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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】ロック縫合構造
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/04 20060101AFI20240610BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
A61B17/04
A61B17/56
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023010261
(22)【出願日】2023-01-26
(62)【分割の表示】P 2019568159の分割
【原出願日】2018-06-07
(65)【公開番号】P2023052653
(43)【公開日】2023-04-11
【審査請求日】2023-02-24
(31)【優先権主張番号】62/518,749
(32)【優先日】2017-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/630,215
(32)【優先日】2017-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブレスリック グレイディ
【審査官】段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0144338(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0242793(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/04
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の端部(12)と第二の端部(13)とを有する ある長さの縫合材料(6)と、
前記第一の端部(12)と前記第二の端部(13)とに跨るように摺動可能に取り付けられたアンカー(2)とを備え、
前記縫合材料(6)は、
前記縫合材料(6)において前記アンカー(2)によってループ状に形成された輪と、
前記第二の端部(13)において前記アンカー(2)よりも端側に形成された締付部材(20)であって、縮小可能な空隙を有する締付部材(20)と、
を有し、
前記縫合材料(6)と前記アンカー(2)とを用いて構成されたロック縫合構造であって、
前記輪の一部が前記締付部材(20)の空隙に通された状態で前記締付部材(20)の空隙が縮小することでループ状に形成されたロックループ(15)と、
前記締付部材(20)の空隙が縮小することで、前記第二の端部(13)における 前記締付部材(20)よりも前記アンカー(2)側にループ状に形成され、前記アンカー(2)とボディ(A)との周りに維持されて、前記ボディ(A)を前記アンカー(2)に対する相対位置に保持する固定ループ(30)と、
前記第二の端部(13)と前記第一の端部(12)とが、前記ロックループ(15)に通された状態で、前記ロックループ(15)が縮小すると共に前記締付部材(20)の空隙が縮小することで、前記第一の端部(12)における 前記締付部材(20)よりも前記アンカー側にループ状に形成され、前記アンカー(2)の周りに維持されて、前記締付部材(20)をアンカー(2)に対する相対位置に保持する位置決めループ(40)と、
を備える、
ロック縫合構造。
【請求項2】
前記アンカー(2)が縫合アンカーである、
請求項1に記載のロック縫合構造。
【請求項3】
前記ロックループに接続された制御ラインを更に備える、請求項1又は請求項2に記載のロック縫合構造
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年6月13日に提出された米国仮特許出願番号第62/518749号の優先権と利益を主張する、2017年6月22日に出願された米国非仮特許出願番号第15/630,215号の優先権および利益を主張する。
【0002】
本発明は、手術/修復部位で二つのボディを固定するための調整可能なロック構造に関し、より詳細には、手術/修復部位で二つのボディの相対位置を固定するための調整可能な縫合ループ構造に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
従来的なノットまたはノット無し構造を用いた縫合糸は、整形外科手術における二つのボディの縮小および固定に用いられることが多い。縫合糸が二つのボディの周りにあると、縫合糸の端部は従来的なノットに形成され、またはノット無し構造によって保持され、縫合糸を固定された長さで二つのオブジェクトの周りに維持し、ロードを支持することができる。従来のノットは、縫合糸ループがロード下で増殖するのを防ぐために、縫合材料のリムを引っ張ることによって作られたタイトな、蛇行経路に依存する。しかしながら、ノットが構成されると、使用可能な縫合糸の二つの端部を使用して再配置することはできない。その構造は、他のボディがノットに接触し得るような場所にあることが多く、ノットが緩む原因となり得る。さらに、他のボディがノットに接触する場合、ノットは周囲の組織に炎症を起こし得る。
【0004】
ノット無し構造は、迅速につくることができ、サイズが縮小し得ることができるノットを改善できるよう作用する。縮小したサイズのノット無し構造では、強度を維持しながら、潜在的にボディを炎症させるのリスクを制限する。ノット無し構造は、多くの場合、「フィンガートラップ」メカニズム、縫合糸に圧力をかけるために、二つのオブジェクト間の張力、縫合糸ループがロード下で増殖するのを防ぐためのこれレの要因の組み合わせなど、縫合糸とは別のクランプ本体に依存する。クランプ本体は、構造複雑さを追加し、さらなる失敗点を許すことになる。「フィンガートラップ」機構には、引張が軸にわたって維持されていない場合にスリップし得る、「フィンガートラップ」の軸を横切って張力が必要である。二つのオブジェクト間のロードの変化は変動する可能性がある、または二つのオブジェクト間の著しい張力が望ましくない場合があり、縫合糸への圧力が、縫合糸がスリップするのを防ぐために効果的でないようにする。従来的ノットと比較して低いプロファイルである一方、ノット無し構造は多くの場合、炎症を起こす可能性のあるサイズが増大する領域を有する。
【0005】
関連技術セクションの免責条項の説明:特定の特許/刊行物/製品がこの関連技術セクションの説明またはこの開示の他の場所で議論されている限り、これらの議論は議論された特許/刊行物/製品は特許法の目的のための先行技術であるという許可として受け取るべきではない。例えば、考察された特許/刊行物/製品の一部または全ては、時間的に十分早期でなくてもよく、時間的に十分初期に発展した主題を反映しなくてもよく、および/または特許法の目的のために先行技術なるように、十分に有効化されなくてもよい。特定の特許/刊行物/製品が、この関連技術セクションの説明および/または出願全体を通して上記で議論されている限り、その説明/開示は参照により全て本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態は、従来のノットまたはノット無し縫合構造には、潜在的な問題および/または欠点があることを認識する。例えば、ノットおよびノット無し構造は、再配置のための手段なしに炎症を起こすのに十分大きいことがある。従って、そこから引張を解放することなく、構造を再配置、締めおよび緩めるための手段を有する使いやすいロック縫合構造のニーズが存在する。本発明のさまざまな実施形態は、本明細書に記載される潜在的な問題および/または欠点のうちの一つまたは複数を解決または減少させ得るという点で有利であり得る。
【0007】
本開示は、それぞれがスライド可能な方法で第一のボディに取り付けられる、第一の端部および第二の端部を有する縫合材料、縫合材料の第二の端部において、第一の端部と第二の端部との間に縫合糸の輪で形成された締付部材、および第一の端部および第二の端部間の縫合材料における輪からなる調節可能なロック縫合構造の発明の構成、構造、および結果として生じる機能に関する。縫合材料のロックループは、輪が第二のボディの周りに締付部材を通過する時に形成される。
【0008】
ロック縫合構造が採用される時、固定ループは第一のボディを第二のボディに対して相対位置に固定する。固定ループは、第四のリムおよび第一のリムを含む。位置決めループは、第一のボディに対する第一の位置に締付部材を固定する。位置決めループは、第二のリムおよび第三のリムを含む。第四のリムは締付部材を含む。第一のリムおよび第二のリムは、締付部材を通して進み、ロックループを形成する。
【0009】
別の態様によると、第一のボディを第二のボディに対して相対位置で固定する方法は、それぞれがスライド可能な方法で第一のボディに取り付けられる、第一の端部および第二の端部を有する縫合材料と、縫合材料の第二の端部に形成された締付部材と、第一の端部と第二の端部との間の縫合材料の輪とを有するロック縫合構造を提供するステップと、輪を、第二のボディの周りに締付部材を通して引き、ロックループを形成するステップと、縫合材料の第一の端部および第二の端部にロックループを通過させるステップと、ロックループの周囲を第一の所定のサイズに増大させるために、縫合材料の第一の端部を固定位置に保持しつつ、ロックループを引くステップと、ロックループの周囲を第一の所定のサイズよりも小さい第二の所定のサイズに縮小させるために、第一の端部を引くステップと、ロックループが、締付部材を第一のボディに向かって第二のボディを過ぎて第一の位置に移動させるために、第二の所定のサイズに達した後、第一の端部を引くステップと、を含む(が、これに限定されない)。
【0010】
本明細書で用語が使用され、説明されている縫合材料または縫合糸は、単一フィラメントまたはマルチフィラメント縫合糸、ならびに縫合糸の機能を実行するのに適した他の金属または非金属フィラメントまたはワイヤー状材料を含む。この材料は、生体吸収性材料および非吸収性材料の両方を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、より完全に理解され、評価される。添付の図面は、開示された主題の典型的な実施形態のみを示しており、従って、開示された主題は他の同等に有効な実施形態を認め得るため、その範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0012】
ここで添付図面を簡単に参照する。
【0013】
図1図1は、実施形態による、アンカーを有するロック縫合構造の斜視概略図である。
図2図2は、代替的実施形態による、アンカーを有するロック縫合構造の斜視概略図である。
図3A図3Aは、実施形態による、調節可能締付部材締付部材構造の拡大斜視概略図である。
図3B図3Bは、実施形態による、調節可能締付部材締付部材構造の拡大斜視概略図である。
図3C図3Cは、実施形態による、ロックスプライス締付部材構造の拡大斜視概略図である。
図3D図3Dは、実施形態による、ロックループが縮小した図3Cのロックスプライス締付部材構造の拡大斜視概略図である。
図3E図3Eは、実施形態による、図17の固定締付部材の拡大斜視概略図である。
図3F図3Fは、実施形態による、調節可能締付部材構造の拡大斜視概略図である。
図3G図3Gは、実施形態による、調節可能締付部材構造の拡大斜視概略図である。
図4図4は、実施形態による、インサータ上にロードされた図1に示すロック縫合構造の側面概略図である。
図5図5は、実施形態による、アンカーを介して骨穴に移植された図1に示すロック縫合構造の側面概略図である。
図6図6は、実施形態による、図5に示す組織の周りに締付部材を通って進む制御ラインの斜視概略図である。
図7図7は、一実施形態による、縫合材料に形成されたロックループの斜視概略図である。
図8図8は、実施形態による、締付部材が縮小された図7のロック縫合構造の斜視概略図である。
図9図9は、実施形態による、図7のロックループを通って進む縫合材料の第一の端部および第二の端部の斜視概略図である。
図10図10は、実施形態による、図9に類似のロック縫合構造の拡張斜視概略図である。
図11図11は、実施形態による、組織に近位に近接した縮小された締付部材の斜視概略図である。
図12図12は、実施形態による、ロックループが縮小された図11のロック縫合構造の拡張斜視概略図である。
図13図13は、実施形態による、図12のロック縫合構造の上部斜視概略図である。
図14図14は、実施形態による、アンカーに向かって回転された締付部材およびロックループの斜視概略図である。
図15図15は、実施形態による、図14のロック縫合構造の上部斜視概略図である。
図16図16は、一実施形態による、切り取られた第一の端部および第二の端部の余分な部分を有する図14のロック縫合構造の斜視概略図である。
図17図17は、代替的な実施形態による、固定締付部材を通過する糸通しを有するロック縫合構造の斜視概略図である。
図18図18は、代替的な実施形態による、糸通しのひも穴を通って引き出された制御ラインの斜視概略図である。
図19図19は、代替的な実施形態による、固定締付部材を通して制御ラインを引く糸通しの斜視概略図である。
図20図20は、代替的な実施形態による、固定締付部材を通して制御ラインを引くことによって作成されるロックループの斜視概略図である。
図21図21は、代替的な実施形態による、締付部材としてのロックスプライス構造を有するロック縫合構造の上部斜視概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号が全体の同様の部品を参照するが、図1には、摺動可能に取り付けられた縫合アンカー2を有するロック縫合構造10の例示的実施形態が示されている。本明細書で説明する例示的実施形態におけるロック縫合構造10の目的は、例えば図14に示すように(以下でさらに説明)固定サイズおよび張力を有する固定ループ30を介して組織18に対する相対位置に縫合アンカー2を固定することである。ここで、縫合アンカー2は第一のボディ(B)を表すことができ、組織18は第二のボディ(A)を表すことができる(例えば、図15を参照)。
【0015】
複数の実施形態によれば、ロック縫合構造10が調整可能な(例えば、スライド可能な)方法で第一のボディ(B)に取り付けられ得る限り、第一のボディ(B)は、図1および図2に示されるような縫合アンカー、手術ボタン(ACL修復などで使用)、または烏口突起などの骨(例えば、骨から骨へ、または骨から軟組織への固定で使用する場合)であり得る。図1の図示の実施形態では、例えば、縫合アンカー2は、Y-Knot(登録商標)アンカーなどの全縫合アンカーであり得る(本開示のレビューと併せて当業者によって理解および認識されるべきである)。図2に示される代替実施形態では、縫合アンカー2は、Revo(登録商標)アンカーまたはCrossFT(登録商標)アンカーなどの剛性縫合アンカーとすることができる(本開示のレビューと併せて当業者によって理解および認識されるべきである)。同様に、第二のボディ(A)は、例えば図14に示されるように軟組織、または腱、骨ブロック、または鎖骨などの骨であり得る。(本開示のレビューと併せて当業者によって理解および認識されるべきである)。これらの実施例にかかわらず、本明細書に記載のロック縫合構造10の実施形態の構造、構成、使用および機能は、第一のボディ(B)および第二のボディ(A)の細目に依存しない。別の方法として、第一のボディ(B)および第二のボディ(A)は任意の二つのオブジェクトとすることができ、ロック縫合構造10は一般的に、本明細書に記載されるように同じ方法で構造、構築、および機能とすることができる。
【0016】
図1を再び参照すると、ロック縫合構造10は、第一の端部またはストランド12および第二の端部またはストランド13を有するある長さの縫合材料6を含み得る。示されるように、縫合材料6は、縫合材料6の第一の端部12と第二の端部13は、好ましくは、長さが比較的等しく、平行であるように、制御ライン11のループ8通過し、次いで縫合アンカー2を通過し得る(図1の右から左へ)。代替として、任意の同様の機器(またはユーザの指など、機器をまったく使用しないで)を制御ライン11の代わりに使用して、縫合材料6に形成された輪7を把持するまたはつかむことによって(例えば、図1図2図4図5図6図7図8図9図10図11図17図18図19図21に示す輪7を参照)、本明細書および以下で説明する制御ライン11の全ての機能(グリッパー、フック付きデバイス、または本開示のレビューと併せて当業者によって理解されるべき他の任意の把持または把持デバイスなど)を実行することができる。
【0017】
ロック縫合構造10はまた、固定または調節可能であり得る締付部材を含むことができる。以下でさらに説明し、図に示すように、締付部材の実施形態のそれぞれは、縫合糸6および制御ライン11または糸通し21の他の部分が通る構造的交差構造の一部として形成される。各締付部材の実施形態は、ユーザ、すなわち医療専門家によって決定される最適な位置に、固定ループ30に沿って移動/その周りに回転する構成される(例えば、図12の締付部材の位置決めを図14と比較し、図13の締付部材の位置決めを図15と比較する)。一方、固定ループ30は、好ましくは、第一のボディ(B)および第二のボディ(A)の周りに固定されたサイズおよび張力を維持する。締付部材は、図3A~3Bに
示すような調節可能なロックスプライス/締付部材20、図3C図3Dに示すような代替の調整可能な締付部材20’、図3Eに示すような固定された締付部材20’’、図3F図3Gに示すような別の代替の調整可能な締付部材20’’’、または他の同様の囲まれた境界コンポーネントとして形成することができる。(この開示のレビューと関連して当業者によって理解および認識されるべきである)。
【0018】
図3A図3Bを参照すると、調節可能な締付部材20の概略表現が示されている。調節可能締付部材20は、それ自体が一方向または他方の方向に通過する縫合材料6(または部分4)の第二の端部13によって作られるループで形成される。図3Aに示す実施形態は、第二の端部13が、調節可能な締付部材20によって形成される穴のサイズを収縮させるために、右に移動する(引っ張られる)ように構成される。図3Bに示す実施形態は、部分4’が、調節可能な締付部材20によって形成される穴のサイズを収縮させるために、右へ移動するように構成される。調節可能締付部材20は、締付部材の使用および機能を図示する特定の例示的な図で使用される締付部材の実施形態であり、これは以下にさらに詳述される。
【0019】
図3C図3Dを参照すると、ロックスプライス20’の概略表現が示されている。ロックスプライス20’は固定締付部材であり、ある長さの中空円形の縫合の壁の空隙25の間の中空の円形縫合糸23のセグメントで形成される。
【0020】
図3Eを参照すると、別の固定締付部材20’’の概略図が示されている。固定締付部材20’’は、平坦な編組み縫合材料24のセクション間の中空円形の編組み縫合材料23の断面で形成される。
【0021】
図3F図3Gを参照すると、別の調節可能な締付部材20’’’の概略表現が示されている。調節可能締付部材20’’’は、平坦な縫合材料24のセクション間の円形の縫合材料23の断面を通過する縫合材料6の第二の端部13によって作られるループで形成される。調節可能締付部材20’と同様に、調節可能な締付部材20’’’の周囲は、縫合材料の糸片、つまり、糸状のリム4または第二の端部13のいずれかが引かれた時に、縮小する。
【0022】
ここで図4を参照すると、縫合アンカーインサータ14にロードされたロック縫合構造10の例示的実施形態が示されている。縫合アンカー2は、第一の端部12がインサータ14の第一の側にあり、第二の端部13がインサータ14の第二の側にあるように、Y-Knot(登録商標)インサータなどのインサータ14にロードされる。(本開示のレビューと併せて当業者によって理解および認識されるべきである)。描かれた実施形態では、インサータ14、縫合アンカー2、およびロック縫合構造10は、骨設置前位置および構成で示されており、制御ライン11および第一の端部12の両方がインサータ14の第一の側にある。しかしながら、この位置および構成では、制御ライン11は、代替的に第二の端部13とともにインサータ14の第二の側にあり得る。
【0023】
ロック縫合構造10がインサータ14上にロードされると、インサータ14は、図5に示すように、骨16に形成された骨穴26内に縫合アンカー2を移植するために使用され得る。例示的実施形態では、縫合アンカー2は、縫合材料6の第一の端部12および制御ライン11が組織18の第一の側にあるように、骨穴26内に配置される。上述のように、制御ライン11は代替的に、縫合材料6の第二の端部13とともに組織18の第二の側にあり得る。
【0024】
図6図16は、ロック縫合構造10を使用して、縫合アンカー2と組織18との間の相対距離を変更および固定するステップを描写するものである。第一に、図6では、制御
ライン11は締付部材20を通過する。図示した実施形態に示すように、制御ライン11は、組織18の上方に位置付けられた第二の端部13上に形成される締付部材20を通して供給される。次に、図7に示されるように、制御ライン11およびループ8および縫合材料6の一部は、締付部材20を通して完全に引っ張られ、締付部材20を通して引っ張られた縫合材料6の部分でロックループ15を作成する。ロックループ15の周囲が制御ライン11の継続的な引っ張りによって成長するにつれて、締付部材20は組織18に向かって移動するように構成される。
【0025】
明瞭にするために拡張されたものが示されているが、図7の締付部材20は、図8に示すように、(図8に示すような上向きの方向で)第二の端部13の引張りに基づいてロックループ15の周りに実際にタイトであることが好ましい。次に、ここで図9を参照すると、縫合材料6の第一の端部12および第二の端部13は、ロックループ15を通過する。図10は、第一の端部12およびロックループ15を通って引かれた第二の端部13を図示したものであり、締付部材20は、参照構成要素のそれぞれの位置付けの明瞭化のために拡張した構成で示されている。
【0026】
ここで図11を参照すると、第一の端部12および第二の端部13は、以前拡大されたロックループ15を通過し、上述のように締付部材20を組織18に対して移動させる。図12および図13に示すように、締付部材20が組織18に近接していて、第一の端部12が引かれてロックループ15の周囲を最小周囲に縮小させる。ロックループ15が縮小すると、ロックループ15は、最小作動周囲を得るために、第一の端部12および第二の端部13を圧迫、挟み込み、または「絞め」る。(ここで、例えば、ロックループ15の内側表面は、好ましくは第一の端部12および第二の端部13に完全に接触し、それらに圧力を加える、および/またはロックループ15の内側表面は、1’と2’が別々に/個別に引っ張られた場合、それらが、締付部材20を通過して自由にまたは簡単に移動/スライドしない点まで絞られる。例えば、図3Dを参照。この開示のレビューと併せて、当業者によって理解されるべきである)。ロックループ15が最小作動周囲を有するまで、(第一の端部12の引張により)ロックループ15を縮小させながら、引張りは制御ライン11上に維持されることが好ましい。ロックループ15が最小作動周囲に達すると、固定ループ30は、そのサイズおよび張力を第一のボディ(B)および第二のボディ(A)の周りに維持するように構成される。
【0027】
図14図15を参照し、ロックループ15が最小周囲に到達した後に第一の端部12が連続的に引っ張られると、締付部材20は、縫合アンカー2に向かって移動/回転し始めるよう構成される(一方で、固定ループ30は、そのサイズと張力を維持するように構成されていることが好ましい)。図14図15に示すように、図12図13と比較して、縫合アンカー2またはユーザが決定できる他の最適な場所に近接するまで、締付部材20が(図12および図13に示される位置から)組織18の周りを移動/回転するように、第一の端部12を引くことができる。第一の端部12が引かれる間、位置決めループ40が小さくなる(図13図15と比較)。締付部材20は比較的大型の構造であることができ、ユーザは患者へのより少ない炎症位置において、(骨穴26内で)第一のボディ(B)に向かって締付部材20を移動させることを好んでもよい。最後に、第一の端部12および第二の端部13からの余分な縫合材料6を、骨16の近くで切り取って、図16に示される骨設置後位置および構成において、組織18(第二のボディ(A))および縫合アンカー2(第一のボディ(B))を囲むロック縫合構造10の最終結果を生成することができる。従って、組織18は、ロック縫合構造10によって縫合アンカー2に対する位置に保持される。相対位置は、最終的に二つのループ、固定ループ30および位置決めループ40で固定される。固定ループ30は、組織18(第二のボディ(A))を縫合アンカー2(第一のボディ(B))に対する相対位置に保持する。一方、位置決めループ40は、炎症や外傷が軽減されるように、締付部材20を望ましい位置に保持する。
【0028】
しかしながら、締付部材20が、組織18および縫合アンカー2に対して望ましくないまたは非最適な位置に移動または回転する場合、ロック縫合構造10を、第一の端部12および第二の端部13が切断されていない限り、再配置することができる。ロック縫合構造10を再配置するために、制御ライン11が引かれ、締付部材20が縫合アンカー2から離れて移動/回転し、組織18に向かって戻る。締付部材20が移動/回転すると、ロックループ15の周囲は成長する(本質的に上記参照されたステップを逆順序で実行する)。これにより、ロック縫合構造10は、望ましい領域、例えば、締付部材20が周囲の組織または骨に対する炎症または外傷を引き起こさない領域に再配置することができる。代替的な実施形態によれば、第二の端部13は、この段落で考察したものと同じ結果を得るために、制御ライン11の代わりに引かれ得る。
【0029】
図17図20に示される代替実施形態では、図示されたロック縫合構造10’の締付部材は調整可能ではなく、代わりに、糸通し21と組み合わせて使用される、固定された締付部材である(例えば、図3Eに示す固定された締付部材20’’)。
【0030】
図18の隣を参照すると、糸通し21は、固定締付部材20’’の中空セクション23を通して挿入されて示されている。糸通し21のひも穴22は、固定締付部材20を通って延びる。図示した実施形態に示されるように、制御ライン11は糸通し21のひも穴22を通って引かれる。その後、図19を参照すると、制御ライン11を保持するひも穴22が、固定締付部材20を通して完全に引かれるように、糸通し21は固定締付部材20から引き離される。図8に示し説明したように、図20は、ロックループ15を作り出すために締付部材20を通って引かれた制御ライン11を図示する。図8~16に関連して示され説明したステップは、固定締付部材20’’の代替的な実施形態に等しく適用される。
【0031】
図3C図3Dを再び参照すると、ロックスプライス20’締付部材構造に関する代替的な実施形態が示されている。図21は、この代替的実施形態による、ロックスプライス20’を使用したロック縫合構造10’’の上面斜視概略図を示す。図示した実施形態では、第二のボディ(A)は、第一のボディ(B)に対する第一の位置にある。図示した通り、第一の端部12と第二の端部13の両方は、ロックループ15を通して引かれた。
【0032】
図3Cを再び参照すると、ロックスプライス構造20’の拡大図が示されている。図示した実施形態では、ロックスプライス構造20’は、第四のリム4’に形成され、これは図1に示され、図21にも示されているものと類似した縫合材料6の第二の端部13に形成される。ロックループ15は、ロックスプライス構造20’を通って延びる、第一のリム1’および第二のリム2’を有する。加えて、ロックループ15を通過した縫合材料6の第一の端部12は、第二のボディ(A)について、第一のリム1’および第二のリム2’と同じ側の第三のリム3’としてロックスプライス構造20’を通って延びる。第四のリム4’は、第二のボディ(A)の反対側に示される縫合材料6の唯一の部分である。最終的に、ロックループ15の周囲が最小作動周囲まで縮小されると、第一のリム1’および第二のリム2’は、ロックループ15が、図3Dに示すように、第三のリム3’と第四のリム4’にしっかりと巻き付けられるまで、ロックスプライス構造20を通して引っ張られる。図8図16に関して示され説明したステップは、ロックスプライス20’の代替的な実施形態に等しく適用される。
【0033】
本発明の実施形態は、特定の例示的実施形態を参照して特に示され、説明されたが、記載された説明および図面によって支持され得る請求項によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、細部におけるさまざまな変更がもたらされ得ることを、当業者には理解されるであろう。さらに、例示的実施形態が特定の数の要素を参照して説
明される場合、例示的実施形態は、特定の数の要素以下のいずれかを利用して実施され得ることが理解されよう。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図19
図20
図21