(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】配管ユニット
(51)【国際特許分類】
A47K 17/00 20060101AFI20240610BHJP
E03D 11/00 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
A47K17/00
E03D11/00 Z
(21)【出願番号】P 2020149641
(22)【出願日】2020-09-07
【審査請求日】2023-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 守
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-228453(JP,A)
【文献】特開2011-208406(JP,A)
【文献】特開2016-077594(JP,A)
【文献】国際公開第2007/043872(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0085206(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 17/00
E03D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム本体と、
前記フレーム本体の上面に配置される上板と、
前記フレーム本体の前面に配置される前板と、
前記フレーム本体の前面下端に配置され、横方向に延びる前面下端フレームと、
を備え、
前記前面下端フレームは、前記フレーム本体に対して着脱自在であ
り、
前記前面下端フレームは、前記前板の下方において前方に露出した意匠面を有し、
前記前面下端フレームは、前記フレーム本体に固定される第1部材と、前記第1部材に固定される第2部材とを備え、
前記第2部材は、前記意匠面を有する配管ユニット。
【請求項2】
前記第2部材は、自身の下縁が床面に沿うようにして前記第1部材に固定される請求項1に記載の配管ユニット。
【請求項3】
前記フレーム本体の左右の下端に配置される側面下端部材を備え、
前記側面下端部材は、前記意匠面と同一の意匠を有する第2の意匠面を有する請求項1から請求項2
までの何れか一項に記載の配管ユニット。
【請求項4】
前記フレーム本体の下部スペースに収納物が設置されている請求項1から請求項3
までの何れか一項に記載の配管ユニット。
【請求項5】
前記前板は、前記フレーム本体に対して着脱自在である請求項
1から請求項4までの何れか一項に記載の配管ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配管ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器、洗面器、汚物流しなどの衛生機器を備える配管ユニットが知られている(例えば下記特許文献1に記載)。配管ユニットは、給水管、排水管などの配管をユニット化したものである。配管ユニットは、トイレルームなどに設置される。一般に、配管ユニットの下端には、接着剤や両面テープなどによって巾木が貼り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記配管ユニットの下端には、巾木が貼り付けられている。このため、配管ユニットの下部スペースを収納などに利用しにくいという問題があった。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、下部スペースを有効利用できる配管ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の配管ユニットは、前記フレーム本体の上面に配置される上板と、前記フレーム本体の前面に配置される前板と、前記フレーム本体の前面下端に配置され、横方向に延びる前面下端フレームと、を備え、前記前面下端フレームは、前記フレーム本体に対して着脱自在である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】トイレ室内に設置された状態の配管ユニットを示す斜視図
【
図4】前面下端フレームを取り付けた状態の配管ユニットの下部を示す一部拡大正面図
【
図6】第1部材をフレーム本体に取り付ける様子を示す斜視図
【
図7】第2部材を第1部材に取り付ける様子を示す斜視図
【
図8】電気温水器を配管ユニットの下部スペースに設置する様子を示す斜視図
【
図9】下前板を配管ユニットの下部スペースの前側に取り付ける様子を示す斜視図
【
図10】流し部を配管ユニットの前面に取り付ける様子を示す斜視図
【
図11】吐水口及び水栓を配管ユニットの前面に取り付けた状態を示す斜視図
【
図12】配管ユニットの下部スペースから電気温水器を取り出す様子を示す斜視図
【
図13】前面下端フレームを取り外した状態の配管ユニットの下部を示す一部拡大正面図
【
図14】配管ユニットの上部に洗浄タンク及びバキュームブレーカを取り付けた状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
配管ユニットUは、
図1に示すように、例えば、腹部に排泄口を人工的に増設した人が、パウチに溜まった排泄物を流したり洗浄したりする際に利用する汚物流しユニットである。汚物流しユニットは、多目的トイレ室などに設置される。以下、各構成部材において、流し部10側(
図1のX軸の正方向側)を前側、その反対側(
図1のX軸の負方向側)を後側、上側(
図1のZ軸の正方向側)を上側、下側(
図1のZ軸の負方向側)を下側、流し部10に向かって右側(
図1のY軸の正方向側)を右側、左側(
図1のY軸の負方向側)を左側として説明する。
【0009】
配管ユニットUは、
図1に示すように、流し部10とユニット本体11とを有する。流し部10は、ユニット本体11の前面に設けられる。ユニット本体11の前面には、流し部10以外に付属物が備えられる。付属物は、吐水口12及び水栓13のハンドル13A等である。
【0010】
ユニット本体11は、
図2に示すように、フレーム14、上板15、前板16、側板17及び側面下端部材18を有する。側板17は、必要に応じて、ユニット本体11のトイレ室の壁面Wに接しない側に取り付けられる。本実施形態では、ユニット本体11の左側がトイレ室の壁面Wに接し、ユニット本体11の右側に側板17が取り付けられる場合を説明する。
【0011】
フレーム14は、
図2に示すように、フレーム本体20及び前面下端フレーム50を有する。フレーム本体20は、第1フレーム21、第2フレーム22、第3フレーム23、側板固定部材24及び壁固定部材25を有する。第1フレーム21は、上下方向に延びる。第2フレーム22は、左右方向に延びる。第3フレーム23は、前後方向に延びる。
【0012】
第1フレーム21は、
図2に示すように、フレーム本体20の左右両側に一対設けられる。第1フレーム21は、フレーム本体20の前面側に位置する。
【0013】
第2フレーム22は、
図2に示すように、フレーム本体20の前面に設けられる。第2フレーム22は、フレーム本体20の上端部及び中間部に備えられる。第2フレーム22の左右両端部は、左右の第1フレーム21に固定される。上端部の第2フレーム22は、左右の第1フレーム21の上端を連結する。中間部の第2フレーム22には、排水フランジ26などが取り付けられる。
【0014】
第3フレーム23は、
図2に示すように、フレーム本体20の上面の左右両端部に設けられる。第3フレーム23の前端部は、第1フレーム21の上端に固定される。
【0015】
側板固定部材24は、
図2に示すように、フレーム本体20の右側面に設けられる。側板固定部材24は、上下方向に所定の間隔をあけて複数配置される。各側板固定部材24は、前後方向に長い形状である。各側板固定部材24の前端部は、第1フレーム21に固定される。
【0016】
壁固定部材25は、
図2に示すように、フレーム本体20の上部及び中間部に設けられる。上部の壁固定部材25は、左右の第3フレーム23に溶接によって固定される。上部の壁固定部材25は、ホースガイド27、バキュームブレーカ33用のブラケット28(
図14参照)及びタンクプレート29を有する。中間部の壁固定部材25は、中間部の第2フレーム22に溶接によって固定される。壁固定部材25は、ネジによってトイレ室の壁面Wに固定される。
【0017】
前面下端フレーム50は、
図2に示すように、フレーム本体20の前面下端に配置される。前面下端フレーム50は、フレーム本体20に対して着脱自在である。前面下端フレーム50については、後ほど詳しく説明する。
【0018】
上板15は、
図2に示すように、フレーム本体20の上面に配置される。上板15は、左右方向に長い長方形状である。
【0019】
前板16は、
図2に示すように、フレーム本体20の前面に配置される。前板16は、上下方向に3つに分割されている。前板16は、上前板16A、中前板16B及び下前板16Cを有する。
【0020】
上前板16A、中前板16B及び下前板16Cは、
図3に示すように、いずれも長方形状である。上前板16A、中前板16B及び下前板16Cの左右方向の寸法は同じである。上前板16A、中前板16B及び下前板16Cの左右両端部は、第1フレーム21の前面に重なる。上前板16A、中前板16B及び下前板16Cの上下方向の寸法は異なる。上前板16Aの上下方向の寸法は、中前板16B及び下前板16Cの上下方向の寸法よりも小さい。中前板16Bの上下方向の寸法は、上前板16A及び下前板16Cの上下方向の寸法よりも大きい。中前板16Bの左右方向中央部に流し部10が配置される。流し部10の下端部は、下前板16Cの上端よりも下側に位置する。
【0021】
上前板16Aは、
図3に示すように、フレーム本体20の上端部の前側を覆う。上前板16Aをユニット本体11から取り外した状態では、ユニット本体11の上端部に上部開口39が形成される(
図11参照)。
【0022】
中前板16Bは、
図3に示すように、フレーム本体20の上下方向の中間部の前側を覆う。中前板16Bの前面に流し部10、吐水口12及びハンドル13Aが設けられる。
【0023】
下前板16Cは、
図3に示すように、フレーム本体20の下端部の前側を覆う。下前板16Cをユニット本体11から取り外した状態では、ユニット本体11の下端部に下部開口41が形成される(
図4参照)。
【0024】
側板17は、
図2に示すように、上下方向に長い長方形状である。側板17の下縁は、
図3に示すように、トイレ室の床面Fから上側に離れて位置する。側板17の上縁は、上板15の上面よりも上側に位置する。
【0025】
図3に示すように、ユニット本体11の上部スペース31には、洗浄タンク32及びバキュームブレーカ33などが配置される。洗浄タンク32は、上部スペース31の左右方向中央部に配置される。バキュームブレーカ33は、上部スペース31の右上角部に配置される。
【0026】
図3に示すように、ユニット本体11の下部スペース42には、配管34及び電気温水器43(収納物)が設置される。下部スペース42の左側は配管スペース35である。配管34は、排水管36及び給水管37である。給水管37は、洗浄タンク32用及び水栓13用である。配管34は、トイレ室の床面Fから立ち上がっている。給水管37には、それぞれ止水栓38が取り付けられる(
図4参照)。電気温水器43は、下部スペース42の右側に配置される。
【0027】
前面下端フレーム50は、
図4に示すように、左右に長い板状である。前面下端フレーム50は、トイレ室の床面Fに対して概ね垂直に立つ。前面下端フレーム50の左右両端部は、左右の第1フレーム21の下端部に固定される。前面下端フレーム50の前面には、意匠面51が設けられる。意匠面51は、
図3に示すように、下前板16Cの下方において前方に露出する。
【0028】
前面下端フレーム50は、
図5に示すように、第1部材52と第2部材53とを備えている。第1部材52及び第2部材53は、異なる材料で形成されている。第1部材52は、金属製である。第2部材53は、ステンレス製である。第1部材52及び第2部材53は、前後に重ねられている。第2部材53は、意匠面51を有する。
【0029】
第1部材52は、
図6に示すように、フレーム本体20の下端部に固定部品54によって固定される。固定部品54は、ネジである。第1部材52は、左右の第1フレーム21に固定される固定部55を有する。固定部55は、第1部材52の左右両端部に設けられる。固定部55は、第1フレーム21の前面に固定される。固定部55は、本体部56の上縁から上方に突出している。左側の固定部55は、本体部56の左縁56Lよりも左側に突出している。右側の固定部55は、本体部56の右縁56Rよりも右側に突出している。
【0030】
第1部材52の本体部56には、
図7に示すように、第2部材53が固定される。本体部56の前面は、第2部材53の固定面である。本体部56は、
図4に示すように、左右方向に長い長方形状である。本体部56の左右方向の寸法は、左右の第1フレーム21の間隔よりも小さい。本体部56の左縁56Lは、左側の第1フレーム21より右側に位置する。本体部56の右縁56Rは、右側の第1フレーム21よりも左側に位置する。これによって、
図7に示すように、第1部材52をフレーム本体20に固定した状態では、左右の第1フレーム21の下端部の前面(後述する側面下端部材18の固定面)が露出される。本体部56には、下前板16Cが固定される前板固定部57が設けられている(
図9参照)。前板固定部57は、本体部56の上縁部に設けられる。前板固定部57には、ネジ孔が形成されている。
【0031】
第1部材52の上縁には、
図7に示すように、凹部58が形成されている。凹部58は、本体部56の上縁、左側の固定部55の右縁及び右側の固定部55の左縁によって形成される。凹部58は、第1部材52の左右方向の中央部に形成される。フレーム本体20に固定された状態の第1部材52の下縁は、トイレ室の床面Fから上側に離れて位置する。第1部材52の下縁は、水平に延び、トイレ室の床面Fと概ね平行になる(
図4参照)。
【0032】
第2部材53は、
図5に示すように、左右方向に長い長方形状である。第2部材53の左右方向の寸法は、第1部材52の本体部56の左右方向の寸法よりも大きい。第2部材53を第1部材52に固定した状態では、第2部材53の左右両端部は、第1部材52の本体部56から左右両側に張り出す。第2部材53の下縁は、第1部材52の下縁よりも下側に位置する。第2部材53の前面は意匠面51である。
【0033】
第2部材53は、
図7に示すように、第1部材52の前面に接着剤によって固定される。第2部材53は、
図4に示すように、自身の下縁がトイレ室の床面Fに沿うようにして第1部材52に固定される。第2部材53の左右両端部は、左右の第1フレーム21の下端部の前面に被さる。
【0034】
側面下端部材18は、
図7に示すように、フレーム本体20の左右の下端部に固定される。側面下端部材18は、側板固定部材24及び第1フレーム21の下端部のいずれかに固定される。側面下端部材18は、前後方向に長い板部材である。側面下端部材18の上下方向の寸法は、第2部材53の上下方向の寸法と同等である。
【0035】
各側面下端部材18は、
図7に示すように、下端部材本体59及び下端部材固定部61を有する。下端部材本体59は、前後方向に長い長方形状である。下端部材固定部61は、下端部材本体59の前端に設けられる。下端部材固定部61は、下端部材本体59に対して直角である。下端部材固定部61は、第1フレーム21の前面に接着される。下端部材固定部61の前面には、第2部材53の左右両端部が被さる(
図4参照)。
【0036】
側面下端部材18は、
図7に示すように、第2の意匠面62を有する。第2の意匠面62は、意匠面51と同一の意匠を有する。第2の意匠面62は、左側の下端部材本体59の左面、右側の下端部材本体59の右面及び下端部材固定部61の前面に設けられる。第2の意匠面62は、ユニット本体11の下端部において外側に露出する(
図1参照)。前面下端フレーム50の意匠面51及び左右の側面下端部材18の第2の意匠面62は、トイレ室の床面Fに沿って連続する。
【0037】
次に、配管ユニットUの施工手順の一例を説明する。まず、
図2に示すように、フレーム本体20を配管ユニットUの設置場所に設置する。フレーム本体20の壁固定部材25をトイレ室の壁面Wにネジによって固定する。次に、
図6に示すように、前面下端フレーム50の第1部材52を、固定部品54によってフレーム本体20に仮固定する。
【0038】
次に、
図7に示すように、側面下端部材18をフレーム本体20に取り付ける。側面下端部材18は、側板固定部材24及び第1フレーム21に両面テープ63を貼り付けて接着する。このとき、側板17を取り付けない側の側面下端部材18は、下端部材本体59をトイレ室の壁面Wにあわせる。これによって、トイレ室の壁面Wと側面下端部材18との間に隙間が形成されないようにする(
図4参照)。
【0039】
側面下端部材18をフレーム本体20に取り付けた後、第2部材53を第1部材52に取り付ける。具体的には、まず第1部材52の本体部56の前面に両面テープ63を貼り付ける。次に、第2部材53の下縁をトイレ室の床面Fにあわせ、第2部材53の下縁とトイレ室の床面Fとの間に隙間が形成されないようにして、第2部材53を第1部材52に固定する。このとき、第2部材53の左縁と左側の側面下端部材18の左縁との間隔、第2部材53の右縁と右側の側面下端部材18の右縁との間隔が均等になるようにする。第2部材53を第1部材52に固定することによって、フレーム本体20に前面下端フレーム50が取り付けられた状態になる。
【0040】
次に、
図8に示すように、フレーム本体20に側板17を取り付ける。側板17は、ネジによって側板固定部材24に固定する。その後、下部開口41から下部スペース42に手を入れて給水管37に止水栓38を取り付け、フレーム本体20に保持具44を取り付ける。その後、保持具44に電気温水器43を設置する。電気温水器43を設置する際には、前面下端フレーム50をフレーム本体20から取り外す。電気温水器43を設置した後、前面下端フレーム50をフレーム本体20に取り付ける。
【0041】
次に、下前板16C、中前板16B及び上前板16Aをフレーム14に仮固定する。まず、
図9に示すように、下前板16Cをフレーム14に取り付ける。具体的には、下前板16Cを前面下端フレーム50の第1部材52にネジSで固定する。
【0042】
次に、
図10に示すように、中前板16B、上前板16Aをフレーム本体20に取り付け、流し部10を中前板16Bに取り付ける。中前板16Bは、下前板16Cの上縁に載せてフレーム本体20にネジ固定する。上前板16Aは、中前板16Bの上縁に載せてフレーム本体20にネジ固定する。このとき、中前板16Bの下縁と下前板16Cの上縁との間、及び上前板16Aの下縁と中前板16Bの上縁との間に隙間ができないようにする。流し部10は、中前板16Bの前面に取り付ける。
【0043】
次に、
図11に示すように、上前板16Aを取り外し、上部開口39から上部スペース31に手をいれて、バキュームブレーカ33用のブラケット28を壁固定部材25に固定する(
図14参照)。次に、吐水口12を中前板16Bに取り付け、吐水口12のホースをホースガイド27に通し、水栓13を中前板16Bに取り付ける。
【0044】
次に、
図12に示すように、下前板16C及び前面下端フレーム50をフレーム本体20から取り外し、電気温水器43を下部スペース42から取り出す。具体的には、まず下前板16Cを固定していたネジSを緩め、下前板16Cを下側にスライドし、前側に取り外す。次に、前面下端フレーム50を固定していた固定部品54を緩め、前面下端フレーム50をフレーム本体20から取り外す。これによって、
図13に示すように、下部開口41は、トイレ室の床面Fまで広げられる。下部開口41は、左右の第1フレーム21の間隔と同じ左右方向寸法を有し、下部スペース42の大部分を前側に露出させる。止水栓38及び電気温水器43は、下部開口41によって前方に露出する。電気温水器43を下部スペース42から取り出し、図示しないホースによって電気温水器43と水栓13、及び電気温水器43と水栓13用の止水栓38を接続する。
【0045】
次に、
図14に示すように、洗浄タンク32及びバキュームブレーカ33を設置した後、フレーム本体20に上前板16Aを取り付ける。具体的には、上部開口39(
図11参照)から洗浄タンク32を上部スペース31に入れて、タンクプレート29に設置する。洗浄タンク32と洗浄タンク32用の止水栓38、及び洗浄タンク32と電気温水器43を図示しないホースで繋ぐ。電気温水器43を下部スペース42に収納し(
図13参照)、前面下端フレーム50及び下前板16Cを取り付ける(
図9参照)。バキュームブレーカ33は、
図14に示すように、バキュームブレーカ33用のブラケット28に取り付ける。その後、フレーム本体20に上前板16Aを取り付ける。
【0046】
次に、フレーム本体20の上面に上板15を取り付ける。具体的には、フレーム本体20の上面に面ファスナを取り付け、上板15を載置する(
図1参照)。以上によって、配管ユニットUの施工が完了する。
【0047】
次に、上記のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
【0048】
配管ユニットUは、フレーム本体20と、上板15と、前板16と、前面下端フレーム50と、を備える。上板15は、フレーム本体20の上面に配置される。前板16は、フレーム本体20の前面に配置される。前面下端フレーム50は、フレーム本体20の前面下端に配置され、横方向に延びる。前面下端フレーム50は、フレーム本体20に対して着脱自在である。この構成によれば、前面下端フレーム50をフレーム本体20から取り外すことによって、下部スペース42の前面を床面Fの位置まで開放し、前面下端フレーム50をフレーム本体20に取り付けることによって、配管ユニットUを元の状態に戻すことができる。したがって、下部スペース42を収納などに有効利用できる。
【0049】
前面下端フレーム50は、前板16の下方において前方に露出した意匠面51を有する。この構成によれば、配管ユニットUの見た目をよくすることができる。
【0050】
前面下端フレーム50は、第1部材52と、第2部材53とを備える。第1部材52は、フレーム本体20に固定される。第2部材53は、第1部材52に固定される。第2部材53は、意匠面51を有する。この構成によれば、設置されたフレーム本体20に対して第1部材52を固定した後、第2部材53の位置を調整しつつ、第2部材53を第1部材52に固定できる。したがって、配管ユニットUの見た目をより良くすることができる。
【0051】
第2部材53は、自身の下縁が床面Fに沿うようにして第1部材52に固定される。この構成によれば、第2部材53の下縁と床面Fとの隙間をなくすことができるから、配管ユニットUの見た目をよくすることができる。
【0052】
配管ユニットUは、側面下端部材18を備える。側面下端部材18は、フレーム本体20の左右の下端に配置される。側面下端部材18は、第2の意匠面62を備える。第2の意匠面62は、意匠面51と同一の意匠を有する。この構成によれば、フレーム本体20の下端の前面から左右の側面まで、同一の意匠が連続して見えるから、配管ユニットUの見た目を良くすることができる。
【0053】
フレーム本体20の下部スペース42に電気温水器43が設置されている。この構成によれば、配管ユニットUの下部スペース42を有効利用することによって、配管ユニットUをコンパクトにできる。
【0054】
前板16は、フレーム本体20に対して着脱自在である。この構成によれば、前板16をフレーム本体20に仮固定し、取り外し、再び固定する作業を容易に行うことができる。
【0055】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態において配管ユニットUは、汚物流しユニットである。これに限らず、配管ユニットは、便器を備えたトイレユニットや、洗面器を備えた洗面ユニットなどであってもよい。
(2)上記実施形態において前板16は、上下方向に3つに分割されている。これに限らず、前板は2分割、あるいは4分割以上であってもよい。
(3)上記実施形態において前面下端フレーム50は、2つの部材(第1部材52及び第2部材53)を接着してなる。これに限らず、前面下端フレームは、1つの部材からなるものであってもよい。
(4)上記実施形態では、フレーム本体20の下部スペース42に電気温水器43が設置されている。これに限らず、下部スペースには電気温水器以外のものを収納してもよい。
【符号の説明】
【0056】
F…床面、U…配管ユニット、15…上板、16…前板、18…側面下端部材、20…フレーム本体、42…下部スペース、43…電気温水器(収納物)、50…前面下端フレーム、51…意匠面、52…第1部材、53…第2部材、62…第2の意匠面