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  • 特許-騒音性能を向上させるためのタイヤ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】騒音性能を向上させるためのタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/00 20060101AFI20240610BHJP
   B60C 9/22 20060101ALI20240610BHJP
   B60C 9/00 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
B60C11/00 B
B60C9/22 C
B60C11/00 C
B60C11/00 D
B60C9/00 G
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022538739
(86)(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(86)【国際出願番号】 JP2019050467
(87)【国際公開番号】W WO2021130832
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】プルー ジョリス
(72)【発明者】
【氏名】エンダーリン アレクサンドレ
【審査官】岩本 昌大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0221303(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0059632(US,A1)
【文献】特開2005-219733(JP,A)
【文献】特開2001-206013(JP,A)
【文献】特開2009-286317(JP,A)
【文献】特開平07-232511(JP,A)
【文献】特開2003-182307(JP,A)
【文献】特開平06-344469(JP,A)
【文献】特表2006-527679(JP,A)
【文献】特表2003-516263(JP,A)
【文献】特開2000-198319(JP,A)
【文献】特表2005-533933(JP,A)
【文献】特開2001-063310(JP,A)
【文献】特開2011-042339(JP,A)
【文献】特開2009-280167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 1/00-19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド(2)と、前記トレッド(2)の半径方向内側に配置された少なくとも1つのカーカスプライ(8)と、前記トレッド(2)と前記少なくとも1つのカーカスプライ(8)との半径方向中間に配置された少なくとも1つのプライ(7)とを含む、タイヤ(1)であって、前記トレッド(2)が、回転時に地面に接することになる幅TWの接触面(21)を有し、前記トレッド(2)が、ほぼ周方向に延び前記接触面(21)へと開口する、深さDの少なくとも1つの溝(3)を備え、前記トレッド(2)が、中央領域(22)と、前記中央領域(22)の2つの軸方向側部に配置されたショルダ領域(23)の対とを含み、
前記ショルダ領域(23)の対がそれぞれ、前記トレッド(2)を構成するゴム組成物とは異なるショルダゴム組成物で作られた、厚さtsのショルダゴム層(25)を含み、前記ショルダゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は1.0MPa以下であり、
前記タイヤ(1)が、キャッププライ(6)であって、前記キャッププライ(6)のケーブル(61)がほぼ周方向に延び、少なくとも、前記トレッド(2)の前記ショルダ領域(23)の対に対応する領域内において前記トレッド(2)と前記少なくとも1つのプライ(7)との半径方向中間に配置された、キャッププライ(6)を更に含み、
前記タイヤが、前記キャッププライ(6)の前記ケーブル(61)が延びる方向における5%のひずみ下でのキャッププライ幅10mmあたりの前記キャッププライ(6)の力F5%が900Nよりも大きく、
前記中央領域(22)が、前記ショルダゴム組成物及び前記トレッド(2)を構成する前記ゴム組成物の両方と異なる中央ゴム組成物で作られた、厚さtfの中央ゴム層(24)を含み、前記中央ゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は、前記トレッド(2)を構成する前記ゴム組成物の前記せん断貯蔵弾性率G’よりも高く、
前記中央領域(22)が、前記トレッド(2)を構成するゴム組成物よりも、せん断貯蔵弾性率G’が低いゴム組成物で構成されたゴム層を含まない、
ことを特徴とするタイヤ(1)。
【請求項2】
前記キャッププライ(6)が、前記少なくとも1つのプライ(7)の半径方向最外プライ(7)の全幅を覆うように設けられている、
請求項1に記載のタイヤ(1)。
【請求項3】
前記キャッププライ(6)が、前記プライ(7)の全幅を覆うように設けられている、
請求項1又は2に記載のタイヤ(1)。
【請求項4】
前記ショルダゴム層(25)が、前記タイヤ(1)が新品のときには前記接触面(21)上に見えない、
請求項1~3のいずれか一項に記載のタイヤ(1)。
【請求項5】
前記ショルダゴム層(25)が、前記少なくとも1つの溝(3)の前記深さDの50%の高さより半径方向下に設けられている、
請求項1~4のいずれか一項に記載のタイヤ(1)。
【請求項6】
前記中央ゴム層(24)の前記厚さtfが、前記ショルダゴム層(25)の前記厚さtsよりも薄い、
請求項に記載のタイヤ(1)。
【請求項7】
前記中央ゴム層(24)又は前記ショルダゴム層(25)以外の、前記トレッド(2)を構成する前記ゴム組成物の前記せん断貯蔵弾性率G’が6.0MPa以下である、
請求項1又は6に記載のタイヤ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤのトレッドに関し、特に、騒音性能の向上を提供するタイヤのトレッドに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特に車の電動化に向けた乗員の快適性及び環境への配慮の観点における車のプレミアム化及び品質向上により、様々な騒音低減が望まれている。
【0003】
タイヤからの騒音には、様々な成分、即ち外部騒音の成分と内部騒音の成分とが含まれることは知られている。内部騒音には、回転時のトレッド部の励振による振動が含まれ、この振動は、ホイールリム、軸、サスペンション、及び車体に伝達され、次いで、車内で騒音として聞こえる。
【0004】
このような騒音を改善するために、トレッドに相対的に軟質のゴムを配置することにより、トレッド部の励振による振動を低減することが有効であることは知られている。このような騒音を改善するための様々な解決策が提案されている。
【0005】
欧州特許第0827845号明細書は、トレッド層とベルト補強材との間に配置された、剛性を低減させたゴム構成要素を有するタイヤを開示しており、剛性を低減させたゴム構成要素は、トレッド層に対する最大長手方向接触応力及び最大横方向接触応力が、そのような剛性を低減させたゴム構成要素のないタイヤと比較して減少するような硬さ及び幾何学的形状を有する。
【0006】
国際公開第2012119844号パンフレットは、ラジアル方向に、異なるゴムコンパウンドからなる2つの層を含むトレッドと、トレッドキャップと、トレッドベースであって、軸方向において見たトレッドベースは、少なくとも、半径方向外側に向けられた、中心セグメントと2つの側方セグメントとを有し、2つの側方セグメントは、低い転がり抵抗に関して、ハンドリング挙動を悪化させることなく、トレッドベースの中心セグメントに比べると、55℃における低い動的弾性係数E’及び低いシステリシスを有するゴムコンパウンドからなる、トレッドベースとを有する空気入り車両タイヤを開示している。
【0007】
JP2000198319号明細書は、キャップトレッド層と下トレッド層との2層構造のトレッド部を有する空気入りタイヤを開示している。下トレッド層は、中央領域と、中央領域から外側に連続的に延びるショルダ領域とによって構成され、これら領域は、互いに異なるゴム組成物を含み、中央領域には、JIS-A硬度が65~80のゴム層が配置されており、ショルダ領域には、JIS-A硬度が50~70のゴム層が配置されている。
【0008】
JP2009286317号明細書は、2層トレッドと、ベースゴムと、キャップゴムとを有するタイヤを開示している。ベースゴムは、幅方向中央に位置する中央ベースゴムセグメントと、中央ベースゴムセグメントの幅方向外側の両側に位置するショルダベースゴムセグメントに分かれており、中央ベースゴムセグメントの動的弾性率(E’)は、30℃にて8.0~18.0であり、ショルダベースゴムセグメントの動的弾性率(E’)は、30℃にて3.0~7.0である。
【0009】
JP2008049923号明細書は、タイヤの赤道線で分離された位置よりも、トレッド幅の少なくとも3分の1だけタイヤ幅方向に外側のエリアに配置されたベルト補強層を備える空気入りタイヤを開示している。ベルト補強層は、張力がベルトコード以上である複数の補強コードをゴム引きすることによって作製され、補強コードは、315~500Hzの周波数範囲における道路の騒音を低減するために、タイヤの周方向に対して斜めに延びる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】欧州特許第0827845号明細書
【文献】国際公開第2012119844号パンフレット
【文献】JP2000198319号明細書
【文献】JP2009286317号明細書
【文献】JP2008049923号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、これらの文書に開示される解決策では、騒音性能の向上が満足なものではない。また、同時に、ハンドリング性能の劣化が許容できる水準ではない。したがって、適度な水準のハンドリング性能を維持しつつ、騒音性能を一層向上させることが望まれている。
【0012】
したがって、適度な水準のハンドリング性能を維持しつつ、騒音性能の向上を提供するタイヤに対するニーズがある。
【0013】
定義:
「ラジアル方向(direction)/配向(orientation)」は、タイヤの回転軸に垂直な方向/配向である。この方向/配向は、トレッドの厚さ方向に対応する。
【0014】
「軸方向/配向」は、タイヤの回転軸に平行な方向/配向である。
【0015】
「周方向/配向」は、回転軸を中心とした任意の円に接する方向/配向である。この方向/配向は、軸方向/配向とラジアル方向/配向の両方に垂直である。
【0016】
「タイヤ」とは、内圧に曝されるか否かを問わず、全ての種類の弾性タイヤを意味する。
【0017】
タイヤの「トレッド」とは、外側面と、2つの主面(このうちの1つがタイヤの回転時に地面に接することになる)とによって境界される一定量のゴム材料を意味する。
【0018】
「溝」とは、別のゴム面/底面によって接続され、通常の回転状況下では2つのゴム面/サイドウォール間で接触しない2つのゴム面/サイドウォール間の空間である。溝は、幅及び深さを有する。
【0019】
「コンタクトパッチ」とは、ETRTO、JATMA、又はTRAなどのタイヤ規格で識別されるその標準リムに装着され、その定格圧力及びその定格荷重で膨らませたタイヤのフットプリントである。接触面の「幅TW」は、タイヤの回転軸に沿ったコンタクトパッチの最大接触幅である。
【0020】
「せん断貯蔵弾性率G’」とは、23℃、10Hz、及び10%のひずみにて測定されたせん断貯蔵弾性率である。
【0021】
したがって、本発明の目的は、適度な水準のハンドリング性能を維持しつつ、騒音性能の向上を提供するタイヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、トレッドと、トレッドの半径方向内側に配置された少なくとも1つのカーカスプライと、トレッドと少なくとも1つのカーカスプライとの半径方向中間に配置された少なくとも1つのプライとを含む、タイヤであって、トレッドは、回転時に地面に接することになる幅TWの接触面を有し、トレッドは、ほぼ周方向に延び、接触面へと開口する、深さDの少なくとも1つの溝を備え、トレッドは、中央領域と、中央領域の2つの軸方向側部に配置されたショルダ領域の対とを含み、ショルダ領域の対はそれぞれ、トレッドを構成するゴム組成物とは異なるショルダゴム組成物で作られた、厚さtsのショルダゴム層を含み、ショルダゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は1.0MPa以下であり、タイヤは、キャッププライであって、キャッププライのケーブルがほぼ周方向に延び、少なくとも、トレッドのショルダ領域の対及び少なくとも1つのプライに対応する領域内においてトレッドと少なくとも1つのプライとの半径方向中間に配置されたキャッププライを更に含み、キャッププライのケーブルが延びる方向における5%のひずみ下でのキャッププライ幅10mmあたりのキャッププライの力F5%が900Nよりも大きい、タイヤを提供する。
【0023】
この構成は、適度な水準のハンドリング性能を維持しつつ、騒音性能の向上を提供する。
【0024】
ショルダゴム層は、ショルダ領域の対に含まれ、中央領域には含まれないため、ハンドリング性能の劣化は限定される。これは、中央領域は、ショルダ領域に比べると接触長さがより長いために、ハンドリング性能に主に影響するからである。したがって、適度な水準のハンドリング性能を維持することが可能である。
【0025】
ショルダ領域の対はそれぞれ、ショルダゴム層を含み、ショルダゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は1.0MPa以下であるため、ショルダゴム層は、回転時のトレッドの励振を効果的に低減することができる。したがって、騒音性能を向上させることが可能である。
【0026】
ショルダゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’が1.0MPaを超える場合、騒音性能の向上が不十分となるリスクがある。ショルダゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’を1.0MPa以下に設定することによって、ショルダゴム層は、回転時のトレッドの励振を効果的に低減することができる。
【0027】
ショルダゴム組成物のこのせん断貯蔵弾性率G’は、好ましくは0.1~1.0MPa、より好ましくは0.1~0.7MPaである。
【0028】
タイヤは、キャッププライであって、キャッププライのケーブルがほぼ周方向に延び、少なくとも、トレッドのショルダ領域の対に対応する領域内においてトレッドと少なくとも1つのプライとの半径方向中間に配置されたキャッププライを更に含むため、キャッププライは、追加の剛性をトレッドに付与することができ、ショルダゴム層がショルダゴム組成物を備えることによるトレッド剛性の損失を埋め合わせする。したがって、ハンドリング性能を向上させることが可能である。
【0029】
キャッププライのケーブルが延びる方向における5%のひずみ下でのキャッププライ幅10mmあたりのキャッププライの力F5%は900Nよりも大きいため、そのようなキャッププライは、トレッドのたわみモードをより高い周波数範囲にシフトさせる一方で、トレッドを更に補強する。したがって、ハンドリング性能を維持しながら、騒音性能を効果的に向上させることが可能である。
【0030】
別の好ましい実施形態では、キャッププライは、少なくとも1つのプライの半径方向最外プライの全幅を覆うように設けられている。
【0031】
この構成によれば、キャッププライは、ハンドリング性能を向上させると共に、トレッドのたわみモードに起因する振動を効果的に抑制するように機能するため、ハンドリング性能を維持しながら、騒音性能を効果的に向上させることが可能である。
【0032】
別の好ましい実施形態では、キャッププライは、プライの全幅を覆うように設けられている。
【0033】
この構成によれば、キャッププライは、ハンドリング性能を向上させると共に、トレッドのたわみモードに起因する振動を効果的に抑制するように機能するため、ハンドリング性能を維持しつつ、騒音性能を効果的に向上させることが一層可能である。
【0034】
別の好ましい実施形態では、ショルダゴム層は、タイヤが新品のときには接触面上に見えない。
【0035】
この構成によれば、コンタクトパッチは、バランスのとれた性能を実現するように設計されたトレッドを構成するゴム組成物によって占められているため、騒音及びハンドリングに関してのみならず、その他の性能についても良好な初期性能を示すことが可能である。
【0036】
別の好ましい実施形態では、ショルダゴム層は、少なくとも1つの溝の深さDの50%の高さより半径方向下に設けられている。
【0037】
この構成によれば、コンタクトパッチが、少なくとも摩耗寿命の中頃まで、バランスのとれた性能を実現するように設計されたトレッドを構成するゴム組成物によって継続的に占められているため、良好な初期性能を、騒音及びハンドリングに関してのみならず、その他の性能についてもより長く維持することが可能である。
【0038】
別の好ましい実施形態では、中央領域は、ショルダゴム組成物及びトレッドを構成するゴム組成物の両方と異なる中央ゴム組成物で作られた、厚さtfの中央ゴム層を含み、中央ゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は、トレッドを構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’よりも高い。
【0039】
この構成によれば、トレッドを構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’よりも高いせん断貯蔵弾性率G’を有する中央ゴム組成物で作られた中央ゴム層はあまり変形せず、中央ゴム層以外の中央領域内のトレッドは、所与のスリップ角にてより大きく変形する必要があり、それゆえより強い横力が発生するため、ハンドリング性能を向上させることが可能である。
【0040】
別の好ましい実施形態では、中央ゴム層の厚さtfはショルダゴム層の厚さtsよりも薄い。
【0041】
この構成によれば、ショルダゴム層厚さが厚いほどトレッド励振の低減を確実にし、中央ゴム層厚さが薄いほどより高い横力の発生を確実にするため、騒音性能とハンドリング性能の両方を同時に且つ効率的に向上させることが可能である。
【0042】
中央ゴム層の厚さtfがショルダゴム層の厚さtsよりも厚い場合、中央ゴム層に比べてショルダゴム層の体積が相対的に小さいためにショルダゴム層によるトレッド励振の低減が不十分になるリスクがあり、したがって、騒音性能の向上が不十分になる。中央ゴム層の厚さtfをショルダゴム層の厚さtsよりも薄く設定することによって、騒音性能とハンドリング性能の両方を同時に且つ効率的に向上させることが可能である。
【0043】
別の好ましい実施形態では、中央ゴム層又はショルダゴム層以外の、トレッドを構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は6.0MPa以下である。
【0044】
中央ゴム層又はショルダゴム層以外の、トレッドを構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’が6.0MPaを超える場合、ショルダゴム層を備えていてもトレッド自体が硬くなりすぎるため、騒音性能の向上が不十分になるリスクがある。中央ゴム層又はショルダゴム層以外の、トレッドを構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’を6.0MPa以下に設定することによって、ハンドリング性能を向上させつつ又は適度な水準のハンドリング性能を少なくとも維持しつつ、騒音性能を向上させることが可能である。
【0045】
中央ゴム層又はショルダゴム層以外の、トレッドを構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は、好ましくは、4.0MPa以下、より好ましくは、3.0MPa以下である。
【発明の効果】
【0046】
上述の構成によれば、適度な水準のハンドリング性能を維持しつつ、騒音性能の向上を提供するタイヤを提供することが可能である。
【0047】
本発明のその他の特徴及び利点は、非限定的な例として本発明の実施形態を示す添付の図面を参照する以下の説明から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明の第1の実施形態によるタイヤの概略断面図である。
図2】本発明の第2の実施形態によるタイヤの概略断面図である。
図3】本発明の第3の実施形態によるタイヤの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図面を参照し、本発明の好ましい実施形態を以下に記載する。
【0050】
図1を参照し、本発明の第1の実施形態によるタイヤ1について記載する。
【0051】
図1は、本発明の第1の実施形態によるタイヤの概略断面図である。図1に示されるタイヤ1は、ラジアル方向に延びる中心線C-C’に関して分割されたタイヤ1のトレッドの一部分の半分である。この図1に示される以外の部分、例えば、サイドウォール部又はビード部は、典型的なラジアルタイヤ構造であるため、そのような部分の説明については省略する。
【0052】
タイヤ1は、寸法235/45R18を有するタイヤであり、トレッド2と、トレッド2の半径方向内側に配置された少なくとも1つのカーカスプライ8と、トレッド2と少なくとも1つのカーカスプライ8との半径方向中間に配置された少なくとも1つのプライ7とを含む。トレッド2は、回転時に地面に接することになる幅TWの接触面21を有する。トレッド2は、ほぼ周方向に延び、接触面21へと開口する、深さDの少なくとも1つの溝3を備える。溝3は、タイヤ1の法的摩耗限界を示す摩耗表示手段37を備える。トレッド2は、中心線C-C’を含む中央領域22と、中央領域22の2つの軸方向側部に配置されたショルダ領域23の対とを含む。トレッド2は、1つの中央領域22と幅TWを有する2つのショルダ領域23との、3つの領域に等分されている。典型的なラジアルタイヤ構造と同じように、カーカスプライ8(又はケーシングプライ)と、空気圧低下を抑制するためのインナライナを備えていても又は備えていなくてもよいタイヤの本体と、プライ7(又はベルト)と、ケーブル若しくはワイヤ若しくはストリングの形態の金属又はテキスタイル又はその他の材料の1つ以上のゴムコーティング層とがトレッド2の半径方向内側に提供される。
【0053】
図1に示すように、ショルダ領域23の対はそれぞれ、トレッド2を構成するゴム組成物とは異なるショルダゴム組成物で作られた、厚さtsのショルダゴム層25を含む。ショルダゴム層25の厚さtsは、溝3の下以外を、プライ7の軸方向最外部までカーカスプライ8に垂直に測定したショルダゴム層25の平均厚さと理解すべきである。
【0054】
図1に示すように、ショルダゴム層25は、トレッド2が新品のときには接触面21上に見えず、ショルダゴム層25は、少なくとも1つの溝3の深さDの50%の高さより半径方向下に設けられている。ショルダゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は1.0MPa以下であり、トレッド2を構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は6.0MPa以下である。本実施形態では、ショルダゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は0.15MPaであり、トレッド2を構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は2.3MPaである。
【0055】
図1に示すように、タイヤ1は、少なくとも1つのプライ7の半径方向最外プライ7の全幅を覆うようにトレッド2と少なくとも1つのプライ7との半径方向中間に配置されたキャッププライ6を更に含む。キャッププライ6のケーブル61は、タイヤ1のほぼ周方向に、即ち、周方向に対して10°以内に延びる。キャッププライ6のケーブル61が延びる方向における5%のひずみ下でのキャッププライ幅10mmあたりのキャッププライの力F5%は、900Nよりも大きい。本実施形態では、キャッププライ6のケーブル61が延びる方向における5%のひずみ下でのキャッププライ幅10mmあたりのキャッププライ6の力F5%は、1,248Nである。
【0056】
キャッププライ6のケーブル61として使用される材料は、例えば、鋼などの金属コード、又はレーヨン、アラミド、ポリエチレン、ナイロン、ガラス繊維、炭素繊維、玄武岩繊維、PEN、PVAなどのテキスタイルコード、又はこれらのコードの組み合わせである。本実施形態では、キャッププライ6のケーブル61は、アラミドとナイロンとの組み合わせである。
【0057】
ショルダゴム層25は、ショルダ領域23の対に含まれ、中央領域22には含まれないため、ハンドリング性能の劣化は限定される。これは、中央領域22は、ショルダ領域23に比べると接触長さがより長いために、ハンドリング性能に主に影響するからである。したがって、適度な水準のハンドリング性能を維持することが可能である。
【0058】
ショルダ領域23の対はそれぞれ、ショルダゴム層25を含み、ショルダゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は1.0MPa以下であるため、ショルダゴム層25は、回転時のトレッド2の励振を効果的に低減することができる。したがって、騒音性能を向上させることが可能である。
【0059】
ショルダゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’が1.0MPaを超える場合、騒音性能の向上が不十分となるリスクがある。ショルダゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’を1.0MPa以下に設定することによって、ショルダゴム層25は、回転時のトレッド2の励振を効果的に低減することができる。
【0060】
ショルダゴム組成物のこのせん断貯蔵弾性率G’は、好ましくは0.1~1.0MPa、より好ましくは0.1~0.7MPaである。
【0061】
タイヤ1は、キャッププライ6であって、キャッププライ6のケーブル61がほぼ周方向に延び、少なくとも、トレッド2のショルダ領域23の対に対応する領域内においてトレッド2と少なくとも1つのプライ7との半径方向中間に配置されたキャッププライ6を更に含むため、キャッププライ6は、追加の剛性をトレッド2に付与することができ、ショルダゴム層25がショルダゴム組成物を備えることによるトレッド剛性の損失を埋め合わせする。したがって、ハンドリング性能を向上させることが可能である。
【0062】
キャッププライ6のケーブル61が延びる方向における5%のひずみ下でのキャッププライ幅10mmあたりのキャッププライ6の力F5%は900Nよりも大きいため、そのようなキャッププライ6は、トレッド2のたわみモードをより高い周波数範囲にシフトさせる一方で、トレッド2を更に補強する。したがって、ハンドリング性能を維持しながら、騒音性能を効果的に向上させることが可能である。
【0063】
力F5%は、規格JIS L 1017に従い、10mm幅でサンプリングし、キャッププライ6のケーブル61が延びる方向に伸長させたキャッププライ6に5%の中間の伸びにて印加される力(N)として得ることができる。
【0064】
キャッププライ6は、少なくとも1つのプライ7の半径方向最外プライ7の全幅を覆うように設けられるため、ハンドリング性能を維持しながら、騒音性能を効果的に向上させることが可能である。なぜなら、キャッププライ6は、ハンドリング性能を向上させると共に、トレッド2のたわみモードに起因する振動を効果的に抑制するように機能するからである。
【0065】
ショルダゴム層25は、タイヤ1が新品のときには接触面21上に見えないため、騒音及びハンドリングに関してのみならず、その他の性能についても良好な初期性能を示すことが可能である。これは、コンタクトパッチが、バランスのとれた性能を実現するように設計されたトレッド2を構成するゴム組成物によって占められているからである。
【0066】
ショルダゴム層25は、少なくとも1つの溝3の深さDの50%の高さより半径方向下に設けられているため、良好な初期性能を、騒音及びハンドリングに関してのみならず、その他の性能についてもより長く維持することが可能である。これは、コンタクトパッチが、少なくとも摩耗寿命の中頃まで、バランスのとれた性能を実現するように設計されたトレッド2を構成するゴム組成物によって継続的に占められているからである。
【0067】
ショルダ領域23の対は、互いに異なる幅を有してもよい。1つのショルダ領域23の幅は、好ましくは、トレッド2の幅TWの3分の1以下、より好ましくは、トレッド2の幅TWの10~25%である。1つのショルダ領域23の幅がトレッド2の幅TWの3分の1を超える場合、ショルダゴム層25が不適格になることによるハンドリング性能の劣化のリスクがある。1つのショルダ領域23の幅がトレッド2の幅TWの10%未満である場合、トレッド励振の低減が不十分になることにより騒音性能の向上が不十分になるリスクがある。
【0068】
図2を参照し、本発明の第2の実施形態によるタイヤ41について記載する。図2は、本発明の第2の実施形態によるタイヤの概略断面図である。この第2の実施形態の構造は、図2に示される構成の他は第1の実施形態の構造に類似する。したがって、図2を参照して説明を行う。
【0069】
図2に示すように、タイヤ41は、トレッド42と、トレッド42の半径方向内側に配置された少なくとも1つのカーカスプライ48と、トレッド42と少なくとも1つのカーカスプライ48との半径方向中間に配置された少なくとも1つのプライ47とを含む。トレッド42は、回転時に地面に接することになる幅TWの接触面421を有する。トレッド42は、ほぼ周方向に延び、接触面421へと開口する、深さDの少なくとも1つの溝43を備える。溝43は、タイヤ41の法的摩耗限界を示す摩耗表示手段437を備える。トレッド42は、中心線C-C’を含む中央領域422と、中央領域422の2つの軸方向側部に配置されたショルダ領域423の対とを含む。トレッド42は、1つの中央領域422と幅TWを有する2つのショルダ領域423との、3つの領域に等分されている。
【0070】
図2に示すように、ショルダ領域423の対はそれぞれ、トレッド42を構成するゴム組成物とは異なるショルダゴム組成物で作られた、厚さtsのショルダゴム層425を含み、中央領域422は、ショルダゴム組成物及びトレッド42を構成するゴム組成物の両方と異なる中央ゴム組成物で作られた、厚さtfの中央ゴム層24を含む。中央ゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は、トレッド42を構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’よりも高い。中央ゴム層24又はショルダゴム層425以外の、トレッド42を構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は、6.0MPa以下である。中央ゴム層24の厚さtfは、ショルダゴム層425の厚さtsよりも薄い。本実施形態では、ショルダゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は0.3MPaであり、中央ゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は12.2MPaであり、中央ゴム層24又はショルダゴム層425以外の、トレッド42を構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は2.3MPaである。
【0071】
図2に示すように、タイヤ41は、キャッププライ46を更に含む。キャッププライ46は、そのケーブル461がほぼ周方向に延び、トレッド42のショルダ領域423の対に対応する領域内においてトレッド42と少なくとも1つのプライ47との半径方向中間に配置されている。
【0072】
中央領域422は、ショルダゴム組成物及びトレッド42を構成するゴム組成物の両方と異なる中央ゴム組成物で作られた、厚さtfの中央ゴム層24を含み、中央ゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は、トレッド42を構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’よりも高いため、ハンドリング性能を向上させることが可能である。なぜなら、トレッド42を構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’よりも高いせん断貯蔵弾性率G’を有する中央ゴム組成物で作られた中央ゴム層24はあまり変形せず、中央ゴム層24以外の中央領域422内のトレッド42は、所与のスリップ角にてより大きく変形する必要があり、それゆえより強い横力が発生するからである。
【0073】
中央ゴム層24の厚さtfはショルダゴム層425の厚さtsよりも薄いため、騒音性能とハンドリング性能の両方を同時に且つ効率的に向上させることが可能である。なぜなら、ショルダゴム層厚さが厚いほどトレッド励振の低減を確実にし、中央ゴム層厚さが薄いほどより高い横力の発生を確実にするからである。
【0074】
中央ゴム層24の厚さtfがショルダゴム層425の厚さtsよりも厚い場合、中央ゴム層24に比べてショルダゴム層425の体積が相対的に小さいためにショルダゴム層425によるトレッド励振の低減が不十分になるため、騒音性能の向上が不十分になるリスクがある。中央ゴム層24の厚さtfをショルダゴム層425の厚さtsよりも薄く設定することによって、騒音性能とハンドリング性能の両方を同時に且つ効率的に向上させることが可能である。
【0075】
中央ゴム層24又はショルダゴム層425以外の、トレッド42を構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’が6.0MPa以下であるため、ハンドリング性能を向上させつつ又は適度な水準のハンドリング性能を少なくとも維持しつつ、騒音性能を向上させることが可能である。
【0076】
中央ゴム層24又はショルダゴム層425以外の、トレッド42を構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’が6.0MPaを超える場合、ショルダゴム層425を備えていてもトレッド42自体が硬くなりすぎるため、騒音性能の向上が不十分になるリスクがある。
【0077】
中央ゴム層24とショルダゴム層425は、互いに接触していても又は接触していなくてもよい。
【0078】
図3を参照し、本発明の第3の実施形態によるタイヤ51について記載する。図3は、本発明の第3の実施形態によるタイヤの概略断面図である。この第3の実施形態の構造は、図3に示される構成の他は第1及び第2の実施形態の構造に類似する。したがって、図3を参照して説明を行う。
【0079】
図3に示すように、ショルダ領域523の対はそれぞれ、トレッド52を構成するゴム組成物とは異なるショルダゴム組成物で作られた、厚さtsのショルダゴム層525を含み、中央領域522は、ショルダゴム組成物及びトレッド52を構成するゴム組成物の両方と異なる中央ゴム組成物で作られた、厚さtfの中央ゴム層524を含む。中央ゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は、トレッド52を構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’よりも高い。中央ゴム層524又はショルダゴム層525以外の、トレッド52を構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は、6.0MPa以下である。中央ゴム層524の厚さtfは、ショルダゴム層525の厚さtsよりも薄い。
【0080】
図3に示すように、タイヤ51は、キャッププライ56を更に含む。キャッププライ56は、そのケーブル561がほぼ周方向に延び、プライ57の全幅を覆うようにトレッド52と少なくとも1つのプライ57との半径方向中間に配置されている。
【0081】
キャッププライ56はプライ57の全幅を覆うように設けられているため、ハンドリング性能を維持しつつ、騒音性能を効果的に向上させることが一層可能である。なぜなら、キャッププライ56は、ハンドリング性能を向上させると共に、トレッド52のたわみモードに起因する振動を効果的に抑制するように機能するからである。
【0082】
本発明は、説明され図示された例に限定されず、その枠組みを逸脱することなく、それらに様々な修正を施すことができる。
【実施例
【0083】
本発明の効果を確認するために、本発明を適用した実施例の1種類のタイヤと参考例及び比較例の他の種類のタイヤを用意した。
【0084】
実施例は、上記の第1の実施形態で説明したようなトレッドを備えるタイヤであり、1つのショルダ領域の幅は、トレッドの幅TWの3分の1、ショルダゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は0.15MPa、ショルダゴム層以外の、トレッドを構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は2.3MPa、キャッププライのケーブルが延びる方向における5%のひずみ下でのキャッププライ幅10mmあたりのキャッププライの力F5%は1,248Nであった。参考例は、ショルダゴム層も中央ゴム層もないトレッドを備えるタイヤであり、トレッドを構成するゴム組成物のせん断貯蔵弾性率G’は2.3MPa、キャッププライのケーブルが延びる方向における5%のひずみ下でのキャッププライ幅10mmあたりのキャッププライの力F5%は365Nであった。比較例1は、参考例と類似するトレッドを備えるタイヤであり、キャッププライのケーブルが延びる方向における5%のひずみ下でのキャッププライ幅10mmあたりのキャッププライの力F5%は1,248Nであった。比較例2は、実施例と類似するトレッドを備えるタイヤであり、キャッププライのケーブルが延びる方向における5%のひずみ下でのキャッププライ幅10mmあたりのキャッププライの力F5%は365Nであった。
【0085】
騒音性能試験:
2,500ccの後輪駆動車の4つの車輪全てに未使用の試験タイヤを装着した。直線路の風雨に曝されたアスファルト上において、80kphの一定速度で車を走行させた。窓に近い乗員の耳に配置されたマイクロフォンを使用して内部騒音を測定した。0~500Hzの加重音圧レベルが算出された。
【0086】
結果を表1に示す。この表1では、結果は、参考例に対するdB(A)の差によって示す。値が低いほど性能が良いことを示す。
【0087】
ハンドリング試験:
標準リムに装着し、定格内圧まで膨らませた未使用試験タイヤのコーナリングパワーを、フラットベルト式タイヤ試験機を使用して測定した。タイヤを80kphの一定速度で走行させながら460kgの荷重をかけた。スリップ角±1°にて横力を測定し、+1°及び-1°にて絶対値で測定した横力を平均した。
【0088】
この結果も表1に示す。この表1では、結果は、参考例を100とする指数で示され、この数値が高いほど性能が良いことを示す。
【0089】
【表1】
【0090】
表1から分かるように、実施例は、ハンドリング性能が向上しつつも又は適度な水準のハンドリング性能を維持しつつも、騒音性能の向上を示す。これは、従来技術で開示されるトレッドでは達成することはできない。
【符号の説明】
【0091】
1、41、51 タイヤ
2、42、52 トレッド
21、421、521 接触面
22、422、522 中央領域
23、423、523 ショルダ領域
24、524 中央ゴム層
25、425、525 ショルダゴム層
3、43、53 溝
37、437、537 摩耗表示手段
6、46、56 キャッププライ
61、461、561 ケーブル
7、47、57 プライ
8、48、58 カーカスプライ
図1
図2
図3