成装置0101の記憶部0205に記憶されており、RAM0202に読み出され、CPU0201によって実行される。また、本フローに係る検査装置のプログラムは、検査装置0108の記憶部0228に記憶されており、RAM0227に読み出され、CPU0226によって実行される。また、本フローに係る情報処理装置のプログラムは、情報処理装置0109の記憶部0236に記憶されており、RAM0235に読み出され、CPU0234によって実行される。また、本フローに係るクライアントコンピュータのプログラムは、クライアントコンピュータ0110の記憶部0245に記憶されており、RAM0242に読み出され、CPU0243によって実行される。
【0047】
図7は、検査システムのフロー図である。具体的には、クライアントコンピュータ0110、検査装置0108、画像形成装置0101、およびこれらの操作者であるユーザが、システムが提供する機能を利用する際のシステムフロー図である。各システム内において複数のサブシステムが相互に作用しながら処理する必要がある場合には、それらのサブシステムのレベルでフローを説明する。
【0048】
S700、S711ならびにS720ユーザ操作は、ユーザが同図において示す一連のフローを実現するために、クライアントコンピュータ0110が提供する画面に対して指示した操作の内容ならびにその操作の結果、発生するフローの関連を示す欄である。
【0049】
ユーザはS700にて、クライアントコンピュータ0110に対して、基準画像登録を指示する。例えば、ユーザはテスト印刷ボタン押下の操作を行う。具体的には、ワークフロー制御プログラム304及び第二の送信プログラム306が同ステップの指示による操作を受け、基準画像登録を行うための各種処理が実行される。
【0050】
S701にて、ワークフロー制御プログラム304は印刷ジョブを作成する。
【0051】
S702にて、第二の送信プログラム306は印刷ジョブの設定を基に制御ファイルを作成し、検査装置0108に制御ファイルを送信する。送信方法はHTTP通信で行っても良いし、クライアントコンピュータ0110と検査装置0108それぞれがアクセス可能なフォルダに制御ファイルを置くでもよい。本実施形態では、フォルダに制御ファイルを置く方法で説明を行う。本ステップの詳細な処理は、図9にて後述する。
【0052】
S703にて、CPU0226は、S702で作成された制御ファイルを読み込む。
【0053】
S704にて、CPU0226は、前記制御ファイルを解析し、基準画像の属性情報を自動設定する。例えば図8(A)に例示する画面800の各種項目に制御ファイルに記載された値を自動反映する。本ステップの詳細な処理は、図10にて後述する。
【0054】
なお、基準画像の属性情報を設定する際、基準画像がどのような印刷物に対するものなのかを示す基準画像識別子を指定させる。この基準画像識別子は、印刷ジョブに対応する基準画像を特定するために使用される。例えば、ユーザに指定させる場合は、図8(A)に例示する画面800を表示し、802の基準画像識別子を入力させる。802に入力させる値は、印刷物を特定できる値であれば何でも構わない。検査する印刷物が予め分かっている場合は図8(B)の807に例示するように、ドロップダウンリストの中から選ばせることもできる。また、制御ファイルが既にクライアントコンピュータ0110から通知されている場合は、ファイル選択画面(不図示)を表示し、基準画像に関連付けたい制御ファイルを選ばせ、制御ファイル内の基準画像識別子(502)を利用してもよい。なお、基準画像の属性に応じ、基準画像識別子以外の情報を設定することがある。本実施形態では、801のJob ID、803の用紙サイズ、804のコレート設定、805のシート数、806のスキャン回数(検査準備の際に用いる部数)といった情報を設定する。尚、図8(B)の807で候補として表示されるプリセット値は検査装置0108に予め設定された値でもよいし、検査装置0108に通知済みの制御ファイルのスキャン回数(504)を列挙する形態でもよい。
【0055】
S705にて、CPU0226は、基準画像読み込みを開始する。この時、検査ユニットI/F0231は検査装置I/F0215に基準画像読み込み開始を通知する。すると、CPU0216は撮影部0218に基準画像読み込みの準備をするよう通知し、準備が完了したらその旨を検査装置I/F0215、検査ユニットI/F0231を介してCPU0226に通知する。
【0056】
S706にて、基準画像登録の準備が完了したので、CPU0226は、印刷物のスキャン画像を受信待ち状態になる。S723にて、CPU0226は、検査装置0108から、スキャン画像を受信待ち状態であること、つまり、基準画像登録の準備が完了できたことを示す情報を取得する。S723にて、基準画像登録の準備完了通知を受けると、S707にて、ワークフロー制御プログラム304は情報処理装置0109を介して、画像形成装置0101に印刷ジョブを送信する。尚、S706で、基準画像登録の準備完了通知を送る際、スキャン回数に関する情報も送信する。S707で、送信される印刷ジョブの部数を、受信したスキャン回数にして、画像形成装置へ、印刷ジョブを送信する。つまり、S707で送信される印刷ジョブには、検査装置から受け取ったスキャン回数を、ジョブの部数として含まれる。
【0057】
S707にて、ワークフロー制御プログラム304は情報処理装置0109を介して、画像形成装置0101に印刷ジョブを送信する。
【0058】
S708にて、CPU0201は印刷ジョブに含まれるPDFデータを印刷する。すると、用紙搬送パスを通過する際に、検査ユニット0106が印刷された画像をスキャンする。
【0059】
S709にて、CPU0226は、当該スキャンした画像を検査装置I/F0215、検査ユニットI/F0231を介して検査ユニット0106から受信する。
【0060】
S710にて、CPU0226はS702にて受信した画像を、RAM0227に基準画像として登録する。このとき、スキャン回数の値を用いて、複数枚のスキャン画像を合成することで、基準画像を生成する。例えば、スキャン回数の値が、5であれば、5枚のスキャン画像を合成することで、基準画像を生成する。
【0061】
S711にて、CPU0226は検査パラメータ設定画面(不図示)を表示部0245に表示する。表示部0245が検査パラメータ設定画面において「完了」指示を受け付けたら、フローを終了する。
【0062】
以上により、良品をスキャンすることで基準画像を検査装置に登録し、その基準画像と印刷・検査対象の印刷物を関連づける。
【0063】
基準画像登録の後、S712にて、クライアントコンピュータ0110に対して、ユーザは検査実行を指示する。例えば、ユーザは印刷ボタン押下の操作を行う。具体的には、ワークフロー制御プログラム304及び第二の送信プログラム306が同ステップの指示による操作を受け、検査を行うための各種処理が実行される。
【0064】
S713にて、ワークフロー制御プログラム304は印刷ジョブを作成する。
【0065】
S714にて、第二の送信プログラム306は、印刷ジョブの設定を基に図5に示す制御ファイルを作成し、検査装置0108に制御ファイルを送信する。
【0066】
S715にて、CPU0226は、制御ファイルに記述された情報を使って、印刷ジョブに対応する基準画像を取得する。
【0067】
S716にて、CPU0226は、基準画像との紐付けが完了した印刷ジョブの検査を開始し、検査対象画像読み込みを開始する。S724にて、CPU0226は、検査装置0108から、スキャン画像を受信待ち状態であること、つまり、検査の準備が完了できたことを示す情報を取得する。S724にて、検査準備完了通知を受けると、S718にて、ワークフロー制御プログラム304は情報処理装置0109を介して、画像形成装置0101に印刷ジョブを送信する。
【0068】
S717にて、基準画像登録の準備が完了したので、CPU0226は、印刷物のスキャン画像を受信待ち状態になる。
【0069】
S718にて、ワークフロー制御プログラム304は情報処理装置0109を介して、画像形成装置0101に印刷ジョブを送信する。尚、S718で送信される印刷ジョブと、S707で送信される印刷ジョブにおいて、ジョブの部数以外の印刷に関する情報は同じである。例えば、コレート設定、両面設定、用紙サイズ、シート数などの印刷に関する情報は同じである。部数については、S707で送信される印刷ジョブにおいて、スキャン回数の値が設定される。
【0070】
S719にて、用紙が用紙搬送パスを通過する際に、画像形成装置0101が印刷された画像をスキャンする。
【0071】
S720にて、CPU0226は当該スキャンした被検査画像を検査装置I/F0215、検査ユニットI/F0231を介して検査ユニット0106から受信する。
【0072】
S721にて、CPU0226は、S708にて印刷ジョブと紐付けが行われた基準画像を記憶部0228より読み出して、検査ユニット0106から受信した被検査画像と比較する。比較した結果、検査OKであれば印刷物は大容量スタッカ0107の排紙部0223のメイントレイに出力され、検査NGであれば排紙部0223のトップトレイに出力される。
【0073】
S722にて、比較した検査結果はCPU0226がユーザに通知する。通知方法は、検査装置0108の表示部0245に表示してもよいし、クライアントコンピュータ0110に通知してもよい。通知方法については特に制約は無い。
【0074】
すべての被検査画像に対する検査が終了したら、フローを終了する。
【0075】
なお、本実施形態においては、検査対象画像が1枚の時の処理を説明したが、複数枚の検査対象画像においても連続して検査できることは言うまでもない。
【0076】
図9は、クライアントコンピュータ0110における制御ファイル作成に関する詳細処理を説明するためのフロー図である。図9は、図7のS702の詳細フローチャートである。
【0077】
S730にて、第二の送信プログラム306は、印刷ジョブの処理が基準画像登録のためかどうかを判断する。例えば、テスト印刷ボタンが押下されたときは、印刷ジョブの処理は基準画像登録であると判断する。基準画像登録のときはS731に進み、印刷・検査のときはS733に進む。
【0078】
S731にて、第二の送信プログラム306は、スキャン回数決定のための設定テーブルが用意されているかどうかを確認する。用意されている場合はS732に進み、用意されていない場合はS734に進む。本実施形態では、設定テーブルが用意されている場合は、クライアントコンピュータ0110が良品のスキャン回数を自動で決定し、検査装置0108に通知する。
【0079】
S732にて、第二の送信プログラム306は、基準画像登録のために印刷された画像を検査装置0108がスキャンする回数を決定する。具体的には、第二の送信プログラム306は、印刷ジョブを解析し、リソース情報(403)を取得する。第二の送信プログラム306はリソース情報(403)を基に、設定テーブル(600)に登録されているスキャン回数を特定し、制御ファイルのスキャン回数506を更新するよう指示を出す。もしリソース情報(403)に対応するものが設定テーブル(600)にない場合、第二の送信プログラム306は本処理をスキップし、S734へと遷移する。
【0080】
図6は、良品のスキャン回数を決めるためのデータベースに保存されている設定テーブル(600)を例示した図である。これは、印刷物の利用シーン(Resource Usage)とスキャン回数の対応表である。例えば、書籍の場合のスキャン回数は6回、カタログの場合のスキャン回数は10回といった具合に対応表が作成されている。印刷物の利用シーンは、印刷ジョブのリソース情報(403)とマッピングされ、印刷ジョブのリソース情報(403)からスキャン回数を導き出すことができる。
【0081】
S734にて、第二の送信プログラム306は、スキャン回数をユーザに実施させるために、制御ファイルのスキャン回数504を空欄にした画面を表示する。ユーザが、スキャン回数を入力する。
【0082】
S733にて、第二の送信プログラム306は、制御ファイルを作成する。
【0083】
以上により、基準画像の登録時、印刷物のスキャン回数を決定し、検査装置0108に通知する。
【0084】
図10は、検査装置108が制御ファイルを受信した場合、検査装置108の画面上で設定変更不可にする処理を説明するためのフロー図である。図10は、図7のS704の詳細フローチャートである。
【0085】
S740にて、CPU0226は、制御ファイルを受信し、検査装置0108の検査設定に反映が可能かを判断する。例えば、CPU0226は、スキャン回数504に整数値が記載されていれば有効な値として設定反映可能と判断し、空欄の場合は設定反映不可能と判断する。設定反映可能と判断された場合はS741に進み、設定反映不可能と判断された場合はS744に進む。
【0086】
S741にて、CPU0226は、S740にて設定反映可能と判断された値を基準画像の属性情報にセットする。例えば、S703にてクライアントコンピュータ0110が生成した制御ファイルを検査装置0108が読み込んだ場合は、図8(A)に例示する画面800の場合、制御ファイルから取得可能な項目を自動入力する。制御ファイルから取得可能な項目は、ジョブID(801)や基準画像識別子(802)、用紙サイズ(803)、コレート設定(804)、シート数(805)である。
【0087】
S742にて、CPU0226は、S741で自動入力した項目を検査装置0108の表示部0245(例えば画面800)にて設定変更不可とする。これによりユーザが自動入力された値を変更できないようにする。
【0088】
S743にて、CPU0226は、制御ファイル内のすべての項目を処理が完了したかどうかを判断する。完了している場合は、本フローを完了する。完了していない場合はS740に戻る。
【0089】
S744にて、CPU0226は、S740にて設定反映不可能と判断された値についてユーザ入力を可能とする。例えば、図8(A)の806を空欄とし、ここはユーザの編集を可能とする。
【0090】
以上の手順により、本実施形態によると、基準画像登録時、検品時共に制御ファイルを検査装置に送信する。その際、基準画像登録時は、印刷ジョブの部数ではなく、S702で決定された値でスキャン回数504を設定し、検査装置0108に制御ファイルを送信する。具体的には、S707にて、ワークフロー制御プログラム304は印刷ジョブの部数404を、S732で決定された値、あるいは、S734で入力された値で更新し、画像形成装置0101に印刷ジョブを送信する。
【0091】
本実施形態では、複数の画像を合成して基準画像を作成することを前提とした実施形態を説明した。しかしながら、複数のスキャン画像を合成して基準画像を作成する場合と、1つのスキャン画像から基準画像を作成する場合を切り替えてもよい。例えば、図11の画面の807において、ユーザに、複数のスキャン画像を合成して基準画像を作成するか、1つのスキャン画像を基準画像とするかを選択させる。図11(A)は、807において、基準画像「1つのスキャン画像から作成」を選択された場合の画面例である。複数のスキャン画像を合成して基準画像を作成しないので、スキャン回数を選択させる必要がなく、スキャン回数は、自動的に、「1」が設定される。図11(B)は、807において、基準画像「複数のスキャン画像を合成して作成」を選択された場合の画面例である。複数のスキャン画像を合成して基準画像を作成するので、806でスキャン回数を入力させる。
【0092】
本実施形態では、基準画像登録時の印刷ジョブ作成と、検品時の印刷ジョブ作成を、図7のS701、S713とで行う例を説明した。しかし、検品時の印刷ジョブを先に行ってから、検品時の印刷ジョブの部数の値を、スキャン回数で置き換えて、基準画像登録時の印刷ジョブを作成するようにしてもよい。尚、図7のS701、S713での印刷ジョブ作成は、それぞれ、共通の印刷に関する情報を取得し、その情報をもとに、印刷ジョブを作成する。
【0093】
また、本実施形態では、スキャン回数を入力したり、特定する機能を、検査装置0108に備える例を示したが、クライアントコンピュータ0110や画像形成装置0101で入力、特定するようにしてもよい。クライアントコンピュータ0110や画像形成装置0101で入力、特定する場合は、その情報を、検査装置0108に送信するようにする。
【0094】
本実施形態によれば、基準画像登録時、検品時共に制御ファイルを検査装置に送信する。その際、基準画像登録時は印刷ジョブの部数を使わずに、スキャン回数を送信することができる。さらに、良品のスキャン回数を決めるためのデータベースに保存されている設定テーブルを用いれば、検査精度を決めるための良品のスキャン回数の決定を自動化できる。自動化した結果、ユーザの検査業務の効率化が可能となる。
【0095】
以上説明した実施形態によれば、印刷装置で印刷された印刷物のスキャン画像を取得して、検査準備や検査を行う場合、検査準備時(基準画像登録時)と検査時(検品時)の負荷(特に、情報入力負荷)を軽減することができる。
【0096】
(その他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上記実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワークまたは各種記憶媒体を介してシステムあるいは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPUなど)がプログラムを読みだして実行する処理である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11