(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】気体供給装置、リソグラフィ装置、および物品製造方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240610BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F7/20 521
H01L21/68 N
(21)【出願番号】P 2020156623
(22)【出願日】2020-09-17
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本間 将人
【審査官】藤田 健
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-283313(JP,A)
【文献】特開平06-176998(JP,A)
【文献】特開2005-353967(JP,A)
【文献】特開2000-091192(JP,A)
【文献】特開2017-120340(JP,A)
【文献】特開2001-250759(JP,A)
【文献】特開2006-308996(JP,A)
【文献】米国特許第04989031(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 9/00
G03F 7/20
H01L 21/683
F04D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体の吹出口を構成する筐体と、
前記筐体との間に隙間を設けて前記筐体を覆うカバーと、
を備え、
前記カバーは、前記吹出口から吹き出された気体を通過させる開口部を有し、
前記吹出口を正面からみたときの平面視において、前記開口部は、前記吹出口より小さく、かつ、前記吹出口の領域に収まる位置にあり、
前記カバーは、前記平面視において前記吹出口の一部および前記筐体の第1面と対向し前記開口部を形成する第1部分と、前記第1部分から延びて、前記筐体の前記第1面とは異なる第2面と対向する第2部分とを有し、
前記第1部分は、前記吹出口から吹き出された気体の一部を前記隙間に導き、前記隙間は、前記第1部分によって導かれた気体の流路を構成している、
ことを特徴とする気体供給装置。
【請求項2】
前記隙間は、前記第1面と前記第1部分との間と、前記筐体の前記第2面と前記第2部分との間と、に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の気体供給装置。
【請求項3】
前記隙間は、前記第1面と前記第1部分との間に設けられ、前記筐体の前記第2面と前記第2部分との間には設けられていない、ことを特徴とする請求項1に記載の気体供給装置。
【請求項4】
前記カバーは、前記第1部分から前記吹出口の内部に延びて、前記第1面および前記第2面とは異なる前記筐体の第3面と対向する第3部分を更に有する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の気体供給装置。
【請求項5】
前記隙間を流れる気体の流量を調整する調整部を更に有する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の気体供給装置。
【請求項6】
基板にパターンを形成するリソグラフィ装置であって、
前記基板を保持して移動する基板ステージと、
計測光を射出し、前記基板ステージで反射された計測光によって前記基板ステージの位置を計測する計測器と、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の気体供給装置と、
を有し、
前記気体供給装置は、前記吹出口から前記開口部を介して吹き出された気体を、前記基板ステージおよび前記計測器を含む第1空間に供給するように配置されている、ことを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項7】
原版を用いて基板にパターンを形成するリソグラフィ装置であって、
前記原版を保持して移動する原版ステージと、
計測光を射出し、前記原版ステージで反射された計測光によって前記原版ステージの位置を計測する計測器と、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の気体供給装置と、
を有し、
前記気体供給装置は、前記吹出口から前記開口部を介して吹き出された気体を、前記原版ステージおよび前記計測器を含む第1空間に供給するように配置されている、ことを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項8】
前記第1空間内の気体の少なくとも一部を、前記第1空間とは隔てられた第2空間に排出する排気機構を更に有する、ことを特徴とする請求項6または7に記載のリソグラフィ装置。
【請求項9】
前記気体供給装置は、前記第1空間に配置されており、前記排気機構は、前記流路を通った気体を前記第2空間に排出する、ことを特徴とする請求項8に記載のリソグラフィ装置。
【請求項10】
前記流路の出口が前記排気機構と接続されている、ことを特徴とする請求項9に記載のリソグラフィ装置。
【請求項11】
前記流路の入口は前記第1空間に連通し、前記流路の出口は前記第1空間とは隔てられた第2空間に連通している、ことを特徴とする請求項6または7に記載のリソグラフィ装置。
【請求項12】
前記第1空間と第2空間とを隔てる壁を有し、
前記気体供給装置は、前記第2空間に配置されており、前記壁に形成された開口を介して前記第1空間に気体を供給する、
ことを特徴とする請求項6または7に記載のリソグラフィ装置。
【請求項13】
前記筐体は、前記吹出口から前記計測光の光路の上に延びて、前記吹出口から吹き出された気体を前記光路へ導くように形成された第2筐体を含み、
前記カバーが、前記光路と前記第2筐体との間の高さ位置において更に配置される、
ことを特徴とする請求項6または7に記載のリソグラフィ装置。
【請求項14】
前記気体供給装置は、空調機によって温度調節がされた気体を前記第1空間に供給する、ことを特徴とする請求項6乃至13のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
【請求項15】
請求項6乃至14のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置を用いて基板にパターン形成を行う工程と、
前記パターン形成がなされた前記基板の加工を行う工程と、
を有し、前記加工がなされた前記基板から物品を製造する、ことを特徴とする物品製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体供給装置、リソグラフィ装置、および物品製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルや半導体デバイスの製造工程(リソグラフィ工程)で用いられる露光装置において、原版と基板は、それぞれ原版ステージと基板ステージに保持され、走査移動を繰り返す。走査移動を伴う露光の精度を高めるためには、原版ステージと基板ステージの位置を精確に制御する必要がある。このため、原版ステージと基板ステージの位置は、高精度な計測器によって計測される。高精度な計測器としては、エンコーダや干渉計がある。これらの計測器では、その光路中の空気の屈折率が変化すると、光路長が変化してしまう。このため、高精度な位置計測が要求される場合、光路中の空気の屈折率を変化させない(空気をゆらがせない)必要がある。屈折率は、温度、湿度、圧力により変化するため、これらの物性値を一定に保つことが重要となる。このため、露光装置では、基板ステージとその計測器を1つの空間(基板ステージ空間)に閉じ込め、その基板ステージ空間を空調することによって、計測器の光路の温度、湿度、圧力を一定に保つようにする構造が知られている。さらに、その構造として、基板ステージ空間全体を一方向へ整流する方法と、計測器の光路に集中して局所的に空調する方法が知られている。以上のことは、原版ステージとその計測器を含む空間(原版ステージ空間)の空調についても同様である。
【0003】
しかし、基板ステージ空間または原版ステージ空間を空調する場合、単純に気体を流すだけでは計測器の光路の屈折率を一定に保つことができない。その理由は、基板ステージ空間には、多くの熱源があり、その熱が計測器の光路へ到達し得るためである。例えば、基板ステージを駆動するためのアクチュエータやその基板、各種計測系に備わる電気部品が熱源となりうる。また、基板ステージ空間外の空間と接続された部品から基板ステージ内の部品に熱が伝わり、そこから計測器の光路へ拡散されて熱が伝わる系もある。さらには、基板ステージが走査移動することで、空調気流の上流に計測器の光路があったとしても、空調気流の下流にある熱が拡散し、計測器の光路へ到達することもありうる。加えて、気体を供給する空調機の筐体が熱によって温度分布を持ち、筐体内の空調気体自体が温度分布をもつこともある。以上のような熱の影響から、計測器の光路で温度ゆらぎが発生し、計測精度が低下しうる。計測精度が低下することで、露光精度の低下にも繋がる。
【0004】
特許文献1には、基板ステージ空間の壁面の温度を計測し、その温度とほぼ等しい温度に制御された気体を基板ステージ空間全体に供給する構成が開示されている。この構成によれば、基板ステージ空間外の空間と接続されている壁面と空調気体の温度がほぼ等しいため、基板ステージ空間内での温度勾配が低減され、この結果、計測器の光路における温度ゆらぎが低減される。
【0005】
特許文献2には、空調気体をベルヌーイ効果によってダクト内に引き込み、ダクトから計測器の光路に向けて気体を吹き出す構成が開示されている。この構成によれば、気体を計測器の光路に向けて吹き出すため、基板ステージが移動する空間の熱、例えば、アクチュエータやそれを駆動する回路部品等が発生する熱が計測器の光路へ到達し、温度ゆらぎとなることを低減することができる。
【0006】
また、基板ステージ空間の熱によって空調機の筐体自身が温度分布を持ち筐体内の空調気体に温度分布ができないようにするために、断熱材を筐体の壁面に貼り付ける場合もある。
【0007】
また、特許文献3には、筐体の壁面に閉空間を形成し、その閉空間に個別に気体を供給する構成が開示されている。この構成によれば、閉空間に気体を充填することで、熱伝達低減部が形成され、筐体外から筐体内に熱が伝わることを低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平9-82626号公報
【文献】特開2015-95503号公報
【文献】特開2013-161991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1では、壁面の温度を計測し、空調全体の気体の温度制御を行うため、基板ステージが移動する空間の局所的な温度分布に対して、空調用の気体を局所的に温度制御することができない。このため、局所的な温度分布が残った気体が計測器の光路に到達し、温度ゆらぎが発生しうる。
【0010】
特許文献2では、基板ステージの移動により、ダクト周りに熱が拡散した場合、ダクトに局所的な温度分布が発生し、ダクト内の気体に局所的な温度分布が発生しうる。その結果、局所的な温度分布を有する気体が計測器の光路に吹き出されてしまい、温度ゆらぎが発生しうる。また、ダクトや筐体に熱が伝わらないように断熱材を貼り付けると、基板ステージ空間の熱が回収されにくくなるため、その熱が拡散し、却って計測器の光路に到達しやすくなることもあり得る。その場合、計測器の光路の温度ゆらぎに繋がってしまう。
【0011】
特許文献3のように、壁面に閉空間を設ける場合、その閉空間に空調用の気体とは別に気体を供給する気体供給系統を設ける必要があり、構造が複雑化してしまう。
【0012】
本発明は、簡易な構成で空間の温度分布を低減するために有利な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面に係る気体供給装置は、気体の吹出口を構成する筐体と、前記筐体との間に隙間を設けて前記筐体を覆うカバーと、を備え、前記カバーは、前記吹出口から吹き出された気体を通過させる開口部を有し、前記吹出口を正面からみたときの平面視において、前記開口部は、前記吹出口より小さく、かつ、前記吹出口の領域に収まる位置にあり、前記カバーは、前記平面視において前記吹出口の一部および前記筐体の第1面と対向し前記開口部を形成する第1部分と、前記第1部分から延びて、前記筐体の前記第1面とは異なる第2面と対向する第2部分とを有し、前記第1部分は、前記吹出口から吹き出された気体の一部を前記隙間に導き、前記隙間は、前記第1部分によって導かれた気体の流路を構成している。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡易な構成で空間の温度分布を低減するために有利な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】気体供給装置における調整部の配置例を示す図。
【
図5】気体供給装置における排気機構の配置例を示す図。
【
図6】気体供給装置における排気機構の配置例を示す図。
【
図7】露光装置における気体供給装置の配置例を示す図。
【
図8】露光装置における気体供給装置の配置例を示す図。
【
図9】露光装置における気体供給装置の配置例を示す図。
【
図10】露光装置における気体供給装置の構成を示す図。
【
図11】露光装置における気体供給装置の構成を示す図。
【
図12】気体供給装置を備える露光装置の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0017】
本発明は、空間内の温度分布の低減(均一化)に有利な気体供給装置に関する。以下では、基板にパターンを形成するリソグラフィ装置に本発明の気体供給装置が適用される例を説明する。なお、リソグラフィ装置には、例えば、露光装置やインプリント装置がある。露光装置は、基板の上に供給されたフォトレジストを原版を介して露光することによって該フォトレジストに原版のパターンに対応する潜像を形成する。インプリント装置は、基板の上に供給された成形可能材料(インプリント材)を型と接触させ、インプリント材に硬化用のエネルギーを与えることにより、型の凹凸パターンが転写された硬化物のパターンを形成する。
【0018】
以下では、リソグラフィ装置の一例である露光装置に気体供給装置が適用された例に関して説明する。
【0019】
<第1実施形態>
図1には、実施形態における気体供給装置10の構成が示されている。また、
図12には、気体供給装置10を備えた露光装置の構成が示されている。本明細書および図面においては、水平面をXY平面とするXYZ座標系において方向が示される。一般には、被露光基板である基板Wはその表面が水平面(XY平面)と平行になるように基板ステージ4の上に置かれる。よって以下では、基板Wの表面に沿う平面内で互いに直交する方向をX軸およびY軸とし、X軸およびY軸に垂直な方向をZ軸とする。また、以下では、XYZ座標系におけるX軸、Y軸、Z軸にそれぞれ平行な方向をX方向、Y方向、Z方向という。
【0020】
露光装置は、照明光学系1と、原版ステージ3と、投影光学系2と、基板ステージ4と、制御部6とを備える。照明光学系1は、光源5からの光を用いて、原版ステージ3に保持されている原版Mを照明する。投影光学系2は、基板ステージ4に保持されている基板Wの上に原版Mのパターンを投影する。原版ステージ3は、原版を保持して移動する。基板ステージ4は、基板を保持して移動する。基板ステージ4と原版ステージ3は、制御部6により、それぞれの位置情報に基づき走査駆動される。基板ステージ4の位置は第1計測器8aによって計測され、原版ステージ3の位置は第2計測器8bによって計測される。第1計測器8aおよび第2計測器8bは、エンコーダまたは干渉計でありうる。例えば、第1計測器8aが干渉計である場合、第1計測器8aは、基板ステージ4に向けて計測光を射出し、基板ステージ4の端面に設けられた干渉計用ミラーで反射された計測光を検出することで、基板ステージ4の位置を計測する。なお、
図12では、第1計測器8aが1つしか示されていないが、第1計測器8aは、基板ステージ4のXY位置、回転量、およびチルト量が計測できるように複数配置されうる。第2計測器8bも、第1計測器8aと同様に構成されうる。
【0021】
壁30によって、第1空間21と第2空間22とが隔てられている。第1空間21は、例えば露光装置内部の空間であり、この場合、壁30は、投影光学系2および基板ステージ4等を支持する構造体あるいはチャンバ等によって構成されうる。壁30は、基板が入るラック、筐体、あるいは、ダクト等の気体を移動させる経路等によって構成されてもよい。第1空間21のうち、基板ステージ4側に配置された気体供給装置10によって空調される空間を第1空間21a、原版ステージ3側に配置された気体供給装置10によって空調される空間を第1空間21bと表記する。第2空間22は、第1空間21とは異なる空間を意味し、典型的には、露光装置外部の空間でありうるが、露光装置内の空間であってもよい。
【0022】
基板ステージ4および第1計測器8aは、第1空間21a内に配置され、原版ステージ3、第2計測器8bは、第1空間21b内に配置される。気体供給装置10は、空調機7によって温度調節がされた気体Gを第1空間21a、21bに供給する。筐体12aは、第1空間21aに対して気体Gが吹き出されるように吹出口11を構成する。また、筐体12c(第2筐体)は、吹出口11から第1計測器8aの計測光の光路である第1光路34aの上に延びて、吹出口11から吹き出された気体Gを第1光路34aへ導くように形成されている。同様に、筐体12bは、第1空間21bに対して気体Gが吹き出されるように吹出口11を構成する。また、筐体12d(第2筐体)は、吹出口11から第2計測器8bの計測光の光路である第2光路34bの上に延びて、吹出口11から吹き出された気体Gを第2光路34bへ導くように形成されている。
【0023】
気体供給装置10は、筐体12a、筐体12b、筐体12c、筐体12dのうちの少なくともいずれかを含み、空調機7から供給された気体Gを第1空間21a、21b、第1光路34a、第2光路34bに供給する。第1空間21a、21b内の気体Gは、排気機構18によって第2空間22に排出され、気体Gの一部は、空調機7に戻される。
【0024】
空調機7は、気体供給装置10へ気体Gを供給する。空調機7は、ファン、ダクト、バルブの他、気体Gの温度を測る温度計測器、気体Gの温度を調整する温度調整器等を含みうる。
【0025】
第1空間21a、21bには、基板ステージ4または原版ステージ3を起因とした熱源がある。例えば、基板ステージ4または原版ステージ3を駆動するアクチュエータ、アクチュエータの制御基板、位置制御に関わる電気部品等が熱源となりうる。また、第1空間21a、21bを構成する壁30、壁30に接続される部材32、33等も、その外部の第2空間22から熱を受け、熱源となりうる。それらの熱源から熱が拡散し、第1光路34aまたは第2光路34bに到達し、第1光路34aまたは第2光路34bの温度ゆらぎとなり得る。また、筐体12a、筐体12b、筐体12c、または、筐体12dに熱が伝わり、その筐体12a~12d内の気体Gが温度分布をもった状態で、気体Gが第1光路34aまたは第2光路34bに供給されることで、温度ゆらぎを発生させうる。さらに、基板ステージ4または原版ステージ3の走査移動により、第1空間21a、21bの空調が乱れ、熱が拡散し、第1光路34a、第2光路34bへ到達しうる。また、同様に、筐体12a、筐体12b、筐体12cまたは筐体12dへ熱が到達し、筐体12a~12d内部の気体Gが温度分布をもった状態で、気体Gが第1光路34aまたは第2光路34bに供給されることで、温度ゆらぎが発生しうる。気体供給装置10は、これらの熱の影響による第1光路34aまたは第2光路34bの温度ゆらぎを低減するために、温度分布が低減された気体Gを第1光路34a、第2光路34bへ供給する。これにより、第1光路34aまたは第2光路34bの温度分布が低減されうる。
【0026】
図1に示すように、気体供給装置10は、第1空間21に気体Gを導くための気体の吹出口11を構成する筐体12と、筐体12の側面の少なくとも一部を取り囲んで筐体12を覆うカバー13とを有する。カバー13は、筐体12との間に隙間14を設けて筐体12を覆うように配置されている。また、カバー13は、吹出口11から吹き出された気体を通過させる開口部15を有する。吹出口11を正面からみた(Y方向からみた)ときの平面視において、開口部15は、吹出口11より小さく、かつ、吹出口11の領域に収まる位置にある。カバー13は、Y方向からみたときの平面視において吹出口11の一部および筐体12の端面(第1面)と対向し開口部15を形成する第1部分である導風部材16を有する。カバー13は更に、導風部材16から延びて筐体12の端面とは異なる、筐体12の外側面(第2面)と対向する第2部分162を有する。導風部材16は、吹出口11から吹き出された気体Gの一部を隙間14に導く。導風部材16は、吹出口11から吹き出された気体Gの一部を遮蔽するように形成され、遮蔽された気体が隙間14に導かれる。隙間14は、導風部材16によって導かれた気体の流路を構成する。
【0027】
気体供給装置10は、ファンやコンプレッサ、ダクトやチューブ、ホース等の配管、バルブや絞り、レギュレータ等の調整部品、気体Gの温度を測る温度計測器、気体Gの温度を調整する温度調整器等を含む外部装置に接続されている。あるいは、気体供給装置10が、筐体12の内部にそれらを備えていてもよい。気体Gの温度は、例えば、温度計測器と温度調整器によって調整されうる。
【0028】
本実施形態では、気体Gが吹出口11から吹き出される際、導風部材16によって気体Gの一部が隙間14に流れる。これにより、気体供給装置10の内側に対しては、隙間14が、外側の熱影響を低減する断熱効果を有する空気層となる。また、気体供給装置10の外側に対しては、隙間14が、温度調整効果を有する空気層となる。例えば、気体供給装置10の外側に、つまり第1空間21に、熱源があったとする。その熱源から、熱が拡散し、気体供給装置10に到達したとする。カバー13がない場合には、筐体12に温度分布ができ、その温度分布によって筐体12内部の気体Gにも温度分布が発生する。一方、カバー13があり、筐体12との隙間14に気体Gの一部が流れていると、カバー13に到達した熱は、気体Gによって回収され、隙間14から出ていく。この結果、熱が筐体12に到達することを防止し、気体Gの温度分布発生を低減することができる。
【0029】
また、第1空間21の熱に対しても同じことが言える。カバー13を介して気体Gにより、第1空間21の熱が回収され、隙間14から排出される。これは、断熱材を筐体12に貼り付ける等の構成では、得られない効果である。
【0030】
このように、本実施形態では、隙間14、気体Gの流れ、カバー13の構造から熱を回収するため、隙間14が大きく、気体Gの流れも速いほうが好ましい。また、隙間14から気体Gによって回収した熱が出ていくため、隙間14の出口は、開口部15から遠ざかるよう配置することが好ましい。また、開口部15の形状は、任意に設定することができ、吹出口11より吹き出される気体Gの供給範囲を任意範囲に調整できる。さらに、気体Gの一部を利用する構成のため、別に気体を用意する必要がなく、別の気体供給装置を追加する必要がない。このため、本実施形態によれば、露光装置内の効果的な空調を、簡易的な構成で実現できる。
【0031】
図2を参照して、気体供給装置10のいくつかの構成例について説明する。
図2(a)~(c)のそれぞれにおいて、左図は気体供給装置10のX方向からみたときの断面図、右図は気体供給装置10のY方向からみた正面図である。
【0032】
図2(a)に示される構成は、
図1と同様の構成である。カバー13は、筐体12の全体を覆うように構成されている。この場合、カバー13は、例えば筐体12の外形形状に合わせて形成されうる。ただし、カバー13によって筐体12の全体が覆われていなくてもよい。有効な空調効果が得られる否かは、第1空間21内の温度分布によって決定されうる。第1空間21から熱の影響を低減したい箇所については、カバー13を配置した方がよい。好ましくは、その箇所から広がる範囲で、カバー13を大きくし、配置するとよい。そのため、筐体12の全体を覆う方が第1空間21の広範囲の温度分布に対応できるため、より好ましい。
【0033】
図2(a)では、隙間14は、筐体12の端面と導風部材16(第1部分)との間と、筐体12の外側面と第2部分162との間とに設けられている。なお、カバー13は、筐体12に対して、数カ所で、スペーサを介してボルトで締結されるなどにより固定される。
図2(a)の例では、隙間14による流路の出口は、Z方向の両端部とX方向の両端部に形成されている。この場合、吹出口11近傍または筐体12のZ方向の温度分布に対しては特に有効である。
【0034】
これに対し、
図2(b)は、カバー13が吹出口11の前面(気体出口の面)に対してのみ配置された例を示している。
図2(b)では、隙間14は、筐体12の端面と導風部材16(第1部分)との間には設けられているが、筐体12の外側面と第2部分162との間には設けられていない。したがって、
図2(b)の例では、隙間14による流路の出口は、Z方向の端部にはなく、X方向の両端部にのみ形成されている。
図2(b)の構成は、吹出口11の近傍の温度分布に有効である。このように、第1空間21の温度分布によって、カバー13の構成は、任意に設定してよい。
【0035】
また、開口部15の形状は、気体供給装置10から気体が吹き出される領域の形状に合わせて形成されるとよい。
図2(a)では、開口部15の形状は、四角形状としているが、三角形状、台形形状、凹凸形状であってもよく、また、直線と曲線が組み合わされた形状であってもよく、また、複数の開口がある形状であってもよい。開口部15が複雑な形状をとる場合には、開口部15から気体Gが一様な流速分布で吹き出されないこともありうる。その場合には、吹出口11の気体出口の部分にフィルタ、焼結体、パンチングメタル等を構成して気体出口の圧力損失を上げることにより、気体Gが一様な流速分布で吹き出されるようにしてもよい。
【0036】
導風部材16は、吹出口11に対して、気体Gの一部を遮蔽し、隙間14へ気体Gを導くことができるように構成される。例えば、
図2(a)、
図2(b)に示すように、吹出口11を正面からみた(Y方向からみた)ときの平面視において、開口部15は、吹出口11より小さく、かつ、吹出口11の領域に収まる位置にある。また、開口部15の形状が、吹出口11に対して一部のみ小さい構造であっても、気体Gの一部を遮蔽でき、隙間14に気体Gを導くことができればよい。また、
図2(c)に示すように、カバー13は、導風部材16から吹出口11の内部に延びて筐体12の端面および外側面とは異なる内側面(第3面)と対向する第3部分163を更に備えてもよい。このように導風部材16を延長して筐体12の内部に入り込ませることで、気体をより効果的に隙間14に導くことができる。
【0037】
図2(a)~
図2(c)では、吹出口11の周囲全体に導風部材16が構成されているが、導風部材16は吹出口11の一部にのみ構成されていてもよい。導風部材16によって、気体Gが隙間14の一部に導かれればよいが、好ましくは、隙間14の全体に気体Gを行き渡らせた方がよい。全体に行き渡らせた方がよい理由は、隙間14を気体Gにより断熱空気層と温調空気層にするためである。
【0038】
隙間14の全体に気体Gを行き渡らせるために、筐体12に対するカバー13の位置を調整して、隙間14の大きさを調整してもよい。
図3(a)、
図3(b)に示すように、気体供給装置10は、隙間14によって構成される流路を流れる気体の流量を調整する調整部17を更に備えていてもよい。調整部17は、隙間14の大きさの一部を大きくしたり小さくしたりできる調整機能を有し、例えば、隙間に対して、上下に移動可能なプレートやブロック等で構成されうる。調整部17は、例えば、
図3(a)に示すように、隙間14の出口部分に配置され、その位置で隙間14bの大きさを調整することにより、隙間14aを流れる気体Gの流量または流速を調整することができる。これにより、気体Gが隙間14全体に行き渡るように調整できる。また、調整部17は、例えば、
図3(b)に示すように、隙間14の経路の途中に配置され、その位置で隙間14bの大きさを調整することにより、隙間14aを流れる気体Gの流量または流速を調整してもよい。また、
図2(b)に示したような構成をとる場合には、隙間14のX方向端部に調整部17が配置されうる。
【0039】
隙間14の大きさと隙間14を流れる気体Gの流量または流速によって、断熱効果および温調効果が変化する。隙間14を気体Gにより断熱空気層と温調空気層とする構成上、隙間14の大きさは大きい方が好ましく、隙間14を流れる気体Gの流量または流速に関しても、大きい方が好ましい。ただし、吹出口11から第1空間21に気体Gを吹き出す量とのバランスをとることが重要である。このバランスをとるためにも、調整部17は有効である。例えば、隙間14を単純に大きくすると、気体Gが吹出口11から第1空間21に吹き出される量が減ってしまう。この場合、調整部17によって、隙間14bが小さくなるように調整される。こうすることで、隙間14を大きくしても、調整部17によって、吹出口11から第1空間21へ気体Gが吹き出される量を減らさないようにすることができる。また、筐体12が複雑な構造の場合、カバー13の形状で、隙間14の大きさを制御することが困難な場合もあり得る。この場合も、調整部17を備えることで、隙間14に気体Gを送り込む流量を調整することができる。
【0040】
隙間14の具体的な大きさついては、気体Gと第1空間21との温度差、気体Gが許容できる温度変化等によって決められる。その一例として、気体Gと第1空間21との温度差、気体Gの温度変化の許容差が例えば1/100℃~1/10℃であれば、隙間14の大きさは、例えば1/10mm~2mmにするとよい。気体Gと第1空間21との温度差が例えば1/10℃~1℃であれば、隙間14の大きさは、例えば2mm~20mmにするとよい。
【0041】
<第2実施形態>
図5は、第2実施形態における気体供給装置10の構成を示す図である。なお、以下の説明で特に言及されていない箇所については、第1実施形態と同様である。
【0042】
第2実施形態では、
図5(a)、
図5(b)に示すように、筐体12の近傍に排気機構18が配置されている。排気機構18は、第2空間22に繋がっており、第1空間21内の気体Gの少なくとも一部を、第1空間21とは隔てられた第2空間22に排出する。特に、排気機構18は、隙間14による流路を通った気体Gの少なくとも一部を第2空間22に排出する。これにより、隙間14を通った気体Gが第1空間21から回収した熱を第2空間22に排出し、第1空間21に戻さないようにすることができる。回収した熱が第1空間21に戻る場合には、その熱が再度、カバー13に到達し、熱の影響を筐体12内部に与える機会をつくり得る。このため、回収した熱を第1空間21に戻さないということは、熱の影響を筐体12内部に伝えないようにする効果がある。したがって、本実施形態の構成は、排気機構18がない場合に比べて筐体12内の気体Gへの温度分布を低減する効果を有する。
【0043】
排気機構18の配置は、前述した隙間14を通り熱を回収した気体Gを排出する観点から、筐体12の近傍でよいが、好ましくは、隙間14による流路の出口近傍がよい。また、排気機構18の個数は、
図5(a)に示すように1つであってもよいし、
図5(b)に示すように、複数であってもよい。隙間14を通り熱を回収した気体Gを排出する観点から、隙間14の複数の出口に対応して複数配置できる方がより好ましい。また、
図6に示すように、隙間14の出口において排気機構18が隙間14と直接接続された構成としてもよい。
【0044】
<第3実施形態>
上述の第1および第2実施形態では、気体供給装置10のカバー13が全て、第1空間21に含まれているものとして説明した。しかし、カバー13の一部が第1空間21に、一部が第2空間22に位置するよう気体供給装置10が配置されてもよい。
図4は、
図1の変形例である。
図4の例では、カバー13の前端部(すなわち隙間14による流路の入口)は第1空間21に連通している。一方、カバー13の後端部(すなわち隙間14による流路の出口)は、第1空間21と第2空間22とを隔てる壁31より第2空間22側に突出し、第2空間22に連通している。この場合、隙間14を通る気体Gによって回収される熱がそのまま第2空間22に排出されるため、第1空間21内の熱影響を低減するのにより有用である。
【0045】
図7は、露光装置における第1空間21aの全体を空調するために基板ステージ4付近に配置された気体供給装置10の例を示す図である。
図7に示すように、気体供給装置10は、第1空間21aを形成する壁、または第1空間21aと第2空間22との境界面に配置される。気体Gの一部は、筐体12cを通り、第1光路34aに向かって流れる。気体Gの一部は、筐体12cを通り、投影光学系2と基板ステージ4との間にも流れる。また、気体供給装置10は、第1空間21aを形成する壁または境界面の1つの側面と別の側面にそれぞれ配置されてもよい。例えば、
図8に示すように、互いに直交する壁にそれぞれ気体供給装置10が配置されてもよい。気体供給装置10から供給される気体Gは、排気機構18により第2空間22に排出される。また、第1空間21aの密閉度が高くない場合には、第1空間21aの隙間から第2空間22に気体Gが漏れ出してもよい。本実施形態によれば、気体供給装置10によって、気体の吹出口11から出る気体Gの温度分布を低減する(均一化する)ことができる。これにより、筐体12cを通る気体Gの温度分布が低減される。このため、第1光路34aでの温度分布が低減し、温度ゆらぎが低減される。
【0046】
図9(a)および
図9(b)を参照して、露光装置における気体供給装置10の配置例について説明する。
図9(a)の例では、気体供給装置10は、第1空間21aと第2空間22とを仕切る壁31の開口部に配置されている。
図9(a)の例では、カバー13により形成される隙間14による流路の入口は第1空間21aに位置する一方、カバー13により形成される隙間14による流路の出口は、第2空間22に位置している。
図9(b)の例では、気体供給装置10の全体が第2空間22に配置されている。この場合、気体Gの吹出口11(およびカバーの開口部)は、壁31に形成された開口部に近接して配置され、気体供給装置10は、この開口部を介して第1空間21aに気体を供給する。
図9(a)は、隙間14を通った気体Gが回収した熱をより効率的に排出できる構成である。一方、
図9(b)の構成によれば、気体供給装置10は、第2空間22の温度分布が低減された気体Gを第1空間21aに効果的に供給することができる。
【0047】
<第4実施形態>
図10に、第4実施形態における気体供給装置10の構成例が示される。
図10は、露光装置における第1空間21aの全体を空調するために基板ステージ4付近に配置された気体供給装置10の例を示す図である。気体供給装置10は、
図12および
図7にも示したように、吹出口11から第1計測器8aの計測光の光路である第1光路34aの上に延びて、吹出口11から吹き出された気体Gを第1光路34aへ導くように形成された筐体12c(第2筐体)を有する。
【0048】
気体供給装置10は、第1光路34aの近傍に配置されるため、第1光路34aの近傍の温度変化の影響を受けやすい。そこで第4実施形態では、
図10に示すように、第1光路34aと筐体12cとの間の高さ位置において筐体12cの外側の一部を囲むようにカバー13aが配置される。カバー13aは、筐体12cによって構成される吹出口に対して、
図1、
図2等で説明したカバー13と同様の構成を備えうる。これにより、カバー13aの内部(すなわち筐体12cの内部)の気体Gに温度分布が発生することを低減することができる。
【0049】
<第5実施形態>
上述の
図7や
図9等で示した気体供給装置の構成例は、露光装置における第1空間21aの全体を空調するために基板ステージ4付近に配置された気体供給装置10に関して説明した。ただし、これらの構成は、露光装置における第1空間21bの全体を空調するために原版ステージ3付近に配置された気体供給装置10についても同様に適用することができる。
【0050】
一例として、
図11には、露光装置における第1空間21bの全体を空調するために原版ステージ3付近に配置された気体供給装置10の構成例が示されている。原版ステージ3、第2計測器8bは、第1空間21b内に配置されている。第1空間21bには、気体供給装置10により空調機7からの気体Gが供給される。第1空間21bに対する気体Gの吹出口11が筐体12bにより構成され、第2計測器8bの第2光路34bに対する気体Gの吹出口が筐体12dにより構成されている。第1空間21b内の気体Gは、排気機構18によって第2空間22に排出され、気体Gの一部は、空調機7に戻される。第1空間21bには、原版ステージ3におけるアクチュエータ等を起因とする熱源がある。
【0051】
図11において、カバー13は、筐体12bの側面の少なくとも一部を取り囲んで筐体12bを覆うように配置されている。カバー13は、筐体12bとの間に隙間14を設けて筐体12bを覆うように配置されている。
【0052】
このように、原版ステージ3付近に配置された気体供給装置10についても、
図1に関して説明した構成と同様に構成することができ、原版ステージ3起因の熱に対して有効に対処することができる。
【0053】
また、第4実施形態に係る
図10の構成を、原版ステージ3付近に配置された気体供給装置10にも援用することが可能である。すなわち、第2光路34bと筐体14dとの間の高さ位置において筐体12dの外側の一部を囲むようにカバー13aが配置されてもよい。これにより、特に、第2光路34b近傍の温度変化によって、カバー13aの内部(すなわち筐体12dの内部)の気体Gに温度分布が発生することを低減することができる。
【0054】
<物品製造方法の実施形態>
本発明の実施形態における物品製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品製造方法は、上記のリソグラフィ装置(露光装置やインプリント装置、描画装置など)を用いて基板に原版のパターンを転写することによりパターン形成を行う工程と、かかる工程でパターンが転写された基板を加工する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
【0055】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0056】
10:気体供給装置、11:吹出口、12:筐体、13:カバー、14:隙間、15:開口部、16:導風部材