(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】医療デバイスイントロデューサのための止血弁
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20240610BHJP
A61M 39/06 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
A61M25/06 550
A61M39/06 120
A61M39/06 110
A61M39/06 100
(21)【出願番号】P 2021163179
(22)【出願日】2021-10-04
(62)【分割の表示】P 2018510515の分割
【原出願日】2016-08-24
【審査請求日】2021-11-04
(32)【優先日】2015-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ファントゥッツィ グレン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ムラーズ ディオン
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-127775(JP,A)
【文献】国際公開第2013/005607(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0100044(US,A1)
【文献】実開平05-028348(JP,U)
【文献】特開2001-327608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
A61M 39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスを患者の脈管系に挿入するためのイントロデューサであって、
長軸、基端側領域、先端側領域、および内腔を有する、細長いイントロデューサボディ;
該イントロデューサボディの該基端側領域に結合されている、ハブ;および
該ハブ内に配置されており、該内腔を横切る液密シールを形成している、止血弁
を含み、
該
ハブが、
止血弁を通しての物体の挿入中に該物体を該止血弁の
中央領域へと誘導するように構成されているガイドを含み、
該ガイドが該イントロデューサの縦軸に対して該イントロデューサへの該医療デバイスの挿入角を制限するようにさらに構成され
、
該止血弁が、基端側表面および先端側表面と、該止血弁の中心領域の剛性を下げる該基端側表面と該先端側表面の間に配置された中央空隙とを含み、
該物体が該止血弁を通して挿入されていない時、該中央空隙が該止血弁の材料で囲まれている、
前記イントロデューサ。
【請求項2】
前記ガイドが漏斗である、請求項1記載のイントロデューサ。
【請求項3】
前記漏斗が
前記ガイドの傾斜領域によって
画定される、請求項2記載のイントロデューサー。
【請求項4】
前記傾斜領域が、前記イントロデューサボディの長軸に対して垂直な平面に対して30°以上の角度で傾斜している、請求項3記載のイントロデューサ。
【請求項5】
前記傾斜領域が、前記イントロデューサボディの長軸に対して垂直な平面に対して45°以上の角度で傾斜している、請求項3記載のイントロデューサ。
【請求項6】
前記傾斜領域が、前記イントロデューサボディの長軸に対して垂直な平面に対して60°以上の角度で傾斜している、請求項3記載のイントロデューサ。
【請求項7】
前記基端側表面が、
平坦かつ細長いイントロデューサボディの長軸に対して実質的に垂直である
、請求項3記載のイントロデューサ。
【請求項8】
前記平坦な中央領域が3mm以下の直径を有する、請求項7記載のイントロデューサ。
【請求項9】
前記イントロデューサが、前記イントロデューサボディの長軸に対して実質的に平行な分割面に沿って分割されるように構成されている、請求項1~
8のいずれか一項記載のイントロデューサ。
【請求項10】
前記止血弁が、前記イントロデューサボディの長軸と実質的に平行な分割面に沿って分割されるように構成されている、請求項1~
9のいずれか一項記載のイントロデューサ。
【請求項11】
前記分割面が前記中央空隙を画定する、
請求項10記載のイントロデューサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により全体として本明細書に組み入れられる、2015年8月24日に出願された米国特許仮出願第62/209,288号の恩典を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
心臓病患者は、隣接する血管に通して心臓に挿入されるように適合されており、連続的なポンプ動作によって生来の心臓ポンプ機能を補助するかまたは生来の心臓ポンプ機能に取って代わるように構成されている、心臓ポンプによる処置を受けることがある。
【0003】
1つの一般的な手法においては、心臓ポンプ等の医療デバイスの挿入前に血管へのアクセスを得るために、イントロデューサシースが使用される。イントロデューサシースは、イントロデューサシースが血管に挿入されたときに、イントロデューサシースの基端から血液が漏出するのを防止する止血弁を含む。止血弁は、弁の中に物が存在しないとき、またはガイドワイヤ、カテーテル、血液ポンプ、もしくは他の物体が弁に挿入されるときに、過剰な血液の漏出を防止すべきである。イントロデューサシースにおける過剰な漏出の主な原因の1つは、止血弁の損傷または穿孔である。
【発明の概要】
【0004】
概要
本明細書において、心臓ポンプの経皮挿入のためのイントロデューサシースを開示する。当該イントロデューサシースは、ガイドおよび止血弁を含む。当該イントロデューサシースは、物体を止血弁の中心へと誘導して、物体(たとえば心臓ポンプ)の挿入中に止血弁を偶発的に穿刺するリスクを減らす。そのような偶発的な穿刺は、物体が、止血弁の中心から離れた/横方向にずれた位置または止血弁の中心長軸から角度的にずれた位置で止血弁に挿入される結果として生じ、それによって止血弁に損傷を与えるリスクを高めるおそれがある。ガイドは、止血弁から形成されてもよいし、独立した要素として形成されてもよい。本明細書に記載されているシステム、方法、およびデバイスは、医療デバイス(たとえば心臓ポンプ)、ガイドワイヤ、拡張器、または他の物体の挿入中に、挿入される物体を止血弁の中心へと誘導することにより、弁の穿孔のリスクを減らすかまたは除く。これにより、止血弁を通って血液が漏出するのを低減または防止することができる。
【0005】
加えて、止血弁は、イントロデューサシースとユーザの相互作用を簡略化する。現在のシステム、方法、およびデバイスは、準備段階中、または医療デバイス(たとえば心臓ポンプ)、ガイドワイヤ、拡張器もしくは他の物体の挿入中に、ユーザの必須レベルの経験または注意を要することがある。しかし、提案されるイントロデューサは、ユーザのそのような必須レベルの経験または注意を要することなく、システムの使いやすさを改善するであろう。加えて、イントロデューサシースの性能は、医療デバイス(たとえば心臓ポンプ)が挿入される止血弁上の位置と無関係であろう。これは、人的要因の考慮を最小限にし、より広い範囲の使用条件を受け入れる。
【0006】
1つの局面において、医療デバイスを患者の脈管系に挿入するためのイントロデューサは、細長いイントロデューサボディ、ハブおよび止血弁を含む。細長いイントロデューサボディは、長軸、基端側領域、先端側領域、および内腔を含む。ハブは、イントロデューサボディの基端側領域に結合されている。止血弁は、ハブ内に配置されており、内腔を横切る液密シールを形成している。止血弁は、物体の挿入中に該物体を弁の中心へと誘導するように構成されている、ガイドを含む。ガイドは漏斗であり得る。いくつかの実施形態において、止血弁は基端側表面および先端側表面を有し、漏斗は、止血弁の基端側表面の傾斜領域によって画定される。漏斗は止血弁から独立していてもよい。傾斜領域は、イントロデューサボディの長軸に垂直な平面に対して約30°、約45°、約60°、またはより大きい角度で傾斜していてもよい。特定の実施形態において、基端側表面は、細長いイントロデューサボディの長軸に対して実質的に垂直である平坦な中央領域を含む。平坦な中央領域は約3mm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態において、イントロデューサは、イントロデューサボディの長軸に対して実質的に平行な分割面に沿って分割されるように構成されている。特定の実施形態において、止血弁は、イントロデューサボディの長軸に対して実質的に平行な分割面に沿って分割されるように構成されている。止血弁は、止血弁の中心の剛性を下げる中央空隙を含み得る。
[本発明1001]
医療デバイスを患者の脈管系に挿入するためのイントロデューサであって、
長軸、基端側領域、先端側領域、および内腔を有する、細長いイントロデューサボディ;
該イントロデューサボディの該基端側領域に結合されている、ハブ;
該ハブ内に配置されており、該内腔を横切る液密シールを形成している、止血弁
を含み、
該止血弁が、物体の挿入中に該物体を該止血弁の中心へと誘導するように構成されているガイドを含む、
前記イントロデューサ。
[本発明1002]
前記ガイドが漏斗である、本発明1001のイントロデューサ。
[本発明1003]
前記止血弁が基端側表面および先端側表面を有し、前記漏斗が該基端側表面の傾斜領域によって画定されている、本発明1002のイントロデューサ。
[本発明1004]
前記傾斜領域が、前記イントロデューサボディの長軸に対して垂直な平面に対して約30°以上の角度で傾斜している、本発明1003のイントロデューサ。
[本発明1005]
前記傾斜領域が、前記イントロデューサボディの長軸に対して垂直な平面に対して約45°以上の角度で傾斜している、本発明1003のイントロデューサ。
[本発明1006]
前記傾斜領域が、前記イントロデューサボディの長軸に対して垂直な平面に対して約60°以上の角度で傾斜している、本発明1003のイントロデューサ。
[本発明1007]
前記基端側表面が、前記細長いイントロデューサボディの長軸に対して実質的に垂直である平坦な中央領域を含む、本発明1003のイントロデューサ。
[本発明1008]
前記平坦な中央領域が約3mm以下の直径を有する、本発明1007のイントロデューサ。
[本発明1009]
前記漏斗が前記止血弁から独立している、本発明1002のイントロデューサ。
[本発明1010]
前記イントロデューサが、前記イントロデューサボディの長軸に対して実質的に平行な分割面に沿って分割されるように構成されている、本発明1001~1009のいずれかのイントロデューサ。
[本発明1011]
前記止血弁が、前記イントロデューサボディの長軸と実質的に平行な分割面に沿って分割されるように構成されている、本発明1001~1010のいずれかのイントロデューサ。
[本発明1012]
前記止血弁が、該止血弁の中心の剛性を下げる中央空隙を含む、本発明1001~1010のいずれかのイントロデューサ。
[本発明1013]
医療デバイスを患者の脈管系に挿入するためのイントロデューサであって、
長軸、基端側領域、先端側領域、および内腔を有する、細長いイントロデューサボディ;
該イントロデューサボディの該基端側領域に結合されている、ハブ;
該ハブ内に配置されており、該内腔を横切る液密シールを形成している、止血弁;および
該止血弁への物体の挿入中に該物体を該止血弁の中心へと向けるように構成されている、ガイド
を含む、前記イントロデューサ。
[本発明1014]
前記ガイドが前記ハブ上に形成されている、本発明1013のイントロデューサ。
[本発明1015]
前記ガイドが、前記物体を前記止血弁の中心へと誘導するように構成されている漏斗を画定する傾斜面を含む、本発明1014のイントロデューサ。
[本発明1016]
前記傾斜面が、前記止血弁の周囲を周方向に延びている、本発明1015のイントロデューサ。
[本発明1017]
前記傾斜領域が、前記イントロデューサボディの長軸に対して垂直な平面に対して約30°以上の角度で傾斜している、本発明1015のイントロデューサ。
【図面の簡単な説明】
【0007】
前記および他の目的および利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて考察することによって明らかになる。図中、全体を通して類似の参照番号は類似の部品を指す。
【0008】
【
図1】特定の態様の漏斗弁を含むイントロデューサアセンブリの断面図を示す。
【
図2】特定の態様の漏斗弁を含むイントロデューサアセンブリの断面図を示す。
【
図3】
図1および2のイントロデューサアセンブリの斜視図を示す。
【
図4】
図1および2のイントロデューサアセンブリを使用する、心臓ポンプの経皮挿入を示す。
【
図5】
図1および2のイントロデューサアセンブリの分割を示す。
【
図6】
図1および2のイントロデューサアセンブリの分割を示す。
【
図7】特定の態様の漏斗弁を含む別のイントロデューサアセンブリの断面図を示す。
【
図8】特定の態様の漏斗弁を含む別のイントロデューサアセンブリの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
本明細書に記載されているシステム、方法、およびデバイスの全体的理解を提供するために、特定の例示的態様を説明する。本明細書に記載されている態様および特徴は、心臓ポンプの経皮挿入のためのイントロデューサシースおよび止血弁との関連における使用に関して具体的に記載されているが、以下に概説されるすべての構成部品および他の特徴が、任意の適当なやり方で互いに組み合わされ、他のタイプのイントロデューサシースおよび止血弁またはバルーンポンプをはじめとする他のタイプの心臓補助デバイスに適合され、適用されてもよいことが理解されよう。
【0010】
本明細書に記載されている装置は、心臓ポンプの経皮挿入のためのイントロデューサシースおよび止血弁を提供する。当該イントロデューサシースは、ガイドおよび止血弁を含む。当該イントロデューサシースは、物体を止血弁の中心へと誘導して、当該物体(たとえば心臓ポンプ)の挿入中に止血弁を偶発的に穿刺するリスクを減らす。ガイドは、止血弁から形成されてもよいし、独立した要素として形成されてもよい。したがって、本明細書に記載されているシステム、方法、およびデバイスは、医療デバイス(たとえば心臓ポンプ)、ガイドワイヤ、拡張器、または他の物体の挿入中における弁の穿孔のリスクを減らすかまたは除く。これにより、止血弁を通って血液が漏出するのを低減または防止することができる。
【0011】
図1および2は、特定の態様の漏斗弁を含むイントロデューサアセンブリ100の断面図を示す。イントロデューサアセンブリ100は、細長いイントロデューサボディ106、ハブ102、および止血弁104を含む。細長いイントロデューサボディ106は、内腔107および長軸108を有する。ハブ102は、第一のハブ部分102a、第二のハブ部分102b、第一のウィング部103aおよび第二のウィング部103bを含む。止血弁104は、第一の止血弁部分104a、第二の止血弁部分104b、ガイド110、先端側表面111、基端側表面112、傾斜領域113、平坦領域114、外側領域120、分割面116および中央空隙118を含む。
【0012】
止血弁104は、細長いイントロデューサボディ106の内腔107を横切る液密シールを形成する。止血弁104のガイド110は、止血弁104に挿入された物体を誘導し、該物体は中央平坦領域114に誘導される。これは、物体(たとえば心臓ポンプ)の挿入中に止血弁104を偶発的に穿刺するリスクを減らす。ガイド110は、第一のガイド部分110aおよび第二のガイド部分110bを含む。ガイド110は、止血弁104の基端側表面112によって形成されている。基端側表面112は、ガイド110の漏斗形状を画定する傾斜領域113と、中央平坦領域114とを含む。傾斜領域113は、中央平坦領域114に対して漏斗角117だけ傾斜している。漏斗角117は約30°である。いくつかの実施形態において、漏斗角は、約10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°、または任意の他の適当な角度である。漏斗角117は、挿入された物体を中央平坦領域114へと誘導するのに適当なほど急峻である。漏斗角117は、
図1では実質的に一定であるものとして示されているが、漏斗角は傾斜領域113の長さ方向にわたって変化していてもよいし、フレア状に広がっていてもよいことを、当業者は理解するであろう。止血弁の中央平坦領域114は直径115を有する。直径115は、1cm、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm、1mm未満、または任意の他の適当な寸法であり得る。ガイド110は、止血弁104の残り部分と比べて異なる表面特性、デュロメータ、材料、または他の性質を有し得る。たとえば、ガイド110は、止血弁104の残り部分よりも剛性、強靱、または硬質であり得る。ガイド110は、
図1では止血弁104において形成されたものとして示されているが、いくつかの態様において、ガイド110は止血弁104から独立している。たとえば、ガイド110はハブ102において形成されてもよい。
【0013】
止血弁104は、第一の止血弁部分104aおよび第二の止血弁部分104bから形成されている。第一の止血弁部分104aおよび第二の止血弁部分104bは、ハブ102によって一緒に保持され、分割面116で対面する。第一の止血弁部分104aと第二の止血部分104bとを分割する分割面116は、物体の挿入後に止血弁104を完全に分離することを可能にする。第一の止血弁部分104aは、外側領域120aにおいて第一のハブ部分102aに連結され、第二の止血弁部分104bは、外側領域120bにおいて第二のハブ部分102bに連結される。ハブ102と止血弁104との間の連結は、締り嵌め、接着結合、機械的締結具による連結または任意の他の適当な連結であり得る。分割面116はまた、中央空隙118を画定する。中央空隙118は、中央平坦領域114における止血弁104の剛性を下げる。これは、物体が挿入されるとき、弁が中央平坦領域114中で容易に座屈または変形することを可能にし得る。これはまた、止血弁104が、止血弁104に挿入された物体に対して二重シールを形成することを可能にし得る。二重シールは冗長性を提供し、それによって弁の漏れまたは破損のリスクを低減し得る。
【0014】
止血弁104は、ハブ102によって細長いイントロデューサボディ106に結合されている。止血弁104と同様に、ハブ102は、分割面116に沿って第一のハブ部分102aと第二のハブ部分102bとに分割される。第一および第二ウィング部103a~bが、ハブ102を第一ハブ部分102aと第二ハブ部分102bとに手動で分割することを可能にするレバーアームを提供する。この分割は、心臓ポンプの使用中にイントロデューサアセンブリ100を別のアセンブリまたはシースと交換することを容易にし得る。ハブ102の分割はまた、細長いイントロデューサボディ106の2つの部分への分割を開始して、
図5および
図6に関連してさらに説明するように、イントロデューサアセンブリ100全体を取り出すことができるようにする。細長いイントロデューサボディ106は、経皮挿入のためにサイズ設定された外径を有する。いくつかの実施形態において、細長いイントロデューサボディ106の外径は、10フレンチ(3.33mm)、11フレンチ(3.67mm)、12フレンチ(4mm)、13フレンチ(4.33mm)、14フレンチ(4.67mm)、15フレンチ(5mm)、16フレンチ(5.33mm)、17フレンチ(5.67mm)、18フレンチ(6mm)、19フレンチ(6.33mm)、20フレンチ(6.67mm)、21フレンチ(7mm)、または任意の他の適当な直径である。
【0015】
図3は、
図1および
図2のイントロデューサアセンブリの斜視図を示す。イントロデューサアセンブリ100は、細長いイントロデューサボディ106、ハブ102、止血弁104、補強リング150、および流体ライン152を含む。ハブ102は、第一のハブ部分102a、第二のハブ部分102b、第一のウィング部103a、および第二のウィング部103bを含む。止血弁104は、傾斜領域113および中央平坦領域114を有する基端側表面112を含む。流体ライン152は、イントロデューサアセンブリ100中でのうっ血または血餅形成を防ぐために、内腔107(図示せず)を生理食塩水または他の生体適合性流体でフラッシュすることを可能にする。補強リング150は、第一のハブ部分102aと第二のハブ部分102bとを連結する。補強リング150は、ハブ102の第一および第二の部分102a~bの偶発的な、または早すぎる分離を防ぎ得る。たとえば、補強リング150は、分離を防止するために、ハブ102よりも強固または強靱であってもよい。いくつかの実施形態において、補強リング150および管状シースボディ106は、イントロデューサアセンブリ100のうち、使用前に分割されない唯一の要素である。このような実施形態において、補強リング150が切り離されたのち、第一のハブ部分102aと第二のハブ部分102bとを一緒に保持する他の要素はない。分離がより少ない要素に依存するならば、イントロデューサアセンブリ100の分離はより予測可能になり得る。
【0016】
図4は、
図1および
図2のイントロデューサアセンブリを使用する心臓ポンプアセンブリ200の経皮挿入を示す。心臓ポンプアセンブリ200は、先端部分203および供給カテーテル202を含む。シースアセンブリ100は止血弁104および流体供給ライン152を含む。流体供給ライン152は、心臓ポンプアセンブリ200の挿入前、挿入中、または挿入後にイントロデューサアセンブリ100をフラッシュするために使用され得る。いくつかの実施形態において、心臓ポンプアセンブリ200の供給カテーテル202は可撓性の駆動シャフトを含む。心臓ポンプアセンブリ200の先端部分203は、挿入経路204に沿ってイントロデューサアセンブリ100に挿入される。挿入経路204は、イントロデューサアセンブリ100の長軸108に対して挿入角206を形成する。心臓ポンプアセンブリ200の挿入中の止血弁104の穿刺を防ぐために、イントロデューサアセンブリ100のガイド(図示せず)が挿入角206を制限する。ガイドは、挿入角206を、90°未満、80°未満、70°未満、60°未満、50°未満、45°未満、40°未満、35°未満、30°未満、25°未満、20°未満、15°未満、10°未満、5°未満、または任意の他の適当な角度に制限し得る。
【0017】
図5および6は、
図1および
図2のイントロデューサアセンブリの分割を示す。心臓ポンプアセンブリ200(
図5および
図6には示さず)が患者に挿入されたのち、イントロデューサアセンブリ100は、供給カテーテル202上にとどまりながら分割面に沿って分離される。ヘルスケア専門家が第一および第二のウィング部103a~bに力を加えてイントロデューサアセンブリ100を分割(たとえば「剥離」)させる。これは、ハブ102を第一のハブ部分102aと第二のハブ部分102bとに分離する。これはまた、止血弁104を第一の止血弁部分104aと第二の止血弁部分104bとに分離する。これはまた、細長いイントロデューサボディ106の基端側領域に割れ105を開始させる。割れ105は、
図6に示すように、第一のハブ部分102aと第二のハブ部分102bとをさらに引き離すことによって進められる。このプロセスは、イントロデューサアセンブリ100が完全に分割され、供給カテーテル202から切り離されるまで続けられてもよい。これは、供給カテーテル202を覆って別のシース(図示せず)を患者の中に進めることを可能にする。
【0018】
図7および
図8は別のイントロデューサアセンブリ300を示す。イントロデューサアセンブリ300は、細長いイントロデューサボディ306、ハブ302、および止血弁304を含む。細長いイントロデューサボディ306は、内腔307および長軸308を有する。ハブ302は、第一のハブ部分302a、第二のハブ部分302b、第一のウィング部303a、および第二のウィング部303bを含む。止血弁304は、第一の止血弁部分304a、第二の止血弁部分304b、先端側表面311、基端側表面312、分割面316、および中央空隙318を含む。
【0019】
イントロデューサアセンブリ300において、止血弁304の先端側表面311および基端側表面312はいずれも実質的に平坦である。実質的に平坦な外形を有する止血弁304は、製造および具現化するために、材料および複雑さがより少なくて済むであろう。ハブ302はまた、第一のブラケット部分325aおよび第二のブラケット部分325bを含むブラケット325を含む。ガイド310は、ブラケット325と一体で形成されており、中央開口部314を画定する第一のガイド部分310aおよび第二のガイド部分310bを含む。ブラケット325は止血弁304を実質的に取り囲んでおり、止血弁304の基端側表面312の部分320aおよび320bは、ブラケット325のガイド部分310aおよび310bと接触している。この構成において、ガイド310は、止血弁304の実質的に平坦な基端側表面312の一部分を中央開口部314の近くで露出させる。
【0020】
ガイド310は、ガイド310の漏斗形状を画定する傾斜領域313と、他方で止血弁304の実質的に平坦な基端側表面312を露出させる中央開口部314とを含む。したがって、ガイド310は、物体を中央開口部314、ひいては止血弁304の基端側表面312へと誘導することができる。傾斜領域313は、止血弁304の露出した平坦な基端側表面312に対して漏斗角317だけ傾斜している。漏斗角317は約30°である。いくつかの実施形態において、漏斗角317は、約10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°、または任意の他の適当な角度である。漏斗角317は、挿入された物体を止血弁304の中央開口部314および平坦な基端側表面312へと誘導するのに適当なほど急峻である。漏斗角317は、
図8では実質的に一定であるものとして示されているが、漏斗角317は傾斜領域313の長さ方向にわたって変化していてもよいし、フレア状に広がっていてもよいことを、当業者は理解するであろう。また、
図8のガイド310は、実質的に直線形の輪郭を有するように示されているが、任意の他の適当な輪郭(たとえば凹状に下向きの輪郭)が実現されてもよいことが理解されよう。止血弁の中央開口部314は直径315を有する。直径315は、1cm、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm、1mm未満、または任意の他の適当な寸法であり得る。ブラケット325は、ハブ302または止血弁304と比べて異なる表面特性、デュロメータ、材料、または他の性質を有し得る。たとえば、ブラケット325は、ハブ302または止血弁304よりも剛性、強靱、または硬質であり得る。
【0021】
止血弁304は、第一の止血弁部分304aおよび第二の止血弁部分304bから形成されている。第一の止血弁部分304aおよび第二の止血弁部分304bは、ハブ302中のブラケット325によって一緒に保持され、分割面316で対面する。第一の止血弁部分304aと第二の止血部分304bとを分割する分割面316は、物体の挿入後に止血弁304を完全に分離することを可能にする。第一の止血弁部分304aは、止血弁304の基端側表面312の部分320aにおいて第一のブラケット部分325aに連結され、第二の止血弁部分304bは、基端側表面312の部分320bにおいて第二のブラケット部分325bに連結されている。ブラケット325と止血弁304との間の連結は、締り嵌め、接着結合、機械的締結具による連結または任意の他の適当な連結であり得る。分割面316はまた、中央空隙318を画定する。中央空隙318は、中央開口部314の近くにおける止血弁304の剛性を下げる。これは、物体が挿入されるとき、弁が中央開口部314の近くで容易に座屈または変形することを可能にし得る。これはまた、止血弁304が、止血弁304に挿入された物体に対して二重シールを形成することを可能にし得る。二重シールは冗長性を提供し、それによって弁の漏れまたは破損のリスクを低減し得る。
【0022】
止血弁304と同様に、ハブ302およびブラケット325は、分割面316に沿って、第一のハブ部分302aおよび第一のブラケット部分325aと、第二のハブ部分302bおよび第二のブラケット部分325bとに分割される。第一および第二ウィング部103a~bが、ハブ302およびガイド310を、第一のハブ部分302aおよび第一のブラケット部分325aと、第二のハブ部分302bおよび第二のブラケット部分325bとに手動で分割することを可能にするレバーアームを提供する。この分割は、心臓ポンプの使用中にイントロデューサアセンブリ300を別のアセンブリまたはシースと交換することを容易にし得る。ハブ302の分割はまた、細長いイントロデューサボディ306の2つの部分への分割を開始して、
図5および
図6に関連して先に説明したように、イントロデューサアセンブリ300全体を取り出すことができるようにする。
【0023】
また、ハブ部分302a~bおよびブラケット部分325a~bを連結するために、
図1~3に関して説明した補強リング150をイントロデューサアセンブリ300とともに使用することもできる。補強リング150は、ハブ302の第一および第二の部分302a~bならびにブラケット325の第一および第二の部分325a~bの偶発的な、または早すぎる分離を防ぎ得る。たとえば、補強リング150は、分離を防止するために、ハブ302よりも強固または強靱であってもよい。いくつかの実施形態において、補強リング150および管状シースボディ306は、イントロデューサアセンブリ300のうち、使用前に分割されない唯一の要素である。このような実施形態において、補強リング150が切り離されたのち、第一および第二のハブ部分302a~bならびに第一および第二のブラケット部分325a~bを一緒に保持する他の要素はない。
【0024】
さらに別の実施形態において、ガイド部分310は補強リング150中に位置してもよい。
【0025】
前記は本開示の原理を単に例示したものであり、装置は、限定のためではなく例示のために提示された前記態様以外によっても実施することができる。本明細書に開示された装置は、心臓ポンプの経皮挿入における使用に関して示されているが、止血を要する他の用途における装置にも適用され得ることが理解されよう。
【0026】
本開示を考察したのち、当業者には変形および改変が思い浮かぶであろう。開示された特徴は、本明細書に記載された1つまたは複数の他の特徴との任意の組み合わせおよび部分的組み合わせ(複数の従属的組み合わせおよび部分的組み合わせを含む)で実現されてもよい。上記様々な特徴は、それらの任意の構成部分を含め、他のシステムとして組み合わされてもよいし、一体化されてもよい。そのうえ、特定の特徴が省略されてもよいし、実現されなくてもよい。
【0027】
変更、置換および変形の例は当業者によって確認可能であり、本明細書に開示された情報の範囲を逸脱することなく実施することができる。本明細書の中で引用されたすべての参考文献は、参照により全体として組み入れられ、本出願の一部を構成する。