(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】ゴルフ用クラブヘッド
(51)【国際特許分類】
A63B 53/04 20150101AFI20240610BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20240610BHJP
【FI】
A63B53/04 A
A63B102:32
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021076997
(22)【出願日】2021-04-30
(62)【分割の表示】P 2018244805の分割
【原出願日】2018-12-27
【審査請求日】2021-12-24
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500014161
【氏名又は名称】テイラー メイド ゴルフ カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・エイチ・ホフマン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ディー・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】トッド・ビーチ
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0059093(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0116207(US,A1)
【文献】特開2010-088818(JP,A)
【文献】特開2011-161135(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0319916(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0009211(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0324308(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0159986(US,A1)
【文献】特開2003-111875(JP,A)
【文献】特表2017-512081(JP,A)
【文献】特開2009-273579(JP,A)
【文献】特開2009-082708(JP,A)
【文献】特開2000-317018(JP,A)
【文献】特開平11-042300(JP,A)
【文献】特開2017-153954(JP,A)
【文献】特開2016-097101(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空洞を規定し、
ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部であって、ソール表面領域を有するソール部;
ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部であって、クラウン表面領域を有するクラウン部;
前記ソール部と前記クラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部;
前方領域;
前記前方領域の反対側の後方領域;
ヒール領域;及び
前記ヒール領域の反対側のトウ領域;
を含む本体と、
前記本体の前記前方領域で前記本体に結合され、打撃フェース、及び前記打撃フェースの反対側の内面を含むフェース部と
を備えるゴルフ用クラブヘッド、ただし、
前記頂部領域において、クラウンインサートを受け入れるように構成された周縁を有する開口部を備え、前記ゴルフ用クラブヘッドの前記クラウン部の面積重量は、前記クラウン部の全表面領域の約50%以上にわたって約0.35g/cm
2未満であり、前記クラウンインサートは、約1g/cm
3から約2g/cm
3の間の密度を有する非金属材料で形成される;
前記底部領域において、ソールインサートを受け入れるように構成された周縁を有する開口部を備え、前記ゴルフ用クラブヘッドの前記ソール部の面積重量は、前記ソール部の全表面領域の約50%以上にわたって約0.35g/cm
2未満であり、前記ソールインサートは、約1g/cm
3から約2g/cm3の間の密度を有する非金属材料で形成される;
前記ゴルフ用クラブヘッドは、約-5mm~約5mmの間、の打撃フェースの幾何学的中心を中心とする座標系のx軸上のx軸座標と、約25mmと約50mmとの間、の打撃フェースの幾何学的中心を中心とする座標系のy軸上のy軸座標と、2mm未満、の打撃フェースの幾何学的中心を中心とする座標系のz軸上のz軸座標とを持つ重心(CG)有し、前記x軸は前記ゴルフクラブヘッドが地面のアドレス位置にあるときに地面に平行であり、前記x軸はヒールからトウ方向に伸び、前記x軸の負の値は前記打撃フェースの幾何学的中心のヒール方向であり、前記x軸の正の値は前記打撃フェースの幾何学的中心の
トウ方向であり、前記y軸は前記ゴルフクラブヘッドが地面のアドレス位置にあるときに地面に平行であり、前記y軸は前後方向に伸び、前記y軸の負の値は前記打撃フェースの幾何学的中心の後方であり、前記y軸の正の値は前記打撃フェースの幾何学的中心の前方であり、および前記z軸は前記ゴルフクラブヘッドが地面のアドレス位置にあるときに地面に対して垂直であり、前記z軸は下から上方向に伸び、z軸の負の値は前記打撃フェースの幾何学的中心より下にあり、前記z軸の正の値は前記打撃フェースの幾何学的中心の上にあり;
前記打撃フェースは、前記打撃フェースの幾何学的中心を中心とし、ヒール-トウ方向に細長い40ミリメートル×20ミリメートルの矩形領域によって規定される中心領域を有し;
前記フェース部は、異なる厚さを有し;
前記フェース部は、フェース開口部と、前記フェース開口部を覆う打撃プレートとさらに備え、
前記打撃プレートは繊維強化ポリマー材料から作られ、かつ、前記打撃プレートは前記フェース開口部に結合されるか又は接着され;
前記中心領域内において、前記打撃フェースは、257マイクロ秒以下の特性時間(CT)を有し;
前記中心領域内において、前記打撃フェースの25%以上が少なくとも0.8の反発係数(COR)を有し、;
前記中心領域内において、前記打撃フェースの60%以上が少なくとも235マイクロ秒のCTを有し;
前記中心領域内において、前記打撃フェースの35%以上が少なくとも240マイクロ秒のCTを有し、;
前記打撃フェースの中心でのCTは、240マイクロ秒以上(254マイクロ秒以上を除く)であり;
前記打撃フェース上の前記打撃フェースの中心から10mm以内の位置で、CTが前記打撃フェースの中心のCTより高い点が少なくとも存在し;
前記ゴルフ用クラブヘッドは、約350cm
3乃至約500cm
3の体積、ヘッド重心z軸周りの慣性モーメント(Izz)、及びヘッド重心x軸周りの慣性モーメント(Ixx)を有し、前記ヘッド重心z軸は、重心を通り、かつ前記打撃フェースの幾何学的中心を中心とする座標系のz軸に平行な軸であり、前記ヘッド重心x軸は、重心を通り、かつ前記打撃フェースの幾何学的中心を中心とする座標系のx軸に平行な軸であり;
IzzとIxxの合計は約740kg・mm
2乃至約1100kg・mm
2であり;及び
Ixx/Izzの比は少なくとも0.55であり、Ixxは320kg・mm
2以上である。
【請求項2】
前記ソールインサート及び前記クラウンインサートのうち少なくとも1つは、繊維強化ポリマー材料から作られる、請求項
1に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【請求項3】
前記本体の少なくとも一部分は約0.30mm以下のアルファケースの厚さを有する、請求項
1に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【請求項4】
前記本体の少なくとも一部分は実質的に全体的に9-1-1チタンのキャストであり、前記9-1-1チタンはモリブデン、バナジウム及びアルミニウムを含み、かつ、前記9-1-1チタンは少なくとも958MPaの引張強さを有する、請求項
1に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【請求項5】
前記中心領域内において、前記打撃フェースの20%以上は、少なくとも245マイクロ秒のCTを有する、請求項
1に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【請求項6】
前記中心領域内において、前記打撃フェースの少なくとも60%は、少なくとも240マイクロ秒のCTを有する、請求項
1に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【請求項7】
前記打撃フェースの前記中心から少なくとも5ミリメートル内の前記打撃フェース上の任意の位置における前記CTは、240マイクロ秒よりも大きい、請求項
1に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【請求項8】
前記中心領域内において、前記フェース部の最大厚さは4mm以下であり、;及び
前記打撃フェースの前記中心から少なくとも5ミリメートル内の前記打撃フェース上の任意の位置における前記CTは、240マイクロ秒よりも大きい、請求項
1に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【請求項9】
前記打撃プレートの最小厚さは2.4mm以上である、請求項
8に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【請求項10】
前記打撃プレートの最大厚さは5.0mm以下である、請求項
9に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【請求項11】
前記中心領域内において、前記打撃フェースの20%以上は、少なくとも245マイクロ秒のCTを有する、請求項
10に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【請求項12】
前記中心領域内において、前記打撃フェースの少なくとも60%は、少なくとも240マイクロ秒のCTを有する、請求項
10に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【請求項13】
前記打撃フェースの前記中心から少なくとも5ミリメートル内の前記打撃フェース上の任意の位置における前記CTは、240マイクロ秒よりも大きい、請求項
10に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【請求項14】
前記ゴルフ用クラブヘッドの前記後方領域において前記ゴルフ用クラブヘッドの前記スカート部の下方に配置された重りポートをさらに備え、前記重りポートは重りを受けるように構成される、請求項1に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【請求項15】
前記ゴルフ用クラブヘッドの前記前方領域に配置され、前記ゴルフ用クラブヘッドの前記ソール部に形成されたスロットをさらに備え、前記スロットは少なくとも一つの重りを調節可能に保持するように構成される、請求項1に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【請求項16】
前記ゴルフ用クラブヘッドの前記ヒール領域から延びるホーゼルと、
前記ホーゼルに取り付けられた、調節可能なライ/ロフトアセンブリと
をさらに備え、
前記調節可能なライ/ロフトアセンブリは、シャフトに取り付けられるように構成され、かつ、前記ゴルフ用クラブヘッドに対する前記シャフトの角度を、前記調節可能なライ/ロフトアセンブリに取り付けられている場合に、変更する調節が可能に構成される、請求項1に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【請求項17】
前記ゴルフ用クラブヘッドの前記前方領域に配置され、かつ、前記ゴルフ用クラブヘッドの前記ソール部に形成されたスロットをさらに備え、前記スロットは、前記ゴルフ用クラブヘッドの外部に開口し、かつ、前記内部空洞に開口する貫通スロットである、請求項1に記載のゴルフ用クラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
分野
本開示は、一般にゴルフ用クラブに関し、より具体的には特性時間(CT)の制御及び調整機構を有するゴルフ用クラブのヘッドに関する。
【0002】
背景
現代の「ウッドタイプ」のゴルフ用クラブ(特に、「ドライバー」、「フェアウェイウッド」、及び「ユーティリティ又はハイブリッドクラブ」)は、チタンのような強度の高い、軽量の金属で作られる傾向があるため、一般に「メタルウッド」と呼ばれる。ドライバー又はフェアウェイウッドのような、例示的なメタルウッドゴルフ用クラブは、典型的に、中空シャフトと、シャフトの下端に結合されたゴルフ用クラブヘッドとを含む。最新のクラブヘッドの大部分は、少なくとも一部がチタン合金のような軽量だが強度の高い金属から作られている。ほとんどの場合、ゴルフ用クラブヘッドは、フェース部を有する中空本体を含む。フェース部は、適切なゴルフスイング中にゴルフボールと接触するように構成された、打撃プレートとして知られる前面を有する。
【0003】
ゴルフ用クラブヘッドの構成を規定するUSGA規則下において、打撃ゾーン内のフェース部の全ての点におけるゴルフ用クラブヘッドの特性時間(CT)は、規定されたCT閾値を超えてはならない。従来のゴルフ用クラブヘッドは、規定されたCT閾値を満たすことの代償として、いくつかのパフォーマンス特性を犠牲にし得る。例えば、いくつかのゴルフ用クラブヘッドは、そのような領域のCT閾値を満たすための試みにおいて、フェース部の中心から離れた領域でフェース部を厚くしている。しかしながら、そのような試みは、フェース部の中心におけるCTの対応する減少をもたらした。さらに、CTが規定されたCT閾値を超えないことを確実にするために、いくつかの従来のゴルフ用クラブヘッドは、規定されたCT閾値よりも低い、目的のCTの大きい標準偏差内にCTを有するように慎重に設計されている。しかしながら、そのような大きい標準偏差は、著しく不均一なパフォーマンス特性を有する製造されたゴルフ用クラブヘッドのバッチをもたらし得る。従って、規定されたCT閾値を満たすと同時に、ゴルフ用クラブヘッドの他のパフォーマンス特性に対する悪影響を減少することは困難であり得る。
【0004】
要約
本出願の主題は、現在の最先端技術に対応して、特に、現在利用可能な技術によってまだ完全に解決されていないゴルフ用クラブ及び関連するゴルフ用クラブヘッドの欠点に対応して開発された。従って、本出願の主題は、先行技術の上述した欠点の少なくともいくつかを克服するゴルフ用クラブ及びゴルフ用クラブヘッドを提供するために開発された。
【0005】
ゴルフ用クラブヘッドの特性時間(CT)は、振り子の端部にある金属の半球体が、フェース部に対して金属の半球体が跳ね返っている間にゴルフ用クラブヘッドのフェース部と接触したままでいる時間の長さである。振り子及び金属の半球体の特性、並びにCT試験装置の制約は、ゴルフ用クラブヘッドの柔軟性の測定手順の下で全米ゴルフ協会(USGA)によって規定され、これはwww.usga.orgで公開され、参照により本明細書に組み込まれる。ゴルフ用クラブヘッドのCTは、ゴルフ用クラブヘッドのフェース部の柔軟性又はスプリングのような効果に、直接に関する。言い換えれば、フェース部の柔軟性が高いほど、ゴルフ用クラブヘッドのCTは高い。ゴルフ用クラブヘッドの構成を規定するUSGA規則下、打撃ゾーン内のフェース部の全ての点におけるゴルフ用クラブヘッドのCTは、規定されたCT閾値を超えてはならない。
【0006】
いくつかの例において、本開示のゴルフ用クラブヘッドは、従来のゴルフ用クラブヘッドと比較して、中心でのフェース部の性能に悪影響を及ぼすことなく、フェース部の中心から離れた位置でフェース部のCTを低下させるのに役立つ。さらに、特定の例において、本開示のゴルフ用クラブヘッドは、従来のゴルフ用クラブヘッドと比較して、製造されたゴルフ用クラブヘッドのバッチについてのCTの標準偏差を小さくする。
【0007】
本明細書には、本体を含むゴルフ用クラブヘッドが開示される。本体は内部空洞を規定する。本体はまた、ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部を含む。ソール部はソール表面領域を有する。本体はさらに、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部を含む。クラウン部はクラウン表面領域を有する。本体はさらに、ソール部とクラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部、前方領域、前方領域の反対側の後方領域、ヒール領域、及びヒール領域の反対側のトウ領域を含む。ゴルフ用クラブヘッドはまた、本体の前方領域で本体に結合されたフェース部を含む。フェース部は、打撃フェース、及び打撃フェースの反対側の内面を含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、本体の内部空洞内に配置された、フェース部の内面と直接に接触する複数の補強材を含む。補強材は、少なくともショア5.95Dの硬度を有する材料で作られている。ゴルフ用クラブヘッドのクラウン部の面積重量は、クラウン部の全表面領域の約50%以上にわたって約0.35g/cm2未満である。ゴルフ用クラブヘッドは、約-5mm乃至約5mmのヘッドセンターフェース原点x軸座標及び約25mm乃至約50mmのヘッドセンターフェース原点y軸座標、並びに2mm未満のセンターフェースヘッド原点z軸座標を有する重心(CG)、を有する。打撃フェースは、打撃フェースの中心を中心とし、ヒール-トウ方向に細長い40ミリメートル×20ミリメートルの矩形領域によって規定される中心領域を有する。フェース部は異なる厚さを有する。中心領域内において、フェース部は、4.5mm以下の最大フェース厚さ及び2.0mm以上の最小フェース厚さを有する。中心領域内において、打撃フェースは、257マイクロ秒以下の特性時間(CT)を有する。中心領域内において、打撃フェースの25%以上は、少なくとも0.8の反発係数(COR)を有する。中心領域内において、打撃フェースの60%以上は、少なくとも235マイクロ秒のCTを有する。中心領域内において、打撃フェースの35%以上は、少なくとも240マイクロ秒のCTを有する。ゴルフ用クラブヘッドは、約350cm3乃至約500cm3の体積、ヘッド重心z軸周りの慣性モーメント(Izz)、及びヘッド重心x軸周りの慣性モーメント(Ixx)を有する。IzzとIxxの合計は、約740kg・mm2乃至約1100kg・mm2である。本段落の前述の主題は本開示の例1を特徴付ける。
【0008】
打撃フェースの20%以上は、少なくとも245マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例2を特徴付け、例2はまた上記の例1に係る主題を含む。
【0009】
中心領域内において、打撃フェースの50%以上は、少なくとも0.8のCORを有する。本段落の前述の主題は本開示の例3を特徴付け、例3はまた上記の例1~2のいずれか一つに係る主題を含む。
【0010】
中心領域内において、打撃フェースの55%以上は、少なくとも0.8のCORを有する。本段落の前述の主題は本開示の例4を特徴付け、例4はまた上記の例3に係る主題を含む。
【0011】
中心領域内において、打撃フェースの68%以上は、少なくとも0.8のCORを有する。本段落の前述の主題は本開示の例5を特徴付け、例5はまた上記の例4に係る主題を含む。
【0012】
クラウン部の少なくとも一部は、非金属の複合材料で作られている。本段落の前述の主題は本開示の例6を特徴付け、例6はまた上記の例1~5のいずれか一つに係る主題を含む。
【0013】
クラウン部は、金属合金で作られている。本段落の前述の主題は本開示の例7を特徴付け、例7はまた上記の例1~6のいずれか一つに係る主題を含む。
【0014】
ゴルフ用クラブヘッドのソール部の面積重量は、ソール部の全表面領域の約50%以上にわたって約0.35g/cm2未満である。本段落の前述の主題は本開示の例8を特徴付け、例8はまた上記の例1~7のいずれか一つに係る主題を含む。
【0015】
本体及びフェース部は、一体で、単一のモノリシック構造を形成する。本段落の前述の主題は本開示の例9を特徴付け、例9はまた上記の例1~8のいずれか一つに係る主題を含む。
【0016】
フェース部は、フェース開口部と、フェース開口部に溶接された打撃プレートとを含む。本段落の前述の主題は本開示の例10を特徴付け、例10はまた上記の例1~9のいずれか一つに係る主題を含む。
【0017】
IzzとIxxの合計は、約790kg・mm2より大きい。本段落の前述の主題は本開示の例11を特徴付け、例11はまた上記の例1~10のいずれか一つに係る主題を含む。
【0018】
IzzとIxxの合計は、約805kg・mm2より大きい。本段落の前述の主題は本開示の例12を特徴付け、例12はまた上記の例1~11のいずれか一つに係る主題を含む。
【0019】
Ixxは、305kg・mm2以上である。本段落の前述の主題は本開示の例13を特徴付け、例13はまた上記の例1~12のいずれか一つに係る主題を含む。
【0020】
Ixxは、320kg・mm2以上である。本段落の前述の主題は本開示の例14を特徴付け、例14はまた上記の例1~13のいずれか一つに係る主題を含む。
【0021】
Ixxは、350kg・mm2以上である。本段落の前述の主題は本開示の例15を特徴付け、例15はまた上記の例1~14のいずれか一つに係る主題を含む。
【0022】
中心領域内の打撃フェースの少なくとも60%は、少なくとも240マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例16を特徴付け、例16はまた上記の例1~15のいずれか一つに係る主題を含む。
【0023】
中心領域内の打撃フェースの少なくとも70%は、少なくとも240マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例17を特徴付け、例17はまた上記の例16に係る主題を含む。
【0024】
中心領域内の打撃フェースの少なくとも40%は、少なくとも245マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例18を特徴付け、例18はまた上記の例1~17のいずれか一つに係る主題を含む。
【0025】
中心領域内の打撃フェースの少なくとも50%は、少なくとも245マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例19を特徴付け、例19はまた上記の例18に係る主題を含む。
【0026】
中心領域内の打撃フェースの少なくとも10%は、少なくとも250マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例20を特徴付け、例20はまた上記の例1~19のいずれか一つに係る主題を含む。
【0027】
中心領域内の打撃フェースの少なくとも15%は、少なくとも250マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例21を特徴付け、例21はまた上記の例20に係る主題を含む。
【0028】
打撃フェースの中心から少なくとも5ミリメートル内の打撃フェース上の任意の位置におけるCTは、240マイクロ秒より大きい。本段落の前述の主題は本開示の例22を特徴付け、例22はまた上記の例1~21のいずれか一つに係る主題を含む。
【0029】
打撃フェースのCTは、打撃フェースの中心を通る打撃フェース上の水平経路に沿って、打撃フェースの中心からトウ方向で少なくとも30ミリメートルの距離でピークに達する。本段落の前述の主題は本開示の例23を特徴付け、例23はまた上記の例1~22のいずれか一つに係る主題を含む。
【0030】
フェース部はさらに、フェース部を通って打撃フェースから内面まで延びる開口部と、開口部内に移動不能に固定され、保持されたプラグとを含む。プラグは、打撃フェースから0.15ミリメートル以下突出するか、又は打撃フェースの表面より0.1ミリメートル以下落ち込んでいる。本段落の前述の主題は本開示の例24を特徴付け、例24はまた上記の例1~23のいずれか一つに係る主題を含む。
【0031】
開口部は雌ネジを含む。プラグは、開口部の雌ネジと螺合する雄ネジを含む。本段落の前述の主題は本開示の例25を特徴付け、例25はまた上記の例24つに係る主題を含む。
【0032】
開口部はさらに、雌ネジと打撃フェースとの間に配置されたカウンターボアを含む。プラグは、カウンターボアと入れ子状に係合するヘッド部を含む。本段落の前述の主題は本開示の例26を特徴付け、例26はまた上記の例25に係る主題を含む。
【0033】
プラグは、補強材の一部を含む。本段落の前述の主題は本開示の例27を特徴付け、例27はまた上記の例24~26のいずれか一つに係る主題を含む。
【0034】
プラグはポリマー材料を含む。本段落の前述の主題は本開示の例28を特徴付け、例28はまた上記の例24~26のいずれか一つに係る主題を含む。
【0035】
さらに本明細書には、ゴルフ用クラブヘッドが開示される。ゴルフ用クラブヘッドは、内部空洞を規定し、ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部を含む本体、を含む。ソール部はソール表面領域を有する。本体はさらに、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部を含む。クラウン部はクラウン表面領域を有する。本体はまた、ソール部とクラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部を含む。本体はさらに、前方領域、前方領域の反対側の後方領域、ヒール領域、及びヒール領域の反対側のトウ領域を含む。ゴルフ用クラブヘッドはまた、本体の前方領域で本体に結合されたフェース部を含む。フェース部は、打撃フェース、及び打撃フェースの反対側の内面を含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、本体の内部空洞内に配置され、フェース部の内面と直接に接触する複数の補強材を含む。複数の補強材は、本体と同じ材料で作られた複数のリブである。フェース部は異なる厚さを有する。フェース部の最大厚さは5mm以下であり、フェース部の最小厚さは3mm未満である。ゴルフ用クラブヘッドのクラウン部の面積重量は、クラウン部の全表面領域の約50%以上にわたって約0.35g/cm2未満である。ゴルフ用クラブヘッドのソール部の面積重量は、ソール部の全表面領域の約50%以上にわたって約0.35g/cm2未満である。打撃フェースは、打撃フェースの中心を中心とし、ヒール-トウ方向に細長い40ミリメートル×20ミリメートルの矩形領域によって規定される中心領域を有する。中心領域内において、打撃フェースは、257マイクロ秒以下の特性時間(CT)を有する。中心領域内において、打撃フェースの25%以上は、少なくとも0.8の反発係数(COR)を有する。中心領域内において、打撃フェースの60%以上は、少なくとも235マイクロ秒のCTを有する。中心領域内において、打撃フェースの35%以上は、少なくとも240マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例29を特徴付ける。
【0036】
複数のリブは、フェース部とクラウン部との間の移行部に近接して配置されている。本段落の前述の主題は本開示の例30を特徴付け、例30はまた上記の例29に係る主題を含む。
【0037】
複数のリブは、フェース部とソール部との間の移行部に近接して配置されている。本段落の前述の主題は本開示の例31を特徴付け、例31はまた上記の例29~30のいずれか一つに係る主題を含む。
【0038】
本体及びフェース部は、一体で、単一のモノリシック構造を形成する。本段落の前述の主題は本開示の例32を特徴付け、例32はまた上記の例29~31のいずれか一つに係る主題を含む。
【0039】
フェース部は、フェース開口部と、フェース開口部に溶接された打撃プレートとを有する。本段落の前述の主題は本開示の例33を特徴付け、例33はまた上記の例29~31のいずれか一つに係る主題を含む。
【0040】
複数のリブのうち少なくとも一つは、+15mm乃至+25mmのヘッド原点x軸座標を有し、複数のリブのうち少なくとも一つは、-15mm乃至-25mmのヘッド原点x軸座標を有する。本段落の前述の主題は本開示の例34を特徴付け、例34はまた上記の例29~33のいずれか一つに係る主題を含む。
【0041】
さらに本明細書には、本体を含むゴルフ用クラブヘッドが開示される。本体は、内部空洞を規定し、ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部を含む。ソール部はソール表面領域を有する。本体はまた、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部を含む。クラウン部はクラウン表面領域を有する。本体はさらに、ソール部とクラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部、前方領域、前方領域の反対側の後方領域、ヒール領域、及びヒール領域の反対側のトウ領域を含む。本体はまた、本体の前方領域で本体に結合されたフェース部を含む。フェース部は、打撃フェース、及び打撃フェースの反対側の内面を含む。本体はさらに、本体の内部空洞内に配置され、ヘッド原点y軸に沿って測定したときに、少なくとも1mmで20mm以下だけフェース部の内面からオフセットされた複数の補強材を含む。複数の補強材は、クラウン部の内面とソール部の内面との間に延びる細長い補強部材である。フェース部は異なる厚さを有する。フェース部の最大厚さは5mm以下であり、フェース部の最小厚さは3mm未満である。ゴルフ用クラブヘッドのクラウン部の面積重量は、クラウン部の全表面領域の約50%以上にわたって約0.35g/cm2未満である。ゴルフ用クラブヘッドのソール部の面積重量は、ソール部の全表面領域の約50%以上にわたって約0.35g/cm2未満である。打撃フェースは、打撃フェースの中心を中心とし、ヒール-トウ方向に細長い40ミリメートル×20ミリメートルの矩形領域によって規定される中心領域を有する。中心領域内において、打撃フェースは、257マイクロ秒以下の特性時間(CT)を有する。中心領域内において、打撃フェースの25%以上は、少なくとも0.8の反発係数(COR)を有する。中心領域内において、打撃フェースの60%以上は、少なくとも235マイクロ秒のCTを有する。中心領域内において、打撃フェースの35%以上は、少なくとも240マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例35を特徴付ける。
【0042】
本体及びフェース部は、一体で、単一のモノリシック構造を形成する。本段落の前述の主題は本開示の例36を特徴付け、例36はまた上記の例35に係る主題を含む。
【0043】
フェース部は、フェース開口部と、フェース開口部に溶接された打撃プレートとを有する。本段落の前述の主題は本開示の例37を特徴付け、例37はまた上記の例35に係る主題を含む。
【0044】
中心領域内において、フェース部の厚さは打撃フェースの中心に近接して最大である。本段落の前述の主題は本開示の例38を特徴付け、例38はまた上記の例35~37のいずれか一つに係る主題を含む。
【0045】
打撃フェースの中心におけるフェース部の厚さは、2.9mmより大きい。本段落の前述の主題は本開示の例39を特徴付け、例39はまた上記の例35~38のいずれか一つに係る主題を含む。
【0046】
複数の補強材は、二つ又はそれ以上のブレースバーを含む。二つ又はそれ以上のブレースバーは、0.005g/mm乃至0.40g/mmの単位長さ当たりの質量をそれぞれ有する。本段落の前述の主題は本開示の例40を特徴付け、例40はまた上記の例35~39のいずれか一つに係る主題を含む。
【0047】
本体はさらにチャネルを含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、チャネル内に配置された一つ又はそれ以上のポリマー補強材を含み、本体はさらにチャネルを含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、チャネル内に配置された一つ又はそれ以上のポリマー補強材を含む。本段落の前述の主題は本開示の例41を特徴付け、例41はまた上記の例35~40のいずれか一つに係る主題を含む。
【0048】
複数の補強材のうち少なくとも一つは、+15mm乃至+25mmのヘッド原点x軸座標を有し、複数の補強材のうち少なくとも一つは、-15mm乃至-25mmのヘッド原点x軸座標を有する。本段落の前述の主題は本開示の例42を特徴付け、例42はまた上記の例35~41のいずれか一つに係る主題を含む。
【0049】
さらに本明細書には、本体を含むゴルフ用クラブヘッドが開示される。本体は内部空洞を規定し、ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部を含み、ソール部はソール表面領域を有する。本体はまた、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部を規定し、クラウン部はクラウン表面領域を有する。本体はさらに、ソール部とクラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部を規定する。本体はさらに、前方領域、前方領域の反対側の後方領域、ヒール領域、及びヒール領域の反対側のトウ領域を規定する。ゴルフ用クラブヘッドはまた、本体の前方領域で本体に結合されたフェース部を含み、打撃フェース、及び打撃フェースの反対側の内面を含む。フェース部は異なる厚さを有する。ゴルフ用クラブヘッドのクラウン部の面積重量は、クラウン部の全表面領域の約50%以上にわたって約0.35g/cm2未満である。ゴルフ用クラブヘッドのソール部の面積重量は、ソール部の全表面領域の約50%以上にわたって約0.35g/cm2未満である。打撃フェースは、打撃フェースの中心を中心とし、ヒール-トウ方向に細長い40ミリメートル×20ミリメートルの矩形領域によって規定される中心領域を有する。中心領域内において、フェース部の最大厚さは4mm以下であり、フェース部の最小厚さは2.4mm以上である。中心領域内において、打撃フェースは、257マイクロ秒以下の特性時間(CT)を有する。中心領域内において、打撃フェースの25%以上は、少なくとも0.8の反発係数(COR)を有する。中心領域内において、打撃フェースの60%以上は、少なくとも235マイクロ秒のCTを有する。中心領域内において、打撃フェースの50%以上は、少なくとも240マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例43を特徴付ける。
【0050】
本体及びフェース部は、一体で、単一のモノリシック構造を形成する。本段落の前述の主題は本開示の例44を特徴付け、例44はまた上記の例43に係る主題を含む。
【0051】
フェース部は、フェース開口部と、フェース開口部に溶接された打撃プレートとを有する。本段落の前述の主題は本開示の例45を特徴付け、例45はまた上記の例43に係る主題を含む。
【0052】
中心領域内において、フェース部の厚さは打撃フェースの中心に近接して最大である。本段落の前述の主題は本開示の例46を特徴付け、例46はまた上記の例43~45のいずれか一つに係る主題を含む。
【0053】
打撃フェースの中心におけるフェース部の厚さは、2.9mmより大きい。本段落の前述の主題は本開示の例47を特徴付け、例47はまた上記の例43~46のいずれか一つに係る主題を含む。
【0054】
中心領域内において、打撃フェースの15%以上は、少なくとも245マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例48を特徴付け、例48はまた上記の例43~47のいずれか一つに係る主題を含む。
【0055】
本体のソール部、クラウン部、及びスカート部は、一体で、単一のモノリシック構造を形成し、フェース部はフェース開口部を含み、打撃プレートはフェース開口部を囲む。本段落の前述の主題は本開示の例49を特徴付け、例49はまた上記の例43~48のいずれか一つに係る主題を含む。
【0056】
フェース部は、フェース開口部と、フェース開口部に溶接された打撃プレートとを含む。本段落の前述の主題は本開示の例50を特徴付け、例50はまた上記の例43及び45~49のいずれか一つに係る主題を含む。
【0057】
フェース部は、フェース開口部と、フェース開口部に結合され又は接着された打撃プレートとを含む。本段落の前述の主題は本開示の例51を特徴付け、例51はまた上記の例43及び45~49のいずれか一つに係る主題を含む。
【0058】
本体及びフェース部は、一体で、単一のモノリシック構造を形成する。クラウン部はクラウン開口部を含み、クラウンインサートはクラウン開口部を囲む。クラウンインサートは、本体の残り及びフェース部よりも低密度の材料で形成されている。本段落の前述の主題は本開示の例52を特徴付け、例52はまた上記の例43、44、及び46~49のいずれか一つに係る主題を含む。
【0059】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、ソール部の内面からクラウン部の内面まで延びる二つ又はそれ以上のブレースバーを含み、二つ又はそれ以上のブレースバーのそれぞれは、0.005g/mm乃至0.40g/mmの単位長さ当たりの質量を有する。本段落の前述の主題は本開示の例53を特徴付け、例53はまた上記の例43~52のいずれか一つに係る主題を含む。
【0060】
二つ又はそれ以上のブレースバーは、本体と同じ材料で形成されている。本段落の前述の主題は本開示の例54を特徴付け、例54はまた上記の例53に係る主題を含む。
【0061】
二つ又はそれ以上のブレースバーは、本体よりも低密度の材料で形成されている。本段落の前述の主題は本開示の例55を特徴付け、例55はまた上記の例53~54のいずれか一つに係る主題を含む。
【0062】
二つ又はそれ以上のブレースバーは、ゴルフ用クラブヘッドの重心のヘッド原点y軸座標と、ゴルフ用クラブヘッドのフェース部のヘッド原点y軸座標との間にヘッド原点y軸座標を有する。本段落の前述の主題は本開示の例56を特徴付け、例56はまた上記の例53~55のいずれか一つに係る主題を含む。
【0063】
二つ又はそれ以上のブレースバーは、フェース部から1mm以上20mm以下の間に配置されている。本段落の前述の主題は本開示の例57を特徴付け、例57はまた上記の例53~56のいずれか一つに係る主題を含む。
【0064】
二つ又はそれ以上のブレースバーは、ヘッド原点y軸に沿って測定したときに、ゴルフ用クラブヘッドの重心から少なくとも20mm前方に配置されている。本段落の前述の主題は本開示の例58を特徴付け、例58はまた上記の例53~57のいずれか一つに係る主題を含む。
【0065】
中心領域内において、フェース部の最も厚い部分の厚さに対するフェース部の最も薄い部分の厚さの比は、0.60以上1.0以下である。本段落の前述の主題は本開示の例59を特徴付け、例59はまた上記の例53~58のいずれか一つに係る主題を含む。
【0066】
中心領域内において、フェース部の最も厚い部分の厚さに対するフェース部の最も薄い部分の厚さの比は、0.70以上1.0以下である。本段落の前述の主題は本開示の例60を特徴付け、例60はまた上記の例53~59のいずれか一つに係る主題を含む。
【0067】
中心領域内において、打撃フェースの50%以上は、少なくとも0.8のCORを有する。本段落の前述の主題は本開示の例61を特徴付け、例61はまた上記の例53~60のいずれか一つに係る主題を含む。
【0068】
本明細書には、本体及びフェース部を含むゴルフ用クラブヘッドが開示される。本体は内部空洞を規定し、ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部、ソール部とクラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部、前方領域、前方領域の反対側の後方領域、ヒール領域、及びヒール領域の反対側のトウ領域を含む。フェース部は、本体の前方領域で本体に結合され、打撃プレートを含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、内部空洞内に少なくとも一つのリブを含み、ゴルフ用クラブヘッドのクラブヘッド原点座標系のx軸座標が20mmより大きく50mm未満又は-50mmより大きく-20mm未満の位置でフェース部に直接に結合された少なくとも一つの補強材を含む。フェース部の高さに対する少なくとも一つのリブの高さの比は、0.15以上である。本段落の前述の主題は本開示の例62を特徴付ける。
【0069】
フェース部の高さに対する少なくとも一つのリブの高さの比は、0.20以上である。本段落の前述の主題は本開示の例63を特徴付け、例63はまた上記の例62に係る主題を含む。
【0070】
フェース部の高さに対する少なくとも一つのリブの高さの比は、0.25以上である。本段落の前述の主題は本開示の例64を特徴付け、例64はまた上記の例63に係る主題を含む。
【0071】
少なくとも一つのリブは、底部領域でフェース部に直接に結合されている。少なくとも一つの補強材はさらに、頂部領域でフェース部に直接に結合された少なくとも一つのリブを含む。フェース部の高さに対する、底部領域でフェース部に直接に結合された少なくとも一つのリブの高さと、頂部領域でフェース部に直接に結合された少なくとも一つのリブの高さとの合計の比は、0.3以上である。本段落の前述の主題は本開示の例65を特徴付け、例65はまた上記の例62~64のいずれか一つに係る主題を含む。
【0072】
フェース部の高さに対する、底部領域でフェース部に直接に結合された少なくとも一つのリブの高さと、頂部領域でフェース部に直接に結合された少なくとも一つのリブの高さとの合計の比は、0.4以上である。本段落の前述の主題は本開示の例66を特徴付け、例66はまた上記の例65に係る主題を含む。
【0073】
少なくとも一つのリブは、ゴルフ用クラブヘッドのクラブヘッド原点座標系のx軸座標が30mmより大きく40mm未満又は-40mmより大きく-30mm未満の位置でフェース部に直接に結合されている。本段落の前述の主題は本開示の例67を特徴付け、例67はまた上記の例62~66のいずれか一つに係る主題を含む。
【0074】
少なくとも一つの補強材は、少なくとも二つのリブを含む。少なくとも二つのリブのうちの一つは、ゴルフ用クラブヘッドのクラブヘッド原点座標系のx軸座標が30mmより大きく40mm未満の位置で、底部領域でフェース部に直接に結合されている。少なくとも二つのリブのうちの別の一つは、ゴルフ用クラブヘッドのクラブヘッド原点座標系のx軸座標が40mmより大きく50mm未満の位置で、底部領域でフェース部に直接に結合されている。本段落の前述の主題は本開示の例68を特徴付け、例68はまた上記の例62~67のいずれか一つに係る主題を含む。
【0075】
フェース部の高さに対する、ゴルフ用クラブヘッドのクラブヘッド原点座標系のx軸座標が30mmより大きく40mm未満の位置で、底部領域でフェース部に直接に結合された少なくとも二つのリブのうちの一つの高さの比は、0.17である。フェース部の高さに対する、ゴルフ用クラブヘッドのクラブヘッド原点座標系のx軸座標が40mmより大きく50mm未満の位置で、底部領域でフェース部に直接に結合された少なくとも二つのリブのうちの他の一つの高さの比は、0.23である。本段落の前述の主題は本開示の例69を特徴付け、例69はまた上記の例68に係る主題を含む。
【0076】
少なくとも一つの補強材は、少なくとも二つのリブを含む。少なくとも二つのリブのうちの第1のリブは、ゴルフ用クラブヘッドのクラブヘッド原点座標系のx軸座標が20mmより大きく50mm未満の位置にある。少なくとも二つのリブのうちの第2のリブは、ゴルフ用クラブヘッドのクラブヘッド原点座標系のx軸座標が-50mmより大きく-20mm未満の位置にある。本段落の前述の主題は本開示の例70を特徴付け、例70はまた上記の例62~69のいずれか一つに係る主題を含む。
【0077】
少なくとも一つの補強材は、少なくとも二つのリブを含む。少なくとも二つのリブは、ゴルフ用クラブヘッドのクラブヘッド原点座標系のx軸座標が20mmより大きく50mm未満の位置にある。本段落の前述の主題は本開示の例71を特徴付け、例71はまた上記の例62~70のいずれか一つに係る主題を含む。
【0078】
少なくとも二つのリブのうちの一つは、ゴルフ用クラブヘッドのクラブヘッド原点座標系のx軸座標が30mmより大きく40mm未満の位置で、頂部領域でフェース部に直接に結合されている。少なくとも二つのリブのうちの別の一つは、ゴルフ用クラブヘッドのクラブヘッド原点座標系のx軸座標が40mmより大きく50mm未満の位置で、頂部領域でフェース部に直接に結合されている。本段落の前述の主題は本開示の例72を特徴付け、例72はまた上記の例71に係る主題を含む。
【0079】
少なくとも一つのリブは、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域でフェース部に直接に結合されている。本段落の前述の主題は本開示の例73を特徴付け、例73はまた上記の例62~72のいずれか一つに係る主題を含む。
【0080】
少なくとも一つのリブは、ゴルフ用クラブヘッドの底部領域でフェース部に直接に結合されている。本段落の前述の主題は本開示の例74を特徴付け、例74はまた上記の例62~73のいずれか一つに係る主題を含む。
【0081】
少なくとも一つのリブの高さはまた、前方領域から後方領域への方向に減少する。本段落の前述の主題は本開示の例75を特徴付け、例75はまた上記の例62~74のいずれか一つに係る主題を含む。
【0082】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、ソール部に形成され、ヒール領域からトウ領域まで長手方向に延びるスロットを含む。少なくとも一つのリブは、スロットに結合され、スロットとフェース部との間に配置されている。本段落の前述の主題は本開示の例76を特徴付け、例76はまた上記の例62~75のいずれか一つに係る主題を含む。
【0083】
本体は外壁を含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、本体の外壁に形成され、少なくとも一つのリブに直接に開口する少なくとも一つの開口部を含む。本段落の前述の主題は本開示の例77を特徴付け、例77はまた上記の例1~76のいずれか一つに係る主題を含む。
【0084】
少なくとも一つのリブは、フェース部の打撃プレートに直接に結合されている。本段落の前述の主題は本開示の例78を特徴付け、例78はまた上記の例62~77のいずれか一つに係る主題を含む。
【0085】
少なくとも一つのリブは、少なくとも一つのリブの高さ全体に沿ってフェース部に直接に結合されている。本段落の前述の主題は本開示の例79を特徴付け、例79はまた上記の例62~78のいずれか一つに係る主題を含む。
【0086】
さらに本明細書には、ゴルフ用クラブヘッドが開示される。ゴルフ用クラブヘッドは、本体及びフェース部を含む。本体は内部空洞を規定し、ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部、ソール部とクラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部、前方領域、前方領域の反対側の後方領域、ヒール領域、及びヒール領域の反対側のトウ領域を含む。ゴルフ用クラブヘッドはまた、本体の前方領域で本体に結合され、打撃プレートを含むフェース部、を含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、内部空洞内にポリマー材料の離散塊を含み、ゴルフ用クラブヘッドのクラブヘッド原点座標系のx軸座標が20mmより大きく50mm未満又は-50mmより大きく-20mm未満の位置でフェース部に直接に結合された少なくとも一つの補強材を含む。少なくとも一つの離散塊のポリマー材料は、約ショア10D以上の硬度を有する。本段落の前述の主題は本開示の例80を特徴付ける。
【0087】
ポリマー材料は、約ショア20D以上の硬度を有する。本段落の前述の主題は本開示の例81を特徴付け、例81はまた上記の例80に係る主題を含む。
【0088】
ポリマー材料は、約ショア45D以上の硬度を有する。本段落の前述の主題は本開示の例82を特徴付け、例82はまた上記の例81に係る主題を含む。
【0089】
ポリマー材料は、約ショア85D以上の硬度を有する。本段落の前述の主題は本開示の例83を特徴付け、例83はまた上記の例82に係る主題を含む。
【0090】
ポリマー材料はアクリルである。本段落の前述の主題は本開示の例84を特徴付け、例84はまた上記の例80~83のいずれか一つに係る主題を含む。
【0091】
ポリマー材料は熱硬化性材料である。本段落の前述の主題は本開示の例85を特徴付け、例85はまた上記の例80~84のいずれか一つに係る主題を含む。
【0092】
ポリマー材料は熱可塑性材料である。本段落の前述の主題は本開示の例86を特徴付け、例86はまた上記の例80~85のいずれか一つに係る主題を含む。
【0093】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、ソール部に結合され、ソール部から直立して突出し、かつヒール-トウ方向において長手方向に延びる擁壁を含む。ポリマー材料の離散塊は、擁壁に結合され、擁壁とフェース部との間に配置される。本段落の前述の主題は本開示の例87を特徴付け、例87はまた上記の例80~86のいずれか一つに係る主題を含む。
【0094】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、ソール部に結合され、ヒール領域からトウ領域まで長手方向に延びるスロットを含む。擁壁は、スロットの一部を形成する。本段落の前述の主題は本開示の例88を特徴付け、例88はまた上記の例87に係る主題を含む。
【0095】
擁壁は、スロットよりもソール部からさらに離れて突出する。本段落の前述の主題は本開示の例89を特徴付け、例89はまた上記の例88に係る主題を含む。
【0096】
少なくとも一つの補強材はさらに発泡体を含む。ポリマー材料の離散塊は、発泡体上に支持されている。発泡体は、スロットに結合され、スロットとフェース部との間に配置されている。発泡体は、ポリマー材料の離散塊とソール部との間に配置されている。本段落の前述の主題は本開示の例90を特徴付け、例90はまた上記の例88~89のいずれか一つに係る主題を含む。
【0097】
少なくとも一つの補強材はさらに、発泡体で作られ、フェース部に結合されたエンクロージャを含む。エンクロージャは、ポリマー材料の離散塊を含み、それを横方向に保持する空洞を規定する。空洞はフェース部に開口している。本段落の前述の主題は本開示の例91を特徴付け、例91はまた上記の例80~90のいずれか一つに係る主題を含む。
【0098】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、複数の補強材を含む。複数の補強材のエンクロージャは、互いに離間している。本段落の前述の主題は本開示の例92を特徴付け、例92はまた上記の例91に係る主題を含む。
【0099】
ゴルフ用クラブヘッドは、複数の補強材をさらに含む。複数の補強材のエンクロージャは、一体のモノリシック構造を形成する。本段落の前述の主題は本開示の例93を特徴付け、例93はまた上記の例91に係る主題を含む。
【0100】
本体は外壁を含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、本体又はフェース部のうちの一つの外壁に形成され、ポリマー材料の離散塊に直接に開口する少なくとも一つの開口部を含む。本段落の前述の主題は本開示の例94を特徴付け、例94はまた上記の例80~93のいずれか一つに係る主題を含む。
【0101】
少なくとも一つの開口部は、フェース部の外壁に形成されている。本段落の前述の主題は本開示の例95を特徴付け、例95はまた上記の例94に係る主題を含む。
【0102】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、複数の補強材を含み、一つの離散塊のポリマー材料の量の少なくとも一つは、別の離散塊のポリマー材料の量と異なるか、又は一つの離散塊のポリマー材料の種類は、別の離散塊のポリマー材料の種類と異なる。本段落の前述の主題は本開示の例96を特徴付け、例96はまた上記の例80~95のいずれか一つに係る主題を含む。
【0103】
ポリマー材料の離散塊は、フェース部の打撃プレートに直接に結合されている。本段落の前述の主題は本開示の例97を特徴付け、例97はまた上記の例80~96のいずれか一つに係る主題を含む。
【0104】
ポリマー材料の離散塊は、フェース部の外周縁から少なくとも5mm離れた位置でフェース部に直接に結合されている。本段落の前述の主題は本開示の例98を特徴付け、例98はまた上記の例80~97のいずれか一つに係る主題を含む。
【0105】
ポリマー材料の離散塊は、フェース部の外周縁から少なくとも15mm離れた位置でフェース部に直接に結合されている。本段落の前述の主題は本開示の例99を特徴付け、例99はまた上記の例98に係る主題を含む。
【0106】
ポリマー材料の離散塊は、少なくとも50mm2のフェース部の表面領域と接触する。本段落の前述の主題は本開示の例100を特徴付け、例100はまた上記の例80~99のいずれか一つに係る主題を含む。
【0107】
ポリマー材料の離散塊は、少なくとも150mm2のフェース部の表面領域と接触する。本段落の前述の主題は本開示の例101を特徴付け、例101はまた上記の例100に係る主題を含む。
【0108】
ポリマー材料の離散塊は、少なくとも225mm2のフェース部の表面領域と接触する。本段落の前述の主題は本開示の例102を特徴付け、例102はまた上記の例101に係る主題を含む。
【0109】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、複数の補強材を含む。複数の補強材のうちの一つのポリマー材料の離散塊は、複数の補強材のうちの別の一つのポリマー材料の離散塊の表面領域とは異なるフェース部の表面領域と接触する。本段落の前述の主題は本開示の例103を特徴付け、例103はまた上記の例80~102のいずれか一つに係る主題を含む。
【0110】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、複数の補強材を含む。複数の補強材のポリマー材料の離散塊は、合計で少なくとも100mm2のフェース部の表面領域と接触する。本段落の前述の主題は本開示の例104を特徴付け、例104はまた上記の例80~103のいずれか一つに係る主題を含む。
【0111】
複数の補強材のポリマー材料の離散塊は、合計で少なくとも800mm2のフェース部の表面領域と接触する。本段落の前述の主題は本開示の例105を特徴付け、例105はまた上記の例104に係る主題を含む。
【0112】
ポリマー材料の離散塊は、フェース部の表面領域と接触する。ポリマー材料の離散塊が接触するフェース部の表面領域と、フェース部の全内部表面領域との比は、少なくとも0.01である。本段落の前述の主題は本開示の例106を特徴付け、例106はまた上記の例80~105のいずれか一つに係る主題を含む。
【0113】
ポリマー材料の離散塊が接触するフェース部の表面領域と、フェース部の全内部表面領域との比は、少なくとも0.05である。本段落の前述の主題は本開示の例107を特徴付け、例107はまた上記の例106に係る主題を含む。
【0114】
ポリマー材料の離散塊が接触するフェース部の表面領域と、フェース部の全内部表面領域との比は、少なくとも0.1である。本段落の前述の主題は本開示の例108を特徴付け、例108はまた上記の例107に係る主題を含む。
【0115】
少なくとも一つの補強材はさらに、発泡体を含む。ポリマー材料の離散塊は、発泡体上に支持されている。発泡体及びポリマー材料の離散塊は、ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されている。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域でフェース部に直接に結合されたリブを含む少なくとも一つの追加の補強材を含む。フェース部の高さに対するリブの高さの比は、0.15以上である。本段落の前述の主題は本開示の例109を特徴付け、例109はまた上記の例80~108のいずれか一つに係る主題を含む。
【0116】
また本明細書には、本体及びフェース部を含むゴルフ用クラブヘッドが開示される。本体は、内部空洞を規定し、ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部、ソール部とクラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部、前方領域、前方領域の反対側の後方領域、ヒール領域、及びヒール領域の反対側のトウ領域を含む。フェース部は、本体の前方領域で本体に結合され、打撃プレートを含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、発泡体と、内部空洞内の、発泡体上に支持された、ポリマー材料の離散塊とを含む少なくとも一つの補強材を含み、離散塊は、フェース部に直接に結合される。本段落の前述の主題は本開示の例110を特徴付ける。
【0117】
また本明細書には、本体及びフェース部を含むゴルフ用クラブヘッドが開示される。本体は、内部空洞を規定し、ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部、ソール部とクラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部、前方領域、前方領域の反対側の後方領域、ヒール領域、及びヒール領域の反対側のトウ領域を含む。ゴルフ用クラブヘッドはまた、本体の前方領域で本体に結合され、打撃プレートを含むフェース部を含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、少なくとも部分的に内部空洞内にあり、かつ本体に調節可能に結合されたファスナーを含む少なくとも一つの補強材を含む。ファスナーは、フェース部を強化するように調整可能である。本段落の前述の主題は本開示の例111を特徴付ける。
【0118】
ファスナー全体は内部空洞内にある。本段落の前述の主題は本開示の例112を特徴付け、例112はまた上記の例111に係る主題を含む。
【0119】
ゴルフ用クラブヘッドは、本体に形成されたポートを含む。ファスナーは、ポートを介し、ツールによってアクセス可能である。本段落の前述の主題は本開示の例113を特徴付け、例113はまた上記の例111~112のいずれか一つに係る主題を含む。
【0120】
ファスナーは端面を含む。ファスナーは、フェース部をファスナーの端面と接触させるように調整可能である。端面は丸みを帯びている。本段落の前述の主題は本開示の例114を特徴付け、例114はまた上記の例111~113のいずれか一つに係る主題を含む。
【0121】
少なくとも一つの補強材はさらに、ファスナーリブを含む。ファスナーリブは、ネジ穴を含む。ファスナーは、ファスナーリブのネジ穴を通して延在し、これと螺合する。本段落の前述の主題は本開示の例115を特徴付け、例115はまた上記の例111~114のいずれか一つに係る主題を含む。
【0122】
少なくとも一つの補強材はさらに、開口部を含むスプリング要素と、開口部を含むワッシャとを含む。スプリング要素は、ファスナーリブとワッシャとの間に配置されている。ファスナーは、スプリング要素の開口部とワッシャの開口部とを通して延びる。本段落の前述の主題は本開示の例116を特徴付け、例116はまた上記の例115に係る主題を含む。
【0123】
スプリング要素は、ポリマー材料で作られている。本段落の前述の主題は本開示の例117を特徴付け、例117はまた上記の例116に係る主題を含む。
【0124】
ゴルフ用クラブヘッドは、本体に形成されたネジ付きポートを含む。ファスナーは、ネジ付きポートと螺合する。本段落の前述の主題は本開示の例118を特徴付け、例118はまた上記の例111~117のいずれか一つに係る主題を含む。
【0125】
さらに本明細書には、ゴルフ用クラブヘッドの製造後、ゴルフ用クラブヘッドの特性時間(CT)を調整する方法が開示される。この方法は、少なくとも部分的にゴルフ用クラブヘッドの内部空洞内にあり、ゴルフ用クラブヘッドのフェース部に直接結合可能な少なくとも一つの補強材を調整することを含む。少なくとも一つの補強材の調整は、ゴルフ用クラブヘッドの穴を通して少なくとも一つの補強材から材料を取り出すことであって、該少なくとも一つの補強材はリブを含むものであること、ゴルフ用クラブヘッドに形成されたポートを介して、少なくとも一つの補強材へ約ショア10D以上の硬度を有するポリマー材料を加えること、又はゴルフ用クラブヘッドのフェース部と接触するか又は接触するように、少なくとも部分的に内部空洞内でファスナーを調節することの少なくとも一つを含む。本段落の前述の主題は本開示の例119を特徴付ける。
【0126】
それぞれが本体及びフェース部を含む、複数のゴルフ用クラブヘッド。本体は内部空洞を規定する。さらに、本体は、ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部(クラウン部の外面全体は、凸状である)、及びソール部とクラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部を含む。本体はさらに、前方領域、前方領域の反対側の後方領域、ヒール領域、及びヒール領域の反対側のトウ領域を含む。フェース部は本体の前方領域で本体に結合され、打撃プレートを含む。打撃プレートのセンターフェースにおける、センターフェースからトウ領域に向かって20ミリメートル(mm)離れた打撃プレート上の第1の位置における、及びセンターフェースからヒール領域に向かって20ミリメートル(mm)離れた打撃プレート上の第2の位置における、各ゴルフ用クラブヘッドの特性時間(CT)は、ゴルフ用クラブヘッドの製造前に予め決められた、目的のCTの2マイクロ秒の標準偏差以内である。本段落の前述の主題は本開示の例120を特徴付ける。
【0127】
目的のCTは、235マイクロ秒乃至257マイクロ秒である。本段落の前述の主題は本開示の例121を特徴付け、例121はまた上記の例120に係る主題を含む。
【0128】
目的のCTは、240マイクロ秒乃至250マイクロ秒である。本段落の前述の主題は本開示の例122を特徴付け、例122はまた上記の例121に係る主題を含む。
【0129】
目的のCTは、247マイクロ秒である。本段落の前述の主題は本開示の例123を特徴付け、例123はまた上記の例122に係る主題を含む。
【0130】
各ゴルフ用クラブヘッドは、少なくとも部分的に内部空洞内にあり、かつ別々の位置でフェース部に直接に結合可能な少なくとも一つの補強材を含む。少なくとも一つの補強材は、打撃プレートのセンターフェースにおける、センターフェースからトウ領域に向かって20ミリメートル離れた打撃プレート上の第1の位置における、及びセンターフェースからヒール領域に向かって20ミリメートル離れた打撃プレート上の第2の位置におけるCTが、目的のCTの2マイクロ秒の標準偏差以内になるように、ゴルフ用クラブヘッドを製造した後に打撃プレートのCTをフェース部の離散位置に近接して選択的に調整するように構成される。本段落の前述の主題は本開示の例124を特徴付け、例124はまた上記の例120~123のいずれか一つに係る主題を含む。
【0131】
クラウン部の外面全体は凸状である。本段落の前述の主題は本開示の例125を特徴付け、例125はまた上記の例62~118及び120~124のいずれか一つに係る主題を含む。
【0132】
打撃プレートは、少なくとも3500mm^2の面積及び少なくとも約50mmの大地面からの最大高さを有する。本段落の前述の主題は本開示の例126を特徴付け、例126はまた上記の例62~118及び120~125のいずれか一つに係る主題を含む。
【0133】
ゴルフ用クラブヘッドの体積は、少なくとも約370cm3である。本段落の前述の主題は本開示の例127を特徴付け、例127はまた上記の例62~118及び120~126のいずれか一つに係る主題を含む。
【0134】
本体のクラウン部は、第1の材料から作られ、本体のソール部又はスカート部のうちの少なくとも一つは、第1の材料と異なる第2の材料から作られ、クラウン部はスカート部に接着されている。本段落の前述の主題は本開示の例128を特徴付け、例128はまた上記の例62~118及び120~127のいずれか一つに係る主題を含む。
【0135】
本明細書には、本体を含むゴルフ用クラブヘッドが開示される。本体は内部空洞を規定する。本体はまた、ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部、ソール部とクラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部、前方領域、前方領域の反対側の後方領域、ヒール領域、及びヒール領域の反対側のトウ領域を含む。ゴルフ用クラブヘッドはまた、本体の前方領域で本体に結合されたフェース部を含む。フェース部は、190mm乃至600mmのバルジ半径及び100mm乃至600mmのロール半径を有する。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、ソール部から直立して突出し、ヒール-トウ方向において長手方向に延び、15GPa乃至350GPaの第1の弾性係数を有する第1の材料で作られている第1の壁を含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、本体の内部空洞内に配置され、フェース部の内面と第1の壁との間に配置された補強材を含む。補強材は、第1の弾性係数未満の第2の弾性係数を有する第2の材料で作られており、第2の弾性係数は、0.5GPa乃至30GPaであり、かつ第2の材料は、少なくともショア5.95Dの硬度を有する。ゴルフ用クラブヘッドの反発係数(COR)は、少なくとも0.78である。フェース部の中心におけるゴルフクラブヘッドの特性時間(CT)は、257マイクロ秒以下である。本段落の前述の主題は本開示の例129を特徴付ける。
【0136】
フェース部の内面は、フェース部の中心の周りに連続ビーズを含む。連続ビーズにおけるフェース部の厚さは、連続ビーズに直接に隣接するフェース部の一部における厚さよりも大きい。補強材は、本体の内面から少なくとも連続ビーズまで延びる。本段落の前述の主題は本開示の例130を特徴付け、例130はまた上記の例129に係る主題を含む。
【0137】
補強材は連続ビーズに直接に接触する。本段落の前述の主題は本開示の例131を特徴付け、例131はまた上記の例130に係る主題を含む。
【0138】
補強材は、フェース部の内面に直接に接触する。本段落の前述の主題は本開示の例132を特徴付け、例132はまた上記の例129~131のいずれか一つに係る主題を含む。
【0139】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、ソール部から直立して突出し、一般的に前後方向において長手方向に延び、第1の弾性係数未満の第3の弾性係数を有する第3の材料で作られている第2の壁を含む。第2の弾性係数は、第3の弾性係数より大きい。補強材は、第2の壁に当接する。本段落の前述の主題は本開示の例133を特徴付け、例133はまた上記の例129~132のいずれか一つに係る主題を含む。
【0140】
第3の弾性係数は、0.01GPa乃至8.0GPaである。本段落の前述の主題は本開示の例134を特徴付け、例134はまた上記の例133に係る主題を含む。
【0141】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、ソール部から直立して突出し、ヒール-トウ方向と平行な方向に第2の壁から離間して一般的に前後方向において長手方向に延び、第3の材料で作られている第3の壁を含む。補強材は、第3の壁に当接し、第2の壁と第3の壁との間に配置されている。本段落の前述の主題は本開示の例135を特徴付け、例135はまた上記の例133~134のいずれか一つに係る主題を含む。
【0142】
第3の弾性係数は、0.01GPa乃至8.0GPaである。本段落の前述の主題は本開示の例136を特徴付け、例136はまた上記の例135に係る主題を含む。
【0143】
第2の壁は、フェース部の内面と第1の壁に当接する。第3の壁は、フェース部の内面と第1の壁に当接する。補強材は、第1の壁、第2の壁、及び第3の壁に当接する。本段落の前述の主題は本開示の例137を特徴付け、例137はまた上記の例135~136のいずれか一つに係る主題を含む。
【0144】
第1の材料はチタン又は鋼のうちの一つである。第2の材料は発泡体である。第3の材料はアクリルである。本段落の前述の主題は本開示の例138を特徴付け、例138はまた上記の例135~137のいずれか一つに係る主題を含む。
【0145】
第1の壁、第2の壁、第3の壁、及び補強材は、補強材アセンブリを含む。補強材アセンブリは、フェース部の中心からトウ方向又はヒール方向に配置されている。本段落の前述の主題は本開示の例139を特徴付け、例139はまた上記の例135~138のいずれか一つに係る主題を含む。
【0146】
ゴルフクラブヘッドはさらに、それぞれフェース部の中心からトウ方向又はヒール方向に配置された複数の補強材アセンブリを含む。本段落の前述の主題は本開示の例140を特徴付け、例140はまた上記の例139に係る主題を含む。
【0147】
補強材の最大高さは、第1の壁の最大高さ、第2の壁の最大高さ、及び第3の壁の最大高さ未満である。本段落の前述の主題は本開示の例141を特徴付け、例141はまた上記の例135~140のいずれか一つに係る主題を含む。
【0148】
第1の壁は、本体のソール部に隣接するフェース部の全セクションの全長未満で、一般的にヒール-トウ方向において、長手方向に延びる。補強材は、本体のソール部に隣接するフェース部の全セクションの全長未満で、ヒール-トウ方向と平行に、長手方向に延びる。補強材の全長は、第1の壁の全長以下である。本段落の前述の主題は本開示の例142を特徴付け、例142はまた上記の例129~141のいずれか一つに係る主題を含む。
【0149】
第1の壁及び補強材は、ゴルフ用クラブヘッドのヘッド原点座標系のy-z平面に沿って配置されている。本段落の前述の主題は本開示の例143を特徴付け、例143はまた上記の例142に係る主題を含む。
【0150】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、本体のソール部に形成され、ヒール-トウ方向と平行に、長手方向に延びるスロットを含む。第1の壁は、スロットの最前の側壁を形成する。本段落の前述の主題は本開示の例144を特徴付け、例144はまた上記の例129~143のいずれか一つに係る主題を含む。
【0151】
スロットは、本体のソール部に隣接するフェース部の全セクションの全長にわたって延びる。補強材は、本体のソール部に隣接するフェース部の全セクションの全長未満で、ヒール-トウ方向と平行に、長手方向に延びる。本段落の前述の主題は本開示の例145を特徴付け、例145はまた上記の例144に係る主題を含む。
【0152】
本体及びフェース部は、一体で、単一のモノリシック構造を形成する。本段落の前述の主題は本開示の例146を特徴付け、例146はまた上記の例129~145のいずれか一つに係る主題を含む。
【0153】
フェース部は、フェース開口部と、フェース開口部に溶接された打撃プレートとを有する。本段落の前述の主題は本開示の例147を特徴付け、例147はまた上記の例129~146のいずれか一つに係る主題を含む。
【0154】
補強材の最大高さは、第1の壁の最大高さ未満である。本段落の前述の主題は本開示の例148を特徴付け、例148はまた上記の例129~147のいずれか一つに係る主題を含む。
【0155】
さらに本明細書には、本体を含むゴルフ用クラブヘッドが開示される。本体は、ゴルフ用クラブヘッドの内部空洞を部分的に規定する。本体はまた、ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部、ソール部とクラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部、前方領域、前方領域の反対側の後方領域、ヒール領域、及びヒール領域の反対側のトウ領域を含む。ゴルフ用クラブヘッドはまた、本体の前方領域で本体に結合されたフェース部を含む。フェース部は、内部空洞を部分的に規定する内面を含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、本体のソール部分に形成され、一般的にヒール-トウ方向において長手方向に延びるスロットを含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、スロット内に固定され、保持され、フェース部の内面に直接に接触した補強材を含む。本段落の前述の主題は本開示の例149を特徴付ける。
【0156】
補強材は、スロットと圧入係合する。本段落の前述の主題は本開示の例150を特徴付け、例150はまた上記の例149に係る主題を含む。
【0157】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、ソール部の内面に結合された擁壁を含む。擁壁は、フェース部に向かって傾斜している。擁壁は、スロットの後壁を規定する。補強材は、擁壁と圧入係合する。本段落の前述の主題は本開示の例151を特徴付け、例151はまた上記の例150に係る主題を含む。
【0158】
補強材の全長は、インサートのチャネルの全長未満である。本段落の前述の主題は本開示の例152を特徴付け、例152はまた上記の例149~151のいずれか一つに係る主題を含む。
【0159】
補強材は、フェース部の中心からトウ側又はヒール側にある。本段落の前述の主題は本開示の例153を特徴付け、例153はまた上記の例149~152のいずれか一つに係る主題を含む。
【0160】
補強材は、スロットから選択的に取り外し可能である。本段落の前述の主題は本開示の例154を特徴付け、例154はまた上記の例149~153のいずれか一つに係る主題を含む。
【0161】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、互いに対して間隔をあけてスロット内に固定され、保持された複数の補強材を含む。本段落の前述の主題は本開示の例155を特徴付け、例155はまた上記の例149~154のいずれか一つに係る主題を含む。
【0162】
さらに本明細書には、ゴルフ用クラブヘッドが開示される。ゴルフ用クラブヘッドは、ゴルフ用クラブヘッドの内部空洞を部分的に規定する本体を含む。ゴルフ用クラブヘッドは、ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部、ソール部とクラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部、前方領域、前方領域の反対側の後方領域、ヒール領域、及びヒール領域の反対側のトウ領域を含む。ゴルフ用クラブヘッドはまた、本体の前方領域で本体に結合されたフェース部を含む。フェース部は、内部空洞を部分的に規定する内面を含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、本体のソール部分に形成され、一般的にヒール-トウ方向において長手方向に延びるスロットを含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、チャネルを含むインサートを含む。インサートは、スロット内に固定され、保持されている。ゴルフ用クラブヘッドはまた、インサートのチャネル内に固定され、保持された補強材を含む。本段落の前述の主題は本開示の例156を特徴付ける。
【0163】
インサートは、前開口部と、前開口部の反対側の後開口部とを含む。補強材は、前部延出タブと、前部延出タブの反対側の後部延出タブとを含む。前部延出タブは、インサートの前開口部を通し、スロットの前壁に直接に接触する。後部延出タブは、インサートの後開口部を通し、スロットの後壁に直接に接触する。本段落の前述の主題は本開示の例157を特徴付け、例157はまた上記の例156に係る主題を含む。
【0164】
スロットは、第1の弾性係数を有する第1の材料で作られている。インサートは、第2の弾性係数を有する第2の材料で作られている。補強材は、第3の弾性係数を有する第3の材料で作られている。第3の弾性係数は、第2の弾性係数より高く、第1の弾性係数より低い。本段落の前述の主題は本開示の例158を特徴付け、例158はまた上記の例156~157のいずれか一つに係る主題を含む。
【0165】
スロットは、本体の内部空洞に開口している開口端を含む。インサートはスロットの開口端を密閉する。本段落の前述の主題は本開示の例159を特徴付け、例159はまた上記の例156~158のいずれか一つに係る主題を含む。
【0166】
補強材の全長は、インサートのチャネルの全長未満である。本段落の前述の主題は本開示の例160を特徴付け、例160はまた上記の例156~159のいずれか一つに係る主題を含む。
【0167】
補強材は、フェース部の中心からトウ側又はヒール側にある。本段落の前述の主題は本開示の例161を特徴付け、例161はまた上記の例156~160のいずれか一つに係る主題を含む。
【0168】
補強材は、スロットから選択的に取り外し可能である。本段落の前述の主題は本開示の例162を特徴付け、例162はまた上記の例156~161のいずれか一つに係る主題を含む。
【0169】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、互いに対して間隔をあけてスロット内に固定され、保持された複数の補強材を含む。本段落の前述の主題は本開示の例163を特徴付け、例163はまた上記の例156~162のいずれか一つに係る主題を含む。
【0170】
また本明細書には、ゴルフ用クラブヘッドの一つ又はそれ以上の特性時間を調整する方法が開示される。この方法は、ゴルフ用クラブヘッドのフェース部の第1の測定特性時間(CT)値を測定することを含む。ゴルフ用クラブヘッドは、内部空洞を規定し、かつゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部、ソール部とクラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部、前方領域、前方領域の反対側の後方領域、ヒール領域、及びヒール領域の反対側のトウ領域を含む本体、を含む。ゴルフ用クラブヘッドはまた、本体の前方領域で本体に結合されたフェース部を含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、本体のソール部に形成され、一般的にヒール-トウ方向において長手方向に延びるスロットを含む。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、スロット内に固定され、保持された第1の補強材を含む。この方法はまた、第1のCT測定値が測定された後、スロットから第1の補強材を取り外し、スロット内に第1の補強材とは異なる第2の補強材を固定して、保持することによってゴルフ用クラブヘッドのCTを調整することも含む。本段落の前述の主題は本開示の例164を特徴付ける。
【0171】
第2の補強材は、第1の補強材の弾性係数よりも高い弾性係数を有する。ゴルフ用クラブヘッドのCT調整は、ゴルフ用クラブヘッドのCTを減少させることを含む。本段落の前述の主題は本開示の例165を特徴付け、例165はまた上記の例164に係る主題を含む。
【0172】
第2の補強材は、第1の補強材よりも大きい。ゴルフ用クラブヘッドのCT調整は、ゴルフ用クラブヘッドのCTを減少させることを含む。本段落の前述の主題は本開示の例166を特徴付け、例166はまた上記の例164~165のいずれか一つに係る主題を含む。
【0173】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、スロット内に固定され、保持され、チャネルを含むインサートを含む。第1の補強材は、インサートのチャネル内に固定され、保持されている。ゴルフ用クラブヘッドのCTは、スロットからインサートを取り外すこと、インサートのチャネルから第1の補強材を取り外すこと、インサートのチャネル内に第2の補強材を固定し、保持すること、及び第2の補強材がインサートのチャネル内でスロット内に固定され、保持された状態で、インサートをスロット内に固定し、保持することによって、さらに調節される。本段落の前述の主題は本開示の例167を特徴付け、例167はまた上記の例164~166のいずれか一つに係る主題を含む。
【0174】
さらに本明細書には、ゴルフ用クラブヘッドが開示される。ゴルフ用クラブヘッドは、内部空洞を規定し、ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部を含む本体を含み、ソール部はソール表面領域を有する。本体はまた、ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部を含み、クラウン部はクラウン表面領域を有する。本体はさらに、ソール部とクラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部を含む。本体はさらに、前方領域、前方領域の反対側の後方領域、ヒール領域、及びヒール領域の反対側のトウ領域を含む。ゴルフ用クラブヘッドはまた、本体の前方領域で本体に結合され、打撃フェース、及び打撃フェースの反対側の内面を含むフェース部、を含む。フェース部は異なる厚さを有する。ゴルフ用クラブヘッドのクラウン部の面積重量は、クラウン部の全表面領域の約50%以上にわたって約0.35g/cm2未満である。ゴルフ用クラブヘッドのソール部の面積重量は、ソール部の全表面領域の約50%以上にわたって約0.35g/cm2未満である。打撃フェースは、打撃フェースの中心を中心とし、ヒール-トウ方向に細長い40ミリメートル×20ミリメートルの矩形領域によって規定される中心領域を有する。中心領域内において、フェース部の最大厚さは5mm以下であり、フェース部の最小厚さは2.4mm以上である。中心領域内において、打撃フェースは、257マイクロ秒以下の特性時間(CT)を有する。中心領域内において、打撃フェースの25%以上は、少なくとも0.8の反発係数(COR)を有する。中心領域内において、打撃フェースの60%以上は、少なくとも235マイクロ秒のCTを有する。中心領域内において、打撃フェースの50%以上は、少なくとも240マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例168を特徴付ける。
【0175】
打撃フェースの20%以上は、少なくとも245マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例169を特徴付け、例169はまた上記の例168に係る主題を含む。
【0176】
中心領域内の打撃フェースの少なくとも60%は、少なくとも240マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例170を特徴付け、例170はまた上記の例168~169のいずれか一つに係る主題を含む。
【0177】
中心領域内の打撃フェースの少なくとも40%は、少なくとも245マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例171を特徴付け、例171はまた上記の例168~170のいずれか一つに係る主題を含む。
【0178】
中心領域内の打撃フェースの少なくとも10%は、少なくとも250マイクロ秒のCTを有する。本段落の前述の主題は本開示の例172を特徴付け、例172はまた上記の例168~171のいずれか一つに係る主題を含む。
【0179】
打撃フェースの中心から少なくとも5ミリメートル内の打撃フェース上の任意の位置におけるCTは、240マイクロ秒より大きい。本段落の前述の主題は本開示の例173を特徴付け、例173はまた上記の例168~172のいずれか一つに係る主題を含む。
【0180】
ゴルフ用クラブヘッドは、約-5mm乃至約5mmのヘッドセンターフェース原点x軸座標及び約25mm乃至約50mmのヘッドセンターフェース原点y軸座標、並びに2mm未満のセンターフェースヘッド原点z軸座標を有する重心(CG)を有する。本段落の前述の主題は本開示の例174を特徴付け、例174はまた上記の例168~173のいずれか一つに係る主題を含む。
【0181】
ゴルフ用クラブヘッドは、約350cm3乃至約500cm3の体積、ヘッド重心z軸周りの慣性モーメント(Izz)、及びヘッド重心x軸周りの慣性モーメント(Ixx)を有する。本段落の前述の主題は本開示の例175を特徴付け、例175はまた上記の例168~174のいずれか一つに係る主題を含む。
【0182】
IzzとIxxの合計は、約740kg・mm2乃至約1100kg・mm2である。本段落の前述の主題は本開示の例176を特徴付け、例176はまた上記の例175に係る主題を含む。
【0183】
ゴルフ用クラブヘッドは、本体の内部空洞内に配置され、フェース部の内面と直接に接触する補強材をさらに含む。補強材は、少なくともショア5.95Dの硬度を有する材料で作られている。本段落の前述の主題は本開示の例177を特徴付け、例177はまた上記の例168~176のいずれか一つに係る主題を含む。
【0184】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、本体の内部空洞内に配置され、フェース部の内面と直接に接触する複数の補強材を含む。複数の補強材は、本体と同じ材料で作られた複数のリブである。本段落の前述の主題は本開示の例178を特徴付け、例178はまた上記の例168~177のいずれか一つに係る主題を含む。
【0185】
複数のリブは、フェース部とクラウン部との間の移行部に近接して配置されている。本段落の前述の主題は本開示の例179を特徴付け、例179はまた上記の例178に係る主題を含む。
【0186】
複数のリブのうち少なくとも一つは、+15mm乃至+25mmのヘッド原点x軸座標を有し、複数のリブのうち少なくとも一つは、-15mm乃至-25mmのヘッド原点x軸座標を有する。本段落の前述の主題は本開示の例180を特徴付け、例180はまた上記の例178~179のいずれか一つに係る主題を含む。
【0187】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、本体の内部空洞内に配置され、ヘッド原点y軸に沿って測定したときに、少なくとも1mmで20mm以下だけフェース部の内面からオフセットされた複数の補強材を含む。複数の補強材は、クラウン部の内面とソール部の内面との間に延びる細長い補強部材である。本段落の前述の主題は本開示の例181を特徴付け、例181はまた上記の例168~180のいずれか一つに係る主題を含む。
【0188】
複数の補強材は、二つ又はそれ以上のブレースバーを含む。二つ又はそれ以上のブレースバーは、0.005g/mm乃至0.40g/mmの単位長さ当たりの質量をそれぞれ有する。本段落の前述の主題は本開示の例182を特徴付け、例182はまた上記の例181に係る主題を含む。
【0189】
複数の補強材のうち少なくとも一つは、+15m乃至+25mmのヘッド原点x軸座標を有し、複数の補強材のうち少なくとも一つは、-15mm乃至-25mmのヘッド原点x軸座標を有する。本段落の前述の主題は本開示の例183を特徴付け、例183はまた上記の例181~182のいずれか一つに係る主題を含む。
【0190】
フェース部の最大厚さは、4mm以下である。本段落の前述の主題は本開示の例184を特徴付け、例184はまた上記の例168~183のいずれか一つに係る主題を含む。
【0191】
フェース部の最小厚さは、3mm未満である。本段落の前述の主題は本開示の例185を特徴付け、例185はまた上記の例168~184のいずれか一つに係る主題を含む。
【0192】
本体及びフェース部は、一体で、単一のモノリシック構造を形成する。本段落の前述の主題は本開示の例186を特徴付け、例186はまた上記の例168~185のいずれか一つに係る主題を含む。
【0193】
フェース部は、フェース開口部と、フェース開口部に溶接された打撃プレートとを含む。本段落の前述の主題は本開示の例187を特徴付け、例187はまた上記の例168~186のいずれか一つに係る主題を含む。
【0194】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、ソール部から直立して突出し、ヒール-トウ方向において長手方向に延び、15GPa乃至350GPaの第1の弾性係数を有する第1の材料で作られている第1の壁を含む。ゴルフ用クラブヘッドはまた、本体の内部空洞内に配置され、フェース部の内面と第1の壁との間に配置された補強材を含む。補強材は、第1の弾性係数未満の第2の弾性係数を有する第2の材料で作られており、第2の弾性係数は、0.5GPa乃至30GPaであり、第2の材料は、少なくともショア5.95Dの硬度を有し、補強材は、フェース部の内面に直接に接触する。本段落の前述の主題は本開示の例188を特徴付け、例188はまた上記の例168~187のいずれか一つに係る主題を含む。
【0195】
ゴルフ用クラブヘッドはさらに、ソール部から直立して突出し、一般的に前後方向において長手方向に延び、第1の弾性係数未満の第3の弾性係数を有する第3の材料で作られている第2の壁を含む。第2の弾性係数は、第3の弾性係数より大きい。補強材は、第2の壁に当接する。ゴルフ用クラブヘッドはさらに、ソール部から直立して突出し、一般的に前後方向において長手方向に延び、ヒール-トウ方向に平行な方向において第2の壁から離間して、第3の材料で作られている第3の壁を含む。補強材は、第3の壁に当接し、第2の壁と第3の壁との間に配置されている。本段落の前述の主題は本開示の例189を特徴付け、例189はまた上記の例188に係る主題を含む。
【0196】
第1の材料はチタン又は鋼のうちの一つである。第2の材料は発泡体である。第3の材料はアクリルである。本段落の前述の主題は本開示の例190を特徴付け、例190はまた上記の例189に係る主題を含む。
【0197】
本開示の主題の記載された特徴、構造、利点、及び/又は特性は、一つ又はそれ以上の実施形態及び/又は実行形態において任意の適切な形で組み合わせることができる。以下の説明では、本開示の主題の実施形態の完全な理解を与えるために、多数の具体的な詳細が提供される。当業者は、本開示の主題が、特定の実施形態又は実行形態の、一つ又はそれ以上の特定の特徴、詳細、構成要素、材料、及び/又は方法なしで実施され得ることを理解されよう。他の例では、特定の実施形態及び/又は実行形態では、全ての実施形態又は実行形態には存在しないことがある追加の特徴及び利点が認識されることがある。さらに、いくつかの例では、本開示の主題の態様を曖昧にすることを避けるために、よく知られている構造、材料、又は動作は、詳細に図示又は説明されていない。本開示の主題の特徴及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲から、より完全に明らかになり、又は以下に記載の主題の実施によって習得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0198】
主題の利点をより容易に理解することができるように、上記で簡単に記載された主題のより詳細な説明は、添付の図面に示される特定の実施形態を参照することによって与えられるであろう。これらの図面は主題の典型的な実施形態のみを示しており、したがって主題の範囲を限定するものと見なすべきではないことを理解した上で、主題を、図面を用いてさらに具体的かつ詳細に記載及び説明する。
【0199】
【
図1】
図1は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの底部からの、ゴルフ用クラブヘッドの斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの後方からの、ゴルフ用クラブヘッドの斜視図である。
【
図3】
図3は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの頂部からの、ゴルフ用クラブヘッドの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの側部からの、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの断面斜視図であり、ゴルフ用クラブヘッドのクラウンインサートを除去した状態を示す。
【
図5】
図5は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図6】
図6は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図1の線2-2に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の背面図である。
【
図7】
図7は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの側部からの、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの断面斜視図であり、ゴルフ用クラブヘッドのクラウンインサートを除去した状態を示す。
【
図8】
図8は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図9】
図9は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図1の線2-2に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の背面図である。
【
図10】
図10は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの側部からの、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの断面斜視図であり、ゴルフ用クラブヘッドのクラウンインサートを除去した状態を示す。
【
図11】
図11は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図12】
図12は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図13】
図13は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの側部からの、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの断面斜視図であり、ゴルフ用クラブヘッドのクラウンインサートを除去した状態を示す。
【
図14】
図14は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図15】
図15は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図1の線2-2に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の背面図である。
【
図16】
図16は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの側部からの、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの断面斜視図であり、ゴルフ用クラブヘッドのクラウンインサートを除去した状態を示す。
【
図17】
図17は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図18】
図18は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図19】
図19は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの側部からの、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの断面斜視図であり、ゴルフ用クラブヘッドのクラウンインサートを除去した状態を示す。
【
図20】
図20は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図21】
図21は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図1の線2-2に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の背面図である。
【
図22】
図22は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの側部からの、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの断面斜視図であり、ゴルフ用クラブヘッドのクラウンインサートを除去した状態を示す。
【
図23】
図23は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図1の線2-2に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の背面図である。
【
図24】
図24は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図25】
図25は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図1の線2-2に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の背面図である。
【
図26】
図26は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図5の線3-3に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の平面図である。
【
図27】
図27は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図28】
図28は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブの斜視図である。
【
図29】
図29は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドが完全に製造された後に、ゴルフ用クラブヘッドの特性時間(CT)を調整する方法の概略流れ図である。
【
図30】
図30は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの正面図である。
【
図31A】
図31Aは、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線31-31に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の正面図である。
【
図31B】
図31Bは、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線31-31に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の正面図である。
【
図31C】
図31Cは、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線31-31に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の正面図である。
【
図32A】
図32Aは、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図32B】
図32Bは、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図33】
図33は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの側部からの、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの断面斜視図であり、ゴルフ用クラブヘッドの頂部の一部を除去した状態を示す。
【
図34】
図34は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図35】
図35は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図36】
図36は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの側部からの、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの断面斜視図であり、ゴルフ用クラブヘッドの頂部の一部を除去した状態を示す。
【
図37】
図37は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図38】
図38は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの底部からの、ゴルフ用クラブヘッドの斜視図である。
【
図39】
図39は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの底部からの、ゴルフ用クラブヘッドの分解斜視図である。
【
図40】
図40は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図41A】
図41Aは、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドのフェース-ソール移行領域の横断面の側面図である。
【
図41B】
図41Bは、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドのフェース-ソール移行領域の横断面の側面図である。
【
図42】
図42は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図5の線3-3に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の上面図である。
【
図43】
図43は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図5の線3-3に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の上面図である。
【
図44】
図44は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図2の線1-1に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の側面図である。
【
図45】
図45は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図5の線3-3に類似する線に沿った、ゴルフ用クラブヘッドの横断面の上面図である。
【
図46】
図46は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの正面図である。
【
図47】
図47は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの打撃フェースの中心領域内の特性時間(CT)値を示すグラフである。
【
図48】
図48は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドの打撃フェースの中心領域内の特性時間(CT)値を示すグラフである。
【
図49】
図49は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、打撃フェースの中心を通る打撃フェース上の水平経路に沿った特性時間(CT)値を示すグラフである。
【
図50】
図50は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドのフェース部の分解横断面の側面図である。
【
図51】
図51は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図50のゴルフ用クラブヘッドのフェース部の横断面の側面図である。
【
図52】
図52は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドのフェース部の横断面の側面図である。
【
図53】
図53は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドのフェース部の横断面の側面図である。
【
図54】
図54は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドのフェース部の横断面の側面図である。
【
図55】
図55は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドのフェース部の背面図である。
【
図56】
図56は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドのフェース部の背面図である。
【
図57】
図57は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、
図56のフェース部の斜視図である。
【
図58】
図58は、本開示の一つ又はそれ以上の例に係る、ゴルフ用クラブヘッドのフェース部の背面図である。
【0200】
詳細な説明
以下はドライバータイプのゴルフ用クラブの文脈でゴルフ用クラブヘッドの実施形態を説明するが、記載された原理、方法及び設計はフェアウェイウッド、ユーティリティクラブ(ハイブリッドクラブとしても知られる)等に全体的又は部分的に適用可能である。
【0201】
全体が参照により本明細書に組み込まれる、2014年10月9日に公開された米国特許出願公開第2014/0302946A1号(‘946App)は、本出願を通して論じられている様々なパラメータを測定するために使用されるアドレス位置と同様の「基準位置」を記載している。アドレス又は基準位置は、全米ゴルフ協会及びR&A Rules Limitedの「Procedure for Measuring the Club Head Size of Wood Clubs」改訂1.0.0(2003年11月21日)に記載されている手順に基づいている。特に指示のない限り、全てのパラメータは、クラブヘッドを基準位置にして特定されている。
【0202】
図5、6、8、9、11、12、14、15、17、18、20、21、23~25、及び27は、アドレス位置にあるクラブヘッドを示す例であり、すなわち、クラブヘッドは、ホーゼル軸が大地面に対して60度のライ角にあり、クラブフェースが想像上の目標線に対して正方形であるように位置している。
図5、6、8、9、11、12、14、15、17、18、20、21、23~25、及び27に示すように、ゴルフ用クラブヘッド100を基準位置に位置させることは、様々な測定を行なうためにクラブヘッド原点座標系185を使用することに役立つ。さらに、USGA方法論は、ヘッド高さ、クラブヘッド重心(CG)位置、及び様々な軸周りの慣性モーメント(MOI)を含む、本出願を通して記載されている様々なパラメータを測定するために使用され得る。
【0203】
さらなる詳細又は明確さのために、読者には‘946App及びUSGA手順に記載されている測定方法を参照することを勧める。しかしながら、特に、本出願で使用される原点及び軸は、必ずしも‘946App又はUSGA手順に記載されているものと同じ方法で整列又は配向されていてなくてもよい。クラブヘッド原点座標系185の位置を特定することについてのさらなる詳細が以下に提供される。
【0204】
本明細書に記載されているゴルフ用クラブヘッドは、少なくとも3500mm^2、好ましくは少なくとも3800mm^2、さらにより好ましくは3900mm^2の比較的大きい打撃プレート領域を有するドライバータイプのゴルフ用クラブヘッドを含み得る。さらに、ドライバータイプのゴルフ用クラブヘッドは、垂直軸(z軸)に沿って測定したときに最大で、センターフェースの上下3mmであり得る、好ましくはセンターフェースの上下1mmであり得るセンターフェースに近接した重心(CG)突出部を含み得る。
【0205】
さらに、ドライバータイプのゴルフ用クラブヘッドは、比較的高いヘッド重心z軸周りの慣性モーメント、例えばIzz>350kg-mm^2、好ましくはIzz>400kg-mm^2、及び比較的高いヘッド重心x軸周りの慣性モーメント、例えばIxx>200kg-mm^2、好ましくはIxx>250kg-mm^2、並びに好ましくは、Ixx/Izzの比>0.55を有し得る。例えば、一つの実行形態において、Ixxは305kg・mm2以上であり、別の実行形態において、Ixxは320kg・mm2以上である。いくつかの例において、IzzとIxxの合計は、約740kg・mm2乃至約1100kg・mm2である。一つの例によれば、IzzとIxxの合計は約790kg・mm2より大きい。別の例において、IzzとIxxの合計は約805kg・mm2より大きい。
【0206】
ヘッド重心原点座標系を定義するヘッド重心x軸、ヘッド重心y軸、及びヘッド重心z軸は、ゴルフ用クラブヘッドの重心を中心とする。さらに、ヘッド重心x軸、ヘッド重心y軸、及びヘッド重心z軸は、本明細書で定義されるように、クラブヘッド原点座標系185の対応するx軸、y軸、及びz軸に平行である。重心の位置は、ゴルフ用クラブヘッドの打撃フェースのセンターフェースを中心とするヘッドセンターフェース原点x軸、ヘッドセンターフェース原点y軸、及びヘッドセンターフェース原点z軸によって定義されるセンターフェースヘッド原点座標系に対して定義することができる。ヘッドセンターフェース原点x軸、ヘッドセンターフェース原点y軸、及びヘッドセンターフェース原点z軸は、本明細書で定義されるクラブヘッド原点座標系185の対応するx軸、y軸、及びz軸と平行である。いくつかの例において、ゴルフ用クラブヘッドは、約-5mm乃至約5mmのヘッドセンターフェース原点x軸座標及び約25mm乃至約50mmのヘッドセンターフェース原点y軸座標、並びに2mm未満のセンターフェースヘッド原点z軸座標を有する重心(CG)を有する。
【0207】
図1及び2を参照すると、本開示のゴルフ用クラブヘッド100は本体110を含む。本体110は、トウ領域114と、トウ領域114の反対側のヒール領域116とを有する。さらに本体110は、前方領域112と、前方領域112の反対側の後方領域118とを含む。本体110はさらに、本体110の前方領域112にフェース部142を含む。ゴルフ用クラブヘッド100の本体110はさらに、ゴルフ用クラブヘッド100の底部領域135にソール部117と、ソール部117の反対側で、ゴルフ用クラブヘッド100の頂部領域133にクラウン部119を含む。また、ゴルフ用クラブヘッド100の本体110は、ゴルフ用クラブヘッド100の本体110が、クラウン部119とソール部117との間で移行する移行領域を規定するスカート部121を含む。従って、スカート部121は、クラウン部119と、ソール部117との間に配置され、ゴルフ用クラブヘッド100の周囲の周りに延びる。フェース部142は、ソール部117からクラウン部119に、前方領域112に沿って延びる。さらに、フェース部142の外面、及び内面の少なくとも一部は、上下方向に平面である。さらに定義されるように、フェース部142は、一般に前方を向く外面を有する、前方領域112における本体110の一部である。
【0208】
フェース部142は、リップ147と、打撃フェース144を規定する打撃プレート143とを含む。リップ147は、周方向に閉じられ、フェース開口部を規定し、本体110の前方領域112の外周の周りに延びる。リップ147は、打撃プレート143を周辺で取り囲み、本体110のクラウン部119、スカート部121、及びソール部117と一体成形されている(例えば、一体で、連続的なモノリシック構造を形成する)。打撃プレート143は、ゴルフ用クラブヘッド100の通常のスイング中にゴルフボールに衝突し遠くまで飛ばすように構成された打撃フェースを規定する。
図5を参照すると、打撃プレート143は、リップ147に取り付けられ又はそれと一体成形され、本体110のフェース部142を形成する。一つの例において、打撃プレート143は、打撃プレート143をリップ147又はフェース開口部に固定して取り付ける(例えば、溶接する)ことによって、リップ147に取り付けられる。別の例によれば、打撃プレート143は、リップ147及び本体110の他の部分とともに打撃プレート143を鋳造することによって、リップ147と一体成形(例えば、一体)され、本体110と一体で、連続的なモノリシック構造を形成する。例えば、打撃フェースは、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年10月16日に出願された米国特許出願第16/161,337号に示され、記載されているものと同様又は同じ方法で、ゴルフ用クラブヘッドと共鋳造することができる。
【0209】
一緒に鋳造されるとき、打撃プレート143、リップ147、及び本体110の他の部分は、以下に記載される様々な材料のうちのいずれかなどの、同じ材料で作られる。しかしながら、一体構造として打撃プレート143とリップ147とを一体成形するのではなく、打撃プレート143をリップ147に溶接することは、打撃プレート143を以下に記載される材料のうちのいずれかなどの、異なる材料から作ること、及び/又はリップ147及び本体110の他の部分とは異なる製造プロセスによって作ることができる。特定の実行形態によれば、ゴルフ用クラブヘッド100は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第12/006,060号;及び米国特許第6,997,820号;6,800,038号;及び6,824,475号にさらに詳細に記載されているものと同様の変厚フェース部機構を含む。その中心領域内において、以下に定義されているように、フェース部142は、いくつかの例において、4.5mm以下の最大フェース厚さ及び2.0mm以上の最小フェース厚さを有する。具体例によれば、フェース部の最大厚さは5mm以下であり、フェース部の最小厚さは3mm未満である。
【0210】
いくつかの例において、ゴルフ用クラブヘッド100は、変厚フェース部機構を有するフェース部142を含む。一つの例によれば、フェース部の変厚フェース部機構は、フェース部142の内面145からゴルフ用クラブヘッド100の内部空洞内に突出する逆円錐を含む。逆円錐は、フェース部142のセンターフェースを中心とする。この例において、フェース部142の変厚フェース部機構はさらに、フェース部142の逆円錐又はセンターフェースの周方向に間隔を置いて配置された複数の厚さゾーンを含む。厚さゾーンそれぞれは、逆円錐からフェース部142の外周に向かって半径方向外向きに延びる。いくつかの実行形態において、一つ又はそれ以上の厚さゾーンは、フェース部142の外周前に終わる及び/又は一つ又はそれ以上の厚さゾーンは、フェース部142の外周までずっと延びる。さらに、厚さゾーンそれぞれは、一定の厚さを有する、フェース部142の一部を規定する。言い換えれば、厚さゾーンの与えられた一つ内のフェース部14の厚さは、同じであるか、又は変化しない。しかしながら、一つの厚さゾーン内のフェース部142の厚さは、隣接する厚さゾーンの厚さとは異なる。このように、フェース部142の厚さは、逆円錐の周りの周方向に厚さゾーンごとに異なる。
【0211】
一つの例によれば、複数の厚さゾーンは、複数の高い厚さゾーン及び複数の低い厚さゾーンを含む。高い厚さゾーンそれぞれは、高い厚さゾーンそれぞれよりも大きい厚さを有する。いくつかの実行形態において、低い厚さゾーンそれぞれの厚さは、フェース部142の最小厚さよりも大きい。複数の高い厚さゾーン及び複数の低い厚さゾーンは、逆円錐608の周りに高い厚さゾーンと低い厚さゾーンとの間で交互に配置される。
【0212】
図55は、本明細書に開示されているゴルフ用クラブ100のフェース部600の例示的な裏面を示す。フェース部142は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年10月16日に出願された米国特許出願第16/161,337号に記載されるようなゴルフ用クラブヘッド100のキャストカップの一部を形成することができる。フェース部142は、ホーゼル/ヒールを左側に、トウを右側にして後方から見たものである。
図56及び57は、変厚プロファイルを有する別の例示的なフェース部700を示し、
図58は、変厚プロファイルを有するさらに別の例示的なフェース部800を示す。本明細書に開示されているフェース部は、鋳造プロセス及びフェース部に対する任意の鋳造後変更の結果として形成され得る。従って、フェース部は、多種多様の新規の厚さプロファイルを有することができる。伝統的なプロセスで平坦な圧延金属シートからフェースプレートを形成するのではなく、フェースを所望の形状に鋳造することによって、フェースはより多種多様な形状で作製することができ、異なる粒子方向及び化学的不純物含有量などの異なる材料特性を有することができ、それはゴルフの性能及び製造に利点を提供することができる。
【0213】
伝統的なプロセスにおいて、フェースプレートは、均一な厚さを有する平坦な金属シートから形成されている。そのような金属シートは、典型的に、一つの軸に沿って圧延され、シートの厚さを一定の均一な厚さに減少させる。この圧延プロセスは、圧延方向に垂直な方向と比較して圧延軸方向に異なる材料特性を生み出すシート中の粒子方向を付与する。材料特性におけるこの変動は望ましくない可能性があり、代わりにフェース部を作り出すために開示された鋳造方法を使用することによって回避することができる。
【0214】
さらに、従来のフェースプレートは、均一な厚さの平坦なシートとして始まるので、シート全体の厚さは、所望の最終製品のフェースプレートの最大厚さと少なくとも同じでなければならず、これは出発シート材料の多くを除去して無駄にしなければならず、材料コストが増大することを意味する。対照的に、開示された鋳造方法において、フェース部は最初に最終形状及び質量に非常に近く形成され、除去され無駄にされる材料がはるかに少なくなる。これは時間とコストを節約する。
【0215】
さらにまた、従来のプロセスにおいて、最初の平坦な金属シートは、フェースプレートに所望のバルジ及びロール曲率を付与するために特別なプロセスで曲げなければならない。開示された鋳造方法を使用するとき、そのような曲げ工程は必要とされない。
【0216】
図55~59に例示されている特有の厚さプロファイルは、米国特許出願第16/161,337号に開示されているもののような鋳造方法を使用して可能にされ、旋盤又は同様の機械にシートを取り付け、フェースプレートの後部を横切って変厚プロファイルを形成するようにシートを回転させるなどの、従来のプロセスでは達成できなかった。そのような旋削プロセスにおいて、付与された厚さプロファイルは、中心回転軸に関して対称でなければならず、それは厚さプロファイルを中心点から任意の半径で均一な厚さをそれぞれ有する同心円環形状の構成に制限する。その一方、開示された鋳造方法を使用してそのような制限が課されることなく、より複雑なフェース形状を作り出すことができる。
【0217】
鋳造方法を用いることによって、多数の開示されたクラブヘッドをより早くより効率的に製造することができる。例えば、50又はそれ以上のカップ402を単一の鋳造ツリー上に同時に鋳造することができ、一方、旋盤を使用する従来のスライス加工方法を用いてフェースプレート上に新規のフェース厚さプロファイルを一度に一つ作り出すには、はるかに時間がかかり、より多くの資源を必要とする。
【0218】
図55において、フェース部600の後方フェース面又は内面は、非対称の変厚プロファイルを含み、開示された鋳造方法を用いて可能にされた多種多様な変厚プロファイルのほんの一例を示す。フェースの中心602は、センター厚さを有することができ、フェース厚さは中心から内側ブレンドゾーン603を横切って半径方向外向きに、円形になり得る最大厚さのリング604に向かって徐々に増加することができる。フェース厚さは、最大厚さのリング604から可変ブレンドゾーン606を横切って楕円形のような非円形とすることができる第2のリング608まで半径方向外向きに移動するにつれて徐々に減少することができる。フェース厚さは、第2のリング608から外側ブレンドゾーン609を横切って、一定の厚さ(例えば、フェース部の最小厚さ)のヒール及びトウゾーン610に、及び/又はフェースがゴルフ用クラブヘッド100の他の部分に移行するフェース部600の範囲を規定する半径方向周辺ゾーン612に、半径方向外向きに移動するにつれて徐々に減少し得る。
【0219】
第2のリング608はそれ自体、変厚プロファイルを有することができ、それにより第2のリング608の厚さは、中心602の周りの周方向位置の関数として変化する。同様に、可変ブレンドゾーン606は、中心602の周りの周方向位置の関数として変化する厚さプロファイルを有することができ、最大厚さのリング604から可変でそれより薄い第2のリング608の厚さへの厚さの移行をもたらす。例えば、可変ブレンドゾーン606~第2のリング608は、頂部ゾーンA、頂部-トウゾーンB、トウゾーンC、底部-トウゾーンD、底部ゾーンE、底部-ヒールゾーンF、ヒールゾーンG、及び頂部-ヒールゾーンHを含む、
図55にA~Hとラベル付けされた8つのセクターに分割することができる。これらの8つのゾーンは、示されるように異なる角度幅を有することができ、又はそれぞれ同じ角度幅(例えば、360度の1/8)を有することができる。8つのゾーンのそれぞれは、それぞれがリング604に隣接する共通の最大厚さから第2のリング608における異なる最小厚さまでの範囲のそれ自身の厚さ変動を有することができる。例えば、第2のリングは、ゾーンA及びEにおいてより厚く、ゾーンC及びGにおいてより薄く、ゾーンB、D、F及びHにおいて中間の厚さを有することができる。この例において、ゾーンB、D、F、及びHは、半径方向に沿って(半半径方向外向きに向かって薄くなる)及び周方向に沿って(ゾーンA及びEからゾーンC及びGに向かって薄くなる)厚さが変化し得る。
【0220】
フェース部600の一つの例は、以下の厚さ:中心602で3.1mm、リング604で3.3mmを有することができ、第2のリング608は、ゾーンAの2.8mmからゾーンCの2.2mmまで、ゾーンEの2.4mmまで、ゾーンGの2.0mmまで、並びにヒール及びトウゾーン610の1.8mmまで変化することができる。
【0221】
図56及び57は、非対称の変厚プロファイルを含む別の例示的なフェース部700の後方フェース面を示す。フェースの中心702は、センター厚さを有することができ、フェース厚さは、中心から内側ブレンドゾーン703を横切って半径方向外向きに円形になることができる最大厚さのリング704に向かって徐々に増加することができる。フェース厚さは、最大厚さのリング704から可変ブレンドゾーン705を横切って、様々な厚さを有する複数のくさび形セクターA~Hからなる外側ゾーン706まで半径方向外向きに動くにつれて徐々に減少することができる。
図57に最もよく示されているように、セクターA、C、E、及びGは比較的厚くすることができ、セクターB、D、F、及びHは比較的薄くすることができる。外側ゾーン706を囲む外側ブレンドゾーン708は、可変セクターから比較的小さいが一定の厚さを有する外周リング710まで厚さが変化する。外側ゾーン706はまた、一つのセクターから隣接するセクターへ厚さが徐々に移行するセクターA~Hのそれぞれの間にブレンドゾーンを含むことができる。
【0222】
フェース部700の一つの例は、以下の厚さ:中心702で3.9mm、リング704で4.05mm、ゾーンAで3.6mm、ゾーンBで3.2mm、ゾーンCで3.25mm、ゾーンDで2.05mm、ゾーンEで3.35mm、ゾーンFで2.05mm、ゾーンGで3.00mm、ゾーンHで2.65mm、及び外周リング710で1.9mmを有することができる。
【0223】
図58は、ヒール側(左側)に向かってオフセットされた目的の厚さを有する非対称の変厚プロファイルを含む別の例示的なフェース部800の後面を示す。フェースの中心802はセンター厚さを有し、トウ/頂部/底部に向かって厚さは内側ブレンドゾーン803を横切って中心802よりも大きい厚さを有する内側リング804まで徐々に増加する。ついで、厚さは、第2のブレンドゾーン805を横切って内側リング804の厚さより薄い厚さを有する第2のリング806まで半径方向外向きに移動して減少する。ついで、厚さは、第3のブレンドゾーン806を横切って第2のリング806の厚さより薄い厚さを有する第3のリング808まで半径方向外向きに移動して減少する。ついで、厚さは、第4のブレンドゾーン810を横切って第3のリング808の厚さより薄い厚さを有する第4のリング811まで半径方向外向きに移動して減少する。トウ端部ゾーン812は、外側ブレンドゾーン813を横切って比較的薄い厚さを有する外周814と混合する。
【0224】
ヒール側では、厚さは、トウ側のそれらの対応する領域に対してわずかに厚いように設定量(例えば、0.15mm)だけオフセットされている。増厚ゾーン820(破線)は、全ての厚さがヒール側のより厚いオフセットゾーン822(破線)に向かって徐々に増加する移行部を提供する。オフセットゾーン822において、リング823は、ヒール側のリング806よりも設定量(例えば、0.15mm)だけ厚く、リング825は、リング808よりも同じ設定量だけ厚い。ブレンドゾーン824及び826は、半径方向外向きに移動するにつれて徐々に厚さが減少し、トウ側の対応するブレンドゾーン807及び810よりもそれぞれ厚い。増厚ゾーン820において、内側リング804は、ヒールに向かって移動するにつれて徐々に厚さが増加する。
【0225】
フェース部800の一つの例は、以下の厚さ:中心802で3.8mm、内側リング804で4.0mm、及び増厚ゾーン820を横切って4.15mmまで厚くなる、第2のリング806で3.5mm及びリング823で3.65mm、第3のリング808で2.4mm及びリング825で2.55mm、第4のリング811で2.0mm、並びに外周リング814で1.8mmを有することができる。
【0226】
図58に示される目的のオフセット厚さプロファイルは、フェース全体に望ましいCTプロファイルを提供するのに役立つことができる。ヒール側を厚くすることは、例えば、フェースのヒール側にCTスパイクを有することを回避するのに役立つことができ、それは、フェース全体にわたって不適合なCTプロファイルを有することを回避するのに役立つことができる。そのようなオフセットされた厚さプロファイルは、フェースのヒール側及びトウ側の両方でのCTスパイクを回避するために、フェースのトウ側又はフェースのトウ側とヒール側の両方に同様に適用することができる。他の実施形態において、オフセット厚さプロファイルをフェースの上側及び/又はフェースの下側に適用することができる。
【0227】
ゴルフ用クラブヘッド100はまた、ゴルフ用クラブヘッド100のヒール領域116から延びるホーゼル120を含む。
図28に示すように、ゴルフ用クラブ270のシャフト272は、ホーゼル120に直接に取り付けられてもよく、あるいは、ホーゼル120に結合されたフライトコントロールテクノロジー(FCT)部材122(例えば、調節可能なライ/ロフトアセンブリ)を介してなど、ホーゼル120に間接的に取り付けられてもよい(例えば、
図3参照)。ゴルフ用クラブ270はまた、シャフト272の遠位端又は自由端の周りに取り付けられたグリップ274を含む。ゴルフ用クラブ270のグリップ104は、ゴルフスイング中にユーザーによるゴルフ用クラブ270の取り扱いを促進するのに役立つ。ゴルフ用クラブヘッド100は、ホーゼル120の中心軸を規定する、シャフト272と同軸のホーゼル軸191(例えば、
図3参照)を含む。
【0228】
図3に示すような、いくつかの実施形態において、ゴルフ用クラブヘッド100の本体110は、本体110の一つ又はそれ以上のインサートが結合されるフレーム124を含む。例えば、本体110のクラウン部119は、ゴルフ用クラブヘッド100の頂部領域133でフレーム124に取り付けられたクラウンインサート126を含む。同様に、本体110のソール部117は、ゴルフ用クラブヘッド100の底部領域135でフレーム124に取り付けられたソールインサートを含む。例えば、本体110のフレーム124は、ソールインサートを受け入れるような大きさにされ、構成されたソール開口部、又はクラウンインサート126を受け入れるような大きさにされ、構成されたクラウン開口部162のうちの少なくとも一つを有し得る。さらに具体的に、ソール開口部は、ソールインサートを受け入れてしっかりと固定する。同様に、クラウン開口部162はクラウンインサート126を受け入れてしっかりと固定する。ソール及びクラウン開口部は、ソールインサート及びクラウンインサートをそれぞれ着座させるための周縁又は凹部を有するように、それぞれ形成され、ソール及びクラウンインサートは、滑らかな繋ぎ目のない外面を提供するためにフレーム124と面一であるか、あるいはわずかに凹んでいる。
【0229】
図示されていないが、フレーム124は、本体110の前方領域112に、ゴルフ用クラブヘッド100の打撃プレート143を受け入れてしっかりと固定するためのフェース開口部を有し得る。いくつかの実行形態において、打撃プレート143は、溶接、ろう接、はんだ付け、ネジ又は他の結合手段によってフレーム124のフェース開口部にしっかりと固定される。一般に、フレーム124は、ゴルフボールとフェース部142との衝突によって生じる応力が大きい領域でゴルフ用クラブヘッド100を強化するためのゴルフ用クラブヘッド100の骨組み又は骨格を提供する。そのような領域は、ゴルフ用クラブヘッド100が、本体110のフェース部142からクラウン部119、ソール部117、及びスカート部121へと移行する移行領域を含む。
【0230】
いくつかの例において、本体110(例えば、本体110のフレーム124だけ)及び/又はフェース部142は、下記材料:炭素鋼、ステンレス鋼(例えば、17-4PHステンレス鋼)、合金鋼、Fe-Mn-Al合金、ニッケル系合金鉄、鋳鉄、超合金鋼、アルミニウム合金(3000シリーズ合金、5000シリーズ合金、6061-T6などの6000シリーズ合金、7075などの7000シリーズ合金を含むがこれらに限定されない)、マグネシウム合金、銅合金、チタン合金(6-4チタン、3-2.5、6-4、SP700、15-3-3-3、10-2-3、又は他のアルファ/ニアアルファ、アルファ-ベータ、及びベータ/ニアベータチタン合金)又はそれらの混合物のうちの一つ又はそれ以上で作られている。さらに他の例において、本体110(例えば、クラウンインサート及び/又はソールインサート)及び/又はフェース部142は、約1g/cm3から約2g/cm3の間など、約2g/cm3未満の密度を有する非金属材料で形成されている。非金属材料は、ポリマー又はポリマー強化複合材料を含み得る。ポリマーは、熱硬化性又は熱可塑性のいずれかであり得、非晶質、結晶性及び/又は半結晶性構造であり得る。
【0231】
本体110は、いくつかの例において、チタン合金で作られ、これはチタン又は様々なチタン系合金のいずれかであり得る。具体例において、本体110は、9-1-1チタン、6-4チタン、3-2.5、6-4、SP700、15-3-3-3、10-2-3、又は他のアルファ/ニアアルファ、アルファ-ベータ、及びベータ/ニアベータチタン合金)又はそれらの混合物を含むが、これらに限定されないチタン合金で作られている。本明細書で集合的に「9-1-1Ti」と呼ばれる、アルミニウム(例えば、8.5-9.5%のAl)、バナジウム(例えば、0.9-1.3%のV)、及びモリブデン(例えば、0.8-1.1%のMo)を、任意に他の少量の合金元素及び不純物とともに含むチタン合金は、それほど重要ではないアルファケースを有することができ、それは従来の6-4Ti及び他のチタン合金から作られたフェースと比較してHF酸エッチングを不要にするか又は少なくともより必要でなくする。さらに、9-1-1Tiは、820MPaの降伏強さ、958MPaの引張強さ、及び10.2%の伸びの最低限の機械的性質を有し得る。これらの最低限の特性は、812MPaの降伏強さ、936MPaの引張強さ、及び~6%の伸びの最低限の機械的性質を有することができる6-4Tiのような典型的な鋳造チタン合金よりも著しく優れている。
【0232】
本体の一体部分としてのフェースを含めて鋳造されるゴルフ用クラブヘッド本体(例えば、単一の鋳造物として同時に鋳造される)は、フェースが別々に形成され、後でクラブヘッド本体の前開口部に取り付けられるクラブヘッドと比較して優れた構造特性を提供することができる。しかしながら、一体的に鋳造されたTiフェースを有することの利点は、鋳造されたTiフェースの表面上のアルファケースを除去する必要性によって軽減される。
【0233】
本明細書に開示されるクラブヘッド本体が、一体鋳造された9-1-1Tiフェースを含む場合、アルファケースを除去しなければならないという欠点を排除することができ、又は少なくとも実質的に軽減することができる。鋳造された9-1-1Tiフェースの場合、1000C又はそれ以上の従来の鋳型の予熱温度を使用して、アルファケースの厚さは、いくつかの実施形態において、約0.10mmから約0.30mmまでなど、約0.15mm以下、又は約0.20mm以下、又は約0.30mm以下であることがあり、一方、鋳造された6-4Tiフェースの場合、アルファケースの厚さは、いくつかの例において、約0.25mmから約0.30mmまでなど、約0.15mmより大きい、又は約0.20mmより大きい、又は約0.30mmより大きいことがある。
【0234】
いくつかの場合において、9-1-1Tiフェース部のアルファケースの減少した厚さ(例えば、0.15mm以下)は、フェース部に必要とされる十分な耐久性を提供し、HF酸のような厳しい化学エッチング剤で、アルファケースの一部をエッチング除去する必要性を回避するのに十分に薄くないかもしれない。このような場合、溶融チタン合金を鋳型に注ぐ前に、鋳型の予熱温度を(例えば、800C未満、700C未満、600C未満、及び/又は500℃以下に)下げることができる。これにより、鋳型から鋳造チタン合金に移行する酸素の量をさらに減らすことができ、より薄いアルファケース(例えば、0.15mm未満、0.10mm未満、及び/又は0.07mm未満)がもたらされる。これは、フェース部にとって特に重要である一体型フェースを有する本体に対してより良好な延性及び耐久性を提供する。
【0235】
鋳造9-1-1Tiフェースのより薄いアルファケースは、化学エッチングによる、フェースから一部のアルファケースの除去が必要とされないほどフェースが十分に耐久性があるように、向上した耐久性を提供するのに役立つ。したがって、特により低い予熱温度を有する鋳型を使用するときに、本体及びフェースが9-1-1Tiを使用して一体的に鋳造されるとき、製造プロセスからフッ化水素酸エッチングを排除することができる。これは製造プロセスを単純化し、コストを削減し、安全上のリスク及び操作上の危険性を減少し、そしてHF酸による環境汚染の可能性を排除することができる。さらに、HF酸は金属に導入されないので、一体型フェースを有する本体、又はクラブヘッド全体さえも、フッ素原子をほとんど又は実質的に全く含まない可能性があり、これは、1000ppm未満、500ppm未満、200ppm未満、及び/又は100ppm未満と定義することができ、存在するフッ素原子は、本体を鋳造するのに使用される金属材料中の不純物によるものである。
【0236】
いくつかの例において、本体110は、6.5重量%~10重量%のAl、0.5重量%~3.25重量%のMo、1.0重量%~3.0重量%のCr、0.25重量%~1.75重量%のV、及び/又は0.25重量%~1重量%のFeを含み、Tiを含む残部を含むアルファ-ベータチタン合金で作られている(一例は、「1300」チタン合金と呼ばれることもある)。別の代表的な例において、合金は、6.75重量%~9.75重量%のAl、0.75重量%~3.25重量%又は2.75重量%のMo、1.0重量%~3.0重量%のCr、0.25重量%~1.75重量%のV、及び/又は0.25重量%~1重量%のFeを含み得、残部はTiを含む。さらに別の代表的な実施形態において、合金は、7重量%~9%重量%のAl、1.75重量%~3.25重量%のMo、1.25重量%~2.75重量%のCr、0.5重量%~1.5重量%のV、及び/又は0.25重量%~0.75重量%のFeを含み得、残部はTiを含む。さらなる代表的な実施形態において、合金は、7.5重量%~8.5重量%のAl、2.0重量%~3.0重量%のMo、1.5重量%~2.5重量%のCr、0.75重量%~1.25重量%のV、及び/又は0.375重量%~0.625重量%のFeを含み得、残部はTiを含む。別の代表的な実施形態において、合金は、8重量%のAl、2.5重量%のMo、2重量%のCr、1重量%のV、及び/又は0.5重量%のFeを含み得、残部はTiを含む(このようなチタン合金は、式Ti-8Al-2.5Mo-2Cr-1V-0.5Feを有することができる)。本明細書で使用されるとき、「Ti-8Al-2.5Mo-2Cr-1V-0.5Fe」への言及は、上記の割合のいずれかで言及された元素を含むチタン合金をいう。特定の実施形態はまた、微量のK、Mn、及び/又はZr、及び/又は様々な不純物を含み得る。
【0237】
Ti-8Al-2.5Mo-2Cr-1V-0.5Feは、1150MPaの降伏強さ、1180MPaの最大引張強さ、及び8%の伸びの最低限の機械的性質を有し得る。これらの最低限の性質は、上記の最低限の機械的性質を有することができる6-4Ti及び9-1-1Tiを含む他の鋳造チタン合金よりも著しく優れ得る。いくつかの実施形態において、Ti-8Al-2.5Mo-2Cr-1V-0.5Feは、約1180MPaから約1460MPaまでの引張強さ、約1150MPaから約1415MPaまでの降伏強さ、約8%から約12%までの伸び、約110GPaの弾性係数、約4.45g/cm3の密度、及びロックウェルCスケールで約43の硬度(43HRC)を有し得る。特定の実施形態において、Ti-8Al-2.5Mo-2Cr-1V-0.5Fe合金は、約1320MPaの引張強さ、約1284MPaの降伏強さ、及び約10%の伸びを有し得る。Ti-8Al-2.5Mo-2Cr-1V-0.5Fe合金は、特にゴルフ用クラブヘッド本体を鋳造するために使用されるとき、他の材料と比較してより高い最大引張強さのために同じ厚さのためにより少ない撓みを促進する。いくつかの実行形態において、同じ厚さでより少ない撓みを提供することは、ゴルフ用クラブヘッドのフェースがその元の形状(例えばバルジ及びロール)を経時的に維持し、経時的に平坦化する傾向がより低いのでより高いスイング速度を有するゴルファーに有益である。
【0238】
ポリマーはまた、結晶性又は半結晶性エンジニアリングプラスチック若しくは非晶質エンジニアリングプラスチックなどのエンジニアリングプラスチックで作られてもよい。潜在的なエンジニアリングプラスチック候補は、ポリフェニレンスルフィドエーテル(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル-ブタジエンスチレンプラスチック(ABS)、ポリオキシメチレンプラスチック(POM)、ナイロン6、ナイロン6-6、ナイロン12、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はそれらの混合物を含む。構造強度を高めるために、ガラス繊維、炭素繊維、又は金属繊維などの有機繊維をエンジニアリングプラスチックに加えることができる。強化繊維は、連続長繊維又は短繊維であり得る。PSUの利点の一つは、過度に減衰され得る他のポリマーと比較してより良好な響き又はより金属的な響きのゴルフ用クラブを生み出す比較的低い減衰で比較的堅いことである。さらに、PSUは、最終的な完成ゴルフ用クラブヘッドを達成するために仕上げ又は塗装を必要としないという点で、後処理をあまり必要としない。
【0239】
ソールインサート及び/又はクラウンインサート126を形成することができる一つの例示的な材料は、PPS(ポリフェニレンスルフィド)マトリックス又はベース中に長くて炭素繊維を有する熱可塑性連続炭素繊維複合積層材料である。ソールインサート及び/又はクラウンインサート126を作ることができる繊維強化ポリマーの市販例は、Lanxess(登録商標)製のTEPEX(登録商標)DYNALITE 207である。TEPEX(登録商標)DYNALITE 207は、繊維を埋め込むためにPPS熱可塑性マトリックス又はポリマー中に連続した多層の連続炭素繊維の強化材を有する、シート状に配置された高強度の軽量材料である。材料は54%の繊維体積を有することができるが、他の繊維体積(例えば42%~57%の体積)を有することもできる。一つの例によれば、材料は200g/m2の重さがある。ソールインサート及び/又はクラウンインサート126を製造するための繊維強化ポリマーの別の市販例は、TEPEX(登録商標)DYNALITE 208である。この材料はまた、一つの例において45%の体積を含む42~57%の範囲の炭素繊維体積、及び200g/m2の重量を有する。DYNALITE 208は、ポリフェニレンスルフィド(PPS)マトリックスではなくTPU(熱可塑性ポリウレタン)マトリックス又は塩基を有する点で、DYNALITE 207とは異なる。
【0240】
例として、TEPEX(登録商標)DYNALITE 207シート(又はDYNALITE 208などの他の繊維強化ポリマー材料)の各シートの繊維は、互いに反対方向に配向されたシートと同じ方向に配向され、そしてシートはツーピース(オス/メス)の整合したモールドに入れられ、溶融温度を超えて加熱され、そしてダイが閉じられるときに成形するように形成される。このプロセスは熱成形と呼ばれることがあり、ソールインサート及びクラウンインサート126を形成するのに特に適している。クラウンインサート126及び/又はソールインサートが熱成形プロセスによって(いくつかの実行形態では別々に)形成された後、それぞれが冷却され、一致するモールドから取り出される。いくつかの実行形態において、クラウンインサート126及び/又はソールインサートは、均一な厚さを有し、これは、熱形成プロセスの使用及び製造の容易さを促進する。しかしながら、他の実行形態において、クラウンインサート126及び/又はソールインサートは、例えば、耐久性、音響特性、又はそれぞれのインサートの他の特性を向上させるために選択領域に追加のプライを追加することによって、インサートの選択局所領域を強化する変厚を有し得る。
【0241】
いくつかの例において、クラウンインサート126及び/又はソールインサートは、射出成形又は熱硬化などの熱成形以外の方法によって製造することができる。熱硬化プロセスにおいて、クラウンインサート126及び/又はソールインサートは、加熱時に活性化する樹脂及び硬化剤配合物を予め含浸させた織布又は一方向複合繊維織物(炭素繊維複合織物など)の「プリプレグ」プライから製造することができる。プリプレグプライは、ブラダーモールド又は圧縮モールドのような熱硬化プロセスに適したモールド内に配置され、そして炭素又は他の繊維を異なる方向に向けて積み重ね/配向される。プライを加熱して化学反応を活性化し、クラウンインサート126及び/又はソールインサートを形成する。各インサートを冷却し、それぞれのモールドから取り出す。
【0242】
熱硬化製造プロセスによって製造された、クラウンインサート126及び/又はソールインサート用の炭素繊維強化材料は、カリフォルニア州サクラメントのGrafil, Inc.から入手可能な「34-700」繊維として知られる、234Gpa(34Msi)の引張弾性率及び4500Mpa(650Ksi)の引張強さを有する炭素繊維であり得る。同じくGrafil, Inc.から入手可能な別の適切な繊維は、240Gpa(35Msi)の引張弾性率及び4900Mpa(710Ksi)の引張強さを有する「TR50S」繊維として知られる炭素繊維である。熱硬化性クラウン及びソールインサートを形成するために使用されるプリプレグプライのための例示的なエポキシ樹脂は、Newport 301及び350を含み、カリフォルニア州アーバインのNewport Adhesives & Composites, Inc.から入手可能である。一つの例において、プリプレグシートは、約20g/m^2~約200g/m^2、好ましくは約70g/m^2の面積重量を有し、エポキシ樹脂を含浸させた34~700本の繊維からなる準等方性繊維強化材を有し、その結果樹脂含有量(R/C)は約40%となる。参照の便宜上、プリプレグシートの主要組成は、その繊維面積重量、繊維の種類を特定することによって省略形で特定することができ、例えば70 FAW 34-700である。短縮形はさらに、樹脂系及び樹脂含有量、例えば70 FAW 34-700/301、R/C40%を特定することができる。いくつかの例によれば、ゴルフ用クラブヘッドのクラウン部の面積重量は、クラウン部の全表面積の約50%以上にわたって約0.35g/cm2未満である。同じ又は他の例において、ゴルフ用クラブヘッドのソール部の面積重量は、ソール部の全表面積の約50%以上にわたって約0.35g/cm2未満である。
【0243】
クラウンインサート126、及びいくつかの実行形態におけるソールインサートは、ゴルフ用クラブヘッド100のクラウン部119の所望の形状及び曲率に一般に対応する複雑な三次元形状及び曲率を有する。フェアウェイウッドタイプのクラブなどの他の種類のクラブヘッドが、本明細書に記載されている原理、方法、及び材料のうちの一つ又はそれ以上を使用して製造され得ることを理解されよう。
【0244】
図10、11、及び16~18を参照すると、いくつかの実行形態において、ゴルフ用クラブヘッド100は、本体110のソール部117に形成されたスロット170を含む。スロット170は、ゴルフ用クラブヘッド100の外部に開口し、ヒール領域116からトウ領域114まで長手方向に延びる。さらに具体的に、スロット170は、フェース部142と実質的に平行であるがそれからオフセットしている長手方向に細長い。一般に、スロット170は、ゴルフ用クラブヘッド100の本体110のソール部117に形成された溝又はチャネルである。いくつかの実行形態において、スロット170は貫通スロット、又はスロット170のソール部側で開口しており、スロット170の内部空洞113側又は内部側で開口しているスロットである。しかしながら、他の実行形態において、
図10、11、及び16~18に示すように、スロット170は、貫通スロットではなく、むしろスロット170の内部空洞側又は内部側で閉じられている。例えば、スロット170は、内部キャビティ113内に突出し、実質的にU形状、V形状等の様々な断面形状のうちのいずれかを有する凹状外面を有する本体110のソール部117の側壁の部分171によって規定される。
【0245】
スロット170は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月14日に出願された米国特許第9,044,653号に記載された様々な可撓性境界構造(FBS)のいずれかでもよい。さらに、又はあるいは、ゴルフ用クラブヘッド100は、ゴルフ用クラブヘッド100上の様々な他の位置のいずれかに一つ又はそれ以上の他のFBSを含むことができる。スロット170は、湾曲部分、又は湾曲部分と直線部分の組み合わせであり得るいくつかの部分から構成され得る。さらに、スロット170は、ゴルフ用クラブヘッド100に機械加工又は鋳造することができる。ゴルフ用クラブヘッド100のソール部117に示されているが、スロット170は、代替的に又は追加的に、ゴルフ用クラブヘッド100のクラウン部119内に組み込まれてもよい。
【0246】
いくつかの実行形態において、スロット170は充填剤で充填されている。充填剤は、いくつかの実行形態において、熱可塑性材料、熱硬化性材料などの非金属から作ることができる。スロット170は、スロット170が貫通スロットであるときにゴミ及び他の破片がスロット及びおそらくゴルフ用クラブヘッド100の内部空洞113に入るのを防ぐために材料で充填されてもよい。充填剤は、ポリウレタン、エラストマーゴム、ポリマー、様々なゴム、発泡体、及び充填剤を含む任意の比較的低い弾性率の材料であり得る。充填剤は、使用時にゴルフ用クラブヘッド100の変形を実質的に妨げるべきではなく、これは、周囲の柔軟性を妨げるからである。
【0247】
一つの実施形態において、充填剤は、最初はスロット170に射出されるかそうでなければ挿入される粘性材料である。スロット、チャネル、他の可撓性境界構造内に配置される充填剤としての使用に適し得る材料の例は、粘弾性エラストマー;無機充填剤を含む又は含まないビニルコポリマー;硫酸バリウムなどの無機充填剤を含む又は含まないポリ酢酸ビニル;アクリル;ポリエステル;ポリウレタン;ポリエーテル;ポリアミド;ポリブタジエン;ポリスチレン;ポリイソプレン;ポリエチレン;ポリオレフィン;スチレン/イソプレンブロックコポリマー;水素化スチレン系熱可塑性エラストマー;金属化ポリエステル;金属化アクリル;エポキシ;エポキシ及びグラファイト複合材料;天然及び合成ゴム;圧電セラミック;熱硬化性及び熱可塑性ゴム;発泡ポリマー;イオノマー;低密度ガラス繊維;ビチューメン;シリコーン;及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。金属化ポリエステル及びアクリルは、金属としてアルミニウムを含むことができる。市販の材料は、3MのScotchweld(登録商標)(例えば、DP-105(登録商標))及びScotchdamp(登録商標)、Sorbothane, Inc.のSorbothane(登録商標)、Soundcoat Company Inc.のDYAD(登録商標)及びGP(登録商標)、Dynamat Control of North America, Inc.のDynamat(登録商標)、Pole Star Maritime Group, LLC のNoViFlex(登録商標)、Sylomer(登録商標)、The Dow Chemical CompanyのIsoplast(登録商標)、Piqua Technologies, Inc.のLegetolex(登録商標)、及びKuraray Co., Ltd.のHybrar(登録商標)などの弾性ポリマー材料を含む。いくつかの実施形態において、固体充填剤は、スロット、チャネル、又は他の可撓性境界構造に圧入又は接着剤で接着されてもよい。他の実施形態において、充填材料をスロット又はチャネルに注ぎ、射出し、又は他の方法で挿入し、適所で硬化させて、十分に硬化した又は弾力性のある外面を形成することができる。さらに他の実施形態において、充填剤をスロット又はチャネル内に配置し、金属、金属合金、金属、複合材料、硬質プラスチック、弾性エラストマー、又は他の適切な材料で形成された弾性キャップ又は他の構造で定位置にシールする。
【0248】
他の実行形態において、スロット170は充填剤で充填されておらず、むしろスロット170内に開いた、空のスペースを維持する。
【0249】
図11を参照すると、スロット170は、スロット170内に少なくとも一つの重り175を調節可能に保持するための重りトラックとして機能する。従って、スロット170は、いくつかの実行形態において、前方又は後方重りトラックとして規定される。上記の通り、スロット170は本体110と一体的に形成することができる。スロット170は、少なくとも一つの重り175がスライド可能に取り付けられるトラック又はポートを規定することができる。一つの例において、少なくとも一つの重り175は、二つのピースを有する第1の重り(又は重りアセンブリ)と、二つのピースを有する第2の重り(又は重りアセンブリ)とを含む。第1及び第2の重りのそれぞれは、それぞれのネジなどの固定手段によってスロット170に固定される。いくつかの実行形態において、固定手段が伸張状態に置かれるように、少なくとも一つのレッジなどのトラックの一部を締め付けることによって、第1及び第2の重りをスロット170に固定することができる。代替的に又は追加的に、第1及び第2の重りは、固定手段が圧縮状態に置かれるようにトラックの一部分に対して圧縮することによってスロット170に固定されてもよい。第1及び第2の重りは、様々な形状のうちのいずれかをとることができ、様々な方法のうちのいずれかでスロット170に取り付けることができる。さらに、少なくとも一つの重り175は、単一部品設計又は複数部品設計(例えば、三つ以上の部品)の形態をとることができる。
【0250】
スロット170は、ゴルフ用クラブヘッド100の有効重心(CG)をヒール-トウ方向に調整するために、ヒール-トウ方向において横方向にスライド可能に調整するために175を選択的に緩め、締め付けることを可能にする。ゴルフ用クラブヘッド100のCGを横方向に調整することによって、ゴルフ用クラブヘッド100の性能特性を調整し、それはゴルフボールのサイドスピン特性のようなゴルフ用クラブヘッド100によって打たれたゴルフボールの飛行特性への調整を促進する。特に、互いに対して独立に調整可能な二つの重り(例えば、第1及び第2の重り)の使用は、重り間の調整及び相互作用を可能にする。例えば、両方の重りは、完全にトウ領域114内、完全にヒール領域116内に、互いに最大距離を置いて配置され、一方の重りは完全にトウ領域114内にあり、他方のウェイトは完全にヒール領域116内にあり、スロット170の中心又は中間位置に一緒に配置され、又は他の重り位置パターンで配置されている。
【0251】
いくつかの実施形態において、スロット170は、オフセット距離だけフェース部142からオフセットされ、これは、フェース部142の打撃プレートの中心を通る第1の垂直面と、打撃プレートの中心と同じx軸座標におけるスロットとの間の最小距離であり、約5mm乃至約50mm、例えば約5mm乃至約35mm、例えば約5mm乃至約30mm、例えば約5mm乃至約20mm、又は約5mm乃至約15mmなどである。
【0252】
図示されていないが、ゴルフ用クラブヘッド100の本体110は、スロット170と同様の構成を有するが、ヒール-トウ方向とは反対側に、前後方向に配向された後方スロットを含んでもよい。本体110は、後方スロットを含むが、いくつかの実行形態ではスロット170を含まず、他の実行形態では後方スロットとスロット170の両方を含む。一つの例において、後方スロットはスロット170の後方に配置されている。後方スロットは、いくつかの実行形態において重りトラックとして機能することができる。さらに、後方トラックは、オフセット距離だけフェース部142からオフセットすることができ、これはフェース部142の打撃プレートの中心を通る第1の垂直面と打撃プレート43の中心と同じx軸座標における後方トラックとの間の最小距離であり、約5mm乃至約50mm、例えば約5mm乃至約40mm、例えば約5mm乃至約30mm、又は約10mm乃至約30mmなどである。
【0253】
特定の実施形態において、スロット170は、存在する場合は後方スロットも同様に、特定のスロット幅を有し、これは第1のスロット壁と第2のスロット壁との間の水平距離として測定される。後方トラックと同様に、スロット170について、スロット幅は、約5mm乃至約20mm、例えば約10mm乃至約18mm、又は約12mm乃至約16mm等であり得る。いくつかの実施形態によれば、スロット170の深さ(すなわち、底部スロット壁と、スロット170の第1及び第2のスロット壁に隣接するソールの領域を含む仮想平面との間の垂直距離)は、約6mm乃至約20mm、例えば約8mm乃至約18mm、又は約10mm乃至約16mm等であり得る。
【0254】
さらに、スロット170は、存在する場合は後方スロットも同様に、特定のスロット長さを有し、これはスロット端壁と別のスロット端壁との間の水平距離として測定することができる。スロット170及び後方スロットの両方について、それらの長さは約30mm乃至約120mm、例えば約50mm乃至約100mm、又は約60mm乃至約90mm等であり得る。代替的に又は追加的に、スロット170の長さは、フェース部142の打撃プレートの長さの百分率として表すことができる。例えば、スロット170は、打撃プレートの長さの約30%乃至約100%、例えば、打撃プレートの長さの約50%乃至約90%、又は約60%乃至約80%のmmはであり得る。
【0255】
いくつかの例において、スロット170は、フェース部142の打撃プレート143にわたる反発係数(COR)を改善及び/又は増加させるための機構である。COR機構に関して、スロット170は、チャネル又は貫通スロットなどの様々な形態をとることができる。ゴルフ用クラブヘッド100のCORは、ゴルフボールがゴルフ用クラブヘッド100によって打たれたときのゴルフ用クラブヘッド100とゴルフボールとの間のエネルギー損失又は保持の測定値である。ゴルフ用クラブヘッド10のCORは、ボールとの衝突中にゴルフ用クラブヘッド100からボールへのエネルギーの効率的な伝達を促進するために高いことが望ましい。従って、ゴルフ用クラブヘッド100のCOR機構は、ゴルフ用クラブヘッド100のCORの増加を促進する。一般に、スロット170は、ゴルフ用クラブヘッド100のフェース部142の打撃プレートの周囲の柔軟性を増すか又は高めることによってゴルフ用クラブヘッド100のCORを高める。
【0256】
ゴルフ用クラブヘッド100のCOR機構としてのスロット170に関するさらなる詳細は、それぞれ2011年12月27日、2012年5月10日、及び2013年3月14日に出願された米国特許出願第13/338,197号,13/469,031号,13/828,675号、2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/839,727号、2010年6月1日に出願された米国特許第8,235,844号、2011年12月13日に出願された米国特許第8,241,143号、2011年12月14日に出願された米国特許第8,241,144号に見出すことができ、それらの全てはそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0257】
本明細書に開示されているゴルフ用クラブヘッド100は、ゴルフ用クラブヘッド100の本体110の行程容積に等しい体積を有し得る。例えば、本出願のゴルフ用クラブヘッド100は、約110cm3乃至約600cm3のヘッド体積を有するように構成することができる。より特定の実施形態において、ヘッド体積は、約250cm3乃至約500cm3であり得る。さらにより特定の実施形態において、ヘッド体積は、約300cm3乃至約500cm3、約300cm3乃至約360cm3、約300cm3乃至約420cm3、約350cm3乃至約500cm3、又は約420cm3乃至約500cm3であり得る。ドライバーの場合、ゴルフ用クラブヘッド100は、約300cm3乃至約460cm3の体積、及び約145g乃至約245gの総重量を有し得る。フェアウェイウッドの場合、ゴルフ用クラブヘッド100は、約100cm3乃至約250cm3の体積、及び約145g乃至約260gの総重量を有し得る。ユーティリティ又はハイブリッドクラブの場合、ゴルフ用クラブヘッド100は、約60cm3乃至約150cm3の体積、及び約145g乃至約280gの総重量を有し得る。
【0258】
ゴルフ用クラブヘッド100は、
図4~6に概略的に示す、少なくとも部分的に内部空洞113内に配置された少なくとも一つの補強材150を含む。補強材150は、本体110のフェース部142に直接に結合可能(例えば、接触可能又は当接係合)である。さらに具体的に、補強材150は、本体110のフェース部142の内面145に直接に結合可能である。内面145は、打撃フェース144の反対側にあり、これはフェース部142の外面を規定する。いくつかの実行形態において、補強材150は、フェース部142のちょうどリップ147の内面145に直接に結合可能である。しかしながら、他の実行形態において、補強材150は、リップ147と打撃プレート143の両方の内面145に直接に結合可能である。打撃プレート143がリップ147に溶接される実施形態において、補強材150は溶接部に直接に結合可能であり得る。補強材150は、フェース部142の内面145に、調節不可能に、直接に結合され得、又はフェース部142の内面145に、調節可能に、直接に結合され得る。本明細書に定義されているように、補強材150をフェース部142から切り離すために永久的な変形が必要とされるとき、補強材150は調整不可能に内面145に直接に結合される。その一方、本明細書に定義されているように、補強材150が永久的に変形することなくフェース部142から切り離すことができる場合、補強材150は内面145に調整可能に直接に結合される。
【0259】
補強材150は、フェース部142に直接に結合された場合、補強材150に近接する打撃プレート143の領域内のゴルフ用クラブヘッド100の特性時間(CT)が、補強材150がない場合よりも低くなるように、フェース部142を局所的に強化するように構成される。一般に、補強材150は、クラブヘッド原点座標系185のx軸に沿ってクラブヘッド原点座標系185の原点183からオフセットし、クラブヘッド原点座標系185のx軸に沿って原点183から離れた位置で打撃プレート143の領域内でフェース部142を補強し、CTを下げる。このように、原点183のx軸座標に近接するx軸座標を有する位置でゴルフクラブヘッド100のCTに大きな影響を与えることなく、原点183から離れたトウ方向で(例えば、トウ領域114に向かって)及び/又はヒール方向で(例えば、ヒール領域116に向かって)x軸座標を有する位置におけるゴルフクラブヘッド100のCTを、局所的に減少させることができる。さらに、x軸座標が原点183に対してトウ方向及び/又はヒール方向に離れた位置でゴルフ用クラブヘッド100のCTを離散的に減少させるために補強材150を使用することは、特に打撃プレート143のトウ方向及び/又はヒール方向の位置において、打撃プレート143のより薄い厚さを促進することによって、打撃プレート143の望ましいCORを達成するのに役立つ。
【0260】
ゴルフ用クラブヘッド100は、ゼロより大きいか又は小さいx軸座標を有する任意の様々な位置に任意の数の補強材150を有することができる。ゼロよりも大きいx軸座標を有する補強材150は、ヒール領域116よりもトウ領域114の近くに配置されているので、トウ補強材とみなすことができる。その一方、ゼロ未満のx軸座標を有する補強材150は、トウ領域114よりもヒール領域116の近くに位置し、従って、ヒール補強材とみなすことができる。
図6を参照すると、ゼロより大きいx軸座標を有する二つの補強材150と、ゼロ未満のx軸座標を有する二つの補強材150とを有する。
図9に示されるような他の実施形態において、ゴルフ用クラブヘッド100は、ゼロより大きいx軸座標を有する二つ以上の補強材150と、ゼロ未満のx軸座標を有する二つ以上の補強材150とを有する。しかしながら、さらに他の実施形態において、ゴルフ用クラブヘッド100は、ゼロより大きいx軸座標を有する二つより少ない補強材150例えば、ゼロ補強材又は一つの補強材)及び/又はゼロ未満のx軸座標を有する二つより少ない補強材150(例えば、ゼロ補強材又は一つの補強材)を有する。
【0261】
さらに、ゴルフ用クラブヘッド100の各補強材150は、ゴルフ用クラブヘッド100の頂部領域133及び/又は底部領域135で本体110の内面に結合可能(例えば、直接に結合可能)であり得る。
図4及び5を参照すると、一つの実施形態において、ゴルフ用クラブヘッド100は、頂部領域133で本体110の内面に直接に結合可能な少なくとも一つの補強材150と、ゴルフ用クラブヘッド100の底部領域135で本体110の内面直接に結合可能な少なくとも一つの補強材150とを含む。いくつかの実行形態において、一つの補強材150は、頂部領域133と底部領域135の両方で本体110の内面に直接に結合可能であり得る(例えば、頂部領域133から底部領域135へ連続して延びる)ということが認識される。
【0262】
図6に示すように、一つの実施形態において、ゴルフ用クラブヘッド100は、頂部領域133で本体110の内面に直接に結合可能な二つの補強材150と、ゴルフ用クラブヘッド100の底部領域135で本体110の内面に直接に結合可能な二つの補強材150とを含む。他の実施形態によれば、ゴルフ用クラブヘッド100は、頂部領域133で本体110の内面に直接に結合可能な一つ又はそれ以上の補強材150を含むが、底部領域135で本体110の内面に直接に結合可能な補強材150を含まないか、あるいは底部領域135で本体110の内面に直接に結合可能な一つ又はそれ以上の補強材150を含むが、頂部領域133で本体110の内面に直接に結合可能な補強材150を含まない。
【0263】
また、頂部領域133で本体110の内面に直接に結合可能な補強材150の量は、底部領域135で本体110の内面に直接に結合可能な補強材150の量と同じでも異なっていてもよい。例えば、一つの実行形態において、底部領域135で本体110の内面に直接に結合可能な補強材150の量は、頂部領域133で本体110の内面に直接に結合可能な補強材150の量よりも多い。しかしながら、補強材150は、補強材150が接触するフェース部142の内面145の合計領域が、フェース部142の内面145の全領域よりも小さくなるように寸法決めされている。
【0264】
補強材150は、クラブヘッド原点座標系185のx軸に沿って原点から有意にオフセットしており、それに対応して、x軸に沿って原点からオフセットした位置でCTが減少する。一つの実施形態において、ゴルフ用クラブヘッド100の補強材150の一つ又はそれ以上は、10mmより大きく50mm未満又は-50mmより大きく-10mm未満であるクラブヘッド原点座標系185のx軸座標を有する。別の実施形態によれば、ゴルフ用クラブヘッド100の補強材150の一つ又はそれ以上は、20mmより大きく50mm未満又は-50mmより大きく-20mm未満であるクラブヘッド原点座標系185のx軸座標を有する。別の実施形態において、ゴルフ用クラブヘッド100の補強材150の一つ又はそれ以上は、30mmより大きく40mm未満又は-40mmより大きく-30mm未満であるクラブヘッド原点座標系185のx軸座標を有する。別の実施形態において、ゴルフ用クラブヘッド100の補強材150の一つ又はそれ以上は、40mmより大きく50mm未満又は-50mmより大きく-40mm未満であるクラブヘッド原点座標系185のx軸座標を有する。補強材150の位置は、補強材150のフェース部又は中心と接触可能な部分の中点(例えば、幾何学的中心)又は質量中心のいずれかの位置として定義される。
【0265】
複数の補強材150を有する実施形態において、二つ又はそれ以上の補強材150は、異なる種類であり得る。言い換えれば、いくつかの実施形態において、全ての補強材150が、同じ種類の補強材であることはない。さらに具体的に、補強材150のうちの一つは、本明細書に記載のいくつかの種類の補強材のうちの特定の種類であり得、補強材150のうちの別の一つは、本明細書に記載のいくつかの種類の補強材のうちの別の種類であり得る。例えば、頂部領域133における補強材150は、一種類の補強材150(例えば、リブ)であり得、底部領域135における補強材150は、別の種類の補強材150(例えば、ポリマー材料の離散塊)であり得る。
【0266】
再び
図4及び5を参照すると、いくつかの例において、フェース部142の内面145は、フェース部142の中心の周りに連続ビーズ149を含む。言い換えれば、連続ビーズ149は、フェース部142の内面145の一部を規定する。連続ビーズ149は、打撃位置143がフェース部の開口部に溶接されるときに形成される溶接ビーズとすることができる。あるいは、連続ビーズ149は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年10月16日に出願された米国特許出願第16/161,337号にさらに詳細に記載されているものなどのワックス-溶接鋳造技術に従って、フェース部142及び本体110と同時鋳造された鋳造ビーズとすることができ、さらに別の例において、連続ビーズ149は、塩酸などの化学薬品で内面145を化学的にエッチングすることによって形成される。いずれの例においても、連続ビーズ149におけるフェース部142の厚さは、連続ビーズ149に直接に隣接するフェース部の部分における厚さよりも大きい。図示されるように、補強材150は、具体例において、補強材150が連続ビーズ149の少なくとも周縁と接触するように、本体110(例えば、クラウン部114又はソール部117の内面)の内面から少なくとも連続ビーズ149まで延びる。いくつかの例において、補強材150は、補強材150が補強材150の位置で連続ビーズ149の全体と接触するように、連続ビーズ149を超えて又は通過して延びる
【0267】
図7~9を参照すると、一つの実施形態において、補強材150は、フェース部142に、調節不可能に、直接に結合されたリブ152である。リブ152が、ゴルフ用クラブヘッド100の底部領域135でフェース部142に直接に結合されているとき、リブ152は下部リブとみなすことができる。その一方、リブ152が、ゴルフ用クラブヘッド100の頂部領域133でフェース部142に直接に結合されているとき、リブ152は上部リブとみなすことができる。リブ152は、リップ147の内面に直接に結合され、特定の実行形態において、打撃プレート143の内面にも直接に結合されている。フェース部142に加えて、底部領域135におけるリブ152は、ソール部117及び/又はスカート部121の内面に調節不可能に、直接に結合され得、頂部領域133におけるリブ152は、クラウン部119及び/又はスカート部121の内面に調節不可能に、直接に結合され得る。リブ152は、本体110と一体成形され、本体110と一体で、連続的なモノリシック構造を形成する。例えば、一つの実行形態において、リブ152は、同じ鋳造プロセスにおいて本体110のクラウン部119、スカート部121、及びソール部117と一体成形されている。従って、リブ152は、本体110と同じ材料で作られている。しかしながら、他の例において、リブ152は、本体110とは別に形成され、本体110上に溶接されている。
【0268】
リブ152は、高さ及び長さよりも著しく小さい厚さを有する薄肉のシート状構造であり、本体110のフェース部142及びソール部117から実質的に横方向に突出している。一つの実行形態において、リブ152は、前方領域112から後方領域118への方向においてのみ減少する高さを有する実質的にくさび形である。従って、そのような実行形態において、リブ152は変曲点を有さない。さらに、
図8を参照すると、ゴルフ用クラブヘッド100が適切なアドレス位置あるときの垂直方向において、底部領域135におけるリブ152は高さH
R1を有し、頂部領域133におけるリブ152は高さH
R2を有し、フェース部142は高さH
FPを有する。フェース部142の高さH
FPは、大地面と、フェース部142の頂部との間の垂直距離に等しい。一つの実行形態において、フェース部142の高さH
FPに対する、底部領域135におけるリブ152の高さH
R1の比は、0.15以上、0.17以上、又は0.23以上である。一つの実行形態において、フェース部142の高さH
FPに対する、底部領域135におけるリブ152の高さH
R1と頂部領域133におけるリブ152の高さH
R2の合計の比は、0.15以上、0.20以上、又は0.25以上である。打撃プレート143は、フェース部142の高さH
FP未満である高さHSPを有する。本明細書に定義されているように、リブの高さは、リブの底部とリブの頂部との間の最大距離として定義され、従ってフェース部上のリブの位置の測定値ではない。しかしながら、リブの高さは、以下により詳細に説明されるように、離散塊176に関連する位置L
DMの範囲と等しいか近い、フェース部の外周縁から離れた位置でフェース部と接触するように設定することができる。さらに、上に開示されたリブ高さ及びフェース部の比は、離散塊176の離散塊高さ及びフェース部の比に等しく適用可能である。
【0269】
ゴルフ用クラブヘッド100は、任意の数のリブ152を有することができる。例えば、一つの実行形態において、ゴルフ用クラブヘッド100は、二つのトウ方向のリブ152及び二つのヒール方向のリブ152を有する、底部領域135おける4つのリブ152と、二つのトウ方向のリブ154及び二つのヒール方向のリブ154を有する、底部領域135おける4つのリブ154とを有する。リブ152は、ゴルフ用クラブヘッド原点座標系185のx軸に平行な方向において、互いに離間している。
【0270】
図10及び11に示すように、ゴルフ用クラブヘッド100は、スロット170を含むことができ、これはCOR機構及び/又は重りトラックとすることができる。リブ152はさらに、スロット170の内面に直接に結合されてもよく、スロット170とフェース部142との間に配置されてもよい。リブ152は、フェース部142、特にリップ147をスロット170に構造的に連結するための補強ブリッジを提供する。
【0271】
一つの例によれば、フェース部142の中心及びx軸座標が20mmのフェース部142上の位置にあるCTは、スロット170を有するがx軸座標が20mmの位置に補強材150(例えば、リブ152)を有しないゴルフ用クラブヘッド100について決定し、スロット170がないが、x軸座標が20mmの位置に補強材150があるゴルフ用クラブヘッド100を、x軸座標が20mmの位置に決定した。補強材150無しのゴルフ用クラブヘッド100のフェース部142の中心におけるCTは、246マイクロ秒であり、補強材150を有するゴルフ用クラブヘッド100のフェース部142の中心におけるCTは、243マイクロ秒であった。補強材150無しのゴルフ用クラブヘッド100の20mmのx軸座標を有する位置におけるフェース部142のCTは、256マイクロ秒であり、補強材150を有するゴルフ用クラブヘッド100の20mmのx軸座標を有する位置におけるフェース部142のCTは、246マイクロ秒であった。x軸座標が20mmの位置でのCTの低下は、フェース部142の中心(すなわち3マイクロ秒)よりも大きな低下(すなわち12マイクロ秒)を有した。従って、補強材150は、フェース部の中心でCTが比較的低下することなく、フェース部の中心から離れた位置でフェース部のCTを下げるのに役立つ。また、補強材150を有するゴルフ用クラブヘッド100のCORとCTとの間の差は、補強材150を有しないゴルフ用クラブヘッド100のそれよりも小さいことが決定され、これは、補強材150なしのゴルフ用クラブヘッド100よりも、CORが補強材150を有するゴルフクラブヘッド100内のCTをより厳密に追跡することを意味する。
【0272】
図12を参照すると、ゴルフ用クラブヘッド100はさらに、それぞれの一つ又はそれ以上のリブ152又はリブ154に近接して、本体110の外壁に形成された開口部172(例えば、穴又はポート)を含むことができる。図示されるように、一つの例において、各開口部172は、リブ152又はリブ154のそれぞれ一つに開口している。従って、リブ152のうちの一つは、開口部172のうちの一つを介して本体110の外部から直接に又は間接的にアクセス可能であり、リブ154のうちの一つは、開口部172のうちの別の一つを介して本体110の外部から直接に又は間接的にアクセス可能である。図示されていないが、ゴルフ用クラブヘッド100はさらに、それぞれ開口部172のうちの一つを塞ぐように構成され、従ってゴルフ用クラブヘッド100の外部からリブへのアクセスを防ぐように構成されたプラグを含み得る。プラグは、リブへのアクセスを選択的に許可及び防止するめに、開口部172から取り外し可能かつ再挿入可能であり得る。より詳細に説明されるように、開口部172は、製造後のゴルフ用クラブヘッド100のCTを調整(例えば、調整)するために、ゴルフ用クラブヘッド100の製造後のリブの一部を除去するために使用されてもよい。
【0273】
図13~15を参照すると、一つの実施形態において、補強材150は、フェース部142に、調節不可能に、直接に結合された離散塊176である。離散塊176は、ゴルフ用クラブヘッド100の底部領域135でフェース部142に直接に結合されている。そのような離散塊176は下部離散塊とみなすことができる。その一方、離散塊176は、ゴルフ用クラブヘッド100の頂部領域133でフェース部142に直接に結合されている。従って、この離散塊176は下部上部離散塊とみなすことができる。離散塊176は、リップ147の内面に直接に結合され、特定の実行形態において、打撃プレート143の内面にも直接に結合されている。フェース部142に加えて、底部領域135における離散塊176は、ソール部117及び/又はスカート部121の内面に調節不可能に、直接に結合され得、頂部領域133における離散塊176は、クラウン部119及び/又はスカート部121の内面に調節不可能に、直接に結合され得る。
【0274】
離散塊176はポリマー材料で作られている。一つの例によれば、離散塊176のポリマー材料は、約ショア20D以上の硬度を有する様々なポリマー材料のいずれかである。別の例において、離散塊176のポリマー材料は、約ショア45D以上の硬度を有する様々なポリマー材料のいずれかである。さらに別の例において、離散塊176のポリマー材料は、約ショア85D以上の硬度を有する様々なポリマー材料のいずれかである。ポリマー材料は、一つの実行形態においてアクリルである。いくつかの例において、離散塊176は、ショア40D乃至ショア80D又はショア75D乃至ショア85Dの硬度を有する。さらにいくつかの例において、離散塊176は、少なくともショア50D、少なくとも60D、又は少なくとも70Dの硬度を有する。さらにいくつかの例において、離散塊176は、約ショア5.95D以上の硬度を有する様々なポリマー材料のいずれかである。
【0275】
他の実行形態において、ポリマー材料のいくつかの例は、粘弾性エラストマー;無機充填剤を含む又は含まないビニルコポリマー;硫酸バリウムなどの無機充填剤を含む又は含まないポリ酢酸ビニル;アクリル;ポリエステル;ポリウレタン;ポリエーテル;ポリアミド;ポリブタジエン;ポリスチレン;ポリイソプレン;ポリエチレン;ポリオレフィン;スチレン/イソプレンブロックコポリマー;金属化ポリエステル;金属化アクリル;エポキシ;エポキシ及びグラファイト複合材料;天然及び合成ゴム;圧電セラミック;熱硬化性及び熱可塑性ゴム;発泡ポリマー;イオノマー;低密度ガラス繊維;ビチューメン;シリコーン;及びこれらの混合物を含むが.これらに限定されない。金属化ポリエステル及びアクリルは、金属としてアルミニウムを含むことができる。市販の材料は、3MのScotchdamp(登録商標)、Sorbothane, Inc.のSorbothane(登録商標)、Soundcoat Company Inc.のDYAD(登録商標)及びGP(登録商標)、Dynamat Control of North America, Inc.のDynamat(登録商標)、Pole Star Maritime Group, LLCのNoViFlex(登録商標) Sylomer(登録商標)、The Dow Chemical CompanyのIsoplast(登録商標)、及びPiqua TechnologiesのLegetolex(登録商標)などの弾性ポリマー材料を含む。一つの実施形態において、ポリマー材料は、約0.001GPaから約25GPaまでの範囲の弾性係数、及びショアDスケールで約10から約30までの範囲のデュロメータを有する材料であり得る。好ましい実施形態において、ポリマー材料は、約0.001GPaから約10GPaまでの範囲の弾性係数、及びショアDスケールで約15から約25までの範囲のデュロメータを有する材料であり得る。別の実施形態において、ポリマー材料は、約0.001GPaから約5GPaまでの範囲の弾性係数、及びショアDスケールで約18から約22までの範囲のデュロメータを有する材料であり得る。いくつかの例において、振動減衰性を提供する材料が好ましい。
【0276】
ポリマー材料は、いくつかの実行形態において、エポキシ、樹脂等の熱硬化性材料である。熱硬化性材料は、材料の硬化温度を超えて加熱されると、材料を硬化させ強化する化学変換を受ける様々なポリマー材料のいずれかである。熱硬化性材料の化学変換は、不可逆的である。ポリマー材料は、他の実行形態において、ポリエステル、ポリエチレン等の熱可塑性材料である。熱硬化性材料とは対照的に、熱可塑性材料は、加熱すると材料を軟化し、冷却すると材料を硬化させる物理的変換を受ける様々なポリマー材料のいずれかである。熱可塑性材料の物理的変換は、可逆的である。
【0277】
ゴルフ用クラブヘッド100は、底部領域135における任意の数の離散塊176及び/又は頂部領域133における任意の数の離散塊176を有することができる。例えば、一つの実行形態において、ゴルフ用クラブヘッド100は、二つのトウ方向の離散塊176及び二つのヒール方向の離散塊176を有する、底部領域135における4つの離散塊176と、二つのトウ方向の離散塊176及び二つのヒール方向の離散塊176を有する、頂部領域133における4つの離散塊176とを有する。離散塊176は、ゴルフ用クラブヘッド原点座標系185のx軸に平行な方向に互いに離間しているので、離散しているとみなされる。離散塊176は、様々な形状及びサイズのうちのいずれかを有することができる。
図13~
図15では実質的に球形として示されているが、離散塊176はより平坦又はより多角形であり得る。
【0278】
図14を参照すると、ポリマー材料の離散塊176は、フェース部142の外周縁181から離れた位置L
DMでフェース部に直接に結合されている。離散塊176は、位置L
DMだけでフェース部に直接に結合されているのではない。むしろ、離散塊176は、フェース部142の外周縁181から上がって、又は下がって位置L
DMまで全体に又はその一部のみにおいてフェース部142に直接に結合することができる。いくつかの実行形態において、位置L
DMは、フェース部上の離散塊の横方向位置及びフェース部142のCTへの所望の減少に応じて、少なくとも5mm、10mm、15mm、20mm、又は30mmである。例えば、フェース部142の外周縁181から離れた位置L
DMが大きくなるほど、フェース部142のCTへの影響が大きくなる。外周縁181は、フェース部142の幾何学的中心から半径方向に離れたフェース部142の最も外側の境界として規定されるか、あるいはフェース部142がクラウン部119、ソール部117、及びスカート部121に移行する仮想線として規定される。従って、外周縁181は、打撃プレート143の外周縁と同じではない。むしろ、
図6に示すように、例えば、フェース部142の外周縁181は、打撃プレート143の縁から半径方向に離れており、かつそれを取り囲んでいる。
【0279】
ポリマー材料の離散塊176は、離散塊176がフェース部の特定の量の表面領域(例えば、フェース部142の内面145)と接触するようにフェース部142に直接に結合される。一般に、離散塊176が接触する表面積が大きいほど、フェース部142のCTへの影響が大きくなる。一つの実行形態において、離散塊176は、少なくとも50mm2、150mm2、又は225mm2のフェース部の表面領域と接触する。複数の離散塊176を有する実施形態において、離散塊176のうちの一つが接触するフェース部142の表面領域は、離散塊176のうちの別のものと異なることがある。さらに、複数の離散塊176を有する特定の実行形態において、離散塊176が接触するフェース部142の合計表面積は、例えば少なくとも100mm2、800mm2、又は1600mm2とすることができる。特定の実行形態によれば、一つ又はそれ以上の離散塊176が接触するフェース部142の表面積とフェース部分142の全内部表面積(例えば、内面145の全表面積)との比は、例えば少なくとも0.01、0.05、又は0.1である。いくつかの実行形態において、フェース部142の全表面積は、2,500mm2乃至6,000mm2である。打撃プレート143は、いくつかの実行形態において2,600mm2乃至3,300mm2の全表面積を有し得る。
【0280】
複数の離散塊176を有する実施形態において、一つの離散塊176の材料は、別の離散塊176とは異なるものとすることができる。例えば、一つの離散塊176は、別の離散塊176とは異なる弾性係数又は硬度を有することができ、そのような相異は、フェース部142に対する離散塊176の対応する位置に依存する。一つの実行形態において、フェース部142の中心からトウ方向にオフセットした離散塊176は、フェース部142の中心からヒール方向で離散塊176よりも高い弾性係数又は高い硬度を有することができる。
【0281】
図18を参照すると、ポリマー材料を流動状態で射出ツール(例えば、
図17の射出ツール177参照)を使用して射出し、ポリマー材料を冷却させるか又はポリマー材料を硬化させることなどの様々な技術のいずれかを使用して、離散塊176をフェース部142の内面145に適用することができる。ポリマー材料は流動状態で射出されるので、ポリマー材料は圧縮下にはない。クラウンインサート126を有するゴルフ用クラブヘッド100の一つの実行形態において、離散塊176は、フレーム124が形成された後であるがクラウンインサート126がフレーム124に取り付けられる前に、フェース部142の内面145に適用される。さらに具体的に、フレーム124が形成された後かつクラウンインサート126がフレーム124に取り付けられる前に、クラウン開口部162を介したアクセスを利用して、離散塊176をフェース部142の内面145に適用することができる。あるいは、本体110に形成された一つ又はそれ以上のポートを介して内部空洞113にアクセスすることによって、本体110が完全に形成された後(例えば、クラウンインサート126が本体110のフレーム124に取り付けられた後)に、離散塊176をフェース部142の内面145に適用することができる。例えば、
図17を参照すると、射出ツール177は、本体110の外壁(例えば、フェース部142の壁)に形成され、内部空洞113に開口する開口部172を介してフェース部142の内面145上にポリマー材料を射出することができる。
【0282】
ここで
図16及び17を参照すると、離散塊176はさらにゴルフ用クラブヘッド100のスロット170の内面に直接に結合され、スロット170とフェース部142との間に介在され得る。離散塊176は、フェース部142、特にリップ147をスロット170に構造的に連結するための補強ブリッジを提供する。
【0283】
図示されるように、いくつかの実施形態において、ゴルフ用クラブヘッド100は、ソール部117に結合された少なくとも一つの擁壁180を含む。擁壁180は、ソール部117から直立して突出する。さらに、擁壁180は、薄肉構造を有し、ヒール-トウ方向(例えば、フェース部142と実質的に平行)において長手方向に延びることができる。いくつかの例において、ゴルフ用クラブヘッド100の底部領域135は、ヒール領域116からトウ領域114まで延びることができる単一の擁壁180を含む。しかしながら、他の例において、ゴルフ用クラブヘッド100の底部領域135は、
図16に示されるように、ヒール-トウ方向に互いに離間している複数の別々の擁壁180を含む。各別個の擁壁180は、離散塊176のうちのそれぞれの一つと関係付けられている。いくつかの実行形態において、擁壁180は独立した構造である。しかし、他の実行形態において、擁壁180は、他の構造に一体化されている。例えば、擁壁180はスロット170の一部を形成することができる。
図16及び
図17に示すような特定の実行形態において、擁壁180がスロット170よりもソール部117からさらに離れて突出するように、擁壁180はスロット170の前壁でスロット170から突出する。図示されていないが、ゴルフ用クラブヘッド100はまた、クラウン部119から直立して突出する一つ又はそれ以上の擁壁を有してもよい。
【0284】
擁壁180は、一つ又はそれ以上の離散塊176が構造的に連結され得る構造を提供するだけでなく、離散塊176をフェース部142上でより高く底部領域135において、及び/又は離散塊176をフェース部142上でより低く頂部領域133において配置することをそれらのより高いかより低い位置でバッキングを提供することによってすることにも役立つ。一般に、所与のx軸位置でフェース部142と接触している離散塊176が打撃プレート143の中心に近づくほど、離散塊176が、その位置での打撃プレート143のCTを下げることに与える影響は大きくなる。従って、離散塊176を打撃プレート143の中心の近くに配置することによって、打撃プレート143のCTを対応して下げることができる。
【0285】
上記のものに対応して、所与のx軸位置でフェース部142と接触している離散塊176が打撃プレート143の中心に対して離れるほど、離散塊176がその位置における打撃プレート143のCTを下げることに対する影響は少なくなる。従って、
図18に示すようないくつかの実行形態において、補強材150は、離散塊176と発泡体184の両方を含む。補強材150が底部領域135に配置されている場合には、発泡体184は、離散塊176とソール部117との間に配置される。さらに、補強材150が頂部領域133に配置されている場合には、発泡体184は離散塊176とクラウン部119との間に配置される。図示されるように、ゴルフ用クラブヘッド100がスロット170又は擁壁180を含む場合、発泡体184は、スロット170又は擁壁180と、フェース部142との間に配置される。
【0286】
発泡体184は、離散塊176をフェース部142上でより高く底部領域135に、又は頂部領域133のフェース部142上でより低く離散塊176に配置するプラットフォーム(例えばスペーサとして作用する)を提供する。発泡体184は、離散塊176のポリマー材料よりも軽い。従って、
図17の離散塊176の一部を発泡体184で効果的に置き換えることにより、補強材150のCT低減性能を犠牲にすることなく補強材150の全重量を減らすことができる。いくつかの実行形態において、各補強材150の発泡体184は、一つの補強材150の発泡体184が別の補強材150の発泡体184から分離するように、別個の発泡体片である。発泡体184は、製造中の気泡の導入から生じる軽量の気泡形態を有する、ポリウレタン、ポリエチレンなどの様々な種類の発泡体のうちのいずれかであり得る。
【0287】
各補強材150の発泡体184は、接着などの様々な技術のいずれかを使用して、ソール部117、クラウン部119、及び/又はフェース部142などの本体110の内面145に適用することができる。言い換えれば、発泡体184は本体110の内面145に接着することができる。ついで、
図16及び17に関連して上述したものと同じ又は同様の技術を使用して、離散塊176を発泡体184上に適用することができる。クラウンインサート126を有するゴルフ用クラブヘッド100の一つの実行形態において、発泡体184は、フレーム124が形成され、打撃プレート143がリップ147に結合された後(リップ147に取り付けられているか、又はリップ147と一体形成されているかにかかわらず)であるがクラウンインサート126がフレーム124に結合される前に、本体110の内面145に結合される。さらに具体的に、フレーム124が形成されて打撃プレート143が本体110上の適所に配置された後で、クラウンインサート126がフレーム124に取り付けられる前に、クラウン開口部162を介したアクセスを利用して発泡体184を本体の内面145に固定することができる。従って、打撃プレート143がリップ147に溶接される場合、打撃プレート143がリップ147に溶接され溶接部が冷却されるまで発泡体184は本体110に固定されないので、溶接プロセスからの熱はフォーム184を溶融しない。さらに、発泡体184のセル状の軽量な性質のために、それはゴルフ用クラブヘッド100の音響に大きな影響を与えない。
【0288】
図19~21を参照すると、補強材150の発泡体184は、発泡体で作られたエンクロージャ186に形成することができる。図示されるように、エンクロージャ186は、本体110の内面と着座係合又は相補係合するように構成(例えば、成形)することができる。エンクロージャ186の発泡体は、発泡体184に関連して上述したものと同じ種類の発泡体であり得る。エンクロージャ186は、フェース部142に開口する側面を有する空洞188を規定する。さらに具体的に、一つの例において、エンクロージャは、ソール部117、クラウン部119、又はスカート部121で本体110の内面に直接に固定されたベース187を含む。一つ又はそれ以上の壁189は、ベース187から突出し、ベース187とともに空洞188を規定する。エンクロージャ186のベース187及び壁189は、フェース部142の内面が空洞188の開口側を効果的に閉じるようにフェース部142の内面に当接し、一方、空洞188の開口端は開いたままである。従って、空洞188は、ベース187によって規定された閉口端と、閉口端とは反対側の開口端と、エンクロージャ186の壁189によって規定された少なくとも一つの閉側面と、フェース部142に対して開口している一つの開口側面とを有する。図示の実行形態において、ベース187は四辺形であり、エンクロージャ186はベース187から直交して突出する三つの壁189を含む。従って、図示の実行形態において、空洞188は実質的に正方形の形状である。しかしながら、他の実行形態において、エンクロージャ186及び空洞188は、空洞188がフェース部142に対して開いた側面を有する限り、様々な形状のうちのいずれかを有することができる。
【0289】
補強材150の離散塊176は、エンクロージャ186の空洞188内に配置されて保持されている。発泡体184と同様に、エンクロージャ186のベース187は、離散塊176をフェース部142上でより高く底部領域135に、又はフェース部142上でより低く頂部領域133に配置するためのプラットフォームを提供する。エンクロージャ186の壁189は、CTの調整可能性が望まれるフェース部142上の位置に離散塊176を保持し、配置するのに役立つ。そのようには特定されていないが、
図18における発泡体184は、エンクロージャ186と同様に、エンクロージャの一部とすることができる。例えば、エンクロージャの側壁189を使用して、離散塊176を横方向に保持しながら、擁壁180及び/又はスロット170が離散塊176を後方に保持することができる。従って、いくつかの実行形態において、発泡体184は擁壁180及び/又はスロット170と直接に接触して、離散塊176が発泡体184及び/又はスロット170の間で漏れるのを防ぐためのシールを形成する。
【0290】
図19に示すように、いくつかの実行形態において、ゴルフ用クラブヘッド100は、ゴルフ用クラブヘッド原点座標系185のx軸に平行な方向に互いに間隔を置いて配置された、複数のエンクロージャ186と、複数の対応する離散塊176とを含む。ゴルフ用クラブヘッド100の底部領域135及び/又は頂部領域133に複数のエンクロージャ186を配置することができる。
【0291】
クラウンインサート126を有するゴルフ用クラブヘッド100の一つの実行形態において、エンクロージャ186は、フレーム124が形成されかつ打撃プレート143がリップ147に結合された後(リップ147に取り付けられているか、それと一体形成されているかにかかわらず)であるがクラウンインサート126がフレーム124に取り付けられる前に、本体110の内面145に結合されている。さらに具体的に、フレーム124が形成され、打撃プレート143が本体110上の適所に配置された後で、クラウンインサート126がフレーム124に取り付けられる前に、クラウン開口部162を介したアクセスを利用してエンクロージャ186を本体の内面145に固定することができる。
【0292】
離散塊176は、
図16及び17に関して上述したものと同じ又は類似の技術を使用して、エンクロージャ186の空洞188内に適用することができる。例えば、クラウンインサート126をゴルフ用クラブヘッド100のフレーム124に取り付ける前に、離散塊176を、クラウン開口部162を通して空洞188に射出することができる。あるいは、例えば、本体110の外壁に形成された開口部172(例えば、
図23の開口部172参照)を介して、離散塊176を空洞188に射出することができる。いくつかの実行形態において、開口部172は、エンクロージャ186の空洞188に開口しているベース187に形成された開口部173と整合されている。言い換えれば、ベース187の開口部173は、開口部172の続きを効果的に形成する。このように、射出ツール177は、本体110の外壁の開口部172及びエンクロージャ186のベース187の開口部173を通して、エンクロージャ186の空洞188内にポリマー材料を射出することができる(例えば、
図23参照)。ポリマー材料を射出して硬化させた後、開口部172をポリマー材料、又はアルミニウム若しくはチタンなどの別の材料で塞ぐことができる。
【0293】
図22及び23を参照すると、いくつかの実施形態において、複数の補強材150の発泡体エンクロージャを効果的に組み合わせて、一体で、連続的なモノリシック構造を形成する。言い換えれば、複数の補強材150のそれぞれの離散塊176及び空洞188が、ゴルフ用クラブヘッド原点座標系185のx軸に平行な方向に互いに離間している一方、エンクロージャは組み合わされてエンクロージャラダーを形成する。エンクロージャラダー190は、発泡体に形成された複数の離間した空洞188を有する一体成形の発泡体を含む。空洞188は、フェース部142上の離散塊176の所望の位置にあるエンクロージャラダー190内に形成されている。ゴルフ用クラブヘッド100は、ゴルフ用クラブヘッド100の底部領域135に配置された一つ(又は複数)のエンクロージャラダー186、及び/又はゴルフ用クラブヘッド100の頂部領域133に配置された一つ(又は複数)のエンクロージャラダー186などの複数のエンクロージャラダーを含むことができる。
図23に示されるエンクロージャラダー190は、それぞれ五つ及び七つの空洞188を含むが、他の実施形態において、各エンクロージャラダー190は、五つ未満、六つ、又は七つより多い空洞188を含むことができる。各エンクロージャラダー190は、任意の数の空洞188を含み得る。
【0294】
エンクロージャラダー190は、フレーム124が形成され、打撃プレート143がリップ147に連結された後(リップ147に取り付けられているか、それと一体形成されているかにかかわらず)であるが、クラウンインサート126がフレーム124に取り付けられる前に、本体110の内面145に結合される。さらに具体的に、フレーム124が形成され、打撃プレート143が本体110上の適所に配置された後で、クラウンインサート126がフレーム124に取り付けられる前に、クラウン開口部162を介したアクセスを利用してエンクロージャラダー190を本体の内面に固定することができる。
【0295】
離散塊176は、
図16及び17に関して上述したものと同じ又は同様の技術を使用して、エンクロージャ186の空洞188内に適用することができる。例えば、クラウンインサート126をゴルフ用クラブヘッド100のフレーム124に取り付ける前に、離散塊176を、クラウン開口部162を通して空洞188内に射出することができる。あるいは、例えば、離散塊176は、本体110の外壁に形成された開口部172(例えば、
図23の開口部172参照)を介して、空洞188内に射出することができる。いくつかの実行形態において、開口部172は、エンクロージャ186の空洞188に開口している、ベース187に形成された開口部173と整合されている。言い換えれば、ベース187の開口部173は、開口部172の続きを効果的に形成する。このように、射出ツール177は、本体110の外壁の開口部172及びエンクロージャ186のベース187の開口部173を通して、エンクロージャ186の空洞188内にポリマー材料を射出することができる(例えば、
図23参照)。
【0296】
いくつかの例において、
図24~27に示すように、ゴルフ用クラブヘッド100の補強材150は、ファスナー198を含む。各補強材150のファスナー198は、少なくとも部分的に本体110の内部空洞113内にある。例えば、ゴルフ用クラブヘッド100の頂部領域133におけるファスナー198の一部は、内部空洞113の外側に配置され、ファスナー198の別の一部は、内部空洞113の内側に配置されている。そのようなファスナー198は、内部空洞113の外側の位置で調整ツールによって係合可能である。ゴルフ用クラブヘッド100の底部領域135におけるファスナー198のような、別の例において、ファスナー198の全体が内部空洞113の内側に配置されている。そのようなファスナー198は、内部空洞113の内側の位置で調整ツールによって係合可能である。ファスナー198は、ネジ、ボルト、釘、ピン、ナット、ワッシャ、ペグなど、様々な種類のファスナーのうちのいずれかであり得る。一つの実行形態において、ファスナー198は、調整ツール200によって係合可能なヘッド部と、ヘッド部から延びるネジ付き軸部とを有するねじ付きファスナ(すなわち、ネジのあるファスナ)である。
【0297】
ファスナー198は、本体110に調整可能に結合され、CTの調整可能性が望まれるフェース部142の外周縁181から離れた位置LFでフェース部142の内面145に接触するように調整可能である。いくつかの実行形態において、ファスナー198は、ファスナー198をフェース部142の内面145と接触させ、フェース部142の内面145と接触させないように配置するように調整可能である。しかしながら、他の実行形態において、ファスナー198はフェース部142の内面145と接触したままであり、ファスナー198の内面145との接触面積は調整可能である。各補強材150のファスナー198は、様々な方法のうちのいずれかで本体110に調整可能に連結することができる。いくつかの実行形態において、位置LFは、フェース部上のファスナー198の横方向位置及びフェース部142のCTへの所望の減少に応じて、少なくとも5mm、10mm、15mm、20mm、又は30mmである。
【0298】
図24に示す一つの例において、ゴルフ用クラブヘッド100の部領域135における補強材150のファスナー198は、ファスナーリブ194又はタブを用いて本体110に、調節可能に結合されている。ファスナーリブ194は、ゴルフ用クラブヘッド100の本体110に移動不能に取り付けられるか又はそれと一体形成され、本体110の内面から本体110の内部空洞113内に突出する。ファスナーリブ194は、ファスナー198が通る開口部196を含む。ファスナー198を本体110に対して調整すると、開口部196はファスナー198を支持する。一つの実行形態において、ファスナー198はネジ部品であり、開口部196はネジ穴であり、ファスナー198は開口部196と螺合する。そのような実行形態によれば、ファスナー198と開口部196との間の螺合は、ファスナー198がファスナーリブ194に対して回転するときに、ファスナー198をフェース部142に向かって又はフェース部142から離れる方向に並進運動させる。ファスナー198は、調整ツール200を用いて回転させることができ、調整ツール200は、スクリュードライバ、ラチェット、ドリル、レンチなどのような当技術分野で知られている様々なファスナー調整ツールのいずれでもよい。図示されるように、いくつかの実行形態において、ファスナー198は、ゴルフ用クラブヘッド100の本体110に形成されたポート192を介して調整ツール200によってアクセス可能である。ポート192は、専用の補強材調整ポート、又は調整可能な重りを保持するための重りポートなどの他の用途のために設計されたポートとすることができる。ポート192は、ゴルフ用クラブヘッド100の後方領域118のスカート部121のように、本体110上の所望の位置に配置することができる。特定の実行形態において、ファスナー198が完全に内部空洞113内に配置される場合、調整ツール200は、ポート192を通り、内部空洞113を通ってファスナー198と係合するように延びるように構成される。
【0299】
図25を参照すると、ゴルフ用クラブヘッド100は、任意の数のファスナーリブ194を有することができる。さらに、各ファスナーリブ194は一つのファスナー198を支持するように示されているが、いくつかの実行形態において、一つのファスナーリブ194は、二つ以上のファスナー198を支持することができる。また、底部領域135における補強材150のみがファスナーリブ194を含むように示されてされているが、頂部領域133における補強材150はまた、ファスナーリブ194を含み得るということが認識される。
【0300】
図24にも示す別の例によれば、ゴルフ用クラブヘッド100の頂部領域133における補強材150のファスナー198は、本体110のファスナーポート202を用いて、本体110に調節可能に結合されている。ファスナーポート202は、本体110と一体成形されている。さらに、ファスナーポート202は、ファスナー198が本体110に対して調整されるときにファスナー198と直接に係合し、支持するように構成される。例えば、いくつかの実行形態において、ファスナー198はネジ部品であり、ファスナーポート202はネジ付きであり、ファスナー198はファスナーポート202と螺合する。そのような実行形態によれば、ファスナー198がファスナーポート202に対して回転すると、ファスナー198とファスナーポート202との間の螺合により、ファスナー198はフェース部142に向かって又はフェース部142から離れる方向に並進運動する。フェース部142は、ファスナー198がフェース部142に向かって回転するときにファスナー198の端部を受けるように構成されたレッジ204又は肩部を含み得る。
【0301】
ファスナー198は、調整ツール200で回転させることができる。図示されるように、いくつかの実行形態において、ファスナー198の一部が内部空洞113の外側にある場合、ファスナー198は、内部空洞113の外側のファスナー198の一部を係合することによって、内部空洞113の外側から調整ツール200によってアクセス可能である。ファスナーポート202。ファスナーポート202は、所望により本体110上のどこにでも配置することができる。
【0302】
図25を参照すると、ゴルフ用クラブヘッド100は、任意の数のファスナーポート202及び対応するファスナー198を有することができる。また、頂部領域133における補強材150のみがファスナーポート202を含むように示されているが、底部領域135における補強材150もまたファスナーリブ194の代わりにファスナーポート202を含み得るということが認識される。
【0303】
図26を参照すると、ゴルフ用クラブヘッド100は、サイドファスナーポート210を含む。各サイドファスナーポート210は、ファスナーポート202と同様である。各補強材150のファスナー198は、サイドファスナーポート210のうちのそれぞれの一つを使用して本体110に調整可能に結合されている。ファスナーポート210は、本体110と一体成形されている。図示されるように、各サイドファスナーポート210は、ゴルフ用クラブヘッド100の側面、例えば前方領域112のトウ領域114又はヒール領域116のスカート部121又はソール部117に形成されている。ファスナーポート210は、クラブヘッド原点座標系185のy軸に対して傾斜している。その一方、ポート192及び/又はファスナーポート202は、いくつかの実行形態において、クラブヘッド原点座標系185のy軸と実質的に平行であり得る。
【0304】
ファスナーポート210は、ファスナー198が本体110に対して調整されるときにファスナー198と直接に係合してこれを支持するように構成される。例えば、いくつかの実行形態において、ファスナー198はネジ部品であり、ファスナーポート210はネジ付きであり、ファスナー198はファスナーポート210と螺合する。そのような実行形態によれば、ファスナー198がファスナーポート210に対して回転すると、ファスナー198とファスナーポート210との間の螺合により、ファスナー198がフェース部142に向かって又はフェース部142から離れる方向に並進運動する。
【0305】
ファスナー198は、調整ツール200で回転させることができる。図示されるように、いくつかの実行形態において、ファスナー198の一部が、内部空洞113の外側にある場合、ファスナー198は、内部空洞113の外側のファスナー198の一部を係合することによって、内部空洞113の外側から調整ツール200によってアクセス可能である。ファスナーポート202。ファスナーポート202は、所望により本体110上のどこにでも配置することができる。
【0306】
図26を参照すると、ファスナー198は、いくつかの実行形態において丸みを帯びた端面230を有する。
図26のファスナー198は、フェース部142の内面145と接触するファスナー198の丸みを帯びた端面230の領域の大きさを調整するように調整可能である。言い換えれば、ファスナー198は、フェース部142の内面145と接触する丸みを帯びた端面230の面積を増大させるためにフェース部142に向かって並進可能であり、フェース部142の内面145と接触する丸みを帯びた端面230の面積を減少させるためにフェース部142から離れる方向に並進可能である。内側表面145と接触する丸みを帯びた端面230の領域の大きさの調整によって引き起こされるヘルツ接触応力の変動により、フェース部142の剛性は対応して変化し得る(例えば、徐々に調整可能であり得る)。
【0307】
図27に示す別の例によれば、フェース部142の剛性は、スプリング要素220を使用して徐々に調整可能であり得る。さらに具体的に、
図27のゴルフ用クラブヘッド100の補強材150は、リブ194とワッシャ222との間に配置されたスプリング要素220を含む。補強材150はさらに、ワッシャ222、スプリング要素220、及びリブ194の開口部196を通して延びるファスナー198を含む。(調整ツール200などによる)ファスナー198の調整を介して、ファスナー198がフェース部142に向かって並進運動すると、ファスナー198はワッシャ222に対してスプリング要素220をリブ194に対して圧縮させるようにさせる。その一方、ファスナー198の調整を介して、ファスナー198がフェース部142から離れるように並進運動すると、スプリング要素220は圧縮解除することが可能になる。スプリング要素220の剛性又は弾性は、スプリング要素220が徐々に圧縮又は圧縮解除されるにつれて徐々に変化する。例えば、スプリング要素220が徐々にさらに圧縮されるにつれて、スプリング要素220の剛性は徐々に増加し、スプリング要素220の弾性は徐々に減少する。しかしながら、スプリング要素220が徐々にさらに圧縮解除されるにつれて、スプリング要素220の剛性は徐々に減少し、スプリング要素220の弾性は徐々に増加する。いくつかの実行形態において、スプリング要素220はアクリルなどのポリマー材料の固体ブロックである。
【0308】
図27の補強材150のファスナー198の端部は、CTの調整可能性が望まれる位置でフェース部142と直接に係合する。いくつかの実行形態において、
図27の補強材150のファスナー198の端部は、フェース部142と永久的に係合する。例えば、フェース部142は、フェース部142の内面145に形成された、ファスナー198の端部を受けるように構成された凹部197を含むことができる。凹部197は、ファスナー198の端部と螺合するようにネジが切られていてもよい。ファスナー198は、ファスナー198の端部がフェース部142と接触するフェース部142の局所的な剛性がスプリング要素220の剛性と一致するように、フェース部142をスプリング要素220と構造的に連結する。従って、スプリング要素220の剛性がファスナー198の調整を介して徐々に増加するにつれて、ファスナー198の端部がフェース部142に接触するフェース部142のCTは、対応して徐々に減少する。その一方、スプリング要素220の剛性がファスナー198の調整を介して、徐々に減少するにつれて、ファスナー198の端部がフェース部142に接触するフェース部142のCTは、対応して徐々に増加する。
【0309】
本開示のゴルフ用クラブヘッド100の補強材150は、原点183のx軸座標に近接するx軸座標を有する位置でゴルフ用クラブヘッド100のCTに大きな影響を与えることなく、原点183からトウ方向及び/又はヒール方向に離れたx軸座標を有する位置でゴルフ用クラブヘッド100のCTの減少を有利に促進する。いくつかの実施形態において、ゴルフ用クラブヘッド100の製造されたバッチに対して、打撃プレート143のセンターフェースにおいて、並びにセンターフェースから水平方向に+20mm及び-20mm離れた位置において、目的のCTから離れたCTの標準偏差の減少をさらに促進するために、ゴルフ用クラブヘッド100のバッチが製造された後、ゴルフ用クラブヘッド100の補強材150を調整してCTを調整することができる。標準偏差を下げることにより、所与のバッチの製造されたゴルフ用クラブヘッド100は、目的のCTにより近いCTを有することが可能になり、これは、ゴルフ用クラブヘッド100について規定されたCT閾値により近い目的のCTの選択を可能にする。例えば、所与のバッチのゴルフ用クラブヘッド100のCTが製造後に規定されたCT閾値を満たさない場合であっても、規定されたCT閾値を満たすように、ゴルフ用クラブヘッド100の一つ又はそれ以上の補強材150を調整してCTを調整することができる。同様に、所与のバッチのゴルフ用クラブヘッド100のCTが製造後に目的のCTを満たさない場合、ゴルフクラブヘッド100の一つ又はそれ以上の補強材150を調整して、目的のCTが達成されるようにCTを調整することができる。
【0310】
従って、ゴルフ用クラブヘッド100のバッチの標準偏差は、バッチのゴルフ用クラブヘッド100のCTの調整可能範囲に基づくことができる。一つの実施形態において、標準偏差は約2マイクロ秒である。他の実施形態によれば、標準偏差は、約1マイクロ秒乃至約4マイクロ秒である。目的のCTは、一つの例において235マイクロ秒乃至257マイクロ秒、別の例において240マイクロ秒乃至250マイクロ秒、さらに別の例において約247マイクロ秒である。いくつかの実施形態によれば、目的のCTは、規定されたCT閾値より1マイクロ秒乃至20マイクロ秒低い。一つの例において、目的のCTは、規定されたCT閾値より約10マイクロ秒低い。さらに別の実施形態によれば、目的のCTは、規定されたCT閾値より0.4%乃至7.8%低い。一つの例において、目的のCTは、規定されたCT閾値より約4%低い。
【0311】
いくつかの実施形態によれば、補強材150から材料を除去することによって、ゴルフ用クラブヘッド100の補強材150を調整し、ゴルフ用クラブヘッド100のCTを調整する。材料除去ツール240を使用することなどによって、
図12のゴルフ用クラブヘッド100の一つ又はそれ以上のリブ152の一部を除去すると、CTが局所的に増加する。材料除去ツール240は、金属材料を切断、剪断、研削などするように構成されたドリル、グラインダー、サンダーなどのような様々なツールのうちのいずれかとすることができる。材料除去ツール240は、ゴルフ用クラブヘッド100の本体110の外壁に形成された開口部172を通してリブ152にアクセスすることができる。従って、リブ152及び開口部172を含むゴルフ用クラブヘッド100の全体を製造することができる。ついで、製造されたゴルフ用クラブヘッド100のCTを試験することができる。製造されたゴルフ用クラブヘッド100の試験されたCTが目的のCTより低い場合、製造されたゴルフ用クラブヘッド100のCTが目的のCTまで増加するまで、一つ又はそれ以上のリブ152からの材料を除去することができる。リブ152から材料を除去した後、対応する開口部172は、エンドユーザによるゴルフ用クラブヘッド100の実際の使用に備えて永久的又は非永久的に塞がれ得る。いくつかの実行形態において、開口部172は、リブ152から材料を除去する前に非永久的に塞ぐことができ、ついでリブ152から材料を除去した後に永久的又は非永久的に塞ぐことができる。
【0312】
いくつかの実施形態によれば、ゴルフ用クラブヘッド100の補強材150を調整し、ゴルフ用クラブヘッド100のCTを、補強材150に材料を加えることによって調整する。例えば、
図13~23のゴルフ用クラブヘッド100を参照すると、射出ツール177を使用することなどによって、ゴルフ用クラブヘッド100にポリマー材料を加えて一つ又はそれ以上の離散塊176を形成又は加えると、CTが局所的に減少する。離散塊176を形成又は加えるための離散塊176の位置は、ゴルフ用クラブヘッド100の本体110の外壁に形成された開口部172を通してアクセスすることができる。従って、開口部172を含めて、発泡体184、エンクロージャ186、又はエンクロージャラダー190の取り付けを含む
図13~23のゴルフ用クラブヘッド100全体を製造することができる。ついで、製造されたゴルフクラブヘッド100のCTを試験することができる。製造されたゴルフ用クラブヘッド100の試験CTが目的のCTより高い場合、製造されたゴルフクラブヘッド100のCTが目的のCT以下に減少するまで、ポリマー材料を加えて一つ又はそれ以上の離散塊176を形成又は拡大することができる。一つ又はそれ以上の開口部172を介してゴルフ用クラブヘッド100にポリマー材料を加えた後、対応する開口部172は、エンドユーザによるゴルフ用クラブヘッド100の実際の使用に備えて永久的又は非永久的に塞がれ得る。いくつかの実行形態において、開口部172は、リブ152から材料を除去する前に非永久的に塞ぐことができ、ついでリブ152から材料を除去した後に永久的又は非永久的に塞ぐことができる。
【0313】
いくつかの実行形態によれば、CTのより正確な調整は、離散塊176を形成するために
図12~23のゴルフ用クラブヘッド100に加えられるポリマー材料の量又は種類を変えることによって達成することができる。いくつかの実行形態において、ゴルフ用クラブヘッド100の全ての離散塊176のポリマー材料は同じであり、一方、離散塊176の少なくとも一つのポリマー材料の量は、別の離散塊176とは異なる。例えば、製造されたゴルフ用クラブヘッド100の試験により、フェース部142上のある位置では別の位置よりもCTを大きく減少させる必要性が明らかになるかもしれない。従って、他の位置と比較して、より多くのポリマー材料を一方の位置に加えることができる(すなわち、より大きな離散塊176を形成することができる)。他の実行形態において、離散塊176のポリマー材料の量は同じであるが、少なくとも一つの離散塊176のポリマー材料の種類は別の離散塊176のそれとは異なる。例えば、製造されたゴルフ用クラブヘッド100の試験は、フェース部142上のある位置では別の位置よりもCTを大きく減少させる必要性を明らかにするかもしれない。従って、より高い硬度を有するポリマー材料は、他の位置にあるポリマー材料と比較して一方の位置に加えることができる。一つの特定の例において、エンクロージャラダー190の空洞188に加えられるポリマー材料の種類は、空洞188ごとに異なり、ポリマー材料の硬度は、原点183からさらにトウ方向に離れるにつれて、及び原点183からさらにヒール方向に離れるにつれて次第に高くなる。
【0314】
いくつかの実施形態によれば、補強材150のファスナー198を調整することによって
図24~27のゴルフ用クラブヘッド100の補強材150を調整し、ゴルフ用クラブヘッド100のCTを調節する。補強材150を含む
図24~27のゴルフ用クラブヘッド100の全体を製造することができる。ついで、製造されたゴルフ用クラブヘッド100のCTを試験することができる。製造されたゴルフ用クラブヘッド100の試験CTが目的のCTより高い場合、製造されたゴルフ用クラブヘッド100のCTが目的のCT以下になるまで、ファスナー198は、調整ツール200を使用することなどによって、ファスナー198をフェース部142に接触させる、フェース部142と接触するファスナー198の領域を増大させる、及び/又はスプリング要素220をさらに圧縮するのいずれかに調整することができる。
【0315】
いくつかの実行形態において、CTのより正確な調整は、
図12~23の所与のゴルフ用クラブヘッド100の補強材150のファスナー198を独立にかつ相違して調整することによって達成することができる。例えば、ゴルフ用クラブヘッド100のファスナー198のうちの一つをフェース部142と接触するように調整し、ゴルフ用クラブヘッド100の他のファスナー198をフェース部142と接触しないままにすることができる。別の例として、所与のゴルフ用クラブヘッド100のファスナー198は、フェース部142と接触している一つのファスナー198の領域がフェース部142と接触している他のファスナー198の領域と異なり得るように、異なるように調整することができる。さらに、追加の例において、所与のゴルフ用クラブヘッド100のファスナー198は、ゴルフ用クラブヘッド100の一つの補強材150のスプリング要素220がゴルフ用クラブヘッド100の別の補強材のスプリング要素220とは異なるように圧縮されるように異なって調整することができる。
【0316】
図29を参照すると、一つの実施形態によれば、ゴルフ用クラブヘッドの製造後に、ゴルフ用クラブヘッド100などのゴルフ用クラブヘッドのCTを調整する方法300が開示されている。本明細書に定義されているように、製造後のゴルフ用クラブヘッド、又は製造後のゴルフ用クラブヘッドは、完全に形成された本体を有する完全に機能的なゴルフ用クラブヘッドである。重り又はプラグを固定するための可能なポートを除いて、製造後のゴルフ用クラブヘッドの本体は完全に密閉されている。別の定義によれば、規定されたCT閾値を満たさないという可能性を除いて、製造後のゴルフ用クラブヘッドは、USGAによって規定された閾値などの他の全ての規定閾値を満たす。
【0317】
方法300は、まず、302でゴルフ用クラブヘッドの製造を含むことができる。製造されたゴルフ用クラブヘッドは、ゴルフ用クラブヘッドのCTを調節するための、少なくとも一つの補強材、例えば補強材150を含む。補強材は、少なくとも部分的にゴルフ用クラブヘッドの内部空洞内にあり、ゴルフ用クラブヘッドのフェース部に直接に結合可能である。方法300はさらに、304においてゴルフ用クラブヘッドを試験してゴルフ用クラブヘッドのCTを決定することを含む。方法300の304で利用されるCTテストは、USGAによって標準化された振り子ベースのCTテストであり得る。方法300はさらに、304で試験することによって決定されたゴルフ用クラブヘッドのCTが、306で所望の又は目的のCTを満たすかどうかを決定することを含む。306でゴルフ用クラブヘッドのCTが目的のCTを満たす場合、方法300は終了する。しかしながら、ゴルフ用クラブヘッドのCTが目的のCTを満たさない場合、方法300は、308においてゴルフ用クラブヘッドの補強材を調整してゴルフクラブヘッドのCTを調整する。いくつかの実行形態において、308で補強材を調整した後、方法300は再び304でゴルフ用クラブヘッドのCTを決定するためにゴルフ用クラブヘッドを試験し、そこから継続する。
【0318】
308でゴルフ用クラブヘッドの少なくとも一つの補強材を調整することは、補強材の構成に応じていくつかの異なる方法で達成することができる。例えば、補強材がゴルフ用クラブヘッドのフェース部に直接に結合されたリブである場合(例えば、
図7~12参照)、308で補強材を調整することは、ゴルフ用クラブヘッドの本体に形成されたポートを通して少なくとも一つのリブから材料を除去することを含む。別の例として、補強材がゴルフ用クラブヘッドのフェース部に直接に結合された離散塊を含む場合(例えば、
図13~23参照)、308で補強材を調整することは、ゴルフ用クラブヘッドの本体に形成されたポート又は開口部を通して、少なくとも一つの補強材へ約ショア10D以上の硬度を有するものなどのポリマー材料を加えることを含む。さらに別の例によれば、補強材が少なくとも部分的にゴルフ用クラブヘッドの内部空洞内にあり、ゴルフ用クラブヘッドの本体に調節可能に結合されたファスナーを含む場合(例えば、
図24~27参照)、308で補強材を調整することは、ゴルフ用クラブヘッドのフェース部と接触するように調整(例えば、回転させること)すること、又はゴルフ用クラブヘッドのフェース部と接触している間にファスナーを調整することを含む。
【0319】
図30を参照すると、一つの実行形態によれば、ゴルフ用クラブヘッド100に従って構成されたゴルフ用クラブヘッドのCTは、ゴルフ用クラブヘッドの製造後に調整され、調整の前後に試験した。CT調整は、フェース部142のトウ側及びヒール側にそれぞれ開口部172を介して1グラムのポリマー材料を射出することによって達成された。この例示の実行形態において、ポリマー材料は、3M製のScotch Weld Epoxy Adhesive DP420であった。エポキシ接着剤は、二成分エポキシ接着剤であり得る。射出されたポリマー材料を、ポリマー材料の離散塊が上述のようにフェース部142の内面に接触するように、エンクロージャ186と同様に、発泡体で作られたそれぞれのエンクロージャ内に保持した。次いでポリマー材料を硬化させた。
【0320】
打撃プレート143の打撃フェース上の三つの点A、B、CにおけるCTを、ポリマー材料を射出し硬化させる前後に実験的に得た。点Aは、センターフェースに位置し、点Bは、点Aからトウ方向で20mmに位置し、点Cは、点Aからトウ方向で20mmに位置する。ポリマー材料を射出し硬化する前、点AにおけるCTは256マイクロ秒であり、点BにおけるCTは267マイクロ秒であり、点CにおけるCTは245マイクロ秒であった。ポリマー材料の射出及び硬化後、点AにおけるCTは249マイクロ秒(又は7マイクロ秒以下)であり、点BにおけるCTは251マイクロ秒(又は16マイクロ秒以下)であり、点CにおけるCTは247マイクロ秒(又は2マイクロ秒以上)であった。従って、ポリマー材料の射出は、点A及びBにおけるCTの著しい減少と、点Cにおける実質的に同一のCTをもたらした。
【0321】
図31A及び32Aを参照すると別の実施形態においてゴルフ用クラブヘッド100は補強材254を含む。フェース部142の中心に対する補強材254の配置は、
図3~6に関連して上述した補強材150の配置と同様であり得る。補強材254は、第1の壁252、第2の壁250、及び第3の壁251からなる補強材アセンブリ260の一部を形成する。従って、補強材アセンブリ260は、第1の壁252、第2の壁250、第3の壁251、及び補強材254を含む。
【0322】
第1の壁252は、本体110のソール部117から直立して突出する。いくつかの例において、第1の壁252はソール部117から垂直に延び、他の例において、第1の壁252は、第1の壁252が突出するソール部117の部分と鋭角又は鈍角を形成し得る。第1の壁252は、いくつかの例において、本体110とは別に形成され、溶接又は接合技術などによって本体110に取り付けられる。しかしながら、他の例において、第1の壁252は、本体110は一体で、連続的なモノリシック構造を形成するように、本体110と一体形成される。具体例において、第1の壁252の厚さが第1の壁252の長さ及び高さよりも著しく小さいように、第1の壁252は薄肉構造を有する。第1の壁252は、ゴルフ用クラブヘッド原点座標系185のx軸に平行であるか、ゴルフ用クラブヘッドのx軸に対して傾斜していることができる、一般にヒール-トウ方向において長手方向に延びる。例えば、いくつかの実行形態において、第1の壁252は、ゴルフ用クラブヘッドのx軸と、-30°乃至-15°及び15°乃至30°の角度を規定する。
【0323】
図31Aに示すように、第1の壁252は長さL5を有する。長さL5は、フェース部142の全長L3未満である。言い換えれば、第1の壁252は、フェース部142の全長L3に対して別個の壁である。別の例によれば、長さL5は、本体110のソール部117に隣接する(例えば、当接した又は直接に結合した)フェース部142の全セクションの全長L4未満である。従って、第1の壁252はまた、ソール部117に隣接するフェース部142の全セクションの全長L4に対して別個の壁とすることができる。一つの例において、第1の壁252の長さL5は、30ミリメートル未満である。
【0324】
第1の壁252は、第1の弾性係数を有する第1の材料で作られている。いくつかの例において、第1の弾性係数は15乃至350GPaである。他の例によれば、第1の弾性係数は90乃至210GPaである。一つの例において、第1の弾性係数は、本体110の弾性係数と同じである。例えば、第1の材料は、チタン又は鋼のうちの一つであり得る。しかしながら、他の例において、第1の材料は、本体110のそれとは異なり、第1の弾性係数は、本体110のそれとは異なる。例として、第1の材料は、プラスチック又はポリマーなどの非金属であり得る。一般に、以下により詳細に説明されるように、第1の壁252は、第2の壁250、第3の壁252、及び補強材254よりも剛性が高い。例えば、補強材254は、第1の弾性係数未満である第2の弾性係数を有する第2の材料で作られている。第1の壁252は、スイング中にゴルフボールがフェース部152に衝突することによって引き起こされる前後方向の荷重が補強材254にかかる際に補強材254を支持するために、比較的高い弾性率を有する。
【0325】
第2の壁250及び第3の壁251のそれぞれは、本体110のソール部117から直立して突出する。いくつかの例において、第2の壁250及び第3の壁251のそれぞれは、ソール部117から垂直に延び、他の例において、第2の壁250及び第3の壁251のそれぞれは、第1の壁252が突出するソール部117の一部と鋭角又は鈍角を形成してもよい。いくつかの例において、第2の壁250及び第3の壁251は、本体110とは別に形成され、例えば溶接又は接合技術によって本体110に取り付けられる。第2の壁250及び第3の壁251は、ゴルフ用クラブヘッド原点座標系185のy軸と平行であり得る前後方向と平行な長手方向に延びる。第2の壁250及び第3の壁251のそれぞれの長さは、フェース部142の内面145と、第1の壁252と間の距離に等しい。
【0326】
第2の壁250及び第3の壁251は、第3の弾性係数を有する第3の材料で作られている。第3の弾性係数は、第1の弾性係数未満である。いくつかの例において、第3の弾性係数は0.01GPa乃至8.0GPaである。他の例によれば、第3の弾性係数は0.05GPa乃至2.0GPaである。第3の材料は、一つの例において発泡体である。他の例において、第3の材料は比較的柔らかいポリマー又は低強度の金属である。一般に、第2の壁250及び第3の壁251は補強材254を横方向に定位置に保持するように構成され、ゴルフスイング中に補強材254にかかる横方向荷重(例えば、ヒール-トウ荷重)は補強材254にかかるフロント-バック荷重よりも小さいため、第2の壁250及び第3の壁251は、第1の壁252よりも剛性が低い。
【0327】
第2の壁250及び第3の壁251は、ヒール-トウ方向において、補強材254の長さL2に等しい距離だけ互いに離間している。このように、第2の壁250及び第3の壁251は、第2の壁250と第3の壁251との間の間隙内に補強材254を横方向に保持することに役立つ。
【0328】
補強材254は、本体110の内部空洞113内に配置され、フェース部142の内面145に直接に結合されている。補強材254は、補強材254がないゴルフ用クラブヘッドと比較してゴルフ用クラブヘッド100のCTを低減するのに役立つ。
図31Aに示すように、補強材254は長さL2を有する。長さL2は、フェース部142の全長L3未満である。言い換えれば、補強材254は、フェース部142の全長L3に対する別個の機構である。別の例によれば、長さL2は、本体110のソール部117に隣接する(例えば、当接するか又は直接に結合される)フェース部142の全セクションの全長L4未満である。従って、補強材254はまた、ソール部117に隣接するフェース部142の全セクションの全長L4に対する別個の壁であり得る。一つの例において、補強材254の長さL2は30ミリメートル未満である。具体例によれば、補強材254の長さL2は、第1の壁252の長さL5以下である。
【0329】
上記の通り、補強材254は第2の弾性係数を有する第2の材料で作られている。第2の弾性係数は、第1の壁252の第1の材料の第1の弾性係数未満であり、第2の壁250及び第3の壁251の第3の材料の第3の弾性係数より大きい。いくつかの例において、第2の弾性係数は0.5GPa乃至30GPaである。他の例によれば、第2の弾性係数は1GPa乃至5.0GPaである。第2の材料は、一つの例においてアクリルである。
【0330】
アセンブリ260において、補強材254は、フェース部142の内面145と、第1の壁252との間に配置され、補強材254は、第2の壁250と、第3の壁251との間に配置されている。いくつかの例において、第2の壁250は、フェース部142の内面145に直接に結合(例えば、当接)され、第1の壁252に直接に結合されている。同様に、いくつかの例において、第3の壁251は、フェース部142の内面145に直接に結合され、第1の壁252に直接に結合されている。第2の壁250及び第3の壁251は、内面145及び第1の壁252に直接に当接することによって、又は内面145及び第1の壁に接合されることによって、内面145及び第1の壁252に直接に結合することができる。補強材254は、第1の壁252、第2の壁250、及び第3の壁251に直接に結合されている。従って、補強材254は、内面145、第1の壁252、第2の壁250、及び第3の壁251の間に少なくとも横方向に閉じ込められるか又は収容される。いくつかの例において、第1の壁252、第2の壁250、及び第3の壁251の最大高さは、補強材254の最大高さより大きい。
【0331】
図31B及び32Bに示す別の例によれば、ゴルフ用クラブヘッド100の補強材アセンブリ260の補強材254は、本体110の内面に直接に結合されず、これは、補強材アセンブリ260の補強材254が本体110の内面に直接に結合されている
図31A及び32Aのゴルフ用クラブヘッド100とは対照的である。むしろ、
図31B及び32Bの例において、補強材アセンブリ260はさらに、補強材254が本体110に対して支持されるベース255を含む。言い換えれば、ベース255は、補強材254と、本体110の内面との間に配置されている。ベース255は、接着剤などによってベース255の内面に直接に結合されている。ベース255は、ゴルフ用クラブヘッド100の底部領域に配置されている場合、フェース部142上でより高い位置に配置することを、ゴルフ用クラブヘッド100の頂部領域に配置されている場合、フェース部142上でより低い位置に配置するのに役立つプラットフォームとして機能する。いくつかの例において、ベース255は、補強材254の長さL2に等しい長さを有する。ベース255は、補強材254の第2の材料の第2の弾性係数よりも小さい第4の弾性係数を有する第4の材料で作られている。例によれば、第4の材料は第3の材料と同じであり、第4の弾性係数は第3の弾性係数と同じである。実際には、いくつかの例において、ベース255は、第2の壁250及び第3の壁251を有する一体でモノリシックなシームレス構造を形成する。
【0332】
図31A及び32Aのゴルフ用クラブヘッド100及び
図31B及び32Bのゴルフ用クラブヘッド100のいくつかの例において、補強材アセンブリ260は、第2の壁250も第3の壁251も含まない。一つの例として、ゴルフ用クラブヘッド100の補強材アセンブリ260は、第2の壁250又は第3の壁251のうちの一つのみを含む。そのような例において、ゴルフ用クラブヘッド100は、第2の壁250又は第3の壁251が垂直方向の下部ストッパとして作用し、それに対して補強材254が集まって硬化するように、補強材254の形成中に配向することができ、これは第2の壁250又は第3の壁251の他方の必要性を排除するのに役立つ。あるいは、別の例において、補強材アセンブリ260は、第2の壁250及び第3の壁251を含まない。そのような例において、補強材254は、ゴルフ用クラブヘッド100の適所に(例えば、ゴルフ用クラブヘッド100内へ硬化性材料を流入することによって)形成されず、むしろ補強材254を予め形成し、第1の壁252とフェース部142の内面145との間の適所にしっかりと挿入することができる。
【0333】
図31A、32A、31B、及び32Bに示すように、ゴルフ用クラブヘッド100は、いくつかの例において、複数の補強材アセンブリ260を含む。補強材アセンブリ260は、ソール部117及び/又はクラウン部119上の様々な位置のうちのいずれかに配置することができる。ソール部117上の複数のアセンブリ260は、ヒール-トウ方向において、互いに横方向に離間しており、クラウン部119上の複数のアセンブリ260は、ヒール-トウ方向においても、互いに横方向に離間している。いくつかの例によれば、複数の補強材アセンブリ260のそれぞれは、補強材254が補強材250に関連して上述した様々な位置のいずれかに配置されるように、フェース部142の中心からトウ方向又はヒール方向に配置される。さらに、具体例において、ゴルフ用クラブヘッド100の一つの補強材アセンブリ260は、ゴルフ用クラブヘッド100の別の補強材アセンブリ260と異なっていてもよい。例えば、一つの補強材アセンブリ260はベース255を有してもよく、別の補強材アセンブリ260はベース255を有していなくてもよい。別の例として、ゴルフ用クラブヘッド100の補強材アセンブリ260の第1の壁252、第2の壁250、第3の壁251、又はベース255の弾性係数は、同じゴルフ用クラブヘッド100の別の補強材アセンブリ260の第1の壁252、第2の壁250、第3の壁251、又はベース255のそれぞれの弾性係数とは、異なり得る。同じゴルフ用クラブヘッド100の別の補強材アセンブリ260に対する一つの補強材アセンブリ26の構成におけるそのような融通性は、ゴルフ用クラブヘッド100の一つの位置においてCTに対し補強材アセンブリ260の衝撃を、ゴルフ用クラブヘッド100の別の位置と異なるようにすることを可能にする。
【0334】
図33及び34を参照すると、
図31A及び32Aのゴルフ用クラブヘッド100の一つの実行形態が示されている。
図33及び34のゴルフ用クラブヘッド100において、補強材アセンブリ260は、一つの実行形態において、
図31A及び32Aのゴルフ用クラブヘッド100のものと同様に構成されている。例えば、
図33及び34のゴルフ用クラブヘッド100において、第1の壁252は、ゴルフ用クラブヘッドの本体110と一体成形された擁壁180であり、第2の壁250は、発泡体で作られた一方の壁189であり、第3の壁251は、発泡体で作られた他方の壁189であり、補強材254は、ポリマー材料の離散塊176である。図示されていないが、
図33及び34のゴルフ用クラブヘッド100の補強材アセンブリ260は、別の実行形態において、
図31B及び32Bのゴルフ用クラブヘッド100のものと同様に、ポリマー材料の離散塊176と、本体110の内面との間に発泡体で作られたベース187を有するように構成される。
図33及び34のゴルフ用クラブヘッド100はまた、フェース部142に形成された開口部172を含み、それを通して離散塊176のポリマー材料がそれぞれ加えられ、補強材アセンブリ260を形成する。各開口部172は、ポリマー材料を加えた後にプラグ179で塞がれる。いくつかの例において、ゴルフ用クラブヘッド100は、
図46に示される位置のうちの任意の一つ又はそれ以上に開口部172及び対応するプラグ179を含み得る。具体例によれば、ゴルフ用クラブヘッド100は、
図46に示される位置のうちの任意の二つ又はそれ以上に開口部172及び対応するプラグ179を含み得る。さらにいくつかの例において、ゴルフ用クラブヘッド100は、
図46に示されている全ての位置に開口部172及び対応するプラグ179を含み得る。
【0335】
図50を参照すると、ゴルフ用クラブヘッド100のいくつかの例によれば、開口部172は、フェース部142を通って打撃フェース144から内面145まで延びる。開口部172は、具体例において雌ネジ193及びカウンターボア195を含む。カウンターボア195は、雌ネジ193と打撃フェース144との間に配置されている。カウンターボア195は、雌ネジ193の最大半径方向寸法よりも大きい半径方向寸法を有する。さらに、カウンターボア195は、打撃フェース144に対して深さDCBを有する。プラグ179は、軸部159及びヘッド169を含む。軸部159は、開口部172の雌ネジ193と螺合するように構成された雄ネジ167を含む。ヘッド169は、雄ネジ167の最大半径方向寸法よりも大きい半径方向寸法を有する。さらに、
図51に示すように、雄ネジ167が雌ネジ193と螺合するときに、ヘッド169がカウンターボア195内に入れ子状に着座することができるように、ヘッド169の半径方向寸法は、カウンターボア195の半径方向寸法と等しいか、ちょうど小さい。さらに、ヘッド169は高さHHを有する。
【0336】
図51を参照すると、プラグ179は、開口部172内に移動不能に固定され、保持されている。一般に、
図50及び51のプラグ179は、雄ネジ167が雌ネジ193と螺合し、ヘッド169がカウンターボア195に対して完全に着座すると、開口部172内に移動不能に固定され、保持される。いくつかの例において、プラグ179と開口部172との間の確実な取り付けを促進するために、接着剤が雄ネジ167と雌ネジ193の間に塗布される。
【0337】
開口部172内に移動不能に固定され、保持されると、
図50及び51に対応する例においてヘッド169の最外表面であるプラグ179の最外表面157が打撃フェース144と面一を確立する。面一性は、最外表面157が打撃フェース144から突出する距離D(例えば、
図52参照)又は打撃フェース144の下に陥没又は沈降する距離D(例えば、
図53参照)として定量化することができる。
図51において、最外表面157が打撃フェース144と完全に面一であるように距離Dはゼロである。しかしながら、いくつかの例において、最外表面157が打撃フェース144と完全に面一ではないように、距離Dはゼロより大きい。例えば、一つの実行形態において、プラグ179の最外表面157は、打撃フェース144から0.15ミリメートル以下の距離Dだけ突出するか、又は0.1ミリメートル以下の距離Dだけ打撃フェースの表面の下に沈む。この範囲内の面一性を可能にすることは、インパクト時のゴルフボールとの潜在的に負の相互作用を減らすことによってゴルフ用クラブヘッドの性能の向上を促進する。
【0338】
一つの方法によれば、所望の面一性は、フェース部142が形成された後に、カウンターボア195の深さDCBを決定することによって達成される。決定された深さDCBに応答して、決定された深さDCBに対応する所望のヘッド高さHHを有するプラグ179が、それぞれ異なるヘッド高さHHを有する複数のプラグ179から選択される。所望のヘッド高さHHを有するプラグ179を選択した後、それは開口部172内に移動不能に固定され、保持される。
【0339】
図54を参照すると、いくつかの例において、プラグ179は補強材の一部を含む。一つの例において、補強材はポリマー材料の離散塊176であり、プラグ179は、ポリマー材料の一部で作られている。ポリマー材料は、ゴルフ用クラブヘッド100内に離散塊176を形成するために開口部172を通して射出され、離散塊176を形成した後に開口部172を満たすことを可能にする。打撃フェース144との所望の面一性を得るために、一つの例において、プラグ179のポリマー材料は、もともと打撃フェース144から突出し、プラグ179が所望の面一性に達するまで表面仕上げ(例えば、研磨、研削、研磨、化学エッチングなど)することができる。
【0340】
図35のゴルフ用クラブヘッド100の補強材アセンブリ260は、独立した、専用の壁ではなく、第1の壁252を除いて
図31A及び32Aのゴルフ用クラブヘッド100のものと同様であり、本体110のソール部117に形成されたスロット170の最前の側壁を形成する。スロット170は、ヒール-トウ方向と平行な長手方向に延びる。スロット170は、本体の内部空洞113に対して閉じているように示されているが、いくつかの例において、スロット170は内部空洞113に対して開口していてもよい(例えば、
図40参照)。
【0341】
一つの例において、スロット170は、本体110のソール部117に隣接するフェース部142の全セクションの全長で延びる(例えば、
図36参照)。従って、第1の壁252はまた、本体110のソール部117に隣接するフェース部142の全セクションの全長にわたって延びる。しかしながら、補強材254は、本体110のソール部117に隣接するフェース部142の全セクションの全長よりも短い長さ方向に延びる。言い換えれば、第1の壁252の長さL5は、補強材254の長さL2よりもはるかに大きい。
【0342】
図示されていないが、
図35のゴルフ用クラブヘッド100の補強材アセンブリ260の一つ又はそれ以上はさらに、
図31B及び32Bのゴルフ用クラブヘッド100の補強材アセンブリ260と同様に、補強材254と、本体110の内面との間に配置されたベース255を含む。いくつかの例において、
図35のゴルフ用クラブヘッド100の補強材アセンブリ260の一つ又はそれ以上は、第2の壁250及び第3の壁251のうちの一つのみを含むか、全く含まないことも認識される。
【0343】
図36及び37を参照すると、
図35のゴルフ用クラブヘッド100の一つの実行形態が示される。
図36及び37のゴルフ用クラブヘッド100において、第2の壁250は、発泡体で作られた一方の壁189であり、第3の壁251は、発泡体で作られた他方の壁189であり、補強材254はポリマー材料の離散塊176である。
図36及び37のゴルフ用クラブヘッド100はまた、フェース部142に形成された開口部172を含み、それを通して離散塊176のポリマー材料が、それぞれ加えられ、補強材アセンブリ260を形成する。各開口部172は、ポリマー材料を加えた後にプラグ179で塞がれる。
【0344】
図示されていないが、
図36及び37のゴルフ用クラブヘッド100の補強材アセンブリ260は、別の実行形態において、ポリマー材料の離散塊176と本体110の内面との間に、発泡体で作られたベース187を有するように、
図31B及び32Bのゴルフ用クラブヘッド100と同様に構成されている。
【0345】
図31A、31B、32A、及び32Bのゴルフ用クラブヘッド100の補強材アセンブリ260は、フェース部142の中心(例えば、センターフェース)からオフセットされて示されている。従って、
図31A、31B、32A、及び32Bのゴルフ用クラブヘッド100の補強材254は、フェース部142の中心からオフセットされている。対照的に、又はそれに加えて、
図31Cに示すようないくつかの例において、補強材アセンブリ260をオフセットするために、ゴルフ用クラブヘッド100の少なくとも一つの補強材アセンブリ260が、フェース部142の中心と整合されている(すなわち、クラブヘッド原点座標系185のy-z平面に沿って配置されている)。そのような例において、対応する補強材アセンブリ260の補強材254もまた、フェース部142の中心と整合されている。補強材254の少なくとも一部が、ゴルフ用クラブヘッド原点座標系185のx軸座標がゼロであるとき、補強アセンブリ260及び補強材254は、フェース部142の中心と整合されているとみなされる。全ての例ではないが、
図31Cの例示された例において、ゴルフ用クラブヘッド100は、ゴルフ用クラブヘッド100の底部に、フェース部142の中心と整合された補強材アセンブリ260と、ゴルフ用クラブヘッド100の頂部に、フェース部142の中心と整合された補強材アセンブリ260とを含む。
【0346】
図38~43を参照すると、別の実施形態によれば、ゴルフ用クラブヘッド100は、スロット400と、スロット400内に固定され、保持されたインサート406とを含む。スロット400は、上記のスロット170と同様である。例えば、スロット400は、本体110のソール部117に形成され、一般に、ヒール-トウ方向において縦方向に(例えば、長手方向に)延びる。さらに具体的に、スロット400は、フェース部142と平行であり、フェース部142からオフセットされている。スロット400の長さに沿って、スロット400は、前壁402と後壁404との間に規定される。前壁402及び後壁404は、ソール部117から離れてゴルフ用クラブヘッド100の内部空洞113内に実質的に直立して延びる。スロット400は、本体110と一体成形され、本体110と同じ材料で作られている。
図40及び41を参照すると、スロット400は、いくつかの例において、本体110の内部空洞113に開口している。さらに具体的に、スロット400は第1の開口端422及び第2の開口端424を含む。第1の開口端422は、底部開口端とみなすことができ、第2の開口端424は、頂部開口端とみなすことができる。
【0347】
インサート406は、本体110の形成とは別に形成される。インサート406は、スロット400の形状を補完するように形成される。さらに具体的に、インサート406は、いくつかの例においてスロット400に圧入されるように構成される。
図40及び41に示すように、インサート406は、スロット400の幅にわたるベース406を含む。スロット400に挿入されると、ベース406はスロット400を覆うか塞ぎ、スロット400を介して内部空洞113にアクセスするのを防ぐ。ベース406から延びるものは、前側壁410及び後側壁412などの側壁である。インサート406はさらに、前側壁410と後側壁412との間に規定されたチャネル408を含む。チャネル408は、インサート406の全長L1を延び、これはスロット400と実質的に同じ長さである。スロット400の側壁は、スロット400を貫通し、スロットの側面と係合してインサート406をスロット400内に保持するのに役立つ。さらに、
図41Bに示すように、いくつかの例において、スロット400内へのインサート406の固定保持を促進するために、接着剤又は接合材料416がインサート406の側壁と、スロット400の側面との間に配置される。いくつかの例において、インサート406は、インサート406又はスロット400を損傷することなくスロット400から選択的に取り外し可能である。従って、そのような例において、取り外し後、インサート406をスロット400内に再挿入することができる。
【0348】
図38~43のゴルフ用クラブヘッド100はさらに、インサート406のチャネル408内に固定され、保持された少なくとも一つの補強材414を含む。補強材414は、インサート406の前側壁410及び後側壁412に直接に結合されている。補強材414は、
図31A及び32Aの補強材254と同様に構成することができる。例えば、補強材414は、上記のポリマー材料の離散塊189の硬度と同様の硬度を有するポリマー材料で作ることができる。いくつかの例において、補強材414は、インサート406又は補強材414を損傷することなく補強材414をチャネル408に挿入し、そこから取り外しできるように、チャネル408から選択的に取り外し可能である。従って、一つの例において、補強材414は、チャネル408内に圧入される。しかしながら、他の例において、補強材414は、接着剤などによってインサート406のチャネル408内に取り外し不可能に固定される。
【0349】
いくつかの例において、スロット400は、第1の弾性係数を有する第1の材料で作られ、補強材414は、第2の弾性係数を有する第2の材料で作られ、インサート406は、第3の弾性係数を有する第3の材料で作られている。これらの例において、第2の弾性係数は、第3の弾性係数より高く第1の弾性係数より低い。第1の弾性係数、第2の弾性係数、及び第3の弾性係数の値の範囲は、上に列挙したものと同じであり得る。一つの例によれば、スロット400は、鋼又はチタンなどの金属で作られ、インサート406はプラスチックで作られ、補強材414はアクリルで作られている。
【0350】
補強材414を有するインサート406がスロット400に挿入されると、補強材414はゴルフ用クラブヘッド100のCTに影響を及ぼす。補強材414は、フェース部142の内面145に直接に接触していないが、フェース部142に対する補強材414の近接、及びスロット400の前壁402とインサート406の前側壁410を介した補強材414のフェース部142との間接的な結合は、フェース部142を硬化させるのに役立ち、従ってゴルフ用クラブヘッド100のCTに影響を与える(例えば、減少する)。
【0351】
ゴルフ用クラブヘッド100のCTに対する補強材414の効果を改善するのに役立つために、いくつかの例において、
図41Bに示すように、補強材414は、スロット400を規定する前壁402及び後壁404に直接に結合されるように構成される。前壁402及び後壁404への補強材414の直接結合は、内面145と補強材414との間の距離D1を減少させ、補強材414をフェース部142により直接に結合させることによって、フェース部142に対する補強材414の補強効果を効果的に拡大する。補強材414は、補強材414の前部延出タブ434をインサート406の前側壁410に形成された前開口部430に通すこと、及び補強材414の後部延出タブ436をインサート406の後側壁412に形成された後開口部432に通すことによって、前壁410及び後壁404に直接に結合される。前部延出タブ434は、前壁402と直接に接触し、後部延出タブ436は、後壁404と直接に接触する。このように、補強材414は、前壁402及び後壁404に直接に結合されている。
【0352】
図42を参照すると、補強材414の長さL2は、インサート406の長さL1未満であり、チャネル408の全長未満である。補強材414は、インサート406がスロット400挿入されたときに、補強材414がフェース部142の中心のトウ側にあり、ヒール側にあり、又はそれと整合するように、チャネル408に沿って配置することができる。例えば、補強材414は、上記の補強材150の様々な位置のうちの任意配置することができる。ゴルフ用クラブヘッド100は、
図42に示すように、インサート406のチャネル408内に固定して、保持された二つ以上の補強材414を有することができる。補強材414は、チャネル408の長さに沿って離間している。複数の補強材414は、互いに同じように構成されてもよい。あるいは、複数の補強材414は、例えば、異なる弾性率、異なる硬度、異なるサイズ、異なる形状などの材料で作られるなど、互いに異なるように構成されてもよい。異なる構成は、補強材414の対応する位置に依存し得る。例えば、フェース部142の中心からトウ側にオフセットした補強材414は、フェース部142の中心からヒール側の補強材414よりも高い弾性係数を有することができる。
【0353】
あるいは、
図43を参照すると、インサート406は、インサート406の長さL1及びチャネル408と実質的に等しい長さL2を有する単一の補強材414を含む。言い換えれば、補強材414は、チャネル408の長さ全体に沿って延びることができる。
【0354】
図38~43のゴルフ用クラブヘッド100のCTの調整方法の一つの例は、インサート406及び補強材414をスロット400内に保持した状態で、ゴルフ用クラブヘッド100のフェース部142上の第1のCT測定値を測定することを含む。第1のCT測定値が意図された目的のCTを満たさない場合、補強材414を有するインサート406がスロット400から取り除かれる。
【0355】
一つの例において、インサート406を除去した後、既存の補強材414は除去され、より高い弾性係数を有する材料で作られているもの、又は同じ弾性係数を有するがより大きいサイズを有する材料で作られているものなどの新しい補強材414によって置き換えられる。新しい補強材414を有する同じインサート406が、スロット400に再挿入される。そのような調整は、第1のCT測定値が測定されたのと同じフェース部上の位置におけるゴルフ用クラブヘッドのCTに対する調整(例えば、減少)をもたらす。インサート406を再挿入した後に、別の測定を行なうことによって、調整されたCTを確認することができる。
【0356】
別の例において、インサート406を除去した後、取り除かれたインサート406の補強材414とは異なるように構成された補強材414を有する新しいインサート406が、取り除かれたインサート406の代わりにスロット400挿入される。そのような調整は、第1のCT測定値が測定されたのと同じフェース部上の位置におけるゴルフ用クラブヘッドのCTに対する調整(例えば、減少)をもたらす。新しいインサート406を挿入した後に、別の測定を行なうことによって、調整されたCTを確認することができる。
【0357】
ここで
図44及び45を参照すると、別の例によれば、ゴルフ用クラブヘッド100は、第1の壁252と、フェース部142の内面145との間に配置された第1の壁252及び補強材254を含む。ゴルフ用クラブヘッド100はまた、本体110のソール部117に形成されたスロット400を含む。スロット400は、一般に、ヒール-トウ方向において縦方向に(例えば、長手方向に)延びる。さらに具体的に、スロット400はフェース部142と平行である。スロット400の長さに沿って、スロット400は、前部142の内面145と擁壁252との間に直接に規定される。従って、
図44及び45のゴルフ用クラブヘッド100のスロット400は、
図40のゴルフ用クラブヘッド100のスロット400のように、内面145から後方にオフセットされていない。むしろ、
図44及び45のゴルフ用クラブヘッド100のスロット400は、内面145に隣接しており、これにより補強材254を内面154と直接に接触させることができる。内面154と直接に接触している補強材254は、ゴルフ用クラブヘッド100のCTに対する補強材254の影響を拡大する。
【0358】
図44及び45の第1の壁252は、
図33及び34の擁壁180と同様に、ソール部117から離れて、ゴルフ用クラブヘッド100の内部空洞113内に実質的に直立して延びる擁壁として機能する。しかしながら、
図44及び45のゴルフ用クラブヘッド100の第1の壁252は、第1の壁252と、本体110のソール部117の内面との間に規定される鈍角θ1でフェース部142に向かって傾斜している。第1の壁252は、いくつかの実行形態における本体110と一体成形され、本体110と同じ材料で作られている。スロット400は、いくつかの例において本体110の内部空洞113に開口している。さらに具体的に、スロット400は、第1の開口端422及び第2の開口端424を含む。第1の開口端422は底部開口端とみなすことができ、第2の開口端424は頂部開口端とみなすことができる。
【0359】
図44のゴルフ用クラブヘッド100のスロット400は、内面145により直接に規定されるので、補強材254は、第1の壁252と、フェース部142の内面145との間に挟まれる。一つの例において、補強材254は、第1の開口端422を通してスロット400に挿入されている。補強材254が挿入されると、スロット400の幅が狭くなり、傾斜した第1の壁252によって上方向において規定されるので、内面145と第1の壁252との間で補強材254の圧縮が徐々に増大する。補強材254の圧縮は、スロット400内で補強材254の締まりばめを作り出し、それはゴルフ用クラブヘッド100の使用中に補強材254をスロット400内に保持する。いくつかの実行形態において、スロット400内の補強材254の保持を促進するために、接着剤などの保持促進機能を加えることができる。代替的に又は追加的に、特定の実行形態において、補強材254を、スロット400に挿入した後に補強材245をスロット400内で膨張してスロット400内での補強材254の保持を促進するように、膨張可能な状態(硬化前状態)でスロット400内に挿入してもよい。
【0360】
図44及び45のゴルフ用クラブヘッドの補強材254は、第2の弾性係数を有する第2の材料で作られている。第2の弾性係数は、第1の壁252及びフェース部142の材料の第1の弾性係数未満である。いくつかの例において、第2の弾性係数は0.5GPa乃至30.0GPaである。他の例によれば、第2の弾性係数は1.0GPa乃至5.0GPaである。
図45を参照すると、補強材254の長さは、スロット400の全長未満である。補強材254は、補強材254がスロット400に挿入されたときに補強材254がフェース部142のトウ方向にあり、ヒール方向にあり、又はその中心と整合するようにスロット400に沿って配置することができる。例えば、補強材254は、上記の補強材150の様々な位置のいずれかに配置することができる。再び
図45を参照すると、ゴルフ用クラブヘッド100は、スロット400内に固定して、保持された二つ以上の補強材254を有することができる。補強材254は、チャネル400の長さに沿って離間している。複数の補強材254は、互いに同じように構成されてもよい。あるいは、複数の補強材254は、例えば、異なる弾性係数、異なる硬度、異なるサイズ、異なる形状などの材料で作られるなど、互いに異なるように構成されてもよい。異なる構成は、補強材254の対応する位置に依存し得る。例えば、フェース部142の中心からトウ方向にオフセットした補強材254は、フェース部142の中心と整合された補強材254よりも高い弾性係数を有することができる。
【0361】
一つの例によれば、
図44及び45のゴルフ用クラブヘッド100のCTの調整方法は、スロット400内に保持された補強材254を有するゴルフ用クラブヘッド100のフェース部142上の第1のCT測定値を測定することを含む。第1のCT測定値が意図された目的のCTを満たさない場合、補強材254はスロット400から取り外される。
【0362】
一つの例において、除去された補強材254は、より高い弾性係数、より高い硬度を有する材料で作られているもの、又は同じ弾性係数を有するがより大きなサイズを有する材料で作られているものなどの新しい補強材254に置き換えられる。言い換えれば、新しい補強材414は、取り除かれた補強材254の代わりにスロット400に挿入される。そのような調整は、第1のCT測定値が測定されたのとフェース部上の同じ位置においてゴルフ用クラブヘッドのCTに対する調整(例えば、減少)をもたらす。調整されたCTは、新しい補強材254が挿入された後に別の測定をすることによって確認することができる。別の例によれば、元の補強材254は、意図された目的のCTに合うようにCTを調整するためにスロット400に沿って新しい場所に移動される。
【0363】
具体的には示されていないが、本開示のゴルフ用クラブヘッド100は、ゴルフ用クラブヘッド100の性能特性を促進するための他の機構を含み得る。例えば、ゴルフ用クラブヘッド100は、いくつかの実行形態において、米国特許第6,773,360号;7,166,040号;7,452,285号;7,628,707号;7,186,190号;7,591,738号;7,963,861号;7,621,823号;7,448,963号;7,568,985号;7,578,753号;7,717,804号;7,717,805号;7,530,904号;7,540,811号;7,407,447号;7,632,194号;7,846,041号;7,419,441号;7,713,142号;7,744,484号;7,223,180号;7,410,425号;及び7,410,426号にさらに詳細に記載されているものと同様の可動重り機構を含み、それぞれの全ての内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0364】
特定の実行形態において、例えば、ゴルフ用クラブヘッド100は、米国特許第7,775,905号及び8,444,505号;2013年5月20日に出願された米国特許出願第13/898,313号;2013年10月7日に出願された米国特許出願第14/047,880号;2012年9月18日に出願された米国特許出願第61/702,667号;2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/841,325号;2013年7月19日に出願された米国特許出願第13/946,918号;2015年7月1日に出願された米国特許出願第14/789,838号;2014年7月3日に出願された米国特許出願第62/020,972号;2014年10月17日に出願された特許出願第62/065,552号;及び2015年3月31日に出願された特許出願第62/141,160号にさらに詳細に記載されているものと同様のスライド可能な重り 機構を含み、それぞれの全ての内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0365】
いくつかの実行形態によれば、ゴルフ用クラブヘッド100は、米国特許出願公開第2013/0123040A1号にさらに詳細に記載されているものと同様の空気力学形状機構を含み、その全ての内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0366】
特定の実行形態において、ゴルフ用クラブヘッド100は、米国特許第8,303,431号にさらに詳細に記載されているものと同様の取り外し可能なシャフト機構を含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0367】
さらにいくつかの実行形態によれば、ゴルフ用クラブヘッド100は、米国特許第8,025,587号;米国特許第8,235,831号;米国特許第8,337,319号;米国特許出願公開第2011/0312437A1号;米国特許出願公開第2012/0258818A1号;米国特許出願公開第2012/0122601A1号;米国特許出願公開第2012/0071264A1号;及び米国特許出願第13/686,677号にさらに詳細に記載されているものと同様の調整可能なロフト/ライ機構を含み、その全体の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0368】
さらに、いくつかの実行形態において、ゴルフ用クラブヘッド100は、米国特許第8,337,319号;米国特許出願公開第2011/0152000A1号,2011/0312437号,2012/0122601A1号;及び米国特許出願第13/686,677号にさらに詳細に記載されているものと同様の調整可能なソール機構を含み、それぞれの全体の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0369】
いくつかの実行形態において、ゴルフ用クラブヘッド100は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、特許出願第11/998,435号;11/642,310号;11/825,138号;11/823,638号;12/004,386号;12/004,387号;11/960,609号;11/960,610号;及び米国特許第7,267,620号にさらに詳細に記載されているものと同様の複合フェース部機構を含む。
【0370】
いくつかの例において、ゴルフ用クラブヘッドは、本体の内部空洞内に配置され、ヘッド原点y軸に沿って測定したときに、少なくとも1mmで20mm以下だけフェース部の内面からオフセットされた複数の補強材を含む。複数の補強材は、クラウン部の内面とソール部の内面との間に延びる細長い補強部材である。例えば、複数の補強材は、2015年9月15日に出願された米国特許出願第14/855,190号に示され記載されている補強部材と同じ、又は同様であり、ブレースバーは、2017年12月29日に出願された米国特許出願第15/859,297号に示され記載され、補強チューブは、2017年10月24日に発行された米国特許第9,795,840号に示され記載され、これらは全て、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0371】
ゴルフ用クラブヘッドの製造完了後にCTを調整する能力を含む本明細書に記載されているゴルフ用クラブヘッドの機構は、打撃フェースのより広い表面領域にわたって、特に中心領域内で、従来のゴルフ用クラブヘッドよりも高いCT値を促進する。例えば、
図47及び48のグラフ500及び510は、従来のゴルフ用クラブヘッドと比較して、本明細書に記載されているゴルフ用クラブヘッドの二つの異なる実行形態の打撃フェースの中心領域内で比較的より高いCT値を示す。打撃フェースの中心領域は、打撃フェースの中心を中心とし、ヒール-トウ方向に細長い40ミリメートル×20ミリメートルの矩形領域によって規定される。グラフ500及びグラフ510に示すように、中心領域内において、本明細書に記載されているゴルフ用クラブヘッドの打撃フェースは、257マイクロ秒以下の特性時間(CT)を有する。さらに、グラフ500及びグラフ510によって例示されるものなどの、本明細書に記載されているゴルフ用クラブヘッドの少なくとも一つの例の中心領域内において、打撃フェースの60%以上は少なくとも235マイクロ秒のCTを有する。さらに、グラフ500及びグラフ510によって例示されるものなどの、本明細書に記載されているゴルフ用クラブヘッドの少なくとも一つの例の中心領域内において、打撃フェースの35%、60%、又は70%以上は少なくとも240マイクロ秒のCTを有する。さらに、グラフ500及びグラフ510によって例示されるものなどの、本明細書に記載されているゴルフ用クラブヘッドの少なくとも一つの例の中心領域内において、打撃フェースの40%又は50%以上は、少なくとも245マイクロ秒のCTを有する。また、グラフ500及びグラフ510によって例示されるものなどの、本明細書に記載されているゴルフ用クラブヘッドの少なくとも一つの例の中心領域内において、打撃フェースの10%又は15%以上は、少なくとも250マイクロ秒のCTを有する。
【0372】
さらに、グラフ500及びグラフ510によって例示されるものなどの、本明細書に記載されているゴルフ用クラブヘッドの少なくとも一つの例において、打撃フェースの20%以上は、少なくとも245マイクロ秒のCTを有する。さらに、グラフ500及びグラフ510によって例示されるものなどの、本明細書に記載されているゴルフ用クラブヘッドの少なくとも一つの例によれば、打撃フェースの中心から少なくとも5ミリメートル内の打撃フェース上の任意の位置におけるCTは、240マイクロ秒よりも大きい。
図49のグラフ520を参照すると、本明細書に記載されているゴルフ用クラブヘッドの少なくとも一つの例によれば、打撃フェースのCTは、打撃フェースの中心を通る打撃フェース上の水平経路に沿って、打撃フェースの中心からトウ方向で少なくとも30ミリメートルの距離でピークに達する。
【0373】
本明細書に記載されているゴルフ用クラブヘッドの少なくとも一つの例によれば、中心領域内において、打撃フェースの25%以上は、少なくとも0.8の反発係数(COR)を有する。少なくとも一つの例において、打撃フェースの50%以上は、中心領域内において、少なくとも0.8の反発係数(COR)を有する。さらに別の例によれば、打撃フェースの55%以上は、中心領域内において、少なくとも0.8の反発係数(COR)を有する。
【0374】
一つの実施形態において、ゴルフ用クラブヘッド100などのゴルフ用クラブヘッドの製造方法は、以下の工程のうちの一つ又はそれ以上を含む。(1)ソール開口部を有するフレームを形成し、ソールインサート上に熱可塑性複合ヘッド部品を射出成形してソールインサートユニットを形成し、ソールインサートユニットをフレームに接合すること;(2)一つ又はそれ以上のスライド可能な重りを支持可能な重りトラックである複合ヘッド部品を提供すること;(3)重りトラックとの結合に適するマトリックスを有する熱可塑性複合材料からソールインサートを形成すること;(4)ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される連続繊維を有し、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミド、ポリプロピレン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレア、ポリアミド-アミド(PAI)、ポリエーテルアミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及びそれらの任意の組み合わせからなる熱可塑性マトリックスを有する連続繊維複合材料からソールインサートを形成すること;(5)相溶性マトリックスを有する熱可塑性複合材料からソールインサート及び 重りトラックの両方を形成すること;(6)熱硬化性材料からソールインサートを形成し、ソールインサートを熱活性化接着剤でコーティングし、コーティング工程の後、ソールインサート上に射出可能な熱可塑性材料から重りトラックを形成すること;(7)チタン、一つ又はそれ以上のチタン合金、アルミニウム、一つ又はそれ以上のアルミニウム合金、鋼、一つ又はそれ以上の鋼合金、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される材料からフレームを形成すること;(8)クラウン開口部を有するフレームを形成し、複合積層材料からクラウンインサートを形成し、クラウンインサートがクラウン開口部を覆うように、クラウンインサートをフレームに接合すること;(9)ゴルフ用クラブヘッドを強化するための一つ又はそれ以上のリブ、ゴルフ用クラブヘッドの一つ又はそれ以上の音響特性を調整するためのリブ、ゴルフ用クラブヘッドのソール部に固定された重りを受けるための一つ又はそれ以上の重りポート、スライド可能な重りを受けるための一つ又はそれ以上の重りトラック、及びそれらの組み合わせからなる群から複合ヘッド部品を選択すること;(10)連続炭素繊維複合材料からソールインサート及びクラウンインサートを形成すること;(11)熱硬化に適した材料を用いて熱硬化によりソールインサート及びクラウンインサートを形成し、熱活性化接着剤を用いてソールインサートをコーティングすること;(12)ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミド、ポリプロピレン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレア、ポリアミド-アミド(PAI)、ポリエーテルアミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるマトリックスを有する熱可塑性炭素繊維材料からクラウン開口部、ソールインサート、及び重りトラックを有するように、チタン、チタン合金又はそれらの組み合わせからフレームを形成すること;及び(13)クラウン開口部を有するフレームを形成し、熱可塑性複合材料からクラウンインサートを形成し、クラウンインサートがクラウン開口部を覆うようにクラウンインサートをフレームに接合すること。
【0375】
本明細書に記載されている実施形態のための例示的なポリマーは、合成及び天然ゴム、熱硬化性ポリウレタン又は熱硬化性ポリウレアなどの熱硬化性ポリマー、及び熱可塑性ポリウレタン;熱可塑性ポリウレア;メタロセン触媒ポリマー;ユニモーダルエチレン/カルボン酸コポリマー;ユニモーダルエチレン/カルボン酸/カルボン酸ターポリマー;バイモーダルエチレン/カルボン酸コポリマー;バイモーダルエチレン/カルボン酸/カルボン酸ターポリマー;ポリアミド(PA);ポリケトン(PK);コポリマアミド;ポリエステル;コポリエステル;ポリカーボネート;ポリフェニレンスルフィド(PPS);環状オレフィンコポリマー(COC);ポリオレフィン;ハロゲン化ポリオレフィン[例えば、塩素化ポリエチレン(CPE)];ハロゲン化ポリアルキレン化合物;ポリアルケナマー;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ジアリルフタレートポリマー;ポリイミド;ポリ塩化ビニル;ポリアミド-イオノマー;ポリウレタンイオノマー;ポリビニルアルコール;ポリアリレート;ポリアクリレート;ポリフェニレンエーテル;耐衝撃性改質のポリフェニレンエーテル;ポリスチレン;耐衝撃性ポリスチレン;アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー;スチレン-アクリロニトリル(SAN);アクリロニトリル-スチレン-アクリロニトリル;スチレン-無水マレイン酸(S/MA)ポリマー、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS);スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン;(SEBS)及びスチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEPS)を含むスチレン系ブロックコポリマー;スチレン系ターポリマー;水酸化、官能化スチレン系コポリマー、及びターポリマーを含む官能化スチレン系ブロックコポリマー;セルロース系ポリマー;液晶ポリマー(LCP);エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー(EPDM);エチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA);エチレン-プロピレンコポリマー;プロピレンエラストマー(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、Kimらの米国特許第6,525,157号に記載されているものなど);エチレン酢酸ビニル;ポリウレア;及びポリシロキサンなどの熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性ポリマー、並びにそれらいずれか及び全ての組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0376】
これらのうちポリアミド(PA)、ポリフタルイミド(PPA)、ポリケトン(PK)、コポリマアミド、ポリエステル、コポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリフェニレンオキシド、ジアリルフタレートポリマー、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリフェニレンエーテル、及び耐衝撃性改質のポリフェニレンエーテルが好ましい。本発明のゴルフ用クラブヘッドに使用するのに特に好ましいポリマーは、それらの靭性及び高温での安定性について知られている、いわゆる高性能エンジニアリング熱可塑性物質のファミリーである。これらのポリマーは、ポリスルホン、ポリエーテルイピド、及びポリアミド-イミドを含む。これらのうち、最も好ましいのはポリスルホンである。
【0377】
芳香族ポリスルホンは、4,4’-ジクロロジフェニルスルホンとそれ自体又は一種又はそれ以上の二価フェノールとの縮合重合から製造されるポリマーのファミリーである。芳香族ポリスルホンは、ポリエーテルスルホンとも呼ばれる熱可塑性物質を含み、それらの繰り返し単位の一般構造は、-アリーレン-SO2-アリーレン-として表すことができるジアリールスルホン構造を有する。これらの単位は、熱的に安定な熱可塑性ポリマーを形成するように、炭素-炭素結合、炭素-酸素-炭素結合、炭素-硫黄-炭素結合、又は短いアルキレン結合を介して互いに結合していてもよい。このファミリーのポリマーは完全に非晶質で、高いガラス転移温度を示し、高温でも高い強度と剛性特性を提供するため、要求の厳しいエンジニアリング用途に有用である。ポリマーはまた、良好な延性及び靭性を有し、そしてそれらの完全に非晶質の性質のためにそれらの天然状態において透明である。その他の重要な特性は、熱水/水蒸気による加水分解に対する耐性、酸や塩基に対する優れた耐性を含む。ポリスルホンは完全に熱可塑性であり、射出成形、押出し、及び熱成形などのほとんどの標準的な方法による製造を可能にする。それらはまた、幅広い高温工学用途を享受する。
【0378】
三つの商業的に重要なポリスルホンは、a)ポリスルホン(PSU);b)ポリエーテルスルホン(PESはPESUとも呼ばれる);及びc)ポリフェニレンスルホン化剤(PPSU)である。
【0379】
特に重要かつ好ましい芳香族ポリスルホンは、構造-C6H4SO2-C6H4-O-(式中、C6H4はm-又はp-フェニレン構造を表す)の繰り返し単位からなるものであるポリマー鎖はまた、-C6H4-、C6H4-O-、-C6H4-(低級アルキレン)-C6H4-O-、-C6H4-O-C6H4-O-、-C6H4-S-C6H4-O-などの繰り返し単位、及びエンジニアリング熱可塑性物質の分野で知られている他の熱的に安定な実質的に芳香族の二官能基を含むことができる。個々の芳香環には、
【0380】
【化1】
を含む一つ又はそれ以上の置換基でさらに置換されている、いわゆる変性ポリスルホンも含まれる。
【0381】
式中、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基、若しくはそれらの組み合わせである。ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子を含む。炭化水素基は、例えば、C1-C20アルキル基、C2-C20アルケニル基、C3-C20シクロアルキル基、C3-C20シクロアルケニル基、及びC6-C20芳香族炭化水素基を含む。これらの炭化水素基は、ハロゲン原子によって部分的に置換されていてもよく、ハロゲン原子以外の極性基によって部分的に置換されていてもよい。C1-C20のアルキル基の具体例としては、上記のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基及びドデシル基を挙げることができる。C2-C20のアルケニル基の具体例としては、上記のプロペニル基、イソプロペピル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基及びヘキセニル基を挙げることができる。C3-C20のシクロアルキル基の具体例としては、上記のシクロペンチル基及びシクロヘキシル基を挙げることができる。C3-C20のシクロアルケニルの基具体例としては、上記のシクロペンテニル基及びシクロヘキセニル基を挙げることができる。芳香族炭化水素基の具体例としては、上記のフェニル基及びナフチル基又はそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0382】
個々の好ましいポリマーは、(a)塩基の存在下でビスフェノールAと4,4’-ジクロロジフェニルスルホンとの縮合重合によって製造され、主な繰り返し構造
【0383】
【化2】
及び略語PSFを有し、商品名Udel(登録商標)、Ultrason(登録商標)S、Eviva(登録商標)、RTP PSUとして販売されているポリスルホン;(b)塩基の存在下で4,4’-ジヒドロキシジフェニルと4,4’-ジクロロジフェニルスルホンとの縮合重合によって製造され、主な繰り返し構造
【0384】
【化3】
及び略語PPSFを有し、商品名RADEL(登録商標)樹脂として販売されているポリスルホン;及び(c)塩基の存在下で4,4’-ジクロロジフェニルスルホンから製造され、そして主繰り返し構造
【0385】
【化4】
及び略語PPSFを有し、そして時に「ポリエーテルスルホン」と呼ばれ、Ultrason(登録商標)E、LNP(登録商標)、Veradel(登録商標)PESU、Sumikaexce、及びVICTREX(登録商標)樹脂の商品名で販売されている縮合ポリマー、並びにそれらいずれか及び全ての組み合わせを含む。
【0386】
いくつかの実施形態において、繊維材料(例えば、グラファイト、又はターボ層状若しくはグラファイト状炭素繊維を含む炭素繊維、又はグラファイト部分とターボ層状部分の両方が存在するハイブリッド構造)の複数の層又は層を含む複合材料で作られた、炭素複合材料などの複合材料。メタルウッドゴルフ用クラブに使用するためのこれらの複合材料のいくつか及びそれらの製造手順の例は、米国特許出願第10/442,348号(現在は米国特許第7,267,620号),10/831,496号(現在は米国特許第7,140,974号),11/642,310号,11/825,138号,11/998,436号,11/895,195号,11/823,638号,12/004,386号,12,004,387号,11/960,609号,11/960,610号,及び12/156,947号に記載され、これらは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。複合材料は、少なくともその全体の内容は参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第11/825,138号に記載されている方法に従って製造することができる。
【0387】
あるいは、先に言及した短繊維又は長繊維強化配合物を使用することができる。例示的な配合物は、ナイロン6/6ポリアミド配合物を含み、これは30%の炭素繊維が充填され、RTPカンパニーからRTP285の商品名で市販されている。この材料は、ASTM D 638によって測定された35000psi(241MPa)の引張強さ;ASTM D 638によって測定された2.0-3.0%の引張伸び;ASTM D 638によって測定された3.30x106psi(22754MPa)の引張弾性率;ASTM D 790によって測定された50000psi(345MPa)の曲げ強さ;及びASTM D 790によって測定された2.60x106psi(17927MPa)の曲げ弾性率を有する。
【0388】
他の材料はまた、40%の炭素繊維が充填され、RTPカンパニーからRTP4087UPの商品名で市販されているポリフタルアミド(PPA)配合物を含む。この材料は、ISO 527によって測定された360MPaの引張強さ;ISO 527によって測定された1.4%の引張伸び;ISO 527によって測定された41500MPaの引張弾性率;ISO 178によって測定された580MPaの曲げ強さ;及びISO 178によって測定された34500MPaの曲げ弾性率を有する。
【0389】
さらに他の材料は、30%の炭素繊維が充填され、RTPカンパニーからRTP1385UPの商品名で市販されているポリフェニレンスルフィド(PPS)配合物を含む。この材料は、ISO 527によって測定された255MPaの引張強さ;ISO 527によって測定された1.3%の引張伸び;ISO 527によって測定された28500MPaの引張弾性率;ISO 178によって測定された385MPaの曲げ強さ;及びISO 178によって測定された23,000MPaの曲げ弾性率を有する。
【0390】
特に好ましい材料は、20%の炭素繊維が充填され、RTPカンパニーからRTP983の商品名で市販されているポリスルホン(PSU)配合物を含む。この材料は、ISO 527によって測定された124MPaの引張強さ;ISO 527によって測定された2%の引張伸び;ISO 527によって測定された11032MPaの引張弾性率;ISO 178によって測定された186MPaの曲げ強さ;及びISO 178によって測定された9653MPaの曲げ弾性率を有する。
【0391】
また、好ましい材料は、30%の炭素繊維が充填され、RTPカンパニーからRTP985の商品名で市販されているポリスルホン(PSU)配合物を含み得る。この材料は、ISO 527によって測定された138MPaの引張強さ;ISO 527によって測定された1.2%の引張伸び;ISO 527によって測定された20685MPaの引張弾性率;ISO 178によって測定された193MPaの曲げ強さ;及びISO 178によって測定された12411MPaの曲げ弾性率を有する。
【0392】
さらに好ましい材料は、40%の炭素繊維が充填され、RTPカンパニーからRTP987の商品名で市販されているポリスルホン(PSU)配合物を含む。この材料は、ISO 527によって測定された155MPaの引張強さ;ISO 527によって測定された1%の引張伸び;ISO 527によって測定された24132MPaの引張弾性率;ISO 178によって測定された241MPaの曲げ強さ;及びISO 178によって測定された19306MPaの曲げ弾性率を有する。
【0393】
本明細書を通して、「一つの実施形態」、「実施形態」、又は同様の言葉は、その実施形態に関して記載した特定の機構、構造、又は特性が、本開示の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書を通して、「一つの実施形態において、」、「実施形態において、」及び類似の表現の出現は、必ずしもそうとは限らないが、全て同じ実施形態を指すことがある。同様に、「実行形態」という用語の使用は、本開示の一つ又はそれ以上の実施形態に関連して記載された特定の機構、構造、又は特性を有する実装を意味するが、そうでないことを示す明示的な相関がない場合、実行形態は一つ又はそれ以上の実施形態と関連付けられ得る。
【0394】
上記の説明において、「上」、「下」、「上方」、「下方」、「水平」、「垂直」、「左」、「右」、「上」、「下」などの特定の用語を使用することがある。該当する場合、これらの用語は、相対関係を扱うときに説明を明確にするために使用される。しかし、これらの用語は、絶対的な関係、立場、及び/又は向きを暗示することを意図していない。例えば、物体に関しては、「上」の面は単にその物体を返すことによって「下」の面になることができる。それにも関わらず、それはまだ同じ目的である。さらに、用語「含有する」、「含む」、「有する」、及びそれらの変形は、特に明記しない限り、「含むがこれらに限定されない」を意味する。列挙された項目のリストは、他に明示的に指定されていない限り、項目の一部又は全部が相互に排他的及び/又は相互に包含的であることを意味するものではない。用語「a」、「an」、及び「the」は、他に明示的に指定されていない限り、「一つ又はそれ以上」も指す。さらに、用語「複数」は、「少なくとも二つ」として定義することができる。いくつかの実施形態における「約」という用語は、所与の値の+/-5%以内を意味すると定義することができる。
【0395】
さらに、一つの要素が別の要素に「結合」されている本明細書の例は、直接的及び間接的な結合を含み得る。直接結合は、ある要素が別の要素と結合しており、かつ他の要素と接触していると定義することができる。間接結合は、互いに直接に接触しているのではなく、結合された要素間に一つ又はそれ以上の追加の要素を有する二つの要素間の結合として定義することができる。さらに、本明細書で使用されるとき、ある要素を別の要素に固定することは、直接固定及び間接固定を含むことができる。さらに、本明細書で使用されるとき、「隣接する」は必ずしも接触を意味するわけではない。例えば、ある要素は、その要素と接触していなくても別の要素に隣接することができる。
【0396】
本明細書で使用されるとき、表現「少なくとも一つの」は、項目のリストとともに使用されるとき、リストされた項目のうちの一つ又はそれ以上の異なる組み合わせが使用され得ることを意味する。項目は、特定のオブジェクト、モノ、又はカテゴリである。言い換えれば、「のうちの少なくとも一つ」は、項目の任意の組み合わせ又は項目の数をリストから使用することができることを意味するが、リスト内の項目の全てが必要とされるわけではない。例えば、「項目A、項目B、及び項目Cのうちの少なくとも一つ」は、項目A;項目A及び項目B;項目B;項目A、項目B、及び項目C;又は項目B及び項目Cを意味し得る。いくつかの場合において、「項目A、項目B、及び項目Cのうちの少なくとも一つ」は、例えば、項目Aのうちの二つ、項目Bのうちの一つ、及び項目Cのうちの十;項目Bのうちの四つ及び項目Cのうちの七つ、又は他の適切な組み合わせを意味し得るが、これらに限定されない。
【0397】
特に指示のない限り、「第1」、「第2」などの用語は単にラベルとして本明細書に使用されており、これらの用語が参照する項目に順序、位置、又は階層の要件を課すことを意図しない。さらに、例えば「第2」の項目への言及は、例えば「第1」又はそれより小さい番号の項目、及び/又は例えば「第3」又はそれより大きい番号の項目の存在を必要とせず又は排除もしない。
【0398】
本明細書では、特定の機能を実行するように「構成された」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、さらなる変更後に特定の機能を実行する可能性を単に有するのではなく、変更なしに特定の機能を実行することができる。言い換えれば、特定の機能を実行するように構成されたシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、特定の機能を実行する目的で、具体的に選択、作製、実施、利用、プログラム、及び/又は設計される。本明細書では、「構成された」は、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアが既存の特性を示し、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアがさらなる変更なしに特定の機能を実行できるようにする。本開示の目的のために、特定の機能を「実行する」ように記載されているシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、追加的又は代替的に、その機能を実行するように「適合」及び/又は「動作」していると記載される。
【0399】
本主題は、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具体化することができる。説明した実施形態は、あらゆる点で例示的なものにすぎず、限定的なものではないと考えるべきである。特許請求の範囲の均等物の意味及び範囲内にある全ての変更は、それらの範囲内に包含されるべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
内部空洞を規定し、
ゴルフ用クラブヘッドの底部領域に配置されたソール部であって、ソール表面領域を有するソール部;
ゴルフ用クラブヘッドの頂部領域に配置されたクラウン部であって、クラウン表面領域を有するクラウン部;
前記ソール部と前記クラウン部との間でゴルフ用クラブヘッドの周囲に配置されたスカート部;
前方領域;
前記前方領域の反対側の後方領域;
ヒール領域;及び
前記ヒール領域の反対側のトウ領域を含む本体、
前記本体の前記前方領域で前記本体に結合され、打撃フェース、及び前記打撃フェースの反対側の内面を含むフェース部を備えるゴルフ用クラブヘッド。ただし、
前記フェース部は異なる厚さを有し;
前記ゴルフ用クラブヘッドの前記クラウン部の面積重量は、前記クラウン部の全表面領域の約50%以上にわたって約0.35g/cm
2
未満であり;
前記ゴルフ用クラブヘッドの前記ソール部の面積重量は、前記ソール部の全表面領域の
約50%以上にわたって約0.35g/cm
2
未満であり;
前記打撃フェースは、前記打撃フェースの中心を中心とし、ヒール-トウ方向に細長い40ミリメートル×20ミリメートルの矩形領域によって規定される中心領域を有し;
前記中心領域内において、前記フェース部の最大厚さは5mm以下であり、前記フェース部の最小厚さは2.4mm以上であり;
前記中心領域内において、前記打撃フェースは、257マイクロ秒以下の特性時間(CT)を有し;
前記中心領域内において、前記打撃フェースの25%以上は、少なくとも0.8の反発係数(COR)を有し;
前記中心領域内において、前記打撃フェースの60%以上は、少なくとも235マイクロ秒のCTを有し;及び
前記中心領域内において、前記打撃フェースの50%以上は、少なくとも240マイクロ秒のCTを有する。
[2]
前記打撃フェースの20%以上は、少なくとも245マイクロ秒のCTを有する[1]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[3]
前記中心領域内の前記打撃フェースの少なくとも60%は、少なくとも240マイクロ秒のCTを有する[1]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[4]
前記中心領域内の前記打撃フェースの少なくとも40%は、少なくとも245マイクロ秒のCTを有する[1]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[5]
前記中心領域内の前記打撃フェースの少なくとも10%は、少なくとも250マイクロ秒のCTを有する[1]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[6]
前記打撃フェースの中心から少なくとも5ミリメートル内の前記打撃フェース上の任意の位置におけるCTは、240マイクロ秒より大きい[1]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[7]
前記ゴルフ用クラブヘッドは、約-5mm乃至約5mmのヘッドセンターフェース原点x軸座標及び約25mm乃至約50mmのヘッドセンターフェース原点y軸座標、並びに2mm未満のセンターフェースヘッド原点z軸座標を有する重心(CG)、を有する[1]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[8]
前記ゴルフ用クラブヘッドは、約350cm
3
乃至約500cm
3
の体積、ヘッド重心z軸周りの慣性モーメント(Izz)、及びヘッド重心x軸周りの慣性モーメント(Ixx)を有する[1]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[9]
IzzとIxxの合計は約740kg・mm
2
乃至約1100kg・mm
2
である[8]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[10]
前記本体の前記内部空洞内に配置され、前記フェース部の前記内面と直接に接触する補強材をさらに含み、前記補強材は、少なくともショア5.95Dの硬度を有する材料で作られている[1]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[11]
前記本体の前記内部空洞内に配置され、前記フェース部の前記内面と直接に接触する複数の補強材をさらに含み、前記複数の補強材は、前記本体と同じ材料で作られた複数のリブである[1]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[12]
前記複数のリブは、前記フェース部と前記クラウン部との間の移行部に近接して配置されている[11]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[13]
前記複数のリブのうち少なくとも一つは、+15mm乃至+25mmのヘッド原点x軸座標を有し、前記複数のリブのうち少なくとも一つは、-15mm乃至-25mmのヘッド原点x軸座標を有する[11]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[14]
前記本体の前記内部空洞内に配置され、ヘッド原点y軸に沿って測定したときに、少なくとも1mmで20mm以下だけ前記フェース部の内面からオフセットされた複数の補強材をさらに含み、前記複数の補強材は、前記クラウン部の内面と前記ソール部の内面との間に延びる細長い補強部材である[1]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[15]
前記複数の補強材は、二つ又はそれ以上のブレースバーを含み;かつ
前記二つ又はそれ以上のブレースバーは、0.005g/mm乃至0.40g/mmの単位長さ当たりの質量をそれぞれ有する[14]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[16]
前記複数の補強材のうち少なくとも一つは、+15mm乃至+25mmのヘッド原点x軸座標を有し、前記複数の補強材のうち少なくとも一つは、-15mm乃至-25mmのヘッド原点x軸座標を有する[14]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[17]
前記フェース部の最大厚さは4mm以下である[1]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[18]
前記フェース部の最小厚さは3mm未満である[1]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[19]
前記本体及び前記フェース部は、一体で、単一のモノリシック構造を形成する[1]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[20]
前記フェース部は、フェース開口部と、前記フェース開口部に溶接された打撃プレートとを有する[1]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[21]
前記ソール部から直立して突出し、ヒール-トウ方向において長手方向に延び、15GPa乃至350GPaの第1の弾性係数を有する第1の材料で作られている第1の壁;及び
前記本体の前記内部空洞内に配置され、前記フェース部の前記内面と前記第1の壁との間に配置された補強材をさらに含み、前記補強材は、前記第1の弾性係数未満の第2の弾性係数を有する第2の材料で作られ、前記第2の弾性係数は、0.5GPa乃至30GPaであり、前記第2の材料は、少なくともショア5.95Dの硬度を有し、かつ前記補強材は、前記フェース部の前記内面に直接に接触する[1]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[22]
前記ゴルフ用クラブヘッドはさらに、前記ソール部から直立して突出し、一般的に前後方向において長手方向に延び、前記第1の弾性係数未満の第3の弾性係数を有する第3の材料で作られている第2の壁を含み;
前記第2の弾性係数は、前記第3の弾性係数より大きく;
前記補強材は、前記第2の壁に当接し;
前記ゴルフ用クラブヘッドはさらに、前記ソール部から直立して突出し、一般的に前後方向において長手方向に延び、前記ヒール-トウ方向に平行な方向に前記第2の壁から離間して、前記第3の材料で作られている第3の壁を含み;
前記補強材は、前記第3の壁に当接し、前記第2の壁と前記第3の壁との間に配置されている[21]に記載のゴルフ用クラブヘッド。
[23]
前記第1の材料はチタン又は鋼のうちの一つであり;
前記第2の材料は発泡体であり;
前記第3の材料はアクリルである[22]に記載のゴルフ用クラブヘッド。