(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】改善された光変調器
(51)【国際特許分類】
G02F 1/167 20190101AFI20240610BHJP
G02F 1/1676 20190101ALI20240610BHJP
【FI】
G02F1/167
G02F1/1676
(21)【出願番号】P 2021545949
(86)(22)【出願日】2020-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2020052379
(87)【国際公開番号】W WO2020161005
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-11-15
(32)【優先日】2019-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】521345408
【氏名又は名称】エルスター・ダイナミクス・パテンツ・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マサール,ロマリック・マチュー
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0185104(US,A1)
【文献】国際公開第03/100758(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/167
G02F 1/1676
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明状態から不透明状態の間で、およびその逆に切り替わるための光電気泳動変調器(10)であって、
第1および第2の基板(11、12)であって、光学的に透明である、第1および第2の基板(11、12)と、
第1および第2の基板の各々の上に提供される少なくとも2つの電極(13、14)と、
前記基板の間に提供される流体(15)であって、ナノ粒子および/またはマイクロ粒子(30)を備え、粒子が、帯電しているかまたは帯電可能であり、および光を吸収
するように適合される、流体(15)と、
電極に電磁界を印加するための接続であって、電極に印加された電磁界が、第1の電極から第2の電極への、およびその逆のナノおよびマイクロ粒子の移動を提供し、
電極が
、導電性材料を備え、
少なくとも2つの電極が、不透明状態に切り替わるとき、基板に平行に前記電極の間に電気力を提供するように適合され、透明状態に切り替わるとき、基板に対してある向きに前記電極の間に電気力を提供するように適合され、その向きが、基板に平行、基板に直交、基板に対して対角、およびそれらの組合せから選択される、接続と、
少なくとも2つの電極と電気的に接続している電力提供器であって、波形AC電力を提供するように適合され、振幅、周波数、および位相のうちの少なくとも1つが、適応可能である、電力提供器
と
を備え、
少なくとも2つの電極が、互いにかみ合ったパターンを形成し、互いにかみ合ったパターンが、規則的な2次元パターンであり、互いにかみ合ったパターンの各指が、少なくとも1つの波形形状を備える、光電気泳動変調器(10)。
【請求項2】
波形形状が、振幅Aおよび幅Wを有し、および指が、互いから距離dにある、請求項1に記載の光変調器。
【請求項3】
電極が、流体と流体的に接触している、請求項1または2に記載の光変調器。
【請求項4】
電極が、基板表面の1-30%をカバーする、請求項1から3のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項5】
波形形状対称性が破られており
、波形形状の
振幅A付近において、下向きの湾曲した第1の突出部(21)が提供され、および波形形状の
振幅ゼロ付近において、下向きのまたは上向きの湾曲した第2の突出部(22)が提供される、請求項2
に記載の光変調器。
【請求項6】
- 第1の突出部が、第2の突出部よりも大きい幅を有し、および/または
- 指の間の距離dが、10-500μm
もしくは10-100μmであり、および/または
波形の幅Wが、50-750μmであり、および/または
波形の振幅Aが、10-500μmであり、および/または
距離dが、10-100μmであり、および/または
第1の突出部の幅が、10-50μmであり、および/または
第2の突出部の幅が、10-50μmであり、および/または
第1の突出部の幅が、第2の突出部の幅の2-4倍であり、および/または
第1の突出部の高さhが、5-20μmであり、および/または
第2の突出部の高さhが、5-20μmであり、および/または
突出部の形態が、円形または楕円形の一部であり、および/または
波形から突出部への、およびその逆の遷移が、漸進的である、
請求項5に記載の光変調器。
【請求項7】
少なくとも2つの電極が、互いにかみ合ったパターンを形成する反復する線から構成されるパターンを形成し、反復する線が、形状の1つ以上のグループの反復を備え、形状の前記グループが、正弦曲線、楕円形、線から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項8】
電力提供器が、10-100Hzの、透明状態に切り替わるためのAC周波数において動作させられ、および/または
- 電力提供器が、1Hz未満、
もしくは30-500mHzの、不透明状態に切り替わるためのAC周波数において動作させられ、および/または
- 1つの切替えサイクル内で、電力提供器は、電力提供器が、最初に、透明状態に切り替わるときの正または負の電圧において動作させられることと組み合わせて、および電力提供器が、最終的に、不透明状態に切り替わるときの負または正の電圧において動作させられることと組み合わせて、10-100Hzの、透明状態に切り替わるためのAC周波数において動作させられ、および/または
- 電力提供器が、パルスを提供するように、およびインターバル中にパルスを提供することを控えるように適合され、および/または
- 電力提供器が、最大振幅の5-100%の振幅の変化を提供するように適合され、および/または
- 平衡電解電流が、第1の基板上のおよび第2の基板上の、ならびに/または第1および第2の基板の間の反対に帯電した電極の極性を連続的に切り替えることによって取得される、
請求項1から7のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項9】
温度センサーおよびコントローラを備え、温度センサーが、コントローラと電気的に接触しており、コントローラが、電力提供器と接触しており、および温度センサーによって測定された温度を考慮して、電力提供器の出力を補償するように適合される、請求項1から8のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項10】
電力提供器が、第1の信号を通して透明状態にデバイスを切り替えるように、および第2の信号を通して透明状態を維持するように構成され、第2の信号が、第1の信号よりも低い電位を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項11】
前記光変調器が、不透明状態にあるとき、交流が、第1の基板上のおよび第2の基板上の少なくとも2つの電極の間に印加され、各基板上に交流電圧を作り出し、これにより、電界を印加し、電極から流体のほうへ粒子を移動させ、透明状態にあるとき、交流が、第1の基板上の電極と第2の基板上の電極との間に印加され、前記電極のほうへ、広がった粒子を移動させるように交流を印加するために構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項12】
流体が、15未満の誘電率をもつ無極性流体、
または、分岐
もしくは無分岐C8-C60アルカン、分岐
もしくは無分岐C8-C60アルケン、分岐
もしくは無分岐C6-C60アルコール、分岐
もしくは無分岐C6-C60アルカノール、分岐
もしくは無分岐C8-C60ケトン、分岐
もしくは無分岐C8-C60アルデヒド、シリコンオイル、およびそれらの組合せであり、
ならびに/または
- 流体の動的粘度が、500mPa.s以下
、50mPa.s以下、
もしくは1mPa.s未満であり、
ならびに/または
- 流体が、100未満、
もしくは10未満の比誘電率εrを有し、
ならびに/または
- 流体が、粒子上の電荷を補償するための対イオンを備え、
ならびに/または
- 流体が、硫酸塩、塩化物、臭化物、および/
もしくはそれらの組合せから選択される、粒子上の電荷を補償するための対イオンを備え、
ならびに/または
- 流体が、界面活性剤、乳化剤、極性化合物、および水素結合を形成することが可能な化合物のうちの1つ以上を備える、
請求項1から11のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項13】
- ナノ粒子の大きさが、20-1000nmからであり、
ならびに/または
- 粒子が、10nm-1
mmの波長をもつ光を吸収
するように適合され、
ならびに/または
- 粒子のコーティングが、導電性材料および/
もしくは半導体材料から作成され、
ならびに/または
- 粒子が、磁性材料を備える、
請求項1から12のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項14】
- 基板の間の距離が、1つ以上のスペーサを使用して500μm未満の距離に維持され、および/または
- 光変調器が可撓性であり、基板が、可撓性材料、
または可撓性ガラス
もしくは可撓性ポリマーを備え、および/または
- 基板が、0.01mm-2mm、0.025mm-1mm、
もしくは0.05-0.5mmの厚さを有する、
請求項1から13のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項15】
- スペーサが、第1および第2の基板にわたってランダムに分布され、および/または
- スペーサが
、2-30μm
、14-16μm、
または15μmの直径を有する、ビーズ、
またはガラスビーズ
もしくはポリマービーズを備える、
請求項14に記載の光変調器。
【請求項16】
光変調器のスタックを備え、光変調器の数が、2-10、
もしくは3-5からであり、およ
び、第1の光変調器の少なくとも1つの基板(13、14)が、少なくとも1つの第2の光変調器の基板(13、14)と同じである、
請求項1から15のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項17】
異なる着色粒子および/またはそれらの混合物とともに配置された、請求項16に記載の光変調器。
【請求項18】
導電性材料が、273Kにおいて100nオームメートル未満の抵抗率を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項19】
識別のための一意のコードを備え、多数のエリアであって、独立して、アドレス指定され、および/または光学的に切替え可能である、多数のエリア、および/または
ヘイズ、
色の対比、
暖色/
寒色効果、
補色対比、同時
対比、飽和、強度から選択される1つ以上の
特徴を制御するために異なる電磁界を印加することによって、個々のエリアの外観を変えるためのドライバ回路を備える、請求項1から18のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項20】
窓ブラインド、サイネージシステム、屋外ディスプレイ、電子ラベル、2次スクリーン、スマートグラス、カラーパネル、およびスクリーンから選択される、請求項1から19のいずれか一項に記載の光変調器を備える製品。
【請求項21】
透明状態から不透明状態の間で、およびその逆に切り替わるための光電気泳動変調器(10)を動作させる方法であって、光電気泳動変調器が、
第1および第2の基板(11、12)であって、光学的に透明である、第1および第2の基板(11、12)と、
第1および第2の基板の各々の上に提供される少なくとも2つの電極(13、14)であって
、導電性材料を備える、少なくとも2つの電極(13、14)と、前記基板の間に提供される流体(15)であって、ナノ粒子および/またはマイクロ粒子(30)を備え、粒子が、帯電しているかまたは帯電可能であり、および光を吸収
するように適合される、流体(15)と、
電極に電磁界を印加するための接続と、
少なくとも2つの電極と電気的に接続している電力提供器と
を備え、方法が、
第1の電極から第2の電極への、およびその逆のナノおよびマイクロ粒子の移動を提供する電磁界を電極に印加することであって、
不透明状態に切り替わるとき、基板に平行に前記電極の間に電気力を提供することと、
透明状態に切り替わるとき、基板に対してある向きに前記電極の間に電気力を提供することであって、その向きが、基板に平行、基板に直交、基板に対して対角、およびそれらの組合せから選択される、こととを備える、電磁界を電極に印加することと、
電力提供器を用いて波形AC電力を提供することであって、振幅、周波数、および位相のうちの少なくとも1つが、適応可能である、こと
を備え、
少なくとも2つの電極が、互いにかみ合ったパターンを形成し、互いにかみ合ったパターンが、規則的な2次元パターンであり、互いにかみ合ったパターンの各指が、少なくとも1つの波形形状を備える、方法。
【請求項22】
電界を印加すること、
電極から流体のほうへナノ粒子および/またはマイクロ粒子を移動させること、
逆方向電界を印加し、電極のほうへ、広がったナノ粒子および/またはマイクロ粒子を移動させること、
-220Vから+220Vの間の電位、および-100μAから+100μAの間の電流をもつ2つの位相を有する交流を使用することであって、2つの位相の間の電子消費が、実質的に等しく、それにより、正および負の電流フローを平衡させる、こと
を備え、
第1の位相中に、電極材料が、流体中で部分的に溶解され、および+180度だけオフセットされた第2の位相中に、溶解された電極材料が、電極上に再堆積させられる、
請求項
21に記載の電気泳動光変調器を動作させる方法。
【請求項23】
電極が、流体と流体的に接触している、請求項21または22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体および粒子、前記粒子を移動させるための電極を備え、様々なさらなる要素を備える、透明および不透明モードの間で切り替わるため電気泳動デバイス、ならびに特に窓ブラインドとしての、それの使用の分野にある。
【背景技術】
【0002】
電子ディスプレイデバイス、および特に電気泳動ディスプレイデバイスは、一般に、帯電顔料粒子が、ピクセルの必要とされる着色を生成するために垂直方向に移動させられる、ピクセル化ディスプレイデバイスである。それの第1の手法では、白黒粒子が、カプセル化され、閉じられた空間を定義し、黒粒子は、白粒子が下方に移動すると同時に上方に移動し、またはその逆であり;したがって、白または黒粒子のいずれかが可視で、同時に他のタイプを見えないようにし;透明状態は可能ではない。顔料粒子は、それらがマイクロカプセルで囲まれているので、自由に移動することができない。顔料粒子は、比較的大きく、一般に500nm(0.5μm)よりも大きく、平均して1μm以上である。一般に使用される2つの電極は、互いの上に置かれる。切替えは電界によって実現され、粒子は、一般に帯電しているかまたは帯電可能であり;US2002/167500 A1に説明されているものなど、このタイプのディスプレイデバイスは、しばしばE-inkと呼ばれる。一般にプラスチックで作成されるマイクロカプセルは、比較的小さい(30μm)。カラーフィルタを適用することによって、色が提供され得る。着色粒子が、開発されており、相応に電気的に駆動され得る。切替えは比較的速く(300m秒以内)、安定性は良好であり(10秒超)、コントラストも良好である。層のスタックは、一般に、マイクロカプセルの本来の存在が、白または黒ステータスのいずれかにある、換言すれば、常に「色」を提供することに起因して、形成され得ない。
【0003】
代替技法では、着色粒子は、ほとんど互いとは無関係に、ピクセル全体にわたってより自由に移動することができる。着色粒子は、同じく一般に、印加された電界に起因して、ピクセルにおいて、1つのロケーションから別のロケーションに移動する。第1のロケーションは、一般に、粒子が蓄積するところであり、高い密度または濃度を有するのに対して、第2のロケーションは、粒子が、一般に一様に、広げられるDところであり、より低い濃度または密度を有し、それにより、着色の印象を提供する。しばしば蓄積エリアと呼ばれる第1のロケーションのエリアは、比較的小さい。切替えは、蓄積電極から第2のフィールド電極に粒子を移動させることによって実現される。蓄積エリアのほうへ粒子を凝集させることによって、ディスプレイの透明度は変えられる。上面図では、フィールドエリアおよび蓄積エリアは、E-ink手法と違って、互いに隣接して置かれる。
【0004】
この分野における現在の開発のさらなる詳細について、ならびに現在の技術の欠点について、最近出願されたNL2010936への参照が行われ、その参照は、明示的参照により本明細書に組み込まれる。他の技術と比較して主要な違いは、着色粒子が常に可視であることである。いくつかの詳細が、以下で提供される。
【0005】
帯電粒子の横方向の切替えの利益は、電気泳動ディスプレイデバイスが、十分に透明な状態を備え得ることである。原理上は、反射体または場合によってはバックライトの選定が可能である。
【0006】
しかしながら、電気泳動ディスプレイでは、「暗」状態において均一なピクセル吸光度を提供するのに、ならびに「明」状態において粒子を電極に固定するのに十分に精密に、電界および粒子の動き分布を制御することは、比較的困難である。
【0007】
また、上記のディスプレイにおける第1の状態から第2の状態への切替えは、比較的遅く;最近改善されたデバイスの場合でも、一般に多くの用途について遅すぎることがある。一般に、従来技術の粒子は、毎秒約0.1mm未満の速度で移動し、これは、いくつかの用途について少なくとも10倍遅すぎると考えられることが留意される。
【0008】
上記のピクセルのスタックを備え得るフルカラーディスプレイの場合、状況は、明らかに一層悪い。
【0009】
様々なピクセルレイアウトが存在することが留意される。電気泳動ディスプレイに関する問題は、特に電極の寿命である。たとえばピクセルのための安定した構成を取得することは、特に電界が提供されることを考慮して、困難であるとわかっている。加えて、良好な切替え時間および安定性を有することは、困難なままである。
【0010】
概して、電気泳動ピクセルは、モデリングに関して比較的困難であることが留意される。単純な計算、たとえば流体粘度と印加電界をリンクさせることは、実際にはうまく適用されない。そのようなことは、大手企業が、長年にわたって電気泳動ピクセルを開発することを試み不成功であったという事実に反映される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許出願公開第2002/167500号明細書
【文献】オランダ国特許出願公開第2010936号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、機能性および利点を損なうことなしに、従来技術の電子デバイスの短所を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、第1の態様では請求項1に記載の光変調器に、第2の態様では前記光変調器を備える製品に、および第3の態様では前記光変調器を動作させる方法に関する。本発明は、異なるコンディションにおいて、まったく異なる動作モードを提供し、パルスモードは、電界を印加するために使用され、良好な導電性材料を電極として用いる。本光変調器は、透明状態から少なくとも部分的に不透明な状態の間で、およびその逆に切り替わるためのものであり、不透明状態では、一般に光の>70%、たとえば>90%が、変調器を通過するのを遮られ、および透明状態では、光の大部分が通される。不透明状態では、人は、依然として、光変調器をのぞき見、それのもう1つの側にある画像を知覚することができる。光変調器は、第1および第2の基板(11、12)を備え、基板は、光学的に透明であり、一般に関連する波長において>95%透明、たとえば>99%透明である。少なくとも2つの電極13、14は、基板の内側に提供される。これらの電極は、粒子を駆動するためのものである。流体15が、前記基板の間に提供され、流体は、ナノ粒子および/またはマイクロ粒子を備え、粒子は、帯電しており、印加された電位に応じて、電極のほうへまたは電極から離れるように移動するように電界によって駆動され得る。粒子は、光を吸収するように適合され、それとともに、いくつかの波長が通過するのを妨げる。さらに、電極に電磁界を印加するための接続が提供され、使用中に、電極に印加された電磁界は、第1の電極から第2の電極への、およびその逆のナノおよびマイクロ粒子の移動を提供する。本光変調器は、電極が、100nΩm未満(273Kにおいて;比較のために、一般に使用されるITOは、105nΩmを有する)の抵抗率をもつ導電性材料を備え、これは、20゜Cにおける導電率>1*107S/mに類似する)ことを特徴とする。さらなる特徴づけとして、また、単位面積当たりの抵抗率(オームパースクエア、Ω/□)が使用され得;その場合、(273Kにおいて)80Ω/□未満、好ましくは60Ω/□未満、より好ましくは10Ω/□未満、たとえば2Ω/□未満の値が良好である。この点において;さらに、少なくとも2つの電極が、前記電極の間で横方向の電気力を提供するように適合される、すなわち、粒子が、基板に平行なほぼ水平の方向に移動するということにおいて、非常に良好な導電性材料が使用される。さらに、電力提供器が、少なくとも2つの電極と電気的に接続しており、波形電力を提供するように適合され、振幅、周波数、および位相のうちの少なくとも1つが適応可能であり、および電極は、流体と流体的に接触しており、その接触は、直接的である(流体が電極と接触している)か、または間接的である(流体が、たとえば多孔質層を通して、第2の媒体を介して電極と接触している)かであり得、および基板表面の1-30%をカバーする。驚いたことに、安定した電極が、この構成を用いて取得され、換言すれば、動作は、電極の劣化が起こることなしに、長い時間期間にわたって維持され得る。切替えが、所与の用途について許容可能であり、改善され得る。2つの状態(透明および不透明)の安定性は、優れている。本変調器は、一般に、第1のロケーション(たとえば貯蔵エリア)から第2のロケーションに移動することが可能な着色粒子を備える。それに加えて、粒子は、帯電しているかまたは帯電可能である。また、粒子は、比較的小さい、たとえば900nmよりも小さい、好ましくは400nmよりも小さい、および30nmよりも大きい、好ましくは40nmよりも大きい、たとえば60-200nmであり得る。改善された移動および制御のために、より小さい粒子が選好される。移動を与えるために、少なくとも2つの電極が提供される。本発明の場合、各基板に対して2つの電極で十分とわかっている。電極は、基板の内側にある、換言すれば、流体に向かうエリアを占有する。1つの電極は、電気的に中性な(またはグランド)電極に関し得る。着色粒子の移動を制御するために、およびデバイスにおけるステータス(透明または着色)の安定性のために、変調器に電磁界を印加するためのドライバ回路が提供され得る。
【0014】
本変調器は、電極が、(273Kにおいて)100nΩm未満の抵抗率をもつ導電性材料を備え、少なくとも2つの電極が、不透明状態に切り替わるとき、基板に平行に前記電極の間に電気力を提供するように適合され、少なくとも2つの電極が、透明状態に切り替わるとき、基板に対してある向きに前記電極の間に電気力を提供するように適合され、その向きが、基板に平行、基板に直交、基板に対して対角、およびそれらの組合せから選択され、電力提供器が、少なくとも2つの電極と電気的に接続しており、波形電力を提供するように適合され、振幅、周波数、および位相のうちの少なくとも1つが適応可能であり、および電極が、流体と流体的に接触しており、および基板表面の1-70%をカバーすることを特徴とする。これは、粒子の移動を提供する。また、ここで、変調器は、電食(electro corrosion)の有無にかかわらず安全に動作させられ得る。本変調器は、一般に、30μmよりも小さい、たとえば15μmの第1および第2の基板の間の距離を有する。それは、1つ以上のピクセル、一般に多数のピクセルを備え得、ピクセルは、大きさが変化し得る、単一の光学的に切替え可能なエンティティである。基板は、少なくとも部分的にピクセルであり得る体積を囲む。距離は、一般的な従来技術のデバイスよりもはるかに小さいことがある。横方向の移動、ならびに比較的小さい距離を可能にする本設計は、粒子の移動のはるかにより良好な制御を提供し、電界の良好な制御は、たとえば摂動などの使用される材料の欠陥にほとんど反応せず、基板をアウトラインするときの生産問題がなく、2つのステータスの良好な安定性を提供する。さらに、設計は、たとえば、電極がより長い時間期間にわたってほぼ無傷のままであるという点で、はるかによりロバストである。また、良好な光学的性質が提供される。なお一層、本設計は、以下でさらに詳述されるように、従来技術のデバイスと違って、スタッキングを可能にする。
【0015】
粒子を方々に移動させるために、適切な電界が、電極に印加され、たとえば帯電粒子を引きつけるかまたは遠ざける。そのようなことは、効果が想定されるあらゆる電極について行われ;他の部分は、電界を有しないことがある。このようにして、各個々の部分、一般にピクセルは、独立してアドレス指定され得、その結果、各個々の部分は、透明(電極16上の粒子のみが可視)モードか、または「着色」モードにあり得る。同様に、電極は、全体として、ゼロ(0)電圧にあるか、あるいは正または負の電圧にあり得、それにより、電界に寄与する。類似の様式で、電界は、時々リフレッシュされ得る。
【0016】
「光」という用語は、適用可能な場合、人間の眼に可視である波長(約380nm-約750nm)に関し得、適用可能な場合、赤外線(約750nm-1μm)および紫外線(約10nm-380nm)、ならびにそれらの副選択を含む、より広い範囲の波長に関し得る。
【0017】
本ピクセルおよびデバイスは、たとえば光コンディションを変えることに十分に適応可能であることが重要である。
【0018】
本デバイスは、その中にピクセルを備え得、そのピクセルは、換言すれば数秒以内に変えられ得る。
【0019】
本変調器では、一般に、1つのタイプ、たとえば赤色、緑色、および青色から、またはマゼンタ、シアン、およびイエローから選択される、ならびにそれらの組合せの着色粒子が存在し得る。変調器は、電界の変更時に、白(透明)から色のうちの1つに、およびその逆に変わり得る。加えて、必ずしもそうとは限らないが、黒粒子が存在し得、これは、設計をやや複雑にする。黒/透明用途の場合、黒粒子のみが、一般に存在する。
【0020】
フルカラー用途の場合、2つまたは3つの変調器のスタックが、それぞれ、たいていまたはすべての色を提供することができる。そのようなスタックは、黒または白粒子のいずれかが常に可視である場合のように、少なくともいくつかの他のレイアウトの場合、不可能と考えられ;また、たとえばヘイズ、対比、暖/寒効果、補色対比、同時対比、飽和、強度など、さらなる一般に考えられる特徴を提供するためのオプションがない。本ピクセルの場合、すべてのこれらの特徴は、極めて正確に適応させられ、制御され得る。
【0021】
黒粒子のみを備える本変調器は、高い黒コントラストを有することがわかっている。
【0022】
本デバイスは、電磁界を印加することによって(個々の)ピクセルの外観を変えるためのドライバ回路を備え得る。したがって、また、ディスプレイデバイスまたはそれの1つ以上の部分の外観が変えられ得る。
【0023】
本電子デバイスは、識別のための一意のコードを備え得る。したがって、あらゆる電子デバイスは、個々に識別され得る。
【0024】
基板、保護層などを含む本デバイスは、比較的薄くあり得、それゆえ、原理上は、たとえばデバイスのスタックに適用され得る。本ディスプレイは、0.1cm未満の厚さ、好ましくは10μm-500μmの厚さ、より好ましくは15μm-300μmの厚さ、なお一層好ましくは25μm-200μmの厚さ、たとえば50μm-100μmを有する。厚さは、たとえば適用されるデバイスの数に応じて変化し得る。したがって、(透明モードにある)本ディスプレイデバイスは、人間の眼には可視ではないか、またはほとんど可視ではない。
【0025】
また、特により小さいデバイスの場合、電源、一般にバッテリーが提供され得る。
【0026】
本発明は、IRX Technologies B.V.による前の研究および開発に部分的に依存する。その理由で、および基礎をなす技術のより良好な理解のために、最近出願された(2013年6月7日)オランダ特許出願NL2010936への参照が行われる。様々な態様、例、利点などが、原理上は、本発明に1対1で適用可能である。上記の特許出願に開示されている技術は、まだ実用に供されていないことが留意される。さらに解決されなければならい様々な障害に遭遇した。たとえば、双安定性および切替え時間が十分ではなかった。様々な他の態様、例、利点などが、原理上は、本発明に1対1で適用可能である。上記の文献の教示および例は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明は、とりわけ、従来技術を考慮して改善されたレイアウトを提供する。
【0027】
それにより、本発明は、上述の問題のうちの1つ以上に解決策を提供する。
【0028】
本説明の利点が、説明全体にわたって詳述される。
【0029】
本発明は、第1の態様では、請求項1に記載の光変調器に関する。
【0030】
光変調器の例示的な実施形態では、波形電力は、0.01-100Hzの周波数、最大振幅の5-100%の振幅の変化を特徴とし得、最大振幅は、最大電圧動作であり、0-180度の位相の変化(位相シフト)にある。インク特性に応じて、低い周波数波形(0.01-1Hz)が、光変調器透明度を増加させることがわかっている。高い周波数波形(70-100Hz)が、光変調器透明度を維持または減少させることがわかっている。低い波形振幅(20-50%)が、低い透明度レベルを維持することがわかっている。高い波形振幅(80-100%)が、高い透明度レベルを維持することがわかっている。
【0031】
光変調器の例示的な実施形態では、少なくとも2つの電極が、好ましくは両方の基板上で、互いにかみ合ったパターンを形成する。互いにかみ合ったパターンの指は、少なくとも1つの分岐、一般にそれの両側において少なくとも1つの分岐、たとえば0.01-3cmの間隔をもつ分岐をさらに備え得る。
【0032】
光変調器の例示的な実施形態では、互いにかみ合ったパターンは、規則的な2次元パターンであり、各指は、少なくとも1つの波形を備え、波形は、振幅Aおよび幅Wを有し、および指は、互いから距離dにあり、換言すれば、指は分離されている。高次画像が、基板上の電極の存在に起因して形成されることがわかっている。これらの2次画像を最小限に抑えるために、互いにかみ合った電極の指は、好ましくは、まっすぐではない(例も参照のこと)。
【0033】
光変調器の例示的な実施形態では、波形正弦波形状対称性が破られ、たとえば、波形形状の最大において、下向きの湾曲した第1の突出部が提供され、および波形形状の最小において、下向きのまたは上向きの湾曲した第2の突出部が提供される。そうすることによって、高次画像は、かなり低減される。まっすぐなパターンと比較して、輝度は、(8ビットグレースケール上で)約180から60まで減少させられる。
【0034】
光変調器の例示的な実施形態では、第1の突出部が、第2の突出部よりも大きい幅を有する。それとともに、高次画像は、なお一層低減されることがわかっている。
【0035】
光変調器の例示的な実施形態では、波形の幅Wは、50-750μm、たとえば100-500μmである。
【0036】
光変調器の例示的な実施形態では、波形の振幅Aは、10-500μm、たとえば20-400μmである。
【0037】
光変調器の例示的な実施形態では、指の間の距離dは、10-500μm、好ましくは10-100μm、たとえば20-70μmである。
【0038】
光変調器の例示的な実施形態では、第1の突出部の幅は、10-50μm、たとえば20-30μmである。
【0039】
光変調器の例示的な実施形態では、第2の突出部の幅は、10-50μm、たとえば20-30μmである。
【0040】
光変調器の例示的な実施形態では、第1の突出部の幅は、第2の突出部の幅の2-4倍である。
【0041】
光変調器の例示的な実施形態では、第1の突出部の高さhは、5-20μm、たとえば10-15μmである。
【0042】
光変調器の例示的な実施形態では、第2の突出部の高さhは、5-20μm、たとえば10-15μmである。
【0043】
光変調器の例示的な実施形態では、突出部の形態は、円形または楕円形の一部である。
【0044】
光変調器の例示的な実施形態では、波形から突出部への、およびその逆の遷移は、漸進的である。
【0045】
光変調器の例示的な実施形態では、電力提供器は、パルスを提供するように、およびその間のインターバル中にパルスを提供することを控えるように適合され、たとえば、0.1-10秒/分のパルス、および0.1-1000秒の、好ましくは5-600秒のインターバルである。
【0046】
例示的な実施形態では、光変調器は、コントローラを備え得、コントローラは、交流電流を維持するように適合され、正電流の大きさは、負電流の大きさの0.9-1.1倍、好ましくはそれの大きさの0.95-1.05倍、より好ましくはそれの大きさの0.99-1.01倍、たとえばそれの大きさの0.995-1.005倍であり、および電流に従って、電位を変化させるように適合される。
【0047】
例示的な実施形態では、光変調器は、好ましくは第1の基板の電極が、第2の基板の電極と十分に整列されるように、より好ましくは第1の基板の電極が、第2の基板の電極上に突出するように、基板を整列させるための少なくとも2つのアライメントマーカーを各基板上に備え得る。
【0048】
光変調器の例示的な実施形態では、電極は、銅、銀、金、アルミニウム、グラフェン、チタン、インジウム、およびそれらの組合せ、好ましくは銅を備える。
【0049】
光変調器の例示的な実施形態では、電力提供器は、10-100Hzの、透明状態に切り替わるためのAC周波数において動作させられる。
【0050】
光変調器の例示的な実施形態では、電力提供器は、一般に遅く移動する粒子の場合、1Hz未満、たとえば30-500mHzの、不透明状態に切り替わるためのAC周波数において動作させられる。
【0051】
光変調器の例示的な実施形態では、1つの切替えサイクル内で、電力提供器は、電力提供器が、サイクルの初期段階において、透明状態に切り替わるときの正または負の電圧において動作させられることと組み合わせて、および電力提供器が、サイクルの最終段階において、不透明状態に切り替わるときの負または正の電圧において動作させられることと組み合わせて、10-100Hzの、透明状態に切り替わるためのAC周波数において動作させられる。初期および最終段階の間では、直流の正または負の電圧は不在である。それとともに、とりわけ、良好な制御、良好な安定性、および低電力消費が実現される。
【0052】
光変調器の例示的な実施形態では、流体は、粒子上の電荷を補償するための対イオンを備える。
【0053】
例示的な実施形態では、光変調器は、温度センサーおよび/またはコントローラを備え得、温度センサーは、コントローラと接触しており、コントローラは、電力提供器と接触しており、およびコントローラは、温度センサーによって測定された温度を考慮して、電力提供器の出力を補償するように適合される。
【0054】
例示的な実施形態では、光変調器は、光変調器のスタックを備え得、光変調器の数は、2-10、好ましくは3-5からである。スタック中の各変調器は、異なる着色粒子、およびそれらの(異なる)混合物を備え得る。それとともに、フルカラーデバイスが提供され得る。それの例では、第2の変調器の第1の基板と第1の変調器の第2の基板とは、同じであり、換言すれば、1つの基板に組み合わせられる。そのようなことは、本デバイスの大きな利点であり、それとともに、スタック中の基板の数を低減し、コントラストおよび透明度を改善し、複雑さを低減する。例では、流体は透明である。上記の例は、全体的にまたは部分的に組み合わせられ得る。
【0055】
光変調器の例示的な実施形態では、随意に、第1の光変調器の少なくとも1つの基板11、12は、少なくとも1つの第2の光変調器の基板11、12と同じである。
【0056】
光変調器の例示的な実施形態では、電極は、各々個々に、1-30μm、好ましくは3-10μm、たとえば5-8μmの幅を有する。
【0057】
光変調器の例示的な実施形態では、電極は、各々個々に、0.1-200μm、好ましくは1-25μm、より好ましくは1.5-15μm、たとえば2-5μmの厚さを有する。
【0058】
光変調器の例示的な実施形態では、電極は、(273Kにおいて)30nΩm未満、好ましくは20nΩm未満の抵抗率をもつ導電性材料を備える。
【0059】
光変調器の例示的な実施形態では、スペーサが、第1および第2の基板の間に提供され、好ましくは1-10000/mm2、たとえば5-100/mm2である。例では、第1および第2の基板は、2-30μm、好ましくは14-16μm、たとえば15μmの直径を有する(ガラス)ビーズによって離間される。ランダムに分布したビーズ、好ましくはガラスビーズまたはポリマービーズは、極めて精密に基板の間の距離を定義し、強度および可撓性を提供し、着色粒子の移動をほとんど妨害しない。ビーズは、それらの大きさの極めて均一な分布が取得されるように作られ得、たとえば0.1μmよりも良好な精度をもつ。ビーズの平均体積は、全体積と比較して0.1-15vol.%であり、換言すれば、それらは、小体積のみを占有する。ビーズは、着色されているかまたは黒であり得る。
【0060】
光変調器の例示的な実施形態では、電極は、基板表面の2-30%、好ましくは3-20%、より好ましくは4-10%、たとえば5-8%をカバーする。
【0061】
光変調器の例示的な実施形態では、対イオンは、硫酸塩、塩化物、臭化物、およびそれらの組合せから選択される。
【0062】
光変調器の例示的な実施形態では、電位は、-60-+60V、好ましくは-20-+20V、より好ましくは-15-+15Vの間にある。第1および第2の電極の間の小さい距離を考慮して、電界(V/μm)は、従来技術のデバイスと比較してはるかに高く、一般に5-20倍高いことが留意される。流体挙動は、たとえば流れおよび切替え時間に関して、より高い電圧においてより良好であることがわかっている。粒子電荷を安定させることが選好される。したがって、たとえばフィールド電極上の分布を考慮して、より良好な性能、およびより速く、より良好に制御可能な切替え時間が実現される。
【0063】
光変調器の例示的な実施形態では、電流は、-100-+100μA、好ましくは-30-+30μA、より好ましくは-25-+25μAの間にある。
【0064】
光変調器の例示的な実施形態では、基板材料は、ガラスおよびポリマーから選択される。
【0065】
光変調器の例示的な実施形態では、ナノ粒子/マイクロ粒子は、顔料上にコーティングを備え得、好ましくはコアを備える。
【0066】
光変調器の例示的な実施形態では、基板(11、12)は整列させられ、および/または電極(13、14)は整列させられる。
【0067】
光変調器の例示的な実施形態では、流体は、15未満の誘電率をもつ無極性流体、たとえば、分岐または無分岐(unbranched)C8-C60アルカン、分岐または無分岐C8-C60アルケン、分岐または無分岐C6-C60アルコール、分岐または無分岐C6-C60アルカノール、分岐または無分岐C8-C60ケトン、分岐または無分岐C8-C60アルデヒド、シリコンオイル、およびそれらの組合せである。高級アルカン、アルケン、アルコール、アルカノール、ケトン、およびアルデヒドの場合、分岐分子が選好される。例は、スクアラン(C30H62)およびスクアレン(C30H60)である。
【0068】
光変調器の例示的な実施形態では、ナノ粒子の大きさは、20-1000nm、好ましくは20-300nm、より好ましくは200nm未満からである。粒子の直径は、それの境界に接する2つの対向する平行線の間に形成され得る最大距離であるように本明細書で定義される。これらの粒子は、本(フィールド)電極上で粒子の良好な分布を提供することがわかっている。印加されるべき電磁界を考慮して、本粒子は、帯電可能であるかまたは帯電している。同様に、磁性粒子が使用され得る。安定した分散を提供することが選好され;したがって、上記の大きさが選好される。粒子の大きさは、それの平均直径の尺度であると考えられる。光散乱が、たとえばMalvern Zetasizer Nano Rangeを使用して、粒子の大きさの分布を決定するために使用され得る。より小さい粒子は、ピクセルの本特性にかなり帰することがさらにわかっている。
【0069】
概して、本変調器の反射率は高く、一般に50%超が反射される。その結果、黒粒子の場合、>65%の透過率が実現され、高性能変調器の場合、71%以上の値が実現される。着色粒子(たとえばCMY)の場合、>80%の透過率が容易に実現可能であるのに対して、>85%あるいは>90%のレベルさえ到達された。特に、スタッキングされた変調器を考慮して、そのようなことは、極めて重要である。
【0070】
例では、開いた(非電極)エリアは、70%超、たとえば80%、好ましくは90%超透明であり;一般に、透明度は、550nmの波長において決定される。開いたエリアは、基板、たとえばガラスおよび好適なポリマー、たとえばポリカーボネート(パースペックス)およびPETで作成され得る。材料は、0.01mm-2mm、好ましくは0.025mm-1mm、たとえば0.05-0.5mmの厚さを有し得る。可撓性ピクセルおよび/またはディスプレイが必要とされる場合、薄い材料を使用することが選好される。ある程度の強度が必要とされる場合、より厚い材料が選好される。そのような透明度の場合、エネルギー消費は、さらに一層低減され得ることがわかっている。そのようなことは、たとえば、使用、負荷デバイスの低減された必要性、より小さい電荷貯蔵デバイスなどに関して、巨大な利点を提供する。特に、電力グリッドが利用可能でないとき、そのようなことは高く評価されよう。
【0071】
例では、変調器は、可撓性ポリマー中に提供され得、デバイスの残りは、ガラス中に提供され得る。ガラスは、剛性ガラスまたは可撓性ガラスであり得る。必要とされる場合、保護層が提供される。2つ以上の色が提供される場合、可撓性ポリマーの2つ以上の層が提供され得る。ポリマーは、ポリエチレンナフタレート(PEN)、(随意にSiN層を有する)ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)などであり得る。さらなる例では、デバイスは、少なくとも1つの可撓性ポリマー中に提供され得る。したがって、変調器は、たとえば接着剤を使用することによって、任意の表面に取り付けられ得る。
【0072】
光変調器の例示的な実施形態では、粒子は、10nm-1mm、たとえば400-800nm、700nm-1μm、および10-400nmの波長をもつ光を吸収するように適合され、および/または10nm-1mm内に入る波長範囲をもつ光の一部を吸収するように適合され(フィルタ)、ならびにそれらの組合せである。
【0073】
光変調器の例示的な実施形態では、第1および第2の基板の間の距離は、500μmよりも小さい、好ましくは200μmよりも小さい、好ましくは100μm未満、なお一層好ましくは50μm未満、たとえば30μm未満である。
【0074】
光変調器の例示的な実施形態では、電極は、粒子を貯蔵するためのものである。
【0075】
光変調器の例示的な実施形態では、粒子上の電荷は、粒子当たり0.1eから10e(5*10-7-0.1C/m2)である。
【0076】
光変調器の例示的な実施形態では、粒子のコーティングは、導電性および半導体材料から選択される材料から作成される。
【0077】
光変調器の例示的な実施形態では、流体は、1-1000g/m2、好ましくは2-75g/m2、より好ましくは20-50g/m2、たとえば30-40g/m2の量で存在する。本レイアウトの場合、はるかにより少ない流体、および同様に粒子が使用され得ることが大きな利点である。
【0078】
光変調器の例示的な実施形態では、粒子は、0.01-70g/m2、好ましくは0.02-10g/m2、たとえば0.1-3g/m2の量で存在する。
【0079】
光変調器の例示的な実施形態では、粒子は、シアン、マゼンタ、およびイエローから、ならびに黒および白から選択される色、ならびにそれらの組合せを有する。
【0080】
光変調器の例示的な実施形態では、流体は、界面活性剤、乳化剤、極性化合物、および水素結合を形成することが可能な化合物のうちの1つ以上を備える。
【0081】
光変調器の例示的な実施形態では、流体は、100未満、好ましくは10未満、たとえば5未満の比誘電率εrを有する。
【0082】
光変調器の例示的な実施形態では、0.5Pa*s未満、好ましくは100mPa*s未満、たとえば0.2-10mPa*sから、たとえば0.5-5mPa*s、たとえば1-2mPa*sの動的粘度、好ましくは1mPa.s未満の動的粘度。
【0083】
光変調器の例示的な実施形態では、光変調器は、10-8-50ピクセル/mm2、好ましくは10-6-16ピクセル/mm2、より好ましくは5*10-4-1ピクセル/mm2、なお一層好ましくは1*10-3-0.11ピクセル/mm2を備える。
【0084】
光変調器の例示的な実施形態では、コントローラは、個々のピクセルを切り替えるように適合される。
【0085】
光変調器の例示的な実施形態では、電力提供器は、複合AC/DC提供器である。
【0086】
例示的な実施形態では、光変調器は、時間変化する電磁界を提供するように適合されるドライバ回路を備え得る。
【0087】
光変調器の例示的な実施形態では、波形電力は、0.01-100Hzの周波数、最大振幅の5-100%の振幅の変化を特徴とし、最大振幅は、最大電圧動作であり、0-180度の位相の変化(位相シフト)にある。
【0088】
第2の態様では、本発明は、本発明による光変調器を備える製品に関し、製品は、窓ブラインド、サイネージシステム、屋外ディスプレイ、電子ラベル、2次スクリーン、スマートグラス、カラーパネル、およびスクリーンから選択される。
【0089】
第3の態様では、本発明は、電界を印加すること、電極から流体のほうへ粒子を移動させること、逆方向電界を印加し、電極のほうへ、広がった粒子を移動させること、-220Vから+220Vの間の電位、および-100μAから+100μAの間の電流をもつ交流を使用することであって、2つの位相の間の電子消費が、実質的に等しく、それにより、正および負の電流フローを平衡させる、ことを備え、第1の位相中に、電極材料が、流体中で部分的に溶解され、および第1の位相+180度中に、溶解された電極材料が、電極上に再堆積させられる、本光変調器を動作させる方法に関する。そのようなことは、一般に、たとえば電位だけが制御され、平衡させられるが、平衡化に注意が払われない従来技術のデバイスの場合にはあてはまらない。
【0090】
本方法の例示的な実施形態では、溶解された電極は、反対に帯電した電極上に堆積させられ、よって、材料は、(最初に材料を与えたものと比較して)別の電極上に堆積させられ得る。
【0091】
本発明は、本質の例示的で説明的なものであり、本発明の範囲を限定しない、添付図および例によってさらに詳述される。当業者には、本特許請求の範囲によって定義される保護の範囲内に入る、明らかであるかまたはそうではない多くの変形態が考えられ得ることが、明らかであり得る。
【0092】
本発明は、詳細な説明的コンテキストにおいて説明されたが、添付の例および図とともに最も良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【
図2a】上部および下部基板からの互いにかみ合った電極を示す図である。
【
図2b】上部および下部基板からの互いにかみ合った電極を示す図である。
【
図2c】上部および下部基板からの互いにかみ合った電極を示す図である。
【
図2d】上部および下部基板からの互いにかみ合った電極を示す図である。
【
図2e】上部および下部基板からの互いにかみ合った電極を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0094】
図において:
10 光変調器
11 第1の基板
12 第2の基板
13 第1の電極
14 第2の電極
15 流体
21 第1の突出部
22 第2の突出部
30 ナノ粒子/マイクロ粒子
A 波形の振幅
d 指の間の距離
w 波形の幅
【0095】
図1aは、光変調器の側面図を示す。第1の時点、P1、において「オン状態」にデバイスを切り替えるために、電位+V1が、上部基板上の各マイクロワイヤ電極に印加され、負の電圧が、下部プレートの各マイクロワイヤ電極に印加される。第1の時点、P1、では、電位の差が、粒子が、上部基板のマイクロワイヤ電極の近傍に流れることを引き起こし、ここで、粒子は、上部マイクロワイヤ電極と実質的に整列する。基板の間で、上部銅マイクロワイヤ電極からの銅イオンは、ディスプレイまたはスマートウィンドウのイオン液体中で溶解されており、溶解された銅イオンは、下部基板の対応する整列された銅マイクロワイヤ電極に漸次流れ、ここで、銅イオンは、下部基板の整列された銅マイクロワイヤ電極上に漸次堆積する。
【0096】
「オン状態」の第2の時点、P2、では、上部電極銅マイクロワイヤおよび下部電極銅マイクロワイヤの電圧は、P1の時点とは対照的に反転させられる。時点、P2、では、上部基板の各マイクロワイヤ電極の電圧は、次に、負電位-V1を供給され、下部基板の整列された銅マイクロワイヤの電圧は、正電位を供給される。電位の差が、ウィンドウまたはディスプレイの粒子が、下部基板の銅マイクロワイヤ電極の近傍に流れることを引き起こし、ここで、粒子は、凝集し、下部マイクロワイヤ電極と実質的に整列する。基板の間で、下部銅マイクロワイヤ電極からの銅イオンは、ディスプレイまたはスマートウィンドウのイオン液体中で溶解され、溶解された銅イオンは、上部基板の対応する整列された銅マイクロワイヤ電極に漸次流れ、ここで、銅イオンは、上部基板の整列された銅マイクロワイヤ電極上に漸次堆積する。平衡電解電流が、上部および下部電極銅マイクロワイヤの極性を連続的に切り替えることによって取得される。2つの時点の間で、2つの基板の間の腐食電流は、平衡させられるかまたは実質的に(>95%)平衡させられ、換言すれば、上部プレートの電極の腐食レートが起こるので、時間の各時点、P1の間で、下部電極上での銅の平衡をとる堆積があり、時点P2においてその逆がある。それゆえ、粒子は、上部および下部電極の間で連続的に遷移または移行しており、ディスプレイまたはスマートウィンドウは、常にオン状態にあり、上部および下部電極の間の動的電解電流は、一定であり、これにより、上部および下部基板上の銅電極マイクロワイヤ材料の損失はないか、または正味の損失は無視できるほどである。
【0097】
電極は、ポリマーベース基板中に埋め込まれた銅で作成されたマイクロワイヤの形態にあり得る。デバイスの動作中に、電気化学電流が、1つの端部における銅イオンの溶解、および他端部への銅イオンの移行を用いて、2つの基板の間でディスプレイを通して作られる。ディスプレイを駆動するために、2つの基板の間の新しい電極構成が、2つの基板の間で銅電極溶解と銅電極堆積との平衡を達成するために必要とされ、換言すれば、ディスプレイを通って流れる電流の平衡が必要とされる。課題は、どのように、電気化学電流の平衡を維持しながらディスプレイを切り替えるかにある。これは、ディスプレイの電極構成の新しい設計によって実現され得る。
【0098】
「オフ状態」を達成するために、上部および下部基板は、「オン状態」について上記のように配置される。しかしながら、上部基板上で、時点P3、(
図1b)、において、
図1b中に示されているように、第1の銅マイクロワイヤに印加される電位は+V2であり、次のすぐ隣の近接するマイクロワイヤは、反対の電位-V2を有するなどである。これは、同じ基板上に交流電圧を作り出す。類似的に、
図1b中に示されているように、下部基板の各銅マイクロワイヤ電極は、上部基板のそれの直接的に対向するカウンターパートマイクロワイヤ電極と同じ電位を有する。粒子は、上部および下部基板の間で対角方向におよび横方向に移行し、ディスプレイの可視の開口への粒子の拡散は、ディスプレイの閉じられた不透明な状態に寄与する。並行して、銅イオンは、同じ基板上の正電位を有する上部銅マイクロワイヤ電極における溶液に入り、イオンは、下部銅マイクロワイヤ電極に漸次流れる。移行する銅イオンは、負電位を有するマイクロワイヤ上に再堆積する。
【0099】
時点T4(
図1c)において、電圧は、
図1bとは対照的に交替される。
図1c中に示されているように、上部基板の第1の銅マイクロワイヤに印加される電位は-V2であり、次のすぐ隣の近接するマイクロワイヤは、反対の電位+V2を有するなどである。これは、同じ基板上に交流電圧を作り出す。類似的に、
図2b中に示されているように、下部基板の各銅マイクロワイヤ電極は、上部基板のそれの直接的に対向するカウンターパートマイクロワイヤ電極と同じ電位を有する。並行して、銅イオンは、同じ基板上の正電位を有する下部銅マイクロワイヤ電極における溶液に入り、イオンは、上部銅マイクロワイヤ電極のほうへ漸次流れる。移行する銅イオンは、正電位を有するマイクロワイヤ上に再堆積する。AC駆動サイクルは、
図2a-
図2e中の平面図中に示されている、上部および下部電極構成を組み合わせる互いにかみ合った線構成を使用することによって実装され得る。
【0100】
上部および下部基板の間のこのAC駆動サイクルを使用することによって、対角および横方向の電界が、2つの基板の間で生成され、それにより、粒子のでたらめな拡散を引き起こし、それにより、ディスプレイの閉じられた状態を作り出す。電食プロセスが、ディスプレイまたはスマートウィンドウのAC駆動の場合、オフ状態においても動的に起こる。ディスプレイまたはスマートウィンドウを駆動するために、2つの基板の間の新しい電極構成が、ディスプレイ液体中の銅電極溶解と2つの基板上での銅電極堆積との平衡を達成するために必要とされ、換言すれば、ディスプレイを通って流れる電流の平衡が必要とされる。課題は、どのように、ディスプレイまたはスマートウィンドウを通る電気化学電流の平衡を維持しながらディスプレイを切り替えるかにある。これは、ディスプレイの電極構成の新しい設計によって実現され得る。これは、
図1a中に示されている構成によって実現される。上部基板上に配置された導電金属電極パターン、たとえばマイクロワイヤメッシュは、下部基板上の導電金属電極パターンと完全にまたは実質的に整列される。導電金属電極パターンは、ガラス基板上に堆積させられ得るか、またはマイクロワイヤメッシュは、プラスチック基板中に埋め込まれ得る。
【0101】
図2eを考慮して、以下は、そのような電極パターンを作り出すことの例である。その中で、各電極設計は、繰り返されている2本の平行線から構成される。2本の特定の平行線は、同じ正弦波曲線によって開始される。いわゆるRhine1設計は、振幅340μmおよび340μmの波長の正弦波曲線で作成される。Rhine2プロジェクトは、振幅340μmおよび640μmの波長の正弦波曲線で作成される。線のギャップは、一般に、70μmに設定される。そして、各曲線について、正弦波曲線のピークが、(99.9%の許容差をもって)検出される。それらの座標(角度0および角度180におけるピーク、最も低いピークおよび最も高いピークに対応する2つのx座標)から、4つの基準:S1、S2、S3およびS4が使用される。
2つの曲線のうちの第1の曲線上で:
- S1は、高いピークのx座標に回復するためのμmの数に対応し、
- S2は、高いピークのx座標に加えるためのμmの数に対応し、
- S3は、低いピークのx座標に回復するためのμmの数に対応し、
- S4は、低いピークのx座標に加えるためのμmの数に対応する。
【0102】
第1の曲線上のS1-S2とS3-S4との間の正弦波曲線の部分のみが、正弦波曲線の振幅の下方へ向く楕円形形状で置き換えられる。第2の平行正弦波曲線について、類似の手法が使用される。S1、S2、S3およびS4の値は、再利用されるが、ここで、別様に帰され、以下の通りである:
- S2は、高いピークのx座標に回復するためのμmの数に対応し、
- S3は、高いピークのx座標に加えるためのμmの数に対応し、
- S1は、低いピークのx座標に回復するためのμmの数に対応し、
- S4は、低いピークのx座標に加えるためのμmの数に対応する。この手法は、可能性の数を限定するために使用され、よりランダム化されたシステムを算出するための可能性を我々に与えた。
【0103】
楕円形形状は、図中では下方に向いている。正弦波曲線内に常に楕円形形状を向けることも可能である。1000×1000μmのパターン線画像が、上述のルールに従って作り出される。線が、開いた状態をシミュレートするために、白い背景上に黒でプロットされる。FFT機能(高速フーリエ変換)が、各画像に適用される。その後、フィルタが、FFT画像上に適用される。180を下回るあらゆるピクセル値は、0、すなわち、黒に設定される。次いで、8ビットスケール上の上回るあらゆる値は、前の値を180-256スケールの一部と考える、新しい0-256スケール内の値の比で置き換えられる。これは、回折パターンを明らかにする。正方形画像FFTの中心は、「初期画像」を表し、したがって、このピクセルも0に設定される。次いで、FFT画像ヒストグラムが分析され、見られる主要な基準は、その画像中の最も高いグレー値である。グレー値が高いほど、回折効果は強くなる。したがって、次いで、この最大グレー値に従って、すべてが設計され、すべてが分類される。
【0104】
電極の1つのセットに加えられ得る電気信号を表す概略図が、
図3a-
図3c中に示されている。互いにかみ合ったシステム上の他の電極セットは、反対の波形を有する。波形は、次の3つの異なる位相から構成される:
- P1:開位相
- P2:開状態を維持する位相
- P3:閉位相。
【0105】
インク性質に応じて、P1位相は、様々なやり方:(速いインクの場合)DCモードにおける電位の増加または(遅いインクの場合)高周波AC信号(>10Hz)で印加され得る。
【0106】
P2位相は、インク安定性と対応する限定的な時間の量の間中断されることもあり得る高周波信号(>10Hz)から構成される。その位相中に、電位は、P1位相と比較して低減され得る。実際、電極に粒子を持ってくることは、高い電圧を必要とし得る(電極からさらに離れている粒子に対して十分な電界力を作り出す必要性)。粒子が電極の近くにあるとき、より低い電位が、粒子に対して同じ引力を局所的に取得するために印加され得る。
【0107】
P3位相は閉位相である。遅いインクの場合、低周波AC信号(1Hz未満)が印加され得る。また、電位は、対向する電極まで粒子を進めることが必要とされないので、P1と比較して低減される。速いインクについておよびP1 DCの場合、閉は、電流の平衡を維持するために、P1位相の正反対になる。
【0108】
商用用途の場合、本システムの1つ以上の変形形態を使用することが好ましいことがあり、これは、本出願で開示されるものに類似し、本発明の趣旨内にあることを諒解されたい。