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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】インク収容容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/06 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
B65D43/06 100
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020122250
(22)【出願日】2020-07-16
(65)【公開番号】P2022018851
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 議靖
(72)【発明者】
【氏名】井上 良二
(72)【発明者】
【氏名】長岡 恭介
(72)【発明者】
【氏名】丹野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 健太
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-34877(JP,A)
【文献】特開2018-149785(JP,A)
【文献】特開2018-70162(JP,A)
【文献】実開昭64-29165(JP,U)
【文献】特許第4750548(JP,B2)
【文献】特開2020-33090(JP,A)
【文献】特開2010-52764(JP,A)
【文献】特開2019-38170(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0272722(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00 - 55/16
B41J 2/175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット記録装置のインクタンクにインクを補充可能なインク収容容器であって、
インクを収容可能な収容部と、
前記収容部に接続され、前記収容部に収容されているインクを注出可能な注出口を有する注出口部と、を有するインク収容部材と、
前記注出口部に装着可能に構成され、前記注出口を開閉可能な蓋部と、を有し、
前記蓋部材が装着された状態における、前記蓋部と前記注出口部との当接箇所密閉部としたときに
前記蓋部材の天面に対して垂直な方向から見た際に、前記蓋部の天面の外部の、前記蓋部の外周と前記密閉部との間の領域に、円形状の溝構造が設けられていることを特徴とするインク収容容器。
【請求項2】
インクジェット記録装置のインクタンクにインクを補充可能なインク収容容器であって、
インクを収容可能な収容部と、
前記収容部に接続され、前記収容部に収容されているインクを注出可能な注出口を有する注出口部と、を有するインク収容部材と、
前記注出口部に装着可能に構成され、前記注出口を開閉可能な蓋部と、を有し、
前記蓋部材が装着された状態における、前記蓋部と前記注出口部との当接箇所密閉部としたときに
前記蓋部材の天面に対して垂直な方向から見た際に、前記蓋部の天面の外部の、前記蓋部の外周と前記密閉部との間の領域に、前記蓋部材の前記天面の全周に連続して形成されている溝構造が設けられていることを特徴とするインク収容容器。
【請求項3】
前記溝構造を、さらに前記蓋部前記天面の部にも有する、請求項1又は2に記載のインク収容容器。
【請求項4】
前記溝構造は、前記蓋部材の前記天面の全周に連続して形成されている、請求項1に記載のインク収容容器。
【請求項5】
前記溝構造は、前記蓋部材の前記天面の前記外部の全周に分断するように形成されている、請求項1に記載のインク収容容器。
【請求項6】
前記溝構造は、多角形状である、請求項2に記載のインク収容容器。
【請求項7】
前記蓋部と、前記インク収容部材の前記注出口部とは、それぞれ、ネジ構造を備え、
前記ネジ構造によって前記蓋部が前記インク収容部材に装着される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインク収容容器。
【請求項8】
前記蓋部は、前記溝構造の直下に、前記注出口部と当接する円筒構造を備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインク収容容器。
【請求項9】
前記注出口部は、液止弁を内部に備え、
前記蓋部は、前記蓋部の閉栓に伴って前記液止弁を開放する突起を内部に備え、
前記蓋部が前記注出口部に装着された状態において前記突起が前記液止弁を開放するように構成されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインク収容容器。
【請求項10】
前記液止弁は、オリフィス部と、弁体と、弁体を付勢する付勢機構とを有し、
前記付勢機構、前記オリフィス部と前記弁体とのギャップ閉塞するように付勢する、請求項9に記載のインク収容容器。
【請求項11】
前記インクジェット記録装置の前記インクタンクには凸部が設けられており、前記注出口部は、前記凸部と係合する凹部を備えている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のインク収容容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを収容するインク収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置のような液体吐出装置で使用される液体タンクには、液体を補充できるものがある。例えば、液体を注入するための注出口を備えた液体収容容器を用いて、その注出口を介して液体収容容器から液体タンクに液体を補充することができる。この種の液体収容容器においては、利用者の手および周囲を汚すことを防ぐため、注出口先端にスリットの入ったバルブを設けることで、液体の漏れを強制的に止めることが行われている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1においては、注出口本体と、注出口を覆い開閉可能な蓋とを備え、スリットを有するバルブを注出口本体の内部に設けた容器が記載されている。特許文献1には、蓋を完全に閉める手前の状態で蓋と注出口とを密閉させ、その後、さらに蓋を完全に閉めることで、蓋に付けた突起がバルブに挿入されてバルブのスリット部分を開ける構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-95277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の構成では、液体収容容器の保管時にはバルブのスリットに突起が挿入され、バルブが開放された状態であるため、密閉箇所が蓋と注出口本体との間のみとなっている。ここで、注出口本体のサイズが拡大すると、耐衝撃性が低下し、落下等の衝撃によって密閉箇所から液体が漏れる虞がある。
【0006】
本発明は、蓋と注出口部材との密閉箇所からのインク漏れを抑制するインク収容容器を提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るインク収容容器は、インクジェット記録装置のインクタンクにインクを補充可能なインク収容容器であって、インクを収容可能な収容部と、前記収容部に接続され、前記収容部に収容されているインクを注出可能な注出口を有する注出口部と、を有するインク収容部材と、前記注出口部に装着可能に構成され、前記注出口を開閉可能な蓋部と、を有し、前記蓋部材が装着された状態における、前記蓋部と前記注出口部との当接箇所密閉部としたときに前記蓋部材の天面に対して垂直な方向から見た際に、前記蓋部の天面の外部の、前記蓋部の外周と前記密閉部との間の領域に、円形状の溝構造又は前記蓋部材の前記天面の全周に連続して形成されている溝構造が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、蓋と注出口部材との密閉箇所からのインク漏れを抑制するインク収容容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】液体吐出装置の外観を示す斜視図である。
図2】液体吐出装置の内部構成を示す斜視図である。
図3】液体吐出装置における液体タンクが収納された部分の拡大斜視図と平面図である。
図4】液体収容容器の外観を示す図である。
図5】液体収容容器の部品構成図と断面図である。
図6】キャップの構造を示す図である。
図7】キャップがノズルに装着された状態の断面図である。
図8】キャップの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。尚、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。また、実施形態に記載されている構成要素の相対配置、形状などは、あくまで例示である。
【0011】
<<第1実施形態>>
図1は、本実施形態の液体吐出装置1の外観を示す斜視図である。図1に示す液体吐出装置1は、シリアル型のインクジェット記録装置である。図1に示す液体吐出装置1は、筐体11と、筐体11の内部に配置された液体タンク12とを備える。液体タンク12は、記録媒体(不図示)に吐出される液体であるインクを収容する。
【0012】
図2は、図1に示した液体吐出装置1の内部構成を示す斜視図である。図2において液体吐出装置1は、記録媒体(不図示)を搬送するための搬送ローラ13と、液体を吐出する記録ヘッド14が設けられたキャリッジ15と、キャリッジ15を駆動するためのキャリッジモータ16とを備える。記録媒体は、記録ヘッド14から吐出された液体によって画像が形成されるものであれば、特に限定されない。例えば、記録媒体としては、紙、布、光ディスクラベル面、プラスチックシート、またはOHPシートなどが挙げられる。
【0013】
液体は、液体タンク12に収容されており、液体流通路17を介して記録ヘッド14に供給され、記録ヘッド14から吐出される。本実施形態では、液体として、4色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラック)のインクが使用され、液体タンク12として、各色のインクを収容する4つの色別の液体タンク12a~12dが設けられている。以下、個々の液体タンクを識別して言及する場合、液体タンク12a~12dなどを末尾にアルファベットを付し、任意の液体タンクを言及する場合、液体タンク12と称するものとする。色別の液体タンク12a~12dのそれぞれは、筐体11の内部における液体吐出装置1の前面部に配置されている。
【0014】
図3(a)は、図1に示した液体吐出装置1の液体タンク12b~12dが収納された部分の拡大斜視図の一例であり、図3(b)は、図3(a)で示した斜視図の平面図である。液体タンク12は、液体を収容するための液体タンク本体121と、液体タンク本体121内の液体収容室に連通する連通流路122とを有する。また、液体補充時以外に連通流路122を覆い、液体タンク本体121の収容室を密閉するために装着可能なタンクカバー123(図2参照)を有する。液体を液体タンク12に補充する場合には、液体収容容器2(図4参照)の注出口を連通流路122に挿入し、液体を注入する。液体補充時以外はタンクカバー123で液体収容室を密閉することで、液体タンク12内部の液体の蒸発を抑制することができる。連通流路122は、内部に鉛直方向に並列に延びる2つの流路を備えており、気液交換によって液体収容容器2内の液体が液体タンクに注入される仕組みとなっている。液体吐出装置1において、液体収容容器2の注出口を挿入する部分にはソケット18が設けられている。ソケット18には内周壁から内側に突出する凸部19が設けられている。ソケット18は、液体タンク12ごとに設けられており、凸部19の形状は、液体容器の入れ間違い抑制の為にソケット18ごとに異なっている。凸部19は、連通流路122の中心軸に対して、180°の回転対称に存在している。
【0015】
図4は、液体タンク12に液体を補充する液体容器である液体収容容器2の外観を示す立面図である。図4における液体収容容器2は、液体を収容する収容部(本体部)であるボトル21と、ボトル21と接続されたノズル22と、ノズル22に着脱可能なキャップ23とを有する。ノズル22は、ボトル21に収容された液体を注出する際の出口としての機能を有する注出口部材である。キャップ23は、ノズル22に装着されることで、液体収容容器2(具体的には、ボトル21)の内部を外気から遮蔽する蓋部である。ボトル21とノズル22とを接続する方法は、可撓性の部品を挟んでシールする方法、または、ボトル21とノズル22とを共に樹脂部品とし、二部品を溶着する方法などがある。ボトル21およびノズル22は、一体の部品であってもよい。
【0016】
図5(a)は、図4に示す液体収容容器2の部品構成図の例を示す図である。図5(b)は、図5(a)に示す液体収容容器2の部品構成図を結合した状態の断面図である。液体収容容器2のボトル21は、上部に形成されたボトル溶着部21aと、下部に形成された液体収容部21bとを含む。ノズル22は、液体を注出する注出口22aと、外側に雄ネジ構造が形成されたノズルネジ部22bと、内側または底面に溶着面が形成されたノズル溶着部22cとを含む。蓋部であるキャップ23は、注出口部材であるノズル22に着脱可能に構成されており、注出口22aを開閉可能としている。ボトル21を形成する材料としては、PE(ポリエチレン)またはPP(ポリプロピレン)等が挙げられる。ノズル22を形成する材料としては、PE(ポリエチレン)またはPP(ポリプロピレン)等が挙げられる。ノズル22は、ノズル溶着部22cがボトル溶着部21aと溶着することでボトル21と接合される。ボトル21とノズル22とを溶着により接合する場合は、ボトル21およびノズル22は同種の材料であることが好ましい。ノズル22内部には、開口を有するシール24と、シール24の開口を開閉するバルブ25と、バルブ25を付勢するバネ26と、バネ26を固定するホルダ27とが備えられている。
【0017】
液体収容容器2から液体タンク12へ液体を供給する際には、液体収容容器2のノズル22の開口に、液体タンク12の連通流路122を挿入させる。液体収容容器2のノズル22には、液体吐出装置1のソケット18の凸部19に係合する凹部が設けられており、ノズル22の開口に連通流路122を挿入する際に液体収容容器2が位置決めされる。そして、液体収容容器2内の液体は、水頭差によって連通流路122を介して液体タンク本体121の収容室に供給される。
【0018】
ノズル22には、先端(上端)に連通流路122が挿入される開口を有するオリフィス部であるシール24が配されている。そして、液止弁の弁体であるバルブ25をバネ26で開口側に付勢することでシール24とバルブ25とのギャップが閉塞され、液体収容容器2が密閉される。本実施形態では、付勢機構としてバネ26を用い、ノズル22の内空間に固定したホルダ27にバネ26を保持させている。シール24は、ゴムまたはエラストマー等の可撓性部材で構成されている。バルブ25を形成する材料としては、PE(ポリエチレン)またはPP(ポリプロピレン)等が挙げられる。バネ26を形成する材料としては、SUS(ステンレス)等が挙げられる。ホルダ27を形成する材料としては、PE(ポリエチレン)またはPP(ポリプロピレン)等が挙げられる。ホルダ27をノズル22に固定する方法としては、溶着等が挙げられる。
【0019】
液体収容容器2から液体タンク12へ液体を供給する際には、シール24の開口から連通流路122がノズル22内に挿入されることで、バルブ25が開放される。そして、前述したように、液体収容容器2内の液体は水頭差によって連通流路122を介して液体タンク本体121の収容室に供給される。尚、図5(b)にあるように、キャップ23に突起23f等を設けることで、開栓および閉栓時にバルブ25を開放する場合もある。これにより、液体収容容器2内の圧力が外部の気圧より高い場合にも、液体タンク12へ液体を供給する際に液体タンク12に液体が勢いよく流入し液体タンクが溢れることを抑制できる。
【0020】
本実施形態では、キャップ23をノズル22に装着する方法の例として、ノズル22とキャップ23とを螺合する方法が挙げられる。具体的には、図5(a)、図5(b)に示すように、ノズル22の外側に雄ネジ構造が形成されたノズルネジ部22bと、キャップ23の下部の内側に雌ネジ構造が形成されたキャップネジ部23aとを用いて螺合する方法が挙げられる。キャップ23をノズル22に装着することにより、キャップシール部23bと注出口22aの一部とを嵌合させ、液体収容容器2を密閉することができる。尚、逆に、雄ネジ部が形成されたキャップ23と、雌ネジ部が形成されたノズル22とを用いてもよい。キャップ23をノズル22に完全に装着して液体収容容器2を密閉させた状態では、突起23f等によってバルブ25が開放された状態が維持されてよい。
【0021】
また、キャップ23をノズル22に装着する方法として、螺合せず、密閉部以外に嵌合する箇所を設けてもよい。例えば、キャップ23がノズル22の外側で勘合する外嵌合蓋、または、ノズル22の内側で勘合する内嵌合蓋などの構成としてもよい。
【0022】
本実施形態の液体収容容器2のノズル22は、液体吐出装置1のソケット18の凸部19に係合する凹部が設けられている。これにより、液体タンク12へ液体収容容器2から液体を補充する際、誤った液体タンク12への補充を防ぐことができる。一方で、このようにノズル22に凹部を設けることなどによって、ノズル22のサイズが拡大することがある。ノズル22のサイズが拡大すると、耐衝撃性が低下し、落下等の衝撃によって密閉箇所から液体が漏れる虞がある。そこで、本実施形態では、キャップ23に衝撃を緩和する構成を設けている。以下、説明する。
【0023】
図6は、本実施形態のキャップ23の構造を示す図である。図6(a)は、キャップ23を上方から見た斜視図と断面図とを示している。本実施形態では、図6(a)に示すように、キャップ23の外側の天面に円形状の溝構造23eが配されている。キャップ23の外側とは、キャップ23をノズル22に装着した場合に外気に接する側のことである。溝構造23eは、キャップ23の全周に連続して形成されている。溝構造23eを、キャップ23とノズル22とが嵌合する密閉部(キャップシール部23b)と、キャップ23の外周との間に配することで、落下等によりキャップ外周近傍へ与えられた衝撃を、溝構造23eによって緩和できる。このため、密閉部へ伝わる衝撃を低減し、液体の漏出を抑制できる。図7は、キャップ23がノズル22に装着された状態の断面図である。図7に示すように、密閉部(キャップシール部23b)の嵌合面が、液体収容容器2の正立した状態の鉛直方向である場合、溝構造23eは、嵌合面に対する垂直方向からの衝撃に対し、効果的に作用する。
【0024】
図6(b)~図6(e)は、溝構造23eの他の例を示す図である。溝構造23eは、図6(b)に示すように、キャップ23の内側の天面に備えられてもよい。キャップ23の内側とは、キャップ23をノズル22に装着した場合にノズル22に接する側のことである。また、図6(c)に示すように、溝構造23eは、キャップ23の外側(溝構造23e1)および内側(溝構造23e2)の両側に備えられていてもよい。いずれの場合でも、溝構造23eは、キャップ23とノズル22とが嵌合する密閉部(キャップシール部23b)と、キャップ23の外周との間に備えられている。尚、図6(c)では、キャップ23の内側の溝構造23e2の方が、外側の溝構造23e1よりもキャップ23の外周側に配されている例を示している。しかしながら、逆に、キャップ23の外側の溝構造23e1の方が内側の溝構造23e2よりもキャップ23の外周側に配されてもよい。また、溝構造23eの形状は、図6(d)に示すように、多角形状であってもよい。また、溝構造23eは、図6(e)に示すように、全周がつながっていなくてもよい。即ち、溝構造23eは、キャップ23の全周に、分断して形成されていてもよい。また、溝構造23eは、全周が同じ幅で形成されていてもよいし、部分的に異なる幅の箇所があってもよい。また、溝構造23eの深さも、全周が同じ深さであってもよいし、部分的に異なる深さの箇所があってもよい。複数の溝構造23eが設けられている場合には、各溝構造23eの幅および深さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0025】
図8は、キャップ23の他の例を示す図である。図8に示すように、溝構造23eの直下に、ノズル22と当接する円筒構造23cを配してもよい。円筒構造23cを配することで、キャップ23の肉厚を均一にすることができ、キャップ23の外部に与えられた衝撃を分散させ、ノズル22とキャップ23との嵌合箇所へ伝わる衝撃を緩和することができる。また、円筒構造23cによって、キャップ23を開栓時に、飛沫が外部に飛散することを抑制することもできる。
【0026】
以上説明したように、本実施形態では、ノズル22とキャップ23との密閉部と、キャップ23の外周との間に、溝構造23eを備えるキャップ23を用いる。この溝構造23eを設けることにより、キャップ23の外周近傍に与えられた衝撃を、溝構造23eによって緩和し、当接箇所である密閉部に伝わる衝撃を低減し、液体の漏出を抑制することができる防ぐことができる。
【0027】
<<その他の実施形態>>
上記の実施形態において、液体収容容器は、液体吐出装置の液体タンクに液体を補充するために用いられる例を説明したが、任意の装置の液体タンクに液体を補充するために用いるものであってもよい。また、液体収容容器に収容される液体としてインクを用いる例を説明したが、任意の液体を収容してよい。
【符号の説明】
【0028】
2 液体収容容器
22 ノズル
22d ノズルシール部
23 キャップ
23b キャップシール部
23e 溝構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8