IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】生物学的流体分離デバイス
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/48 20060101AFI20240610BHJP
   G01N 1/10 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
G01N33/48 H
G01N1/10 B
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022139242
(22)【出願日】2022-09-01
(62)【分割の表示】P 2019567698の分割
【原出願日】2018-06-07
(65)【公開番号】P2022164867
(43)【公開日】2022-10-27
【審査請求日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】62/516,833
(32)【優先日】2017-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミラン イヴォセビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ポン リー
(72)【発明者】
【氏名】スコット ウェンゼル
【審査官】高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-245778(JP,A)
【文献】特表2009-544968(JP,A)
【文献】米国特許第05275731(US,A)
【文献】特開2007-000536(JP,A)
【文献】特開2009-028079(JP,A)
【文献】特開平11-235330(JP,A)
【文献】特表2016-518922(JP,A)
【文献】特開2002-125955(JP,A)
【文献】特開2004-344874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48 -33/98
A61B 5/154
G01N 1/10
B01L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部分および第2の部分を有する血液試料を受け入れるのに適合される生物学的流体分離デバイスであって、
入口および出口および通気プラグを有するハウジングと、
血液チャンバ入口および血液チャンバ出口を有する血液チャンバであって、前記血液試料を受け入れるのに適合される、血液チャンバと、
チャンバ出口を有する分離型チャンバと、
前記血液チャンバと前記分離型チャンバとの間に配置される分離器であって、前記第1の部分を前記血液チャンバ内に捕捉しおよび前記第2の部分が前記分離器を通過して前記分離型チャンバ内に入るのを可能にするのに適合される、分離器と、
前記ハウジングに取り外し可能に接続可能な外側ハウジングであって、
前記外側ハウジングは第1の真空を含み、および前記ハウジングは第2の真空を含み、
前記ハウジングが前記外側ハウジングに接続された状態で、前記ハウジングは前記外側ハウジング内部に配置され、および
前記第1の真空および前記第2の真空は、前記通気プラグを介して連通する、外側ハウジングと、
血液収集管のコネクタに取り外し可能に接続可能な生物学的流体分離デバイスコネクタと、
を含み、
前記第1の部分は細胞部分であり、および前記第2の部分は血漿部分であることを特徴とする生物学的流体分離デバイス。
【請求項2】
前記第1の真空および前記第2の真空は、前記血液試料を前記ハウジング内部において採取し、および前記分離器を通して前記血漿部分を前記分離型チャンバ内に採取することを特徴とする請求項に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項3】
前記分離器は、細孔を有するメンブレン表面を含むことを特徴とする請求項1に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項4】
前記分離器は、トラックエッチドメンブレンを含むことを特徴とする請求項1に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項5】
前記入口を覆うクロージャをさらに含み、
前記ハウジングが前記外側ハウジングに接続された状態で、前記クロージャは、前記ハウジングの開放端を封止することを特徴とする請求項1に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項6】
前記ハウジングの前記入口は第1の端部にあり、および前記ハウジングの前記出口は反対側の第2の端部にあることを特徴とする請求項1に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項7】
前記チャンバ出口と前記ハウジングの前記出口との間に血漿収集チャンネルをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項8】
前記血漿収集チャンネルは、蛇行形状を有することを特徴とする請求項に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項9】
前記出口を覆い、および空気がそれを通過するのを可能にしおよび前記血液試料の前記第2の部分がそれを通過するのを防止する前記通気プラグを含むキャップ、および
前記第2の部分が前記分離型チャンバの内部に含まれる初期位置と前記第2の部分の部分が前記分離型チャンバから追い出される変形位置との間を遷移可能な変形可能部分、
を含むディスペンサアセンブリをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項10】
前記キャップが前記出口から取り外され、および前記変形可能部分が前記変形位置に遷移された状態で、前記第2の部分の部分は前記生物学的流体分離デバイスから追い出されることを特徴とする請求項に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項11】
前記分離型チャンバの前記チャンバ出口と連通する診断インタフェース、および
前記第2の部分を試験するためのセンサ、
を含む診断アセンブリをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項12】
細胞部分および血漿部分を有する血液試料を受け入れるのに適合される生物学的流体分離デバイスであって、
入口および出口を有する内側ハウジングと、
血液チャンバ入口および血液チャンバ出口を有する血液チャンバであって、前記血液試料を受け入れる血液チャンバと、
血漿チャンバ出口を有する血漿チャンバと、
前記血液チャンバと前記血漿チャンバとの間に配置される分離器であって、前記血液チャンバ内において前記細胞部分を捕捉しおよび前記血漿部分が前記分離器を通過し前記血漿チャンバ内に入るのを可能にする、分離器と、
前記内側ハウジングに取り外し可能に接続可能な外側ハウジングであって、
前記内側ハウジングは前記外側ハウジングに接続され、前記内側ハウジングは前記外側ハウジング内部に配置され、および真空は、前記分離器を通して前記血液試料の前記血漿部分を採取するように前記内側ハウジングおよび前記外側ハウジングのうちの少なくとも1つによって画定される、外側ハウジングと、
血液収集管のコネクタに取り外し可能に接続可能な生物学的流体分離デバイスコネクタと、
を含むことを特徴とする生物学的流体分離デバイス。
【請求項13】
前記外側ハウジングは、排気型管を含むことを特徴とする請求項12に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項14】
細胞部分および血漿部分を有する血液試料を受け入れるのに適合される生物学的流体分離デバイスであって、
開放端、閉鎖端、およびそれらの間に延在しおよび内部を画定する側壁を有する外側ハウジングと、
前記外側ハウジングに取り外し可能に接続可能なディスペンサユニットと、
前記外側ハウジング内部の内側ハウジングであって、
血液チャンバ入口および血液チャンバ出口を有する血液チャンバであって、前記血液チャンバは前記血液試料を受け入れ、前記血液チャンバ出口は前記外側ハウジングの前記内部の部分と流体連通する、血液チャンバ、
血漿チャンバ出口を有する血漿チャンバ、
前記血液チャンバと前記血漿チャンバとの間に配置される分離器であって、前記血液チャンバ内において前記細胞部分を捕捉しおよび前記血漿部分が前記分離器を通過して前記血漿チャンバ内に入るのを可能にするのに適合される、分離器、および
前記血漿チャンバ出口から前記ディスペンサユニット内に延びる血漿収集チャンネル、を含む、内側ハウジングと、
血液収集管のコネクタに取り外し可能に接続可能な生物学的流体分離デバイスコネクタと、
を含むことを特徴とする生物学的流体分離デバイス。
【請求項15】
前記外側ハウジングの前記側壁との封止係合を提供するように前記外側ハウジングの前記内部に関連して寸法付けられるストッパをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項16】
前記ストッパは、前記外側ハウジングの前記内部を第1の封止部分と第2の部分とに分割することを特徴とする請求項15に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項17】
前記ディスペンサユニットが前記外側ハウジングから接続解除された状態で、前記血漿部分は、前記ディスペンサユニット内部に含まれることを特徴とする請求項14に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項18】
前記生物学的流体分離デバイスコネクタが前記血液収集管に接続された状態で、前記血液収集管の空気口は、前記生物学的流体分離デバイス内の前記第1および第2の真空が前記血液試料を前記生物学的流体分離デバイス内に引き込むことを可能にすることを特徴とする請求項1に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項19】
前記生物学的流体分離デバイスコネクタが前記血液収集管に接続された状態で、前記血液収集管の空気口は、前記生物学的流体分離デバイス内の前記真空が前記血液試料を前記生物学的流体分離デバイス内に引き込むことを可能にすることを特徴とする請求項12に記載の生物学的流体分離デバイス。
【請求項20】
前記生物学的流体分離デバイスコネクタが前記血液収集管に接続された状態で、前記血液収集管の空気口は、前記生物学的流体分離デバイス内の真空が前記血液試料を前記生物学的流体分離デバイス内に引き込むことを可能にすることを特徴とする請求項14に記載の生物学的流体分離デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1. 開示の分野
本開示は、概して、生物学的流体との使用のために適合されるデバイスに関する。より詳細には、本開示は、生物学的流体の構成成分を分離するために適合されるデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
2. 関連技術の説明
血液試料採取(Blood sampling)は、患者からの少なくとも1滴の血液の採取を含む、一般的な健康管理手順である。血液試料は、一般に、入院させられた、在宅医療の、および救急室の患者から、指穿刺、かかと穿刺、または静脈穿刺のいずれかによって採取される。血液試料は、また、静脈ラインまたは動脈ラインによって、患者から採取されてもよい。いったん収集されると、血液試料は、例えば化学的組成、血液学(hematology)、または凝固(coagulation)を含む医学的に有用な情報を得るために分析されてもよい。
【0003】
血液試験は、病気、ミネラル含有量、薬有効性、および臓器機能のような患者の生理学上のおよび生化学的な状態を決定する。血液試験は、臨床試験室(clinical laboratory)内で、または患者の近くにおけるポイントオブケアで行われてもよい。ポイントオブケア血液検査(blood testing)の1つの例は、指穿刺および診断カートリッジ内への血液の機械的な収集を経る血液抜き取り(extraction)を含む患者の血糖値(blood glucose levels)の日常検査である。その後、診断カートリッジは、血液試料を分析し、および臨床医に患者の血糖値の読み取り値を提供する。血液ガス電解質レベル、リチウムレベル、およびイオン化カルシウムレベルを分析する他のデバイスが、利用可能である。いくつかの他のポイントオブケアデバイスは、急性冠動脈症候群(acute coronary syndrome)(ACS)および深部静脈血栓症(deep vein thrombosis)/肺塞栓症(pulmonary embolism)(DVT/PE)用のマーカーを識別する。
【0004】
血液試料は、細胞部分、血球(blood cell)、および血漿(plasma)部分、血漿(blood plasma)を含む。中心的な試験室試験(Core lab tests)は、血液検査の大部分を含み、および大きな診断機器に管が提出される前の試験室における分析のために、血球から血漿を分離するために、遠心分離を使用する。遠心分離は、多くの試験室試験にまたがる汎用使用(general use)のための血漿分離のための一般的に受け入れられたプロセスである。遠心分離は、典型的には、15分から20分掛かり、および重労働または複雑なワークフローを含む。
【0005】
ポイントオブケア(point-of-care)環境において、血液試料は、患者ベッドサイドまたはその近くにおいて機器に提供される。血漿試料は患者のベッドサイドにおいて入手可能ではないので、大抵のポイントオブケア試験は、血液収集管(blood collection tube)からピペットまたはシリンジによって移し替えられる(transferred)全血試料を使用する。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、血液試料からの血漿の効率的な分離を可能にする生物学的流体分離デバイスおよび分離プロセスを提供する。本開示の生物学的流体分離デバイスは、細胞部分または細胞および血漿部分または血漿を有する血液試料を受け入れるのに適合される。本開示の生物学的流体分離デバイスは、トラックエッチドメンブレンおよびクロスフロー濾過を用いて細胞から血漿を分離する。
【0007】
1つの実施形態において、本開示の生物学的流体分離デバイスは、排気型(evacuated)血液収集管内部に一体化される血漿分離デバイスを提供する。有利には、本開示の生物学的流体分離デバイスは、臨床的な血液採取(clinical blood draws)の間の血漿の即時分離、およびポイントオブケアカートリッジまたは他の診断機器ポートまたは検査デバイス(testing device)への分離された血漿試料の制御された分配に関する能力、を提供する。本開示の生物学的流体分離デバイスは、BDバキュテイナ(BD Vacutainer)(登録商標)のような真空管を使用しおよび静脈アクセスセットに対応する従来の血液収集ワークフローと何ら異ならない血液収集ワークフローを提供する。本開示の生物学的流体分離デバイスは、ポイントオブケアでのまたは患者近くの(near-patient)診断セットアップ(diagnostic setup)における診断機器への制御された分配のために即時に入手可能である血漿を生成する。
【0008】
本開示の生物学的流体分離デバイスは、血液採取の間の即時血漿分離を可能にし、したがって別個の遠心分離プロセスの必要性を排除し、およびまた、本開示の埋め込み型(embedded)の正確なドロップディスペンサを使用する診断ポートへの制御された血漿試料の移し替えを可能にする。本開示の生物学的流体分離デバイスは、遠心分離のために試験室に送られることがしばしば必要とされる遠心分離されるべき従来の血液収集管の必要性を排除する。
【0009】
本発明の実施形態に従って、生物学的流体分離デバイスは、第1の部分および第2の部分を有する血液試料を受け入れるのに適合される。生物学的流体分離デバイスは、入口および出口および通気プラグ(venting plug)を有するハウジング、ならびに血液チャンバ入口および血液チャンバ出口を有する血液チャンバを、血液チャンバが血液試料を受け入れるのに適合された状態で、含む。生物学的流体分離デバイスは、チャンバ出口を有する分離型チャンバ(separated chamber)、および血液チャンバと分離型チャンバとの間に配置される分離器を、分離器が、血液チャンバ内に第1の部分を捕捉しおよび第2の部分が分離器を通過して分離型チャンバに入るのを可能にするのに適合された状態で、さらに含む。生物学的流体分離デバイスは、ハウジングに取り外し可能に接続可能な外側ハウジングをさらに含み、外側ハウジングは第1の真空を含みおよびハウジングは第2の真空を含み、ならびにハウジングが外側ハウジングに接続された状態で、ハウジングは外側ハウジング内部に配置される。第1の真空および第2の真空は、通気プラグを介して連通する。
【0010】
1つの構成において、第1の部分は細胞部分であり、および第2の部分は血漿部分である。第1の真空および第2の真空は、ハウジング内部において血液試料を採取(draw)してもよく、および分離器を通して血漿部分を分離型チャンバ内に採取してもよい。
【0011】
特定の構成において、分離器は、細孔を有するメンブレン表面を含んでいてもよい。任意選択的に、分離器は、トラックエッチドメンブレンである。
【0012】
生物学的流体分離デバイスは、また、入口を覆うクロージャを含んでいてもよく、およびハウジングが外側ハウジングに接続された状態で、クロージャは、ハウジングの開放端(open end)を封止する。ハウジングの入口は、第1の端部に設けられていてもよく、およびハウジングの出口は、反対側の(opposite)第2の端部に設けられていてもよい。
【0013】
他の構成において、生物学的流体分離デバイスは、また、チャンバ出口とハウジングの出口との間に、血漿収集チャンネル(collection channel)を含んでいてもよい。任意選択的に、血漿収集チャンネルは、蛇行形状(serpentine shape)を有していてもよい。
【0014】
さらに他の構成において、生物学的流体分離デバイスは、出口を覆いならびに空気がそれを通過するのを可能にしおよび血液試料の第2の部分がそれを通過するのを防止する通気プラグを含むキャップを含むディスペンサアセンブリをさらに含んでいてもよい。ディスペンサアセンブリは、また、第2の部分が分離型チャンバの内部に含まれる初期位置と第2の部分の部分が分離型チャンバから追い出された変形位置(deformed position)との間を遷移可能な変形可能部分を含む。キャップが出口から取り外され、および変形可能部分が変形位置に遷移させられた状態で、第2の部分の部分は、生物学的流体分離デバイスから追い出されてもよい。
【0015】
なおさらなる構成において、生物学的流体分離デバイスは、分離型チャンバのチャンバ出口と連通する診断インタフェース、および第2の部分を試験するためのセンサ、を含む診断アセンブリを含んでいてもよい。
【0016】
本発明の別の実施形態に従って、細胞部分および血漿部分を有する血液試料を受け入れるのに適合される生物学的流体分離デバイスは、入口および出口を有する内側ハウジングを含んでいてもよい。生物学的流体分離デバイスは、また、血液チャンバ入口および血液チャンバ出口を有する血液チャンバであって血液試料を受け入れる血液チャンバ、および血漿チャンバ出口を有する血漿チャンバを含んでいてもよい。生物学的流体分離デバイスは、また、血液チャンバと血漿チャンバとの間に配置される分離器を、分離器が、血液チャンバ内に細胞部分を捕捉しおよび血漿部分が分離器を通過して血漿チャンバ内に入るのを可能にするのに適合された状態で、および内側ハウジングに取り外し可能に接続可能な外側ハウジングを、含んでいてもよい。内側ハウジングが外側ハウジングに接続された状態で、内側ハウジングは、外側ハウジング内部に配置されてもよく、および真空は、分離器を通して血液試料の血漿部分を採取するように内側ハウジングおよび外側ハウジングのうちの少なくとも1つによって画定される。
【0017】
生物学的流体分離デバイスは、血液収集管のコネクタに取り外し可能に接続可能な生物学的流体分離デバイスコネクタをさらに含んでいてもよい。任意選択的に、生物学的流体分離デバイスの外側ハウジングは、排気型管(evacuated tube)を含んでいてもよい。
【0018】
本発明のさらに別の実施形態に従って、生物学的流体分離デバイスは、細胞部分および血漿部分を有する血液試料を受け入れるように適合されてもよい。生物学的流体分離デバイスは、開放端、閉鎖端、およびそれらの間に延在しおよび内部(interior)を画定する側壁を有する外側ハウジングを含んでいてもよい。生物学的流体分離デバイスは、外側ハウジングに取り外し可能に接続可能なディスペンサユニット、および外側ハウジング内部の内側ハウジングをさらに含んでいてもよい。内側ハウジングは、血液チャンバ入口および血液チャンバ出口を有する血液チャンバを含んでいてもよく、血液チャンバは血液試料を受け入れるように構成され、および血液チャンバ出口は外側ハウジングの内部の部分と流体連通する。生物学的流体分離デバイスは、血漿チャンバ出口を有する血漿チャンバ、および血液チャンバと血漿チャンバとの間に配置される分離器をさらに含む。分離器は、血液チャンバ内に細胞部分を捕捉しおよび血漿部分が分離器を通過して血漿チャンバ内に入るのを可能にするのに適合されていてもよい。生物学的流体分離デバイスは、血漿チャンバ出口からディスペンサユニット内に延びる血漿収集チャンネルをさらに含む。
【0019】
任意選択的に、生物学的流体分離デバイスは、外側ハウジングの側壁との封止係合(sealing engagement)を提供するように外側ハウジングの内部に関連して寸法付けられるストッパを含んでいてもよい。ストッパは、外側ハウジングの内部を第1の封止部分(sealed portion)と第2の部分とに分割してもよい。特定の構成において、ディスペンサユニットが外側ハウジングから接続解除された状態で、血漿部分は、ディスペンサユニット内部に含まれる。
【0020】
この開示の上述のおよび他の機能および利点、およびそれらを達成するやり方は、より明らかになり、および開示それ自体は、添付図面と併せて、開示の実施形態の以下の記載を参照することによって、よりよく理解されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に従う生物学的流体分離デバイスの透視図である。
図2】本発明の実施形態に従う図1の2-2線に沿って取られた断面図である。
図3A】本発明の実施形態に従う生物学的流体分離デバイス透視図である。
図3B】本発明の実施形態に従う生物学的流体分離デバイスの分解透視図である。
図3C】本発明の実施形態に従う生物学的流体分離デバイスの分解透視図である。
図3D】本発明の実施形態に従う生物学的流体分離デバイスのディスペンサアセンブリの分解透視図である。
図3E】本発明の実施形態に従う生物学的流体分離デバイスの分離器チップの分解透視図である。
図3F】本発明の実施形態に従う生物学的流体分離デバイスの分離器の拡大部分断面図である。
図3G】本発明の実施形態に従う生物学的流体分離デバイスの分離器の拡大部分断面図である。
図4A】本開示の本発明の実施形態に従う生物学的流体分離デバイスを使用する第1のステップの透視図である。
図4B】本開示の本発明の実施形態に従う生物学的流体分離デバイスを使用する第2のステップの透視図である。
図4C】本開示の本発明の実施形態に従う生物学的流体分離デバイスを使用する第3のステップの透視図である。
図4D】本開示の本発明の実施形態に従う生物学的流体分離デバイスを使用する分配ステップ(dispensing step)の透視図である。
図4E】本開示の本発明の実施形態に従う生物学的流体分離デバイスを使用する分配ステップの透視図である。
図4F】本発明の実施形態に従う生物学的流体分離デバイスの内側ハウジングの透視図である。
図5】本発明の別の実施形態に従う生物学的流体分離デバイスの透視図である。
図6】本発明の別の実施形態に従う図5の6-6線に沿って取られた断面図である。
図7A】本発明の別の実施形態に従う本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第1のステップの透視図である。
図7B】本発明の別の実施形態に従う本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第2のステップの透視図である。
図7C】本発明の別の実施形態に従う本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する分配ステップの透視図である。
図7D】本発明の別の実施形態に従う本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する分配ステップの透視図である。
図8】本発明の別の実施形態に従う生物学的流体分離デバイス透視図である。
図9】本発明の別の実施形態に従う図8の9-9線に沿って取られた断面図である。
図10A】本発明の別の実施形態に従う本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第1のステップの透視図である。
図10B】本発明の別の実施形態に従う本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第2のステップの透視図である。
図10C図10B 本発明の別の実施形態に従う異なるセンサ構成の拡大図である。
図10D】本発明の別の実施形態に従う本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第3のステップの透視図である。
図11A】本発明の別の実施形態に従う直接的な採取プロセス(direct draw process)において本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第1のステップの透視図である。
図11B】本発明の別の実施形態に従う直接的な採取プロセスにおいて本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第2のステップの透視図である。
図12A】本発明の別の実施形態に従う間接的な採取プロセス(direct draw process)において本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第1のステップの透視図である。
図12B】本発明の別の実施形態に従う間接的な採取プロセスにおいて本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第2のステップの透視図である。
図12C】本発明の別の実施形態に従う間接的な採取プロセスにおいて本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第3のステップの透視図である。
図13】本発明の別の実施形態に従う生物学的流体分離デバイスの透視図である。
図14】本発明の別の実施形態に従う図13の断面図である。
図15】本発明の別の実施形態に従う図13の断面図である。
図16A】本発明の別の実施形態に従う本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第1のステップの透視図である。
図16B】本発明の別の実施形態に従う本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第2のステップの透視図である。
図16C】本発明の別の実施形態に従う本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第3のステップの透視図である。
図17A】本発明の別の実施形態に従う本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第1のステップの透視図である。
図17B】本発明の別の実施形態に従う本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第2のステップの透視図である。
図17C】本発明の別の実施形態に従う本開示の生物学的流体分離デバイスを使用する第3のステップの透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
対応する参照符号は、いくつかのビューを通して対応する部分を示す。本明細書に提示される例示は、開示の例示的な実施形態を示し、およびそのような例示は、いかなる方法でも開示の範囲を制限するように解釈されるべきではない。
詳細な説明
【0023】
以下の記載は、当業者が本発明を実施するために考えられる記載された実施形態を製作および使用するのを可能にするために提供される。様々な修正、同等物、変形、および代替物は、しかしながら、当業者にとって容易に明らかになり続けることとなる。任意のおよびすべてのそのような修正、変形、同等物、および代替物は、本発明の精神および範囲に入ることが意図される。
【0024】
以下の記載の目的のために、用語「上部の(upper)」、「下部の(lower)」、「右(right)」、「左(left)」、「垂直の(vertical)」、「水平の(horizontal)」、「頂部(top)」、「底部(bottom)」、「横の(lateral)」、「長手方向の(longitudinal)」、およびそれらの派生語は、それが図面の図において配向されている際の本発明に関連することとなる。しかしながら、本発明は、そうではないことが明示的に特定されている場合を除いて、代替的な変形およびステップシーケンスを当然と思っていてもよいことは理解されよう。添付図面に示されおよび以下の明細書中に記載される特定のデバイスおよびプロセスは、本発明の単純に例示的な実施形態であることも理解されたい。これ故に、本明細書に開示される実施形態に関連する特定の寸法および他の物理的特徴は、制限的であるとみなされるべきではない。
【0025】
図1から図4Eは、本開示の生物学的流体分離デバイスの例示的な実施形態を示す。図1から図4Eを参照して、本開示の生物学的流体分離デバイス10は、細胞部分14のような第1の部分および血漿部分16のような第2の部分を有する血液試料12を受け入れるのに適合される。本開示は、血液試料からの血漿の効率的な分離を可能にする生物学的流体分離デバイスおよび分離プロセスを提供する。
【0026】
1つの実施形態において、本開示の生物学的流体分離デバイスは、排気型血液収集管内部に一体化される血漿分離デバイスを提供する。有利には、本開示の生物学的流体分離デバイスは、臨床的な採血の間の血漿の即時分離、およびポイントオブケアカートリッジまたは他の診断機器ポートまたは検査デバイスへの分離された血漿試料の制御された分配に関する能力、を提供する。本開示の生物学的流体分離デバイスは、BDバキュテイナ(登録商標)のような真空管を使用しおよび静脈アクセスセットに対応する従来の血液収集ワークフローと何ら異ならない血液収集ワークフローを提供する。本開示の生物学的流体分離デバイスは、ポイントオブケアでのまたは患者近くの診断セットアップにおける診断機器への制御された分配のために即時に入手可能である血漿を生成する。
【0027】
本開示の生物学的流体分離デバイスは、血液採取の間の即時血漿分離を可能にし、したがって別個の遠心分離プロセスの必要性を排除し、およびまた、本開示の埋め込み型の正確なドロップディスペンサを使用する診断ポートへの制御された血漿試料の移し替えを可能にする。本開示の生物学的流体分離デバイスは、遠心分離のために試験室に送られることがしばしば必要とされる遠心分離されるべき従来の血液収集管の必要性を排除する。
【0028】
図1から図4Eを参照して、1つの例示的な実施形態において、生物学的流体分離デバイス10は、概して、内側ハウジングまたは内部管20、外側ハウジングまたは外部管22、および分離器24を含む。
【0029】
図1から図4Eを参照して、内側ハウジング20は、入口30、出口32、血液試料12を受け入れる血液チャンバ34、血漿チャンバ36のような分離型チャンバ、および分離器24を含む。1つの実施形態において、内側ハウジング20の入口30は、第1の端部にあり、および内側ハウジング20の出口32は、反対側の第2の端部にある。他の実施形態において、入口30および出口32の構成は、異なる適用のために変更されていてもよい。
【0030】
図1から図4Eを参照して、血液チャンバ34は、血液試料12を受け入れ、および血液チャンバ入口40と、血液チャンバ出口42と、血液チャンバ入口40と血液チャンバ出口42との間に走る血液チャンバチャンネル44と、を含む。1つの実施形態において、血液チャンバ入口40は、生物学的流体分離デバイス10の入口30と流体連通する。1つの実施形態において、血液チャンバ34は、また、血液チャンバ出口42と流体連通する血液廃棄チャンバ45を含む。このようにして、血液試料12の細胞部分14は、移動することができ、および血液チャンバチャンネル44を通って流れおよび分離器24を越えた後に、血液廃棄チャンバ45内部に収容(stored)され得る。血漿チャンバ36は、血漿チャンバ出口46を含む。
【0031】
図1から図4Eを参照して、分離器24は、血液チャンバ34と血漿チャンバ36との間に配置される。1つの実施形態において、分離器24は、血液チャンバ34内に血液試料12の細胞部分14を捕捉し、および血液試料12の血漿部分16が分離器24を通過して血漿チャンバ36内に入るのを可能にするのに適合される。
【0032】
1つの実施形態において、分離器24は、細孔またはフィルタ穴52を有するメンブレン表面50を含む。メンブレン表面50は、第1のまたは血液の側54と、第2のまたは血漿の側56と、を有する。図3Eを参照して、血液チャンバチャンネル44は、以下により詳細に論じられるように、メンブレン表面50と平行である。
【0033】
1つの実施形態において、分離器24は、トラックエッチドメンブレンを含む。本開示の生物学的流体分離デバイス10は、トラックエッチドメンブレンおよびクロスフロー濾過を用いて血漿16を細胞14から分離する。生物学的流体分離デバイス10のトラックエッチドメンブレンは、赤血球(red blood cells)または細胞の流れを防止するがそれを通る血漿の流れを可能にするのに十分に小さい細孔を備えるフィルタである。メンブレンを通る血漿流は、メンブレンを横切る(across)圧力、すなわち膜間圧(transmembrane pressure)によって駆動されるが、この流れは、また、細胞をメンブレン表面に運び、およびメンブレンを閉塞(clogging)の危険にさらす。これは、メンブレン表面と平行の連続的な血流、すなわち、細胞を洗い流しおよび連続的な血漿濾過を可能にする、クロスフロー濾過によって防止される。
【0034】
1つの実施形態において、図3Eおよび図3Fに示されるように、本開示の生物学的流体分離デバイス10は、1つの側、すなわちトラックエッチドメンブレンの第1のまたは血液の側54で、血流量を制御しつつ、トラックエッチドメンブレンを横切る差圧は、他の側、すなわちトラックエッチドメンブレンの第2のまたは血漿の側56に、血漿16を抜き取る。血液チャンバ34内に入る血液試料12は、血液チャンバチャンネル44内部において分離器24のメンブレン表面50と平行に流れる。このようにして、そのような平行な流れは、血液試料12の細胞14が分離器24の細孔52を閉塞させないようにし、そのサブミクロンの細孔52は、他の側、すなわち血漿の側56への血漿16の流れ、およびさらに、血漿チャンバ36内への流出を可能にする。
【0035】
1つの実施形態において、分離器24は、メンブレン表面50と平行に連続的に流れる血液試料12から血漿16を濾過するための、サブミクロンの穴52を持つトラックエッチドメンブレンを含む。このようにして、図3Fに示されるように、フィルタ穴52の閉塞は防止される。有利には、本開示の分離プロセスは、フィルタ構造の内側において細胞を連続的に捕捉せず、最終的に、収率をゼロまで低減させる。
【0036】
本開示の生物学的流体分離デバイス10は、細胞に損傷、例えば溶血(hemolysis)として知られる細胞破裂(cell rupture)をもたらすことなく、血球を血漿から有効に分離するように設計される。本開示の生物学的流体分離デバイス10は、細胞完全性(cell integrity)を保ちつつ所与の時間内における血漿収率を最大化させるやり方で、基本的な血流特性を平衡させる。いくつかの実施形態において、本開示の生物学的流体分離デバイス10は、例えば等価電気回路法等の数学モデリングを用いて、濾過システムの各部分が収率を最大化し、分離時間を最小化し、かつ溶血を最小化する臨界流量および形状パラーメータを決定するように設計される。
【0037】
1つの実施形態において、分離器24は、100ミクロン未満の厚さの厚いトラックエッチドメンブレンを含む。1つの実施形態において、分離器24は、5~25ミクロンの厚さのトラックエッチドメンブレンを含む。別の実施形態において、分離器24は、6~14ミクロンの厚さのトラックエッチドメンブレンを含む。
【0038】
1つの実施形態において、トラックエッチドメンブレンのサブミクロンの穴52は、直径においておよそ0.1~1.0ミクロンである。別の実施形態において、トラックエッチドメンブレンのサブミクロンの穴52は、直径においておよそ0.2~0.8ミクロンである。
【0039】
1つの実施形態において、トラックエッチドメンブレンのアクティブフィルタ表面積(active filter surface area)は、40mm2未満である。有利には、これは、本開示の分離器24が、従来の血液収集管の内側に嵌合(fit)し、およびまた、最小限の分析物(analyte)の偏り(bias)、および、トロポニン(Troponin)およびBNPのような心筋マーカー(cardiac markers)の特に低い偏りにより、良質の血漿を生成することを可能にする。
【0040】
図3Eを参照して、1つの実施形態において、分離器24、血液チャンバ34、および血漿チャンバ36は、分離器チップ58を形成する。1つの実施形態において、分離器チップ58は、内側ハウジング20内部に含まれるように寸法付けられる。
【0041】
1つの実施形態において、分離器チップ58は、およそ9~125mmのチップ長を有する。1つの実施形態において、分離器チップ58は、およそ8~16mmのチップ幅を有する。1つの実施形態において、分離器チップ58は、およそ0.5~2mmのチップ厚を有する。
【0042】
1つの実施形態において、血液チャンバ34の高さは、およそ30~200ミクロンである。1つの実施形態において、血液チャンバ34の長さは、およそ5~121ミクロンである。1つの実施形態において、血漿チャンバ36の高さは、およそ60~1000ミクロンである。
【0043】
1つの実施形態において、本開示の生物学的流体分離デバイス10は、内側ハウジング20に取り外し可能に接続可能である外側ハウジング22を含む。図1から図3Aを参照して、内側ハウジング20が外側ハウジング22に接続された状態で、内側ハウジング20は、外側ハウジング22内部に配置される。外側ハウジング22は、開放端70、閉鎖端72、およびそれらの間に延在しおよび内部76を画定する側壁74を含む。1つの実施形態において、外側ハウジング22は、第1の真空78を含む。
【0044】
図1から図3Cを参照して、1つの実施形態において、生物学的流体分離デバイス10は、入口30を覆うクロージャ60を含む。図1から図3Cを参照して、クロージャ60は、生物学的流体分離デバイス10を封止するように入口30と係合される。クロージャ60は、入口30を保護的な方法で覆う。クロージャ60は、内側ハウジング20の血液チャンバ34内への血液試料12の導入を可能にし、およびベクトン・ディッキンソンアンドカンパニー社(Becton, Dickinson and Company)から商業的に入手可能なヘモガード(Hemogard)(商標)キャップのような外側シールド64を備える突き刺し可能な自己封止(self-sealing)ストッパ62を含んでいてもよい。1つの実施形態において、クロージャ60は、ストッパアダプタ66を含む。
【0045】
図1から図3Cを参照して、1つの実施形態において、外側ハウジング22は、クロージャ60を介して内側ハウジング20に取り外し可能に接続可能である。例えば、クロージャ60は、外側ハウジング22に固着する(secures to)。このようにして、内側ハウジング20が外側ハウジング22に接続された状態で、クロージャ60は、外側ハウジング22の開放端70を封止する。
【0046】
1つの実施形態において、外側ハウジング22は、排気型管である。1つの実施形態において、外側ハウジング22は、ベクトン・ディッキンソンアンドカンパニー社(Becton, Dickinson and Company)から商業的に入手可能なバキュテイナ(登録商標)血液収集管のような真空含有血液収集管であってもよい。
【0047】
図1から図3Cを参照して、1つの実施形態において、内側ハウジング20は、出口32に取り外し可能に取り付けられおよび出口32を保護的な方法で覆うキャップ80を含む。1つの実施形態において、キャップ80は、空気がそれを通過するのを可能にしおよび試料12の血漿16がそれを通過するのを防止する通気プラグ82を含む。
【0048】
キャップ80および通気プラグ82の構造は、空気がキャップ80を通過するのを可能にしつつ、血液試料12の血漿16がキャップ80を通過するのを防止し、および疎水性フィルタを含んでいてもよい。通気プラグ82は、内側ハウジング20の血液チャンバ34および/または血漿チャンバ36の充填率(filling rate)を細かく制御するために使用されてもよい通風抵抗(air passing resistance)を選択している。プラグ82の空隙率(porosity)を変動させることによって、キャップ80から流出する空気の速度およびこのようにして内側ハウジング20内に流入する血液試料の速度は、制御されてもよい。
【0049】
図1から図3Cを参照して、1つの実施形態において、外側ハウジング22は、第1の真空78を含み、および内側ハウジング20は、第2の真空38を含む。1つの実施形態において、第1の真空78および第2の真空38は、通気プラグ82を介して連通している。他の実施形態において、内側ハウジング20は、また、第1の真空78および第2の真空38が一緒に連通をとることを可能にする第2の通気プラグおよび/または通気プラグ弁84を含んでいてもよい。
【0050】
第1の真空78および第2の真空38は、以下により詳細に記載されるように、内側ハウジング20内部において血液試料12を採取し、および分離器24を通して血漿チャンバ36内に血漿部分16を採取する。
【0051】
1つの実施形態において、空気がそれを通過するのを可能にしおよび試料12の血漿16がそれを通過するのを防止するキャップ80の通気プラグ82は、血漿16が通気プラグ82を浸す(wets out)と血漿チャンバ36を封止しおよび分離を終了する。
【0052】
図1から図4Fを参照して、1つの実施形態において、生物学的流体分離デバイス10の内側ハウジング20は、血漿収集チャンネル48内部に含まれる血漿16が正確な制御されたおよび効率的なやり方で追い出されるのを可能にするディスペンサアセンブリまたはディスペンサユニット90を含む。
【0053】
図1から図4Fを参照して、1つの実施形態において、内側ハウジング20は、血漿チャンバ出口46と内側ハウジング20の出口32との間に血漿収集チャンネル48を含む。このようにして、分離後に、血漿16は、血漿チャンバ出口46を通って血漿収集チャンネル48に流れる。血漿収集チャンネル48は、血漿16を内側ハウジング20から外へ移し替えることが望まれるまで、血漿16が内側ハウジング20内部に収集されおよび収容されることを可能にする。
【0054】
1つの実施形態において、血漿収集チャンネル48は、蛇行形状を有する。血漿収集チャンネル48の蛇行形状の直径は、泡が血漿16内部に生じるのを防止するように、および血漿16がキャピラリの形でチャンネル48を通って流れるのを保つように、寸法付けられる。血漿収集チャンネル48の蛇行形状は、また、血漿16が流入するチャンネルの長さがキャピラリの形を維持しつつ増大されることを可能にする。
【0055】
図1から図4Fを参照して、1つの実施形態において、内側ハウジング20は、また、血漿収集チャンネル48内部に含まれる血漿16が正確な制御されたおよび効率的なやり方で追い出されるのを可能にするディスペンサアセンブリまたはディスペンサユニット90を含む。例えば、十分な量の血漿16が血漿収集チャンネル48内部に収集されると、内側ハウジング20は、図4Cに示されるように、 外側ハウジング22から取り外され得る。次に、キャップ80は、出口32から取り外され、およびディスペンサアセンブリ90は、図4Dおよび図4Eに示されるように、内側ハウジング20の血漿収集チャンネル48から血漿16を分配するために使用される。
【0056】
内側ハウジング20のディスペンサアセンブリ90は、血漿16が内側ハウジング20の血漿収集チャンネル48から正確な制御されたおよび効率的なやり方で追い出されるのを可能にする任意のディスペンサ構造を含み得る。
【0057】
図3Cおよび図3Dを参照して、ディスペンサアセンブリ90の1つの例示的な実施形態が記載される。1つの実施形態において、ディスペンサアセンブリ90は、血漿収集チャンネル48、キャップ80、通気プラグ82、変形可能部分92、空気口(air vent)96、および一方向弁98を含む。1つの実施形態において、変形可能部分92は、第1のディスペンサバルブ93および第2のディスペンサバルブ94を含む。
【0058】
1つの実施形態において、キャップ80は、出口32を覆い、および空気がそれを通過するのを可能にしおよび血液試料12の血漿部分16がそれを通過するのを防止する通気プラグ82を含む。
【0059】
1つの実施形態において、変形可能部分92は、血漿部分16が血漿収集チャンネル48内部に含まれる初期位置と血漿部分16の部分が血漿収集チャンネル48から追い出される変形位置との間を遷移可能である。図4Dおよび図4Eを参照して、キャップ80が出口32から取り外され、および変形可能部分92が変形位置に遷移させられた状態で、血漿部分16の部分は、生物学的流体分離デバイス10、例えば内側ハウジング20の血漿収集チャンネル48から追い出される。1つの実施形態において、変形可能部分92は、第1のディスペンサバルブ93および第2のディスペンサバルブ94を含む。
【0060】
使用時に(In use)、変形可能部分92が圧搾されたときに、空気は内側ハウジング20内で押されて、血漿16を血漿収集チャンネル48から追い出す。1つの実施形態において、変形可能部分92が圧搾されたときに、変形可能部分92の空気口96は、使用者の指によって覆われて、一方向弁98を通して空気を押し進めさせて、血漿16を血漿収集チャンネル48から追い出す。
【0061】
変形可能部分92が解放(released)されたとき、空気口96は、もはや覆われておらず、および空気は変形可能部分92を膨張させて後退させる(back up)。重要なことには、変形可能部分92が解放されたときに、一方向弁98は、分配後に血漿16が血漿収集チャンネル48内に引き戻(pulled back)されるのを防止する。このようにして、本開示の分配アセンブリ(dispensing assembly)90は、血漿収集チャンネル48内部に含まれる血漿16は、ただ、1つの方向に、すなわち血漿収集チャンネル48から外に、流れることができることを確実にする。
【0062】
図5から図7Dを参照して、別の例示的な実施形態において、内側ハウジング20の血漿チャンバ出口46は、外側ハウジング22の内部76の部分と流体連通する。そのような実施形態において、図1から図4Fを参照して論じられる実施形態の内側ハウジング20の分配アセンブリ90は、取り外され、および血漿16は、血漿チャンバ出口46から直接的に流出し外側ハウジング22の内部76の部分に流入することが可能とされる。
【0063】
図7Aを参照して、この実施形態において、血液試料12が内側ハウジング20内部に採取される際に、血漿16は、分離されおよび血漿チャンバ出口46を出ておよび外側ハウジング22に集まる。図7Bを参照して、血液試料12の廃棄細胞部分14は、内側ハウジング20内部に留まり、 および血漿16の分離後に処分され得る。図7Cおよび図7Dを参照して、外側ハウジング22内部に含まれる血漿16は、次いで、手動で移し替えられまたは臨床的分析器に直接的に提出されてもよい。
【0064】
操作において、内側ハウジング20内部における血漿16の収集を可能にする血漿収集ユニットまたは分配アセンブリ90を有する図1から図4Fに示される実施形態における血漿生成は、内側ハウジング20が充填されたときに停止される。
【0065】
血液採取および血漿体積は、より多いまたはより少ない血が血漿収集ユニットを充填するために必要とされるので、患者ごとに変動する。図5から図7Dに示される実施形態における血漿収集ユニットの取り外しは、付加的な血漿が収集ユニットの収容能力を超えて生成されることを可能にする。これは、増大された血漿体積(患者ヘマトクリットに応じて3mLの全血からの300~700μL、対、例えば、血漿収集ユニットによって制限される可能性があるような150~250μL)の利益を与える。図5から図7Dに示される実施形態の別の利益は、血漿16試料が、ワークフローのニーズによって決定されるように、臨床的分析器に直接的に提出されまたは手動で分配され得ることである。
【0066】
図5から図7Dに示される実施形態において、血液採取体積は、患者間で変動するのではなく、すべての患者に関してちょうど3mLに増大してもよい。したがって、血漿分離は、増大された血液採取体積に比例して増大し得る。増大される実行時間の影響を軽減させるために、図5から図7Dに示される実施形態は、以下により詳細に記載されるように、図12Aから図12Cに示されるような患者から離れた(off-patient)分離方法と、組み合わせられ得る。
【0067】
図8から図10Dを参照して、別の例示的な実施形態において、内側ハウジング20の血漿チャンバ出口46は、診断アセンブリ200と流体連通する。そのような実施形態において、図1から図4Fを参照して論じられる実施形態の内側ハウジング20の分配アセンブリ90は、取り外され、および血漿16は、血漿チャンバ出口46から直接的に流出し診断アセンブリ200に流入することが可能とされる。そのような実施形態において、血漿16は、分離後の分析物に関する血漿16の即時検査のために、生物学的流体分離デバイス10から何ら血漿16を分配する必要なく、診断アセンブリ200を充填する。
【0068】
1つの実施形態において、診断アセンブリ200は、血漿チャンバ出口46と連通する診断インタフェース202、血液試料12の血漿部分16を試験するためのセンサ204、および空気がそれを通過するのを可能にしおよび血液試料12の血漿部分16がそれを通過するのを防止する通気プラグ206を含む。
【0069】
図10Cを参照して、1つの実施形態において、診断アセンブリ200は、単一のセンサ204を含む。図10Cを参照して、1つの実施形態において、診断アセンブリ200は、3つのセンサ204を含む。図10Cを参照して、1つの実施形態において、診断アセンブリ200は、多数のセンサ204を含む。診断アセンブリ200は、所望される検査適用のために必要とされる任意の数のセンサ204を含んでいてもよい。
【0070】
1つの実施形態において、診断アセンブリ200の通気プラグ206は、真空が血漿16を診断インタフェース202内に採取しおよび診断アセンブリ200を充填させることを可能にする。例えば、通気プラグ206は、外側ハウジング22の真空78が診断アセンブリ200と連通されて血漿16を診断アセンブリ200内に採取することを可能にする。通気プラグ206は、血液試料12の血漿16が通過するのを防止しつつ空気が通過するのを可能にする。例えば、血漿16が診断アセンブリ200を充填すると、通気プラグ206は、血液が浸み込む(saturated with blood)ようになりおよび浸される(wetted out)。これが起こると、診断アセンブリ200は、血漿16で充填されており、およびさらなる血漿16は診断アセンブリ200内に引き込まれない。診断アセンブリ200が血漿16で完全に充填されおよび通気プラグ206が浸された状態で、診断アセンブリ200は、また、封止される。
【0071】
図8から図10Dを参照して、診断アセンブリ200は、分離後の分析物に関して血漿16を即時に検査するためのオンボード診断ユニットを提供する。診断アセンブリ200は、光学試験および他の方法を利用するであろうが、これらに限定されない。可能な適用は、例えば一般的な妊娠テストに類似する、分析物の存在に関する質的な「はい(yes)」または「いいえ(no)」試験、およびコレステロールまたはナトリウムのような分析物に関する量的な結果を含む。図10Bを参照して、1つの実施形態において、オンボード診断アセンブリ200は、 単独で働き得る。図10Dを参照して、1つの実施形態において、試料の結果の撮像および分析のために、オンボード診断アセンブリ200は、試験読み取り機(test reader)、例えば診断アダプタ208、例えば、携帯電話アダプタと、インタフェース接続し得、これは、デバイス10を、ポイントオブケア診断機器210、例えば携帯電話カメラに接続する。
【0072】
デバイス10の診断アセンブリ200は、別個の試験カートリッジへ血漿16を移し替える必要を排除することにより、効率的なポイントオブケアのワークフローおよび臨床医の安全を提供する。デバイス10の診断アセンブリ200は、また、必要とされる血漿16の要求される体積を、例えばいくつかの実施形態において血漿の200~400μLの範囲から10~50μLに至るまで、低減させ得、これは、また、デバイスの実行時間を、例えばいくつかの実施形態において50~140秒から15~30秒に至るまで、および要求される血液体積を、例えばいくつかの実施形態において1~3mLから0.2~0.5mLに至るまで、低減させ得る。
【0073】
図4Aから図4Fを参照して、本開示の生物学的流体分離デバイス10の使用は、これから記載される。有利には、本開示の生物学的流体分離デバイス10は、血液試料の血漿部分を収集しおよび分離するための様々な異なるやり方を可能にする。例えば、1つの実施形態において、本開示の生物学的流体分離デバイス10は、以下により詳細に記載されるように、直接的な採取プロセスにおいて、カニューレまたは非患者針100を有する従来の管ホルダ102と共に使用され得る。別の実施形態において、本開示の生物学的流体分離デバイス10は、以下により詳細に記載されるように、間接的な採取プロセスにおいて、別個の血液収集管130と共に使用され得る。
【0074】
図4A図4B、および図11Aを参照して、直接的な採取プロセスにおける、カニューレまたは非患者針100を有する従来の管ホルダ102を用いる、本開示の生物学的流体分離デバイス10の使用は、これから記載される。本開示の生物学的流体分離デバイス10は、従来の採血セット(blood collection set)、例えば管ホルダ102または他の従来の採血デバイス(blood collection devices)と両立し得る(compatible)。
【0075】
使用時に、針カニューレまたは非患者針100(図2および図4A)は、クロージャ60の突き刺し可能な自己封止ストッパ62を通して、生物学的流体分離デバイス10の内側ハウジング20の血液チャンバ34内に、直接的に挿入される。図4Aおよび図4Bに示されるように、結合された(combined)内側ハウジング20および外側ハウジング22を含む生物学的流体分離デバイス10は、血液試料12のような生物学的流体がそれを通過するカニューレまたは非患者針100を有する従来の管ホルダ102内に挿入されてもよい。
【0076】
次に、本開示の生物学的流体分離デバイス10が管ホルダ102と直接的に接続された状態で、血液試料12は、従来の管ホルダ102から、外側ハウジング22内に含まれる第1の真空78および内側ハウジング20内に含まれる第2の真空38の採取によって、生物学的流体分離デバイス10の内側ハウジング20の血液チャンバ34内に引き込まれる。例えば、管ホルダ102の非患者針100がクロージャ60のストッパ62を突き刺すとき、外側ハウジング22内に含まれる第1の真空78および内側ハウジング20内に含まれる第2の真空38は、管ホルダ102の非患者針100を介して、内側ハウジング20内部において血液試料12の血液チャンバ34を採取する。
【0077】
通気プラグ82 および/または通気プラグ弁84は、血液試料12および/または血漿部分16が通過するのを防止しつつ、空気が通過するのを可能にする。血液試料12が分離器チップ58を充填すると、第1の真空78および第2の真空38は、もはや連通しておらず、および別個に作用する。第2の真空38は、血液チャンバ出口42から血液廃棄チャンバ45に血液試料12の細胞部分14を廃棄し続ける。さらに、第1の真空78は、分離器24を通して血漿チャンバ36内に血漿部分16を採取し続ける。血漿部分16が血漿チャンバ45を充填しおよび通気プラグ82に達すると、通気プラグは、血液が浸み込みおよび浸されることとなり、分離を終了する。所望される操作がそれを要求する場合、第1の真空78および第2の真空38は、第1の真空78と第2の真空38との間を空気が通るのを可能にするが血液試料12が外側ハウジング22に達するのを防止する通気プラグ弁84によって接続され得る。
【0078】
このようにして、1つの実施形態において、第1の真空78および第2の真空38は、最初は、第1の真空78および第2の真空38が一緒に連通しつつ、単一の真空として一緒に作用する。次に、分離器チップ58が血液試料12で充填された後に、第1の真空78および第2の真空38は、もはや一緒に連通しておらず、および別個に作用する。別の実施形態において、第1の真空78および第2の真空38は、通気プラグ弁84によって操作の期間にわたって連通状態に保たれている。
【0079】
血液試料12が収集されおよび所望の量の血漿16が分離されると、生物学的流体分離デバイス10は、管ホルダ102から取り外される。次に、分離された血漿16は、以下により詳細に記載されるように、分配および/または分析される準備が整っている。
【0080】
図12Aおよび図12Cを参照して、間接的な採取プロセスにおいて別個の血液収集管130を用いる本開示の生物学的流体分離デバイス10の使用は、これから論じられる。
【0081】
間接的な採取プロセスは、患者から離れた血漿の分離を可能にする。図12Aを参照して、この実施形態において、血液試料12は、従来の血液収集手順において、従来の血液収集管130内に収集される。従来の血液収集管130を用いる血液収集は、血液試料12が患者からより速く収集されることを可能にする。このようにして、血液収集手順を完了するために患者が必要とされる時間は、低減される。
【0082】
次に、図12Bを参照して、血液試料12を含む血液収集管130は、次いで、血液試料12の血漿16の分離のために生物学的流体分離デバイス10に接続される。このようにして、生物学的流体分離デバイス10を用いる血漿16の分離は、患者に何ら血液収集デバイスが接続されないまま、生じる。
【0083】
図12Bを参照して、1つの実施形態において、生物学的流体分離デバイス10は、血液収集管130のコネクタ132に取り外し可能に接続可能な生物学的流体分離デバイスコネクタ140を含む。この接続は、生物学的流体分離デバイス10を用いる血漿16の分離の間、生物学的流体分離デバイス10と血液収集管130との間に、封止された信頼できる接続を提供する。
【0084】
1つの実施形態において、血液収集管130は、空気口134を含む。空気口134は、空気が放出(released)されることを可能にして、生物学的流体分離デバイス10内部の真空が、血液試料12を生物学的流体分離デバイス10内に引き込み、および分離器24を通して血漿チャンバ36内に血漿部分16を採取することを可能にする。
【0085】
所望の量の血漿16が分離されると、生物学的流体分離デバイス10は、血液収集管130から取り外される。次に、分離された血漿16は、以下により詳細に記載されるように、分配および/または分析される準備が整っている。
【0086】
分離された血漿16が生物学的流体分離デバイス10内に収集された状態で、分離された血漿16は、分配および/または分析される準備が整っている。1つの実施形態において、生物学的流体分離デバイス10のディスペンサアセンブリ90は、使用されてもよい。例えば、図1から図4Fを参照して、1つの実施形態において、生物学的流体分離デバイス10の内側ハウジング20は、ディスペンサアセンブリまたはディスペンサユニット90を含む。血漿収集チャンネル48内部に含まれる血漿16が正確な制御されたおよび効率的なやり方で追い出されることを可能にする。
【0087】
図4Cを参照して、そのような実施形態において、血漿分離および収集が完了すると、内側ハウジング20は、外側ハウジング22から分離される(図4C)。1つの実施形態において、内側ハウジング20は、内側ハウジング20に依然として取り付けられているクロージャ60を外側ハウジング22から取り外すことによって、外側ハウジング22から分離される。クロージャ60の取り外しは、クロージャ60の外側シールド64および外側ハウジング22の両方を把持しおよびそれらを反対方向に引っ張りまたはねじる使用者によって成し遂げられてもよい。
【0088】
内側ハウジング20が外側ハウジング22から分離されると、キャップ80は、次いで、内側ハウジング20から取り外されて、内側ハウジング20の出口32を露出させてもよい。取り外しは、キャップ80の外側部分を把持しおよびキャップ80を内側ハウジング20から引っ張る使用者によって成し遂げられてもよい。1つの実施形態において、血漿16は、キャップ80の取り外し後に、毛細管作用によって内側ハウジング20の血漿収集チャンネル48内部に保持される。
【0089】
図4D図4E図11B、および図12Cを参照して、血漿16は、次いで、分配アセンブリ90の起動(activation)によって、内側ハウジング20の血漿収集チャンネル48から分配されてもよい。上述されるように、1つの実施形態において、内側ハウジング20は、また、血漿収集チャンネル48内部に含まれる血漿16が正確な制御されたおよび効率的なやり方で追い出されるのを可能にするディスペンサアセンブリ90を含む。例えば、図4Cを参照して、十分な量の血漿16が血漿収集チャンネル48内部に収集されると、内側ハウジング20は、外側ハウジング22から取り外され得る。次に、キャップ80は、出口32から取り外され、およびディスペンサアセンブリ90は、内側ハウジング20の血漿収集チャンネル48から血漿16を分配するために使用される。
【0090】
図4Dを参照して、1つの実施形態において、血漿16は、血液試料12の血漿16に対する医師の露出を最小限にしつつ、試料容器110に移し替えられてもよい。
【0091】
図4Eを参照して、1つの実施形態において、血漿16は、血液試料12の血漿16に対する医師の露出を最小限にしつつ、例えばポイントオブケア検査デバイス120、カートリッジテスター、または患者近くの検査デバイスのような、血漿16を分析することが意図されるデバイスに移し替えられてもよい。
【0092】
血漿16分離後、分離された血漿16は、分配および/または分析される準備が整っている。1つの実施形態において、図5から図7Dに示される生物学的流体分離デバイス10の実施形態は、使用されてもよい。例えば、図5から図7Dを参照して、別の実施形態において、内側ハウジング20の血漿チャンバ出口46は、外側ハウジング22の内部76の部分と流体連通する。そのような実施形態において、図1から図4Fを参照して論じられる実施形態の内側ハウジング20の分配アセンブリ90は、取り外され、および血漿16は、血漿チャンバ出口46から直接的に流出し外側ハウジング22の内部76の部分に流入することが可能とされる。
【0093】
図7Bを参照して、そのような実施形態において、血漿分離および収集が完了すると、内側ハウジング20は、外側ハウジング22から分離される。図7Bを参照して、血液試料12の廃棄細胞部分14は、内側ハウジング20内部に留まり、および血漿16の分離後に処分され得る。図7Cおよび図7Dを参照して、外側ハウジング22内部に含まれる血漿16は、次いで、手動で移し替えられまたは臨床的分析器に直接的に提出されてもよい。
【0094】
1つの実施形態において、分離された血漿16は、分離後の分析物に関する血漿16の即時検査のために、生物学的流体分離デバイス10から何ら血漿16を分配する必要なく、診断アセンブリ200を充填する。例えば、図8から図10Dを参照して、診断アセンブリ200は、分離後の分析物に関して血漿16を即時に検査するためのオンボード診断ユニットを提供する。診断アセンブリ200は、光学試験および他の方法を利用するであろうが、これらに限定されない。可能な適用は、例えば一般的な妊娠テストに類似する、分析物の存在に関する質的な「はい(yes)」または「いいえ(no)」試験、およびコレステロールまたはナトリウムのような分析物に関する量的な結果を含む。図10Bを参照して、1つの実施形態において、オンボード診断アセンブリ200は、単独で働き得る。図10Dを参照して、1つの実施形態において、試料の結果の撮像および分析のために、オンボード診断アセンブリ200は、試験読み取り機(test reader)、例えば診断アダプタ208、例えば、携帯電話アダプタと、インタフェース接続し得、これは、デバイス10を、ポイントオブケア診断機器210、例えば携帯電話カメラに接続する。
【0095】
図13から図17Cを参照して、他の実施形態において、血液チャンバ出口42(図3E)は、外側ハウジング22の内部76の部分と流体連通する。
【0096】
図17Aから図17Cを参照して、1つの実施形態において、デバイス10は、血漿分離の間に、廃棄血液または細胞14を外側ハウジング22の内部76の底部内に方向付ける。血漿16は、外側ハウジング22の部分に取り外し可能に接続可能であるディスペンサユニットまたはディスペンサアセンブリ310内に収集される。図17Bを参照して、1つの実施形態において、ディスペンサユニット310は、クロージャ60と共に取り外される。分離チップ58および廃棄血液または細胞14は、外側ハウジング22内に留まりおよび廃棄される。図17Cを参照して、1つの実施形態において、血漿16は、次いで、検査のためにディスペンサユニット310を用いて分配され得る。
【0097】
図13から図16Cを参照して、1つの実施形態において、デバイス10は、血漿チャンバ出口46からディスペンサユニット310の部分内に延びる血漿収集チャンネル320を含む。図15から図17Cを参照して、1つの実施形態において、デバイス10は、ハウジング22の側壁74の外側との封止係合を提供するように外側ハウジング22の内部76に関連して寸法付けられるストッパ322を含む。1つの実施形態において、ストッパ322は、外側ハウジング22の内部76を第1の封止部分324と第2の部分326とに分割する。1つの実施形態において、血液チャンバ出口42は、外側ハウジング22の内部76の第1の封止部分324と流体連通する。
【0098】
この開示は例示的な設計を有するものとして説明されているが、本開示は、この開示の趣旨および範囲内でさらに修正されることができる。したがって、本出願は、その一般原則を使用した開示の任意の変形、使用、または適合を包含することを目的としている。さらに、本出願は、本開示が関係し、添付の特許請求の範囲の範囲内にある当技術分野における既知または慣行の範囲内にある本開示からのそのような逸脱を包含することを意図している。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C