(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240610BHJP
G06Q 50/14 20120101ALI20240610BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G06Q50/14
(21)【出願番号】P 2022081113
(22)【出願日】2022-05-17
(62)【分割の表示】P 2020135136の分割
【原出願日】2020-08-07
【審査請求日】2022-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 真理子
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 太一
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 杉子
(72)【発明者】
【氏名】ドン ヴィ
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-083186(JP,A)
【文献】特開2014-127118(JP,A)
【文献】特開2003-303221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め記憶部に格納される複数のクーポンであってそれぞれ割引率または割引額が設定されている複数のクーポンから、予約対象となる旅行商品に対する利用条件を満たす複数のクーポンを選択するクーポン選択手段と、
前記選択された複数のクーポンによる前記旅行商品に対する値引き額を前記旅行商品の価格から減算した支払額を取得する支払額取得手段と、
前記旅行商品、予約対象となる日付および前記支払額を提示する提示手段と、
を含み、
前記クーポン選択手段は、
検索結果に含まれる複数の旅行商品のそれぞれに対して、それぞれ互いに異なる1または複数のクーポンを含む複数のグループから、複数のグループのそれぞれから選択されるクーポンの数が多くとも1であるように、
当該旅行商品に対する利用条件を満たす複数のクーポンを選択
し、
前記支払額取得手段は、前記複数の旅行商品のそれぞれに対して、前記支払額を取得し、
前記提示手段は、前記複数の旅行商品のリストであって、前記複数の旅行商品のそれぞれについての前記支払額を含むリストを提示する、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項
1に記載の情報処理システムにおいて、
前記提示手段は、前記支払額に基づいて前記複数の旅行商品をソートし、前記ソートの結果に基づいて前記複数の旅行商品を提示する、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1
または2に記載の情報処理システムにおいて、
前記クーポン選択手段は、前記複数のグループのいずれかに属し予約対象となる旅行商品に対する利用条件を満たすクーポンから、最も割引額の大きいクーポンを前記いずれかのグループのクーポンとして選択する、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれかに記載の情報処理システムにおいて、
前記複数のグループは、割引の原資を行政機関が提供するクーポンが属するグループを含む、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれかに記載の情報処理システムにおいて、
ユーザから前記予約対象となる前記旅行商品についてのクーポンの獲得の指示が入力された場合に、前記クーポンを前記ユーザに割当てるクーポン獲得手段をさらに含み、
前記提示手段は、前記予約対象となる前記旅行商品について選択されたクーポンをユーザに提示し、
前記提示手段は、前記提示されたクーポンを変更するためのボタンが押下された場合に、前記ユーザが既に獲得しているクーポンを示す情報を出力し、
前記ユーザが前記既に獲得しているクーポンのうちいずれかを選択したことを示す情報に基づいて、前記ユーザが利用するクーポンを変更する変更手段をさらに含む、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項1から
4のいずれかに記載の情報処理システムであって、
ユーザから予約対象となる前記旅行商品について前記選択された複数のクーポンの獲得の指示が入力された場合に、前記選択された複数のクーポンを前記ユーザに割当てるクーポン獲得手段と、
前記ユーザが、予約対象となる前記旅行商品の購入を指示した場合に、前記ユーザに割当てられたクーポンに基づいて、前記旅行商品の購入処理を実行する購入処理手段と、
をさらに含む情報処理システム。
【請求項7】
請求項1から
4のいずれかに記載の情報処理システムであって、
ユーザが予約対象となる前記旅行商品の購入手続を進める指示をした場合に、前記選択された複数のクーポンを前記ユーザに割当てるクーポン獲得手段と、
前記ユーザに割当てられたクーポンに基づいて、前記旅行商品の購入処理を実行する購入処理手段と、
をさらに含む情報処理システム。
【請求項8】
請求項
6または7に記載の情報処理システムであって、
前記提示手段は、予約対象となる前記旅行商品について選択されたクーポンを提示し、
前記ユーザからの前記提示されたクーポンを変更する指示に基づいて、前記購入処理において利用されるクーポンを変更する変更手段をさらに含む、
情報処理システム。
【請求項9】
請求項
6または7に記載の情報処理システムであって、
前記ユーザが予約対象となる前記旅行商品の購入を指示した場合に、前記割当てられた複数のクーポンが利用可能か確認する確認手段と、
前記割当てられた複数のクーポンのいずれかが利用可能でない場合に、前記割当てられた複数のクーポンと一部または全部が異なる複数のクーポンであって、予約対象となる前記旅行商品に対する利用条件を満たす複数のクーポンを新たに選択する変更手段と、
をさらに含む情報処理システム。
【請求項10】
クーポン選択手段が、予め記憶部に格納される複数のクーポンであってそれぞれ割引率または割引額が設定されている複数のクーポンから、予約対象となる旅行商品に対する利用条件を満たす複数のクーポンを選択するステップと、
支払額取得手段が、前記選択された複数のクーポンによる前記旅行商品に対する値引き額を前記旅行商品の価格から減算した支払額を取得するステップと、
提示手段が、前記旅行商品、予約対象となる日付および前記支払額をユーザに提示するステップと、を含み、
前記クーポン選択手段は、
検索結果に含まれる複数の旅行商品のそれぞれに対して、それぞれ互いに異なる1または複数のクーポンを含む複数のグループから、複数のグループのそれぞれから選択されるクーポンの数が多くとも1であるように、
当該旅行商品に対する利用条件を満たす複数のクーポンを選択
し、
前記支払額取得手段は、前記複数の旅行商品のそれぞれに対して、前記支払額を取得し、
前記提示手段は、前記複数の旅行商品のリストであって、前記複数の旅行商品のそれぞれについての前記支払額を含むリストを提示する、
情報処理方法。
【請求項11】
予め記憶部に格納される複数のクーポンであってそれぞれ割引率または割引額が設定されている複数のクーポンから、予約対象となる旅行商品に対する利用条件を満たす複数のクーポンを選択するクーポン選択手段、
前記選択された複数のクーポンによる前記旅行商品に対する値引き額の和を前記旅行商品の価格から減算した支払額を取得する支払額取得手段、
前記旅行商品、予約対象となる日付および前記支払額をユーザに提示する提示手段、および、
前記選択された複数のクーポンを変更する変更手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記クーポン選択手段は、
検索結果に含まれる複数の旅行商品のそれぞれに対して、それぞれ互いに異なる1または複数のクーポンを含む複数のグループから、複数のグループのそれぞれから選択されるクーポンの数が多くとも1であるように、
当該旅行商品に対する利用条件を満たす複数のクーポンを選択
し、
前記支払額取得手段は、前記複数の旅行商品のそれぞれに対して、前記支払額を取得し、
前記提示手段は、前記複数の旅行商品のリストであって、前記複数の旅行商品のそれぞれについての前記支払額を含むリストを提示する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理システム、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
旅行商品などの商品を取り扱うWebサイトを運用する販売管理システムがある。販売管理システムは、ユーザに対して価格の値引きなどの特典を提供するためのクーポンを提供することが可能である。例えば、クーポンの値引きの原資は、宿、旅行代理店、行政機関などにより提供され、販売管理システムは、これらの提供者に応じてクーポンを発行することもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような場合に、ユーザは、クーポンを適切に選択しつつ旅行商品などの商品を購入することが難しい場合がある。例えば、適用可能なクーポンの種類が多い場合に、クーポンの存在を考慮しつつ旅行商品を購入することは容易でなかった。
【0004】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであって、その目的は、クーポンを適切に選択し旅行商品などの商品を購入することを容易にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明にかかる情報処理システムは、予め記憶部に格納される複数のクーポンから、販売対象となるアイテムに対する利用条件を満たす複数のクーポンを選択するクーポン選択手段と、前記選択された複数のクーポンによる前記アイテムに対する値引き額の和を前記アイテムの価格から減算した支払額を取得する支払額取得手段と、前記アイテムおよび前記支払額を提示する提示手段と、を含む。
【0006】
また、本発明にかかる情報処理方法は、予め記憶部に格納される複数のクーポンから、販売対象となるアイテムに対する利用条件を満たす複数のクーポンを選択するステップと、前記選択された複数のクーポンによる前記アイテムに対する値引き額の和を前記アイテムの価格から減算した支払額を取得するステップと、前記アイテムおよび前記支払額を提示するステップと、を含む。
【0007】
また、本発明にかかるプログラムは、予め記憶部に格納される複数のクーポンから、販売対象となるアイテムに対する利用条件を満たす複数のクーポンを選択するクーポン選択手段、前記選択された複数のクーポンによる前記アイテムに対する値引き額の和を前記アイテムの価格から減算した支払額を取得する支払額取得手段、および、前記アイテムおよび前記支払額を提示する提示手段、としてコンピュータを機能させる。
【0008】
本発明の一態様では、前記クーポン選択手段は、検索結果に含まれる複数のアイテムのそれぞれに対して、当該アイテムに対する利用条件を満たす複数のクーポンを選択し、前記支払額取得手段は、前記複数のアイテムのそれぞれに対して、前記支払額を取得し、前記提示手段は、前記複数のアイテムのそれぞれについて前記支払額を提示してもよい。
【0009】
本発明の一態様では、前記提示手段は、前記支払額に基づいて前記複数のアイテムをソートし、前記ソートの結果に基づいて前記複数のアイテムを提示してもよい。
【0010】
本発明の一態様では、前記クーポン選択手段は、それぞれ互いに異なる1または複数のクーポンを含む複数のグループから、販売対象となるアイテムに対する利用条件を満たす複数のクーポンを選択してもよい。
【0011】
本発明の一態様では、前記クーポン選択手段は、複数のグループのそれぞれから選択されるクーポンの数が多くとも1であるようにクーポンを選択してもよい。
【0012】
本発明にかかるもう一つの情報処理システムは、それぞれ互いに異なる1または複数のクーポンを含む複数のグループから、販売対象となるアイテムに対する利用条件を満たす複数のクーポンを選択するクーポン選択手段と、前記選択されたクーポンの情報を提示する提示手段と、を含む。前記クーポン選択手段は、複数のグループのそれぞれから選択されるクーポンの数が多くとも1であり、かつ、複数のグループから選択されるクーポンの数が2以上かつグループの数未満となるようにクーポンを選択し、前記選択されるクーポンの値引き額は、当該選択されるクーポンの属するグループの中で最も大きい。
【0013】
本発明の一態様では、前記複数のグループの数はn(nは3以上の整数)であり、前記クーポン選択手段は、前記複数のグループのうち一部のグループのそれぞれから前記利用条件を満たし最も割引額の大きいクーポンを選択し、前記クーポン選択手段は、前記一部のグループから選択されるクーポンの数が(s‐1)(sは2以上(n-1)以下の整数)である場合に、前記一部のグループと異なる複数のグループに属するクーポンを含むクーポン集合から利用条件を満たし最も割引額の大きいクーポンを選択してもよい。
【0014】
本発明の一態様では、情報処理システムは、ユーザから販売対象となる前記アイテムについて前記選択された複数のクーポンの獲得の指示が入力された場合に、前記選択された複数のクーポンを前記ユーザに割当てるクーポン獲得手段と、前記ユーザが、販売対象となる前記アイテムの購入を指示した場合に、前記ユーザに割当てられたクーポンに基づいて、前記アイテムの購入処理を実行する購入処理手段と、をさらに含んでよい。
【0015】
本発明の一態様では、情報処理システムは、ユーザが販売対象となる前記アイテムの購入手続を進める指示をした場合に、前記選択された複数のクーポンを前記ユーザに割当てるクーポン獲得手段と、前記ユーザに割当てられたクーポンに基づいて、前記アイテムの購入処理を実行する購入処理手段と、をさらに含んでよい。
【0016】
本発明の一態様では、前記提示手段は、販売対象となる前記アイテムについて選択されたクーポンを提示し、前記クーポン選択手段は、前記ユーザからの前記提示されたクーポンを変更する指示に基づいて、選択されるクーポンを変更してもよい。
【0017】
本発明の一態様では、情報処理システムは、前記ユーザが販売対象となる前記アイテムの購入を指示した場合に、前記割り当てられた複数のクーポンが利用可能か確認する確認手段をさらに含み、前記クーポン選択部は、前記割り当てられた複数のクーポンのいずれかが利用可能でない場合に、前記割り当てられた複数のクーポンと一部または全部が異なる複数のクーポンであって、販売対象となる前記アイテムに対する利用条件を満たす複数のクーポンを新たに選択してよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態にかかる旅行販売システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】旅行販売システムが実現する機能を示すブロック図である。
【
図3】旅行販売システムの処理の概要を示すフロー図である。
【
図5】クーポン選択部の処理の一例を示すフロー図である。
【
図6】選択されるクーポンの一例を説明する図である。
【
図7】選択されるクーポンの他の一例を説明する図である。
【
図8】検索された旅行プランのリストが表示される画面の一例を示す図である。
【
図10】旅行プラン確認画面の一例を示す図である。
【
図13】予約完了ボタンが押下された後の処理の一例を示すフロー図である。
【
図14】クーポンが利用できない際に出力される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。同じ符号を付された構成に対しては、重複する説明を省略する。本実施形態では、宿泊施設、交通機関、イベントなどの旅行商品を販売する旅行販売システムについて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態にかかる旅行販売システムの一例を示す図である。旅行販売システムは、旅行販売サーバ1を含む。旅行販売サーバ1は、1または複数の顧客端末2と通信し、顧客端末2を操作するユーザに旅行に関する商品を提供する。
【0021】
旅行販売サーバ1はプロセッサ11、記憶部12、通信部13、入出力部14を含む。なお、旅行販売システムは、旅行販売サーバ1の処理を実行する複数のサーバコンピュータにより実現されてもよい。
【0022】
プロセッサ11は、記憶部12に格納されているプログラムに従って動作する。またプロセッサ11は通信部13、入出力部14を制御する。なお、上記プログラムは、インターネット等を介して提供されるものであってもよいし、フラッシュメモリやDVD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されるものであってもよい。
【0023】
記憶部12は、RAMおよびフラッシュメモリ等のメモリ素子とハードディスクドライブのような外部記憶装置とによって構成されている。記憶部12は、上記プログラムを格納する。また、記憶部12は、プロセッサ11、通信部13、入出力部14から入力される情報や演算結果を格納する。また、記憶部12は後述する旅程の雛型のようなデータも格納する。
【0024】
通信部13は、他の装置と通信する機能を実現するものであり、例えば無線LAN、有線LANの集積回路などにより構成されている。通信部13は、プロセッサ11の制御に基づいて、他の装置から受信した情報をプロセッサ11や記憶部12に入力し、他の装置に情報を送信する。
【0025】
入出力部14は、表示出力デバイスをコントロールするビデオコントローラや、入力デバイスからのデータを取得するコントローラなどにより構成される。入力デバイスとしては、キーボード、マウス、タッチパネルなどがある。入出力部14は、プロセッサ11の制御に基づいて、表示出力デバイスに表示データを出力し、入力デバイスをユーザが操作することにより入力されるデータを取得する。表示出力デバイスは例えば外部に接続されるディスプレイ装置である。
【0026】
旅行販売サーバ1は、通信部13を介して外部にあり旅行商品の予約および在庫を管理する予約管理システムに対して予約を依頼することにより旅行商品を予約してよい。また旅行販売サーバ1は外部の予約管理システムを用いずに旅行商品の在庫を管理してもよい。また旅行の予約や在庫管理は、宿泊施設、飛行機、鉄道といったアイテムの種類に対応して異なった予約管理システムまたはサーバが実行してもよい。
【0027】
次に、旅行販売システムが提供する機能について説明する。
図2は、旅行販売システムが実現する機能を示すブロック図である。旅行販売システムは、検索部51、プラン出力部52、クーポン管理部53、予約完了処理部59を含む。クーポン管理部53は、機能的に、クーポン選択部54、支払額取得部55、クーポン獲得部56、クーポン変更部57、クーポン確認部58を含む。これらの機能は、旅行販売サーバ1に含まれるプロセッサ11によって記憶部12に格納されるプログラムが実行され、通信部13などを制御することにより実現される。
【0028】
なお、これらの機能の一部または全部が、顧客端末2に含まれるプロセッサ11によってプログラムが実行され、通信部13などを制御することにより実現されてもよい。この場合、旅行販売システムに顧客端末2が含まれてよい。
【0029】
検索部51は、ユーザから入力された検索条件を取得し、記憶部12に格納される複数の旅行商品のうちその検索条件を満たす1または複数の旅行商品を取得する。ここで、検索条件は、例えば旅行商品の種類が宿泊施設である場合には、宿泊エリア、チェックイン日、チェックアウト日、部屋数、人数、希望する料金の範囲である。旅行商品の種類が飛行機などの交通機関である場合には、出発地、目的地、利用する会社、出発日を含む。検索部51は、検索条件を外部の予約管理システムに送信し、その予約管理システムから検索条件を満たす旅行商品を受信してもよい。
【0030】
プラン出力部52は、旅行商品に関する情報(支払額および適用するクーポンの情報を含む)を顧客端末2へ送信することにより、その旅行商品に関する情報をユーザに提示する。プラン出力部52がユーザに情報を提示する旅行商品は、検索部51により取得された旅行商品であってよい。また支払額は、支払額取得部55により取得される。
【0031】
クーポン選択部54は、予め記憶部12に格納される複数のクーポンから、販売対象となる旅行商品に対する利用条件を満たす複数のクーポンを選択する。予め記憶部12に格納される複数のクーポンは、より具体的には、複数のグループのいずれかに属している。複数のグループのそれぞれは、それぞれ互いに異なる1または複数のクーポンを含む。
【0032】
ここで、クーポン選択部54は、検索部51による検索結果に含まれる複数の旅行商品のそれぞれに対して、その旅行商品に対する利用条件を満たす複数のクーポンを選択する。クーポン選択部54は、より具体的には、ある旅行商品に対して、複数のグループのそれぞれから選択されるクーポンの数が多くとも1であり、かつ、複数のグループから選択されるクーポンの数が2以上かつグループの数未満となるようにクーポンを選択する。
【0033】
支払額取得部55は、クーポン選択部54により選択された複数のクーポンによる旅行商品に対する値引き額の和をその旅行商品の価格から減算した支払額を取得する。また支払額取得部55は、検索部51により取得された複数の旅行商品のそれぞれに対して、その支払額を取得する。なおプラン出力部52は、その支払額に基づいて複数の旅行商品をソートし、そのソート結果に基づいてその複数の旅行商品を提示する。プラン出力部52は複数の旅行商品の提示において、その複数の旅行商品のそれぞれについて支払額を提示する。
【0034】
クーポン獲得部56は、ユーザからいずれかの旅行商品についてクーポン選択部54により選択された複数のクーポンの獲得の指示が入力された場合に、その選択された複数のクーポンをユーザに割当てる。クーポン獲得部56は、クーポンの発行限度を超えるなどの事情によりクーポンをユーザに割当てることができない場合には、エラーメッセージの出力をしてよい。さらに、クーポン獲得部56は、クーポン選択部54により利用条件を満たすクーポンから新たに選択された複数のクーポンの提示または獲得をしてもよい。
【0035】
クーポンの獲得の指示が明示的にされなくてもよい。より具体的には、クーポン獲得部56は、ユーザからいずれかの旅行商品の購入を進める指示が入力された場合に、その旅行商品についてクーポン選択部54により選択された複数のクーポンをユーザに割当ててよい。ここで、以下では、商品の購入の一例として、旅行商品の予約をする場合について主に説明する。
【0036】
予約完了処理部59は、ユーザから旅行商品の購入の指示が入力された場合に、ユーザに割当てられたクーポンに基づいて、その旅行商品の購入処理を実行する。
【0037】
クーポン変更部57は、ユーザからのクーポンを変更する指示に基づいて、購入処理において利用されるクーポンを変更する。
【0038】
クーポン確認部58は、ユーザが旅行商品の購入を指示した場合に、その旅行商品についてユーザに割り当てられた複数のクーポンが利用可能か確認する。ここで、ユーザに割当てられた複数のクーポンのいずれかが利用可能でない場合には、クーポン選択部54は割り当てられた複数のクーポと一部または全部が異なる複数のクーポンであって、その旅行商品に対する利用条件を満たす複数のクーポンを新たに選択する。
【0039】
図3は、旅行販売システムの処理の概要を示すフロー図である。
図3には、旅行商品の販売における代表的な流れが記載されている。
図3はあくまで処理の概要を示す図であり、
図3ではユーザの入力や処理の状況に応じて行われる一部の処理の記載が省略されている。以下では
図3を用いて旅行販売システムの処理について説明する。なお、以下では、旅行商品を旅行プランと記載し、旅行プランが宿泊施設である場合の処理について主に説明する。
【0040】
はじめに、検索部51は、顧客端末2から、ユーザが入力した旅行プランの検索条件を取得する(ステップS101)。例えば旅行プランの種類が宿泊施設である場合には、検索条件は、宿泊エリア、チェックイン日、チェックアウト日、部屋数、人数、希望する料金の範囲を含む。
【0041】
そして検索部51は、検索条件を満たす旅行プランのリストを、データベースから取得する(ステップS102)。データベースには複数の旅行プランの情報が格納されている。旅行プランが宿泊施設を含む場合は、旅行プランの情報は、旅行プランに含まれる宿泊施設があるエリア、日付別の空き部屋の数、部屋に宿泊可能な人数、旅行プランに含まれる食事やサービスの情報を含む。また1つの宿泊施設について複数の旅行プランがデータベースに格納されてもよく、空き部屋の数は複数の旅行プランで共通に管理されてもよい。なお、データベースは、物理的には記憶部12または外部の予約管理システムに配置される。
【0042】
次に、クーポン選択部54は、リストに含まれる旅行プランのそれぞれに適用するクーポンを選択する(ステップS103)。ここで、クーポン選択部54は、厳密には、適用するクーポンとして、ユーザに利用を提案する複数のクーポンを選択する。ユーザがそのクーポンを利用することを受け入れなかった場合や、システム上の都合でクーポンの利用ができない場合などは、クーポン選択部54がここで選択したクーポンが利用されないこともある。
【0043】
クーポンに関して、複数のグループが存在する。複数のグループのそれぞれは、互いに異なる1または複数のクーポンを含む。グループは、そのクーポンの割引の原資を提供する組織の種類に応じて定められている。
【0044】
図4は、記憶部12に格納されるクーポンテーブルの一例を示す図である。クーポンテーブルには、複数のクーポンの情報が格納されている。クーポンの情報は、利用条件を示す情報と関連付けて格納されている。利用条件を示す情報は、利用可能プランID、最低利用金額、初回限定であるか否かを含む。利用可能プランIDは、クーポンの利用が可能な旅行プランを示す。より具体的には、あるクーポン情報について、利用可能プランIDに示される範囲内にあるプランIDに対してクーポンを利用することが可能である。また、最低利用金額は、その最低利用金額より定価が低い旅行プランにこのクーポンを利用できないことを示す。初回限定は、その旅行プランを含む宿泊施設に宿泊したことがない場合にのみそのクーポンを利用可能であることを示す。利用条件には、在庫の有無(利用可能数が1以上であること、または、図示しないクーポン発行数がクーポンごとに定められる発行上限に達していないこと)を含んでよい。
【0045】
クーポンの情報は、割引の大きさおよび形態を示す情報、より具体的には割引率または割引額を含む。クーポンによる割引には、割引額による割引と、割引率による割引とが存在する。クーポンの情報は、旅行販売システム全体において、そのクーポンについて当初から利用可能なクーポンの数である利用上限数と、利用上限数から既に利用されたクーポンの数を減算した値に相当し、利用可能な残りのクーポンの数を示す利用可能数とを含んでいる。クーポンは例えばその原資に限りがあるため無限に提供することはできない。その制約があるなかで、グループ内で複数のクーポンを利用することはクーポンの特典を非常に限られた人のみに提供することになり適切でない。またすべてのグループからクーポンを選択した場合もクーポンを提供する人数が少なくなり好ましくない。以下では、このような事情に対応するクーポン選択の処理について説明する。
【0046】
図5は、クーポン選択部54の処理の一例を示す図である。
図5に示される処理は、グループの数nが3以上の整数(ここでは4)で最大クーポン数sが2以上(n-1)以下の整数(ここでは3)である場合の処理であり、旅行プランのそれぞれに対して実行される。最大クーポン数sはユーザが一度に利用可能なクーポンの最大数である。ここで、クーポン選択部54は、
図5に示される処理において、クーポンテーブルそのものではなく、所定の時間ごと(例えば1時間ごと)に参照用にコピーされたクーポンテーブルを参照して処理を実行してよい。
【0047】
はじめにクーポン選択部54は、はじめのグループ(グループA)を選択する(ステップS201)。ここで、優先的に利用させたいクーポンを含むグループがより上位にあるものとする。
【0048】
グループが選択されると、クーポン選択部54は、クーポンテーブルから、選択されたグループに属し、利用条件を満たすクーポンを検索する(ステップS202)。利用条件を満たすクーポンが存在する場合には(ステップS203のY)、クーポン選択部54は検索により取得されたクーポンのそれぞれについて割引額を取得し(ステップS204)、最も割引額の大きい1つのクーポンを、選択されたグループのクーポンとして選択する(ステップS205)。一方利用条件を満たすクーポンが存在しない場合には(ステップS203のN)、ステップS204,S205はスキップされる。
【0049】
そして、選択されていないグループが存在し(ステップS206のN)、かつ、選択されたクーポンの数が(最大クーポン数s-1)でない(ステップS207のN)場合には、クーポン選択部54は次のグループを選択し(ステップS208)、ステップS202からの処理を繰り返す。一方、全てのグループが既に選択された場合には(ステップS206のY)、処理を終了する。また選択されていないグループが存在し(ステップS206のN)、かつ、選択されたクーポンの数が(最大クーポン数s-1)である(ステップS207のY)場合には、クーポン選択部54は残りのグループから最も割引額の大きい1つのクーポンを選択する。より具体的には、クーポン選択部54は残りの全てのグループのいずれかに属し利用条件を満たすクーポンを検索する(ステップS209)。そしてクーポン選択部54は検索されたクーポンのそれぞれの割引額を計算し、最も割引額の大きい1つのクーポンを選択する(ステップS210)。
【0050】
図6は、選択されるクーポンの一例を説明する図である。
図6には、プランIDがP001で価格が50,000円である旅行プランで利用可能なクーポンが列挙され、選択されるクーポンはその割引額が囲まれている。
図6の例ではグループの数nは4であり、最大クーポン数sは3である。
図6の例ではクーポンテーブルに格納される複数のクーポンから、旅行プランのプランIDが利用可能プランIDに含まれ、価格が最低利用金額より大きく、初回限定などの条件を満たすクーポンが抽出され、記載されている。
【0051】
また
図6には、クーポン選択部54により算出される、それぞれのクーポンに対して算出された割引額も記載されている。割引額が設定されるクーポンでは、その割引額をクーポンの選択に用いる。割引率が設定されるクーポンでは、価格に割引率をかけた値が割引額として算出される。割引額の算出に用いられる価格は、グループA,C,Dについては当初の価格であり、グループBについては定価からグループAのクーポンの割引額を差し引いた値である。
【0052】
図6の例では、グループAの3つのクーポンが利用条件を満たしており、その中で最も大きい割引額となる5,000円引のクーポンが選択される。またグループBは利用条件を満たす唯一のクーポンである35%引のクーポンが選択される。ここで、グループA,Bから(最大クーポン数s-1)である2つのクーポンが選択されたため、残りのグループC,Dに属するクーポンをまとめたクーポン集合からもう1つのクーポンが選択される。より具体的にはグループC,Dに属する利用可能なクーポンのうち最も割引額の大きい5,000円引のクーポンが選択される。
【0053】
図7は、選択されるクーポンの他の一例を説明する図である。
図7には、プランIDがP005で価格が10,000円である旅行プランで利用可能なクーポンが
図6と同じ形式で記載されている。グループの数nおよび最大クーポン数sは
図6の例と同じである。
【0054】
図7の例では、グループAには利用条件を満たすクーポンが存在しない。グループBからは35%引のクーポンが選択される。ここで、グループA,Bから選択されたクーポンの数は1であるため、グループC,Dのそれぞれからも1つずつクーポン(8%引のクーポンおよび500円引のクーポン)が選択される。
【0055】
なお、クーポンを選択する手法は上記のものに限られない。クーポン選択部54は、最大クーポン数を超える数のグループから利用条件を満たすクーポンが取得された場合に、各グループで最も割引額の大きいクーポンを決定し、決定されたクーポンのうちから最大クーポン数のクーポンを選択してもよい。またクーポン選択部54は、特定のグループ以外のクーポンについて割引額に基づいて各グループから割引額に基づいてクーポンを決定し、その決定されたクーポンから(最大クーポン数s‐1)のクーポンを選択し、特定のグループからもう1つのクーポンを選択してもよい。
【0056】
旅行プランのそれぞれについて複数のクーポンが選択されると、支払額取得部55は、リストに含まれる旅行プランのそれぞれにクーポンが適用された場合の支払額を算出する(ステップS104)。支払額取得部55は、旅行プランの定価から、選択されたクーポンの割引額の和を減算することにより支払額を取得する。もちろん、支払額取得部55は旅行プランの定価から選択されたクーポンの割引額を順に繰り返し減算するなどの等価な計算により支払額を取得してもよい。
【0057】
支払額が算出されると、プラン出力部52は、算出された支払額に基づいて、検索条件を満たしリストに含まれる複数の旅行プランをソートし、ソートの結果に基づいて旅行プランのリストを表示させる(ステップS105)。
【0058】
図8は、検索された旅行プランのリストが表示される画面の一例を示す図である。
図8には、プラン出力部52から旅行プランのリストを取得した顧客端末2が出力する、予め入力された検索条件を満たす複数の旅行プランのリストが記載されている。また表示されている旅行プランのそれぞれの情報には、割引がされる前の旅行プランの定価を示す定価表示Prと、割引後の支払額を示すわ割引後表示Pdとが含まれている。そしてユーザにより設定される、または、予め定められたソート条件Scが支払額の高い順または安い順である場合には、プラン出力部52は、算出された割引後の支払額に基づいてソートされた旅行プランのリストを表示させる。なお、旅行プランのそれぞれに対して、ユーザがその旅行プランの予約の手続きを希望する場合に押下する予約ボタンBbが表示されている。
【0059】
図8に示されるように、予め適用すべき複数のクーポンを選択し、その選択された複数のクーポンが適用された場合の割引後の支払額を旅行プランの情報とともに表示させることにより、ユーザが実際の支払額を考慮して旅行商品を探すことが容易になる。また、定価ではなく割引後の支払額に基づいて旅行商品をソートして表示することにより、例えば検索条件を満たす旅行プランの数が多いような場合であっても、実際の支払額を考慮して旅行商品を探すことが容易になる。
【0060】
図8において、利用を提案する複数のクーポンの内容が表示されているそばに、クーポン獲得ボタンBgが表示されている。ユーザによりクーポン獲得ボタンBgが押下された場合には、クーポン獲得部56はクーポンをユーザに割り当てる(ステップS106)。より具体的には、クーポン獲得ボタンBgが押下されたことを示す情報が顧客端末2から取得された場合に、クーポン獲得部56は、そのクーポン獲得ボタンBgに対応する領域に表示された複数のクーポンを識別する情報をユーザに関連付けて記憶部12に記憶させる。ユーザは顧客端末2を操作し旅行販売システムにログインして検索等をしているユーザであるが、もしユーザがログインしていない場合には、クーポンを割り当てるユーザを特定するために、クーポン獲得部56はログイン画面を表示させてユーザを認証してもよい。
【0061】
クーポン獲得ボタンBgが押下されたタイミングで、クーポン獲得部56はその対象となる複数のクーポンの在庫チェックを行ってよい。より具体的には、クーポン獲得部56は、獲得の対象となる複数のクーポンの利用可能数が0になっているか確認してよい。いずれかのクーポンの在庫がない(クーポンの利用可能数が0になっている)場合には、クーポン獲得部56はエラーメッセージを顧客端末2へ出力する。
図9は顧客端末2が表示するエラーメッセージの一例を示す図である。ここで在庫チェックに用いられるクーポンテーブルは、所定期間につき1回コピーされる参照用のコピーテーブルであってもよい。在庫チェックは、利用可能数の確認の代わりに、発行数が上限に達しているかの確認により行われてもよい。
【0062】
また、クーポン獲得ボタンBgが押下されたタイミングで、クーポン選択部54は複数の最適なクーポンの選択を再び行ってもよい。再選択されたクーポンが前回と異なる場合には、クーポン獲得部56は新たなクーポンの組み合わせをユーザに提示してユーザが承諾した場合にその新たなクーポンを獲得してもよいし、提示することなく新たなクーポンを獲得してもよい。再選択により、在庫の変化などに応じた最適なクーポンを獲得させることができる。
【0063】
また、ユーザが予約を希望する旅行プランについて予約ボタンBbを押下し、予約ボタンBbが押下されたことを示す情報を顧客端末2が送信すると、プラン出力部52はユーザが指示したその旅行プランを示す情報を取得する(ステップS107)。
【0064】
ここで、
図8に示されるような画面において、クーポン獲得ボタンBgが存在しなくてもよい。この場合、ユーザが予約ボタンBbを押下し、顧客端末2がその旅行プランの購入手続を進める指示をした場合に、クーポン獲得部56がその旅行プランについて提案されたクーポンをユーザに割り当ててよい。旅行商品の購入手続を進める指示は、
図8のような検索結果が表示される画面において予約ボタンBbが押下されたことを示す情報を顧客端末2から受信することにより取得されてよい。具体的には、ユーザがログインしている場合には、予約ボタンBbが押下された際に、クーポン獲得ボタンBgが押下された場合と同じ処理により割り当てが行われる。ユーザがログインしていない場合には、クーポン獲得部56は、ログイン画面を出力させず、のちの画面(
図10参照)においてユーザがパスワード等の情報を入力し、ログインした直後に、その提案されたクーポンをユーザに割り当ててよい。
【0065】
指示したその旅行プランを示す情報が取得されると、プラン出力部52は、情報が取得されたその旅行プランの詳細を示す情報を顧客端末2に向けて出力する(ステップS108)。
【0066】
図10は旅行プラン確認画面の一例を示す図である。旅行プラン確認画面は、旅行プランの詳細を示す情報を受信した顧客端末2が表示する画面の一例である。旅行プランの詳細を示す情報には旅行商品の名称、予約対象となる日付、料金の定価、割引後の支払額、料金の算出根拠を示す情報、旅行商品の内容を説明する他の情報(図示せず)を含む。旅行プラン確認画面においても料金と、割引後の金額とが表示されることにより、複数のクーポンが適用され支払額の予想が難しいような場合であってもユーザは容易に旅行商品の予約を進めることが可能になる。
【0067】
プラン確認画面は、ユーザのログイン情報(ユーザIDおよびパスワード)を入力させる領域(図示せず)およびログインボタンBaを含む。ユーザの間違い等を防ぐため、既にログインしている場合もこの領域が表示される。ユーザによるログインボタンBaの押下は、ユーザの認証をする指示であるとともに、予約を進める指示でもある。ユーザがログインしている場合には、プラン出力部52は、単に予約を進める指示のボタンを表示させてよい。
【0068】
プラン出力部52は、予約を進める指示のボタンが押下された後に情報入力画面を表示させる(ステップS109)。
【0069】
図11は情報入力画面の一例を示す図である。ステップS109においてプラン出力部52が情報入力画面の情報を出力し、その情報を受信した顧客端末2が情報入力画面を表示する。情報入力画面は、ユーザに旅行プランを実際に利用するために必要な情報(例えば宿泊者の氏名、性別、大人であるか小人であるか)を入力させる画面であり、利用する予定のクーポン(利用予定のクーポン)も表示される。
【0070】
プラン出力部52が利用予定のクーポンとして表示させるクーポンは、クーポン獲得部56がこの旅行プランに対して提案され獲得されたクーポンであってもよいし、クーポンテーブルに格納されるクーポンの代わりにユーザが既に獲得しているクーポンを対象としてクーポン選択部54が
図5に示される処理を実行し、プラン出力部52が、選択されたクーポンを利用予定のクーポンとして情報入力画面に表示させてもよい。
【0071】
情報入力画面では、ユーザはクーポンの隣に配置される変更ボタンBcを押下することにより利用予定のクーポンを変更することができる。
【0072】
クーポン変更部57は、変更ボタンBcが押下された場合に、クーポン変更画面の情報を出力し、顧客端末2にクーポン変更画面を表示させる。そして、クーポン変更部57は、ユーザにより入力されたクーポン変更の指示に基づいて、後続の予約完了処理においてユーザが利用するクーポン(利用予定のクーポン)を変更する。
【0073】
図12はクーポン変更画面の一例を示す図である。クーポン変更画面では、ユーザは旅行商品の予約に利用するクーポンとして、変更ボタンが押下されたクーポンと同じグループのクーポンのうちいずれかを選択することができる。また、ユーザはクーポンを利用しないことも選択することができる。そしてユーザが適用ボタンを押下すると、顧客端末2は他のクーポンを選択した情報またはクーポンを利用しない情報をクーポン変更部57へ送信する。クーポン変更部57は、ユーザから、他のクーポンを選択した情報またはクーポンを利用しない情報を受け付けた場合には、利用するクーポンを変更する。なお、クーポン変更画面に表示されるクーポンはユーザが既に獲得しているクーポンである。クーポン変更部57は、クーポン変更画面にユーザが獲得しておらず、かつ利用条件を満たすクーポンを変更先の候補として表示させてもよい。ユーザが獲得していないクーポンへの変更が指示された場合には、クーポン獲得部56は適用ボタンが押下されたタイミングで変更されたクーポンを獲得してよい。
【0074】
図11においてユーザが予約完了ボタンBsを押下すると、顧客端末2から入力された情報および予約完了の指示が送信される。予約完了の指示が送信されると、クーポン確認部58は利用するクーポンの在庫をチェックし、実際に利用可能か確認する(ステップS110)。クーポン確認部58は、予約完了ボタンBsが押下された際に、利用の対象となるクーポンの在庫チェックを行ってよい。ここで、クーポン選択部54は、予約完了ボタンBsが押下された際に、複数の最適なクーポンの選択を再び行ってもよい。また予約完了処理部59は、入力された予約情報に基づいて旅行プランの予約処理を実行する(ステップS111)。
【0075】
図13は、予約完了ボタンBsが押下された後の処理の一例を示すフロー図である。予約完了ボタンBsが押下され、そのことを示す情報が顧客端末2から受け付けられると、クーポン確認部58は、在庫チェックする。より具体的には、クーポン確認部58はクーポンテーブルを参照し、利用予定のクーポンのうち、利用可能数が0であるもの(在庫がないものに相当)を探す(ステップS401)。利用可能数が0のクーポンが存在しない場合(すべてのクーポンの在庫がある)には(ステップS402のN)、予約完了処理部59は利用予定の複数のクーポンのそれぞれについてクーポンテーブルにおける利用可能数を1減らす(ステップS403)。そして入力された予約情報に基づいて、予約完了処理部59は旅行商品の予約処理(購入処理)を実行する(ステップS404)。予約処理は、入力された宿泊者などの情報を宿泊施設に送信する処理、および予約が完了した旨、および、宿泊施設での予約の確認に用いる情報をユーザが確認可能にする処理を含む。予約処理に決済処理が含まれていてもよい。
【0076】
一方、利用可能数が0のクーポンが存在する(在庫のないクーポンが存在する)場合には(ステップS402のY)、ステップS406以下で、クーポン変更部57は利用するクーポンを利用予定のクーポンから変更するための処理を実行する。はじめに、クーポン変更部57は、利用可能数が0のクーポンのそれぞれについて、そのクーポンと同一のグループから利用条件を満たしかつ最適なクーポンを選択する。そして、クーポン選択部57は、その選択されたクーポンと在庫のあるクーポンとからなる複数のクーポンを取得し、その取得された複数のクーポンに基づいて代替案としてユーザに提示する(ステップS406)。ここで、在庫のないクーポンが存在する場合に、すべてのクーポンを再選択してもよい。より具体的には、利用条件を満たすクーポンのうち、利用可能数が0でないクーポンについてクーポン選択部54に
図5に示される処理を実行させ、クーポン変更部57は選択される複数のクーポンを取得してよい。なお在庫のないクーポンが存在する場合に、クーポン変更部57はユーザが既に獲得したクーポンのうちからクーポンを再選択してもよい。
【0077】
またクーポン変更部57は、利用予定のクーポンから利用可能数が0であるクーポンを削除し、その削除後のクーポンの組み合わせに基づいて代替案を提示してよい。ここで、クーポン変更部57は、単に代替案が存在する旨のみを顧客端末2に送信し表示させてもよいし、支払額まで算出しその支払額を顧客端末2に送信し表示させてもよい。
【0078】
図14はクーポンが利用できない際に出力される画面の一例を示す図であり、ステップS406に基づいて顧客端末2が出力する画面である。上側の領域には、利用予定のクーポンから利用可能数が0であるクーポンを削除した旨と、その削除後のクーポンで割引した場合の支払額と、承認ボタンBn1とが表示されている。下側の領域には、利用可能数が0でないクーポンから新たに選択されたクーポンの組み合わせと、支払額と、承認ボタンBn2とが表示されている。また下端には、旅行プランから選びなおす指示をさせるボタンBzが表示されている。
【0079】
承認ボタンBn1またはBn2が押下されると、顧客端末2はそのボタンに対応する代替案で予約する指示を送信する。その指示が旅行販売サーバ1に入力された場合には(ステップS407のY)、クーポン変更部57は利用予定のクーポンを承認ボタンBn1またはBn2に対応して提示されたものに変更し、予約完了処理部59はステップS403以降の処理を実行する。一方、ボタンBzが押下され、その旨の情報が旅行販売サーバ1に入力された場合には(ステップS407のN)、旅行プランを検索する画面、例えば検索条件を入力する画面または旅行プランのリストを表示させる画面を出力させる処理を実行させる(ステップS408)。
【0080】
予約を完了させる直前にクーポンが利用可能か確認することにより、例えばクーポンテーブルの複製を利用している場合などに、クーポンを利用する数の上限をより緻密に制御することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 旅行販売サーバ、2 顧客端末、11 プロセッサ、12 記憶部、13 通信部、14 入出力部、51 検索部、52 プラン出力部、53 クーポン管理部、54 クーポン選択部、55 支払額取得部、56 クーポン獲得部、57 クーポン変更部、58 クーポン確認部、59 予約完了処理部、Pr 定価表示、Pd 割引後表示、Sc ソート条件、Ba ログインボタン、Bb 予約ボタン、Bc 変更ボタン、Bg クーポン獲得ボタン、Bn1,Bn2 承認ボタン、Bs 予約完了ボタン、Bz ボタン。