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特許7500769バッテリーパック、電子デバイス及び自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】バッテリーパック、電子デバイス及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/298 20210101AFI20240610BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240610BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20240610BHJP
   H01M 50/247 20210101ALI20240610BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240610BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20240610BHJP
【FI】
H01M50/298
H01M50/204 401D
H01M50/213
H01M50/247
H01M50/249
H01M50/569
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022565909
(86)(22)【出願日】2021-09-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(86)【国際出願番号】 KR2021012069
(87)【国際公開番号】W WO2022085937
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0137094
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】チャン-ウク・パク
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン-ジョン・イ
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-020815(JP,A)
【文献】特開2013-105571(JP,A)
【文献】特開2016-201336(JP,A)
【文献】特開2017-212128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルと、
前記複数の電池セルの少なくとも一つの電流及び温度を測定するように構成された測定部と、
前記測定部と電気的に接続され、電流が流れる電線を含む少なくとも一つのセンシングワイヤと、
前記複数の電池セルを収容する内部空間を形成するための側壁部と、前記側壁部から外側方向へ突出した柱パーツ及び前記少なくとも一つのセンシングワイヤを収容する空間を形成するように前記柱パーツの突出端部から折り曲げられて延びた折曲パーツを含む固定部と、を備えたセルフレームと、
を含み、
前記固定部は、
前記センシングワイヤを基準にして一側に位置し、前記側壁部から外側方向へ突出した第1柱パーツと、前記第1柱パーツの突出端部から前記センシングワイヤを囲むように折り曲げられた形態で延びた第1折曲パーツと、を備えた第1固定部と、
前記センシングワイヤを基準にして他側に位置し、前記側壁部から外側方向へ突出した第2柱パーツと、前記第2柱パーツの突出端部から折り曲げられた形態で延び、前記第1折曲パーツと対面するように位置し、前記第1折曲パーツと所定の距離で離隔した第2折曲パーツと、を備えた第2固定部と、
を備え、
前記第1折曲パーツは、前記センシングワイヤと対面する一面に押圧突起をさらに備える、バッテリーパック。
【請求項2】
複数の電池セルと、
前記複数の電池セルの少なくとも一つの電流及び温度を測定するように構成された測定部と、
前記測定部と電気的に接続され、電流が流れる電線を含む少なくとも一つのセンシングワイヤと、
前記複数の電池セルを収容する内部空間を形成するための側壁部と、前記側壁部から外側方向へ突出した柱パーツ及び前記少なくとも一つのセンシングワイヤを収容する空間を形成するように前記柱パーツの突出端部から折り曲げられて延びた折曲パーツを含む固定部と、を備えたセルフレームと、
を含み、
前記固定部は、
前記センシングワイヤを基準にして一側に位置し、前記側壁部から外側方向へ突出した第1柱パーツと、前記第1柱パーツの突出端部から前記センシングワイヤを囲むように折り曲げられた形態で延びた第1折曲パーツと、を備えた第1固定部と、
前記センシングワイヤを基準にして他側に位置し、前記側壁部から外側方向へ突出した第2柱パーツと、前記第2柱パーツの突出端部から折り曲げられた形態で延び、前記第1折曲パーツと対面するように位置し、前記第1折曲パーツと所定の距離で離隔した第2折曲パーツと、を備えた第2固定部と、
を備え、
前記側壁部は、前記センシングワイヤに向かって突出した固定突起をさらに備える、バッテリーパック。
【請求項3】
複数の電池セルと、
前記複数の電池セルの少なくとも一つの電流及び温度を測定するように構成された測定部と、
前記測定部と電気的に接続され、電流が流れる電線を含む少なくとも一つのセンシングワイヤと、
前記複数の電池セルを収容する内部空間を形成するための側壁部と、前記側壁部から外側方向へ突出した柱パーツ及び前記少なくとも一つのセンシングワイヤを収容する空間を形成するように前記柱パーツの突出端部から折り曲げられて延びた折曲パーツを含む固定部と、を備えたセルフレームと、
を含み、
前記固定部は、
前記センシングワイヤを基準にして一側に位置し、前記側壁部から外側方向へ突出した第1柱パーツと、前記第1柱パーツの突出端部から前記センシングワイヤを囲むように折り曲げられた形態で延びた第1折曲パーツと、を備えた第1固定部と、
前記センシングワイヤを基準にして他側に位置し、前記側壁部から外側方向へ突出した第2柱パーツと、前記第2柱パーツの突出端部から折り曲げられた形態で延び、前記第1折曲パーツと対面するように位置し、前記第1折曲パーツと所定の距離で離隔した第2折曲パーツと、を備えた第2固定部と、
を備え、
前記第2固定部の前記第2柱パーツから前記センシングワイヤに向かって突出し、前記センシングワイヤに近くなるほど前記側壁部から突出した長さが次第に減少する傾斜面を有するガイド部をさらに備えるバッテリーパック。
【請求項4】
複数の電池セルと、
前記複数の電池セルの少なくとも一つの電流及び温度を測定するように構成された測定部と、
前記測定部と電気的に接続され、電流が流れる電線を含む少なくとも一つのセンシングワイヤと、
前記複数の電池セルを収容する内部空間を形成するための側壁部と、前記側壁部から外側方向へ突出した柱パーツ及び前記少なくとも一つのセンシングワイヤを収容する空間を形成するように前記柱パーツの突出端部から折り曲げられて延びた折曲パーツを含む固定部と、を備えたセルフレームと、
を含み、
前記固定部は、
前記センシングワイヤを基準にして一側に位置し、前記側壁部から外側方向へ突出した第1柱パーツと、前記第1柱パーツの突出端部から前記センシングワイヤを囲むように折り曲げられた形態で延びた第1折曲パーツと、を備えた第1固定部と、
前記センシングワイヤを基準にして他側に位置し、前記側壁部から外側方向へ突出した第2柱パーツと、前記第2柱パーツの突出端部から折り曲げられた形態で延び、前記第1折曲パーツと対面するように位置し、前記第1折曲パーツと所定の距離で離隔した第2折曲パーツと、を備えた第2固定部と、
を備え、
前記第1柱パーツ及び前記第2柱パーツの少なくとも一つは、前記側壁部まで延びた強化リブを備える、バッテリーパック。
【請求項5】
前記第2柱パーツは、前記第1折曲パーツの端部と所定の距離で離隔している、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記固定部は、前記センシングワイヤの一側部を囲むように前記折曲パーツの端部から延びたフックを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも一つ含むことを特徴とする、電子デバイス。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも一つ含むことを特徴とする、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパック、電子デバイス及び自動車に関し、より詳しくは、センシングワイヤの設置を容易にし、製造コストを節減したバッテリーパックに関する。
【0002】
本出願は、2020年10月21日出願の韓国特許出願第10-2020-0137094号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートブック型PC(パーソナルコンピュータ)、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、反復的な充放電の可能な高性能二次電池についての研究が活発に進行しつつある。
【0004】
現在、商用化した二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうち、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材を各々正極活物質と負極活物質に用いる。また、リチウム二次電池は、正極活物質と負極活物質が各々塗布された正極板と負極板とがセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、このような電極組立体を電解液と共に封止収納する外装材、即ち、電池ケースを備える。
【0006】
そして、リチウム二次電池は、外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に収納されている缶型電池セルと、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに収納されているパウチ型電池セルに分けられる。
【0007】
このうち、缶型電池セルは、電極組立体が内蔵される金属缶を円筒状に製作する場合がある。このような缶型電池セルは、バッテリーパックを構成するのに使用され得る。例えば、前記バッテリーパックは、複数の缶型電池セル、電池セルを収容するセルフレーム及び複数の電池セルを電気的に接続するように構成されたバスバーまたは金属プレートを備え得る。
【0008】
一方、従来技術のバッテリーパックは、電池作動状態や電池寿命を把握するために、基本的に複数の電池セルの充放電による電流及び温度変化を測定する。従来技術のバッテリーパックは、複数の電池セルの電流を測定するために、電流センシングワイヤ及び温度を測定する温度センシングワイヤを使用していた。この際、従来技術のバッテリーパックは、両面テープを使用して電流センシングワイヤ及び温度センシングワイヤをセルフレームの外面に固定していた。
【0009】
しかし、従来技術において、センシングワイヤの動きを防止するために、両面テープを使用する場合、先ずセンシングワイヤを囲むように両面テープを設け、セルフレームとの接着のために両面テープから離型紙を除去する工程が必ず必要であった。このように両面テープを用いたセンシングワイヤの固定作業は、作業が複雑であって工程時間が増加し、製造コストを上昇させる要因となっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、センシングワイヤの取付けを容易にし、製造コストを節減したバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を達成するための本発明によるバッテリーパックは、
複数の電池セルと、
前記複数の電池セルの少なくとも一つ以上の電流及び温度を測定するように構成された測定部と、
前記測定部と電気的に接続され、電流が流れる電線が含まれた少なくとも一つ以上のセンシングワイヤと、
前記複数の電池セルを収容する内部空間を形成するための側壁部と、前記側壁部から外側方向へ突出した柱パーツ、及び前記少なくとも一つ以上のセンシングワイヤを収容する空間を形成するように前記柱パーツの突出端部から折り曲げられて延びた折曲パーツを含む固定部と、を備えたセルフレームと、を含む。
【0013】
また、前記固定部は、
前記センシングワイヤを基準にして一側に位置し、前記側壁部から外側方向へ突出した第1柱パーツと、前記第1柱パーツの突出端部から前記センシングワイヤを囲むように折り曲げられた形態で延びた第1折曲パーツと、を備えた第1固定部と、
前記センシングワイヤを基準にして他側に位置し、前記側壁部から外側方向へ突出したた第2柱パーツと、前記第2柱パーツの突出端部から折り曲げられた形態で延び、前記第1折曲パーツと対面するように位置し、前記第1折曲パーツと所定の距離で離隔した第2折曲パーツと、を備えた第2固定部と、を備え得る。
【0014】
さらに、前記第2柱パーツは、前記第1折曲パーツの端部と所定の距離で離隔し得る。
【0015】
そして、前記第1折曲パーツは、前記センシングワイヤと対面する一面に押圧突起がさらに備えられ得る。
【0016】
前記側壁部には、前記センシングワイヤに向かって突出した固定突起がさらに備えられ得る。
【0017】
また、前記第2固定部の前記第2柱パーツから前記センシングワイヤに向かって突出し、前記センシングワイヤに近くなるほど前記側壁部から突出した長さが次第に減少する傾斜面を有するガイド部をさらに備え得る。
【0018】
さらに、前記第1柱パーツ及び前記第2柱パーツの少なくとも一つには、前記側壁部まで延びた強化リブが備えられ得る。
【0019】
そして、前記固定部は、前記センシングワイヤの一側部を囲むように前記折曲パーツの端部から延びたフックが備えられ得る。
【0020】
さらに、上記の課題を達成するための本発明による電子デバイスは、バッテリーパックを少なくとも一つ以上含む。
【0021】
また、上記の課題を達成するための本発明による自動車は、バッテリーパックを少なくとも一つ以上含み得る。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一面によると、本発明は、少なくとも一つ以上のワイヤを収容する空間が形成された固定部を備えることで、従来技術のバッテリーパックと異なり、接着テープ(両面テープ)を使用しなくてもワイヤをセルフレームに収容及び固定可能であるため、作業者が手作業で接着テープを使用してワイヤをセルフレームの外面に付着する工程を省略することができ、製造コスト及び製造工程時間を効果的に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態1によるバッテリーパックを概略的に示した斜視図である。
図2】本発明の実施形態1によるバッテリーパックの構成を概略的に示した分解斜視図である。
図3図1の固定部領域を拡大して示した部分斜視図である。
図4図3の固定部領域の概略的な断面図である。
図5図4に対応する図であって、本発明の実施形態2によるバッテリーパックの固定部領域の概略的な断面図である。
図6図4に対応する図であって、本発明の実施形態3によるバッテリーパックの固定部領域の概略的な断面図である。
図7図4に対応する図であって、本発明の実施形態4によるバッテリーパックの固定部領域の概略的な断面図である。
図8図4に対応する図であって、本発明の実施形態5によるバッテリーパックの固定部領域の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0025】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0026】
図1は、本発明の実施形態1によるバッテリーパックを概略的に示した斜視図であり、図2は、本発明の実施形態1によるバッテリーパックの構成を概略的に示した分解斜視図であり、図3は、図1の固定部領域を拡大して示した部分斜視図である。
【0027】
図1から図3を参照すると、本発明の実施形態1によるバッテリーパック100は、複数の電池セル110と、測定部160と、少なくとも一つのセンシングワイヤ120と、セルフレーム130と、を含む。
【0028】
先ず、前記複数の電池セル110は各々、充放電が可能なリチウム二次電池であり得る。前記電池セル110は、缶型電池セル110であり得る。前記電池セル110は、一端及び他端に各々正極端子111及び負極端子112が備えられ得る。前記電池セル110は、円筒状の缶を備え得る。
【0029】
このような電池セル110の構成は、本発明の出願時点における当業者にとって公知であり、本明細書では、より詳細な説明は省略する。また、図3に電池セル110の一例を示したが、本発明によるバッテリーパック100は、特定の形態の電池セル110の構成に限定されない。即ち、本発明の出願時点における公知の多様な電池セルが本発明によるバッテリーパック100に採用され得る。
【0030】
また、本発明のバッテリーパック100は、複数の金属プレート170をさらに含み得る。前記金属プレート170は、前記複数の円筒型電池セル110との電気的接続をなすように構成され得る。前記金属プレート170は、伝導性金属を備え得る。前記金属プレート170は、例えば、銅、ニッケル及びアルミニウムのうち少なくとも一つを備え得る。
【0031】
さらに、前記金属プレート170は、前記セルフレーム130の左側または右側に搭載され得る。例えば、図2に示したように、前記バッテリーパック100の右側には4枚の金属プレート170が搭載され得る。
【0032】
そして、前記測定部160は、前記複数の電池セル110の少なくとも一つの電流及び温度を測定するように構成され得る。
【0033】
さらに、前記少なくとも一つのセンシングワイヤ120は、複数の電池セル110の電流センシングのための電流センシングワイヤ121と、複数の電池セル110の温度センシングのための温度センシングワイヤ122と、を備え得る。前記電流センシングワイヤ121は、前記複数の電池セル110のうち少なくとも一つの電流を前記測定部160へ伝送するように構成され得る。前記電流センシングワイヤ121は、前記複数の電池セル110のうち少なくとも一部と電気的に接続する電線を備え得る。前記電流センシングワイヤ121は、端部に備えられたリング端子を介して前記金属プレート170の一部と接触するように構成され得る。
【0034】
また、前記温度センシングワイヤ122は、前記複数の電池セル110のうち少なくとも一部の電流強度を測定するように構成され得る。例えば、前記温度センシングワイヤ122の下端部には、サーミスターが備えられ得る。これによって、前記測定部160は、前記サーミスターから受けた電気信号に応じて電池セル110の温度を算出するように構成され得る。
【0035】
さらに、前記測定部160は、前記電流センシングワイヤ121及び前記温度センシングワイヤ122と接続するように構成されたコネクターCを備え得る。前記測定部160は、前記温度センシングワイヤ122から受けた電気信号に応じて電池セル110の温度を算出するように構成され得る。前記測定部160は、前記電流センシングワイヤ121から伝達された電流から電池セル110の電流の大きさを算出するように構成され得る。
【0036】
また、前記セルフレーム130は、電気絶縁性の素材を備え得る。例えば、前記セルフレーム130は、ポリ塩化ビニルを備え得る。前記セルフレーム130は、側壁部133を備え得る。前記側壁部133は、前記複数の電池セル110を収容する内部空間を形成するように構成され得る。例えば、図1に示したように、前記側壁部133は、前方に位置した前壁、後方に位置した後壁、左側に位置した左壁及び右側に位置した右壁を備え得る。また、前記セルフレーム130は、前記複数の電池セル110の上部をカバーする上壁と、前記複数の電池セル110の下部をカバーする下壁と、を備え得る。参考までに、本発明の図1に示したX軸の正方向とX軸の負方向は、右側方向及び左側方向を意味し得る。Y軸の正方向とY軸の負方向は、後方及び前方を意味し得る。Z軸の正方向とZ軸の負方向は、上方及び下方を意味し得る。
【0037】
さらに、前記セルフレーム130は、全体的にボックス形態の本体を有し得る。そして、前記セルフレーム130は、前記複数の電池セル110を内部に収容するように本体の複数の中空Oを有し得る。例えば、前記セルフレーム130は、図2に示したように、円筒状の複数の中空Oを有し得る。
【0038】
そして、前記セルフレーム130は、前記複数の円筒型電池セル110を収容するための空間を形成する第1フレーム131及び第2フレーム132を備え得る。前記第1フレーム131は、後端が前記第2フレーム132の前端と結合するように構成され得る。この際、結合方法は、例えば、ボルト締めによる結合であり得る。
【0039】
さらに、前記セルフレーム130は、固定部134を備え得る。前記固定部134は、図3に示したように、柱パーツ134cと前記折曲パーツ134dを備え得る。前記柱パーツ134cは、前記側壁部133から外側方向へ突出した形態を有し得る。例えば、図3に示したように、前記柱パーツ134cは、前記セルフレーム130の右側壁から右側方向へ延びた形態を有し得る。
【0040】
また、前記折曲パーツ134dは、前記柱パーツ134cの突出端部から折り曲げられて延びた形態を有し得る。例えば、図3に示したように、前記柱パーツ134cは、前記セルフレーム130の右側壁から前方または下方へ延びた形態を有し得る。前記折曲パーツ134dは、前記少なくとも一つのセンシングワイヤ120を収容する空間を形成するように構成され得る。例えば、図3に示したように、三つのセンシングワイヤ120が前記折曲パーツ134dの内側に位置し得る。ここで、「内側」とは、前記セルフレーム130に収容された複数の円筒型電池セル110が位置した方向を意味する。さらに、前記折曲パーツ134dは、その形状的特徴によって内側に収容された少なくとも一つのセンシングワイヤ120がさらに外部に脱離することを防止できる。
【0041】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明は、前記少なくとも一つのセンシングワイヤ120を収容する空間が形成された固定部134を備えることで、従来技術のバッテリーパック100と異なり、接着テープを使用しなくてもセンシングワイヤ120を前記セルフレーム130に収容及び固定できるため、作業者が手作業で接着テープを使用して前記センシングワイヤ120を前記セルフレーム130の外面に付着する工程を省略することができるので、製造コスト及び製造工程時間を効果的に減らすことができる。
【0042】
図4は、図3の固定部領域の概略的な断面図である。
【0043】
さらに図3と共に図4を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーパック100の固定部134は、第1固定部134a及び第2固定部134bを備え得る。
【0044】
先ず、前記第1固定部134aは、前記センシングワイヤ120を基準にして一側に位置し得る。例えば、前記第1固定部134aは、前記センシングワイヤ120の前方に位置し得る。前記第1固定部134aは、第1柱パーツ134c1及び第1折曲パーツ134d1を備え得る。前記第1柱パーツ134c1は、前記側壁部133から外側方向へ突出し得る。例えば、図4に示したように、前記第1柱パーツ134c1は、前記側壁部133に備えられ、前記側壁部133から右側方向へ延びた形態を有し得る。
【0045】
また、前記第1折曲パーツ134d1は、前記第1柱パーツ134c1の突出端部から折り曲げられた形態で延びた部分であり得る。前記第1折曲パーツ134d1は、前記センシングワイヤ120の一部を囲むように折り曲げられた形態を有し得る。前記第1折曲パーツ134d1の折曲方向は後方(Y軸の正方向)であり得る。例えば、図4に示したように、第1固定部134aは、前記第1フレーム131に備えられ得る。
【0046】
さらに、前記第2固定部134bは、前記センシングワイヤ120を基準にして他側に位置し得る。例えば、前記第2固定部134bは、前記センシングワイヤ120の前方に位置し得る。前記第2固定部134bは、第2柱パーツ134c2及び第2折曲パーツ134d2を備え得る。前記第2柱パーツ134c2は、前記側壁部133から外側方向へ突出し得る。例えば、図4に示したように、前記第2柱パーツ134c2は、前記側壁部133に備えられ、前記側壁部133から右側方向へ延びた形態を有し得る。
【0047】
また、前記第2折曲パーツ134d2は、前記第2柱パーツ134c2の突出端部から折り曲げられた形態で延びた部分であり得る。前記第2折曲パーツ134d2は、前記センシングワイヤ120の一部をカバーするように折り曲げられた形態を有し得る。前記第2折曲パーツ134d2の折曲方向は前方(Y軸の負方向)であり得る。例えば、図4に示したように、第2固定部134bは、前記第2フレーム132に備えられ得る。
【0048】
さらに、前記第2折曲パーツ134d2は、前記第1折曲パーツ134d1と対面するように位置し得る。前記第2折曲パーツ134d2は、前記第1折曲パーツ134d1と外側方向へ所定の距離で離隔して位置し得る。前記第1折曲パーツ134d1と前記第2折曲パーツ134d2が互いに離隔した空間の大きさは、前記センシングワイヤ120の厚さよりも大きくてもよい。
【0049】
そして、前記第2柱パーツ134c2は、前記第1折曲パーツ134d1の端部と所定の距離で離隔し得る。例えば、図4に示したように、前記第2柱パーツ134c2は、前記第1折曲パーツ134d1の端部と前後方向(Y方向)へ離隔し得る。この際、離隔した空間の大きさは、前記センシングワイヤ120の厚さと同一であるか、または大きくてもよい。
【0050】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明は、第1固定部134a及び第2固定部134bを備えることで、前記センシングワイヤ120の一部を外部から二重でカバーして保護でき、バッテリーパック100に外部衝撃が発生する場合、外部物体から前記センシングワイヤ120が損傷しないように保護できる。さらに、本発明は、前記第1固定部134aと前記第2固定部134bとの離隔空間を通じて前記センシングワイヤ120を移動させ、前記第1固定部134aの第1折曲パーツ134d1の内側に安全に収容可能であるという利点がある。さらに、本発明は、前記第1固定部134aの第1折曲パーツ134d1の内側に収容された前記センシングワイヤ120が、前記第1固定部134a及び前記第2固定部134bによって形成されたジグザグ形状の移動空間を通じて外部へ抜けにくく構成されているので、前記センシングワイヤ120が前記第1固定部134aの内側に固定された位置に安定的に維持される。
【0051】
図5は、図4に対応する図であって、本発明の実施形態2によるバッテリーパックの固定部領域の概略的な断面図である。
【0052】
図5を参照すると、本発明の他の実施形態2によるバッテリーパック100の第1固定部134aは、図4の第1固定部134aと比較して、押圧突起P1がさらに備えられ得る。具体的には、前記押圧突起P1は、前記第1折曲パーツ134d1の前記センシングワイヤ120と対面する一面に形成され得る。前記押圧突起P1は、前記第1折曲パーツ134d1の内側に位置したセンシングワイヤ120を前記側壁部133に向かって押圧するように構成され得る。即ち、前記押圧突起P1は、前記第1折曲パーツ134d1の内側に収容されたセンシングワイヤ120を位置固定するように構成され得る。
【0053】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明は、第1折曲パーツ134d1の一面に押圧突起P1をさらに備えることで、前記センシングワイヤ120が前記第1固定部134a内で安定的に固定状態を維持できる。これによって、本発明は、接着テープのように別の固定部材を使用することなくセルフレーム130にセンシングワイヤ120を固定できるため、バッテリーパック100の製造工程を短縮し、製造コストを節減することができる。
【0054】
図6は、図4に対応する図であって、本発明の実施形態3によるバッテリーパックの固定部領域の概略的な断面図である。
【0055】
図6を参照すると、本発明の他の実施形態3によるバッテリーパック100は、図4のバッテリーパック100と比較して、前記セルフレーム130の側壁部133に固定突起P2がさらに備えられ得る。具体的には、前記固定突起P2は、前記側壁部133の前記センシングワイヤ120と対面する一面に形成され得る。前記固定突起P2は、前記第1固定部134aの内側に位置したセンシングワイヤ120を前記第1折曲パーツ134d1に向かって押圧するように構成され得る。即ち、前記固定突起P2は、前記第1固定部134aの内側に収容されたセンシングワイヤ120を位置固定するように構成され得る。
【0056】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明は、前記側壁部133の一面に固定突起P2をさらに備えることで、前記センシングワイヤ120が前記第1固定部134a内に安定的に固定状態を維持できる。これによって、本発明は、接着テープのように別の固定部材を使用しなくてもセルフレーム130にセンシングワイヤ120が固定可能であるので、バッテリーパック100の製造工程を短縮し、製造コストを節減することができる。
【0057】
図7は、図4に対応する図であって、本発明の実施形態4によるバッテリーパックの固定部領域の概略的な断面図である。
【0058】
図7を参照すると、本発明の他の実施形態4によるバッテリーパック100は、図4のバッテリーパック100と比較して、ガイド部135をさらに備え得る。具体的には、前記ガイド部135は、前記第2固定部134bの前記第2柱パーツ134c2から前記センシングワイヤ120に向かって突出し得る。例えば、前記ガイド部135は、前記第2固定部134bの内側面から前方へ突出した部分であり得る。前記ガイド部135は、前記センシングワイヤ120と近いほど前記側壁部133から突出した長さが次第に減少する傾斜面135aを有し得る。即ち、前記ガイド部135は、傾斜面135aを有する三角ブロックの形態を有し得る。前記傾斜面135aは、前方へ進むほど次第に前記側壁部133と近くなるように構成され得る。
【0059】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明は、前記第2固定部134bに、傾斜面135aを有するガイド部135が備えられることで、前記センシングワイヤ120を前記第1固定部134aの内側へ移動させる場合、前記ガイド部135の傾斜面135aに沿って正位置に容易に固定可能である。さらに、本発明は、前記ガイド部135によって前記第1固定部134aの内側に位置したセンシングワイヤ120が前後方向へ移動することを阻止することができる。これによって、本発明は、前記センシングワイヤ120が前記第1固定部134a内で安定的に固定状態を維持できる。
【0060】
なお、図3をさらに参照すると、本発明の実施形態1によるバッテリーパック100の固定部134は、強化リブRが備えられ得る。前記強化リブRは、前記第1柱パーツ134c1及び前記第2柱パーツ134c2の少なくとも一つに備えられ得る。例えば、図3に示したように、前記第1柱パーツ134c1及び前記第2柱パーツ134c2には、強化リブRが備えられ得る。前記強化リブRは、前記第1柱パーツ134c1から前記側壁部133まで前方へ延び得る。前記強化リブRは、前記第2柱パーツ134c2から前記側壁部133まで後方へ延び得る。
【0061】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明は、固定部134に強化リブRを備えることで、前記固定部134が外部物体と衝突する場合、前記強化リブRによって破損しにくくなる。これによって、本発明のバッテリーパック100は、前記セルフレーム130の耐久性を効果的に高めることができる。
【0062】
図8は、図4に対応する図であって、本発明の実施形態5によるバッテリーパックの固定部領域の概略的な断面図である。
【0063】
図8を参照すると、本発明の実施形態5によるバッテリーパック100の固定部134は、図4の固定部134と比較して、フックHがさらに備えられ得る。具体的には、本発明の他の実施形態5によるバッテリーパック100の固定部134は、図3の固定部134のように、柱パーツ134c及び折曲パーツ134dを備え得る。前記フックHは、前記折曲パーツ134dの端部から延びて形成され得る。前記フックHは、前記センシングワイヤ120の一部を囲むように折り曲げられた形態を有し得る。即ち、前記フックHは、前記固定部134の内側に位置したセンシングワイヤ120がさらに固定部134から外部へ抜けることを阻止するように構成され得る。
【0064】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明は、前記固定部134にフックHをさらに備えることで、前記固定部134の内側に位置したセンシングワイヤ120をより安定的に固定可能である。
【0065】
一方、本発明の一実施形態によるバッテリーパック100は、前記バッテリーパック100の充放電を制御するための各種装置(図示せず)、例えば、BMS(Battery Management System,バッテリー管理システム)、電流センサー及びヒューズなどがさらに含まれ得る。
【0066】
一方、本発明の一実施形態による電子デバイス(図示せず)は、上述したバッテリーパック100を少なくとも一つ含む。前記電子デバイスは、バッテリーパック100を収納するための収納空間が備えられたデバイスハウジング(図示せず)及び使用者がバッテリーパック100の充電状態を確認可能な表示部をさらに含み得る。
【0067】
また、本発明の一実施形態によるバッテリーパック100は、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車に少なくとも一つが含まれ得る。即ち、本発明の一実施形態による自動車は、車体内に前述した本発明の一実施形態によるバッテリーパック100を搭載し得る。
【0068】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0069】
以上、本発明の望ましい実施形態について図示及び説明したが、本発明は上述した特定の望ましい実施形態に限定されず、請求範囲で請求する本発明の要旨から外れることなく当該発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者であれば、だれでも多様に変形できることは言うまでもなく、かかる変形は請求範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8