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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】狭い緑色発光を有する蛍光体
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20240610BHJP
   C09K 11/88 20060101ALI20240610BHJP
   C09K 11/64 20060101ALI20240610BHJP
   C09K 11/62 20060101ALI20240610BHJP
   C09K 11/63 20060101ALI20240610BHJP
   C09K 11/77 20060101ALI20240610BHJP
   C09K 11/78 20060101ALI20240610BHJP
   C09K 11/84 20060101ALI20240610BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20240610BHJP
【FI】
G02B5/20
C09K11/88
C09K11/64
C09K11/62
C09K11/63
C09K11/77
C09K11/78
C09K11/84
H01L33/50
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020564324
(86)(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 US2019032415
(87)【国際公開番号】W WO2019222347
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-05-09
(31)【優先権主張番号】62/673,044
(32)【優先日】2018-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/990,378
(32)【優先日】2018-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507114761
【氏名又は名称】カレント・ライティング・ソルーションズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ノーゼル,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ゴ,ヨン・ボク
(72)【発明者】
【氏名】バロウディ,クリステン
(72)【発明者】
【氏名】メルマン,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ユミン
【審査官】小久保 州洋
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-527151(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0319049(US,A1)
【文献】特開2011-236310(JP,A)
【文献】国際公開第2018/080936(WO,A1)
【文献】特表2004-529261(JP,A)
【文献】ZHANG, X., et al.,Luminescent Properties of SrGa2S4 :Eu2+ and Its Application in Green-LEDs,J. Rare Earths,25(6),NL,Elsevier,2008年01月09日,701-705,https://doi.org/10.1016/S1002-0721(08)60010-1
【文献】HIDAKA, C. and TAKIZAWA,T.,Optical properties of Sr1-xEuxGa2S4 mixed compounds,J. Phys. Chem. Solids,69(2-3),NL,Elsevier,2007年07月18日,358-361,https://doi.org/10.1016/j.jpcs.2007.07.016
【文献】HIDAKA, C., et al.,Preparation of Ca(1-x)EuxGa2S4 crystals and their photoluminescence, absorption and excitation spectra,J. Phys. Chem. Solids,66(11),NL,Elsevier,2005年11月03日,2058-2060,https://doi.org/10.1016/j.jpcs.2005.09.048
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
C09K 11/88
C09K 11/64
C09K 11/62
C09K 11/63
C09K 11/77
C09K 11/78
C09K 11/84
H01L 33/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオードから放出された一次光の少なくとも一部を吸収し、それに応答して、前記一次光の波長よりも長い波長を有する二次光を放出することができるRE1-w蛍光体材料を作製する方法であって、
式中、
REが、希土類元素、または希土類元素の混合物であり、
Aが、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択され、
Mが、アルミニウム、ガリウム、ホウ素、インジウム、スカンジウム、ルテチウム、イットリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択され、
Eが、硫黄、セレンおよびそれらの混合物からなる群から選択され、
0.01≦w≦0.915であり、
2≦x≦4であり、
4≦y≦7であり、
前記方法は、
RE、A、M及び、Eを含む混合粉末を焼成し、ケーキを得るステップと、
前記焼成されたケーキを粉砕して、第1の粉末を得るステップと、
前記第1の粉末に第2の焼成を適用し、第2のケーキを得るステップと、
前記焼成された第2のケーキにEを加え、前記焼成された第2のケーキを再度粉砕して、第2の粉末を得るステップと、
3の焼成を適用し、第3のケーキを得るステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
REがユーロピウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
0.30≦w≦0.66である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
EuF、AlClまたはIを含む反応促進剤を使用するステップを含み、
前記RE1-w蛍光体材料が、EuM擬斜方晶結晶構造のみを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記RE1-w蛍光体材料が、主にEuM擬斜方晶結晶構造と1つ以上の二元カルコゲニド結晶構造との混合物を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記発光ダイオードが、レーザダイオードである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記一次光が、380ナノメートル~500ナノメートルの波長を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記一次光が青色光である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記二次光が、475ナノメートル~560ナノメートルの波長を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
REがユーロピウムであり、
0.30≦w≦0.66である、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
RE1-w蛍光体材料が、EuM擬斜方晶結晶構造のみを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記一次光が青色光である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記発光ダイオードと、
請求項1乃至12のいずれかに記載の方法により作製された蛍光体材料と、
前記一次光の少なくとも一部を吸収し、それに応答して赤色光を放出することができる第2の蛍光体材料とを含む発光装置を製造するステップを含み、吸収されていない一次光、前記二次光および前記赤色光の、前記発光装置からの複合発光が、正常な色覚を有する人間の観察者には白色に見える、発光装置を製造する方法。
【請求項14】
REがユーロピウムであり、
0.30≦w≦0.66である、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
RE1-w蛍光体材料が、EuM擬斜方晶結晶構造のみを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記一次光が青色光である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記二次光が、475ナノメートル~560ナノメートルの波長を有する、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、狭い緑色発光を有する蛍光体に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーロピウムによって活性化されたアルカリ土類チオガレート蛍光体およびアルカリ土類チオアルミネート蛍光体は、エレクトロルミネセンスシステムおよび蛍光体変換LEDシステムの両方について当技術分野で知られている。これらの材料は、青色、紫色、または一般的なInGaN発光ダイオードなどの近紫外線発光光源からの発光を容易に吸収することができる。これらの典型的な緑色蛍光体材料は、独立して使用して緑色光を生成することができるか、他の蛍光体材料と組み合わせて白色または他の色の光を生成することができる。同様に、これらの緑色蛍光体材料は、例えば、携帯電話、タブレット、ラップトップ、モニターまたはテレビなどのディスプレイ用のバックライトユニットを作成するために、青色または他のLEDおよび赤色蛍光体と組み合わせられ得る。
【0003】
一般的な照明では、演色評価数(R)、または光の尺度の他の品質、例えば、CQSまたはTM-30-15を改善するために、広い発光スペクトルを有することが望ましいことが多い。ただし、照明では、特定の特徴を強調するために、特定の波長領域に追加の光を提供することが望ましい場合がある。例えば、食料品店の牛肉用の陳列ケースは、スペクトルの赤色領域に追加の光を含む場合があり、同様に、ホウレンソウまたはピーマンは、照明が特定の緑色波長の追加の光を提供すると、さらに魅力的に見える場合がある。
【0004】
ディスプレイのバックライトでは、狭い発光波長を有することがさらに望ましく、その結果、色は、(a)さらに飽和して見え、色域の緑色頂点を広げ、(b)その強度の大部分がフィルタの最も高い透過率とよく一致しているため、典型的なLCDフィルタシステムの緑のフィルタを通過する際に比較的少ない損失を維持する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の蛍光体は、比較的狭い緑色発光スペクトルを有する蛍光体組成物を提供することによって、照明用途の発光スペクトルの特定の緑色領域を優先的に飽和させ、ディスプレイバックライトユニットの緑色ガマットポイント(green gamut point)を改善するのを助けるという課題に対処する。
【0006】
本発明の一態様では、緑色発光蛍光体は、実験的組成RE1-wを有し、式中、REは、1つ以上の希土類元素(例えば、EuまたはGd)であり得、Aは、Mg、Ca、SrまたはBaの群から選択される1つ以上の元素であり得、Mは、Al、Ga、B、In、Sc、LuまたはYの群から選択される1つ以上の元素であり得、Eは、S、Se、OまたはTeの群から選択される1つ以上の元素であり得、wは、ゼロ以上、または0.01以上、または0.05以上であり、wは、約0.8以下であり、2≦x≦4であり、4≦y≦7である。いくつかの変形例では、wは、約0.30以上および約0.66以下である。
【0007】
本発明の別の態様では、蛍光体変換LEDは、そのような緑色発光蛍光体を含む。
【0008】
本発明のこれらおよび他の実施形態、特徴および利点は、最初に簡単に説明される添付の図面と併せて本発明の以下のさらに詳細な説明を参照すると、当業者にはさらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】蛍光体例1、2、3、5および8ならびに内部標準物質の発光スペクトルを示す。
図2】蛍光体例1、2、3、5および8の励起スペクトルを示す。
図3】例22~28および内部標準物質の発光スペクトルを示す。
図4】例29~37の発光スペクトルを示す。
図5】例29~36の励起スペクトルを示す。
図6A】例29~32のX線粉末回折プロファイルを示す。
図6B】例33~36のX線粉末回折プロファイルを示す。
図7】第2および第3の焼成後の例47のX線粉末回折プロファイルを示す。
図8】第2および第3の焼成後の例51のX線粉末回折プロファイルを示す。
図9】第2の焼成後の例47~51の発光スペクトルを示す。
図10】第2の焼成後の例47~51の励起スペクトルを示す。
図11】第3の焼成後の例47~51の発光スペクトルを示す。
図12】第3の焼成後の例47~51の励起スペクトルを示す。
図13】例52および53の発光スペクトルを示す。
図14】例54~57の発光スペクトルを示す。
図15】例59の発光スペクトルを示す。
図16】例54~57の励起スペクトルを示す。
図17】例54~57のX線粉末回折プロファイルを示す。
図18】例示的な蛍光体変換LED1の発光スペクトルを示す。
図19】例示的な蛍光体変換LED2の発光スペクトルを示す。
図20】例示的な蛍光体変換LED3の発光スペクトルを示す。
図21】例示的な蛍光体変換LED4の発光スペクトルを示す。
図22】例示的な蛍光体変換LED5の発光スペクトルを示す。
図23】例示的な蛍光体変換LED6の発光スペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明は、選択的な実施形態を描写し、かつ本発明の範囲を限定することを意図しない図面を参照して読まれるべきである。詳細な説明は、限定ではなく例として、本発明の原理を示している。この説明は、当業者が本発明を作成および使用することを明らかに可能にし、本発明を実施する最良の様式であると現在考えられているものを含む、本発明のいくつかの実施形態、適合、変形例、代替案および使用を説明する。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示対象を含む。
【0011】
本発明の蛍光体は、例えば、紫外線、紫色光、青色光、または短波長の緑色光による励起に応答して、比較的狭い範囲の発光波長にわたって緑色光を放出する。それらの狭い発光は、市販の緑色蛍光体よりも飽和して見え、色域の緑色頂点を広げ得る。
【0012】
本発明の蛍光体は、実験的組成RE1-wを有し、式中、REは、1つ以上の希土類元素(例えば、EuまたはGd)であり得、Aは、Mg、Ca、SrまたはBaの群から選択される1つ以上の元素であり得、Mは、Al、Ga、B、In、Sc、LuまたはYの群から選択される1つ以上の元素であり得、Eは、S、Se、OまたはTeの群から選択される1つ以上の元素であり得、wは、ゼロ以上、または0.01以上、または0.05以上、および約0.8以下であり、2≦x≦4であり、4≦y≦7である。また、いくつかの軽微な組成置換が、限定するものではないが、EuF、AlClまたはIを含む反応促進剤の使用から起こり得る。蛍光体は、EuGaと同じ基本的な擬斜方晶結晶構造を有し得る。蛍光体は、その擬斜方晶結晶相と、例えば、M(例えば、Ga)結晶相またはME(例えば、GaS)結晶相などの1つ以上の二元カルコゲニド結晶相との混合物を含み得る。
【0013】
本発明の蛍光体は、先行技術のチオガレート蛍光体によって提供されるよりも狭い発光スペクトルを提供することによって、公知のアルカリ土類チオガレート蛍光体を上回る改善を示し得る。本発明の蛍光体は、例えば、ThiらのMaterials Science&Engineering B14(1992),No 4,pp.393-397、Donohueの米国特許第3,801,702号明細書(1974年4月2日発行)ならびにDonohueおよびHanlonのJournal of the Electrochemical Society:Solid-State Science and Technology(1974),Vol.121,No.1,pp.137-142によって開示されたEuAl、EuAlSeおよびEuGaなどのEuM組成物を上回る輝度の改善を示し得る。本発明の蛍光体は、ユーロピウムのパーセンテージが最大値としてvan Haeckeによって示される範囲をはるかに超える場合であっても、発光効率の顕著な低下を全く示さないように見え、通常ドーピングと考えられる範囲を超えた濃度で希土類元素(例えば、ユーロピウム)を含み得る。
【0014】
本発明の蛍光体は、従来技術のチオガレートおよび関連する蛍光体よりも吸湿性が低く、したがって空気中でさらに安定であり得る。
【0015】
本発明の蛍光体は、組成物のA、MおよびE成分を変化させることにより、用途要件に基づいて波長範囲にわたって調整され得る。
【0016】
例えば、I、AlF、AlCl、AlBr、GaCl、GaBr、BaF、LiCl、CsCl、EuF、EuCl、EuIおよびNaSなどのいくつかの溶剤/反応促進剤が調査されてきた。標的となる最終生成物中のもの以外のカチオンを有する促進剤の使用は、場合によっては、本発明の所望の特性を満たさない可能性がある代替相の形成をもたらす可能性がある。
【0017】
本発明の蛍光体は、材料の信頼性または取り扱いを改善するために被覆され得る。
【0018】
本発明の蛍光体は、任意の従来の方法で励起源と光学的に結合し得る。さらに一般的な方法の1つには、本明細書に開示される緑色蛍光体などの蛍光体と、赤色蛍光体および場合により青色蛍光体および/または黄色蛍光体とを組み合わせることがある。蛍光体は、一緒に組み合わされてから、シリコーン、エポキシまたは他の何らかのポリマーなどの封止剤に加えられてもよいか、蛍光体は、封止剤に加えられている最中に組み合わされてもよい。次いで、励起源の光路に、蛍光体が添加された封止剤が配置されてもよい。一般的な方法の1つには、LEDダイを含有するLED(発光ダイオード)パッケージに、単数または複数の蛍光体のスラリーを堆積することがある。次いで、スラリーは硬化し、封止されたLEDパッケージを形成する。他の方法は、封止剤をある形状に形成すること、またはすでに特定の形状にあり得るか、その後特定の形状に形成され得る基板上に封止剤を被覆することを含む。さらに、蛍光体含有封止剤は、ライトガイドの結合内領域上もしくはその付近(例えば、その上に被覆される)に、またはディスプレイに使用するのを意図したライトガイドなどのライトガイドの結合外領域上に配置されてもよい。あるいは、蛍光体組成物は、LEDダイまたは別の基板上に薄膜として堆積され、その後、光源に光学的に結合され得る。本発明の励起源と蛍光体との組合せは、一般的な照明、特定分野の照明用途、ディスプレイバックライトまたは他の照明用途に使用されてもよい。
【0019】
出願人は、上記の実験的組成RE1-wを有するいくつかの例示的な蛍光体試料を調製し、特性評価した。これらの例の調製および特性評価を以下に記載し、以下の表に要約する。いくつかの試料については、実験的組成に加えて、粉末X線回折によって観察された1つ以上の結晶相を報告している。発光スペクトルは、キセノンランプを備えたFluorolog-3分光蛍光計、または外部の青色もしくは紫色LED励起源とともに使用されるOcean Optics分光計を使用して測定した。励起スペクトルは、キセノンランプを備えたFluorolog-3分光蛍光計を使用して測定した。粉末X線回折スペクトルは、Rigaku MiniFlex600を使用して測定した。
【0020】
例示的なEu1-wCa蛍光体
例1。Eu0.80Ca0.20Al3.45Ga0.637.11(Eu0.80Ca0.20Al1.69Ga0.31と(Al,Ga)との混合物であり得る):スピードミキサーを使用して、45秒間2000rpmで、EU(1.084g、3.08mol)とAl粉末(0.415g、15.41mol)とを3回混合した。アルミナボート内でHS雰囲気下、900℃で、混合粉末を1時間焼成した。焼成した前駆体ケーキをグローブボックス内で手で粉砕して粉末にした。乳棒を用いて乳鉢内で、300mgのEuAl2.54.75前駆体、40mgのAl粉末、15mgのCaSおよび75mgのGaを手で粉砕した。アルミナカップ内で、950℃、HS雰囲気下で、混合粉末を1時間焼成した。
【0021】
例2。Eu0.66Ca0.34Al2.86Ga0.566.13(Eu0.66Ca0.34Al1.67Ga0.33と(Al,Ga)との混合物であり得る):スピードミキサーを使用して、45秒間2000rpmで、EU(1.084g、3.08mol)とAl粉末(0.415g、15.41mol)とを3回混合した。アルミナボート内でHS雰囲気下、900℃で、混合粉末を1時間焼成した。焼成した前駆体ケーキをグローブボックス内で手で粉砕して粉末にした。乳棒を用いて乳鉢内で、300mgのEuAl2.54.75前駆体、40mgのAl粉末、30mgのCaSおよび80mgのGaを手で粉砕した。アルミナカップ内で、950℃、HS雰囲気下で、混合粉末を1時間焼成した。
【0022】
例3。Eu0.59Ca0.41Al2.71Ga0.726.13(Eu0.59Ca0.41Al1.58Ga0.42と(Al,Ga)との混合物であり得る):スピードミキサーを使用して、45秒間2000rpmで、Eu(1.084g、3.08mol)とAl粉末(0.415g、15.41mol)とを3回混合した。アルミナボート内でHS雰囲気下、900℃で、混合粉末を1時間焼成した。焼成した前駆体ケーキをグローブボックス内で手で粉砕して粉末にした。乳棒を用いて乳鉢内で、300mgのEuAl2.54.75前駆体、45mgのAl粉末、40mgのCaSおよび115mgのGaを手で粉砕した。アルミナカップ内で、950℃、HS雰囲気下で、混合粉末を1時間焼成した。
【0023】
例4。Eu0.58Ca0.42Al2.57Ga0.585.73(Eu0.58Ca0.42Al1.63Ga0.37と(Al,Ga)との混合物であり得る):スピードミキサーを使用して、45秒間2000rpmで、Eu(1.084g、3.08mol)とAl粉末(0.415g、15.41mol)とを3回混合した。アルミナボート内でHS雰囲気下、900℃で、混合粉末を1時間焼成した。焼成した前駆体ケーキをグローブボックス内で手で粉砕して粉末にした。乳棒を用いて乳鉢内で、300mgのEuAl2.54.75前駆体、42mgのAl粉末、42mgのCaSおよび95mgのGaを手で粉砕した。アルミナカップ内で、960℃、HS雰囲気下で、混合粉末を1時間焼成した。
【0024】
例5。Eu0.66Ca0.34Al2.86Ga0.626.23(Eu0.66Ca0.34Al1.64Ga0.36と(Al,Ga)との混合物であり得る):スピードミキサーを使用して、45秒間2000rpmで、Eu(1.084g、3.08mol)と粉末(0.415g、15.41mol)とを3回混合した。アルミナボート内でHS雰囲気下、900℃で、混合粉末を1時間焼成した。焼成した前駆体ケーキをグローブボックス内で手で粉砕して粉末にした。乳棒を用いて乳鉢内で、300mgのEuAl2.54.75前駆体、40mgのAl粉末、30mgのCaSおよび90mgのGaを手で粉砕した。アルミナカップ内で、950℃、HS雰囲気下で、混合粉末を1時間焼成した。
【0025】
例6。Eu0.66Ca0.34Al2.26Ga0.495.11(Eu0.66Ca0.34Al1.64Ga0.36と(Al,Ga)との混合物であり得る):スピードミキサーを使用して、45秒間2000rpmで、Eu(1.084g、3.08mol)とAl粉末(0.415g、15.41mol)とを3回混合した。アルミナボート内でHS雰囲気下、900℃で、混合粉末を1時間焼成した。焼成した前駆体ケーキをグローブボックス内で手で粉砕して粉末にした。乳棒を用いて乳鉢内で、3gのEuAl2.54.75前駆体、0.2gのAl粉末、0.3gのCaSおよび0.7gのGaを手で粉砕した。アルミナカップ内で、960℃、HS雰囲気下で、混合粉末を2時間焼成した。
【0026】
例7。Eu0.55Ca0.45Al2.31Ga0.545.29(Eu0.55Ca0.45Al1.62Ga0.38と(Al,Ga)との混合物であり得る):スピードミキサーを使用して、45秒間2000rpmで、Eu(1.084g、3.08mol)とAl粉末(0.415g、15.41mol)とを3回混合した。アルミナボート内でHS雰囲気下、900℃で、混合粉末を1時間焼成した。焼成した前駆体ケーキをグローブボックス内で手で粉砕して粉末にした。乳棒を用いて乳鉢内で、200mgのEuAl2.54.75前駆体、25mgのAl粉末、32mgのCaSおよび63mgのGaを手で粉砕した。アルミナカップ内で、970℃、HS雰囲気下で、混合粉末を1時間焼成した。
【0027】
例8。Eu0.49Ca0.51Al2.08Ga0.514.88(Eu0.49Ca0.51Al1.61Ga0.39と(Al,Ga)との混合物であり得る):スピードミキサーを使用して、45秒間2000rpmで、Eu(1.084g、3.08mol)とAl粉末(0.415g、15.41mol)とを3回混合した。アルミナボート内でHS雰囲気下、900℃で、混合粉末を1時間焼成した。焼成した前駆体ケーキをグローブボックス内で手で粉砕して粉末にした。乳棒を用いて乳鉢内で、300mgのEuAl2.54.75前駆体、37.5mgのAl粉末、60mgのCaSおよび97.5mgのGaを手で粉砕した。アルミナカップ内で、950℃、HS雰囲気下で、混合粉末を1時間焼成した。
【0028】
図1は、450nmでの励起による例1、2、3、5および8ならびに内部標準物質の発光スペクトルを示す。図2は、例1、2、3、5および8の励起スペクトルを示しており、発光は最大発光でモニタリングされる。
【0029】
例9。Eu0.5Ca0.5Al2.25Ga0.755.5(Eu0.5Ca0.5Al1.5Ga0.5と(Al,Ga)との混合物であり得る):所望の化学量で、予め作製したEuAlと、CaS、AlおよびGaとを組み合わせた。HSを流しながら混合物を加熱した。
【0030】
例10。Eu0.5Ca0.5Al2.25Ga0.755.5(Eu0.5Ca0.5Al1.5Ga0.5と(Al,Ga)との混合物であり得る):所望の化学量で、EuSと、CaS、AlおよびGaとを組み合わせた。HSを流しながら混合物を加熱した。
【0031】
例11。Eu0.085Ca0.915Al2.55Ga0.455.5(Eu0.085Ca0.915Al1.7Ga0.3と(Al,Ga)との混合物であり得る):所望の化学量で、EuSと、CaS、AlおよびGaとを組み合わせた。HSを流しながら混合物を加熱した。
【0032】
例12。Eu0.5Ca0.5Al2.25Ga0.755.5(Eu0.5Ca0.5Al1.5Ga0.5と(Al,Ga)との混合物であり得る):所望の化学量で、予め作製したEuAlと、CaS、AlおよびGaとを組み合わせ、さらに10% CsClを溶剤として加えた。HSを流しながら混合物を加熱した。
【0033】
例13。Eu0.7Ca0.3Al2.75.05(Eu0.5Ca0.5AlとAlとの混合物であり得る):アルゴンを充填したグローブボックス内で乳鉢および乳棒を用いて、0.542gのEu、0.110gのCaS、1.033gのAl、0.114gのSおよび0.090gのAlClを一緒に粉砕した。4つの密封された溶融シリカチューブに、反応物の混合物を均等に分割した。以下の加熱プロファイルにより、ボックス炉内でチューブを一緒に加熱した:室温から400℃まで120分間にわたって徐々に温度を上昇させ、400℃で60分間にわたって留め、400℃から900℃まで150分間にわたって徐々に温度を上昇させ、900℃で360分間にわたって留め、次いで室温まで1080分間にわたって徐々に温度を上昇させた。
【0034】
例14。Eu0.7Ca0.3Al2.4Ga0.35.05(Eu0.7Ca0.3Al1.78Ga0.22と(Al,Ga)との混合物であり得る):アルゴンを充填したグローブボックス内で乳鉢および乳棒を用いて、0.523gのEu、0.106gのCaS、0.886gのAl、0.174gのGa、0.110gのSおよび0.090gのAlClを一緒に粉砕した。4つの密封された溶融シリカチューブに、反応物の混合物を均等に分割した。以下の加熱プロファイルにより、ボックス炉内でチューブを一緒に加熱した:室温から400℃まで120分間にわたって徐々に温度を上昇させ、400℃で60分間にわたって留め、400℃から900℃まで150分間にわたって徐々に温度を上昇させ、900℃で360分間にわたって留め、次いで室温まで1080分間にわたって徐々に温度を上昇させた。
【0035】
例15。Eu0.95Ca0.05Al:Arを充填したグローブボックス内で、Alが35%超でありSが10mg超である適切な比率で、CaS、Eu、AlおよびSを組み合わせて、約400mgの反応物を形成し、真空下で溶融シリカチューブに密封した。試料を800℃で2回焼成し、Arを充填したグローブボックス内で10mg超のSとともに中間粉砕した。
【0036】
例16。Eu0.79Ca0.21Al:35%超のAlおよび10mg超のSとともに、21mol%のCaを用いて、CaS、Eu、AlおよびSから400mgのユーロピウムカルシウムチオアルミネート(europium calcium thioaluminate)を調製した。Arを充填したグローブボックス内で乳鉢および乳棒を用いて前駆体を混合してから、真空下で溶融シリカチューブに密封した。反応は800℃で12時間行い、中間工程は400℃であった。
【0037】
例17。Eu0.01Ca0.99Al5.5(Eu0.01Ca0.99AlとAlとの混合物であり得る):CaS、EUF、Al、SおよびEUから、1mol%のユーロピウムを含む400mgバッチのユーロピウムカルシウムチオアルミネートを調製した。HSを流しながら1000℃で90分間、200mgの前駆体混合物とホウ素酸素ゲッターとを反応させた。
【0038】
例18。Eu0.02Ca0.98Al5.5(Eu0.02Ca0.98AlとAlとの混合物であり得る):CaS、EUF、Al、SおよびEUから、2mol%のユーロピウムを含む400mgバッチのユーロピウムカルシウムチオアルミネートを調製した。HSを流しながら1000℃で90分間、200mgの前駆体混合物とホウ素酸素ゲッターとを反応させた。
【0039】
例19。Eu0.02Ca0.95Al5.5(Eu0.05Ca0.95AlとAlとの混合物であり得る):CaS、EUF、Al、SおよびEUから、5mol%のユーロピウムを含む400mgバッチのユーロピウムカルシウムチオアルミネートを調製した。HSを流しながら1000℃で90分間、200mgの前駆体混合物とホウ素酸素ゲッターとを反応させた。
【0040】
例20。Eu0.085Ca0.915Al5.5(Eu0.085Ca0.915AlとAlとの混合物であり得る):CaS、EuF、Al、SおよびEuから、8.5mol%のユーロピウムを含む400mgバッチのユーロピウムカルシウムチオアルミネートを調製した。HSを流しながら1000℃で90分間、200mgの前駆体混合物とホウ素酸素ゲッターとを反応させた。
【0041】
例21。Eu0.12Ca0.88Al5.5(Eu0.12Ca0.88AlとAlとの混合物であり得る):CaS、EuF、Al、SおよびEUから、12mol%のユーロピウムを含む400mgバッチのユーロピウムカルシウムチオアルミネートを調製した。HSを流しながら1000℃で90分間、200mgの前駆体混合物とホウ素酸素ゲッターとを反応させた。
【0042】
例22。Eu0.01Ca0.99Al5.5(Eu0.01Ca0.99AlとAlとの混合物であり得る):CaS、EuF、AlおよびSから、1mol%のEuを含む400mgバッチのユーロピウムカルシウムチオアルミネートを調製した。1重量%のLiClを反応混合物に加えた。HSを流しながら1000℃で90分間、200mgの前駆体混合物とホウ素酸素ゲッターとを反応させた。
【0043】
例23。Eu0.02Ca0.98Al5.5(Eu0.02Ca0.98AlとAlとの混合物であり得る):CaS、EuF、AlおよびSから、2mol%のEuを含む400mgバッチのユーロピウムカルシウムチオアルミネートを調製した。1重量%のLiClを反応混合物に加えた。HSを流しながら1000℃で90分間、200mgの前駆体混合物とホウ素酸素ゲッターとを反応させた。
【0044】
例24。Eu0.05Ca0.95Al5.5(Eu0.05Ca0.95AlとAlとの混合物であり得る):CaS、EuF、AlおよびSから、5mol%のEuを含む400mgバッチのユーロピウムカルシウムチオアルミネートを調製した。1重量%のLiClを反応混合物に加えた。HSを流しながら1000℃で90分間、200mgの前駆体混合物とホウ素酸素ゲッターとを反応させた。
【0045】
例25。Eu0.085Ca0.915Al5.5(Eu0.085Ca0.915AlとAlとの混合物であり得る):CaS、EuF、AlおよびSから、8.5mol%のEuを含む400mgバッチのユーロピウムカルシウムチオアルミネートを調製した。1重量%のLiClを反応混合物に加えた。HSを流しながら1000℃で90分間、200mgの前駆体混合物とホウ素酸素ゲッターとを反応させた。
【0046】
例26。Eu0.12Ca0.88Al5.5(Eu0.12Ca0.88AlとAlとの混合物であり得る):CaS、EuF、AlおよびSから、12mol%のEuを含む400mgバッチのユーロピウムカルシウムチオアルミネートを調製した。1重量%のLiClを反応混合物に加えた。HSを流しながら1000℃で90分間、200mgの前駆体混合物とホウ素酸素ゲッターとを反応させた。
【0047】
例27。Eu0.15Ca0.85Al5.5(Eu0.12Ca0.85AlとAlとの混合物であり得る):CaS、EuF、AlおよびSから、15mol%のEuを含む400mgバッチのユーロピウムカルシウムチオアルミネートを調製した。1重量%のLiClを反応混合物に加えた。HSを流しながら1000℃で90分間、200mgの前駆体混合物とホウ素酸素ゲッターとを反応させた。
【0048】
例28。Eu0.20Ca0.80Al5.5(Eu0.20Ca0.80AlとAlとの混合物であり得る):CaS、EuF、AlおよびSから、20mol%のEuを含む400mgバッチのユーロピウムカルシウムチオアルミネートを調製した。1重量%のLiClを反応混合物に加えた。HSを流しながら1000℃で90分間、200mgの前駆体混合物とホウ素酸素ゲッターとを反応させた。
【0049】
図3は、450nmでの励起による例22~28および内部標準物質の発光スペクトルを示す。
【0050】
例29。Eu0.085Ca0.915Ga:Arを充填したグローブボックス内で、Alが35%超でありSが10mg超である適切な比率で、CaS、Eu、GaおよびSを組み合わせて、約400mgの反応物を形成し、真空下で溶融シリカチューブに密封した。室温に冷却する前に、以下の加熱プロファイル(290℃(17時間)、770℃(24時間)、870℃(24時間))を使用してチューブを加熱した。試料を、Arを充填したグローブボックス内で10mg超のSとともに中間粉砕し、真空下で溶融シリカチューブに密封し、室温に冷却する前に第2の加熱プロファイル(400℃(6時間)、1000℃(3時間))を使用して加熱した。PXRDは、所望の相の大部分を示す。
【0051】
例30。Eu0.085Ca0.915Al0.5Ga1.5:Arを充填したグローブボックス内で、AlおよびGaが35%超でありSが10mg超である適切な比率で、CaS、Eu、Al、GaおよびSを組み合わせて、約400mgの反応物を形成し、真空下で溶融シリカチューブに密封した。室温に冷却する前に、以下の加熱プロファイル(290℃(17時間)、770℃(24時間)、870℃(24時間))を使用してチューブを加熱した。試料を、Arを充填したグローブボックス内で10mg超のSとともに中間粉砕し、真空下で溶融シリカチューブに密封し、室温に冷却する前に第2の加熱プロファイル(400℃(6時間)、1000℃(3時間))を使用して加熱した。PXRDは、所望の相の大部分を示す。
【0052】
例31。Eu0.085Ca0.915Al0.6Ga1.4:Arを充填したグローブボックス内で、AlおよびGaが35%超でありSが10mg超である適切な比率で、CaS、Eu、Al、GaおよびSを組み合わせて、約400mgの反応物を形成し、真空下で溶融シリカチューブに密封した。室温に冷却する前に、以下の加熱プロファイル(290℃(17時間)、770℃(24時間)、870℃(24時間))を使用してチューブを加熱した。試料を、Arを充填したグローブボックス内で10mg超のSとともに中間粉砕し、真空下で溶融シリカチューブに密封し、室温に冷却する前に第2の加熱プロファイル(400℃(6時間)、1000℃(3時間))を使用して加熱した。PXRDは、所望の相の大部分を示す。
【0053】
例32。Eu0.085Ca0.915Al0.7Ga1.3:Arを充填したグローブボックス内で、AlおよびGaが35%超でありSが10mg超である適切な比率で、CaS、Eu、Al、GaおよびSを組み合わせて、約400mgの反応物を形成し、真空下で溶融シリカチューブに密封した。室温に冷却する前に、以下の加熱プロファイル(290℃(17時間)、770℃(24時間)、870℃(24時間))を使用してチューブを加熱した。試料を、Arを充填したグローブボックス内で10mg超のSとともに中間粉砕し、真空下で溶融シリカチューブに密封し、室温に冷却する前に第2の加熱プロファイル(400℃(6時間)、1000℃(3時間))を使用して加熱した。PXRDは、所望の相の大部分を示す。
【0054】
例33。Eu0.085Ca0.915Al0.8Ga1.2:Arを充填したグローブボックス内で、AlおよびGaが35%超でありSが10mg超である適切な比率で、CaS、Eu、Al、GaおよびSを組み合わせて、約400mgの反応物を形成し、真空下で溶融シリカチューブに密封した。室温に冷却する前に、以下の加熱プロファイル(290℃(17時間)、770℃(24時間)、870℃(24時間))を使用してチューブを加熱した。試料を、Arを充填したグローブボックス内で10mg超のSとともに中間粉砕し、真空下で溶融シリカチューブに密封し、室温に冷却する前に第2の加熱プロファイル(400℃(6時間)、1000℃(3時間))を使用して加熱した。PXRDは、所望の相の大部分を示す。
【0055】
例34。Eu0.085Ca0.915Al0.9Ga1.1:Arを充填したグローブボックス内で、AlおよびGaが35%超でありSが10mg超である適切な比率で、CaS、Eu、Al、GaおよびSを組み合わせて、約400mgの反応物を形成し、真空下で溶融シリカチューブに密封した。室温に冷却する前に、以下の加熱プロファイル(290℃(17時間)、770℃(24時間)、870℃(24時間))を使用してチューブを加熱した。試料を、Arを充填したグローブボックス内で10mg超のSとともに中間粉砕し、真空下で溶融シリカチューブに密封し、室温に冷却する前に第2の加熱プロファイル(400℃(6時間)、1000℃(3時間))を使用して加熱した。PXRDは、所望の相の大部分を示す。
【0056】
例35。Eu0.085Ca0.915AlGa:Arを充填したグローブボックス内で、AlおよびGaが35%超でありSが10mg超である適切な比率で、CaS、Eu、Al、GaおよびSを組み合わせて、約400mgの反応物を形成し、真空下で溶融シリカチューブに密封した。室温に冷却する前に、以下の加熱プロファイル(290℃(17時間)、770℃(24時間)、870℃(24時間))を使用してチューブを加熱した。試料を、Arを充填したグローブボックス内で10mg超のSとともに中間粉砕し、真空下で溶融シリカチューブに密封し、室温に冷却する前に第2の加熱プロファイル(400℃(6時間)、1000℃(3時間))を使用して加熱した。PXRDは、所望の相の大部分を示す。
【0057】
例36。Eu0.085Ca0.915AlGa:Arを充填したグローブボックス内で、AlおよびGaが35%超でありSが10mg超である適切な比率で、CaS、Eu、Al、GaおよびSを組み合わせて、約400mgの反応物を形成し、真空下で溶融シリカチューブに密封した。室温に冷却する前に、以下の加熱プロファイル(290℃(17時間)、770℃(24時間)、870℃(24時間))を使用してチューブを加熱した。試料を、Arを充填したグローブボックス内で10mg超のSとともに中間粉砕し、真空下で溶融シリカチューブに密封し、室温に冷却する前に第2の加熱プロファイル(400℃(6時間)、1000℃(3時間))を使用して加熱した。PXRDは、所望の相の大部分を示す。
【0058】
例37。Eu0.085Ca0.915Al:Arを充填したグローブボックス内で、Alが35%超でありSが10mg超である適切な比率で、CaS、Eu、Al、GaおよびSを組み合わせて、約400mgの反応物を形成し、真空下で溶融シリカチューブに密封した。室温に冷却する前に、以下の加熱プロファイル(290℃(17時間)、770℃(24時間)、870℃(24時間))を使用してチューブを加熱した。試料を、Arを充填したグローブボックス内で10mg超のSとともに中間粉砕し、真空下で溶融シリカチューブに密封し、室温に冷却する前に第2の加熱プロファイル(400℃(6時間)、1000℃(3時間))を使用して加熱した。PXRDは、所望の相の大部分を示す。
【0059】
図4は、395nmでの励起による例29~37の発光スペクトルを示す。図5は、例29~36の励起スペクトルを示しており、発光は最大発光でモニタリングされる。図6Aは、例29~32のX線粉末回折プロファイルを示す。図6Bは、例33~36のX線粉末回折プロファイルを示す。
【0060】
例38。Eu0.085Ca0.915Al2.64Ga0.365.5(Eu0.085Ca0.915Al1.76Ga0.24と(Al,Ga)との混合物であり得る):CaS、Eu、Al、GaおよびSを適切な量で組み合わせ、HSを流しながら反応させた。
【0061】
例39。Eu0.085Ca0.915Al2.64Ga0.365.5(Eu0.085Ca0.915Al1.76Ga0.24と(Al,Ga)との混合物であり得る):例38と同じであるが、ユーロピウム源としてEu金属の代わりにEuSを使用した。CaS、EuS、Al、GaおよびSを適切な量で組み合わせ、HSを流しながら反応させた。
【0062】
例40。Eu0.085Ca0.915Al2.64Ga0.365.5(Eu0.085Ca0.915Al1.76Ga0.24と(Al,Ga)との混合物であり得る):例38と同じであるが、ユーロピウム源としてEu金属の代わりにEUFを使用した。CaS、EuF、Al、GaおよびSを適切な量で組み合わせ、HSを流しながら反応させた。
【0063】
例41。Eu0.085Ca0.915Al2.64Ga0.365.5(Eu0.085Ca0.915Al1.76Ga0.24と(Al,Ga)との混合物であり得る):例40と同じであるが、最初の配合では元素硫黄を使用しなかった。CaS、EuF、AlおよびGaを適切な量で組み合わせ、HSを流しながら反応させた。
【0064】
例42。Eu0.085Ca0.915Al2.64Ga0.365.5(Eu0.085Ca0.915Al1.76Ga0.24と(Al,Ga)との混合物であり得る):例40と同じであるが、最初の配合では5%のCaSをCaCOに置換した。CaS、CaCO、EuF、Al、GaおよびSを適切な量で組み合わせ、HSを流しながら反応させた。
【0065】
例43。Eu0.085Ca0.915Al2.64Ga0.365.5(Eu0.085Ca0.915Al1.76Ga0.24と(Al,Ga)との混合物であり得る):例40と同じであるが、最初の配合では5%のCaSをCaFに置換した。CaS、CaF、EuF、Al、GaおよびSを適切な量で組み合わせ、HSを流しながら反応させた。
【0066】
例44。Eu0.085Ca0.915Al2.64Ga0.365.5(Eu0.085Ca0.915Al1.76Ga0.24と(Al,Ga)との混合物であり得る):例41と同じであるが、最初の配合ではEuFではなくEuSを使用した。CaS、EuS、AlおよびGaを適切な量で組み合わせ、HSを流しながら反応させた。
【0067】
以下の表1に、Eu1-wCa蛍光体の例1~44の発光特性を要約する。
【0068】
比較のために、例11および12から得られた試料を一晩空気中に放置した。
大気中の水分に一晩曝露した後、例11(50% Eu)は、依然として明るい緑色であり、紫色LEDからの照明下で明るく発光した。対照的に、例12(8.5% Eu)は、はるかに薄暗く、ほとんど放射性ではなかった。
【0069】
例示的なEu1-wMg蛍光体
Eu、Mg、Al、S粉末とGa粉末との化学量論的混合物から、適切な場合には35%超のAlおよびGa、ならびに適切な場合には10mg超のSを用いて、マグネシウムドープ試料を調製し、アルゴンを充填したグローブボックス内でこれを一緒に粉砕し、石英管に密封した。ボックス炉内で400℃で6時間、次いで800℃で12時間、試料を加熱した。XRDは、様々なレベルのEuAl、MgAlおよびEuSを示した。各試料は、395nmで励起した際に、約500nmの発光と、約450nmのショルダーとを示した。500nmでモニタリングした発光による励起スキャンは、約390nmで最大励起を示し、約460nmまで励起強度は徐々に減少し、続いて、励起強度は急激に減少し、励起強度は490nmまで約30%未満減少する。励起強度の減少は、Mg含有量の増加とともにさらに顕著になる。これらの結果は、EuAlへのMgの取り込み、および一部のEuドープMgAlを示している。
【0070】
第2の焼成:試料をアルゴン雰囲気下で乳鉢および乳棒を用いて再度粉砕し、石英管に密封した。ボックス炉内で400℃で6時間、次いで800℃で12時間、試料を再度加熱した。この場合も、XRDは様々なレベルのEuAl、MgAlおよびEuSを示した。395nmの励起では、約500nmの発光ピークのみが観察された。Euと比較してMgが少なくとも2倍過剰に存在する反応化学量では、ピーク発光波長はわずかに減少する。励起スペクトルは、第1の焼成後に観察されたような類似の傾向に従い、385nm付近でピークに達し、約460nmまで徐々に減少し、励起強度の減少の程度は、反応混合物中のMg含有量の増加とともにさらに顕著になる。
【0071】
第3の焼成:10重量パーセントの硫黄を加えて、アルゴン雰囲気下で乳鉢および乳棒を用いて試料を再度粉砕した。400℃で6時間、次いで900℃で24時間、試料を加熱した。XRDは、反応化学量に見合った様々なレベルのEuAlおよびMgAlを示した。395nmの励起では、約500nmの発光ピークのみが観察された。反応化学量がEuと比較して少なくとも2倍過剰のMgの存在を有する場合、ピーク発光波長はわずかに減少する。励起スペクトルは顕著な差を示し、以前約385nmであった最大励起が約455nmにシフトした。
【0072】
第2の焼成後
例45。Eu0.95Mg0.05Al
【0073】
例46。Eu0.86Mg0.14Al1.72Ga0.28
【0074】
例47。Eu0.79Mg0.21Al
【0075】
例48。Eu0.65Mg0.35Al
【0076】
例49。Eu0.50Mg0.50Al
【0077】
例50。Eu0.34Mg0.66Al
【0078】
例51。Eu0.10Mg0.90Al
【0079】
第3の焼成後
例47。Eu0.79Mg0.21Al
【0080】
例48。Eu0.65Mg0.35Al
【0081】
例49。Eu0.50Mg0.50Al
【0082】
例50。Eu0.34Mg0.66Al
【0083】
例51。Eu0.10Mg0.90Al
【0084】
以下の表2は、第2の焼成後の例45~51の発光特性を示す。以下の表3は、第3の焼成後の例47~51の発光特性を示す。
【0085】
図7は、第2および第3の焼成後の例47のX線粉末回折プロファイルを示す。図8は、第2および第3の焼成後の例51のX線粉末回折プロファイルを示す。
【0086】
図9は、395nmでの励起による、第2の焼成後の例47~51の発光スペクトルを示す。図10は、第2の焼成後の例47~51の励起スペクトルを示しており、発光は500nmでモニタリングされる。
【0087】
図11は、395nmでの励起による、第3の焼成後の例47~51の発光スペクトルを示す。図12は、第3の焼成後の例47~51の励起スペクトルを示しており、発光は500nmでモニタリングされる。
【0088】
例示的なEu1-wSr蛍光体
Eu、SrS、AlおよびS粉末の化学量論的混合物から、35%超のAlおよび10mg超のSを用いて、ストロンチウムドープ試料を調製し、アルゴンを充填したグローブボックス内でこれを一緒に粉砕し、石英管に密封した。ボックス炉内で400℃で6時間、次いで800℃で12時間、試料を加熱した。500nmでモニタリングした発光による励起スキャンは、約380nmで最大励起を示し、約450nmまで励起強度は徐々に減少し、続いて、励起強度は急激に減少し、励起強度は490nmまで約25%未満減少する。450nmに向かう励起強度の減少は、Sr含有量の増加とともにさらに顕著になる。
【0089】
例52。Eu0.95Sr0.05 Al
【0090】
例53。Eu0.79Sr0.21 Al
【0091】
図13は、395nmでの励起による例52および53の発光スペクトルを示す。以下の表4は、例52および53の発光特性を示す。
【0092】
例示的なEu1-wBa蛍光体
35%超のアルミニウムおよび20%超の硫黄を用いて、適切な化学量論量で、硫化バリウムと、元素ユーロピウム、アルミニウムおよび硫黄とを組み合わせ、約400mgの出発反応物混合物を形成した。この混合物を乳鉢および乳棒を用いて粉砕し、真空下で溶融シリカチューブに密封した。試料を4時間かけて400℃に加熱し、温度に4時間保持し、4時間かけて800℃まで徐々に温度を上昇させ、温度に10時間保持した後、6時間かけて室温に冷却した。試料をアルゴン下で追加の10mgの硫黄とともに再粉砕し、次いで密封し、同じプロファイルで再度加熱した。
【0093】
例54。Eu0.10Ba0.90Al
【0094】
例55。Eu0.25Ba0.75Al
【0095】
例56。Eu0.40Ba0.60Al
【0096】
例57。Eu0.50Ba0.50Al
【0097】
例58。Eu0.79Ba0.21Al
【0098】
例59。Eu0.95Ba0.05Al
【0099】
図14は、395nmでの励起による例54~57の発光スペクトルを示す。図15は、395nmでの励起による例59の発光スペクトルを示す。図16は、例54~57の励起スペクトルを示しており、発光は500nmでモニタリングされる。以下の表5は、例54~59の発光特性を示す。
【0100】
図17は、図中でそれぞれ(a)~(d)として表示される例54~57のX線粉末回折プロファイルを示す。
【0101】
例示的な蛍光体変換LEDの作製
LED例1。蛍光体例12、赤色PFS蛍光体、および450ピーク青色を有するPlessey 3535 LEDパッケージを用いて蛍光体変換LEDを作製した。発光スペクトルの色点は、CIE x,y 0.2478、0.1954である。この例は、バックライト用途に適している。この例のスペクトル出力分布を図18に示す。
【0102】
LED例2。蛍光体例6、赤色PFS蛍光体、および450nmピーク青色を有するPlessey 3535 LEDパッケージを用いて蛍光体変換LEDを作製した。
発光スペクトルの色点は、CIE x,y 0.3446、0.365である。色温度は5062K、duvは約0.0036、Raは約47である。このLEDはほとんどの照明用途には適していないが、白色点を示す。このLEDのスペクトル出力分布を図19に示す。
【0103】
LED例3。蛍光体例6、赤色PFS蛍光体、およびPowerOpto 457nm LED(2835パッケージ)を用いて蛍光体変換LEDを作製した。発光スペクトルの色点は、CIE x,y 0.3184、0.3516である。色温度は6102K、duvは約0.0084、Raは約55.5である。このLEDのスペクトル出力分布を図20に示す。
【0104】
LED例4。蛍光体例7、BR102Q赤色蛍光体、およびPowerOpto 457nm LED(2835パッケージ)を用いて蛍光体変換LEDを作製した。発光スペクトルの色点は、CIE x,y 0.3517、0.3134である。色温度は4508K、duvは約0.023、Raは約76である。このLEDのスペクトル出力分布を図21に示す。
【0105】
LED例5。蛍光体例7、BR102Q赤色蛍光体、およびPowerOpto 457nm LED(2835パッケージ)を用いて蛍光体変換LEDを作製した。発光スペクトルの色点は、CIE x,y 0.4065、0.3571である。色温度は3165K、duvは約0.0156、Raは約81、R9は約77である。このLEDのスペクトル出力分布を図22に示す。
【0106】
LED例6。蛍光体例4、BR102Q赤色蛍光体、およびPowerOpto 457nm LED(2835パッケージ)を用いて蛍光体変換LEDを作製した。発光スペクトルの色点は、CIE x,y 0.3298、0.3620である。色温度は5610K、duvは約0.0082、Raは約89、R9は約70である。このLEDのスペクトル出力分布を図23に示す。
【0107】
【表1】
【0108】
【表2】
【0109】
【表3】
【0110】
【表4】
【0111】
【表5】
【0112】
本開示は例示的なものであり、限定的なものではない。さらなる変更は、本開示に照らして当業者には明らかであり、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。
図1
図2
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図5
図6A
図6B
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