(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】射出成形機
(51)【国際特許分類】
B29C 45/18 20060101AFI20240610BHJP
B29C 45/54 20060101ALI20240610BHJP
B29C 45/76 20060101ALI20240610BHJP
B29C 45/13 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
B29C45/18
B29C45/54
B29C45/76
B29C45/13
(21)【出願番号】P 2020130985
(22)【出願日】2020-07-31
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】鷹觜 龍一
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-052212(JP,A)
【文献】特開2019-130833(JP,A)
【文献】特開2004-351894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00 - 33/76
B29C 45/00 - 45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融樹脂が供給される射出装置と
、前記射出装置を制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は
、前記射出装置に
前記溶融樹脂を供給可能か否かを判断する判断部と
、前記判断部の判断結果により
前記溶融樹脂の供給を処理する処理部と、を有
し、
前記射出装置は、
前記射出装置の外部から前記溶融樹脂が供給される供給部と、前記溶融樹脂を金型装置に射出するノズルと、を有し、
前記供給部から前記ノズルに向けて、第1切替部と接続部と第2切替部とをこの順番で有し、
前記第1切替部に設けられる第1シリンダと、前記第1切替部に設けられる接続ポートと、前記第2切替部に設けられる第2シリンダと、を有し、
前記第1切替部は、前記供給部と前記第1シリンダと前記接続部と前記接続ポートとの間で前記溶融樹脂の流れ方向の切替を行い、
前記第2切替部は、前記接続部と前記第2シリンダと前記ノズルとの間で前記溶融樹脂の流れ方向の切替を行い、
前記制御装置は、
前記供給部から前記第1切替部を経由して前記第1シリンダに前記溶融樹脂を供給し、前記第1シリンダに前記溶融樹脂を蓄積する第1工程と、
前記第1シリンダから前記第1切替部と前記接続部と前記第2切替部をこの順番で経由して前記第2シリンダに前記溶融樹脂を供給し、前記第2シリンダに前記溶融樹脂を蓄積する第2工程と、
前記第2シリンダから前記第2切替部を経由して前記ノズルに前記溶融樹脂を供給する第3工程と、
前記供給部から前記第1切替部を経由して前記接続ポートに前記溶融樹脂を供給する第4工程と、
を制御する、射出成形機。
【請求項2】
溶融樹脂が供給される射出装置と
、前記射出装置を制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は
、前記射出装置に
前記溶融樹脂を供給可能か否かを判断する判断部と
、前記判断部の判断結果により
前記溶融樹脂の供給を処理する処理部と、を有
し、
前記射出装置は、
前記射出装置の外部から前記溶融樹脂が供給される供給部と、前記溶融樹脂を金型装置に射出するノズルと、を有し、
前記供給部から前記ノズルに向けて、第1切替部と接続部と第2切替部とをこの順番で有し、
前記第1切替部に設けられる第1シリンダと、前記第1切替部に設けられる接続ポートと、前記第2切替部に設けられる第2シリンダと、を有し、
前記第1切替部は、前記供給部と前記第1シリンダと前記接続部と前記接続ポートとの間で前記溶融樹脂の流れ方向の切替を行い、
前記第2切替部は、前記接続部と前記第2シリンダと前記ノズルとの間で前記溶融樹脂の流れ方向の切替を行い、
前記制御装置は、
前記第1切替部と前記第2切替部の状態を、
前記供給部と前記第1シリンダを連通する第1状態と、
前記第1シリンダと前記第2シリンダを連通する第2状態と、
前記第2シリンダと前記ノズルを連通する第3状態と、
前記供給部と前記接続ポートを連通する第4状態と、
に制御する、射出成形機。
【請求項3】
前記第1状態は、前記接続部と前記第2切替部とを遮断する状態であり、
前記第2状態は、前記接続部と前記第2切替部とを連通する状態であり、
前記第3状態は、前記接続部と前記第2切替部とを遮断する状態であり、
前記第4状態は、前記接続部と前記第2切替部とを遮断する状態である、
請求項2に記載の射出成形機。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第1切替部と前記第2切替部の状態を、前記第2シリンダと前記接続ポートを連通する第5状態に制御する、請求項2又は3に記載の射出成形機。
【請求項5】
前記接続ポートには、前記射出装置から前記溶融樹脂を排出する排出部が設けられる、請求項1~4のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項6】
前記処理部は、前記判断部により前記
第1シリンダ
および/または前記第2シリンダへの
前記溶融樹脂の供給が不可と判断されると、
前記溶融樹脂を前記排出部から排出させる、
請求項
5に記載の射出成形機。
【請求項7】
前記処理部は、
前記判断部により前記
第1シリンダへの
前記溶融樹脂の供給が可能と判断されると、
前記供給部から前記排出部への前記溶融樹脂の供給が遮断されるように前記
第1切替部を制御し、
前記判断部により前記
第1シリンダへの
前記溶融樹脂の供給が不可と判断されると、
前記供給部から前記排出部への前記溶融樹脂の供給が可能となるように前記第1切替部を制御する、
請求項
6に記載の射出成形機。
【請求項8】
前記処理部は、
前記判断部により前記
第1シリンダへの
前記溶融樹脂の供給が可能と判断されると、
前記供給部から前記第1シリンダへの前記溶融樹脂の供給が可能となるように、
且つ前記供給部から前記排出部への前記溶融樹脂の供給が遮断されるように前記
第1切替部を制御し、
前記判断部によ
り前記
第1シリンダへの
前記溶融樹脂の供給が不可と判断されると、
前記供給部から前記排出部への前記溶融樹脂の供給が可能となるように、
且つ前記供給部から前記第1シリンダへの前記溶融樹脂の供給が遮断されるように前記
第1切替部を制御する、
請求項
7に記載の射出成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
金型装置内に溶融樹脂を射出する射出装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、第1シリンダと、該第1シリンダ内の成形材料を移動させる第1可動部と、前記第1シリンダから成形材料が供給される第2シリンダと、該第2シリンダ内の成形材料を移動させる第2可動部と、金型装置内に成形材料を射出するノズルと、前記第1シリンダと、前記第2シリンダと、前記ノズルとの間の成形材料の流れ方向を切り替える切替部と、を備える、射出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、成形材料として溶融樹脂を射出装置に供給する射出成形機システムにおいて、溶融樹脂供給装置として押出機を用いることができる。ここで、押出機は、連続して溶融樹脂を供給する。このため、射出装置において溶融樹脂がオーバーフローするおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、溶融樹脂を供給可能な射出成形機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の射出成形機は、
溶融樹脂が供給される射出装置と、前記射出装置を制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、前記射出装置に前記溶融樹脂を供給可能か否かを判断する判断部と、前記判断部の判断結果により前記溶融樹脂の供給を処理する処理部と、を有し、
前記射出装置は、
前記射出装置の外部から前記溶融樹脂が供給される供給部と、前記溶融樹脂を金型装置に射出するノズルと、を有し、
前記供給部から前記ノズルに向けて、第1切替部と接続部と第2切替部とをこの順番で有し、
前記第1切替部に設けられる第1シリンダと、前記第1切替部に設けられる接続ポートと、前記第2切替部に設けられる第2シリンダと、を有し、
前記第1切替部は、前記供給部と前記第1シリンダと前記接続部と前記接続ポートとの間で前記溶融樹脂の流れ方向の切替を行い、
前記第2切替部は、前記接続部と前記第2シリンダと前記ノズルとの間で前記溶融樹脂の流れ方向の切替を行い、
前記制御装置は、
前記供給部から前記第1切替部を経由して前記第1シリンダに前記溶融樹脂を供給し、前記第1シリンダに前記溶融樹脂を蓄積する第1工程と、
前記第1シリンダから前記第1切替部と前記接続部と前記第2切替部をこの順番で経由して前記第2シリンダに前記溶融樹脂を供給し、前記第2シリンダに前記溶融樹脂を蓄積する第2工程と、
前記第2シリンダから前記第2切替部を経由して前記ノズルに前記溶融樹脂を供給する第3工程と、
前記供給部から前記第1切替部を経由して前記接続ポートに前記溶融樹脂を供給する第4工程と、
を制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、溶融樹脂を供給可能な射出成形機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る射出成形機システムの構成図。
【
図3】第1実施形態に係る射出装置の動作を示すフローチャート。
【
図4】計量工程における第1実施形態に係る射出装置の状態を示す図。
【
図5】計量工程完了後における第1実施形態に係る射出装置の状態を示す図。
【
図6】充填工程における第1実施形態に係る射出装置の状態を示す図。
【
図7】保圧工程における第1実施形態に係る射出装置の状態を示す図。
【
図8】第1実施形態に係る射出装置における排水弁の動作を示すフローチャート。
【
図9】排出弁が第2状態における第1実施形態に係る射出装置の状態を示す図。
【
図10】第2実施形態に係る射出装置の断面模式図。
【
図11】計量工程における第2実施形態に係る射出装置の状態を示す図。
【
図12】計量工程完了後における第2実施形態に係る射出装置の状態を示す図。
【
図13】充填工程における第2実施形態に係る射出装置の状態を示す図。
【
図14】保圧工程における第2実施形態に係る射出装置の状態を示す図。
【
図15】第2実施形態に係る射出装置における供給排出弁の動作を示すフローチャート。
【
図16】排出弁が第2状態における第2実施形態に係る射出装置の状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において、同一の又は対応する構成については同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0011】
<射出成形機システムS>
第1実施形態に係る射出成形機システムSについて、
図1を用いて説明する。
図1は、第1実施形態に係る射出成形機システムSの構成図である。
【0012】
射出成形機システムSは、射出成形機1と、溶融樹脂供給装置6と、溶融樹脂供給路7と、制御弁8と、を備える。
【0013】
射出成形機1は、金型装置(図示せず)を開閉する型締装置2と、金型装置のキャビティ空間に成形材料を射出する射出装置3と、金型装置で成形された成形品を突き出すエジェクタ装置(図示せず)と、金型装置に対し射出装置3を進退させる移動装置(図示せず)と、射出成形機1の各構成要素を制御する制御装置4と、射出成形機1の各構成要素を支持するフレーム5と、を有する。
【0014】
型締装置2は、制御装置4による制御下で、型閉工程、昇圧工程、型締工程、脱圧工程および型開工程などを行う。型閉工程において、制御装置4は型締装置2を制御して、可動金型を固定金型にタッチさせる。昇圧工程において、制御装置4は型締装置2を制御して、型締力を生じさせる。型締工程において、制御装置4は型締装置2を制御して、昇圧工程で発生させた型締力が維持される。脱圧工程において、制御装置4は型締装置2を制御して、型締力を減少させる。型開工程において、制御装置4は型締装置2を制御して、可動金型を固定金型から離間させる。
【0015】
射出装置3は、制御装置4による制御下で、計量工程、充填工程および保圧工程などを行う。充填工程と保圧工程とをまとめて射出工程と呼んでもよい。計量工程において、制御装置4は射出装置3を制御して、第2プランジャ22(後述する
図2参照)の前方に所定量の溶融樹脂が蓄積させる。充填工程において、制御装置4は射出装置3を制御して、第2プランジャ22の前方に蓄積された溶融樹脂を金型装置内のキャビティ空間に充填させる。保圧工程において、制御装置4は射出装置3を制御して、第2プランジャ22を前方に押し、第2プランジャ22の前端部における成形材料の圧力(保持圧力)を設定圧に保ち、射出シリンダ20(後述する
図2参照)内に残る溶融樹脂を金型装置に向けて押す。なお、射出成形機1は、保圧工程後、冷却工程が開始される。冷却工程では、キャビティ空間内の成形材料の固化が行われる。成形サイクル時間の短縮を目的として、冷却工程中に計量工程が行われてよい。
【0016】
エジェクタ装置(図示せず)は、制御装置4による制御下で、突き出し工程などを行う。突き出し工程において、制御装置4はエジェクタ装置を制御して、エジェクタロッド(図示せず)を待機位置から突き出し位置まで前進させ、成形品を突き出す。その後、エジェクタロッドを元の待機位置まで後退させる。
【0017】
移動装置(図示せず)は、金型装置に対し射出装置3を進退させる。射出装置3を金型装置に向けて前進させることで、射出装置3のノズル40が金型装置の固定金型に押し付けられる。射出装置3を後退させることで、射出装置3のノズル40が金型装置の固定金型から離間される。
【0018】
制御装置4は、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、および突き出し工程などを繰り返し行うことにより、成形品を繰り返し製造する。成形品を得るための一連の動作、例えば計量工程の開始から次の計量工程の開始までの動作を「ショット」または「成形サイクル」とも呼ぶ。また、1回のショットに要する時間を「成形サイクル時間」または「サイクル時間」とも呼ぶ。
【0019】
一回の成形サイクルは、例えば、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、および突き出し工程をこの順で有する。ここでの順番は、各工程の開始の順番である。充填工程、保圧工程、および冷却工程は、型締工程の間に行われる。型締工程の開始は充填工程の開始と一致してもよい。脱圧工程の終了は型開工程の開始と一致する。
【0020】
尚、成形サイクル時間の短縮を目的として、同時に複数の工程を行ってもよい。例えば、計量工程は、前回の成形サイクルの冷却工程中に行われてもよく、型締工程の間に行われてよい。この場合、型閉工程が成形サイクルの最初に行われることとしてもよい。また、充填工程は、型閉工程中に開始されてもよい。また、突き出し工程は、型開工程中に開始されてもよい。射出装置3のノズル40(後述する
図2参照)の流路を開閉する開閉弁(図示せず)が設けられる場合、型開工程は、計量工程中に開始されてもよい。計量工程中に型開工程が開始されても、開閉弁(図示せず)が射出装置3のノズル40の流路を閉じていれば、射出装置3のノズル40から成形材料が漏れないためである。
【0021】
尚、一回の成形サイクルは、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、および突き出し工程以外の工程を有してもよい。
【0022】
溶融樹脂供給装置6は、溶融した樹脂(成形材料)を供給する装置である。溶融樹脂供給装置6は、例えば、固体の成形材料(例えば、ペレット等)を溶融して押し出す押出機であってもよい。
【0023】
溶融樹脂供給路7は、溶融樹脂供給装置6から射出装置3に溶融樹脂を供給する流路である。溶融樹脂供給路7は、例えば、溶融樹脂が通流する配管、配管を覆う断熱材、配管内を通流する溶融樹脂を保温するヒータ等を備えていてもよい。
【0024】
制御弁8は、溶融樹脂供給路7に設けられ、射出装置3への溶融樹脂の供給を制御する。制御弁8は、例えば、開閉弁であってもよい。制御弁8は、射出成形機1の制御装置4(後述する制御装置80)によって制御される。
【0025】
なお、第1実施形態に係る射出成形機システムSは、溶融樹脂供給路7に1つの射出成形機1が接続される構成を図示しているが、これに限られるものではなく、複数の射出成形機1が接続される構成であってもよい。また、第1実施形態に係る射出成形機システムSは、溶融樹脂供給路7に1つの溶融樹脂供給装置6が接続される構成を図示しているが、これに限られるものではなく、複数の溶融樹脂供給装置6が接続される構成であってもよい。
【0026】
<第1実施形態に係る射出装置3>
次に、第1実施形態に係る射出成形機1の射出装置3について、
図2を用いて更に説明する。
図2は、第1実施形態に係る射出装置3の断面模式図である。なお、
図2は、弁体52の回転中心線に対し垂直な断面図である。
【0027】
射出装置3は、リザーバシリンダ(第1シリンダ)10と、第1プランジャ(第1可動部)12と、第1プランジャ駆動部(第1駆動部)15と、射出シリンダ(第2シリンダ)20と、第2プランジャ(第2可動部)22と、第2プランジャ駆動部(第2駆動部)25と、溶融樹脂供給部(供給部)30と、接続部35と、ノズル40と、方向切替弁(切替部)50と、排出部60と、排出弁(供給/排出切替部)70と、制御装置(制御部)80(4)と、を備える。
【0028】
リザーバシリンダ10は、溶融樹脂供給部30から液体の成形材料(溶融樹脂)が内部に供給される。リザーバシリンダ10の外周には、ヒータなどの加熱源が設けられる。
【0029】
第1プランジャ12は、リザーバシリンダ10の内部に配設され、リザーバシリンダ10の内部の成形材料を移動させる。第1プランジャ12は、リザーバシリンダ10の内部に進退自在に配設される。
【0030】
第1プランジャ駆動部15は、第1プランジャ12を作動させる。第1プランジャ駆動部15は、進退モータ16と、エンコーダ17と、圧力検出部18と、を有する。
【0031】
進退モータ16は、第1プランジャ12を進退させる。第1プランジャ12と進退モータ16との間には、進退モータ16の回転運動を第1プランジャ12の直線運動に変換する運動変換機構が設けられる。運動変換機構は、例えばボールねじなどで構成される。
【0032】
エンコーダ17は、進退モータ16の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置80に送る。制御装置80は、エンコーダ17の検出値に基づいて、第1プランジャ12の位置および移動速度を算出する。エンコーダ17の検出結果は、第1プランジャ12の位置、第1プランジャ12の移動速度などの制御や監視に用いられる。
【0033】
圧力検出部18は、進退モータ16と第1プランジャ12との間の力の伝達経路に設けられ、進退モータ16と第1プランジャ12との間で伝達される力を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置80に送る。検出した力は、制御装置80で第1プランジャ12の圧力に換算される。圧力検出部18の検出結果は、第1プランジャ12が成形材料から受ける圧力、第1プランジャ12に対する背圧、第1プランジャ12から成形材料に作用する圧力などの制御や監視に用いられる。
【0034】
射出シリンダ20は、溶融樹脂供給部30及びリザーバシリンダ10から成形材料が内部に供給される。射出シリンダ20の外周には、ヒータなどの加熱源が設けられる。
【0035】
第2プランジャ22は、射出シリンダ20の内部に配設され、射出シリンダ20の内部の成形材料を移動させる。第2プランジャ22は、射出シリンダ20の内部に進退自在に配設される。
【0036】
第2プランジャ駆動部25は、第2プランジャ22を作動させる。第2プランジャ駆動部25は、進退モータ26を有する。
【0037】
進退モータ26は、第2プランジャ22を進退させる。第2プランジャ22と進退モータ26との間には、進退モータ26の回転運動を第2プランジャ22の直線運動に変換する運動変換機構が設けられる。運動変換機構は、例えばボールねじなどで構成される。
【0038】
エンコーダ27は、進退モータ26の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置80に送る。制御装置80は、エンコーダ27の検出値に基づいて、第2プランジャ22の位置および移動速度を算出する。エンコーダ27の検出結果は、第2プランジャ22の位置、第2プランジャ22の移動速度などの制御や監視に用いられる。
【0039】
圧力検出部28は、進退モータ26と第2プランジャ22との間の力の伝達経路に設けられ、進退モータ26と第2プランジャ22との間で伝達される力を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置80に送る。検出した力は、制御装置80で第2プランジャ22の圧力に換算される。圧力検出部28の検出結果は、第2プランジャ22が成形材料から受ける圧力、第2プランジャ22に対する背圧、第2プランジャ22から成形材料に作用する圧力などの制御や監視に用いられる。
【0040】
溶融樹脂供給部30は、溶融樹脂供給路7(
図1参照)と接続され、溶融樹脂供給装置6から溶融樹脂が連続して供給される。
【0041】
接続部35は、溶融樹脂供給部30及びリザーバシリンダ10と、方向切替弁50と、を接続し、溶融樹脂が通流可能となっている。
【0042】
ノズル40は、方向切替弁50から供給される成形材料を金型装置に射出する。金型装置の内部に充填された液状の成形材料が固化され、成形品が成形される。
【0043】
方向切替弁50は、接続部35(リザーバシリンダ10、溶融樹脂供給部30)と、射出シリンダ20と、ノズル40との間の成形材料の流れ方向の切替を行う。方向切替弁50は、弁箱51と、弁体52と、弁体駆動部(図示せず)と、を有する。
【0044】
弁箱51は、供給側接続ポート53と、射出シリンダ接続ポート54と、ノズル接続ポート55とを有する。供給側接続ポート53は、溶融樹脂供給部30及びリザーバシリンダ10の内部に連通する。射出シリンダ接続ポート54は、射出シリンダ20の内部に連通する。ノズル接続ポート55は、ノズル40の内部に連通する。
【0045】
射出シリンダ接続ポート54とノズル接続ポート55とは、例えば弁体52の回転中心線を挟んで互いに反対側に設けられる。一方、供給側接続ポート53は、例えば射出シリンダ接続ポート54とノズル接続ポート55の両方から、弁体52の外周に沿って略等距離の位置に設けられる。つまり、弁体52の回転中心線を中心に所定方向(
図2では反時計回り)に、射出シリンダ接続ポート54と、供給側接続ポート53と、ノズル接続ポート55とがこの順で90°ピッチで配置される。
【0046】
弁体52は、弁箱51の内部で回転されることで、第1状態(後述する
図4参照)と第2状態(
図5~7参照)とに切り替えられる。弁体52は、第1状態のとき、供給側接続ポート53と射出シリンダ接続ポート54とを連通し、且つノズル接続ポート55を塞ぐ。一方、弁体52は、第2状態のとき、射出シリンダ接続ポート54とノズル接続ポート55とを連通し、且つ供給側接続ポート53を塞ぐ。これにより、第1状態は、溶融樹脂供給部30及びリザーバシリンダ10から射出シリンダ20に溶融樹脂を供給可能とする。第2状態は、射出シリンダ20からノズル40に溶融樹脂を供給可能とする。
【0047】
なお、弁体52の状態は、第1状態、第2状態に限定されない。例えば、弁体52は、供給側接続ポート53、射出シリンダ接続ポート54、およびノズル接続ポート55を同時に塞ぐ状態をとりうる。また、弁体52は、供給側接続ポート53とノズル接続ポート55とを連通し、且つ射出シリンダ接続ポート54を塞ぐ状態をとりうる。
【0048】
弁体駆動部は、弁体52を作動させる。具体的には、弁体駆動部は、弁箱51の内部で弁体52を回転させることにより、第1状態と第2状態とを切り替える。
【0049】
排出部60は、溶融樹脂を射出装置3外に排出する。
【0050】
排出弁70は、排出部60を開閉するための弁である。
図2に示す例において、排出弁70は、方向切替弁として構成される。排出弁70は、溶融樹脂供給部30と、リザーバシリンダ10と、接続部35(方向切替弁50)と、排出部60との間の成形材料の流れ方向の切替を行う。排出弁70は、弁箱71と、弁体72と、弁体駆動部(図示せず)と、を有する。
【0051】
弁箱71は、接続ポート73~76を有する。接続ポート73は、溶融樹脂供給部30の内部に連通する。接続ポート74は、リザーバシリンダ10の内部に連通する。接続ポート75は、接続部35の内部に連通する。接続ポート76は、排出部60の内部に連通する。接続ポート73~76は、弁体72の回転中心線を中心に所定方向(
図2では時計回り)に、接続ポート73と、接続ポート74と、接続ポート75と、接続ポート76とがこの順で90°ピッチで配置される。また、接続ポート73~75は、溶融樹脂供給部30からシリンダ(リザーバシリンダ10及び/又は射出シリンダ20)に溶融樹脂を供給する供給路となる。接続ポート76は、溶融樹脂供給部30から排出部60に溶融樹脂を排出する排出路となる。
【0052】
弁体72は、弁箱71の内部で回転されることで、第1状態(後述する
図4~7参照)と第2状態(後述する
図9参照)とに切り替えられる。弁体72は、第1状態のとき、接続ポート73~75を連通し、且つ接続ポート76を塞ぐ。一方、弁体72は、第2状態のとき、接続ポート73、74、76を連通し、且つ接続ポート75を塞ぐ。
【0053】
なお、弁体72の状態は、第1状態、第2状態に限定されない。例えば、弁体72は、接続ポート73、75、76を連通し、且つ接続ポート74を塞ぐ状態をとりうる。また、弁体72は、接続ポート74~76を連通し、且つ接続ポート73を塞ぐ状態をとりうる。
【0054】
弁体駆動部は、弁体72を作動させる。具体的には、弁体駆動部は、弁箱71の内部で弁体72を回転させることにより、第1状態と第2状態とを切り替える。
【0055】
制御装置80は、第1プランジャ駆動部15、第2プランジャ駆動部25、方向切替弁50、排出弁70などを制御する。なお、制御装置80は、射出成形機1の各構成要素を制御する制御装置4の一部として構成されていてもよい。また、制御装置4とは別に制御装置80が設けられていてもよい。
【0056】
制御装置80は、判断部81と、処理部82と、流路切替処理部83と、を有する。判断部81は、射出装置3に溶融樹脂を供給可能か否かを判断する。即ち、判断部81は、射出装置3のシリンダ(リザーバシリンダ10及び/又は射出シリンダ20)に溶融樹脂を受け入れ可能か否かを判断する。処理部82は、判断部81の判断結果により、溶融樹脂の供給を処理する。流路切替処理部83は、第1プランジャ駆動部15、第2プランジャ駆動部25、方向切替弁50を制御して、溶融樹脂をの流れを制御する。
【0057】
<第1実施形態に係る射出装置3の動作>
次に、第1実施形態に係る射出装置3の動作について
図3から
図7を用いて説明する。
図3は、第1実施形態に係る射出装置3の動作を示すフローチャートである。なお、
図3のフローに示す動作の説明において、排出弁70の弁体72は第1状態となっている。また、
図4から
図7(及び、後述する
図9)において、溶融樹脂の流れを破線の矢印で示し、第1プランジャ12、第2プランジャ22の移動方向を網掛けした矢印で示す。なお、
図3に示すフローチャートにおいて、判断部81は、射出装置3に溶融樹脂を供給可能であると判定しているものとして説明する。
【0058】
図4は、計量工程における第1実施形態に係る射出装置3の状態を示す図である。ステップS101において、制御装置80の流路切替処理部83は、計量工程を行う。制御装置80の流路切替処理部83は、方向切替弁50の弁体駆動部を制御して、方向切替弁50の弁体52を第1状態とする。溶融樹脂供給部30から供給された溶融樹脂は、溶融樹脂供給部30、排出弁70、接続部35、方向切替弁50を介して、射出シリンダ20内の第2プランジャ22の前方に蓄積される。また、制御装置80の流路切替処理部83は、進退モータ16を駆動して、第1プランジャ12を前進させる。リザーバシリンダ10内の第1プランジャ12の前方に蓄積された溶融樹脂は、排出弁70、接続部35、方向切替弁50を介して、射出シリンダ20内の第2プランジャ22の前方に蓄積される。
【0059】
射出シリンダ20内の第2プランジャ22の前方に溶融樹脂が蓄積されることで、射出シリンダ20内の第2プランジャ22が後退する。また、制御装置80の流路切替処理部83は、エンコーダ27の検出値に基づいて第2プランジャ22の位置を検出する。ここで、第2プランジャ22の急激な後退を抑制すべく、制御装置80の流路切替処理部83は、圧力検出部28の検出値に基づいて進退モータ26を駆動して、第2プランジャ22に対し設定背圧を加えてよい。
【0060】
図5は、計量工程完了後における第1実施形態に係る射出装置3の状態を示す図である。第2プランジャ22が所定位置まで後退し、第2プランジャ22の前方に所定量の溶融樹脂が蓄積されると、制御装置80の流路切替処理部83は、進退モータ16の駆動を停止すると共に進退モータ26の駆動を停止する。また、制御装置80の流路切替処理部83は、方向切替弁50の弁体駆動部を制御して、方向切替弁50の弁体52を第2状態とする。溶融樹脂供給部30から供給された溶融樹脂は、溶融樹脂供給部30、排出弁70を介して、リザーバシリンダ10内の第1プランジャ12の前方に蓄積される。リザーバシリンダ10内の第1プランジャ12の前方に溶融樹脂が蓄積されることで、リザーバシリンダ10内の第1プランジャ12が後退する。また、制御装置80の流路切替処理部83は、エンコーダ17の検出値に基づいて第1プランジャ12の位置を検出する。ここで、第1プランジャ12の急激な後退を抑制すべく、制御装置80の流路切替処理部83は、圧力検出部18の検出値に基づいて進退モータ16を駆動して、第1プランジャ12に対し設定背圧を加えてよい。なお、方向切替弁50の弁体52を第2状態として、溶融樹脂供給部30から供給された溶融樹脂を、リザーバシリンダ10内の第1プランジャ12の前方に蓄積される工程を、リザーバプランジャ計量工程とも称する。
【0061】
図6は、充填工程における第1実施形態に係る射出装置3の状態を示す図である。ステップS102において、制御装置80の流路切替処理部83は、充填工程を行う。制御装置80の流路切替処理部83は、進退モータ26を駆動して、第2プランジャ22を所定位置まで前進させる。また、制御装置80の流路切替処理部83は、エンコーダ27の検出値に基づいて第2プランジャ22の位置を検出する。射出シリンダ20内の第2プランジャ22の前方に蓄積された溶融樹脂は、方向切替弁50、ノズル40を介して、金型装置内のキャビティ空間に充填される。また、充填工程において、溶融樹脂供給部30から供給された溶融樹脂は、溶融樹脂供給部30、排出弁70を介して、リザーバシリンダ10内の第1プランジャ12の前方に蓄積される(リザーバプランジャ計量工程)。
【0062】
図7は、保圧工程における第1実施形態に係る射出装置3の状態を示す図である。ステップS103において、制御装置80の流路切替処理部83は、保圧工程を行う。また、制御装置80の流路切替処理部83は、圧力検出部28の検出値に基づいて進退モータ26を制御して、第2プランジャ22を前方に押し、第2プランジャ22の前端部における溶融樹脂の圧力(保持圧力)を設定圧に保ち、射出シリンダ20内に残る溶融樹脂を金型装置に向けて押す。また、保圧工程において、溶融樹脂供給部30から供給された溶融樹脂は、溶融樹脂供給部30、排出弁70を介して、リザーバシリンダ10内の第1プランジャ12の前方に蓄積される(リザーバプランジャ計量工程)。また、制御装置80の流路切替処理部83は、エンコーダ17の検出値に基づいて第1プランジャ12の位置を検出する。
【0063】
制御装置80の流路切替処理部83は、保圧工程の完了後、次回の計量工程におけるリザーバシリンダ10から射出シリンダ20への成形材料の供給前に、方向切替弁50の弁体52を回転させ、弁体52の状態を
図7に示す第2状態から
図4に示す第1状態に戻す。
【0064】
制御装置80の流路切替処理部83は、計量工程、充填工程、保圧工程などを繰り返し行うことにより、射出成形機1は、成形品を繰り返し製造する。
【0065】
換言すれば、第1実施形態に係る射出装置3の制御装置80は、溶融樹脂供給部30からリザーバシリンダ10に溶融樹脂を供給してリザーバシリンダ10に溶融樹脂を蓄積させるリザーバプランジャ計量工程と、溶融樹脂供給部30及びリザーバシリンダ10から射出シリンダ20に溶融樹脂を供給して射出シリンダ20に溶融樹脂を蓄積させる計量工程と、射出シリンダ20から金型装置内のキャビティ空間に溶融樹脂を充填する充填工程と、溶融樹脂の圧力を設定圧に保つ保圧工程と、を繰り返す。また、射出工程(充填工程、保圧工程)中に、次の成形サイクルのリザーバプランジャ計量工程が同時に行われる。
【0066】
以上、第1実施形態に係る射出装置3によれば、溶融樹脂供給装置6から溶融樹脂供給部30に連続して溶融樹脂が供給される射出成形機システムSに用いられ、リザーバプランジャ計量工程において、溶融樹脂をリザーバシリンダ10に蓄積することができるので、溶融樹脂のオーバーフローを防止することができる。
【0067】
<排出弁70の動作>
次に、第1実施形態に係る射出装置3の排出弁70の動作について
図8から
図9を用いて説明する。
図8は、第1実施形態に係る射出装置3における排出弁70の動作を示すフローチャートである。なお、
図8のフローの開始時において、排出弁70の弁体72は第1状態となっている。
【0068】
ステップS201において、制御装置80の判断部81は、方向切替弁50が第2状態であるか否かを判定する。方向切替弁50が第2状態でない場合(S201・No)、制御装置80の処理はステップS201を繰り返す。方向切替弁50が第2状態である場合(S201・Yes)、制御装置80の処理はステップS202に進む。
【0069】
ステップS202において、制御装置80の判断部81は、供給停止条件を満たすか否かを判定する。ここで、判断部81は、供給停止条件を満たす場合、射出装置3のシリンダ(リザーバシリンダ10及び/又は射出シリンダ20)が溶融樹脂を受け入れ可能でないと判断する。供給停止条件とは、溶融樹脂供給部30からリザーバシリンダ10への溶融樹脂の供給を停止させるための条件である。換言すれば、溶融樹脂供給部30から供給された溶融樹脂を排出部60から排出させるための条件である。例えば、制御装置80の判断部81は、エンコーダ17で第1プランジャ12の位置を検出し、第1プランジャ12が所定位置(例えば、後退限界)まで後退したとき、供給停止条件を満たすと判定する。第1プランジャ12が所定位置まで後退することで、リザーバシリンダ10に蓄積できる残容量が少なくなり、溶融樹脂がリザーバシリンダ10からオーバーフローするおそれがあるためである。また、制御装置80の判断部81は、サイクル時間が所定時間を超過したとき、供給停止条件を満たすと判定してもよい。リザーバシリンダ10には溶融樹脂が供給されており、時間経過に伴って、リザーバシリンダ10に蓄積されるは溶融樹脂も増加する。サイクル時間が所定時間を超過することで、リザーバシリンダ10に蓄積できる残容量が少なくなり、溶融樹脂がリザーバシリンダ10からオーバーフローするおそれがあるためである。また、制御装置80の判断部81は、圧力検出部18の検出値に基づいて、供給停止条件を満たすか否かを判定してもよい。供給停止条件を満たさない場合(S202・No)、制御装置80の処理はステップS201に戻る。供給停止条件を満たした場合(S202・Yes)、制御装置80の処理はステップS203に進む。
【0070】
図9は、排出弁70が第2状態における第1実施形態に係る射出装置3の状態を示す図である。ステップS203において、制御装置80の処理部82は、排出弁70の弁体駆動部を制御して、排出弁70の弁体72を第2状態とする。溶融樹脂供給部30から供給された溶融樹脂は、溶融樹脂供給部30、排出弁70を介して、排出部60から射出装置3外に排出される。
【0071】
ステップS204において、制御装置80の判断部81は、射出装置3の動作が計量工程(
図3ステップS101参照)を開始するか否かを判定する。計量工程開始でない場合(S204・No)、制御装置80の処理はステップS203に戻る。計量工程開始である場合(S204・Yes)、制御装置80の処理はステップS205に進む。
【0072】
ステップS205において、制御装置80の処理部82は、排出弁70の弁体駆動部を制御して、排出弁70の弁体72を第1状態とする。そして、制御装置80はの処理はステップS201に戻る。
【0073】
このように、第1実施形態に係る射出装置3によれば、射出装置3のシリンダ(リザーバシリンダ10及び/又は射出シリンダ20)が溶融樹脂を受け入れ可能でないと判断した場合、溶融樹脂供給部30から溶融樹脂を排出部60から射出装置3外に排出する。これにより、シリンダ(リザーバシリンダ10及び/又は射出シリンダ20)において溶融樹脂がオーバーフローすることを防止することができ、射出装置3の破損を防止することができる。
【0074】
<第2実施形態に係る射出装置3A>
次に、第2実施形態に係る射出成形機の射出装置3Aについて、
図10を用いて説明する。
図10は、第2実施形態に係る射出装置3Aの断面模式図である。なお、
図10は、弁体52の回転中心線に対し垂直な断面図である。
【0075】
図10に示す第2実施形態に係る射出装置3Aは、
図2に示す第1実施形態に係る射出装置3と比較して、排出弁70に替えて、供給排出弁70Aを備える点が異なっている。具体的には、弁体72Aにおけるの流路の接続が異なっている。その他の構成は、第1実施形態に係る射出装置3と同様であり、重複する説明を省略する。
【0076】
供給排出弁70Aは、溶融樹脂の供給と排出を切り替えるための弁である。
図10に示す例において、供給排出弁70Aは、方向切替弁として構成される。供給排出弁70Aは、溶融樹脂供給部30と、リザーバシリンダ10と、接続部35(方向切替弁50)と、排出部60との間の成形材料の流れ方向の切替を行う。供給排出弁70Aは、弁箱71と、弁体72Aと、弁体駆動部(図示せず)と、を有する。
【0077】
弁箱71は、接続ポート73~76を有する。接続ポート73は、溶融樹脂供給部30の内部に連通する。接続ポート74は、リザーバシリンダ10の内部に連通する。接続ポート75は、接続部35の内部に連通する。接続ポート76は、排出部60の内部に連通する。接続ポート73~76は、弁体72の回転中心線を中心に所定方向(
図10では時計回り)に、接続ポート73と、接続ポート74と、接続ポート75と、接続ポート76とがこの順で90°ピッチで配置される。また、接続ポート73~75は、溶融樹脂供給部30からシリンダ(リザーバシリンダ10及び/又は射出シリンダ20)に溶融樹脂を供給する供給路となる。接続ポート76は、溶融樹脂供給部30から排出部60に溶融樹脂を排出する排出路となる。
【0078】
弁体72Aは、弁箱71の内部で回転されることで、第1状態(後述する
図12~14参照)と第2状態(後述する
図11,16参照)とに切り替えられる。弁体72Aは、第1状態のとき、接続ポート73と接続ポート74とを連通させるとともに、接続ポート75と接続ポート76とを連通させる。一方、弁体72Aは、第2状態のとき、接続ポート73と接続ポート76とを連通させるとともに、接続ポート74と接続ポート75とを連通させる。これにより、第1状態は、溶融樹脂供給部30からリザーバシリンダ10に溶融樹脂を供給可能とする。第2状態は、リザーバシリンダ10から射出シリンダ20に溶融樹脂を供給可能とするとともに、溶融樹脂供給部30から排出部60に溶融樹脂を排出可能とする。
【0079】
弁体駆動部は、弁体72Aを作動させる。具体的には、弁体駆動部は、弁箱71の内部で弁体72Aを回転させることにより、第1状態と第2状態とを切り替える。
【0080】
<第2実施形態に係る射出装置3Aの動作>
次に、第2実施形態に係る射出装置3Aの動作について、
図3を参照しつつ、
図11から
図14を用いて説明する。なお、
図11から
図14(及び、後述する
図16)において、溶融樹脂の流れを破線の矢印で示し、第1プランジャ12、第2プランジャ22の移動方向を網掛けした矢印で示す。また、
図3に示すフローチャートにおいて、判断部81は、射出装置3Aに溶融樹脂を供給可能であると判定しているものとして説明する。
【0081】
図11は、計量工程における第2実施形態に係る射出装置3Aの状態を示す図である。ステップS101において、制御装置80の流路切替処理部83は、計量工程を行う。制御装置80の流路切替処理部83は、方向切替弁50の弁体駆動部を制御して、方向切替弁50の弁体52を第1状態とする。また、制御装置80の流路切替処理部83は、供給排出弁70Aの弁体駆動部を制御して、供給排出弁70Aの弁体72Aを第2状態とする。また、制御装置80の流路切替処理部83は、進退モータ16を駆動して、第1プランジャ12を前進させる。リザーバシリンダ10内の第1プランジャ12の前方に蓄積された溶融樹脂は、供給排出弁70A、接続部35、方向切替弁50を介して、射出シリンダ20内の第2プランジャ22の前方に蓄積される。一方、溶融樹脂供給部30から供給された溶融樹脂は、溶融樹脂供給部30、供給排出弁70Aを介して、排出部60から射出装置3外に排出される。
【0082】
射出シリンダ20内の第2プランジャ22の前方に溶融樹脂が蓄積されることで、射出シリンダ20内の第2プランジャ22が後退する。また、制御装置80の流路切替処理部83は、エンコーダ27の検出値に基づいて第2プランジャ22の位置を検出する。ここで、第2プランジャ22の急激な後退を抑制すべく、制御装置80の流路切替処理部83は、圧力検出部28の検出値に基づいて進退モータ26を駆動して、第2プランジャ22に対し設定背圧を加えてよい。
【0083】
図12は、計量工程完了後における第2実施形態に係る射出装置3Aの状態を示す図である。第2プランジャ22が所定位置まで後退し、第2プランジャ22の前方に所定量の溶融樹脂が蓄積されると、制御装置80の流路切替処理部83は、進退モータ16の駆動を停止すると共に進退モータ26の駆動を停止する。また、制御装置80の流路切替処理部83は、方向切替弁50の弁体駆動部を制御して、方向切替弁50の弁体52を第2状態とする。また、制御装置80の流路切替処理部83は、供給排出弁70Aの弁体駆動部を制御して、供給排出弁70Aの弁体72Aを第1状態とする。溶融樹脂供給部30から供給された溶融樹脂は、溶融樹脂供給部30、供給排出弁70Aを介して、リザーバシリンダ10内の第1プランジャ12の前方に蓄積される。リザーバシリンダ10内の第1プランジャ12の前方に溶融樹脂が蓄積されることで、リザーバシリンダ10内の第1プランジャ12が後退する。また、制御装置80の流路切替処理部83は、エンコーダ17の検出値に基づいて第1プランジャ12の位置を検出する。ここで、第1プランジャ12の急激な後退を抑制すべく、制御装置80の流路切替処理部83は、圧力検出部18の検出値に基づいて進退モータ16を駆動して、第1プランジャ12に対し設定背圧を加えてよい。なお、方向切替弁50の弁体52を第2状態として、溶融樹脂供給部30から供給された溶融樹脂を、リザーバシリンダ10内の第1プランジャ12の前方に蓄積される工程を、リザーバプランジャ計量工程とも称する。
【0084】
図13は、充填工程における第2実施形態に係る射出装置3Aの状態を示す図である。ステップS102において、制御装置80の流路切替処理部83は、充填工程を行う。制御装置80の流路切替処理部83は、進退モータ26を駆動して、第2プランジャ22を所定位置まで前進させる。また、制御装置80の流路切替処理部83は、エンコーダ27の検出値に基づいて第2プランジャ22の位置を検出する。射出シリンダ20内の第2プランジャ22の前方に蓄積された溶融樹脂は、方向切替弁50、ノズル40を介して、金型装置内のキャビティ空間に充填される。また、充填工程において、溶融樹脂供給部30から供給された溶融樹脂は、溶融樹脂供給部30、供給排出弁70Aを介して、リザーバシリンダ10内の第1プランジャ12の前方に蓄積される(リザーバプランジャ計量工程)。
【0085】
図14は、保圧工程における第2実施形態に係る射出装置3Aの状態を示す図である。ステップS103において、制御装置80の流路切替処理部83は、保圧工程を行う。また、制御装置80の流路切替処理部83は、圧力検出部28の検出値に基づいて進退モータ26を制御して、第2プランジャ22を前方に押し、第2プランジャ22の前端部における溶融樹脂の圧力(保持圧力)を設定圧に保ち、射出シリンダ20内に残る溶融樹脂を金型装置に向けて押す。また、保圧工程において、溶融樹脂供給部30から供給された溶融樹脂は、溶融樹脂供給部30、供給排出弁70Aを介して、リザーバシリンダ10内の第1プランジャ12の前方に蓄積される(リザーバプランジャ計量工程)。また、制御装置80の流路切替処理部83は、エンコーダ17の検出値に基づいて第1プランジャ12の位置を検出する。
【0086】
制御装置80の流路切替処理部83は、保圧工程の完了後、次回の計量工程におけるリザーバシリンダ10から射出シリンダ20への成形材料の供給前に、方向切替弁50の弁体52を回転させ、弁体52の状態を
図14に示す第2状態から
図11に示す第1状態に戻す。また、供給排出弁70Aの弁体72Aを回転させ、弁体72Aの状態を
図14に示す第1状態から
図11に示す第2状態に戻す。
【0087】
制御装置80の流路切替処理部83は、計量工程、充填工程、保圧工程などを繰り返し行うことにより、射出成形機1は、成形品を繰り返し製造する。
【0088】
換言すれば、第2実施形態に係る射出装置3Aの制御装置80は、溶融樹脂供給部30からリザーバシリンダ10に溶融樹脂を供給してリザーバシリンダ10に溶融樹脂を蓄積させるリザーバプランジャ計量工程と、リザーバシリンダ10から射出シリンダ20に溶融樹脂を供給して射出シリンダ20に溶融樹脂を蓄積させる計量工程と、射出シリンダ20から金型装置内のキャビティ空間に溶融樹脂を充填する充填工程と、溶融樹脂の圧力を設定圧に保つ保圧工程と、を繰り返す。また、射出工程(充填工程、保圧工程)中に、次の成形サイクルのリザーバプランジャ計量工程が同時に行われる。
【0089】
以上、第2実施形態に係る射出装置3Aによれば、溶融樹脂供給装置6から溶融樹脂供給部30に連続して溶融樹脂が供給される射出成形機システムSに用いられ、リザーバプランジャ計量工程において、溶融樹脂をリザーバシリンダ10に蓄積することができるので、溶融樹脂のオーバーフローを防止することができる。また、リザーバシリンダ10から射出シリンダ20に溶融樹脂を供給する計量工程において、溶融樹脂を排出部60から射出装置3A外に排出する。これにより、シリンダ(リザーバシリンダ10及び/又は射出シリンダ20)において溶融樹脂がオーバーフローすることを防止することができ、射出装置3の破損を防止することができる。
【0090】
<供給排出弁70Aの動作>
次に、第2実施形態に係る射出装置3Aの供給排出弁70Aの動作について、
図8を参照しつつ、
図15を用いて説明する。
図15は、第2実施形態に係る射出装置3Aにおける供給排出弁70Aの動作を示すフローチャートである。
【0091】
ステップS301において、制御装置80の判断部81は、射出装置3Aの工程がリザーバプランジャ計量工程中であるか否かを判定する。即ち、供給排出弁70Aが第1状態(
図12~14参照)であって、溶融樹脂供給部30からリザーバシリンダ10に溶融樹脂を供給中であるか否かを判定する。リザーバプランジャ計量工程中でない場合(S301・No)、制御装置80の処理はステップS301を繰り返す。リザーバプランジャ計量工程中である場合(S301・Yes)、制御装置80の処理はステップS302に進む。
【0092】
ステップS302において、制御装置80の判断部81は、供給停止条件を満たすか否かを判定する。ここで、判断部81は、供給停止条件を満たす場合、射出装置3Aのシリンダ(リザーバシリンダ10及び/又は射出シリンダ20)が溶融樹脂を受け入れ可能でないと判断する。供給停止条件とは、溶融樹脂供給部30からリザーバシリンダ10への溶融樹脂の供給を停止させるための条件である。換言すれば、溶融樹脂供給部30から供給された溶融樹脂を排出部60から排出させるための条件である。例えば、制御装置80の判断部81は、エンコーダ17で第1プランジャ12の位置を検出し、第1プランジャ12が所定位置(例えば、後退限界)まで後退したとき、供給停止条件を満たすと判定する。また、制御装置80の判断部81は、サイクル時間が所定時間を超過したとき、供給停止条件を満たすと判定してもよい。また、制御装置80の判断部81は、圧力検出部18の検出値に基づいて、供給停止条件を満たすか否かを判定してもよい。供給停止条件を満たさない場合(S302・No)、制御装置80の処理はステップS301に戻る。供給停止条件を満たした場合(S302・Yes)、制御装置80の処理はステップS303に進む。
【0093】
図16は、供給排出弁70Aが第2状態における第2実施形態に係る射出装置3Aの状態を示す図である。ステップS303において、制御装置80の処理部82は、供給排出弁70Aの弁体駆動部を制御して、供給排出弁70Aの弁体72Aを第2状態とする。溶融樹脂供給部30から供給された溶融樹脂は、溶融樹脂供給部30、供給排出弁70Aを介して、排出部60から射出装置3A外に排出される。
【0094】
ステップS304において、制御装置80の判断部81は、射出装置3Aの動作がリザーバプランジャ計量工程を開始するか否かを判定する。換言すれば、リザーバシリンダ10から射出シリンダ20に溶融樹脂を供給する計量工程S101が終了して、溶融樹脂供給部30からリザーバシリンダ10に溶融樹脂を供給可能となったか否かを判定する。リザーバプランジャ計量工程開始でない場合(S304・No)、制御装置80の処理はステップS303に戻る。リザーバプランジャ計量工程開始である場合(S304・Yes)、制御装置80の処理はステップS305に進む。
【0095】
ステップS305において、制御装置80の処理部82は、供給排出弁70Aの弁体駆動部を制御して、供給排出弁70Aの弁体72Aを第1状態とする(
図12参照)。そして、制御装置80はの処理はステップS301に戻る。
【0096】
このように、第2実施形態に係る射出装置3Aによれば、射出装置3Aのシリンダ(リザーバシリンダ10及び/又は射出シリンダ20)が溶融樹脂を受け入れ可能でないと判断した場合、溶融樹脂供給部30から溶融樹脂を排出部60から射出装置3A外に排出する。これにより、シリンダ(リザーバシリンダ10及び/又は射出シリンダ20)において溶融樹脂がオーバーフローすることを防止することができ、射出装置3の破損を防止することができる。
【0097】
以上、射出成形機システムS,射出成形機1、及び射出装置3,3Aの実施形態等について説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
【0098】
方向切替弁50は、弁箱51内で弁体52が回転することで流れ方向の切替を行う切替弁であるものとして説明したが、これに限られるものではない。方向切替弁50は、弁箱内で弁体がスライドすることで流れ方向の切替を行う切替弁であってもよく、その他の構成により流れ方向の切替を行う切替弁であってもよい。また、排出弁70は、弁箱71内で弁体72が回転することで流れ方向の切替を行う切替弁であるものとして説明したが、これに限られるものではない。排出弁70は、弁箱内で弁体がスライドすることで流れ方向の切替を行う切替弁であってもよく、その他の構成により流れ方向の切替を行う切替弁であってもよい。
【0099】
排出弁70は、方向切替弁であるものとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、排出弁70は、排出部60に設けられる開閉弁として構成されていてもよい。この構成において、制御装置80は、排出弁70としての方向切替弁を第1状態と第2状態とを切り替えることに代えて、排出弁70としての開閉弁を閉弁状態(第1状態)と開弁状態(第2状態)とを切り替える。
【0100】
また、排出弁70は、リザーバシリンダ10内の溶融樹脂の圧力が所定の圧力以上となると開弁するリリーフ弁として構成されていてもよい。
【0101】
また、制御装置80(4)の判断部81は、供給停止条件(S202・Yes/S302・Yes)を満たしたとき、換言すれば、射出装置3,3Aのシリンダ(リザーバシリンダ10及び/又は射出シリンダ20)が溶融樹脂を受け入れ可能でないと判断した場合、排出弁70としての方向切替弁を第1状態と第2状態とを切り替えることに代えて、溶融樹脂供給路7の制御弁8(
図1参照)を閉弁する構成であってもよい。これにより、射出装置3への溶融樹脂の供給を遮断することができる。
【0102】
また、制御装置80(4)の判断部81は、供給停止条件(S202・Yes/S302・Yes)を満たしたとき、換言すれば、射出装置3,3Aのシリンダ(リザーバシリンダ10及び/又は射出シリンダ20)が溶融樹脂を受け入れ可能でないと判断した場合、その旨を示す信号を射出成形機システムS全体を制御する上位管理装置(図示せず)に送信する構成であってもよい。信号を受けた上位管理装置は、射出成形機システムS全体を制御する、例えば、溶融樹脂供給装置6を制御する、制御弁8を制御(閉弁)することにより、射出装置3への溶融樹脂の供給を遮断することができる。
【0103】
射出装置3,3Aには、溶融樹脂のみが供給されるものとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、溶融樹脂及びペレットが第1シリンダに供給される構成であってもよい。この場合、第1シリンダ内には、第1プランジャに代えてスクリュが設けられていてもよい。また、第1プランジャ駆動部15はスクリュを回転させるスクリュ回転モータと、スクリュを第1シリンダ内で旋回させるスクリュ進退モータと、を備えていてもよい。
【0104】
射出装置3,3Aは、2つのシリンダ(リザーバシリンダ10,射出シリンダ20)を有するものとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、射出装置3,3Aは、1つのシリンダを備える構成であってもよく、3つ以上のシリンダを備える構成であってもよい。
【符号の説明】
【0105】
S 射出成形機システム
1 射出成形機
3,3A 射出装置
4,80 制御装置(制御部)
6 溶融樹脂供給装置
7 溶融樹脂供給路
8 制御弁
10 リザーバシリンダ(第1シリンダ)
12 第1プランジャ(第1可動部)
15 第1プランジャ駆動部(第1駆動部)
16 進退モータ
17 エンコーダ
18 圧力検出部
20 射出シリンダ(第2シリンダ)
22 第2プランジャ(第2可動部)
25 第2プランジャ駆動部(第2駆動部)
26 進退モータ
27 エンコーダ
28 圧力検出部
30 溶融樹脂供給部(供給部)
35 接続部
40 ノズル
50 方向切替弁(切替部)
51 弁箱
52 弁体
60 排出部
70 排出弁(排出切替部)
70A 供給排出弁(供給/排出切替部)
71 弁箱
72,72A 弁体
73 接続ポート(供給路)
74 接続ポート(供給路)
75 接続ポート(供給路)
76 接続ポート(排出路)