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  • 特許-情報処理装置、表示装置および筐体 図1
  • 特許-情報処理装置、表示装置および筐体 図2
  • 特許-情報処理装置、表示装置および筐体 図3
  • 特許-情報処理装置、表示装置および筐体 図4
  • 特許-情報処理装置、表示装置および筐体 図5
  • 特許-情報処理装置、表示装置および筐体 図6
  • 特許-情報処理装置、表示装置および筐体 図7
  • 特許-情報処理装置、表示装置および筐体 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、表示装置および筐体
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240610BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
G09F9/00 351
G09F9/00 366A
G06F1/16 312H
G06F1/16 313F
G06F1/16 312S
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021145732
(22)【出願日】2021-09-07
(65)【公開番号】P2023038821
(43)【公開日】2023-03-17
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸明
(72)【発明者】
【氏名】平川 初男
(72)【発明者】
【氏名】村野 鯨太
(72)【発明者】
【氏名】丸茂 暉
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-137671(JP,A)
【文献】特開2000-356960(JP,A)
【文献】特開平09-246734(JP,A)
【文献】特開2003-177838(JP,A)
【文献】特開2017-126276(JP,A)
【文献】特開2010-032817(JP,A)
【文献】中国実用新案第206754721(CN,U)
【文献】中国実用新案第209676392(CN,U)
【文献】中国実用新案第213394233(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H04N 5/64-5/655
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ操作を受付可能な表示部と、接地面側に開口部を有する穴が設けられ、前記開口部につながる空間が上方向にある押し当て部が、前記開口部の前記表示部の正面方向側の縁に設けられた台座部と、を有する表示装置と、
前記開口部から前記空間に向けて挿入され、前記表示部の正面方向と逆方向に前記台座部がスライドされることで、前記押し当て部に前記空間側で接することが可能な固定部材を上面に有する筐体と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記押し当て部は、前記開口部の、前記表示部の正面方向側の縁に設けられた傾斜面であり、
前記固定部材は、前記押し当て部に接する面が前記傾斜面と同じ角度で傾斜する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記開口部の領域は、前記固定部材を前記上面へ重力方向に投影したときの投影像の領域を包含可能である、
請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
タッチ操作を受付可能な表示部と、
接地面側に開口部を有する穴が設けられ、前記開口部につながる空間が上方向にあ押し当て部が、前記開口部の前記表示部の正面方向側の縁に設けられた台座部と、
を有し、
前記押し当て部は、前記開口部から前記空間に向けて挿入された固定部材に、前記表示部の正面方向と逆方向に前記台座部がスライドされることで、前記空間側で接することが可能である、
表示装置。
【請求項5】
タッチ操作を受付可能な表示部と、接地面側に開口部を有する穴が設けられ、前記開口部につながる空間が上方向にある押し当て部が、前記開口部の前記表示部の正面方向側の縁に設けられた台座部と、を有する表示装置の前記開口部から前記空間に向けて挿入され、前記表示部の正面方向と逆方向に前記台座部がスライドされることで、前記押し当て部に前記空間側で接することが可能な固定部材、
を上面に有する筐体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、表示装置および筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗等で顧客や店員に操作される情報処理装置は、表示画面に対する選択操作をタッチ操作によって受け付ける表示装置を用いることがある。タッチ操作を受け付ける表示装置に関して、例えば、ネジによって上部台座プレートに固定され、オプションのタッチパネル型ディスプレイを取付部に固定する場合、下部台座プレートを引き出し、新たな位置にネジで固定するタワー型端末装置が提案されている。また、例えば、脚部の前側接地部よりも前方に設けられた前側突起部と、後側接地部よりも後方に設けられた後側突起部と、を備え、前側突起部の高さは、前側接地部の高さよりも低く、後側突起部の高さは、後側接地部の高さよりも低い電子機器が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-218125号公報
【文献】特開2018-182130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示装置に対するタッチ操作をする際に、表示装置がぐらつくと操作者が違和感を覚えることがある。そこで、表示装置をネジ止めして固定することでぐらつきを防止することが考えられる。しかし、表示装置をネジ止めすると、表示装置を移動させる場合に手間がかかる。
【0005】
1つの側面では、本件は、ネジ止めによる固定なしにタッチ操作時の表示装置のぐらつきを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの案では、表示装置と筐体とを有する情報処理装置が提供される。表示装置は、タッチ操作可能な表示部と、接地面側に開口部を有する穴が設けられ、開口部につながる空間が上方向にある押し当て部が、開口部の表示部の正面方向側の縁に設けられた台座部と、を有する。筐体は、開口部から空間に向けて挿入され、押し当て部に空間側で接することが可能な固定部材を上面に有する。
【発明の効果】
【0007】
1態様によれば、ネジ止めによる固定なしにタッチ操作時の表示装置のぐらつきを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る情報処理装置を示した図で、(A)は情報処理装置を正面から見た図であり、(B)は情報処理装置を側面から見た図である。
図2】実施の形態に係る表示装置を示した図で、(A)は表示装置を上から見た図であり、(B)は表示装置の台座部の断面図である。
図3】実施の形態に係る筐体を示した図で、(A)は筐体を側面から見た図であり、(B)は筐体を上から見た図である。
図4】表示装置を筐体の上に配置した場合を示した図で、(A)は表示装置および筐体を側面から見た図であり、(B)は表示装置の台座部の断面図である。
図5】表示装置の配置手順を示す図である。
図6】タッチ操作受付時に表示装置が受ける力を示す図である。
図7】使用済みロール紙の取り換え作業を示す図である。
図8】実施の形態の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る情報処理装置を示した図で、(A)は情報処理装置を正面から見た図であり、(B)は情報処理装置を側面から見た図である。情報処理装置100は、発券機である。情報処理装置100は、表示装置10と筐体20,30とを有する。筐体20,30は、横に並べて配置されている。また、表示装置10は、筐体20の上面に載せられている。
【0010】
表示装置10は、タッチ操作を受付可能な表示装置である。筐体20は、紙製の券を印刷するプリンタである。筐体30は、情報処理装置100全体を制御するコンピュータである。筐体30は、表示装置10に表示内容を指示する。また、筐体30は、表示装置10から受け付けたタッチ操作に応じて、表示装置10の表示内容の変更や、筐体20への券の印刷指示をする。
【0011】
図2は、実施の形態に係る表示装置を示した図で、(A)は表示装置を上から見た図であり、(B)は表示装置の台座部の断面図である。なお、図2(B)は、図2(A)におけるA-A矢視断面図である。
【0012】
表示装置10は、表示部11と支柱部12と台座部13とを有する。表示部11は、タッチ操作を受付可能である。例えば、表示部11は、有機EL(Electro Luminescence)や液晶を用いた表示パネルにタッチパネルが重ねて配置されたものである。表示部11は、支柱部12に支持されている。支柱部12は、台座部13の上に立てられている。
【0013】
台座部13は、表示部11と支柱部12とを支えるための台座である。台座部13には、穴14が設けられている。穴14は、表示装置10の重心よりも表示部11の正面方向側に設けられていることが好ましい。なお、図2に示す例では2つの穴14が設けられているが、穴14は、1つでもよいし3つ以上でもよい。穴14は、台座部13の接地面側から上側に貫通する。穴14は、接地面側の開口部14aと上側の開口部14bとを有する。
【0014】
台座部13には、開口部14aにつながる空間が上方向にある押し当て部14cが、開口部14aの表示部11の正面方向側の縁に設けられている。押し当て部14cは、開口部14aの、表示部11の正面方向側の縁に設けられた傾斜面である。押し当て部14cは、表示部11の正面方向に上がるように傾斜し、開口部14bにつながっている。つまり、穴14は、開口部14aから開口部14bに近づくほど広がる形状である。
【0015】
図3は、実施の形態に係る筐体を示した図で、(A)は筐体を側面から見た図であり、(B)は筐体を上から見た図である。筐体20は、固定部材21を上面に有する。なお、筐体20は、穴14と同じ数(つまり、2つ)の固定部材21を有する。また、2つの固定部材21は、台座部13における2つの穴14と同じ位置関係で、筐体20の上面に配置される。
【0016】
固定部材21は、筐体20の上に表示装置10を配置したときに表示装置10を固定する部材である。固定部材21は、筐体20の上に表示装置10を配置したときの表示部11の正面方向側に突出する板状の部材である。固定部材21は、押し当て部14cの傾斜面と同じ角度で傾斜する。ただし、同じ角度とは、一定の誤差があってもよい。
【0017】
また、筐体20は、ロール紙22を内部に備えている。ロール紙22は、券を印刷するために用いられ、筐体20の前面の一部、上面の一部および側面の一部を含むカバーを開閉することで取り換えられる。
【0018】
図4は、表示装置を筐体の上に配置した場合を示した図で、(A)は表示装置および筐体を側面から見た図であり、(B)は表示装置の台座部の断面図である。なお、図4(B)は、図4(A)におけるA-A矢視断面図である。
【0019】
表示装置10が筐体20の上面に配置される場合、穴14に固定部材21が挿入される。固定部材21は、開口部14aから押し当て部14cの上方向にある空間に向けて挿入され、押し当て部14cに当該空間側で接する。ここで、固定部材21は、押し当て部14cの傾斜面と同じ角度で傾斜している板状の部材であるため、固定部材21の押し当て部14cに接する面も押し当て部14cの傾斜面と同じ角度で傾斜している。
【0020】
次に、表示装置10を筐体20の上面に配置する手順について説明する。
図5は、表示装置の配置手順を示す図である。表示装置10が筐体20の上面に配置される場合、まず、図5(A)に示すように、表示装置10は、筐体20の上方向で浮いた状態にされる。ここで、表示装置10は、表示部11の正面方向と固定部材21が突出している方向とが一致するような向きに向けられる。また、表示装置10は、開口部14aが固定部材21の上方向にあるような位置で浮いた状態にされる。
【0021】
次に、図5(B)に示すように、表示装置10は、台座部13の接地面側が筐体20の上面に接するように図5(A)に示す状態から降ろされる。ここで、開口部14aの領域は、固定部材21を筐体20の上面へ重力方向に投影したときの投影像の領域を包含可能である。つまり、開口部14aは、固定部材21の突出している部分より広いため、図5(A)に示す状態から表示装置10を降ろすことで、固定部材21は、開口部14aから穴14に容易に挿入される。ここでは、固定部材21は、押し当て部14cと離間して穴14に挿入されている。
【0022】
そして、図5(C)に示すように、表示装置10は、固定部材21と押し当て部14cとが接するように、表示部11の正面方向と逆の方向にスライドされる。これにより、固定部材21は、開口部14aから押し当て部14cの上方向にある空間に向けて挿入され、押し当て部14cに当該空間側で接する状態となる。
【0023】
また、表示装置10は、図5に示した操作と逆の操作によって筐体20の上面から取り外される。つまり、表示装置10は、図5(C)に示す状態から表示部11の正面方向にスライドされ、上に持ち上げられることで筐体20の上面から取り外される。このように、押し当て部14cが設けられた台座部13および固定部材21は、表示装置10の筐体20の上面への配置および取り外しを容易にすることができる。
【0024】
次に、表示装置10に対するタッチ操作時にかかる力について説明する。
図6は、タッチ操作受付時に表示装置が受ける力を示す図である。なお、図6(A)は、表示装置10の全体を示すものであり、図6(B)は、台座部13の部分を拡大したものである。表示装置10は、ユーザが表示部11をタッチすると、表示部11の正面方向と逆の方向の力を受ける。すると、台座部13も、表示部11の正面方向と逆の方向の力を受ける。ここで、固定部材21は、押し当て部14cに対して表示部11の正面方向と逆の方向にある。よって、押し当て部14cが固定部材21に押し当てられ、台座部13は、表示部11の正面方向と逆の方向への移動が抑制される。
【0025】
また、表示装置10は、ユーザが表示部11をタッチすると、表示部11の正面方向と逆の方向に倒れる方向の力を受ける。すると、台座部13は、上方向の力を受ける。ここで、固定部材21は、押し当て部14cの上方向にある空間で接している。よって、押し当て部14cが固定部材21に押し当てられ、台座部13は、上方向への移動が抑制される。
【0026】
ここで、固定部材21の押し当て部14cに接する面は、押し当て部14cの傾斜面と同じ角度で傾斜している。よって、固定部材21と押し当て部14cとが面同士で接するため、固定部材21は、台座部13の移動を抑制しやすい。
【0027】
このように、固定部材21は、台座部13の表示部11の正面方向と逆の方向および上方向の移動を抑制することで、ネジ止めによる固定なしに表示装置10のタッチ操作時のぐらつきを防止することができる。
【0028】
図7は、使用済みロール紙の取り換え作業を示す図である。筐体20に備えられた使用済みのロール紙22を取り換える作業では、筐体20の前面の一部、上面の一部および側面の一部を含むカバーが開かれる。カバーは、前面に設けられた水平な軸を中心に回転するように開かれる。そして、新しいロール紙22aがロール紙22と交換されて筐体20内部に設置され、カバーが閉じられる。
【0029】
このようなロール紙22の取り換え作業では、筐体20の上面が傾けられるため、作業時に筐体20の上面から表示装置10を取り外すこととなる。ここで、表示装置10がネジ止めによって固定されていると、作業前後にネジの取り外し作業とネジの付け直し作業とをすることとなる。一方、本実施の形態によれば、スライドと上下への移動によって表示装置10の配置および取り外しが容易に行われる。よって、筐体20の上面を使用した作業における手間が削減される。
【0030】
実施の形態に係る情報処理装置100によれば、表示装置10は、タッチ操作を受付可能な表示部11と、接地面側に開口部14aを有する穴14が設けられた台座部13とを有する。台座部13は、開口部14aにつながる空間が上方向にある押し当て部14cが、開口部14aの表示部11の正面方向側の縁に設けられる。また、筐体20は、開口部14aから押し当て部14cの上方向にある空間に向けて挿入され、押し当て部14cに当該空間側で接することが可能な固定部材21を上面に有する。これにより、台座部13は、押し当て部14cが固定部材21に押し当てられることで、タッチ操作時の表示部11の正面方向と逆の方向および上方向への移動が抑制される。よって、ネジ止めによる固定なしに表示装置10のタッチ操作時のぐらつきを防止することができる。
【0031】
また、押し当て部14cは、開口部14aの、表示部11の正面方向側の縁に設けられた傾斜面であり、固定部材21は、押し当て部14cに接する面が傾斜面と同じ角度で傾斜する。これにより、固定部材21は、タッチ操作による台座部13の移動を抑制しやすい。
【0032】
また、開口部14aの領域は、固定部材21を筐体20の上面へ重力方向に投影したときの投影像の領域を包含可能である。これにより、表示装置10を筐体20の上面に容易に配置できるようになる。
【0033】
次に、上記の実施の形態の変形例について説明する。
図8は、実施の形態の変形例を示す図である。台座部13は、貫通した穴14が設けられていたが、図8(A)に示す台座部13-1のように、接地面側の開口部14a-1を有し上側が開口していない穴14-1が設けられていてもよい。また、台座部13-1には、押し当て部14cと同様の形状の押し当て部14c-1が、開口部14a-1の表示部の正面方向側の縁に設けられている。また、筐体20-1の上面には、固定部材21と同様の形状の固定部材21-1が設けられている。図8(A)に示す場合においても、固定部材21-1が開口部14a-1から押し当て部14c-1の上方向にある空間に向けて挿入され、押し当て部14c-1に当該空間側で接することで、ぐらつきが防止される。
【0034】
また、固定部材21は、表示部11の正面方向側に突出する板状の部材であったが、図8(B)に示すように、筐体20-2は、L字型に曲げられた板状の部材である固定部材21-2を上面に有していてもよい。固定部材21-2は、曲げられていない辺の一方が筐体20-2の上面に固定され、もう一方が表示部の正面方向を向いている。また、台座部13-2には、穴14-2が設けられ、押し当て部14cと同様の形状の押し当て部14c-2が、穴14-2の接地面側の開口部14a-2の表示部の正面方向側の縁に設けられている。固定部材21-2は、開口部14a-2から挿入され、曲げられていない辺のうちの表示部の正面方向を向いた辺が押し当て部14c-2に、押し当て部14c-2の上方向にある空間で接する。これにより、押し当て部14c-2が固定部材21-2に押し当てられ、台座部13-2の表示部の正面方向と逆の方向および上方向の移動が抑制される。よって、図8(B)に示す場合においても、ぐらつきが防止される。
【符号の説明】
【0035】
10 表示装置
11 表示部
12 支柱部
13 台座部
14 穴
14a,14b 開口部
14c 押し当て部
20,30 筐体
21 固定部材
22 ロール紙
100 情報処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8