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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/22 20060101AFI20240610BHJP
   F16H 61/02 20060101ALI20240610BHJP
   F16H 59/26 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
E02F9/22 A
F16H61/02
F16H59/26
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021063686
(22)【出願日】2021-04-02
(65)【公開番号】P2022033099
(43)【公開日】2022-02-28
【審査請求日】2023-06-23
(31)【優先権主張番号】P 2020137188
(32)【優先日】2020-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】長尾 昂平
(72)【発明者】
【氏名】福田 祐史
(72)【発明者】
【氏名】濱本 亮太
(72)【発明者】
【氏名】中川 裕朗
(72)【発明者】
【氏名】野口 智行
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-038002(JP,A)
【文献】特開2001-125657(JP,A)
【文献】特開2004-350724(JP,A)
【文献】特開2004-350740(JP,A)
【文献】特開2005-061016(JP,A)
【文献】特開2003-118624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/22
F16H 61/02
F16H 59/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
前記機体の左側に設けられた左走行装置と、
前記機体の右側に設けられた右走行装置と、
前記左走行装置に動力を伝達可能な左走行モータと、
前記右走行装置に動力を伝達可能な右走行モータと、
作動油を受圧する第1受圧部及び第2受圧部を有し且つ、少なくとも前記第1受圧部及び前記第2受圧部のいずれかに作動油が作用したときに前記左走行モータに作動油を供給する左走行ポンプと、
前記作動油を受圧する第3受圧部及び第4受圧部を有し且つ、少なくとも前記第3受圧部及び前記第4受圧部のいずれかに作動油が作用したときに前記右走行モータに作動油を供給する右走行ポンプと、
少なくとも左方と前方との左前操作エリア、右方と前方の右前操作エリア、左方と後方との左後操作エリア、右方と後方との右後操作エリアに操作可能な走行操作部材を有し、前記左前操作エリア、前記右前操作エリア、前記左後操作エリア及び前記右後操作エリアにおける操作位置に応じて、前記第1受圧部、前記第2受圧部、前記第3受圧部及び前記第4受圧部のいずれかに作動油を作用させる走行操作装置と、
前記第1受圧部に接続し且つ前記走行操作部材を操作したときに前記第1受圧部に作用する作動油を通過させる第1走行油路と、
前記第2受圧部に接続し且つ前記走行操作部材を操作したときに前記第2受圧部に作用する作動油を通過させる第2走行油路と、
前記第3受圧部に接続し且つ前記走行操作部材を操作したときに前記第3受圧部に作用する作動油を通過させる第3走行油路と、
前記第4受圧部に接続し且つ前記走行操作部材を操作したときに前記第4受圧部に作用する作動油を通過させる第4走行油路と、
前記第1走行油路の作動油の圧力である第1パイロット圧を検出可能な第1圧力検出装置と、
前記第2走行油路の作動油の圧力である第2パイロット圧を検出可能な第2圧力検出装置と、
前記第3走行油路の作動油の圧力である第3パイロット圧を検出可能な第3圧力検出装置と、
前記第4走行油路の作動油の圧力である第4パイロット圧を検出可能な第4圧力検出装置と、
前記第1パイロット圧、前記第2パイロット圧、前記第3パイロット圧及び前記第4パイロット圧に基づいて、前記走行操作部材の操作位置が、前記左前操作エリア、前記右前操作エリア、前記左後操作エリア及び前記右後操作エリアのいずれかに位置しているかを判断する制御装置と、
を備え
前記制御装置は、
前記第4パイロット圧よりも前記第3パイロット圧が大きい場合は、前記走行操作部材の操作位置が、前記左前操作エリアと、前記左後操作エリアにおける中立位置から後方へ斜めに延びるラインを境界とする左側エリアと、前記右前操作エリアにおける前記中立位置から前方へ斜めに延びるラインを境界とする左側エリアとのいずれかに位置していると判断し、
前記第2パイロット圧よりも前記第1パイロット圧が大きい場合は、前記走行操作部材の操作位置が、前記右前操作エリアと、前記右後操作エリアにおける前記中立位置から後方へ斜めに延びるラインを境界とする右側エリアと、前記左前操作エリアにおける前記中立位置から前方へ斜めに延びるラインを境界とする右側エリアとのいずれかに位置していると判断し、
前記第4パイロット圧よりも前記第3パイロット圧が小さく且つ、前記第2パイロット圧よりも前記第1パイロット圧が小さい場合は、前記走行操作部材の操作位置が、前記左後操作エリアにおける前記中立位置から左斜め方向に延びるラインを境界とする右側エリアと、前記右後操作エリアにおける前記中立位置から右斜め方向に延びるラインを境界とする左側エリアに位置していると判断する作業機。
【請求項2】
前記制御装置は
前記第3パイロット圧に対する前記第4パイロット圧の第1比率が所定未満である場合は、前記走行操作部材の操作位置が、少なくとも前記左前操作エリアに位置していると判断し、
前記第3パイロット圧に対する前記第1パイロット圧の第2比率が所定範囲内である場合は、前記走行操作部材の操作位置が、前記左前操作エリアにおける前記中立位置から前方へ斜めに延びるラインを境界とする右側エリアと、前記右前操作エリアにおける前記中立位置から前方へ斜めに延びるラインを境界とする左側エリアとのいずれかに位置していると判断し、
前記第1パイロット圧に対する前記第4パイロット圧の第4比率が所定範囲内であるときは、前記走行操作部材の操作位置が、前記左前操作エリアにおける左側エリアの一部及び前記左後操作エリアの左側エリアの一部のいずれかに位置していると判断し、
前記第1パイロット圧に対する前記第2パイロット圧の第5比率が所定未満である場合は、前記走行操作部材の操作位置が、少なくとも前記右前操作エリアに位置していると判断し、
前記第1パイロット圧に対する前記第3パイロット圧の第6比率が所定範囲内である場合は、前記走行操作部材の操作位置が、前記左前操作エリアにおける前記中立位置から前方へ斜めに延びるラインを境界とする右側エリアと、前記右前操作エリアにおける前記中立位置から前方へ斜めに延びるラインを境界とする左側エリアとのいずれかに位置していると判断し、
前記第1パイロット圧に対する前記第4パイロット圧の第7比率が所定範囲内で且つ第3パイロット圧が前記第2パイロット圧よりも大きい場合は、前記走行操作部材の操作位置が、前記右前操作エリアにおける中立位置から前方へ斜めに延びるラインを境界とする右側エリアに位置していると判断し、
前記第3パイロット圧に対する前記第2パイロット圧の第8比率が所定範囲内であるときは、前記走行操作部材の操作位置が、前記右前操作エリアにおける右側エリアの一部及び前記右後操作エリアの右側エリアの一部のいずれかに位置していると判断し、
さらに、制御装置は、
前記第1比率が所定未満でなく、前記第2比率が所定範囲内でなく、前記第4比率が所定範囲内でなく、前記第5比率が所定未満でなく、前記第6比率が所定範囲内になく、前記第7比率が所定範囲内で且つ第3パイロット圧rfが第2パイロット圧lbよりも大きくなく、前記第8比率が所定範囲内でない場合は、前記走行操作部材の操作位置が、前記左後操作エリアにおける前記中立位置から左斜め方向に延びるラインを境界とする右側エリアと、前記右後操作エリアにおける前記中立位置から右斜め方向に延びるラインを境界とする左側エリアに位置していると判断する請求項に記載の作業機。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記第1パイロット圧に対する前記第4パイロット圧の第4比率が所定範囲内であるときは、前記走行操作部材の操作位置が、前記左前操作エリアにおける左側エリアの一部及び前記左後操作エリアの左側エリアの一部のいずれかに位置していると判断し、
前記第3パイロット圧に対する前記第2パイロット圧の第8比率が所定範囲内であるときは、前記走行操作部材の操作位置が、前記右前操作エリアにおける右側エリアの一部及び前記右後操作エリアの右側エリアの一部のいずれかに位置していると判断し、
前記第1パイロット圧に対する前記第4パイロット圧の第4比率が所定範囲外で且つ、前記第3パイロット圧に対する前記第2パイロット圧の第8比率が所定範囲外であるときは、前記走行操作部材の操作位置が、前記左後操作エリアにおける前記中立位置から左斜め方向に延びるラインを境界とする右側エリアと、前記右後操作エリアにおける前記中立位置から右斜め方向に延びるラインを境界とする左側エリアとを含む範囲に位置していると判断する請求項1に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ、バックホー等の作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、作業機において減速及び増速を行う技術として特許文献1に示されているものがある。特許文献1の作業機は、エンジンを含む原動機と、原動機の動力により作動し且つ、作動油を吐出する油圧ポンプと、作動油の圧力に応じて第1速度と、第1速度よりも高速である第2速度とに速度が変更可能な走行油圧装置と、走行油圧装置に作用する作動油の圧力を変更可能な作動弁と、作動油の圧力を検出可能な測定装置と、を備え、作動弁は、測定装置から検出された作動油の圧力である検出圧力が、第2速度に対応する設定圧から所定圧未満に低下した場合に、走行油圧装置に作用する作動油の圧力を減圧して、走行油圧装置を第1速度に減速している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-179923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の作業機では、走行中に走行装置に供給される作動油の圧力が所定以上である場合に、第2速度から第1速度に自動減速することができる。近年、作業機(走行装置)の進行方向、即ち、走行操作部材の操作方向を判断したいという要望がある。
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、機体の走行を操作可能な走行操作部材の操作方向を簡単に判断することができる作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下の通りである。
本発明の一態様に係る作業機は、機体と、前記機体の左側に設けられた左走行装置と、前記機体の右側に設けられた右走行装置と、前記左走行装置に動力を伝達可能な左走行モータと、前記右走行装置に動力を伝達可能な右走行モータと、作動油を受圧する第1受圧部及び第2受圧部を有し且つ、少なくとも前記第1受圧部及び前記第2受圧部のいずれかに作動油が作用したときに前記左走行モータに作動油を供給する左走行ポンプと、前記作動油を受圧する第3受圧部及び第4受圧部を有し且つ、少なくとも前記第3受圧部及び前記第4受圧部のいずれかに作動油が作用したときに前記右走行モータに作動油を供給する右走行ポンプと、少なくとも左方と前方との左前操作エリア、右方と前方の右前操作エリア、左方と後方との左後操作エリア、右方と後方との右後操作エリアに操作可能な走行操作部材を有し、前記左前操作エリア、前記右前操作エリア、前記左後操作エリア及び前記右後操作エリアにおける操作位置に応じて、前記第1受圧部、前記第2受圧部、前記第3受圧部及び前記第4受圧部のいずれかに作動油を作用させる走行操作装置と、前記第1受圧部に接続し且つ前記走行操作部材を操作したときに前記第1受圧部に作用する作動油を通過させる第1走行油路と、前記第2受圧部に接続し且つ前記走行操作部材を操作したときに前記第2受圧部に作用する作動油を通過させる第2走行油路と、前記第3受圧部に接続し且つ前記走行操作部材を操作したときに前記第3受圧部に作用する作動油を通過させる第3走行油路と、前記第4受圧部に接続し且つ前記走行操作部材を操作したときに前記第4受圧部に作用する作動油を通過させる第4走行油路と、前記第1走行油路の作動油の圧力である第1パイロット圧を検出可能な第1圧力検出装置と、前記第2走行油路の作動油の圧力である第2パイロット圧を検出可能な第2圧力検出装置と、前記第3走行油路の作動油の圧力である第3パイロット圧を検出可能な第3圧力検出装置と、前記第4走行油路の作動油の圧力である第4パイロット圧を検出可能な第4圧力検出装置と、前記第1パイロット圧、前記第2パイロット圧、前記第3パイロット圧及び前記第4パイロット圧に基づいて、前記走行操作部材の操作位置が、前記左前操作エリア、前記右前操作エリア、前記左後操作エリア及び前記右後操作エリアのいずれかに位置しているかを判断する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記第4パイロット圧よりも前記第3パイロット圧が大きい場合は、前記走行操作部材の操作位置が、前記左前操作エリアと、前記左後操作エリアにおける中立位置から後方へ斜めに延びるラインを境界とする左側エリアと、前記右前操作エリアにおける前記中立位置から前方へ斜めに延びるラインを境界とする左側エリアとのいずれかに位置していると判断し、前記第2パイロット圧よりも前記第1パイロット圧が大きい場合は、前記走行操作部材の操作位置が、前記右前操作エリアと、前記右後操作エリアにおける前記中立位置から後方へ斜めに延びるラインを境界とする右側エリアと、前記左前操作エリアにおける前記中立位置から前方へ斜めに延びるラインを境界とする右側エリアとのいずれかに位置していると判断し、前記第4パイロット圧よりも前記第3パイロット圧が小さく且つ、前記第2パイロット圧よりも前記第1パイロット圧が小さい場合は、前記走行操作部材の操作位置が、前記左後操作エリアにおける前記中立位置から左斜め方向に延びるラインを境界とする右側エリアと、前記右後操作エリアにおける前記中立位置から右斜め方向に延びるラインを境界とする左側エリアに位置していると判断する。
【0007】
前記制御装置は
前記第3パイロット圧に対する前記第4パイロット圧の第1比率が所定未満である場合は、前記走行操作部材の操作位置が、少なくとも前記左前操作エリアに位置していると判断し、
前記第3パイロット圧に対する前記第1パイロット圧の第2比率が所定範囲内である場合は、前記走行操作部材の操作位置が、前記左前操作エリアにおける前記中立位置から前方へ斜めに延びるラインを境界とする右側エリアと、前記右前操作エリアにおける前記中立位置から前方へ斜めに延びるラインを境界とする左側エリアとのいずれかに位置していると判断し、
前記第1パイロット圧に対する前記第4パイロット圧の第4比率が所定範囲内であるときは、前記走行操作部材の操作位置が、前記左前操作エリアにおける左側エリアの一部及び前記左後操作エリアの左側エリアの一部のいずれかに位置していると判断し、
前記第1パイロット圧に対する前記第2パイロット圧の第5比率が所定未満である場合は、前記走行操作部材の操作位置が、少なくとも前記右前操作エリアに位置していると判断し、
前記第1パイロット圧に対する前記第3パイロット圧の第6比率が所定範囲内である場合は、前記走行操作部材の操作位置が、前記左前操作エリアにおける前記中立位置から前方へ斜めに延びるラインを境界とする右側エリアと、前記右前操作エリアにおける前記中立位置から前方へ斜めに延びるラインを境界とする左側エリアとのいずれかに位置していると判断し、
前記第1パイロット圧に対する前記第4パイロット圧の第7比率が所定範囲内で且つ第3パイロット圧が前記第2パイロット圧よりも大きい場合は、前記走行操作部材の操作位置が、前記右前操作エリアにおける中立位置から前方へ斜めに延びるラインを境界とする右側エリアに位置していると判断し、
前記第3パイロット圧に対する前記第2パイロット圧の第8比率が所定範囲内であるときは、前記走行操作部材の操作位置が、前記右前操作エリアにおける右側エリアの一部及び前記右後操作エリアの右側エリアの一部のいずれかに位置していると判断し、
さらに、制御装置は、
前記第1比率が所定未満でなく、前記第2比率が所定範囲内でなく、前記第4比率が所定範囲内でなく、前記第5比率が所定未満でなく、前記第6比率が所定範囲内になく、前記第7比率が所定範囲内で且つ第3パイロット圧rfが第2パイロット圧lbよりも大きくなく、前記第8比率が所定範囲内でない場合は、前記走行操作部材の操作位置が、前記左後操作エリアにおける前記中立位置から左斜め方向に延びるラインを境界とする右側エリアと、前記右後操作エリアにおける前記中立位置から右斜め方向に延びるラインを境界とする左側エリアに位置していると判断する。
【0013】
前記制御装置は、前記第1パイロット圧に対する前記第4パイロット圧の第4比率が所定範囲内であるときは、前記走行操作部材の操作位置が、前記左前操作エリアにおける左側エリアの一部及び前記左後操作エリアの左側エリアの一部のいずれかに位置していると判断し、前記第3パイロット圧に対する前記第2パイロット圧の第8比率が所定範囲内であるときは、前記走行操作部材の操作位置が、前記右前操作エリアにおける右側エリアの一部及び前記右後操作エリアの右側エリアの一部のいずれかに位置していると判断し、前記第1パイロット圧に対する前記第4パイロット圧の第4比率が所定範囲外で且つ、前記第3パイロット圧に対する前記第2パイロット圧の第8比率が所定範囲外であるときは、前記走行操作部材の操作位置が、前記左後操作エリアにおける前記中立位置から左斜め方向に延びるラインを境界とする右側エリアと、前記右後操作エリアにおける前記中立位置から右斜め方向に延びるラインを境界とする左側エリアとを含む範囲に位置していると判断する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、機体の走行を操作可能な走行操作部材の操作方向を簡単に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】作業機の油圧システム(油圧回路)を示す図である。
図2】走行操作部材の操作方向等を示す図である。
図3A】走行操作部材を左側に操作した場合の操作エリアを示した図である。
図3B】走行操作部材を右側に操作した場合の操作エリアを示した図である。
図4A】操作範囲(操作エリア)を判定する動作を示すフローである。
図4B図4Aに続いて、操作範囲(操作エリア)を判定する動作を示すフローである。
図5】後方側の操作エリアを示す図である。
図6】作業機の一例であるトラックローダを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る作業機の油圧システム及びこの油圧システムを備えた作業機の好適な実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
図6は、本発明に係る作業機の側面図を示している。図6では、作業機の一例として、コンパクトトラックローダを示している。但し、本発明に係る作業機はコンパクトトラックローダに限定されず、例えば、スキッドステアローダ等の他の種類のローダ作業機であってもよい。また、ローダ作業機以外の作業機であってもよい。
【0018】
作業機1は、図6に示すように、作業機1は、機体2と、キャビン3と、作業装置4と、一対の走行装置5L、5Rとを備えている。本発明の実施形態において、作業機1の運転席8に着座した運転者の前側(図6の左側)を前方、運転者の後側(図6の右側)を後方、運転者の左側(図6の手前側)を左方、運転者の右側(図6の奥側)を右方として説明する。また、前後の方向に直交する方向である水平方向を機体幅方向として説明する。機体2の中央部から右部或いは左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって、機体2から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向であって、機体2に近づく方向である。
【0019】
キャビン3は、機体2に搭載されている。このキャビン3には運転席8が設けられている。作業装置4は機体2に装着されている。一対の走行装置5L、5Rは、機体2の外側に設けられている。機体2内の後部には、原動機32が搭載されている。
作業装置4は、ブーム10と、作業具11と、リフトリンク12と、制御リンク13と、ブームシリンダ14と、バケットシリンダ15とを有している。
【0020】
ブーム10は、キャビン3の右側及び左側に上下揺動自在に設けられている。作業具11は、例えば、バケットであって、当該バケット11は、ブーム10の先端部(前端部)に上下揺動自在に設けられている。リフトリンク12及び制御リンク13は、ブーム10が上下揺動自在となるように、ブーム10の基部(後部)を支持している。ブームシリンダ14は、伸縮することによりブーム10を昇降させる。バケットシリンダ15は、伸縮することによりバケット11を揺動させる。
【0021】
左側及び右側の各ブーム10の前部同士は、異形の連結パイプで連結されている。各ブーム10の基部(後部)同士は、円形の連結パイプで連結されている。
リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダ14は、左側と右側の各ブーム10に対応して機体2の左側と右側にそれぞれ設けられている。
リフトリンク12は、各ブーム10の基部の後部に、縦向きに設けられている。このリフトリンク12の上部(一端側)は、各ブーム10の基部の後部寄りに枢支軸16(第1枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。また、リフトリンク12の下部(他端側)は、機体2の後部寄りに枢支軸17(第2枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第2枢支軸17は、第1枢支軸16の下方に設けられている。
【0022】
ブームシリンダ14の上部は、枢支軸18(第3枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第3枢支軸18は、各ブーム10の基部であって、当該基部の前部に設けられている。ブームシリンダ14の下部は、枢支軸19(第4枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第4枢支軸19は、機体2の後部の下部寄りであって第3枢支軸18の下方に設けられている。
【0023】
制御リンク13は、リフトリンク12の前方に設けられている。この制御リンク13の一端は、枢支軸20(第5枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第5枢支軸20は、機体2であって、リフトリンク12の前方に対応する位置に設けられている。制御リンク13の他端は、枢支軸21(第6枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第6枢支軸21は、ブーム10であって、第2枢支軸17の前方で且つ第2枢支軸17の上方に設けられている。
【0024】
ブームシリンダ14を伸縮することにより、リフトリンク12及び制御リンク13によって各ブーム10の基部が支持されながら、各ブーム10が第1枢支軸16回りに上下揺動し、各ブーム10の先端部が昇降する。制御リンク13は、各ブーム10の上下揺動に伴って第5枢支軸20回りに上下揺動する。リフトリンク12は、制御リンク13の上下揺動に伴って第2枢支軸17回りに前後揺動する。
【0025】
ブーム10の前部には、バケット11の代わりに別の作業具が装着可能とされている。別の作業具としては、例えば、油圧圧砕機、油圧ブレーカ、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等のアタッチメント(予備アタッチメント)である。
左側のブーム10の前部には、接続部材50が設けられている。接続部材50は、予備アタッチメントに装備された油圧機器と、ブーム10に設けられたパイプ等の第1管材とを接続する装置である。具体的には、接続部材50の一端には、第1管材が接続可能で、他端には、予備アタッチメントの油圧機器に接続された第2管材が接続可能である。これにより、第1管材を流れる作動油は、第2管材を通過して油圧機器に供給される。
【0026】
バケットシリンダ15は、各ブーム10の前部寄りにそれぞれ配置されている。バケットシリンダ15を伸縮することで、バケット11が揺動される。
一対の走行装置5L、5Rのうち、走行装置5Lは機体2の左側に設けられ、走行装置5Rは機体2の右側に設けられている。一対の走行装置5L、5Rは、本実施形態ではクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置が採用されている。なお、前輪及び後輪を有する車輪型の走行装置を採用してもよい。以下、説明の便宜上、走行装置5Lのことを左走行装置5L、走行装置5Rのことを右走行装置5Rということがある。
【0027】
原動機32は、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン等の内燃機関、電動モータ等である。この実施形態では、原動機32は、ディーゼルエンジンであるが限定はされない。
次に、作業機の油圧システムについて説明する。
図1に示すように、作業機の油圧システムは、第1油圧ポンプP1と、第2油圧ポンプP2とを備えている。第1油圧ポンプP1は、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第1油圧ポンプP1は、タンク22に貯留された作動油を吐出可能である。特に、第1油圧ポンプP1は、主に制御に用いる作動油を吐出する。説明の便宜上、作動油を貯留するタンク22のことを作動油タンクということがある。また、第1油圧ポンプP1から吐出した作動油のうち、制御用として用いられる作動油のことをパイロット油、パイロット油の圧力のことをパイロット圧ということがある。
【0028】
第2油圧ポンプP2は、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第2油圧ポンプP2は、タンク22に貯留された作動油を吐出可能であって、例えば、作業系の油路に作動油を供給する。例えば、第2油圧ポンプP2は、ブーム10を作動させるブームシリンダ14、バケットを作動させるバケットシリンダ15、予備油圧アクチュエータを作動させる予備油圧アクチュエータを制御する制御弁(流量制御弁)に作動油を供給する。
【0029】
また、作業機の油圧システムは、一対の走行モータ36L、36Rと、一対の走行ポンプ53L、53Rと、を備えている。一対の走行モータ36L、36Rは、一対の走行装置5L、5Rに動力を伝達するモータである。一対の走行モータ36L、36Rのうち、一方の走行モータ36Lは、走行装置(左走行装置)5Lに回転の動力を伝達し、他方の走行モータ36Rは、走行装置(右走行装置)5Rに回転の動力を伝達する。
【0030】
一対の走行ポンプ53L、53Rは、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、例えば、斜板形可変容量アキシャルポンプである。一対の走行ポンプ53L、53Rは、駆動することによって、一対の走行モータ36L、36Rのそれぞれに作動油を供給する。一対の走行ポンプ53L、53Rのうち、一方の走行ポンプ53Lは、走行ポンプ53Lに作動油を供給し、他方の走行ポンプ53Rは、走行ポンプ53Rに作動油を供給する。
【0031】
以下、説明の便宜上、走行ポンプ53Lのことを左走行ポンプ53L、走行ポンプ53Rのことを右走行ポンプ53R、走行モータ36Lのことを左走行モータ36L、走行モータ36Rのことを右走行モータ36Rということがある。
左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rは、第1油圧ポンプP1からの作動油(パイロット油)の圧力(パイロット圧)が作用する受圧部53aと受圧部53bとを有しており、受圧部53a、53bに作用するパイロット圧によって斜板の角度が変更される。左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rは、斜版の角度を変更することによって出力(作動油の吐出量)や作動油の吐出方向を変えることができる。
【0032】
左走行ポンプ53Lと、左走行モータ36Lとは、接続油路57hによって接続され、左走行ポンプ53Lが吐出した作動油が左走行モータ36Lに供給される。右走行ポンプ53Rと、右走行モータ36Rとは、接続油路57iによって接続され、右走行ポンプ53Rが吐出した作動油が右走行モータ36Rに供給される。
左走行モータ36Lは、左走行ポンプ53Lから吐出した作動油により回転が可能であり、作動油の流量によって、回転速度(回転数)を変更することができる。左走行モータ36Lには、斜板切換シリンダ37Lが接続され、当該斜板切換シリンダ37Lを一方側或いは他方側に伸縮させることによっても左走行モータ36Lの回転速度(回転数)を変更することができる。即ち、斜板切換シリンダ37Lを収縮した場合には、左走行モータ36Lの回転数は低速(第1速度)に設定され、斜板切換シリンダ37Lを伸長した場合には、左走行モータ36Lの回転数は高速(第2速度)に設定される。つまり、左走行モータ36Lの回転数は、低速側である第1速度と、高速側である第2速度とに変更が可能である。
【0033】
右走行モータ36Rは、右走行ポンプ53Rから吐出した作動油により回転が可能であり、作動油の流量によって、回転速度(回転数)を変更することができる。右走行モータ36Rには、斜板切換シリンダ37Rが接続され、当該斜板切換シリンダ37Rを一方側或いは他方側に伸縮させることによっても右走行モータ36Rの回転速度(回転数)を変更することができる。即ち、斜板切換シリンダ37Rを収縮した場合には、右走行モータ36Rの回転数は低速(第1速度)に設定され、斜板切換シリンダ37Rを伸長した場合には、右走行モータ36Rの回転数は高速(第2速度)に設定される。つまり、右走行モータ36Rの回転数は、低速側である第1速度と、高速側である第2速度とに変更が可能である。
【0034】
図1に示すように、作業機の油圧システムは、走行切換弁34を備えている。走行切換弁34は、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)の回転速度(回転数)を第1速度にする第1状態と、第2速度にする第2状態とに切換可能である。走行切換
弁34は、第1切換弁71L、71Rと、第2切換弁72と、を有している。
第1切換弁71Lは、左走行モータ36Lの斜板切換シリンダ37Lに油路を介して接続されていて、第1位置71L1及び第2位置71L2に切り換わる二位置切換弁である。第1切換弁71Lは、第1位置71L1である場合、斜板切換シリンダ37Lを収縮し、第2位置71L2である場合、斜板切換シリンダ37Lを伸長する。
【0035】
第1切換弁71Rは、右走行モータ36Rの斜板切換シリンダ37Rに油路を介して接続されていて、第1位置71R1及び第2位置71R2に切り換わる二位置切換弁である。第1切換弁71Rは、第1位置71R1である場合、斜板切換シリンダ37Rを収縮し、第2位置71R2である場合、斜板切換シリンダ37Rを伸長する。
第2切換弁72は、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを切り換える電磁弁であって、励磁により第1位置72aと第2位置72bとに切り換え可能な二位置切換弁である。第2切換弁72、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rは、油路41により接続されている。第2切換弁72は、第1位置72aである場合に第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを第1位置71L1、71R1に切り換え、第2位置72bである場合に第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを第2位置71L2、71R2に切り換える。
【0036】
つまり、第2切換弁72が第1位置72a、第1切換弁71Lが第1位置71L1、第1切換弁71Rが第1位置71R1である場合に、走行切換弁34は第1状態になり、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)の回転速度を第1速度にする。第2切換弁72が第2位置72b、第1切換弁71Lが第2位置71L2、第1切換弁71Rが第2位置71R2である場合に、走行切換弁34は第2状態になり、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)の回転速度を第2速度にする。
【0037】
したがって、走行切換弁34によって、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)を低速側である第1速度と、高速側である第2速度とに切り換えることができる。
操作装置(走行操作装置)54は、走行操作部材59を操作したときに、走行ポンプ(左走行ポンプ53L、右走行ポンプ53R)の受圧部53a、53bに作動油を作用させる装置であり、走行ポンプの斜板の角度(斜板角度)を変更可能である。操作装置54は、走行操作部材59と、複数の操作弁55とを含んでいる。
【0038】
走行操作部材59は、操作弁55に支持され、左右方向(機体幅方向)又は前後方向に揺動する操作レバーである。即ち、走行操作部材59は、中立位置Nを基準とすると、中立位置Nから右方及び左方に操作可能であると共に、中立位置Nから前方及び後方に操作可能である。言い換えれば、走行操作部材59は、中立位置Nを基準に少なくとも4方向に揺動することが可能である。尚、説明の便宜上、前方及び後方の双方向、即ち、前後方向のことを第1方向という。また、右方及び左方の双方向、即ち、左右方向(機体幅方向)のことを第2方向ということがある。
【0039】
また、複数の操作弁55は、共通、即ち、1本の走行操作部材59によって操作される。複数の操作弁55は、走行操作部材59の揺動に基づいて作動する。複数の操作弁55には、吐出油路40が接続され、当該吐出油路40を介して、第1油圧ポンプP1からの作動油(パイロット油)が供給可能である。複数の操作弁55は、操作弁55A、操作弁55B、操作弁55C及び操作弁55Dである。
【0040】
操作弁55Aは、前後方向(第1方向)のうち、走行操作部材59を前方(一方)に揺動した場合(前操作した場合)に、前操作の操作量(操作)に応じて出力する作動油の圧力が変化する。操作弁55Bは、前後方向(第1方向)のうち、走行操作部材59を後方(他方)に揺動した場合(後操作した場合)に、後操作の操作量(操作)に応じて出力する作動油の圧力が変化する。左右方向(第2方向)のうち、操作弁55Cは、走行操作部材59を右方(一方)に揺動した場合(右操作した場合)に、右操作の操作量(操作)に応じて出力する作動油の圧力が変化する。操作弁55Dは、左右方向(第2方向)のうち、走行操作部材59を、左方(他方)に揺動した場合(左操作した場合)に、左操作の操作量(操作)に応じて出力する作動油の圧力が変化する。
【0041】
複数の操作弁55と、走行ポンプ(左走行ポンプ53L,右走行ポンプ53R)とは、
走行油路45によって接続されている。言い換えれば、走行ポンプ(左走行ポンプ53L,右走行ポンプ53R)は、操作弁55(操作弁55A、操作弁55B、操作弁55C、操作弁55D)から出力した作動油によって作動可能な油圧機器である。
走行油路45は、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dと、第5走行油路45eとを有している。第1走行油路45aは、左走行ポンプ53Lの受圧部(第1受圧部)53aに接続された油路であり、走行操作部材59を操作したときに受圧部(第1受圧部)53aに作用する作動油を通過させる油路である。第2走行油路45bは、左走行ポンプ53Lの受圧部(第2受圧部)53bに接続された油路であり、走行操作部材59を操作したときに受圧部(第2受圧部)53bに作用する作動油を通過させる油路である。第3走行油路45cは、右走行ポンプ53Rの受圧部(第3受圧部)53aに接続された油路であり、走行操作部材59を操作したときに受圧部(第3受圧部)53aに作用する作動油を通過させる油路である。第4走行油路45dは、右走行ポンプ53Rの受圧部(第4受圧部)53bに接続された油路であり、走行操作部材59を操作したときに受圧部(第4受圧部)53bに作用する作動油を通過させる油路である。第5走行油路45eは、操作弁55、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dを接続する油路である。第5走行油路45eには、複数の高圧選択弁47a、47b、47c、47dが設けられている。複数の高圧選択弁47a、47b、47c、47dは、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c及び第4走行油路45dに接続され、作動油の圧力(パイロット圧)が高い方に作動油を流す。
【0042】
走行操作部材59を前方(図1図2では矢印A1方向)に揺動させると、操作弁55Aが操作されて該操作弁55Aからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、第1走行油路45aを介して左走行ポンプ53Lの受圧部53aに作用すると共に第3走行油路45cを介して右走行ポンプ53Rの受圧部53aに作用する。これにより、左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、左走行モータ36L及び右走行モータ36Rが正転(前進回転)して作業機1が前方に直進する。
【0043】
また、走行操作部材59を後方(図1図2では矢印A2方向)に揺動させると、操作弁55Bが操作されて該操作弁55Bからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、第2走行油路45bを介して左走行ポンプ53Lの受圧部53bに作用すると共に第4走行油路45dを介して右走行ポンプ53Rの受圧部53bに作用する。これにより、左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、左走行モータ36L及び右走行モータ36Rが逆転(後進回転)して作業機1が後方に直進する。
【0044】
また、走行操作部材59を右方(図1図2では矢印A3方向)に揺動させると、操作弁55Cが操作されて該操作弁55Cからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、第1走行油路45aを介して左走行ポンプ53Lの受圧部53aに作用すると共に第4走行油路45dを介して右走行ポンプ53Rの受圧部53bに作用する。これにより、左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、左走行モータ36Lが正転し且つ右走行モータ36Rが逆転して作業機1が右側にスピンターン(超信地旋回)する。
【0045】
また、走行操作部材59を左方(図1図2では矢印A4方向)に揺動させると、操作弁55Dが操作されて該操作弁55Dからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は第3走行油路45cを介して右走行ポンプ53Rの受圧部53aに作用すると共に第2走行油路45bを介して左走行ポンプ53Lの受圧部53bに作用する。これにより、左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、左走行モータ36Lが逆転し且つ右走行モータ36Rが正転して作業機1が左側にスピンターン(超信地旋回)する。
【0046】
また、走行操作部材59を斜め方向(図2では矢印A5方向)に揺動させると、受圧部53aと受圧部53bとに作用するパイロット圧の差圧によって、左走行モータ36L及び右走行モータ36Rの回転方向及び回転速度が決定され、作業機1が前進又は後進しながら右へ信地旋回又は左へ信地旋回する。
すなわち、走行操作部材59を左斜め前方に揺動操作すると該走行操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が前進しながら左旋回し、走行操作部材59を右斜め前方に揺動操作すると該走行操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が前進しながら右旋回し、走行操作部材59を左斜め後方に揺動操作すると該走行操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が後進しながら左旋回し、走行操作部材59を右斜め後方に揺動操作すると該走行操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が後進しながら右旋回する。
【0047】
図1に示すように、作業機1は、制御装置60を備えている。制御装置60は、作業機1の様々な制御を行うもので、CPU、MPU等の半導体、電気電子回路等から構成されている。制御装置60には、アクセル65と、モードスイッチ66と、速度切換スイッチ67、回転数検出装置68とが接続されている。
モードスイッチ66は、自動減速を有効又は無効に切り換えるスイッチである。例えば、モードスイッチ66は、ON/OFFに切り換え可能なスイッチであり、ONである場合に自動減速を有効に切り換え、OFFである場合には自動減速を無効に切り換える。
【0048】
速度切換スイッチ67は、運転席8の近傍に設けられ、運転者(オペレータ)が操作可能である。速度切換スイッチ67は、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)を第1速度及び第2速度のいずれかに手動で切り換えることができるスイッチである。例えば、速度切換スイッチ67は、第1速度側と第2速度側とに切り換えるシーソスイッチであり、第1速度側から第2速度側とに切り換える増速操作と、第2速度から第1速度に切り換える減速操作とを行うことができる。
【0049】
回転数検出装置68は、回転数を検出するセンサ等で構成されていて、原動機32の回転数である原動機回転数を検出することができる。
制御装置60は、自動減速部61を備えている。自動減速部61は、制御装置60に設けられた電気電子回路等、当該制御装置60に格納されたプログラム等である。
自動減速部61は、自動減速が有効である場合には自動減速制御を行い、自動減速が無効である場合には自動減速制御を行わない。
【0050】
自動減速制御では、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)が第2速度である場合において所定の条件(自動減速条件)を満たしたときに、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)を第2速度から第1速度に自動的に切り換える。自動減速制御では、少なくとも走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)が第2速度である状況において、自動減速条件を満たすと、制御装置60は、第2切換弁72のソレノイドを消磁することで、当該第2切換弁72を第2位置72bから第1位置72aに切り換えることにより、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)を第2速度から第1速度に減速する。つまり、制御装置60は、自動減速制御において、自動減速を行う際は、左走行モータ36Lと右走行モータ36Rとの両方を、第2速度から第1速度に減速する。
【0051】
なお、自動減速部61は、自動減速を行った後、復帰条件を満たすと、第2切換弁72のソレノイドを励磁することで、当該第2切換弁72を第1位置72aから第2位置72bに切り換えることにより、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)を第1速度から第2速度に増速、即ち、走行モータの速度を復帰させる。つまり、制御装置60は、第1速度から第2速度に復帰する場合は、左走行モータ36Lと右走行モータ36Rとの両方を、第1速度から第2速度に増速する。
【0052】
制御装置60は、自動減速が無効である場合に、速度切換スイッチ67の操作に応じて、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)を第1速度及び第2速度のいずれかに切り換える手動切換制御を行う。手動切換制御では、速度切換スイッチ67が第1速度側に切り換えられた場合は、第2切換弁72のソレノイドを消磁することで、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)を第1速度にする。また、手動切換制御では、速度切換スイッチ67が第2速度側に切り換えられた場合は、第2切換弁72のソレノイドを消磁することで、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)を第2速度にする。
【0053】
また、制御装置60には、作業機1の周囲を撮像する撮像装置81と、作業機1の進行方向を報知する報知装置82とが接続されている。
さて、作業機の油圧システムは、走行油路45(第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45d)に作用する作動油の圧力(パイロット圧)に基づいて走行操作部材59の操作エリア(操作領域)を判断することが可能である。
【0054】
まず、パイロット圧の検出について説明する。
図1に示すように、第1走行油路45aには、第1走行油路45aの作動油の圧力である第1パイロット圧lfを検出可能な第1圧力検出装置48aが接続されている。第2走行油路45bには、第2走行油路45bの作動油の圧力である第2パイロット圧lbを検出可能な第2圧力検出装置48bが接続されている。第3走行油路45cには、第3走行油路45cの作動油の圧力である第3パイロット圧rfを検出可能な第3圧力検出装置48cが接続されている。第4走行油路45dには、第4走行油路45dの作動油の圧力である第4パイロット圧rbを検出可能な第4圧力検出装置48dが接続されている。第1圧力検出装置48a、第2圧力検出装置48b、第3圧力検出装置48c及び第4圧力検出装置48dは、制御装置60に接続されている。
【0055】
走行油路45において、第1圧力検出装置48a、第2圧力検出装置48b、第3圧力検出装置48c及び第4圧力検出装置48dの下流側には、絞り部95a、95b、95c、95dが設けられている。詳しくは、絞り部95aは、第1走行油路45aにおいて、第1圧力検出装置48aの下流側(走行ポンプ側)に設けられ、絞り部95bは、第2走行油路45bにおいて、第2圧力検出装置48bの下流側(走行ポンプ側)に設けられ、絞り部95cは、第3走行油路45cにおいて、第3圧力検出装置48cの下流側(走行ポンプ側)に設けられ、絞り部95dは、第4走行油路45dにおいて、第4圧力検出装置48dの下流側(走行ポンプ側)に設けられている。言い換えれば、第1圧力検出装置48a、第2圧力検出装置48b、第3圧力検出装置48c及び第4圧力検出装置48dは、絞り部95a、95b、95c、95dの上流側(操作弁55側)に位置している。したがって、操作装置54から出力したパイロット圧を、第1圧力検出装置48a、第2圧力検出装置48b、第3圧力検出装置48c及び第4圧力検出装置48dで正確に検出することができる。
【0056】
図3A図3Bは、走行操作部材59の操作エリアを示した図である。図3A図3Bに示すように、走行操作部材59の操作エリアは、当該走行操作部材59の操作によって分けることが可能である。走行操作部材59を前又は後に揺動したときの基準軸をY軸、走行操作部材59を左又は右に揺動したときの基準軸をX軸としたとき、走行操作部材59の操作エリアは、左前操作エリアLF1と、右前操作エリアRF1と、左後操作エリアLB1と、右後操作エリアRB1との第四象限に分けることができる。この実施形態では、図3A及び図3Bに示すように、走行操作部材59の操作に応じて変化するパイロット圧[第1パイロット圧lf、第2パイロット圧lb、第3パイロット圧rf、第4パイロット圧rb]により、走行操作部材59の操作位置が、エリアE1~E5、エリアE11~E15内であるかを判断することができる。
【0057】
図4A及び図4Bは、パイロット圧[第1パイロット圧lf、第2パイロット圧lb、第3パイロット圧rf、第4パイロット圧rb]に基づいて、操作部材69の操作エリアを判断する動作フローである。
次に、図3A及び図4Aに基づいて、左方向側の操作系について詳しく説明する。
図4Aに示すように、制御装置60は、第1パイロット圧lf、第2パイロット圧lb、第3パイロット圧rf、第4パイロット圧rbを取得する(S1)。制御装置60は、第4パイロット圧rbよりも第3パイロット圧rfが大きいか否かを判断する(S2)。制御装置60は、第4パイロット圧rbよりも第3パイロット圧rfが大きい場合(S2、Yes)、図3Aに示すように、走行操作部材59の操作位置は、エリアE1内であると判断する(S3)。
【0058】
エリアE1は、左前操作エリアLF1と、左後操作エリアLB1内においてラインK1
を境界として左側に位置する左側エリアと、右前操作エリアRF1内においてラインK2を境界とする左側のエリアとを含んでいる。より詳しくは、左後操作エリアLB1の左側エリアとは、ラインK1によって左後操作エリアLB1を2つに分けたときに左側に位置するエリアである。ラインK1は、中立位置を示す中心位置から左後方向(第3象限)に向けて伸びて略45度(deg)に傾くラインである。右前操作エリアRF1の左側のエリアとは、ラインK2によって右前操作エリアRF1を2つに分けたときに左側に位置するエリアである。ラインK2は、中心位置から右前方向(第1象限)に向けて伸びて略45度(deg)に傾くラインである。
【0059】
制御装置60は、第4パイロット圧rbよりも第3パイロット圧rfが大きい場合(S2、Yes)、第3パイロット圧rfに対する第4パイロット圧rbの第1比率rb/rfが所定未満であるか否かを判断する(S4)。制御装置60は、第3パイロット圧rfに対する第4パイロット圧rbの第1比率rb/rfが所定未満である場合(S4、Yes)、図3Aに示すように、少なくとも走行操作部材59の操作位置は、エリアE2内であると判断する(S5)。
【0060】
エリアE2は、左前操作エリアLF1の全体を含むエリアであって、ラインK6aを境界として右前操作エリアRF1の左側の一部と、ラインK6bを境界として左後操作エリアLB1の一部とを含んでいる。
制御装置60は、第1比率rb/rfが所定未満でない場合(S4、No)、第3パイロット圧rfに対する第1パイロット圧lfの第2比率lf/rfが所定範囲内であるか否かを判断する(S6)。即ち、制御装置60は、α1<lf/rf<(1/α1)を満たしているか否かを判断し、満たしている場合は、第2比率lf/rfが所定範囲内であると判断する。
【0061】
制御装置60は、第2比率lf/rfが所定範囲内である場合(S6、Yes)、図3Aに示すように、走行操作部材59の操作位置は、エリアE3内であると判断する(S7)。
エリアE3は、左前操作エリアLF1内においてラインK3境界する右側エリアと、右前操作エリアRF1内においてラインK4を境界する左側エリアとを含んでいる。より詳しくは、左前操作エリアLF1の右側エリアとは、ラインK3によって左前操作エリアLF1を2つに分けたときに右側に位置するエリアである。ラインK2は、中心位置から左前方向(第2象限)に向けて伸びて略45度(deg)に傾くラインである。右前操作エリアRF1の左側のエリアとは、ラインK4によって右前操作エリアRF1を2つに分けたときに左側に位置するエリアである。ラインK4は、中心位置から左前方向(第1象限)に向けて伸びて略45度(deg)に傾くラインである。
【0062】
制御装置60は、第2比率lf/rfが所定範囲内でない場合(S6、No)、第3パイロット圧rfに対する第2パイロット圧lbの第3比率lb/rfが所定範囲内で且つ第1パイロット圧lfが第4パイロット圧rbよりも大きいか否かを判断する(S8)。即ち、制御装置60は、α1<rf/lb<(1/α1)を満たしているか否かを判断し、満たしている場合は、第3比率lb/rfが所定範囲内であると判断する。
【0063】
制御装置60は、第3比率lb/rfが所定範囲内で且つ第1パイロット圧lfが第4パイロット圧rbよりも大きい場合(S8、Yes)、図3Aに示すように、操作部材59の操作位置は、エリアE4内であると判断する(S9)。
エリアE4は、左前操作エリアLF1内においてラインK5を境界する左側エリアである。より詳しくは、左前操作エリアLF1の左側エリアとは、ラインK5によって左前操作エリアLF1を2つに分けたときに左側に位置するエリアである。ラインK5は、中心位置から右前方向(第1象限)に向けて伸びて略45度(deg)に傾くラインである。
【0064】
制御装置60は、第3比率lb/rfが所定範囲内で且つ第1パイロット圧lfが第4パイロット圧rbよりも大きくない場合(S8、No)、第1パイロット圧に対する第4パイロット圧の第4比率rb/lfが所定範囲内であるか否かを判断する(S10)。即ち、制御装置60は、α1<rb/lf<(1/α1)を満たしているか否かを判断し、満たしている場合は、第4比率rb/lfが所定範囲内であると判断する。
【0065】
制御装置60は、第4比率rb/lfが所定範囲内である場合(S10、Yes)、操作部材59の操作位置は、図3Aに示すように、エリアE5内であると判断する(S11)。エリアE5は、左前操作エリアLF1における左側エリアの一部と、左後操作エリアLB1の左側エリアの一部とを含んでいる。
即ち、エリアE5は、左前操作エリアLF1内においてラインK7aを境界とする一部と、左後操作エリアLB1内においてラインK7bを境界とする一部とで構成されるエリアである。なお、エリアE5を左操作エリアともいう。つまり、制御装置60は、第4比率rb/lfに基づいて、操作部材59の操作位置が左操作エリア内にあることを判断する。
【0066】
制御装置60は、第4比率rb/lfが所定範囲内でない場合(S10、No)、図4Bに示す処理に移行する。
次に、図3B及び図4Bに基づいて、右方向側の操作系について詳しく説明する。
図4Bに示すように、制御装置60は、第2パイロット圧lbよりも第1パイロット圧lfが大きいか否かを判断する(S12)。制御装置60は、第2パイロット圧lbよりも第1パイロット圧lfが大きいか否かを判断する(S12)。
【0067】
制御装置60は、第2パイロット圧lbよりも第1パイロット圧lfが大きい場合(S12、Yes)、走行操作部材59の操作位置は、図3Bに示すように、エリアE11内であると判断する(S13)。
エリアE11は、右前操作エリアRF1と、右後操作エリアRB1内においてラインK11を境界とする右側エリアと、左前操作エリアLF1内においてラインK12を境界とする右側エリアとを含んでいる。右後操作エリアRB1の右側エリアとは、ラインK11によって右後操作エリアRB1を2つに分けたときに右側に位置するエリアである。ラインK11は、中心位置から右後方向(第4象限)に向けて伸びて略45度(deg)に傾くラインである。左前操作エリアの右側エリアとは、ラインK12によって左前操作エリアLF1を2つに分けたときに右側に位置するエリアである。ラインK12は、中心位置から左前方向(第2象限)に向けて伸びて略45度(deg)に傾くラインである。
【0068】
制御装置60は、第2パイロット圧lbよりも第1パイロット圧lfが大きい場合(S12、Yes)、第1パイロット圧lfに対する第2パイロット圧lbの第5比率lb/lfが所定未満であるか否かを判断する(S14)。制御装置60は、第5比率lb/lfが所定未満である場合(S14、Yes)、図3Bに示すように、少なくとも走行操作部材59の操作位置は、エリアE12内であると判断する(S15)。
【0069】
エリアE12は、右前操作エリアRF1の全体を含むエリアであって、ラインK16aを境界として左前操作エリアLF1の左側の一部と、ラインK16bを境界として右後操作エリアRB1の一部とを含んでいる。
制御装置60は、第5比率lb/lfが所定未満でない場合(S14、No)、第1パイロット圧lfに対する第3パイロット圧rfの第6比率rf/lfが所定範囲内であるか否かを判断する(S16)。即ち、制御装置60は、α1<rf/lf<(1/α1)を満たしているか否かを判断し、満たしている場合は、第52比率rf/lfが所定範囲内であると判断する。
【0070】
制御装置60は、第6比率rf/lfが所定範囲内である場合(S16、Yes)、走行操作部材59の操作位置は、図3Bに示すように、エリアE13内であると判断する(S17)。エリアE13は、左前操作エリアLF1においてラインK13を境界する右側エリアと、右前操作エリアRF1においてラインK14を境界する左側エリアとを含んでいる。より詳しくは、左前操作エリアLF1の右側エリアとは、ラインK13によって左前操作エリアLF1を2つに分けたときに右側に位置するエリアである。ラインK13は、中心位置から左前方向(第2象限)に向けて伸びて略45度(deg)に傾くラインである。右前操作エリアRF1の左側のエリアとは、ラインK14によって右前操作エリアRF1を2つに分けたときに左側に位置するエリアである。ラインK14は、中心位置から右前方向(第1象限)に向けて伸びて略45度(deg)に傾くラインである。
【0071】
制御装置60は、第6比率rf/lfが所定範囲内でない場合(S16、No)、第1
パイロット圧lfに対する第4パイロット圧rbの第7比率rb/lfが所定範囲内で且つ第3パイロット圧rfが第2パイロット圧lbよりも大きいか否かを判断する(S18)。即ち、制御装置60は、α1<rb/lf<(1/α1)を満たしているか否かを判断し、満たしている場合は、第7比率rb/lfが所定範囲内であると判断する。
【0072】
制御装置60は、第7比率rb/lbが所定範囲内で且つ第3パイロット圧rfが第2パイロット圧lbよりも大きい場合(S18、Yes)、図3Bに示すように、操作部材59の操作位置は、エリアE14内であると判断する(S19)。
エリアE14は、右前操作エリアRF1内においてラインK15を境界する右側エリアである。より詳しくは、右前操作エリアRF1の左側エリアとは、ラインK15によって右前操作エリアRF1を2つに分けたときに右側に位置するエリアである。ラインK15は、中心位置から右前方向(第1象限)に向けて伸びて略45度(deg)に傾くラインである。
【0073】
制御装置60は、第7比率rb/lfが所定範囲内で且つ第3パイロット圧rfが第2パイロット圧lbよりも大きくない場合(S18、No)、第3パイロット圧rfに対する第2パイロット圧lbの第8比率lb/rfが所定範囲内であるか否かを判断する(S20)。即ち、制御装置60は、α1<lb/rf<(1/α1)を満たしているか否かを判断し、満たしている場合は、第8比率lb/rfが所定範囲内であると判断する。
【0074】
制御装置60は、第8比率lb/rfが所定範囲内である場合(S20、Yes)、操作部材59の操作位置は、図3Bに示すように、エリアE15内であると判断する(S21)。エリアE15は、右前操作エリアRF1における右側エリアの一部と、右後操作エリアRB1の右側エリアの一部とを含んでいる。即ち、エリアE15は、右前操作エリアRF1内においてラインK17aを境界とする一部と、右後操作エリアRB1内においてラインK17bを境界とする一部とで構成されるエリアである。なお、エリアE15を右操作エリアともいう。つまり、制御装置60は、第8比率lb/rfに基づいて、操作部材59の操作位置が右操作エリア内にあることを判断する。
【0075】
図5に示すように、制御装置60は、第4パイロット圧rbよりも第3パイロット圧rfが小さくなく且つ、第2パイロット圧lbよりも第1パイロット圧lfが小さい場合は、左後操作エリアLB1において中立位置から左斜め方向に延びるラインK1を境界とする右側エリアと、右後操作エリアRB1において中立位置から右斜め方向に延びるラインK11を境界とする左側エリアに位置していると判断する。
【0076】
図4A及び図4Bにおいて、制御装置60は、第4パイロット圧rbよりも第3パイロット圧rfが大きくなく(S2、No)且つ、第2パイロット圧lbよりも第1パイロット圧lfが大きくない場合(S12、No)、図5に示すように、走行操作部材59の操作位置は、エリアE20と判断する。エリアE20は、左後操作エリアB1において中立位置から左斜め方向に延びるラインK1を境界とする右側エリアと、右後操作エリアRB1において中立位置から右斜め方向に延びるラインを境界とする左側エリアとを含んでいる。或いは、制御装置60は、第4比率rb/lfが所定範囲内でなく(S10、No)、且つ、第8比率lb/rfが所定範囲内でない場合(S20、No)の場合も、エリアE20と判断する。即ち、上述した図4A及び図4Bの判断において、全てNoである場合は、後側であるエリアE20と判断する(S22)。これにより、第4パイロット圧rbよりも第3パイロット圧rfが大きくなく(S2、No)且つ、第2パイロット圧lbよりも第1パイロット圧lfが大きくない場合(S12、No)に加え、第4比率rb/lfが所定範囲内でなく(S10、No)、且つ、第8比率lb/rfが所定範囲内でない場合(S20、No)の場合も、エリアE20と判断する、即ち、制御装置60は、S2、S20に加え、S14、S16、S18、S20の複数の条件に基づいて走行操作部材59の操作位置がエリアE20であることを判断するため、判断精度を高くできる。
【0077】
作業機1は、機体2と、機体2の左側に設けられた左走行装置5Lと、機体2の右側に設けられた右走行装置5Rと、左走行装置5Lに動力を伝達可能な左走行モータ36Lと、右走行装置5Rに動力を伝達可能な右走行モータ36Rと、作動油を受圧する第1受圧部53a及び第2受圧部53bを有し且つ、少なくとも第1受圧部53a及び第2受圧部53bのいずれかに作動油が作用したときに左走行モータ36Lに作動油を供給する左走行ポンプ53Lと、作動油を受圧する第3受圧部53a及び第4受圧部53bを有し且つ、少なくとも第3受圧部53a及び第4受圧部53bのいずれかに作動油が作用したときに右走行モータ36Rに作動油を供給する右走行ポンプ53Rと、走行操作部材59を操作したときに、少なくとも第1受圧部53a、第2受圧部53b、第3受圧部53a及び第4受圧部53bのいずれかに作動油を作用させる走行操作装置54と、第1受圧部53aに接続し且つ走行操作部材59を操作したときに第1受圧部53aに作用する作動油を通過させる第1走行油路45aと、第2受圧部53bに接続し且つ走行操作部材59を操作したときに第2受圧部53bに作用する作動油を通過させる第2走行油路45bと、第3受圧部53aに接続し且つ走行操作部材59を操作したときに第3受圧部53aに作用する作動油を通過させる第3走行油路45cと、第4受圧部53bに接続し且つ走行操作部材59を操作したときに第4受圧部53bに作用する作動油を通過させる第4走行油路45dと、第1走行油路45aの作動油の圧力である第1パイロット圧lfを検出可能な第1圧力検出装置48aと、第2走行油路45bの作動油の圧力である第2パイロット圧lbを検出可能な第2圧力検出装置48bと、第3走行油路45cの作動油の圧力である第3パイロット圧rfを検出可能な第3圧力検出装置48cと、第4走行油路45dの作動油の圧力である第4パイロット圧rbを検出可能な第4圧力検出装置48dと、第1パイロット圧lf、第2パイロット圧lb、第3パイロット圧rf及び第4パイロット圧rbに基づいて、走行操作部材59の操作位置が、左前操作エリアLF1、右前操作エリアRF1、左後操作エリアB1及び右後操作エリアRB1のいずれかに位置しているかを判断する制御装置60と、を備えている。これによれば、ポテンショメータ等を用いなくても、パイロット圧を検出するだけで、走行操作部材59の操作位置が、左前操作エリアLF1、右前操作エリアRF1、左後操作エリアB1及び右後操作エリアRB1であるかを簡単に把握することができる。
【0078】
制御装置60は、走行操作部材59の操作位置が、第4パイロット圧rbよりも第3パイロット圧rfが大きい場合は、左前操作エリアLF1と、左後操作エリアB1において中立位置から後方へ斜めに延びるラインK1を境界とする左側エリアと、右前操作エリアRF1において中立位置から前方へ斜めに延びるラインK2を境界とする左側エリアとのいずれかに位置していると判断する。これによれば、走行操作部材59の操作位置が、左前操作エリアLF1、左後操作エリアB1の左側エリア、右前操作エリアRF1の左側エリアのいずれかにあることを簡単に把握することができる。
【0079】
制御装置60は、走行操作部材59の操作位置が、第3パイロット圧rfに対する第4パイロット圧rbの第1比率が所定未満である場合は、少なくとも左前操作エリアLF1に位置していると判断する。これによれば、走行操作部材59の操作位置が、左前操作エリアLF1にあることを簡単に把握することができる。
制御装置60は、第3パイロット圧rfに対する第1パイロット圧lfの第2比率が所定範囲内である場合は、左前操作エリアLF1において中立位置から前方へ斜めに延びるラインK3を境界する右側エリアと、右前操作エリアRF1において中立位置から前方へ斜めに延びるラインK4を境界する左側エリアとのいずれかに位置していると判断する。
【0080】
制御装置60は、第3パイロット圧rfに対する第2パイロット圧lbの第3比率が所定範囲内で且つ第1パイロット圧lfが第4パイロット圧rbよりも大きい場合は、左前操作エリアLF1において中立位置から前方へ斜めに延びるラインK5を境界する左側エリアに位置していると判断する。これによれば、走行操作部材59の操作位置が、左前操作エリアLF1の左側エリアであることを簡単に把握することができる。
【0081】
制御装置60は、第1パイロット圧lfに対する第4パイロット圧rbの第4比率が所定範囲内であるときは、左前操作エリアLF1における左側エリアの一部及び左後操作エリアB1の左側エリアの一部のいずれかに位置していると判断する。これによれば、走行操作部材59の操作位置が、左前操作エリアLF1における左側エリアの一部及び左後操作エリアB1の左側エリアの一部、即ち、左側に位置していることが簡単に把握することができる。
【0082】
制御装置60は、走行操作部材59の操作位置が、第2パイロット圧lbよりも第1パイロット圧lfが大きい場合は、右前操作エリアRF1と、右後操作エリアRB1において中立位置から後方へ斜めに延びるラインK11を境界とする右側エリアと、左前操作エリアLF1において中立位置から前方へ斜めに延びるラインK12を境界とする右側エリアとのいずれかに位置していると判断する。これによれば、走行操作部材59の操作位置が、右前操作エリアRF1と、右後操作エリアRB1の右側エリアと、左前操作エリアLF1の右側エリアとのいずれかにあることが簡単に把握することができる。
【0083】
制御装置60は、走行操作部材59の操作位置が、第1パイロット圧lfに対する第2パイロット圧lbの第5比率が所定未満である場合は、少なくとも右前操作エリアRF1に位置していると判断する。これによれば、走行操作部材59の操作位置が、右前操作エリアRF1にあることが簡単に把握することができる。
制御装置60は、第1パイロット圧lfに対する第3パイロット圧rfの第6比率が所定範囲内である場合は、左前操作エリアLF1において中立位置から前方へ斜めに延びるラインK13を境界する右側エリアと、右前操作エリアRF1において中立位置から前方へ斜めに延びるラインK14を境界する左側エリアとのいずれかに位置していると判断する。これによれば、走行操作部材59の操作位置が、左前操作エリアLF1の右側エリアと、右前操作エリアRF1の左側エリアとのいずれかにあることが簡単に把握することができる。
【0084】
制御装置60は、第1パイロット圧lfに対する第4パイロット圧rbの第7比率が所定範囲内で且つ第3パイロット圧rfが第2パイロット圧lbよりも大きい場合は、右前操作エリアRF1において中立位置から前方へ斜めに延びるラインK15を境界する右側エリアに位置していると判断する。これによれば、走行操作部材59の操作位置が、右前操作エリアRF1の右側エリアにあることが簡単に把握することができる。
【0085】
制御装置60は、第3パイロット圧rfに対する第2パイロット圧lbの第8比率が所定範囲内であるときは、右前操作エリアRF1における右側エリアの一部及び右後操作エリアRB1の右側エリアの一部のいずれかに位置していると判断する。これによれば、走行操作部材59の操作位置が、右前操作エリアRF1における右側エリアの一部及び右後操作エリアRB1の右側エリアの一部、即ち、右側に位置していることが簡単に把握することができる。
【0086】
制御装置60は、走行操作部材59の操作位置が、第4パイロット圧rbよりも第3パイロット圧rfが小さく且つ、第2パイロット圧lbよりも第1パイロット圧lfが小さい場合は、左後操作エリアB1において中立位置から左斜め方向に延びるラインK1を境界とする右側エリアと、右後操作エリアRB1において中立位置から右斜め方向に延びるラインK11を境界とする左側エリアに位置していると判断する。これによれば、走行操作部材59の操作位置が、左後操作エリアB1の右側エリア、右後操作エリアRB1の左側エリアのいずれかにあることが簡単に把握することができる。言い換えれば、走行操作部材59の操作位置が、中立位置を中心とすると後方側に位置していることを簡単に把握することができる。
【0087】
作業機1は、機体2の周囲を撮像可能な撮像装置81と、表示装置77と、を備え、制御装置60は、走行操作部材59の操作位置に応じて、撮像装置81で撮像した撮像画像を表示装置77に表示するか否かを判断する。これによれば、操作部材59の位置が、左前操作エリアLF1と、右前操作エリアRF1と、左後操作エリアLB1と、右後操作エリアRB1のそれぞれの位置にあるときに、必要に応じて撮像画像を表示させることができる。
【0088】
制御装置60は、走行操作部材59の操作位置に応じて、報知を行う。これによれば、操作部材59の位置が、左前操作エリアLF1と、右前操作エリアRF1と、左後操作エリアLB1と、右後操作エリアRB1のそれぞれの位置にあるときに、必要に応じて報知することができる。
制御装置60は、第1パイロット圧に対する第4パイロット圧の第4比率が所定範囲外で且つ、第3パイロット圧に対する第2パイロット圧の第8比率が所定範囲外であるとき
は、走行操作部材59の操作位置が、左後操作エリアLB1において中立位置から左斜め方向に延びるラインを境界とする右側エリアと、右後操作エリアRB1において中立位置から右斜め方向に延びるラインを境界とする左側エリアとを含む範囲に位置していると判断する。これによれば、走行操作部材59の操作位置が、右側エリア、左側エリアに位置していることを簡単に把握することができる。
【0089】
制御装置60は、第1パイロット圧に対する第4パイロット圧の第4比率が所定範囲内であるときは、走行操作部材59の操作位置が、左前操作エリアにおける左側エリアの一部及び左後操作エリアLB1の左側エリアの一部のいずれかに位置していると判断する。これによれば、走行操作部材59の操作位置が、左側エリアの一部に位置していることを把握することができる。
【0090】
制御装置60は、第3パイロット圧に対する第2パイロット圧の第8比率が所定範囲内であるときは、走行操作部材59の操作位置が、右前操作エリアにおける右側エリアの一部及び右後操作エリアの右側エリアの一部のいずれかに位置していると判断する。これによれば、走行操作部材59の操作位置が、右側エリアの一部に位置していることを把握することができる。
【0091】
作業機1は、機体2と、機体2の左側に設けられた左走行装置5Lと、機体2の右側に設けられた右走行装置5Rと、左走行装置5Lに動力を伝達可能な左走行モータ36Lと、右走行装置5Rに動力を伝達可能な右走行モータ36Rと、作動油を受圧する第1受圧部53a及び第2受圧部53bを有し且つ、少なくとも第1受圧部53a及び第2受圧部53bのいずれかに作動油が作用したときに左走行モータ36Lに作動油を供給する左走行ポンプ53Lと、作動油を受圧する第3受圧部53a及び第4受圧部53bを有し且つ、少なくとも第3受圧部53a及び第4受圧部53bのいずれかに作動油が作用したときに右走行モータ36Rに作動油を供給する右走行ポンプ53Rと、走行操作部材59を操作したときに、少なくとも第1受圧部53a、第2受圧部53b、第3受圧部53a及び第4受圧部53bのいずれかに作動油を作用させる走行操作装置54と、第1受圧部53aに接続し且つ走行操作部材59を操作したときに第1受圧部53aに作用する作動油を通過させる第1走行油路45aと、第2受圧部53bに接続し且つ走行操作部材59を操作したときに第2受圧部53bに作用する作動油を通過させる第2走行油路45bと、第3受圧部53aに接続し且つ走行操作部材59を操作したときに第3受圧部53aに作用する作動油を通過させる第3走行油路45cと、第4受圧部53bに接続し且つ走行操作部材59を操作したときに第4受圧部53bに作用する作動油を通過させる第4走行油路45dと、第1走行油路45aの作動油の圧力である第1パイロット圧lfを検出可能な第1圧力検出装置48aと、第2走行油路45bの作動油の圧力である第2パイロット圧lbを検出可能な第2圧力検出装置48bと、第3走行油路45cの作動油の圧力である第3パイロット圧rfを検出可能な第3圧力検出装置48cと、第4走行油路45dの作動油の圧力である第4パイロット圧rbを検出可能な第4圧力検出装置48dと、第1パイロット圧lf、第2パイロット圧lb、第3パイロット圧rf及び第4パイロット圧rbに基づいて、走行操作部材59の操作位置が、左操作エリアE5に位置しているかを判断する制御装置60と、を備えている。これによれば、ポテンショメータ等を用いなくても、パイロット圧を検出するだけで、走行操作部材59の操作位置が、左操作エリアE5であるかを簡単に把握することができる。
【0092】
制御装置60は、第1パイロット圧に対する第4パイロット圧の第4比率が所定範囲内であるときは、走行操作部材59の操作位置が、左操作エリアE5に位置していると判断する。これによれば、走行操作部材59の操作位置が、左操作エリアE5に位置していることを把握することができる。
作業機1は、機体2と、機体2の左側に設けられた左走行装置5Lと、機体2の右側に設けられた右走行装置5Rと、左走行装置5Lに動力を伝達可能な左走行モータ36Lと、右走行装置5Rに動力を伝達可能な右走行モータ36Rと、作動油を受圧する第1受圧部53a及び第2受圧部53bを有し且つ、少なくとも第1受圧部53a及び第2受圧部53bのいずれかに作動油が作用したときに左走行モータ36Lに作動油を供給する左走
行ポンプ53Lと、作動油を受圧する第3受圧部53a及び第4受圧部53bを有し且つ、少なくとも第3受圧部53a及び第4受圧部53bのいずれかに作動油が作用したときに右走行モータ36Rに作動油を供給する右走行ポンプ53Rと、走行操作部材59を操作したときに、少なくとも第1受圧部53a、第2受圧部53b、第3受圧部53a及び第4受圧部53bのいずれかに作動油を作用させる走行操作装置54と、第1受圧部53aに接続し且つ走行操作部材59を操作したときに第1受圧部53aに作用する作動油を通過させる第1走行油路45aと、第2受圧部53bに接続し且つ走行操作部材59を操作したときに第2受圧部53bに作用する作動油を通過させる第2走行油路45bと、第3受圧部53aに接続し且つ走行操作部材59を操作したときに第3受圧部53aに作用する作動油を通過させる第3走行油路45cと、第4受圧部53bに接続し且つ走行操作部材59を操作したときに第4受圧部53bに作用する作動油を通過させる第4走行油路45dと、第1走行油路45aの作動油の圧力である第1パイロット圧lfを検出可能な第1圧力検出装置48aと、第2走行油路45bの作動油の圧力である第2パイロット圧lbを検出可能な第2圧力検出装置48bと、第3走行油路45cの作動油の圧力である第3パイロット圧rfを検出可能な第3圧力検出装置48cと、第4走行油路45dの作動油の圧力である第4パイロット圧rbを検出可能な第4圧力検出装置48dと、第1パイロット圧lf、第2パイロット圧lb、第3パイロット圧rf及び第4パイロット圧rbに基づいて、走行操作部材59の操作位置が、右操作エリアE15に位置しているかを判断する制御装置60と、を備えている。これによれば、ポテンショメータ等を用いなくても、パイロット圧を検出するだけで、走行操作部材59の操作位置が、右操作エリアE15であるかを簡単に把握することができる。
【0093】
制御装置60は、第3パイロット圧に対する第2パイロット圧の第8比率が所定範囲内であるときは、走行操作部材59の操作位置が、右操作エリアE15に位置していると判断する。これによれば、走行操作部材59の操作位置が、右操作エリアE15に位置していることを把握することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0094】
1 作業機
2 機体
5L 左走行装置
5R 右走行装置
36L 左走行モータ
36R 右走行モータ
45a 第1走行油路
45b 第2走行油路
45c 第3走行油路
45d 第4走行油路
48a 第1圧力検出装置
48b 第2圧力検出装置
48c 第3圧力検出装置
48d 第4圧力検出装置
53L 左走行ポンプ
53R 右走行ポンプ
53a 第1受圧部、第3受圧部
53b 第2受圧部、第4受圧部
54 走行操作装置
59 操作部材(走行操作部材)
60 制御装置
77 表示装置
81 撮像装置
FB1 左後操作エリア
K1~K15 ライン
LF1 左前操作エリア
LB1 左後操作エリア
RF1 右前操作エリア
RB1 右後操作エリア
lf 第1パイロット圧
lb 第2パイロット圧
rf 第3パイロット圧
rb 第4パイロット圧
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6