(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】レーザコントローラ
(51)【国際特許分類】
F41H 13/00 20060101AFI20240610BHJP
F41G 7/20 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
F41H13/00
F41G7/20
(21)【出願番号】P 2022549530
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(86)【国際出願番号】 GB2021050302
(87)【国際公開番号】W WO2021165645
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-09-12
(32)【優先日】2020-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390038014
【氏名又は名称】ビ-エイイ- システムズ パブリック リミテッド カンパニ-
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS plc
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】スコルチェフスキー、レオン・ポール
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0125964(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0049820(US,A1)
【文献】特表2009-544984(JP,A)
【文献】特開2002-090093(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0103410(US,A1)
【文献】特開2020-016370(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0292481(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41H 13/00
F41G 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境内に放射を送るように動作可能な電磁放射源(101)と、
前記環境
内に送られた前記放射から
生じる後方散乱放射を検出するように動作可能な後方散乱検出器(102)と、
前記検出された後方散乱放射の強度に基づいてレーザ制御信号を生成するように動作可能なプロセッサ(103
)、前記レーザ制御信号はレーザの出力をコントロールするように動作可能である、と、
を備え
、
ここにおいて、前記電磁放射源(101)および前記後方散乱検出器(102)は、ガス流速センサに含まれる、レーザコントローラ(100)。
【請求項2】
前記後方散乱検出器(102)は、前記電磁放射源(101)の動作から生じる
前記後方散乱放射を検出するように動作可能である、請求項1に記載のレーザコントローラ。
【請求項3】
前記後方散乱検出器(102)は、前記電磁放射源(101)に対して第1の距離
の範囲の
前記後方散乱放射を検出するように動作可能である、請求項1または2に記載のレーザコントローラ。
【請求項4】
前記後方散乱検出器(102)は、前記電磁放射源(101)からの前記第1の距離から開始して、1つまたは複数のより大きい距離に移動する、前記電磁放射源(101)からの複数の距離範囲内の
前記後方散乱放射を検出するように動作可能である、請求項3に記載のレーザコントローラ。
【請求項5】
前記プロセッサ(103)は、前記レーザコントローラ(100)によって制御されるレーザ(201)の動作を選択的に有効および無効にするための
前記レーザ制御信号を生成するように動作可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載のレーザコントローラ。
【請求項6】
前記プロセッサ(103)は、前記検出された後方散乱放射
の強度がカットオフ閾値レベルを上回るとき、前記レーザコントローラ(100)によって制御されるレーザ(201)の動作を無効にするための
前記レーザ制御信号を生成するように動作可能である、請求項1に記載のレーザコントローラ。
【請求項7】
前記プロセッサ(103)は、前記後方散乱放射
の強度にしたがって、前記レーザコントローラによって制御されるレーザ(201)の動作パワーを変調するための
前記レーザ制御信号を生成するように動作可能である、請求項1に記載のレーザコントローラ。
【請求項8】
前記プロセッサ(103)は、前記後方散乱放射の前記強度が第1の変調閾値と第2の変調閾値との間にあるとき、前記レーザコントローラ(100)によって制御されるレーザ(201)の前記動作パワーをデフォルトのパワーを上回るように増加させるための
前記レーザ制御信号を生成するように動作可能である、請求項7に記載のレーザコントローラ。
【請求項9】
前記電磁放射源(101)はレーザである、請求項1~8のいずれか一項に記載のレーザコントローラ。
【請求項10】
前記後方散乱検出器(102)は干渉計を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のレーザコントローラ。
【請求項11】
前記レーザ制御信号を使用して
レーザ指向性エネルギー兵器(202)のレーザ(201)を制御するように動作可能である、請求項1~
10のいずれか一項に記載のレーザコントローラ。
【請求項12】
請求項1~
11のいずれか一項に記載のレーザコントローラ(100)を備えるビークル(200)。
【請求項13】
請求項1~
11のいずれか一項に記載のレーザコントローラ(100)を使用して、または請求項
12に記載のビークル上で実行される、レーザを制御する方法(300~301)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザコントローラ、レーザコントローラを組み込んだビークル、およびレーザを制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザは、光路内に汚染がないとき、集光された光エネルギーをかなりの距離にわたって伝達することができる。しかしながら、異なる乱流状態などの大気の歪みおよび汚染、光路内の塵などの微粒子または雲などの高湿度は、入射する光を様々な程度で反射、吸収、および散乱させ、これにより、伝達される強度が減少することを意味する。光路内の汚染が少量であっても、特に、汚染がレーザ光源の近くに位置すると、ターゲットに伝達されるエネルギー量を著しく減少させる可能性がある。
【0003】
光路内の汚染または大気の歪みによって引き起こされる伝達される強度の減少は、レーザ指向性エネルギー兵器(LDEW:laser directed energy weapon)にとって問題である。これらの問題は、問題を悪化させる塩水飛沫または砂埃の舞う砂漠環境などの要因を有する地上レベルおよび海上で深刻であり得る。天候または花粉数などの、異なる時間または異なる日の異なる大気効果が、固定設備に影響を及ぼす可能性がある。ビークルに搭載されたLDEWは、例えば雲の内外を飛行する場合など移動するにつれて、変化する環境条件に遭い得る。さらに、ビークル搭載LDEWは、多くの場合、LDEWが移動式となるように十分小型かつ軽量であること、または別様にビークルの発電および熱管理システムに一体化されることを可能にするために制約を受けるので、例えば、最大動作持続時間または動作の合間の最小時間などの動作制限を有する。これは、LDEW、特にビークル搭載LDEWのレーザを制御するときに考慮すべきさらなる制約が多くの場合存在することを意味する。
【0004】
したがって、光路に影響を及ぼし得る環境条件にしたがってレーザをいつどのようにして動作させるかを制御するための好適なレーザコントローラが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
1つの態様では、
環境内に放射を送るように動作可能な電磁放射源と、
環境からの後方散乱放射を検出するように動作可能な後方散乱検出器と、
検出された後方散乱放射の特性に基づいてレーザ制御信号を生成するように動作可能なプロセッサと、
を備えるレーザコントローラが提供される。
【0006】
1つの例では、後方散乱検出器は、電磁放射源の動作から生じる後方散乱放射を検出するように動作可能である。
【0007】
1つの例では、後方散乱検出器は、電磁放射源に対して第1の距離範囲の後方散乱放射を検出するように動作可能である。
【0008】
1つの例では、後方散乱検出器は、電磁放射源に対して複数の異なる距離範囲内の後方散乱放射を検出するように動作可能である。
【0009】
1つの例では、後方散乱検出器は、電磁放射源から複数の距離範囲内の後方散乱放射を検出するように動作可能である。1つの例では、後方散乱検出器は、電磁放射源からの第1の距離から開始して、1つまたは複数のより大きい距離に移動する、電磁放射源からの複数の距離範囲内の後方散乱放射を検出するように動作可能である。
【0010】
1つの例では、プロセッサは、検出された後方散乱放射の強度を含む検出された後方散乱放射の特性に基づいてレーザ制御信号を生成するように動作可能である。
【0011】
1つの例では、プロセッサは、レーザコントローラによって制御されるレーザの動作を選択的に有効および無効にするためのレーザ制御信号を生成するように動作可能である。
【0012】
1つの例では、プロセッサは、検出された後方散乱放射の強度がカットオフ閾値レベルを上回るとき、レーザコントローラによって制御されるレーザの動作を無効にするためのレーザ制御信号を生成するように動作可能である。
【0013】
1つの例では、プロセッサは、検出された後方散乱放射の強度がカットオフ閾値レベルを下回るとき、レーザコントローラによって制御されるレーザの動作を有効にするためのレーザ制御信号を生成するように動作可能である。
【0014】
1つの例では、プロセッサは、後方散乱放射の強度にしたがって、レーザコントローラによって制御されるレーザの動作パワーを変調するためのレーザ制御信号を生成するように動作可能である。1つの例では、プロセッサは、後方散乱放射の強度が第1の変調閾値と第2の変調閾値との間にあるとき、レーザコントローラによって制御されるレーザの動作パワーをデフォルトのパワーを上回るように増加させるためのレーザ制御信号を生成するように動作可能である。
【0015】
1つの例では、第2の変調閾値は、カットオフ閾値レベルを下回る。
【0016】
1つの例では、電磁放射源は、紫外線放射を送るように動作可能である。1つの例では、電磁放射源はレーザである。1つの例では、電磁放射源は、レーザ制御信号によって制御されるレーザから独立して動作可能である。
【0017】
1つの例では、後方散乱検出器は干渉計を備える。
【0018】
1つの例では、電磁放射源および後方散乱検出器は、ガス流速センサの一部を構成する。1つの例では、ガス流速センサは、ドップラ周波数シフトセンサを備える。
【0019】
1つの例では、レーザコントローラは、レーザ制御信号を使用してLDEWのレーザを制御するように動作可能である。1つの例では、レーザコントローラは、LDEWと一体である。1つの例では、電磁放射源は、LDEWのレーザと位置合わせされた方向に放射を送るように動作可能である。1つの例では、放射源は、LDEWのレーザと同じ軸に沿って放射を送るように動作可能である。1つの例では、レーザコントローラは、LDEWと一体であり、LDEWのレーザを電磁放射源として動作させるように配置構成される。
【0020】
別の態様では、本明細書に記載のレーザコントローラを備えるビークルが提供される。1つの例では、ビークルは航空機を備える。
【0021】
別の態様では、レーザを制御する方法が提供され、本方法は、環境内に放射を送るように電磁放射源を動作させることと、環境からの後方散乱放射を検出するように後方散乱検出器を動作させることと、検出された後方散乱放射の特性に基づいてレーザ制御信号を生成することとを備える。
【0022】
1つの例では、本方法は、本明細書に記載のレーザコントローラによって実行される。1つの例では、本方法は、本明細書に記載のビークルにおいて実行される。
【0023】
1つの例では、本方法は、電磁放射源の動作から生じる後方散乱放射を検出するように後方散乱検出器を動作させることを備える。
【0024】
1つの例では、本方法は、電磁放射源に対して第1の距離範囲の後方散乱放射を検出するように後方散乱検出器を動作させることを備える。
【0025】
1つの例では、本方法は、電磁放射源に対して複数の異なる距離範囲内の後方散乱放射を検出するように後方散乱検出器を動作させることを備える。
【0026】
1つの例では、本方法は、電磁放射源から複数の距離範囲内の後方散乱放射を検出するように後方散乱検出器を動作させることを備える。1つの例では、本方法は、電磁放射源からの第1の距離から開始して、1つまたは複数のより大きい距離に移動する、電磁放射源からの複数の距離範囲内の後方散乱放射を検出するように後方散乱検出器を動作させることを備える。
【0027】
1つの例では、本方法は、検出された後方散乱放射の強度を含む検出された後方散乱放射の特性に基づいてレーザ制御信号を生成することを備える。
【0028】
1つの例では、本方法は、レーザコントローラによって制御されるレーザの動作を選択的に有効および無効にするためのレーザ制御信号を生成することを備える。
【0029】
1つの例では、本方法は、検出された後方散乱放射の強度がカットオフ閾値レベルを上回るとき、レーザコントローラによって制御されるレーザの動作を無効にするためのレーザ制御信号を生成することを備える。
【0030】
1つの例では、本方法は、検出された後方散乱放射の強度がカットオフ閾値レベルを下回るとき、レーザコントローラによって制御されるレーザの動作を有効にするためのレーザ制御信号を生成することを備える。
【0031】
1つの例では、本方法は、後方散乱放射の強度にしたがって、レーザコントローラによって制御されるレーザの動作パワーを変調するためのレーザ制御信号を生成することを備える。1つの例では、本方法は、後方散乱放射の強度が第1の変調閾値と第2の変調閾値との間にあるとき、レーザコントローラによって制御されるレーザの動作パワーをデフォルトのパワーを上回るように増加させるためのレーザ制御信号を生成することを備える。
【0032】
1つの例では、本方法は、レーザ制御信号によって制御されるレーザとは独立して電磁放射源を動作させることを備える。
【0033】
1つの例では、本方法は、ガス流速センサの一部を構成する電磁放射源および後方散乱検出器を動作させることを備える。
【0034】
1つの例では、本方法は、レーザ制御信号を使用してLDEWのレーザを制御することを備える。
【0035】
次に、本発明をより理解するため、また本発明の実施形態がどのように実行され得るかを示すために、単に例として添付の概略図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】例示的な実施形態によるレーザコントローラの例示である。
【
図2】例示的な実施形態によるレーザコントローラを備えるビークルの例示である。
【
図3】例示的な実施形態による方法のステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
次に
図1を参照すると、レーザコントローラが全体として参照番号100で図示されている。
【0038】
レーザコントローラ100は、環境内に放射を送るように動作可能な電磁放射源101と、環境からの後方散乱放射を検出するように動作可能な後方散乱検出器102と、検出された後方散乱放射の特性に基づいてレーザ制御信号を生成するように動作可能なプロセッサ103とを備える。環境からの後方散乱を検出することによって、レーザコントローラ100は、プロセッサ103を使用して、その制御下にあるレーザについての好適な動作パラメータを決定することができる。例えば、レーザコントローラ100が、大量の後方散乱に基づいて、レーザからターゲットまで明確な光路がないと決定した場合、レーザの動作を防止することができる。これにより、効果のないレーザの動作が回避される。
【0039】
図2は、レーザコントローラ100を備えるビークルを示す。
図2において、レーザコントローラ100を備えるビークル200はまた、レーザ201を備える。ビークル200はここでは航空機として図示されているが、本発明は、例えば、船、陸上車両などの他のタイプのビークルにも適用可能であることが容易に理解されるであろう。
【0040】
レーザ201は、レーザ指向性エネルギー兵器202(LDEW)の一部であり、レーザコントローラ100は、レーザ制御信号を使用してLDEW202のレーザ201を制御するように動作可能である。ここでは2つの別個の構成要素として図示されているが、レーザコントローラ100はLDEW202と一体であってもよい。
【0041】
後方散乱検出器102および電磁放射源101は、ビークル200の一部であるガス流速センサ(gas velocity sensor)の一部を構成する。ガス流速センサは、本出願人の名義で出願され、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、特許出願公報WO2009/034370A1に記載されているものなどのドップラ周波数シフトセンサを備える。ガス流速センサは、主にビークルの対気速度を決定するために使用されるが、レーザコントローラ100の電磁放射源101および後方散乱検出器102としてそれぞれ有利なことに使用することもできる紫外線レーザ光源および干渉計を含む。
【0042】
後方散乱検出器102は、使用時に、電磁放射源101に対して第1の距離範囲の後方散乱放射を検出する。後方散乱検出器102および電磁放射源101は、電磁放射源101からの第1の距離から開始して、1つまたは複数のより大きい距離に移動する、電磁放射源101に対して複数の異なる距離範囲内の後方散乱放射を検出するように共に動作可能である。このようにして、LDEWの有効最大有効範囲、すなわち、ターゲットまでの光路があまり汚染されていない範囲を決定することができる。プロセッサ103は、これに基づいて、レーザ201の動作を選択的に有効および無効にするレーザ制御信号を生成するように動作する。
【0043】
プロセッサ103は、検出された後方散乱放射の特性に基づいてレーザ制御信号を生成し、該特性は、検出された後方散乱放射の強度を含み、これはレーザ201の光路内の汚染の存在を表すからである。プロセッサ103は、検出された後方散乱放射の強度がカットオフ閾値レベルを上回るとき、レーザコントローラ100によって制御されるレーザ201の動作を無効にするためのレーザ制御信号を生成するように構成され、逆に、プロセッサ103は、検出された後方散乱放射の強度がカットオフ閾値レベルを下回るとき、レーザコントローラ100によって制御されるレーザ201の動作を有効にするためのレーザ制御信号を生成するように構成される。
【0044】
上述のようなレーザ201を有効/無効にすることと同様に、プロセッサ103は、後方散乱放射の強度にしたがって、レーザコントローラ100によって制御されるレーザ201の動作パワーを変調するレーザ制御信号を生成するようにさらに動作可能である。プロセッサ103は、後方散乱放射の強度が第1の変調閾値と第2の変調閾値との間にあるとき、レーザコントローラ100によって制御されるレーザ201の動作パワーをデフォルトのパワーを上回るように増加させるためのレーザ制御信号を生成し、これにより、光路内に何らかの汚染があっても有効強度が依然としてターゲットに伝達されるようにする。
【0045】
電磁放射源101が、LDEW202のレーザ201と位置合わせされた方向に、理想的にはLDEWのレーザ201と同じ軸に沿って放射を送るように、好適な光学配置構成が提供される。別の実施形態では、レーザコントローラ100は、LDEW202のレーザ201を電磁エネルギー源101として動作させるように配置構成される。そのような実施形態では、レーザコントローラ100がLDEWのレーザを制御するために使用されるとき、第2のレーザ光源の必要がなくなる。
【0046】
【0047】
ステップ300において、電磁放射源が、環境内に放射を送るように動作される。ステップ302において、後方散乱検出器が、環境からの後方散乱放射を検出するように動作される。ステップ304において、後方散乱放射の特性に基づいてレーザ制御信号が生成される。
【0048】
本方法は、ビークルに搭載されたレーザコントローラによって実行される。
【0049】
本方法は、ステップ306として、レーザ制御信号を使用してLDEWのレーザを制御することをさらに備える。
【0050】
ステップ301および302は、好都合なことに、ドップラ周波数シフトセンサなどのガス流速センサの一部を構成する電磁放射源および後方散乱検出器を使用して実行される。
【0051】
本方法は、電磁放射源に対して第1の距離範囲の後方散乱放射を検出するように後方散乱検出器を動作させることを備える。1つの例では、本方法は、電磁放射源からの第1の距離から開始して、1つまたは複数のより大きい距離に移動する、電磁放射源に対して複数の異なる距離範囲内の後方散乱放射を検出するように後方散乱検出器を動作させることを備える。こうして、LDEWの有効最大有効範囲、すなわち、ターゲットまでの光路があまり汚染されていない範囲を決定することができる。検出された後方散乱放射の特性に基づいて、レーザの動作を選択的に有効および無効にするためのレーザ制御信号が生成される。
【0052】
検出された後方散乱放射の特性は、例えば、レーザの光路内の汚染の存在を表すので検出された後方散乱放射の強度を含む。検出された後方散乱放射の強度がカットオフ閾値レベルを上回るとき、レーザコントローラによって制御されるレーザの動作を無効にするためのレーザ制御信号が生成される。同様に、検出された後方散乱放射の強度がカットオフ閾値レベルを下回るとき、レーザコントローラによって制御されるレーザの動作を有効にするためのレーザ制御信号が生成される。
【0053】
上述のようなレーザを有効/無効にすることと同様に、後方散乱放射の強度にしたがって、レーザコントローラによって制御されるレーザの動作パワーを変調するためのレーザ制御信号が生成される。後方散乱放射の強度が第1の変調閾値と第2の変調閾値との間にあるとき、レーザコントローラによって制御されるレーザの動作パワーをデフォルトのパワーを上回るように増加させるためのレーザ制御信号が生成され、それにより、光路内に何らかの汚染があっても有効強度が依然としてターゲットに伝達されるようになる。
【0054】
本方法は、1つの実施形態では、レーザ制御信号によって制御されるレーザとは独立して電磁放射源を動作させることを備える。別の実施形態では、本方法は、本方法がLDEWのレーザを制御するように実行されるとき、LDEWのレーザを電磁放射源として動作させることを備え、第2のレーザ光源の必要がなくなる。
【0055】
前述の説明において、既知の、明白な、または予測可能な同等物を有する整数または要素が記載されている場合、そのような同等物は、個々に記載されているものとして本明細書に組み込まれる。本開示の真の範囲を決定するために特許請求の範囲が参照されるべきであり、これは、任意のそのような同等物を包含するように解釈されるべきである。任意選択であるとして記載される本開示の整数または特徴が、独立請求項の範囲を限定しないことも読者は認識するであろう。さらに、そのような任意選択の整数または特徴は、本開示のいくつかの実施形態では利点となる可能性があるが、他の実施形態では、望ましくない場合があり、したがって存在しない可能性があることを理解されたい。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
環境内に放射を送るように動作可能な電磁放射源(101)と、
前記環境からの後方散乱放射を検出するように動作可能な後方散乱検出器(102)と、
前記検出された後方散乱放射の特性に基づいてレーザ制御信号を生成するように動作可能なプロセッサ(103)と、
を備える、レーザコントローラ(100)。
[C2]
前記後方散乱検出器(102)は、前記電磁放射源(101)の動作から生じる後方散乱放射を検出するように動作可能である、C1に記載のレーザコントローラ。
[C3]
前記後方散乱検出器(102)は、前記電磁放射源(101)に対して第1の距離範囲の後方散乱放射を検出するように動作可能である、C1または2に記載のレーザコントローラ。
[C4]
前記後方散乱検出器(102)は、前記電磁放射源(101)からの第1の距離から開始して、1つまたは複数のより大きい距離に移動する、前記電磁放射源(101)からの複数の距離範囲内の後方散乱放射を検出するように動作可能である、C5に記載のレーザコントローラ。
[C5]
前記プロセッサ(103)は、前記検出された後方散乱放射の強度に基づいてレーザ制御信号を生成するように動作可能である、C1~4のいずれか一項に記載のレーザコントローラ。
[C6]
前記プロセッサ(103)は、前記レーザコントローラ(100)によって制御されるレーザ(201)の動作を選択的に有効および無効にするためのレーザ制御信号を生成するように動作可能である、C1~5のいずれか一項に記載のレーザコントローラ。
[C7]
前記プロセッサ(103)は、前記検出された後方散乱放射の前記強度がカットオフ閾値レベルを上回るとき、前記レーザコントローラ(100)によって制御されるレーザ(201)の動作を無効にするためのレーザ制御信号を生成するように動作可能である、C1~6のいずれか一項に記載のレーザコントローラ。
[C8]
前記プロセッサ(103)は、前記後方散乱放射の前記強度にしたがって、前記レーザコントローラによって制御されるレーザ(201)の動作パワーを変調するためのレーザ制御信号を生成するように動作可能である、C1~7のいずれか一項に記載のレーザコントローラ。
[C9]
前記プロセッサ(103)は、前記後方散乱放射の前記強度が第1の変調閾値と第2の変調閾値との間にあるとき、前記レーザコントローラ(100)によって制御されるレーザ(201)の前記動作パワーをデフォルトのパワーを上回るように増加させるためのレーザ制御信号を生成するように動作可能である、C8に記載のレーザコントローラ。
[C10]
前記電磁放射源(101)はレーザである、C1~12のいずれか一項に記載のレーザコントローラ。
[C11]
前記後方散乱検出器(102)は干渉計を備える、C1~10のいずれか一項に記載のレーザコントローラ。
[C12]
前記電磁放射源(101)および前記後方散乱検出器(102)は、ガス流速センサの一部を構成する、C1~11のいずれか一項に記載のレーザコントローラ。
[C13]
前記レーザ制御信号を使用してLDEW(202)のレーザ(201)を制御するように動作可能である、C1~12のいずれか一項に記載のレーザコントローラ。
[C14]
C1~13のいずれか一項に記載のレーザコントローラ(100)を備えるビークル(200)。
[C15]
C1~13のいずれか一項に記載のレーザコントローラ(100)を使用して、またはC14に記載のビークル上で実行される、レーザを制御する方法(300~301)。