IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスアイジー テクノロジー アーゲーの特許一覧

特許7500620傾斜ゲーブルを有する包装体のゲーブル面を後成形するためのデバイスおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】傾斜ゲーブルを有する包装体のゲーブル面を後成形するためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/24 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
B65B61/24
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021570735
(86)(22)【出願日】2020-04-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-01
(86)【国際出願番号】 EP2020061037
(87)【国際公開番号】W WO2020239325
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-01-24
(31)【優先権主張番号】102019114635.6
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507132710
【氏名又は名称】エスアイジー コンビブロック サービシズ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SIG Combibloc Services AG
【住所又は居所原語表記】Laufengasse 18,CH-8212 Neuhausen am Rheinfall,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス ブライトマー
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン リヒター
(72)【発明者】
【氏名】トーマス フェッテン
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-513636(JP,A)
【文献】中国実用新案第201472732(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜ゲーブル領域を有する包装体(16)のゲーブル面を後成形するためのデバイス(24、25)であって、
- 前記包装体(16)を収容するための、および前記包装体(16)を輸送方向(T)に沿って輸送するための、セル(20)が複数固着されたコンベア装置(19)と、
- 前記包装体(16)の前記傾斜ゲーブル領域のフィンシーム(17)を折り曲げるための少なくとも1つのゲーブル折り機(27)と、
- 前記包装体(16)の前記傾斜ゲーブル領域の耳(15)を折り曲げるための少なくとも2つの耳折り機(28A、28B)と、
を備え、
- 前記ゲーブル折り機(27)および前記耳折り機(28A、28B)は何れも前記コンベア装置(19)とこれによって輸送される前記包装体(16)とに対して移動可能に取り付けられている、デバイスにおいて、
前記デバイスは、前記包装体(16)の前記傾斜ゲーブル領域の前記フィンシーム(17)を後成形するための少なくとも1つの成形工具(29)を有し、前記成形工具(29)は、前記コンベア装置(19)とこれによって輸送される前記包装体(16)とに対して移動可能に取り付けられるとともに、前記成形工具(29)は、前記成形工具(29)が前記包装体(16)に接触せず、且つ、前記包装体(16)を前記成形工具(29)の下を前記輸送方向(T)に衝突させずに移動させる開位置に移動可能とされていることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記フィンシーム(17)を後成形するための前記成形工具(29)は、少なくとも二次元可動性を有することを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記セル(20)の上方に配置された、前記セル(20)の横幅方向であって前記輸送方向(T)に対して垂直方向に延びる横方向(Z)に沿って延在するトラバース(T1、T2)を具備したことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記トラバース(T1、T2)は、前記コンベア装置(19)とこれによって輸送される前記包装体(16)とに対して移動可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記包装体(16)の前記傾斜ゲーブル領域の前記フィンシーム(17)を後成形するための少なくとも2つまたは少なくとも4つの成形工具(29)を有し、全ての成形工具が前記トラバース(T2)上に前記横方向(Z)に互いに隣接して取り付けられていることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ゲーブル折り機(27)および前記成形工具(29)および/またはそれぞれのトラバース(T1、T2)は、機械式接続(26)によって互いに接続されており、共通の駆動装置(30)を有することを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記成形工具(29)は、型キャリア(31)と支持体(32)とを備えることを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記複数のセル(20)が相互間距離(A)を有することと、前記成形工具(29)は、前記ゲーブル折り機(27)および/または前記耳折り機(28A、28B)までの距離が前記セル間距離(A)の少なくとも2倍であることと、を特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
傾斜ゲーブル領域を有する包装体(16)のゲーブル面を後成形するための方法であって、
a)前記傾斜ゲーブル領域を有する包装体(16)を供給するステップと、
b)前記包装体(16)の前記傾斜ゲーブル領域のフィンシーム(17)をゲーブル折り機(27)によって折り曲げるステップと、
c)前記包装体(16)の前記傾斜ゲーブル領域の耳(15)を2つの耳折り機(28A、28B)によって折り曲げるステップと、
d)前記フィンシーム(17)を成形工具(29)によって後成形するステップと、
を含み、
ステップd)において、前記成形工具(29)は、コンベア装置(19)とこれによって輸送される前記包装体(16)とに対して移動されるとともに、前記成形工具(29)が前記包装体(16)に接触せず、且つ、前記包装体(16)を前記成形工具(29)の下を前記輸送方向(T)に衝突させずに移動させる開位置に移動することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記包装体(16)は、セル(20)が複数固着されたコンベア装置(19)によって移動されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記包装体(16)は断続的に移動されることを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記包装体(16)は、ステップb)中、ステップc)中、およびステップd)中、停止していることを特徴とする、請求項9~11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
ステップd)において、少なくとも2つまたは少なくとも4つの包装体(16)の前記ゲーブル面が同時に後成形されることを特徴とする、請求項9~12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
ステップd)は、ステップb)および/またはステップc)が実施される位置から前記セル間距離(A)の少なくとも2倍離れた位置で実施されることを特徴とする、請求項9~13の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾斜ゲーブルを有する包装体のゲーブル面を後成形(独:Nachformen,英:reshaping)するためのデバイスであって、包装体を収容するための、および包装体を輸送方向に沿って輸送するための、セルが複数固着されたコンベア装置と、包装体のゲーブル領域のフィンシームを折り曲げるための少なくとも1つのゲーブル折り機と、包装体のゲーブル領域の耳を折り曲げるための少なくとも2つの耳折り機とを備え、ゲーブル折り機および耳折り機は何れも、コンベア装置とこれによって輸送される包装体とに対して移動可能に取り付けられている、デバイスに関する。
【0002】
本発明は、更に、傾斜ゲーブルを有する包装体のゲーブル面を後成形するための方法であって、a)傾斜ゲーブルを有する包装体を供給するステップと、b)包装体のゲーブル領域のフィンシームをゲーブル折り機によって折り曲げるステップと、c)包装体のゲーブル領域の耳を2つの耳折り機によって折り曲げるステップと、d)フィンシームを成形工具によって後成形するステップと、を含む方法に関する。
【背景技術】
【0003】
包装体は、さまざまな方法で、極めて広範囲の材料から作製可能である。作製のための一般的な一選択肢は、通常の折り目線(「折り筋線」としても公知)を複数有するブランクを包装材料から作製することである。このブランクから、折り曲げおよび更なるステップによって、最初に包装スリーブを作製し、最終的に包装体自体を作成できる。とりわけ、この変形例は、ブランクが極めて平坦であるので、省スペースで積み重ねることができるという利点がある。これにより、ブランクまたは包装スリーブの作製を包装スリーブの折り曲げおよび充填が行われる場所とは異なる場所で行える。多くの場合、積層材、例えば、紙、板紙、プラスチック、または金属のいくつかの薄層から成る積層体、が材料として使用されている。このような包装体は、特に食品業界において、広く使用されている。
【0004】
ブランクから成る包装体が、例えば、特許文献1および特許文献2から公知である。これらの包装体は、大多数がゲーブル面を有する。ゲーブル面は、両側から中心に向かって同じ角度で立ち上がっており、したがって、対称的に形成されている。したがって、フィンシームは、少なくとも折り曲げられる前は、包装体の最高点を形成している。
【0005】
この種の包装体の作製時、シームまたは「耳」などの突出領域を包装体に作成するという課題が存在する。直方体状の包装体の場合、これは、極めて簡単に行える。これを行うための機械が特許文献3から公知である。
【0006】
非対称的な、換言すると傾斜した、ゲーブルを有する包装体もブランクから作製可能である。この種の包装体は、例えば、特許文献4および特許文献5から公知である。これらの包装体においては、突出領域の形成は特に困難である。その理由は、多くの場合、この種の傾斜ゲーブルを有する包装体の最高点を形成しているのが、フィンシームではなく、ゲーブルの後縁であることによる。これにより、工具をフィンシームにアクセスさせることがより困難になる。特に、このような種類の包装体の場合、フィンシームの貼着は、包装体が通過する工具が固定されていては行えない。このような傾斜ゲーブルを有する包装体のゲーブル面を成形するためのデバイスおよび方法が、例えば特許文献6から公知である。
【0007】
特許文献6に記載のデバイスおよび方法は、良好な結果をもたらすが、ゲーブルの形状は、成形後に再び外側に弓なりに反り得る。特に、ゲーブルシームまたはフィンシームがゲーブルに完全に貼着されない、または貼着位置から外れる、ことが時々観察される。この原因は、例えば、包装体の内圧、または耳を包装体の側面に押し付けた結果、であり得る。凸凹したゲーブル面は、視覚的に容認できないばかりでなく、その後の更なる要素、例えばねじ式キャップ付き注ぎ口要素、の貼着を困難にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開第2009/141389(A2)号
【文献】独国特許出願公開第38 35 390(A1)号
【文献】欧州特許出願公開第0 061 663(A2)号
【文献】国際公開第2009/030910(A2)号
【文献】欧州特許第2 468 641(B1)号
【文献】独国特許出願公開第10 2016 109 980(A1)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
この背景に対して、本発明の根拠となっている目的は、傾斜ゲーブルを有する包装体のゲーブル形状を維持および/または修正することである。
【0010】
この目的は、請求項1の前提部分によるデバイスにおいては、コンベア装置とこれによって輸送される包装体とに対して移動可能に取り付けられた、包装体のゲーブル領域のフィンシームを後成形するための少なくとも1つの成形工具によって達成される。
【0011】
本デバイスは、傾斜ゲーブル、特に連続的に傾斜したゲーブル、を有する包装体のゲーブル面を後成形するためのデバイスである。特に、包装体のゲーブル領域のフィンシームが(後)成形される。後成形とは、先に成形された、特に折り曲げられた、領域を成形することを云う。加えて、ゲーブル面全体も、例えば、いくつかの折り山を安定させるために、(後)成形される。包装体は、積層材製の食品用包装体であることが好ましい。積層材は、紙、板紙、プラスチック、または金属製の薄層を複数有し得る。本デバイスは、先ず、包装体を収容するための、および包装体を輸送方向に沿って輸送するための、セルが複数固着されたコンベア装置を備える。コンベア装置(例えば、輸送ベルト、コンベアベルト、または輸送チェーン)によって高張力の伝達が可能になるので、複数の包装スリーブを互いに一定の距離で輸送できる。セルは、包装スリーブを収容するために使用される。包装スリーブは、押し込み係止接続によって、または摩擦接続によって、セル内に保持可能である。コンベア装置は、水平面に配置されることが好ましい。本デバイスは、包装体のゲーブル領域のフィンシームを折り曲げるためのゲーブル折り機を少なくとも1つ更に備える。ゲーブル折り機は、コンベア装置およびその上を輸送される包装体の上方中心に配置されることが好ましい。これに加え、本デバイスは、包装体のゲーブル領域の耳を折り曲げるための耳折り機を少なくとも2つ備える。2つの耳折り機は、コンベア装置およびその上を輸送される包装体の上方両側にゲーブル折り機に隣接して配置されることが好ましい。本発明では、ゲーブル折り機および耳折り機は何れも、コンベア装置とこれによって輸送される包装体とに対して移動可能に取り付けられる。
【0012】
本発明によるデバイスは、コンベア装置とこれによって輸送される包装体とに対して移動可能に取り付けられた、包装体のゲーブル領域のフィンシームを後成形するための少なくとも1つの成形工具を特徴とする。この成形工具は、フィンシームの後成形に加え、ゲーブル面の後成形のためにも使用される。このような成形工具を有する加工ステーションは、「後加圧ステーション」または「後成形ステーション」とも称され得る。換言すると、成形工具は、ゲーブル折り機および耳折り機と同様に、回転可能、枢動可能、変位可能、または別様に移動可能、に取り付けられるべきである。この設計対策により、後成形のために必要な成形工具と包装体との間の相対移動が、包装体の移動によってではなく、成形工具の移動によって実現可能である。その結果、成形または後成形中に包装体を移動させる必要がないので、コンベア装置を停止させておくことができる。したがって、コンベア装置を断続的に、周期的(独:taktweise,英:cyclical)に作動させることができる。停止している包装体を成形すると、充填デバイスの移動も不要であるので、包装体への充填を特に容易に行えるという利点がある。更なる利点は、成形工具が移動可能に取り付けられている結果として、フィンシームではなく、ゲーブルの後縁が包装体の最高点を形成する包装体の成形も可能であることである。
【0013】
本デバイスの1つの構成によると、フィンシームを後成形するための成形工具は、少なくとも二次元可動性を有する。これは、例えば、成形工具が平面に、特に包装体の輸送方向と鉛直方向とによって形成された平面に、移動可能に(特に回転可能に)取り付けられていることによって実現可能である。したがって、成形工具は、直線方向に変位可能であるばかりでなく、少なくとも二次元可動性を有することも必要である。移動平面において、成形工具は平行移動、回転運動、またはこれら2つの組み合わせ(平行移動と回転運動との重ね合わせ)を行うことができる。成形工具の移動平面は、包装体の輸送方向と鉛直方向とによって形成されることが好ましい。
【0014】
本デバイスの更なる設計は、セルの上方に配置された、輸送方向に対して横方向に延びる横方向に沿って延在するトラバースを特徴とする。トラバースを使用すると、輸送される複数の包装体から成る複数の平行列または連なりにわたって1つのトラバースを延在させることができるので、対応する数の工具(例えば成形工具)がこのトラバースに固着されていれば、複数列の包装体を同時に加工できるという利点を有する。複数のトラバース、例えばゲーブル折り機を取り付けるための第1のトラバースおよび(後)成形工具を取り付けるための第2のトラバース、を設けることができる。
【0015】
この設計のために、トラバースは、コンベア装置とこれによって輸送される包装体とに対して移動可能に取り付けられることが更に提案される。トラバースを移動可能に取り付けると、さまざまな利点がもたらされる。1つの利点は、成形工具をトラバースに堅固に接続できるので、トラバースに対して不動に取り付けることができることである。この理由は、成形工具は、トラバースに堅固に接続されていても、コンベア装置とこれによって輸送される包装体とに対するトラバースの可動性の故に、依然として移動可能であることによる。トラバースを移動可能に取り付けた場合の更なる利点は、さまざまな包装体サイズに合わせてトラバースを調整できることである。したがって、「サイズ変更」の場合、トラバースを交換する必要はなく、例えば、トラバースの高さを調整できる。トラバースは、コンベア装置とこれによって輸送される包装体とに対して高さ方向に、すなわち鉛直方向に、移動可能に取り付けられることが好ましい。
【0016】
トラバースに関して、本デバイスの更なる構成では、包装体のゲーブル領域のフィンシームを後成形するための成形工具が少なくとも2つ、特に少なくとも4つ、設けられる。全ての成形工具は、トラバース上に横方向に互いに隣接して取り付けられる。この実施形態は、複数の包装体の同時加工を可能にする。例えば、平行に延びる複数のコンベアベルトを設けることができる。加工される包装体の列毎に1つの成形工具が割り当てられることが好ましい。
【0017】
本デバイスの別の構成によると、ゲーブル折り機および成形工具および/またはそれぞれのトラバースは、機械式接続によって互いに接続され、共通の駆動装置を有する。これら工具の同期移動は、これら工具(ゲーブル折り機、成形工具)の機械的結合によって実現可能である。これにより、全ての工具が同じ駆動装置を使用できる。機械式結合は、これら工具自体によって、またはこれら工具が取り付けられているトラバースによって、行うことができる。
【0018】
本装置の更なる設計によると、成形工具は、型キャリアと支持体とを備える。成形工具が複数パーツ構造であることにより、異なるゲーブル面に適した輪郭を有する支持体に交換することによって、異なる形状の包装体に成形工具を容易に適合化させることができる。型キャリアは、好ましくは金属製であり、複数の異なる支持体を支持する役割を担う。交換可能な支持体は、好ましくは、シリコーン、プラスチック、ゴム、または別の弾性または膨張可能材料製である、あるいは、これら材料の何れかで少なくとも被覆されている(例えば、被覆付き金属製コア)。
【0019】
本デバイスの更なる構成において、セルは相互間距離を有し、成形工具は、ゲーブル折り機までの、および/または耳折り機までの、距離がセル間距離の少なくとも2倍である。工具間の離間が意味するのは、成形工具による後成形は、ゲーブルおよび耳の折り曲げの直後に行われるのではなく、早くとも2「サイクル」後に行われることである。これは、包装体のゲーブル領域の温度が既に僅かに低下しており、耳がしっかりと貼着されているという利点を有する。他方、(後)成形の実施時期が早すぎると、耳の接着プロセスが未だ完了しておらず、耳が包装体から再び離れ得るという欠点を有することになる。加えて、(後)成形工具をゲーブル成形ステーションの直後に配置することは、設置スペース要件の故に、難しい。
【0020】
冒頭に記載の目的は、傾斜ゲーブルを有する包装体のゲーブル面を後成形するための方法によっても達成される。本方法は、a)傾斜ゲーブルを有する包装体を供給するステップと、b)包装体のゲーブル領域のフィンシームをゲーブル折り機によって折り曲げるステップと、c)包装体のゲーブル領域の耳を2つの耳折り機によって折り曲げるステップと、d)フィンシームを成形工具によって後成形するステップと、を含む。本方法は、ステップd)において、成形工具がコンベア装置とこれによって輸送される包装体とに対して移動されることを特徴とする。包装体は、特に、包装体を収容するためのセルが複数固着された、コンベアベルトまたは輸送ベルトまたは輸送チェーンの形態の、コンベア装置によって供給され得る。コンベアベルトまたは輸送ベルトまたは輸送チェーンは、水平面に配置されることが好ましい。デバイスに関して既に説明したように、成形のために必要な成形工具と包装体との間の相対移動は、包装体の移動によってではなく、成形工具の移動によって実現されるべきである。その結果、成形中に包装体を移動させる必要がないので、コンベア装置を断続的に、周期的に作動させることができる。停止している包装体を成形すると、包装体を移動させずに充填も行えるという利点がある。更に、包装体の最高点を形成するのがフィンシームではなく、ゲーブルの後縁である包装体の加工も可能である。本方法は、請求項1~8の何れか一項に記載のデバイスによって実施されることが好ましい。
【0021】
本方法の1つの構成によると、包装体の移動は、複数のセルが固着されたコンベア装置によって行われる。デバイスに関して既に説明したように、コンベア装置(例えば、輸送ベルト、コンベアベルト、または輸送チェーン)によって高張力の伝達が可能であるので、複数の包装スリーブを一定の相互間距離で輸送できる。セルは、包装スリーブを収容するために使用される。包装スリーブは、押し込み係止接続によって、または摩擦接続によって、セル内に保持可能である。コンベア装置は、水平面に配置されることが好ましい。
【0022】
本方法の更なる展開によると、包装体は断続的に移動される。断続的な、換言すると周期的な、作動は、包装体を短時間停止させておき、この段階でより精密な加工を行えるという利点を有する。更なる利点は、包装体の加工に使用される工具を包装体と共に移動させる必要がないことである。
【0023】
本方法の更なる構成では、包装体は、ステップb)中、ステップc)中、およびステップd)中、停止している。ステップb)およびc)は、フィンシームの折り倒しと、突出している耳の貼着とに使用される。ステップd)は、ゲーブル面、特にフィンシーム、を後成形するために使用される。これらステップは、包装体を損傷または変形させることなく、できる限り精確且つ高速で実施されるべきである。これらの要件は、包装体が常に移動しているときより、包装体が停止しているときの方が、より容易に満たすことができる。
【0024】
本方法の更なる展開によると、ステップd)において、少なくとも2つの、特に少なくとも4つの、包装体のゲーブル面が同時に後成形される。この更なる展開は、複数の包装体を同時に加工できることを意味する。これを行うために、例えば、平行に延びる複数のコンベアベルトを設けることができる。加工される包装体の列毎に1つの成形工具が割り当てられることが好ましい。
【0025】
最後に、本方法の別の構成によると、ステップd)は、ステップb)および/またはステップc)が実施される位置からセル間距離(A)の少なくとも2倍の距離にある位置で実施される。加工位置間に最小距離を維持することによって、成形工具による後成形は、ゲーブルの、および耳の、折り曲げの直後に行われず、2「サイクル」後、または更に後に、のみ行われる。これは、包装体のゲーブル領域の温度が既に僅かに低下しており、耳がしっかりと貼着されているという利点を有する。他方、時期尚早な(後)成形は、耳の接着プロセスが未だ完了しておらず、結果として耳が包装体から再び離れ得るという欠点を有することになり得る。加えて、ゲーブル成形ステーションの直後に(後)成形工具を配置することは、設置スペース要件の故に、難しい。
【0026】
以下においては、好適な例示的実施形態を簡単に示している図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A】包装スリーブに折り曲げられるブランクを示す。
図1B図1Aに示されているブランクから形成された包装スリーブの扁平に折り畳まれた状態の正面図を示す。
図1C図1Bの包装スリーブの背面図を示す。
図1D図1Bおよび図1Cの包装スリーブの展開された状態を示す。
図1E図1B図1Dの包装スリーブの底部が閉じられた状態を示す。
図1F図1B図1Eの包装スリーブのゲーブル面に折り癖が付けられた状態を示す。
図1G図1B図1Fに示されている包装スリーブから作製された包装体のゲーブルが未成形の状態を示す。
図1H図1Gの包装体のゲーブルが成形された状態を示す。
図2】包装体の充填および封着のためのシステムの側面図を示す。
図3図2のシステムの部分拡大図を示す。
図4A】傾斜ゲーブルを有する包装体のゲーブル面を後成形するための本発明によるデバイスが開位置にあるときの側面図を示す。
図4B図4Aのデバイスの正面図を示す。
図4C】傾斜ゲーブルを有する包装体のゲーブル面を後成形するための本発明によるデバイスが閉位置にあるときの側面図を示す。
図4D図4Cのデバイスの正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1Aは、包装スリーブに折り曲げられるブランク1を示す。ブランク1は、異種材料、例えば紙、板紙、プラスチック、または金属、特にアルミニウム、の層を複数備えることができる。ブランク1は、複数の折り目線2を有する。これら折り目線2は、ブランク1の折り曲げを容易にし、ブランク1を複数の面に分割する。ブランク1は、スリーブ面3、底面4、ゲーブル面5、および封着面6に細分割可能である。底面4およびゲーブル面5は、矩形面7、7B、7Gおよび三角面8をそれぞれ備える。ゲーブル面5は、中心に配置された主ゲーブル面9を更に含む。スリーブ面3は、封着面6を除き、ブランク1の全幅にわたって延在する。封着面6がスリーブ面3の反対側の端部に接合、特に溶着、されるようにブランク1を折り曲げることによって、ブランク1から包装スリーブを形成できる。
【0029】
図1Aに示されているブランク1は、2本の二次折り目線(独:Scheinfaltlinien,英:secondary fold line)10をスリーブ面3の領域に有する。両二次折り目線10は互いに平行に延び、底面4の3つの隣接する三角面8の接点SBとゲーブル面5の3つの隣接する三角面8の接点SGとをそれぞれ通る。スリーブ面3は、これら二次折り目線10によって、内側部分領域3Aと2つの外側部分領域3Bとに分割される。内側部分領域3Aは2本の二次折り目線10の間にあり、外側部分領域3Bは2本の二次折り目線10の外側にある。
【0030】
底面4の長さL4はブランク1の全幅にわたって一定であるのに対し、ゲーブル面5の長さは複数の異なる値を有する。ゲーブル面5は、スリーブ面3の外側部分領域3Bに隣接する短い長さL5minを有する。ただし、スリーブ面3の内側部分領域3Aに隣接して(換言すると、主ゲーブル面9の領域において)、ゲーブル面5は大きな長さL5maxを有する。この設計が意味するのは、内側部分領域3Aの高さが外側部分領域3Bの高さより低いことである。したがって、包装体を作製すると、前方方向に傾斜した勾配付きの傾斜ゲーブル領域がもたらされる。
【0031】
ブランクの底部領域の各矩形面7Bは矩形である。ブランクのゲーブル領域の両方の外側矩形面7Gも矩形である。これに対して、中心の主ゲーブル面9は、厳密には矩形ではなく、少なくとも部分的に凸状に曲がった前縁11付きで形成されている。主ゲーブル面9の上側コーナー領域には、2本の湾曲したエンボス加工線12が認められる。これらエンボス加工線12は、楕円のようなデザインを主ゲーブル面9にもたらしている。環状の引裂き線(独:Schwaechungslinie,英:tear line)Sが主ゲーブル面9の内側中心に示されている。これは、支持材に設けられた環状凹部であることが好ましい。そこには、積層材の残りのプラスチック層、場合によっては更にアルミニウム層、が架け渡されて、「オーバーコートされた穴(OCH)」として公知のものを形成する。その直径は、そこに貼着される注ぎ口要素の切断要素のサイズに合わせることも、またはそこへのストローの挿入を可能にするために相対的に小さく設計することも、できる。
【0032】
底面4は2つのコーナー点E4を有し、ゲーブル面5は2つのコーナー点E5を有する。コーナー点E4、E5は、ブランク1から作製される包装体のコーナー点である。底面4の各コーナー点E4にゲーブル面5の対応するコーナー点E5が割り当てられている。包装体が立っているとき、コーナー点E5はコーナー点E4の上方にそれぞれ配置されている。折り目線2’が2つの対応するコーナー点E4、E5を通ってそれぞれ延びている。折り目線2’は、作製される包装体の背面側の(鉛直に延びる)折り山を形成するために使用される。ただし、図1Aに示されているブランク1には、連続折り目線2’が2本しか存在しない。このブランク1から作製される包装スリーブおよびこの包装スリーブから作製される包装体も同様である。ただし、底面4の更なるコーナー点とゲーブル面5の対応するコーナー点の間には、換言するとスリーブ前面3Aには、折り目線が何もない。
【0033】
図1Bは、図1Aに示されているブランク1から形成された包装スリーブ13の扁平に折り畳まれた状態の正面図を示す。図1Bには、図1Aに関連して説明した包装スリーブの諸領域が対応する参照符号で示されている。包装スリーブ13は、ブランク1から2工程で作製される。最初に、ブランク1は、2本の二次折り目線10に沿って折り畳まれる。その後、スリーブ面3の2つの部分領域3B(左)および3B(右)が、封着面6の領域において、互いに接合、特に溶接、されて、長手方向シーム14になる(図1Bでは隠れている)。したがって、包装スリーブ1は周方向に閉じた筒状構造を有し、底面4の領域とゲーブル面5の領域とに開口部を有する。この正面図には、スリーブ面3の内側部分領域3Aが見えている。その両側は、二次折り目線10によって画定されている。スリーブ面3の残りの部分領域3Bは、包装スリーブ13の背面にあり、図1Bでは隠れている。
【0034】
図1Cは、図1Bの包装スリーブ13の背面図である。図1Cには、図1Aおよび図1Bに関連して説明した包装スリーブの諸領域が対応する参照符号で示されている。この背面図には、スリーブ面3の両方の外側部分領域3Bが見えている。これら外側部分領域3Bは、長手方向シーム14によって互いに接合されており、両側が二次折り目線10によって画定されている。スリーブ面3の正面部分領域3Aは、包装スリーブ13の前面にあり、したがって図1Cでは隠れている。
【0035】
図1Dは、図1Bおよび図1Cの包装スリーブ13が展開された状態を示す。図1Dには、図1A図1Cに関連して説明した包装スリーブの諸領域が対応する参照符号で示されている。展開された状態は、スリーブ面3を通る二次折り目線10に沿って包装スリーブ13を折り返すことによって実現される。スリーブは、約180°折り返される。この二次折り目線10に沿った折り返しによって、二次折り目線10に隣接するスリーブ面3の2つの部分領域3A、3Bは、最早互いに上下に平らに重ならず、同じ平面に配置されることになる。したがって、包装スリーブ13は、その平坦な状態(図1B図1C)においてのみ二次折り目線10に沿って折り曲げられるのに対し、他方、展開された状態(図1D)では、包装スリーブ13は(それから作製される包装体も同様に)、最早二次折り目線10に沿って折り曲げられていない。これが、これら折り目線が「二次」折り目線10と称される所以である。
【0036】
図1Eは、図1B図1Dの包装スリーブの底部が閉じられた状態を示す。図1Eには、図1A図1Dに関連して説明した包装スリーブの諸領域が対応する参照符号で示されている。底部の封着は、例えば、展開された包装スリーブ13がマンドレルホイールのマンドレルに押し被せられているときに、行うことができる。底部を封着するために、例えば、下側の三角面8が最初に内側に折り曲げられ、その後、下側の矩形面7Bが内側に折り曲げられる。その後、折り合わされた面同士が、圧力および温度によって溶着される。
【0037】
図1Fは、図1B図1Eの包装スリーブのゲーブル面に折り癖が付けられた状態を示す。図1Fには、図1A図1Eに関連して説明した包装スリーブの諸領域が対応する参照符号で示されている。「折り癖が付けられた状態」とは、ゲーブル面5の領域の折り目線2に折り癖が付けられた状態を意味する。矩形面7Gと主ゲーブル面9とは、折り癖付け中に、内側に折り曲げられ、その後、包装体のゲーブルを形成する。ただし、三角面8は、折り癖付け中に、外側に折り曲げられ、余分な材料から成る突出領域を形成する。この突出領域は、「耳」15としても公知であり、その後の作製工程において、例えば接着プロセスによって、包装体のスリーブ面3に貼着される。
【0038】
図1Gは、図1B図1Fに示されている包装スリーブ13から作製された包装体16のゲーブル成形前の状態を示す。図1Gには、図1A図1Fに関連して説明した包装体の諸領域が対応する参照符号で示されている。溶着後の、すなわち、充填および封着後の状態の、包装体16が示されている。スリーブ面3の内側部分領域3Aに隣接するその領域における主ゲーブル面9の大きな長さL5maxとスリーブ面3の外側部分領域3Bに隣接するその領域におけるゲーブル面5の小さな長さL5minとの結果として、拡大された主ゲーブル面9が形成される。包装体16のこの主ゲーブル面9に、注ぎ口要素を設けることができる。主ゲーブル面9は、前方にアーチ状に湾曲した前縁11まで広がっている。封着後、ゲーブル面5の領域にフィンシーム17が生成される。図1Gでは、耳15とフィンシーム17の両方が突出している。耳15は、その後の作製工程において、例えば接着プロセスによって貼着され、結果として、フィンシーム17も自動的に平らな位置に留まる。
【0039】
図1Hは、図1Gの包装体16のゲーブルの成形後の、特に耳15の貼着後の、状態を示す。図1Hには、図1A図1Gに関連して説明した包装体の諸領域が対応する参照符号で示されている。耳15に加え、フィンシーム17も包装体16に当てがわれている。ゲーブル面5の領域に配置された上側の耳15は、折り下げられ、スリーブ面3に平らに貼着されている。耳15は、スリーブ面3に接着または溶着されることが好ましい。図1Hに示されている包装体16は、スリーブ前面3Aの領域に折り山を一切有さない。前方に湾曲した包装体の前面は、右側に示されている包装体の平面Eを通る水平断面図において明らかに認識可能である。包装体の背面側折り山の直線折り目線2’は、下側コーナー点E4から上側コーナー点E5まで延びている。
【0040】
図2は、包装体の充填および封着のためのシステム18の側面図である。システム18は、包装スリーブ13を収容するためのセル20が複数固着された周方向コンベア装置19を備えている。図1Eに示されている状態の、換言すると、底面が既に封着されている、包装スリーブ13がセル20に挿入される。システム18は、ゲーブル面に折り癖を付けるためのデバイス21と、包装スリーブに充填するためのデバイス22と、包装スリーブを封着するためのデバイス23と、包装体16のゲーブルを成形するためのデバイス24と、包装体16のゲーブルの後成形のためのデバイス25とを備える。ゲーブル面に折り癖を付けるためのデバイス21では、上記のように、ゲーブル面に折り癖が付けられ、包装スリーブ13は図1Fに示されている形状になる。包装スリーブに充填するためのデバイス22において、包装スリーブ13に中身が充填される。その後、包装スリーブを封着するためのデバイス23において、包装スリーブ13は封着されて、図1Gに示されている形状になる。封着後の包装スリーブ13は、包装体16と称される。その後、包装体16は、包装体のゲーブルを成形するためのデバイス24において加工されて、図1Hに示されている形状になる。この加工は、フィンシーム17の折り倒しと耳15の貼着とを含む。その後、包装体16は、デバイス25において加工される。デバイス25では、包装体16のゲーブル、特にそこに配置されているフィンシーム17、を所望の形状にするために、再び成形する。その後、包装体16は、コンベア装置19のセル20から取り出される。図2のように、デバイス24とデバイス25とは機械式接続26を有することが模式的にのみ分かる。これにより、デバイス24とデバイス25とは、互いに機械的に結合されて同じ駆動装置によって駆動可能である。
【0041】
図3は、図2に示されているシステム18の包装体の充填および封着のための部分の拡大図を示す。図3には、図2に関連して説明したシステム18の諸領域が対応する参照符号で示されている。この部分拡大図は、特に、デバイス24とデバイス25とが配置されているシステム18の領域を示している。各包装体16は、コンベア装置19によって輸送方向Tに沿って相互間距離Aで輸送される。距離Aは、2つの隣接セル20間の輸送方向Tにおける距離を示す。
【0042】
包装体16のゲーブルを成形するためのデバイス24は、包装体16のゲーブル領域のフィンシーム17を折り曲げるためのゲーブル折り機27を有する。デバイス24は、包装体16のゲーブル領域の耳15を折り曲げるための2つの耳折り機28A、28Bを更に有する。更に、デバイス24は、ゲーブル折り機27が取り付けられているトラバースT1を備える。トラバースT1は、コンベア装置19に対して移動可能に取り付けられている。これは、図3に示されている例示的実施形態の場合、静止回転軸線D3を中心に回転可能な別のレバーアームH3に回転可能に接続されているレバーアームH4にトラバースT1を不動に取り付けることで、実現される。したがって、静止回転軸線D3を中心としたレバーアームH3の回転は、トラバースT1の、およびゲーブル折り機27の、移動をもたらす。「ゲーブル成形ステーション」とも称されるこのデバイス24の構造および機能は、例えば、特許文献6に記載されている。
【0043】
この目的のために、包装体16のゲーブルを後成形するためのデバイス25は、成形工具29を有する。更に、デバイス25は、成形工具29が取り付けられているトラバースT2を備える。トラバースT2は、コンベア装置19に対して移動可能に取り付けられている。これは、図3に示されている例示的実施形態の場合、静止回転軸線D2を中心に回転可能なレバーアームH2によって具現化されている。デバイス24(特に、そのゲーブル折り機27)およびデバイス25は、共通の駆動装置30によって駆動される。駆動装置30は、例えば、電気モータとして設計可能である。特に、デバイス24のゲーブル折り機27は、デバイス25およびその成形工具29と一緒に駆動される必要があるが、デバイス24の耳折り機28A、28Bは、別個の駆動装置を有することが好ましい。駆動装置30は、静止回転軸線D3を中心に回転可能であり、その駆動力を、回転可能に相互接続されているレバーアームH3、H4を介して、2つのデバイス24、25の一方に伝達できる(図3では、駆動力をデバイス24のトラバースT1に伝達できる)。機械式接続26は、デバイス24のレバーアームH1をデバイス25のレバーアームH2に接続し、ひいては駆動装置30の駆動力が両デバイス24、25に伝達されることを保証するので、両デバイス24、25は同じ駆動装置30によって部分的または全面的に駆動可能である。この目的のために、機械式接続26は、接続されるレバーアームH1、H2の両端に回転可能に接続された連結棒のように設計されている。
【0044】
図4Aは、傾斜ゲーブルを有する包装体16のゲーブル面を後成形するための本発明によるデバイス25が開位置にあるときの側面図を示す。図4Bは、図4Aのデバイス25の正面図を示す。デバイス25は、トラバースT2に固着された成形工具29を備える。トラバースT2は、回転軸線D2を中心に枢動可能である。したがって、成形工具29は、コンベア装置19とこれによって輸送される包装体16とに対して移動可能に取り付けられている。成形工具29は、型キャリア31と支持体32とを備える。支持体32は凹部33を有する。成形工具29が移動可能に取り付けられていると、ゲーブル面、特にフィンシーム17、が包装体16の最上端より下に配置されていたとしても、そこに容易に到達可能であるという利点がある。成形工具29は、包装体16の輸送方向に対応する長手方向(図4A図4DにはX方向として図示)と鉛直方向(図4A図4DにはY方向として図示)とによって形成された平面を移動できるように、取り付けられている。したがって、成形工具29は、二次元可動性を有する。図4Aおよび図4Bに示されているデバイスの開位置は、成形工具29が包装体16に接触しないことと、包装体16を成形工具29の下を輸送方向Tに衝突させずに移動させられることと、を特徴とする。
【0045】
図4Cは、傾斜ゲーブルを有する包装体16のゲーブル面を後成形するための本発明によるデバイス25が閉位置にあるときの側面図である。図4Dは、図4Cのデバイス25の正面図である。図4Cおよび図4Dには、図4Aおよび図4Bに関連して説明したデバイスの諸領域が対応する参照符号で示されている。図4Cおよび図4Dに示されているデバイスの閉位置は、回転軸線D2を中心としたトラバースT2の回転によって、成形工具29が下方に枢動されていることを特徴とする。この場合、成形工具29は、フィンシーム17を包装体16のゲーブル面に当てがっている。図4Dでは、成形工具29の支持体32に設けられている凹部33の目的が分かる。凹部33は、特に損傷を受け易い包装体16のオーバーコートされた穴(OCH)の領域への以降のねじ式キャップ付き注ぎ口要素の貼着が簡素化されるように、この領域を機械的または熱的に損傷しないために、包装体16のこの領域に接触させないことを保証するために役立つ。
【符号の説明】
【0046】
1 ブランク
2,2’ 折り目線
3 スリーブ面
3A、3B (スリーブ面3の)部分領域
4 底面
5 ゲーブル面
6 封着面
7、7B、7G 矩形面
8 三角面
9 主ゲーブル面
10 二次折り目線
11 前縁
12 エンボス加工線
13 包装スリーブ
14 長手方向シーム
15 耳
16 包装体
17 フィンシーム
18 システム
19 コンベア装置
20 セル
21 折り癖付け用デバイス
22 充填用デバイス
23 封着用デバイス
24 ゲーブル成形用デバイス
25 ゲーブル後成形用デバイス
26 機械式接続
27 ゲーブル折り機
28A、28B 耳折り機
29 成形工具
30 駆動装置
31 型キャリア
32 支持体
33 凹部
A (セル20間)距離
D1、D2、D2 回転軸線
E4 (底面4の)コーナー点
E5 (ゲーブル面5の)コーナー点
H1、H2、H3、H4 レバーアーム
L4 (底面4の)長さ
L5min (ゲーブル面5の)最小長
L5max (ゲーブル面5の)最大長
S 引裂き線
SB (底面4の)接点
SG (ゲーブル面5の)接点
T 輸送方向
T1、T2 トラバース
X 長手方向
Y 鉛直方向
Z 横方向
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D