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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】固定刃監視構造及び切断装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/26 20060101AFI20240610BHJP
   B26D 1/56 20060101ALI20240610BHJP
   H01M 4/139 20100101ALI20240610BHJP
   H01M 4/04 20060101ALI20240610BHJP
   B26D 1/08 20060101ALI20240610BHJP
   B26D 7/22 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
B26D7/26
B26D1/56 Z
B26D1/56 F
H01M4/139
H01M4/04 Z
B26D1/08
B26D7/22 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022558560
(86)(22)【出願日】2022-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 CN2022091556
(87)【国際公開番号】W WO2023142298
(87)【国際公開日】2023-08-03
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】202220238758.9
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】郭益泰
(72)【発明者】
【氏名】文志華
(72)【発明者】
【氏名】李克強
(72)【発明者】
【氏名】張聡
(72)【発明者】
【氏名】史云茹
(72)【発明者】
【氏名】胡軍
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-020267(JP,A)
【文献】特開昭64-040299(JP,A)
【文献】特公昭41-005874(JP,B1)
【文献】実開昭60-157198(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/20 - 7/26
B26D 1/56
B26D 1/08
B21D 28/00 - 28/36
H01M 4/139
H01M 4/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極板切断装置に用いられる固定刃監視構造であって、
スライドスリーブが設けられた刃ホルダと、
前記スライドスリーブの中に摺動して取付けられた固定刃モールドベース及び前記固定刃モールドベースに取付けられた固定刃を備える固定刃モジュールと、
前記スライドスリーブの中に取付けられるとともに、前記固定刃モールドベースに接続され、前記固定刃モールドベースが受けた相対的作用力を監視することにより前記固定刃の状態を表現することに適用される固定刃監視アセンブリとを備え、
前記固定刃監視アセンブリは、一方端が前記スライドスリーブの側面に当接され、他方端が前記固定刃モールドベースに当接される圧力センサを備え、
前記固定刃監視アセンブリは、前記圧力センサの対向側に設けられ、前記スライドスリーブの水平方向における前記固定刃モールドベースの位置が調節されるように、前記固定刃モールドベースと前記刃ホルダを弾性的に接続することに適用される弾性調節部をさらに備えることを特徴とする固定刃監視構造。
【請求項2】
前記弾性調節部は、接続部及び弾性素子を備え、前記接続部は前記摺動方向に平行し、一方端が前記固定刃モールドベースの端部に螺合され、他方端が前記弾性素子を介して前記刃ホルダに弾性的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の固定刃監視構造。
【請求項3】
前記弾性素子は、前記接続部に外嵌され、一方端が前記刃ホルダに当接され、他方端が前記接続部の端部に接続された圧縮ばね又は圧縮皿ばねであることを特徴とする請求項2に記載の固定刃監視構造。
【請求項4】
前記刃ホルダには、前記スライドスリーブに連通される第1の取付け穴が設けられ、前記固定刃モールドベースの端部には第2の取付け穴が設けられ、前記接続部の一方端は、前記第1の取付け穴を貫通して前記第2の取付け穴に螺合されることを特徴とする請求項2に記載の固定刃監視構造。
【請求項5】
前記接続部は、ヘッド部が前記圧縮ばね又は圧縮皿ばねに当接されたボルトであることを特徴とする請求項3に記載の固定刃監視構造。
【請求項6】
コントローラとディスプレイとをさらに備え、前記コントローラは、それぞれ前記圧力センサと前記ディスプレイに電気的に接続されることを特徴とする請求項5に記載の固定刃監視構造。
【請求項7】
前記固定刃モールドベースの端部には、前記スライドスリーブに挿設されたラグサポートが設けられることを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の固定刃監視構造。
【請求項8】
請求項1~6の何れか一項に記載の固定刃監視構造を有することを特徴とする切断装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2022年01月28日に提出された「固定刃監視構造及び切断装置」という中国特許出願202220238758.9の優先権を主張し、当該出願の内容の全ては、引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本願は、リチウム電池の製造技術分野に属し、具体的に、固定刃監視構造及び当該固定刃監視構造を有する切断装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電池極板の切断への品質要求が高いため、極板の切断装置は、組立中に装置を調整するために多くの労働力が必要であるとともに、途中で極板を利用して装置の試し切り試験を行う必要があるが、カッターは、使用中に、カッターの製造プロセスと組立に差異があるため、カッターの耐用年数をフィードバックすることができなくて、極板のサンプリングを通じてしかカッターの使用状態を判断することができず、切断工程の生産効率に影響を与えてしまう。
【発明の概要】
【0004】
本願は、切断装置のパラメータ化された組立・試運転が実現され、労働力消耗が低減され、取付け・試運転期間が短縮される固定刃監視構造及び切断装置を提供することを目的とする。
【0005】
第1の態様において、本願は、スライドスリーブが設けられた刃ホルダと、前記スライドスリーブの中に摺動して取付けられた固定刃モールドベース及び前記固定刃モールドベースに取付けられた固定刃を備える固定刃モジュールと、前記スライドスリーブの中に取付けられるとともに、前記固定刃モールドベースに接続され、前記固定刃モールドベースが受けた相対的作用力を監視することにより前記固定刃の状態を表現することに適用される固定刃監視アセンブリとを備えることを特徴とする固定刃監視構造を提供する。
【0006】
本願の実施例の技術案において、切断装置の作動中に、固定刃は、それと上下に交互に設置された可動刃との間に相対的作用力があり、相対的作用力により、固定刃モジュールをスライドスリーブの中で摺動させるように駆動される。固定刃モールドベースと刃ホルダとの接続箇所において固定刃監視アセンブリが設けられることにより、固定刃モールドベースの状態に対する監視を実現することができるが、固定刃モールドベースの状態はその上に設けられた固定刃によるもので、すなわち、固定刃監視アセンブリにより固定刃の状態の監視を実現することができ、固定刃の状態は参照として、切断装置のパラメータ化された組立・試運転を実現し、さらに試運転中の労働力消耗を低減し、取付け・試運転期間を短縮することができる。また、切断機器の作動時間が長くなるにつれて、固定刃と可動刃との間に摩耗があるため、さらに両者間の相対的作用力が減少され、かつ、相対的作用力の減少は圧力計の示度数で適時に表現することができるので、刃物の状態は適時にフィードバックされ、適時に調整することが容易である。
【0007】
幾つかの実施例において、前記固定刃監視アセンブリは、一方端が前記スライドスリーブの側面に当接され、他方端が前記固定刃モールドベースに当接される圧力センサを備える。圧力センサが設けられることにより、圧力に対する数値化モニタリングを実現することができるだけではなく、圧力値の変化によりカッターの状態を予測して分析し、カッター状態の追跡を実現することができる。
【0008】
幾つかの実施例において、前記固定刃監視アセンブリは、前記圧力センサの対向側に設けられ、前記スライドスリーブの水平方向における前記固定刃モールドベースの位置が調節されるように、前記固定刃モールドベースと前記刃ホルダを弾性的に接続することに適用される弾性調節部をさらに備える。
【0009】
弾性調節部が設けられることにより、固定刃モールドベースが摺動能力を有することを確保するとともに、固定刃モールドベースの位置の調整を実現することができ、適時に組立・試運転を行うことが容易である一方、カッターが摩耗された後に、固定刃の位置を調節することにより、固定刃と可動刃との間の作用力が設定範囲内に維持され、すなわち、固定刃と可動刃との間に良い切断状態を維持させることもできる。
【0010】
幾つかの実施例において、前記弾性調節部は、接続部及び弾性素子を備え、前記接続部は前記摺動方向に平行し、一方端が前記固定刃モールドベースの端部に螺合され、他方端が前記弾性素子を介して前記刃ホルダに弾性的に接続される。
【0011】
接続部及び弾性素子が設けられることにより、接続される接続部と弾性素子により、固定刃モールドベースと刃ホルダとの弾性的な接続が実現され、さらに、固定刃モールドベースに摺動能力が付与されるとともに、固定刃モールドベースの位置の調整が実現される。
【0012】
幾つかの実施例において、前記弾性素子は、前記接続部に外嵌され、一方端が前記刃ホルダに当接され、他方端が前記接続部の端部に接続された圧縮ばね又は圧縮皿ばねである。圧縮ばね又は圧縮皿ばねにより、弾性調節部は弾性変形することが実現され、さらに弾性調節が実現される。
【0013】
幾つかの実施例において、前記刃ホルダには、前記スライドスリーブに連通される第1の取付け穴が設けられ、前記固定刃モールドベースの端部には第2の取付け穴が設けられ、前記接続部の一方端は、前記第1の取付け穴を貫通して前記第2の取付け穴に螺合される。位置が対応している第1の取付け穴と第2の取付け穴が設けられることにより、接続部と弾性素子は対応して取付けられることが実現され、構造が簡単で容易に実現されるとともに、接続部は刃ホルダ内に位置し、他の構造への邪魔が低減される。
【0014】
幾つかの実施例において、前記接続部は、ヘッド部が前記圧縮ばね又は圧縮皿ばねに当接されたボルトである。接続部がボルトとして設けられることにより、ボルトの構造を利用して上記の接続をより良く実現することができるとともに、材料は簡単で容易に入手することができる。
【0015】
幾つかの実施例において、コントローラとディスプレイとを更に備え、上記前記コントローラは、それぞれ前記圧力センサと前記ディスプレイに電気的に接続される。コントローラとディスプレイが設けられることにより、圧力センサにおけるデータの読み取りと表示が実現される。
【0016】
幾つかの実施例において、前記固定刃モールドベースの端部には、前記スライドスリーブの中に挿設されたラグサポートが設けられる。固定刃モールドベースの端部にラグサポートが設けられることにより、刃ホルダのサイズを相対的に低減し、さらに製造コストを削減することができる。
【0017】
第2の態様において、本願は、上記の実施例における固定刃監視構造を有する切断装置を提供する。
【0018】
上述した説明は本願の技術案の概略に過ぎず、本願の技術的手段がより明らかに理解され、明細書の内容に従って実施することを可能にするとともに、本願の上記及び他の目的、特徴とメリットがより明確で理解しやすくなるように、以下、特に本願の具体的な実施形態を挙げる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
下記の好ましい実施形態の詳述を読むことにより、当業者にとって、種々の他のメリットと利点が明らかになる。図面は、好ましい実施形態を示すためだけに用いられ、本願を制限するものとは考えられない。また、全ての図面において、同じ符号で同じ要素を示す。図面は、下記の通りである。
【0020】
図1】本願の幾つかの実施例の固定刃監視構造と駆動構造との組み合わせ構造模式図である。
【0021】
図2図1における一部の構造の模式図である。
【0022】
図3図1における取付け穴の長さに沿って破断して得られた断面構造模式図である。
【0023】
図4図3における一部の構造の拡大図である。
【0024】
図5】取付け穴の長さに沿って破断して得られた弾性調節部の構造模式図である。
【0025】
図6図3における一部の構造をさらに拡大した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を結びつけながら本願の技術案の実施例を詳しく説明する。以下の実施例は、本願の技術案をより明らかに説明するためだけに用いられるので、例示のみとされるが、それをもって本願の請求の範囲を制限することができない。
【0027】
特に定義のない限り、本明細書で使用されるあらゆる技術と科学用語は、当業者により通常理解されている意味と同様であり、本明細書で使用される用語は、本願を制限するためのものではなく、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本願の明細書と特許請求の範囲及び上記の図面の簡単な説明における「備える」と「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。
【0028】
本願の実施例の記載において、技術用語である「第1の」「第2の」などは、異なる対象を区別するためだけに用いられ、相対的重要性を指示又は黙示しているか、又は示された技術的特徴の数量、特定の順番や主従の関係を示唆しているとは理解できない。本願の実施例の記載において、特に明確で具体的な限定がない限り、「複数」とは、2つ以上を意味する。
【0029】
本明細書で「実施例」が言及される場合は、実施例を結び付けて記載された特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書中の各位置に現れた当該言葉は、何れも同じ実施例を指すとは限らず、他の実施例と相互排他的で独立的又は選択的な実施例でもない。当業者には、本明細書に記載された実施例が他の実施例と結合することができると明確に又は暗黙に理解される。
【0030】
本願の実施例の記載において、「及び/又は」という用語は、関連対象の相関関係を述べるものに過ぎず、3つの関係があり得ることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aだけが存在すること、AとBが同時に存在すること、及びBだけが存在すること、という3つの場合を示すことができる。なお、本明細書において、文字「/」は、一般的に、前後に関係する対象が「又は」という関係であることを示す。
【0031】
本願の実施例の記載において、「複数」という用語は2つ以上(2つを含む)を指し、同様に、「複数の群」とは、2群以上(2群を含む)を指し、「複数枚」とは、2枚以上(2枚を含む)を指す。
【0032】
本願の実施例の記載において、技術用語である「中心」「縦方向」「横方向」「長さ」「幅」「厚さ」「上」「下」「前」「後」「左」「右」「垂直」「水平」「頂」「底」「内」「外」「時計回り」「反時計回り」「軸方向」「径方向」「周方向」などによって指示された方位又は位置関係は、図面に基づく方位又は位置関係であり、本願の実施例の記載の便宜及び記載の簡略化のために過ぎず、示された装置やデバイスが特定の方位を有し、特定の方位で構成され、操作されなければならないことを指示又は黙示するものではないので、本願の実施例を限定するものとして理解できない。
【0033】
本願の実施例の記載において、特に明確な規定及び限定がない限り、技術用語である「取付ける」「繋がる」「接続する」「固定する」などの用語は、広い意味で理解すべきであり、例えば、固定接続であっても、取り外し可能な接続、又は一体化であってもよく、機械的接続であっても、電気的接続であってもよく、直接的接続であっても、介在物による間接的接続であってもよく、2つのデバイスの内部の連通又は2つのデバイスの相互作用関係であってもよい。当業者にとっては、具体的な状況に応じて、上記の用語の本願の実施例における具体的な意味を理解することができる。
【0034】
背景技術に開示されたように、電池極板の切断に対する品質要求が高いため、極板の切断装置は、組立中に装置を調整するために多くの労働力が必要であり、途中で極板を利用して装置の試し切り試験を行う必要があり、具体的には、進行中の可動刃22が固定刃21とうまく合わせて所定の位置で極板を切断することができるように、切断装置における駆動構造200の水平変位と垂直変位の試運転、及び可動刃22と固定刃21との相対的位置の試運転が含まれる。しかし、上記のパラメータ化された組立・試運転中には、極板以外に他の必要な参照がないため、多くの労働力を消費する必要があり、取付け・試運転期間が長い。さらに、切断機器の作動時間が長くなるにつれて、固定刃21及び可動刃22は何れもある程度の摩耗を有するが、カッターの製造プロセスと組立に差異があるため、カッターの耐用年数をフィードバックすることができなくて、極板試料のサンプリングを通じてしかカッターの使用状態を判断することができず、極板の不良品率が増加し、切断工程の生産効率に影響を与えてしまう。
【0035】
以上の問題に対して、図1図6に示すように、そのうち、X方向が水平方向であり、Y方向が垂直方向であることを模式的に示し、本願の幾つかの実施例は、電池極板の切断に用いられる時に固定刃を監視することができる固定刃監視構造100であって、スライドスリーブ11が設けられた刃ホルダ10と、端部がスライドスリーブ11の中に摺動可能に取付けられた固定刃モールドベース23及び固定刃モールドベース23に取付けられた固定刃21を備える固定刃モジュール20と、スライドスリーブ11の中に取付けられるとともに、固定刃モールドベース23の端部に接続され、固定刃モールドベース23の端部が受けた相対的作用力を監視することにより固定刃21の状態を表現することに適用される固定刃21監視アセンブリとを備える固定刃監視構造100を提供する。
【0036】
刃ホルダ10は取付け構造であり、切断構造の水平駆動部材に取付けられ、具体的に、水平駆動部材の可動子に取付けられ、水平駆動部材の駆動によって材料テープの進行方向に沿って水平往復移動し、それにより可動刃22及び刃ホルダ10上の固定刃モジュール20を同期して水平移動するように連動させることに適用される。
【0037】
固定刃モジュール20は、固定刃モールドベース23と、固定刃モールドベース23に取付けられた固定刃21とを備え、そのうち、固定刃21は可動刃22と上下に対応してずらして配布される。そのうち、可動刃22は、駆動構造200に接続され、駆動構造200の駆動によって下方へ移動することで固定刃21と合わせて極板を切断することに適用される。そして、両者が上下に対応してずらして配布されることで、切断作用が働く時に、可動刃22と固定刃21との間に一定の相対的作用力があり、それによって可動刃22と固定刃21との間に相対的作用力が発生され、可動刃22の固定刃21に対する相対的作用力が固定刃モールドベース23へ伝達することができることで、固定刃モールドベース23の端部とスライドスリーブ11との間に相対的作用力が存在する。
【0038】
固定刃21監視アセンブリはスライドスリーブ11に設けられるとともに、固定刃モールドベース23の端部に接続され、固定刃モールドベース23の端部とスライドスリーブ11との間の相対的作用力を取得し、データで表現することに適用される。固定刃モールドベース23の端部とスライドスリーブ11との間の相対的作用力は、固定刃21と可動刃22との相対的作用力に由来するもので、すなわち、固定刃21監視アセンブリは、切断中における固定刃21と可動刃22との相対的作用力をデータで表現することができる。データで表現された相対的作用力は、固定刃21及び可動刃22の状態をフィードバックすることができ、参照として切断装置の組立・試運転の状態を判断することができ、これにより、切断装置のパラメータ化された組立・試運転が実現され、労働力消耗が低減され、取付け・試運転期間の試運転が短縮される。
【0039】
また、切断機器の作動時間が長くなるにつれて、固定刃21と可動刃22は何れも一定の摩耗を有し、この場合、両者間の距離が相対的に増加し、さらに両者間の作用力が相対的に小さくなり、固定刃21監視アセンブリで表現された圧力数値も相対的に小さくなり、それにより固定刃21の状態を適時にフィードバックし、適時に調整することが容易である。
【0040】
図3図6に示すように、本願の幾つかの実施例において、固定刃21監視アセンブリは、一方端がスライドスリーブ11の側面に当接され、他方端が固定刃モールドベース23の端部に当接された圧力センサ30を備える。
【0041】
圧力センサ30は、精密な部品であり、圧力を読み取り可能で記憶可能な電気信号に変換することができる。圧力センサ30が設けられることにより、圧力に対する数値化モニタリングを実現することができるだけではなく、圧力値の変化によってカッターの状態を予測して分析し、カッター状態の追跡を実現することもできる。
【0042】
本願の幾つかの実施例において、固定刃21監視アセンブリは、圧力センサ30の対向側に設けられ、スライドスリーブ11の水平方向における固定刃モールドベース23の位置が調節されるように、固定刃モールドベース23と刃ホルダ10を弾性的に接続することに適用される弾性調節部をさらに含む。
【0043】
弾性調節部は弾性構造であり、変位調節能力以外に、その自体が一定の弾性変形を有する。弾性調節部は圧力センサ30の対向側に設けられ、それぞれ刃ホルダ10と固定刃モールドベース23に接続され、刃ホルダ10と固定刃21を調節可能に弾性的に接続することに適用され、それによって、固定刃モールドベース23の端部のスライドスリーブ11における位置を調節することができるだけではなく、固定刃モールドベース23の端部がスライドスリーブ11において水平方向に沿ってスライドスリーブ11に対して摺動することが確保される。
【0044】
弾性調節部が設けられることにより、固定刃21の位置に対する適時的な調整を実現することができ、適時に組立・試運転を行うことが容易である一方、カッターが摩耗された後に、固定刃21の位置を調節することにより、固定刃21と可動刃22との間の作用力が設定範囲内に維持され、固定刃21と可動刃22に良い切断状態を維持させることができる。
【0045】
本願の幾つかの実施例において、弾性調節部は、接続部及び弾性素子42を備え、接続部は摺動方向に平行し、一方端が固定刃モールドベース23の端部に螺合され、他方端が弾性素子42を介して刃ホルダ10に弾性的に接続される。
【0046】
弾性素子42は、圧縮弾性素子であってもよく、引張弾性素子であってもよい。接続部は固定刃モールドベース23の端部に螺合され、その螺合長さは、接続部の長さに影響を及ぼす。弾性素子42と接続部を組み合わせることにより、固定刃モールドベース23と刃ホルダ10との間の距離は接続部の接続長さによって調整することができ、固定刃モールドベース23の端部の相対的摺動は、弾性素子42により実現することができる。
【0047】
接続部と弾性素子42が設けられることにより、接続される接続部と弾性素子42により、固定刃モールドベース23と刃ホルダ10との弾性的接続が実現され、さらに、固定刃モールドベース23に摺動能力が付与されるとともに、固定刃モールドベース23の位置の調整が実現される。
【0048】
本願の幾つかの実施例において、弾性素子42は、接続部に外嵌され、一方端が刃ホルダ10に当接され、他方端が接続部の端部に接続された圧縮ばね又は圧縮皿ばねである。
【0049】
圧縮ばね又は圧縮皿ばねにより、弾性調節部は弾性変形することが実現され、さらに弾性調節が実現される。
【0050】
図1図6を参照すると、本願の幾つかの実施例において、刃ホルダ10には、スライドスリーブ11に連通される第1の取付け穴12が設けられ、固定刃モールドベース23の端部には第2の取付け穴25が設けられ、接続部の一方端は、第1の取付け穴12を貫通して第2の取付け穴25に螺合される。
【0051】
第1の取付け穴12は、スライドスリーブ11と刃ホルダ10の外壁を連通することに適用される貫通穴であり、第1の取付け穴12は、スライドスリーブ11の内壁で内方へ絞り、弾性素子42との当接に適用される環状ボスを形成している。第2の取付け穴25は第1の取付け穴12と同軸であり、第1の取付け穴12を貫通した接続部を第2の取付け穴25に螺合させることを可能にすることに適用される。
【0052】
位置が対応している第1の取付け穴12と第2の取付け穴25が設けられることにより、接続部と弾性素子42とが対応して取付けられることが実現され、構造が簡単で容易に実現されるとともに、接続部が刃ホルダ10内に位置し、他の構造への邪魔が低減される。
【0053】
本願の幾つかの実施例において、接続部は、ヘッド部が圧縮ばね又は圧縮皿ばねに当接されるボルト41である。
【0054】
ボルト41は、固定刃モールドベース23の端部に螺合するためのねじと、圧縮ばね又は圧縮皿ばねに当接するためのヘッド部とを有する。接続部がボルト41として設けられることにより、ボルト41の構造を利用して上記の接続をより良く実現することができるとともに、材料は簡単で容易に入手することができる。
【0055】
本願の幾つかの実施例において、コントローラとディスプレイとを更に備え、コントローラは、それぞれ圧力センサ30とディスプレイに電気的に接続される。
【0056】
コントローラ及びディスプレイは、圧力センサ30と組み合わせて利用することができ、圧力センサ30における電気信号を取得して処理し、それをディスプレイで表示することに用いられる。コントローラ及びディスプレイが設けられることにより、圧力センサ30におけるデータの読み取りと表示が実現される。
【0057】
本願の幾つかの実施例において、固定刃モールドベース23の端部には、スライドスリーブ11に挿設されたラグサポート24が設けられる。
【0058】
固定刃モールドベース23に比べると、ラグサポート24の体積は比較的小さく、すなわち、必要なスライドスリーブ11のサイズも比較的小さくて、それによって、小さいサイズの刃ホルダ10だけで固定刃モールドベース23の取付けを実現することができ、さらに構造全体の体積が相対的に低減され、製造コストが削減される。
【0059】
固定刃モールドベース23の端部にラグサポート24が設けられることにより、刃ホルダ10のサイズを相対的に低減し、それによって製造コストを低減することができる。
【0060】
本願の幾つかの実施例によれば、本願は、以上の何れか1つの技術案に記載されたリチウム電池極板の切断装置用の固定刃監視構造100を含む切断機器をさらに提供する。
【0061】
本願の幾つかの実施例によれば、図2図6を参照すると、本願は、スライドスリーブ11を有する刃ホルダ10と、固定刃モールドベース23及び固定刃21を有する固定刃モジュール20と、固定刃21検出部材とを備え、そのうち、固定刃21は固定刃モールドベース23に取付けられ、可動刃22と上下に対応してずらして配布され、固定刃21検出部材はスライドスリーブ11に設けられ、一方端がスライドスリーブ11の側面に当接され、他方端がモールドベースに当接される、リチウム電池極板の切断装置用の固定刃監視構造を提供する。使用時に、固定刃21と可動刃22との間に相対的作用力があり、そして相対的作用力が固定刃モールドベース23に伝達される。固定刃21検出部材は固定刃モールドベース23の端部における相対的作用力を検出し、データ化することにより、調整試験の参照として、切断装置のパラメータ化調整試験を実現し、取付け・試運転期間を短縮することができるとともに、切断中における可動刃22の状態のモニタリングを実現することができ、可動刃22と固定刃21との相対的状態を適時に調整することが容易である。
【0062】
最後に説明すべきことに、以上の各実施例は、本願の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではなく、上記の各実施例を参照して本願を詳しく説明したが、当業者は、依然として上記の各実施例に記載された技術案を修正したり、その中の一部又は全ての技術的特徴を同等置換したりすることができ、これらの修正や置換は、対応する技術案の趣旨を本願の各実施例の技術案の範囲から実質的に逸脱させることはないと理解すべきである。
【符号の説明】
【0063】
具体的な実施形態における符号は、下記の通りである。
【0064】
100 固定刃監視構造
200 駆動構造
10 刃ホルダ
20 固定刃モジュール
30 圧力センサ
11 スライドスリーブ
12 第1の取付け穴
21 固定刃
22 可動刃
23 固定刃モールドベース
24 ラグサポート
25 第2の取付け穴
41 接続部
42 弾性素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6