(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】バッテリーパック、電子デバイス、及び自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20240610BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20240610BHJP
H01M 50/247 20210101ALI20240610BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240610BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20240610BHJP
【FI】
H01M50/204 401D
H01M50/213
H01M50/247
H01M50/249
H01M10/6556
(21)【出願番号】P 2022565682
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(86)【国際出願番号】 KR2021012643
(87)【国際公開番号】W WO2022085954
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】10-2020-0137092
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】チャン-ウク・パク
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン-ジョン・イ
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-018739(JP,A)
【文献】特開2014-212026(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0027547(KR,A)
【文献】特開2017-152163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 10/6556
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルと、
前記複数の電池セルのうちの少なくとも一つ以上の温度を測定するように構成された温度測定部と、
前記温度測定部と接続され、前記複数の電池セルのうちの少なくとも一つ以上の温度を感知して前記温度測定部へ電気信号を送信するように構成された温度センサーと、
前記複数の電池セルを収容するモジュールケースであって、前記複数の電池セルを収容する内部空間を形成するように構成された側壁部、前記複数の電池セルのうちの少なくとも一つ以上の一部が
前記モジュールケースの外部に露出するように前記側壁部に形成された開口、前記開口と連通する入口を備える収容部であって、前記温度センサーの端部を収容する収容部、及び前記入口の一部をカバーするように前記側壁部から延びた固定リブを備えたモジュールケースと、
を含むことを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項2】
前記固定リブは、その一部分に、前記電池セルに向かって突出した長さが異なる段差が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記温度センサーは、
電気信号を伝送するように電線が備えられたワイヤ部と、
前記電池セルの温度変化に応じて電気抵抗が変わるように構成され、前記ワイヤ部の端部に位置し、前記ワイヤ部の断面積よりも大きい断面積を有するサーミスタ部と、
を備えたことを特徴とする、請求項1または2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記固定リブには、前記ワイヤ部の一部が挿入されるように一部分が凹んで形成された固定溝が形成されたことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記サーミスタ部が、前記開口によって露出した前記電池セルの一部と密着するように、前記収容部の空間には前記サーミスタ部に向かって突出した少なくとも一つ以上の加圧突起が備えられたことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記加圧突起は、少なくとも二つ以上が備えられ、
前記二つ以上の加圧突起は、所定の距離で離隔し、突出した長さが相異なることを特徴とする、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記収容部の空間に注入されるように構成された接着剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記収容部の空間には、前記サーミスタ部を加圧するように構成された弾性部材をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも一つ以上含むことを特徴とする、電子デバイス。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも一つ以上含むことを特徴とする、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパック、電子デバイス、及び自動車に関し、より詳しくは、温度センサーの設置を容易にし、複数の電池セルの温度測定の信頼性を向上させたバッテリーパックに関する。
本出願は、2020年10月21日出願の韓国特許出願第10-2020-0137092号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
最近、ノートブックPC、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、反復的な充放電の可能な高性能二次電池についての研究が活発に進行しつつある。
【0003】
現在、商用化した二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうち、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材を各々正極活物質と負極活物質に用いる。また、リチウム二次電池は、正極活物質と負極活物質が各々塗布された正極板と負極板とがセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、このような電極組立体を電解液と共に封止収納する外装材、即ち、電池ケースを備える。
【0005】
そして、リチウム二次電池は、外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に収納されている缶型電池セルと、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに収納されているパウチ型電池セルに分けられる。
【0006】
このうち、缶型電池セルは、電極組立体が内蔵される金属缶を円筒状に製作する場合がある。このような缶型電池セルは、複数の二次電池を収容するモジュールケース及び複数の電池セルを電気的に接続するように構成されたバスバーを備えたバッテリーパックを構成するのに使用され得る。
【0007】
一方、従来技術のバッテリーパックは、電池の作動状態や、電池寿命を把握するために、基本的に複数の電池セルの充放電による温度変化を測定する。従来技術のバッテリーパックは、複数の電池セルの温度を測定する温度センサーを使用していた。この際、通常、温度測定が必要な箇所に温度センサーを固定するために接着テープが付加された。
【0008】
しかし、従来技術のように、手で直接、温度センサーを接着テープで固定する作業は、製造時間及び製造コストを上昇させる要因になった。さらに、温度センサーを固定するために接着テープを使用する場合、作業者によって温度センサーの位置が変動するという問題があった。
【0009】
そこで、従来技術のバッテリーパックは、電池セルの温度が同一であっても、温度センサーによって測定された温度値に偏差を示すという問題があった。これによって、バッテリーパックの温度測定によってバッテリーパックの寿命または安全を管理しにくい面があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、温度センサーの取付けを容易にし、複数の電池セルの温度測定の信頼性を高めたバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するための本発明によるバッテリーパックは、複数の電池セルと、前記複数の電池セルのうちの少なくとも一つ以上の温度を測定するように構成された温度測定部と、前記温度測定部と接続され、前記複数の電池セルのうちの少なくとも一つ以上の温度を感知して前記温度測定部へ電気信号を送信するように構成された温度センサーと、前記複数の電池セルを収容する内部空間を形成するように構成された側壁部、前記複数の電池セルのうちの少なくとも一つ以上の一部が外部に露出するように前記側壁部に形成された開口、前記開口と連通する入口を備える収容部であって、前記温度センサーの端部を収容する収容部、及び前記入口の一部をカバーするように前記側壁部から延びた固定リブを備えたモジュールケースと、を含む。
【0013】
前記固定リブは、その一部分に、前記電池セルに向かって突出した長さが異なる段差が形成され得る。
【0014】
さらに、前記温度センサーは、電気信号を伝送するように電線が備えられたワイヤ部と、前記電池セルの温度変化に応じて電気抵抗が変わるように構成され、前記ワイヤ部の端部に位置し、前記ワイヤ部の断面積よりも大きい断面積を有するサーミスタ部と、を備え得る。
【0015】
そして、前記固定リブには、前記ワイヤ部の一部が挿入されるように一部分が凹んで形成された固定溝が形成され得る。
【0016】
さらに、前記サーミスタ部が、前記開口によって露出した前記電池セルの一部と密着するように、前記収容部の空間には前記サーミスタ部に向かって突出した少なくとも一つ以上の加圧突起が備えられ得る。
【0017】
また、前記加圧突起は、少なくとも二つ以上が備えられ、前記二つ以上の加圧突起は、所定の距離で離隔し、突出した長さが相異なり得る。
【0018】
さらに、前記収容部の空間に注入されるように構成された接着剤をさらに含み得る。
【0019】
そして、前記収容部の空間には、前記サーミスタ部を加圧するように構成された弾性部材をさらに含み得る。
【0020】
なお、上記の課題を解決するための本発明による電子デバイスは、バッテリーパックを少なくとも一つ以上含む。
【0021】
また、上記の課題を解決するための本発明による自動車は、バッテリーパックを少なくとも一つ以上含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一面によると、本発明は、温度センサーが収容される収容部と、収容部の入口をカバーするように構成された固定リブと、を備えたモジュールケースを含むこととしたので、温度センサーの端部が収容部の空間に収容されてから外部へ抜けてしまうことを効果的に防止することができる。これによって、従来技術において、温度センサーの端部を固定するために接着テープを使用した場合とは異なり、接着テープが不要であるため、材料コストを節減し、製造工程の時間が短縮可能であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施例によるバッテリーパックの概略的な斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例によるバッテリーパックの構成を概略的に示す分解斜視図である。
【
図4】第1フレームを除去し、
図3の収容部領域を他の角度から見た図である。
【
図5】
図4に対応する図面であって、本発明の第2実施例によるバッテリーパックの収容部領域を示した図である。
【
図6】
図4に対応する図面であって、本発明の第3実施例によるバッテリーパックの収容部領域を示した図である。
【
図7】
図4に対応する図面であって、本発明の第4実施例によるバッテリーパックの収容部領域を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0025】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0026】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーパックの概略的な斜視図であり、
図2は、本発明の一実施例によるバッテリーパックの構成を概略的に示す分解斜視図であり、
図3は、
図1のA領域の拡大図である。参考までに、
図2では、本発明のバッテリーパック100は、第1フレーム131及び第2フレーム132が結合した形態で二つの結合体を備えている。図面の説明の便宜のために、
図2では二つの結合体のうち相対的に前方に位置した結合体のみを分離して示した。
【0027】
図1を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーパック100は、複数の電池セル110と、温度測定部160と、温度センサー120と、モジュールケース130と、を含む。
【0028】
具体的には、前記複数の電池セル110は各々、充放電が可能なリチウム二次電池であり得る。前記電池セル110は、缶型の電池セル110であり得る。前記電池セル110は、一端及び他端に各々、正極端子111及び負極端子112が備えられ得る。前記電池セル110は、円筒状の缶を備え得る。
【0029】
このような電池セル110の構成は、本発明の出願時点における当業者にとって公知であり、本明細書では、より詳細な説明は省略する。また、本発明によるバッテリーパック100は、特定の形態の電池セル110の構成に限定されない。即ち、本発明の出願時点における公知の多様な電池セルが本発明によるバッテリーパック100に採用され得る。
【0030】
また、本発明のバッテリーパック100は、複数の金属プレート170をさらに含み得る。前記金属プレート170は、前記複数の円筒型電池セル110との電気的接続をなすように構成され得る。前記金属プレート170は、伝導性金属を備え得る。前記金属プレート170は、例えば、銅、ニッケル及びアルミニウムのうちの少なくとも一つ以上を備え得る。
【0031】
前記金属プレート170は、前記モジュールケース130の左側または右側に搭載され得る。
【0032】
そして、前記温度測定部160は、前記複数の電池セル110のうちの少なくとも一つ以上の温度を感知して前記温度測定部160へ電気信号を送信するように構成され得る。前記温度測定部160は、前記温度センサー120から受けた電気信号に応じて電池セル110の温度を算出するように構成され得る。前記温度測定部160は、前記温度センサー120と接続するように構成されたコネクターCを備え得る。
【0033】
また、前記温度センサー120は、熱を電気的信号に変えるセンサーの役割を果たし得る。例えば、前記温度センサー120は、ワイヤ部121及びサーミスタ部122を備え得る。前記ワイヤ部121は、電気信号を伝送するように電線が備えられ得る。例えば、
図3に示したように、前記ワイヤ部121は、二つの電線を備え得る。二つの電線は、電気絶縁性の被覆材で囲まれ得る。
【0034】
前記サーミスタ部122は、前記電池セル110の温度変化に応じて電気抵抗が変わるように構成され得る。前記サーミスタ部122は、前記ワイヤ部121の端部と電気的に接続され得る。前記ワイヤ部121は、前記ワイヤ部121の端部に位置し、前記ワイヤ部121の断面積よりも大きい断面積を有し得る。前記サーミスタ部122は、円筒状であり得る。前記ワイヤ部121に一定の電流が流れ、前記電池セル110の温度変化に応じてサーミスタ部122の電気抵抗が変化する場合、前記温度測定部160は、前記温度センサー120から受信された電気電圧によって前記電池セル110の外部温度を算出し得る。
【0035】
また、前記モジュールケース130は、電気絶縁性の素材を備え得る。例えば、前記モジュールケース130の素材としてポリ塩化ビニルが採用され得る。前記モジュールケース130は、側壁部133を備え得る。前記側壁部133は、前記複数の電池セル110を収容する内部空間を形成するように構成され得る。例えば、
図1に示したように、前記側壁部133は、前壁、後壁、左壁、及び右壁を含む四面で構成され得る。また、前記モジュールケース130は、前記複数の電池セル110の上部をカバーする上壁と、前記複数の電池セル110の下部をカバーする下壁と、を備え得る。参考までに、本発明の
図1に示したX軸の正方向とX軸の負方向は、右側方向及び左側方向を意味し得る。Y軸の正方向とY軸の負方向は、後方及び前方を意味し得る。Z軸の正方向とZ軸の負方向は、上方及び下方を意味し得る。
【0036】
前記モジュールケース130は、全体的にボックス形態の本体を有し得る。そして、前記モジュールケース130は、前記複数の電池セル110を内部に収容するように本体の複数の中空Oを有し得る。例えば、前記モジュールケース130は、
図2に示したように、円筒状の複数の中空Oを有し得る。
【0037】
そして、前記モジュールケース130は、前記複数の円筒型電池セル110を収容するための空間を形成する第1フレーム131及び第2フレーム132を備え得る。前記第1フレーム131は、後端が前記第2フレーム132の前端と結合するように構成され得る。この際、結合方法は、例えば、ボルト締めによる結合であり得る。
【0038】
そして、前記側壁部133には、開口134が形成され得る。前記開口134は、前記複数の電池セル110の少なくとも一つ以上の一部が外部に露出するように前記側壁部133の一部が穿孔されて形成され得る。
【0039】
前記モジュールケース130は、収容部135を備え得る。前記収容部135は、前記開口134と連通する空間であって、温度センサー120のサーミスタ部122が収容される収容空間である。言い換えれば、前記収容部135は、前記開口134が位置した個所で前記モジュールケース130の内側に位置した空間といえる。前記収容部は、前記開口と連通する入口を備え得る。
【0040】
図1及び
図3を参照すると、前記収容部135は、上部(+Z軸方向)に入口を備え得る。例えば、前記入口は、
図1において前記収容部135の上部、即ち、収容部135に対して+Z軸方向にある空間を意味し、前記第1フレーム131及び前記第2フレーム132の各々の一部分が結合して形成され得る。
【0041】
前記モジュールケース130は、前記固定リブ136を備え得る。前記固定リブ136は、前記入口の一部をカバーするように構成され得る。前記固定リブ136は、前記収容部135に挿入された前記温度センサー120のサーミスタ部122が前記収容部135の外部へ抜けることを阻止するように構成され得る。前記固定リブ136は、前記側壁から延びた一部分であり得る。前記固定リブ136は、前記収容部135の入口の中央を基準にして一側(後方)、または他側(前方)、または一側及び他側をカバーするように構成され得る。前記固定リブ136は、前記第2フレーム132に備えられ得る。
【0042】
本発明のこのような構成によれば、本発明は、温度センサー120が収容される収容部135及び前記収容部135の入口をカバーするように構成された固定リブ136を備えたモジュールケース130を含むことで、前記温度センサー120の端部が前記収容部135の空間に挿入された後、+Z軸方向の外部へ抜けることを効果的に防止することができる。これによって、従来技術において、前記温度センサー120の端部を固定するために接着テープを使用した場合とは異なり、接着テープが不要であるため、材料コストを節減することができ、製造工程の時間を短縮することができるという利点がある。
【0043】
図4は、第1フレームを除去して、
図3の収容部領域を他の角度から見た図である。
【0044】
図3と共に
図4を参照すると、前記固定リブ136は、その一部分に前記電池セル110に向かって突出した長さが異なるように構成された段差Sが形成され得る。前記固定リブ136は、前記収容部135の入口の一側に位置し得る。前記固定リブ136は、前記収容部135の入口の側部(後側)に近くなるほど前記電池セル110に向かって突出した長さがより長く形成され得る。即ち、前記段差Sは、前記固定リブ136の前記電池セル110に向かって突出した長さが段階的に変化した部分を指す。
【0045】
また、前記温度センサー120の端部は、前記固定リブ136の段差Sに位置するように構成され得る。即ち、前記温度センサー120のワイヤ部121は、前記固定リブ136の前記電池セル110に向かって突出した長さが相対的に長い部分に位置するように構成され得る。
【0046】
さらに、前記温度センサー120の端部は、前記入口の中央部分を貫通した後、前記固定リブ136の段差部分に向かって移動し得る。即ち、前記温度センサー120のサーミスタ部122が前記収容部135の空間に挿入された後、前記固定リブ136の下部へ移動し得る。これによって、前記サーミスタ部122は、前記固定リブ136の段差部分によって上方への移動が制限される。
【0047】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、前記固定リブ136の一部に前記電池セル110に向かって突出した長さが異なる段差Sが形成されることで、前記温度センサー120の端部が前記固定リブ136の端部によって前記電池セル110に向かって支持されるので、前記温度センサー120の端部が前記電池セル110とより近く位置するか、または前記電池セル110の外面に密着するようにすることができる。これによって、本発明は、温度センサー120によって電池セル110の温度をより迅速かつ正確に測定可能な利点がある。
【0048】
一方、
図4をさらに参照すると、本発明は、前記収容部135の空間に注入されるように構成された接着剤140をさらに含み得る。前記接着剤140は、前記収容部135の内部空間に注入された後、固化した接着剤140であり得る。前記接着剤140は、透明性及び電気絶縁性を有し得る。前記接着剤140は、グルー(glue)またはホットメルト樹脂(Hot-melt resin)であり得る。例えば、前記接着剤140は、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、及びアクリル系樹脂のうちの少なくとも一つ以上を備え得る。
【0049】
例えば、
図4に示したように、前記接着剤140は、前記温度センサー120のサーミスタ部122の位置を固定するように構成され得る。即ち、前記接着剤140は、前記温度センサー120の端部を固定し得る。
【0050】
図5は、
図4に対応する図面であって、本発明の第2実施例によるバッテリーパックの収容部領域を示した図である。
【0051】
図5を参照すると、本発明の第2実施例によるバッテリーパック100は、
図3の固定リブ136とは異なり、前記固定リブ136に固定溝Hがさらに形成され得る。前記固定溝Hは、前記固定リブ136の一部分が凹んで形成され得る。即ち、前記固定溝Hは、前記固定リブ136の端部から本体の内部へ凹んで形成され得る。前記固定溝Hは、前記温度センサー120の前記ワイヤ部121の一部が挿入されるように構成され得る。
【0052】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、前記固定リブ136の一部に前記ワイヤ部121の一部が挿入されるように構成された固定溝Hが形成されることで、前記温度センサー120のワイヤ部121を前記固定溝Hに安定的に固定でき、前記電池セル110との離隔距離の偏差を効果的に減らすことができる。即ち、本発明は、前記固定溝Hによって前記温度センサー120のサーミスタ部122が安定的に固定され、その位置が一定になるので、従来技術のように、製作されたバッテリーパック100毎に前記温度センサー120の端部の位置が相異なる場合、温度測定部160から測定された温度の信頼度が落ちる問題を解決することができる。
【0053】
図6は、
図4に対応する図面であって、本発明の第3実施例によるバッテリーパックの収容部領域を示した図である。
【0054】
図6を参照すると、本発明の第3実施例によるバッテリーパック100は、前記収容部135の空間に少なくとも一つ以上の加圧突起Pが備えられ得る。前記加圧突起Pは、前記サーミスタ部122が前記開口134によって露出した前記電池セル110の一部と密着するように前記収容部135の内部空間の内面から突出し得る。前記加圧突起Pは、前記サーミスタ部122に向かって突出した形態を有し得る。例えば、
図6に示したように、三つの加圧突起Pが前記収容部135の内面から前記サーミスタ部122に向かって突出し、前記サーミスタ部122が前記電池セル110に密着するように構成され得る。
【0055】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、前記収容部135の空間に少なくとも一つ以上の加圧突起Pが備えられることで、前記温度センサー120のサーミスタ部122が前記加圧突起Pによって前記電池セル110に向かって支持されるので、前記温度センサー120のサーミスタ部122が前記電池セル110とより近く位置するか、または前記電池セル110の外面に密着するようにすることができる。これによって、本発明は、温度センサー120によって電池セル110の温度をより迅速かつ正確に測定できるという利点がある。
【0056】
一方、
図6をさらに参照すると、前記加圧突起Pは、少なくとも二つ以上が備えられ得る。例えば、
図6に示したように、前記収容部135の内面には三つの加圧突起Pが形成され得る。また、前記二つ以上の加圧突起Pは、所定の距離で離隔し、前記温度センサー120のサーミスタ部122に向かって突出した長さLが相違し得る。例えば、
図6に示したように、三つの前記加圧突起Pは、相対的に上部に位置した加圧突起Pよりも下部に位置した加圧突起Pの前記サーミスタ部122に向かって突出した長さLをさらに長くし得る。これによって、前記サーミスタ部122の下部が、上部よりも相対的に前記電池セル110に近く位置し得る。
【0057】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、互いに突出した長さLが異なる少なくとも二つ以上の加圧突起Pを備えることで、前記温度センサー120のサーミスタが前記電池セル110の外面に対向して位置するようにし得る。即ち、前記少なくとも二つ以上の加圧突起Pが前記温度センサー120のサーミスタ部122が収容された位置を調節できるため、前記サーミスタ部122が前記電池セル110の外面と一定の間隔を維持するか、または前記電池セル110の外面に密着する面積をさらに拡大することができる。
【0058】
図7は、
図4に対応する図面であって、本発明の第4実施例によるバッテリーパックの収容部領域を示した図である。
【0059】
図7を参照すると、本発明の第4実施例によるバッテリーパック100は、
図4のバッテリーパック100と比較して、弾性部材150をさらに含み得る。前記弾性部材150は、例えば、弾性変形または弾性復元力を有する素材を備え得る。前記素材は、例えば、シリコーン、ウレタン、ゴム、及びスポンジのうちのいずれか一つ以上であり得る。
【0060】
また、前記弾性部材150は、前記温度センサー120の端部が挿入される前に、前記収容部135の空間に予め収容され得る。前記弾性部材150は、前記サーミスタ部122を加圧するように構成され得る。即ち、前記弾性部材150は、前記温度センサー120のサーミスタ部122が前記収容部135の内部へ入ると、弾性変形によって体積が減少し、前記サーミスタ部122の挿入過程が終了すると、弾性力によって体積が膨張し、前記弾性部材150の弾性力によって前記温度センサー120のサーミスタ部122が前記電池セル110の外面に密着するように加圧され得る。
【0061】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、前記サーミスタ部122を加圧するように構成された弾性部材150を含むことで、前記温度センサー120のサーミスタ部122が前記電池セル110とより近く位置するか、または前記電池セル110の外面に密着できる。これによって、本発明は、温度センサー120によって電池セル110の温度をより迅速かつ正確に測定可能な利点がある。
【0062】
一方、本発明の一実施例によるバッテリーパック100は、前記バッテリーパック100の充放電を制御するための各種装置(図示せず)、例えば、BMS(Battery Management System)、電流センサー、及びヒューズなどがさらに含まれ得る。
【0063】
一方、本発明の一実施例による電子デバイス(図示せず)は、上述したバッテリーパック100を少なくとも一つ以上含む。前記電子デバイスは、バッテリーパック100を収納するための収納空間が備えられたデバイスハウジング(図示せず)及び使用者がバッテリーパック100の充電状態を確認可能な表示部をさらに含み得る。
【0064】
また、本発明の一実施例によるバッテリーパック100は、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車に含まれ得る。即ち、本発明の一実施例による自動車は、前記バッテリーパック100を少なくとも一つ以上含み得る。前記自動車は前記バッテリーパック100を車体に搭載し得る。
【0065】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0066】
以上、本発明の望ましい実施例について図示及び説明したが、本発明は上述した特定の望ましい実施例に限定されず、請求範囲で請求する本発明の要旨から外れることなく当該発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者であれば、だれでも多様に変形できることは言うまでもなく、かかる変形は特許請求の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
100 バッテリーパック
110 電池セル
120 温度センサー
130 モジュールケース
133 側壁部
134 開口
135 収容部
136 固定リブ
160 温度測定部