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特許7500744可変流体収集デバイス、システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】可変流体収集デバイス、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/455 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
A61F5/455
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2022549534
(86)(22)【出願日】2022-01-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 US2022012794
(87)【国際公開番号】W WO2022159392
(87)【国際公開日】2022-07-28
【審査請求日】2022-08-17
(31)【優先権主張番号】63/138,878
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518427339
【氏名又は名称】ピュアウィック コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PureWick Corporation
【住所又は居所原語表記】2030 Gillespie Way, Suite 109, El Cajon, CA 92020, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビス キャスリーン
(72)【発明者】
【氏名】グラップ ケイティ
(72)【発明者】
【氏名】スターキー ジョアンナ
(72)【発明者】
【氏名】リム サーリアス メリッサ
(72)【発明者】
【氏名】トリッグス エミリー ルーシー
(72)【発明者】
【氏名】ウィットミー サミュエル エドムンド
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0228642(US,A1)
【文献】国際公開第2019/212951(WO,A1)
【文献】米国特許第10226376(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体収集デバイスであって、
内部チャンバと、導管が通る穴であるアパーチャと、前記内部チャンバへのアクセスを可能にする開口とを画定する流体不浸透性障壁と、
前記内部チャンバの中に配置された多孔性材料と、
前記内部チャンバに流体接続され、前記アパーチャを通過して延びる前記導管と、
着用者に対する前記流体収集デバイスの配置を保持するための保持手段と、
を備え、
前記多孔性材料が前記導管を収容する空間を形成し、
前記保持手段が、
前記導管の内部または前記導管に接して、前記多孔性材料によって形成された前記空間内にのみ配置されるか、
前記導管が外部管及び前記外部管の内部に挿通される内部配管とを含む場合における、前記内部配管と前記外部管の間において前記内部配管の外側面を覆うように配置された複数の繊維間に生じる摩擦力であるか、
圧縮可能な弾性発泡体であって、前記多孔性材料の少なくとも一部を形成する弾性発泡体を含むか、
前記流体不浸透性障壁により画定される陰唇フランジであって、陰唇を少なくとも部分的に収容する大きさと形状を有する谷を有する、縦方向に延びる少なくとも半剛性のフランジを含む、陰唇フランジを有するか、
の少なくともいずれかである、
ことを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の流体収集デバイスであって、
前記保持手段が変形可能導管を含む、
ことを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の流体収集デバイスであって、
前記変形可能導管が、その上に配置された配管を有するグーズネック配管を含むことを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項4】
請求項2に記載の流体収集デバイスであって、
前記変形可能導管が、前記内部配管と前記外部管の間に配置された前記複数の繊維を含む、
ことを特徴とするデバイス。
【請求項5】
請求項4に記載の流体収集デバイスであって、
前記複数の繊維が前記内部配管と前記外部管の間に同心的に挟まれる、
ことを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の流体収集デバイスであって、
前記保持手段が少なくとも部分的に前記多孔性材料によって画定され、
前記多孔性材料が前記圧縮可能な弾性発泡体を含む、
ことを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載の流体収集デバイスであって、
前記弾性発泡体がメモリフォームを含む、
ことを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載の流体収集デバイスであって、
前記流体不浸透性障壁が、前記陰唇フランジ、及び、前記陰唇フランジから延びる突出部を画定し、
前記流体不浸透性障壁が、前記流体不浸透性障壁の、着用者と対向している面の縦方向の軸に沿って頂点に収束し、
前記突出部が、前記流体不浸透性障壁の背面の少なくとも一部に沿って縦方向に延び、前記突出部間に谷を含み、
前記陰唇フランジの横方向の端部は、記突出部がつままれると、前記流体不浸透性障壁全体に加えられる張力のために、前記頂点から遠ざかる方向に回転する、
ことを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載の流体収集デバイスであって、
前記保持手段が、前記流体不浸透性障壁の1つ以上の領域の外部表面に配置された粘膜付着剤を含む、
ことを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載の流体収集デバイスであって、
前記1つ以上の領域が、前記開口と境界をなしている領域を含む、
ことを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項11】
流体収集システムであって、
流体を保持するように構成された流体貯蔵容器と、
導管を介して前記流体貯蔵容器に流体結合された流体収集デバイスと、
前記流体貯蔵容器に流体結合された少なくとも1つの真空源であって、前記流体収集デバイスから前記導管を介して流体を少なくとも1つの前記流体貯蔵容器の中に引き込むように構成された、少なくとも1つの真空源と、
を備え、
前記流体収集デバイスが、
内部チャンバと、導管が通る穴であるアパーチャと、前記内部チャンバへのアクセスを可能にする開口とを画定する流体不浸透性障壁と、
前記内部チャンバの中に配置された多孔性材料と、
前記内部チャンバに流体接続され、前記アパーチャを通過して延びる前記導管と、
着用者に対する前記流体収集デバイスの配置を保持するための保持手段と、
を備え、
前記多孔性材料が前記導管を収容する空間を形成し、
前記保持手段が、
前記導管の内部または前記導管に接して、前記多孔性材料によって形成された前記空間内にのみ配置されるか、
前記導管が外部管及び前記外部管の内部に挿通される内部配管とを含む場合における、前記内部配管と前記外部管の間において前記内部配管の外側面を覆うように配置された複数の繊維間に生じる摩擦力であるか
圧縮可能な弾性発泡体であって、前記多孔性材料の少なくとも一部を形成する弾性発泡体を含むか、
前記流体不浸透性障壁により画定される陰唇フランジであって、陰唇を少なくとも部分的に収容する大きさと形状を有する谷を有する、縦方向に延びる少なくとも半剛性のフランジを含む、陰唇フランジを有するか、
の少なくともいずれかである、
ことを特徴とする流体収集システム。
【請求項12】
請求項11に記載の流体収集システムであって、
前記流体貯蔵容器がキャニスターを含む、
ことを特徴とする流体収集システム。
【請求項13】
請求項11に記載の流体収集システムであって、
前記真空源が、真空ポンプ、壁取付け真空ライン、又は手動ポンプのうちの1つ以上を含む、
ことを特徴とする流体収集システム。
【請求項14】
流体を収集するための方法であって、
内部チャンバ、導管が通る穴であるアパーチャ、及び、前記内部チャンバへのアクセスを可能にする開口を画定する流体不浸透性障壁と、前記内部チャンバの中に配置された多孔性材料と、前記内部チャンバに流体接続された前記導管と、着用者に対する流体収集デバイスの配置を保持するための保持手段と、を含む流体収集デバイスを前記着用者に配置するステップと、
前記流体収集デバイスの前記保持手段を係合させるステップと、
前記流体収集デバイスの中に流体を受け取るステップと、
を含み、
前記保持手段が、
前記導管の内部または前記導管に接して、前記多孔性材料によって形成された空間内にのみ配置されるか、
前記導管が外部管及び前記外部管の内部に挿通される内部配管とを含む場合における、前記内部配管と前記外部管の間において前記内部配管の外側面を覆うように配置された複数の繊維間に生じる摩擦力であるか
圧縮可能な弾性発泡体であって、前記多孔性材料の少なくとも一部を形成する弾性発泡体を含むか、
前記流体不浸透性障壁により画定される陰唇フランジであって、陰唇を少なくとも部分的に収容する大きさと形状を有する谷を有する、縦方向に延びる少なくとも半剛性のフランジを含む、陰唇フランジを有するか、
の少なくともいずれかである、
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記流体収集デバイスを着用者に配置するステップが、前記着用者の尿道の上方に前記開口を配置するステップを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、
前記保持手段が変形可能導管を含み、
前記流体収集デバイスの前記保持手段を係合させるステップが、前記変形可能導管を曲げて、前記流体収集デバイスを、前記着用者の体の構造に一致する弓形の形状にするステップを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記変形可能導管が、その上に配置された配管を有するグーズネック配管を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、
前記変形可能導管が、前記内部配管と前記外部管の間に配置された前記複数の繊維を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法であって、
前記保持手段が少なくとも部分的に前記多孔性材料によって画定され、前記多孔性材料が圧縮可能な弾性発泡体を含み、
前記流体収集デバイスの前記保持手段を係合させるステップが、圧縮、成形、成型のうちの1つ以上によって、前記流体収集デバイスを圧縮状態にするステップと、前記流体収集デバイスを前記着用者の体の構造に抗して少なくとも部分的に膨張させるステップとを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記弾性発泡体がメモリフォームを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項14に記載の方法であって、
前記流体不浸透性障壁が、前記陰唇フランジ、及び前記陰唇フランジから延びる突出部を画定し、
前記流体不浸透性障壁が、前記流体不浸透性障壁の、着用者と対向している面の縦方向の軸に沿って頂点に収束し、
前記突出部が、前記流体不浸透性障壁の背面の少なくとも一部に沿って縦方向に延び、前記突出部間に谷を含み、
前記陰唇フランジの横方向の端部は、前記突出部がつままれると、前記流体不浸透性障壁全体に加えられる張力のために、前記頂点から遠ざかる方向に回転し、
前記流体収集デバイスの前記保持手段を係合させるステップが、前記流体収集デバイスの前記突出部を曲げる又はつまむステップと、前記流体収集デバイスの前記陰唇フランジが前記着用者の前記陰唇の上に配置されると前記突出部を解放するステップとを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項14に記載の方法であって、
前記保持手段が、前記流体不浸透性障壁の1つ以上の領域の外部表面に配置された粘膜付着剤を含み、
前記保持手段を係合させるステップが、前記流体収集デバイスの前記粘膜付着剤を前記着用者に接触させて配置するステップを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、
前記1つ以上の領域が、前記開口と境界をなしている領域を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項14に記載の方法であって、
前記流体収集デバイスの中に流体を受け取るステップが、前記着用者の尿道から尿を前記多孔性材料の中に受け取るステップを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項14に記載の方法であって、
前記導管を介して前記流体収集デバイスから前記流体を除去するステップをさらに含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、
前記導管を介して前記流体収集デバイスから前記流体を除去するステップが、前記内部チャンバに真空を加えるステップを含む、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年1月19日に出願した米国仮特許出願第63/138,878号の優先権を主張するものであり、この米国仮特許出願の開示は、その全体を本願に引用して援用する。
【背景技術】
【0002】
中には、その行動性が制限され、あるいは損なわれて、トイレの利用が困難であったり、あるいは不可能であったりした経験をした人もいるかもしれない。例えば中には、その行動性を損なう状況、外科手術あるいは障害を有した経験をした人もいるかもしれない。さらに、監視目的又は臨床試験のためには、個人からの体液の収集が必要であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
便器又は他の一般的な尿収集デバイスには、使用の困難性、デバイス中の尿の人を困惑させる可視性などの様々な欠点があり、また、デバイスの中には、常に着用することができず、したがってこぼれたり、漏れたりする危険があるものもある。したがって使用者及び患者介護ベッドの製造者は、患者の衣服及びベッドが汚れるのを防止するための、新しい、改良されたデバイス、システム及び方法を常に探求している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書において開示される実施形態は、着用者から流体を収集する流体収集デバイス、システム及び方法に関連付けられ、流体収集デバイスは、着用者に対する流体収集デバイスの位置を維持するための保持手段を含む。
【0005】
実施形態では、流体収集デバイスが開示される。流体収集デバイスは、内部チャンバを中に画定する流体不浸透性障壁、及び内部チャンバにアクセスすることができる開口を含む。流体収集デバイスは、内部チャンバの中に配置された多孔性材料を含む。流体収集デバイスは、内部チャンバに流体接続された導管を含む。流体収集デバイスは、着用者に対する流体収集デバイスの配置を保持するための保持手段を含む。
【0006】
実施形態では、流体収集システムが開示される。流体収集システムは、流体を保持するように構成された流体貯蔵容器を含む。流体収集システムは流体収集デバイスを含み、流体収集デバイスは、内部チャンバを中に画定する流体不浸透性障壁、及び内部チャンバにアクセスすることができる開口と、内部チャンバの中に配置された多孔性材料と、内部チャンバに流体接続された導管と、着用者に対する流体収集デバイスの配置を保持するための保持手段とを有する。流体収集システムは、流体貯蔵容器に流体結合された少なくとも1つの真空源を含み、少なくとも1つの真空源は、流体収集デバイスから導管を介して流体を少なくとも1つの流体貯蔵容器の中に引き込むように構成される。
【0007】
実施形態では、流体を収集するための方法が開示される。方法は、流体収集デバイスを着用者に配置するステップを含み、流体収集デバイスは、内部チャンバを中に画定する流体不浸透性障壁、及び内部チャンバにアクセスすることができる開口と、内部チャンバの中に配置された多孔性材料と、内部チャンバに流体接続された導管と、着用者に対する流体収集デバイスの配置を保持するための保持手段とを含む。方法は、流体収集デバイスの保持手段を係合させるステップを含む。方法は、流体収集デバイスの中に流体を受け取るステップを含む。
【0008】
制限されることなく、開示される実施形態のうちのいずれかによる特徴を互いに組み合わせて使用することができる。さらに、当業者には、以下の詳細な説明及び添付の図面を考察することにより、本開示の他の特徴及び利点が明らかになるであろう。
【0009】
図面は本開示のいくつかの実施形態を示したものであり、全く同じ参照数表示は、異なる図における、あるいは図面に示されている実施形態における全く同じか、又は同様の要素あるいは特徴を表している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態による女性用の流体収集デバイスの正面図である。
図2図1の流体収集デバイスの横断面図である。
図3】実施形態による変形可能導管の横断面図である。
図4】実施形態による変形可能導管の横断面図である。
図5】実施形態による変形可能導管の一部の等角図である。
図6図5の変形可能導管の拡大部分切欠き図である。
図7】実施形態による、圧縮された状態から圧縮されていない状態に変化する流体収集デバイスの側面図である。
図8】実施形態による流体収集デバイスの等角図である。
図9】実施形態による流体収集デバイスの等角図である。
図10A】位置決め中における、図8及び図9の流体収集デバイスを横断面で示す図である。
図10B】位置決め中における、図8及び図9の流体収集デバイスを横断面で示す図である。
図11】実施形態による、粘膜付着剤が適用された流体収集デバイスの上面図である。
図12】実施形態による、粘膜付着剤が適用された流体収集デバイスの上面図である。
図13】実施形態による、流体を収集するためのシステムのブロック図である。
図14】実施形態による、流体を収集するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書において開示される実施形態は、着用者に対する位置を保持するための手段を有する流体収集デバイスを使用して流体を収集するためのデバイス、システム及び方法に関連付けられる。本明細書において開示されるデバイス、システム及び方法は、内部チャンバを中に画定する流体不浸透性障壁と、少なくとも部分的に内部チャンバ内に配置された多孔性材料と、内部チャンバの中へ延びる導管であって、多孔性材料によって内部チャンバ内に収集された流体を除去するための導管とを有する流体収集デバイスを含む。保持手段により、流体収集デバイスの多孔性材料は、使用中、着用者の尿道の上、又は上方に配置された状態を維持することができる。様々な保持手段が、立体配座剛性、着用者の解剖学的な体の構造に対する順応性、着用者の体の構造に対する摩擦ばめ、又は着用者の体の構造に対する粘膜付着剤のうちの1つ以上を提供する。
【0012】
第1の例では、流体収集デバイスは、流体収集デバイスの形状を維持するために、導管の中、又は導管の周りに選択的変形可能脊柱を含む。図1は、実施形態による、女性用の流体収集デバイス100の正面図である。流体収集デバイス100は、内部チャンバを中に画定する流体不浸透性障壁102及び開口106を含む。流体収集デバイス100は、内部チャンバの中に配置され、また、開口106を通して露出された多孔性材料115を含む。流体収集デバイス100は、内部チャンバの中に配置され、また、第1の端部領域125から入って第2の端部領域127まで延びる導管108(例えばドレン管)を含む。流体収集デバイス100は、着用者の尿道から尿又は他の流体を収集するようにサイズ化され、形状化され、また、構築されている。
【0013】
流体不浸透性障壁102は、流体不浸透性重合体(例えばシリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、熱可塑性エラストマー、ポリカーボネート、等々)、金属膜、天然ゴム、別の適切な材料又はそれらの組合せなどの任意の適切な流体不浸透性材料で形成することができる。したがって流体不浸透性障壁102は、流体が流体不浸透性障壁102を通過するのを実質的に防止する。流体不浸透性障壁102は、中に内部チャンバ(例えば内部領域)を少なくとも部分的に画定し、また、開口106を少なくとも部分的に画定している。例えば流体不浸透性障壁102の内部表面は、流体収集デバイス100内に内部チャンバを少なくとも部分的に画定している。流体不浸透性障壁102は、流体を内部チャンバの中に少なくとも一時的に保持する。流体不浸透性障壁102の少なくとも外部表面の1つ以上の部分は、柔らかい、及び/又は滑らかな材料で形成することができ、したがって擦傷を低減することができる。
【0014】
流体不浸透性障壁102は、実質的に円筒状(示されているように)、長方形、プリズム状、平らな管、又は任意の他の押出し形状(例えば複数のフランジを有する管)などの管状であってもよい(開口を無視して)。流体不浸透性障壁102は、着用者の脚の間にぴったり合うようにサイズ化することができる。使用中、流体不浸透性障壁102の外部表面は、着用者と少なくとも部分的に接触し得る。
【0015】
開口106は、流体が内部チャンバに入るための進入通路を提供している。開口106は流体不浸透性障壁102によって画定することができ、例えば流体不浸透性障壁102の内部縁などによって画定することができる。例えば開口106は流体不浸透性障壁102の中に形成され、流体不浸透性障壁102を貫通して外部表面から内部表面まで延び、それにより流体は流体収集デバイス100の外側から内部チャンバに入ることができる。開口106は、デバイスが使用されている間、着用者の尿道に隣接して配置されるように置かれ、また、そのように形状化されている。内部に配置されている多孔性材料115の少なくとも一部は、開口106を通して露出させることができ、それにより流体は、浸透、吸込み又はウィッキングのうちの1つ以上などを介して内側に向かって内部チャンバの中へ移動することができる。
【0016】
流体収集デバイス100は尿道の近くに配置することができ、また、尿は開口106を介して内部チャンバに入ることができる。使用中である場合、開口106は、細長くなって、尿道の下方の第1の位置から尿道の上方の第2の位置(例えば膣開口又は恥骨領域の頂部又はその付近)まで延びることができる。着用者の脚の間の空間は、着用者が足を閉じると比較的狭いため、開口106は細長い形状を示すことができ、したがって許容されるのは、開口106(例えば縦方向に延びている開口)の細長い形状に対応する経路に沿った流体の流れのみである。流体不浸透性障壁102中の開口106は、流体収集デバイス100の縦方向の軸に沿って測定される、流体収集デバイス100の長さの約10%から約95%などの、流体収集デバイス100の長さの少なくとも約10%であってもよい長さを示すことができる。流体不浸透性障壁102中の開口106は、流体収集デバイス100の縦方向の軸に対して横方向に測定される、流体収集デバイスの円周の約10%から約75%などの、流体収集デバイス100の円周の少なくとも約10%であってもよい幅を示すことができる。開口106は縦方向に配向することができる(例えばデバイス100の縦方向の軸に対して平行の主軸を有している)。
【0017】
流体収集デバイス100は、内部チャンバの中に配置された多孔性材料115を含む。図2は流体収集デバイス100の横断面図である。流体収集デバイス100は多孔性材料115を含み、多孔性材料115は、流体浸透性膜118内に流体浸透性サポート120を含み、また、多孔性材料115を貫通して延びる導管108を含む。多孔性材料115は流体の流れを許容する材料を含む。例えば多孔性材料115は、あらゆる流体を開口106から遠ざかる方向にウィックし、それにより流体が内部チャンバから漏れるのを防止するように構成することができる。本明細書において参照されている多孔性材料の浸透性特性は、ウィッキング、毛管作用、拡散又は他の同様の特性又はプロセスであってもよく、本明細書においては「浸透性」及び/又は「ウィッキング」として参照されている。このような「ウィッキング」には、多孔性材料中への流体の吸収を含んでいなくてもよい。言い換えると、材料が流体に露出され、また、流体から除去された後は、しばらくの間、多孔性材料中への流体の吸収は実質的に生じ得ない。吸収がないことが望ましいが、「実質的に吸収がない」という用語は、多孔性材料の乾燥重量の約10重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、約1重量%未満、又は多孔性材料115の乾燥重量の約0.5重量%未満などの、多孔性材料中への流体の公称量の吸収(例えば吸収性)を許容することができる。また、多孔性材料115は、流体を概ね内部チャンバの中央領域又はリザーバに向かってウィックすることも同じく可能である。
【0018】
多孔性材料115は、内部チャンバ内に同心で配置された、紡糸プラスチック繊維(例えば紡糸ナイロン繊維)の上に配置されたガーゼなどの2つ以上の材料を含むことができる。例えば多孔性材料115は、流体浸透性膜118又はその下側に配置された流体浸透性サポート120のうちの1つ以上を含むことができる。流体浸透性膜118は、任意の多孔性材料、又は流体をウィックすることができる材料を含むことができる。例えば流体浸透性膜118は、ガーゼ(例えば絹、リンネル又は綿ガーゼ)、別の柔らかい繊維又は別の滑らかな繊維などの繊維を含むことができる。流体浸透性膜118は、紡糸プラスチックマット又はベッドなどの紡糸プラスチック繊維(例えば紡糸ナイロン繊維)を含むことができる。ガーゼ、柔らかい繊維及び/又は滑らかな繊維から流体浸透性膜118を形成することにより、流体収集デバイス100によって着用者にもたらされる擦傷を低減することができる。
【0019】
流体収集デバイス100は、内部チャンバの中に配置された流体浸透性膜118を含むことができる。例えば流体浸透性膜118は開口106の少なくとも一部(例えばすべて)を覆うことができる。
【0020】
流体収集デバイス100の多孔性材料115は、内部チャンバ内の、流体浸透性膜118の下方に配置された流体浸透性サポート120を含むことができる。流体浸透性膜118は、折畳み可能な薄い材料、さもなければ容易に変形可能な材料から形成することができるため、流体浸透性サポート120は流体浸透性膜118を支持するように構成することができる。例えば流体浸透性サポート120は、流体浸透性膜118が流体浸透性サポート120と流体不浸透性障壁102の間に配置されるように配置することができる。したがって流体浸透性サポート120は、流体浸透性膜118をその上に支持し、また、その位置を維持することができる。流体浸透性サポート120は、流体をウィックすることができる材料などの任意の多孔性流体浸透性材料を含むことができる。例えば流体浸透性サポート120は、本明細書において開示されている流体浸透性膜材料のうちの任意の材料を含むことができる。流体浸透性サポート120は、流体浸透性膜118ほどには変形可能ではない任意の流体多孔性材料から形成することができ、例えば本明細書において開示されている、流体浸透性膜118のための材料のうちの任意の材料などをより稠密な形態又はより剛直な形態で使用して形成することができる。いくつかの例では、流体浸透性サポート120は、多孔性重合体(例えばナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、等々)構造、連続気泡発泡体、又は紡糸プラスチック繊維(例えばナイロン繊維)を含むことができる。いくつかの例では、流体浸透性膜118はガーゼを含むことができ、また、流体浸透性サポート120は紡糸ナイロン繊維を含むことができる。いくつかの例では、流体浸透性サポート120は、織物、フェルト、ガーゼ又はそれらの組合せから形成することができる。いくつかの例では、流体浸透性サポート120は、綿、羊毛、絹又はそれらの組合せなどの天然材料から形成することができる。このような例では、材料は、材料中への流体の吸収を防止し、あるいは制限するためのコーティング、例えば撥水コーティングなどを有することができる。いくつかの例では、流体収集デバイス100から流体浸透性サポート120を省略することができる。いくつかの例では、流体浸透性膜118は任意選択であってもよい。例えば多孔性材料115は流体浸透性サポート120のみを含むことができる。
【0021】
流体浸透性サポートは、流体が内側に向かって流体収集デバイス100の外部表面から浸透性膜118を通って流体浸透性サポートの中へ移動するようになど、流体浸透性膜118よりも大きい浸透性を有することができ、あるいは流体をウィックするより高い能力を有することができる。いくつかの例では、流体浸透性サポート及び流体浸透性膜118の浸透性又はウィッキング能力は実質的に同じであってもよい。
【0022】
流体不浸透性障壁102、多孔性材料115は、少なくとも部分的に内部チャンバの中に配置された導管108を有するようにサイズ化し、形状化することができる。例えば流体浸透性膜118及び流体浸透性サポート120のうちの少なくとも一方は、導管108を収容する空間を形成するように構成することができる。流体不浸透性障壁102は、流体不浸透性障壁102を貫通して導管108を受け取るようにサイズ化されたアパーチャを画定することができる。このアパーチャは、導管108に対する少なくとも実質的に液密シールを形成するようにサイズ化し、形状化することができ、それにより流体が内部チャンバから漏れるのを実質的に防止することができる。流体収集デバイス100の中に収集された流体は、導管108を介して内部チャンバから除去することができる。
【0023】
多孔性材料115は、開口106の少なくとも一部(例えばすべて)にわたって延びることができる。多孔性材料115の少なくとも一部は、開口106を通して内部チャンバの外部の環境に露出させることができる。流体浸透性膜118及び流体浸透性サポート120は、内部チャンバのうちの導管108によって占有されていない部分を少なくとも実質的に完全に満たすことができる。別の例では、流体浸透性膜118及び流体浸透性サポート120は、内部チャンバのうちの導管108によって占有されていない部分を実質的に完全に満たしていなくてもよい。このような例では、流体収集デバイス100は内部チャンバの中にリザーバ122を含む。リザーバ122は、内部チャンバの中の流体不浸透性障壁102と多孔性材料115の間に画定されている。リザーバ122は、流体収集デバイス100のうちの、使用者によって着用されるとその重力的に低い点に位置することが期待される部分に配置することができる。リザーバ122は、第2の端部領域127に示されているが、第1の端部領域125などの内部チャンバの任意の部分に配置することができる。
【0024】
図1に示されているように、流体収集デバイス100は、内部チャンバの中を延びる導管108(例えばドレン管)を含む。導管108は、重合体配管(例えば医療配管)材料などの可撓性材料を含むことができる。このような重合体配管材料は、熱可塑性エラストマー配管、ポリ塩化ビニル配管、エチレン酢酸ビニル配管、ポリテトラフルオロエチレン配管、等々を含むことができる。いくつかの例では、導管108はシリコン又はラテックスを含むことができる。いくつかの例では、導管108は、導管108を可撓性にすることができる直径又は壁厚さのうちの1つ以上を有することなどにより、弾性である1つ以上の部分を含むことができる。いくつかの例では、導管108は、中の流体の可視性を曖昧にするために曇らせ、あるいは不透明(例えば黒)にすることができる。
【0025】
導管108は、第1の端部領域に入口を含み、また、入口から下流側に配置された第2の端部領域に出口を含む。導管108は、内部チャンバの中をその任意の点まで延びることができる。例えば導管108は、流体収集デバイス100の第1の端部領域125で内部チャンバの中に挿入することができ、内部チャンバを通って第2の端部領域127まで延びる。導管108は、流体不浸透性障壁102の中へ延び、入口がリザーバ122と流体連絡するよう、第1の端部領域125から第2の端部領域127に向かって、リザーバ122の近くの点まで延びることができる。いくつかの例(図示せず)では、導管108は、第2の端部領域127で内部チャンバに入ることができ、また、導管108の入口は第2の端部領域127に配置することができる(例えばリザーバ122の中、又は流体不浸透性障壁102と同一平面で)。リザーバ122の中に収集された流体は、導管108を介して内部チャンバから除去することができる。いくつかの例では、入口は、流体浸透性サポート120の端部と同一平面などの、第2の端部領域127で多孔性材料115の端部に配置することができる。いくつかの例では、導管108の入口は、第1の端部領域125と第2の端部領域127の間などの流体浸透性サポート120内に配置することができる。
【0026】
流体不浸透性障壁、多孔性材料、チャンバ、導管の他の例、及びそれらの形状及び構成は、2017年6月2日に出願した米国特許出願第15/612,325号、2016年9月8日に出願した米国特許出願第15/260,103号、及び2017年6月1日に出願した米国特許第10,226,376号に開示されており、それらの各々の開示は、その全体を本願に引用して援用する。
【0027】
導管108は、流体収集デバイス100内の選択的変形可能脊柱を提供している。手で操作する際に、導管108は、流体収集デバイス100を図に示されている湾曲形状などの特定の形状に保持することができる。例えば流体収集デバイス100は、導管108を操作することによって臀筋と陰唇の間の身体の曲率に変形させることができる。導管108によって提供される、流体収集デバイス100の脊柱に沿った張力を小さくすることにより、流体収集デバイス100が尿道(例えば陰唇の頂部)から分離し、あるいは不整列になる可能性が小さくなる。
【0028】
以下で開示されているのは、流体収集デバイス100における選択的変形可能脊柱を提供するための導管108の例である。図3及び図4は、実施形態による変形可能導管108aの横断面図である。図3に示されているように、変形可能導管108aは、可撓性グーズネック配管110の上に配置された配管109を含む。グーズネック配管110は、操作後の選択された構成の外部力及び剛直な保持に応じて操作することができるモジュール式ホースであってもよい。例えばグーズネック配管110は、Loc-Line(登録商標)タイプのモジュール式ホース、等々などのボール及びソケット構造を含むことができる。グーズネック配管110のボール及びソケットのサイズは、変形に対する選択された量の抵抗を提供するために、それらの間の選択された篏合(例えばすべりばめ、締まりばめ、等々)を提供する。したがって変形可能導管108aは、選択的に形状化する(例えば変形させる)ことができ、また、選択された形状又は立体配座を維持することができる。いくつかの例では、グーズネック配管110は、重合体ボール及びソケットで構築することができる。
【0029】
図4に示されているように、グーズネック配管110は、流体が通って移動することができる内部通路をその中に含む。この内部通路は、グーズネック配管のボール及びソケットの内壁によって形成されており、内壁は、選択されたボアサイズをその中に有している。変形可能導管108aを有する流体収集デバイスの中に収集された流体(例えば尿)は、流体をそこからドレンする際に、変形可能導管108aの内部通路を通って流れる。
【0030】
グーズネック配管110は液密であっても、なくてもよい。したがってその周りの配管109は、変形可能導管108a内における流体の保持を補助することができる。配管109は、従来のドレン配管と比較すると、比較的柔らかく、また、可撓性であってもよい。配管109は、着用者とグーズネック配管110の間のクッションを提供する。配管109は、熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、等々、又はそれらの任意の組合せなどの重合体で構築することができる。いくつかの例では、配管109はシリコーン又はラテックスを含むことができる。配管109は、約1mmから約5mm、又は10mm未満などの少なくとも約1mmの壁厚さを有することができる。変形可能導管108aは、着用者がその下方のグーズネック配管110を意識するのを防止する厚さを有する配管109を含むことができる。
【0031】
グーズネック配管110の直径又は最大寸法は、約5mmから約13mm、約5mmから約8mm、約8mmから約13mmなどの約13mm以下にすることができ、あるいは約8mmを超える直径又は最大寸法にすることができる。いくつかの例では、変形可能導管108aの直径又は最大寸法(グーズネック配管110の上に配置された配管109の外部寸法を含む)は、約5mmから約13mm、約5mmから約8mm、約8mmから約13mmなどの約13mm以下にすることができ、あるいは約8mmを超える直径又は最大寸法にすることができる。変形可能導管108aを組み込んだ流体収集デバイスは、着用者がその下方の変形可能導管108aのグーズネック配管110を意識するのを防止する厚さを有する多孔性材料を含むことができる。
【0032】
グーズネック配管110は、内部チャンバの内側の部分などの変形可能導管108aの一部に沿ってのみ延びることができ、あるいは内部チャンバの内側から、流体収集デバイスの第1の端部領域125の外側の、第1の端部領域125自体を含む一定の距離まで延びることができ、例えば導管108aが流体収集デバイスの中に挿入されるアパーチャを通り越して少なくとも1cmなどの距離まで延びることができる。変形可能導管108aは、本明細書において開示されている流体収集デバイスの例のうちの任意の例に使用することができる。
【0033】
流体収集デバイスには異なる変形可能導管を利用することができる。図5は、実施形態による変形可能導管108bの一部の等角図である。図6は、図5の変形可能導管108bの拡大部分切欠き図である。変形可能導管108bは、配管109と外部管112の間に挟まれた複数の繊維111を含むことができる。複数の繊維111は重合体繊維又はワイヤを含むことができる。複数の繊維は、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリオレフィン、フッ化重合体(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリアミド、等々のうちの1つ以上を含むワイヤを含むことができる。繊維又はワイヤの幅は、0.1mmから3mm、0.1mmから1mm、1mmから3mm、3mm又は1mm未満などの0.1mm以上にすることができる。変形可能導管108bが曲がると、重合体繊維が互いを通り越して移動し、それらの間の摩擦がそれらを新しい位置に保持し、それによりスプリングバックを防止する。複数の繊維は、外部管112と配管109の間に、それらの間の選択された篏合、例えばすべりばめ、張力ばめ、締まりばめ、等々などの篏合を提供するように選択された間隔で実装することができる。複数の繊維111内の実装の緊密性は、変形可能導管108bのこわさの微妙な調整を提供することができる。したがって変形可能導管108bは、手動操作に従って選択された形状を保持することができ、また、形状を変えるために選択された大きさの力に対抗することができる。
【0034】
配管109は、本明細書において開示されているように、変形可能導管108aに関するものであってもよい。外部管112は、1つ以上の態様における導管108又は配管109に類似していても、あるいは全く同じであってもよい。例えば外部配管112は、熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、ラテックス又はそれらの組合せなどの重合体導管を含むことができる。
【0035】
複数の繊維111、配管109及び外部管は、内部チャンバの内側の部分などの変形可能導管108bの一部に沿ってのみ延びることができ、あるいは内部チャンバの内側から、流体収集デバイスの第1の端部領域の外側の、第1の端部領域自体を含む一定の距離まで延びることができ、例えば導管108bが流体収集デバイスの中に挿入されるアパーチャを通り越して少なくとも1cmなどの距離まで延びることができる。変形可能導管108bは、本明細書において開示されている流体収集デバイスの例のうちの任意の例に使用することができる。
【0036】
変形可能導管108a及び108bは、それらを担っている流体収集デバイスを、骨盤領域における場合などの着用者の矢状面に沿って着用者の解剖学的な体の構造に一致させるようにサイズ化し、形状化することができる。このような例は、選択された形状に操作することができ、また、選択された形状からの変化、例えば着用者の動きからの変化などに対抗することができる流体収集デバイスを提供する。
【0037】
いくつかの例では、流体収集デバイスは、弾性的に圧縮可能な設計によって少なくとも部分的に所定の位置に保持することができる。図7は、圧縮された状態から圧縮されていない状態に変化する流体収集デバイス200の側面図である。流体収集デバイス200は、流体不浸透性障壁202、多孔性材料215、及び多孔性材料215を貫通して延びている導管108を含む。流体収集デバイス200は弾性的に圧縮可能であり、また、流体収集デバイス200に加えられる圧力に応じて少なくとも部分的に形状を保持することができる。
【0038】
多孔性材料215は、粘弾性発泡体(例えばメモリフォーム又は低弾性ポリウレタン)などの柔らかい弾性発泡体を含む。したがって多孔性材料215は圧縮可能である。多孔性材料215の弾性発泡体は連続気泡発泡体であり、流体はその連続気泡発泡体を通過することができる。多孔性材料215は、流体浸透性膜又は流体浸透性サポートのうちの1つ以上を含むことができる。多孔性材料215の弾性発泡体は、流体浸透性膜又は流体浸透性サポートとして単独で使用することができる。後者の場合、本明細書において開示されている任意の流体浸透性膜(例えばガーゼ)などの流体浸透性膜を弾性発泡体の上に配置することができる。
【0039】
流体不浸透性障壁202は、単独又は多孔性材料215の弾性発泡体による強制のいずれかで変形が可能であり、また、元の形状へのスプリングバックが可能な柔らかい可鍛性材料である。流体不浸透性障壁202は、1つ以上の態様における流体不浸透性障壁102に類似していても、あるいは全く同じであってもよい。流体不浸透性障壁202は、シリコーン、ゴム、又は本明細書において開示されている重合体を含むことができる。流体不浸透性障壁202は、多孔性材料215に直接取り付けられた薄い層であってもよく、例えば多孔性材料215の上のコーティングなどであってもよい。例えば流体不浸透性障壁は、発泡体に直接密着させることができ、あるいはその周りを包み込むことができる耐水性ポリウレタン積層織物、等々であってもよい。
【0040】
導管108は、比較的可鍛性の(従来の医療ドレン配管と比較して)液密材料でできていてもよい。例えば導管108は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ラテックス、シリコーン又はそれらの混合物のうちの1つ以上でできていてもよい。シリコーンの量が多いほど、より柔らかく、より可鍛性の導管108を提供する。導管108は、流体収集デバイス200が導管108のこわさによって形状化されないような圧力に応答して可鍛性である。
【0041】
使用中、流体収集デバイス200が着用者の体の構造に対して圧縮され、挿入され、あるいは押し付けられる。流体収集デバイス200が膨張した形状に復帰すると、流体収集デバイス200は少なくとも部分的に着用者の体の構造と一致する。したがって流体収集デバイス200は、改良された体の構造に対する篏合を提供して、快適性を増し、着用者に対する位置を維持し、また、適合性が劣る材料及びデバイスに対する漏れを少なくする。弾性的に圧縮可能な構成要素(例えば多孔性材料215の弾性発泡体)は、流体収集デバイス200を着用者に対して所定の位置に保持する手段を提供する。変形可能導管108a及び108bは流体収集デバイス200と共に使用することができる。
【0042】
いくつかの例では、流体収集デバイスの形状は、通常、陰唇の形状に予め成形され、また、その一部を圧縮することによって閉じた状態から開いた状態に操作することができる。図8及び図9は、実施形態による流体収集デバイス300の等角図である。図10A及び図10Bは、位置決め中における流体収集デバイス300を横断面で示したものである。流体収集デバイス300は、流体収集デバイス300の縦方向の軸から外側に向かって延びている陰唇フランジ303を有する流体不浸透性障壁302、多孔性材料315、導管108、及び流体収集デバイス300の背面に沿って縦方向に延びている突出部356を含む。
【0043】
流体不浸透性障壁302は外部表面及び内部表面を含み、内部表面は内部チャンバを中に画定している。流体不浸透性障壁302は開口306を含む。流体不浸透性障壁302は、陰唇フランジ303及び突出部356を少なくとも部分的に画定している。多孔性材料315は少なくとも部分的に内部チャンバの中に配置され、また、開口306を通って内部チャンバから突出している。導管108は、流体不浸透性障壁を介して、多孔性材料の中などの内部チャンバの中へ延びている(例えば内部チャンバ内のリザーバまで)。多孔性材料315は、流体浸透性膜及び流体浸透性サポートを有する多孔性材料などの、本明細書において開示されている多孔性材料のうちの任意の多孔性材料に類似していても、あるいは全く同じであってもよい。流体不浸透性障壁302は、本明細書において開示されている流体不浸透性材料のうちの任意の流体不浸透性材料などの流体不浸透性材料で形成することができる。
【0044】
陰唇フランジ303は、少なくとも部分的に大陰唇を中に収容するようにサイズ化された、縦方向に延びている谷を使用して形状化されている。陰唇フランジ303は少なくとも部分的に剛直であってもよい。流体不浸透性障壁302は、第1の端部領域325の縦方向の軸に沿って頂点316に収束している。多孔性材料315は、縦方向の軸に沿った頂点316を同じく含む。したがって頂点316は、使用中、大陰唇とその大陰唇を収容する谷の間に配置することができる。陰唇フランジ303の外部表面(例えば着用者と対向する表面)は、着用者の陰唇との摩擦係合のためにテクスチャード加工を施すことができ、あるいは粘着性にすることができる。流体収集デバイス又はその一部の縦長の形状は、着用者の体の構造の形状と相補をなすよう、少なくともわずかに弓形にすることができる。
【0045】
流体収集デバイス300の裏側では、流体不浸透性障壁302は突出部356を画定している。突出部356は、それらの間に谷を有している。突出部は、流体収集デバイス300の背面の少なくとも一部に沿って縦方向に延びることができる。突出部356は、陰唇フランジ303を開いて頂点316を露出させるために、図10A及び図10Bに示されているように内側に向かってつまむことができる。例えば陰唇フランジ303の横方向の端部は、突出部356がつままれると、流体不浸透性障壁302全体に加えられる張力のために、頂点316から遠ざかる方向に回転する。頂点316は、大陰唇350同士の間に挿入することができる。解放されると、陰唇フランジ303の横方向の端部が頂点316に向かって回転して戻り、大陰唇350の外部表面を、陰唇フランジ303と頂点316の間に形成された谷と係合させて、少なくとも部分的に大陰唇を中に含む。したがって多孔性材料315の頂点316は、円筒状のデバイスよりも着用者の尿道の近くに配置することができる。陰唇フランジ303は、内側に向かう圧力、又は突出部356に対する内側に向かう圧力が解放された後のつまみにより、大陰唇の上に保持することができる。したがって流体収集デバイス300の形状により、追加保持手段が提供される。
【0046】
いくつかの例では、流体収集デバイスは、粘膜付着剤を使用して着用者との係合を大きくすることができる。図11及び図12は、実施形態による、粘膜付着剤が適用された流体収集デバイス400の上面図である。流体収集デバイス400は、外部表面及び内部表面を画定している流体不浸透性障壁102を含み、内部表面は、流体収集デバイス400の内部チャンバを画定している。流体収集デバイス400は多孔性材料115を含む。多孔性材料115は、流体不浸透性障壁102の開口106を通して露出されている。流体収集デバイス400は、流体収集デバイス400の流体不浸透性障壁102及び多孔性材料115の中を第1の端部領域から第2の端部領域まで延びている導管108を含む。流体収集デバイスは、領域419の流体不浸透性障壁102の少なくとも一部に適用された粘膜付着剤を含む。
【0047】
領域419の粘膜付着剤は、流体不浸透性障壁102に粘着付与剤を追加し、これは、剥離強度にほとんど影響を及ぼすことなくずり抵抗を提供する。粘膜付着剤は、ゴム、ゲル、重合体、テープ又はそれらの組合せを含むことができる。例えば粘膜付着剤ゴムは、Tmarind/Xanthumゴム、等々を含むことができる。ゲルの形態の粘膜付着剤は、Gantrez/Sodiumアルギン酸塩ゲル、等々を含むことができる。いくつかの例では、粘膜付着剤は、表面改質剤をその上に有するテープ、粘着付与添加剤が流体不浸透性障壁に統合された低粘着接着剤を含む。他のゴム、ゲル又は重合体を使用することも可能である。粘膜付着剤は、図11に示されている領域419の流体不浸透性障壁102の上、あるいは図12に示されている領域419の開口の頂部の近くの多孔性材料115の上などの、流体収集デバイス400の1つ以上の部分の上に配置することができる。
【0048】
図11に示されているように、領域419は、多孔性材料115が露出されている開口の側面に沿っていてもよい。このような例では、粘膜付着剤は、着用者の内側の脚(腿)又は陰唇との大きい係合を提供することができる。
【0049】
図12に示されているように、領域419は、多孔性材料115が露出されている開口の頂部に存在していてもよい。このような例では、粘膜付着剤は、領域419の開口の頂部の流体不浸透性障壁102及び/又は多孔性材料115の上に配置することができる。このような例では、粘膜付着剤は、着用者の恥骨領域との大きい係合を提供し、それにより開口(及びその中の多孔性材料115)を着用者の尿道の上方に維持する。
【0050】
流体収集デバイス400の上に含まれている粘膜付着剤は、着用者に対する流体収集デバイス400の位置を維持するための追加保持手段を提供する。粘膜付着剤が上に配置される面積を制限することにより、着用者、着用者の衣服及び寝具が粘膜付着剤によって汚染されるのを防止することができる。したがって粘膜付着剤は、大量の付着剤を着用者に導入することなく、着用者に対する流体収集デバイスの位置を保持する。
【0051】
使用中、本明細書において開示されている流体収集デバイスは、多孔性材料が露出されている流体収集デバイスの開口が着用者の尿道の上又は上方に配置されるように配置することができる。流体収集デバイスは、尿道から体液(例えば尿)を内部チャンバの中に受け取ることができる。体液の少なくとも一部は、多孔性材料を介して尿道から除去することができる(例えばウィッキング、吸収、吸着、等々を介して)。体液は、内部チャンバの中の多孔性材料を通って、リザーバ(例えばデバイスの重力的に低い点に位置している)中の導管の開放端に向かって流れることができる。体液は、導管を介して流体収集デバイスから除去することができる。真空源によって導管に加えられる吸込み(例えば真空)力に応答して、導管を介して内部チャンバに吸込み力を導入することができる。流体収集デバイスから除去された体液は、真空源に動作可能に結合された流体貯蔵容器に貯蔵することができる。
【0052】
本明細書において開示されている流体収集デバイスは流体収集システムの一部であってもよい。図13は、実施形態による、流体を収集するためのシステム500のブロック図である。システム500は、導管108などを介して流体貯蔵容器519又は真空源529のうちの1つ以上に動作可能に結合された流体収集デバイス501を含む。導管108は、流体収集デバイス501の内部チャンバを流体貯蔵容器519又は真空源529と流体接続することができる(流体貯蔵容器519を介して)。したがって導管108を介して、重力送り又は真空吸込みのうちの1つ以上を介して、内部チャンバから流体を除去することができる。
【0053】
流体収集デバイス501は、本明細書において開示されている流体収集デバイスのうちの任意の流体収集デバイスに類似しているか、あるいは全く同じであってもよい。例えば流体収集デバイス501は、流体不浸透性障壁、流体浸透性ボディー、及び本明細書において開示されている保持手段のうちの任意の保持手段を含むことができる。流体収集デバイス501は、本明細書において開示されている入口及び出口を含む導管108を含むことができる。出口は流体貯蔵容器519に流体結合することができ、また、入口は流体収集デバイス501の中に配置することができる。
【0054】
導管108は、流体貯蔵容器519及び真空源529のうちの1つ以上に結合され、また、流体貯蔵容器519及び真空源529のうちの1つ以上の間を少なくとも部分的に延びている。したがって真空源529は、導管108を介して流体貯蔵容器519に流体接続することができる。例では、導管108は真空源529に直接接続されている。いくつかの例では、導管108は、流体貯蔵容器519及び真空源529のうちの少なくとも一方に間接的に接続することができる。いくつかの例では、導管108は、それらに限定されないが、米国特許第6,117,163号、米国特許第6,123,398号及び米国特許第8,211,063号に開示されているカテーテル確保デバイスを含む、C. R. Bard, Inc.から入手することができるSTATLOCK(登録商標)カテーテル確保デバイスなどのカテーテル確保デバイスを使用して着用者の皮膚に固着することができ、これらの米国特許の開示は、すべて、それらの全体を本願に引用して援用する。
【0055】
流体収集デバイス501の中に収集された流体(例えば尿又は他の体液)は、導管108を介して流体収集デバイス501から除去することができる。真空力又は吸込み力を加えて、導管を介して、直接的又は間接的のいずれかで流体収集デバイスから流体を除去することができる。真空力は流体貯蔵容器519を介して間接的に加えることができる。例えば導管108の第2の開放端は流体貯蔵容器519内に配置することができ、また、追加導管108は、流体貯蔵容器519から真空源529まで延びることができる。したがって真空源529は、流体貯蔵容器519及び導管108を介して、流体収集デバイス501(例えばその中のチャンバ)に真空力又は吸込み力を間接的に加えることができる。流体が流体収集デバイス501の内部チャンバからドレンされると、流体は、導管108の第1のセクションを通って流体貯蔵容器519へ移動することができ、そこで流体を保持することができる。
【0056】
流体貯蔵容器519は、その中に流体を貯蔵するように構築されている。流体貯蔵容器は、バッグ(例えばドレンバッグ)、剛直なビン又はカップ(例えば収集ジャー)、あるいは体液を貯蔵するための任意の他の密閉された容器を含むことができる。流体貯蔵容器は、導管108の一部などを介して真空源529に流体接続することができる。真空源529は、流体収集デバイス501のうちの1つ以上から導管108を介して流体貯蔵容器519の中に流体を引き込むための真空を提供する。流体収集デバイス501の中に収集された流体は、導管を通って流体貯蔵容器の中へ移動する。流体貯蔵容器519に対する真空源529への個別の接続を有することにより、流体収集デバイス501から除去された流体が真空源529に入るのを防止することができる。
【0057】
真空源は、手動真空ポンプ、電気真空ポンプ、隔膜ポンプ、遠心ポンプ、容積式ポンプ、磁気駆動ポンプ、蠕動ポンプ、又は真空を生成するように構成された任意のポンプのうちの1つ以上を含むことができる。真空源は、病室で見出されるような壁取付け吸込みラインを含むことができる。例では、真空源には、電力コード(例えば電力ソケットに接続された)、1つ以上の電池、さらには手動電力(例えば手動操作真空ポンプ)のうちの1つ以上によって電力を供給することができる。真空源は、スイッチ、ボタン、プラグ、遠隔操作、又は真空源を起動するのに適した任意の他のアクチュエータのうちの1つ以上を含むことができる。真空源は、使用者(例えば医療従事者、着用者又は介護者)によって選択的に動作させることができる。
【0058】
本明細書において開示されている任意の流体収集デバイス及びシステムを利用して、流体収集デバイスの着用者から尿などの流体を収集することができる。図14は、実施形態による、流体を収集するための方法600の流れ図である。方法600は、着用者に対して流体収集デバイスを配置する行為610であって、流体収集デバイスは、内部チャンバを中に画定する流体不浸透性障壁、及び内部チャンバにアクセスすることができる開口と、内部チャンバの中に配置された多孔性材料と、内部チャンバに流体接続された導管と、着用者に対する流体収集デバイスの配置を保持するための保持手段とを含む、行為610を含む。方法600は、保持手段を係合させる行為620を含む。方法600は、流体収集デバイスの中に流体を受け取る行為630を含む。方法600の行為610、620又は630は、すべて、異なる順序で実施することができ、複数の行為に分割することができ、修正することができ、補足することができ、あるいは結合することができる。例えば行為610及び620は単一の行為に結合することができる。いくつかの例では、方法600のブロック610~630のうちの1つ以上を省略することができ、あるいは追加行為を加えることができる。
【0059】
方法600には、本明細書において開示されている流体収集デバイスのうちの任意の流体収集デバイスを使用することができる。例えば行為610は、着用者から尿を収集するために、本明細書において開示されている流体収集デバイスのうちの任意の流体収集デバイスを着用者の所定の位置に配置することを含むことができる。流体収集デバイスは、内部チャンバを中に画定する流体不浸透性障壁、及び内部チャンバにアクセスすることができる開口と、内部チャンバの中に配置された多孔性材料と、内部チャンバに流体接続された導管と、着用者に対する流体収集デバイスの配置を保持するための保持手段とを含む。流体収集デバイスの保持手段は、本明細書において開示されている任意の保持手段のうちの1つ以上を含むことができる。
【0060】
着用者に対して流体収集デバイスを配置する行為610は、流体収集デバイスの開口を着用者の尿道の上方、尿道の近く又は尿道の上に配置することを含むことができる。着用者に対して流体収集デバイスを配置することは、開口を着用者の陰唇又は陰門の上、それらの周り又はそれらの上方に配置することを含むことができる。着用者に対して流体収集デバイスを配置すること(例えば開口を着用者の尿道に隣接して配置すること)は、流体収集デバイスの第2の端部領域を着用者の会陰領域に対して、又はその近くに配置し、第1の端部領域を着用者の恥骨領域に対して、又はその近くに配置することを含むことができる。
【0061】
保持手段を係合させる行為620は、本明細書において開示されている保持手段のうちの任意の保持手段を係合させることを含むことができる。保持手段を係合させる行為620は、流体収集デバイスを着用者に対して保持するために、保持手段を操作して着用者の解剖学的な体の構造の特徴と係合させることを含むことができる。例えば保持手段を係合させることは、保持手段を操作して、流体収集デバイスの少なくとも一部に、着用者の体の構造、例えば着用者の会陰領域から恥骨領域までの矢状面の形状、着用者の陰唇の形状、着用者の脚の間の空間、等々などの形状を補足させることを含むことができる。
【0062】
保持手段が変形可能導管(図2図6)を含む例では、保持手段を係合させることは、変形可能導管曲げる、すなわち形状化して、着用者の体の構造(着用者の会陰領域から恥骨領域までの矢状面の形状など)を補足することを含むことができる。例えば変形可能導管が、配管がその上に配置されているグーズネック配管を含んでいる場合、保持手段を係合させることは、グーズネック配管を手動で操作して弓形の形状などの選択された形状にし、それにより着用者の恥骨領域から会陰領域までの矢状面に沿って着用者の体の構造に一致させることを含むことができる。このような例では、流体収集デバイスの開口は、少なくとも一部には、グーズネック配管(選択された大きさの力が加えられない限りグーズネック配管の形状を維持することができる、グーズネック配管のセクション同士の間の篏合及び寸法を含む)によって維持されている流体収集デバイスの形状によって着用者の尿道の上方に配置され、かつ、そこに維持される。また、グーズネック配管の上方に配置された配管は、着用者がグーズネック配管のセクションを意識するのを同じく防止し、その一方で、尿又は他の流体を真空などを介して配管から同じく除去することができる。
【0063】
変形可能導管が、配管がその上に配置されているグーズネック配管を含んでいる場合、保持手段を係合させることは、グーズネック配管を手動で操作して弓形の形状などの選択された形状にし、それにより着用者の恥骨領域から会陰領域までの矢状面に沿って着用者の形状に一致させることを含むことができる。このような例では、流体収集デバイスの開口は、少なくとも一部には、グーズネック配管(選択された大きさの力が加えられない限りグーズネック配管の形状を維持することができる、グーズネック配管のセクション同士の間の篏合及び寸法を含む)によって維持されている流体収集デバイスの形状によって着用者の尿道の上方に配置され、かつ、そこに維持される。
【0064】
例では、変形可能導管が、内部配管と外部管の間に配置された複数の繊維を含んでいる場合、保持手段を係合させることは、変形可能導管を曲げて選択された形状にすることを含むことができる。複数の繊維を中に有する変形可能導管は、曲げて、弓形の形状などの選択された形状にすることができ、それにより着用者の恥骨領域から会陰領域までの矢状面に沿って着用者の形状に一致させることができる。このような例では、流体収集デバイスの開口は、少なくとも一部には、複数の繊維によって維持されている流体収集デバイスの形状によって着用者の尿道の上方に配置され、かつ、そこに維持される。例えば変形可能導管が曲がると、それらの複数の繊維は互いを通り越して移動することができ、それらの間の摩擦はそれらを新しい位置に保持し、それによりスプリングバックを防止することができる。
【0065】
いくつかの例では、保持手段は少なくとも部分的に多孔性材料によって画定され、多孔性材料は圧縮可能な弾性発泡体を含む(図7)。例えば弾性発泡体はメモリフォームを含むことができる。弾性発泡体を有する例では、流体収集デバイスの保持手段を係合させることは、圧縮状態にするために、流体収集デバイスを圧縮する、形状化する、又は成形する、のうちの1つ以上、及び流体収集デバイスを着用者の体の構造に対して少なくとも部分的に膨張させることを含むことができる。流体収集デバイスは、着用者の尿道の上方の開口などを使用して着用者の体の構造の中にバイアスさせることができ、また、流体収集デバイスの1つ以上の部分を膨張させて着用者の体の構造に一致させることができる。したがって着用者の陰唇、内腿又は他の部分などの着用者の体の構造に一致させることにより、流体収集デバイスを所定の位置に保持することができる。このような弾性発泡体は、流体を通過させる多孔性と、痛みをもたらすようなことがない、着用者とデバイスの間の快適な適合の提供との両方を兼ね備えている。保持手段を係合させることは、流体収集デバイスを圧縮すること、流体収集デバイスを尿道の上方の開口を使用して着用者の下着の中に配置すること、及び着用者の体の構造に対してデバイスを少なくとも部分的に膨張させることを含むことができる。
【0066】
いくつかの例では、保持手段を係合させることは、流体収集デバイスを操作して、着用者の体の構造の一部に対してつまむか、あるいはバイアスさせることを含む。このような例では、保持手段は少なくとも部分的に流体不浸透性障壁によって画定することができる。例えば流体不浸透性障壁は、陰唇フランジ及び陰唇フランジから延びている突出部を画定している(図9図10)。このような例では、流体不浸透性障壁は、着用者と対向している側の縦方向の軸に沿って頂点に収束する。陰唇フランジは、陰唇を少なくとも部分的に中に収容するようにサイズ化され形状化された谷を有する、縦方向に延びている少なくとも半剛直性のフランジを含む。突出部は、流体不浸透性障壁の背面の少なくとも一部に沿って縦方向に延び、それらの間に谷を含む。陰唇フランジの横方向の端部は、突出部がつままれると、流体不浸透性障壁全体に加えられる張力のために、頂点から遠ざかる方向に回転する。流体収集デバイスの保持手段を係合させることは、流体収集デバイスの突出部を曲げること、あるいはつまむこと、及び流体収集デバイスの陰唇フランジが着用者の陰唇の上に配置されると突出部を解放することを含むことができる。突出部が解放されると、陰唇フランジは、陰唇に対して内側にバイアスし、陰唇に押し付ける(例えばつまむ)ことができる。したがって陰唇フランジ及び頂点によって、流体収集デバイスを着用者に対して所定の位置に保持することができる。頂点の上に開口を配置することにより、開口を着用者の尿道の上方の所定の位置に維持することができる。
【0067】
いくつかの例では、保持手段を係合させることは、流体収集デバイスの一部を着用者に粘着させることを含むことができる。例えば保持手段は、流体不浸透性障壁の1つ以上の領域の外部表面に配置された粘膜付着剤を含むことができる(図11及び図12)。いくつかの例では、この1つ以上の領域は、開口の1つ以上の部分の周りなどの、開口と境界をなしている領域を含む。保持手段を係合させることは、内腿、陰唇、恥骨領域、会陰領域、等々との接触など、流体収集デバイスの粘膜付着剤を着用者と接触して置くことを含む。
【0068】
いくつかの例では、本明細書において開示されている保持手段のうちの任意の保持手段の組合せを相俟って使用することができる。このような例では、保持手段を係合させることは、本明細書において開示されている複数の保持手段を係合させることを含むことができる。
【0069】
流体収集デバイスの中に流体を受け取ることは、着用者から流体収集デバイスの中へ放出される尿又は任意の他の流体を受け取ることを含むことができる。尿は、多孔性材料によって受け取ることができる(流体浸透性膜から流体浸透性サポートへの通過など)。例えば流体収集デバイスの中に流体を受け取ることは、開口を介した多孔性材料の中などの、着用者の尿道から内部チャンバの中に尿を受け取ることを含む。流体を受け取ることは、流体を流体収集デバイスのリザーバの中に受け取ることを含むことができる。流体は内部チャンバから除去することができ、例えばリザーバの中の導管を介してリザーバから除去することができる。
【0070】
本明細書において開示されているデバイス、システム及び方法は、着用者の体の構造(例えば尿道)に対する流体収集デバイスの位置の保持を提供し、それにより体液がこぼれるのを防止し、また、ベッド及び衣服を汚染するのを防止する。位置のこのような改良された保持は、流体収集デバイスが所定の位置に位置していることを保証するための、動くことができない、あるいはベッドから離れることができない患者を監視する量を制限する。このような改良は、尿が患者、下着、衣服、寝具、等々を汚染していないことを保証するために介護又は医療専門家が当てなければならない時間を制限する。
【0071】
方法600は、導管を介して流体を流体収集デバイスから除去するステップを含むことができる。導管を介して流体を流体収集デバイスから除去するステップは、内部チャンバ、例えばリザーバなどに導管を介して真空を加えるステップを含むことができる。導管を介して流体を流体収集デバイスから除去するステップは、重力による内部チャンバからの流体の除去を許容するステップを含むことができる。導管を介して流体を流体収集デバイスから除去するステップは、真空又は重力送りなどを介して流体を流体貯蔵容器の中へ除去するステップを含むことができる。
【0072】
以上、本明細書において様々な態様及び実施形態を開示したが、他の態様及び実施形態が企図されている。本明細書において開示されている様々な態様及び実施形態は例証を目的としたものであり、制限することは意図されていない。開示されている任意の実施形態からの特徴は、非制限で互いに組み合わせて使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14