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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】音響装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20240610BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
H04R1/02 106
H04R1/10 101A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022569605
(86)(22)【出願日】2021-04-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 CN2021090973
(87)【国際公開番号】W WO2022033080
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】202021675913.0
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021693284.4
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021693233.1
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514156013
【氏名又は名称】深▲セン▼市韶音科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SHOKZ CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Floors 1-4,Factory Building 26,Shancheng Industrial Park,Shiyan Street,Bao’an District,Shenzhen,Guangdong 518108,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 朝武
(72)【発明者】
【氏名】唐 惠芳
(72)【発明者】
【氏名】▲ヤン▼ 冰岩
(72)【発明者】
【氏名】李 伯▲誠▼
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ ▲帥▼林
(72)【発明者】
【氏名】游 芬
【審査官】中村 天真
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-062523(JP,A)
【文献】国際公開第2018/074005(WO,A1)
【文献】特開2015-056837(JP,A)
【文献】特開2008-072158(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0161588(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0217631(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00- 3/14
H04R 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間、及び各々が前記収容空間と外部とを連通する1つ以上の連通孔を有するハウジングと、
前記収容空間内に設置され、前記連通孔により音声を取り込む1つ以上の収音アセンブリと、
前記収容空間内に設置された1つ以上の通路部材であって、前記1つ以上の通路部材のうちの少なくとも1つは、前記音声が前記連通孔を通過した後に前記1つ以上の通路部材のうちの少なくとも1つを通過して収音素子に伝達されるように、前記1つ以上の収音アセンブリのうちの1つの収音素子と前記1つ以上の連通孔のうちの1つの連通孔との間に設置される1つ以上の通路部材と、
複数のスピーカーアセンブリと、
各々が前記複数のスピーカーアセンブリのうちの少なくとも1つのスピーカーアセンブリに対応する複数の制御素子を含む制御回路アセンブリであって、前記1つ以上の連通孔のうちの少なくとも1つの連通孔は、前記ハウジングの、前記複数のスピーカーアセンブリのうちの少なくとも1つのスピーカーアセンブリから離れる一側に形成される、制御回路アセンブリと、
各々が前記複数のスピーカーアセンブリのうちの各スピーカーアセンブリ及びその対応する制御素子に対応する複数のインタラクションアセンブリであって、ユーザ操作命令の受信に応答して、対応するスピーカーアセンブリを制御して前記ユーザ操作命令に対応する機能を実現するように前記インタラクションアセンブリに対応する制御素子をトリガーする、複数のインタラクションアセンブリと、を含み、
前記収容空間内に、前記1つ以上の収音アセンブリのうちの少なくとも1つを収容する収容溝が設置され、前記通路部材のうちの少なくとも1つは、前記収音アセンブリのうちの少なくとも1つを前記収容溝内に押し込む、音響装置。
【請求項2】
前記1つ以上の通路部材のうちの少なくとも1つは、第1孔、通路及び第2孔を含み、前記第1孔は、前記連通孔と突き合わせて連通し、前記第2孔は、前記音声が前記連通孔、前記第1孔、前記通路及び前記第2孔を順に通過して前記収音アセンブリに伝達されるように、前記収音アセンブリに近接して設置される、請求項1に記載の音響装置。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記収容空間を形成するように嵌合接続された第1ハウジングと第2ハウジングを含み、
前記第2ハウジングは、底壁と、前記底壁に周接された側壁とを含み、
前記第1ハウジングは、前記収容空間を形成するように前記側壁に物理的に接続され、
前記底壁の前記第1ハウジングに向かう一側に、前記収容溝を取り囲むフランジが突出して設置され、前記少なくとも1つの通路部材は、前記収音アセンブリを前記収容溝内に押し込むように、前記フランジに覆設される、請求項に記載の音響装置。
【請求項4】
前記通路は、通路頂壁、通路底壁及び通路側壁を含み、前記通路頂壁及び前記通路底壁はそれぞれ、前記通路側壁の両端に位置し、
前記第1孔は、前記通路側壁又は前記通路頂壁に形成され、
前記第2孔は、前記通路底壁に形成され、
前記通路底壁は、前記収音アセンブリを押し込む、請求項に記載の音響装置。
【請求項5】
前記収音アセンブリは、収音素子と、前記収音素子の外周に嵌設された保護カバーとを含み、
前記保護カバーには、前記通路底壁に向かう溝部が形成され、
前記収音素子の少なくとも一部分は、前記溝部に位置し、
前記保護カバーは、前記フランジに当接し、かつ前記フランジに密着する、請求項に記載の音響装置。
【請求項6】
前記通路は、前記通路頂壁と前記通路底壁とを接続する方向に沿った長さの範囲が0.45~0.75mmである、請求項又はに記載の音響装置。
【請求項7】
前記第1孔の前記通路に沿った前記第2孔との距離は、4mm以上である、請求項のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの通路部材と前記ハウジングとの間に設置されて前記連通孔と前記第1孔とを隔てる保護部材をさらに含む、請求項のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項9】
前記保護部材は、重ね合わせて設置された第1ネット及び第2ネットを含み、前記第2ネットは、前記第1ネットより前記少なくとも1つの通路部材に接近する、請求項に記載の音響装置。
【請求項10】
前記機能は、前記複数の制御素子のうちの各制御素子がその対応するスピーカーアセンブリのオーディオゲインを独立して制御することを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項11】
前記インタラクションアセンブリは、対応する前記スピーカーアセンブリのオーディオゲインを調節するように前記制御素子をトリガーするために、前記ハウジングに設置された1つ以上の第3孔と、前記第3孔内にそれぞれ設置されたボタンとを含む、請求項10に記載の音響装置。
【請求項12】
前記ハウジングは、一端がそれぞれ1つのスピーカーアセンブリに対応して接続される第1部分と第2部分を含み、
前記制御回路アセンブリは、前記制御素子が集積されているメイン回路基板を含み、前記メイン回路基板は、1つの耳掛けハウジングの対応する収容空間内に収容され、
前記制御回路アセンブリは、他の耳掛けハウジングの対応する収容空間内に設置され、かつ対応する音量ボタン孔をカバーするサブ回路基板をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項13】
前記ハウジングは、前記第1部分と前記第2部分との間に接続された第3部分をさらに含み、
前記1つ以上の収音アセンブリはそれぞれ、前記第1部分、前記第2部分及び前記第3部分のうちの少なくとも2つの対応する収容空間内に設置されるか、或いは
前記1つ以上の収音アセンブリは、前記第3部分の対応する収容空間内に間隔を空けて設置される、請求項12に記載の音響装置。
【請求項14】
前記1つ以上の収音アセンブリは、前記第3部分の対応する収容空間内に設置され、そのうちの1つの前記収音アセンブリは、前記第3部分の対応する収容空間の中間位置に設置され、他の前記収音アセンブリは、前記中間位置の片側又は両側に間隔を空けて位置する、請求項13に記載の音響装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般に電子機器の技術分野に関し、特に音響装置に関する。
【0002】
[参照による援用]
本願は、2020年8月12日に提出された出願番号202021675913.0号の中国特許出願の優先権、2020年8月12日に提出された出願番号202021693284.4号の中国特許出願の優先権、及び2020年8月12日に提出された出願番号202021693233.1号の中国特許出願の優先権を主張するものであり、それらの全ての内容は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
骨伝導イヤホンは、音声を異なる周波数の機械的振動に変換し、人間の骨/組織を、機械的振動を伝達する媒体とすることにより、機械的振動を聴覚神経に伝達することができ、このように、使用者は、耳の外耳道及び鼓膜を介することもなく音声を受け取ることができる。聴覚障害者(例えば、1つの耳の聴力が正常で、他の耳の聴力に障害のあるユーザ)は、聴力に障害があるか又は聴力が低下するため、骨伝導イヤホンに対してより高い音響性能(例えば、より高い収音効果)及びより完全な機能構造(例えば、聴力状況に適合する音量制御)を要求する。したがって、ユーザの需要を満たすように、高い音響性能及びより完全な機能構造を有する音響装置を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の一態様によれば、音響装置が提供される。前記音響装置は、ハウジング、1つ以上の収音アセンブリ及び1つ以上の通路部材を含んでもよい。前記ハウジングは、収容空間及び1つ以上の連通孔を有してもよい。各連通孔は、前記収容空間と外部とを連通する。前記1つ以上の収音アセンブリは、前記収容空間内に設置されてもよく、前記連通孔により音声を取り込む。前記1つ以上の通路部材は、前記収容空間内に設置されてもよく、前記1つ以上の通路部材のうちの少なくとも1つは、前記音声が前記連通孔を通過した後に前記1つ以上の通路部材のうちの少なくとも1つを通過して前記収音素子に伝達されるように、前記1つ以上の収音アセンブリのうちの1つの収音素子と前記1つ以上の連通孔のうちの1つの連通孔との間に設置される。
【0005】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の通路部材のうちの少なくとも1つは、第1孔、通路及び第2孔を含んでもよい。前記第1孔は、前記連通孔と突き合わせて連通してもよい。前記第2孔は、前記音声が前記連通孔、前記第1孔、前記通路及び前記第2孔を順に通過して前記収音アセンブリに伝達されるように、前記収音アセンブリに近接して設置されてもよい。
【0006】
いくつかの実施例において、前記収容空間内に、前記1つ以上の収音アセンブリのうちの少なくとも1つを収容する収容溝が設置されてもよい。前記通路部材のうちの少なくとも1つは、前記収音アセンブリのうちの少なくとも1つを前記収容溝に押し込んでもよい。
【0007】
いくつかの実施例において、前記ハウジングは、前記収容空間を形成するように嵌合接続された第1ハウジングと第2ハウジングを含んでもよい。前記第2ハウジングは、底壁と、前記底壁に周接された側壁とを含んでもよい。前記第1ハウジングは、前記収容空間を形成するように前記側壁に物理的に接続されてもよい。前記底壁の前記第1ハウジングに向かう一側に、前記収容溝を取り囲むフランジが突出して設置されてもよく、前記少なくとも1つの通路部材は、前記収音アセンブリを前記収容溝に押し込むように、前記フランジに覆設される。
【0008】
いくつかの実施例において、前記通路は、通路頂壁、通路底壁及び通路側壁を含んでもよく、前記通路頂壁及び前記通路底壁はそれぞれ、前記通路側壁の両端に位置してもよい。前記第1孔は、前記通路側壁又は前記通路頂壁に形成されてもよい。前記第2孔は、前記通路底壁に形成されてもよい。前記通路底壁は、前記収音アセンブリを押し込んでもよい。
【0009】
いくつかの実施例において、前記収音アセンブリは、収音素子と、前記収音素子の外周に嵌設された保護カバーとを含んでもよい。前記保護カバーには、前記通路底壁に向かう溝部が形成されてもよい。前記収音素子の少なうとも一部分は、前記溝部に位置してもよい。前記保護カバーは、前記フランジに当接し、かつ前記フランジに密着してもよい。
【0010】
いくつかの実施例において、前記通路は、前記通路頂壁と前記通路底壁とを接続する方向に沿った長さの範囲が0.45~0.75mmであってもよい。
【0011】
いくつかの実施例において、前記第1孔の前記通路に沿った前記第2孔との距離は、4mm以上であってもよい。
【0012】
いくつかの実施例において、前記第1孔の形状は、前記連通孔の形状と同じであってもよい。
【0013】
いくつかの実施例において、前記音響装置は、前記少なくとも1つの通路部材と前記ハウジングとの間に設置されて前記連通孔と前記第1孔とを隔てる保護部材をさらに含んでもよい。
【0014】
いくつかの実施例において、前記保護部材は、重ね合わせて設置された第1ネット及び第2ネットを含んでもよく、前記第2ネットは、前記第1ネットより前記少なくとも1つの通路部材に接近する。
【0015】
いくつかの実施例において、前記音響装置は、複数のスピーカーアセンブリ、制御回路アセンブリ及び複数のインタラクションアセンブリをさらに含んでもよい。制御回路アセンブリは、各々が前記複数のスピーカーアセンブリのうちの少なくとも1つのスピーカーアセンブリに対応する複数の制御素子を含んでもよい。各インタラクションアセンブリは、前記複数のスピーカーアセンブリのうちの各スピーカーアセンブリ及びその対応する制御素子に対応して、ユーザ操作命令の受信に応答して、対応するスピーカーアセンブリを制御して前記ユーザ操作命令に対応する機能を実現するように前記インタラクションアセンブリに対応する制御素子をトリガーしてもよい。
【0016】
いくつかの実施例において、前記機能は、前記複数の制御素子のうちの各制御素子がその対応するスピーカーアセンブリのオーディオゲインを独立して制御することを含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施例において、前記インタラクションアセンブリは、対応する前記スピーカーアセンブリのオーディオゲインを調節するように前記制御素子をトリガーするために、前記ハウジングに設置された1つ以上の第3孔と、前記第3孔内にそれぞれ設置されたボタンとを含んでもよい。
【0018】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の連通孔のうちの少なくとも1つの連通孔は、前記ハウジングの、前記複数のスピーカーアセンブリのうちの少なくとも1つのスピーカーアセンブリから離れる一側に形成されてもよい。
【0019】
いくつかの実施例において、前記ハウジングは、一端がそれぞれ1つのスピーカーアセンブリに対応して接続される第1部分と第2部分を含んでもよい。前記制御回路アセンブリは、前記制御素子が集積されているメイン回路基板を含んでもよく、前記メイン回路基板は、1つの耳掛けハウジングの対応する収容空間内に収容される。前記制御回路アセンブリは、他の耳掛けハウジングの対応する収容空間内に設置され、かつ対応する音量ボタン孔をカバーするサブ回路基板をさらに含んでもよい。
【0020】
いくつかの実施例において、前記ハウジングは、前記第1部分と前記第2部分との間に接続された第3部分をさらに含んでもよい。前記1つ以上の収音アセンブリはそれぞれ、前記第1部分、前記第2部分及び前記第3部分のうちの少なくとも2つの対応する収容空間内に設置されてもよい。いくつかの実施例において、前記1つ以上の収音アセンブリは、前記第3部分の対応する収容空間内に間隔を空けて設置されてもよい。
【0021】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の収音アセンブリは、前記第3部分の対応する収容空間内に設置されてもよく、そのうちの1つの前記収音アセンブリは、前記第3部分の対応する収容空間の中間位置に設置されてもよく、他の前記収音アセンブリは、前記中間位置の片側又は両側に間隔を空けて位置してもよい。
【0022】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の収音アセンブリは、2つの収音アセンブリであってもよく、前記1つ以上の通路部材は、2つの通路部材であってもよい。前記2つの収音アセンブリ及び前記2つの通路部材はそれぞれ、前記2つの耳掛けハウジング内に設置されてもよい。
【0023】
本願の別の態様によれば、音響装置が提供される。前記音響装置は、複数のスピーカーアセンブリ、制御回路アセンブリ及び複数のインタラクションアセンブリを含んでもよい。前記制御回路アセンブリは、各々が前記複数のスピーカーアセンブリのうちの少なくとも1つのスピーカーアセンブリに対応する複数の制御素子を含んでもよい。各インタラクションアセンブリは、前記複数のスピーカーアセンブリのうちの各スピーカーアセンブリ及びその対応する制御素子に対応して、ユーザ操作命令の受信に応答して、対応するスピーカーアセンブリを制御して前記ユーザ操作命令に対応する機能を実現するように前記インタラクションアセンブリに対応する制御素子をトリガーしてもよい。
【0024】
付加的な特徴は、以下の説明において部分的に説明され、当業者であれば、以下の内容及び図面を参照することにより明らかになり、又は実施例の生成又は操作により理解することができる。本発明の特徴は、以下の詳細な実施例に説明される方法、ツール及び組み合わせの様々な態様を実施又は使用することにより実現及び取得することができる。
【0025】
例示的な実施例を参照して本願をさらに説明する。図面を参照して上記例示的な実施例をより詳細に説明する。上記実施例は、例示的な実施例に限定されるものではなく、同じ符号は、図面におけるいくつかの図における類似する構造を示す。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本願のいくつかの実施例に係る例示的な音響装置のブロック図である。
図2】本願のいくつかの実施例に係る例示的な音響装置の概略構成図である。
図3】本願のいくつかの実施例に係る例示的な耳掛けアセンブリの概略構成図である。
図4図3における耳掛けアセンブリの分解斜視図である。
図5図4における第1耳掛けハウジングの概略構成図である。
図6A】本願のいくつかの実施例に係る通路部材の概略構成図である。
図6B図3における収音アセンブリの概略構成図である。
図7】本願のいくつかの実施例に係る音響装置における収音アセンブリのハウリング閾値とその位置との関係図である。
図8】本願のいくつかの実施例に係る例示的な音響装置の構造ブロック図である。
図9】本願のいくつかの実施例に係る例示的な音響装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本願の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本願の例又は実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本願を他の類似するシナリオに応用することができる。言語環境から明らかではないか又は明記されていない限り、図面において同じ符号は同じ構造又は操作を示す。
【0028】
本願及び特許請求の範囲に示すように、文脈を通して明確に別段の指示をしない限り、「1つ」、「1個」、「1種」及び/又は「該」などの用語は、特に単数形を意味するものではなく、複数形を含んでもよい。一般的には、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素のみを含むように提示し、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は機器は、他のステップ又は要素も含む可能性がある。
【0029】
本明細書に使用される「データブロック」、「システム」、「エンジン」、「ユニット」、「アセンブリ」、「モジュール」及び/又は「ブロック」が、レベルの異なる様々なアセンブリ、素子、部品、部分又は組立体を区別する方法であることを理解されたい。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることができる。
【0030】
要素の間(例えば、層の間)の空間的及び機能的関係は、「接続」、「接合」、「インタフェース」及び「結合」を含む様々な用語を用いて説明される。本願において第1要素と第2要素との間の関係を説明する場合、「直接」と明確に説明されない限り、該関係は、第1要素と第2要素との間に他の中間要素が存在しないという直接関係、及び第1要素と第2要素との間に(空間的又は機能的に)1つ以上の中間要素が存在するという間接関係を含む。逆に、素子が別の素子に「直接」接続、接合、インタフェース又は結合されると記載されている場合、中間素子が存在しない。また、様々な方式で素子の間の空間的及び機能的関係を実現することができる。例えば、2つの素子の間の機械的接続は、溶接接続、キー接続、ピン接続、締り嵌め接続など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。要素の間の関係を説明するための他の用語は、同様の方式で説明すべきである(例えば、「の間」、「…との間」、「隣接」及び「直接隣接」など)。
【0031】
本願は、音響装置を提供する。該音響装置は、ハウジング、1つ以上の収音アセンブリ及び1つ以上の通路部材を含んでもよい。上記ハウジングは、収容空間及び1つ以上の連通孔を有してもよい。各連通孔は、上記収容空間と外部とを連通する。上記1つ以上の収音アセンブリは、上記収容空間内に設置されてもよく、上記連通孔により音声を取り込む。上記1つ以上の通路部材は、上記収容空間内に設置されてもよく、上記1つ以上の通路部材のうちの少なくとも1つは、上記音声が上記連通孔を通過した後に上記1つ以上の通路部材のうちの少なくとも1つを通過して上記収音素子に伝達されるように、上記1つ以上の収音アセンブリのうちの1つの収音素子と上記1つ以上の連通孔のうちの1つの連通孔との間に設置される。したがって、1つ以上の通路部材を設置して、その対応する収音アセンブリの音路を延長することにより、収音アセンブリの、音路が短すぎることによる「風切り音」現象を改善することができる。また、いくつかの実施例において、それぞれが収音及び信号処理(例えば、増幅)を独立して実行し、異なる方向からの音声に対処する複数の収音アセンブリを設置することにより、装着者(例えば、聴覚障害者)が異なる方向からの音声に適応することができ、装着者の聴覚効果を向上させる。
【0032】
いくつかの実施例において、音響装置は、複数のスピーカーアセンブリ、制御回路アセンブリ及び複数のインタラクションアセンブリをさらに含んでもよい。制御回路アセンブリは、各々が上記複数のスピーカーアセンブリのうちの少なくとも1つのスピーカーアセンブリに対応する複数の制御素子を含んでもよい。各インタラクションアセンブリは、上記複数のスピーカーアセンブリのうちの各スピーカーアセンブリ及びその対応する制御素子に対応し、ユーザ操作命令の受信に応答して、対応するスピーカーアセンブリを制御して上記ユーザ操作命令に対応する機能を実現するように上記インタラクションアセンブリに対応する制御素子をトリガーする。したがって、聴覚障害者(例えば、1つの耳の聴力が正常で、他の耳の聴力に障害のあるユーザ)は、実際の使用需要に応じて、2つの耳の異なる聴力に適応するように2つのスピーカーアセンブリをそれぞれ適応的に調節することにより、聞いた音声が常に「一側で大きく、他側で小さい」ことを回避して、ユーザの体験を向上させることができる。
【0033】
図1は、本願のいくつかの実施例に係る例示的な音響装置のブロック図である。音響装置100は、ユーザの音声、ユーザが所在する環境の環境音などを取り込んで、取り込んだ音声をオーディオ信号(例えば、電気信号)に変換することができる。いくつかの実施例において、音響装置100は、補聴器、イヤホン(例えば、ノイズキャンセリングイヤホン、骨伝導イヤホン)、スマートブレスレット、スマートグラス、携帯電話、マイクなど、音声を取り込む機能を有する機器を含んでもよい。図1に示すように、音響装置100は、支持アセンブリ110、コアモジュール120及び通路部材130を含んでもよい。
【0034】
支持アセンブリ110は、収容空間と、連通孔が設置されているハウジングとを有してもよい。連通孔は、収容空間と外部とを連通することができる。いくつかの実施例において、音響装置100の1つ以上のアセンブリは、該収容空間内に設置されてもよい。例えば、コアモジュール120及び通路部材130は、該収容空間内に位置してもよい。また例えば、コアモジュール120は、複数の収音アセンブリを含んでもよい。複数の収音アセンブリは、該収容空間内に間隔を空けて設置されてもよい。
【0035】
いくつかの実施例において、ハウジングは、第1ハウジングと第2ハウジングを含んでもよい。第1ハウジングと第2ハウジングは、上記収容空間を形成するように嵌合接続されてもよい。第2ハウジングは、底壁と、該底壁に周接された側壁とを含んでもよい。第1ハウジングは、収容空間を形成するように側壁に物理的に接続されてもよい。いくつかの実施例において、底壁の第1ハウジングに向かう一側には、収音アセンブリを収容可能な収容溝を取り囲むようにフランジが突出して設置されてもよい。通路部材130は、上記収音アセンブリを上記収容溝に押し込むように、上記フランジに覆設されてもよい。本願において、通路部材が収音アセンブリを収容溝に押し込むことは、通路部材のある表面が収容溝と収容キャビティを形成でき、収音アセンブリが該収容キャビティに配置されるときに収容キャビティの側壁に密着できることを指す。
【0036】
いくつかの実施例において、支持アセンブリ110(例えば、ハウジング)の形状は、音響装置100の具体的な使用要件に応じて適応的に設定されてもよく、ここでは具体的に限定されない。例えば、音響装置100は、骨伝導補聴器であってもよく、その支持アセンブリ110がユーザの耳介と嵌合することにより、骨伝導補聴器がユーザの耳に掛けられ、落ちにくい。該支持アセンブリ110を有する骨伝導補聴器は、耳掛け型補聴器と呼ばれてもよい。また例えば、音響装置100は、開放型イヤホンであってもよく、その支持アセンブリ110は、ユーザの頭頂に掛け渡されて、ヘッドバンドに類似する形式で人の頭に固定され、かつその両端がユーザの耳から一定の距離を有する。また例えば、支持アセンブリ110は、図2に示す構造であり、第1部分212、第2部分214及び第3部分216を含む。いくつかの実施例において、第1部分212及び第2部分214は、耳掛けアセンブリと呼ばれてもよい。第3部分216は、後掛けアセンブリと呼ばれてもよい。耳掛けアセンブリ及び/又は後掛けアセンブリに関するよく多くの説明は、本願の他の部分(例えば、図2図3及び図4及びそれらの関連説明)を参照することができる。
【0037】
いくつかの実施例において、支持アセンブリ110は、金属材料(例えば、銅、アルミニウム、チタン、金など)、合金材料(例えば、アルミニウム合金、チタン合金など)、プラスチック材料(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ナイロンなど)、繊維材料(例えば、アセテート繊維、プロピオン酸繊維、炭素繊維など)などで製造されてもよい。いくつかの実施例において、支持アセンブリ110の外部にシースが設置されてもよい。シースは、例えば、軟質シリコーンゴム、ゴムなど、一定の弾性を有する軟質材料で製造されてもよく、ユーザの快適なつけ心地を提供することができる。
【0038】
コアモジュール120は、収音アセンブリを含んでもよい。収音アセンブリは、ハウジングの表面にある連通孔により音声(即ち、機械的振動信号)を取り込み、かつ取り込んだ音声をオーディオ信号(例えば、電気信号)に変換することができる。いくつかの実施例において、音響装置100は、オーディオ信号を他の音響機器、例えば、スピーカー、ホーンなどに伝送してもよい。いくつかの実施例において、音響装置100は、オーディオ信号を音響装置100内の他のアセンブリに伝送してもよく、例えば、コアモジュール120は、オーディオ信号を機械的振動信号に変換し、装着者の骨などにより聴覚神経に伝達して補聴機能を達成するように、スピーカーアセンブリを含んでもよい。いくつかの実施例において、スピーカーアセンブリは、音響装置100の他のアセンブリ、例えば、支持アセンブリ110、収音アセンブリに物理的に接続されてもよい。単なる例として、物理的な接続は、射出成形接続、溶接、リベット接合、ボルト、接着、係止など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、収音アセンブリは、1つ以上のマイクロホン(例えば、マイクロホンアレイ)を含んでもよい。いくつかの実施例において、音響装置100は、複数の収音アセンブリを含んでもよい。各収音アセンブリは、1つの連通孔に対応してもよい。複数の収音アセンブリは、ハウジング内に間隔を空けて設置されてもよい。複数の収音アセンブリの設置位置に関するより多くの説明について、本願の他の部分(例えば、図2及び図7及びそれらの説明)を参照することができる。
【0039】
通路部材130は、収容空間内に設置されてもよい。いくつかの実施例において、通路部材130は、音声が連通孔を通過した後に通路部材130を通過して収音アセンブリに伝達されるように、収音アセンブリと連通孔との間に設置されてもよい。いくつかの実施例において、1つ以上の収音アセンブリのうちの少なくとも1つの収音アセンブリは、対応する収音アセンブリの収音効果を改善するように1つの通路部材130に対応してもよい。いくつかの実施例において、通路部材130は、第1孔(集音孔と呼ばれてもよい)、通路及び第2孔(放音孔と呼ばれてもよい)を含んでもよい。いくつかの実施例において、第1孔は、連通孔と突き合わせて連通し、第2孔は、音声が連通孔、第1孔、通路及び第2孔を順に通過して収音アセンブリに伝達されるように、収音アセンブリに近接して設置されてもよい。通路部材に関するよく多くの説明について、本願の他の部分(例えば、図6A~6B及びそれらの関連説明)を参照することができる。
【0040】
いくつかの実施例において、音響装置100は、制御回路アセンブリ及び1つ以上のインタラクションアセンブリ(図示せず)をさらに含んでもよい。制御回路アセンブリは、音響装置100に対して、制御、例えば、音量制御、オン/オフ制御、動作モードの選択(例えば、再生/一時停止)、無線接続又はデータ伝送制御などを行うことができる。いくつかの実施例において、制御回路アセンブリは、複数の制御素子を含んでもよい。各制御素子は、複数のスピーカーアセンブリのうちの少なくとも1つのスピーカーアセンブリに対応してもよい。各インタラクションアセンブリは、各スピーカーアセンブリ及びその対応する制御素子に対応してもよい。各インタラクションアセンブリは、ユーザ操作命令を受信して、対応するスピーカーアセンブリを制御して上記ユーザ操作命令に対応する機能を実現するように上記インタラクションアセンブリに対応する制御素子をトリガーすることができる。制御回路アセンブリ及びインタラクションアセンブリに関するよく多くの説明について、本願の他の部分(例えば、図8及び9及びそれらの関連説明)を参照することができる。
【0041】
いくつかの実施例において、音響装置100は、保護アセンブリ(図示せず)をさらに含んでもよい。いくつかの実施例において、保護アセンブリは、音響装置100を保護する機能、例えば、防水・防塵機能を有してもよい。いくつかの実施例において、保護アセンブリは、支持アセンブリ110内に設置され、かつ上記支持アセンブリに物理的に接続されて、音響装置100を保護する保護シールドを形成してもよい。例えば、コアモジュール120は、支持アセンブリ110のハウジングの内部の収容空間内に設置されてもよく、保護アセンブリは、コアモジュール120と支持アセンブリ110のハウジングとの間に設置されて、コアモジュール120を保護する保護シールドを形成することにより、防水・防塵機能などの機能を実現することができる。
【0042】
音響装置100についての上記説明は、説明の目的のためのものであり、本願の範囲を限定することを意図するものではないことに注意されたい。多くの置換、修正及び変形は、当業者にとって明らかである。本明細書に記載の例示的な実施例の特徴、構造、方法及び他の特徴を様々な方式で組み合わせて、追加及び/又は代替の例示的な実施例を得ることができる。いくつかの実施例において、音響装置100は、電池アセンブリ、ブルートゥース(登録商標)アセンブリなど又はそれらの組み合わせをさらに含んでもよい。電池アセンブリは、音響装置100に給電することができる。ブルートゥース(登録商標)アセンブリは、音響装置100を他の機器(例えば、携帯電話、コンピュータなど)に無線接続することができる。
【0043】
図2は、本願のいくつかの実施例に係る例示的な音響装置の概略構成図である。図2に示すように、音響装置200は、支持アセンブリ210、1つ以上の収音アセンブリ(例えば、収音アセンブリ222、224及び226)、2つのスピーカーアセンブリ(例えば、スピーカーアセンブリ232及び234)、電池アセンブリ240及び制御回路アセンブリ250を含んでもよい。
【0044】
支持アセンブリ210は、第1部分212(即ち、耳掛けアセンブリ212)、第2部分214(即ち、耳掛けアセンブリ214)及び第3部分216(即ち、後掛けアセンブリ216)を含んでもよい。後掛けアセンブリ216の両端はそれぞれ、2つの耳掛けアセンブリ(即ち、耳掛けアセンブリ212及び耳掛けアセンブリ214)の一端に接続される。ユーザが音響装置200を装着する場合、耳掛けアセンブリ212及び耳掛けアセンブリ214はそれぞれ、ユーザの耳に掛けられ、後掛けアセンブリ216は、音響装置200を安定して装着するようにユーザの頭又は首の後側に掛け回される。
【0045】
いくつかの実施例において、スピーカーアセンブリ232及び234は、オーディオ信号(例えば、電気信号)を異なる周波数の機械的振動に変換することができる。2つのスピーカーアセンブリ(即ち、スピーカーアセンブリ232及び234)は、2つの耳掛けアセンブリの他端に設置されてもよい。例えば、耳掛けアセンブリ212及び耳掛けアセンブリ214はそれぞれ、収容空間を含み、スピーカーアセンブリ232は、耳掛けアセンブリ212の収容空間内に設置され、スピーカーアセンブリ234は、耳掛けアセンブリ214の収容空間内に設置される。音響装置200が装着される場合、2つのスピーカーアセンブリは、装着者の骨及び/又は蝸牛により機械的振動を人間の聴覚系に伝達することにより、装着者は、音声を聞こえる。いくつかの実施例において、スピーカーアセンブリ232及び/又は234は、耳掛けアセンブリに対して独立して存在してもよい。即ち、スピーカーアセンブリ232及び/又は234は、スピーカーハウジングを含んでもよい。スピーカーハウジングは、耳掛けアセンブリ212及び/又は214に接続され、スピーカーアセンブリは、耳掛けアセンブリ212及び耳掛けアセンブリ214の外部に設置される。耳掛けアセンブリに関するより多くの説明について、図3~4の詳細な説明を参照することができる。
【0046】
いくつかの実施例において、音響装置200の1つ以上のアセンブリは、支持アセンブリ210で構成された収容空間内に設置されてもよい。例えば、図2に示すように、電池アセンブリ240は、耳掛けアセンブリ212内の収容空間に設置される。制御回路アセンブリ250は、耳掛けアセンブリ214内の収容空間に設置される。また例えば、電池アセンブリ240及び/又は制御回路アセンブリ250は、後掛けアセンブリ216内に設置されてもよい。また例えば、音響装置200は、ブルートゥース(登録商標)アセンブリをさらに含んでもよい。ブルートゥース(登録商標)アセンブリは、後掛けアセンブリ216内の収容空間に設置されてもよい。また例えば、音響装置200は、1つ以上の通路部材をさらに含んでもよい。1つ以上の通路部材のうちの少なくとも1つは、1つ以上の収音アセンブリのうちの少なくとも1つの収音アセンブリと支持アセンブリ210における1つ以上の連通孔のうちの1つの連通孔との間に設置されてもよい。通路部材に関するよく多くの説明について、本願の他の部分の説明(例えば、図6A~6Bにおける詳細な説明)を参照することができる。
【0047】
いくつかの実施例において、音響装置200は、例えば、2つ、3つ、4つ、5つなど、複数の収音アセンブリを含んでもよい。各収音アセンブリは、対応する連通孔により音声を取り込むように、支持アセンブリ210における連通孔の近傍に設置されてもよい。複数の収音アセンブリはそれぞれ、独立し、かつそれぞれ独立して収音及び音声の増幅を実行することができるため、異なる方向からの音声を取り込み、処理することにより、装着者(例えば、聴覚障害者)が異なる方向からの音声に適応することができ、装着者の聴覚効果を向上させる。いくつかの実施例において、複数の収音アセンブリは、支持アセンブリ210の異なる位置に間隔を空けて設置されてもよい。例えば、複数の収音アセンブリは、後掛けアセンブリ216内(例えば、位置F、G、H、I)に間隔を空けて設置されてもよい。また例えば、複数の収音アセンブリのうちの1つは、後掛けアセンブリ216の中間位置(即ち、位置I)に設置され、他の収音アセンブリは、該中間位置の片側又は両側に間隔を空けて設置されてもよい。さらに例えば、複数の収音アセンブリは、耳掛けアセンブリ212及び/又は214内に間隔を空けて設置されてもよい。さらに例えば、複数の収音アセンブリの一部は、耳掛けアセンブリ内(例えば、図2における位置E及びB、及び/又は図4における位置O及びD)に間隔を空けて設置され、他の部分は、後掛けアセンブリ216内に間隔を空けて設置されてもよい。いくつかの実施例において、スピーカーアセンブリが独立して存在する場合、複数の収音アセンブリは、スピーカーハウジング内に設置されてもよい。いくつかの実施例において、複数の収音アセンブリのうちの一部は、支持アセンブリ210内に間隔を空けて設置され、他の部分は、スピーカーハウジング内に間隔を空けて設置されてもよい。いくつかの実施例において、収音アセンブリの位置は、その対応する連通孔の位置と呼ばれてもよい。
【0048】
収音アセンブリが、主にユーザの音声、ユーザが所在する環境の環境音などを取り込むため、装着者(例えば、聴覚障害者)に対して、収音アセンブリの収音効果は、装着者が音響装置200により受け取った音声の明瞭度、安定度などに影響を与えることに注意されたい。一般的に、収音アセンブリは、音響装置200の任意の位置に設置されてもよい。しかしながら、収音アセンブリは、スピーカーアセンブリに接近するほど、スピーカーアセンブリの影響を受けやすくなり、両者の音響結合により「ハウリング」を引き起こしやすくなる。したがって、収音アセンブリの設置位置は、音響装置200のハウリング閾値の要件に応じて決定されてもよい。収音アセンブリのハウリング閾値とその音響装置における相対的な位置との間の関係に関するより多くの説明について、本願の他の部分(例えば、図7及びその説明)を参照することができる。
【0049】
図3は、本願のいくつかの実施例に係る例示的な耳掛けアセンブリの概略構成図である。図4は、図3における耳掛けアセンブリの分解斜視図である。図3及び4に示すように、耳掛けアセンブリ300は、耳掛けハウジング310、接続部材320及びスピーカーハウジング330を含んでもよい。接続部材320は、一端が耳掛けハウジング310に接続され、他端がスピーカーハウジング330に接続される。
【0050】
いくつかの実施例において、耳掛けハウジング310、接続部材320及び/又はスピーカーハウジング330は、一体成形されてもよい。例えば、接続部材320は、射出成形の方式で耳掛けハウジング310及びスピーカーハウジング330に接続されてもよい。いくつかの実施例において、耳掛けハウジング310、接続部材320及び/又はスピーカーハウジング330は、接続構造により接続されて、折り畳み可能な耳掛けアセンブリを形成してもよい。例示的な接続構造は、係止構造、挿着構造、ヒンジ構造など又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施例において、図4に示すように、耳掛けハウジング310は、第1耳掛けハウジング312と第2耳掛けハウジング314を含んでもよい。第1耳掛けハウジング312と第2耳掛けハウジング314は、収容空間360を形成するように嵌合接続されてもよい。収容空間360は、電池アセンブリ、制御回路アセンブリ、収音アセンブリ、通路部材、ブルートゥース(登録商標)アセンブリなどのうちの一種又は多種を収容してもよい。単なる例として、収容空間360は、収音アセンブリ340を収容してもよい。いくつかの実施例において、第2耳掛けハウジング314は、接続部材320に物理的に接続されてもよい。例えば、第2耳掛けハウジング314は、射出成形の方式で接続部材320の一端に固定接続されてもよい。また例えば、第2耳掛けハウジング314は、溶接、リベット接合、接着、係止などの方式で接続部材320の一端に接続されてもよい。いくつかの実施例において、第1耳掛けハウジング312は、第2耳掛けハウジング314に物理的に接続されてもよい。例えば、第1耳掛けハウジング312は、溶接、リベット接合、接着、係止などの方式で第2耳掛けハウジング314に接続されてもよい。いくつかの実施例において、第1耳掛けハウジング312と第2耳掛けハウジング314は、接続部材320に物理的に接続されてもよい。例えば、第1耳掛けハウジング312と第2耳掛けハウジング314は、射出成形の方式で接続部材320の一端に接続されてもよい。
【0052】
いくつかの実施例において、収容空間360内に収音アセンブリ340を収容する収容溝(例えば、図5における収容溝525)が設置されてもよい。いくつかの実施例において、耳掛けハウジング310に収容空間360と外部とを連通する連通孔350が設置されている。収音アセンブリ340は、収容空間360内に設置され、かつ連通孔350により収音できるように連通孔350に近接して設置されてもよい。いくつかの実施例において、収音アセンブリ340と連通孔350との間の距離は、1mm以上であってもよい。例えば、収音アセンブリ340と連通孔350との間の距離は、1mm、2mm、3mm、5mm、7mm、10mmなどであってもよい。いくつかの実施例において、連通孔350は、耳掛けハウジング310の第1耳掛けハウジング312に設置されてもよい。第1耳掛けハウジング312に関するより多くの説明について、本願の他の部分(例えば、図5及びその説明)を参照することができる。
【0053】
通常、スピーカーアセンブリの発音過程において、外部の空気を振動するように駆動し、即ち、「音漏れ」現象が発生する場合がある。したがって、連通孔350は、収音アセンブリ340がスピーカーアセンブリにより引き起こされる「漏れ音声」を取り込むことをできるだけ回避することにより、スピーカーアセンブリによる収音アセンブリ340への干渉を低減するように、耳掛けハウジング310のスピーカーアセンブリから離れる(スピーカーハウジング330内に位置する)一側(例えば、位置C)又は接続部材320から離れる一側(例えば、位置D)に形成されてもよい。また、収音アセンブリ340は、収容空間360のスピーカーアセンブリから一側に設置されると、スピーカーアセンブリが発生した機械的振動が収音アセンブリ340に伝達されることを低減することにより、収音アセンブリ340に「ハウリング」又は雑音が発生することを低減することができる。いくつかの実施例において、連通孔350の位置は、その対応する収音アセンブリの位置と呼ばれてもよいことに注意されたい。いくつかの実施例において、連通孔350は、耳掛けハウジング310の他の位置に形成されてもよい。例えば、連通孔350は、耳掛けハウジング310のスピーカーアセンブリに向かう一側に形成されてもよく、音響装置(又は耳掛けアセンブリ300)が装着される時のそのユーザの頭に向かう一側に形成されてもよく、音響装置(耳掛けアセンブリ300)が装着される時のそのユーザの頭から離れる一側(位置O)に形成されてもよい。また例えば、連通孔350は、第1耳掛けハウジング312におけるB、D、E位置などに形成されてもよい。
【0054】
いくつかの実施例において、図4に示すように、接続部材320は、第1弾性被覆層321、第2弾性被覆層322及び弾性支持部材323を含んでもよい。弾性支持部材323は、一端が耳掛けハウジング310(例えば、第2耳掛けハウジング314)に接続され、他端がスピーカーハウジング330(又はスピーカーアセンブリ)に接続される。いくつかの実施例において、接続部材320内にリード線(図示せず)が設置されてもよい。リード線は、一端が収容空間360内に設置された収音アセンブリ340、電池アセンブリ、制御回路アセンブリなどに電気的に接続され、他端がスピーカーハウジング330内のスピーカーアセンブリに電気的に接続される。
【0055】
いくつかの実施例において、第1弾性被覆層321及び第2弾性被覆層322は、射出成形(例えば、二色射出成形)の方式で成形され、かつ弾性支持部材323及びリード線を包む。いくつかの実施例において、弾性支持部材323は、リード線を包んでもよい。いくつかの実施例において、弾性支持部材323は、耳掛けアセンブリ300の基本的な形態を形成してユーザが音響装置を容易に装着するように、湾曲状を呈し、かつ一定の剛性/強度を有する。第1弾性被覆層321及び第2弾性被覆層322は、包まれた弾性支持部材323及びリード線を保護することができる。いくつかの実施例において、第1弾性被覆層321及び第2弾性被覆層322は、例えば、軟質シリコーンゴム、ゴム、繊維など、一定の弾性を有する軟質材料で製造されてもよく、ユーザに快適なつけ心地を提供することができる。いくつかの実施例において、第1弾性被覆層321と第2弾性被覆層322との繋ぎ合わせ目は、接続部材320の表面を、背向して設置された内側面と外側面に分ける。第1弾性被覆層321の露出した表面は、接続部材320の内側面とされ、第2弾性被覆層322の露出した表面は、接続部材320の外側面とされる。なお、音響装置(又は耳掛けアセンブリ300)が装着状態にある場合、接続部材320の内側面は、外側面より装着者の皮膚に近づく。接続部材320の内側面の大部分は、ユーザの耳及びその近傍の頭と接触する。
【0056】
いくつかの実施例において、接続部材320が製造される場合、補助金属ワイヤを通じて製造される。補助金属ワイヤは、弾性支持部材323に並列設置されてもよい。いくつかの実施例において、補助金属ワイヤと弾性支持部材323は、ほぼ同じ形状、長さ、曲率半径などの構造パラメータを有してもよい。いくつかの実施例において、補助金属ワイヤの直径は、リード線の直径以下であってもよい。さらに、射出成形の方式で補助金属ワイヤ及び弾性支持部材323の表面に弾性被覆層を形成してから、補助金属ワイヤを引き出して、接続部材320を得ることができる。最後に、音響装置を製造する場合、リード線を弾性被覆層内(即ち、補助金属ワイヤの元の位置)に穿設することができる。しかしながら、上記射出成形の過程において、補助金属ワイヤ及び弾性支持部材323が一定の長さ及び曲率半径を有するため、両者(特に両者の中間領域)が射出成形用の材料によって衝撃されて元の位置からずれて、弾性被覆層の肉厚が不均一になり、接続部材320の成形品質に影響を与える可能性がある。特に、弾性被覆層の肉厚が薄く設定される場合、音響装置の長期使用過程において、接続部材320に「割れ目」の不具合が発生する可能性があるため、ユーザの体験に影響を与える。
【0057】
いくつかの実施例において、弾性被覆層は、第1弾性被覆層321と第2弾性被覆層322に分けられてもよい。第1弾性被覆層321と第2弾性被覆層322は、2回に分けて射出成形されてもよい。具体的に、一方の弾性被覆層(例えば、第1弾性被覆層321)の1つの側面に貫通溝324が形成されてもよい。貫通溝324は、第1弾性被覆層321の延伸方向に沿って延伸して設置され、かつ弾性支持部材323及び補助金属ワイヤが配置されてもよい。さらに、第2弾性被覆層322は、射出成形の方式で第1弾性被覆層321の貫通溝324の所在する側面に成形され、かつ弾性支持部材323及び補助金属ワイヤを被覆することにより、第1弾性被覆層321と第2弾性被覆層322とが繋ぎ合わせられ固定された後に、補助金属ワイヤを引き出すことで、弾性支持部材323と並列設置され収容空間360と連通するリード線通路(図4において符号が付されていない)を形成することができる。リード線通路にはリード線が穿設されてもよい。貫通溝324が一定の深さを有するため、第1弾性被覆層321は、弾性支持部材323及び補助金属ワイヤを部分的に包み、それらに対して制限作用を果たすことにより、弾性支持部材323と補助金属ワイヤが射出成形用の材料による衝撃に抵抗することができ、このように弾性支持部材323及び補助金属ワイヤが元の位置からずれるという問題の改善に寄与することに注意されたい。
【0058】
いくつかの実施例において、貫通溝324の深さは、弾性支持部材323と補助金属ワイヤのうちの直径がより大きいものの半径に等しくてもよい。いくつかの実施例において、貫通溝324の深さは、弾性支持部材323と補助金属ワイヤのうちの直径がより小さいものの半径より大きく、かつ弾性支持部材323と補助金属ワイヤのうちの直径がより大きいものの半径より小さくてもよい。いくつかの実施例において、貫通溝324の深さは、弾性支持部材323と補助金属ワイヤのうちの直径がより大きいものの半径より大きくてもよい。いくつかの実施例において、貫通溝324の数は、2つであってもよい。2つの貫通溝324は、並列設置され、かつリード線通路と弾性支持部材323を互いに隔てるように、それぞれ弾性支持部材323と補助金属ワイヤが配置されてもよく、このように弾性支持部材323と補助金属ワイヤ(又はリード線)とが互いに干渉しない。いくつかの実施例において、貫通溝324の数は、1つであってもよく、弾性支持部材323と補助金属ワイヤは、弾性支持部材323がリード線通路に露出するように貫通溝324内に共に収容されてもよく、このように接続部材320の構造を簡略化することができる。
【0059】
いくつかの実施例において、耳掛けハウジング310(例えば、第2耳掛けハウジング314)は、射出成形の方式で接続部材320(例えば、弾性支持部材323)の一端に接続されてもよい。さらに、第2弾性被覆層322は、射出成形の方式で、耳掛けハウジング310の少なくとも一部の外面を被覆する第3弾性被覆層316に接続されてもよい。第1弾性被覆層321は、耳掛けハウジング310とスピーカーハウジング330との間に位置し、かつ耳掛けハウジング310の外面を被覆しなくてもよい。例えば、第2弾性被覆層322は、第1耳掛けハウジング312の外面を被覆してもよく、即ち、第3弾性被覆層316と第2弾性被覆層322とは、同一の被覆層であり、第1弾性被覆層321は、第1耳掛けハウジング312とスピーカーハウジング330との間に位置し、かつ第1耳掛けハウジング312の外面を被覆しなくてもよい。
【0060】
いくつかの実施例において、耳掛けアセンブリ300の成形過程は、弾性支持部材323の両端にそれぞれスピーカーハウジング330と第2耳掛けハウジング314を形成する動作1)と、1回目の射出成形により貫通溝324を有する第1弾性被覆層321を得る動作2)と、動作3)では、動作2)で得られた第1弾性被覆層321、動作1)における半製品及び補助金属ワイヤを組み立てる動作3)と、2回目の射出成形により第1弾性被覆層321の貫通溝324の所在する側に第2弾性被覆層322を形成し、かつ第2耳掛けハウジング314の外面の一側に第3弾性被覆層316を形成して、弾性支持部材323と補助金属ワイヤを包み、かつ第2耳掛けハウジング314の外面を被覆する動作4)と、動作4)で得られた半製品の補助金属ワイヤを引き出してリード線通路を形成してから、リード線通路内にリード線を穿設する動作5)と、動作6)では、接着、係止、ねじ接続などの方式のうちの一種又はそれらの組み合わせにより第1耳掛けハウジング312と動作5)における第2耳掛けハウジング314とを嵌合固定する動作6)とを含んでもよい。
【0061】
音響装置は、2つの耳掛けアセンブリ300を含んでもよく、収音アセンブリ340の数が対応して2つであってもよく、通路部材の数が対応して2つであってもよいことに注意されたい。具体的には、各収音アセンブリ340の収音効果を改善するように、各耳掛けアセンブリ300の収容空間360内にそれぞれ1つの収音アセンブリ340と1つの通路部材が設置されてもよい。
【0062】
図5は、図4における第1耳掛けハウジングの概略構成図である。図5に示すように、第1耳掛けハウジング312は、底壁3122と、底壁3122に周接された側壁3124とを含んでもよい。第2耳掛けハウジング314は、側壁3124をカバーし、かつ底壁3122に対向して設置されて、収容空間360を形成してもよい。いくつかの実施例において、収容空間360内に、収音アセンブリ340を収容する収容溝525が設置されてもよい。いくつかの実施例において、底壁3122の第2耳掛けハウジング314に向かう一側にフランジ3126が突出して設置されてもよい。フランジ3126は、収容溝525を取り囲んで、収音アセンブリ340に対して制限固定の作用を果たすことができる。いくつかの実施例において、フランジ3126と側壁3124の少なくとも一部は、共に収容溝525を取り囲んでもよい。
【0063】
いくつかの実施例において、第1耳掛けハウジング312に連通孔350が形成されてもよい。いくつかの実施例において、スピーカーアセンブリによる収音アセンブリへの干渉をできるだけ低減するために、連通孔350は、側壁3124のスピーカーアセンブリから離れる位置(図4における位置C)に形成されてもよい。いくつかの実施例において、連通孔350は、底壁3122に形成されてもよい。
【0064】
収音アセンブリ340が連通孔350を介して直接外部と連通すれば、収音アセンブリ340と外部との間の音路(収音アセンブリ340の音路と略称してもよい)が短くなることに注意されたい。音響装置が複雑な環境にある(例えば、空気の流れが激しい)場合、収音アセンブリ340によって取り込まれた雑音が多いため、「風切り音」現象を引き起こす。上記「風切り音」現象とは、収音アセンブリ340が外部の雑音を取り込むことによりノイズが発生するという現象を指す。したがって、本願のいくつかの実施例によれば、収音アセンブリ340と連通孔350との間に通路部材(図6Aに示す通路部材600)を設置して、収音アセンブリ340の音路を延長することにより、収音アセンブリ340の収音効果を改善することができる。いくつかの実施例において、通路部材は、第1孔(集音孔と呼ばれてもよい)、通路及び第2孔(放音孔と呼ばれてもよい)を含んでもよい。いくつかの実施例において、通路部材は、収容空間360内に設置され、かつフランジ3126に覆設されてもよい。言い換えれば、通路部材は、収容溝525をカバーし、収音アセンブリ340を収容溝525内に押し込んでもよく、かつ集音孔が側壁3124に向かって連通孔350と突き合わせて連通し、放音孔が収音アセンブリ34と突き合わせて連通する。このように設置すれば、通路部材は、収音アセンブリの音路を延長するだけでなく、収音アセンブリの固定を実現する。通路部材に関するより多くの説明について、本願の他の部分(例えば、図6A及びその説明)を参照することができる。
【0065】
いくつかの実施例において、連通孔350は、収音アセンブリ340の音路と外部との接触面積を増加させることにより収音アセンブリ340の収音効果を改善するように、一定の幅(例えば、0.2mm、0.5mm、1mmなど)を有する隙間であってもよい。いくつかの実施例において、連通孔350の形状は、円形、正方形、楕円形、三角形などであってもよい。いくつかの実施例において、収音アセンブリ340の音路と外部との接触面積が大きすぎることによる耳掛けハウジング310の防水・防塵性能の低下、及び/又は「風切り音」現象の出現を防止するために、収音アセンブリ340の音路に保護部材540を設置することができる。単なる例として、保護部材540は、通路部材と耳掛けハウジング310との間に設置されることにより、連通孔350と通路部材の集音孔とを隔てて、収音アセンブリ340の防風及びノイズ低減能力を高め、耳掛けアセンブリ300の防水・防塵性能を改善する。いくつかの実施例において、保護部材540は、重ね合わせて設置された1つ以上のネット、例えば、第1ネット542及び第2ネット544を含んでもよい。いくつかの実施例において、1つ以上のネットは、異なる材料又は同じ材料で製造されてもよい。いくつかの実施例において、第1ネット542は、金属ネット(例えば、鉄ネット、アルミニウムネット)を含んでもよく、第2ネット544は、非金属ネット(例えば、ナイロンネット、綿麻ネット)を含んでもよい。いくつかの実施例において、第2ネット544は、第1ネット542より通路部材に接近する。いくつかの実施例において、第1ネット542の構造強度は、第2ネット544の構造強度より大きくてもよい。いくつかの実施例において、第2ネット544のメッシュ数は、第1ネット542のメッシュ数より大きくてもよく、両者の組み合わせにより、保護部材540は、その自身の構造強度、収音アセンブリ340の収音要件及び耳掛けアセンブリ300の防水・防塵要件を兼ねることができる。
【0066】
いくつかの実施例において、第1耳掛けハウジング312には、音量ボタン孔550及び/又は機能ボタン孔555がさらに形成されてもよい。音量ボタンは、音量ボタン孔550に設置され、かつ音量ボタン孔550から露出してもよく、このようにして、ユーザは、音量ボタンを押し/回すことにより音響装置内の回路基板における対応する処理チップを制御して、音響装置のスピーカーアセンブリのオーディオゲインを調節することができる。同様に、機能ボタンは、機能ボタン孔555に設置され、かつ機能ボタン孔555から露出してもよく、このようにして、ユーザは、機能ボタンを押し/回すことにより音響装置内の回路基板における対応する処理チップを制御して、音響装置の対応する機能を調節することができる。いくつかの実施例において、機能ボタンによる制御機能は、オン/オフの制御、再生/一時停止の制御、無線接続もしくはデータ伝送の制御など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0067】
図6Aは、本願のいくつかの実施例に係る通路部材の概略構成図である。図6Bは、図3における収音アセンブリの概略構成図である。図6Aに示すように、通路部材600は、第1孔610(集音孔と呼ばれてもよい)、通路620及び第2孔630(放音孔と呼ばれてもよい)を含んでもよい。集音孔610と放音孔630は、間隔を空けて設置され、かつそれぞれ通路620と連通してもよい。集音孔610は、耳掛けアセンブリにおける連通孔(例えば、耳掛けアセンブリ300における連通孔350)と突き合わせて連通してもよい。放音孔630は、音声が連通孔、集音孔610、通路620及び放音孔630を順に通過して収音アセンブリ340に伝達されるように、収音アセンブリ340に近接して設置されてもよい。
【0068】
いくつかの実施例において、集音孔610の形状は、連通孔の形状と同じであるか又は類似してもよい。例えば、連通孔が一定の幅を有するスリットである場合、集音孔610は、スリット状に設定されてもよい。また例えば、連通孔が円孔状に設定される場合、集音孔610は、楕円孔状又は円孔状に設定されてもよい。
【0069】
いくつかの実施例において、通路620は、通路頂壁640、通路底壁650及び通路側壁660を含んでもよい。通路頂壁640及び通路底壁650はそれぞれ、通路側壁660の両端に位置してもよい。具体的には、通路頂壁640と通路底壁650は、対向して設置されてもよく、通路側壁660は、通路頂壁640と通路底壁650との間に接続されてもよい。いくつかの実施例において、通路620は、通路頂壁640と通路底壁650とを接続する方向に沿った長さの範囲が0.45~0.75mmであってもよい。例えば、通路620は、通路頂壁640と通路底壁650とを接続する方向に沿った長さが0.45mm、0.5mm、0.55mm、0.6mm、0.65mm、0.7mm、0.75mmなどであってもよい。いくつかの実施例において、通路部材600が収音アセンブリ340を押し込むことは、具体的には、通路底壁650が収音アセンブリ340を押し込むことであってもよい。例示的に、通路頂壁640と通路底壁650は、通路620が扁平状に設置されてハウジングの扁平構造に適合するように、間隔を空けて平行に設置される。
【0070】
いくつかの実施例において、集音孔610は、通路側壁660又は通路頂壁640に形成されてもよく、放音孔630は、通路底壁650に形成されてもよい。いくつかの実施例において、集音孔610の通路620に沿った放音孔630との距離は、収音アセンブリ340の音路を延長するように4mm以上であってもよい。例えば、集音孔610の通路620に沿った放音孔630との距離は、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、8mm、10mmなどであってもよい。いくつかの実施例において、通路部材600は、両端が開口した管状構造であってもよく、側壁のみで構成される。管状構造の一端の開口は、集音孔であってもよく、他端の開口は、放音孔であってもよい。
【0071】
いくつかの実施例において、図6Bに示すように、収音アセンブリ340は、収音部品342及び保護カバー344を含んでもよい。保護カバー344は、収音部品342の外周に嵌設されてもよい。いくつかの実施例において、保護カバー344には、通路底壁650に向かう溝部346が形成されてもよく、収音部品342の少なくとも一部分は、溝部346に位置する。このように設置すれば、通路部材600(例えば、通路部材600の通路底壁650)が収音アセンブリ340を収容溝525内に押し込む(即ち、通路部材600が収音アセンブリ340に覆設される)場合、保護カバー344は、収容溝525の側壁(例えば、フランジ3126)に当接し、かつ収容溝の側壁に密着することができ、溝部346と放音孔630は、取り込んだ音声が放音孔630及び溝部346を通過して収音部品342に入ることができるように、突き合わせて連通することができる。なお、本願において、保護カバー344が収容溝525の側壁に当接することは、保護カバー344と収容溝の側壁との間に作用力が存在するため、保護カバー344と収容溝の側壁とが緊密に密着されることを指す。いくつかの実施例において、保護カバー344は、弾性を有するもの(例えば、シリコーンカバー)であってもよいため、音響装置の組み立て過程において、保護カバー344は、弾性変形することにより、収容溝の側壁の収音アセンブリ340に対する固定効果を向上させ、かつ収音アセンブリ340と通路部材600との間の音路の密封性を高め、さらに収音アセンブリ340の収音効果を改善することができる。いくつかの実施例において、保護カバー344と収音部品342とが緊密に密着することができ、収音部品342の収音部(例えば、振動板)は、音声が溝部346に伝達された後、保護カバー344と収音部品342との間から収音部品342の後側に漏れにくいように溝部346に露出することにより、収音部品342の収音効果をよく維持することができる。
【0072】
図7は、本願のいくつかの実施例に係る音響装置における収音アセンブリのハウリング閾値とその位置との関係図である。図7に示すように、横座標は、収音アセンブリ(又は収音アセンブリの対応する連通孔)の音響装置における位置を表し、縦座標は、収音アセンブリのハウリング閾値(その単位がdBである)を表す。収音アセンブリのハウリング閾値が大きいほど、該収音アセンブリに「ハウリング」現象が発生する確率が低くなり、スピーカーアセンブリから受ける影響が小さくなることを意味することに注意されたい。
【0073】
図7において、位置O、B、C、D、E、F、G、H及びIは、収音アセンブリがそれぞれ図2及び図4において設置される位置O、B、C、D、E、F、G、H及びIを示す。図4における耳掛けアセンブリ300は、図2における音響装置の耳掛けアセンブリ212及び/又は214の例示的な構造であってもよい。図2及び4に示すように、音響装置が装着状態にある場合、位置Oは、耳掛けアセンブリ300のユーザの頭から離れる外側にあり、位置B、Eは、耳掛けアセンブリ300の耳掛けハウジング310の上方にあり、位置Eは、位置Bよりスピーカーアセンブリから離れ、位置Dは、耳掛けハウジング310の下方にあり、位置Cは、耳掛けハウジング310のスピーカーアセンブリから離れる後方にある。さらに、後掛けアセンブリについて、図2を参照すると、位置F、G、H、Iは、スピーカーアセンブリ232及び/又は234から順に離れる。位置Iは、後掛けアセンブリ216の中間位置に対応してもよい。
【0074】
位置Oに対応するハウリング閾値を基準閾値としてもよく、即ち、位置Oのハウリング閾値を0と定義する。図7に示すように、位置B、C、D、E、F、G、H、Iのハウリング閾値がいずれも0より大きく、これは、収音アセンブリがこれらの位置に設置すると、いずれも「ハウリング」現象の改善に寄与することを表明する。さらに、位置F、G、H、Iのハウリング閾値が位置B、C、D、Eのハウリング閾値より明らかに高く、これは、収音アセンブリが後掛けアセンブリに設置されると、「ハウリング」現象の改善に一層寄与することを表明する。耳掛けハウジングについて、位置C、Eのハウリング閾値も位置B、Dのハウリング閾値より明らかに高く、これは、収音アセンブリを設置する位置が耳掛けハウジングのスピーカーアセンブリから離れるほど「ハウリング」現象の改善に寄与することを表明することに注意されたい。位置Eの場合、耳掛けアセンブリと後掛けアセンブリとが構造的に干渉する可能性があるため、収音アセンブリを耳掛けアセンブリのC位置に設置することを優先して考慮する。
【0075】
図8は、本願のいくつかの実施例に係る例示的な音響装置の構造ブロック図である。図8に示すように、音響装置800は、複数のスピーカーアセンブリ810(例えば、スピーカーアセンブリ810-1、810-2)、制御回路アセンブリ820及び複数のインタラクションアセンブリ830(例えば、インタラクションアセンブリ830-1、830-2)を含んでもよい。
【0076】
スピーカーアセンブリ810は、オーディオ信号(例えば、電気信号)を機械的振動信号に変換することができる。例えば、スピーカーアセンブリ810は、マイクロホン、携帯電話、MP3プレーヤなどからのオーディオ信号を受信し、かつ機械的振動信号に変換することにより、音声を発生させることができる。いくつかの実施例において、スピーカーアセンブリ810は、骨伝導スピーカー、空気伝導スピーカーなど又はそれらの組み合わせを含んでもよい。単なる例として、スピーカーアセンブリ810は、骨伝導スピーカーであってもよい。骨伝導スピーカーは、磁気回路アセンブリ、振動アセンブリ及びスピーカーハウジングを含んでもよい。磁気回路アセンブリは、磁場を提供することができる。振動アセンブリは、オーディオ信号を受信した場合、磁場の作用で、オーディオ信号を機械的振動信号に変換することができる。例えば、振動アセンブリは、ボイスコイル及び振動シートを含んでもよく、ボイスコイルは、磁気回路アセンブリが形成されている磁気ギャップ内に設置され、スピーカーアセンブリ810が電気信号(即ち、オーディオ信号)を受信した後に、ボイスコイルは、磁場の作用で振動する。ボイスコイルは、振動シートに物理的に接続され、かつ振動を振動シートに伝達する。スピーカーハウジングは、ユーザの身体に向かう振動パネル(即ち、振動伝達板)を含んでもよい。スピーカーハウジングは、振動アセンブリを収容してもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリは、振動パネルに物理的に接続されて、該振動パネルを振動させることにより、音声が使用者の頭を介して聴覚神経に伝達され、さらに使用者に聞こえる。
【0077】
いくつかの実施例において、スピーカーアセンブリ810は、様々な共振ピークを提供してもよい。例えば、スピーカーアセンブリ810は、500Hzより低い低周波共振ピーク、又は1000Hzより低い低周波共振ピーク、又は5000Hzより高い高周波共振ピークを提供してもよい。いくつかの実施例において、スピーカーアセンブリ810は、例えば、電磁型(例えば、ダイナミック型、バランスドアーマチュア型)、圧電型、逆圧電型、静電型などの様々なタイプを含んでもよいが、本願において限定されない。
【0078】
制御回路アセンブリ820は、音響装置800の1つ以上の機能を実現するように、音響装置800の他のアセンブリ(例えば、スピーカーアセンブリ810)を制御してもよい。いくつかの実施例において、制御回路アセンブリ820は、複数の制御素子(例えば、制御素子820-1、820-2など)を含んでもよい。各制御素子は、少なくとも1つのスピーカーアセンブリを対応して制御することにより、該スピーカーアセンブリを独立して制御してもよく、例えば、対応するスピーカーアセンブリのオーディオゲインを独立して制御してもよい。いくつかの実施例において、制御回路アセンブリ820は、音響装置800のオン/オフ、一時停止/再生、無線接続/切断などを制御するように、1つ以上の機能ボタンをさらに含んでもよい。制御回路アセンブリに関するより多くの説明について、本願の他の部分(例えば、図9及びその説明)を参照することができる。
【0079】
インタラクションアセンブリ830は、ユーザと音響装置800とのインタラクションを実現することができる。例えば、インタラクションアセンブリ830は、ユーザとスピーカーアセンブリ810及び制御回路アセンブリ820とのインタラクションを実現することができる。さらに、インタラクションアセンブリ830は、ユーザ操作命令の受信に応答して、音響装置800を制御してユーザ操作命令に対応する機能を実現するように制御回路アセンブリ820をトリガーしてもよい。例えば、インタラクションアセンブリ830は、ユーザの押し命令の受信に応答して、音響装置800のオン・オフを実現するように制御回路アセンブリ820を制御してもよい。また例えば、各インタラクションアセンブリは、1つのスピーカーアセンブリ及びその対応する制御素子に対応してもよい。さらに、各インタラクションアセンブリは、ユーザ操作命令の受信に応答して、対応するスピーカーアセンブリ810を制御して、ユーザ操作命令に対応する機能を実現するように制御回路アセンブリ820における制御素子をトリガーしてもよい。例えば、インタラクションアセンブリ830-1は、ユーザの押し又は回し命令の受信に応答して、スピーカーアセンブリ810-1のオーディオゲインの増減を実現するように制御素子820-1を制御してもよい。
【0080】
いくつかの実施例において、インタラクションアセンブリ830は、音響装置800の1つ以上の機能を制御するように制御回路アセンブリ820(例えば、制御素子)をトリガーするために、音響装置800の支持アセンブリ(例えば、耳掛けアセンブリ)に設置された1つ以上の第3孔と、上記第3孔内にそれぞれ設置された第1部材とを含んでもよい。第1部材は、ユーザ操作命令を受信してもよい。いくつかの実施例において、ユーザ命令は、力、音などの形態で示されてもよい。例えば、ユーザは、例えば押し、回しなどの方式でユーザ操作命令を生成してもよい。また例えば、第1部材は、ユーザの音声を受け取ってユーザ操作命令を生成できる音響センサであってもよい。いくつかの実施例において、第1部材は、1つ以上のボタン、例えば、音量ボタン及び機能ボタンを含んでもよい。いくつかの実施例において、制御回路アセンブリ820(例えば、各制御素子)は、第2部材を含んでもよい。第2部材は、第1部材が受信したユーザ操作命令(例えば、押し、タッチ)に応答して、操作命令に対応する機能、例えば、音量の増減、再生/一時停止、オン/オフなどを実現するように制御回路アセンブリ820をトリガーしてもよい。いくつかの実施例において、第2部材は、機能スイッチ、例えば、機械スイッチ、音声制御スイッチなどを含んでもよい。例えば、第1部材の一側にスイッチ収容領域が形成されてもよい。スイッチ収容領域に機能スイッチが収容されるため、第1部材がユーザの操作命令(例えば、回し)を受信したときに機能スイッチを回すことにより、命令に対応する機能を実現するように制御回路アセンブリ820における制御ユニットをトリガーすることができる。また例えば、第2部材は、一定の強度を有する音声に応答して、第2部材に対応する機能を実現するように上記機能スイッチをトリガーしてもよい。
【0081】
図9は、本願のいくつかの実施例に係る例示的な音響装置の概略構成図である。図9に示すように、音響装置900は、スピーカーアセンブリ910、スピーカーアセンブリ920、耳掛けアセンブリ930、耳掛けアセンブリ940及び後掛けアセンブリ950を含んでもよい。なお、ハウジングの一部及びその対応する収容空間に収容された各アセンブリは、共にハウジングアセンブリと総称してもよい。具体的には、後掛けアセンブリ950の両端には、耳掛けアセンブリ930と940がそれぞれ設置され、そして、それらの対応するスピーカーアセンブリ910と920がそれぞれ設置されてもよい。いくつかの実施例において、後掛けアセンブリ950の両端にある各電気部材(例えば、収音アセンブリ、スピーカーアセンブリなど)は、命令、電気エネルギーなどの伝送の制御を実現するように、後掛けアセンブリ950に内蔵されたリード線を介して電気的に接続されてもよい。
【0082】
いくつかの実施例において、耳掛けアセンブリ930は、メイン回路基板932、音量ボタン934、機能ボタン936、収音アセンブリ938など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。耳掛けアセンブリ940は、サブ回路基板942、音量ボタン944、電池アセンブリ946、収音アセンブリ948など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、音響装置900の重量分布を均衡させるために、メイン回路基板932は、耳掛けアセンブリ930の収容空間内に収容され、電池アセンブリ946は、耳掛けアセンブリ940の収容空間内に収容される。
【0083】
いくつかの実施例において、メイン回路基板932には、2つのスピーカーアセンブリ910及び920のオーディオゲインをそれぞれ独立して制御する、互いに独立した2つのオーディオ処理チップ(制御素子と呼ばれてもよい)が集積されてもよい。いくつかの実施例において、スピーカーアセンブリ910のオーディオゲインを単独で制御するように、メイン回路基板932には、スピーカーアセンブリ910を制御するオーディオ処理チップが集積されてもよく、スピーカーアセンブリ920のオーディオゲインを単独で制御するように、サブ回路基板942には、スピーカーアセンブリ920を制御するオーディオ処理チップが集積されてもよい。単なる例として、オーディオ処理チップは、デジタル信号処理(Digital Signal Process、DSP)チップであってもよい。
【0084】
いくつかの実施例において、ユーザは、2つの音量ボタン934及び944により2つのスピーカーアセンブリ910及び920をそれぞれ制御してもよい。例えば、各耳掛けアセンブリに対応する耳掛けハウジングに、収容空間と連通する音量ボタン孔が形成されてもよい。各音量ボタン934又は944は、耳掛けハウジングの音量ボタン孔内に対応して設置され、かつ音量ボタン孔から露出し、このようにして、ユーザは、音量ボタンを押し/回すことにより対応するオーディオ処理チップを制御して、対応するスピーカーアセンブリのオーディオゲインを調節することができる。
【0085】
いくつかの実施例において、音量ボタン934及び音量ボタン944は、インタラクションアセンブリと呼ばれてもよい。いくつかの実施例において、インタラクションアセンブリ(音量ボタン934及び音量ボタン944)及びメイン回路基板932は、制御回路アセンブリと総称してもよい。このような場合、メイン回路基板932には、互いに独立した2つのオーディオ処理チップが集積されてもよい。いくつかの実施例において、制御回路アセンブリは、サブ回路基板942をさらに含んでもよい。いくつかの実施例において、メイン回路基板932とサブ回路基板942は、異なる耳掛けハウジングに対応する収容空間内に位置してもよい。例えば、メイン回路基板932は、ユーザから音量ボタン934に印加された押し力を受けるように、音量ボタン934に結合され、かつ音量ボタン934に対応する音量ボタン孔をカバーしてもよい。同様に、サブ回路基板942は、ユーザから音量ボタン944に印加された押し力を受けるように、音量ボタン944に結合され、かつ音量ボタン944に対応する音量ボタン孔をカバーしてもよい。本願において、2つの素子の結合とは、直接接続又は間接接続を指してもよい。いくつかの実施例において、サブ回路基板942は、メイン回路基板932がサブ回路基板942に結合された音量ボタン944への押し操作を処理するように、メイン回路基板932に電気的に接続されてもよい。いくつかの実施例において、サブ回路基板及び電池アセンブリ946は、同一の耳掛けハウジングの収容空間内に設置されてもよい。
【0086】
いくつかの実施例において、制御回路アセンブリは、機能ボタン936をさらに含んでもよい。機能ボタン936は、メイン回路基板932に結合されてもよい。いくつかの実施例において、メイン回路基板932の体積が一般的に電池アセンブリ946の体積より小さいため、機能ボタン936は、音響装置900の体積の分布を均衡させるために、主回路基板932の所在する耳掛けハウジング内に設置されてもよい。いくつかの実施例において、機能ボタン936は、音量ボタン934を代替してもよく、音量ボタン934と共に存在してもよい。いくつかの実施例において、機能ボタン936は、音響装置900とユーザとのインタラクションを拡張するために、再生/一時停止、オン/オフなどの機能を実現してもよい。
【0087】
音響装置900についての上記説明は、説明の目的のためのものであり、本願の範囲を限定することを意図するものではないことに注意されたい。多くの置換、修正及び変形は、当業者にとって明らかである。本明細書に記載の例示的な実施例の特徴、構造、方法及び他の特徴を様々な方式で組み合わせて、追加及び/又は代替の例示的な実施例を得ることができる。例えば、音響装置900は、音響装置900の防水・防塵性能を改善するために、防水ライナーをさらに含んでもよい。また例えば、音響装置900は、ブルートゥース(登録商標)アセンブリ、通路部材などをさらに含んでもよい。
【0088】
上記で基本概念を説明してきたが、当業者にとっては、上記発明の開示は、単なる例として提示されているものに過ぎず、本願を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本願によって示唆されることが意図されているため、本願の例示的な実施例の精神及び範囲内にある。
【0089】
さらに、本願の実施例を説明するために、本願において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」又は「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2つ以上の言及は、必ずしもすべてが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本願の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造、又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0090】
また、当業者には理解されるように、本願の各態様は、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製品又は物質の組み合わせ、又はそれらへの任意の新規かつ有用な改善を含む、いくつかの特許可能なクラス又はコンテキストで、例示及び説明され得る。よって、本願の各態様は、完全にハードウェアによって実行されてもよく、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)によって実行されてもよく、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実行されてもよい。以上のハードウェア又はソフトウェアは、いずれも「データブロック」、「モジュール」、「エンジン」、「ユニット」、「アセンブリ」又は「システム」と呼ばれてもよい。また、本願の各態様は、コンピュータ可読プログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
【0091】
また、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本願の処理要素又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本願の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、単に説明の目的のためであり、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されないが、逆に、本願の実施例の趣旨及び範囲内にあるすべての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることを理解されたい。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、既存のサーバ又はモバイルデバイスに説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0092】
同様に、本願の実施例の前述の説明では、本願を簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることを理解されたい。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈すべきではない。実際に、実施例の特徴は、上記開示された単一の実施例のすべての特徴より少ない場合がある。
【0093】
いくつかの実施例において、成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「実質的」によって修飾されるものであることを理解されたい。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「実質的」は、上記数字の±20%の変動が許容されることを意味する。よって、いくつかの実施例において、明細書及び特許請求の範囲に使用されている数値パラメータは、いずれも個別の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例において、数値パラメータについては、規定された有効桁数を考慮すると共に、通常の丸め手法を適用するべきである。本願のいくつかの実施例において、その範囲を決定するための数値範囲及びパラメータは近似値であるが、具体的な実施例において、このような数値は可能な限り正確に設定される。
【0094】
本願において参照されているすべての特許、特許出願、公開特許公報、及び、論文、書籍、仕様書、刊行物、文書などの他の資料は、本願の内容と一致しないか又は矛盾する出願経過文書、及び(現在又は後に本願に関連する)本願の請求項の最も広い範囲に関して限定的な影響を有し得る文書を除いて、その全体が参照により本願に組み込まれる。なお、本願の添付資料における説明、定義、及び/又は用語の使用が本願に記載の内容と一致しないか又は矛盾する場合、本願における説明、定義、及び/又は用語の使用を優先するものとする。
【0095】
最後に、本願に記載の実施例は、単に本願の実施例の原理を説明するものであることを理解されたい。他の変形例も本願の範囲内にある可能性がある。したがって、限定するものではなく、例として、本願の実施例の代替構成は、本願の教示と一致するように見なされてもよい。よって、本願の実施例は、本願において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0096】
100 音響装置
110 支持アセンブリ
120 コアモジュール
130 通路部材
200音響装置
210 支持アセンブリ
212 第1部分(耳掛けアセンブリ)
214 第2部分(耳掛けアセンブリ)
216 第3部分(後掛けアセンブリ)
222、224、226 収音アセンブリ
232、234 スピーカーアセンブリ
240 電池アセンブリ
250 制御回路アセンブリ
300 耳掛けアセンブリ
310 耳掛けハウジング
312 第1耳掛けハウジング
3122 底壁
3124 側壁
3126 フランジ
314 第2耳掛けハウジング
316 第3弾性被覆層
320 接続部材
321 第1弾性被覆層
322 第2弾性被覆層
323 弾性支持部材
324 貫通溝
330 スピーカーハウジング
340 収音アセンブリ
342 収音部品
344 保護カバー
346 溝部
350 連通孔
360 収容空間
525 収容溝
540 保護部材
542 第1ネット
544 第2ネット
550 音量ボタン孔
555 機能ボタン孔
600 通路部材
610 第1孔(集音孔)
620 通路
630 第2孔(放音孔)
640 通路頂壁
650 通路底壁
660 通路側壁
800 音響装置
810、810-1、810-2、810-n スピーカーアセンブリ
820 制御回路アセンブリ
820-1、820-2、820-n 制御ユニット
830、830-1、830-2、830-n インタラクションアセンブリ
900 音響装置
910 スピーカーアセンブリ
920 スピーカーアセンブリ
930 耳掛けアセンブリ
932 メイン回路基板
934 音量ボタン
936 機能ボタン
938 収音アセンブリ
940 耳掛けアセンブリ
942 サブ回路基板
944 音量ボタン
946 電池アセンブリ
948 収音アセンブリ
950 後掛けアセンブリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9