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▶ コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】物体監視
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240610BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20240610BHJP
   G08B 21/24 20060101ALI20240610BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20240610BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q10/04
G08B21/24
H04W84/10 110
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022513431
(86)(22)【出願日】2020-08-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-31
(86)【国際出願番号】 AU2020050891
(87)【国際公開番号】W WO2021035297
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-02-24
(31)【優先権主張番号】2019903196
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】590003283
【氏名又は名称】コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ジュアン ヴァレンシア
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス アレクサンダー ヒーニー
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-048706(JP,A)
【文献】特表2018-523934(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0220711(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G08B 21/24
H04W 84/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)複数のタグであって、それぞれのタグは、使用の際に個々の物体と関連付けられており、
i)メッセージを送信又は受信するように構成されたタグトランシーバ、並びに
ii)タグ処理装置であって、
(1)前記物体及び/又はその他の物体と関連するコンテキストを示すコンテキストデータを判定し、
(2)
(a)前記個々の物体の物体タイプを示す物体タイプ識別子、及び
(b)時間期間にわたる前記コンテキストデータの少なくともいくつか
を示すタグ履歴データを生成する
ように構成された、タグ処理装置
を含む、複数のタグと、
b)1つ又は複数の処理装置であって、
i)機械学習技法を使用して複数のタグからのトリガタグ履歴データを分析するように構成され、前記トリガタグ履歴データは、トリガイベントに関係するタグ履歴データであり、及び、
ii)コンテキストデータと1つ又は複数のトリガイベントとの間の関係を示す予測モデルを生成するように構成され、前記予測モデルは、トリガイベントの予測に使用可能である、1つ又は複数の処理装置と
を含む、物体監視システム。
【請求項2】
前記タグは、物体規則を保存するように構成されたタグメモリを含み、前記タグ処理装置は、
a)トリガイベントの識別にコンテキストデータ及び物体規則を使用し、及び、
b)前記トリガイベントの検出に応答してトリガタグ履歴データを生成するように
構成されている、請求項に記載の物体監視システム。
【請求項3】
前記1つ又は複数の処理装置は、
a)トリガイベントの識別にタグ履歴データ及び物体規則を使用し、及び、
b)前記トリガイベントの検出に応答して前記トリガタグ履歴データを識別するように
構成されている、請求項又はに記載の物体監視システム。
【請求項4】
前記1つ又は複数の処理装置は、いくつかの異なるトリガイベントのそれぞれごとに個々の予測モデルを生成するように構成されている、請求項乃至のいずれか1項に記載の物体監視システム。
【請求項5】
前記タグ履歴データは、
a)特徴ベクトルである、
b)特徴ベクトルを導出するために使用される、
の少なくとも1つである、請求項1乃至のいずれか1項に記載の物体監視システム。
【請求項6】
前記1つ又は複数の処理装置は、トリガイベントの予測に予測モデル及びタグ履歴データを使用するように構成されている、請求項1乃至のいずれか1項に記載の物体監視システム。
【請求項7】
前記1つ又は複数の処理装置は、
a)トリガイベントの尤度を算出するために予測モデル及びタグ履歴データを使用し、及び、
b)前記トリガイベントの前記尤度に応じてアクションを選択的に実行し、且つ任意付加的に、
c)予測されたトリガイベントの通知を生成するように
構成されている、請求項1乃至のいずれか1項に記載の物体監視システム。
【請求項8】
前記1つ又は複数の処理装置は、1つ又は複数の予測物体規則を生成するために予測モデルを使用しており、及び、前記タグ処理装置は、トリガイベントがいつ発生する可能性が高いかを予測するために、予測物体規則及び時間期間にわたるコンテキストデータを使用するように構成されている、請求項1乃至のいずれか1項に記載の物体監視システム。
【請求項9】
前記タグ処理装置は、
a)複数の場所ビーコンの1つから前記タグトランシーバを介して受け取られた場所タグブロードキャストメッセージに基づいて判定された1つ又は複数のタグ場所、
b)その他の物体と関連するその他のタグから受け取られた1つ又は複数のタグブロードキャストメッセージ、
c)1つ又は複数のセンサからのセンサデータ、及び
d)保存されているコンテキストデータ
の少なくとも1つに基づいて前記コンテキストデータを判定する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の物体監視システム。
【請求項10】
a)前記タグは、前記関連する物体の少なくとも物体タイプを示す物体タイプ識別子を含む、及び、
b)個々の物体規則は、1つ又は複数の個々の物体タイプについて定義される、
の少なくとも1つである、請求項1乃至のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
a)前記タグ処理装置は、前記タグトランシーバに、
i)前記関連する個々の物体の少なくとも物体タイプを示す物体タイプ識別子、
ii)前記個々の物体と関連するコンテキストデータ、及び
iii)データパケットであって、
(1)前記物体タイプ識別子を含むパケットヘッダ、及び
(2)前記コンテキストデータを含むペイロード、を含むデータパケット
を含むタグブロードキャストメッセージを送信させるように構成されており、且つ任意付加的に、
b)前記タグ処理装置は、
i)1つ又は複数のその他の物体と関連する1つ又は複数のその他のタグから受け取られた1つ又は複数のタグブロードキャストメッセージを受け取り、
ii)それぞれのタグブロードキャストメッセージと関連する物体タイプ識別子を使用して前記1つ又は複数のその他の物体の物体タイプを判定し、及び、
iii)前記個々の物体タイプに関連する物体規則を使用して前記タグブロードキャストメッセージの少なくともいくつかを処理するように
構成されている、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記タグ処理装置は、
a)前記その他の物体の物体タイプと関連する物体規則にアクセスすることであって、前記物体規則は、関連するコンテキストデータを含むタグブロードキャストメッセージの1つ又は複数の部分を規定する前記個々の物体タイプに関連する定義されたメッセージフォーマットを示すことと、
b)前記タグブロードキャストメッセージ内の関連するコンテキストデータの識別に、前記物体規則を使用することと、
c)トリガイベントが発生したかどうかの識別に、前記関連するコンテキストデータ及び前記物体規則を使用すること
により、少なくとも1つのタグブロードキャストメッセージを処理するように構成されている、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の物体監視システム。
【請求項13】
物体監視方法であって、
a)複数のタグそれぞれのタグは、使用の際に個々の物体と関連付けられており、及び、
i)メッセージを送信又は受信するように構成されたタグトランシーバと、
ii)タグ処理装置と
を含前記物体監視方法は、
b)
i)前記タグ処理装置が前記物体及び/又はその他の物体に関連するコンテキストを示すコンテキストデータを判定するステップと
ii)前記タグ処理装置が、
(1)前記個々の物体の物体タイプを示す物体タイプ識別子と、
(2)時間期間にわたる前記コンテキストデータの少なくともいくつかと
を示すタグ履歴データを生成するステップと、
c)
i)1つ又は複数の処理装置が機械学習技法を使用して複数のタグからのトリガタグ履歴データを分析するステップであって、前記トリガタグ履歴データは、トリガイベントに関係するタグ履歴データである、ステップ及び、
ii)1つ又は複数の処理装置がコンテキストデータと1つ又は複数のトリガイベントとの間の関係を示す予測モデルを生成するステップであって、前記予測モデルは、トリガイベントの予測に使用可能である、ステップ
を含む、物体監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体を監視するシステム及び方法に関する。特定の一例において、本発明は、物体コンテキストに基づいた物体の予測監視のためのシステム及び方法に関する。別の例において、本発明は、物体監視システム内において受け取られたタグブロードキャストメッセージを分析するシステム及び方法に関する。別の例において、本発明は、物体監視システム内において物体規則を更新するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
任意の従来の刊行物(或いは、これから導出された情報)に対する、或いは、既知である任意の事物に対する、本明細書における参照は、その従来の刊行物(或いは、これから導出された情報)又は既知の事物が、本明細書が関係する試みの分野における一般的な常識の一部分を形成することの、承認若しくは是認又は任意の形態の示唆として解釈されるものではなく、且つ、されるべきものでもない。
【0003】
具体的には、職業上の健康及び安全性に関連して、物体が動作するべき、取り扱われるべき、使用されるべき、又は、維持されるべき方法に関する、多数の規則が存在する。例えば、多くの状況においては、封止された建物の内部において、人々の近傍において、又は、これらに類似した場所において、などの特定の環境において使用されることを不可能にする、ガスのボトル又はロボットなどの危険な物体の運動に関する制限が存在する。更には、正しい方式で動作することを保証するべく、機器を定期的に検査する要件もしばしば存在する。
【0004】
多くのケースにおいては、異なる物体を支配する多数の異なる規則が存在しており、この結果、それらの物体を使用する、取り扱う、又は、これとその他の方法でやり取りする際に、準拠していることをユーザーが保証することが困難になっている。更には、このような規則には、ある程度の統一性が存在してはいるものの、例えば、異なる組織がその独自の内部規則を実装するなどのような大きな違いも存在しており、その結果、これは訪問者又は日雇い労働者が準拠を保証することが極めて困難でありうることを意味しうる。
【0005】
この事実にも拘らず、準拠は労働者の安全性を保証するべく重要であり、且つ、準拠を保証しない場合には事故及び深刻な不都合がもたらされる可能性があり、従って、これには最大限の商業的重要性が付与されている。
【0006】
準拠の監視に対する現時点の方式は、通常、監督者による労働者の活動の定期的な監視などの、監督との関連において使用されている教育及び訓練プログラムを伴っている。但し、これらの方式は、常に成功するわけではない。
【0007】
米国特許出願公開第2017/046945号明細書は、BLE(Bluetooth Low Energy)コミュニケータを有するガス検出器(102)について記述している。BLEコミュニケータを有するオーディタ装置が提供されている。ガス検出器が、予め定義された標準に準拠していない際には、通告パケットがガス検出器によってブロードキャストされ、この場合に、通告パケットは非準拠情報を有する。ガス検出器からの通告パケットはオーディタ装置によって受け取られ、且つ、準拠していないガス検出器がオーディタ装置によって通知される。通告パケットの非準拠情報が、オーディタ装置によって表示される。
【0008】
従って、これは、ガス検出器の準拠の監視に適したシステムについて記述しているが、1つの非常に特定のシナリオにおいてしか動作しない、という点において、限られた価値しか有していない。
【0009】
米国特許第9,824,571号明細書は、物品の間の距離に基づいて警告する装置について記述している。装置は、物品上のIoT(Internet of Things)タグと通信する無線装置を含む。ロケータモジュールが2つ以上の物品の間の距離を判定し、且つ、アラータモジュールが近接性規則の違反についてユーザーに警告する。
【0010】
従って、これは、近接性監視の能力を有するシステムについて記述しているが、このシステムは、近接性監視に制限されており、且つ、従って、1つの特定のシナリオにおいてしか動作可能ではない。
【0011】
また、規則への準拠を保証することに加えて、物体の監視は様々なその他のシナリオのためにも使用することができる。但し、この場合にも、物体監視用の好適な技法は通常、限られており、しばしば過度に複雑であり且つ高額である。
【0012】
米国特許出願第2016/0110975号明細書は、スーツケース、ブリーフケース、バックパック、カートランク、小銭入れ、札入れ、ストレージコンパートメント、ストレージ設備、ロッカー、又はこれらに類似したものなどの物品コンテナ/キャリアと共に使用されるインテリジェントな電子システムについて記述している。このシステムは、電子的な、光学的な、又はこれらに類似した手段によって識別されうる携帯型物品を収容する物品コンテナ/キャリアと共に使用されている。例えば、携帯型物品には、物品監視及びシグナリングを提供する携帯型物品報告装置(BIRDS)が提供されていてもよく、或いは、携帯型物品は、RFIDタグを介して識別されてもよい。システムは、そのBIRD信号、RFID署名、又は光学署名を介してコンテナ/キャリア内の携帯型物品を識別するためのセンサを含む。システムは、携帯型物品の識別情報を保存するためのメモリを含む。システムは、コンテナ/キャリア内における存在が予想される規定された携帯型物品の1つ又は複数のリストを保存することが可能であり、恐らくは、異なるリストを異なるコンテキストにおいて適用可能である。システムは、存在するはずであるが存在しない物品を識別するために、コンテナをスキャニングすることができる。システムは、将来の内容物評価のために保存されるように、存在する物品の現時点のリストを確立するために、コンテナをスキャニングすることができる。インテリジェントな電子システムは、コンテナ又はキャリアの構造に統合されることにより、コンテナ又はキャリアをインテリジェントなコンテナにすることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
広範な一形態において、本発明の一態様は、複数のタグであって、それぞれのタグは、使用の際に個々の物体と関連付けられており、及び、メッセージを送信又は受信するように構成されたタグトランシーバ、並びに、物体及び/又はその他の物体と関連するコンテキストを示すコンテキストデータを判定するように、個々の物体の物体タイプを示す物体タイプ識別子及び時間期間にわたる少なくともいくつかのコンテキストデータを示す履歴データを生成するように構成されたタグ処理装置を含む複数のタグと、分析の結果がトリガイベントの予測に使用されうるようにタグ履歴データを分析するように構成された1つ又は複数の処理装置と、を含む物体監視システムを提供することを追求する。
【0014】
一実施形態において、1つ又は複数の処理装置は、複数のタグからトリガタグ履歴データを分析するように構成され、タグ履歴データはトリガイベントに関係するタグ履歴データであり、且つ、コンテキストデータと1つ又は複数のトリガイベントとの間の関係を示す予測モデルを生成するように構成され、予測モデルはトリガイベントの予測に使用可能である。
【0015】
一実施形態において、タグは、物体規則を保存するように構成されたタグメモリを含み、タグ処理装置は、トリガイベントの識別にコンテキストデータ及び物体規則を使用するように、及び、トリガイベントの検出に応答してトリガタグ履歴データを生成するように、構成されている。
【0016】
一実施形態において、1つ又は複数の処理装置は、トリガイベントの識別にタグ履歴データ及び物体規則を使用するように、及び、トリガイベントの検出に応答してトリガタグ履歴データを識別するように、構成されている。
【0017】
一実施形態において、1つ又は複数の処理装置は、機械学習技法を使用してトリガタグ履歴データを分析するように構成されている。
【0018】
一実施形態において、1つ又は複数の処理装置は、いくつかの異なるトリガイベントのそれぞれごとに個々の予測モデルを生成するように構成されている。
【0019】
一実施形態において、タグ履歴データは、次のうちの少なくとも1つである:特徴ベクトルである、特徴ベクトルを導出するために使用される。
【0020】
一実施形態において、1つ又は複数の処理装置は、トリガイベントの予測に予測モデル及びタグ履歴データを使用するように構成されている。
【0021】
一実施形態において、1つ又は複数の処理装置は、トリガイベントの尤度を算出するために予測モデル及びタグ履歴データを使用するように、及び、トリガイベントの尤度に応じてアクションを選択的に実行するように、構成されている。
【0022】
一実施形態において、1つ又は複数の処理装置は、予測されたトリガイベントの通知を生成するように構成されている。
【0023】
一実施形態において、1つ又は複数の処理装置は、1つ又は複数の予測物体規則を生成するために予測モデルを使用しており、タグ処理装置は、トリガイベントがいつ発生する可能性が高いかを予測するために、予測物体規則及び時間期間にわたるコンテキストデータを使用するように構成されている。
【0024】
一実施形態において、タグ処理装置は、複数の場所ビーコンの1つからタグトランシーバを介して受け取られた場所タグブロードキャストメッセージに基づいて判定された1つ又は複数のタグ場所、その他の物体と関連するその他のタグから受け取られた1つ又は複数のタグブロードキャストメッセージ、1つ又は複数のセンサからのセンサデータ、及び、保存されているコンテキストデータの少なくとも1つに基づいてコンテキストデータを判定する。
【0025】
一実施形態において、タグは、関連する物体の少なくとも物体タイプを示す物体タイプ識別子を含む。
【0026】
一実施形態において、個々の物体規則は、1つ又は複数の個々の物体タイプについて定義される。
【0027】
一実施形態において、タグ処理装置は、タグトランシーバに、関連する個々の物体の少なくとも物体タイプを示す物体タイプ識別子、及び個々の物体と関連するコンテキストデータを含むタグブロードキャストメッセージを送信させるように構成されている。
【0028】
一実施形態において、タグブロードキャストメッセージは、物体タイプ識別子を含むパケットヘッダと、コンテキストデータを含むペイロードとを含むデータパケットを含む。
【0029】
一実施形態において、タグ処理装置は、1つ又は複数のその他の物体と関連する1つ又は複数のその他のタグから受け取られた1つ又は複数のタグブロードキャストメッセージを受け取るように、それぞれのタグブロードキャストメッセージと関連する物体タイプ識別子を使用して1つ又は複数のその他の物体の物体タイプを判定するように、及び、個々の物体タイプに関連する物体規則を使用してタグブロードキャストメッセージの少なくともいくつかを処理するように、構成されている。
【0030】
一実施形態において、タグ処理装置は、コンテキストデータが、個々の物体タイプに関連する定義されたメッセージフォーマットに従ってタグブロードキャストメッセージの個々の部分内において保存されるように、タグブロードキャストメッセージを生成するように構成されている。
【0031】
一実施形態において、タグ処理装置は、トリガイベントが発生したかどうかを判定するために、関連するコンテキストデータ及び物体規則を使用するように構成されている。
【0032】
一実施形態において、タグ処理装置は、その他の物体の物体タイプと関連する物体規則にアクセスし、物体規則は、関連するコンテキストデータを含むタグブロードキャストメッセージの1つ又は複数の部分を規定する個々の物体タイプに関連する定義されたメッセージフォーマットを示し、タグ処理装置は、タグブロードキャストメッセージ内の関連するコンテキストデータの識別に物体規則を使用し、及び、トリガイベントが発生したかどうかの識別に、関連するコンテキストデータ及び物体規則を使用することにより、少なくとも1つのタグブロードキャストメッセージを処理するように構成されている。
【0033】
広範な一形態において、本発明の一態様は、複数のタグを含む物体監視システムであって、それぞれのタグは、使用の際に個々の物体と関連付けられており、及び、メッセージを送信又は受信するように構成されたタグトランシーバと、タグ処理装置であって、1つ又は複数のその他の物体と関連する1つ又は複数のその他のタグから1つ又は複数のタグブロードキャストメッセージを受け取り、それぞれのタグブロードキャストメッセージは、その他の物体の少なくとも物体タイプを示す物体タイプ識別子と、その他の物体と関連するコンテキストデータと、を含み、コンテキストデータは、個々の物体タイプに関連する定義されたメッセージフォーマットに従ってタグブロードキャストメッセージの個々の部分内において保存され、タグ処理装置は、その他の物体の物体タイプと関連する物体規則にアクセスし、物体規則は、関連するコンテキストデータを含むタグブロードキャストメッセージの1つ又は複数の部分を規定する個々の物体タイプに関連する定義されたメッセージフォーマットを示し、タグブロードキャストメッセージ内の関連するコンテキストデータの識別に物体規則を使用し、及び、トリガイベントが発生したかどうかの識別に、関連するコンテキストデータ及び物体規則を使用することにより、少なくとも1つの受け取られたタグブロードキャストメッセージを処理するように構成された、タグ処理装置と、を含む、物体監視システムを提供することを追及する。
【0034】
一実施形態において、物体規則は、コードとしてタグメモリ内において保存されており、タグ処理装置は、トリガイベントが発生したかどうかを識別するためにコードを実行するように構成されている。
【0035】
一実施形態において、コードは、複数のコードスニペットを含み、それぞれのスニペットは、個々の物体規則に対応する。
【0036】
一実施形態において、タグ処理装置は、複数のコードスニペットを反復的に実行するように構成されている。
【0037】
一実施形態において、物体規則は、実行可能なコードスニペットとしてタグメモリ内において保存されており、タグ処理装置は、別の物体と関連する別のタグからタグブロードキャストメッセージを受け取り、タグブロードキャストメッセージと関連する物体タイプ識別子を判定し、物体タイプ識別子を使用して複数の実行可能コードスニペットの1つ又は複数を識別し、それぞれのコードスニペットは物体規則に対応しており、及び、関連するコンテキストデータを含むタグブロードキャストメッセージの1つ又は複数の部分を定義し、並びに、1つ又は複数のコードスニペットを実行し、それにより1つ又は複数の部分内の関連するコンテキストデータを分析し、それによりトリガイベントが発生したかどうかを判定するように、構成されている。
【0038】
一実施形態において、タグ処理装置は、規則ブロードキャストメッセージを受け取るように、及び、1つ又は複数の物体規則の変更に規則ブロードキャストメッセージを使用するように、構成されている。
【0039】
一実施形態において、規則ブロードキャストメッセージは、仮想物体と関連するタグブロードキャストメッセージであり、規則ブロードキャストメッセージは、仮想物体を示す仮想物体タイプ識別子、及び、物体規則に対する変更を少なくとも部分的に示す仮想物体コンテキストデータを含む。
【0040】
広範な一形態において、本発明の一態様は、複数のタグを有する物体監視システムであって、それぞれのタグは、使用の際に個々の物体と関連付けられており、及び、物体規則を保存するように構成されたタグメモリと、メッセージを送信又は受信するように構成されたタグトランシーバと、タグ処理装置であって、1つ又は複数のその他の物体と関連する1つ又は複数のタグから1つ又は複数のタグブロードキャストメッセージを受け取り、それぞれのタグブロードキャストメッセージは、その他の物体の少なくとも物体タイプを示す物体タイプ識別子と、その他の物体と関連するコンテキストデータとを含み、タグ処理装置は、その他の物体の物体タイプと関連する物体規則にアクセスし、トリガイベントが発生したかどうかの識別にコンテキストデータ及び物体規則を使用して、少なくとも1つの受け取られたタグブロードキャストメッセージを処理するように、及び、トリガイベントが発生している場合に、トリガイベントと関連するアクションを実行するように構成された、タグ処理装置と、を含み、少なくとも1つのタグブロードキャストメッセージは、仮想物体と関連する規則ブロードキャストメッセージであり、規則ブロードキャストメッセージは、仮想物体を示す仮想物体タイプ識別子、及び物体規則に対する変更を少なくとも部分的に示す仮想物体コンテキストデータを示し、前記タグ処理装置は、1つ又は複数の物体規則を変更するように規則ブロードキャストメッセージに応答する、物体監視システムを提供することを追及する。
【0041】
一実施形態において、タグ処理装置は、規則ブロードキャストメッセージのコンテキストデータに従って物体規則と関連する1つ又は複数のパラメータを変更することにより、物体規則を変更するように構成されている。
【0042】
一実施形態において、タグ処理装置は、トリガイベントを識別するために規則ブロードキャストメッセージ及び物体規則を使用するように、及び、トリガイベントと関連するアクションを実行し、それにより1つ又は複数の物体規則を変更するように、構成されている。
【0043】
一実施形態において、システムは複数の場所ビーコンを含み、それぞれの場所ビーコンは、ビーコン場所を示す場所タグブロードキャストメッセージを生成するように構成されている。
【0044】
一実施形態において、メッセージが場所ビーコンを介してクライアント装置に転送される、メッセージが場所ビーコンを介してタグに転送される、及び、物体規則が複数の場所ビーコンの1つ又は複数を介してタグにアップロードされる、の少なくとも1つである。
【0045】
一実施形態において、1つ又は複数の処理装置は、1つ又は複数のコンピュータシステム、1つ又は複数のスマートフォン、1つ又は複数のタブレット、及び1つ又は複数のモバイル演算装置の少なくとも1つの一部分を形成する。
【0046】
一実施形態において、タグ処理装置は、タグ場所を個々の物体用の物体規則内において定義されている場所制限と比較するように、及び、タグ場所が場所制限に違反する場合にトリガイベントを識別するように、構成されている。
【0047】
一実施形態において、タグ処理装置は、1つ又は複数のその他の物体と関連する1つ又は複数のその他のタグによって送信された1つ又は複数のブロードキャストメッセージを使用して1つ又は複数のその他の物体の近接性を判定するように、近接性を個々の物体用の物体規則内において定義されている近接性制限と比較するように、及び、近接性が近接性制限に違反する場合にトリガイベントを識別するように、構成されている。
【0048】
一実施形態において、第1タグは、1つ又は複数のその他のタグの場所を示すその他のタグ場所を判定するために、1つ又は複数のその他のタグから受け取られたブロードキャストメッセージを使用し、及び、その他のタグ場所を使用して近接性を判定する。
【0049】
一実施形態において、タグは、計測されたパラメータ値を判定するために少なくとも1つのセンサからのセンサデータを使用し、及び、計測されたパラメータ値がパラメータ値制限に違反する場合にトリガイベントを識別する。
【0050】
一実施形態において、少なくとも1つのセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、及び放射線センサの少なくとも1つを含む。
【0051】
一実施形態において、トリガイベントの検出に応答して、タグ処理装置は、トリガイベントと関連するアクションを判定すること、及びアクションが実行されるようにすることの少なくとも1つを実行するように構成されている。
【0052】
一実施形態において、トリガ通知の受取りに応答して、タグ処理装置は、トリガ通知と関連するアクションを判定すること、及びアクションが実行されるようにすることの少なくとも1つを実行するように構成されている。
【0053】
一実施形態において、アクションは、アラートを生成すること、物体を制御すること、及び通知を生成することの少なくとも1つを含む。
【0054】
一実施形態において、タグは、コンテキストデータ及び物体規則の少なくとも1つを保存するように構成されたタグメモリを含む。
【0055】
一実施形態において、保存されているコンテキストデータは、物体履歴、アクション履歴、トリガ履歴、タグ運動、1つ又は複数の計測されたパラメータ、及び経過した時間期間の少なくとも1つを示す。
【0056】
一実施形態において、タグは、オーディオ出力、光源、及び信号生成器の少なくとも1つを含む出力装置を含む。
【0057】
広範な一形態において、本発明の一態様は、複数のタグを有する物体監視システムであって、それぞれのタグは、使用の際に個々の物体と関連付けられており、及び、メッセージを送信又は受信するように構成されたタグトランシーバと、物体及び/又はその他の物体と関連するコンテキストを示すコンテキストデータを判定し、個々の物体の物体タイプを示す物体タイプ識別子と、時間期間にわたる少なくともいくつかのコンテキストデータを示すタグ履歴データとを生成するように構成された、タグ処理装置と、を含み、タグ履歴データは、分析の結果がトリガイベントの予測に使用されうるように分析することができる、物体監視システムを提供することを追及する。
【0058】
広範な一形態において、本発明の一態様は、複数のタグから受け取られたトリガタグ履歴データを分析し、トリガタグ履歴データは、トリガイベントに関係するタグ履歴データであり、及び、タグ履歴データは、個々の物体のタイプを示す物体タイプ識別子と、物体及び/又はその他の物体と関連するコンテキストを示すコンテキストデータとを示し、トリガイベントの予測に分析結果を使用するように構成された1つ又は複数の処理装置を含む、物体監視システムを提供することを追求する。
【0059】
広範な一形態において、本発明の一態様は、複数のタグを提供することであって、それぞれのタグは、使用の際に個々の物体と関連付けられており、及び、メッセージを送信又は受信するように構成されたタグトランシーバと、タグ処理装置と、を含む、提供することと、タグ処理装置を使用して、物体及び/又はその他の物体に関連するコンテキストを示すコンテキストデータを判定し、個々の物体の物体タイプを示す物体タイプ識別子と時間期間にわたる少なくともいくつかのコンテキストデータとを示すタグ履歴データを生成することと、1つ又は複数の処理装置を使用して、分析の結果がトリガイベントを予測するために使用されうるようにタグ履歴データを分析するのに1つ又は複数の処理装置を使用することとを含む、物体監視方法を提供することを追及する。
【0060】
広範な一形態において、本発明の一態様は、複数のタグを提供することであって、それぞれのタグは、使用の際に個々の物体と関連付けられており、及び、メッセージを送信又は受信するように構成されたタグトランシーバと、タグ処理装置と、を含む、提供することと、タグ処理装置を使用して、1つ又は複数のその他の物体と関連する1つ又は複数のその他のタグから、1つ又は複数のタグブロードキャストメッセージを受け取り、それぞれのタグブロードキャストメッセージは、その他の物体の少なくとも1つの物体タイプを示す物体タイプ識別子と、その他の物体と関連するコンテキストデータとを含み、コンテキストデータは、個々の物体タイプに関連する定義されたメッセージフォーマットに従ってタグブロードキャストメッセージの個々の部分内において保存され、前記タグ処理装置は、その他の物体の物体タイプと関連する物体規則にアクセスし、物体規則は、関連するコンテキストデータを含むタグブロードキャストメッセージの1つ又は複数の部分を規定する個々の物体タイプに関連する定義されたメッセージフォーマットを示し、タグブロードキャストメッセージ内の関連するコンテキストデータを識別するために物体規則を使用し、及び、トリガイベントが発生したかどうかを識別するために、関連するコンテキストデータ及び物体規則を使用することにより、少なくとも1つの受け取られたタグブロードキャストメッセージを処理するように、タグ処理装置を使用することと、を含む、物体監視方法を提供することを追及する。
【0061】
広範な一形態において、本発明の一態様は、複数のタグを含む物体監視システムであって、それぞれのタグは、使用の際に個々の物体と関連付けられており、及び、メッセージを送信又は受信するように構成されたタグトランシーバと、タグトランシーバに、関連する個々の物体の少なくとも物体タイプを示す物体タイプ識別子と、個々の物体と関連するコンテキストデータとを含む、タグブロードキャストメッセージを送信させるように構成されているタグ処理装置と、を含み、異なるコンテキストデータは、個々の物体タイプに関連する定義されたメッセージフォーマットに従ってタグブロードキャストメッセージの個々の一部分内において保存されている、物体監視システムを提供することを追及する。
【0062】
広範な一形態において、本発明の一態様は、複数のタグを提供することであって、それぞれのタグは、使用の際に個々の物体と関連付けられており、及び、メッセージを送信又は受信するように構成されたタグトランシーバと、タグ処理装置と、を含む、提供することと、タグ処理装置を使用して、タグトランシーバに、関連する個々の物体の少なくとも物体タイプを示す物体タイプ識別子と、個々の物体に関連するコンテキストデータとを含むタグブロードキャストメッセージを送信させることと、を含み、異なるコンテキストデータは、個々の物体タイプに関連する定義されたメッセージフォーマットに従ってタグブロードキャストメッセージの個々の部分内において保存されている、物体監視方法を提供することを追及する。
【0063】
広範な一形態において、本発明の一態様は、複数のタグを提供することであって、それぞれのタグは、使用の際に個々の物体と関連付けられており、及び、物体規則を保存するように構成されたタグメモリと、メッセージを送信又は受信するように構成されたタグトランシーバと、タグ処理装置と、を含む、提供することと、タグ処理装置を使用して、1つ又は複数のその他の物体と関連する1つ又は複数のその他のタグから、1つ又は複数のタグブロードキャストメッセージを受け取り、それぞれのタグブロードキャストメッセージは、その他の物体の少なくとも物体タイプを示す物体タイプ識別子と、その他の物体に関連するコンテキストデータと、を含み、タグ処理装置を使用して、その他の物体の物体タイプと関連付けられた物体規則にアクセスし、トリガイベントが発生したかどうかを識別するために、前記コンテキストデータ及び前記物体規則を使用し、及び、トリガイベントが発生している場合に、トリガイベントと関連付けられたアクションを実行することによって、少なくとも1つの受け取られたタグブロードキャストメッセージを処理することと、を含み、少なくとも1つのタグブロードキャストメッセージは、仮想物体と関連する規則ブロードキャストメッセージであり、規則ブロードキャストメッセージは、仮想物体を示す仮想物体タイプ識別子及び物体規則に対する変更を少なくとも部分的に示す仮想物体コンテキストデータを示し、及び、タグ処理装置は、1つ又は複数の物体規則を変更するために規則ブロードキャストメッセージに応答する、物体監視方法を提供することを追及する。
【0064】
本発明及びその個々の特徴の広範な形態は、関連した状態において、且つ/又は、独立した方式で、使用することが可能であり、且つ、別個の広範な形態に対する参照は、限定を意図したものではないことを理解されたい。更には、方法の特徴はシステム又は装置を使用して実行することが可能であり、且つ、システム又は装置の特徴は方法を使用することにより実装することができることを理解されたい。
【0065】
以下、次の添付図面を参照し、本発明の様々な例及び実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】物体監視システムの一例の概略図である。
図2】予測物体監視プロセスにおいて使用される方法の一例のフローチャートである。
図3】物体監視システムの特定の一例の概略図である。
図4】処理システムの一例の概略図である。
図5】クライアント装置の一例の概略図である。
図6】タグの一例の概略図である。
図7】タグ履歴データを生成するプロセスの一例のフローチャートである。
図8】タグ履歴データを分析するプロセスの一例のフローチャートである。
図9】トリガを識別するプロセスの一例のフローチャートである。
図10】アクションを実行するプロセスの一例のフローチャートである。
図11】タグブロードキャストメッセージを分析するプロセスの一例のフローチャートである。
図12A-12D】タグブロードキャストメッセージを示す概略図である。
図13】タグブロードキャストメッセージを分析するプロセスの特定の例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、図1を参照し、物体監視システムの一例について説明する。
【0068】
この例においては、システムは、1つ又は複数のタグ110を含み、これらのそれぞれは、使用の際に、個々の物体101と関連付けられている。タグ110は、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)、又はこれらに類似したものなどの、近距離無線通信プロトコルを利用して通信する能力を有する電子タグ110である。タグ110は、通常、タグ110及び物体101の物理的なフォームファクタに応じて、なんらかの方式により、タグ110を物体101に装着させる、又はこの内部に統合させることにより、物体101と関連付けられている。これは、タグ110が、一般に、物体と同一の環境内において提供され、且つ、同一の物理的場所などの、物体と類似したコンテキストを有し、且つ、任意に、温度、湿度、又はこれらに類似したもののレベルなどの、類似の状態に晒されるように、実行されている。
【0069】
タグは、任意の形態を有しうるが、通常、タグは、物体規則を保存するように構成されたタグメモリ、メッセージを送受信するように構成されたタグトランシーバ、及び任意の必要とされる動作を実行するように構成されたタグ処理装置などの、コンポーネントを含む。コンポーネントは、任意の適切な形態を有することが可能であり、且つ、揮発性及び/又は非揮発性のメモリと、Bluetooth(登録商標)トランシーバなどの近距離無線トランシーバと、を含みうるであろう。処理装置は、マイクロプロセッサ、マイクロチッププロセッサ、ロジックゲート構成、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのロジックの実装と任意に関連するファームウェア、或いは、任意のその他の電子装置、システム、又は構成などの、任意の電子処理装置でありうるであろう。図示の容易性を目的として、残りの説明ではタグ処理装置を参照するが、処理が必要に応じてタグ処理装置間で分散される状態において、あるタグについて複数のタグ処理装置を使用することが可能であり、且つ、単数形の参照は複数の構成を包含しており、その逆も同様であることを理解されたい。
【0070】
1つ又は複数の場所ビーコン160を提供することが可能であり、これらは、一例においては、ビーコン場所を示す場所ブロードキャストメッセージを周期的に生成するように構成されており、場所ブロードキャストメッセージは、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)、又はこれらに類似したものなどの、近距離無線通信プロトコルを介して送信されている。場所ブロードキャストメッセージは、タグ110などの装置によって受け取られ、これにより、タグは、場所を判定することができる。場所ビーコンは、任意の適切な形態であることが可能であり、且つ、iBeacons(登録商標)又はその他の類似の装置を含みうるであろう。このようなビーコンの構成については、当技術分野において既知であり、従って、更に詳細な説明は省略するが、一例においては、これらは、タグ110に類似した構成を有することが可能であり、これらについては、更に詳細に後述されることに留意されたい。
【0071】
タグ110及び任意のリポジトリ130と通信する1つ又は複数の処理装置120が提供されており、これは、物体の複数の異なるタイプ用の物体規則を保存するように構成することができる。
【0072】
処理装置120は、更に詳細に後述するように、近距離無線通信プロトコルを使用して直接的に、或いは、場所ビーコンなどの中間ネットワーク又は装置を介して、タグ110と通信するように適合させることができる。また、処理装置120は、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、或いは、これらに類似したものなどの、1つ又は複数の通信ネットワークを介して、リポジトリと通信することもできる。
【0073】
処理装置120は、任意の適切な形態を有することが可能であり、且つ、特定の一例においては、クライアント装置、処理システム、コンピュータシステム、スマートフォン、タブレット、モバイル演算装置、又はこれらに類似したものの1つ又は複数を含みうるであろう。異なるタイプの処理装置が提供されてもよく、且つ、一例において、処理装置は、携帯電話機などの携帯型通信装置のみならず、サーバー又はこれに類似したものなどのクラウドに基づいた又はその他のネットワークに基づいたコンピュータシステムの組合せを含むことができる。また、クライアント装置は、可聴及び/又は視覚アラート又はこれらに類似したものなどの通知を提供するように特別に構成されたカスタムハードウェア装置を含みうるであろう。以上において概説したように、例示の容易性を目的として、残りの説明は処理装置を参照することになるが、処理が必要に応じて処理装置の間において分散された状態において複数の処理装置を使用することが可能であり、且つ、単数形に対する参照は複数形の構成を包含しており且つ逆も又真であることを理解されたい。
【0074】
また、リポジトリ130は、任意の適切な形態を有することが可能であり、且つ、任意に、コンピュータシステム、サーバー、又はこれらに類似したものなどの処理システムに結合されたデータベース又はその他の類似のデータストアを含むことが可能であり、これにより、リポジトリまでの接続性が提供されている。リポジトリは、通常、物体規則を保存するために使用されており、物体規則は、物体監視の実行を許容するように、タグ上にアップロードすることができる。
【0075】
この観点において、物体規則は、通常、異なるタイプの物体と関連する許容された又は制限されたアクション、振る舞い、特性、又は状況に関する準拠規則又は規制を実施する。従って、物体規則は、通常、例えば、水素ガスボトルと関連するタグ用の物体規則が酸素ガスボトルと関連するタグ用の物体規則と異なりうるように、異なる方式で処理されるべき物体101について異なることになる。これは、物体が通常はトリガイベントとして識別される規則又は規制の違反状態にあるかどうかの評価に物体規則が使用されることを許容する。従って、トリガイベントは、通常、物体規則において規定されている特定の条件又はその他の基準が規則の特性に応じて充足される又は充足されない際に生じることになる。但し、物体規則は、準拠規則又は規制の実施に制限されるものではなく、且つ、物体の使用又は振る舞いの任意の側面を監視するために使用されうることを理解されたい。
【0076】
物体規則の準拠は、例えば、異なる規則が異なる施設用の規則の相違点に応じて異なる施設において適用されうるように、通常、物体と関連するコンテキストに基づいて評価されている。コンテキストは、コンテキストデータとして実施されており、これは、いくつかの異なる形態の任意のものにおいて存在することが可能であり、且つ、いくつかの異なるソースから取得することができる。例えば、コンテキストデータは、場所、近接性、温度、湿度、圧力、又はこれらに類似したものなどの1つ又は複数の検知されたパラメータに対応しうるであろう。
【0077】
一例において、コンテキストデータは、1つ又は複数の外部装置からタグ110によって受け取られたメッセージに少なくとも部分的に基づいている。これは、場所ビーコン160による場所メッセージブロードキャストを含むことが可能であり、これは、タグ処理装置がタグ場所を判定することを許容する。例えば、物体101は、許容されている使用のエリアを有していてもよく、この場合に、タグ110は、現時点のタグ場所の形態を有するコンテキストデータを許容されている使用エリアと比較することが可能であり、且つ、タグ110が許容されている使用エリアの外側にある場合にトリガイベントを識別することができる。同様に、規則は、排除ゾーンを定義することが可能であり、この場合に、トリガイベントは、タグ110が排除ゾーン内において配置されている場合に発生する。従って、この例においては、イベントが発生した時点を判定するために、物体の、従ってタグの絶対位置が、任意のその他のタグとは独立的に使用されていることを理解されたい。
【0078】
また、別の例において、コンテキストデータは、その他のタグ110から受け取られたタグメッセージ又はクライアント装置120から受け取られたメッセージに基づくこともできる。例えば、タグ110が別の物体と関連するタグの近接性又は運動などの別の物体に関するコンテキストデータを判定することを許容するように、別のタグ110から受け取られたブロードキャストメッセージを使用することができる。これは、2つの物体が近接状態にある、設定された距離超だけ分離する、或いは、互いに向かって運動するか又は互いから離れるように運動する場合にトリガが識別されうるように、2つの物体の相対的近接性又は運動の判定を許容するために使用することができる。
【0079】
また、別の例において、コンテキストデータは、タグ110に搭載状態において配置された又はこれとの通信状態にある1つ又は複数のセンサから得られたセンサデータを使用することにより、判定することもできよう。センサデータは、通常、温度センサによって検知された温度、湿度センサによって検知された湿度、圧力センサによって検知された圧力、又は放射線センサによって検知された可視又は非可視電磁放射のような放射などの、1つ又は複数の検知されたパラメータに関係する。これは、例えば、定義された限度超の温度が物体に印加された場合にアラートを生成するために使用することができよう。但し、その他のセンサを提供することが可能であり、且つ、列挙されているセンサは、例示を目的としたものに過ぎず、且つ、その他のセンサの使用の排除を意図したものではないことを理解されたい。
【0080】
これに加えて、且つ/又は、この代わりに、コンテキストデータは、保存されているコンテキストデータに基づくことも可能であり、これは、一例においては、タグメモリ内において保存されている。保存されているコンテキストデータは、以前のセンサ読取り、識別された以前のトリガイベント、実行された以前のアクション、受け取られた以前の入力コマンド、又はこれらに類似したものなどの任意の形態のコンテキストデータを保存するために使用することができる。これに加えて、且つ/又は、この代わりに、保存されているコンテキストデータは、定義されているパラメータ又はこれに類似したものに対応することも可能であり、これは、例えば、計測された値が比較される対象である閾値を定義するように、物体規則を解釈する際に使用することができる。例として、保存されたコンテキストデータは、装置が維持又は準拠チェックを最後に経験した時点の通知を含むことが可能であり、この場合に、これは、スケジュールフォローアップ維持又は準拠チェックが必要とされている際に、イベントを識別するために使用されている。
【0081】
いずれの場合にも、トリガイベントが発生したかどうかの識別に、物体規則に対するコンテキストデータの比較が使用されていることを理解されたい。様々な異なるトリガイベントを定義することが可能であり、この場合に、これらの範囲は、主には、タグ110に利用可能であるコンテキストデータの特性によってのみ、制限されていることをこれから理解されたい。いくつかの更なる例示用のトリガイベントについては、更に詳細に後述する。
【0082】
また、トリガイベントが識別されたら、タグ110は、任意に、物体規則を使用してトリガイベントと関連するアクションを判定し、これにより、タグ110がアクションの実装をもたらすことを許容するように動作することができる。アクションは、通常、物体規則の一部分として規定されており、且つ、識別された特定のトリガイベントに依存することになる。従って、物体規則は、通常、それぞれのトリガイベントごとの関連するアクションと共に、いくつかの異なるトリガイベントを定義することになることを理解されたい。
【0083】
アクションの特性及びこれが実装される方式は、特定の状況及び好適な実装形態に応じて変化することになる。例えば、アクションは、出力装置又はこれに類似したものを使用してタグ上においてローカルにアラート又は通知を生成し、これにより、準拠規則に違反するか又は違反する間際にあることをユーザーが理解することを許容する、且つ、ユーザーが、例えば、物体を運動させることにより、軽減アクションを実行することを許容する、のみならず、違反又は潜在的な違反がロギングを目的として記録されることを許容するステップを含みうるであろう。或いは、この代わりに、アクションは、直接的に又は場所ビーコンを介して、アクションメッセージをクライアント装置又は1つ若しくは複数のその他の処理システムなどの第三者装置に転送することにより、リモートで実行され、これらにアクションが実行されるようにすることを許容することもできよう。準拠監視に関連して、アクションは、通常、ユーザー、監督者、又はその他の個人用の通知を生成するステップ、トリガイベントを記録又はロギングするステップ、並びに、機器のシャットダウンなどの、安全性オーバーライドを任意に開始するステップ、を含むことになろう。但し、この又はその他の環境においては、更に詳細に後述するように、トランザクションの実行をもたらすステップ又はこれに類似したものなどの、様々な異なるアクションを実装することができよう。
【0084】
上述の構成を使用する物体監視のプロセスは、同時係属中の特許出願第PCT/AU2019/050142号明細書において更に詳細に記述されており、この特許文献の内容は、相互参照により、本明細書に包含される。
【0085】
以下、図2を参照し、上述のシステムを使用した予測物体監視用のプロセスの一例について説明することとする。
【0086】
この例においては、ステップ200において、タグ処理装置は、物体及び/又はその他の物体と関連するコンテキストを少なくとも部分的に示すコンテキストデータを判定するように構成されている。コンテキストデータの特性及びこれが判定されうる方式は、好適な実装形態、現時点の状況、使用、物体の動作及び特性、或いは、これらに類似したものに応じて変化することになる。
【0087】
例えば、コンテキストは、物体の場所を含むことが可能であり、この場合に、タグ処理装置は、複数の場所ビーコンの1つからタグトランシーバを介して受け取られた場所タグブロードキャストメッセージに基づいて1つ又は複数のタグ場所を判定することができよう。或いは、この代わりに、コンテキストは、その他の物体の近接性などのその他の物体に関する情報を含むことも可能であり、この場合に、タグ処理装置は、その他の物体と関連するその他のタグから受け取られた1つ又は複数のタグブロードキャストメッセージからコンテキストデータを判定しうるであろう。別の例において、コンテキストデータは、タグ及び/又は物体に搭載されている1つ又は複数のセンサからのセンサデータに基づいて判定することが可能であり、且つ/又は、保存されているコンテキストデータ又はこれに類似したものに基づくこともできよう。以下、更なる例について更に詳細に説明することとする。
【0088】
ステップ210において、タグ処理装置は、タグ履歴データを生成するように構成されている。タグ履歴データは、個々の物体の物体タイプを示す物体タイプ識別子と、数秒、数分、又は別の適切な時間期間などの時間期間にわたるコンテキストデータと、を示す。従って、例えば、タグ履歴データは、時間期間にわたる物体の運動を示す一連の場所、時間においてキャプチャされたセンサ読取りのシーケンス、その他の物体にする近接性の詳細、又はこれらに類似したものを示しうるであろう。タグ履歴データは、時間期間において生成されたコンテキストデータのすべてを含むことが可能であり、或いは、例えば、一秒のインターバルにおいてキャプチャされたコンテキストデータ又はこれに類似したものなどのコンテキストデータのサブセットを含む限られた量のコンテキストデータを含むこともできよう。
【0089】
タグ履歴データは、通常、1つ又は複数の処理装置120に提供されており、これらの装置は、好適な実装形態及び処理装置120の特性に応じて任意の適切な方式で実現されうるであろう。例えば、処理装置が携帯電話機などのクライアント装置を含んでいる場合に、タグ履歴データは、Bluetooth(登録商標)などの近距離通信プロトコルを介して直接的に送信することが可能である一方で、処理装置がコンピュータシステムを含んでいる場合には、タグ履歴データは、更に詳細に後述するように、介在するネットワーク、クライアント装置、又は場所ビーコンを介して送信することができよう。タグ履歴データは、例えば、10分ごとにデータを送信するなどのように、定期的に送信することが可能であり、或いは、これは、更に詳細に後述するように、トリガイベントの検出などのイベントに応答して実行することもできよう。
【0090】
ステップ220において、1つ又は複数の処理装置120は、分析の結果がトリガイベントの予測に使用されうるように、タグ履歴を分析する。これは、好適な実装形態に応じていくつかの異なる方式で実行することができる。
【0091】
一例においては、ステップ230において、トリガイベントの予測に使用されうる予測モデルを生成するために分析が使用されている。この観点において、処理装置120は、トリガタグ履歴データを分析するように構成することが可能であり、トリガタグ履歴データは、トリガイベントに関係する且つ更に通常はこれに先行するタグ履歴データである。この観点において、物体規則との間におけるコンテキストデータの比較の結果としてトリガイベントがタグによって検出された場合に、タグ処理装置は、トリガイベントタグ履歴データを生成し且つ1つ又は複数の処理装置にアップロードするように構成することができる。或いは、この代わりに、1つ又は複数の処理装置120は、タグ履歴データを受け取るように、且つ、次いで、トリガイベントを判定するためにこれを分析するように、且つ、従って、トリガタグ履歴データとしてタグ履歴データのサブセットを識別するように、使用することもできる。通常は、共通の物体タイプ及び/又はトリガイベント用の複数のタグからトリガタグ履歴データを取得することにより、十分なトリガタグ履歴データが取得されたら、コンテキストデータと1つ又は複数のトリガイベントとの間の関係を示す予測モデルを生成するために、トリガタグ履歴データを分析することができる。
【0092】
この観点において、トリガイベントは、しばしば、類似した状況の組の結果として生じうることを理解されたい。例えば、物体が定義されているエリアから排除される場合には、物体がエリアに進入することを通常は結果的にもたらす、運動のパターンを識別するように、エリアに接近する物体の運動の監視を使用することができる。この例においては、このようなパターンが識別されたら、これは、予測モデルに内蔵することが可能であり、次いで、この予測モデルを後から使用することにより、物体がエリアに進入しうる時点を予測するためにタグから受け取られたタグ履歴データを分析することができる。
【0093】
予測モデルの特性及びこれが生成される方式は、好適な実装形態に応じて変化することになるが、一例においては、予測モデルは、更に詳細に後述するように、機械学習技法を使用して導出された演算モデルである。
【0094】
別の例において、処理装置120は、受け取られたタグ履歴データの分析に使用することが可能であり、且つ、トリガイベントの予測にこれを使用することができる。例えば、タグ履歴データ及び予測モデルを使用してこれを実行し、これにより、トリガイベントが発生する尤度を判定することできよう。或いは、この代わりに、これは、任意のその他の適切な分析技法を使用して実行することもできよう。従って、時間期間に跨るコンテキストデータを含むタグ履歴データを受け取ることにより、これは、処理装置120が、継続する振る舞いのパターンを分析する、且つ、トリガイベントが発生する可能性が高いかどうか及び/又は発生することになるかどうかの予測にこれを使用する、ことを許容する。
【0095】
従って、上述のプロセスは、トリガイベントが発生する前にタグから収集された少なくともいくつかのコンテキストデータを含むタグ履歴データを検査し、これにより、これらが発生する前に、予測モデルを確立する且つ/又はトリガイベントを予測するためにこれを使用することにより、動作する。このような予測分析に対する能力は、規則又は規制の違反が発生する前にアラート又は通知を生成するなどのアクションを実行するのに使用されうることを理解されたい。システムが、通常、但し、限定を伴うことなしに、安全性監視のために使用されていることから、規則の違反が発生する前にアラートを生成することは、通常、違反の発生を待つことよりも良好な結果をもたらし、且つ、従って、改善された結果を提供する。
【0096】
以下、いくつかの更なる特徴について説明することとする。
【0097】
上述のように、一例において、タグは、通常、物体規則を保存するように構成されたタグメモリを含む。これは、タグ処理装置がトリガイベントを識別するためにコンテキストデータ及び物体規則を使用することを許容する。更に詳細に後述するように、これは、アラートの生成などのアクションをトリガするために使用することができる。但し、予測分析との関連では、これは、タグ処理装置がトリガイベントの検出に応答してトリガタグ履歴データを生成するように使用することができる。従って、タグ処理装置は、トリガイベントに先行して収集及び/又は生成されたコンテキストデータの一部又はすべてを抽出することが可能であり、且つ、これを1つ又は複数の処理装置に提供し、これにより、これが分析されることを許容することができる。但し、この代わりに、タグ処理装置は、タグ履歴データを1つ又は複数の処理装置に単純にアップロードし、これにより、これらがトリガイベントの識別にタグ履歴データ及び物体規則を使用する且つこれによってトリガタグ履歴データを識別することを許容しうるであろう。
【0098】
一例において、1つ又は複数の処理装置は、少なくとも部分的に機械学習技法を使用してトリガタグ履歴データを分析するように構成されている。この観点において、このプロセスは、通常、一般的なモデルを選択するステップと、次いで、特定の予測モデルを生成するためにモデルをトレーニングするべく機械学習技法を使用するステップと、を伴っている。
【0099】
モデルの特性及び実行されるトレーニングは、任意の適切な形態を有することが可能であり、且つ、決定木学習、ランダムフォレスト、ロジスティック回帰、相関ルール学習、人工ニューラルネットワーク、ディープラーニング、帰納論理プログラミング、サポートベクトルマシン、クラスタリング、ベイジアンネットワーク、強化学習、表現学習、類似度計量学習、遺伝的アルゴリズム、規則に基づいた機械学習、学習クラシファイアシステム、又はこれらに類似したものの任意の1つ又は複数を含みうるであろう。このような方式については周知であることから、これらの更に詳細な説明は、これを省略することとする。
【0100】
一例において、これは、単一のトリガイベントが発生する尤度を判定するように単一モデルをトレーニングするステップを含むことができる。従って、この例においては、処理装置は、いくつかの異なるトリガイベントのそれぞれごとに個々の予測モデルを生成するように構成されており、これには、単一タイプの物体用の単一タイプのトリガイベント予測に単一モデルが使用されるように、異なるタイプの物体及び異なるタイプのトリガイベント用の個々のモデルが含まれている。但し、これは、必須ではなく、且つ、この代わりに、複数の異なるトリガイベントが発生する尤度を判定するように、単一予測モデルが使用されうるであろう。また、同様に、モデルは、複数のタイプの物体に固有のものであることが可能であり、且つ/又は、異なるカテゴリ又は物体のクラスに固有のものでありうるであろう。
【0101】
モデルの生成を支援するように、トリガタグ履歴データを含むタグ履歴データを、機械学習プロセスにおいて直接的に使用されうる特徴ベクトルの形態で提供することができる。同様に、特徴ベクトル又はタグ履歴データを結果的に得られる予測モデルに容易に適用し、これにより、トリガイベントの尤度の判定を許容することもできよう。この例においては、特徴ベクトルは、通常、いくつかの異なるパラメータを含むことになり、これは、特定のパラメータの値及びこれが時間に伴って変化する方式を含むことが可能であり、且つ/又は、複数の異なるパラメータの値を含みうるであろう。例えば、これは、環境を通じた物体の運動を表す場所のシーケンスを含むことが可能であり、且つ/又は、温度、圧力、又はこれらに類似したものを含む検知されたパラメータの値を含みうるであろう。或いは、この代わりに、特徴ベクトルとしてのタグ履歴データの提供の代替肢として、受け取られたタグ履歴データから特徴ベクトルを導出するように、1つ又は複数の処理装置を使用することもできよう。
【0102】
一例において、1つ又は複数の処理装置は、1つ又は複数の予測物体規則を生成するように予測モデルを使用しており、この場合に、予測物体規則は、トリガイベントがいつ発生する可能性が高いかを予測するように使用されうる物体規則である。この例においては、物体規則は、予測物体規則が物体規則に類似した方式で使用され、これにより、タグが規則違反の尤度が存在するかどうかの判定にチェックを実行することを許容するように、関連する物体と関連するタグにアップロードすることが可能であり、次いで、これは、タグにアクションを実行させるなどの適切な方式により、実行することができる。これは、通常、トリガイベントが検出された際に発生するものに類似した方式で実行されることになり、且つ、更に詳細に後述することとする。但し、実行されるアクションは、例えば、予測物体規則に違反するのとは対照的に物体規則に違反した場合に異なるアラートが生成されるように変化しており、これにより、実際の且つ予測された規則違反を弁別しうることを理解されたい。
【0103】
予測物体規則を生成するための予測モデルの使用の代替肢として、予測モデルは、トリガイベントの予測に、タグ履歴データと共に1つ又は複数の処理装置によって使用されうるであろう。従って、タグは、タグ履歴データを定期的に送信するように構成することが可能であり、この場合に、1つ又は複数の処理装置は、物体規則の違反が発生する可能性が高いかどうかを特定するために、これを個々のモデルに適用する。
【0104】
可能性の高い違反の予測が単純に2値決定となりうる一方で、別の例においては、1つ又は複数の処理装置は、トリガイベントの尤度を算出するために予測モデル及びタグ履歴データを使用することが可能であり、且つ、次いで、トリガイベントの尤度に応じてアクションを選択的に実行しうるであろう。従って、予測モデルは、イベントが発生する確率を予測することが可能であり、この場合に、これは、アラート又は通知などのアクションが必要とされているかどうかを判定するために評価される。更には、アラート又は通知は、例えば、違反の尤度が増大するのに伴ってスケーリングされるなどのように、尤度を示しうるであろう。
【0105】
上述のように、コンテキストデータは、任意の適切な形態を有することが可能であり、且つ、好適な実装形態に応じて、いくつかの方法の任意のものによって判定することができる。
【0106】
例えば、コンテキストデータは、タグ場所を含み、この場合に、これは、複数の場所ビーコンの1つからタグトランシーバを介して受け取られたタグブロードキャストメッセージに基づいて判定することができる。これに関して、タグ110の場所は、GPS又はこれに類似したものなどの、オンボード型の場所システムを利用することにより、判定することができるが、通常、これは、エネルギー集約的であり、且つ、従って、好適な構成は、場所ビーコンの利用である。この例においては、タグ110は、少なくとも1つの場所ビーコンから場所ブロードキャストメッセージを受け取り、且つ、タグ場所を判定するように場所ブロードキャストメッセージを使用する。タグ場所は、例えば、タグ110がビーコンの特定の距離内に存在することを規定するなどのように、ビーコンとの関係において定義しうるであろう。但し、更に一般的には、タグ110は、複数のビーコンから場所ブロードキャストメッセージを受け取るように動作しており、これにより、検出されうるビーコンに基づいて環境内においてその位置を三角測量することを許容する。この例においては、タグ場所は、ビーコンに対する相対的な位置に基づいて定義することも可能であり、或いは、環境内の絶対場所の判定を許容するように、物体規則の一部分を形成する場所ビーコンマップを使用することにより、タグ110上において解釈することもできよう。或いは、この代わりに、場所ブロードキャストメッセージは、任意に、ビーコン構成プロセスにおいて定義された、それぞれの場所ビーコンの座標を含み、これにより、タグ110がこれらの座標に基づいて場所を判定することを許容することもできよう。物体規則は、組織の施設又はサイトなどの、ローカルな場所について定義されうることから、これは、場所が、好適な実装形態に応じて、その場所に固有の座標系を使用することにより、或いは、緯度及び経度などの、グローバルな座標系を使用することにより、定義されることを許容しうることを理解されたい。
【0107】
場所ビーコンはまた、その他の装置に対する通信パスウェイを提供するためにも活用することができる。この観点において、一例においては、場所ビーコンは、ネットワーク対応型であり、これにより、自身が、Wi-Fiネットワーク又はこれに類似したものなどの、1つ又は複数の通信ネットワークに結合されることを許容する。この結果、この例においては、場所ビーコンは、タグとの間において通信をルーティングするために利用することができる。例えば、これは、コンピュータシステム、スマートフォン、タブレット、又はこれらに類似したものなどの、リモートクライアント装置が、例えば、物体規則をタグにアップロードするように、或いは、タグから、アクションメッセージなどのメッセージを受け取るように、メッセージをタグに転送することを許容する。
【0108】
この例においては、通信は、任意の適切な方式により、実現することができよう。例えば、物体規則を特定のタグにアップロードする必要がある場合に、特定のタグのタグ識別子と共に、物体規則を場所ビーコンの1つ又は複数に転送することができる。次いで、場所ビーコンは、タグ識別子を使用することにより、通信要求をブロードキャストすることが可能であり、且つ、次いで、応答を待つことができる。応答は、ビーコンのうちの1つ又は複数により受け取られてもよく、この場合に、ビーコンはビーコンのうちの選択されたものに通信することが可能であり、次いで、このビーコンが物体規則をタグに転送する。或いは、この代わりに、物体規則は、場所ビーコンのそれぞれによりブロードキャストすることもできよう。
【0109】
また、コンテキストデータは、タグ110に搭載状態において配置された又はこれとの通信状態にある1つ又は複数のセンサから得られたセンサデータを使用して判定することもできよう。センサデータは、通常、温度センサによって検知された温度、湿度センサによって検知された湿度、圧力センサによって検知された圧力、或いは、放射線センサによって検知された可視又は非可視電磁放射のような放射などの、1つ又は複数の検知されたパラメータに関係する。但し、その他のセンサも提供することが可能であり、列挙されているセンサは、例示を目的としたものに過ぎず、且つ、その他のセンサの使用の排除を意図しないことを理解されたい。
【0110】
また、コンテキストデータは、物体の以前の場所又は運動、その他の物体に対する以前の近接性、物体の使用の詳細、アクションが実行された以降の経過時間、保守アクションの詳細、又はこれらに類似したものなどの物体履歴を含む履歴イベントを示しうるであろう。また、履歴イベントは、アクション履歴、トリガ履歴、又はこれらに類似したものを含みうるであろう。これは、トリガがタグ110の直近のコンテキストのみではなく履歴又は累積効果にも基づくことを許容することを理解されたい。最後に、コンテキストデータは、クライアント装置から受け取られたメッセージに基づいて判定することが可能であり、これにより、例えば、コンテキストデータがユーザー入力コマンドに基づいて判定されることを許容し、これにより、タグとの間のユーザーのやり取りを可能にする。異なるタイプのコンテキストデータの組合せを使用することは、様々な複雑な監視の実行を可能にしており、且つ、この例については、更に詳細に後述することとする。
【0111】
別の例において、コンテキストデータは、その他のタグの近接性などの別のタグのコンテキストに関係することが可能であり、この場合に、コンテキストデータは、その他の物体と関連するその他のタグから受け取られた1つ又は複数のタグブロードキャストメッセージに基づいて判定することができよう。別のタグ110から受け取られたブロードキャストメッセージは、タグ110が別のタグの近接性又は運動と、従って、2つの物体の相対的な近接性又は運動と、を判定することを許容するように使用されうる一方で、環境内の絶対又は相対場所は、例えば、タグが設定された場所ビーコンの距離内にあるかどうかの判定に、場所ブロードキャストメッセージを使用して判定することができる。
【0112】
タグブロードキャストメッセージは、通常、タグのタグトランシーバによって送信され、且つ、次いで、送信レンジ内のその他のタグによって直接的に受信されており、これにより、タグブロードキャストメッセージの処理を許容する。このプロセスを支援するように、タグは、通常、関連する物体の少なくとも物体タイプを示す物体タイプ識別子を含む。これは、タグブロードキャストメッセージを受け取ったタグがメッセージを解釈するように、且つ適切ではないタグブロードキャストメッセージを無視するためにこれを使用しうるように、ブロードキャスティングタグが関連付けられている物体のタイプの識別に使用することができる。
【0113】
従って、一例において、タグ処理装置は、タグトランシーバに、関連付けられている個々の物体の少なくとも物体タイプを示す物体タイプ識別子と、タグ場所、センサ読取りから判定された計測されたパラメータ、又はこれらに類似したものなどの個々の物体と関連付けられているコンテキストデータと、を含むタグブロードキャストメッセージを送信させるように構成されている。これは、例えば、数秒ごとにタグブロードキャストメッセージを反復的に送信する又はこれに類似したものなどのように、定期的に実行することができる。或いは、この代わりに、これは、トリガイベント、或いは、例えば、タグが移動した際又はこれに類似したものなどのコンテキストデータの変化、に応答してオンデマンドで実行することもできよう。
【0114】
いずれの場合にも、ブロードキャストメッセージ内における物体タイプ識別子の包含は、別のタグがブロードキャストメッセージを受け取り且つこれをより容易に解釈することを許容する。具体的には、個々の物体規則は、ブロードキャストメッセージを受け取ったタグが、メッセージを送信したタグと関連する物体タイプを識別しうるように、且つ、次いで、その物体タイプに関係する物体規則のみを検査しうるように、個々の物体タイプについて定義することができる。
【0115】
従って、タグブロードキャストメッセージを受け取った際に、タグ処理装置は、物体タイプ識別子を判定するためにメッセージを検査することが可能であり、且つ、次いで、物体規則が個々の物体タイプ識別子に関係するかどうかを判定するために、タグメモリ内において保存されている物体規則を検討することができる。タグメモリには、そのタグに関連する物体規則しか入力されていないことから、物体規則のいずれもが、受け取られたタグブロードキャストメッセージと関連していない場合には、そのタグブロードキャストメッセージは、無視することができる。さもなければ、必要に応じて、メッセージを処理することができる。
【0116】
プロセスをより効率的なものにするために、タグブロードキャストメッセージは、物体タイプ識別子を含むパケットヘッダと、コンテキストデータを含むペイロードと、を含むデータパケットを含みうる。これは、演算要件を低減し、これにより、タグ及びその他のハードウェアが、タグブロードキャストメッセージがタグと関連するかどうか、並びに、従って、処理される必要があるかどうか、を特定するためにデータパケットヘッダのコンテンツのみを分析することを許容する。例えば、タグブロードキャストメッセージを受け取った際に、タグ処理装置は、メッセージヘッダを検査することが可能であり、物体タイプ識別子を取得することが可能であり、且つ、任意の関連する物体規則が存在するかどうかを評価することが可能であり、これにより、そうではない場合には、ブロードキャストメッセージを無視し且つデータパケットペイロードを分析するニーズを回避する。また、これは、装置がBluetooth(登録商標)ペア化を経験することを必要とすることなしに情報の転送が実現されることを可能にすることにより、有用でありうる。
【0117】
特定の一例において、タグ処理装置は、1つ又は複数のその他の物体と関連する1つ又は複数のその他のタグから1つ又は複数のタグブロードキャストメッセージを受け取るように、タグブロードキャストメッセージと関連する物体タイプ識別子を使用してその他の物体の物体タイプを判定するように、且つ、次いで、個々の物体タイプに関連する物体規則を使用してタグブロードキャストメッセージを処理するように、構成されている。
【0118】
広範な一形態において、物体規則プロセスの効率を更に増大させるように、物体規則は、関連するコンテキストデータを含むブロードキャストメッセージの一部分を定義し、これにより、これがより効率的に処理されることを許容可能であり、以下、この一例について更に詳細に説明することとする。
【0119】
この観点において、ブロードキャストメッセージは、特定のタイプの情報が常にメッセージ内の固定された場所において提供されるように、且つ、更に詳しくは、コンテキストデータが個々の物体タイプに関連する定義されたメッセージフォーマットに従ってタグブロードキャストメッセージの個々の部分内において保存されるように、構成することができる。例えば、メッセージペイロードは、メッセージペイロードの最初のnビットがタグ場所を定義するように、次のmビットがセンサ読取りを定義するように、或いは、これらに類似したものなどのように、構造化することができよう。このようなメッセージフォーマッティングは、所与の物体タイプ用のタグブロードキャストメッセージが常に同一のフォーマットを有する一方で、異なるタイプの物体と関連するブロードキャストメッセージが異なるフォーマットを有しうるように、物体タイプに固有のものでありうると共に一貫性を有しうるであろう。
【0120】
この例においては、物体規則が特定の物体タイプに関係することに伴って、物体規則は、その規則を処理するために必要とされる、関連するコンテキストデータを識別することができる。一例において、これは、物体規則が、関連するコンテキストデータを含むタグブロードキャストメッセージの1つ又は複数の部分を規定する個々の物体タイプに関連する定義されたメッセージフォーマットを示すようにすることにより、実現されている。これは、単純に受け取られたタグブロードキャストメッセージの定義された部分にアクセスすることにより、トリガイベントが発生したかどうかを識別するために、関連するコンテキストデータ及び物体規則をタグ処理装置が使用することを許容することにより、タグ処理装置が物体規則にアクセスし、且つ、次いで、その規則に関連するコンテキストデータを識別することを許容する。従って、例えば、タグ処理装置が別のタグの場所に関係する物体規則を処理する場合に、タグ処理装置は、タグブロードキャストメッセージペイロードの最初のnビットのみが分析される必要があることを認知する。逆に、物体規則がセンサ読取りに関係する場合には、次のmビットのみが分析を必要とする。
【0121】
そしてこれは、物体規則を処理する際に関係のないコンテキストデータが無視されることを許容する。これは、必要とされる処理の量を大幅に低減することが可能であり、且つ、ブロードキャストメッセージの大きな部分が無視されることを許容し、これにより、ブロードキャストメッセージがより迅速に分析されることを許容しうる。これは、タグ処理装置が多数のブロードキャストメッセージを実質的に同時に処理することを要するという結果をもたらしうる多数の物体が存在する環境において特に重要である。
【0122】
これは、上述の予測処理とは独立的に実行することが可能であり、且つ、これが予測プロセスの一部として実行されることに対する参照は、限定を意図したものではないことを理解されたい。
【0123】
一例において、タグの構成に必要なデータを更に極小化するように、且つ、更には規則処理の効率を増大させるように、物体規則は、トリガイベントが発生したかどうかの識別にコードを実行するようにタグ処理装置が構成されている状態において、タグメモリ内にコードとして、具体的には実行可能コードとして、保存されている。
【0124】
特定の一例においては、コードは、複数のコードスニペットを含み、それぞれのスニペットは、個々の物体規則に対応する。従って、それぞれの物体規則は、実行可能なコードの個々のスニペットとして実施されており、これは通常、物体規則が最少数のバイトを使用して表現されることを許容する。そしてこれは、物体規則が、最小限の量を有する、パケット化されたコードとしてアップロードされることを許容しており、これにより、帯域幅及び結果として得られるメモリ要件が極小化されている。これに加えて、これは、タグ処理装置が、複数のコードスニペットを反復的に実行し、且つ、これにより、トリガイベントを識別するためにコンテキストデータを効率的に処理するように構成されることを許容する。
【0125】
従って、一例において、タグ処理装置は、別の物体と関連する別のタグからタグブロードキャストメッセージを受け取ることが可能であり、タグブロードキャストメッセージと関連する物体タイプ識別子を判定することが可能であり、物体タイプ識別子を使用して複数の実行可能コードスニペットの1つ又は複数を識別することが可能であり、この場合に、それぞれのコードスニペットは、物体規則に対応しており、且つ、関連するコンテキストデータを含むタグブロードキャストメッセージの1つ又は複数の部分を定義する。次いで、タグ処理装置は、1つ又は複数の部分内の関連するコンテキストデータを分析し、これにより、トリガイベントが発生したかどうかを判定するために、1つ又は複数のコードスニペットを実行する。
【0126】
従って、実行を必要とするのは、個々の規則に関連するコードのみであり、且つ、更には、コードが分析する必要があるのは、個々の規則に関連するコンテキストデータを含むブロードキャストメッセージの部分のみである。このようにして、実行を要する分析の量が格段に低減され、これにより、大量のブロードキャストパケットの効果的な分析が許容されている。
【0127】
以上の内容は、タグブロードキャストメッセージとの関係において記述されているが、これは、その他のブロードキャストメッセージにも適用されうることを理解されたい。
【0128】
ブロードキャストメッセージの別の形態の一例は、規則ブロードキャストメッセージであり、これは、例えば、物体規則と関連する規則パラメータを変更するために物体規則を更新するように使用することができる。例えば、物体規則は、物体が別の物体からxメートル以内にある場合にアラートの生成を要するものと規定しうる。安全規則の変化は、これが規則ブロードキャストメッセージを使用して実現されうるように、xの値が変更されることを必要としうる。
【0129】
この例においては、規則ブロードキャストメッセージは、仮想物体と関連するタグブロードキャストメッセージであるものとして処理され、これにより、これがタグブロードキャストメッセージと同一の方式で処理されることを許容する。従って、規則ブロードキャストメッセージは、通常、仮想物体を示す仮想物体タイプ識別子及び規則パラメータの新しい値などの物体規則に対する変更を少なくとも部分的に示す仮想物体コンテキストデータを含むように生成されている。
【0130】
この例において、タグ処理装置は、受け取られた規則ブロードキャストメッセージを物体規則の更新に使用するように構成されている。具体的には、タグ処理装置は、通常、物体規則又は異なる物体規則を更新するためのニーズに対応するトリガイベントを識別するのに個々の物体規則を使用して規則ブロードキャストメッセージを処理することになる。規則更新トリガイベントを識別したら、タグ処理装置は、次いで、関連するアクションを判定及び実装し、これにより、既存の物体規則を更新することになる。
【0131】
この場合にも、規則更新プロセスは、予測処理及び/又は特定のメッセージングフォーマッティングとは独立的に実行することが可能であり、且つ、従って、別の広範な形態においては、システムは、仮想物体と関連するタグブロードキャストメッセージの形態を有する規則ブロードキャストメッセージを使用して物体規則を更新するメカニズムを提供することを理解されたい。
【0132】
規則ブロードキャストメッセージは、環境内において位置決めされた且つ物理的物体と関連してはいない(従って、仮想物体と呼称される)タグによって送信されることが可能であり、或いは、クライアント装置又は場所ビーコンなどのその他のハードウェアによって送信されうるであろう。
【0133】
この観点において、上述のように、システムは、通常、複数の場所ビーコンを含み、この場合に、それぞれの場所ビーコンは、ビーコン場所を示す場所ブロードキャストメッセージを生成するように構成されている。場所ブロードキャストメッセージを生成することに加えて、場所ビーコンは、タグとの間における通信をルーティングするために使用することができる。例えば、これは、メッセージが場所ビーコンを介してクライアント装置に転送されることを許容するように、メッセージが場所ビーコンを介してタグに転送されることを許容するように、或いは、物体規則が複数の場所ビーコンの1つ又は複数を介してタグにアップロードされることを許容するように、使用されうるであろう。
【0134】
この例においては、場所ビーコンは、通常、例えば、場所ビーコンがタグから応答を受け取ることを許容するように、正常な通信プロトコルの一部分として、場所ブロードキャストメッセージの送信後の設定された時間量において、既定の通信スロット内において、送信を受け取るように構成されている。この例においては、タグは、メッセージが、必要に応じて、その他の装置に後からルーティングされうるように、これらのスロットにおいて、メッセージを場所ビーコンに送信することができる。これを実現するために、タグ処理装置は、場所ビーコンと関連する通信スロットを選択することになり、且つ、次いで、選択された通信スロットを介して、メッセージを場所ビーコンに送信することになる。
【0135】
一例においては、それぞれのビーコンが利用可能である通信スロットの数は、限られており、これは、この結果、複数のタグが同時通信を試みた場合に、衝突が生じうることを意味する。衝突を回避するために、それぞれのタグ処理装置は、通信スロットのタグ処理装置の選択を通告する通告ブロードキャストメッセージを送信するように構成されている。同時に、タグ処理装置は、その他のタグによって送信された通告ブロードキャストメッセージを受け取り、且つ、衝突が存在するかどうかを判定するために、受け取られた通告ブロードキャストメッセージを使用するように、動作する。衝突が存在していない場合には、送信は、選択された通信スロットを介して発生しうる。さもなければ、通常、それぞれの通告ブロードキャストメッセージにランダム数を付与することにより、衝突解決策が実行され、この場合に、例えば、最大数を有するタグが通信し、且つ、その他のタグが後のサイクルにおいて通信することになる。
【0136】
従って、上述の構成は、場所ビーコンが、タグとの間において双方向通信チャネルを提供するように動作することを許容することを理解されたい。これは、装置がタグと直接的に通信することを必要とすることなしに、コンピュータシステム又はこれに類似したものなどの、リモート装置との通信を可能にする。これは、タグにローカルなクライアント装置を必要とすることなしに、システムが使用されることを許容することから、これは、特に有用である。例えば、これは、リモートコンピュータシステムが、更なるローカルインフラストラクチャを必要とすることなしに、且つ、タグにネットワークアクセスが提供されることを必要とすることなしに、場所ビーコンによって提供されたバックエンドチャネルを介してタグと通信することを許容する。
【0137】
場所を判定した際に、タグ処理装置は、タグ場所を個々の物体用の物体規則内において定義された場所制限と比較し、且つ、次いで、タグ場所が、場所制限に違反する、或いは、違反する可能性が高い、場合に、トリガイベントを識別する、ように構成されている。従って、例えば、物体規則は、物体101が許容される場所を定義することが可能であり、この場合に、トリガイベントは、タグ場所が、許容されたタグ場所のリストの外側に位置する、或いは、許容された場所の境界に接近する、場合に、識別されることになろう。逆に、場所制限は、物体101が許容されていない場所を定義することも可能であり、この場合に、トリガイベントは、タグ場所が、許容されていない場所に移動する、或いは、タグが許容されていない場所に接近する場合に、識別されることになろう。タグ運動を判定するために、履歴場所情報を使用する類似の方式を使用することが可能であり、この場合に、これは、速度などの物体運動が、許容された又は制限された範囲内に含まれているかどうかを判定するために、使用されることになろう。
【0138】
上述のように、それぞれのタグ110は、関連する物体の少なくとも物体タイプ識別子を示すブロードキャストメッセージを定期的に送信する。これは、近傍のタグ110がその近傍のその他の物体101を識別することを許容する。具体的には、タグ110は、1つ又は複数のその他の物体と関連する1つ又は複数のその他のタグ110によって送信されたブロードキャストメッセージを使用して1つ又は複数のその他の物体101の近接性を判定することができる。この例においては、タグ110は、近接性を物体規則内において物体101のペアについて定義されている近接性制限と比較し、これにより、近接性が近接性制限に違反する場合にトリガイベントを識別することができる。従って、例えば、水素ガスボトルと酸素ガスボトルは、互いに、10メートルなどの設定された距離内における保存を許容することができない。この例においては、水素ガスボトル上の第1タグ110が、酸素ガスボトルと関連する第2タグ110を検出した場合に、水素ガスボトルは、近接性を判定することになり、且つ、これが物体規則内において規定されている設定された距離内であるかどうかを判定することになり、そうである場合には、これにより、可聴及び/又は視覚アラートを生成するなどのアクションをトリガする。
【0139】
従って、第1物体の第1タグ用の物体規則には、その他の物体までの設定された近接性を定義する規則を入力することが可能であり、且つ、その他の物体のタグは、第1物体との関係において定義された類似の物体規則を有することになることを理解されたい。従って、両方のタグ110がブロードキャストメッセージを送信することから、もう1つのタグ110も、もう1つのタグ110の近傍の第1タグ110の存在を判定することになり、且つ、類似のプロセスを実行することになり、これにより、この場合にも、アクションをトリガする。近接性は、設定された距離の観点において定義することが可能であり、且つ、バッファゾーンに到達した際に、アラートが生成され、これにより、近接性に違反する間際にあることについて、ユーザーにアラートしうるように、近接性に加えて、バッファゾーンを含むこともできよう。
【0140】
近接性は、ブロードキャストメッセージが受け取られた場合に、これが、物体が、定義された近接性制限内に存在することを示すように、タグの送信範囲にのみ基づいて、判定することができよう。但し、一般的に、タグ110の送信範囲は、障害物の存在又はこれに類似したものなどの、環境要因に応じて変化することになることから、これは、限られた精度しか有していない。従って、より一般的には、ブロードキャストメッセージは、タグ場所を示しており、このケースにおいては、第1タグ110は、第2タグ場所を判定するために、第2タグ110から受け取られたブロードキャストメッセージを使用し、これにより、第2タグ場所及び第1タグ場所を使用して第2物体101の近接性を判定する。
【0141】
上述のように、ブロードキャストメッセージはまた、相互コンテキストを確立するために類似の方式がより広範に使用されることを許容する、その他のコンテキストデータを含んでいてもよく、この場合に、これは、相互コンテキストが相互コンテキスト規則に違反するかどうかを判定するために使用される。例えば、2つの物体が衝突することになるかどうかを識別するのに2つの物体の相対的な運動を使用し、これにより、これが発生する場合に、アクションが判定されることを許容することができよう。
【0142】
類似の方式により、クライアント装置120は、クライアント装置120がタグブロードキャストメッセージを受け取るようにすることにより、クライアント装置120の近傍のタグ110の存在を検出するために使用されうることを理解されたい。これは、ユーザーに物体を見出させるプロセスを促進することができる。例えば、ユーザーが、ガスボトルなどの、特定のタイプの物体を見出す必要がある場合には、ユーザーは、クライアント装置120上において提示されたユーザーインターフェイスを使用することにより、物体タイプを選択することができる。この結果、クライアント装置120は、選択された物体のタイプに対応する物体識別子を含むタグブロードキャストメッセージについて監視することが可能であり、且つ、これが受け取られたら、通知を生成することができる。これは、ユーザーが、エリアを調査することを許容しており、この場合には、関連する物体がクライアント装置120の送信範囲内に位置したら、通知が生成される。これに加えて、タグブロードキャストメッセージは、通常、タグ場所をも含んでいることから、これは、物体の場所の通知をユーザーに表示するために使用することができる。
【0143】
また、上述のように、タグの場所に基づいてのみ監視を実行することに加えて、タグ110は、計測されたパラメータ値を判定するために、少なくとも1つのセンサからのセンサデータを利用することもできる。この結果、これは、例えば、計測された値がパラメータ値制限に違反する場合に、トリガイベントを判定するために使用することができる。従って、例えば、温度が設定された温度閾値を超過する環境において、ガスボトルを保存するのは準拠違反となりうる。この例においては、タグ110は、現時点の環境温度を判定するために、温度センサから受け取られた温度データを使用することができる。タグ110は、これを物体規則内において定義されている温度閾値と比較し、これにより、温度が閾値を超過した場合にアラートが生成されるようにすることができる。これに加えて、且つ/又は、この代わりに、温度閾値は、保存されているコンテキストデータの一部分を形成しうることを理解されたい。この例においては、温度は、特定の温度変化が検出された場合にアラートが生成されうるように、予め記録された温度でありうるであろう。
【0144】
一例においては、タグ110は、保存されたコンテキストデータを取得し、且つ、保存されているコンテキストデータに応じてトリガを判定する。保存されているコンテキストデータは、以前のセンサ読取り、識別された以前のトリガイベント、実行された以前のアクション、受け取られた以前の入力コマンド、或いは、これらに類似したものなどの、任意の形態のコンテキストデータを保存するために、使用することができる。これは、タグ110が履歴レコードを維持することを可能にし、この結果、相対的に複雑な振る舞いの実装を許容することができる。例えば、これは、温度が閾値超であった時間の長さを判定し、これにより、温度又はその他のパラメータが、設定された期間にわたって閾値を超過する場合に、アラートがトリガされることを許容するように、使用することができよう。また、これは、イオン化放射に対する累積曝露などの累積閾値を監視するために使用することもできよう。
【0145】
これに加えて、コンテキストデータは、クライアント装置メッセージを使用することにより、クライアント装置120から受け取られたユーザー入力コマンドに従って更新することもできよう。これは、例えば、物体101上において実行される維持の詳細が記録されることを許容するように、実行することができよう。従って、これは、維持アクションの間の期間を監視して維持スケジュールが充足されることを保証するように、保存されているコンテキストデータとの関連において使用することができることを理解されたい。
【0146】
トリガイベントが検出されたら、タグ処理装置は、通常、トリガイベントと関連するアクションを判定するように、且つ、次いで、アクションが実行されるようにするように、構成されている。様々な異なるアクションが、システムを使用して実装されうるが、好適な一例においては、アクションは、タグに基づいた又はタグに基づいていないアクションのうちの一方又は両方を含む。タグに基づいたアクションの例は、1つ又は複数のサウンド又は発話されたフレーズを生成するように、スピーカなどの、オーディオ出力装置を使用するステップ、或いは、可視通知を生成するように光源を使用するステップなどの、通知を生成するようにタグ110出力装置を使用するステップを含む。これに加えて、出力装置は、例えば、機器又は物体の適切な制御信号入力に適用されうる制御信号の生成に信号生成器を使用するなどのように、機器又は物体を部分的に制御するように、適合することもできよう。
【0147】
タグに基づいていないアクションは、アクションメッセージをクライアント装置120などのリモート装置に転送することにより、トリガすることができる。この例においては、クライアント装置120は、アクションメッセージに応答して、可聴又は視覚通知などの、通知を生成することが可能であり、電子メールアドレス、SMSアドレス、又は第三者処理システムなどの、定義された宛先にアクションメッセージを転送する、或いは、イベントログが更新されるようにする、などの、アクションを実行することができる。更なる外部装置へのメッセージの伝達を通じて、これは、例えば、何人かの維持スタッフに、維持が特定の装置において実行される必要があることを指示することなどの、任意の形態の、自動化された又は手動的なプロセスをトリガするように、使用することができることを理解されたい。この観点において、クライアント装置120がメッセージを任意の処理システムに転送することができる場合には、メッセージは、維持スタッフが、タグ110の近傍に位置するかどうか、且つ/又は、クライアント装置120に自身でアクセスできるかどうかとは無関係に、維持スタッフにルーティングすることができる。
【0148】
一例においては、クライアント装置120は、アクションメッセージをアクション設定と比較し、且つ、次いで、アクション設定に従ってアクションを選択的に実行する、ように適合されている。この観点においては、多数のタグ110が存在する環境においては、人々は、すべての通知への応答を所望しない場合があり、或いは、これを必要としない場合があることを理解されたい。この例においては、それらのクライアント装置120は、特定のタイプのメッセージ又はアクションの遮断、或いは、特定の物体タイプと関連するアクション又はメッセージの遮断、を含む、ローカル設定に基づいて、通知を遮断するように構成することができる。但し、依然として、クライアント装置120が、必要に応じて、アクションメッセージを定義された宛先に転送し、これにより、アクションが実行されることを保証するが、クライアント装置120のユーザーを不必要に妨げることの回避を許容するように、適切な構成を使用することができよう。
【0149】
これに加えて、タグ110は、例えば、保存されているコンテキストデータを更新するために、アクションが完了した時点を理解するために、且つ、複数のクライアント装置120によるアクションの重複を防止するために、必要とされうる。この例においては、アクションを実行するクライアント装置120は、通常、受け取られたアクションメッセージからタグ識別子を判定し、確認メッセージを生成し、且つ、タグ識別子に従って確認メッセージをタグ110に転送し、これにより、例えば、アクションが、実行された、開始された、又は処理中であることを反映するように、タグ110がコンテキストデータを更新することを許容する。
【0150】
このことから、それぞれのタグ110は、個々のタグ110に固有である、個々の識別子を有しており、これにより、メッセージがタグに送信されることを許容しうることを理解されたい。この例においては、確認メッセージは、通常、クライアント装置120の近傍の任意のタグ110にブロードキャストされることになり、この場合に、タグ110は、異なるタグ110に対応するタグ識別子を含むメッセージを無視する。これは、Bluetooth(登録商標)ペア化プロセスの実行を必要とすることなしに、双方向通信がクライアント装置120とタグ110との間において確立されることを許容する。これは、ユーザーが、システムが動作するように、複数のタグにより、そのクライアント装置120をペア化するニーズを回避する。
【0151】
以上のことから、様々な異なるアクションを実行することが可能であり、且つ、その結果、アクションを様々なアプリケーションのために使用することができる、ことを理解されたい。例えば、準拠監視との関連では、通常のアクションは、規則違反についてユーザーに警告すること、ロギングを目的として規則違反の詳細を記録すること、必要とされる維持又はこれに類似したものなどの、物体と関連する必要とされるアクションについてユーザーに通知すること、物体101又は機器の無効化などの、安全性オーバーライドを実装すること、或いは、これらに類似したものを含む。
【0152】
但し、これは必須ではなく、且つ、システムは、様々なその他の用途において使用することができよう。例えば、アクションは、トランザクションが実行されるようにするステップを含みうるであろう。この一例は、定義された宛先への物体の供給に関連するものである。この例においては、物体に装着されたタグ110は、タグの場所に基づいて、或いは、宛先タグへの近接性に基づいて、宛先場所に到達する時点の識別に、適切な物体規則を使用することにより、事前プログラミングすることができよう。この例においては、宛先場所に到達したら、アクションは、宛先に到達したと装置に通知するステップと、任意に、配送指示書の完了、供給に対する支払、供給契約の完了、又はこれに類似したものなどの、トランザクションをトリガするステップと、を含みうるであろう。
【0153】
上述のプロセスは、タグ110がその他のタグ110と、且つ、クライアント装置120と、通信することができる、ことに、少なくともある程度、依存する。従って、通信が、エネルギー集約的なものになる可能性があり、好適な一例においては、タグ110は、送信インターバルによって分離されたブロードキャストメッセージを反復的に送信する。このような送信は、通常、エネルギー使用の観点においては些細なものであり、且つ、従って、これは、1秒ごとなどの、相対的に高頻度で、常に反復することができよう。対照的に、場所、タグ、又はクライアント装置メッセージなどのメッセージの聴取と、必要に応じて、その後のこれらの処理は、通常、相対的にエネルギー集約的なものになる。
【0154】
従って、システムは、通常、送信インターバルよりも大きな聴取インターバルにわたってメッセージを反復的に聴取するように構成されており、これには、タグが聴取が発生しない低電力スリープモードにある期間が差し挟まれている。聴取インターバルが送信インターバルよりも長くなるようにシステムを構成することにより、その他のタグからのタグメッセージが、タグがウェイクアップするたびに受け取られることを保証する。例えば、タグ110が、1秒などの、定義された送信インターバルによって送信する場合に、2秒の聴取インターバルにおいてメッセージを聴取することにより、範囲内にある任意のその他のタグ110によって送信される少なくとも1つのブロードキャストメッセージが受け取られることが保証されることになる。
【0155】
この例においては、タグ110は、通常、関連する設定に応じて、1分ごと、2分ごと、10分ごと、又は15分ごと、或いは、これらに類似したもの、などのように、周期的に、或いは、例えば、加速度計などの、運動センサからの信号に基づいて、などのように、運動の検出に応答して、スリープモードからウェイクアップする。この観点においては、場所制限は、通常、主に物体が運動する際に、生じることになることから、運動によるウェイクアップが、特に有益である。ウェイクアップした際に、タグ処理装置は、メッセージについて聴取し、トリガイベントが発生したかどうかを判定し、且つ、次いで、これが発生していない場合にはスリープモードに戻り、これにより電力を節約する。
【0156】
物体規則をタグにアップロードするために、クライアント装置は、通常、タグと関連するタグ識別子を判定する必要がある。これは、ユーザーがタグ識別子を選択することを許容するようにクライアント装置の範囲内のタグからタグ識別子を取得する、例えば、ユーザーがタグ識別子を手動で入力するようにさせることによるユーザー入力コマンドに基づいて、或いは、タグ上において表示されたQRコード(登録商標)又はこれに類似したものなどの、コード化されたデータをスキャニングすることによる、などの、いくつかの方法のうちの任意のものにより、実現することができる。タグ識別子を判定したら、クライアント装置は、次いで、例えば、物体規則から得られた物体タイプのリストを表示し、且つ、次いで、列挙されている物体タイプのうちの1つ又は複数の選択を判定することにより、ユーザー入力コマンドに従って利用可能な物体タイプを判定することになる。物体タイプが判定されたら、規則は、規則リポジトリから、個々の物体タイプごとに、取得することが可能であり、この場合に、これらは、次いで、タグ識別子に従ってタグにアップロードされる。
【0157】
物体規則は、任意の適切な方式により生成することができる。一例においては、これは、タスクを少なくとも部分的に自動化するように規則エンジンを使用するステップを含む。規則エンジンは、通常、論理式及び物体タイプを識別するように、規則文書を受け取り、且つ、自然言語処理を使用して解析することにより、動作する。次いで、必要に応じて、物体の物体タイプに基づいてこれらを取得することにより、或いは、これらを生成することにより、物体識別子が、それぞれの物体タイプごとに判定される。次いで、論理式をトリガイベント及びアクションに変換することにより、物体規則を生成するように、論理式が使用され、その後、これらは、タグにアップロードされる。例えば、論理式は、しばしば、「もし~である場合に、~する(If...then...)」文の観点において規則テキスト内において規定されており、これらは、トリガ及びアクションに変換することができる。これは、例えば、規則が標準的な方式によって生成され、これにより、これらがタグによって一貫性を有する方式で解釈されることを許容するように、「もし~である場合に、~する」文からのテキストを使用してテンプレートに入力することにより、テンプレートを使用して実行することができる。
【0158】
以下、図3図6を参照し、物体監視システムの特定の一例について更に詳細に説明する。
【0159】
この例においては、追跡システムは、複数のタグ310を含み、これらは、使用の際に、物体(図示されてはいない)に装着される。いくつかのクライアント装置320が提供されており、これらのうちのいくつかは、タグ310と通信状態にある。1つ又は複数のサーバーなどの、処理システム330は、1つ又は複数の通信ネットワーク340を介して、クライアント装置320との通信状態において提供されている。
【0160】
ネットワーク340の構成は、例示を目的としたものに過ぎず、且つ、実際には、クライアント装置320及び処理システム330は、限定を伴うことなしに、モバイルネットワーク、802.11ネットワークなどのプライベートネットワーク、インターネット、LAN、WAN、又はこれらに類似したものを含む、有線又は無線接続などの、任意の適切なメカニズムを介して、のみならず、Bluetooth(登録商標)又はこれに類似したものなどの、直接又はポイントツーポイント接続を介して、通信することができることを理解されたい。通常、クライアント装置320は、BLE又はこれに類似したものなどの近距離通信プロトコルを使用することにより、タグ310と通信するように構成されている。
【0161】
また、いくつかの場所ビーコン360が、通常、タグ310が使用される場所の全体を通じて分散された状態において、提供されており、この場合に、場所ビーコンは、同一の近距離通信プロトコルを介して、場所メッセージを送信するように適合されている。
【0162】
処理システム330は、単一のエンティティとして示されているが、実際には、処理システム330は、例えば、クラウドに基づいた環境の一部分として、などのように、いくつかの地理的に別個の場所にわたって分散させることができることを理解されたい。但し、上述の構成は、必須ではなく、且つ、その他の適切な構成が使用されうるであろう。
【0163】
図4には、適切な処理システム330の一例が示されている。この例においては、処理システム330は、図示のように、バス404を介して相互接続された、少なくとも1つのマイクロプロセッサ400、メモリ401、キーボード及び/又はディスプレイなどの任意の入出力装置402、及び外部インターフェイス403を含む。この例においては、外部インターフェイス403は、通信ネットワーク340、データベース、その他のストレージ装置、又はこれらに類似したものなどの、周辺装置に処理システム330を接続するために、使用することができる。単一の外部インターフェイス403が示されているが、これは、例示を目的としたものに過ぎず、且つ、実際には、様々な方法(例えば、Ethernet、シリアル、USB、無線、又はこれらに類似したもの)を使用する複数のインターフェイスを提供することができる。
【0164】
使用の際に、マイクロプロセッサ400は、必要とされるプロセスの実行を許容するように、メモリ401内において保存されたアプリケーションソフトウェアの形態の命令を実行する。アプリケーションソフトウェアは、1つ又は複数のソフトウェアモジュールを含むことができると共に、オペレーティングシステム環境又はこれに類似したものなどの、適切な実行環境において実行することができる。
【0165】
従って、処理システム330は、適切にプログラミングされたクライアント装置、PC、ウェブサーバー、ネットワークサーバー、又はこれに類似したものなどの、任意の適切な処理システムから、形成されうることを理解されたい。特定の一例においては、処理システム330は、不揮発性(例えば、ハードディスク)ストレージ上において保存されたソフトウェアアプリケーションを実行する、Intelアーキテクチャに基づいた処理システムなどの、標準的な処理システムであるが、これは、必須ではない。但し、処理システムは、マイクロプロセッサ、マイクロチッププロセッサ、ロジックゲート構成、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのロジックの実装と任意に関連するファームウェア、或いは、任意のその他の電子装置、システム、又は構成などの、任意の電子処理装置であってもよいことを理解されたい。
【0166】
図5に示されているように、一例においては、クライアント装置320は、図示のように、バス504を介して相互接続された、少なくとも1つのマイクロプロセッサ500、メモリ501、キーボード及び/又はディスプレイなどの入出力装置502、並びに、外部インターフェイス503を含む。この例においては、外部インターフェイス503は、タグ310、通信ネットワーク340、データベース、その他のストレージ装置、又はこれらに類似したものなどの、周辺装置にクライアント装置320を接続するために、使用することができる。単一の外部インターフェイス503が示されているが、これは、例示を目的としたものに過ぎず、且つ、実際には、様々な方法(例えば、Ethernet、シリアル、USB、無線、又はこれらに類似したもの)を使用する複数のインターフェイスを提供することができる。
【0167】
使用の際には、マイクロプロセッサ500は、タグ310、処理システム330との通信を許容するように、のみならず、例えば、適切なユーザーインターフェイスを通じたユーザーのやり取りを許容するように、メモリ501内において保存されたアプリケーションソフトウェアの形態の命令を実行する。
【0168】
従って、クライアント装置320は、適切にプログラミングされたPC、インターネット端末、ラップトップ、又はハンドヘルド型PCなどの、任意の適切な処理システムから形成することができると共に、好適な一例においては、タブレット、又はスマートフォン、或いは、これらに類似したものであることを理解されたい。従って、一例においては、クライアント装置320は、不揮発性(例えば、ハードディスク)ストレージ上において保存されたソフトウェアアプリケーションを実行する、Intelアーキテクチャに基づいた処理システムなどの、標準的な処理システムであるが、これは、必須ではない。但し、クライアント装置320は、マイクロプロセッサ、マイクロチッププロセッサ、ロジックゲート構成、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのロジックの実装と任意に関連するファームウェア、或いは、任意のその他の電子装置、システム、又は構成などの、任意の電子処理装置であってよいことも理解されたい。
【0169】
以下の例を目的として、1つ又は複数の処理システム330は、利用可能な特定のネットワークインフラストラクチャに応じて、通信ネットワーク又はこれに類似したものを介してクライアント装置320と通信するサーバーであるものと仮定されている。サーバー330は、通常、データの保存、サーチ、及び処理を含む、必要とされるタスクを実行するためのアプリケーションソフトウェアを実行しており、この場合に、サーバー330によって実行されるアクションは、メモリ401内においてアプリケーションソフトウェアとして保存された命令及び/又は入出力装置402を介してユーザーから受け取られた入力コマンド、或いは、クライアント装置320から受け取られたコマンド、に従って、プロセッサ400によって実行されている。
【0170】
また、ユーザーは、クライアント装置320のディスプレイ上において提示された、GUI(Graphical User Interface)又はこれに類似したものを介して、且つ、特定の一例においては、ウェブページを表示するブラウザアプリケーションを介して、或いは、関連する情報を表示するAppを介して、クライアント装置320とやり取りするものと仮定されることになる。クライアント装置320によって実行されるアクションは、メモリ501内においてアプリケーションソフトウェアとして保存された命令及び/又は入出力装置502を介してユーザーから受け取られた入力コマンドに従って、プロセッサ500により、実行されている。
【0171】
但し、以下の例を目的として仮定されている上述の構成は、必須ではなく、且つ、多数のその他の構成を使用することができることを理解されたい。また、クライアント装置320とサーバー330との間の機能のパーティション化も、特定の実装形態に応じて、変化しうることを理解されたい。
【0172】
以下、図6を参照し、タグの一例について更に詳細に説明する。
【0173】
この例においては、タグ310は、電源606、物体規則を保存するタグメモリ602、アンテナ604を介してメッセージを送受信するタグトランシーバ603、及びトリガイベントを識別し、且つ、アクションが実行されるようにする、タグ処理装置601を含む。
【0174】
タグの、且つ、特に、タグの物理的なフォームファクタの、のみならず、使用されるコンポーネントの、特性は、好適な実装形態に応じて、変化しうる。例えば、タグ310が、BLEなどの近距離無線通信プロトコルを利用する際には、処理装置601及びトランシーバ603は、統合されたアンテナ604及びメモリ602などのその他の任意のコンポーネントに結合された、或いは、これらを含む、Bluetooth(登録商標)システムオンチップ(SOC)などの、カスタム集積回路から形成することができる。
【0175】
一例においては、処理装置601は、アプリケーションソフトウェアを実行し、これにより、望ましいプロセスが実行されることを許容する。一例においては、これは、ウェイクアップモードとスリープモードとの間の切り替えなどの、タグによって実装される活動を制御するために、スケジューラの実装、メッセージの生成、或いは、これに類似したもの、を含みうる一方で、タグ用の個々の物体規則を実施する物体規則コードを実行するために、仮想機械を使用することもできる。
【0176】
電源606は、通常、トランシーバ603及び処理装置601に電力を提供し、これにより、タグ310がクライアント装置320及びその他のタグ310と通信することを許容するように適合されている。任意の適切な電源が使用されうるが、一例においては、電源は、最小限の容積フォームファクタを有する「AAA」又はボタンセル電池の形態を有し、これにより、タグが小さな物理的寸法を有するように製造されることを許容する。これは、タグ310が、容易に、且つ、控えめに、物体に装着される、或いは、その他の方法で物体と物理的に関連付けられる、ことを可能にする。また、いくつかの状況においては、電源は、ソーラーパネル又はこれに類似したものなどの、電力生成コンポーネントを含みうることをも理解されたい。
【0177】
また、タグ310は、通常、スピーカ611、LED612、及び信号生成器613などの、1つ又は複数の出力装置を含みうるが、OLEDディスプレイ、eインクディスプレイ、又はこれらに類似したものなどの、その他のディスプレイを提供することもできよう。同様に、温度センサ621、湿度センサ622、圧力センサ623、光センサ624、運動センサ625、又はこれらに類似したものなどの、1つ又は複数のセンサを提供することもできる。
【0178】
タグ310は、状況に応じて、通信ネットワーク340、クライアント装置320、及び/又は場所ビーコン360を介して、クライアント装置320と互いに通信するように且つ処理システム330と直接的に通信するように構成することができる。
【0179】
以下、図7を参照し、タグ履歴データを生成するためのタグの動作の一例について説明することとする。
【0180】
この例においては、ステップ700において、タグは、コンテキストデータを判定することになる。このプロセスは、通常、タグがスリープモードからウェイクアップした際に、或いは、タグ又は場所ブロードキャストメッセージなどの受け取られたブロードキャストメッセージに応答して、或いは、センサからの信号に応答して、或いは、これらに類似した状況下において、などのように、定期的に実行されている。コンテキストデータは、メモリから取得することが可能であり、或いは、受け取られたメッセージ及び/又はセンサ信号から導出することが可能であり、この場合に、コンテキストデーも、通常は、タグメモリ602内において保存されることになろう。
【0181】
ステップ705において、タグ処理装置601は、タグメモリ602内において保存されている物体規則にアクセスし、且つ、ステップ710において、コンテキストデータを物体規則と比較する。これが実現される正確な方式は、好適な実装形態に応じて変化することになり、且つ、この特定の例については、更に詳細に後述することとする。
【0182】
ステップ715において、タグ処理装置601は、トリガイベントが発生したかどうかを判定し、且つ、発生する場合には、ステップ720において、トリガイベントと関連する任意の必要とされているアクションを実行する。次いで、タグ処理装置601は、更なるコンテキストデータについて監視するように、ステップ700に戻ることができる。同時に、タグ処理装置601は、トリガタグ履歴データを生成することができる。これは、通常、ステップ725において、先行する10~15秒又はこれに類似したものなどの既定の時間期間にわたってコンテキストデータを取得し、且つ、次いで、物体タイプ識別子、コンテキストデータの少なくとも一部分、及びトリガイベントの通知を含む特徴ベクトルの生成にこれを使用することにより、実現されている。次いで、ステップ730において、トリガタグ履歴データは、処理システム330にアップロードされ、これにより、後述するように、これが予測モデルの生成において使用されることを許容する。
【0183】
トリガイベントが検出されない場合には、ステップ735において、タグ処理装置601は、タグ履歴データが必要とされているかどうかを判定する。タグデータをアップロードするためのニーズは、好適な実装形態に応じて変化しうる。この観点において、タグ履歴データがアップロードされ、これにより、処理システム330がトリガイベントを予測することを許容しうるが、更に詳細に後述するように、これは、予測物体規則が生成されている場合には必要とされない場合がある。タグ履歴データのアップロードを要する場合にも、これは、好適な実装形態に応じて、1分ごとなどのように、定期的にのみ発生しうる。
【0184】
アップロードが必要とされない場合には、プロセスは、更なるコンテキストデータを待つためにステップ700に単純に戻ることができる。さもなければ、プロセスは、タグ処理装置601がタグ履歴データを生成することを許容するように、ステップ740に進んでいる。これは、この場合にも、通常、先行する10~15秒又はこれに類似したものなどの既定の時間期間にわたってコンテキストデータを取得し、且つ、次いで、物体タイプ識別子及び個々の時間期間からのコンテキストデータの少なくとも一部分を含む特徴ベクトルを生成するためにこれを使用することにより、実現されている。次いで、タグ履歴データは、ステップ730において処理システム330にアップロードされ、これにより、これがトリガイベントを予測する際に使用されることを許容する。
【0185】
以下、図8を参照し、予測モデルを生成するために且つ/又はトリガイベントを予測するためにタグ履歴データを分析するように上述のシステムを使用するプロセスの例について説明することとする。
【0186】
この例においては、ステップ800において、タグ履歴データが処理システム330によって受け取られている。タグ履歴データは、現時点の状況に応じて、定期的に且つ/又はトリガイベントの検出に応答してタグ301によって生成することが可能であり、且つ、接続の利用可能性及び/又は好適な実装形態に応じて、クライアント装置320、場所ビーコン360、又は通信ネットワーク340を介して処理システムに送信することができる。
【0187】
ステップ805において、処理システム330は、タグ履歴データがトリガイベントに関係するかどうかと、従って、トリガタグ履歴データであるかどうかと、を評価する。これは、受け取られたタグ履歴データにおいて通知することが可能であり、或いは、タグ履歴データからのコンテキストデータを物体規則と比較することにより、判定することもできよう。
【0188】
タグ履歴データがトリガイベントと関係する場合には、ステップ810において、トリガイベントがトリガタグ履歴データのリポジトリに追加されている。具体的には、データベース又はその他のデータストアでありうるリポジトリは、トリガイベントに関係するトリガタグ履歴データの収集するに使用され、これにより、トリガイベントの発生に結び付くコンテキストデータ内のパターンを識別するように、これが分析されることを許容する。
【0189】
ステップ815において、処理システム330は、分析を実行するのに十分なトリガタグ履歴データが存在するかどうかを評価する。個々の分析は、分析が発生しうる前にトリガイベントがいくつかの回数だけ発生することをこれが必要としうるように、通常は、異なるトリガイベントについて実行されている。更には、分析は、分析が発生しうる前に所与のタイプの複数のトリガイベントが場所において発生することが必要となるように、通常は、特定の場所において、所与の物体タイプについて特定のタイプのトリガイベントに対して実行されることが必要となることを理解されたい。
【0190】
不十分なデータしか利用可能ではない場合には、プロセスは、ステップ800に単純に戻り、これにより、更なるトリガタグ履歴データを待つことができる。
【0191】
逆に、分析の実行に十分なトリガタグ履歴デーが利用可能となったら、ステップ820において、トリガタグ履歴データを分析するために、機械学習プロセスが実行されている。分析の特性は、好適な実装形態に応じて変化することになるが、一般には、トリガタグ履歴データのサブセットによって一般的な演算モデルをトレーニングするステップと、次いで、モデルを検証するために残りのトリガタグ履歴データによってモデルを試験するステップと、を伴うことになる。具体的には、一例において、タグ履歴データの特徴ベクトルが付与された場合に、トリガイベントが発生する尤度をモデルが判定することを可能にするために、1つ又は複数の一般的演算モデルをトレーニングするために、サブセットからのトリガタグ履歴データが使用されている。モデルは、残りのデータに照らして試験され、且つ、任意に、モデルが十分に高い弁別能力を伴ってトリガイベントを予測しうる時点まで、反復的に改良されている。これは、トリガタグ履歴データとトリガイベントとの間の関係を反映した且つタグ履歴データの特定の組がトリガイベントが後から発生することを結果的にもたらす尤度を判定するように使用されうるモデルを結果的にもたらす。
【0192】
ステップ825においてモデルが生成されたら、これは、後からの使用のために保存することが可能であり、且つ、任意に、ステップ830において予測物体規則を生成するように使用することができる。具体的には、予測物体規則は、物体規則違反がいつ発生しうるかをタグ履歴データに基づいて予測するために予測物体規則が使用されうるように関係を実施した規則である。予測物体規則は、ステップ835においてタグにアップロードすることが可能であり、且つ、トリガイベントがタグ上においてローカルに予測されることを許容するように正常な物体規則に従って処理することができる。そして、これは、違反の発生の防止を目的として、トリガイベントが発生する前にアラート又は通知を生成するなどのアクションを実行するために使用することができる。
【0193】
動作の別のモードにおいて、処理システム330は、トリガイベントに関係しない受け取られたタグ履歴データを分析するために使用することが可能であり、且つ、トリガイベントが発生する可能性が高いかどうかを予測し、これにより、生成が困難でありうる予測物体規則のニーズを回避するために使用することができる。
【0194】
この例においては、ステップ840において、受け取られたタグ履歴データが予測モデルに適用されており、この場合に、予測モデルは、ステップ845において、トリガイベントが発生する尤度の形態において出力を生成する。尤度は、閾値と比較することが可能であり、且つ、ステップ850においてこれが超過されており、これにより、トリガイベントの可能性が高いことを意味する場合には、通知が、ステップ855において生成されうると共に、ステップ860において、クライアント装置320又はタグ310に転送され、これにより、アラート又はこれに類似したものの生成などのアクションが実行されることを許容することが可能であり、或いは、AGV(無人搬送車)などの機械又はその他の機器が制御される又はこれに類似した内容が実行されることを許容しうる。そして、これは、トリガイベントの発生を防止することが可能であり、且つ、従って、予測方式において規則違反又はこれに類似したものを防止することを支援するために使用されうることを理解されたい。
【0195】
具体的には、上述の方式は、規則違反に結び付く振る舞いのパターンが機械学習技法を使用して分析されることを許容しており、この場合に、これは、将来において類似の規則違反が発生することを防止するために使用される。また、これは、その他のシナリオに適用することも可能であり、且つ、規則違反の予測に限定されるものではないことを理解されたい。
【0196】
以下、図9を参照し、トリガイベントを識別するプロセスの一例について説明する。
【0197】
この例においては、ステップ900において、タグ310が、定義されたスケジュールに従って、或いは、運動センサ625による運動の検出の際に、スリープからウェイクアップする。同時プロセスにおいて、タグ310は、通常、ステップ905においてセンサデータを取得することになり、ステップ915においてコンテキストデータを取得することになり、且つ、ステップ920においてメッセージについて聴取することになる。この観点において、ステップ905において取得されたセンサデータは、ステップ910において、現時点の温度、湿度、空気圧力、又はこれらに類似したものなどの、計測されたパラメータの判定に使用される。メッセージが、ステップ920において受け取られた場合に、これらは、通常、場所ブロードキャストメッセージを含んでおり、この場合には、プロセスは、ステップ925において場所ブロードキャストメッセージからビーコンアイデンティティ及び場所を判定するステップを伴っており、この場合に、これは、ステップ930において、タグ場所の判定に使用される。メッセージが別のタグからのブロードキャストメッセージである場合には、これは、ステップ935において、第2タグ310のアイデンティティ及び場所又はその他のコンテキストを判定するために使用される。
【0198】
ステップ940において、計測されたパラメータ、取得されたコンテキストデータ、現時点のタグ場所及び物体識別子、並びに、その他のタグのコンテキストを含む、以上において判定されたコンテキストデータのそれぞれが、物体規則と比較されており、これにより、1つ又は複数のトリガが、ステップ945において識別されることを許容する。この観点において、タグ処理装置611によって実装された仮想機械が、コンテキストデータを変数として使用することにより、タグ用の物体規則に対応するコードスニペットのそれぞれを実行し、これにより、物体規則が、イベントを示すかどうかを判定することになる。
【0199】
この観点において、所定範囲の異なるタイプのコンテキストデータを同時に分析することにより、複雑なトリガイベントの識別が許容されることを理解されたい。例えば、これは、物体が、設定されたエリア内に配置され、且つ、別の物体に向かって運動する、且つ、温度などの、環境パラメータが、定義された期間にわたって、定義された閾値超である、状況が識別されることを許容しうるであろう。そして、これは、複雑な準拠又はその他の物体監視プロセスが実行されることを許容する。
【0200】
ステップ945においてトリガが識別された場合に、プロセスは、アクションが実行されるようにするためにステップ950に進んでおり、この場合に、アクションプロセスの一例については、図10を参照して後述する。
【0201】
これに後続して、或いは、その他の方式により、コンテキストデータは、通常、タグ310がステップ960においてスリープモードに戻る前に、例えば、計測されたパラメータの詳細、その他のタグの近接性又はこれとの関係における運動、現時点のタグ場所、任意の識別されたトリガイベントの詳細、又は実行されたアクションを記録するように、ステップ955において更新されている。次いで、ステップ900~960のプロセスは、タグのエネルギー要件に基づいて設定されうる、既定の時間遅延の後に、反復されることになろう。
【0202】
以下、図10を参照し、アクションを実行するプロセスの一例について説明する。
【0203】
この例においては、ステップ1000において、タグ310は、アクションが、タグにより、且つ/又は、クライアント装置320などの別の装置により、実行される必要があるかどうかを判定する。アクションがタグ310によって実行される場合には、タグ310は、通常、例えば、可聴及び/又は視覚的通知を生成するように、或いは、定義されたアクションによって必要とされる、物体又はその他の機器に送信される、制御信号を生成するように、出力装置611、612、613のうちの1つ又は複数を起動する。
【0204】
これに加えて、且つ/又は、この代わりに、アクションは、別の装置を伴うことも可能であり、このケースにおいては、タグ310は、ステップ1010において、アクションメッセージを生成及びブロードキャストする。アクションメッセージのフォーマット及び内容は、通常、物体規則内において定義されることになり、且つ、これは、例えば、アクションメッセージのフォーマット及び内容の定義、メッセージの宛先、又はこれに類したものを定義するステップを含みうるであろう。アクションメッセージは、クライアント装置に直接的に転送することも可能であり、或いは、この代わりに、場所ビーコン360を介してクライアント装置に転送することもできよう。
【0205】
この後者のケースにおいては、タグ処理装置611は、送信スロットを選択することになり、且つ、選択されたスロットを示す通告ブロードキャストメッセージをブロードキャストすることになる。タグ処理装置611は、その他のタグによって送信された任意の通告ブロードキャストメッセージを受け取ることになり、且つ、選択されたスロットが送信のために利用可能であるかどうかの判定にこれを使用することになる。このように仮定することにより、タグ処理装置611は、場所ブロードキャストメッセージが場所ビーコンによって送信されるのを待ち、且つ、次いで、個々の通信スロット内においてアクションメッセージを搬送する。さもなければ、タグ処理装置611は、異なるスロットを選択し、且つ、スロットが利用可能となる時点まで、プロセスを反復する。アクションメッセージを受け取った際に、ビーコンは、意図された宛先を判定することになり、且つ、相応してアクションメッセージを転送することになる。
【0206】
アクションメッセージがクライアント装置320によって受け取られると仮定することにより、ステップ1015において、クライアント装置320は、メッセージがアクション可能であるかどうかを確認することになろう。具体的には、このステップは、例えば、ユーザーが通知又はこれに類似したものを遮断するように、そのクライアント装置320を構成する、などの場合に、メッセージのアクションを不可能にする、任意の設定が存在するかどうかをチェックするステップを伴っている。
【0207】
これに後続して、ステップ1020において、アクションがクライアント装置320により、且つ/又は、サーバー330などの別の装置により、実行する必要があるかどうかが判定されている。例えば、ステップ1030において、クライアント装置は、ユーザーに提示されうる、視覚的及び/又は可聴アラートなどの、通知を生成することができる。これに加えて、且つ/又は、この代わりに、ステップ1025において、クライアント装置320は、サーバー330などの、別の処理システムに、アクションメッセージを転送してもよく、次いで、これが、必要に応じて、アクションを実行する。
【0208】
いずれの場合にも、確認メッセージは、クライアント装置320により、ステップ1035において生成され、これは、必要とされるアクションメッセージ内において含まれているタグ識別子に基づいて、タグに提供され、これにより、タグ310がステップ1040においてコンテキストデータを更新することを許容し、これにより、アクションが開始及び/又は完了されたことを反映することができる。
【0209】
以下、図11及び図12A図12Dを参照し、物体規則を処理するプロセスの一例について更に詳細に説明することとする。
【0210】
この例において、タグ310は、ステップ1100において、場所ブロードキャストメッセージ、タグブロードキャストメッセージ、又はこれらに類似したものなどのブロードキャストメッセージを受け取っている。図12Aには、ブロードキャストメッセージのフォーマットの一例が示されている。この例において、ブロードキャストメッセージ1200は、ヘッダ1210と、ペイロード1220と、を含む。タグブロードキャストメッセージのケースにおいては、ヘッダは、関連する物体の物体タイプ識別子を含む一方で、ペイロード1220は、コンテキストデータを含む。図12Bにおいて示されているように、ペイロード1220は、通常、いくつかの部分1221にセグメント化されており、この場合に、個々のコンテキストデータがそれぞれの部分1221に割り当てられている。
【0211】
従って、例えば、図12Cは、部分1221.1内の場所コンテキストデータ及び部分1221.2内の温度センサデータを含む第1データパケットを表する。対照的に、図12Dは、部分1221.1内の場所コンテキストデータ及び部分1221.3内の湿度センサデータを含む第2データパケットを表する。コンテキストデータの正確な特性は重要ではなく、且つ、例は、例示を目的としたものに過ぎないことを理解されたい。
【0212】
異なるブロードキャストパケットは、異なるメッセージフォーマットを有しうることを理解されたい。従って、例えば、ガスボトルからのタグブロードキャストメッセージは、AGVからのタグブロードキャストメッセージとは異なるメッセージフォーマットを有することになる。同様に、場所ブロードキャストメッセージも、異なるフォーマットを含むことになり、且つ、例えば、データパケットのヘッダ内において場所通知を含みうるであろう。
【0213】
いずれの場合にも、特定の物体タイプ用のデータパケットは、所与のコンテキストデータが常にメッセージの個々の部分内において且つ特にペイロード内において含まれるように、所与のメッセージフォーマットを有する。
【0214】
ステップ1110において、ブロードキャストメッセージを受け取ったら、タグ処理装置は、個々の物体規則にアクセスする。この観点において、それぞれの物体規則は、受け取られたブロードキャストメッセージ内の物体タイプ識別子によって識別されている物体タイプに対応する物体規則のみをタグ処理装置が取得する必要があるように、個々の物体タイプと関連付けられている。物体規則がアクセスされる方式は、規則の特性及びこれらが実装される方式に依存することになる。例えば、物体規則は、タグメモリ内において保存することが可能であり、この場合に、物体規則は取得することができる。或いは、この代わりに、物体規則は、メモリ内において仮想マシンにおいて稼働する実行可能コードとして実装されてもよく、この場合に、アクセスは、物体規則の実行を単純に伴うことになる。
【0215】
いずれの場合にも、ステップ1120において、物体規則は、関連するコンテキストデータの識別に使用されている。具体的には、物体規則は、物体規則の処理に必要とされる関連するコンテキストデータを含むブロードキャストメッセージの一部分を規定することになる。従って、例えば、場所及び温度コンテキストデータが必要とされている場合には、物体規則は、部分1221.1及び1221.2を識別することになる一方で、場所及び湿度コンテキストデータが必要とされている場合には、物体規則は、部分1221.1及び1221.3を識別することになる。
【0216】
関連するコンテキストデータが識別されたら、これは、トリガイベントが発生したかどうかの判定に物体規則が使用されることを許容する。具体的には、これは、タグ処理装置がコンテキストデータの関連するセクションのみを使用してトリガイベントを識別することを許容し、これにより、ペイロード内のその他のセクションが無視されることを許容する。これは、コンテキストデータを処理及び分析するために演算要件を大幅に低減する。
【0217】
従って、広範な一形態において、物体監視システムは、複数のタグを含むことが可能であり、この場合に、それぞれのタグは、使用の際に個々の物体と関連付けられている。タグは、メッセージを送信及び受信するように構成されたタグトランシーバと、タグ処理装置と、を含む。タグ処理装置は、別の物体と関連する別のタグからブロードキャストメッセージを受け取るように構成されている。タグ処理装置は、ブロードキャストメッセージから得られた物体タイプ識別子を使用してその他の物体の物体タイプと関連する物体規則にアクセスし、且つ、次いで、ブロードキャストメッセージ内の関連するコンテキストデータの識別に物体規則を使用する。次いで、関連するコンテキストデータ及び物体規則は、トリガイベントが発生したかどうかの識別に使用され、且つ、発生する場合には、トリガイベントと関連するアクションを判定し、これにより、アクションが実行されることを許容する。
【0218】
以下、図13を参照し、実行可能物体規則を実装するプロセスの一例について更に詳細に説明することとする。
【0219】
この例において、タグ310は、1300において、場所ブロードキャストメッセージ、タグブロードキャストメッセージ、又はこれらに類似したものなどのブロードキャストメッセージを受け取っており、且つ、ステップ1310において、物体タイプ識別子を判定し、これにより、例えば、上述のものに類似した方式によってブロードキャストメッセージヘッダからこれらを取得する。
【0220】
ステップ1320において、複数の物体コードに対応する物体規則コードが実行されている。そして、通常は、すべての読み込まれた物体規則用の実行可能なコードスニペットの形態を有する物体コードが実行されることになり、この場合に、実行の初期ステージは、ステップ1330における関連する物体タイプが受け取られたブロードキャスト規則の1つの内部において識別されているかどうかの評価を伴っている。識別されていない場合には、その個々の規則スニペットは、実行を休止し、且つ、プロセスは、次のコードスニペットに移動する。
【0221】
さもなければ、ステップ1340において、個々のブロードキャストメッセージ内の関連する位置が識別され、規定された場所からの関連するコンテキストデータがステップ1350において分析されており、これにより、タグ処理装置が、個々の物体規則が違反されているかどうかと、トリガイベントが発生するかと、をステップ1360において評価することを許容する。
【0222】
従って、上述のシステムは、タグ310が物体の監視に使用されることを許容し、これにより、トリガイベントがタグのコンテキストに基づいて識別されるようにするために、メカニズムを提供しており、この場合に、アクションが必要に応じて実行されている。
【0223】
これに加えて、上述のシステムは、タグ310が物体の監視に使用されることを許容し、これにより、トリガイベントがタグのコンテキストに基づいて識別されるようにするために、メカニズムを提供しており、この場合に、アクションは、必要に応じて実行されている。これに加えて、システムは、履歴物体振る舞いに基づいて予測モデルを生成するために使用することが可能であり、この場合に、このような予測モデルは、トリガイベントがいつ発生する可能性が高いかを予測するために使用されている。そして、これは、トリガイベントの防止を試みるためにアクションを実行するのに使用することができる。
【0224】
具体的には、システムは、一例においては、絶対的に、概略的に、或いは、その他の物体との関係において、それ自体の場所を特定する能力を有する、且つ、場所、定義された物体用の排除ゾーン、特定のタイプの物体に対する近接性、物体に不適当な環境条件、時刻、又はこれらに類似したものを含む、ローカルに導出されたコンテキストにおいて評価される装着された物体に関連する1つ又は複数の準拠規則を有する、物体に装着されうるタグを提供する。
【0225】
一例においては、これは、準拠又はその他の物体規則が違反されたかどうかを判定し、且つ、次いで、例えば、外部パーティによってアクションされるべき違反について詳述する音声メッセージなどの通知を通じて違反を通知するために応答を実行するために、或いは、タグが物体を制御するようにさせる、ロボット又は車両又はこれらに類似したものへの電力をシャットオフするなどのように、物体の更なる運動を無効化するなどのように、物体に影響を及ぼすことによって違反自体を解決するように試みるために、使用することができる。
【0226】
一例においては、タグは、それが関連付けられた物体のタイプを認知しており、且つ、任意に、場所、範囲、又はこれらに類似したものなどの、更なる情報と共に、これの情報を通告することができる。次いで、関連する物体の特性は、複雑な法的な又はその他の準拠文書及びフレームワークを実施する物体規則にアクセスするのに使用され、これは、通常は、トリガ及び関連するアクションを定義する条件付き文の形態を有する、プログラムによって表された物体規則の組に変換することができる。この結果、タグが、1つ又は複数の規則の違反を検出するために、且つ、従って、違反されている規則に固有の1つ又は複数の関連するアクションを実行するために、ローカルに導出されたコンテキスト情報を使用することにより、物体規則を実質的に連続的に評価可能となるようにすることができる。
【0227】
これにより、複雑な振る舞いが規則内において実施されることを許容することが可能であり、この場合に、トリガが、物体及び環境内のその他の物体に関係するコンテキスト情報に基づいて識別されている。例えば、タグが、Hガスボトルに割り当てられている場合には、タグが、その独自の場所及び任意の近傍のOガスボトルの場所を評価するようにする規則を定義することができる。規則が、評価され、且つ、近接性制限が違反されている場合には、規則は、この物体が規則に違反しており、且つ、アクションが実行される必要がある、という、発話の文章又は事前に記録された発話を使用したアナウンス、或いは、視覚的インジケータの表示、などの、対応するアクションをトリガすることになる。
【0228】
このシステムは、ロボットアプリケーションに適用することが可能であり、この一例は、それ自体をローカライズすることができる、且つ、その他のタグ及び/又は場所に対する近接性に基づいて準拠の違反に関係する1つ又は複数の規則を有することができる能力を、テレプレゼンスに付与する。タグは、場所、その他の物体との関係における状態、排除ゾーン、フロアマップなどのような準拠をプログラムによって表す規則のコンポーネント及び規則との関連において、マップデータを使用しうるであろう。これらの規則及び準拠は、タグとの直接的なピアツーピア通信により事前に読み込まれてもよく、動的に読み込まれてもよく、或いは、ほぼリアルタイムで提供されてもよい。これらは、ロボットが、許容されていないエリア内に自身が存在しうることを理解するための、且つ、ロボットが、だれかが来てそのエリアから外に出すまでそこに留まるようにロボットの電力を停止するなどのような、その状況を取り扱うための適切なアクションを実行するための、固有の能力をロボットに付与する。
【0229】
別の例においては、車両、ツール、又はこれらに類似したものなどの、機器は、機器に関連する動作要件に関する規則を定義したタグを装備しうるであろう。動作要件は、機器の周りの排除ゾーン、認可された操作者に関する情報、又はこれらに類似したものを定義しうるであろう。この例においては、認可された操作者には、ユーザーが機械を使用するための許可を提供するタグを提供することができよう。認可されていないユーザーが、機器の定義された近接性内において検出された場合には、アラーム又は通知を生成することができよう。
【0230】
従って、上述のシステムは、低電力の場所特定エンジンを利用し、且つ、物体に固有に設定された準拠規則によってこれを強化することにより、リアルタイムの原位置準拠チェック及びアクションを実行するために、低電力の安価なタグの使用を可能にする。タグは、装着されている物体をタグが認知しており、且つ、従って、物体に対応する準拠規則のサブセットを使用しうる、という点において、基本的に自己認知型である。これに加えて、装置は、その他の物体と関連するタグが、物体との関係においてその規則を評価しうるように、自身が装着された物体のプロパティを通告する。
【0231】
システムは、制限されたエリア内に存在する、或いは、物体の別の特定のタイプとの関係における、人々、に加えて、ポリシー文書に基づいた多くのその他の変動、を含む、物体などの準拠ポリシーの違反が発生した時点を通知しうる、という点において、調節技術用途のために広範に使用することができる。但し、病院内の免疫不全患者が過度に近接して存在する時、制限エリア(即ち、指定されたパドックの外側)内に家畜が進入した時、の通知の提供、進入が許されていないエリアに進入した場合、スタッフが特定の機器の使用又は特定の部屋へのアクセスのための資格を有していない場合、の場所に基づいたセンサ/キルスイッチ、などの、一般的な状態チェックの多数の用途が存在する。
【0232】
また、規則違反に応答することにより、全体的に反応型であることに加えて、システムは、規則違反に結び付く振る舞いのパターンを識別するために、機械学習と組み合わせることもできる。これらのパターンは、例えば、違反が発生する前にユーザーに警告し、これにより、違反が防止されることを許容するように、いつ規則違反が発生する可能性が高いかを予測し、これにより、結果的に介入が実行されることを許容するように、使用することができる。
【0233】
広範な一形態において、システムは、履歴物体振る舞いに基づいて予測モデルを生成するように使用することが可能であり、この場合に、このような予測モデルは、トリガイベントがいつ発生する可能性が高いかを予測するために使用されている。例えば、これは、予測モデルの生成に、トリガイベントに結び付く履歴コンテキストデータに基づいて特徴ベクトルを使用することが可能であり、そして、これは、タグ用の最近のコンテキストデータがトリガイベントが発生する尤度を予測するように利用されることを許容することができる。そして、これは、トリガイベントの防止を試みるためにアクションを実行するために使用することが可能であり、これは、結果的に、改善された準拠に結び付きうる。
【0234】
別の広範な形態において、上述のシステムは、特定のメッセージフォーマッティングを利用し、これにより、データ処理要件が格段に低減されることを許容することができる。具体的には、このシステムは、特定の物体規則に関連するコンテキストデータがより容易に識別及び処理されうるように特定の物体用の異なるタイプのコンテキストデータがブロードキャストメッセージの所与の部分内において常に保存されているメッセージフォーマットを利用することができる。これは、タグ処理装置が、受け取られたデータの過半を無視することを許容し、これにより、タグが複雑なハードウェアを必要とすることなしに大量のブロードキャストデータを処理することを可能にする。
【0235】
別の広範な形態において、上述のシステムは、例えば、規則パラメータの更新を許容するために、物体規則が更新されることを許容するように、仮想物体を使用することができる。
【0236】
これらの広範な形態は、集合的に利用されうるが、これは、必須ではなく、且つ、これらのそれぞれは、独立的に実装されうることを理解されたい。
【0237】
本明細書及び添付の請求項の全体を通じて、文脈が、そうではない旨を必要としていない限り、「有する(comprise)」という単語、並びに、「有する(comprises)」又は「有する(comprising)」などの変形は、記述されている完全体(integer)又は完全体若しくはステップのグループの包含を意味し、且つ、任意のその他の完全体若しくは完全体のグループの排除を意味するものではないことを理解されたい。
【0238】
当業者は、多数の変形及び変更が明らかとなることを理解するであろう。このような、当業者には明らかとなるすべての変動及び変更は、以上において広範に表現されている本発明の精神及び範囲に含まれるものと見なされたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13