(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】注入デバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 5/152 20060101AFI20240610BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
A61M5/152
A61M5/142 520
(21)【出願番号】P 2020570464
(86)(22)【出願日】2019-06-18
(86)【国際出願番号】 US2019037708
(87)【国際公開番号】W WO2019246080
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-04-19
(32)【優先日】2018-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(73)【特許権者】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】カーソン, ダスティン クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ラオ, イエン キン
(72)【発明者】
【氏名】ドューダー, トーマス エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ディン, ユアンパン サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】ロー, イン-チェン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ, ホウジ
(72)【発明者】
【氏名】モリッシー, マイケル パトリック
(72)【発明者】
【氏名】パッカード, ジェフリー スコット
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0171987(US,A1)
【文献】米国特許第04822344(US,A)
【文献】実開平06-031752(JP,U)
【文献】特表2008-506449(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/152
A61M 5/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の流率において流体を分注するための注入デバイスであって、前記注入デバイスは、
ブラダ容積部分と、ブラダ出口とを含む弾性ブラダであって、前記弾性ブラダは、前記ブラダ容積部分内に流体を貯蔵し、あるブラダ圧力において前記出口を通して流体を分注する、弾性ブラダと、
前記弾性ブラダの出口と流体連通する圧力調整器であって、前記圧力調整器は、流体入口と、流体出口とを含み、前記流体入口は、前記ブラダから流体を受容するために、前記ブラダ出口に結合される、圧力調整器と、
前記流体出口と流体連通する流動制限器であって、前記流動制限器および前記圧力調整器は、所定の出口圧力において前記流動制限器から流体を排出するように協働する、流動制限器と、
前記流動制限器と流体連通する流率調節器と
を備え、
前記流動制限器、前記圧力調整器、および前記流率調節器は、前記所定の出口圧力および/または所望の流率において前記流率調節器から流体を排出するように協働し、
前記流率調節器は、前記流率調節器の第1の部分内の第1の流動チャネルおよび前記流率調節器の第2の部分内の第2の流動チャネルを画定し、
前記第1の流動チャネルは、円形経路に沿って延在し、前記第2の流動チャネルは、直線経路に沿って延在し、前記第1の流動チャネルおよび前記第2の流動チャネルは、それらの個別の遠位端において出会い、
(1)前記第1の部分が、前記流率調節器の前記第2の部分に対して回転し、前記第1の流動チャネルの長さを変化させ、それによって、前記第1の流動チャネルの開始点から前記第2の流動チャネルの終了点まで画定される調節可能流動チャネルの有効長さを変化させるように構成されており、かつ、(2)前記第1の流動チャネルが、流動方向に沿って徐々に減少する断面積を有していて、前記流率調節器が、前記第1の
部分が前記第2の
部分に対して回転されるときに前記第1の流動チャネルの前記長さおよび前記断面積に基づいて流体流率を調節するようになっている、注入デバイス。
【請求項2】
前記第1の流動チャネルは、円形断面を有し、前記円形断面は、ある直径を有し、前記円形断面の直径は、前記流動方向に沿って徐々に減少する、請求項
1に記載の注入デバイス。
【請求項3】
前記第1の流動チャネルは、長方形断面を有し、前記長方形断面は、ある幅およびある深さを有し、前記第1の流動チャネルの断面積は、前記ある幅を狭化することおよび前記ある深さを小さくすることのうちの少なくとも1つによって徐々に減少する、請求項1に記載の注入デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2018年6月20日に出願され、「INFUSION DEVICE」と題された、米国出願第16/013,228号の利益および優先権を主張する。
【0002】
本開示は、概して、注入デバイスに関し、より具体的には、薬剤活性物質を投与するためのコンパクトな携帯型可撓性ブラダ注入ポンプに関する。可撓性ブラダ注入ポンプは、エラストマブラダ注入ポンプおよび圧力をブラダに印加するための外部手段(例えば、プラテンポンプ、ピストンポンプ等)を伴う可撓性ブラダ注入ポンプを含み得る。
【背景技術】
【0003】
携帯型可撓性ブラダ注入ポンプ実施形態のうちの1つである、エラストマ注入ポンプは、所定の量の溶液を低流体流率において事前選択された時間周期に患者に送達する。公知のエラストマ注入ポンプは、流体移動のための圧力源としてもまた作用する、溶液貯蔵のための弾性ブラダと、患者に注入される溶液の流率を限定するための直列流動制限器とを含む。いくつかの実施形態では、所望の溶液流率は、注入療法全体の間に所望かつ一定の速度において送達される。しかしながら、現在のエラストマ注入ポンプの流率は、弾性ブラダ縮小によって発生される圧力が、変動し得るため、所望の速度付近でわずかな変動を示し得る、および/または、典型的には、注入療法の間に変化する。一貫しない圧力は、ブラダのエラストマ材料の生産における変動および/またはブラダの弾性材料(例えば、ゴム、シリコーン等)の固有の性質によって引き起こされる。一般に、厳格な生産制御を行っても、エラストマ材料の材料、配合、および/または硬化におけるわずかな変動は、ブラダを形成する材料の弾性性質における変動につながる可能性が高いであろう。さらに、送達されるべき流体を用いて膨張された弾性ブラダは、通常、送達の開始時および終了時に高い圧力を発生させ、送達の途中により低い圧力を発生させるであろう。他のタイプの可撓性ブラダ携帯型ポンプも、ブラダに対して圧力を印加するための手段の性質に起因して、圧力における類似する変動を呈し得る。
【0004】
弾性ブラダ等の圧力源は、オフライン空気および/または流体圧力試験を介したサンプリングを使用して特性評価され得る。試験結果は、ブラダを類似する範囲の平均ブラダ圧力(「ABP」)を呈する群に分離するために使用される。各群は、依然として、ABPにおけるわずかな変動を有するブラダを含有し得る。
【0005】
同様に、流動制限器(例えば、ガラスまたは金属カニューレ流動制限器)が、制限器内に形成される流動通路の寸法におけるわずかな変動を伴って形成される。したがって、類似する様式で、流動制限器は、オフライン空気流試験を介したサンプリングを使用して特性評価される。試験結果は、流動制限器をそれらの個別の空気流動値に従って類似する値を呈する群に分類するために使用される。空気流動値は、相対的液体流抵抗のインジケータである。流動制限器の各分類された群は、依然として、その群に関するわずかな範囲の抵抗を有する流動制限器を含有し得る。
【0006】
標的流率を満たす全体的ポンプを組み立てるために、ブラダの群が、流動制限器の適切な群と合致される。例えば、別の群よりも高いAPBを有するブラダの群が、別の群よりも高い流動抵抗を有する流動制限器の群と合致され得る。しかしながら、完成されたデバイス内の制限器の合致された群内の変動性と組み合わせられたときのブラダの群内のAPBの変動性は、平均付近の高い変動性および規定された標的値にない場合がある平均を伴う実際の流体流率を送達する、完成されたデバイスのバッチをもたらし得る。ポンプが、組み立てられた後、流率は、試験され、速度が、放出基準を満たしていない場合、ポンプは、廃棄される。制限器群とのAPB群の合致を用いても、2つの群内の変動は、時として、組み立てられたポンプに放出基準を満たさせないであろう。時として、各個々のポンプの100%試験は、行われない。代わりに、バッチからの有限数のポンプが、バッチリリースに先立って流動試験をされる。これは、放出基準が、満たされない場合、バッチ全体が廃棄されることをもたらし得る。
【0007】
加えて、コンパクトな可撓性ブラダ注入ポンプは、(通常、患者のカテーテルへの入口にある)出口に対する可撓性ブラダの高さが、変動する場合、様々な流率をもたらす、注入管類の出口における様々な圧力を呈するであろう。例えば、出口に対してブラダを上昇させることは、出口において付加的圧力をもたらし、流動制限器もまた、出口に近接する場合、流率は、増加し得る。
【0008】
種々のエラストマブラダ注入ポンプが、公知であるが、製造の観点から単純かつ安価であるが、療法の持続時間にわたって略一定の速度においてその内容物を送達することが可能であり、規定された標的値に近い注入ポンプの必要性が、残っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、改良された注入デバイスおよび注入デバイス製造方法を提供する。本明細書に説明される主題の側面または実施形態は、単独で、または本明細書に説明される1つ以上の他の側面と組み合わせて有用であり得る。前述の説明を限定することなく、第1の主要な実施形態では、所定の流率において流体を分注するための注入デバイスが、提供され、注入デバイスは、可撓性ブラダと、管類流動制限器とを含む。
【0010】
別様に規定されない限り、本明細書に開示される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、可撓性ブラダは、ブラダ容積部分と、ブラダ出口とを含む、弾性ブラダである。ブラダは、ブラダ容積部分内に流体を貯蔵し、あるブラダ圧力において出口を通して流体を分注する。
【0011】
別様に規定されない限り、本明細書に開示される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、流動制限器は、流体出口と流体連通する。加えて、流動制限器は、ブラダ出口からの流動を制限し、所定の出口圧力および/または所望の流率において排出流体を維持するように構成および配列される。
【0012】
別様に規定されない限り、本明細書に開示される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、流動制限器は、患者ライン上に位置付けられ、さらなる実施形態では、ブラダの遠位に、好ましくは、患者への注入入口コネクタへのコネクタの近傍に位置する。
【0013】
別様に規定されない限り、本明細書に開示される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、流動制限器は、ある長さおよびある内径を有する管類の区分を含む。管類の長さは、ブラダの特性、送達されるべき流体の特性、および/または管類の内径に基づいてサイズ決めされる。
【0014】
別様に規定されない限り、本明細書に開示される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、管類の長さは、それを通して通過する液体の流率を設定する、および/または所定の出口圧力を提供するようにサイズ決めされる。
【0015】
一例示的実施形態では、所定の流率において流体を分注するための注入デバイスが、提供され、注入デバイスは、弾性ブラダと、圧力調整器とを含む。弾性ブラダは、ブラダ容積部分と、ブラダ出口とを含む。ブラダは、ブラダ容積部分内に流体を貯蔵し、あるブラダ圧力において出口を通して流体を分注するように構成される。圧力調整器は、弾性ブラダの出口と流体連通する。加えて、圧力調整器は、流体入口と、流体出口とを含む。流体入口は、ブラダから流体を受容するために、ブラダ出口に結合される一方、圧力調整器は、所定の出口圧力において流体出口から流体を排出するように構成される。
【0016】
別様に規定されない限り、本明細書に開示される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、注入デバイスは、筐体と、管類とを含み、筐体は、弾性ブラダを保持するようにサイズ決めおよび配列され、管類は、圧力調整器と流体連通するようにブラダ出口を設置する。
【0017】
別様に規定されない限り、本明細書に開示される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、注入デバイスは、弾性ブラダおよび圧力調整器を保持するようにサイズ決めおよび配列される、筐体を含む。
【0018】
別様に規定されない限り、本明細書に開示される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、第2の主要な実施形態では、圧力調整器は、上部筐体と、流体出口を画定するチャンバ筐体と、流体入口を画定する基部筐体とを含む、封入体を含む。圧力調整器はまた、機械的アクチュエータと、弁と、ダイヤフラムとを含む。機械的アクチュエータは、上部筐体内に位置してもよい。弁は、チャンバ筐体内に位置し、流体入口と流体連通し、弁プラグを含んでもよい。ダイヤフラムは、封入体内に位置し、上部筐体とチャンバ筐体との間に着座されてもよい。加えて、ダイヤフラムは、流体入口と流体出口との間の流体経路の一部を形成する、流体感知チャンバを画定してもよく、ダイヤフラムは、弁プラグおよび機械的アクチュエータと連通し、所定の出口圧力において排出流体を維持するようにその間で移動可能である。
【0019】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の実施形態では、機械的アクチュエータは、ばねと、プランジャとを含む。ばねは、プランジャに、流体入口を通して流動する流体からの上向き力に対抗する、ダイヤフラムに対する下向き力を提供させる。
【0020】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の実施形態では、ばねは、ダイヤフラムに対する下向き力を変化させ、圧力調整器を所定の出口圧力に設定するように調節可能であってもよい。
【0021】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、さらなる実施形態では、弁は、弁プラグと弁の弁座との間にシールを形成するように適合される、Oリングを含む。
【0022】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、他の例示的実施形態では、弁は、弁座を含み、弁座は、弁座とのシールを形成するように弁プラグを補助するように成形される。
【0023】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、弁座は、円錐台形形状を有する。
【0024】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、ダイヤフラムによって形成される流体経路は、弁プラグが弁座に対して、それぞれ、シールおよびシール解除することを介して開放および閉鎖される。
【0025】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、さらなる実施形態では、ダイヤフラムは、中心ディスク部分を含んでもよい。さらなる実施形態では、中心ディスク部分は、通常動作の間の撓曲が、最小限にされるように、剛性を示してもよい。
【0026】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、さらなる実施形態では、ダイヤフラムは、ロール構成を形成する、可撓性半径方向部分を含有してもよく、これは、半波、全波、複数の半波、または複数の全波構成のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0027】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の実施形態では、注入デバイスはさらに、圧力調整器と流体連通する、流動制限器を含む。流動制限器は、圧力調整器の流体出口からの流動を制限し、所定の出口圧力および/または所望の流率において流動制限器から排出される流体を維持するように構成および配列されてもよい。
【0028】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、流動制限器は、流率の制限が、注入ポンプの組立の前および/または後に変動され得るように構成および配列されてもよい。
【0029】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、流動制限器は、ある長さおよびある内径を有する管類の区分を含む。管類の長さは、少なくとも部分的に、ブラダの少なくとも1つの特性、送達されるべき流体の特性、および管類の内径に対してサイズ決めされてもよい。
【0030】
別様に規定されない限り、本明細書に開示される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、流動制限器は、ある長さおよびある内径を有する管類の区分を含む。管類の長さは、部分的に、圧力調整器の圧力設定点に基づいてサイズ決めされる。
【0031】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、流動制限器は、ある長さおよびある内径を有する管類の区分を含み、管類の長さは、それを通して通過する液体の流率を設定するように調節されてもよい。
【0032】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の実施形態では、流動制限器は、ある長さおよびある内径を有する管類の区分を含み、管類の長さは、所定の出口圧力および/または所望の流率を提供するようにサイズ決めされてもよい。
【0033】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、第3の主要な実施形態では、所定の流率において流体を分注するための注入デバイスは、弾性ブラダと、圧力調整器と、流動制限器とを含む。弾性ブラダは、ブラダ容積部分と、ブラダ出口とを含み、弾性ブラダは、ブラダ容積部分内に流体を貯蔵し、あるブラダ圧力において出口を通して流体を分注する。圧力調整器は、弾性ブラダの出口と流体連通してもよい。圧力調整器は、流体入口と、流体出口とを含む。流体入口は、ブラダから流体を受容するために、ブラダ出口に流体的に結合されてもよい。流動制限器は、流体出口と流体連通してもよい。流動制限器および圧力調整器は、所定の出口圧力および/または流率において流動制限器から流体を排出するように協働する。
【0034】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、ある例示的実施形態では、注入デバイスはさらに、流動制限器および圧力調整器と流体連通する、流率調節器を含み、これらは、所定の出口圧力および/または所望の流率において流率調節器から流体を排出するように協働する。
【0035】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、流率調節器は、流率調節器の第1の部分内の第1の流動チャネルおよび流率調節器の第2の部分内の第2の流動チャネルを画定する。第1の部分は、流率調節器の第2の部分に対して回転し、それを通して流体が流動する第1の流動チャネルの長さを変化させ、それによって、調節可能流体チャネルの有効長さを変化させるように構成されてもよい。
【0036】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、流率調節器は、第1の流動チャネルおよび第2の流動チャネルを画定し、第1の流動チャネルは、円形経路に沿って延在し、第2の流動チャネルは、直線経路に沿って延在してもよく、第1の流動チャネルおよび第2の流動チャネルは、それらの個別の遠位端において出会う。
【0037】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、流率調節器は、第1の流動チャネルが、第2の流動チャネルに対して回転されるとき、流体流率を調節するように適合されてもよい。
【0038】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、第1の流動チャネルは、流動方向に沿って徐々に減少する断面積を有する。
【0039】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、第1の流動チャネルは、ある直径を有する、円形断面を有し、円形断面の直径は、流動方向に沿って徐々に減少する。
【0040】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、第1の流動チャネルは、長方形断面を有し、これは、ある幅およびある深さを有する。流動チャネルの断面積は、幅を狭化すること、深さを小さくすること、または幅を狭化することおよび深さを小さくすることの両方の組み合わせによって徐々に減少する。
【0041】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、第4の主要な実施形態では、所定の流率において流体を分注するための注入デバイスは、弾性ブラダと、圧力調整器と、流動制限器と、流率調節器とを含む。弾性ブラダは、ブラダ容積と、ブラダ出口とを有する。ブラダは、ブラダ容積内に流体を貯蔵し、あるブラダ圧力において出口を通して流体を分注する。圧力調整器は、ブラダの出口と流体連通してもよく、圧力調整器は、流体入口と、流体出口とを含む。流体入口は、ブラダから流体を受容するために、ブラダ出口に結合されてもよい。流動制限器は、流体出口に結合されてもよい。加えて、流動制限器、圧力調整器、および流率調節器は、所定の出口圧力において流体を排出するように構成される。
【0042】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、第5の主要な実施形態では、標的流率における流体送達のための注入ポンプを製造する方法は、圧力調整器を所定の圧力に設定するステップと、圧力調整器を流動制限器と流体連通させ、サブアセンブリを形成するステップと、ガス源をサブアセンブリの入口と流体連通させるステップと、ガス源とサブアセンブリとの間に流率センサを位置付けるステップと、ガス源からサブアセンブリを通してガスを流動させるステップと、流率センサを使用して、サブアセンブリの流率を測定するステップと、測定された流率と標的流率との間の差異に基づいて、流動制限器の長さを縮小するステップとを含む。
【0043】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、第6の主要な実施形態では、注入ポンプを製造する方法は、圧力調整器を所定の圧力に設定するステップと、圧力調整器を流動制限器と流体連通させ、サブアセンブリを形成するステップと、圧力調整器の出口圧力および流動制限器の内径に基づいて、流動制限器の所望の長さを決定するステップと、流動制限器を所望の長さに調節するステップとを含む。
【0044】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、本方法は、サブアセンブリにエラストマポンプのブラダを提供し、所定の流率および/または圧力において流体を分注するための注入デバイスを形成するステップを含む。
【0045】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、第7の主要な実施形態では、注入ポンプを製造する方法は、流動制限器を弾性ブラダと流体連通させ、サブアセンブリを形成するステップと、サブアセンブリの出口圧力を測定するステップと、サブアセンブリの出口圧力および流動制限器の内径に基づいて、流動制限器の所望の長さを決定するステップと、流動制限器を所望の長さに調節するステップとを含む。
【0046】
別様に規定されない限り、本明細書に議論される任意の他の実施形態と組み合わせられ得る、別の例示的実施形態では、流動制限器の所望の長さを決定するステップは、管類流動制限器の初期抵抗を計算するステップを含む。加えて、流動制限器を所望の長さに調節するステップは、流動制限器を切断し、標的抵抗を達成するステップを含む。
【0047】
本明細書に記載される実施形態に照らして、故に、本開示の利点は、公称および瞬間的流率値の両方の変動を±10%未満、好ましくは、±5%以内に低減させることである。
【0048】
本開示の別の利点は、より正確かつより可変ではない流率を有する完成された注入デバイスを生産することである。
【0049】
本開示の別の利点は、エラストマポンプに関するある流率範囲内の連続的流率調節を有する注入デバイスを提供することである。
【0050】
本開示のまたさらなる利点は、バッテリを要求せず、家庭使用設定において患者に有益である、より低い費用であり、より軽量であり、使い捨てであるポンプを提供することである。
【0051】
本開示のまた別の利点は、より高速であり、より費用効果が高く、より少ない汚染リスクを有する(例えば、液体を使用する、または較正後に部品を乾燥させる必要性がない)空気流試験を使用することが可能であることである。
【0052】
本開示のなおもさらなる利点は、ブラダ内の流体に対して付与される可変圧力と比較して、比較的に一定の圧力を有する流体を提供することが可能な注入デバイスを提供することである。
【0053】
本開示の別の利点は、ブラダから患者へのコネクタへの出口コネクタへのヘッド高さの差に起因する圧力変動を最小限にするデバイスを提供することである。
【0054】
開示される製造および較正方法および結果として生じる注入デバイスの付加的特徴および利点が、以下の詳細な説明および図に説明され、それらから明白となるであろう。本明細書に説明される特徴および利点は、包括的ではなく、特に、多くの付加的特徴および利点が、図および説明に照らして、当業者に明白となるであろう。また、任意の特定の実施形態が、本明細書に列挙される利点の全てを有する必要性はない。さらに、本明細書に使用される言語が、発明的主題の範囲を限定するためではなく、主として、可読性および命令目的のために選択されていることに留意されたい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
所定の流率において流体を分注するための注入デバイスであって、前記注入デバイスは、
ブラダ容積部分と、ブラダ出口とを含む弾性ブラダであって、前記ブラダは、前記ブラダ容積部分内に流体を貯蔵し、あるブラダ圧力において前記出口を通して流体を分注する、弾性ブラダと、
流体出口と流体連通する流動制限器であって、前記流動制限器は、前記ブラダ出口からの流動を制限し、所定の出口圧力および/または所望の流率において排出流体を維持するように構成および配列される、流動制限器と
を備える、注入デバイス。
(項目2)
前記流動制限器は、患者ライン上に位置付けられ、前記患者の近傍に位置する、項目1に記載の注入デバイス。
(項目3)
前記流動制限器は、ある長さおよびある内径を有する管類の区分を含み、前記管類の長さは、少なくとも部分的に、前記ブラダの少なくとも1つの特性に対してサイズ決めされる、項目1または2に記載の注入デバイス。
(項目4)
前記流動制限器は、ある長さおよびある内径を有する管類の区分を含み、前記管類の長さは、それを通して通過する前記液体の流率を設定するように調節される、項目1-3のいずれかに記載の注入デバイス。
(項目5)
前記流動制限器は、ある長さおよびある内径を有する管類の区分を含み、前記管類の長さは、前記所定の出口圧力および/または前記所望の流率を提供するようにサイズ決めされる、項目1-4のいずれかに記載の注入デバイス。
(項目6)
注入ポンプを製造する方法であって、前記方法は、
流動制限器を弾性ブラダと流体連通させ、サブアセンブリを形成することと、
前記サブアセンブリの出口圧力を測定することと、
前記サブアセンブリの出口圧力および前記流動制限器の内径に基づいて、前記流動制限器の所望の長さを決定することと、
前記流動制限器を前記所望の長さに調節することと
を含む、方法。
(項目7)
前記流動制限器の所望の長さを決定することは、管類流動制限器の初期抵抗を計算することを含み、前記流動制限器を前記所望の長さに調節することは、前記流動制限器を切断し、標的抵抗を達成することを含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
注入ポンプを製造する方法であって、前記方法は、
圧力調整器を所定の圧力に設定することと、
前記圧力調整器を流動制限器と流体連通させ、サブアセンブリを形成することと、
前記圧力調整器の出口圧力および前記流動制限器の内径に基づいて、前記流動制限器の所望の長さを決定することと、
前記流動制限器を前記所望の長さに調節することと
を含む、方法。
(項目9)
前記サブアセンブリにエラストマポンプのブラダを提供し、所定の流率および/または圧力において流体を分注するための注入デバイスを形成することをさらに含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
所定の流率において流体を分注するための注入デバイスであって、前記注入デバイスは、
ブラダ容積部分と、ブラダ出口とを含む弾性ブラダであって、前記ブラダは、前記ブラダ容積部分内に流体を貯蔵し、あるブラダ圧力において前記出口を通して流体を分注する、弾性ブラダと、
前記弾性ブラダの出口と流体連通する圧力調整器であって、前記圧力調整器は、流体入口と、流体出口とを含み、前記流体入口は、前記ブラダから流体を受容するために、前記ブラダ出口に結合され、前記圧力調整器は、所定の出口圧力において前記流体出口から流体を排出するように構成される、圧力調整器と
を備える、注入デバイス。
(項目11)
筐体と、管類とをさらに備え、前記筐体は、前記弾性ブラダを保持するようにサイズ決めおよび配列され、前記管類は、前記圧力調整器と流体連通するように前記ブラダ出口を設置する、項目10に記載の注入デバイス。
(項目12)
前記圧力調整器は、
封入体であって、前記封入体は、上部筐体と、前記流体出口を画定するチャンバ筐体と、前記流体入口を画定する基部筐体とを含む、封入体と、
前記上部筐体内に位置する機械的アクチュエータと、
前記チャンバ筐体内に位置する弁であって、前記弁は、前記流体入口と流体連通し、弁プラグを含む、弁と、
前記封入体内に位置し、前記上部筐体と前記チャンバ筐体との間に着座されるダイヤフラムであって、前記ダイヤフラムは、前記流体入口と前記流体出口との間の流体経路を形成する流体感知チャンバを画定し、前記ダイヤフラムは、前記弁プラグおよび前記機械的アクチュエータと連通し、前記所定の出口圧力において排出流体を維持するように前記弁プラグと前記機械的アクチュエータとの間で移動可能である、ダイヤフラムと
を含む、項目10または11に記載の注入デバイス。
(項目13)
前記機械的アクチュエータは、ばねおよびプランジャのうちの少なくとも1つを含み、前記ばねは、前記プランジャに、前記流体入口を通して流動する流体からの上向き力に対抗する前記ダイヤフラムに対する下向き力を提供させる、項目12に記載の注入デバイス。
(項目14)
前記ばねまたはプランジャのうちの少なくとも1つは、前記ダイヤフラムに対する前記下向き力を変化させ、前記圧力調整器を前記所定の出口圧力に設定するように調節可能である、項目13に記載の注入デバイス。
(項目15)
前記弁は、前記弁プラグと前記弁の弁座との間にシールを形成するように適合されるOリングを含む、項目12-14のいずれかに記載の注入デバイス。
(項目16)
前記弁は、弁座を含み、前記弁座は、前記弁座とのシールを形成するように前記弁プラグを補助するように成形される、項目12-15のいずれかに記載の注入デバイス。
(項目17)
前記弁座は、円錐台形形状を有する、項目16に記載の注入デバイス。
(項目18)
前記ダイヤフラムによって形成される前記流体経路は、前記弁プラグが弁座に対して、それぞれ、シールおよびシール解除することを介して開放および閉鎖される、項目12-17のいずれかに記載の注入デバイス。
(項目19)
前記ダイヤフラムは、ロール型ダイヤフラムである、項目12-18のいずれかに記載の注入デバイス。
(項目20)
前記ロール型ダイヤフラムは、半波、全波、複数の半波、または複数の全波構成のうちの少なくとも1つを含む、項目19に記載の注入デバイス。
(項目21)
前記圧力調整器と流体連通する流動制限器をさらに備え、前記流動制限器は、前記圧力調整器の流体出口からの流動を制限し、前記所定の出口圧力および/または所望の流率において排出流体を維持するように構成および配列される、項目10-20のいずれかに記載の注入デバイス。
(項目22)
前記流動制限器は、ある長さおよびある内径を有する管類の区分を含み、前記管類の長さは、少なくとも部分的に、前記ブラダの少なくとも1つの特性に対してサイズ決めされる、項目21に記載の注入デバイス。
(項目23)
前記流動制限器は、ある長さおよびある内径を有する管類の区分を含み、前記管類の長さは、少なくとも部分的に、前記圧力調整器の圧力設定点に対してサイズ決めされる、項目21に記載の注入デバイス。
(項目24)
前記流動制限器は、ある長さおよびある内径を有する管類の区分を含み、前記管類の長さは、それを通して通過する前記液体の流率を設定するように調節される、項目21に記載の注入デバイス。
(項目25)
前記流動制限器は、ある長さおよびある内径を有する管類の区分を含み、前記管類の長さは、前記所定の出口圧力および/または前記所望の流率を提供するようにサイズ決めされる、項目21に記載の注入デバイス。
(項目26)
所定の流率において流体を分注するための注入デバイスであって、前記注入デバイスは、
ブラダ容積部分と、ブラダ出口とを含む弾性ブラダであって、前記弾性ブラダは、前記ブラダ容積部分内に流体を貯蔵し、あるブラダ圧力において前記出口を通して流体を分注する、弾性ブラダと、
前記弾性ブラダの出口と流体連通する圧力調整器であって、前記圧力調整器は、流体入口と、流体出口とを含み、前記流体入口は、前記ブラダから流体を受容するために、前記ブラダ出口に結合される、圧力調整器と、
前記流体出口と流体連通する流動制限器であって、前記流動制限器および前記圧力調整器は、所定の出口圧力において前記流動制限器から流体を排出するように協働する、流動制限器と
を備える、注入デバイス。
(項目27)
前記流動制限器と流体連通する流率調節器をさらに備え、前記流動制限器、前記圧力調整器、および前記流率調節器は、前記所定の出口圧力および/または所望の流率において前記流率調節器から流体を排出するように協働する、項目26に記載の注入デバイス。
(項目28)
前記流率調節器は、前記流率調節器の第1の部分内の第1の流動チャネルおよび前記流率調節器の第2の部分内の第2の流動チャネルを画定し、前記第1の部分は、前記流率調節器の第2の部分に対して回転し、前記第1の流動チャネルの長さを変化させ、それによって、前記調節可能流体チャネルの有効長さを変化させるように構成される、項目27に記載の注入デバイス。
(項目29)
前記流率調節器は、第1の流動チャネルおよび第2の流動チャネルを画定し、前記第1の流動チャネルは、円形経路に沿って延在し、前記第2の流動チャネルは、直線経路に沿って延在し、前記第1の流動チャネルおよび第2の流動チャネルは、それらの個別の遠位端において出会う、項目27または28に記載の注入デバイス。
(項目30)
前記流率調節器は、前記第1の流動チャネルが、前記第2の流動チャネルに対して回転されるとき、前記流体流率を調節するように適合される、項目29に記載の注入デバイス。
(項目31)
前記第1の流動チャネルは、流動方向に沿って徐々に減少する断面積を有する、項目29または30に記載の注入デバイス。
(項目32)
前記第1の流動チャネルは、円形断面を有し、前記円形断面は、ある直径を有し、前記円形断面の直径は、前記流動方向に沿って徐々に減少する、項目31に記載の注入デバイス。
(項目33)
前記第1の流動チャネルは、長方形断面を有し、前記長方形断面は、ある幅およびある深さを有し、前記流動チャネルの断面積は、前記ある幅を狭化することおよび前記ある深さを小さくすることのうちの少なくとも1つによって徐々に減少する、項目21に記載の注入デバイス。
(項目34)
標的流率への注入ポンプを製造する方法であって、前記方法は、
圧力調整器を所定の圧力に設定することと、
前記圧力調整器を流動制限器と流体連通させ、サブアセンブリを形成することと、
ガス源を前記サブアセンブリの入口と流体連通させることと、
前記ガス源と前記サブアセンブリとの間に流率センサを位置付けることと、
前記ガス源から前記サブアセンブリを通してガスを流動させることと、
前記流率センサを使用して、前記サブアセンブリの流率を測定することと、
前記測定された流率と前記標的流率との間の差異に基づいて、前記流動制限器の長さを縮小することと
を含む、方法。
(項目35)
所定の流率において流体を分注するための注入デバイスであって、前記注入デバイスは、
ブラダ容積と、ブラダ出口とを有する弾性ブラダであって、前記ブラダは、前記ブラダ容積内に流体を貯蔵し、あるブラダ圧力において前記出口を通して流体を分注する、弾性ブラダと、
前記ブラダの出口と流体連通する圧力調整器であって、前記圧力調整器は、流体入口と、流体出口とを含み、前記流体入口は、前記ブラダから流体を受容するために、前記ブラダ出口に結合される、圧力調整器と、
前記流体出口に結合される流動制限器と、
流率調節器であって、前記流動制限器、圧力調整器、および流率調節器は、所定の出口圧力において流体を排出するように構成される、流率調節器と
を備える、注入デバイス。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1A】
図1A、1B、および1Cは、本開示の例示的実施形態による、注入デバイスの側面斜視図である。
【
図1B】
図1A、1B、および1Cは、本開示の例示的実施形態による、注入デバイスの側面斜視図である。
【
図1C】
図1A、1B、および1Cは、本開示の例示的実施形態による、注入デバイスの側面斜視図である。
【0056】
【
図2】
図2は、本開示のある例示的実施形態による、圧力調整器、流動制限器、および流率調節器の立面断面図である。
【0057】
【
図3A】
図3Aは、本開示のある例示的実施形態による、圧力調整器の分解立面断面図である。
【0058】
【
図3B】
図3Bは、本開示のある例示的実施形態による、圧力調整器の立面断面図である。
【0059】
【
図3C】
図3Cは、本開示のある例示的実施形態による、機械的アクチュエータの分解立面図である。
【0060】
【
図3D】
図3Dは、本開示のある例示的実施形態による、機械的アクチュエータの分解立面図である。
【0061】
【
図3E】
図3Eおよび3Fは、本開示による、圧力調整器の立面断面図である。
【
図3F】
図3Eおよび3Fは、本開示による、圧力調整器の立面断面図である。
【0062】
【
図4-1】
図4Aおよび4Bは、本開示による、ロール型ダイヤフラムの断面図である。
【0063】
【
図4-2】
図4C、4D、4E、および4Fは、本開示による、ロール型ダイヤフラムの概略図である。
【0064】
【
図5A】
図5Aは、本開示のある例示的実施形態による、流動制限器の斜視図である。
【0065】
【
図5B】
図5Bは、本開示のある例示的実施形態による、流動制限器の上面図である。
【0066】
【
図6A】
図6Aは、本開示のある例示的実施形態による、流率調節器の立面断面図である。
【0067】
【0068】
【
図7】
図7は、本開示のある例示的実施形態による、例示的製造および較正プロセスのブロック図である。
【0069】
【
図8】
図8は、注入デバイスを組み立て、較正するための一例示的プロセスのフローチャートである。
【0070】
【
図9】
図9は、注入デバイスを組み立て、較正するための別の例示的プロセスのフローチャートである。
【0071】
【
図10】
図10は、注入デバイスを較正するためのある例示的プロセスのフローチャートである。
【0072】
【
図11】
図11は、注入デバイスを組み立て、較正するためのさらなる例示的プロセスのフローチャートである。
【0073】
【
図12】
図12は、注入デバイスを組み立て、較正するためのまた別の例示的プロセスのフローチャートである。
【0074】
【
図13】
図13は、注入デバイスを組み立て、較正するためのまたさらなる例示的プロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0075】
上記に議論されるように、改良された注入装置および注入装置のための製造/較正方法が、公称および瞬間的流率値の両方の変動を、典型的な電気機械的注入ポンプの性能に近い、±5%~±10%であるように低減させるために提供される。下記の開示は、エラストマ静脈内注入ポンプおよび他の可撓性ブラダ注入ポンプ等の低費用、高流率正確度、使い捨て静脈内投薬(注入)ポンプの設計および製造(例えば、組立および較正)に関する。加えて、本開示は、エンドユーザによって使用されるそのようなポンプのための流率調節特徴に関する。
【0076】
本明細書に議論される携帯型エラストマ注入ポンプは、所定の量の溶液を事前選択された時間周期にわたって、かつ低流体流率において患者に送達する。本明細書に議論されるエラストマ注入ポンプは、2つの主要な構成要素、すなわち、流体移動のための圧力源としてもまた作用する、溶液貯蔵のための弾性ブラダと、患者に注入される溶液の流率を限定するための直列流動制限器とを含んでもよい。理想的な状況では、溶液流率は、所望の速度にあり、注入療法全体の間に一定である。しかしながら、ブラダの構造の品質における変動は、類似する寸法を示すブラダを、膨張されるときにブラダの内部の流体に印加される圧力において変動させ得る。加えて、現在のエラストマ注入ポンプの流率は、弾性ブラダ縮小によって発生される圧力が、ブラダの収縮の間に一定ではないため、注入療法の間に変動し得る。非一貫性は、ブラダの弾性材料(例えば、ゴム、シリコーン等)の固有の性質によって引き起こされる。一般に、弾性ブラダは、療法の開始時および終了時付近でより高い圧力を発生させる。
【0077】
ブラダの構造の品質に起因する変動を最小限にするために、典型的には、ブラダ等の圧力源は、オフライン圧力試験からのサンプリングによって特性評価され、それらの個別の平均ブラダ圧力(「ABP」)に従って離散的に群化される。各群は、依然として、本ABP付近のブラダによって呈される圧力の範囲を有するブラダを含有し得る。同様に、流動制限器(例えば、ガラス、プラスチック、または金属カニューレ流動制限器)は、典型的には、それらが、それらの個々の個別の空気流動値に従って、類似する空気流動値を呈する群に離散的に分類されるように、オフライン空気流試験からのサンプリングの結果によって特性評価される。本明細書に使用されるような空気流動値は、相対的液体流抵抗のインジケータであってもよい。
【0078】
流動制限器の各分類された群は、ある範囲の抵抗を有する流動制限器を含有する。標的流率を満たすデバイスを組み立てるために、適切なブラダおよび流動制限器が、それらの個別の離散群から合致される。本明細書に開示される注入ポンプは、ブラダとの組立に先立って、またはその後に流動制限器の抵抗を変化させる能力を提供する。本明細書に開示される注入ポンプはまた、制限器の選定された群内の本質的な変動性と混合されるブラダの選定された群内の本質的な変動性と関連付けられる複雑さを解決し、多種多様な流体流率をもたらす。
【0079】
本明細書に開示されるポンプは、一実施形態では、非破壊的様式で、全体的システムの特性(例えば、流動抵抗)と組み合わせて個々の圧力源の特性を同時に決定することによって、高正確度および低変動性を伴って規定された標的流率を満たす、一定流率のポンプをもたらす。ポンプは、圧力源の測定された特性に従って、製造の間に抵抗を調節する能力を提供する。加えて、開示される使い捨てエラストマ注入ポンプは、±5%~±20%、好ましい実施形態では、±5%~±10%の流率正確度を有してもよい。
(流動制限器を伴う注入ポンプ)
【0080】
図面、特に、
図1A、1B、および1Cを参照すると、エラストマ注入ポンプの種々の実施形態が、図示される。
図1Aは、エラストマ注入ポンプ100aの第1の実施形態を図示する。図示される実施例では、エラストマ注入ポンプ100aは、弾性ブラダ110と、流動制限器130とを含む。弾性ブラダ110および流動制限器130は、流体が、弾性ブラダ110から流動制限器130に流動する際、流体連通する。ブラダ110および筐体112(下記により詳細に説明される)は、サブアセンブリ111を形成してもよい。例えば、流体は、ブラダ110からサブアセンブリ111の出口113に、かつ出口管類116を通して流動制限器130に流動してもよい。出口管類116および流動制限器130は、コネクタ119を介して結合されてもよい。加えて、流動制限器130は、ルアーキャップ122を含み得る、雄型ルアーロック115等のコネクタに結合されてもよい。出口管類116、コネクタ119、管類流動制限器130、および雄型ルアーロック115は、管類サブアセンブリ117を形成してもよい。別の実施例では、管類サブアセンブリは、より少ない構成要素(例えば、管類流動制限器130および雄型ルアーロック115)を含んでもよい。ブラダ110は、充填ポート114を介して流体(例えば、薬剤活性物質)を用いて充填されてもよい。概して、130において示される流動制限器の付加的詳細が、
図5Aおよび5Bに図示され、下記により詳細に議論される。
【0081】
随意に、注入ポンプ100aは、患者制御モジュール(「PCM」)(図示せず)を含んでもよい。PCMは、例えば、「Continuous/bolus Infusor」と題された、Winchell et al.への米国特許第5,011,477号、「System and Apparatus for the Patient-Controlled Delivery of a Beneficial Agent, and Set Therefor」と題された、Winchell et al.への米国特許第5,061,243号、「Self-administration Device for Liquid Drugs」と題された、Hiejima et al.への米国特許第6,027,491号、および/または「Patient Controlled Drug Administration Device」と題された、Rake et al.への米国特許第6,936,035号に説明されるように、患者が流体(例えば、薬品)の送達を制御することを可能にしてもよい。
(弾性ブラダ)
【0082】
注入デバイス100a、100b、および100cは、略管状外側ケーシングまたは筐体112内に配置される、エラストマ圧潰ブラダまたは弾性ブラダ110を含む。管状ケーシング112の断面形状および寸法は、これが、ブラダ110の半径方向外向き拡張を限定し、それによって、ブラダ110の過剰充填および過大応力に起因する破裂を防止するように選択される。いくつかの実施形態では、ケーシング112は、剛性であり、それによって、ケーシング112の外部に印加される圧力が、ブラダ110に伝達され、それによって、ブラダがその中に含有される流体に印加している圧力を変動させることを防止する。他の実施形態では、ケーシング112は、可撓性であり得るが、依然として、ブラダ110の外向き拡張を限定するように構築されてもよい。ブラダ110は、その内部に含有される薬剤活性物質の存在下で少なくとも実質的に不活性である、当技術分野で周知の種々のエラストマ組成物のうちのいずれかを含んでもよい。不活性とは、物質が充填されたブラダ110の薬剤活性内容物と有害に反応しない、またはその中で溶解しない、またはこれがその物質の有害反応を触媒または開始しないであろうことを意味し得る。有害化学物質が、ブラダから流体の中に移動することもないであろう。
【0083】
例えば、好適な加硫合成ポリイソプレンが、ブラダ110のために好適である。高い反発能力を有する天然ラテックスまたはシリコーンゴムもまた、使用されてもよい。ブラダ110はさらに、高弾性および低ヒステリシスを有する天然ゴムおよび合成ゴムの配合物から成ってもよい。ブラダ材料は、(i)充填され、典型的には、7日またはそれを上回って保管状態に置かれた後、ブラダの内容物の実質的に全てを放出するように、流体に対して十分な力を付与し、(ii)注入ポンプが、略一定の速度においてその内容物を放出するブラダの能力に影響を及ぼすことなく、1年またはそれよりも長くにわたって、組み立てられている(応力を受けている)が、充填されていない状態で保管され得るように選択されてもよい。
【0084】
ブラダ110は、圧力調整器120によって設定される圧力よりも高い圧力を出力する、エラストマリザーバまたは流体容積部分を含む。ブラダ圧力は、材料選択、ブラダ壁厚さ、ブラダ幾何学形状等のうちのいずれか1つ以上のものに依存し得る。
(流動制限器)
【0085】
図5Aおよび5Bに図示されるように、流動制限器130は、内径502および外径504を伴う、非剛性または可撓性プラスチック管類等の管であってもよい。ある実施例では、内径502は、20ミクロン~1,000ミクロンに及んでもよいが、内径502は、所望の流率に従って変動してもよい。流動制限器130は、流体圧力が管を延伸または拡張させることを防止するために十分に厚くてもよい。ある実施例では、外径504は、0.09インチ(0.229cm)~0.10インチ(0.254cm)に及んでもよい。流動制限器130の流率は、プラスチック管の長さ(L
FR)506を変化させることによって調節されてもよい。例えば、開始長さは、3cm~20cmに及んでもよく、管類または制限器130をより短い長さ506に切断することによって短縮されることができ、短縮すると、制限器130の抵抗は、減少する一方、流率は、増加する。ある実施例では、プラスチック管の最終長さ(L
FR)506は、約1mm~18cmに及んでもよいが、長さ506は、内径502および標的流率に従って変動するであろう。
【0086】
ある実施例では、流動制限器130は、一定の内径502を有してもよい。別の実施例では、内径502は、長さ506に沿って可変であってもよい。例えば、内径502は、近位端508から遠位端510へ長さ506に沿って徐々に減少してもよい。
【0087】
流動制限器130の遠位端510および近位端508は、返し付き、ルアーロック、螺着、圧縮嵌合、溶剤または接着剤接合等の任意のタイプの管コネクタへの接続方法のために構成されてもよい。
【0088】
流動制限器130は、単一の材料から作製されてもよい、または、例えば、少なくとも2つの層内に配列される少なくとも2つの異なる材料を伴う複合構造を備えてもよい。材料は、好ましくは、その厚さを横断する蒸気透過に対して耐性がある。加えて、材料は、好ましくは、材料が、流動制限器130を通して進行する流体に殆ど影響を及ぼさないように、不活性、非毒性、かつ生体適合性である。例えば、流動制限器130は、低密度ポリエチレン(「LDPE」)、エチレンビニルアセテート(「EVA」)、および/またはポリ塩化ビニル(「PVC」)のうちの1つ以上のものから作製されてもよい。
(流動制限器を伴う注入ポンプの製造および較正)
【0089】
エラストマ注入ポンプ100aの上記の実施形態に関する組立および較正は、より高速かつより費用効果が高い構造の利点を提供し、汚染のリスクを低減させる。例えば、制限器130は、例えば、水を介した較正のためのいかなるタイプの液体も要求しない。故に、較正後に部品を乾燥させるいかなる必要性も、存在しない。
【0090】
ここで、
図1Aと併せて
図8を参照すると、方法600は、管類流動制限器130を伴う注入デバイス100aを組み立てるための一実施形態を図示する。ブロック602において、ポンプサブアセンブリ111が、組み立てられる。ブロック604において、ブラダ110が、随意に、整調される。例えば、ブラダ110が、圧力またはABPの既知の正規分布を伴って生産された後、ブラダ110は、所望のサイクル数だけガスを用いて膨張および収縮する、または(例えば、張力を介して)延伸および弛緩することによって整調されてもよい。例えば、ブラダ110は、ブラダヒステリシスに起因する圧力変動性を低減させるために、種々のガス充填および排気サイクルを通してブラダ110を循環させることによって整調されてもよい。ブラダ110を整調することは、新しいブラダと関連付けられるヒステリシスが、除去されるように、ブラダを事前延伸させる。
【0091】
ブロック606において、圧力センサが、サブアセンブリ111の管類出口に、例えば、サブアセンブリ111の出口113に接続され、ブラダ110が、その充填ポート114を通して規定された体積のガスを(例えば、空気を用いて)注入することによって充填される。本規定された体積のガスは、使用に関する命令において規定される液体の公称充填体積に相関されるはずである。注入されるガスの体積は、液体の公称体積を注入することと同一のブラダ圧力をもたらすはずである。ガスは、圧縮可能流体であり、液体は、そうではないため、注入されるガスの体積は、同一のブラダ圧力をもたらすために、注入される液体の体積よりも大きい必要があり得る。本相関は、ポンプのバッチを製造することに先立って、実験を通して確立されることができる。ブラダ110が、充填された後、ポンプサブアセンブリ111のブラダ圧力が、ブロック608において測定され、その圧力は、記録される。ブロック610において、ブラダ110を充填するために使用された圧力センサおよび圧力源が、ブラダ110からガスを抜き取るために除去される。
【0092】
サブアセンブリ111を組み立てることと並行して、管類流動制限器130の最終長さが、管類流動制限器130の初期抵抗を計算し、次いで、標的抵抗を達成するように管類を切断することによって決定されてもよい。管類130によって出力される流率およびその抵抗は、円形管を通した流体(液体またはガス)の定常層流を説明するために使用されるハーゲン・ポアズイユの式に基づいて関連し、式中、Qは、体積流率であり、Pは、管を横断する圧力降下であり、Rは、管を横断する流動に対する抵抗である。体積流率(Q)、圧力降下(P)、および抵抗(R)は、流体の粘度(μ)と組み合わせた、管の長さである(L)と、管の内径である(d)とを含む管幾何学形状の関数である。粘度(μ)は、試験または製造環境内で制御され得る、温度の関数である。
【化1】
【0093】
方程式1に基づいて、かつ圧力(P)および試験環境の温度を制御することによって、流率は、空気等の試験(すなわち、較正)流体の粘度に起因して変動する。したがって、空気等のガスの粘度と管を通して進行する薬液の粘度との間の傾向または相関が、試験流体空気を使用して結果として生じる流率を補正するために決定されてもよい。ある実施例では、試験流体は、D5W流体または5%ブドウ糖水溶液であってもよい。相関のためのデータ点が、ブラダ110が、最大充填状態にあるとき、空になるまでの中間点にあるとき、および空になる最後の部分にあるときにとられてもよい。代替として、データ点は、規定された公称充填体積の付近の(およびそれを含む)間隔においてとられてもよい。
【0094】
例えば、試験流体空気の流率を薬液D5Wの流率に相関させる、ルックアップテーブルが、使用されてもよい。試験温度に基づいて、いくつかの異なるルックアップテーブルが、存在してもよい。代替として、傾向は、試験流動制限器130との組立に先立って決定されてもよい。例えば、空気等のガスの流率および液体の流率は、試験流動制限器130管に関して測定されてもよく、空気の流率対液体の流率の傾向が、異なる圧力を伴う同一の試験を実施することによって作成されてもよい。傾向を作成するために、試験は、流体粘度が、相関または傾向のために取得されたデータ点毎に一定であることを確認するために、実質的に同一の温度(例えば、周囲温度、体温)において完了される。上記の測定は、液体の流率およびガスの流率を関連させる以下の相関を作成する。
【化2】
【0095】
理論的には、ガス対液体の流率の比は、ガス対液体の粘度の比に反比例するはずであることに留意されたい。これは、P、d、およびLが、同一であるとき、方程式1から導出されることができる。
【0096】
ある実施例では、ガス試験対液体試験の間の換算係数が、実験的に取得されることができる。ガス流率対液体流率の間の換算係数を決定するための1つの方法は、一定圧力のガス/液体源を使用してガス/液体試験を実施することであり、流動制限器130の上流側における圧力は、「標的圧力」よりも約20%高くなるように制御される。上流圧力を「標的圧力」よりも高いレベルに制御することは、換算係数が、「標的圧力」範囲を網羅することを確実にする。流動制限器130の上流側における圧力は、「標的圧力」よりも20%を上回って、例えば、30%またはそれを上回って高くなるように制御されてもよい。
【0097】
製造の間、空気等のガスが、本デバイスを試験するために使用され得る一方、異なる流体、すなわち、液体が、療法の間に使用される。したがって、療法の間の液体の標的流率は、製造時のガスの標的流率から外れて較正されるであろう。製造プロセスは、以下の方程式を使用してガスとの所望の抵抗を標的化する。
【化3】
【0098】
ブロック612において、雄型ルアーロック115が、管類サブアセンブリ117を生産するために、管類流動制限器130の遠位端に組み立てられる。例えば、個々の管類流動制限器130は、標的化された具体的内径および長さにおいて生産された管類流動制限器のロットまたはバッチから無作為に選択され、抵抗の既知の正規分布を伴うロットまたはバッチをもたらす。次いで、ブロック614において、雄型ルアーは、流量計に取り付けられる。異なるタイプの流量計が、使用されてもよく、質量流量計が、それらが、典型的には、温度および圧力に依存しないため、有利である。
【0099】
ブロック616において、管類サブアセンブリ117を通した流率が、測定される。例えば、上記の方程式3からのガス流率(Qgas)が、上記の方程式3からの規定された圧力(P)を用いて管類サブアセンブリ117を通して測定される。規定された圧力(P)は、それに管類流動アセンブリ117が取り付けられる、ブラダアセンブリ111に関してブロック608において記録された圧力である。ブロック618において、管類流動制限器130の抵抗が、計算される。例えば、未切断管類流動制限器130の抵抗(Rgas, uncut)が、ブロック608において記録された圧力(P)をブロック616において取得された流率(Qgas,uncut)で除算することによって方程式3から計算される。同様に、所望の抵抗(Rgas, cut)が、ブロック608において記録された圧力(P)および方程式2におけるQgasとQliquidの相関に基づく所望の流率(Qliquid)を使用して方程式3から決定される。
【0100】
ブロック619において、管類流動制限器130の未切断長さ(L
uncut)が、測定される。ブロック608において記録された圧力に基づいて、管類流動制限器130からトリミングするべき管類の長さが、ブロック620において決定される。ある実施例では、管類の長さは、ブロック622に進むことに先立って、ブロック626において切断されてもよい。例えば、管類流動制限器130の所望の切断長さL
cutを決定するために、以下の方程式が、使用されてもよく、式中、L
uncutは、管類流動制限器130の測定された初期長さであり、R
gas,uncutは、未切断管における初期ガス抵抗であり、R
gas,cutは、切断された管における所望のガス抵抗である。
【化4】
【0101】
管類サブアセンブリ117は、次いで、ブロック628において、ポンプサブアセンブリ111に取り付けられてもよい。
【0102】
代替として、ブロック622において、サブアセンブリ117を通した流率が、管類流動制限器130の長さが、適切であるかどうかを決定するために測定されてもよい。菱形624における結果が、長さが適切ではないことである場合、管類流動制限器130は、ブロック626において、再び切断されてもよい。管類流動制限器130が、適切な長さを有するまで、管類流動制限器は、切断されてもよく、流率は、いくつかの反復において測定されてもよい。
【0103】
菱形624における結果が、長さが適切であることである場合、管類は、ブロック628において、ポンプサブアセンブリに取り付けられる。ブロック630において、先端保護具が、雄型ルアーロックに取り付けられる。
【0104】
ここで、
図1Aと併せて
図9を参照すると、方法650は、管類流動制限器130を伴う注入デバイス100aを組み立てるための別の実施形態を図示する。ブロック652において、ポンプサブアセンブリ111が、組み立てられる。ブロック654において、ブラダ110が、随意に、上記に議論されるように整調される。例えば、ブラダ110が、圧力またはABPの既知の正規分布を伴って生産されたブラダのロットまたはバッチから無作為に選定された後、ブラダ110は、具体的サイクル数だけガスを用いて膨張および収縮する、またはブラダ110を(例えば、張力を介して)延伸および弛緩させることによって整調されてもよい。例えば、ブラダ110は、ブラダヒステリシスを低減させるために、種々のガス充填および排気サイクルを通してブラダを循環させることによって整調されてもよい。ブラダ110は、ブラダをポンプアセンブリの中に組み立てることに先立って整調されてもよい。
【0105】
ブロック656において、管類流動制限器130が、方法600に関して実施されるものと同一の様式でサブアセンブリ111に接合される。例えば、管類流動制限器130は、ポンプサブアセンブリ111に溶剤接合されてもよい。次いで、ブロック658において、圧力トランスデューサが、管類流動制限器130の開放端に取り付けられる。次に、ブロック660において、ガス源が、ポンプサブアセンブリ111の充填ポート114に取り付けられ、ブラダ110が、具体的体積のガスを用いて注入される。空気等のガスの所望の体積は、体積を、薬液の体積がブラダ110に対して付与するであろう圧力の量に相関させることによって、方法600または650のいずれかにおいて決定されてもよい。
【0106】
ブラダ110が、充填された後、ブラダ圧力が、ブロック662において測定される。例えば、管類流動制限器130の端部における圧力が、測定されてもよい。流体の圧力(P)は、測定が、行われるとき、いかなる流動も、存在しないため、システム全体を通して一定である。次いで、ブロック664において、管類流動制限器は、圧力トランスデューサに直に隣り合わせて(例えば、管に対して止血鉗子を挟持させることによって)閉塞を形成するように締付される。ブロック666において、圧力トランスデューサが、流量計と置換される。例えば、圧力トランスデューサは、除去されてもよく、流量計が、管類流動制限器130の開放端に取り付けられてもよい。別の実施例では、圧力トランスデューサおよび流量計は、複数の読取値を提供する単一の器具であってもよく、器具は、「圧力設定」から「流率」設定に切り替えられてもよい。次いで、ブロック668において、閉塞は、(例えば、止血鉗子を挟持解除させることによって)除去され、本システムを通した流率が、圧力(P)において測定される。例えば、閉塞は、除去され、本システムを通したガス流率が、測定されてもよい。
【0107】
次いで、ブロック670において、管類流動制限器130の抵抗が、計算される。例えば、管類流動制限器130の抵抗(Rgas,uncut)は、方程式3およびブロック662からの圧力(P)およびブロック668において取得された流率(Qgas)を使用して計算される。ブロック672において、流量計が、本システムからガスを抜き取るために除去される。ブロック673において、管類流動制限器130の未切断長さ(Luncut)が、測定される。次に、ブロック674において、トリミングするべき管類の長さが、決定される。例えば、本システムの所望の抵抗(Rgas,cut)は、管類流動制限器130からトリミングするべき管類の長さを決定するために計算されてもよい。方程式3が、ブロック662からのブラダ圧力(P)および方程式2におけるQgasとQliquidの相関を使用する所望の流率(Qgas)を用いて望ましい抵抗(Rgas,cut)を決定するために使用されてもよい。加えて、方程式4が、流動制限器130の所望の長さを決定するために使用されてもよい。ブロック676において、流動制限器130の管類が、規定された長さに切断される。
【0108】
随意に、ブロック678において、流率が、管類流動制限器130の長さが、適切であるかどうかを決定するために、再び測定されてもよい。菱形680における結果が、長さが適切ではないことである場合、管類流動制限器130は、ブロック676において、再び切断されてもよい。管類流動制限器130が、適切な長さを有するまで、管類流動制限器130は、切断されてもよく、流率は、いくつかの反復において測定されてもよい。
【0109】
菱形680における結果が、長さが適切であることである場合、取り付けられた先端保護具を伴う雄型ルアーが、ブロック682において、例えば、溶剤接合によって、切断された管類の端部に取り付けられる。
(圧力調整器および流動制限器を伴う注入ポンプ)
【0110】
再び
図1Bおよび1Cを参照すると、エラストマ注入ポンプの種々の実施形態が、図示される。
図1Bは、エラストマ注入ポンプ100bの第1の実施形態を図示する。図示される実施例では、エラストマ注入ポンプ100bは、弾性ブラダ110と、圧力調整器120と、流動制限器130とを含む。随意に、注入ポンプ100bは、患者制御モジュール(「PCM」)(図示せず)を含んでもよい。PCMは、注入ポンプ100aに関して上記に説明されるように、患者が流体(例えば、薬品)のボーラス送達を制御することを可能にしてもよい。圧力調整器120および流動制限器130は、一実施形態では、サブアセンブリ150aに統合される。ある実施例では、圧力調整器120および流動調整器130は、管類接続を使用して統合または接続されてもよい。別の実施例では、サブアセンブリ150aは、モノリシック統合を利用してもよく、各構成要素は、単一の筐体または構造(図示せず)から形成される。弾性ブラダ110、圧力調整器120、および流動制限器130は、流体が、弾性ブラダ110から、圧力調整器120に、次いで、流動制限器130に流動する際、流体連通する。ブラダ110は、充填ポート114を介して流体(例えば、薬液または薬剤活性物質)を用いて充填されてもよい。
【0111】
図1Bに図示されるように、流体は、ブラダ110から出口113に、かつ出口管類116を通して圧力調整器120に流動してもよい。例えば、出口管類116は、圧力調整器120と流体連通するように出口113(例えば、ブラダ出口)を設置してもよい。圧力調整器120および流動制限器130は、付加的管類を介して、および/またはコネクタ119を介してともに結合されてもよい。
【0112】
圧力調整器120と、流動制限器130とを含む、
図1Bのサブアセンブリ150aは、弾性ブラダ110出口とエラストマ注入ポンプの患者カテーテルコネクタとの間の任意の場所に位置してもよい。サブアセンブリ150aは、これが、流率精度に対する温度変動の影響を低減させるために、患者の皮膚温度に暴露され得るように、患者カテーテルコネクタに近接して配設されてもよい(またはさらにはそれと統合されてもよい)。好ましくは、サブアセンブリ150aは、ポンプヘッド高さからの変動を低減させるために、カテーテルコネクタ-患者界面に近接する患者カテーテルコネクタの遠位端の近傍に配設される。例えば、サブアセンブリ150aは、治療の間に比較的に一定の温度(例えば、体温)を提供するために、患者にテープ留めされてもよい。加えて、注入ポンプ100aおよび100bは、ポンプヘッドにおける変動を低減させるために、カテーテル-患者界面の近傍に設置されてもよい。
図1Cでは、サブアセンブリ150bは、圧力調整器120、流動制限器130、および流率調節器140のアセンブリを含む。
(圧力調整器)
【0113】
図3Aおよび3Bの図示される実施形態では、圧力調整器120は、上部筐体152と、チャンバ筐体154と、基部筐体156とを有する、封入体151を含む。ダイヤフラム170が、上部筐体152とチャンバ筐体154との間で封入体151内に位置付けられる。チャンバ筐体154は、弁座184と、流体出口194とを含む。弁プラグ182またはピストンを有する弁180が、弁180内に位置付けられる。加えて、基部筐体156は、流体入口192を含む。
【0114】
圧力調整器120はさらに、上部筐体152内に位置付けられる、ばね荷重プランジャ(
図3Cおよび3Dに図示される実施形態)等の機械的アクチュエータ160を含む。
図3Cに図示される実施例では、機械的アクチュエータ160は、プランジャシリンダ164内に位置付けられる、ばね162を含む。プランジャシリンダ164は、第1の端部165から第2の端部167まで延在し、ばねは、ねじ係合端161と、ボール係合端167とを有する。ばね162のねじ係合端161は、ねじ(描写せず)と機械的に連通し、ばね162のボール係合端167は、プランジャボール166と機械的に連通する。ねじは、より大きい下向き力が、プランジャボール166に印加されるように、プランジャシリンダ164の中に、かつプランジャシリンダ164の第2の端部167に向かってさらに延在し、ばね162を圧縮するように回転されることができる。ねじが、ばね162のねじ係合端161を押下するにつれて、ばね162は、プランジャボール166が、プランジャシリンダ164の第2の端部167を越えて延在することを防止されるため、圧縮する。機械的アクチュエータ160、ダイヤフラム170、および弁プラグ182は、弁180を開放および閉鎖するように連通する。一時的流体貯蔵チャンバまたは感知チャンバ196が、可動ダイヤフラム170と弁ヘッド186との間に形成され、これは、流体貯蔵および流体入口192と流体出口194との間の流体経路を提供する。
【0115】
図3Dに図示される実施例では、機械的アクチュエータ160は、プランジャシリンダ164内に位置付けられる、ばね162を含む。プランジャシリンダ164は、ねじ山付きであり、上部筐体152内の対応するねじ山に係合してもよい。例えば、プランジャシリンダの位置は、プランジャシリンダ164を回転させることによって調節されてもよい。プランジャシリンダの調節は、より大きい下向き力が、プランジャボール166に印加されるように、ばね162を圧縮してもよい。
【0116】
ダイヤフラム170は、弁180に機械的に結合され、機械的受動アクチュエータ160と連通する。例えば、移動可能ダイヤフラム170は、流体感知チャンバ196および流体入口192内の圧力変化に反応する要素として作用する。移動可能ダイヤフラム170は、再び、弁ステム188と、弁ヘッド186と、弁ヘッド186に対向する弁座184とを有する、弁180と機械的に結合される。図示される実施形態における弁ヘッド186は、平ワッシャ形状を有する。可動ダイヤフラム170および弁ヘッド186は、流体が、基部筐体156内の流体入口192からチャンバ筐体154内の流体出口194に流動することを可能にする、一時的流体感知チャンバ196を形成する。ある実施例では、Oリング190またはワッシャ等のシール要素が、弁座184と弁プラグ182との間のシールを強化してもよい。ある実施例では、弁座184は、弁プラグ182とのより強いシールを提供するために、円錐台形形状を有してもよい。円錐台形形状は、弁プラグとの界面における剪断力を最小限にし得る。加えて、円錐台形形状は、圧力が、変化する際、弁プラグが徐々に開放および閉鎖することを可能にし得る。さらに、円錐台形形状は、弁と弁座184との間に自己整合特徴を提供する。
【0117】
流体入口192および流体出口194は、封入体151の同一の側上に位置してもよい(例えば、両方とも、
図3Aに図示されるように、封入体151の底部に位置付けられる)。例えば、流体入口192および流体出口194は、それらが両方とも、調整器120から同一の方向に延在するように、封入体151の上側、左側、右側等の上に位置してもよい。代替として、流体入口192および流体出口194は、封入体151の異なる側上に位置してもよい。例えば、流体入口192は、封入体151の底部上に位置付けられ得る一方、流体出口194は、封入体151の上部に位置付けられる。入口192および出口194は、返し付き、ルアーロック、螺着、圧縮嵌合等の任意のタイプの管コネクタのために構成されてもよい。
【0118】
動作の間、
図3Eおよび3Fに図示されるように、流体は、外部上流溶液源(例えば、ブラダ110)から、入口圧力(P
1)において、弁ヘッド186と弁座184との間に位置する感知チャンバ196に流動する。流体は、可動ダイヤフラム170の中心ピストン領域410(
図4Aに図示される)に垂直な力を発生させる。可動ダイヤフラムに対して作用する垂直な力は、例えば、弁180に対して作用する入力圧力および感知チャンバ内の圧力からもたらされる力の合計である。加えて、機械的アクチュエータ160からの別の相殺する垂直な力が、ダイヤフラム170に対して作用する。上記に議論されるように、機械的アクチュエータ160からの垂直な力は、機械的アクチュエータ160内のばね162の高さ(例えば、圧縮)を調節することによって調節されてもよい。ある実施例では、弁180が、開放しているとき、入力圧力に起因して弁に対して作用する力は、ゼロであり得る。
【0119】
図3Eおよび3Fに図示されるように、ばね荷重機械的アクチュエータ160によって提供される下向き力(F
A)と、流体チャンバ圧力(P
2)および弁180に対して作用する圧力(P
1)(弁180が、開放しているとき、弁180に対して作用する圧力(P
1)は、ゼロであり得ることに留意されたい)に起因する上向き力(F
F)とを含む、ダイヤフラム170および弁180に対して作用する2つの主要な垂直な力が、存在する。垂直な力(F
A)および(F
F)のそれぞれの間の正味の力は、弁180の開放および閉鎖を決定する。
【0120】
図示される実施形態における機械的アクチュエータ160による下向き力は、プランジャ160内のばねのばね定数および/またはばねの圧縮の量によって決定される。ここでの圧力調整器120は、機械的アクチュエータ160または調整器120のプランジャの垂直位置を修整することによって、所定の出口圧力または「設定点」に設定されてもよい。加えて、出口圧力は、プランジャの垂直位置を調節することによってばねの圧縮を制御することによって事前設定され得る、機械的アクチュエータ160内のばねのばね定数を選択または調節することによって調節されてもよい。図示されるように、感知チャンバ196内の流体(例えば、液体/ガス)は、チャンバ圧力(P2)およびダイヤフラム有効面積の積に等しい、ダイヤフラム170に対する上向き力(FF)を生成する。
【0121】
力(FF)が、力(FA)に等しいとき、チャンバ196内の圧力は、圧力調整器120の圧力設定点にある。本圧力設定点は、上記に議論されるように、機械的アクチュエータ160の垂直位置を調節することによって設定されてもよい。
【0122】
圧力調整器120の感知チャンバ196は、チャンバ196の圧力が、大気圧にあるように、最初に空であり、大気空気を用いて充填されてもよい。上向き力(F
F)は、したがって、下向き力(F
A)よりも小さく(例えば、F
F<F
A)、その結果、圧力調整器120内の弁180は、
図3Eに図示されるように、流体流動のために開放する。
【0123】
上流流体源からの(例えば、エラストマ注入デバイス100a、100bのブラダ110からの)流体が、流体入口192を介して圧力調整器120の感知チャンバ196の中に流動し始めると、チャンバ圧力は、増加し、ダイヤフラム170に対して作用する上向き力(FF)は、増加する。上流圧力が、圧力調整器120の圧力設定点よりも大きい状態になると、上向き力(FF)は、下向き力(FA)よりも大きく(例えば、FF>FA)、ダイヤフラム170および弁180は、それに応じて、上向きに移動する。本明細書に図示されるように、ダイヤフラム170は、その周辺縁の近傍のロール特徴(例えば、「波」特徴)とともに構成される半径方向部分を有してもよい。縁の近傍のロール特徴は、回転する一方、ダイヤフラム170の中心剛性中心ディスク部分は、垂直に上向きに平行移動する。本遷移周期の間、弁180は、半開放する。
【0124】
ダイヤフラム170および弁180は、弁180が、
図3Fにおいて完全に閉鎖されるまで、上向きに移動し続ける。例えば、流体力(F
F)が、機械的アクチュエータ160によって生成される力(F
A)を超える場合、ダイヤフラム170の中心ピストン領域および弁ヘッド186は、上向きに移動し、弁180を閉鎖し、これは、ダイヤフラム170の中心ピストン領域と機械的に結合される。弁180が、完全に閉鎖されると、圧縮Oリング190は、筐体154の弁座184に対して押圧し、流体が流体入口192から流体出口194に移動することを防止する。この時点で、チャンバ196の圧力は、機械的アクチュエータ160によって設定される圧力よりも大きい。
【0125】
流体は、静脈圧力に対する感知チャンバ196内のより高い圧力に起因して、感知チャンバ196から流体出口192に流出し続けるであろう。流体が、流体出口194を通して感知チャンバ196から流出するにつれて、感知チャンバ196内の圧力は、低減される。チャンバ196内の圧力が、低減され、圧力調整器120の圧力設定点に到達するまで、流体が、出口194を通して感知チャンバ196から流動する際、弁180は、閉鎖されたままである。この時点で、ダイヤフラム170および弁180に対して作用する上向き力(FF)は、下向き力(FA)に等しい。
【0126】
チャンバ196内の圧力によって印加される力は、アクチュエータ160の力に等しいが、チャンバ196内の圧力は、依然として、出口194における下流圧力(P2)よりも高く、したがって、流体感知チャンバ196内の流体は、流体出口194を通して流出する。感知チャンバ196の圧力は、圧力調整器の圧力設定点よりも低い値に低減され、上向き力(FF)を下向き力(FA)よりも小さくさせ、弁180を開放する。流体は、再び、より高い上流圧力に起因して、流体入口192からチャンバ196に流動する。
【0127】
上記のシーケンスは、外部圧力液体源(例えば、ブラダ110)における流体圧力が、流体出口194における所定の出口圧力よりも高い限り、繰り返される。調整器120は、縮小するブラダ110に起因して発生される増減する圧力を、出口194から出る流体において一定の圧力まで小さくさせる、またはそれに近接させる。
【0128】
圧力調整器120の移動可能ダイヤフラム170は、その中心領域にピストン構造を有する、ロール型ダイヤフラムであってもよい。
図4Aおよび4Bに図示されるように、移動可能ダイヤフラム170は、ロール型ダイヤフラム半径方向リング部分420内に位置する、中心ディスクまたはピストン構造410を含む。中心ピストン410は、同一の材料を使用してダイヤフラム170の中心領域を厚くすることによって、または中心領域に付加的弾性または非エラストマ材料を共射出成型することによって形成されてもよい。ある実施例では、非エラストマプラスチックまたはより剛性の材料等の他の材料が、中心領域において共射出成型または接着されてもよい。加えて、1つ以上の非エラストマプラスチック構成要素が、ピストン構造410に厚さおよび強度を追加するために、中心領域におけるフラップの中に挿入されてもよい。ピストン構造410は、本明細書に説明される方法のうちのいずれかを使用して製造されてもよい。低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、およびシリコーンエラストマ等の他の材料もまた、利用されてもよい。
【0129】
ロール型ダイヤフラム部分またはリング420は、「波」または類似する設計から成る、および/またはピストン構造410よりも小さい厚さを有してもよい。例えば、可動ダイヤフラム170は、ダイヤフラム170が、区分420を延伸させるのではなく、ロール解除および再ロールさせることを介してピストン構造410を移動させることを可能にする、「波」または「ジグザグ」設計を有してもよい。可動ダイヤフラム170のロール型ダイヤフラム部分または構造420は、「半波」(
図4Aおよび4Cに図示される)、「全波」(
図4Eに図示される)、「複数の半波」(
図4Bおよび4Dに図示される)、「複数の全波」(
図4Fに図示される)、または「半波」および「全波」構成の任意の組み合わせを含んでもよい。ロール型ダイヤフラムの「波」設計およびピストン設計の組み合わせは、有利なこととして、ダイヤフラム170が、作動される際、中心ディスク領域またはピストン構造410の歪みを低減させ、これは、(弁180の弁ステム188とともに)ピストン構造410が傾斜を殆ど伴わずに垂直に移動することを可能にする。弁ステム188の傾斜運動は、弁ヘッド186と弁座184との間に不完全な流体シールを引き起こし、弁180を漏出させ得る。極端な傾斜の場合では、弁ステム188は、調整器120の内側に詰まった状態になり、圧力調整器120を誤動作させ得る。
【0130】
好ましい実施形態では、可動ダイヤフラム170は、低密度ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の成型プラスチックまたはポリマーであってもよい。Oリング190は、エラストマから作製されてもよく、圧力調整器120の他の構成要素は、医療等級成型可能ポリマーを使用してもよい。例えば、封入体151は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチックから作製されてもよい。
【0131】
例えば、「Fluid Flow Regulator」と題された、Lal et al.への米国特許第5,520,661号および「Pressure Regulator」と題された、Massengale et al.への米国特許第7,766,028号に説明されるもの等の他の圧力調整器が、使用され得ることを理解されたい。
(圧力調整器および流動制限器を伴う注入ポンプの製造および較正)
【0132】
図7は、注入デバイス100aおよび100bを較正するための例示的配列のブロック図を図示する。例えば、較正プロセスは、流動制限器130の適切な長さを決定するために使用される、ガス源560と、流率センサ570とを含んでもよい。ある実施例では、流動制限器130は、随意に、サンプル保持器585によって定位置に保持され得る、サブアセンブリ150a(以降では、サブアセンブリ150と称される)を形成するために、圧力調整器120に接続されてもよい。サブアセンブリ150の流動制限器130は、次いで、ブレード切断機械580によってある長さに調節または切断されてもよい。加えて、較正プロセスは、流動出力を測定するために、サブアセンブリ150から下流に試験流量計590を含んでもよい。
【0133】
ここで、
図1Bと併せて
図10を参照すると、方法700は、圧力調整器120および管類流動制限器130を伴う注入デバイス100bを較正するためのある実施形態を図示する。ブロック710において、圧力調整器120の出口圧力が、所定の圧力または設定点に大まかに設定される。例えば、圧力調整器120は、約2.5psi(例えば、2.3psi~2.7psi)に設定されてもよい。次いで、流動制限器130は、圧力調整器120の出口194に接続され、サブアセンブリ150aを形成する。
【0134】
ブロック714において、サブアセンブリ150aは、
図7に図示されるものと同様に、較正のために試験システム上に配設される。例えば、試験システムは、加圧ガス供給源(例えば、ガス源560)と、流動センサ(例えば、流動センサ570および/または流量計590)と、サブアセンブリサンプル保持器(例えば、サンプル保持器585)と、ブレード切断機械(例えば、切断機械580)とを含んでもよい。ある実施例では、ブレード切断機械は、流動制限器130の長さを測定するための長さ測定能力を有する。
【0135】
較正を開始するために、ガス(例えば、空気)が、ブロック716において、ガスが、試験システムの全ての構成要素を通して流動するように、一定の圧力、例えば、5psiにおいてサブアセンブリ150aを通して注入される。好ましくは、ガスは、除湿される、または一定の相対湿度レベルに保たれる。加えて、試験環境は、好ましくは、較正プロセスの間に一定の温度、例えば、23℃に保たれる。
【0136】
ブロック718および720において、サブアセンブリ150aの初期流率(Q0)および流動制限器130の初期長さまたは未切断長さ(Luncut)が、測定される。ある実施例では、流率および長さは、同時に測定されてもよい。例えば、流動センサは、サブアセンブリ150aの流率を測定し得る一方、ブレード切断機械は、流動制限器130の長さを測定する。次いで、管類流動制限器130からトリミングするべき管類の長さ(L1st cut)が、ブロック722において決定され、管類が、ブロック724において、規定された長さまたは残留長さ(LR)に切断される。残留長さ(LR)は、未切断長さ(Luncut)から、第1の切断からトリミングされる管類の量(L1st cut)を差し引いたものであり、例えば、(LR=Luncut-L1st cut)である。第1の切断長さは、最終標的流率、圧力調整器120の所定の出口圧力、および/または類似する流率および出口圧力を伴う以前の較正に基づいて推定されてもよい。加えて、トリミングするべき管類の長さ(L1st cut)はまた、方法600において上記に議論される、円形管を通した流体(液体またはガス)の定常層流を説明するために使用されるハーゲン・ポアズイユの式から推定されてもよい。好ましくは、残留長さ(LR)は、流動制限器130の最終標的長さ(LT)よりも長い。加えて、残留長さ(LR)が、最終標的長さ(LT)よりも10mm~15mm長いことが、好ましい。
【0137】
ブロック726において、サブアセンブリ150aの残留流率(QR)および管類流動制限器130の残留長さ(LR)が、測定される。上記に議論されるように、流率および長さは、同時に測定されてもよい。管類流動制限器130を通した体積流率は、層流領域内の管長さに反比例するため、初期流率(Q0)、残留流率(QR)、未切断長さ(Luncut)、および残留長さ(LR)の測定された値から、流率(Q)と流動制限器長さの逆数(1/L)との間の相関が、決定されてもよい。流動制限器130の内径がほぼ一定である実施例では、相関は、線形方程式であってもよい。相関(例えば、線形方程式)および最終標的流率(QT)に基づいて、流動制限器130の最終標的長さ(LT)が、ブロック728において決定されてもよい。次いで、ブロック730において、管類流動制限器が、規定された最終長さ(LT)に切断されてもよい。
【0138】
切断するステップおよび残留長さおよび流率を測定するステップの複数の反復が、より多くのデータ点との相関を発生させるために実施されてもよい。例えば、付加的切断(例えば、5回の切断)が、6つのデータ点(例えば、初期測定からのデータ点および5回の切断のそれぞれの後の測定からの5つのデータ点)のそれぞれを使用して、相関および最良適合線を作成するために行われてもよい。加えて、相関の正確度はさらに、試験環境の温度および相対湿度を精密に維持し、圧力源からのいかなる増減も排除または低減させ、流動センサおよび長さ測定デバイスの精度を高め、流動制限器130の内径の変動を低減させることによって改良されてもよい。流動制限器130の内径のある程度の変動が、存在し得るが、サブアセンブリ150aの流率は、流動制限器130の全長に沿った内径に依存し、流動制限器の等価内径は、ほぼ一定であると仮定され得る。例えば、(i)流率は、流動制限器130全体の内径に依存し、(ii)最終長さ(LT)は、好ましくは、切断長さ(L1st cut)よりもはるかに長く、(iii)内径変動は、流動制限器全体に沿って無作為である(すなわち、設計によらない)ため、流動制限器130の直径変動のいかなる影響も、無視できる可能性が高い。
【0139】
エラストマ注入ポンプ100bの上記の実施形態に関する組立および較正は、より高速かつより費用効果が高い構造の利点を提供し、汚染のリスクを低減させる。例えば、制限器130および圧力調整器120は、例えば、水を介した較正のためのいかなるタイプの液体も要求しない。故に、較正後に部品を乾燥させるいかなる必要性も、存在しない。
【0140】
図10に図示される較正プロセスと同様に、
図8および
図9に図示される製造および較正プロセスはまた、圧力調整器120および流動制限器130を伴う注入デバイス(例えば、注入デバイス100b)のために使用されてもよい(
図8および9のステップのうちのいくつかは、圧力調整器120および流動制限器130を伴う注入デバイスに関して冗長であり得る)。例えば、方法600および/または方法650のステップは、管類流動制限器130および/または圧力調整器120をサブアセンブリ150に組み立てた後に完了されてもよい。
【0141】
例えば、ガス流率対液体流率の間の換算係数を決定する方法は、一定圧力のガス/液体源を使用してガス/液体試験を実施することであり、圧力調整器120および流動制限器130のサブアセンブリ150の上流側における圧力は、圧力調整器120内で選択される「標的圧力」よりも約20%高くなるように制御される。
【0142】
加えて、方法650のブロック662において、圧力調整器120および流動制限器130を使用するとき、流体の圧力(P)は、流体が、圧力調整器120および流動制限器130を通して進行し、圧力(P)を均等にするため、この時点でシステム全体を通して一定である。
【0143】
再び
図8を参照すると、ブロック602において、ポンプサブアセンブリ150が、圧力調整器120および流動制限器130をともに組み立てることによって組み立てられてもよい。同様に、再び
図9を参照すると、ブロック652において、ポンプサブアセンブリ150が、圧力調整器120および流動制限器130をともに組み立てることによって組み立てられてもよい。例えば、方法600および/または方法650は、圧力調整器120および流動制限器130をともに組み立てることによって、例えば、管類コネクタを介して、流動制限器を圧力調整器120の流体出口194の中に圧縮嵌合すること等によって開始されてもよい。
【0144】
図11の方法800は、組立および較正プロセスのある例示的シーケンスを図示する。例えば、方法800は、方法700と併用されてもよく、例えば、方法700は、
図11、
図12、および
図13の変調ステップの間に使用されてもよい。加えて、方法800は、方法600または650の代替として使用されてもよい。最初に、ブロック810において、圧力調整器120の圧力設定点が、標的圧力に設定され、これは、ブラダ110内の流体が、完全に排気される前にブラダ縮小によって発生される圧力よりも低い。また、
図3Bを参照すると、ダイヤフラム170に対して機械的アクチュエータ160によって印加される力は、所望の標的出口圧力が、受容されるまで、改変される。これは、自動フィードバック調節システムによって達成されることができる一方、圧力調整器120の入口192は、圧力源に接続され、圧力調整器出口194は、圧力センサに接続され、圧力調整器の機械的アクチュエータ160を形成するねじプランジャは、自動ねじ駆動装置に接続される。自動フィードバック調節システムは、標的出口圧力が、達成されるまで、測定された出口圧力と圧力調整器120の標的出口圧力との間の差異に基づいて、ねじプランジャの垂直位置を圧力調整器120の上部筐体152内のねじ軌道に引締し、微回転させる(例えば、プランジャシリンダ164内でばね162を圧縮する)であろう。本自動フィードバック調節システムを使用する圧力調整器の出口圧力精度は、±2%~±10%に及ぶことができる。
【0145】
設定点はまた、圧力調整器の上部筐体内のねじ軌道内のねじプランジャの最も深い設定(例えば、プランジャシリンダ164内のばね162の最大圧縮設定)であってもよい(すなわち、5mm等のプランジャの垂直位置)。設定点は、ねじプランジャを圧力調整器120の上部筐体に引締するとき、自動ねじ駆動装置の回転速度および引締時間を固定することによって達成されることができる。調節システムは、上記に説明される方法と比較して、いかなる圧力源、圧力センサ、またはフィードバックシステムも伴わない自動ねじ駆動装置を含む。圧力調整器出口圧力の変動は、プランジャの変動、回転速度および引締時間の増減等に起因して、上記に説明される方法と比較して、比較的に大きい。本方法を使用する圧力調整器の出口圧力精度は、±5%~±20%に及ぶことができる。
【0146】
管類流動制限器130を組み立てる前に圧力調整器120を設定点(ねじプランジャの垂直位置)に事前設定するための後者の方法は、これが、圧力調整器120の設定点として「標的(出口)圧力」を使用する第1の方法と比較して、より少ない時間で完了され得、より容易な設定を伴い得るため、100%検査を伴う大量生産のためにより適合可能であり得る。
【0147】
次いで、ブロック812において、圧力調整器120が、サブアセンブリ150を形成するために、流動制限器130と組み立てられる。ある実施例では、サブアセンブリ150の流率は、ブラダ110との最終組立の前に、具体的値に下記に議論されるように調節される。
【0148】
例えば、サブアセンブリ150は、ブロック814において、ガス(例えば、空気、窒素、他の不活性ガス)流率試験を実施することによって、流率設定点(例えば、±5%以内)に調節される。典型的には、ガス流率設定プロセスは、約5~10秒だけかかり得る。例えば、流動制限器130の長さを調節することによって、サブアセンブリの流率精度を調節した後、サブアセンブリは、ブロック816において、ブラダと組み立てられる。流動制限器130の長さは、上記に説明される方法700に従って調節されてもよい。
【0149】
プラスチック管類流動制限器130が使用される(および調節器140が使用されない)実施例では、サブアセンブリ150の流率は、空気流試験の間にプラスチック管類流動制限器130を所望の長さに切断することによって調節されてもよい。
【0150】
図12の方法820は、組立および較正プロセスの代替シーケンスを図示する。方法820は、
図11の方法800において上記に説明されるものに類似するが、サブアセンブリ150は、ブロック832において圧力調整器を設定点に調節する前に、ブロック830において構築される。方法820は、上記のブロック814および816に説明されるステップに類似するブロック834および836を継続する。
【0151】
図13の方法840は、組立および較正プロセスのまた別の例示的シーケンスを図示する。ブロック850において、圧力調整器120が、サブアセンブリ150を形成するために、流動制限器130と事前組立される。ブロック852において、サブアセンブリ150の圧力調整器120が、圧力調整器120のプランジャを所定の値に圧縮することによって、大まかな設定点に事前設定される。サブアセンブリ150の最終出口圧力公差は、ブロック854において、圧力調整器120のプランジャ場所を微修整するか、またはガス(例えば、空気、窒素、不活性ガス)流率試験を使用してサブアセンブリ150内の流動制限器130の流動抵抗を変調させるかのいずれかによって、所望の精度に調節される。例えば、流動制限器130の流動抵抗は、流動制限器130を所望の長さに改変(例えば、切断)することによって変調されてもよい。流動制限器130の長さは、上記に説明される方法700に従って調節されてもよい。ブロック856において、圧力調整器120のプランジャ場所が、微調節の後に定位置に係止される。ブロック858において、サブアセンブリ150が、ブラダ110と組み立てられる。
(圧力調整器、流動制限器、および流率調節器を伴う注入ポンプ)
【0152】
図1Cは、エラストマ注入ポンプ100cの第2の実施形態を図示する。
図1Cでは、エラストマ注入ポンプ100cは、弾性ブラダ110と、圧力調整器120と、流率調節器140と、流動制限器130とを含む。随意に、注入ポンプ100cは、上記に説明されるもの等のPCM(描写せず)を含んでもよい。圧力調整器120、流動制限器130、および流率調節器140は、一実施形態では、サブアセンブリ150bに統合される。加えて、流率調節器140および流動制限器130は、同一の統合される構成要素として、または2つの別個の構成要素として形成されてもよい。弾性ブラダ110、圧力調整器120、流率調節器140、および流動制限器130は、流体が、弾性ブラダ110から、圧力調整器120に、流動制限器130に、そして流率調節器140に流動する際、流体連通する。流率調節器140は、流動制限器130から上流または下流に位置してもよい。ある実施例では、流率調節器140は、手動流率制御機構を有してもよい。別の実施例では、流率調節器140は、バッテリ動作され、プログラム可能であってもよい。
【0153】
図1Cに図示されるように、流体は、ブラダ110から出口113に、かつ出口管類116を通して圧力調整器120に流動してもよい。例えば、出口管類116は、圧力調整器120と流体連通するように出口113(例えば、ブラダ出口)を設置してもよい。圧力調整器120および流動制限器130は、付加的管類を介して、および/またはコネクタ119を介してともに結合される、または流体連通するように設置されてもよい。同様に、流動制限器130および流率調節器140は、付加的管類および/またはコネクタを介してともに結合される、または流体連通するように設置されてもよい。
【0154】
サブアセンブリ150aと同様に、サブアセンブリ150bは、好ましくは、ポンプヘッド高さからの変動を低減させるために、カテーテル-患者界面に近接する患者の遠位端の近傍に配設される。
【0155】
図2は、流率調節器140を伴うサブアセンブリ150bを図示する。
図2に図示されるように、注入デバイス100cは、流動制限器130(
図5Aおよび5Bにより詳細に議論される)を介して流率調節器140(下記および
図6Aおよび6Bにより詳細に議論される)に結合される、圧力調整器120(
図3A-4Fにより詳細に議論される)と連通するブラダ110を含む。流動制限器130は、圧力調整器120の流体出口194の中に圧入されてもよい。同様に、流動制限器130の遠位端510および流率調節器140は、返し付き、ルアーロック、螺着、圧縮嵌合等の任意のタイプの管コネクタのために構成されてもよい。加えて、圧力調整器120、流動制限器130、および/または流率調節器140は、溶剤接合、接着剤接合、螺着接続、圧入コネクタ等を介して接続されてもよい。
【0156】
図2に図示されるように、流動制限器130は、圧力調整器120の下流かつ流率調節器140の上流に位置してもよい。しかしながら、流動制限器130はまた、流率調節器140の下流に位置してもよい。
流率調節器
【0157】
図6Aに図示されるように、流率調節器140の一実施形態は、入口522を画定する底部筐体520と、出口524を画定する回転可能キャップ550とを含んでもよい。加えて、流率調節器140は、内部筐体530と、ガスケット保持器540とを含む。内部筐体530は、底部筐体520内に位置付けられる。図示される実施形態では、ガスケット保持器540は、チャネル542を有する、または画定する一方、内部筐体530は、別のチャネル532を画定する。例えば、内部筐体530(例えば、ポリカーボネート筐体)は、チャネル532を有する、または画定するように成型されてもよく、シリコンガスケット保持器540は、チャネル542を画定するように成型されてもよい。内部筐体530およびガスケット保持器540は、第1のチャネル532および第2のチャネル542が、交差し、内部筐体530上の第1のチャネル532からの流体が、ガスケット保持器540内の第2のチャネル542に沿って、かつその中に流動することを可能にするように配列されてもよい。
【0158】
図6Aおよび6Bを参照すると、流体は、入口522における位置_Aにおいて開始し、位置_Bにおけるチャネル532の開始点へ、内部筐体530上のチャネル532に沿って、位置_Cから位置_Dまたは位置_D’(回転配向に応じて)に、ガスケット保持器540内のチャネル542を通して、位置_Eへと流路を辿り、位置_Fにおける出口524を通して退出してもよい。
【0159】
図6Bに図示されるように、内部筐体530上のチャネル532の直径または断面積は、これが、
図6Bにおいて反時計回りに延在するにつれて、流動方向に沿って(例えば、位置_Cから位置_Dへ)徐々に減少してもよい。例えば、チャネル532の直径または断面積は、「交点1」または位置_Dにおけるものよりも「交点2」または位置_D’においてより小さい。筐体530によって画定されるチャネル532の長さおよび断面積は、流率調節器140を調節することによって提供される流動抵抗を決定する。ある実施例では、流動抵抗は、シリコーンガスケット保持器540に関して内部筐体530を回転させ、チャネル542と連通するチャネル532の量を調節し、それによって、流動チャネル全体(例えば、チャネル542および位置_Bから位置_Dへのチャネル532)の有効長さを変化させ、したがって、流動チャネルの全体的抵抗を変化させることによって調節されてもよい。
図6Bに図示されるように、第1の流動チャネル532および第2の流動チャネル542の交差は、第1の流動チャネル532の長さが、位置_Bから位置_Dまで延在するように、「交点1」において起こってもよい。代替として、流動チャネルの有効長さを増加させるために、回転可能キャップ550は、交点を「交点1」から「交点2」に移動させるために、底部筐体520に対して反時計回り方向に回転されてもよい。第1の流動チャネル532および第2の流動チャネル542の交差が、「交点2」において起こるとき、第1の流動チャネル532の長さは、位置_Bから位置_D’まで延在する。第1の流動チャネル532および第2の流動チャネル542が、連通を維持することを確実にするために、第1の流動チャネル532の中心線は、筐体530の中心(例えば、回転の中心)から一定の半径を伴う円形経路に沿って位置付けられる。
【0160】
流動チャネル532が円形である実施例では、円形流動チャネルの直径または半径は、チャネル532の断面積を縮小するように縮小されてもよい。別の実施形態では、流動チャネル532は、長方形断面を有してもよく、流動チャネル532の断面積を縮小することは、流動チャネル532の幅を狭化すること、流動チャネル532の深さ/高さを小さくすること、またはそれらの組み合わせによって遂行されてもよい。
【0161】
流率調節器140は、注入デバイス100cのエラストマポンプが、電気機械的ポンプと同様の機能を果たすように、薬剤師、臨床医、および患者等のエンドユーザが、所望の流率を選定することを可能にする。流率調節は、広い範囲の連続的流率調節を提供し、典型的には、0.1~1ml/時、1~10ml/時、10~100ml/時、100~1,000ml/時等の狭い流率範囲内のいくつかの離散的流率にしか調節され得ない、従来的流率調節器と比較して、改良された性能を提供してもよい。例えば、本明細書に開示される実施形態は、0.5ml/時~100ml/時の流率調節を可能にしてもよい。
【0162】
流率調節器140は、1つの筐体上に矢印、切り欠き等のインジケータを有し得る一方、別の筐体は、流率のインジケーションを有する。次いで、ユーザが、相互に対して筐体を回転させると、ユーザは、選択されている流率の内容を視覚的に決定することができる。流率調節器140を使用することによって、注入デバイスの正確度は、+/-5%に改良されてもよい。
【0163】
流率調節器140は、流動制限器130からの流率を微修整するために使用されてもよい。例えば、流動制限器130は、公称流率正確度を提供してもよく、流率調節器140は、流動制限器130によって提供される公称正確度を微修整するために使用されてもよい。別の実施例では、流率調節器140は、圧力調整器120から退出する流体の流率を調節するために、流動制限器130の代わりに使用されてもよい。
【0164】
流率調節は、手動または自動であってもよい。例えば、流率調節は、モータを介して流率を所望の出口流率または圧力に自動的に調節するために、バッテリ動作され、プログラム可能であってもよい。機械的流率調節に関して、流率は、流率調節器自体で調節されてもよい。例えば、流率は、所望の流率まで、または所望の流率が、達成されるまで、ガスケット保持器540および/またはキャップ550に対して内部筐体530をダイヤル調節する(例えば、回転させる)ことによって調節されてもよい。加えて、流率調節器140が、設定される(または使用中ではない)場合、流率は、機械的アクチュエータ160のプランジャのばね定数または垂直位置、したがって、調整器の出口圧力または「設定点」を変化させることによって、圧力調整器120上で調節されてもよい。
【0165】
ある実施例では、底部筐体520は、PVCから作製されてもよく、内部筐体530は、ポリカーボネートから作製されてもよく、ガスケット保持器540は、シリコーンから作製されてもよく、回転可能キャップ550は、ポリカーボネートから作製されてもよい。他の実施例では、他の材料または材料組み合わせが、使用されてもよい。
【0166】
上記の流率調節機構130および140は、それらのポンプの調節可能流率制御の範囲または正確度を拡張するために、異なるブラダ構成を伴う他のエラストマ注入ポンプに適用され得ることを理解されたい。
(圧力調整器、流動制限器、および/または流率調節器を伴う注入ポンプの製造および較正)
【0167】
エラストマ注入ポンプ100cの上記の実施形態に関する組立および較正は、より高速かつより費用効果が高い構造の利点を提供し、汚染のリスクを低減させる。例えば、制限器130、圧力調整器120、および流率調節器140は、例えば、水を介した較正のためのいかなるタイプの液体も要求しない。故に、較正後に部品を乾燥させるいかなる必要性も、存在しない。
【0168】
さらなる調節および較正が、注入デバイス上に流率調節器140を組み立てることによって達成されてもよい。方法600、650、700、800、820、および/または840は、圧力調整器120と、流動制限器130と、流率調節器140とを含む、注入デバイス(例えば、注入デバイス100c)を組み立てるために使用されてもよい。
【0169】
速度調節器140を伴う流動制限器130が使用される実施例では、サブアセンブリ150の流率は、速度調節器140を伴うプラスチック流動制限器130の流動チャネル長さを調節することによって、例えば、ガスケット保持器440に対して筐体430をダイヤル調節または回転させ、流動チャネルの有効長さを変化させることによって調節されてもよい。
【0170】
本開示の多くの特徴および利点が、記載される説明から明白であり、したがって、添付される請求項は、本開示の全てのそのような特徴および利点を網羅することを意図している。さらに、多数の修正および変更が、当業者に容易に想起されるであろうため、本開示は、例証および説明されるような厳密な構造および動作に限定されない。したがって、説明される実施形態は、制限的ではなく、例証的としてとられるべきであり、本開示は、本明細書に与えられる詳細に限定されるべきではなく、現在または将来において予見可能であるか、または予見不可能であるかを問わず、以下の請求項および均等物のそれらの全範囲によって定義されるべきである。