(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】生産クランプ力ベースの超音波封止プロセスでの複合超音波及び電気外科用器具並びに関連する方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/32 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
A61B17/32 510
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023002955
(22)【出願日】2023-01-12
(62)【分割の表示】P 2019564428の分割
【原出願日】2018-05-18
【審査請求日】2023-01-12
(32)【優先日】2017-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ソーニー・アムリタ・エス
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0000542(US,A1)
【文献】特開2007-260405(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0012299(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造公差を調整することができる超音波外科用器具であって、
(a)第1の構成から第2の構成へと作動するように構成されたエンドエフェクタであって、
(i)超音波エネルギーを組織
に印加するように構成された超音波ブレードと、
(ii)前記超音波ブレードに対して
枢動可能に位置付けられ、開放位置と閉鎖位置との間で
枢動するように構成されたジョーであって、前記
閉鎖位置にある前記ジョー及び超音波ブレードは、
前記ジョーと前記超音波ブレードの間に前記組織を
クランプし、RFエネルギー及び前記超音波エネルギーを前記組織に印加するように構成されている、ジョーと、
(iii)
前記RFエネルギーを、
前記ジョーと前記超音波ブレードの間にクランプされた前記組織
に印加するように構成された
、前記ジョーに配置されたRF電極であって、
前記ジョーと前記超音波ブレードの間にクランプされた
前記組織の組織インピーダンスを測定するように更に構成されている、RF電極と、を含む、エンドエフェクタと、
(b)前記エンドエフェクタから近位側に突出しているシャフトアセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリから近位側に突出してい
る本体と、
(d)前記超音波ブレード及び前記RF電極に動作可能に接続され
、生産クランプ力
を格納するメモリを有するコントローラであって、
前記生産クランプ力に基づいて複数の超音波封止プロセスのうちの一つを選択し、選択された前記超音波封止プロセス
に基づいて前記超音波ブレード及び前記RF電極を駆動するように構成されている、コントローラと、
(e)前記RF電極及び前記超音波ブレードに接続され、前記RFエネルギー及び前記超音波エネルギーを前記RF電極及び前記超音波ブレードにそれぞれ提供する、発生器と、を備えており、
前記生産クランプ力は、前記ジョーと前記超音波ブレードの間に組織がない状態
で、前記閉鎖位置に
位置付けられた前記ジョーに所定の閉鎖力を印加した際の各エンドエフェクタ
固有のクランプ力であり、
前記生産クランプ力は、前記超音波外科用器具が使用される前の組み立て段階において測定され
て前記メモリに格納されており、
複数の前記超音波封止プロセスのそれぞれが、前記生産クランプ力に応じた、前記RF電極及び前記超音波ブレードに送達されるべき前記RFエネルギー及び前記超音波エネルギーの情報を含んでおり、
前記コントローラは、格納された前記生産クランプ力の強さに応じて複数の前記超音波封止プロセスのうちの一つを選択し、選択された前記超音波封止プロセスに基づいて、前記RFエネルギー及び前記超音波エネルギーを前記RF電極及び前記超音波ブレードに送達して前記RFエネルギー及び前記超音波エネルギーを組織に印加するように、前記発生器を駆動するように構成されている、超音波外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年5月22日出願の「Control Algorithm for Surgical Instrument with Ultrasonic and Electrosurgical Modalities」と題された米国仮特許出願第62/509,336号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの外科用器具は、超音波エネルギーを精密な切断及び制御された凝固の両方の目的で利用する。超音波エネルギーは、組織と接触しているブレードを振動させることによって切断及び凝固を行う。例えば約55.5キロヘルツ(kHz)の振動数で振動させることによって、超音波ブレードは、組織内のタンパク質を変性させて、粘着性の凝塊を形成する。ブレード表面が組織に及ぼす圧力により血管が崩壊され、凝塊が止血封止を形成することを可能にする。切断及び凝固の精度は、外科医の技術、並びに例えば電力レベル、ブレードエッジ、組織牽引、及びブレード圧力の調節によって制御されることがある。
【0003】
超音波外科用器具の例としては、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesが挙げられ、これらはいずれもEthicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)製である。かかるデバイス及び関連する概念の更なる例が、以下の文献に開示されている。その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月21日発行の「Clamp Coagulator/Cutting System for Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第5,322,055号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年2月23日発行の「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Mechanism」と題された米国特許第5,873,873号;その開示が本明細書に参照により組み込まれる、1999年11月9日発行の、「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」と題された米国特許第5,980,510号;その開示が本明細書に参照により組み込まれる、2001年9月4日発行の、「Method of Balancing Asymmetric Ultrasonic Surgical Blades」と題された米国特許第6,283,981号;その開示が本明細書に参照により組み込まれる、2001年10月30日発行の、「Curved Ultrasonic Blade having a Trapezoidal Cross Section」と題された米国特許第6,309,400号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年12月4日発行の「Blades with Functional Balance Asymmetries for use with Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第6,325,811号;その開示が本明細書に参照により組み込まれる、2002年7月23日発行の「Ultrasonic Surgical Blade with Improved Cutting and Coagulation Features」と題された米国特許第6,423,082号;その開示が本明細書に参照により組み込まれる、2004年8月10日発行の「Blades with Functional Balance Asymmetries for Use with Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第6,773,444号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月31日発行の、「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された米国特許第6,783,524号;その開示が本明細書に参照により組み込まれる、2011年11月15日発行の「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」と題された米国特許第8,057,498号;その開示が本明細書に参照により組み込まれる、2013年6月11日発行の「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第8,461,744号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月26日発行の「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」と題された米国特許第8,591,536号;その開示が本明細書に参照により組み込まれる、2014年1月7日発行の「Ergonomic Surgical Instruments」と題された米国特許第8,623,027号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年1月28日公開の「Ultrasonic Blade Overmold」と題された米国特許出願公開第2016/0022305号。
【0004】
電気外科用器具は組織を封止するために電気エネルギーを利用し、両極又は単極動作用に構成可能な遠位に設けられたエンドエフェクタを一般に含む。両極動作中は、電流が、エンドエフェクタのアクティブ電極及びリターン電極によって組織を通して与えられる。単極動作中は、電流が、エンドエフェクタのアクティブ電極及び患者の身体上に別個に位置するリターン電極(例えば、接地パッド)によって組織を通して与えられる。組織を流れる電流によって生成される熱は、組織内及び/又は組織間の止血封止を形成する場合があり、したがって、例えば、血管を封止するために特に有用な場合がある。電気外科用デバイスのエンドエフェクタはまた、組織に対して可動である切断部材、及び組織を横切するための電極を含んでもよい。
【0005】
電気外科用デバイスによって印加される電気エネルギーを、器具と連結された発生器によって器具へと伝達することができる。電気エネルギーは無線周波数(「RF」)エネルギーの形態であってもよく、電気エネルギーの形態である無線周波数エネルギーは一般的に、約300キロヘルツ(kHz)~1メガヘルツ(MHz)の周波数範囲である。使用中、電気外科用デバイスは組織を通してそのようなエネルギーを伝送することができ、これによってイオン撹拌又は摩擦、実際には抵抗加熱が生じ、その結果、組織の温度が増加する。罹患組織と周囲組織との間にはっきりとした境界が形成されるため、外科医は、隣接する非標的組織を犠牲にすることなく、高レベルの精度及び制御で手術することができる。RFエネルギーの低動作温度は、軟組織を除去、収縮、又は彫刻しつつ同時に血管を封止する上で有用であり得る。RFエネルギーは、主にコラーゲンから構成され、かつ熱に接触したときに収縮する結合組織に対して特に良好に作用する。
【0006】
RF電気外科用デバイスの一例は、Ethicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)によるENSEAL(登録商標)Tissue Sealing Deviceである。電気外科用デバイス及び関連する概念の更なる実施例が、以下の文献に開示されている。その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年12月31日発行の「Electrosurgical Systems and Techniques for Sealing Tissue」と題された米国特許第6,500,176号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年9月26日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題された米国特許第7,112,201号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年10月24日発行の「Electrosurgical Working End for Controlled Energy Delivery」と題された米国特許第7,125,409号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年1月30日発行の「Electrosurgical Probe and Method of Use」と題された米国特許第7,169,146号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年3月6日発行の「Electrosurgical Jaw Structure for Controlled Energy Delivery」と題された米国特許第7,186,253号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年3月13日発行の「Electrosurgical Instrument」と題された米国特許第7,189,233号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年5月22日発行の「Surgical Sealing Surfaces and Methods of Use」と題された米国特許第7,220,951号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月18日発行の「Polymer Compositions Exhibiting a PTC Property and Methods of Fabrication」と題された米国特許第7,309,849号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月25日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題された米国特許第7,311,709号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年4月8日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題された米国特許第7,354,440号;その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2008年6月3日発行の「Electrosurgical Instrument」と題された米国特許第7,381,209号。
【0007】
電気外科用デバイス及び関連する概念の追加の例が、以下の文献に開示されている。その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年1月27日発行の「Surgical Instrument Comprising First and Second Drive Systems Actuatable by a Common Trigger Mechanism」と題された米国特許第8,939,974号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年10月20日発行の「Motor Driven Electrosurgical Device with Mechanical and Electrical Feedback」と題された米国特許第9,161,803号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年3月29日公開の「Control Features for Articulating Surgical Device」と題された米国特許出願公開第2012/0078243号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年8月2日発行の「Articulation Joint Features for Articulating Surgical Device」と題された米国特許第9,402,682号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年7月28日発行の「Surgical Instrument with Multi-Phase Trigger Bias」と題された米国特許第9,089,327号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年1月17日発行の「Surgical Instrument with Contained Dual Helix Actuator Assembly」と題された米国特許第9,545,253号;及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年2月21日発行の「Bipolar Electrosurgical Features for Targeted Hemostasis」と題された米国特許第9,572,622号。
【0008】
いくつかの器具は、単一の外科用デバイスを介して超音波及びRFエネルギー処理能力を提供し得る。かかるデバイス並びに関連する方法及び概念の例は、以下の文献に開示されている。その開示が参照により本願に組み込まれる、2014年3月4日発行の「Ultrasonic Surgical Instrument」と題された米国特許第8,663,220号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年5月21日公開の「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」と題された米国特許出願公開第2015/0141981号、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年1月5日公開の、「Surgical Instrument with User Adaptable Techniques」と題された米国特許出願公開第2017/0000541号。
【0009】
複合超音波電気外科用デバイスをはじめとする種々の超音波外科用器具及び電気外科用器具が作製及び使用されているが、本発明者(ら)に先だって本明細書において説明されるような発明を作製又は使用した者はいないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に組み込まれていると共にその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、上記の本発明の一般的説明、及び以下の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明する役割を果たすものである。
【
図1】超音波発生器に動作可能に接続されたシャフトアセンブリとハンドルアセンブリとを含む、例示的な超音波外科用器具の概略図を示す。
【
図2A】患者の組織を受容するための開放構成にあるエンドエフェクタを示す、
図1の超音波外科用器具のエンドエフェクタの側面図を示す。
【
図2B】
図2Aのエンドエフェクタの側面図を示すが、エンドエフェクタは、患者の組織をクランプするための閉鎖構成にある。
【
図3】
図1の外科用システムを用いて、生産クランプ力を整流する方法のフローチャートを示す。
【
図4】
図3の方法に基づいて超音波封止プロセスを決定する第1の変形形態を示す。
【
図5】
図3の方法に基づいて超音波封止プロセスを決定する第2の変形形態を示す。
【
図6】
図5の超音波封止プロセスを決定する第2の変形形態によって実行される、例示的な可変超音波封止プロセスのグラフを示す。
【0011】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示したものであり、本説明文と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の特定の実施例の以下の説明文は、本発明の範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0013】
I.例示的な外科用システム
図1は、外科用器具(12)と、ケーブル(16)を介して連結された発生器(14)とを含む外科用システム(10)の一例を示す。外科用器具(12)は、ハンドピースと称されることもある、近位側に位置付けられたハンドルアセンブリ(18)、遠位側に位置付けられたエンドエフェクタ(20)、それらの間に延在するシャフトアセンブリ(22)、及び超音波トランスデューサ(24)を有していてもよい。エンドエフェクタ(20)は、一般に、超音波ブレード(28)に対して枢動可能に接続され、以下で更に詳細に記載するような、開放構成の開放位置から閉鎖構成の閉鎖位置へと枢動するように構成されたクランプアーム(26)を含む。超音波ブレード(28)は、超音波ブレード(28)に超音波エネルギーを提供するための音響導波管(図示せず)を介して超音波トランスデューサ(24)と音響的に連結される。加えて、エンドエフェクタ(20)は、臨床医によって所望される開放位置又は閉鎖位置のいずれかで組織を接触させるために、それに沿って位置付けられた複数のRF電極(30)を更に含む。発生器(14)は、超音波ブレード(28)及びRF電極(30)に動作可能に接続され、超音波エネルギー及びRFエネルギーを超音波ブレード(28)及びRF電極(30)にそれぞれ提供し、それによって使用中(is use)に組織を切断及び/又は封止する。
【0014】
いくつかの変形形態では、クランプアーム(26)は、2つ又は3つ以上の電極(30)を有する。いくつかのそのような変形形態では、クランプアームの電極(30)は、両極RFエネルギーを組織に印加することができる。いくつかのそのような変形形態では、超音波ブレード(28)は、超音波ブレード(28)がRF回路の一部ではないように、電気的に中性のままである。いくつかの他の変形形態では、超音波ブレード(28)は、超音波ブレード(28)がクランプアーム(26)の1つ又は2つ以上の電極(30)と協働して、両極RFエネルギーを組織に印加するように、RF回路の一部を形成する。ほんの一例として、クランプアーム(26)のいくつかの変形形態は、RFエネルギーのためのアクティブ極として機能する電極(30)を1つだけ有してもよく、超音波ブレード(28)はRFエネルギーのためのリターン極を提供する。したがって、用語「電極(30)」は、クランプアーム(26)が1つの単一電極のみを有する変形形態を含むように読まれるべきである。
【0015】
本明細書では、「近位」及び「遠位」といった用語は、外科用器具(12)に関連して使用されていることを理解されたい。したがって、エンドエフェクタ(20)は、より近位にあるハンドルアセンブリ(18)に対して遠位にある。便宜上、また説明を明確にするため、本明細書では「上部」及び「下部」といった空間的用語が、図面に対して使用されている点も更に理解されるであろう。しかしながら、外科器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。同様に、「器具」及び「デバイス」、並びに「制限」及び「キャップ」などの用語は、互換的に使用されてもよい。
【0016】
A.例示的な発生器
図1を参照すると、発生器(14)は、超音波エネルギー及びRFエネルギーの両方を用いて、複合外科用器具(12)を駆動する。発生器(14)は、本実施例では外科用器具(12)とは別個に示されているが、代替的に、発生器(14)は、外科用器具(12)と一体的に形成されて、一体型外科用システムを形成してもよい。発生器(14)は、一般に、発生器(14)の前面パネル(34)上に位置する入力デバイス(32)を含む。入力デバイス(32)は、発生器(32)の動作をプログラムするのに適した信号を生成する任意の適切なデバイスを含むことができる。例えば、動作中、臨床医は、(例えば、発生器内に含まれる1つ又は2つ以上のプロセッサによって)入力デバイス(32)を使用して発生器(32)の動作をプログラムするか、又は他の方法で制御して、発生器(14)の動作(例えば、超音波発生器駆動回路(図示せず)及び/又はRF発生器駆動回路(図示せず)の動作)を制御することができる。
【0017】
様々な形態では、入力デバイス(32)は、ボタン、スイッチ、サムホイール、キーボード、キーパッド、タッチスクリーンモニタ、ポインティングデバイス、汎用又は専用のコンピュータへのリモート接続のうちの1つ又は2つ以上を含む。他の形態では、入力デバイス(32)は、例えば、タッチスクリーンモニタ上に表示される1つ又は2つ以上のユーザインターフェーススクリーンなどの好適なユーザインターフェースを含んでもよい。したがって、臨床医は、例えば、超音波発生器駆動回路及びRF発生器駆動回路(図示せず)によって生成された駆動信号(複数可)の電流(I)、電圧(V)、周波数(f)、及び/又は期間(T)などの、発生器の種々の動作パラメータを設定又はプログラムすることができる。具体的には、本実施例では、発生器(32)は、超音波ブレード(28)及びRF電極(30)に同時に電力を供給する超音波エネルギーのみ、RFエネルギーのみ、並びに超音波とRFエネルギーとの組み合わせを含むが、これらに限定されない、外科用器具(10)に様々な電力状態を送達するように構成されている。入力デバイス(32)は、発生器(14)の動作をプログラムするのに好適な信号を生成する任意の好適なデバイスを有してもよく、本明細書に示され、説明される入力デバイス(32)に不必要に限定されるべきではないことが理解されるであろう。
【0018】
ほんの一例として、発生器(14)は、Ethicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN04又はGEN11を含み得る。更に又は代替として、発生器(14)は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、2011年4月14日公開の、「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題された米国特許出願公開第2011/0087212号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構築され得る。
【0019】
B.例示的な外科用器具
図1に示される本実施例の外科用器具(10)は、複数のエネルギー入力部を含み、このエネルギー入力部は、より具体的には、本明細書において、上部ボタン(36)、下部ボタン(38)、及び側部ボタン(40)と呼ばれる。例として、上部ボタン(36)は、発生器(14)に、最大超音波エネルギー出力で超音波トランスデューサ(24)へと電力供給させるように構成され、一方、下部ボタン(38)は、発生器(14)に、より低い超音波エネルギー出力で超音波トランスデューサ(24)へと電力を供給させるように構成されている。更なる例として、側部ボタン(40)は、発生器(14)に、5つの連続信号及び5つ又は4つ、又は3つ、又は2つ又は1つのパルス信号などのパルスエネルギー出力で超音波トランスデューサ(24)へと電力を供給させるように構成されている。1つ又は2つ以上の実施例では、エネルギー入力によって導かれる特定の駆動信号構成は、発生器(14)及び/又はユーザ電力レベル選択(複数可)のEEPROM設定を制御しても、かつ/又はそれに基づいてもよい。更なる例として、外科用器具(10)は、本明細書に記載されるように、超音波及びRFエネルギーを選択的に方向付けるための2ボタン構成を含んでもよい。2ボタン入力構成を有する器具の様々な例が、本明細書に引用される様々な特許参考文献に記載されている。いずれの場合も、本明細書に記載される発明は、任意の形態の入力がそのように使用され得る程度まで、特定の入力ボタン、スイッチなどに不必要に限定されることを意図しないことが理解されるであろう。
【0020】
外科用器具(12)は、発生器(14)と通信する第1のデータ回路(42)及び第2のデータ回路(44)を更に含む。例えば、第1のデータ回路(42)は、バーンイン周波数スロープを示す。更に又はあるいは、任意のタイプの情報は、データ回路インターフェースを介して(例えば、論理デバイスを使用して)内部に格納するために第2のデータ回路(42)に通信することができる。そのような情報は例えば、外科用器具(12)が使用された最新の動作数、並びに/又は、その使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。他の態様では、第2のデータ回路(44)は、1つ又は2つ以上のセンサ(例えば、器具ベースの温度センサ)によって取得されたデータを送信することができる。更に他の例では、第2のデータ回路(44)は、発生器(14)からデータを受信し、外科用器具(12)への及び/又は外科用器具(12)から受信したデータに基づいて臨床医に表示(例えば、LED表示又は他の可視表示)を提供することができる。本実施例では、第2のデータ回路(44)は、超音波ブレード(28)及び/又はRF電極(30)から測定及び収集されたデータを含む、関連するトランスデューサ(24)及び/又はエンドエフェクタ(20)の電気的特性及び/又は超音波特性に関する情報を格納する。
【0021】
この目的のために、本明細書に記載される様々なプロセス及び技術は、内部論理を含むコントローラ(46)によって実行される。一実施例では、コントローラ(46)は、そのようなプロセス及び技術を監視するため及び実施するために、発生器(14)、超音波ブレード(28)、RF電極(30)、並びに本明細書に記載される他の入力及び出力と通信する少なくとも1つのプロセッサ及び/又は他のコントローラデバイスを有する。一実施例では、コントローラ(46)は、1つ又は2つ以上の入力及び容量性タッチセンサを介して提供されるユーザ入力を監視するように構成されたプロセッサを有する。コントローラ(46)はまた、容量性タッチスクリーンからのタッチデータの取得を制御及び管理するためのタッチスクリーンコントローラを含んでもよい。
【0022】
図1~2Bを参照すると、ハンドルアセンブリ(18)は、クランプアーム(26)に動作可能に接続されたトリガ(48)を更に含む。トリガ(48)及びクランプアーム(26)は、一般に、非作動の開放構成に向かって付勢される。しかしながら、トリガ(48)を選択的に操作することで、クランプアーム(26)を、開放位置から閉鎖位置へと超音波ブレード(28)に向かって近位側に枢動させる。本実施例で使用されるように、クランプアーム(26)及び超音波ブレード(28)は、それぞれ外科用器具(12)の上部ジョー及び下部ジョーと概ね称されてもよい。開放位置において、クランプアーム(26)及び超音波ブレード(28)は、組織を受容するように構成され、一方、クランプアーム(26)は、組織を把持、封止、及び/又は切断するために超音波ブレード(28)に対して組織をクランプするように構成されている。
【0023】
超音波ブレード(28)は、組織を封止及び/又は切断するために超音波的に振動し、一方、RF電極(30)は組織に電力を提供する。本実施例のRF電極(30)は全て、超音波ブレード(28)と電気的に同様の電極であり、また戻り電極として電気的に接続されている。したがって、本明細書で使用されるとき、「電極」という用語は、RF電気回路に対してRF電極(30)及び超音波ブレード(28)の両方に適用され得る。組織なしで、RF電極(30)から超音波ブレード(28)への電気回路は開放され、一方、電気回路は、使用中にRF電極(30)と超音波ブレード(28)との間の組織によって閉鎖される。RF電極(30)を起動させて、RFエネルギーを単独で、又は超音波ブレード(28)の超音波起動と組み合わせて印加することができる。例えば、RFエネルギーを単独で印加するのにRF電極(30)のみを起動させることは、超音波活性化超音波ブレード(28)を用いて組織を不注意に切断することを懸念することなく、スポット凝固のために使用され得る。しかしながら、超音波エネルギーとRFエネルギーとの組み合わせは、診断又は治療効果の任意の組み合わせを達成するために組織を封止及び/又は切断する目的で使用されてもよく、その様々な例を以下で更に詳細に説明する。
【0024】
上述したように、発生器(14)は、単一のポートを介して電力を送達して、RFエネルギー及び超音波エネルギーの両方を提供することができる単一出力発生器であり、これにより、これらの信号は、組織を切断及び/又は封止するためにエンドエフェクタ(20)に別々に又は同時に送達され得る。そのような単一出力ポート発生器(14)は、RFエネルギー又は超音波エネルギーのいずれかに対して、組織上で施される特定の治療に応じてエンドエフェクタ(20)に電力を提供するために、複数のタップを備えた単一の出力変圧器を有する。例えば、発生器(14)は、超音波トランスデューサ(24)を駆動するために高電圧かつ低電流で、組織封止のためのRF電極(30)を駆動するのに必要とされる低電圧かつ高電流で、又は単極若しくは両極電気外科用電極のいずれかを用いてのスポット凝固のための凝固波形で、エネルギーを送達することができる。発生器(14)からの出力波形は、所望の周波数を外科用器具(12)のエンドエフェクタ(20)に提供するために、誘導、切り替え、又はフィルタリングされ得る。
【0025】
II.生産クランプ力の調整
超音波ブレード(28)などの下部ジョーとクランプアーム(26)などの上部ジョーとの間の組織のクランプ力の変動は、広くは、特に超音波エネルギーに関して本明細書に記載されるような、
図1の外科用システム(10)を動作させる任意の方法において、組織の封止及び横切開に影響を及ぼす傾向がある。したがって、外科用器具(12)アセンブリに関連する製造公差は、少なくともある程度、封止及び横切開に同様に影響を及ぼす各それぞれの外科用器具(12)の生産クランプ力に影響を及ぼす。本明細書で使用するとき、用語「生産クランプ力」は、製造中の特定の外科用システム(10)の初期アセンブリの後にクランプアーム(26)と超音波ブレード(28)との間に生成される特定のクランプ力を指す。したがって、各それぞれの外科用器具(12)は、好ましい所定のクランプ力によってわずかであったとしても変化する、比較的固有の生産クランプ力を有し得る。そのような効果は、一部の組織治療において些細であるかもしれないが、各外科用器具(12)のための好ましい所定のクランプ力に向けて生産クランプ力を調整することは、使用中に組織を封止及び/又は切除するための製造プロセスからより高い一貫性を提供する。
【0026】
図3に関して、
図1の外科用器具(12)を製造する方法(1010)は、超音波器具(12)の起動アセンブリの工程(1012)を含む。工程(1012)に続いて、エンドエフェクタ(20)は、工程(1014)において超音波ブレード(28)及びクランプアーム(26)と共に組み立てられる。エンドエフェクタ(20)が組み立てられると、超音波ブレード(28)及びクランプアーム(26)は、工程(1016)において閉鎖位置に共にクランプされ、次いで、製造業者は、工程(1018)において、超音波ブレード(28)とクランプアーム(26)との間に組織などの異物がない状態で、その特定のエンドエフェクタ(20)の生産クランプ力を測定する。EEPROMなどの外科用器具(12)のメモリは、工程(1020)において組織の横切開を阻止しながら、組織を封止するように生産クランプ力を調整するように構成された超音波封止プロセスを受信する。工程(1020)の後、外科用器具(12)が工程(1022)内で十分に組み立てられると、次いで、外科用器具(12)は、RFエネルギー及び/又は超音波エネルギーを患者の組織に印加するために臨床医によって使用され得る。
【0027】
メモリは、製造方法(1010)中に、製造方法中に決定された生産クランプ力に基づいて、組織に対して調整された超音波封止プロセスを実行するか、又は内部に格納された、組織上での使用中にリアルタイムで決定される所定のクランプ力を含むように構成され得る。本実施例は、以下に記載されるように使用中にリアルタイムで生産クランプ力を決定するが、本発明は、必ずしもリアルタイムの決定に限定されることを意図するものではない。
【0028】
この目的のために、超音波封止プロセスで組織を封止する第1のプロセス(1040)が、
図1の外科用システム(10)に関して
図4に示されている。工程(1042)では、組織は、閉鎖位置において超音波ブレード(28)とクランプアーム(26)との間にクランプされ、印加されたクランプ力は、工程(1018)で測定された生産クランプ力よりも大きい。メモリに格納された生産クランプ力に基づいて、コントローラ(46)は、格納された生産クランプ力にアクセスし、生産クランプ力が低生産クランプ力、より低い中間生産クランプ力、より高い中間クランプ力、又は高生産クランプ力であるかを決定する。換言すれば、コントローラ(46)は、生産クランプ力を効果的に分類する。一実施例では、低生産クランプは約3.5lbf~約4.0lbfであり、より低い中間生産クランプ力は約4.0lbf~約4.5lbfであり、より高い中間クランプ力は約4.5lbf~約5.0lbfであり、高生産クランプ力は約5.0lbf~約5.5lbfである。
【0029】
クランプ力が分類された状態で、コントローラ(46)は次に、RFエネルギー及び超音波エネルギーを指示して、超音波エネルギーが、工程(1046)、工程(1048)、工程(1050)、及び工程(1052)における各生産クランプ力のそれぞれの超音波封止プロセス分類で、組織に送達されるように、RFエネルギー及び超音波エネルギーを起動させる。最初に、超音波エネルギーは、工程(1046)において、より低い生産クランプ力に基づいて、高エネルギー超音波封止プロセスで起動される。第2に、超音波エネルギーは、工程(1048)において、より低い中間生産クランプ力に基づいて、より高い中間エネルギー超音波封止プロセスで起動される。第3に、超音波エネルギーは、工程(1050)において、より高い中間生産クランプ力に基づいて、より低い中間エネルギー超音波封止プロセスで起動される。第4に、超音波エネルギーは、工程(1052)において、高生産クランプ力に基づいて低エネルギー超音波封止プロセスで起動される。
【0030】
いずれの場合も、組織は、工程(1054)において封止され、それにより、組織の横切開が、それぞれの決定された生産クランプ力に対して超音波エネルギー封止プロセスによって阻害される。組織が封止されると、コントローラ(46)は、工程(1056)で終了するようにRFエネルギー及び超音波エネルギーを方向付ける。上述の用語「低」、「より低い中間」、「より高い中間」、及び「高」は、生産クランプ力及び超音波封止プロセスの両方に対する相対的な参照を提供するために使用されるが、これらの用語は、本明細書に記載される発明を不必要に制限することを意図するものではない。
【0031】
図5は、
図1の外科用システム(10)に対する超音波封止プロセスで組織を封止する第2のプロセス(1080)を示す。臨床医はまず、工程(1042)で上述したように組織をクランプするが、特定の生産クランプ力分類及び関連する超音波封止エネルギープロセスを決定するのではなく、格納された生産クランプ力(1082)は、工程(1086)において超音波封止プロセス伝達機能(1084)に入力される。これにより、工程(1086)は、生産クランプ力(1082)及び超音波封止プロセス伝達機能(1084)に基づいて、可変超音波封止プロセスを決定する。工程(1088)において、コントローラ(46)は、超音波エネルギーが使用中に可変超音波封止プロセスを適用するように、RFエネルギー及び超音波エネルギーを起動させる。1つの例示的な可変超音波封止プロセスは、直線的に減少する関数として
図6に示される。しかしながら、本明細書で論じられる本発明に従って他の機能が使用されてもよいことが理解されるであろう。いずれの場合も、
図5の工程(1088)の場合のように起動されたRFエネルギー及び超音波エネルギーでは、組織は、工程(1090)における組織の横切開を阻害しながら封止される。コントローラ(46)は、工程(1092)においてRFエネルギー及び超音波エネルギーを最終的に終了する。方法(1010)の上記のプロセス(1040、1080)は、組織横切開を阻止するための所定のクランプ力に適応するように超音波エネルギーを具体的に調節するが、他の実施例では、RFエネルギーを調整することもできることが理解されるであろう。したがって、本発明は、超音波エネルギー調整のみに限定されることを意図するものではない。
【0032】
III.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではないと理解されよう。一切の棄権を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で配置及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0033】
組織に超音波エネルギー及びRFエネルギーを送達するようにそれぞれ構成された超音波ブレードとRF電極とを含む外科用器具で組織を封止する方法であって、外科用器具が、生産クランプ力及び超音波封止プロセスが格納されたコントローラを有し、方法は、(a)エンドエフェクタの上部ジョーと下部ジョーとの間の生産クランプ力に基づいて、コントローラを用いて超音波封止プロセスを決定することと、(b)決定された超音波封止プロセスに従って超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を超音波ブレード又はRF電極にそれぞれ起動させることと、(c)超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を用いて組織を封止することと、を含む、方法。
【実施例2】
【0034】
コントローラに格納された生産クランプ力及び超音波封止プロセスにアクセスすることを更に含む、実施例1に記載の方法。
【実施例3】
【0035】
(a)複数の所定の生産クランプ力サイズから、生産クランプ力の相対サイズを決定することと、(b)生産クランプ力の決定された相対サイズに基づいて、RFエネルギー又は超音波エネルギーのうちの少なくとも一方の起動を調節することと、を更に含む、実施例1又は2に記載の方法。
【実施例4】
【0036】
超音波封止プロセスが、複数の所定の超音波封止プロセスを含み、方法が、生産クランプ力の決定された相対サイズに基づいて、複数の所定の超音波封止プロセスのうちの1つを選択することを更に含む、実施例3に記載の方法。
【実施例5】
【0037】
複数の所定の生産クランプ力サイズが、低生産クランプ力と高生産クランプ力とを含み、複数の所定の超音波封止プロセスが、高超音波封止プロセスと低超音波封止プロセスとを含み、高超音波封止プロセスは、比較的大量のエネルギーを起動させるように構成され、低超音波封止プロセスは、比較的少量のエネルギーを起動するように構成されている、実施例4に記載の方法。
【実施例6】
【0038】
生産クランプ力の決定された相対サイズが低生産クランプ力であり、超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を起動させることが、高超音波封止プロセスに従って超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を超音波ブレード又はRF電極にそれぞれ起動させることを更に含む、実施例5に記載の方法。
【実施例7】
【0039】
超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を起動させることが、超音波エネルギー及びRFエネルギーを高超音波封止プロセスで起動させることを更に含む、実施例6に記載の方法。
【実施例8】
【0040】
生産クランプ力の決定された相対サイズが高生産クランプ力であり、超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を起動させることが、低超音波封止プロセスに従って超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を超音波ブレード又はRF電極にそれぞれ起動させることを更に含む、実施例5に記載の方法。
【実施例9】
【0041】
超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を起動させることが、超音波エネルギー及びRFエネルギーを低超音波封止プロセスで起動させることを更に含む、実施例8に記載の方法。
【実施例10】
【0042】
低生産クランプ力が4.5lbf未満であり、高生産クランプ力が4.5lbf超である、実施例5~9のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【実施例11】
【0043】
超音波封止プロセスが超音波封止プロセス伝達関数であり、方法が、生産クランプ力に基づいて可変超音波封止プロセスを決定することを更に含む、実施例2に記載の方法。
【実施例12】
【0044】
超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を起動させることが、超音波エネルギー及びRFエネルギーを可変超音波封止プロセスで起動させることを更に含む、実施例11に記載の方法。
【実施例13】
【0045】
下部ジョーと上部ジョーとの間の生産クランプ力を測定することを更に含む、実施例1~12のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【実施例14】
【0046】
生産クランプ力及び超音波封止プロセスが格納されたメモリを用いて前記コントローラを構成することを更に含む、実施例3に記載の方法。
【実施例15】
【0047】
格納された超音波封止プロセスが、複数の所定の超音波封止プロセス又は可変超音波封止プロセスのうちの少なくとも一方を含む、実施例14に記載の方法。
【実施例16】
【0048】
上部ジョー及び下部ジョーを有するエンドエフェクタを含む外科用器具を製造する方法であって、外科用器具がコントローラを有し、方法が、(a)上部ジョーと前記下部ジョーとの間の生産クランプ力を測定することと、(b)測定された生産クランプ力に基づいて、超音波封止プロセスを用いてコントローラのメモリを構成することと、を含む、方法。
【実施例17】
【0049】
下部ジョーに対して上部ジョーを組み立てて、エンドエフェクタを形成することを更に含む、実施例16に記載の方法。
【実施例18】
【0050】
格納された超音波封止プロセスが、複数の所定の超音波封止プロセス又は可変超音波封止プロセスのうちの少なくとも一方を含む、実施例16又は17に記載の方法。
【実施例19】
【0051】
超音波外科用器具であって、(a)第1の構成から第2の構成へと作動するように構成されたエンドエフェクタであって、(i)超音波エネルギーを組織に選択的に印加するように構成された超音波ブレードと、(ii)超音波ブレードに対して移動可能に位置付けられ、開放位置と閉鎖位置との間で移動するように構成されたジョーであって、開放位置にあるジョー及び超音波ブレードは、組織を受容するように構成され、閉鎖位置にあるジョー及び超音波ブレードは、生産クランプ力で共にクランプするように構成されている、ジョーと、(iii)RFエネルギーを、エンドエフェクタ内にクランプされた組織に選択的に印加するように構成されたRF電極であって、エンドエフェクタ内にクランプされた組織の組織インピーダンスを測定するように更に構成されている、RF電極と、を含む、エンドエフェクタと、(b)エンドエフェクタから近位側に突出しているシャフトアセンブリと、(c)シャフトアセンブリから近位側に突出している本体であって、超音波ブレードに動作可能に接続されたエネルギー入力部を含む、本体と、(d)超音波ブレード及びRF電極に動作可能に接続され、格納された生産クランプ力に基づいた超音波封止プロセスを含むメモリを有するコントローラであって、超音波封止プロセスに従って超音波ブレード又はRF電極のうちの少なくとも一方を駆動するように構成されている、コントローラと、を備える、超音波外科用器具。
【実施例20】
【0052】
格納された超音波封止プロセスが、複数の所定の超音波封止プロセス又は可変超音波封止プロセスのうちの少なくとも一方を含む、実施例19に記載の超音波外科用器具。
【0053】
IV.その他
本明細書に記載の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正及び変形形態は、任意の特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0054】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書と同日に出願された「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument with Clamp Arm Position Input and Method for Identifying Tissue State」と題された米国特許出願第[代理人参照番号END8146USNP]、本明細書と同日に出願された「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument with Adjustable Energy Modalities and Method for Sealing Tissue and Inhibiting Tissue Resection」と題された米国特許出願第[代理人参照番号END8146USNP1]、本明細書と同日に出願された「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument with Adjustable Energy Modalities and Method for Limiting Blade Temperature」と題する米国特許出願第[代理人参照番号END8146USNP3]、本明細書と同日に出願された「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument and Method for Sealing Tissue with Various Termination Parameters」と題された米国特許出願第[代理人参照番号END8146USNP4]、及び/又は本明細書と同日に出願された「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument and Method for Sealing Tissue in Successive Phases」と題された米国特許出願第[代理人参照番号END8146USNP5]に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わされ得る。これらの出願のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0055】
更に、本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上は、本明細書と同日に出願された「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument Having Electrical Circuits With Shared Return Path」と題された米国特許出願第[代理人参照番号END8245USNP]、本明細書と同日に出願された「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument Having Slip Ring Electrical Contact Assembly」と題された米国特許出願第[代理人参照番号END8245USNP1]、本明細書と同日に出願された「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument Having Electrically Insulating Features」と題された米国特許出願第[代理人参照番号END8245USNP2]、本明細書と同日に出願された「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument Having Curved Ultrasonic Blade」と題された米国特許出願第[代理人参照番号END8245USNP3]、本明細書と同日に出願された「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument Having Clamp Arm Electrode」と題された米国特許出願第[代理人参照番号END8245USNP4]、本明細書と同日に出願された「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument Having Ultrasonic Waveguide With Distal Overmold Member」と題された米国特許出願第[代理人参照番号END8245USNP5]、本明細書と同日に出願された「Combination Ultrasonic and Electrosurgical System Having Generator Filter Circuitry」と題された米国特許出願第[代理人参照番号END8245USNP6]、及び/又は本明細書と同日に出願された「Combination Ultrasonic and Electrosurgical System Having EEPROM and ASIC Components」と題された米国特許出願第[代理人参照番号END8245USNP7]に記載の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上と組み合わされ得る。これらの出願のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0056】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるいかなる特許、公報、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載される他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参考により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参照により組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0057】
上記のデバイスの変形形態は、医療専門家により行われる従来の医療処置及び手術における用途のみではなく、ロボット支援された医療処置及び手術における用途をも有することができる。ほんの一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込むことができる。同様に、当業者であれば、本明細書における様々な教示を、以下のうちの任意の様々な教示と容易に組み合わせることができることを認識するであろう:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1998年8月11日発行の、「Articulated Surgical Instrument For Performing Minimally Invasive Surgery With Enhanced Dexterity and Sensitivity」と題された米国特許第5,792,135号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1998年10月6日発行の、「Remote Center Positioning Device with Flexible Drive」と題された米国特許第5,817,084号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年3月2日発行の、「Automated Endoscope System for Optimal Positioning」と題された米国特許第5,878,193号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年5月15日発行の、「Robotic Arm DLUS for Performing Surgical Tasks」と題された米国特許第6,231,565号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月31日発行の、「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された米国特許第6,783,524号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年4月2日発行の、「Alignment of Master and Slave in a Minimally Invasive Surgical Apparatus」と題された米国特許第6,364,888号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年4月28日発行の、「Mechanical Actuator Interface System for Robotic Surgical Tools」と題された米国特許第7,524,320号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年4月6日発行の、「Platform Link Wrist Mechanism」と題された米国特許第7,691,098号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年10月5日発行の、「Repositioning and Reorientation of Master/Slave Relationship in Minimally Invasive Telesurgery」と題された米国特許第7,806,891号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年9月30日発行の、「Automated End Effector Component Reloading System for Use with a Robotic System」と題された米国特許出願第8,844,789号、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2014年9月2日発行の「Robotically-Controlled Surgical Instruments」と題された米国特許第8,820,605号。その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年12月31日発行の、「Shiftable Drive Interface for Robotically-Controlled Surgical Tool」と題された米国特許出願公開第8,616,431号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月5日発行の、「Surgical Stapling Instruments with Cam-Driven Staple Deployment Arrangements」と題された米国特許第8,573,461号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年12月10日発行の、名称「Robotically-Controlled Motorized Surgical End Effector System with Rotary Actuated Closure Systems Having Variable Actuation Speeds」と題された米国特許第8,602,288号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年4月5日発行の、「Robotically-Controlled Surgical Instrument with Selectively Articulatable End Effector」と題された米国特許第9,301,759号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年7月22日発行の、「Robotically-Controlled Surgical End Effector System」と題された米国特許第8,783,541号、2013年7月9日発行の、「Drive Interface for Operably Coupling a Manipulatable Surgical Tool to a Robot」と題された米国特許第8,479,969号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年8月12日発行の「Robotically Controlled Cable-Based Surgical End Effectors」と題された米国特許公開第8,800,838号、及び/又は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月5日発行の「Robotically Controlled Surgical End Effector System with Rotary Actuated Closure Systems」と題された米国特許第8,573,465号。
【0058】
上述のデバイスの変形形態は、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。特に、デバイスのいくつかの変形形態は分解することができ、また、デバイスの任意の数の特定の部分若しくは部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換後、デバイスのいくつかの変形形態を、再調整用の施設において、又は処置の直前に臨床医によってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。こうした技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0059】
ほんの一例として、本明細書に記載される変形形態は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次いで、容器及びデバイスを、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスを、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。デバイスはまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を用いてを滅菌されてもよい。
【0060】
以上、本発明の様々な実施形態を示し、記載したが、当業者による適切な改変により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかとなるであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、幾何学形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0061】
〔実施の態様〕
(1) 組織に超音波エネルギー及びRFエネルギーを送達するようにそれぞれ構成された超音波ブレードとRF電極とを含む外科用器具で前記組織を封止する方法であって、前記外科用器具が、生産クランプ力及び超音波封止プロセスが格納されたコントローラを有し、前記方法が、
(a)エンドエフェクタの上部ジョーと下部ジョーとの間の前記生産クランプ力に基づいて、前記コントローラを用いて前記超音波封止プロセスを決定することと、
(b)前記決定された超音波封止プロセスに従って超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を前記超音波ブレード又は前記RF電極にそれぞれ起動させることと、
(c)前記超音波エネルギー又は前記RFエネルギーのうちの前記少なくとも一方を用いて前記組織を封止することと、を含む、方法。
(2) 前記コントローラに格納された前記生産クランプ力及び前記超音波封止プロセスにアクセスすることを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) (a)複数の所定の生産クランプ力サイズから前記生産クランプ力の相対サイズを決定することと、
(b)前記生産クランプ力の前記決定された相対サイズに基づいて、前記RFエネルギー又は前記超音波エネルギーのうちの少なくとも一方の起動を調節することと、を更に含む、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記超音波封止プロセスが、複数の所定の超音波封止プロセスを含み、前記方法が、前記生産クランプ力の前記決定された相対サイズに基づいて、前記複数の所定の超音波封止プロセスのうちの1つを選択することを更に含む、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記複数の所定の生産クランプ力サイズが、低生産クランプ力と高生産クランプ力とを含み、前記複数の所定の超音波封止プロセスが、高超音波封止プロセスと低超音波封止プロセスとを含み、前記高超音波封止プロセスは、比較的大量のエネルギーを起動させるように構成され、前記低超音波封止プロセスは、比較的少量のエネルギーを起動させるように構成されている、実施態様4に記載の方法。
【0062】
(6) 前記生産クランプ力の前記決定された相対サイズが低生産クランプ力であり、超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を起動させることが、前記高超音波封止プロセスに従って超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を前記超音波ブレード又は前記RF電極にそれぞれ起動させることを更に含む、実施態様5に記載の方法。
(7) 超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を起動させることが、前記超音波エネルギー及び前記RFエネルギーを前記高超音波封止プロセスで起動させることを更に含む、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記生産クランプ力の前記決定された相対サイズが高生産クランプ力であり、超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を起動させることが、前記低超音波封止プロセスに従って超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を前記超音波ブレード又は前記RF電極にそれぞれ起動させることを更に含む、実施態様5に記載の方法。
(9) 超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を起動させることが、前記超音波エネルギー及び前記RFエネルギーを前記低超音波封止プロセスで起動させることを更に含む、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記低生産クランプ力が20.02N(4.5lbf)未満であり、前記高生産クランプ力が20.02N(4.5lbf)超である、実施態様5に記載の方法。
【0063】
(11) 前記超音波封止プロセスが超音波封止プロセス伝達機能であり、前記方法が、前記生産クランプ力に基づいて可変超音波封止プロセスを決定することを更に含む、実施態様2に記載の方法。
(12) 超音波エネルギー又はRFエネルギーのうちの少なくとも一方を起動させることが、前記超音波エネルギー及び前記RFエネルギーを前記可変超音波封止プロセスで起動させることを更に含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記下部ジョーと前記上部ジョーとの間の前記生産クランプ力を測定することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(14) 前記生産クランプ力及び前記超音波封止プロセスが格納されたメモリを用いて前記コントローラを構成することを更に含む、実施態様3に記載の方法。
(15) 格納された前記超音波封止プロセスが、複数の所定の超音波封止プロセス又は可変超音波封止プロセスのうちの少なくとも一方を含む、実施態様14に記載の方法。
【0064】
(16) 上部ジョー及び下部ジョーを有するエンドエフェクタを含む外科用器具を製造する方法であって、前記外科用器具がコントローラを有し、前記方法が、
(a)前記上部ジョーと前記下部ジョーとの間の生産クランプ力を測定することと、
(b)前記測定された生産クランプ力に基づいて、超音波封止プロセスを用いてコントローラのメモリを構成することと、を含む、方法。
(17) 前記下部ジョーに対して前記上部ジョーを組み立てて、前記エンドエフェクタを形成することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 格納された前記超音波封止プロセスが、複数の所定の超音波封止プロセス又は可変超音波封止プロセスのうちの少なくとも一方を含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 超音波外科用器具であって、
(a)第1の構成から第2の構成へと作動するように構成されたエンドエフェクタであって、
(i)超音波エネルギーを組織に選択的に印加するように構成された超音波ブレードと、
(ii)前記超音波ブレードに対して移動可能に位置付けられ、開放位置と閉鎖位置との間で移動するように構成されたジョーであって、前記開放位置にある前記ジョー及び超音波ブレードは、前記組織を受容するように構成され、前記閉鎖位置にある前記ジョー及び超音波ブレードは、生産クランプ力で共にクランプするように構成されている、ジョーと、
(iii)RFエネルギーを、前記エンドエフェクタ内にクランプされた前記組織に選択的に印加するように構成されたRF電極であって、前記エンドエフェクタ内にクランプされた組織の組織インピーダンスを測定するように更に構成されている、RF電極と、を含む、エンドエフェクタと、
(b)前記エンドエフェクタから近位側に突出しているシャフトアセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリから近位側に突出している本体であって、前記超音波ブレードに動作可能に接続されたエネルギー入力部を含む、本体と、
(d)前記超音波ブレード及び前記RF電極に動作可能に接続され、格納された前記生産クランプ力に基づいた超音波封止プロセスを含むメモリを有するコントローラであって、前記超音波封止プロセスに従って前記超音波ブレード又は前記RF電極のうちの少なくとも一方を駆動するように構成されている、コントローラと、を備える、超音波外科用器具。
(20) 格納された前記超音波封止プロセスが、複数の所定の超音波封止プロセス又は可変超音波封止プロセスのうちの少なくとも一方を含む、実施態様19に記載の超音波外科用器具。