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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】制御装置及び荷役システム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20240610BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
B25J13/08 A
B65G1/00 521A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020126546
(22)【出願日】2020-07-27
(65)【公開番号】P2022023544
(43)【公開日】2022-02-08
【審査請求日】2023-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 裕典
【審査官】樋口 幸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-234491(JP,A)
【文献】特開2008-064326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 13/08
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1環境下に設置された第1撮像装置に接続される第1接続部と、
第2環境下に設置された第2撮像装置に接続される第2接続部と、
前記第2環境より低温である前記第1環境下から前記第2環境下に移動された物品を把持して荷役を行う荷役装置に接続される第3接続部と、
前記第1接続部を介して前記第1撮像装置によって撮像された物品の第1撮像画像と、前記第2接続部を介して前記第2撮像装置によって撮像された前記物品の第2撮像画像とを取得し、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像に基づいて前記物品の表面に付着した霜の状態を判定した判定結果を前記第3接続部を介して送信する制御部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記物品の表面に付着した霜の状態に基づいて、前記荷役装置の動作を切り替える判定結果を前記第3接続部を介して送信する、請求項に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第2環境の温度又は湿度を検出する検出装置に接続される第4接続部を更に備え、
前記制御部は、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像に加え、前記第4接続部を介して取得する前記検出装置の検出結果を用いて、前記物品の表面に付着した霜の状態を判定する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記物品に霜が付着していると判定した場合、前記荷役装置が備える圧縮空気供給装置を制御することで、前記荷役装置による前記物品の把持動作に先駆けて、当該物品に空気を噴射させる、請求項1乃至のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記圧縮空気供給装置から噴射される空気の噴射口は、前記物品を吸着して把持するための把持部に設けられ、
前記制御部は、前記圧縮空気供給装置に正圧又は負圧の空気を発生させることで、前記把持部による前記空気の噴射動作と、前記把持部による前記物品の把持動作とを切り替える、請求項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記物品に付着した霜の着氷度合に応じて、前記物品に噴射する空気の噴射強度を制御する、請求項又はに記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記物品に付着した霜の着氷度合が閾値以上と判定した場合、前記荷役装置による前記物品の把持動作を抑制する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記物品に霜が付着していないと判定した場合、前記荷役装置に前記物品の把持動作を開始させる、請求項1乃至のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
第1環境下に設置される第1撮像装置と、
第2環境下に設置される第2撮像装置と
前記第2環境より低温である前記第1環境下から前記第2環境下に移動された物品を把持して荷役を行う荷役装置と、
前記第1撮像装置によって撮像された物品の第1撮像画像と、前記第2撮像装置によって撮像された前記物品の第2撮像画像とを取得し、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像に基づいて前記物品の表面に付着した霜の状態を判定した判定結果を前記荷役装置に送信する制御装置と、
を有する荷役システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御装置及び荷役システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品等の荷物を収納する物流倉庫等では、荷物の荷降しに荷降装置等の荷役装置が用いられている。例えば、要冷凍又は要冷蔵の荷物を収納する倉庫(以下、冷凍倉庫ともいう)からコンベア等によって外部に移動された荷物を、荷役装置によって荷降しするようなことが行われている。
【0003】
また、荷役装置では、カメラ等の撮像装置で撮像された荷物の画像から当該荷物を位置や形状等を画像認識し、その認識結果に基づいて荷物を把持することが行われている。例えば、従来、撮像によって得られた画像から荷物の位置や姿勢を認識し、その結果に基づいてピッキングする荷物を選出する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-120141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、冷凍倉庫内に収納されていた荷物が倉庫外の環境下に移動されると、倉庫外の空気温度と荷物の温度との温度差により荷物の表面に霜が付着する場合がある。この場合、霜の影響によって荷物を画像認識する際の精度が低下し、荷物の表面に付着した霜が荷物を把持する際の妨げとなる可能性もあるため、荷役装置の荷降し性能が低下する可能性があった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、冷凍又は冷蔵された物品の荷役を効率的に行うことが可能な制御装置及び荷役システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の制御装置は、第1接続部と、第2接続部と、第3接続部と、制御部とを備える。第1接続部は、第1環境下に設置された第1撮像装置に接続される。第2接続部は、第2環境下に設置された第2撮像装置に接続される。第3接続部は、前記第1環境下から前記第2環境下に移動された物品を把持して荷役を行う荷役装置に接続される。制御部は、前記第1接続部を介して前記第1撮像装置によって撮像された物品の第1撮像画像と、前記第2接続部を介して前記第2撮像装置によって撮像された前記物品の第2撮像画像とを取得し、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像に基づいて前記物品の表面の状態を判定した判定結果を前記第3接続部を介して送信する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る荷役システムのレイアウトの一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る荷役システムの構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る把持部の構成例を模式的に示す図である。
図4図4は、実施形態に係る制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態の制御装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る制御装置及び荷役システムを、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係る荷役システムのレイアウトの一例を示す図である。図1では、荷役システムのレイアウトを上方から見た状態を模式的に示している。なお、X方向及びY方向は、互いに直交する水平面に沿う方向である。Z方向は、X方向及びY方向に直交する鉛直方向である。
【0011】
図1に示すように、荷役システム1は、第1コンベア10と、第2コンベア20と、荷降部30と、第3コンベア40と、荷降装置50と、第4コンベア60とを有する。ここで、第1コンベア10及び第3コンベア40は、冷凍倉庫A1から常温倉庫A2にかけて設置される。また、第2コンベア20、荷降部30、荷降装置50及び第4コンベア60は、常温倉庫A2に設置される。
【0012】
冷凍倉庫A1は、常温倉庫A2よりも低温(例えば-15℃以下、-5~5℃等)に保たれており、冷凍品又は冷蔵品である荷物Wを収納する。荷物Wは、例えば箱状の形状を有し、パレットPに積載された状態で冷凍倉庫A1内に収納される。なお、冷凍倉庫A1内の環境は、第1環境下の一例である。
【0013】
一方、常温倉庫A2は、例えば冷凍倉庫A1に隣接して設けられる。常温倉庫A2の倉庫内温度は、冷凍倉庫A1よりも高温な常温(例えば5~35℃)となっている。常温倉庫A2は、例えば、冷凍倉庫A1に収納された荷物Wを輸送に移行する際の一時的な保管場所として使用される。なお、常温倉庫A2内の環境は、第2環境下の一例である。
【0014】
第1コンベア10は、ローラーコンベアやベルトコンベア等の搬送装置である。第1コンベア10は、冷凍倉庫A1に収納された荷物Wを冷凍倉庫A1外(常温倉庫A2)に搬送する。ここで、荷物Wは、例えば図示しないパレット搬送機等により、パレットPに積載された状態で第1コンベア10上に載置される。なお、冷凍倉庫A1内の第1コンベア10の搬送経路上には、後述する撮像ボックス11が設けられている。
【0015】
第2コンベア20は、ローラーコンベアやベルトコンベア等の搬送装置である。第2コンベア20は、第1コンベア10によって搬送されたパレットPを受け取って荷降部30まで搬送する。
【0016】
荷降部30は、第3コンベア40の搬送方向の下流側に設置されており、第2コンベア20によって搬送されたパレットPを一時的に保持する。また。荷降部30は、ローラーコンベアやベルトコンベア等の搬送機構を有し、後述する制御装置70(図2参照)の制御の下、保持したパレットPを第3コンベア40に向けて搬送することが可能となっている。
【0017】
第3コンベア40は、ローラーコンベアやベルトコンベア等の搬送装置である。第3コンベア40は、荷降部30によって搬送されたパレットPを受け取って冷凍倉庫A1内に搬送する。冷凍倉庫A1に搬送されたパレットPは、例えば図示しないパレット搬送機等によって冷凍倉庫A1内の所定位置に置かれる。
【0018】
荷降装置50は、荷役装置の一例である。荷降装置50は、荷降部30に保持されたパレットPから荷物Wを把持して、当該荷物Wを第4コンベア60に移動する荷降し(荷役)動作を行う。具体的には、荷降装置50は、後述する制御装置70(図2参照)の制御の下、画像認識によって得られた荷物Wの位置や形状等に基づいて把持部53及びアーム54等を駆動することで荷物Wの荷降し動作を行う。
【0019】
第4コンベア60は、ローラーコンベアやベルトコンベア等の搬送装置である。第4コンベア60は、荷降装置50によって運ばれた荷物Wを受け取り、当該荷物Wを輸送用のコンテナ等、所定の場所まで搬送する。
【0020】
ところで、図1のレイアウトでは、冷凍倉庫A1に収納された荷物Wが常温倉庫A2に移動された際に、常温倉庫A2の温度と荷物Wの温度との温度差により荷物Wの表面に霜が付着する場合がある。この場合、荷物Wに付着した霜の影響により荷物Wを画像認識する際の精度が低下する可能性がある。また、荷物Wの表面に付着した霜が当該荷物Wを荷降装置50で把持する際の妨げとなる可能性もある。そのため、上述のようなレイアウトでは、荷降装置50の荷降し性能が低下する可能性があった。
【0021】
そこで、本実施形態の荷役システム1では、荷物Wに付着した霜の影響を低減するための構成を更に備える。以下、図2を参照して、荷役システム1の構成について説明する。
【0022】
図2は、荷役システム1の構成の一例を示す図である。なお、図2は、図1に示した第1コンベア10、第2コンベア20、荷降部30及び荷降装置50を、X方向から見た状態を模式的に示している。
【0023】
図2に示すように、荷役システム1は、第1コンベア10の搬送経路上に設置された撮像ボックス11を備える。撮像ボックス11は、冷凍倉庫A1内に設置されており(図1参照)、第1コンベア10の搬送経路を跨ぐゲート状の形状を有する。
【0024】
撮像ボックス11内の上方には第1カメラ12が設けられている。第1カメラ12は、第1撮像装置の一例であり、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary MOS)イメージセンサ等の撮像素子を備えたデジタルカメラによって実現される。
【0025】
第1カメラ12は、第1コンベア10上を搬送されるパレットP(荷物W)を上方から撮像する。つまり、第1カメラ12は、霜が付着する前の状態の荷物Wを撮像する。第1カメラ12で撮像された撮像画像(以下、第1撮像画像ともいう)は、後述する制御装置70に出力される。
【0026】
なお、第1カメラ12の撮像条件や撮像環境(以下、総称して撮像条件という)は、荷降装置50に設置された後述する第2カメラ51の撮像条件と略同等とすることが好ましい。例えば、第1カメラ12が荷物Wを撮像する際の画角や焦点距離、撮像方向、照度等の撮像条件は、第2カメラ51の撮像条件と略同等とすることが好ましい。また、第2カメラ51の撮像条件と同等とするため、撮像ボックス11内に照明等を別途設けてもよい。このように、第1カメラ12と第2カメラ51とで撮像条件を略同等とすることで、両カメラで撮像された撮像画像を比較する際の利便性や精度を向上させることができる。
【0027】
荷降装置50は、第2カメラ51、センサ52、把持部53及びアーム54等を備える。第2カメラ51は、第2撮像装置の一例である。第2カメラ51は、第1カメラ12と同様、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等の撮像素子を備えたデジタルカメラ等で実現することができる。第2カメラ51は、荷降部30の上方に設けられ、荷降部30に置かれたパレットP(荷物W)を上方から撮像する。
【0028】
ここで、第2カメラ51が撮像する荷物Wは、冷凍倉庫A1から常温倉庫A2に移動されてきたものであるため、移動の過程で荷物Wの表面に霜が付着している可能性がある。つまり、第2カメラ51は、霜が付着した状態の荷物Wを撮像することができる。第2カメラ51で撮像された撮像画像(以下、第2撮像画像ともいう)は、後述する制御装置70に出力される。
【0029】
センサ52は、検出装置の一例である。センサ52は、荷物Wの周辺環境をセンシングする各種のセンサ装置である。センサ52は、例えば、温度センサや湿度センサ等であり、荷物W周辺の温度、湿度をセンシングする。センサ52のセンシング結果は、後述する制御装置70に出力される。
【0030】
把持部53は、荷物Wを把持する手段である。把持部53は、例えば図3に示すように、1つ以上の吸着パッド532を有する構成とすることができる。
【0031】
図3は、把持部53の構成の一例を模式的に示す図である。なお、図3は、把持部53の一部を断面として示している。
【0032】
図3に示すように、把持部53は、断面L字型の本体531を有する。本体531のL字型の内壁面531a、531bには、吸着パッド532が複数設けられている。吸着パッド532は、シリコンゴムなどの剛性が低い素材によって構成され、荷物Wの表面形状に倣って変形可能である。なお、吸着パッド532の数は、図3の例に限定されないものとする。例えば、吸着パッド532は、内壁面531a、531b枚に一つであってもよい。また、吸着パッド532は、内壁面531aにのみ設ける構成としてもよい。
【0033】
吸着パッド532は、内部流路533を介してエアーコンプレッサ534に接続される。具体的には、吸着パッド532の中央部には、内部流路533に連通する孔533aが設けられている。内部流路533は、全ての吸着パッド532とエアーコンプレッサ534との間を接続する。なお、孔533aは噴射口の一例である。
【0034】
エアーコンプレッサ534は、圧縮空気供給装置の一例である。エアーコンプレッサ534は、制御装置70の制御の下、内部流路533の内部に大気圧よりも低い圧力(負圧)を発生させる。吸着パッド532は、内部流路533が負圧とされることで、吸着パッド532に接触する荷物Wを保持(吸着把持)する。つまり、把持部53では、内壁面531a、531bに設けられた吸着パッド532により、荷物Wの角部等を吸着することで、荷物Wを2面で把持することが可能となっている。
【0035】
また、エアーコンプレッサ534は、制御装置70の制御の下、内部流路533の内部に大気圧よりも高い圧力(正圧)を発生させる。この場合、吸着パッド532は、内部流路533が正圧とされることで、孔533aからエアーを噴射する。
【0036】
図2に戻り、アーム54は、把持部53を移動させる手段である。例えばアーム54は、X方向,Y方向及びZ方向に移動可能なスライド機構、昇降機構等によって実現できる。アーム54の先端は、把持部53に接続され、把持部53を支持する。アーム54は、後述する制御装置70の制御の下、3次元空間の所望の位置に把持部53を移動させることができる。
【0037】
制御装置70は、例えばPC(Personal Computer)やサーバー装置等のコンピュータである。制御装置70は、第1カメラ12及び第2カメラ51で撮像された撮像画像や、センサ52で取得されたセンシング値等から荷物Wに付着した霜の状態(着氷の程度)を判定し、その判定結果に基づいて荷降装置50の荷降し動作を制御する。以下、制御装置70の構成について説明する。
【0038】
図4は、制御装置70のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示すように、制御装置70は、プロセッサ71、第1カメラインタフェース72、第2カメラインタフェース73、センサインタフェース74、コンベアインタフェース75、荷降装置インタフェース76及び記憶部77等を備える。
【0039】
プロセッサ71は、制御部の一例である。プロセッサ71は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって実現される。
【0040】
第1カメラインタフェース72は、第1接続部の一例である。第1カメラインタフェース72は、第1カメラ12を接続するためのインタフェースである。第2カメラインタフェース73は、第2接続部の一例である。第2カメラインタフェース73は、第2カメラ51を接続するためのインタフェースである。センサインタフェース74は、第4接続部の一例である。センサインタフェース74は、センサ52を接続するためのインタフェースである。
【0041】
コンベアインタフェース75は、荷降部30を接続するためのインタフェースである。荷降装置インタフェース76は、第3接続部の一例である。荷降装置インタフェース76は、荷降装置50を接続するためのインタフェースである。
【0042】
記憶部77は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、半導体メモリ素子やハードディスク等の補助記憶装置によって構成される。記憶部77は、プロセッサ71が実行する各種のプログラムや設定情報等を記憶する。プロセッサ71は、記憶部77に記憶されたプログラムと協働し、後述する各機能部を実現させる。
【0043】
次に、図5を参照して、制御装置70が備える機能構成について説明する。図5は、制御装置70の機能構成の一例を示す図である。
【0044】
図5に示すように、制御装置70は、取得部711と、判定部712と、認識部713と、動作制御部714とを機能部として備える。これら機能部の一部又は全ては、プロセッサ71が、記憶部77に記憶されたプログラムを実行することで実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、機能部の一部又は全ては、プロセッサ71等が備える専用回路によって実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0045】
取得部711は、第1カメラインタフェースを介して、第1カメラ12で撮像された第1撮像情報を取得する。また、取得部711は、第2カメラインタフェース73を介して、第2カメラ51で撮像された第2撮像画像を取得する。また、取得部711は、センサインタフェース74を介して、センサ52のセンシング結果(センシング値)を取得する。
【0046】
ここで、取得部711は、第1カメラ12及び第2カメラ51で撮像される撮像画像の中から、パレットP又は荷物Wの形状等を認識することで、荷物Wが写った撮像画像を抽出して取得する構成としてもよい。また、取得部711は、第2撮像画像を取得したタイミングでセンサ52のセンシング値を取得してもよい。
【0047】
取得部711によって取得された一連する第1撮像画像、第2撮像画像及びセンシング値は互いに関連付けて記憶部77等に記憶される。具体的には、取得部711は、荷物Wを積載したパレットPが搬送される毎に、当該パレットPの搬送過程で撮像された第1撮像画像及び第2撮像画像と、センサ52のセンシング値とを関連付けて記憶部77に記憶する。
【0048】
なお、第1撮像画像、第2撮像画像及びセンシング値は、荷物Wの荷降しが完了するまでの間、一時的に記憶する構成としてもよいし、荷物Wの荷降しが完了した後も記憶し続ける構成としてもよい。後者の場合、例えば、記憶部77に記憶された第1撮像画像、第2撮像画像及びセンシング結果の各組を、実際に測定された荷物Wの霜の状態(後述する着氷度合)等と関連付けて記憶しておくことで、機械学習用の学習データとして利用することができる。
【0049】
判定部712は、取得部711が取得した一連の第1撮像画像、第2撮像画像及びセンシング値に基づいて、荷物Wの表面に付着した霜の状態、つまり着氷の程度を判定する。具体的には、判定部712は、記憶部77に直近に記憶された第1撮像画像、第2撮像画像及びセンシング値に基づき、着氷の程度を示す値(以下、着氷度合ともいう)を判定結果として導出する。
【0050】
ここで、着氷度合は、着氷の有無を示す2値で表してもよいし、複数段階のレベルで表してもよい。例えば、着氷度合は、着氷のないレベルL1から、着氷が最も進んだ状態のレベルL5にかけて5段階のレベルで表してもよい。以下では、着氷度合を5段階のレベルで表した例について説明する。
【0051】
また、着氷度合の判定は種々の方法を採用することが可能である。一例として、判定部712は、第1撮像画像と第2撮像画像とを比較し、両撮像画像の変化量に基づき着氷度合を導出してもよい。この場合、例えば、第1撮像画像と第2撮像画像とに含まれる白色成分の変化量(増加量)や輝度値の変化量(増加量)等に基づいて着氷度合を導出してもよい。
【0052】
また、他の例として、第1撮像画像、第2撮像画像及びセンシング値の各組と、その組の条件で実際に測定された荷物Wの着氷度合(教師データ)との関係を機械学習することで得られた学習済モデルを用いて着氷度合を導出してもよい。この場合、判定部712は、取得部711が取得した第1撮像画像、第2撮像画像及びセンシング値を学習済モデルに入力することで、当該学習済モデルが出力する推論結果(着氷度合)を判定結果として取得する。
【0053】
学習済モデルは、制御装置70で作成されたものであってもよいし、他の装置で予め作成されたものであってもよい。また、学習済モデルは、第1撮像画像及び第2撮像画像と、教師データとから作成されたものであってもよい。この場合は、判定部712は、取得部711が取得した第1撮像画像及び第2撮像画像を学習済モデルに入力することで、当該学習済モデルが出力する推論結果(着氷度合)を判定結果として取得する。
【0054】
認識部713は、取得部711が取得した撮像画像から、荷降しの対象となる荷物Wを認識する。具体的には、認識部713は、荷物Wに霜が付着する前の第1撮像画像から、パレットPに積載された荷物Wのサイズ、形状、位置等を画像認識する。また、認識部713は、荷物Wの上面に個体識別子等の情報(以下、個体情報ともいう)が付されている場合には、第1撮像画像から、荷物Wに付された個体情報を画像認識してもよい。画像認識は、公知の技術を用いることが可能である。
【0055】
なお、認識部713が認識対象とする撮像画像は、第1撮像画像に限らず、第2撮像画像であってもよい。この場合、認識部713は、判定部712の判定結果に応じて、第2撮像画像の画像認識を行うタイミングを制御してもよい。例えば、判定部712で着氷度合がレベルL2以上等と判定された場合には、認識部713は、後述する動作制御部714の制御により把持部53からエアーの噴射が行われた後、取得部711により新たに取得される第2撮像画像から画像認識を行ってもよい。また、認識部713は、判定部712により着氷度合がレベルL1と判定された場合には、取得部711で取得された第2撮像画像から画像認識を直ちに行ってもよい。
【0056】
動作制御部714は、判定部712及び認識部713の処理結果に基づき、荷降部30の動作や荷降装置50の動作を制御する。
【0057】
例えば、判定部712で判定された着氷度合がレベルL2~レベルL4等、霜の存在を示す値の場合、動作制御部714は、荷物Wの荷降し動作に先駆けて、荷物Wの表面に付着した霜を除去するための動作を荷降装置50に実行させる。
【0058】
具体的には、動作制御部714は、荷降装置50のアーム54を制御することで、把持の対象となる荷物Wの角部に把持部53を近付ける。ここで、把持対象となる荷物Wの決定や、当該荷物Wの角部の特定は、認識部713の認識結果に基づいて行うものとする。
【0059】
続いて、動作制御部714は、把持部53のエアーコンプレッサ534を制御し、内部流路533の内部に正圧のエアーを発生させることで、吸着パッド532(孔533a)からエアーを噴射させる。かかる処理により、荷物Wの表面に付着した霜は吸着パッド532から噴射されたエアーによって吹き飛ばされるため、荷物Wの表面から除去されることになる。
【0060】
なお、動作制御部714は、着氷度合に応じて、エアーを噴射する強度を切り替えてもよい。この場合、動作制御部714は、着氷度合が大きくなるほど、エアーの噴射強度が上昇するようエアーコンプレッサ534が発生する正圧を制御する。これにより、動作制御部714は、霜の状態に適した強度で荷物Wにエアーを噴射させることができるため、霜の除去を効率的に行うことができる。
【0061】
次いで、動作制御部714は、把持部53のエアーコンプレッサ534を制御し、内部流路533の内部に負圧のエアーを発生させることで、荷物Wの角部を吸着パッド532によって吸着把持させる。そして、動作制御部714は、アーム54を制御することで、把持部53が吸着把持した荷物Wを第4コンベア60まで移動させる。
【0062】
また、動作制御部714は、パレットPに積載された全ての荷物Wの荷降しが完了したと判断すると、荷降部30の動作を制御することで、パレットPを第3コンベア40に向けて搬送させる。これにより、空となったパレットPは、第3コンベア40によって冷凍倉庫A1に戻される。
【0063】
上述のように、動作制御部714では、荷物Wの表面に霜が付着しているような場合、その荷物Wの荷降し動作に先駆けて、霜を除去するためのエアー噴射処理を実行する。これにより、荷役システム1では、第2カメラ51によって撮像される荷物Wの撮像画像の鮮明度を上げることができるため、第2撮像画像に基づく画像認識の精度を向上させることができる。また、荷役システム1では、荷物Wを把持する際の妨げとなる霜を除去することができるため、荷物Wの把持を確実に行うことができる。
【0064】
また、荷役システム1では、把持部53が有する吸着把持のため機構、つまり吸着パッド532(孔533a)を介したエアーの噴射機能を用いて、荷物Wの表面に付着した霜を除去することができる。これにより、荷役システム1では、吸着パッド532が吸着把持する位置の霜を効率的に除去することができるため、荷物Wの把持をより確実に行うことができる。
【0065】
なお、動作制御部714は、パレットPに積載された荷物Wの各々について上述の処理を行うものとするが、その処理手順は適宜変更することが可能である。例えば、動作制御部714は、パレットPに積載された荷物W毎に、エアーの噴射及び荷降しを順次行う形態としてもよい。また他の例として、動作制御部714は、把持部53を近接させることが可能な複数の荷物Wの各々について、エアーの噴射により霜を除去した後、荷降しを順次行う形態としてもよい。
【0066】
また、例えば、判定部712で判定された着氷度合がレベルL5等、所定の閾値(以下、第1閾値ともいう)以上であるような場合、動作制御部714は、霜の影響により荷物Wを荷降しすることができないと判断し、冷凍倉庫A1に戻すリジェクト処理を行う。
【0067】
具体的には、動作制御部714は、着氷度合が第1閾値である場合、荷物Wの把持動作や荷降し動作が実行されないよう抑制する。次いで、動作制御部714は、荷降部30の動作を制御することで、荷降部30に保持されたパレットPを第3コンベア40に向けて搬送させる。これにより、荷物Wを積載したパレットPは、第3コンベア40によって冷凍倉庫A1に戻される。
【0068】
また、例えば、判定部712で判定された着氷度合がレベルL1等、霜の無い状態や霜が微量であることを示す閾値(以下、第2閾値ともいう。但し、第1閾値>第2閾値)未満である場合、動作制御部714は、エアーの噴射を行うことなく、荷物Wの荷降しを直ちに実行させる。
【0069】
このように、動作制御部714は、荷物Wに付着した霜の状態に応じて荷降装置50の動作、つまり荷降し方法を切り替える。これにより、荷降装置50では、霜の状態に適した方法で荷物Wを荷降しすることができるため、冷凍又は冷蔵された荷物Wの荷降しを効率的に行うことができる。
【0070】
以下、図6を参照して、制御装置70の動作例について説明する。図6は、制御装置70が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【0071】
まず、荷物Wを積載したパレットPが第1コンベア10上を搬送されると、第1カメラ12は、撮像ボックス11の位置においてパレットPを上方から撮像する。これに伴い、取得部711では、第1カメラ12で撮像された第1撮像画像を取得する(ステップS11)。
【0072】
第1コンベア10上を搬送されたパレットPは、その後、第2コンベア20によって、荷降部30に搬送される。そして、パレットPが荷降部30に保持(セット)されると、第2カメラ51はパレットPを上方から撮像する。これに伴い、取得部711は、第2カメラ51で撮像された第2撮像画像を取得する(ステップS12)。また、取得部711は、センサ52のセンシング値を取得する(ステップS13)。
【0073】
ここで、ステップS11、S12及びS13で取得された各種データは、同一のパレットPに積載された荷物Wに関する一連のデータとして記憶される。
【0074】
続いて、判定部712は、ステップS11、S12及びS13で取得された各種データに基づいて、荷物Wの表面に付着した霜の着氷度合を判定する(ステップS14)。また、認識部713は、ステップS11及びS12で取得された第1撮像画像及び第2撮像画像に基づき、撮像画像に含まれた荷物Wの位置、形状等を画像認識する(ステップS15)。
【0075】
続いて、動作制御部714は、ステップS14及びステップS15の処理結果に基づき、荷降部30及び荷降装置50の動作を制御する。具体的には、動作制御部714は、ステップS14で判定された着氷度合が、荷降し不可能な霜の状態を示す第1閾値以上か否かを判定する(ステップS16)。ここで、着氷度合が第1閾値以上の場合には(ステップS16;Yes)、動作制御部714は、荷降装置50の荷降し動作を抑制し、ステップS23に移行する。
【0076】
また、着氷度合が第1閾値未満の場合には(ステップS16;No)、動作制御部714は、荷降し可能と判定し(ステップS16;Yes)、ステップS17に移行する。ステップS17では、動作制御部714は、着氷度合が霜の無い状態又は霜が微小であることを示す第2閾値未満か否かを判定する(ステップS17)。ここで、着氷度合が第2閾値未満の場合には(ステップS17;Yes)、動作制御部714は、ステップS18に移行する。
【0077】
ステップS18では、動作制御部714は、把持部53及びアーム54を制御することで、荷物Wの荷降しを行う(ステップS18)。そして、動作制御部714は、全ての荷物Wを荷降しするまでステップS18の処理を繰り返し実行し(ステップS19;No)、全ての荷物Wの荷降しが完了すると(ステップS19;Yes)、ステップS23に移行する。
【0078】
一方、ステップS17において、着氷度合が第2閾値以上と判定した場合には(ステップS17;No)、動作制御部714は、把持部53及びアーム54を制御することで、荷物Wに対し着氷度合に応じた強度でエアーを噴射させる(ステップS20)。これにより、荷物Wの表面に付着した霜が除去されることになる。
【0079】
続いて、動作制御部714は、把持部53及びアーム54を制御し、霜が除去された荷物Wを把持部53によって吸着把持させることで、当該荷物Wの荷降しを行う(ステップS21)。次いで、動作制御部714は、パレットPに積載された全ての荷物Wを荷降ししたか否かを判定し、パレットP上に荷物Wが存在する場合には(ステップS22;No)、ステップS20に処理を戻す。また、動作制御部714は、全ての荷物Wの荷降しが完了したと判定した場合には(ステップS22;Yes)、ステップS23に移行する。
【0080】
なお、ステップS22でパレットP上に荷物Wが存在した場合、ステップS20の代わりに、ステップS12に処理を戻す構成としてもよい。これにより、荷物Wのリアルタイムの状態に基づいて着氷度合の判定を行うことができるため、荷物W毎の着氷度合の判定精度を向上させることができる。
【0081】
続いて、動作制御部714は、荷降部30を制御し、パレットPを第3コンベア40に移動せることでパレットPを冷凍倉庫A1に搬送させ(ステップS23)、本処理を終了する。
【0082】
なお、制御装置70は、冷凍倉庫A1から常温倉庫A2にパレットPが搬送される毎に上記の処理を実行する。つまり、制御装置70は、荷物Wの荷降しをパレットPの単位で実行することになる。
【0083】
以上のように、制御装置70は、荷物Wが冷凍倉庫A1から荷降装置50に移動される過程で、第1カメラ12によって撮像された荷物Wの第1撮像画像と、第2カメラ51によって撮像された荷物Wの第2撮像画像とを取得し、第1撮像画像及び第2撮像画像に基づいて荷物Wの表面に付着した霜の状態を判定し、その判定結果に応じて荷降装置50の動作を切り替える。これにより、荷降装置50では、霜の状態に適した荷降し方法で荷物Wを荷降しすることができるため、冷凍又は冷蔵された荷物Wの荷降しを効率的に行うことができる。
【0084】
また、制御装置70は、第1撮像画像及び第2撮像画像とともに、センサ52のセンシング結果を用いて、荷物Wの表面に付着した霜の状態を判定することができる。これにより、制御装置70では、荷物Wの表面に付着した霜の状態をより高精度に判定することができるため、霜の状態に適した荷降し方法で荷降装置50を動作させることができる。
【0085】
また、制御装置70は、荷物Wに霜が付着していると判定した場合、荷降装置50が備えるエアーコンプレッサ534を制御することで、荷降装置50による荷物Wの把持動作に先駆けて、荷物Wにエアーを噴射させる。これにより、荷役システム1では、荷物Wの表面に付着した霜を除去することができるため、荷物Wの荷降しに係る霜の影響を低減させることができる。
【0086】
また、制御装置70は、エアーコンプレッサ534に正圧又は負圧の空気を発生させることで、把持部53(吸着パッド532)によるエアーの噴射動作と、把持部53(吸着パッド532)による荷物Wの把持動作とを切り替える。これにより、荷役システム1では、吸着パッド532が吸着把持する位置の霜を効率的に除去することができるため、荷物Wの把持をより確実に行うことができる。また、上記の構成では、把持部53が有する吸着把持のため機構を利用して霜を除去することができるため、霜を除去するための機構を別途用意する必要はない。そのため、荷役システム1では、荷物Wの表面に付着した霜の除去を簡便且つ効率的に行うことができる。
【0087】
また、制御装置70は、荷物Wに付着した霜の着氷度合に応じて、荷物Wに噴射するエアーの噴射強度を制御する。これにより、制御装置70は、荷物Wの表面に付着した霜の状態に適した強度でエアーを噴射させることができるため、霜の除去を効率的に行うことができる。
【0088】
また、制御装置70は、荷物Wに付着した霜の着氷度合が第1閾値以上と判定した場合、荷降装置50による荷物Wの把持動作(荷降し動作)を抑制する、これにより、制御装置70は、霜の影響により荷物Wの荷降しを正常に行うことができないような場合に、荷降装置50の荷降し動作を抑制することができるため、荷降しミスの発生や、荷降し性能の低下に繋がる動作を抑制することができる。
【0089】
また、制御装置70は、荷物Wに霜が付着していないと判定した場合、荷降装置50に荷物Wの把持動作を開始させる。これにより、制御装置70は、霜の影響がない場合は、エアーの噴射処理を行うことなく、荷物Wの荷降しを直ちに行うことができるため、荷物Wの荷降しを効率的に行うことができる。
【0090】
以上説明した実施形態は、上述の各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0091】
(変形例1)
上述の実施形態では、第1コンベア10、第2コンベア20、第3コンベア40等の搬送装置を制御装置70の制御対象から除外したが、これらの搬送装置についても制御装置70の制御で動作するように構成してもよい。これにより、制御装置70は、荷役システム1の動作全体を制御することができるため、各装置の協調動作を効率的に行うことができる。なお、荷役システム1のレイアウトは、図1に示した例に限定されないものとする。
【0092】
(変形例2)
上述の実施形態では、制御装置70は、荷降装置50とは別体で設けられる構成としたが、これに限らず、荷降装置50と一体的に設けられる構成としてもよい。なお、この場合、荷降装置50(荷役装置)自体を制御装置と定義してもよい。
【0093】
また、上述の実施形態では、第2カメラ51及びセンサ52は、荷降装置50と一体的に設けられる構成としたが、これに限らず、荷降装置50と別体で設けられる構成としてもよい。この場合、例えば、荷降部30の位置に、撮像ボックス11と同様の構造物を設け、当該構造物に第2カメラ51又はセンサ52を設ける構成としてもよい。
【0094】
(変形例3)
上述の実施形態では、把持部53として、断面L字型の形状を有し、荷物Wの角部を2面で吸着把持する構成を例示したが、この形状や構成に限定されないものとする。例えば、把持部53は、荷物Wの上面や側面を1面で吸着把持するものとしてもよい。また、把持部53は、荷物Wの角部等を2つの指(第1指、第2指)を用いて挟持可能な構成であってもよい。この場合、第1指と第2指との間等には、上述のエアーコンプレッサ534から供給されたエアーを噴射するための噴射口が設けられるものとする。
【0095】
また、荷降装置50は、把持部53とは別に、エアーコンプレッサ534から供給されるエアーを噴射するための噴射部(図示せず)を備えてもよい。この場合、噴射部はエアーを噴射するため噴射口を有し、アーム54と同様の第2アーム等によって移動可能に構成すればよい。また、制御装置70は、荷物Wに付着した霜を除去する場合、把持部53の把持動作に先駆けて、噴射部でエアーの噴射処理を実行することで、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0096】
また、アーム54についても、上述実施形態の構成に限らず、多関節構成のアームとしてもよい。更には、制御装置70が制御する荷役装置は、荷降装置50に限らず、荷積装置等の他の種類の荷役装置であってもよい。
【0097】
(変形例4)
上述の実施形態では、第1環境下に対応する冷凍倉庫A1と、第2環境下に対応する常温倉庫A2とし、荷物Wの移動に伴い温度が「低」から「高」に変換する形態について説明した。しかしながら、環境変化は、この例に限らず、温度が「高」から「低」に変化するものであってもよい。
【0098】
また、第1環境及び第2環境を規定する指標は温度に限らず、他の指標であってもよい。例えば、湿度等の他の指標に基づき、第1環境及び第2環境を規定してもよい。
【0099】
以上、本発明のいくつかの実施形態(変形例)を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1 荷役システム
10 第1コンベア
11 撮像ボックス
12 第1カメラ
20 第2コンベア
30 荷降部
40 第3コンベア
50 荷降装置
51 第2カメラ
52 センサ
53 把持部
54 アーム
60 第4コンベア
70 制御装置
711 取得部
712 判定部
713 認識部
714 動作制御部
W 荷物
P パレット
図1
図2
図3
図4
図5
図6