(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】圧電中央管腔トランスデューサを備えた超音波外科用器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/32 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
A61B17/32 510
(21)【出願番号】P 2022063326
(22)【出願日】2022-04-06
(62)【分割の表示】P 2019501682の分割
【原出願日】2017-07-12
【審査請求日】2022-04-06
(32)【優先日】2016-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】リー・ソラ
(72)【発明者】
【氏名】ジー・ジェイコブ・エス
(72)【発明者】
【氏名】スモリック・スティーブン・ピー
(72)【発明者】
【氏名】バレク・ステファン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ダナハー・ウィリアム・ディー
(72)【発明者】
【氏名】シュテューレン・フォスター・ビー
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04169984(US,A)
【文献】米国特許第09044261(US,B2)
【文献】国際公開第2015/001822(WO,A1)
【文献】特開2004-180997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
トランスデューサアセンブリであって、
導管部及びベース部を備えるハウジングであって、前記導管部及び前記ベース部が流体通路を画定する、ハウジングと、
スタック構成に配置された複数の圧電素子及び複数の電極を備える超音波トランスデューサであって、前記複数の電極のうちの少なくとも1つは、少なくとも一対の前記複数の圧電素子の間に配置され、第1のボアホールが前記超音波トランスデューサを貫通して画定されている、超音波トランスデューサと、
内部を貫通して画定された第2のボアホールを備えるエンドマスであって、前記エンドマスの表面は前記超音波トランスデューサの第1の端部に隣接して配置され、前記エンドマスは前記ハウジングと係合するように構成されている、エンドマスと、を備え、
前記エンドマスは、前記超音波トランスデューサを少なくとも部分的に囲んで収容する壁を備え、
前記ハウジングの前記導管部は、前記超音波トランスデューサの前記第1のボアホール及び前記エンドマスの前記第2のボアホールを貫通するように構成され、
前記エンドマスは、前記エンドマスが前記ハウジングと係合したときに前記超音波トランスデューサを前記ハウジングの内面に対して圧縮するように構成されている、トランスデューサアセンブリを備える、外科用器具。
【請求項2】
前記外科用器具は、超音波ブレードによって組織を凝固させ切開するためのものであり、前記超音波ブレードは、前記トランスデューサアセンブリに音響的に結合されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記スタック構成は、
前記超音波トランスデューサの第1の端部に配置された前記複数の電極のうちの第1の電極であって、前記複数の圧電素子のうちの第1の圧電素子の表面と接触している、第1の電極と、
前記超音波トランスデューサの第2の端部に配置された前記複数の電極のうちの第2の電極であって、前記複数の圧電素子のうちの第2の圧電素子の表面と接触している、第2の電極と、を備える、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記ハウジングの前記導管部に隣接して配置された導電素子であって、前記ハウジングの前記導管部を少なくとも部分的に囲む、導電素子と、
前記導電素子と前記導管部との間に配置された絶縁体であって、前記導電素子を前記導管部から電気的に絶縁するように構成された、絶縁体と、を更に備える、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記複数の電極の各々は、各電極の少なくとも1つのタブを介して前記導電素子に電気的に結合されている、請求項
4に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記エンドマスは、前記ハウジングと前記エンドマスとが係合したときに画定される内部区画の周りに封止を生成するように、前記ハウジングに結合されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記超音波トランスデューサは、前記エンドマスが前記ハウジングと係合したとき、前記エンドマスの内面と接触している前記超音波トランスデューサの前記第1の端部及び前記ハウジングの前記内面に対して圧縮された前記超音波トランスデューサの第2の端部を備える、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記複数の電極の各々は、外側縁部と、各電極の内側縁部を画定する開口部と、を備える、請求項
4に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記内側縁部は、前記開口部の中心に向かって延びる少なくとも1つの内側タブを備え、前記内側タブは、前記導電素子に電気的に接触するようにサイズ決めして構成され、
前記外側縁部は、前記開口部の前記中心から外側に延びる少なくとも1つの外側タブを備え、前記外側タブは、前記エンドマスの前記壁の内面に電気的に接触するようにサイズ決めして構成される、請求項
8に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記エンドマスは、ねじ接続を介して前記ハウジングと係合するように構成され、
前記複数の圧電素子のうちの第1の圧電素子、及び前記複数の圧電素子のうちの第2の圧電素子は、電気的に並列に接続されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項11】
外科用器具であって、
トランスデューサアセンブリであって、
導管部及びベース部を備えるハウジングであって、前記導管部及び前記ベース部が流体通路を画定する、ハウジングと、
スタック構成に配置された複数の圧電素子及び複数の電極を備える超音波トランスデューサであって、前記複数の電極のうちの少なくとも1つは、少なくとも一対の前記複数の圧電素子の間に配置され、第1のボアホールが前記超音波トランスデューサを貫通して画定されている、超音波トランスデューサと、
内部を貫通して画定された第2のボアホールを備えるエンドマスであって、前記エンドマスの表面は前記超音波トランスデューサの第1の端部に隣接して配置され、前記エンドマスは前記ハウジングと係合するように構成されている、エンドマスと、を備え、
前記エンドマスは、前記エンドマスにトルクが加えられることを可能にするトルク付与機構を備え、前記トルク付与機構は、前記エンドマスの近位端の外周に形成された複数の平坦な表面であり、
前記ハウジングの前記導管部は、前記超音波トランスデューサの前記第1のボアホール及び前記エンドマスの前記第2のボアホールを貫通するように構成され、
前記エンドマスは、前記エンドマスが前記ハウジングと係合したときに前記超音波トランスデューサを前記ハウジングの内面に対して圧縮するように構成されている、トランスデューサアセンブリを備える、外科用器具。
【請求項12】
前記エンドマスは、前記超音波トランスデューサを少なくとも部分的に囲んで収容する壁を備える、請求項
11に記載の外科用器具。
【請求項13】
前記外科用器具は、超音波ブレードによって組織を凝固させ切開するためのものであり、前記超音波ブレードは、前記トランスデューサアセンブリに音響的に結合されている、請求項
11に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、2016年7月12日に出願された「ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT WITH PIEZOELECTRIC TRANSDUCER」という名称の米国仮特許出願第62/361,136号、及び2016年8月31日に出願された「ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT WITH PIEZOELECTRIC CENTRAL LUMEN TRANSDUCER」という名称の米国仮特許出願第62/381,785号の利益を主張するものであり、それらの各々は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、全般的に超音波外科用システムに関し、より具体的には、外科医が切断及び凝固を実行し、そのような処置を実行するための技法を適合させてカスタマイズすることを可能にする超音波システムに関する。
【背景技術】
【0003】
超音波外科用器具は、このような器具の特殊な性能特性によって、外科手技におけるますます広範囲にわたる用途が見出されている。特定の器具構成及び操作パラメータに応じて、超音波外科用器具は、組織の切断及び凝固による止血を実質的に同時にもたらし、望ましくは、患者の外傷を最小限に抑えることができる。切断行為は、典型的には、器具の遠位端にあるエンドエフェクタ又はブレード先端部によって実現され、これにより、エンドエフェクタと接触した組織に超音波エネルギが伝送される。このような性質の超音波器具は、開腹外科用用途、ロボット支援処置を含む腹腔鏡又は内視鏡の外科手技用に構成することができる。
【0004】
いくつかの外科用器具は、超音波エネルギを正確な切断及び凝固の調節の両方の目的で利用する。超音波エネルギは、組織と接触しているブレードを振動させることによって切断かつ凝固させる。高周波(例えば、毎秒55,500回)で振動する超音波ブレードは、組織内のタンパク質を変性させて、粘着性の凝塊を形成する。ブレード表面が組織に及ぼす圧力により血管が崩壊され、凝塊が止血封止を形成することを可能にする。切断及び凝固の精度は、外科医の技術、並びに電力レベル、ブレードエッジ、組織牽引、及びブレード圧力の調整によって制御される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
超音波外科用器具に対するいくつかの改良分野が存在する。そのような器具のコストは、より広い適用性に対する障壁となっている。例えば、トランスデューサを単一の患者使用デバイスに一体化することを可能にするためには、トランスデューサのコストを実質的に下げる必要がある。トランスデューサのコスト要因の一つは、使用されている圧電素子(複数可)又は素子の組み合わせの複雑さである。現在の器具の欠点のうちのいくつかを克服する外科用器具を提供することが望ましい。本明細書に記載される外科用システムは、これらの欠点を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様によれば、圧電トランスデューサ製造のためのコスト効果の高い幾何学形状は、円形プレート又はディスクである。湿式アセンブリ、個々のプレート表面の幾何学的公差及び平行度と組み合わせた対の平行プレートの使用も、超音波外科用器具の性能を改善し、そのコストを下げるために使用され得る。更に、本開示の態様は、外部圧縮圧電スタックと中央流体管腔との組み合わせを含み、この組み合わせにより、流体の導入又は除去を必要とする処置において超音波外科用器具を使用することを可能にするパッケージを形成する。
【0007】
本開示の態様は、圧電トランスデューサが波節に配置され得るので、遠位フランジ型半波長トランスデューサに対して効率の改善も提供する。更に又はあるいは、本開示の態様は、コンパクトな形態因子(一態様では、トランスデューサアセンブリの外径に対して約0.635cm(約0.250インチ)の節約がある)を提供すること、構成要素(例えば、ハウジング及びエンドキャップ)の排除、漏れ経路の減少による堅牢な封止、及び封止に使用されるエラストマ構成要素の排除又は減少による、相対的なコスト低減、に基づいて効率の改善を提供することができる。溶接され封止されたトランスデューサは、感湿性電極素子への曝露及びセラミックディスクのメタライゼーションのリスクを最小限に抑えて、身体、組織、血液、などに直接曝露することができる。したがって、これらの態様は、トランスデューサの寿命を延ばすことができ、より多くの処置を可能にする。実行される処置の数の増加は、コストがより多くの処置にわたって償却されるので、販売される商品のコストを更に低減することができる。
【0008】
本開示の態様は、超音波外科用器具で使用するためのトランスデューサアセンブリ内の超音波トランスデューサの中心線の周りに軸対称に実施され得る中央管腔を提供する。多くの場合、超音波に基づくエネルギデバイスの組織作用領域に流体を送達するか、又はそこから流体を除去することが望ましい。中央管腔は、流体輸送用の導管として作用し得る。空間的に経済的なパッケージを作るために、超音波トランスデューサの圧電素子の圧縮力に反応する構成要素を、ディスクの半径方向外側に配置してもよい。態様によれば、本明細書に開示された圧電変換器のアーキテクチャは、中央管腔の実施を簡素化する。更に、管腔を画定する構成要素上の雄ねじ(又は他の固定機構)は、トランスデューサ内の管腔の全長にわたる材料の一定の分布を可能にする。この一定の分布は、外科用器具のための洗浄、消毒、又は滅菌プロセスを妨げ得る封止(Oリング、締まり嵌め又は圧入、などに基づく)の必要性を不要にすることもできる。本開示の利点は、特に中央に配置された圧縮機構(例えばボルト)と比較したとき、ラジアルパッケージのサイズを縮小することを含み得る。利点は、より高い利用可能な組織パワーを可能にするより低い動作温度、超音波トランスデューサ領域内の管腔封止の必要性の排除、単純な電気的接続の容易化、及びトランスデューサアセンブリの構築のための電極の整列を含むことができる。
【0009】
一態様では、組織を切開し凝固させるための装置が提供される。装置は、その遠位端で組織と相互作用するように構成されたエンドエフェクタを有する外科用器具、及び外科用器具に電気的に結合され、エンドエフェクタが組織と相互作用できるように超音波エネルギをエンドエフェクタに送達するように構成された発生器、を備える。外科用器具は、ハウジング及び超音波トランスデューサを備えるトランスデューサアセンブリを備え、超音波トランスデューサは、スタック構成に配置された複数の圧電素子及び複数の電極を備える。複数の電極の各々は、一対の固体圧電素子の間に配置され、超音波トランスデューサの第1の端部に隣接して配置されたエンドマスを有する。エンドマスは、ハウジングと係合するように構成され、エンドマスは、エンドマスがハウジングと係合したときに、ハウジングの内面に対して超音波トランスデューサを圧縮するように構成されている。
【0010】
別の態様では、外科用器具は、ハウジングと、長手方向軸、第1の端部、及び第2の端部を有するスタック構成に配置された複数の固体圧電素子及び複数の電極を備える超音波トランスデューサであって、複数の電極の各々が各対の固体圧電素子間に配置されて、1つの電極はスタック構成の第1の端部に配置され、1つの電極はスタック構成の第2の端部に配置されている、超音波トランスデューサと、超音波トランスデューサの第1の端部に隣接して長手方向軸に沿って配置され、超音波トランスデューサに結合されたエンドマスであって、ハウジングと係合するように構成され、エンドマスがハウジングと係合されると、ハウジングの内面に対して超音波トランスデューサを圧縮するように構成され、複数の固体圧電素子のうちの第1の固体圧電素子と複数の固体圧電素子のうちの第2の固体圧電素子とが電気的に並列に接続された、エンドマスと、を備えるトランスデューサアセンブリを備える。
【0011】
別の態様では、外科用器具は、ハウジングと、超音波トランスデューサと、第1の端部と、第2の端部と、それを貫通する開口部とを有するエンドマスと、を備えるトランスデューサアセンブリを備える。超音波トランスデューサは、第1の端部及び第2の端部を有するスタック構成に配置された複数の圧電素子及び複数の電極を含み、第1の電極は第1の圧電素子対の間に配置され、第2の電極は、第2の圧電素子対の間に配置され、第3の電極はスタック構成の第1の端部に配置され、第4の電極はスタック構成の第2の端部に配置され、第1のスペーサ素子は第3の電極と接触して配置され、第2のスペーサ素子は第4の電極と接触して配置されている。エンドマスは超音波トランスデューサの第1の端部に隣接して配置され、エンドマスは、ハウジングと係合するように構成され、かつ、エンドマスがハウジングと係合されると、ハウジングの内面に対して超音波トランスデューサを圧縮するように構成されている。更に、エンドマスが超音波トランスデューサを圧縮するときにエンドマスの第1の端部が第1のスペーサ素子に接触し、エンドマスが超音波トランスデューサを圧縮するときに第2のスペーサ素子がハウジングの内面に接触する。
【0012】
別の態様では、組織を凝固させ切開するための外科用器具は、ハウジング、超音波トランスデューサ、及びエンドマスを備えるトランスデューサアセンブリを備える。ハウジングは導管部及びベース部を備え、流体通路は導管部及びベース部を貫通して画定される。超音波トランスデューサは、スタック構成で配置された複数の圧電素子及び複数の電極を備え、複数の電極の各々は各対の圧電素子の間に配置され、第1のボアホールは超音波トランスデューサを貫通して画定される。エンドマスは、内部を貫通して画定された第2のボアホールを備え、エンドマスの表面は超音波トランスデューサの第1の端部に隣接して配置され、エンドマスはハウジングと係合するように構成される。更に、ハウジングの導管部は、超音波トランスデューサの第1のボアホール及びエンドマスの第2のボアホールを貫通するように構成され、エンドマスは、エンドマスがハウジングと係合されると、ハウジングの内面に対して超音波トランスデューサを圧縮するように構成されている。
【0013】
別の態様では、組織を凝固させ切開するための外科用器具は、ハウジングと、超音波トランスデューサと、エンドマスとを備えるトランスデューサアセンブリを備える。ハウジングは導管部及びベース部を備え、流体通路は導管部及びベース部を貫通して画定される。超音波トランスデューサは、スタック構成に配置された複数の圧電素子及び複数の電極を備え、超音波トランスデューサは、長手方向軸と、第1の端部と、第2の端部とを有する。第1のボアホールは超音波トランスデューサを貫通して画定され、複数の電極の各々は各対の圧電素子の間に配置され、第2の電極は超音波トランスデューサの第1の端部に配置され、第3の電極は超音波トランスデューサの第2の端部に配置されている。エンドマスは、内部を貫通して画定された第2のボアホールを備え、エンドマスは、長手方向軸に沿って超音波トランスデューサの第1の端部に隣接して配置され、エンドマスは、ハウジングと係合するように構成される。ハウジングの導管部は、超音波トランスデューサの第1のボアホール及びエンドマスの第2のボアホールを貫通するように構成され、エンドマスは、エンドマスがハウジングと係合されると、ハウジングの表面に対して超音波トランスデューサを圧縮するように構成され、複数の圧電素子のうちの第1の圧電素子と複数の圧電素子のうちの第2の圧電素子は、電気的に並列に接続される。
【0014】
別の態様では、トランスデューサアセンブリは、ハウジング、導電素子、絶縁体、及び超音波トランスデューサを備える。ハウジングは導管部及びベース部を備え、流体通路は導管部とベース部を貫通して画定される。導電素子はハウジングの導管部を少なくとも部分的に囲み、絶縁体は導電素子と導管部との間に配置され、絶縁体は導電素子を導管部から電気的に絶縁する。超音波トランスデューサは、スタック構成に配置された複数の圧電素子及び複数の電極を備える。超音波トランスデューサは、長手方向軸、第1の端部、及び第2の端部を有し、第1のボアホールは超音波トランスデューサを貫通して画定され、複数の電極の各々は圧電素子の各対の間に配置され、第2の電極は超音波トランスデューサの第1の端部に配置され、第3の電極は超音波トランスデューサの第2の端部に配置されている。更に、複数の電極の各々は、導電素子に電気的に結合されている。エンドマスは、内部を貫通して画定された第2のボアホールを備え、エンドマスは、超音波トランスデューサの第1の端部に隣接して配置されている。エンドマスはハウジングと係合するように構成され、ハウジングの導管部は、超音波トランスデューサの第1のボアホール及びエンドマスの第2のボアホールを貫通するように構成され、エンドマスは、エンドマスがハウジングと係合したときに超音波トランスデューサをハウジングの表面に対して圧縮するように構成され、複数の圧電素子のうちの第1の圧電素子と複数の圧電素子のうちの第2の圧電素子は、電気的に並列に接続されている。
【0015】
前述のものに加えて、様々な他の方法、並びに/又はシステム、及び/若しくはプログラム製品の態様が、本開示の文中(例えば、「特許請求の範囲」及び/若しくは詳細な説明)並びに/又は図面などの教示で記載かつ説明される。
【0016】
前述のものは概要であり、したがって、詳細の単純化、一般化、包括及び/又は省略を含んでもよく、それゆえに、当業者であれば、本「発明の概要」が単に例示的なものに過ぎず、いかなる形であれ限定する意図はないことを、理解するであろう。本明細書に記載される装置並びに/又はプロセス及び/若しくは他の主題の他の態様、特徴及び利点は、本明細書に記載される教示において明らかになるであろう。
【0017】
1つ以上の様々な態様では、関連するシステムは、限定されるものではないが、本明細書で参照する方法の態様に作用するための回路及び/又はプログラミングを含む。その回路及び/又はプログラミングは、本質的に、システム設計者の設計選択に応じて、本明細書で参照する方法の態様に影響するように構成されたハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの任意の組み合わせであり得る。前述のものに加えて、様々な他の方法及び/又はシステム態様が、本開示の文中(例えば、「特許請求の範囲」及び/若しくは「発明を実施するための形態」)並びに/又は図面などの本教示に記載及び説明される。
【0018】
更に、以下に記載する態様、態様の具現、実施例のうちの任意の1つ以上を、以下に記載する他の態様、態様の具現、実施例のうちの任意の1つ以上と組み合わせることができることが理解される。
【0019】
上記の「発明の概要」はあくまで例示的なものに過ぎず、いかなる意味においても限定を目的としたものではない。上述の例示的な態様、実施形態、及び特徴に加えて、更なる態様、実施形態、及び特徴が、図面及び以下の詳細な説明を参照することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
記載される態様の新規特徴を、添付の特許請求の範囲で具体的に説明する。しかしながら、記載される形態は、構成及び操作の方法のいずれに関しても、以下の記載を添付の図面と共に参照することにより最良に理解され得る。
【
図1】発生器及びそれと共に使用可能な様々な外科用器具を含む外科用システムの一形態を示す図である。
【
図2】
図1に示した外科用システムの様々な態様の図である。
【
図3】
図1及び
図2の超音波と電気外科用器具の組み合わせの一態様の図である。
【
図4】動作分岐電流を示す超音波トランスデューサの等価回路の一態様のモデルである。
【
図5】超音波トランスデューサアセンブリの一態様の部分断面図である。
【
図6】
図5に示す超音波トランスデューサアセンブリの超音波トランスデューサ構成要素の斜視図である。
【
図7】トランスデューサアセンブリのハウジング部分によって画定された開口部を示す
図5に示すトランスデューサアセンブリの部分断面図である。
【
図8】
図5に示すトランスデューサアセンブリ上の応力の有限要素解析メッシュである。
【
図9】本開示の組み合わせエンドマス及び超音波トランスデューサの一態様の正面図である。
【
図10】本開示の第1の電極の一態様の上面図である。
【
図11】本開示の第2の電極の一態様の上面図である。
【
図12】本開示の第3の電極の一態様の上面図である。
【
図13】本開示のトランスデューサアセンブリの別の態様の断面図である。
【
図14】本開示のトランスデューサアセンブリの一態様の断面図である。
【
図15】
図14に示すトランスデューサアセンブリの上面図である。
【
図16】本開示のトランスデューサアセンブリの一態様の分解図である。
【
図17】本開示のトランスデューサアセンブリの写真である。
【
図18】
図17に示すトランスデューサアセンブリの写真である。
【
図19】本開示の別のトランスデューサアセンブリの正面図である。
【
図20】本開示の別のトランスデューサアセンブリの斜視図である。
【
図22】本開示のソケットヘッド装置の斜視図である。
【
図23】超音波外科用器具を備える外科用システムの一態様の図である。
【
図24】超音波外科用器具の一態様の断面図である。
【
図25】超音波トランスデューサアセンブリの一態様の斜視図である。
【
図26】
図25の超音波トランスデューサアセンブリの断面図である。
【
図27】
図25に示す超音波トランスデューサアセンブリのハウジングの一態様の斜視図である。
【
図28】
図25示す超音波トランスデューサアセンブリの一態様の構成要素の斜視図である。
【
図29】
図25に示す超音波トランスデューサアセンブリの一態様の構成要素の別の斜視図である。
【
図30】
図25に示す超音波トランスデューサアセンブリの電極の一態様の斜視図である。
【
図31】
図25に示す超音波トランスデューサアセンブリの電極の一態様の斜視図である。
【
図32】
図25に示す超音波トランスデューサアセンブリの電極及び導電素子の一態様の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
外科用器具の様々な態様を詳細に説明する前に、例示的態様が、適用又は使用において、添付の図面及び明細書で例示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意されたい。例示的な態様は、他の態様、変形、及び修正で実施されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、別途示さない限り、本明細書で用いる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な態様を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。
【0022】
更に、以下に記載する態様、態様の具現、実施例のうちの任意の1つ以上を、以下に記載する他の態様、態様の具現、実施例のうちの任意の1つ以上と組み合わせることができるもことが理解される。
【0023】
様々な態様は、外科的処置中の組織の切開、切断、及び/又は凝固をもたらすように構成された超音波及び/又は組み合わせ電気外科(RF)用超音波器具の改善を対象とする。一態様では、超音波と電気外科用器具とを組み合わせたものは、開腹外科処置における使用のために構成され得るが、腹腔鏡、内視鏡、及びロボット支援処置などの他のタイプの外科における用途も有する。超音波並びに/又は超音波及びRFエネルギの選択的な使用によって、多方面の使用が容易になる。
【0024】
様々な態様が、本明細書に記載される超音波器具との関連で記載される。そのような記載は限定するものではなく例として提供されており、その範囲及び適用を限定することを意図しない。例えば、記載される態様のうちの任意の1つは、例えば、米国特許第5,322,055号、同第5,449,370号、同第5,630,420号、同第5,935,144号、同第5,938,633号、同第5,944,737号、同第5,954,736号、同第6,278,218号、同第6,283,981号、同第6,309,400号、同第6,325,811号、同第6,387,109号、同第6,491,708号、同第7,821,143号、同第8,147,508号、同第8,152,825号、同第8,277,471号、同第8,430,898号、同第8,512,364号、同第8,882,792号、及び同第9,114,245号、並びに米国特許出願公開第20050192612号、同第2011/0040212号、同第2011/0040213号、同第20120215244号、同第20130090576号、同第20130197550号、及び同第20130253558号、に記載されたものを含む複数の超音波器具との組み合わせで有用であり、それらの各々は、これら文献の参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0025】
以下の記述から明白となるように、本明細書に記述する外科用器具の態様は、外科用システムの発振器ユニットとの関連で使用することができ、それにより、その発振器ユニットからの超音波エネルギが所望の超音波作動を本明細書の外科用器具にもたらすことが企図される。本明細書に記載される外科用器具の態様は、外科用システムの信号発生器ユニットと関連付けて使用されてもよく、それにより無線周波数(RF)の形態の電気エネルギが、例えば、外科用器具に関してユーザにフィードバックを提供するために使用されることも企図される。超音波発振器及び/若しくは信号発生器は、取り外し不能に外科用器具と一体化されてもよく、又は外科用器具に電気的に取り付け可能であり得る分離した構成要素として提供されてもよい。
【0026】
本明細書の外科用装置の一態様は、その単純な構造を利用した使い捨て用途のために特に構成されている。しかしながら、本外科用器具の他の態様は、使い捨てではないか又は複数回使用されるように構成され得ることも企図される。関連付けられる発振器及び信号発生器ユニットとの、本発明の外科用器具の取り外し可能な接続について、ここでは1人の患者用として、あくまで例示を目的として開示する。しかし、本外科用器具を、関連付けられる発振器及び/又は信号発生器ユニットと取り外し可能にせずに、一体化接続することも企図される。したがって、本明細書に記載される外科用器具の様々な態様は、限定されないが、取り外し可能及び/又は取り外し不能のいずれかの一体型発振器及び/又は信号発生器ユニットと共に、単回使用及び/又は複数回使用するように構成することができ、そのような構成の全ての組み合わせは、本開示の範囲内にあることが企図される。
【0027】
図1~
図3を参照すると、超音波外科用器具を含む外科用システム100の一態様が記載されている。
図1及び
図2は、発生器102と、外科用システム100と共に使用可能な様々な外科用器具104、108とを備える外科用システム100の一態様を示す。
図3は、
図1及び
図2の超音波外科用器具104の図である。
【0028】
様々な態様では、発生器102は、モジュール及び/又はブロックなどのいくつかの別々の機能素子を備えることができる。異なる機能素子又はモジュールを、異なる種類の外科用器具104、108を駆動するように構成することができる。例えば、超音波発生器駆動回路114は、ケーブル142を介して超音波外科用器具104等の超音波装置を駆動してもよい。電気外科/RF発生器駆動回路116は、ケーブル(図示せず)を介して電気外科用器具(図示せず)を駆動することができる。例えば、それぞれの駆動回路114、116は、適切な外科用器具104、108を駆動するためのそれぞれの駆動信号を生成し得る。様々な態様では、超音波発生器駆動回路114(例えば、超音波駆動回路)及び/又は電気外科/RF発生器駆動回路116(例えば、RF駆動回路)は各々、発生器102と一体的に形成することができる。あるいは、駆動回路114、116のうちの1つ以上が、発生器102に電気的に結合された別個の回路モジュールとして設けられてもよい。(駆動回路114及び116は、この選択肢を例示するために幻影で示される。)また、いくつかの態様では、電気外科/RF発生器駆動回路116は、超音波発生器駆動回路114と一体的に形成されてもよく、又はその逆でもよい。また、いくつかの態様では、発生器102は完全に省略されてもよく、駆動回路114、116はそれぞれの外科用器具104、108内のプロセッサ又は他のハードウェアによって実行されてもよい。
【0029】
他の態様では、超音波発生器駆動回路114及び電気外科/RF発生器駆動回路116の電気出力を単一の駆動回路に組み合わせて、多機能外科器具108を、ケーブル146を介して電気外科RF及び超音波エネルギと同時に駆動することができる単一電気信号を提供することができる。多機能外科用器具108は、超音波ブレード149に結合された超音波トランスデューサ構成要素120及びエンドエフェクタ124内の1つ以上の電極を備え、電気外科RFエネルギを受け取る。そのような実現形態では、組み合わされたRF/超音波信号は多機能外科用器具108に結合される。多機能外科用器具108は、組み合わされたRF/超音波信号を分割するための信号処理構成要素を備え、これにより、RF信号をエンドエフェクタ125内の電極に送達することができ、超音波信号を超音波トランスデューサ構成要素120に送達することができる。
【0030】
説明した態様によれば、超音波発生器駆動回路114は、特定の電圧、電流、及び周波数、例えば、毎秒55,500サイクル(Hz)の駆動信号(複数可)を生成することができる。駆動信号(複数可)は、超音波外科用器具104に、具体的には、例えば、本明細書に記載されるように動作することができるトランスデューサ構成要素120に供給することができる。トランスデューサ構成要素120及びシャフト126を通って延びる導波管(導波管は
図1に示さず)は、集合的に、エンドエフェクタ122の超音波ブレード128を駆動する超音波駆動システムを形成することができる。一態様では、発生器102は、高い分解能、精度、及び再現性で修正され得る特定の電圧、電流、及び/又は周波数出力信号の駆動信号を生成するように構成することができ。
【0031】
発生器102は、駆動信号を任意の適切な方法でトランスデューサ構成要素120に供給するように起動させることができる。例えば、発生器102は、フットスイッチケーブル132を介して発生器102に連結されるフットスイッチ130を備えることができる。臨床医は、フットスイッチ130を押圧することによって、トランスデューサ構成要素120を起動させることができる。更に、又はフットスイッチ130の代わりに、超音波外科用器具104のいくつかの態様は、起動時に発生器102にトランスデューサ構成要素120を起動させることができる、ハンドピース上に配置された1つ以上のスイッチを利用することができる。一態様では、例えば、1つ以上のスイッチは、外科用器具104の動作モードを決定するために、例えば、一対のトグルボタン134a、134b(
図2)を備えることができる。例えばトグルボタン134aが押圧されると、超音波発生器102は最大駆動信号をトランスデューサ構成要素120に供給し、それにより最大超音波エネルギ出力を生成させることができる。トグルボタン134bを押圧することにより、超音波発生器102に、トランスデューサ構成要素120にユーザ選択可能な駆動信号を供給させて、最大未満の超音波エネルギ出力を生成させることができる。外科用器具104は、更に、又はあるいは、例えば、エンドエフェクタ122の顎部を動作させるための顎部閉鎖トリガの位置を示すために、第2のスイッチ(図示せず)を備えてもよい。また、いくつかの態様では、超音波発生器102は、顎部閉鎖トリガの位置に基づいて起動されてもよい(例えば、臨床医が顎部閉鎖トリガを押圧して顎部を閉じると、超音波エネルギが印加され得る)。更に又はあるいは、1つ以上のスイッチは、押圧されたとき、発生器102にパルス状出力を提供させるトグルボタン134cを含むことができる。パルスは、例えば、任意の好適な周波数及び分類で提供されてもよい。特定の態様では、パルスの電力レベルは、例えば、トグルボタン134a、134bに関連付けられた電力レベルと同じ(最大、最大未満)であってもよい。
【0032】
記載された態様によれば、電気外科/RF発生器駆動回路116は、無線周波数(RF)エネルギを使用して双極電気外科手術を実施行するのに十分な出力電力を有する駆動信号(複数可)を生成することができる。例えば、双極電気外科用途では、駆動信号は、例えば電気外科用器具(図示せず)の電極に供給され得る。したがって、発生器102は、組織を治療する(例えば、凝固、焼灼、組織溶接する)のに十分な電気エネルギを組織に印加することによる治療目的のために構成することができる。
【0033】
発生器102は、例えば発生器102のコンソールの前面パネルに配置された入力装置110を備えることができる。入力装置110は、発生器102の動作をプログラムするのに適した信号を生成する任意の適切な装置を含むことができる。動作中、ユーザは、入力装置110を使用して発生器102の動作をプログラムする、ないしは別の方法で制御することができる。入力装置110は、発生器によって(例えば、発生器内に収容された1つ以上のプロセッサによって)使用され得る信号を生成する任意の好適な装置を備えて、発生器102の動作(例えば、超音波発生器駆動回路114及び/又は電気外科/RF発生器駆動回路116の動作)を制御することができる。様々な態様では、入力装置110は、ボタン、スイッチ、サムホイール、キーボード、キーパッド、タッチスクリーンモニタ、ポインティングデバイス、汎用又は専用のコンピュータへのリモート接続のうちの1つ以上を含む。他の態様では、入力装置110は、例えば、タッチスクリーンモニタ上に表示される1つ以上のユーザインターフェーススクリーンなどの好適なユーザインターフェースを含んでもよい。したがって、入力装置110を通して、ユーザは、例えば、超音波発生器駆動回路114及び/又は電気外科/RF発生器駆動回路116により生成された駆動信号(複数可)の電流(I)、電圧(V)、周波数(f)、及び/又は期間(T)などの、発生器の種々の動作パラメータを設定又はプログラムすることができる。
【0034】
発生器102は、例えば、発生器102のコンソールの前側パネル上に配置された出力インジケータなどの出力装置112(
図1、
図2)を備えることができる。出力装置112は、ユーザに感覚的フィードバックを提供するための1つ以上の装置を含む。かかる装置は、例えば、視覚的フィードバック装置(例えば、視覚的フィードバック装置は、白熱電灯、発光ダイオード(LED)、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)、ディスプレイ、アナログインジケータ、デジタルインジケータ、棒グラフ表示、デジタル文字数字表示、液晶ディスプレイ(LCD)表示スクリーン、LEDインジケータを備え得る)、可聴フィードバック装置(例えば、可聴フィードバック装置は、スピーカ、ブザー、可聴装置、コンピュータで生成された音、コンピュータ化されたスピーチ、音声/スピーチプラットフォームを介してコンピュータと会話するための音声ユーザインターフェース(VUI)を備え得る)、又は触覚的フィードバック装置(例えば、触覚的フィードバック装置は、任意のタイプの振動フィードバック、触覚アクチュエータを備える)を備えることができる。
【0035】
一態様では、超音波発生器駆動回路114及び電気外科/RF駆動回路116は、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、又はこれらの任意の組み合わせとして実装される1つ以上の埋め込みアプリケーションを備えることができる。駆動回路114、116は、例えば、ソフトウェア、プログラム、データ、ドライバ、アプリケーションプログラムインターフェース(API)などの様々な実行可能なモジュールを備えてもよい。ファームウェアは、ビットマスクされた読み出し専用メモリ(ROM)又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリ(NVM)に記憶することができる。様々な実現形態では、ファームウェアをROMに格納することにより、フラッシュメモリが保存され得る。NVMは、例えば、プログラミング可能ROM(PROM)、消去可能なプログラミング可能ROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラミング可能ROM(EEPROM)、又はダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレートDRAM(DDRAM)、及び/若しくは同期DRAM(SDRAM)などの電池バックアップ式ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む、他のタイプのメモリを備えてもよい。
【0036】
一態様では、駆動回路114、116は、外科用器具104、108の様々な測定可能な特性をモニタリングし、外科用器具104、108を動作させるための対応する出力制御信号を発生させるためのプログラム命令を実行するために、プロセッサとして実装されるハードウェア構成要素を備える。発生器102が外科用器具104と共に使用される態様では、出力制御信号は、超音波トランスデューサ構成要素120を切断及び/又は凝固動作モードで駆動させることができる。外科用器具104及び/又は組織の電気特性は、発生器102の動作態様を制御するために測定及び使用されてもよく、かつ/又はユーザへのフィードバックとして提供されてもよい。発生器102が電気外科用器具と共に使用される態様では、出力制御信号は、電気エネルギ(例えば、RFエネルギ)を、電気外科用器具のエンドエフェクタに、切断、凝固、及び/又は乾燥モードで供給することができる。電気外科用器具及び/又は組織の電気的特性は、発生器102の動作態様を制御するために測定及び使用することができ、かつ/又はユーザへのフィードバックとして提供されてもよい。様々な態様では、前述のように、ハードウェア構成要素は、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、アプリケーション固有の集積回路(ASIC)、他の回路、及び/又はレジスタとして実装することができる。一態様では、プロセッサは、コンピュータソフトウェアプログラム命令を記憶及び実行して、超音波トランスデューサ構成要素120及びエンドエフェクタ122、125などの外科用器具104、108の様々な構成要素を駆動するための出力信号関数を生成するように構成することができる。
【0037】
発生器102の特定のモジュール、回路、及び/又はブロックが例として記載され得るが、より多くの又はより少ないモジュール、回路、及び/又はブロックが使用されてもよく、依然として本形態の範囲内に入ることが理解され得る。更に、様々な態様が、説明を容易にするためにモジュール、回路、及び/又はブロックとして記載される場合があるが、そのようなモジュール、回路、及び/又はブロックは、1つ以上のハードウェア構成要素、例えば、プロセッサ、DSP、PLD、ASIC、回路、レジスタ、及び/若しくはソフトウェア構成要素、例えば、プログラム、サブルーチン、ロジック、並びに/又は、ハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせ、によって実施され得る。また、いくつかの態様では、本明細書に記載される様々なモジュールは、外科用器具104、108内に配置された同様のハードウェアを利用して実現されてもよい(すなわち、発生器102は省かれてもよい)。
【0038】
図2は、複数の外科用器具104、108を駆動するように構成された発生器102を例示する。第1の外科用器具104は、ハンドピース105、超音波トランスデューサ構成要素120、シャフト126、及びエンドエフェクタ122を備える。エンドエフェクタ122は、トランスデューサ構成要素120と音響的に結合された超音波ブレード128、及びクランプアーム140を備える。ハンドピース105は、クランプアーム140を動作させるトリガ143及び、超音波ブレード128又は他の機能にエネルギ供給し、駆動するためのトグルボタン134a、134b、134cの組み合わせを備える。トグルボタン134a、134b、134cは、発生器102により超音波トランスデューサ構成要素120にエネルギ供給するように構成することができる。更に
図2を参照すると、発生器102はまた、複合型電気外科及び超音波器具108を駆動するようにも構成されている。複合型電気外科及び超音波多機能外科用器具108は、ハンドピース109、シャフト129、及びエンドエフェクタ125を備える。エンドエフェクタは、超音波ブレード149及びクランプアーム145を備える。超音波ブレード149は、超音波トランスデューサ構成要素120と音響的に結合される。ハンドピース109は、クランプアーム145を動作させるためのトリガ147、及び超音波ブレード149又は他の機能にエネルギ供給して駆動するトグルボタン137a、137b、137cの組み合わせを備える。トグルボタン137a、137b、137cは、発生器102内で超音波トランスデューサ構成要素120にエネルギ供給し、発生器102内に同様に収容された双極エネルギ源により超音波ブレード149にエネルギ供給するように構成することができる。発生器102は、ケーブル142を介して、組み合わせ電気外科超音波器具108の超音波トランスデューサ構成要素120に結合される。
【0039】
発生器102は、外科用器具104を駆動するようにも構成される。発生器102は、ケーブル146を介して、外科用器具104の超音波トランスデューサ構成要素120に結合される(
図1参照)。外科用器具104の超音波トランスデューサ構成要素120及びシャフト126を通って延びる導波管(導波管は
図2に示さず)は、エンドエフェクタ122の超音波ブレード128を駆動する超音波駆動システムを集合的に形成することができる。エンドエフェクタ122は、クランプアーム140と超音波ブレード128との間に組織をクランプするためのクランプアーム140を更に備えてもよい。一態様では、発生器102は、ステップ式とするか、又は別の方法で高分解能、精度及び繰り返し性により修正することができる、特定の電圧、電流及び/又は周波数出力信号の駆動信号を発生させるように構成することができる。
【0040】
デバイス104は、トグルボタン134a、134b、134cの任意の組み合わせを備え得ることが理解されよう。例えば、外科用器具104は、最大超音波エネルギ出力を発生させるためのトグルボタン134aと、最大電力レベル又は最大未満の電力レベルのいずれかでパルス状出力を発生させるためのトグルボタン134cと、の2つのトグルボタンのみを有するように構成され得る。このようにして、発生器102の駆動信号出力構成は、5つの連続信号及び又は適切な数(例えば1~5)のパルス信号であることができる。特定の態様では、特定の駆動信号構成は、例えば、発生器102におけるEEPROM設定及び/又はユーザ電力レベル選択(複数可)に基づいて制御することができる。特定の態様では、トグルボタン134cの代替として2位置スイッチが提供され得る。例えば、外科用器具104は、最大電力レベルで連続出力を発生させるためのトグルボタン134aと、2位置トグルボタン134bとを含んでもよい。第1の位置では、トグルボタン134bは、最大未満の電力レベルで連続的な出力を生成することができ、第2の位置では、トグルボタン134bは、パルス状出力を発生させることができる(例えば、EEPROM設定値に応じて、最大電力レベル又は最大未満の電力レベルのいずれかで)。
【0041】
図3を参照すると、発生器102の態様は、器具ベースのデータ回路との通信を可能にすることができる。例えば、発生器102は、第1のデータ回路136及び/又は第2のデータ回路138と通信するように構成されてもよい。例えば、第1のデータ回路136は、本明細書に記載されたように、バーンイン周波数スロープを示してもよい。更に又はあるいは、任意のタイプの情報は、データ回路インターフェースを介して(例えば、論理デバイスを使用して)そこに記憶するために第2のデータ回路138に通信することができる。このような情報は例えば、器具が使用された最新の動作数、並びに/又は、その使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。特定の態様では、第2のデータ回路は、1つ以上のセンサ(例えば、器具ベースの温度センサ)によって取得されたデータを送信することができる。特定の態様では、第2のデータ回路138は、発生器102からデータを受信し、受信したデータに基づいてユーザに表示を提供することができる(例えば、LED表示又は他の可視表示)。第2のデータ回路138は、多機能外科用器具108に収容することができる。いくつかの態様では、第2のデータ回路138は、本明細書に記載の第1のデータ回路136のものと類似の方法で実装される。
【0042】
器具インターフェース回路は、この通信を可能にするための第2のデータ回路138インターフェースを備えることができる。一態様では、第2のデータ回路インターフェースは、トライステートデジタルインターフェースを含み得るが、他のインターフェースも使用することができる。特定の態様では、第2のデータ回路138は、概して、データを送信及び/又は受信するための任意の回路であることができる。一態様では、例えば、第2のデータ回路138は、当該回路が関連付けられた特定の外科用器具に関する情報を記憶することができる。そのような情報は、例えば、モデル番号、シリアル番号、外科用器具が使用された動作数及び/又は任意の他のタイプの情報を含むことができる。いくつかの態様では、第2のデータ回路138は、関連付けられたトランスデューサ構成要素120、エンドエフェクタ122、若しくは超音波駆動システムの電気的及び/又は超音波的特性に関する情報を記憶することができる。本明細書に記載される様々なプロセス及び技術は、発生器によって実行され得る。しかしながら、特定の態様では、これらのプロセス及び技術の全て又は一部が多機能外科用器具108の内部論理139によって行われ得ることが理解されよう。
【0043】
更に、発生器102は、その全てが参照により本明細書に組み込まれる以下の米国特許の1つ以上に開示されているように、Cincinnati、OhioのEthicon Endo-Surgery,Inc.によって販売されるGEN300と同様の方法で機能的に動作するように構成され得る:米国特許第6,480,796号(Method for Improving the Start Up of an Ultrasonic System Under Zero Load Conditions)、米国特許第6,537,291号(METHOD FOR DETECTING BLADE BREAKAGE USING RATE AND/OR IMPEDANCE INFORMATION)、米国特許第6,662,127号(METHOD FOR DETECTING PRESENCE OF A BLADE IN AN ULTRASONIC SYSTEM)、米国特許第6,678,899号(Method for Detecting Transverse Vibrations in an Ultrasonic Surgical System)、米国特許第6,977,495号(DETECTION CIRCUITRY FOR SURGICAL HANDPIECE SYSTEM)、米国特許第7,077,853号(METHOD FOR CALCULATING TRANSDUCER CAPACITANCE TO DETERMINE TRANSDUCER TEMPERATURE)、米国特許第7,179,271号(METHOD FOR DRIVING AN ULTRASONIC SYSTEM TO IMPROVE ACQUISITION OF BLADE RESONANCE FREQUENCY AT STARTUP)、及び米国特許第7,273,483号(APPARATUS AND METHOD FOR ALERTING GENERATOR FUNCTION IN AN ULTRASONIC SURGICAL SYSTEM)。
【0044】
図4は、一態様に係る
図1~
図3に示した超音波トランスデューサ構成要素120などの超音波トランスデューサの等価回路150を例示する。回路150は、共振器の電気機械的性質を定義する、直列に接続されたインダクタンスL
s、抵抗R
s、及び容量C
sを有する第1の「動作」分岐、及び静的静電容量C
oを有する第2の容量分岐、を備える。動作電流I
mが第1の分岐を通って流れ、電流I
g~I
mが容量分岐を通って流れる状態で、駆動電流I
gは、発生器から駆動電圧V
gで受信され得る。超音波トランスデューサの電気機械的性質の制御は、I
g及びV
gを好適に制御することによって達成することができる。上述のように、従来の発生器アーキテクチャは、発生器の電流出力I
gの実質的に全てが動作分岐を通って流れるように、並列共振回路内で静的静電容量Coを共振周波数で除去するための同調インダクタL
t(
図4に仮想線で示される)を含んでもよい。この方法では、動作分岐電流I
mの制御は、発生器の電流出力I
gを制御することによって達成される。同調インダクタL
tは、超音波トランスデューサの静的静電容量C
oに固有であるが、異なる静的静電容量を有する異なる超音波トランスデューサは、異なる同調インダクタL
tを必要とする。更に、同調インダクタL
tは、特定の共振周波数での静的静電容量C
oの公称値と一致するため、動作分岐電流I
mの正確な制御は、その特定の周波数でのみ保証され、トランスデューサの温度と共に周波数が下がると、動作分岐電流の正確な制御は損なわれる。
【0045】
図1~
図3に示した発生器102の態様は、同調インダクタL
tに依存せずに動作分岐電流I
mをモニタリングするように構成することができる。その代わりに、発生器102は、特定の超音波外科用器具104への電力の印加間の静的静電容量C
oの測定値(駆動信号電圧及び電流フィードバックデータと共に)を使用して、動的かつ継続的に(例えば、リアルタイムで)動作分岐電流I
mの値を決定することができる。したがって、発生器102そのような態様は、静的静電容量C
oの公称値によって決定される共振周波数においてのみではなく、任意の周波数で任意の値の静的静電容量C
oと同調される又は共振するシステムをシミュレートするために、仮想同調を提供することが可能である。
【0046】
本開示の様々な態様を説明するために、超音波トランスデューサアセンブリは、超音波振動可能な医療用処置器具(例えば、限定するものではないが、超音波メス又は超音波クランプなど)を、トランスデューサアセンブリに取り付けたときに、基本周波数(すなわち、基本共振周波数)の振動モードにて超音波振動させるトランスデューサアセンブリであること、波節は振動の波節(すなわち、振動の大きさがゼロの位置)であること、及び波腹は振動の最大の大きさの位置であること、に留意されたい。振動モードの例としては、縦モードの振動、捻れモードの振動、曲げモードの振動、及び膨張モードの振動が挙げられるが、これらに限定されず、当業者に知られているように、トランスデューサアセンブリは、単一モードの振動での動作に限定されない。また、用語「利得段」は、正の利得段を意味し、振動の大きさを増大させるトランスデューサアセンブリの長手方向に延びる部分である。利得段は、当業者には知られているように、縮小された直径(いくつかの図において識別されるような)、テーパ(一定又は非一定)、又は異なる材料であることのうちの少なくとも1つを有するトランスデューサアセンブリの一部分によって提供され得る。圧電トランスデューサディスクは、円形状を有する外周を有するものに限定されず、限定なく楕円形などの他の形状を有する外周を有するものを含み得ることが指摘される。
【0047】
一態様では、本開示は、ハウジングと、スタック構成の複数の圧電素子を含む超音波トランスデューサと、ハウジングに係合して超音波トランスデューサをハウジング内で特定の関係に保持するように構成されたエンドマスとを備えるトランスデューサアセンブリを含む外科用器具を記載する。態様によれば、エンドマスは、ハウジングのホーン形状部分内で超音波トランスデューサを圧縮する。エンドマスの第1の面は超音波トランスデューサの第1の面に接触し、エドマスがハウジングに係合すると、超音波トランスデューサの第2の面はハウジングのホーン形状部分の内面に対して圧縮される。超音波トランスデューサの圧縮は、エンドマスとハウジングとの間の係合によって引き起こされる。そのような圧縮は、他の方法で圧電素子を通過してハウジング内にトルクで締め付けられる可能性があるボルト又はねじとは無関係である。トランスデューサアセンブリは、外科用器具の遠位端でエンドエフェクタの超音波ブレードに音響的に結合することができ、外科用器具は、
図1~
図3に示されるものと同様の超音波外科用器具又は組み合わせ超音波電気外科用器具であることができる。トランスデューサアセンブリ、ひいては超音波トランスデューサは、超音波ブレードの超音波運動を発生させるために、発生器から駆動信号を受信するように構成される。更に、用語「近位」及び「遠位」は、トランスデューサアセンブリを備える外科用器具を臨床医が把持し得ることに基づいて、トランスデューサアセンブリの構成要素の近接又は位置を参照して使用することができる。
【0048】
図5~
図8は、ハウジング202及び超音波トランスデューサ204を備えるトランスデューサアセンブリ200の一態様を示し、超音波トランスデューサ204は、「ランジュバンスタック」と呼ぶことができ、圧電素子208a~208dの中心線に沿って長手方向軸211を有するスタック構成で配置された複数の圧電素子208a、208b、208c、及び208d、並びに超音波トランスデューサ204の第1の端部に隣接して長手方向軸211に沿って配置されたエンドマス206を備える。一態様では、圧電素子208a~208dのスタックは、
図5~
図7に示すように圧縮ハウジング内に収容されたチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)材料で作られた4つの固体ディスクを備える。他の態様では、超音波トランスデューサ204の圧電スタックは、偶数倍(n×2)の圧電素子208a~208dを含むことができる。圧電スタックは、ねじを切ったエンドマス206上に直接湿式で組み立て(接着剤で接着し)、例えばワイヤ又はケーブルなどの導電素子を備えて、圧電スタックを活性エネルギ源に接続し、発生器102で接地することができる(
図1~
図3)。したがって、エンドマス206と超音波トランスデューサ204は、次いでトランスデューサアセンブリ200の組み立てを可能にするように互いに接合される、別構成要素であってもよい。
【0049】
圧電素子208a~208dは電気的に並列に接続され、逆方向に対をなしている。第1の電極209bは隣接する圧電素子208a~208bの間に配置され、第2の電極209cは隣接する圧電素子208b~208cの間に配置され、そして第3の電極209dは隣接する圧電素子208c~208dの間に配置される。圧電素子208aの近位端には第4の電極209aが配置され、圧電素子208dの端部には第5の電極209eが配置される。一構成では、電極209a~209eは、薄いディスク構成の導電材料で形成されている。電極209a~209eは、発生器102(
図1~
図3に示す)に電気的に結合するように構成されて、圧電素子208a~208にエネルギ供給する。一構成では、電極209a、209c、209eは、発生器102の出力ポートの負極性又は帰路(-)に電気的に結合するように構成され、電極209b、209dは、発生器102の出力ポートの正極性(+)に結合するように構成される。動作時には、発生器102は、電極209a~209eに交流電圧電位を印加して圧電素子208a~208dにエネルギ供給し、交流電圧電位に応答して圧電素子を長手方向に機械的に伸縮させる。交流電圧電位が約30~100kHzの周波数範囲内にあるとき、交流電圧電位は圧電素子208a~208dを超音波周波数で振動させる。交流電圧電位の1つの適切な周波数値は、例えば、55.5kHzであり得る。
【0050】
更に、超音波トランスデューサ204は、圧電素子208a及び208dの端部に位置する圧縮要素210を備える。本本開示によれば、圧縮要素210は、トランスデューサ204の第1の端部においてエンドマス206と超音波トランスデューサ204との間に、及び超音波トランスデューサ204の第2の端部においてハウジング202と超音波トランスデューサ204との間に接触点を提供する。圧縮要素210は、圧電素子208a~208dに対応するサイズ及び形状因子を有する金属製の圧縮プレート又はスペーサを備えることができる。圧縮要素210は、エンドマス206がハウジング202にねじ込まれて係合するときに圧電素子208a~dのスタックに損傷を与えるのを回避するのに役立つことができる。圧縮は、個々の圧電素子208a~208dが、機械的故障を引き起こす可能性がある張力を受けるのを防ぐことができる。圧縮要素210は、各々、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、及び/若しくはそれらの合金などの金属、又は炭素繊維、ガラス繊維、プラスチック等などの他の材料を含む、超音波トランスデューサ204内での適用に適した種類の材料から製造することができる。
【0051】
図5~
図7に示す例に示すように、ハウジング202はホーン形状部分220を備える。ホーン形状部分220は、超音波トランスデューサ204を受容するための開口近位端、及びハウジング202のホーン形状部分220によって画定される開口部213に挿入されたときに超音波トランスデューサ204を囲んで収容する壁を画定する。ホーン形状部分220は、内壁表面に雌ねじを含むことができ、エンドマス206を所定位置にトルクで締め付けることを可能にする。ホーン形状部分220は、超音波トランスデューサ204の変位を増幅する機能も果たし、ホーン形状部分220は、超音波トランスデューサ204の圧電素子208a~208dを圧縮する。様々な態様によれば、超音波トランスデューサ204の直径は、ハウジング220のホーン形状部分202の内径よりも小さくてもよい。したがって、超音波トランスデューサ204とハウジング202のホーン形状部分220の内部との間に空隙205が形成される。この空隙205により、超音波トランスデューサ204の挿入が可能となり、圧電素子208a~208dがハウジング202のホーン形状部分220の内面の側壁に不要に接触することが防止される。
【0052】
ハウジング202はフランジ216も備える。フランジ216は、ホーン形状部分220の外周の周囲の環状リングとして示される。しかしながら、いくつかの態様では、フランジ216は、連続的なリングとして配置されるのではなく、代わりに周囲に沿って位置する部分に配置されてもよい。他の態様では、ハウジング202上の所定の位置に配置されたフランジ216以外に、当該フランジと同様の追加のフランジが存在してもよい。更に、フランジ216は、ハウジング202に沿った他の位置に配置されてもよく、例えば、フランジ216は、ハウジング202の遠位端により近くにハウジング202に沿って配置されてもよい。様々な態様によれば、フランジ216は、フランジ216内及びハウジング202全体の中で振動を減衰させるとともに封止を提供することができるOリング又は他のエラストマ材料部材(図示せず)を含むことができる。Oリングは、フランジ216の溝又は他の特徴(図示せず)内に取り付けることができる。また、様々な態様によれば、フランジ216は、スタック204及びマス206の半径方向寸法と同様の半径方向寸法を有する質量と置き変えることができる。外科用器具のハンドピースハウジング、又は他のフレーム部材は、フランジ216を受容するための対応する形状を含むことができる。
【0053】
ハウジング202のホーン形状部分220は、トランスデューサアセンブリ200の容易な組み立てを可能にし、超音波トランスデューサ204及び圧電素子208a~208dのスタックの放熱及び潜在的な封止において利点を提供する。別の態様では、ホーン形状部分220は、エンドマス206のねじと適合する外側表面にねじ切りを有してもよい。したがって、エンドマス206は、ハウジング202のホーン形状部分220内にあるときに超音波トランスデューサ204を圧縮しながら、ホーン形状部分220上に嵌合することができる。更に、ハウジング202は、導波管部分又は他の機器部分214を取り付けるためのチャネル222を備えることができる。チャネル222は、ねじが切られていてもよく、又は他の構成要素をそれに取り付けるための迅速接続及び/又はロック機構を含んでもよい。様々な態様では、ハウジング202及びエンドマス206は各々、一元的部品として又は部分的に作製することができる。更に、ハウジング202及びエンドマス206は各々、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、及び/又はそれらの合金などの、トランスデューサアセンブリの用途に適した種類の金属から作製することができる。他の態様では、ハウジング202は、必要に応じて、炭素繊維、ガラス繊維、プラスチックなどの他の材料から作製されてもよい。
【0054】
エンドマス206は超音波トランスデューサ204に結合されてもよく、エンドマス206はハウジング202に固定的に又は取り外し可能に取り付けられてもよい。一態様では、超音波トランスデューサ204は、適切な接合機構によってエンドマス206に結合されている。超音波トランスデューサ204とエンドマス206とは、接着剤、溶接、又は他の適切な接合機構によって互いに接合することができる。
図5~
図7に示す態様では、エンドマス206は、エンドマス206がハウジング202と係合すると、複数の圧電素子208a~208dを圧縮するように構成されている。エンドマス206は、ねじ接続を介してハウジング202と係合するように構成される。エンドマス206がハウジング202と係合すると、超音波トランスデューサ204の第2の端部はハウジング202の内面に対して圧縮される。エンドマス206は、配線を超音波トランスデューサ204に接続することを可能にするための1つ以上の長手方向チャネル218も備える。更に、エンドマス206は、トルクをエンドマス206に加えることを可能にするトルク付与機構207を備えることができる。
図5~
図7に示すように、トルク付与機構207は六角頭である。他の態様では、トルク付与機構207は、エンドマス206にトルク付与することを可能にする任意のタイプの駆動式とすることができ、例えば、トルク付与機構207は、任意のタイプのねじ駆動式であることができる。
【0055】
圧電素子208a~208dは、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、メタニオブ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、又は他の圧電セラミック材料などの任意の適切な材料から製造することができる。
図5~
図7に示すように、圧電素子208a~dの各々は、円形又はディスク形状の構成を有し、途切れのない表面を有する固体素子として形成されている。他の態様では、圧電素子208a~208dは、異なる形状、及び/又は複数の素子を互いにボルト締めするための開口部などの異なる表面特性を有することができる。素子208a~208dは、特定の用途に対して適切なアスペクトファクタを有することができる。更に、圧電素子208a~208dは、
図5、
図6に示すように、圧電素子208a~208dの間及び圧電素子208a及び208eの端部にそれぞれ配置された正極209b、209d及び負極209a、209c、209eを介してエネルギ供給され得る。正極及び負極209a~209eは、ケーブル内に収容され、上述のように超音波システムの超音波信号発生器102に電気的に接続可能であり得るワイヤに電気的に結合されてもよい。電極209a~209eは、
図9及び
図10に関連して以下に説明される電極324、326、及び328と同じか又は同様であり得る。更に、様々な態様によれば、圧電素子208a~208dは、超音波トランスデューサ204の他の機構の組み立てを可能にする、素子208a~208dの各々を貫通するボアホールを備えることができる。
【0056】
超音波トランスデューサ204を構成する正極209b、209d、負極209a、209c、209e、及び圧電素子208a~208dの各々は、途切れのない表面を有する固体素子であることができる。あるいは、トランスデューサ204は、内部を貫通して延びるボアを画定する。例えば、一態様では、ボアは圧電素子208a~208dの中心を貫通して延びる。トランスデューサアセンブリ200の超音波トランスデューサ204は、
図1~
図3に関連して上述した発生器102などの超音波発生器からの電気信号を、機械エネルギに変換するように構成され、この機械エネルギは、主に、超音波周波数における超音波トランスデューサ204及びエンドエフェクタ(
図1~
図8には図示せず)の長手方向振動運動の定在波をもたらす。別の態様では、超音波変換器204の振動運動は、異なる方向に作用することができる。例えば、振動運動は、超音波器具の先端のより複雑な運動の局所的な長手方向成分を含むことができる。トランスデューサアセンブリ200がエネルギ供給されると、振動運動の定在波がトランスデューサアセンブリ200によって生成され得る。トランスデューサアセンブリ200は、所定の振幅の音響定在波パターンが生成されるように共振で動作するように設計され得る。トランスデューサアセンブリ200に沿った任意の点における振動運動の振幅は、振動運動が測定されるトランスデューサアセンブリ200に沿った位置に依存し得る。振動運動定在波における最小又はゼロ交差は、一般に波節と呼ばれ(例えば、運動が通常最小である位置)、定在波における局所絶対値最大値又はピークは、一般に波腹と呼ばれる(例えば、運動が通常最大である位置)。態様によれば、波腹とそれに最も近い波節との間の距離は4分の1波長(λ/4)である。
【0057】
更に、複数の圧電素子208a~208d及び電極209a~209eは、接着剤(例えばエポキシ又は他の接着剤を使用して)、溶接、又は他の適切な接合機構を介して接合することができる。一態様では、圧電素子の表面は、その上に配置されたエポキシなどの接着剤を有することができ、その後、電極209a~209eを接着剤の上に配置することができる。接着剤は、電極209a~209eと圧電素子208a~208d自体との間の電気的接続と干渉しないように層内に提供されることができる。更に、態様によれば、複数の圧電素子208a~208d全体ではなく、圧電素子208a~208dのうちのいくつかのみを互いに接合することができる。更に、複数の圧電素子208a~208dは、各層の間に接着剤又は接合機構を設けずに乾式で組み立てることができる。
【0058】
更に、
図8は、例えば40kHzの半波長共振器として構成されたトランスデューサアセンブリ200のノード224における応力の有限要素解析メッシュ等高線図である。態様によれば、トランスデューサアセンブリ200の設計は、適切な用途に基づいて周波数及び波長において拡大又は縮小することができる。例えば、トランスデューサアセンブリ200は、4分の1又は全波長トランスデューサとして機能するように作製されてもよい。
【0059】
図9は、同様に後述されるハウジング302などの、超音波外科用器具のハウジング内に配置されるようにサイズ決めされ構成され得るエンドマス306と超音波トランスデューサ304との組み合わせを示す。エンドマス306、超音波トランスデューサ304、及びハウジング302の任意の態様は、必要に応じて、それぞれエンドマス206、超音波トランスデューサ204、及びハウジング202と同じ又は類似の属性を有することができる。
図10~
図12により詳細に記載される電極324、326、及び328は、超音波トランスデューサ304を構成する圧電素子308a~308dに対して隣接する関係で示されている。
図9に示すように、エンドマス306は、内部を貫通して画定されたチャネル332を有する。チャネル332は、電極324、326、及び328のうちの1つ以上に接続される配線又はケーブル配線に使用することができ、電極324、326、及び328のエネルギ供給及び圧電素子308a~308dへの電気の印加を可能にする。チャネル332は、エンドマス306及び超音波トランスデューサ304への異物の侵入を防ぐために、内部に配置された半田、エポキシ、接着剤、ゴム、又は他の絶縁材料などの封止製品を更に有することができる。更に、チャネル332は、封止製品が不要であるように、電極324、326、及び328のための配線又はケーブル配線のサイズ及び形状と一致するようにサイズ決めし、構成することができる。また、
図9に示すように、エンドマス306は、超音波トランスデューサアセンブリのハウジング302及び/又は本明細書に記載の外科用器具の他の構成要素と係合するために、エンドマスの外面上にねじ山を含むことができる。
【0060】
電極324、326、及び328は、外科用器具が超音波エネルギを標的に印加するために、超音波の所定の波長及び周波数に基づいて発生器102から受信した駆動信号に従って圧電素子308a~308dにエネルギ供給する。電極324、326、及び328は、圧電素子308a~308dの形状に一致する形状を有することにより、それぞれの電極324、326、及び328と圧電素子308a~308dとの間の最大表面積接触を可能にすることができる。電極324、326、及び328は、それぞれ、エンドマス306に最も近い超音波トランスデューサ304の近位端、及び超音波トランスデューサ304の遠位端に配置される。電極324、326、及び328は、圧電素子308a~308dに電流を供給するように機能する、金属、例えば銅などの導電材料から作製することができる。
【0061】
図10に示すように、電極324は、中心を貫通する開口部305を有するディスク形状中心部304を有する。
図9及び
図11に示すように、電極328は、開口部405を有するディスク形状中心部404及び中心部404から外側に延びる複数のアーム402を備える。アーム402は、上述のハウジング202などのトランスデューサアセンブリの導電性ハウジングの内壁と接触して、超音波トランスデューサ304のための電気的接地を提供するようにサイズ決めし、構成することができる。したがって、アーム402は、接地経路又は発生器102への戻りを提供するように構成され得る。更に、アーム402は、トランスデューサ304がハウジング202内に配置されるときにトランスデューサ304のための整列機構を提供する。更に、電極324は、それぞれ、電極324とハウジング202とエンドマス306との接触に基づいて電気的接地を提供することができる。
図12に示すように、電極326は、開口部505a、505bを有する中心部503a~503bをそれぞれ有する2つの接点又はパッド502a~502bを備え、接点502a~502bは互いに電気的に接続されている。接点502a~502bは、導電性接続素子502cを介して接続されている。ワイヤ又はケーブル506は、接点502a~502bのうちの1つに接続され、接点502a~502bにエネルギ供給する。ケーブル506は、発生器102の出力ポートの正極性(+)に結合することができる。エプロン504は、電極326を電気的に絶縁し、外科用器具のハウジングと共に他の電極にエネルギが供給される可能性を防止するために、電極326を絶縁するために含まれる。
【0062】
図9に戻って参照すると、電極326がエネルギ供給されると、電流は、超音波トランスデューサスタック304の中央にある2つの圧電素子308a~308dを通って流れて接地への経路をたどり、その結果、それぞれ、エンドマス306に最も近い超音波トランスデューサ304の近位端における圧電素子308a~308d、及び超音波トランスデューサ304の遠位端の圧電素子308a~308dがエネルギ供給される。圧電素子308a~308dを通過する電流は、圧電素子308a~308dを伸縮させて超音波を発生させる。
【0063】
図13は、ハウジング302’、超音波トランスデューサ304’、及びエンドマス306’を備えるトランスデューサアセンブリ300’の断面図を示す。トランスデューサアセンブリ200と同様に、エンドマス306’は、ハウジング302’のホーン形状部分320’内で超音波トランスデューサ304’を圧縮する。したがって、エンドマス306’は、ねじ接続に基づいてハウジング302’のホーン形状部分320’と係合することができる。更に、ハウジング302’はフランジ316’を備える。フランジ316’は、例えば、トランスデューサアセンブリ300’を囲む外科用器具ハウジングなどの外科用器具構成要素342’を取り付けるための場所を提供し、ここで外科用器具はトランスデューサアセンブリ300’を備える。更に、器具構成要素342’は、振動をトランスデューサアセンブリ300’から減衰させるか又は分離することを意図したアイソレータを備えることができる。一態様では、アイソレータはエラストマを備える。
【0064】
圧電素子308a’~308d’の態様は、必要に応じて、
図5~
図8に関して説明したトランスデューサアセンブリ体200の圧電素子208a~208dと同一又は類似である。したがって、圧電素子308a’~308d’は電気的に並列に接続されてもよく、反対方向に対をなしている。第1の電極309b’は隣接する圧電素子308a’~308b’の間に配置され、第2の電極309c’は隣接する圧電素子308b’~308c’の間に配置され、第3の電極309d’は隣接する圧電素子308c’~308d’の間に配置される。第4の電極309a’は圧電素子308a’の近位端に配置され、第5の電極309e’は圧電素子308dの端部に配置されている。一構成では、電極309a~309e’は、薄いディスク構成の導電材料から形成されている。電極309a’~309e’は、発生器102(
図1~
図3に示す)に電気的に結合するように構成されて、圧電素子308a’~308d’にエネルギ供給する。一構成では、電極309a’、309c’、309e’は、発生器102の出力ポートの負極性すなわち戻り(-)に電気的に結合するように構成され、電極309b’、309d’は、発生器102の出力ポートの正極性(+)に結合するように構成される。動作中、発生器102は、電極309a~309eに交流電圧電位を印加して圧電素子308a~308dにエネルギ供給し、交流電圧電位に応答して圧電素子を長手方向に機械的に伸縮させる。交流電圧電位が約30~100kHzの周波数範囲にあるとき、交流電圧電位は圧電素子308a’~308d’を超音波周波数で振動させる。一実施例では、交流電圧電位の動作周波数は約55.5kHzである。一態様では、電極308a’~308d’のそれぞれは平坦電極である。
【0065】
更に、
図13に示す態様によれば、圧電素子308a’~d’及び電極309a’~e’は、それらを貫通するボアホール328’を備え、それにより、ボアホール328’を介して整列機構336’を挿入することを可能にする。整列機構336’は、超音波トランスデューサ304’、したがって圧電素子308a’~d’及び電極309a’~e’を、ハウジング302’のホーン形状部分320’内の適所に保持することができるように構成される。超音波トランスデューサ304’がハウジング302’に対して短絡するのを防ぐために、空隙305’が維持されている。
【0066】
更に、整列機構336’は、構造的支持を提供し、適切な電極309a’~309e’のエネルギ供給を可能にする、ポスト336’を備える。一態様では、ポスト336’は、ハウジング302’のホーン形状部分320’へのエンドマス306’のトルク付与中に、トランスデューサスタック304’をセンタリングするために使用される管腔を備える。管腔は、電極309a’~309e’に接続されたワイヤを管腔の中心に挿入できるようにするためのチャネルを有することができる。管腔は、ホーン形状部分320’へのエンドマス306’のトルク付与が完了した後に除去することができる。これは、圧電素子308a’~308b’の整列を改善し、非常に低いインピーダンス(例えば12オーム)の電極/配線を使用することを可能にすることができる。
【0067】
図13に示すように、ソースすなわち「ホット」リード332’及びリターンすなわち「コールド」リード334’がポスト336’に接続されている。ソースリード332’は、上述の発生器102などの発生器に、及び電極309b’、309d’に結合されている。戻りリード332’は発生器の接地接続に結合されるか、又は他の方法で発生器への戻り経路を提供し、電極309c’及び309e’にも結合される。本開示の態様では、ソースリード332’及び/又は戻りリード334’は、ポスト336’内に配置されたワイヤを備えることができる。更に、ポスト336’は導電材料から作製されてもよく、電極309a’、309c’、及び309e’のための戻り経路を提供してもよい。
図13に示すように、整列機構330’のポスト336’は、ハウジング302’内の窪み又は開口部内に延びることができ、この窪み又は開口部は、ポスト336’をハウジング302’との確実な係合状態で保持することを可能にし得る。一態様では、整列機構330’は、エンドマス306’と一体的に形成されてもよく、エンドマス306’は、内部を貫通する開口部のない固体物体であってもよい。別の態様では、整列機構330’は、エンドマス306’を貫通してボアホール328’などの開口部を通って嵌合する別個の構成要素であることができる。この態様では、ワイヤは、エンドマス306’のボアホール328’を通って延びることができる。ボアホール328’及びエンドマス306’とハウジング302’との間の任意の開口部は、内部に配置されたハンダ、エポキシ、接着剤、ゴム、テープ、又は他の絶縁材料などの封止製品で覆われて、トランスデューサアセンブリ300’の内部への異物の侵入を防ぐことができる。更に、整列機構330’は、超音波トランスデューサ304’又は個々の圧電素子308a’~d’及び電極309a’~e’が整列機構330’とねじ係合することができるようにねじ山を備えることができる。別の態様では、整列機構330’は、超音波トランスデューサ304’又は個々の圧電素子308a’~d’のうちの1つと電極309a’~e’との間の圧縮嵌合に依存し得る。
【0068】
また、
図13に示すように、戻り電極340’はフランジ316’に接続され、電極340’は接地経路又は発生器102への戻りを提供する接地リード338’(すなわち接地ワイヤ)に接続される。戻り電極340’は、フランジ316’の幾何学形状と一致するように成形された外径を有することができ、戻り電極340’は、ハウジング302’のホーン形状部分320の外径上を滑ることを可能にするのに十分な隙間を提供する内径を有することができる。一態様では、超音波トランスデューサスタック304’が存在するホーン形状部分320’の内側に、戻り経路を、ホーン形状部分320’を通って1つ以上の圧電素子308a’~d’に、及びエンドマス306’を通って1つ以上の圧電素子308a’~d’に確立することができる。
【0069】
図14及び
図15は、エンドマス306、超音波トランスデューサスタック304、及びハウジング302を含む超音波トランスデューサアセンブリ300の一態様を示す。ハウジング302はフランジ316を備える。フランジ216と同様に、フランジ316は、ハウジング302の外面に沿って環状であることができるか、又はハウジング302の外面に沿った別々の位置に構成要素を含むことができる。超音波トランスデューサスタック304の態様は、必要に応じて、上記の超音波トランスデューサ204と同一又は類似であることができる。超音波トランスデューサスタック304は、圧電素子にエネルギ供給するための複数の電極がその間に配置された、スタック構成の複数の圧電素子を備える。更に、ハウジング302の任意の態様は、必要に応じて、上記のハウジング202と同一又は類似であることができる。
【0070】
図14に示すように、エンドマス306は、内部を貫通するチャネル332を有する。チャネル332は、電極305a~305eのエネルギ供給及び圧電素子304a~304dへの電気の印加を可能にするために、トランスデューサスタック304の1つ以上の電極に接続される、配線又はケーブル配線に使用することができる。電極305a~305e及び圧電素子304a~304dの態様は、必要に応じて、
図5~
図8に関して説明したトランスデューサアセンブリ200の圧電素子208a~208d及び電極209a~209eと同じか又は類似している。チャネル332は更に、チャネル内又はトランスデューサスタック304から最も離れた近位端にのみ配置された、半田、エポキシ、接着剤、ゴム、テープ、又は他の絶縁材料などの封止製品334を更に有して、異物がエンドマス306及び超音波トランスデューサ304に侵入するのを防止することができる。更に、エンドマス306はハウジング302内にねじ込むことができるが、封止製品334は、エンドマス306がハウジング302と係合する位置に隣接するエンドマス306の近位端にも配置され、その結果、ハウジング302の内部は、トランスデューサ304及びハウジング302内に配置されたエンドマス306の一部と共に封止され、エンドマス306はハウジング302に接合される。一態様では、ハウジングの内部への封止は気密封止であることができる。更に、一態様では、エンドマス306がハウジング302と係合する任意の部分は、チャネル332と共に、封止が形成されるように溶接することができる。
【0071】
図16は、上述したものと同様のトランスデューサアセンブリ600を示す。トランスデューサアセンブリ600は、ハウジング602、超音波トランスデューサスタック604、及びエンドマス606を備える。ハウジング602、トランスデューサスタック604、及びエンドマス606の任意の態様は、必要に応じて、それぞれ上記の任意のハウジング、超音波トランスデューサスタック、及びエンドマスと同じ又は類似の属性を有することができる。トランスデューサ604及びエンドマス606は、長手方向軸611に沿って配置されてもよい。エンドマス606の遠位端は、ハウジング602のホーン形状部分620の近位端で近位リム625上に嵌合するように構成されたキャップ部分627を備える。エンドマス606のキャップ部分627及びハウジング602のホーン形状部分620はトランスデューサ604を収容するように作用し、キャップ部分627はハウジング602の近位リム625と重なるように設計されている。一態様では、エンドマス606とハウジング602との間に空隙が存在し、レーザ溶接プロセスのためにアルミニウムワイヤを充填することができる空隙を提供する。近位リム625の厚さは、ハウジング602の隣接部分よりも薄くなるようにすることができる。更に、近位リム625の厚さは、エンドマス606の遠位端が近位リム625の上に配置されたときに、ハウジング602及びエンドマス606の周囲がトランスデューサアセンブリ600に沿って均一になるようにすることができる。一態様では、トランスデューサアセンブリ600は、近位リム625と同様の、遠位リム629を備える。更に、エンドマス606のキャップ部分627は、エンドマス606がハウジング602と係合したときにトランスデューサ604が所定量の圧縮で保持されるような長さであることができる。トランスデューサ604は、エンドマス606の遠位端及びハウジング602の近位端における固定係合又は接合によって圧縮状態に保持することができる。接合は、トランスデューサアセンブリ600の周囲に沿った接着剤、ストラップ、レーザ溶接などの溶接、などの適切な接合手段によって達成することができ、気密封止を形成することができる。エンドマス606とハウジング602とを結合することによって、超音波トランスデューサ604は、圧縮状態に保持され、トランスデューサアセンブリ600が多数回作動された後でも、その圧縮下に留まることができる。
【0072】
図17及び
図18は、トランスデューサアセンブリ600と同様のトランスデューサアセンブリ700の写真を示す。トランスデューサアセンブリ700は、アルミニウム製であり、溶接部734を介して互いに溶接されているハウジング702及びエンドマス706を備える。ケーブル735は、超音波トランスデューサ(図示せず)に電気を供給するため、又はトランスデューサの圧電素子によって与えられる電圧の読み取り値を提供するために、エンドマス706の開口部を貫通するように構成される。トランスデューサアセンブリ700は超音波トランスデューサを備えることができ、その任意の態様は、必要に応じて、上述の超音波トランスデューサ204及び304と同じか又は類似している。
【0073】
図19は、ハウジング802及びエンドマス806を備えるトランスデューサアセンブリ800を示す。環状溝又はチャネル842は、トランスデューサアセンブリ800の外面上のトランスデューサアセンブリ800の近位端に隣接して配置される。電気接点840は、溝842と接触して、電気接点840に接続された回路とトランスデューサアセンブリ800の外面との間に電気的結合を提供するように構成される。一態様では、電気接点840は、例えば、ポゴピンなどのピンを備える。態様によれば、トランスデューサアセンブリ800は、外科器具ハウジング内に配置されてもよい。トランスデューサアセンブリ800は、トランスデューサアセンブリ800の外面と電気接点840との間の電気的接続に基づいて電気接点840とトランスデューサアセンブリ800との間に許容される相対運動に基づいて、外科用器具ハウジング内で回転可能であることができる。ハウジング802及びエンドマス806の任意の態様は、必要に応じて、それぞれ上記のハウジング及びエンドマスと同じか又は類似の属性を有することができる。更に、トランスデューサアセンブリ800の内部に配置された超音波トランスデューサの任意の態様は、必要に応じて、上記の任意の超音波トランスデューサと同じか又は類似であることができる。したがって、電気接点840は、電極、例えば電極328が、トランスデューサアセンブリ800のハウジング802と接触する、トランスデューサスタックへの接地接続を提供することができる。一態様では、溝又はチャネル842は、エンドマス806とハウジング802とが一緒になる点に配置することができる。したがって、溝842は、エンドマス806とハウジング802との間の溶接に基づいて形成されてもよく、ここでは、アルミニウムなどの導電材料が溶接に使用される。更に、溝842は、エンドマス806又はハウジング802のいずれかの外面に形成されてもよい。
【0074】
図20は、ハウジング902、超音波トランスデューサスタック904、及びエンドマス906を備えるトランスデューサアセンブリ900の上面図である。ハウジング902、トランスデューサスタック604、及びエンドマス906の任意の態様は、必要に応じて、それぞれ、上記の任意のハウジング、超音波トランスデューサスタック、及びエンドマスと同じか又は類似の属性を有することができる。ハウジング902はフランジ916も備える。上述のフランジ216と同様に、フランジ916は、ハウジング902の外面に沿って環状であってもよく、又はハウジング902の外面に沿った別々の位置に構成要素を含んでもよい。上述の超音波トランスデューサ204と同様に、圧電素子908a~90dのスタックは、
図20に示すように4つの固体ディスクからなり、圧縮要素910は、圧電素子908a~90dのスタックのいずれかの端部に配置されている。圧縮要素910は、圧電素子908a~90dに対応するサイズ及び形状因子を有する金属製の圧縮板プレート又はスペーサを備えることができる。圧縮要素910は、エンドマス906がハウジング902内にねじ込まれてそれと係合するときに圧電素子908a~90dのスタックに損傷を与えるのを回避するのに役立ち得る。圧電素子908a~908dは電気的に並列に接続されており、反対方向に対になっている。第1の電極909bは隣接する圧電素子908a~908bの間に配置され、第2の電極909cは隣接する圧電素子908b~908cの間に配置設され、第3の電極909dは隣接する圧電素子908c~908dの間に配置される。第4の電極909aは圧電素子908aの近位端に配置設され、第5の電極909eは圧電素子908dの端部に配置される。
【0075】
更に、エンドマス906は、トルク付与機構907(例えば、六角ヘッド907)及び、エンドマス906を貫通して画定された開口部932を備える。更に、
図21に示すピストン装置1000及び
図22に示すソケット装置1100は、超音波トランスデューサ904の事前圧縮及びエンドマス906のハウジング902とのトルク係合を可能にする。ピストン装置1000は、ソケット装置1100の中空ソケットヘッド1102を通る。中空ソケットヘッド1102は、エンドマス906上の六角ヘッド907と接触し、エンドマス906にトルクを加える。開口部932は、ピストン装置1000のピストンヘッド1002の挿入を可能にする。ピストン装置1000は、ロードセル1004及びアクチュエータ1006も備える。アクチュエータ1006は、リニアアクチュエータ又は油圧アクチュエータであることができる。ピストンヘッド1002は、ハウジング902内の超音波トランスデューサ904に対して力を加えるように構成されている。ピストンヘッド1002は、非圧電構成要素であるスペーサ910を押して、圧電素子908a~90dへの局所的な応力を防ぐ。ピストンヘッド1002がトランスデューサスタック904に対して十分な圧力を加えると、エンドマス906とトランスデューサスタック904との間の接触点で力が小さくなる。エンドマス906とトランスデューサ904との間の力が小さいほど、摩擦が少なくなり、したがってトランスデューサ904に加わるトルクが小さくなる。エンドマス906がハウジング902内の所定の位置にトルクで締め付けられるとき、ピストンヘッド1002にかかる力を監視することができる。ピストンヘッド1002への力が減少すると(例えば、エンドマス906を介した負荷分散によって引き起こされる)、オペレータに、トランスデューサ904が正しい圧力にあることを伝えることができ、組み立てステップは終了する。
【0076】
図23は、超音波システム2300の一態様を示す。超音波システム2300は、ハンドピースアセンブリ2360と呼ばれる、外科用器具の超音波トランスデューサアセンブリ2301に結合された超音波信号発生器2312を備えることができる。ハンドピースアセンブリ2360は、ハンドピースハウジング2336、及び超音波作動式単一素子エンドエフェクタ又は超音波作動式ブレード2352を備える。超音波トランスデューサアセンブリ2301のハウジング2302は、一般に、変換部分2318、第1の共振器部分又はエンドベル2320、及び第2の共振器部分又はフォアベル2322、並びにフランジ2316などの補助構成要素を含む。これらの部分の全体構造は共振器を構成する。超音波トランスデューサアセンブリ2301は、長さが2分の1システム波長の整数倍(n
*λ/2:式中「n」は任意の整数、例えば、n=1、2、3...)であるのが好ましい。更に、超音波トランスデューサアセンブリ2301は、超音波トランスデューサ2304、エンドマス2306、及びハウジング2302を備え、ハウジング2302は、ノーズコーン2326、速度変換器2328、及び表面2330を備える。超音波トランスデューサアセンブリ2301の態様は、必要に応じて、それに対する構成要素を含めて、トランスデューサアセンブリ200、300、600、700、800、及び900に関して上述したものと同じか又は類似であることができる。
【0077】
更に、用語「近位」」及び「遠位」は、ハンドピースアセンブリ2360を把持する臨床医を基準にして使用される。したがって、エンドエフェクタ2350は、より近位のハンドピースアセンブリ2360に対して遠位にある。便宜上及び明確にするために、「上部」及び「底部」などの空間的用語も、ハンドピースアセンブリ2360を把持する臨床医を基準にして本明細書で使用されることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0078】
エンドベル2320の遠位端は、変換部分2318の近位端に接続され、フォアベル2322の近位端は、変換部分2318の遠位端に接続される。フォアベル2322及びエンドベル2320は、変換部分2318の厚さ、エンドベル2320及びフォアベル2322を製造するのに使用される材料の密度及び弾性率、並びに超音波トランスデューサアセンブリ2301の共振周波数などを含む、多くの変数によって決定される長さを有する。フォアベル2322は、変速器2328として、超音波振動振幅を増幅するようにその近位端からその遠位端に向かって内向きに細くなっていてもよく、あるいは増幅を有さなくてもよい。適切な振動周波数範囲は、約20kHz~120Hzであってもよい。十分に適切な振動周波数範囲は、約30~100Hzであってもよい。一例の動作振動周波数は約55.5kHzであってもよい。
【0079】
超音波トランスデューサは超音波トランスデューサスタック2304を備え、その態様は本明細書に記載の他の任意の超音波トランスデューサスタックと同じか又は類似している。トランスデューサスタック2304の正電極及び負電極は、それぞれワイヤ2338及び2340に電気的に結合されている。ワイヤ2338及び2340はケーブル2342内に収容されており、超音波システム2300の超音波信号発生器2312に電気的に接続可能である。トランスデューサアセンブリ2301の超音波トランスデューサ2304は、超音波信号発生器2312からの電気信号を機械的エネルギに変換し、この機械エネルギは、超音波周波数での超音波トランスデューサ2304及びエンドエフェクタ2350の長手方向振動運動の定在音波を主としてもたらす。別の態様では、超音波トランスデューサの振動運動は異なる方向に作用することができる。例えば、振動運動は、超音波システム2300の先端部のより複雑な運動の局所的な長手方向成分を含むことができる。トランスデューサアセンブリ2301がエネルギ供給されると、振動運動定在波がトランスデューサアセンブリ2301によって発生される。超音波システム2300は、所定の振幅の音響定在波パターンが生成されるように、共振で動作するように設計することができる。トランスデューサアセンブリ2301に沿った任意の点における振動運動の振幅は、振動運動が測定されるトランスデューサアセンブリ2301に沿った位置に依存し得る。振動運動定在波における最小又はゼロ交差は、一般に波節と呼ばれ(例えば、運動が通常最小である位置)、定在波における局所絶対値最大値又はピークは、一般に波腹と呼ばれる(例えば、運動が通常最大である位置)。態様によれば、波腹とそれに最も近い波節との間の距離は4分の1波長(λ/4)であり得る。
【0080】
ワイヤ2338及び2340は、超音波信号発生器2312からの電気信号を超音波トランスデューサスタック2304の正極及び負極に送信する。圧電素子2308は、スイッチ2344に応答して超音波信号発生器2312から供給された電気信号によってエネルギ供給されて、トランスデューサアセンブリ2301内に音響定在波を生成する。スイッチ2344は、医師の足によって作動されるように構成されてもよい。電気信号は、圧電素子2308を電圧勾配の軸に沿って連続的に伸縮させ、超音波エネルギの長手方向の波を生成する。素子の歪みは、材料内に大きな交互の圧縮力及び引張力を生じさせる。圧電素子2308内のこれらの力は、小さな変位の繰り返しとして現われ、材料内に大きな交互の圧縮力及び引張力をもたらす。繰り返される小さな変位は、圧電素子2308を電圧勾配の軸に沿って連続的に伸縮させ、超音波エネルギの長手方向の波を生成する。超音波エネルギは、送信構成要素又は超音波送信導波管2366を介してトランスデューサアセンブリ2301を通ってエンドエフェクタ2350に送信される。様々な態様によれば、導波管2366、エンドエフェクタ2350、及びブレード2352は全て、一般にエンドエフェクタ2350と呼ぶことができる。
【0081】
トランスデューサアセンブリ2301がエンドエフェクタ2350にエネルギを送達するためには、トランスデューサアセンブリ2301の全ての構成要素がエンドエフェクタ2350に音響的に結合されなければならない。超音波トランスデューサ2304の遠位端は、スタッド2348などのねじ接続によって表面2330において超音波伝送導波管2366の近位端に音響的に結合することができる。トランスデューサアセンブリ2301の構成要素は、好ましくは、任意のアセンブリの長さが2分の1波長の整数倍(n*λ/2)となるように音響的に調整され、ここで波長λは、トランスデューサアセンブリ2301の予め選択された又は作動中の長手方向振動駆動周波数fdの波長であり、nは、任意の正の整数である。トランスデューサアセンブリ2301は、音響素子の任意の適切な構成を組み込んでもよいことも意図される。
【0082】
超音波エンドエフェクタ2350は、2分の1システム波長(λ/2)の整数倍と実質的に等しい長さを有することができる。超音波エンドエフェクタ2350の遠位端又はブレード2352は、遠位端の最大の長手方向可動域を提供するために、波腹の近傍に配置することができる。トランスデューサアセンブリがエネルギ供給されると、超音波エンドエフェクタ2350の遠位端2352は、例えば、ピークからピークまで約10~500ミクロンの範囲で、好ましくは所定の振動周波数で約30~約150ミクロンの範囲で運動するように構成することができる。
【0083】
超音波エンドエフェクタ2350は、超音波伝送導波管2366に結合することができる。図示の超音波エンドエフェクタ2350及び超音波伝送導波管2364は、例えば、Ti6Al4V(アルミニウム及びバナジウムを含むチタンの合金)、アルミニウム、ステンレス鋼、又は他の適切な材料などの、超音波エネルギの伝送に適した材料から単一ユニット構造として形成される。あるいは、超音波エンドエフェクタ2350は超音波伝達導波管2366から分離可能(及び異なる組成物のもの)であってもよく、例えば、スタッド、溶接、接着剤、迅速接続、又は他の適切な既知の方法により結合されてもよい。超音波伝達導波管2366は、例えば、2分の1システム波長(λ/2)の整数倍に実質的に等しい長さを有することができる。超音波伝達導波管2366は、好ましくは、例えば、上述のチタン合金(例えば、Ti-6Al-4V)などの、超音波エネルギを効率的に伝播するのに適した材料、又は任意の適切なアルミニウム合金、又は他の合金から構築される固体コアシャフトから製造することができる。
【0084】
超音波伝送導波管2366は、長手方向に突出する取り付けポスト2354を近位端に備えて、スタッド2348などのねじ接続によって超音波伝送導波管2366の表面2330に結合する。
図23に示す態様では、超音波伝送導波管2366は、複数の波節に配置された複数の安定化シリコーンリング又は弾性支持体2356を備える。シリコーンリング2356は望ましくない振動を弱め、超音波エネルギを外側シース2358から分離して、エンドエフェクタ2350の遠位端2352に向かう長手方向の超音波エネルギの流れを最大効率で確実にする。
【0085】
図23に示すように、外側シース2358は、超音波器具2360のユーザ及び患者を超音波伝送達導波管2366の超音波振動から保護する。シース2358は、一般に、ハブ2362及び細長い管状部材2364を含む。管状部材2364は、ハブ2362に取り付けられ、それを貫通して長手方向に延びる開口部を有する。シース2358は、ハンドピースハウジング2336の遠位端にねじ込まれるか又はスナップ嵌めされてもよい。超音波伝送導波管2366は、管状部材2364の開口部を通って延び、シリコーンリング2356は超音波伝送導波管2366を外側シース2358から分離する。外側シース2358は、アイソレータピン(図示せず)を用いて導波管2366に取り付けることができる。導波管2366の穴は、位置ずれで名目上発生する可能性がある。導波管2366は、スタッド2348によってハンドピースアセンブリ2360にねじ込むか又はスナップ嵌めすることができる。ハブ2362の平坦部分は、アセンブリに必要なレベルまでトルクをかけることを可能にすることができる。
【0086】
シース2358のハブ2362は、好ましくはULTEM(登録商標)から構築され、管状部材2364はステンレス鋼から製造される。あるいは、超音波伝送導波管2366は、超音波伝送導波管2366を取り囲んで外側接触から分離するポリマー材料を有することができる。超音波伝送導波管2366の遠位端は、雌ねじ接続によって、好ましくは波腹又はその近傍でエンドエフェクタ2350の近位端に結合することができる。エンドエフェクタ2350は、溶接継手などの任意の適切な手段によって超音波伝送導波管2366に取り付けることができることが想到される。エンドエフェクタ2350は、超音波伝送導波管2366から取り外し可能であってよいが、エンドエフェクタ2350及び超音波伝送導波管2366は、単一の一体部品として形成されてもよいことも想到される。
【0087】
図24は、ハンドピースアセンブリ2460の一態様を示し、その態様は、必要に応じて、ハンドピースアセンブリ2360と同じであるか又は類似している。
図24は、ハウジング2402及びフランジ2416、並びにハンドピースアセンブリ2460のハンドピースハウジング2436及びノーズコーン2426を含むトランスデューサアセンブリ2401の一部の拡大図を示す。電極2409が、ハウジング2402のフランジ2416とアイソレータ2470との間に配置される。アイソレータ2470は、トランスデューサアセンブリ2401からハンドピースアセンブリ2460への振動を減衰させるか又は分離するのに使用される。一態様では、アイソレータ2470はエラストマを備える。
【0088】
電極2409はフランジ2416に隣接しており、電極2409は、接地経路を提供するか又はハンドピースアセンブリ2460に電力を供給する発生器に戻る、接地リード2438に接続される。電極2409は、フランジ2416の幾何学形状に適合するような形状の外径を有することができ、電極2409がハウジング2402の外面上に配置されることを可能にするのに十分な間隙を提供する内径を有することができる。発生器への戻り経路のための電気的接続は、トランスデューサの外面を通るように意図されている。一態様では、電極2409は、フランジ2416と接触して配置され、アイソレータ2470によって適所に保持された平坦な電極である。
【0089】
図25~
図26は、トランスデューサアセンブリ2500の一態様を示し、
図27は、
図25~
図26に示すトランスデューサアセンブリ2500のハウジング2502の図である。トランスデューサアセンブリは、ハウジング2502、超音波トランスデューサ2504、及びエンドマス2506を備える。ハウジング2502は、導管部2510及びベース部2520を備え、管腔又は流体通路2515は導管部2510及びベース部2520を貫通して画定される。ベース部2520は、ホーン形状を有するものとして
図25~
図27に示されており、ホーン形状部分2520と呼ぶことができる。トランスデューサアセンブリ2500は、導電素子2514、絶縁体2512、及びハウジング2502の導管部2510も含むことができる。絶縁体2512に基づいて内側アイソレータ領域が存在し、絶縁体2512は、ハウジング2502の導管部2510と導電素子2514との間に非導電性経路を提供することができる。ハウジング2502は、接地電位又は低電位であり、発生器102への戻り経路を提供することができる。導電素子2514は、発生器102からの高電位に接続することができる。
【0090】
図28~
図29により詳細に示すように、導電素子2514は、ハウジング2502の導管部2510を囲み、導管部2510から電気的に絶縁されるように配置することができる。態様によれば、導電素子2514は、導管部2510を完全に又は少なくとも部分的に囲むことができる。更に、絶縁体2512を導電素子2514と導管部2510との間に配置して適所に保持することができる。
図29に示すように、例えば、ゴム製若しくはプラスチック製のOリング又は材料の隆起縁部などの、外部環状リング2528などの特徴が存在して、導電素子2514を所望の位置に保持し、絶縁体2512と導電素子2514との間に封止を提供することができる。導電素子2514は、ハウジング2502の絶縁体2512及び導管部2510の周りに嵌合するようにサイズ決めされて構成された管として形成することができる。導電素子2514は、銅、アルミニウム、鋼、又は適切な他の材料などの導電材料から作製することができる。導電素子2514は、適切な電極2509a~2509eに対して絶縁と高電位用の導電経路の両方を提供する。一態様では、電極2509a~2509eの各々は平坦電極である。したがって、
図26に示す態様では、導電素子2514は、以下により詳細に説明されるように、電極2509b及び2509dを介した圧電素子2508a~2508dのエネルギ供給を可能にする。絶縁体2512は、ハウジング2502の導管部2510の周りに嵌合するようにサイズ決めされ構成された管として形成されてもよい。絶縁体2512は、ガラス繊維、プラスチック、ゴム、又は必要に応じて他の材料などの絶縁材料から作製することができる。
【0091】
超音波トランスデューサ2504は、「ランジュバンスタック」と呼ばれることがあるスタック構成で配置された複数の圧電素子2508a、2508b、2508c、2508dを備える。長手方向軸2511は、圧電素子2508a~2508dの中心線を形成する。ボアホール2527が超音波トランスデューサ2504を貫通して画定され、エンドマス2506が超音波トランスデューサ2504の第1の端部に隣接して長手方向軸2511に沿って配置される。エンドマス2506はボアホール2527も備える。ハウジング2502の導管部2510は、絶縁体2512及び導電素子2514と共に、超音波トランスデューサ2504のボアホール2527及びエンドマス2506を貫通するように構成される。これにより、エンドマス2506が超音波トランスデューサ2504上に配置され、ハウジング2502と係合したとき、超音波トランスデューサ2504の整列機構が提供される。次いで、超音波トランスデューサ2504は、エンドマス2506及びハウジング2502によって形成され、アセンブリ2500の他の構成要素から適切に離間された内部区画内の定位置に保持することができるので、電極及び導電素子からのアーク放電及び/又は短絡が生じない。更に、エンドマス2506は、エンドマス2506がハウジング2502と係合したときに、超音波トランスデューサ2504の端部をハウジング2502の内面2528に対して圧縮するように構成される。
【0092】
一態様では、圧電素子2508a~2508dのスタックは、圧縮ハウジング内に収容されたチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)材料製の4つのディスクを備える。他の態様では、超音波トランスデューサ2504の圧電スタックは、偶数倍(n×2)の圧電素子を備えることができる。圧電スタックは、ねじを切られたエンドマス2506上に直接湿式で組み立てる(接着剤接合する)ことができ、例えば、ワイヤ又はケーブルなどの導電素子を装備して、圧電スタックを活性エネルギ源に接続し、発生器102で接地する(
図1~
図3)。したがって、エンドマス2506及び超音波トランスデューサ2504は、別々の構成要素であることができ、それらは、次いで、トランスデューサアセンブリ2500の組み立てを可能にするように互いに接合される。圧電素子2508a~2508dは電気的に並列に接続され、反対方向に対になっている。第1の電極2509bは隣接する圧電素子2508a、2508bの間に配置され、第2の電極2509cは隣接する圧電素子2508b、2508cの間に配置され、第3の電極2509dは隣接する圧電素子2508c、2508dの間に配置される。第4の電極2509aは圧電素子2508aの近位端に配置され、第5の電極2509eは圧電素子2508dの端部に配置される。一構成では、電極2509a~2509eは、導電材料から薄いディスク構成で形成される。電極2509a~2509eは、発生器102(
図1~
図3に示す)に電気的に結合するように構成されて、圧電素子2508a~2508dにエネルギ供給する。
【0093】
一構成では、電極2509a、2509c、2509eは、発生器102の出力ポートの負極性又は戻り(-)に電気的に結合するように構成され、電極2509b、2509dは、発生器102の出力ポートの正極性(+)に電気的に結合するように構成される。電極2509a、2509c、2509eは、エンドマス2506及びハウジング2502との接触に基づいて発生器への戻り経路を形成する。
図26に示すように、超音波トランスデューサ2504がエンドマス2506とハウジング2502との係合によって圧縮状態に保持されると、電極2509a及び2509eはそれぞれエンドマス2506の内面及びハウジング2502の内面と接触する。更に、電極2509cは、電極2509c上のタブ2526に基づいてエンドマス2506の壁2517と接触している。電極2509b及び2509dは、各電極2509b、2509dのタブ2524と導電素子2514との間の接触に基づいて発生器102の出力ポートの正極性への経路を形成する。電極2509b、2509d、2509cのタブ2524及び2526は、それらがエンドマス2506及びハウジング2502を有する表面から特定の距離で超音波トランスデューサ2504を保持し、しっかりした嵌合を提供するように、サイズ決めして構成することができる。態様によれば、タブ2524及び2526は、タブの材料の張力に基づいて、必要に応じて導電素子又は他の表面と接触して保持することができる。
【0094】
動作時に、発生器102は、電極2509a~2509eに交流電圧電位を印加して圧電素子2508a~2508dにエネルギ供給し、交流電圧電位に応答して圧電素子を長手方向に機械的に伸縮させる。交流電圧電位が約30~100kHzの周波数範囲内にあるとき、交流電圧電位は圧電素子2508a~2508dを超音波周波数で振動させる。一実施例では、交流電圧電位の動作周波数は約55.5kHzである。更に、一態様では、トランスデューサアセンブリは、40kHzで共振するように構成される。更に、一態様では、超音波トランスデューサ2504は、圧電素子2508a及び2508dの端部に配置された、上述の圧縮要素210と類似の又は同じ圧縮要素を備えることができる。
【0095】
図26に示すように、エンドマス2506は、超音波トランスデューサ2504を受容するためにその中に画定された開口部2513を有する遠位部分、及びエンドマス2506の遠位部分によって画定された開口部2513に挿入されたときに、超音波トランスデューサ2504を取り囲んで収容する壁2517を有する。エンドマス2506は、内壁表面上に雌ねじを含むことができ、エンドマス2506をハウジング2502に対して定位置にトルクで締め付けることを可能にする。ハウジング2520のホーン形状部分2520は、超音波トランスデューサ2504の変位を増幅する機能を果たすことができ、超音波トランスデューサ2504の圧電素子2508a~2508dは、ハウジング2502のホーン形状部分2520の内面2528に対して圧縮されるように構成される。様々な態様によれば、超音波トランスデューサ2504の直径は、エンドマス2506の内径よりも小さくてもよい。したがって、超音波トランスデューサ2504とエンドマス2506の内部との間に空隙2505を画定することができる。これにより、超音波トランスデューサ2504の挿入が可能になり、圧電素子2508a~2508dがエンドマス2506の壁2517の内面と不必要に接触することが防止される。
【0096】
更に、エンドマス2506はフランジ2516を備える。フランジ2516は、エンドマス2506の周囲に沿った環状リングとして示されている。しかしながら、フランジ2516は、連続的なリングとして配置される代わりに、周囲に沿って位置する部分に配置することができる。他の態様では、エンドマス2506及び/又はハウジング2502上の所定の位置に配置されたフランジ2516以外に、当該フランジと同様の追加のフランジが存在してもよい。更に、フランジ2516は、エンドマス2506又はハウジング2502に沿った他の場所に配置することができる。例えば、フランジ2516は、ハウジング2502の遠位端により近くにハウジング2502に沿って配置することができる。様々な態様によれば、フランジ2516は、フランジ2516及びエンドマス2506全体内に封止並びに振動の減衰をもたらすことができるOリング又は他のエラストマ材料部材(図示せず)を含むことができる。フランジ2516の溝又は他の機構(図示せず)内にOリングを取り付けることができる。また、様々な態様によれば、フランジ2516は、超音波トランスデューサ2504及びエンドマス2506の半径方向寸法と同様の半径方向寸法を有する質量と置き換えることができる。外科用器具のハンドピースハウジング、又は他のフレーム部材は、フランジ2516を受容するための対応する形状を含むことができる。
【0097】
ハウジング2502のエンドマス2506とホーン形状部分2520との対応する係合は、トランスデューサアセンブリ2500のより容易な組み立てを可能にし、超音波トランスデューサ2504及び圧電素子2508a~2508dのスタックの放熱及び潜在的封止において利点を提供する。他の態様では、エンドマス2506は、ホーン形状部分2520上のねじ山と一致するように外面にねじ切りを有してもよい。これにより、エンドマス2506の内部内の超音波トランスデューサ2504を圧縮しながら、ホーン形状部分2520をエンドマス2506上に嵌合することが可能になる。エンドマス2506は、任意の適切な接続に基づいてハウジング2502と係合することができる。例えば、一態様では、エンドマス2506は取り付け面を有し、ハウジング2502は、エンドマス2506とホーン形部分2520とを係合するための対応するねじ山を有する取り付け面を有する。別の態様では、適切な強度の接着剤又はエポキシを使用して、エンドマス2506をハウジング2502に接着することができる。更に別の態様では、エンドマス2506とハウジングとを互いに溶接することができる。更に、エンドマス2506とハウジング2502との間の係合は、超音波トランスデューサが配置されたエリアに異物が侵入するのを防ぐための封止を含むことができる。
【0098】
更に、ハウジング2502は、導波管部分又は他の器具部分を取り付けるための取り付け端部2522を備えることができる。取り付け端部2522は、ねじが切られていてもよく、又は他の構成要素をそれに取り付けるための迅速接続及び/又はロック機構を含んでもよい。様々な態様では、ハウジング2502及び/又はエンドマス2506は各々、一体部品として又は部分で構築することができる。更に、ハウジング2502及びエンドマス2506は各々、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、及び/又はそれらの合金などの、トランスデューサアセンブリの用途に適した種類の金属から作製することができる。他の態様では、ハウジング2502は、必要に応じて、炭素繊維、ガラス繊維、プラスチックなどの他の材料から構築することができる。
【0099】
図27に示すように、ハウジング2502は導管部2510及びベース部2520を備える。ベース部2520は、第1の直径を有する第1の部分2530、第1の直径から第2の直径まで先細になる第2の部分2532、及び第2の直径を有する第3の部分2534を備えることができる。取り付け端部2522は、導波管部分又は他の器具部分を取り付けることを可能にする第3の直径を有することができる。第1の部分2530は、エンドマス2506上のねじ山に対応するねじ山(図示せず)を備えることができ、ハウジング2502とエンドマス2506との間のねじ係合を可能にする。更に、内面2528は、ベース部2520の第1の部分2530の第1の直径に対応する。内面2528は、超音波トランスデューサ2504の電極のサイズ及び形状に対応するようにサイズ決めされ構成される。内面2528は、電極の表面積と一致して、接触面及び電極とハウジング2502との間の電気的結合を提供することができる。管腔又は流体通路2515は、流体がハウジング2502全体を貫通することができるように、導管部2510及びベース部2520を貫通して画定される。態様によれば、ハウジング2502を空隙、継ぎ目などのない単一構成要素として構築することができ、ハウジング2502の清掃、殺菌などの容易性を可能にする。ハウジング2502のベース部2520は、
図25~
図27に示すホーン形状を有するが、他の態様によれば、ハウジング2502は他の形状及び構成を有することができる。例えば、一態様では、ハウジング2502は、先細の第2の部分2532を有さなくてもよい。代わりに、ベース部2520の移行部は、内部を貫通して画定された流体通路2515を依然として有しながら、第1の部分2530と第3の部分2534の2つの異なる直径の間の急激な変化をそれぞれ備えることができる。
【0100】
図26に戻って参照すると、エンドマス2506は超音波トランスデューサ2504に結合することができ、エンドマス2506はハウジング2502に固定的に又は取り外し可能に取り付けることができる。一態様では、超音波トランスデューサ2504は、エンドマス2506に結合又は接合されている。超音波トランスデューサ2504とエンドマス2506、又は超音波トランスデューサ2504とハウジング2502は、接着剤、溶接、又は他の適切な接合機構によって互いに接合することができる。
図25~
図27に示す態様では、エンドマス2506は、端部質量2506がハウジング2502と係合したとき、複数の圧電素子208a~208dの端部をエンドマス2506の内側の遠位表面に対して圧縮し、複数の圧電素子208a~208dの別の端部をハウジング2502の内側近位面2528に対して圧縮するように構成される。エンドマス2506は、ねじ接続を介してハウジング2502と係合するように構成することができる。エンドマス2506がハウジング2502と係合すると、超音波トランスデューサ204の第2の端部はエンドマス2506の内面に対して圧縮される。態様によれば、エンドマス2506は、配線を超音波トランスデューサ2504に接続することを可能にする1つ以上のチャネルも含むことができる。これらのチャネルは、導電素子2514を使用せずに超音波トランスデューサ2504にエネルギ供給することを可能にすることができる。更に、
図25~
図26に示すように、エンドマス2506は、トルクがエンドマス2506に加えられることを可能にする近位トルク付与機構2507aを備えることができる。トルク付与機構2507aは4つの滑らかな表面を含む。他の態様では、トルク付与機構2507aは、端部にトルク付与することを可能にする任意のタイプの駆動部、例えば任意のタイプのねじ駆動部であることができる。更に、
図25~
図27に示す態様によれば、ハウジング2502は、4つの滑らかな表面を同様に含み得る、近位トルク付与機構2507aと類似の、遠位トルク付与機構2507bも備えることができる。
【0101】
上述の圧電素子208a~208dと同様に、圧電素子2508a~2508dは、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、メタニオブ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、又は他の圧電セラミック材料などの任意の適切な材料から製造することができる。
図26に示すように、圧電素子2508a~2508dの各々は、環状又はリング形状の構成を有し、内部を貫通して画定された開口部を有する素子として形成される。更に、圧電素子2508a~2508dは、各素子を貫通するボアホール2527を備え、それによって超音波トランスデューサ2504の他の機構の組み立てが可能になる。他の態様では、圧電素子2508a~2508dは、異なる形状、複数の素子を互いに接合するための追加の開口部などの異なる表面特性を有することができ、素子は特定の用途のための適切なアスペクト比を有することができる。更に、圧電素子2508a~2508dは、
図26に示すように、圧電素子2508a~2508dの間並びに圧電素子2508a及び2508eの端部に配置された正電極2509b、2509d及び負電極2509a、2509c、2509eを介してエネルギ供給されることができる。正及び負電極2509a~2509eは、導電素子2514を介してワイヤに電気的に結合することができ、ワイヤはケーブル内に収容され、上述のように超音波システムの超音波信号発生器に電気的に接続可能である。電極2509a~2509eのうちのいくつか又は全ては、前述の電極209a~209eと同じか又は類似であることができる。
【0102】
図26に示すように、超音波トランスデューサ2504を構成する正電極2509b、2509d、負電極2509a、2509c、2509e、及び圧電素子2508a~2508dのそれぞれは、内部を貫通するボアホール2527を有する。トランスデューサアセンブリ2500の超音波トランスデューサ204は、
図1~
図3に関連して上述した発生器102などの超音波発生器からの電気信号を変換するように構成され、この機械エネルギは、超音波周波数における超音波トランスデューサ2504及びエンドエフェクタ(
図25、26には図示せず)の長手方向の振動運動の定在音波を主としてもたらす。別の態様では、超音波トランスデューサ2504の振動運動は異なる方向に作用することができる。例えば、振動運動は、超音波器具の先端のより複雑な運動の局所的な長手方向成分を含むことができる。トランスデューサアセンブリ2500がエネルギ供給されると、振動運動定在波がトランスデューサアセンブリ2500によって生成され得る。トランスデューサアセンブリ2500は、所定の振幅の音響定在波パターンが生成されるように、共振で動作するように設計することができる。トランスデューサアセンブリ2500に沿った任意の点における振動運動の振幅は、振動運動が測定されるトランスデューサアセンブリ200に沿った位置に依存し得る。振動運動定在波における最小又はゼロ交差は、一般に波節と呼ばれ(例えば、運動が通常最小である位置)、定在波における局所絶対値最大値又はピークは、一般に波腹と呼ばれる(例えば、運動が通常最大である位置)。態様によれば、波腹とそれに最も近い波節との間の距離は4分の1波長(λ/4)である。
【0103】
更に、複数の圧電素子2508a~2508d及び電極2509a~eは、エポキシ又は他の接着剤などの接着剤、溶接、又は他の適切な接合機構を介して接合することができる。一態様では、圧電素子2508a~2508dの表面は、その上に配置されたエポキシなどの接着剤を有することができ、次いで電極をその接着剤の上に配置することができる。接着剤は、電極2509a~2509eと圧電素子2508a~2508dとの間及び圧電素子2508a~2508d自体の間の電気的接続と干渉しないように、層内に提供することができる。更に、態様によれば、圧電素子2508a~2508dの全数ではなく、圧電素子2508a~2508dのうちのいくつかのみを互いに接合することができる。更に、複数の圧電素子2508a~2508dは、各層の間に接着剤又は接合機構なしに乾式で組み立てることができる。更に、端部マス2506を貫通する導電素子2514とボアホール2527との間の任意の開口又は間隔は、その中に配置されたハンダ、エポキシ、接着剤、ゴム、又は他の絶縁材料などの封止製品を有して、エンドマス2506とハウジング2502との係合によって形成された内部区画への異物の侵入を防止することができる。
【0104】
図30及び
図31は、それぞれ電極3002及び3008の態様を示す。
図30に示すように、電極3002は、外縁部3005と電極3002の内縁部3007を画定する開口部と有する環状形状表面3001を備える。電極3002は、電極3002の中心に向かって内方に延びる複数のタブ3003を更に備える。
図31に示すように、電極3002と同様に、電極3008は、外縁部3005と、電極3008の内縁部3007を画定する開口部とを有する環状形状表面3001を備える。電極3008は更に、電極3008の中心から離れるように外側に延びる複数のタブ3009を更に備える。電極タブ3003及び3009は、トランスデューサアセンブリ2500を構築するプロセス中に導電経路及びセンタリング機能の両方を提供するように作用する。したがって、タブ3003は、導電素子2514に接触するようにサイズ決めして構成され、超音波トランスデューサ2504の圧電素子2508a~2508dの電気的エネルギ供給を提供することができる。更に、タブ3009は、エンドマス2506の壁の内面に接触するようにサイズ決めして構成され、超音波トランスデューサ2504に電気的接地を提供することができる。一態様では、タブの接触縁部/領域が、トランスデューサアセンブリ2500の組立中の嵌合部の接触面の動きとより良好に整列するように、トランスデューサアセンブリ2500の構築中にタブ3003、3009の各々を捩ることができる。
【0105】
図32は、構成要素の組み立て中に電極3002のタブ3003と導電素子2514との間でなされる接触の図を提供する。タブ3003のうちの1つ以上は、その上に存在する半田3010を有して、電極3002と導電素子2514との間に電気的接続を確立することができる。一態様では、電極3002が所定の位置に配置された後に、例えば、導電素子2514に沿った位置で電極3002を導電素子2514上で捩ることによって、半田3010をタブ3003上に配置することができる。別の態様では、タブ3003は、予め半田付けすることができ、これにより、電極3002と導電素子2514とを組み立てる前に、半田3010をタブ3003上に配置する。半田3010は、例えばリフローソルダリングプロセス中に、又は半田に直接熱を加えることによって加熱され、接続を完了させることができる。態様によれば、電極3008のタブ3009は、同一又は類似の方法で予めはんだ付けされ、表面に接続されることができる。一態様では、導電素子又は他の表面と電極タブ3003、3009との間の接触圧力が不十分になる場合、半田を使用することができ、タブ3003、3009を予めはんだ付けし、設置し、必要な熱を導電素子又は他の表面に加えて、半田を溶融し、気密接続を形成することができる。
【0106】
前述の説明では様々な詳細が述べられてきたが、組織パラメータに基づく同時エネルギモダリティを採用したユーザ適応可能な技術を備えた外科用システムの様々な態様は、これらの具体的な詳細なしに実施できることが理解されよう。例えば、簡潔かつ明確にするために、選択された態様は、詳細にではなく、ブロック図形式で示されている。本明細書に示した詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリに格納されたデータに対して動作する命令という点で提示され得る。そのような説明及び表現は、当業者によって、自身の仕事の内容を当該技術分野の他者に説明及び伝達するために使用されているものである。一般に、技法とは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、格納、転送、組み合わせ、比較、及び別様に操作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をなすことができる物理量の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、またこれらの量に適用される好都合な標識であるに過ぎない。
【0107】
上記の説明から明らかであると特に断らない限り、上記の説明の全体を通じて、「処理する」又は「計算する」又は「算出する」又は「決定する」又は「表示する」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はそのような情報記憶、伝送若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置の動作及び処理を指すことが理解されよう。
【0108】
「一態様」、「態様」、「一形態」、又は「形態」への任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の機構、構造、又は特性が少なくとも1つの態様に含まれるものであることを意味することは注目に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「一形態では」、又は「形態では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【0109】
いくつかの態様は、「結合された」及び「接続された」という表現を、それらの派生語と共に使用して記載されることがある。これらの用語は、互いに同義語であることは意図されないことを理解されたい。例えば、いくつかの態様は、2つ以上の素子が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、用語「接続された」を使用して記載されることがある。別の例では、いくつかの態様は、2つ以上の要素が直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、用語「結合された」を使用して記載されることがある。しかしながら、「連結された」という用語は、2つ以上の要素が互いに直接接触はしないが、依然として互いに協働又は相互作用することを意味することもある。
【0110】
様々な態様について本明細書で述べたが、これらの態様に対する多くの改変例、変形例、代替例、変更例及び同等物を実施することが可能であり、また、当業者には想到されるであろう。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、その他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の「特許請求の範囲」は、全てのそのような改変例及び変形例を、開示された態様の範囲に含まれるものとして網羅することを目的としたものである点を理解されたい。以下の「特許請求の範囲」は、全てのそのような改変例及び変形例を網羅することを目的としたものである。
【0111】
一般的な意味で、当業者は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は共同して実装することができる、本明細書で説明する様々な態様を、様々な種類の「電気回路」から構成されるものと見なすことができることを認識するであろう。結果として、本明細書で使用される場合、「電気回路」は、少なくとも1つの個々の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの専用集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムで構成された汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成された汎用コンピュータ、又は、本明細書で説明したプロセス及び/若しくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリデバイスを形成する(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)電気回路、及び/又は、通信装置(例えばモデム、通信スイッチ又は光学的-電気的機器)を形成する電気回路を含むが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ若しくはデジタルの形式又はそれらのいくつかの組み合わせで実現されてもよいことを認識するであろう。
【0112】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート及び/又は実施例を用いてデバイス及び/又はプロセスの様々な態様について記載してきた。そのようなブロック図、フローチャート及び/又は実施例が、1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、そのようなブロック図、フローチャート又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの事実上任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装し得ることが、当業者には理解されよう。一態様では、本明細書に記載される主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他の集積型の形式で実装されてもよい。しかしながら、当業者は、その全部か一部かを問わず、本明細書で開示される態様のうちのいくつかの形態が、1つ以上のコンピュータ上で稼働する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1つ以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは、それらの実質的に任意の組み合わせとして、集積回路において等価に実現することができ、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることを認識するであろう。更に、本明細書に記載される主題の機能は、多様な形式でプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載される主題の例示的な態様は、配布を実際に行うために使用される特定のタイプの信号搬送媒体にかかわらず適用されることが、当業者には理解されよう。信号搬送媒体の例としては、記録可能型の媒体、例えば、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリなど、並びに伝送型の媒体、例えば、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク(例えば、送信機、受信機、送信ロジック、受信ロジックなど)など)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0113】
全ての上述した米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、本明細書で引用された及び/若しくは任意の出願データシートに列挙された非特許刊行物又は任意のその他の開示文献は、本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。したがって、必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参考として本明細書に組み込まれているあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0114】
本明細書に記載される要素(例えば、動作)、装置、目的及びそれらに伴う考察は、構想を明らかにするための例として使用され、様々な構成の修正が想到されることが、当業者には認識されよう。結果として、本明細書で使用されるとき、説明した特定の例及びそれらに伴う考察は、より一般的な種類を代表することを意図したものである。一般に、特定の代表例を用いることは、その種類を代表することを意図したものであり、また、特定の要素(例えば、動作)、装置、及び目的を含めないことは、限定と見なされるべきではない。
【0115】
本明細書における実質的に全ての複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者であれば、文脈及び/又は用法に則して複数形から単数形に、及び/又は単数形から複数形に読み替えることができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、簡潔にするため、本明細書では明示的には記述されない。
【0116】
本明細書に記載する主題はときに、異なる他の構成要素の中に含められた、又はそれらと結合された異なる構成要素を示す。そのように表現したアーキテクチャは単なる例であり、実際に、同じ機能性を達成する多数の他のアーキテクチャが実現され得ることを理解されたい。構想の意味で、同じ機能性を達成する構成要素の任意の配置は、所望の機能性が達成されるように効果的に「関連付け」られる。したがって、特定の機能性を達成するように組み合わされた本明細書における任意の2つの構成要素は、アーキテクチャ又は中間構成要素にかかわらず、所望の機能性が達成されるように互いと「関連付け」られていると見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素も、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に接続」又は「動作可能に連結」されているものと見なすことができ、そのように関連付けることが可能な任意の2つの構成要素も、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に連結可能」であると見なすことができる。動作可能に連結可能であることの特定の例としては、物理的に適合可能な及び/若しくは物理的に相互作用する構成要素、並びに/又は無線式で相互作用可能な及び/若しくは無線式で相互作用する構成要素、並びに/又は論理的に相互作用する、及び/若しくは論理的に相互作用可能な構成要素が挙げられるが、それらに限定されない。
【0117】
場合によっては、1つ以上の構成要素が、本明細書において、「ように構成される」、「ように構成可能である」、「ように動作可能である/動作する」、「適合される(adapted)/適合可能である」、「ことが可能である」、「ように適合可能である/適合される(conformed)」などと言及されることがある。当業者は、「ように構成される」は一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンドバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0118】
本明細書に記述する主題の特定の態様が図示され記載されてきたが、本明細書の教示に基づいて、本明細書に記述する主題及びそのより広範な態様から逸脱することなく、変更及び修正が行われることができ、したがって添付の特許請求の範囲は、全てのかかる変更及び修正を、本明細書に記述する主題の真の趣旨及び範囲内にあるものとして、その範囲内に包含するものであることが、当業者には明白となるであろう。一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「開放的」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことが、当業者には理解されるであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0119】
更に、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、通常、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ以上の選択的な用語を表わすあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0120】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作上の流れがシーケンスの形で提示されているが、様々な動作は、例示した以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0121】
様々な態様について本明細書で述べたが、これらの態様に対する多くの改変例、変形例、代替例、変更例及び同等物を実施することが可能であり、また、当業者には想到されるであろう。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、その他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の「特許請求の範囲」は、全てのそのような改変例及び変形例を、開示された態様の範囲に含まれるものとして網羅することを目的としたものである点を理解されたい。以下の「特許請求の範囲」は、全てのそのような改変例及び変形例を網羅することを目的としたものである。
【0122】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ以上の態様の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。開示された厳密な態様に対し、包括的であること又は限定的であることは、意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ以上の態様は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な態様を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されるものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0123】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた実施例において説明される。
【実施例】
【0124】
実施例1.組織を凝固させ切開するための外科用器具であって、トランスデューサアセンブリであって、
ハウジングと、
スタック構成に配置された複数の圧電素子及び複数の電極を備える超音波トランスデューサであって、電極は、各対の固体圧電素子の間に配置された、超音波トランスデューサと、
超音波トランスデューサの第1の端部に隣接して配置されたエンドマスであって、ハウジングと係合するように構成された、エンドマスと、を備え、
エンドマスは、エンドマスがハウジングと係合されると、ハウジングの内面に対して超音波トランスデューサを圧縮するように構成された、トランスデューサアセンブリを備える、外科用器具。
【0125】
実施例2.複数の圧電素子は長手方向軸を有し、エンドマスは複数の圧電素子の長手方向軸と整列した長手方向軸を有する、実施例1に記載の外科用器具。
【0126】
実施例3.ハウジングは、その中に画定された開口部を有する部分を備え、超音波トランスデューサは、ハウジングのその部分に嵌合するように構成され、エンドマスは、エンドマスとハウジングのその部分との間のねじ接続を介してハウジングと係合するように構成されている、実施例1又2に記載の外科用器具。
【0127】
実施例4.複数の圧電素子の少なくとも1つは固体圧電素子である、実施例1~実施例3のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0128】
実施例5.スタック構成は、
スタック構成の第1の端部に配置され、
第1の圧電素子の1つの表面と接触している第1の電極と、
スタック構成の第2の端部に配置され、第2の圧電素子の1つ表面と接触している第2の電極と、を更に備える、実施例1~実施例4のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0129】
実施例6.複数の圧電素子とハウジングの内面の側壁との間に空隙を提供するように構成された整列機構を更に備える、実施例1~実施例5のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0130】
実施例7.エンドマスは、トルクをエンドマスに加えることを可能にするトルク付与機構を備える、実施例1~実施例6のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0131】
実施例8.トランスデューサアセンブリは40kHzで共振するように構成されている、実施例1~実施例7のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0132】
実施例9.エンドマスは、ねじ接続によってハウジングと係合するように構成されている、実施例1~実施例8のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0133】
実施例10.複数の圧電素子のうちの第1の圧電素子と複数の圧電素子のうちの第2の圧電素子とが電気的に並列に接続されている、実施例1~実施例9のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0134】
実施例11.超音波トランスデューサはハウジング内に封止されている、実施例1~実施例10のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0135】
実施例12.エンドマスがハウジングに接着されて、ハウジングの内面の周りに封止を形成する、実施例1~実施例11のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0136】
実施例13.ハウジングの外面に電気的に結合するように構成された電気接点を更に備える、実施例1~実施例12のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0137】
実施例14.外科用器具ハウジングを更に備え、トランスデューサアセンブリが外科用器具ハウジングと一緒に配置されて、外科用器具ハウジング内で回転可能であるように構成されている、実施例1~実施例13のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0138】
実施例15.スペーサ素子を更に備え、スペーサ素子は、スタック構成の第1の端部に配置され、エンドマスの第1の端部は、スペーサ素子が超音波トランスデューサを圧縮するときにスペーサ素子と接触する、実施例1~実施例14のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0139】
実施例16.エンドマスがハウジングの内面に対して超音波トランスデューサを圧縮すると、超音波トランスデューサの第1の端部はエンドマスの第1の端部に接触し、超音波トランスデューサの第2の端部は、ハウジングの内面に対して圧縮される、実施例1~実施例15のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0140】
実施例17.複数の圧電素子のうちの少なくとも1つはディスク形状を有する固体圧電素子である、実施例1~実施例16のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0141】
実施例18.組織を凝固させ切開するための外科用器具であって、
トランスデューサアセンブリであって、
ハウジングと、
長手方向軸、第1の端部、及び第2の端部を有するスタック構成に配置された複数の固体圧電素子及び複数の電極を備える超音波トランスデューサであって、電極は各対の固体圧電素子の間に配置され、電極はスタック構成の第1の端部に配置され、電極はスタック構成の第2の端部に配置されている、超音波トランスデューサと、
超音波トランスデューサの第1の端部に隣接して長手方向軸に沿って配置され、超音波トランスデューサに結合されたエンドマスであって、ハウジングと係合するように構成された、エンドマスと、を備え、
エンドマスは、エンドマスがハウジングと係合したときに超音波トランスデューサをハウジングの内面に対して圧縮するように構成され、
複数の固体圧電素子のうちの第1の固体圧電素子と複数の固体圧電素子のうちの第2の固体圧電素子とは、電気的に並列に接続されている、トランスデューサアセンブリ、を備える、外科用器具。
【0142】
実施例19.組織を凝固させ切開するための外科用器具であって、
トランスデューサアセンブリであって、
ハウジングと、
第1の端部及び第2の端部を有するスタック構成に配置された複数の圧電素子及び複数の電極であって、第1の電極は第1の圧電素子対の間に配置され、第2の電極は第2の圧電素子対の間に配置され、第3の電極はスタック構成の第1の端部に配置され、第4の電極はスタック構成の第2の端部に配置された、複数の圧電素子及び複数の電極と、
第3の電極と接触している第1のスペーサ素子と、
第4の電極と接触している第2のスペーサ素子と、を備えた超音波トランスデューサと、
第1の端部、第2の端部、及び内部を貫通する開口部を有するエンドマスであって、超音波トランスデューサの第1の端部に隣接して配置され、ハウジングと係合するように構成された、エンドマスと、を備え、
エンドマスは、エンドマスがハウジングと係合したときに超音波トランスデューサをハウジングの内面に対して圧縮するように構成され、
エンドマスが超音波トランスデューサを圧縮すると、エンドマスの第1の端部は第1のスペーサ素子と接触し、
エンドマスが超音波トランスデューサを圧縮すると、第2のスペーサ素子はハウジングの内面と接触する、トランスデューサアセンブリを備える、外科用器具。
【0143】
実施例20.組織を凝固させ切開するための外科用器具であって、
トランスデューサアセンブリであって、
ハウジングと、
第1の端部及び第2の端部を有するスタック構成に配置された複数の圧電素子及び複数の電極であって、第1の電極は第1の圧電素子対の間に配置され、第2の電極は第2の圧電素子対の間に配置され、第3の電極はスタック構成の第1の端部に配置され、第4の電極はスタック構成の第2の端部に配置された、複数の圧電素子及び複数の電極と、
第3の電極と接触している第1のスペーサ素子と、
第4の電極と接触している第2のスペーサ素子と、を備えた超音波トランスデューサと、
第1の端部、第2の端部、及びそれを貫通する開口部を有するエンドマスであって、超音波トランスデューサの第1の端部に隣接して配置され、ハウジングと係合するように構成された、エンドマスと、を備え、
エンドマスは、エンドマスがハウジングと係合したときに超音波トランスデューサをハウジングの内面に対して圧縮するように構成され、
エンドマスが超音波トランスデューサを圧縮すると、エンドマスの第1の端部は第1のスペーサ素子と接触し、
エンドマスが超音波トランスデューサを圧縮すると、第2のスペーサ素子はハウジングの内面と接触する、トランスデューサアセンブリを備える、外科用器具。
【0144】
実施例21.複数の圧電素子は長手方向軸を有し、エンドマスは、
複数の圧電素子の長手方向軸と整列した長手方向軸を有する、実施例20に記載の外科用器具。
【0145】
実施例22.エンドマスは、その中に画定された開口部を有する遠位部分を備え、超音波トランスデューサはエンドマスの遠位部分内に嵌合するように構成され、ハウジングは、ハウジングとエンドマスの遠位部分との間のねじ接続によって、エンドマスと係合するように構成されている、実施例20又は実施例21に記載の外科用器具。
【0146】
実施例23.エンドマスは、超音波トランスデューサを少なくとも部分的に囲んで収容する壁を備える、実施例20~実施例22のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0147】
実施例24.電極は第1の電極であり、超音波トランスデューサは、超音波トランスデューサの第1の端部に配置され、複数の圧電素子のうちの第1の圧電素子の1つの表面と接触する第2の電極と、超音波トランスデューサの第2の端部に配置され、複数の圧電素子のうちの第2の圧電素子の1つの表面と接触する第3の電極と、を更に備える、実施例20~実施例23のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0148】
実施例25.エンドマスは、トルクをエンドマスに加えることを可能にするトルク付与機構を備える、実施例20~実施例24のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0149】
実施例26.エンドマスは、ねじ接続によってハウジングと係合するように構成されている、実施例20~実施例25のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0150】
実施例27.ハウジングの導管部に隣接した導電素子を更に備える、実施例20~実施例26のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0151】
実施例28.導電素子は、ハウジングの導管部を少なくとも部分的に囲み、導管部から電気的に絶縁されている、実施例27に記載の外科用器具。
【0152】
実施例29.導電素子と導管部との間に絶縁体を更に備える、実施例27に記載の外科用器具。
【0153】
実施例30.電極は、導電素子に電気的に結合されている、実施例27に記載の外科用器具。
【0154】
実施例31.電極は、電極の少なくとも1つのタブを介して導電素子に電気的に結合されている、実施例27に記載の外科用器具。
【0155】
実施例32.エンドマスは、ハウジングとエンドマスとが係合したときに画定される内部区画の周りに封止を形成するように、ハウジングに接合される、実施例20~実施例31のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0156】
実施例33.外科用器具ハウジングを更に備え、トランスデューサアセンブリが外科用器具ハウジングと共に配置されている、実施例20~実施例32のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0157】
実施例34.エンドマスが超音波トランスデューサをハウジングの内面に対して圧縮するとき、超音波トランスデューサの第1の端部はエンドマスの内面と接触し、超音波トランスデューサの第2の端部はハウジングの内面に対して圧縮される、実施例20~実施例33のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0158】
実施例35.電極は、外縁部と、電極の内縁部を画定する開口部とを備える、実施例20~実施例34のいずれか1つ以上の実施例に記載の外科用器具。
【0159】
実施例36.内縁部は、開口部の中心に向かって延びる少なくとも1つのタブを備える、実施例35に記載の外科用器具。
【0160】
実施例37.外縁部は、開口部の中心から外側に延びる少なくとも1つのタブを備える、実施例35に記載の外科用器具。
【0161】
実施例38.組織を凝固させ切開するための外科用器具であって、
トランスデューサアセンブリであって、
導管部及びベース部を備えるハウジングであって、流体通路が導管部及びベース部を貫通して画定されている、ハウジングと、
スタック構成に配置された複数の圧電素子及び複数の電極を備えた超音波トランスデューサであって、長手方向軸と、第1の端部と、第2の端部とを備え、第1のボアホールは超音波トランスデューサを貫通して画定され、第1の電極は各対の圧電素子の間に配置され、第2の電極は超音波トランスデューサの第1の端部に配置され、第3の電極は超音波トランスデューサの第2の端部に配置されている、超音波トランスデューサと、
内部を貫通して画定された第2のボアホールを備えたエンドマスであって、超音波トランスデューサの長手方向軸に沿って第1の端部に隣接して配置され、ハウジングと係合するように構成された、エンドマスと、を備え、
ハウジングの導管部は、超音波トランスデューサの第1のボアホール及びエンドマスの第2のボアホールを貫通するように構成され、
エンドマスは、エンドマスがハウジングと係合したときに超音波トランスデューサをハウジングの表面に対して圧縮するように構成され、
複数の圧電素子のうちの第1の圧電素子と
複数の圧電素子のうちの第2の圧電素子は、電気的に並列に接続されている、トランスデューサアセンブリを備える、外科用器具。
【0162】
実施例39.トランスデューサアセンブリであって、
導管部及びベース部を備えるハウジングであって、流体通路が導管部及びベース部を貫通して画定されている、ハウジングと、
ハウジングの導管部を少なくとも部分的に囲む導電素子と、
導電素子と導管部との間に配置された絶縁体であって、導電素子を導管部から電気的に絶縁する、絶縁体と、
スタック構成に配置された複数の圧電素子及び複数の電極を備えた超音波トランスデューサであって、長手方向軸と、第1の端部と、第2の端部とを備え、第1のボアホールは超音波トランスデューサを貫通して画定され、第1の電極は各対の圧電素子の間に配置され、第2の電極は超音波トランスデューサの第1の端部に配置され、第3の電極は超音波トランスデューサの第2の端部に配置され、第1の電極は導電素子に電気的に結合されている、超音波トランスデューサと、
内部を貫通して画定された第2のボアホールを備えたエンドマスであって、超音波トランスデューサの長手方向軸に沿って第1の端部に隣接して配置され、ハウジングと係合するように構成された、エンドマスと、を備え、
ハウジングの導管部は、超音波トランスデューサの第1のボアホール及びエンドマスの第2のボアホールを貫通するように構成され、
エンドマスは、エンドマスがハウジングと係合したときに超音波トランスデューサをハウジングの表面に対して圧縮するように構成され、
複数の圧電素子のうちの第1の圧電素子と複数の圧電素子のうちの第2の圧電素子とが、電気的に並列に接続された、トランスデューサアセンブリ。
【0163】
〔実施の態様〕
(1) 組織を凝固させ切開するための外科用器具であって、
トランスデューサアセンブリであって、
ハウジングと、
スタック構成に配置された複数の圧電素子及び複数の電極を備える超音波トランスデューサであって、前記複数の電極の少なくとも1つは、少なくとも一対の前記複数の圧電素子の間に配置された、超音波トランスデューサと、
前記超音波トランスデューサの第1の端部に隣接して配置されたエンドマスであって、前記ハウジングと係合するように構成された、エンドマスと、を備え、
前記エンドマスは、前記エンドマスが前記ハウジングと係合されると、前記ハウジングの内面に対して前記超音波トランスデューサを圧縮するように構成された、トランスデューサアセンブリを備える、外科用器具。
(2) 前記複数の圧電素子と前記ハウジングの内面との間に空隙を提供するように構成された整列機構を更に備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記超音波トランスデューサは、前記ハウジングの一部分内に嵌合するように構成され、前記一部分はその中に開口部を画定し、
前記エンドマスは、前記エンドマスと前記ハウジングの前記一部分との間のねじ接続を介して前記ハウジングと係合するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(4) 前記複数の圧電素子のうちの少なくとも1つは、固体のディスク形状の圧電素子である、実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記スタック構成は、
前記スタック構成の第1の端部に配置された前記複数の電極のうちの第1の電極であって、前記複数の圧電素子のうちの第1の圧電素子の表面と接触している、第1の電極と、
前記スタック構成の第2の端部に配置された前記複数の電極のうちの第2の電極であって、前記複数の圧電素子のうちの第2の圧電素子の表面と接触している、第2の電極と、を備える、実施態様1に記載の外科用器具。
【0164】
(6) 前記トランスデューサアセンブリは40kHzで共鳴するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(7) 前記エンドマスは、前記ハウジングに接合されて前記ハウジングの前記内面の周りに封止を形成し、
前記超音波トランスデューサは前記ハウジング内に封止されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(8) 前記ハウジングの外面に電気的に結合するように構成された電気接点を更に備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(9) 外科用器具ハウジングを更に備え、前記トランスデューサアセンブリは、前記外科用器具ハウジングと共に配置され、かつ、前記外科用器具ハウジング内で回転可能であるように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(10) 前記エンドマスが前記超音波トランスデューサを圧縮する際に前記エンドマスと接触するように構成されたスペーサ素子を更に備え、前記スペーサ素子は、前記スタック構成の前記第1の端部に配置されている、実施態様5に記載の外科用器具。
【0165】
(11) 前記エンドマスは、前記エンドマスが前記ハウジングと係合したときに前記超音波トランスデューサを前記ハウジングの内面に対して圧縮するように構成され、
前記複数の圧電素子のうちの第1の圧電素子と前記複数の圧電素子のうちの第2の圧電素子が電気的に並列に接続されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(12) 前記複数の電極のうちの第1の電極と接触している第1のスペーサ素子であって、前記エンドマスが前記超音波トランスデューサと係合したときに前記エンドマスの第1の端部と接触するように構成された、第1のスペーサ素子と、
前記複数の電極のうちの第1の電極と接触している第2のスペーサ素子であって、前記エンドマスが前記超音波トランスデューサと係合したときに前記ハウジングの内面と接触するように構成された、第2のスペーサ素子と、
前記スタック構成の第1の端部に配置された前記複数の電極のうちの第1の電極と、
前記スタック構成の第2の端部に配置された前記複数の電極のうちの第2の電極と、を更に備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(13) 組織を凝固させ切開するための外科用器具であって、
トランスデューサアセンブリであって、
導管部及びベース部を備えるハウジングであって、前記導管部及び前記ベース部が流体通路を画定する、ハウジングと、
スタック構成に配置された複数の圧電素子及び複数の電極を備える超音波トランスデューサであって、前記複数の電極のうちの少なくとも1つは、少なくとも一対の前記複数の圧電素子の間に配置され、第1のボアホールが前記超音波トランスデューサを貫通して画定されている、超音波トランスデューサと、
内部を貫通して画定された第2のボアホールを備えるエンドマスであって、前記エンドマスの表面は前記超音波トランスデューサの第1の端部に隣接して配置され、前記エンドマスは前記ハウジングと係合するように構成されている、エンドマスと、を備え、
前記ハウジングの前記導管部は、前記超音波トランスデューサの前記第1のボアホール及び前記エンドマスの前記第2のボアホールを貫通するように構成され、
前記エンドマスは、前記エンドマスが前記ハウジングと係合したときに前記超音波トランスデューサを前記ハウジングの内面に対して圧縮するように構成されている、トランスデューサアセンブリを備える、外科用器具。
(14) 前記エンドマスは、前記超音波トランスデューサを少なくとも部分的に囲んで収容する壁を備える、実施態様13に記載の外科用器具。
(15) 前記スタック構成は、
前記超音波トランスデューサの第1の端部に配置された前記複数の電極のうちの第1の電極であって、前記複数の圧電素子のうちの第1の圧電素子の表面と接触している、第1の電極と、
前記超音波トランスデューサの第2の端部に配置された前記複数の電極のうちの第2の電極であって、前記複数の圧電素子のうちの第2の圧電素子の表面と接触している、第2の電極と、を備える、実施態様13に記載の外科用器具。
【0166】
(16) 前記エンドマスは、前記エンドマスにトルクを加えることを可能にするトルク付与機構を備える、実施態様13に記載の外科用器具。
(17) 前記ハウジングの前記導管部に隣接して配置された導電素子であって、前記ハウジングの前記導管部を少なくとも部分的に囲む、導電素子と、
前記導電素子と前記導管部との間に配置された絶縁体であって、前記導電素子を前記導管部から電気的に絶縁するように構成された、絶縁体と、を更に備える、実施態様13に記載の外科用器具。
(18) 前記複数の電極の各々は、各電極の少なくとも1つのタブを介して前記導電素子に電気的に結合されている、実施態様17に記載の外科用器具。
(19) 前記エンドマスは、前記ハウジングと前記エンドマスとが係合したときに画定される内部区画の周りに封止を生成するように、前記ハウジングに結合されている、実施態様13に記載の外科用器具。
(20) 前記エンドマスが、前記エンドマスの内面と接触している前記超音波トランスデューサの前記第1の端部及び前記ハウジングの前記内面に対して圧縮された前記超音波トランスデューサの第2の端部を備える前記ハウジングと係合したとき、前記エンドマスは、前記超音波トランスデューサを前記ハウジングの内面に対して圧縮するように構成されている、実施態様13に記載の外科用器具。
【0167】
(21) 前記複数の電極の各々は、外側縁部と、各電極の内側縁部を画定する開口部と、を備える、実施態様13に記載の外科用器具。
(22) 前記内側縁部は、前記開口部の中心に向かって延びる少なくとも1つのタブを備え、
前記外側縁部は、前記開口部の前記中心から外側に延びる少なくとも1つのタブを備える、実施態様21に記載の外科用器具。
(23) 前記エンドマスは、ねじ接続を介して前記ハウジングと係合するように構成され、
前記複数の圧電素子のうちの第1の圧電素子、及び
前記複数の圧電素子のうちの第2の圧電素子は、電気的に並列に接続されている、実施態様13に記載の外科用器具。
(24) トランスデューサアセンブリであって、
導管部及びベース部を備えるハウジングであって、流体通路が前記導管部及び前記ベース部を貫通して画定されている、ハウジングと、
前記ハウジングの前記導管部の少なくとも一部を囲む導電素子と、
前記導電素子と前記導管部との間に配置された絶縁体であって、前記導電素子を前記導管部から電気的に絶縁するように構成された、絶縁体と、
スタック構成に配置された複数の圧電素子及び複数の電極を備えた超音波トランスデューサであって、第1の端部及び第2の端部を備える、超音波トランスデューサと、
前記超音波トランスデューサを貫通して画定された第1のボアホールと、
内部を貫通して画定された第2のボアホールを備えたエンドマスであって、前記超音波トランスデューサの第1の端部に隣接して配置され、前記ハウジングと係合するように構成された、エンドマスと、を備え、
前記ハウジングの前記導管部は、前記超音波トランスデューサの前記第1のボアホール及び前記エンドマスの前記第2のボアホールを貫通するように構成され、
前記エンドマスは、前記エンドマスが前記ハウジングと係合したときに前記超音波トランスデューサを前記ハウジングの表面に対して圧縮するように構成され、
前記複数の圧電素子のうちの第1の圧電素子と前記複数の圧電素子のうちの第2の圧電素子は、電気的に並列に接続されている、トランスデューサアセンブリ。
(25) 前記複数の電極のうちの少なくとも1つは、少なくとも一対の前記複数の圧電素子の間に配置されている、実施態様24に記載のトランスデューサアセンブリ。
【0168】
(26) 前記複数の電極のうちの第1の電極は、前記超音波トランスデューサの前記第1の端部に配置され、
前記第1の電極は前記導電素子に電気的に結合されている、実施態様25に記載のトランスデューサアセンブリ。
(27) 第2の電極が、前記超音波トランスデューサの前記第2の端部に配置されている、実施態様26に記載のトランスデューサアセンブリ。