(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】踏み台用の架設足場板
(51)【国際特許分類】
E04G 7/34 20060101AFI20240610BHJP
E06C 1/39 20060101ALI20240610BHJP
E04G 5/10 20060101ALI20240610BHJP
E04G 1/15 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
E04G7/34 305Z
E06C1/39 A
E04G5/10 Z
E04G1/15
(21)【出願番号】P 2020189169
(22)【出願日】2020-11-13
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000101662
【氏名又は名称】アルインコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077791
【氏名又は名称】中野 収二
(72)【発明者】
【氏名】澤田 明里
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-036350(JP,A)
【文献】特開2017-186862(JP,A)
【文献】実開昭53-038828(JP,U)
【文献】特許第5400752(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G1/00-7/34
27/00
E06C1/00-9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
離間配置した2台の踏み台に架設することにより作業床を形成する架設足場板であり、床板(2a)を備えた足場板本体(2)と、前記足場板本体の両端から突設された翼板(3)と、前記足場板本体の床板(2a)の下側空間に設けられた係止ロッド(4)を含む係止機構(5)から成り、
前記翼板(3)を踏み台(6)の天板(7)に設置した状態で、前記係止ロッド(4)の先端部を床板(2a)の下側空間に位置する後退位置(P1)から前記翼板(3)の下側に突出する前進位置(P2)まで前進させることにより踏み台の被係止部(8)に係止させ、該係止により少なくとも翼板(3)の上向き移動を阻止する構成とされており、
前記係止ロッド(4)は、後退位置(P1)と前進位置(P2)の間で進退自在に支持されたロッド本体部(4a)と、該ロッド本体部と軸間距離(L)を隔てた状態で平行に配置された先端部の係止部(4b)を備え、ロッド本体部(4a)から前記係止部(4b)を側方に位置させる休止姿勢(Q1)と下方に位置させる作動姿勢(Q2)との間で軸廻りに回動自在に支持されており、
前記係止機構(5)は、係止ロッド(4)を後退位置(P1)に後退させたとき前記休止姿勢(O1)として保持し、係止ロッド(4)を前進位置(P2)に前進させたとき前記作動姿勢(Q2)として保持する制御手段(15)を設けて成ることを特徴とする踏み台用の架設足場板。
【請求項2】
前記架設足場板の翼板(3)を踏み台(6)の天板(7)に設置した状態で、該翼板と天板の相互に設けた凹凸部(9,10)を介して、翼板の横向き移動が阻止されるように構成して成ることを特徴とする請求項1に記載の踏み台用の架設足場板。
【請求項3】
前記係止ロッド(4)を作動姿勢(Q2)とした状態で、ロッド本体部(4a)の尾端部から上向きに延びる操作片(11)が設けられ、該操作片を床板(2a)の上方からユーザの指先で操作可能とする窓部(18)が開設されており、
前記制御手段(15)は、係止ロッド(4)を前進位置(P2)に前進させたとき、前記操作片(11)を受入れる受容部(23)と、前記操作片を両側から前進方向に規制する案内溝(22)を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の踏み台用の架設足場板。
【請求項4】
前記係止ロッド(4)を休止姿勢(Q1)とした状態で、ロッド本体部(4a)の尾端部から側方に延びる停止片(12)が設けられており、
前記制御手段(15)は、係止ロッド(4)を後退位置(P1)に後退させると共に休止姿勢(Q1)となるように回動したとき、前記停止片(12)に係合することにより係止ロッドの前進を阻止する係合部(19)を設けて成ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の踏み台用の架設足場板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離間配置した2台の踏み台に架設することにより作業床を形成する踏み台用の架設足場板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高所作業用の踏み台が公知であり、多種多様な踏み台が提供されている。これらの踏み台のうち、コンパクトで使い勝手が良く、設置時の安定性に優れている等の観点からは、合成樹脂により全体の輪郭形状を概ね直方体ないし立方体に形成したキュービック状の踏み台に対する人気が高い。
【0003】
このようなキュービック状の踏み台は、本出願人において、折畳み構造に特徴を備えた踏み台を提供しており(特許文献1)、好評を博している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
キュービック状の踏み台は、コンパクトで使い勝手は良いが、天板によりユーザの足元を支持できる面積が狭く、広い範囲にわたる高所作業を行うことができない。このため、本出願人が提案した踏み台(特許文献1)は、複数台の踏み台を順に連結することにより、天板の面積を拡大することができるように構成している。
【0006】
ところで、その一方において、キュービック状の踏み台の天板は、四方が開放されているので、2台の踏み台を離間して配置し、その間に足場板を架設するように構成することが容易であり、これにより、広い面積とされた作業床を形成することが可能になる。
【0007】
本発明は、上記に鑑み、離間配置した2台の踏み台に架設することにより作業床を形成する架設足場板を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明が手段として構成したところは、離間配置した2台の踏み台に架設することにより作業床を形成する架設足場板であり、床板を備えた足場板本体と、前記足場板本体の両端から突設された翼板と、前記足場板本体の床板の下側空間に設けられた係止ロッドを含む係止機構とから成り、前記翼板を踏み台の天板に設置した状態で、前記係止ロッドの先端部を床板の下側空間に位置する後退位置から前記翼板の下側に突出する前進位置まで前進させることにより踏み台の被係止部に係止させ、該係止により少なくとも翼板の上向き移動を阻止する構成とされており、前記係止ロッドは、後退位置と前進位置の間で進退自在に支持されたロッド本体部と、該ロッド本体部と軸間距離(L)を隔てた状態で平行に配置された先端部の係止部を備え、ロッド本体部から前記係止部を側方に位置させる休止姿勢と下方に位置させる作動姿勢との間で軸廻りに回動自在に支持されており、前記係止機構は、係止ロッドを後退位置に後退させたとき前記休止姿勢として保持し、係止ロッドを前進位置に前進させたとき前記作動姿勢として保持する制御手段を設けて成る点にある。
【0009】
本発明の好ましい実施形態は、前記架設足場板の翼板を踏み台の天板に設置した状態で、該翼板と天板の相互に設けた凹凸部を介して、翼板の横向き移動が阻止されるように構成している。
【0010】
前記係止ロッドは、スプリング等から成る付勢手段により前進方向に弾発付勢されていることが好ましい。
【0011】
好ましくは、前記係止ロッドを作動姿勢とした状態で、ロッド本体部の尾端部から上向きに延びる操作片が設けられ、該操作片を床板の上方からユーザの指先で操作可能とする窓部が開設されており、前記制御手段は、係止ロッドを前進位置に前進させたとき、前記操作片を受入れる受容部と、前記操作片を両側から前進方向に規制する案内溝を設けている。
【0012】
更に、好ましくは、前記係止ロッドを休止姿勢とした状態で、ロッド本体部の尾端部から側方に延びる停止片が設けられており、前記制御手段は、係止ロッドを後退位置に後退させると共に休止姿勢となるように回動したとき、前記停止片に係合することにより係止ロッドの前進を阻止する係合部を設けている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、足場板1は、離間配置した2台の踏み台6、6に架設することにより、作業面積の広い作業床を形成することができる。この際、足場板1は、2台の踏み台6、6を連結した脱落不能な作業床を構成するので、安全な作業のための作業床を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の1実施形態に係る足場板の上面を示す斜視図である。
【
図3】足場板を踏み台に架設した使用例を示す斜視図である。
【
図4】足場板と踏み台の相互における係止手段ないし固定手段を説明する斜視図である。
【
図5】係止ロッドと係止機構の実施態様を示しており、(A)は係止ロッドを休止姿勢として後退位置に後退させた状態を示す斜視図、(B)は係止ロッドを作動姿勢として前進位置に前進させた状態を示す斜視図である。
【
図6】係止機構を構成する制御ユニットを示しており、(A)は上面を示す斜視図、(B)は下面を示す斜視図である。
【
図7】制御ユニットに関して、(A)は操作片の受部を視認可能とするように破断して示す斜視図、(B)は停止片の係合部を視認可能とするように破断して示す斜視図である。
【
図8】係止ロッドを休止姿勢として後退位置に後退させた状態を示す足場板の平面図である。
【
図9】係止ロッドを休止姿勢として後退位置に後退させた状態に関して、(A)は足場板の断面図、(B)はA-A線断面図である。
【
図10】係止ロッドを作動姿勢として前進位置に前進させた状態を示す足場板の平面図である。
【
図11】係止ロッドを作動姿勢として前進位置に前進させた状態に関して、(A)は足場板の断面図、(B)はB-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0016】
(基本的構成)
図1ないし
図4に示すように、足場板1は、桁方向Xと妻方向Yに関して、桁方向Xに長くなるように形成され、床板2aを備えた足場板本体2と、前記足場板本体2の桁方向Xの両端から突設された翼板3、3と、前記床板2aの下側空間に設けられた係止ロッド4を含む係止機構5により構成されている。
【0017】
足場板本体2は、左右両側の桁フレーム2b、2bの間に中間フレーム2cを並設した状態で、下側を妻方向Yに延びる連結板2dより連結一体化し、上側に床板2aを敷設することにより形成されており、前記中間フレーム2c、2cの間に形成された下側空間に前記係止ロッド4を含む係止機構5を配設している。
【0018】
翼板3は、足場板本体2の上面からほぼ面一として突出された翼片部3aと、足場板本体2の桁方向Xの端面を被うことにより塞ぐ端板部3bと、桁方向Xの端部で前記フレーム2b、2cを下側から連結一体化する連結板部3cを一体形成している。
【0019】
図3及び
図4に示すように、足場板1は、離間配置した2台の踏み台6、6に架設することにより作業床を提供するように構成されている。図示実施形態の場合、本出願人が上述の特許文献1により提案したキュービック状の踏み台6を示しているが、必ずしも、これに限定されるものではない。
【0020】
踏み台6は、足場板1の翼板3の妻方向の寸法にほぼ合致させられる寸法の天板7を備えており、足場板1の翼片部3aを天板7の側縁部に設置した状態で、前記係止ロッド4の先端部を前進させたとき、該先端部の係止部4bを係止させる被係止部8を設けている。図示実施形態の場合、
図4に示すように、天板7の側面部の凹入部により被係止部8が形成され、該被係止部8に前記係止ロッド4の係止部4bを係止することにより、天板7に設置した翼板3の上向き移動が阻止されるように構成している。
【0021】
この際、翼片部3aを踏み台6の天板7の側縁部に設置した状態で、相互に係脱自在に係合する凸部9と凹部10を設け、係合により翼板3の横向き移動を阻止するように構成することが好ましい。図示実施形態の場合、天板7の四隅に位置して低くなる段差面10aと孔10bが設けられ、これに対して、翼片部3aの両端部に下面から突出する座材9aを介してピン9bが垂設されている。これにより、段差面10aに座材9aが嵌合され、孔10bにピン9bが挿入されることにより、翼板3の横向き移動が阻止されるが、具体的な構成に限定されるものではない。
【0022】
尚、翼板3の翼片部3aは、前記ピン9bの近傍に窓孔3dを開設し、天板7に設置する際、孔10bその他の天板7の部位を透視できるように構成することが好ましい。
【0023】
(係止ロッド及び係止機構)
図5に示すように、係止ロッド4は、ロッド本体部4aと、ロッド本体部4aから軸間距離(L)を隔てた状態で平行に配置されるように係止ロッド4の先端部を折曲することにより形成された係止部4bと、尾端近傍部に設けられた操作片11及び停止片12を備えている。
【0024】
前記係止機構5は、
図8ないし
図11に示すように、係止ロッド4の支持手段13と制御手段15により構成されている。支持手段13は、床板2aの下側空間に設けられ、係止ロッド4のロッド本体部4aを長手方向(桁方向X)に摺動自在かつ軸廻り方向に回動自在に軸支する複数の支持片13aにより構成されている。
【0025】
これにより、係止ロッド4は、係止部4bが床板2aの下側空間に位置して格納された後退位置P1と、係止部4bを上述のように翼片部3aの下側に突出させて踏み台6の被係止部8に係止させる前進位置P2との間で、進退自在に支持されている。
【0026】
複数の支持片13aの間には、ロッド本体部4aを前進方向に弾発付勢するスプリングから成る付勢手段14が設けられており、図示実施形態の場合、ロッド本体部4aに圧縮コイルスプリングが外挿されている。
【0027】
係止ロッド4は、ロッド本体部4aを軸廻り方向に回動自在として支持手段13に軸支されており、ロッド本体部4aから前記係止部4bを側方に位置させる休止姿勢Q1と、下方に位置させる作動姿勢Q2との間で回動することができる。
【0028】
そこで、前記制御手段15は、
図5(A)に示すように、係止ロッド4を後退位置P1に後退させたときは係止部4bを横側に位置させた休止姿勢Q1となるように制御して保持し、
図5(B)に示すように、係止ロッド4を前進位置P2に前進させたときは係止部4bを下側に位置させた作動姿勢Q2となるように制御して保持する。
【0029】
制御手段15は、
図6及び
図7に示すような一体成形されたユニットにより構成されており、床板2aを貫通して下側空間に装入されたハウジング16と、床板2aの上面にリベット等で固着されたフランジ17を備え、床板2aの上方からユーザの指先でハウジング16の内部を操作可能とする窓部18を開設している。
【0030】
(操作片と停止片)
前記操作片11は、係止ロッド4を作動姿勢Q2としたとき、ロッド本体部4aの尾端部から上向きに延びるように形成されている。従って、係止ロッド4を休止姿勢Q1としたとき、操作片11は横向きに配置されることになる。
【0031】
停止片12は、係止ロッド4を休止姿勢Q1としたとき、ロッド本体部4aの尾端近傍部から側方に延びるように形成されている。そして、係止ロッド4を作動姿勢Q2としたとき、停止片12は、下向きに配置されるように構成されている。
【0032】
(後退位置と休止姿勢)
図5(A)並びに
図8及び
図9に示すように、係止ロッド4を後退位置P1に後退させた状態で、休止姿勢Q1としたとき、制御手段15のハウジング16には、停止片12を係合させることにより係止ロッド4の前進を阻止する係合部19が設けられている。この際、停止片12の下面に臨む規制部20を係合部19に付設し、これにより、
図5(A)に矢印Mで示す方向の回動、つまり、係止ロッド4の作動動姿勢Q2に向かう方向の回動を阻止するように構成することが好ましい。
【0033】
休止姿勢Q1において係合部19に係合した停止片12に対して、操作片11は、反対向きの側方に配置された状態で、制御手段15に設けられた受部21に載置され、下向き回動(前記矢印Mの反対方向の回動)が阻止されている。
【0034】
このように係止ロッド4を後退位置P1に移動し休止姿勢Q1とさせた状態において、先端部の係止部4bは、足場板1における床板2aの下側空間に好適に格納されている。このため、保管や運搬に際し、複数枚の足場板1を好適に積層することが可能である。
【0035】
(前進位置と作動姿勢)
図5(A)の状態において、指先で操作片11を摘むことにより、係止ロッド4を付勢手段14に抗して図示矢印Rに向けて移動すると、停止片12が規制部20から外れ、係止ロッド4は、図示矢印Mに向けて回動可能な状態とされる。尚、この状態で、操作片11は、受部21に載置されているので、矢印Mの反対方向には回動不能である。
【0036】
そこで、操作片11を起立させることによりロッド本体部4aを矢印Mに向けて回動し、ユーザの指先から放つと、
図5(B)並びに
図10及び
図11に示すように、係止ロッド4は、作動姿勢Q2とされた状態で、付勢手段14により前進位置P2に向けて前進させられ、先端部の係止部4bを翼板3の端板部3bの下側を通過して突出する。
【0037】
操作片11は、制御手段15に設けられた案内溝22に進入して前進すると共に、案内溝22の端部の受容部23に受入れられ、その位置を前進位置P2として係止ロッド4が停止させられる。この際、操作片11は、案内溝22により両側から前進方向に規制されているので、係止ロッド4は、ロッド本体部4aの軸廻り方向の回動を阻止されている。
【0038】
図例の場合、スプリング受材としてロッド本体部4aに固定された固定具14aが支持片13aに当接することにより、係止ロッド4を前進位置P2で停止させるための停止手段が構成されている(
図10及び
図11参照)。しかしながら、図例のような構成の他、受容部23により操作片11を受止めさせ、これにより、係止ロッド4を前進位置P2で停止させるための停止手段を構成しても良い。
【0039】
そして、
図11に示すように、係止ロッド4を前進位置P2から後退方向に移動させ、後退位置P1に保持させる際は、係止部4bの先端が床板2aの下側空間に格納されるまでの距離(N)を移動することになる。そこで、この距離(N)に対して、操作片11が案内溝22から脱出する距離(n1)と、引き続き、停止片12が規制部20を通過する距離(n2)、つまり、ロッド本体部4aが回動可能な状態になるまでの移動距離(n1+n2)は、n1+n2>Nとなるように形成するのが良い。
【0040】
これにより、係止ロッド4が前進位置P2から後退位置P1に至るまで前記距離(N)を移動している間、係止部4bは、作動姿勢Q2を保持され、休止姿勢Q1に向けて回動することはない。従って、係止部4bが回動することにより、翼板3の端板部3bや連結板部3cに衝突して破損するようなおそれはない。尚、
図2に示すように、翼板3の連結板部3cには、係止部4bに臨む切欠き3eを設けても良い。
【0041】
(作用)
上記のように構成した足場板1によれば、離間配置した2台の踏み台6、6に架設することにより、作業面積の広い作業床を形成することが可能となる。
【0042】
図4に示すように、翼板3を踏み台6の天板7に設置し、凹凸部9、10を介して、翼板3の横向き移動を阻止した状態で、係止ロッド4の係止部4bを前進位置P2まで前進させ、踏み台6の被係止部8に係止させると、翼板3の上向き移動が阻止される。これにより、2台の踏み台6、6を連結した脱落不能な足場板1により、安全な作業のための作業床が提供される。
【0043】
係止ロッド4は、ロッド本体部4aから折曲により軸間距離(L)を隔てた状態で平行に配置した先端部により係止部4bを形成し、ロッド本体部4aに対して、係止部4bを側方に位置させた休止姿勢Q1と下方に位置させた作動姿勢Q2との間で軸廻りに回動自在とされている。
【0044】
このため、休止姿勢Q1として後退位置P1に後退させたとき、係止ロッド4を足場板1の床板2aの下側空間に好適に格納させることが可能となる。
【0045】
また、係止ロッド4は、作動姿勢Q2とした状態で前進位置P2に前進させることにより、翼片部3aから下方に十分な距離で離間した位置に係止部4bを突出させることができる。つまり、
図11に符号Sで示すように、踏み台6の天板7に係止する上側の支持部(翼片部3a)と、踏み台6の側部に位置して被係止部8に係止する下側の支持部(係止部4b)の間に、十分な離間距離Sを確保することができるので、安定強固な支持状態を形成することが可能となる。
【0046】
そして、係止ロッド4は、制御手段15により、後退位置P1においては休止姿勢Q1を保持し、前進位置P2においては作動姿勢Q2を保持するように制御される。更に、係止ロッド4は、後退位置P1と前進位置P2の間で、移動距離(N)を移動中は、作動姿勢Q2を保持するように規制されており、ロッド本体部4aの軸廻り方向の回動が阻止されることにより、係止部4bを破損等から保護することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 足場板
2 足場板本体
2a 床板
2b 桁フレーム
2c 中間フレーム
2d 連結板
3 翼板
3a 翼片部
3b 端板部
3c 連結板部
3d 窓孔
3e 切欠き
4 係止ロッド
4a ロッド本体部
4b 係止部
5 係止機構
6 踏み台
7 天板
8 被係止部
9 凸部
9a 座材
9b ピン
10 凹部
10a 段差面
10b 孔
11 操作片
12 停止片
13 支持手段
13a 支持片
14 付勢手段(スプリング)
14a 固定具
15 制御手段
16 ハウジング
17 フランジ
18 窓部
19 係合部
20 規制部
21 受部
22 案内溝
23 受容部
P1 後退位置
P2 前進位置
Q1 休止姿勢
Q2 作動姿勢