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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】RFコイルアセンブリ及びMRI装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
A61B5/055 355
A61B5/055 350
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021565796
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2020061456
(87)【国際公開番号】W WO2020224991
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】19182833.4
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/085661
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】デン ウェン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ビン
(72)【発明者】
【氏名】ハービー ポール ロイストン
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-330795(JP,A)
【文献】特開2008-161404(JP,A)
【文献】特開2012-213581(JP,A)
【文献】米国特許第07526330(US,B1)
【文献】米国特許第08587311(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0007250(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0057528(US,A1)
【文献】国際公開第2018/097863(WO,A1)
【文献】米国特許第6577888(US,B1)
【文献】特開2001-104280(JP,A)
【文献】特表2008-543406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の剛性フレームと、
前記第1の剛性フレームから延在し、前記第1の剛性フレームに取り付けられる第1の端部と、前記第1の剛性フレームから離れている第2の端部とを有する、可撓性コイルとを備える、MRIのためのRFコイルアセンブリであって、
前記可撓性コイルは、本質的に平坦な形状において、前記第1の端部と、前記第1の端部の反対の前記第2の端部と、前記第1の端部から前記第2の端部の方へ延在する長手方向軸とを有し、前記可撓性コイルの前記第1の端部が前記第1の剛性フレームに取付けられるとき、前記可撓性コイルが屈曲され、対象者のMRIによる撮像領域の形状と合致するように前記第1の剛性フレーム、及び前記第1の剛性フレームから延在する前記可撓性コイルによって一緒に画定される前記RFコイルアセンブリの形状を形成する、RFコイルアセンブリ。
【請求項2】
前記RFコイルアセンブリの形状が、前記対象者の前記撮像領域の凸状輪郭と合致する凹状輪郭と、前記対象者の前記撮像領域の半管状輪郭と合致する半管状輪郭とを備える、請求項1に記載のRFコイルアセンブリ。
【請求項3】
前記対象者の前記撮像領域が、肩、足首及び頭部の前部のうちのいずれかを含む、請求項1に記載のRFコイルアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の剛性フレームが、頭頂部の前部の形状と合致する形状であり、前記可撓性コイルが、前記第1の剛性フレームへの取付けのときに頭部の前記前部の他の部分の形状と合致する形状を形成するように屈曲される、請求項1に記載のRFコイルアセンブリ。
【請求項5】
前記可撓性コイルが、前記第1の剛性フレームへの前記可撓性コイルの前記第1の端部の取付けのとき、第1の屈曲領域では実質的に凹状輪郭に、第2の屈曲領域では実質的に半管状輪郭に屈曲され、前記第2の屈曲領域が、前記第1の端部から間隔をあけられており、前記第1の屈曲領域が、前記第1の端部から前記第2の屈曲領域まで延在する、請求項1に記載のRFコイルアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の端部が、第1の屈曲軸及び第2の屈曲軸に沿った屈曲の結果として湾曲され、前記第1の屈曲軸が、前記長手方向軸に対して平行であり、前記第2の屈曲軸が、前記長手方向軸に対して垂直であって前記第1の端部に近接しており、前記第2の端部が、前記第1の屈曲軸に沿った屈曲の結果として湾曲され、前記可撓性コイルの前記第1の端部に近接する両側部の一部分が、前記第2の屈曲軸に沿った屈曲の結果として湾曲され、湾曲屈曲線が、前記第2の屈曲軸に沿った屈曲の結果として前記可撓性コイルに形成され、前記第1の屈曲領域が、湾曲した前記第1の端部、前記両側部の湾曲した前記一部分及び前記湾曲屈曲線によって範囲が定められ、前記第2の屈曲領域が、前記湾曲屈曲線、前記両側部の直線部分及び湾曲した前記第2の端部によって範囲が定められる、請求項5に記載のRFコイルアセンブリ。
【請求項7】
前記可撓性コイルが、可撓性プリント回路基板と、筐体とを備え、前記可撓性プリント回路基板が、前記筐体で部分的に覆われているが、前記筐体からは前記可撓性プリント回路基板の第1の露出部分が突出しており、前記可撓性プリント回路基板の前記第1の露出部分が、前記第1の剛性フレームに取り付けられる、請求項1に記載のRFコイルアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の剛性フレームが、前記第1の露出部分を保持するように一緒にバックル留めされる第1の部品と第2の部品とを備え、前記第1の部品が、前記第2の部品の方に向く側に凸状面を有し、複数の位置決めスタッドが、前記凸状面から突出しており、複数の位置決め孔が、前記可撓性プリント回路基板の前記第1の露出部分に形成され、前記位置決めスタッドが、前記可撓性プリント回路基板の前記第1の露出部分のそれぞれの前記位置決め孔を貫通し、前記凸状面の輪郭、並びに、前記凸状面における位置決めスタッド及び前記第1の露出部分における前記位置決め孔の分布は、前記可撓性コイルが、前記第1の
端部近くでは凹状輪郭を有し、前記可撓性コイルの残りの部分では半管状輪郭を有するようになされる、請求項7に記載のRFコイルアセンブリ。
【請求項9】
前記可撓性コイルの前記第2の端部に取り付けられた第2の剛性フレームをさらに備える、請求項1に記載のRFコイルアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の部品と前記第2の部品との間に収容された制御盤と前置増幅器とをさらに備える、請求項に記載のRFコイルアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の剛性フレームを支持体に取外し可能にヒンジ連結するヒンジ機構をさらに備える、請求項1に記載のRFコイルアセンブリ。
【請求項12】
前記ヒンジ機構が、枢動シャフトをそれぞれ有する一対の可動ブロックと、前記可動ブロックを互いに遠ざけるように前記可動ブロックに作用するばねと、前記枢動シャフトを引っ込めるように前記可動ブロックを互いに近づけるように前記可動ブロックに当接する作動プレートとを備える、請求項11に記載のRFコイルアセンブリ。
【請求項13】
前記RFコイルアセンブリは一緒に頭部コイルアセンブリを形成するようにベースコイルアセンブリに取外し可能にヒンジ連結することができ、
前記ベースコイルアセンブリは、前記RFコイルアセンブリが閉位置にあるときに前記RFコイルアセンブリの前記可撓性コイルを支持する一対の支持リブを備える、請求項11に記載のRFコイルアセンブリ。
【請求項14】
前記第2の端部が可撓性を有し、前記一対の支持リブ同士の間の空間内へと前記可撓性コイルを枢動させるように前記第2の端部で前記可撓性コイルの両側部が互いの方に向けて加圧され得る、請求項13に記載のRFコイルアセンブリ。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のRFコイルアセンブリを備える、MRI装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RF(無線周波数)コイルアセンブリに関する。より詳細には、本発明は、磁気共鳴撮像(MRI)装置に使用されるように適合されたRFコイルアセンブリに関する。本発明はさらに、RFコイルアセンブリを備えたMRI装置に関する。
【背景技術】
【0002】
RFコイルアセンブリは、MRI装置に使用される。軽量であり、対象者の腹部などの領域でのMRF走査に使用される「平坦な」コイルアセンブリに加えて、非平坦形態を取る「湾曲した」コイルアセンブリがある。「湾曲した」コイルアセンブリは、典型的には、コイルアセンブリを所望の構成で保持するために可撓性コイルを取り囲む硬質プラスチックハウジングを有する。「湾曲した」コイルアセンブリは、対象者の、実質的に平坦なコイルアセンブリが適さない頭部、肩又は足首などの領域でのMRI走査に使用される。この類の「湾曲した」コイルアセンブリは、通常、扱いにくくかなり重い。特定の対象者に必要とされる「湾曲した」コイルアセンブリのサイズ及び形状が利用できない場合、その対象者の「湾曲した」コイルアセンブリを取り替えるのには時間がかかることがある。加えて、異なる「湾曲した」コイルアセンブリは、通常、対象者の頭部、肩又は足首などの異なる「湾曲した」領域について必要であり、費用の増加だけでなく、結果的に、「湾曲した」コイルアセンブリの保管及び管理が困難になる。
【0003】
米国特許出願公開第2008/007250A1号には、撮像される解剖学的構造の輪郭の形状をした基板上に支持される多数の別個のコイル要素からなるMRIのRFコイルアレイが記載されている。しかし、輪郭に合った基板、及びコイルアレイを基板表面に配置するために輪郭に合った基板の表面に描かれた多角形タイル(tiles)のアレイが必要となり、その結果、コイルアレイの製造が複雑になり、さらに、解剖学的構造へのコイルアレイの配置及び締結が厄介になる。米国特許第7526330B号には、剛性の下側支持構造及び上側支持構造によってそれぞれ支持される上下一対のRFコイルを含むヒトの頭部の撮像部品のためのRFコイルが記載されている。WO2019/097863A1には、硬質プラスチックハウジングを含むRF頭部コイルのミラーアセンブリが記載されている。
【0004】
したがって、既知の非平坦な「湾曲した」コイルアセンブリの改善が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来のコイルアセンブリより軽く、撮像されるべき異なる対象者の領域により良好に適合するだけでなく、撮像されるべき対象者の異なる「湾曲した」領域にも適用可能である、非平坦な「湾曲した」コイルアセンブリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、第1の剛性フレームと、第1の端部、第1の端部の反対の第2の端部及び第1の端部から第2の端部の方へ延在する長手方向軸を有する本質的に平坦な形状の可撓性コイルとを備える、RFコイルアセンブリが提供される。可撓性コイルの第1の端部は、第1の剛性フレームに取り付けられ、第2の端部は、第1の剛性フレームから離れている。第1の剛性フレームは、第1の剛性フレームへの可撓性コイルの第1の端部の取付けのとき、可撓性コイルを屈曲させて対象者の複数の輪郭を含む領域の形状と合致するRFコイルアセンブリの形状を形成するような形状である。本発明によれば、RFコイルアセンブリは、より軽く、異なる対象者の領域により良好に適合するだけでなく、対象者の異なる「湾曲した」領域に適用可能な多目的コイルアセンブリとしても使用される。さらに、剛性フレームに取り付けられる可撓性コイルからなるRFコイルアセンブリは、所望の形状を取ることができ、可撓性コイルを身体領域に取り付けるオペレータが所望の形状を完成させなければならない代わりに、即座の使用のために、所望の形状に維持され得る。したがって、RFコイルアセンブリの配置及び締結は、従来の可撓性コイルに比べてより簡単で、より迅速になり、MRI走査の作業の流れが向上する。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、RFコイルアセンブリの形状は、対象者の領域の凸状輪郭と合致する凹状輪郭と、対象者の領域の半管状輪郭と合致する半管状輪郭とを備える。本発明の他の実施形態によれば、対象者の領域は、肩、足首及び頭部の前部のうちのいずれかを含む。有利には、第1の剛性フレームへの可撓性コイルの取付けの結果として形成される可撓性コイルの凹状輪郭部分と半管状輪郭部分とは、対象者の多数の領域と合致することができ、したがって多目的のRFコイルアセンブリが実現する。RFコイルアセンブリの得られる形状は、頭部、肩及び足首のような走査領域は凸状輪郭及び半管状輪郭を含む類似のパターンの輪郭を呈する、という観察から着想される。凹状輪郭部分及び半管状輪郭部分を含むRFコイルアセンブリは、そのような輪郭パターンの走査領域と合致するように設計される。さらに、剛性フレームは、従来の可撓性コイルに比べて、RFコイルアセンブリのより簡単でより迅速な配置を可能にする。
【0008】
本発明の他の実施形態によれば、第1の剛性フレームの形状は、頭頂部の前部の形状と合致し、可撓性コイルは、第1の剛性フレーム(3)への可撓性コイルの取付けのときに頭部の前部の他の部分の形状と合致するように屈曲される。このように、第1の剛性フレームは、対象者の快適さを向上させるように対象者の頭頂部の前部に適合することができ、フレームが剛性であることで、身体領域へのRFコイルアセンブリの簡単な配置が可能になる。
【0009】
本発明の他の実施形態によれば、可撓性コイルは、第1の剛性フレームへの可撓性コイルの第1の端部の取付けのとき、第1の屈曲領域では実質的に凹状輪郭に、第2の屈曲領域では実質的に半管状輪郭に屈曲され、第2の屈曲領域は、第1の端部から間隔をあけられ、第1の屈曲領域は、第1の端部から第2の屈曲領域まで延在する。
【0010】
本発明の他の実施形態によれば、第1の端部は、第1の屈曲軸及び第2の屈曲軸に沿った屈曲の結果として湾曲され、第1の屈曲軸は、長手方向軸に対して平行であり、第2の屈曲軸は、長手方向軸に対して垂直であり第1の端部に近接しており、第2の端部は、第1の屈曲軸に沿った屈曲の結果として湾曲され、可撓性コイルの第1の端部に近接する両側部の一部分は、第2の屈曲軸に沿った屈曲の結果として湾曲され、湾曲屈曲線は、第2の屈曲軸に沿った屈曲の結果として可撓性コイルに形成され、第1の屈曲領域は、湾曲した第1の端部、両側部の湾曲した部分及び湾曲屈曲線によって範囲が定められ、第2の屈曲領域は、湾曲屈曲線、両側部の直線部分及び湾曲した第2の端部によって範囲が定められる。
【0011】
本発明の他の実施形態によれば、可撓性コイルは、発泡体で部分的に覆われた可撓性プリント回路基板を備え、発泡体からは可撓性プリント回路基板の第1の露出部分が突出しており、可撓性プリント回路基板の第1の露出部分は、第1の剛性フレームに取り付けられる。その結果、RFコイルアセンブリは、簡単に組み立てることができるようになる。
【0012】
本発明の他の実施形態によれば、第1の剛性フレームは、第1の露出部分を保持するように一緒にバックル留め(buckled)される第1の部品と第2の部品とを備える。第1の部品は、第2の部品の方に向く側に凸状面を有し、複数の位置決めスタッドは、凸状面から突出しており、複数の位置決め孔は、可撓性プリント回路基板の第1の露出部分に形成され、位置決めスタッドは、可撓性プリント回路基板の第1の露出部分のそれぞれの位置決め孔を貫通し、凸状面の輪郭、並びに凸状面における位置決めスタッド及び第1の露出部分における位置決め孔の分布は、可撓性コイルが、第1の端部近くでは凹状輪郭を、可撓性コイルの残りの部分では半管状輪郭を有するように構成される。その結果、RFコイルアセンブリの組立て中のあらゆる複雑な作業の実施が必要なくなる。
【0013】
本発明の他の実施形態によれば、RFコイルアセンブリは、可撓性コイルの第2の端部に取り付けられた第2の剛性フレームをさらに備える。第2の剛性フレームは、RFコイルアセンブリの形状維持を助け、オペレータがRFコイルアセンブリを把持するのに好都合である。
【0014】
本発明の他の実施形態によれば、RFコイルアセンブリは、第1の部品と第2の部品との間に収容された制御盤と前置増幅器とをさらに備える。剛性フレームに収容された制御盤及び前置増幅器は、破損を受けにくい。
【0015】
本発明の他の実施形態によれば、RFコイルアセンブリは、第1の剛性フレームを支持体に取外し可能にヒンジ連結するヒンジ機構をさらに備える。ヒンジ機構は、対象者の領域を受容するための、支持体に対するRFコイルアセンブリの枢動を可能にする。
【0016】
本発明の他の実施形態によれば、ヒンジ機構は、枢動シャフトをそれぞれ有する一対の可動ブロックと、可動ブロックを互いに遠ざけるように可動ブロックに作用するばねと、枢動シャフトを引っ込めるように可動ブロックを互いに近づけるように可動ブロックに当接する作動プレートとを備える。このように、RFコイルアセンブリは、支持体から簡単に取り外される。
【0017】
本発明の他の実施形態によれば、RFコイルアセンブリは、一緒に頭部コイルアセンブリを形成するようにベースコイルアセンブリに取外し可能にヒンジ連結することができ、ベースコイルアセンブリは、RFコイルアセンブリが閉位置にあるときにRFコイルアセンブリの可撓性コイルを支持する一対の支持リブを備える。このように、RFコイルアセンブリは、頭部コイルアセンブリの上部コイルアセンブリとして使用することができる。
【0018】
本発明の他の実施形態によれば、第2の端部は可撓性を有し、一対の支持リブ同士の間の空間内へと可撓性コイルを枢動させるように第2の端部で可撓性コイルの両側部が互いの方に向けて加圧され得る。このように、可撓性コイルは、対象者の小さなサイズの頭部により良好に適合し、したがって高品質の画像が得られる。
【0019】
本発明の他の態様によれば、RFコイルアセンブリを備えたMRI装置を提供することを目的とする。
【0020】
本発明の上記その他の目的、特徴及び特性、構造の関連要素の操作法及び機能、部品の組み合わせ、並びに製造経済性は、すべて本明細書の一部を形成する添付の図面を参照して以下の説明及び添付の特許請求の範囲を考慮するとさらに明らかになるであろう。ここで、様々な図面において、同じ参照数字は、対応する部品を示す。しかしながら、図面は、例示及び説明の目的に過ぎず、本発明の制限を定義する意図はないことを明瞭に理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の好ましい一実施形態によるRFコイルアセンブリの斜視図である。
図2図1に示されるようなRFコイルアセンブリの他の斜視図である。
図3図1に示されるようなRFコイルアセンブリの第1の剛性フレームの第1の部品の斜視図である。
図4図3に示されるような第1の剛性フレームの第1の部品の他の斜視図である。
図5図1に示されるようなRFコイルアセンブリの第1の剛性フレームの第2の部品の斜視図である。
図6図5に示されるような第1の剛性フレームの第2の部品の他の斜視図である。
図7図1に示されるようなRFコイルアセンブリの可撓性コイルの斜視図である。
図8】第1の剛性フレームの第1の部品に取り付けられている可撓性コイルの部分斜視図である。
図9】位置決めパッドが可撓性コイルに配置されている、図8と同様の斜視図である。
図10図1に示されるようなRFコイルアセンブリのヒンジ機構の分解斜視図である。
図11図10に示されるようなヒンジ機構の部分断面図である。
図12】第1の位置にある、図10に示されるようなヒンジ機構の斜視図である。
図13】第2の位置にある、図10に示されるようなヒンジ機構の斜視図である。
図14図1に示されるようなRFコイルアセンブリ、及びRFコイルアセンブリが取り付けられるベースコイルアセンブリの斜視図である。
図15】閉位置にある、ベースコイルアセンブリに取り付けられた図1に示されるようなRFコイルアセンブリの斜視図である。
図16】閉位置にある、ベースコイルアセンブリに取り付けられた図1に示されるようなRFコイルアセンブリの他の斜視図である。
図17】開位置にある、ベースコイルアセンブリに取り付けられた図1に示されるようなRFコイルアセンブリの側面図である。
図18】頭部コイルアセンブリの一部として使用されている、図1に示されるようなRFコイルアセンブリの上面図である。
図19】頭部コイルアセンブリの一部として使用されている、異なる対象者の頭部に良好に適合するRFコイルアセンブリの斜視図である。
図20】頭部コイルアセンブリの一部として使用されている、異なる対象者の頭部に良好に適合するRFコイルアセンブリの斜視図である。
図21】肩コイルアセンブリとして使用されている、図1に示されるようなRFコイルアセンブリの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の好ましい一実施形態によるRFコイルアセンブリを示す斜視図である。図2は、図1に示されるようなRFコイルアセンブリの他の斜視図である。図1及び図2に示されるように、本発明によるRFコイルアセンブリ1は、第1の剛性フレーム3、及び第1の剛性フレーム3に取り付けられた可撓性コイル5を備える。図7は、本質的に平坦な形状のRFコイルアセンブリの可撓性コイルを示す斜視図である。可撓性コイル5は、第1の端部5a、第1の端部5aの反対の第2の端部5b、及び第1の端部5aと第2の端部5bとの間の2つの互いに反対にある側部5c、5dを有する。可撓性コイル5は、実質的に第1の端部5aから第2の端部5bの方に延在する長手方向軸L、及び長手方向軸Lに対して垂直な横断方向軸Tを有する。可撓性コイル5は、実質的に、長手方向軸Lと横断方向軸Tによって画定される平面内に延在し、したがって、可撓性コイル5が第1の剛性フレーム3に取り付けられる前、最初は平坦形状にある。すなわち、可撓性コイル5に外部からの力が作用していないとき、可撓性コイル5の自然な形状は、図7に示されるように平坦である。可撓性コイル5は、対象者のある領域の上に配置されるように構成される内面5e、及び内面5eの反対側にある外面5fを有する。第1の剛性フレーム3は、可撓性コイル5の第1の端部5aが第1の剛性フレーム3に取り付けられるとき、可撓性コイル5を長手方向軸Lに対して平行な第1の屈曲軸Yに沿って屈曲させ、さらに可撓性コイル5を長手方向軸Lに対して垂直(又は、横断方向軸Tに対して平行)な第2の屈曲軸Xに沿って屈曲させるような形状をしている。第1の屈曲軸Yに沿って曲げて約180度の屈曲を形成すると、最初は平坦だった可撓性コイル5は、実質的に半管状の形状になる。第2の屈曲軸Xに沿った屈曲により生成される屈曲角度は、例えば頭頂部から前額部に延びる曲線である、頭頂部の前部の曲線の屈曲角度、肩の端の曲線の屈曲角度、及び踵の曲線の屈曲角度のいずれかと合致するように決定される。これらの曲線の屈曲角度は酷似しているので、上記で決定されるような屈曲角度は、これらの曲線のいずれかと合致することができる。加えて、可撓性コイル5が第1の端部5aで第1の剛性フレーム3に取り付けられるとき、第2の屈曲軸Xは第1の端部5a近くにあり、したがって可撓性コイル5の第1の端部5aに近接する領域だけが第2の屈曲線Xに沿って屈曲される。第2の軸Xに沿った屈曲の結果、第1の端部5aは可撓性コイル5の第2の端部5bの方に向けて内方に押されて第1の端部5aにおける可撓性コイル5の一部分がさらに屈曲し、それによって第1の端部5aの近くに実質的に半円形状が形成され、可撓性コイル5には屈曲線Bが形成される。
【0023】
したがって、湾曲された第1の端部5a、可撓性コイル5の側部5c、5dの湾曲された部分及び屈曲線Bによって範囲が定められる第1の屈曲領域は、第2及び第1の屈曲軸X及びYに沿った屈曲動作の結果として、実質的に凹状の輪郭に形成される。凹状輪郭は、頭頂部の前部、肩端及び踵の曲線と合致する。屈曲線B、可撓性コイル5の両側部の直線部分及び湾曲された第2の端部2bによって範囲が定められる第2の屈曲領域は、第1の屈曲軸Yに沿った屈曲の結果として実質的に半管状の輪郭に形成される。半管状輪郭は、顔、上腕及び下腿の曲線と合致する。可撓性コイル5の長手方向の長さ及び横断方向の幅は、対象者の領域を第1の屈曲領域及び第2の屈曲領域に受容することができるようなサイズにされる。有利には、可撓性コイル5は、対象者の領域の複雑な湾曲と合致するように、例えば凹状輪郭及び半管状輪郭である多数の曲線輪郭を含めた湾曲に屈曲される。さらに、RFコイルアセンブリ1の凹状輪郭と半管状輪郭を組み合わせた輪郭パターンは、対象者の多数の領域、例えば肩、足首及び頭部の前部の輪郭パターンと合致する。したがって、特定の湾曲に形作られたRFコイルアセンブリは、多目的コイルとして使用することができる。
【0024】
図3は、図1に示されるようなRFコイルアセンブリの第1の剛性フレームの第1の部品を示す斜視図である。図4は、図3に示されるような第1の剛性フレームの第1の部品の他の斜視図である。図5は、図1に示されるようなRFコイルアセンブリの第1の剛性フレームの第2の部品を示す斜視図である。図6は、図5に示されるような第1の剛性フレームの第2の部品の他の斜視図である。図3図6に示されるように、一実施形態では、第1の剛性フレーム3は、別々に射出成形される第1の部品7及び第2の部品9を備える。第1の部品7及び第2の部品9は、第1の剛性フレーム3を形成するように一緒にバックル留めすることができる。第1の部品7は、対象者のある領域の上に配置されるように構成される凹状面7b及び凹状面7bの反対側の凸状面7aを有する。凸状面7aからは、複数の位置決めスタッド11及び複数のねじ付きスタッド13が突出している。第2の部品9は、第1の部品7の凸状面7aに対応する凹状面9a、及び凹状面9aの反対側の凸状面9b上にヒンジ機構座部15を有する。
【0025】
凹状面7bは、対象者の例えば頭頂部の前部である領域の上に配置されるように構成される場合、頭頂部から前額部の方に向けて下に傾斜するように形作ることができる。頭頂部の曲線が肩の曲線及び足の後端の曲線に酷似しているので、上述のように形作られた凹状面7bは、例えば肩及び足の後端である他の領域に容易に適応可能である。可撓性コイル5は、対応する凸状面7aに取り付けられ、それによって凸状面7aから滑らかに延び屈曲線Bの方に向けて下に傾斜する第1の屈曲領域が形成される。したがって、対象者の領域の上に配置される第1の剛性フレーム3の凹状面及び可撓性コイル5の第1の屈曲領域の凹状内面は、例えば頭頂部から前額部へと下がる曲線である、凸状輪郭とより良好に合致することができる。第2の屈曲領域の半管状内面は、顔の半管状輪郭と合致する。RFコイルアセンブリ全体が、例えば頭部、肩又は足首の凸状輪郭及び半管状輪郭である、対象者の複数の輪郭からなる領域と合致する凹状輪郭及び半管状輪郭になることが有利である。
【0026】
或いは、第1の剛性フレーム3は、上側の頭頂部に配置される半球形キャップに形作られる。可撓性コイル5は、半球形キャップの凸状面7aに取り付けられると、凹状屈曲領域及び半管状屈曲領域に形作られる。それによってRFコイルアセンブリ全体が、対象者の凸状輪郭及び半管状輪郭を備える領域とより良好に合致するようになる。同様に、凹状面7bも、対象者の複数の輪郭からなる領域とより良好に合致するRFコイルアセンブリ全体を作り出すために、半ボウル形に形作ることができる。当業者には、例えば半円、凹状、半管状、凸状、半球形キャップ、半ボウルなど本明細書に記載の形状は、正確ではなく、記載の形状に酷似する形状を含むことが考えられる。
【0027】
有利には、RFコイルアセンブリ全体は、例えば頭部、肩及び足首の凸状輪郭及び半管状輪郭である、似ているが複雑な輪郭を有する多数の領域と合致することができる。さらに、第1の剛性フレーム3によって、RFコイルアセンブリの配置及び締結が、従来の可撓性コイルに比べてより簡単で、より迅速になる。頭頂部コイルとして使用する場合、RFコイルアセンブリは、従来のヘッドベースに直接取り付けられる従来の剛性頭頂部コイルに取って代わることができ、その結果、最低限の費用と労力で従来の剛性頭部コイルを本発明の頭部コイルにグレードアップさせることができる。さらに、第1の剛性フレーム3の遠位の第2の端部2bは依然として可撓性を保っており、したがって、様々なサイズの対象者又は対象者の異なる領域とより良好に合致するように変形可能である。
【0028】
図7は、図1に示されるようなRFコイルアセンブリの可撓性コイルを示す斜視図である。図7に示されるように、可撓性コイル5は、第1の剛性フレーム3に取り付けられる前は平坦である。可撓性コイル5は、可撓性プリント回路基板17を備える。可撓性プリント回路基板17は、生体適合性発泡体19で部分的に覆われるが、可撓性コイル5の第1の端部5aでは、発泡体19から可撓性プリント回路基板17の第1の露出部分21が突出している。発泡体19は、成形型を用いた熱成形法、又は発泡体及び接着剤を用いた積層法によって適用され得る。可撓性プリント回路基板17の第1の露出部分21には、複数の位置決め孔23がある。一実施形態では、可撓性コイル5の第1の端部5aとは反対にある第2の端部5bには、第2の露出部分25がある。可撓性コイル5には、RFコイルアセンブリが頭頂部コイルアセンブリとして使用される間、対象者の眼、耳、鼻及び口が可撓性コイル5によって覆われないようにする少数の開口27が形成され、それによって対象者の快適さが向上する。
【0029】
図8は、第1の剛性フレームの第1の部品に取り付けられている可撓性コイルを示す部分斜視図である。図9は、位置決めパッドが可撓性コイル上に配置されている、図8と同様の斜視図である。RFコイルアセンブリを図8に示されるように組み立てるとき、まず、可撓性コイル5を、第1の部品7の凸状面7bの位置決めスタッド11が可撓性プリント回路基板17の第1の露出部分21のそれぞれの位置決め孔23を貫通するかたちで、第1の剛性フレーム3の第1の部品7に取り付ける。凸状面7bの輪郭、並びに第1の部品7の凸状面7aにおける位置決めスタッド11及び第1の露出部分21における位置決め孔23の分布は、可撓性コイル5が、第1の剛性フレーム3の第1の部品7に取り付けられた後に、第1の端部5a近くでは凹状輪郭に、可撓性コイルの残りの部分では半管状輪郭に屈曲されるように構成される。第1の部品7の凸状面7aの位置決めスタッド11及び第1の露出部分21の位置決め孔23によって、可撓性コイル5を第1の部品7に取り付けること、及び可撓性コイル5を所望の輪郭にすることが非常に簡単になる。
【0030】
位置決めパッド29は、第1の露出部分21が第1の部品7に対して移動しないようにするため、第1の部品7に取り付けられた可撓性プリント回路基板17の第1の露出部分21上に配置される。RFコイルアセンブリの制御盤及び前置増幅器などの他の可能な電子デバイスを第1の露出部分21に接続した後、第2の部品9を第1の部品7にバックル留めする。次いで、RFコイルアセンブリ1を形成するように、可撓性プリント回路基板17の第1の露出部分21とRFコイルアセンブリの他の可能な電子デバイスが第1の部品7と第2の部品9との間にしっかりと保持されるように、第1の部品7及び第2の部品9を、第2の部品9を通り第1の部品7のねじ付きスタッド13にねじ込まれるねじによって一緒に締結する。制御盤及び前置増幅器は、破損を受けにくくするように、剛性フレーム3に収容される。好ましくは、RFコイルアセンブリ1は、可撓性コイル5の第2の端部5bに、第2の露出部分25をしっかりと保持する第2の剛性フレーム30を備える。第2の剛性フレーム30は、RFコイルアセンブリ1の形の維持を助けようにハンドル形をしており、これはオペレータがRFコイルアセンブリ1を握るのに好都合である。当然のことながら、第2の剛性フレーム30を、第2の露出部分の第2の端部5bではなく可撓性コイル5の発泡体によって覆われる部分に配置することも実現可能である。
【0031】
本発明によるRFコイルアセンブリ1は、第2の部品9のヒンジ機構座部15に取り付けられる引込み可能ヒンジ機構31、及び第1の剛性フレーム3の第2の部品9に設けられる、可撓性コイル5と電気通信しているインターフェース32をさらに備える。図10は、図1に示されるようなRFコイルアセンブリのヒンジ機構を示す分解斜視図である。図10に示されるように、引込み可能ヒンジ機構31は、ブラケット33、及び一対の可動ブロック35を備える。ブラケット33は、対向する一対の側方プレート33aを有する。各可動ブロック35は、可動ブロックの本体の側部から突出している枢動シャフト35a、及び本体の枢動シャフト35aの反対側に形成される止まり穴35bを有する。可動ブロック35は、斜面35dを有する斜めスロット35cをそれぞれ有する。可動ブロック35は、枢動シャフト35aが側方プレート33aの貫通孔33bを通って延びるかたちで、ブラケット33の一対の側方プレート33a同士の間に配置される。ばね37の2つの端部は、可動ブロック35を互いに遠ざけるように、可動ブロック35の止まり穴35bに受容される。ヒンジ機構31は、一方端に形成された操作ボタン39a及び他方端に2つの突起39bを有する、作動プレート39をさらに備える。図11は、図10に示されるようなヒンジ機構を示す部分断面図である。ねじ43によってブラケット33に締結される固定プレート41によって作動プレート39が所定位置に取り付けられた後、作動プレート39の操作ボタン39aは、外からアクセス可能になるようにブラケット33の開口33dを通って延び、2つの突起39bは、図11に示されるように、それぞれの可動ブロック35の斜めスロット35c内へと延びて斜面35dに当接する。
【0032】
図12は、第1の位置にある、図10に示されるようなヒンジ機構を示す斜視図である。図13は、第2の位置にある、図10に示されるようなヒンジ機構を示す斜視図である。通常状態では、各可動ブロック35の枢動シャフト35aは、図12に示されるように、ばね37の作用を受けて側方プレート33aの貫通孔33bから突出している。作動プレート39の操作ボタン39aをブラケット33に対して引き上げると、2つの突起39bがそれぞれの可動ブロック35の斜面35dに当接し、可動ブロック35を互いに近づけ、それによって、図13に示されるように各可動ブロック35の枢動シャフト35aがブラケット33に対して引っ込む。作動プレート39の操作ボタン39aを解放すると、ばね37が可動ブロック35の枢動シャフト35aを押し、図12に示されるように側方プレート33aの貫通孔33bから再び突出させる。ヒンジ機構31は、他のやり方で実施することもできることを理解されたい。例えば、可動ブロック35及び作動プレート39は、作動プレート39をブラケット33に対して下に動かすと各可動ブロック35の枢動シャフト35aがブラケット33に対して引っ込むように構成してもよい。さらに、ブラケット33は、省略してもよく、第1の剛性フレーム3の一部分がブラケット33として機能してもよい。
【0033】
図14は、図1に示されるようなRFコイルアセンブリ、及びRFコイルアセンブリを取り付けることができるベースコイルアセンブリを示す斜視図である。ベースコイルアセンブリ45は、対象者の頭部の撮像のときに対象者の頭部を支持するように構成され、剛性ハウジング内に配置されるコイルを備える。ベースコイルアセンブリ45上には、一対の支持アーム47がある。各支持アーム47には、RFコイルアセンブリ1がベースコイルアセンブリ45に取外し可能に取り付けられるように、可動ブロック35の枢動シャフト35aを受容する孔49が形成される。具体的には、RFコイルアセンブリ1をベースコイルアセンブリ45に取り付ける必要があるとき、作動プレート39の操作ボタン39aを引き上げると、各可動ブロック35の枢動シャフト35aが引っ込む。各可動ブロック35の枢動シャフト35aが支持アーム47の孔49と整列している間に作動プレート39の操作ボタン39aを解放すると、枢動シャフト35aがそれぞれの孔49内へと延びる。その結果、RFコイルアセンブリ1はベースコイルアセンブリ45に枢動的に取り付けられ、一緒に頭部コイルアセンブリを形成する。作動プレート39の操作ボタン39aを再び引き上げると、RFコイルアセンブリ1をベースコイルアセンブリ45から取り外すことができる。ベースコイルアセンブリ45上には、一対の支持リブ51がある。支持リブ51は、図15及び図16に示されるように、RFコイルアセンブリ1が閉位置にあるとき、RFコイルアセンブリ1の可撓性コイル5を支持する。インターフェース53は、MRI装置のアナログデジタル変換器と電気通信している。図15は、閉位置にある、ベースコイルアセンブリ45に取り付けられた図1に示されるようなRFコイルアセンブリを示す斜視図である。図16は、閉位置にある、ベースコイルアセンブリ45に取り付けられた図1に示されるようなRFコイルアセンブリを示す他の斜視図である。図17は、開位置にある、ベースコイルアセンブリ45に取り付けられた図1に示されるようなRFコイルアセンブリを示す側面図である。第2の剛性フレーム30を把持することによって、オペレータによるRFコイルアセンブリの閉位置から開位置又は開位置から閉位置への枢動が非常に簡単になる。図18は、対象者の頭部を走査するために頭頂部コイルアセンブリの一部として使用されるRFコイルアセンブリ1を示す上面図である。RFコイルアセンブリ1は、対象者支持寝台などの他の支持体に取外し可能に取り付けることができる。
【0034】
図19及び図20は、頭頂部コイルアセンブリの一部として使用される間に異なる対象者の頭部に適合されるRFコイルアセンブリを示す斜視図である。一般的に、閉位置において、RFコイルアセンブリ1の可撓性コイル5は、大多数の対象者の形及びサイズに適合するようにベースコイルアセンブリ45上の支持リブ51上で支持される。しかし、図19に示されるように、第2の端部5bは常に可撓性を有するので、第2の端部5bで可撓性コイル5の側部5c、5dを互いの方に向けて加圧し、可撓性コイル5を支持リブ51同士の間の空間内へと下に枢動させることによって可撓性コイル5を対象者の小さなサイズの頭部により良好に適合させ、それによって高品質の画像が得られる。図19と比較すると、図20に示されるような可撓性コイル5は、小児の頭部により一層適合するように下に枢動されている。
【0035】
図21は、肩コイルアセンブリとして使用されている、図1に示されるようなRFコイルアセンブリを示す上面図である。図21に示されるように、RFコイルアセンブリ1は、ベースコイルアセンブリ45から取り外され、肩コイルアセンブリとして使用される。本発明によるRFコイルアセンブリ1は、対象者の肩にも良好に適合する。当然のことながら、RFコイルアセンブリ1は、対象者の足首にも良好適合し、したがって足首コイルアセンブリとして使用してもよい。
【0036】
例示の目的で本発明を詳細に説明したが、そのような詳細な説明は、単に説明の目的に過ぎず、本発明は開示の実施形態に限定されないのみならず、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲に包含される修正形態及び均等の構成を包含するものと理解すべきである。
図1
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